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トマム地区の方向性【最終案】

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トマム地区の方向性【最終案】
資料3
トマム地区の方向性【最終案】
1 地区の概要
(1)歴史と人口の推移
占冠村は、明治33年に植民地区画が策定され、明治35年に入植が始まり、大正8年の
2級町村制施行により南富良野村と組合役場を幾寅に設置し、昭和7年の分村で占冠村とな
りました。
開村以来、農業、林業を基幹産業として発展し、昭和35年の国勢調査ではトマム地区の
人口は892人(村全体で4,705人)となりましたが、昭和40年に入ってから離農離
村や林業の衰退により過疎化が進み、昭和55年の国勢調査ではトマム地区の人口は124
人(村全体で1,601人)となっています。
昭和57年からトマム地区で大型観光開発である「石勝高原総合レクリエーション施設」
(現在のトマムリゾート)の建設が民間主導で行われた影響で、平成2年の国勢調査では、
トマム地区の人口は1,350人(村全体で2,721人)と大幅に増加しました。
しかし、リゾート開発の終了とともに人口は減少傾向に転じ、その後、リゾート開発主体
の破産や、道東自動車道の工事終了の影響もあり、人口減少に歯止めがかからず、平成26
年11月末現在のトマム地区の人口は343人(村全体で1,187人)となっています。
かつては交通事情の不便な地でしたが、昭和56年の石勝線開通や、主要道道の整備に加
え、平成19年に道東自動車道トマムインターチェンジ(IC)-十勝清水IC間が開通、
平成21年に占冠IC-トマムIC間が開通するなど交通条件は大きく改善されています。
人口の推移
5,000
(出典:国勢調査、住民基本台帳)
4,705
トマム
4,000
占冠村
2,848
3,000
2,721
1,804
2,000
2,104
2,097
1,601
1,873
1,819
1,394
1,350
1,000
892
456
796
691
196
124
S50
S55
758
1,218
618
322
373
H22
H26.12
0
S35
S45
S60
H2
H7
H12
H17
(2)トマム地区の人口等(平成 26 年 12 月末住民基本台帳) ※括弧は外国人を除いた場合の数値
人口
世帯数
0 歳~14 歳人口
15 歳~64 歳人口
65 歳以上人口
46人
373人
248世帯
39人
288人
(315人)
(193世帯)
( 38人)
( 231人)
高齢化率
12.3%
( 46人) (14.6%)
(3)主な施設等
トマムコミュニティセンター、地域カフェ「ミナ・トマム」
、星野リゾート トマム、
小中学校、保育所、簡易郵便局、役場トマム支所、JRトマム駅、高速道路IC
1 / 6
(4)交通機関(トマム地区関連)
○ 村営バス:トマム線 営林署前~幾寅駅前 1日2便
上トマム~幾寅駅前 1日1便
○ むらびと交通(平日の午前8時から午後4時まで予約制で運行)
・利用条件:自身で乗降できる方で事前登録された方。65 歳以上の村民など各種利用条件
あり。利用前日の午後4時までに運行事業者への予約が必要。
・行 き 先:村内、富良野市、南富良野町、旭川市、帯広市、清水町、新得町、旧日高町
○ 過疎地有償運送
・利用条件:公共交通機関等を利用して単独で移動することが困難な方で会員登録された
方。要介護・要支援の認定を受けている方などの利用条件あり。
・行 き 先:村内、日高町、帯広市、南富良野町、富良野市、中富良野町、上富良野町、旭川市
○ 買い物車両(火曜日と金曜日に予約制で運行)
・利用条件:利用前日の午後3時までにトマム支所への予約が必要。
・行 き 先:トマム支所発→占冠・中央地区の商店(帰りは村営バス)
○ JR:札幌→トマム→帯広・釧路 1 日 11 便
帯広・釧路→トマム→札幌 1 日 10 便
(5)地区の主な産業
○ 農業(※トマム地区の販売農家の状況、平成 26 年 4 月末時点)
・戸数 4戸(村全体 17戸)
・主な営農類型 畑作、肉牛、畜産
・経営面積 62.5ha(村全体の経営面積 564.9ha)
○ 観光
・星野リゾート トマム 雲海テラス 来場者数
2014 年度(10 月 12 日時点) 109,595 人
2006 年~2014 年度 累計来場者数(10 月 12 日時点) 500,837 人
※雲海テラス
トマム山のゴンドラ山頂である標高 1,088m に作られたテラスで、特有の立地と気象
条件が生み出す自然のイベント「雲海」を眺めることができる。
2 地区の課題(集落実態アンケート調査結果・地域の未来を語る会での意見等から)
<生活環境に関すること>
○ 買い物対策
平成26年度に地区内の商店が閉店したことにより、高齢者や自家用車など移動手段を
持たない方の買い物支援を検討していくことが求められます。
○ 交通手段の確保
生活交通である村営バスやむらびと交通については、社会状況の変化に伴い、時間や路
線など運行内容の見直しについて検討していくことが求められます。
また、平成25年度から休止している地区内のガソリンスタンドについて、アンケート
調査では必要性等に関し様々な意見が出されており、そのあり方等について検討していく
ことが求められます。
○ 医療の確保
アンケート調査では、今後のトマムに必要な取組として、医療体制の充実を求める回答
2 / 6
が比較的多くあげられており、今後も地域における適切な医療の確保を図っていくことが
