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(概要)(PDF文書)
Green, and More
再生可能エネルギー利用簡易調査の報告
(平成24年度豊岡市スマートビレッジ調査報告
平成24年度豊岡市スマートビレッジ調査報告)
平成24年度豊岡市スマートビレッジ調査報告
備前グリーンエネルギー株式会社
平成25年6月1日
Green, and More
1.
2.
3.
4.
調査地域
各地域での再生可能エネルギー可能性調査
まとめ
今後の検討事項
Copyright © 2013 bizen-greenenergy All rights reserved
2
1.調査地域
豊岡市
畑上
世帯数及び
人口
44世帯
120人
豊岡市
土渕
日高町
万劫
74世帯
222人
17世帯
57人
④
出石町
奥山
12世帯
18人
⑤
但東町
坂津
18世帯
54人
番号
①
②
③
地域
特記事項
過去に小水力発電が行われており、「港かる
た」に記載されている
小水力発電の水路跡が残っている
中筋小学校前に用水路あり
過去に水車が設置してあった
区より小水力の要望有り
水量豊富
県小規模集落元気作戦モデル地区
ゲストハウスを利用した「スマートビレッジ構
想」がある
チクタク路線(地域タクシー)がある
但東過疎地域戦略プロジェクト地域
区では地域づくりの話合いが行われており、
その中で小水力利用の意見が出る
3
2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
①豊岡市畑上(地域の状況)
地域の特徴
・過去に小水力発電が行われていた
・旧水力発電小屋や水路跡が残っている
・国の天然記念物である「畑上の大トチノキ」が有名
水力発電跡
取水口跡
水路跡
水源(毎分1t)
過去に水力発電で使用していた水路は壊れているため使用できない
小水力発電導入新設のために、上流に取水口を設置し、新しく配管を設置した場合
⇒膨大な費用が必要となる
4
2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
①豊岡市畑上(再生可能エネルギー導入案)
導入費用および採算性
事業提案
旧水力発電小屋をエネルギーの体験ができる環境体験施設として、
生まれ変わらせる.
小水力発電設備、LED照明、薪ストーブの導入
昔の水力発電の資料や再生可能エネルギーに関する資料を展示
メーカーの水力発電設備は導入費用が高くなるため、
採算性が合わない
⇒例)中嶋久幸氏(日高町羽尻)の自作水力発電機を導入
・概算導入費用423万円
万円
(発電装置
発電装置 約13万円
万円 配管・工事費410万円
万円)
配管・工事費
万円
(※配管径・材質が不明なため、配管・工事費は概算)
・環境体験施設のため、経済性は考慮しない
・環境体験施設の設立により、地域活性化につなげる
・売電について
自作水力発電装置のため、効率や耐久性が不明である
一般に売電可能なマイクロ水力発電装置の必要最小水量は
0.02m3/sであるため、水量が足りない
自作水力発電機(中嶋氏製作)
課題および要検討事項
・小水力発電による騒音や振動の対策
・小水力発電装置や配管の設置に関して地元との協議が必要
・中嶋氏へ協力依頼
・水源の正確な水量確認
・水力発電小屋の改修費用が必要
水量 毎分1t(0.016m3/s)
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2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
②豊岡市土渕(地域の状況)
地域の特徴
・中筋小学校前に農業用水路がある
・過去に水車が設置され、小学校の池への給水用と環境学習として利用
・流量は多くないが安定的(上流で調節)
水量が安定しているため、
勾配の小さい水路で使用可能な小水力発電装置を検討
6
2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
②豊岡市土渕(再生可能エネルギー導入案)
事業提案①
導入費用および採算性
・環境学習用としてピコピカ(発電能力3~10W)を設置
→LED照明などを点灯
・小学校の太陽光パネルなどと合わせて、市の取り組みとして展示
パネルを作成
事業提案②
・マイクロ水力発電機BEST AQUA(100W~ 150W)を設置
・小学校の芝生の散水用として発電した電力を利用し、水路の水も
散水用として利用
・提案①と同様に環境学習にも利用
提案①の選定機器
・概算導入費用10万円弱
万円弱(ピコピカ
セット82,500円
円)
万円弱 ピコピカ 1セット
セット
・採算性はないが、安価で環境学習の場が提供できる
導入費用および採算性
・概算導入費用640万円程度
万円程度
・散水にかかる水道代の軽減を見込めるため、長期的には採算が
取れる可能性がある
・売電を行った場合、年間収入約4万円単純回収年数は約160年。
提案②の選定機器
課題および要検討事項
BEST AQUA (三菱電機社製)
・提案②の場合に散水利用や発電利用の手続き
(農業用水の目的外利用)が煩雑
・散水にかかる手間が増える
・発電機のメンテナンス等に費用や手間がかかる
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2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
③日高町万劫(地域の状況)
地域の特徴
・スキー場に近い豪雪地帯
・農業用水路があり、水量は少ないが流量が安定している
・GIS調査によると風況が良い
通年で一定の水量があるが、
使用用途が現在のところ街路灯照明であり、費用対効果が低い
豪雪地帯でありメンテナンスが困難
稲葉川からの分岐部分(農業用分岐前)
稲葉川からの分岐部分(農業用分岐水路)
(水路幅 約60cm 水深 30cm 流速:3m/s 程度)
(水路幅約 50cm、水深 約 10cm、流速 3m/s 程度)
水路(配水口)
※参考:栗栖野地区水路
(水深 30cm 通年で水量安定 防火用、野菜洗い用に利用)
8
2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
③日高町万劫(再生可能エネルギー導入案)
再生可能エネルギーの活用方法提案
・水力発電には課題が多い
水量が少なく売電には不十分、積雪時の管理が困難
観光地なので昔ながらの利用法展示などは検討可能
・風力発電は雪に強くメンテナンス等もほとんどいらない
翌年度以降、地域主導で風力発電の可能性調査を行う
・小型風車(5kW×4台)を導入し、売電を検討
課題および要検討事項
費用および採算性
・小型風車(5kW×4台)を導入し売電を行った場合は採算性が合わない
概算導入費用1,600万円
万円(400万円
万円/台
概算導入費用
万円
万円 台)
売電収入 約26.2万円
万円
年間発電量 11,916kWh(2,979kWh/台
台)
(※
※年間平均風速4m/sとして計算
として計算)
年間平均風速
として計算
補助事業の採択を受ければ地域の資金面での負担なく、調査が可能
環境省
『地域特性を考慮した再生可能エネルギー事業形成推進モデル事業』
地域特性を考慮した再生可能エネルギー事業形成推進モデル事業』
・風況調査などの詳細な調査を行うべき
・補助事業の採択件数が少なく、採択されるかどうかが不明確
風レンズ風車(発電能力 5kW)
風力発電候補地
再生可能エネルギー導入ポテンシャルマップ 環境省
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2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
④出石町奥山(地域の状況)
地域の特徴
・山間の豪雪地帯
・小規模集落元気作戦等で地域おこしに積極的
・ログハウスやゲストハウスを利用した「スマート・ヴィレッジ構想」がある
水路上流
水路
水量が少なく、また豪雪地帯であるため水力発電設備を設置した場合の
メンテナンスについても懸念が残る
発電を行うとしても規模的に売電で収益が見込める水量はない
ログハウス建設検討地
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2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
④出石町奥山(再生可能エネルギー導入案)
事業提案
・ログハウス設計に水力発電、太陽光などの再生可能エネルギー利用を盛り込む
・ログハウスの設備を省エネ設計にし、再生可能エネルギー利用と併せて光熱費を削減
→国土交通省「住宅・建築物省CO2先導事業」の活用、最大で設備費・工事費の1/2補助
・運営については北海道厚沢部町の『ちょっと暮らし』住宅の取り組みを参考とする
費用および採算性
・導入費用はログハウスの建築費予算のうち、再エネと省エネの機器に使える金額次第
・水力発電設備(発電能力 1kW)を導入する場合、導入費用が約1,150万円
万円
・採算性の判定はログハウスの建築計画等にもよる為、現時点では判定不能
課題および要検討事項
・水力発電設備以外の再生可能エネルギーを含めた詳細設計が必要
小水力発電
太陽光発電
ペアガラス
水力発電機設置イメージ図
ヒートポンプ給湯
蓄電池
快適な省エネ住宅で光熱費を抑制
シンフォニアテクノロジー株式会社製
小型水力発電機:1kW
11
2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
⑤但東町坂津(地域の状況)
地域の特徴
・砂防ダムがある
・河川の流量も多くないが安定的、落差が取れる
・過疎地域である
水路
水路
砂防ダムがあり、年間を通じて一定以上の水量が見込める
流量は年間を通じて安定しているということであるため、
5kW 程度の設備を設置することは可能である
砂防ダム付近
12
2.各地域での再生可能エネルギー可能性調査
⑤但東町坂津(再生可能エネルギー導入案)
事業提案
・過疎債を利用してマイクロ水力発電装置(発電能力 5kW)を設置
・管理は市から地元に委託
・発電した電力は全量売電
費用および採算性
・概算導入費用1,490
1,490万円
1,490万円+
万円+系統連系費用
→うち70%は過疎債で充当
・売電収入概算109万円
万円/年
売電収入概算
万円 年
・地元に管理費用を支払っても、採算性が確保できる可能性大
A地点付近で取水し導水
坂津研修センター付近で発電
課題および要検討事項
・地域の意向が不明である
⇒利用方法・事業主体の検討が必要
マイクロ水力発電装置(デンヨー株式会社)
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3. まとめ
地域
①豊岡市畑上
再生可能
エネルギー
水力
(ピコピカ)
水力
風力
水力
水力
(マイクロ水力発電)
(マイクロ水力発電)
(風レンズ風車4台)
(マイクロ水力発電)
(マイクロ水力発電)
発電能力
不明
3W~ 10W
100W~ 150W
最大1kW
最大5kW
1,490万円(系統連系)
1,290万円(自家消費)
過疎債活用の場合
採算性有り
水力
②豊岡市土渕
③日高町万劫
最大20kW
(5kW×4台)
④出石町奥山
423万円
8万円~
(自家消費)
(自家消費)
約640万円
(自家消費)
約1,600万円
(系統連系)
1,156万円
(自家消費)
採算性
採算性低い
採算性低い
採算性低い
風況調査が必要
採算性低い
利用用途
自家消費
環境学習
環境学習
散水利用
売電や融雪利用等
調査が必要
ログハウスで自家消費
地域おこし
導入費用
メリット
デメリット
課題・
検討事項
・オフグリッドな環境体験 ・低予算で小学校や地 ・環境学習として、利用で ・観光地でのイメージアップ
・ランニングコストの減少
施設を検討
域の方への環境学習 きる
・補助事業の採択を受けること ・地域おこしへの効果が期待
⇒地域活性化につながる の場が提供できる
・散水用を行うことで、水 で、地域の実質負担なく採算性 できる
道料金を節約することが や事業性検討、事業化へ向け
できる
ての地域の主体作りが可能
⑤但東町坂津
※地区と検討
売電(採算性を確保)
・小水力発電設備が地域のシ
ンボルになる
・過疎債を利用することで実
質負担を抑えることが可能
⇒採算性を確保できる
・環境体験施設の管理者 ・定期的な清掃等が必 ・導入費用が高額
・機器を導入した場合の採算性 ・再生可能エネルギー導入に ・定期的な清掃等が必要
が必要
要
・散水利用についての水 の確保は難しい
より費用が増加
・騒音・振動が発生
利権等の手続きが必要
・散水用ポンプの選定や
購入費など必要
地域の意向を確認する必 メンテナンスを含めた ・散水利用を行う場合、 補助事業の採択件数が少なく、 ・実施主体を検討する
地域の意向が不明
要がある
管理運営が課題である 水利権の取得等、手続き 採択されるかどうかは不透明 ・他の再生可能エネルギーを ⇒利用方法・事業主体等につ
が煩雑である
である
含めた詳細設計が必要
いてさらに検討が必要
・メンテナンスを含めた管
理運営が課題である
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4. 今後の検討事項
地域における再生可能エネルギー普及に向けて
・再生可能エネルギーに関する勉強会の開催
導入機器や導入プロセス、資金面を含めた地域の負担や取り組みについて知識を深めていただく
・再生可能エネルギ―導入の目的を明確化
・再生可能エネルギ 導入の目的を明確化
再生可能エネルギーの導入が目的ではなく、発電した電力の利活用方法を明確化する
・地域・地元主体での事業化
再生可能エネルギーの導入は長期間に渡り維持管理が必要となるため、再生可能エネルギー設備の導入を市に任せる
のではなく、資金面を含めて地域主体で進めていくことが望ましい
・地域に根ざした再生可能エネルギーの導入
国の補助事業を活用し、地域の特性に応じた再生可能エネルギー等の利活用及び、環境負荷の低減や地域活性化等に
つなげていく
(補助事業例)
「地域に根ざした再生可能エネルギー等のべストミックスのコーディネートによる環境負荷の低減・地域活性化の推進(国土交通省)」
「地域特性を考慮した再生可能エネルギー事業形成推進モデル事業(環境省)」
・事業開始期間
平成24年からの3年間は買取価格のプレミアム期間
売電による事業化を検討した地域については、その期間中の事業開始を検討する
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