求められます。
○ 高齢者等への支援
見守りや安否確認など今後の高齢者・障がい者支援に関し、トマム地区では行政による
支援のほか、近所の方による支援のニーズも高く、住民主体の支援を検討していくことが
求められます。また、商店の閉店によって高齢者等のコミュニケーションの場がなくなっ
ており、地域に高齢者等が交流できる場や機会を創出していくことが求められます。
○ 防災・防犯対策
災害による非常時においては、行政の対策だけでなく、自助や住民同士の共助が重要で
あるため、平常時からの災害への備えや災害時の体制づくりが求められます。
また、商店の閉店によって児童・生徒の見守りの場がなくなっており、地域における防
犯対策が求められます。
<地区の活性化に関すること>
○ 移住・定住対策
人口減少に歯止めをかけ、地区の活気を維持するため、村外からの移住・定住を促進す
ることが必要であることから、移住者を受け入れるための住宅や土地の確保、移住希望者
に向けた地域の魅力づくりや情報発信について検討が求められます。
○ 雇用の創出
移住・定住の促進を図るため、地域資源を活用した産業の創出や、恵まれた自然環境や
交通アクセスの良さなどを活かした企業誘致などによる雇用創出が求められます。
○ 住民交流の場の確保
平成26年度に地区内唯一の商店が閉店し、高齢者を中心に住民が交流できる場が減っ
たため、世代を問わず、住民が気軽に交流・活動できる場をつくり、地区の活気を維持し
ていくことが求められます。
○ 星野リゾート トマムと地域との関係の強化
交流人口の増加や定住促進、地区のPRなどを図るため、住民や村は、地域を代表する
企業である星野リゾート トマムとの関係を強化していくことが求められます。
3 地区のめざす姿(概ね10年後の理想)
(1)恵まれた自然環境を保全し、トマムに暮らす人たちが、住み慣れた地域で、いつまでも住
み続けたいと思えるような生活環境が確保された、安全で安心な地域を目指します。
(2)トマム地区が有する豊かな自然資源などの「場所の力」と、主体性や多様性、人のつなが
りなどの「人の力」を活かし、地区内外の多くの人たちが魅力を感じるような活気ある地
域を目指します。
4 今後の取組の方向
地域の課題に対応し、地区のめざす姿を実現するため、住民、行政と星野リゾート トマム
が協働・連携して以下の取組を進めます。
(1)住民が取り組むこと 【◎ 早期に取り組むこと
○ 中長期的に取り組むこと】
地域カフェの運営などを通し、以下の事項に取り組んでいきます。
3 / 6
◎ 住民同士による買い物支援
買い物が困難な住民に対し、地域の実情に柔軟に対応した、住民ならではの買い物支援
に取り組みます。
○ 地域における高齢者等への支援
トマムに存在する人のつながりや助け合いの精神を基に、住民主体による高齢者・障が
い者の見守りや安否確認などの活動の輪が広がるよう努めます。
また、交流の場づくりなど、高齢になっても、地域において心豊かで安心できる暮らし
が続けられるような高齢者等への支援に取り組みます。
○ 防災・防犯対策
地区の安全・安心を確保するために、防災知識等の習得、平常時からの災害への備えや
災害時の体制づくりなどに取り組みます。
また、児童・生徒の見守りなど、地域における自主的な防犯活動に取り組みます。
○ 地域の魅力発信・創出
トマムの魅力を村内外の多くの方に知ってもらうために、インターネットなど様々なツ
ールを活用した地域情報等の提供に取り組みます。また、トマムならではの地域資源を活
用したイベントを実施するなど、地域の魅力づくりに取り組みます。
○ 住民間交流の推進
地区の活気の維持や移住促進のため、町内会活動やイベントの実施などを通し、リゾー
ト従業員や新たな住民(移住者)などを含む住民間の交流推進に取り組みます。
(2)行政が取り組むこと 【◎ 早期に取り組むこと
○ 中長期的に取り組むこと】
トマム地区の特性を踏まえ、以下の事項に取り組んでいきます。
◎ 買い物対策の推進
食料品や日用品等を地区内で購入できない状況を解消するため、商店等の誘致活動に取
り組むほか、買い物支援に関する住民主体の活動を支援するなど、買い物対策に取り組み
ます。
○ 地域交通の維持・充実
村営バスやむらびと交通など、地域での生活に必要な交通手段の維持に努めるとともに、
今後の利用状況や社会情勢の変化に伴い、必要に応じ、住民意見を踏まえた内容の見直し
などを行います。
また、地区内のガソリンスタンドについては、買い物対策の推進状況や他の交通機関の
状況なども踏まえ、運営の可能性や方法等について調査・検討を行います。
○ 医療体制の維持・充実
住民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、安定的な医療の提供が不可欠
であるため、医師等の医療従事者の確保や医療機器の整備・更新など、医療体制の維持・
充実を図ります。
○ 高齢者・子育て支援の充実
訪問員による高齢世帯の見守り体制を維持するとともに、住民や団体・企業等と連携し
た見守り・安否確認に取り組みます。
また、保育所における保育サービスの充実化や地域子育て支援拠点の整備など、地域に
4 / 6
おいて安心して子育てができるよう支援の充実を図ります。
○ 防災・防犯対策の推進
地域防災計画に基づき防災事業を推進し、風雪害など災害の発生を未然に防ぎ、被害を
最小に止めるとともに、交通・通信の機能強化、防災施設・設備・物資の整備、防災知識
等の普及、自主防災組織への支援など、十分な災害予防を行います。
また、住民主体の防犯活動への協力や支援を行います。
◎ 移住・定住対策の推進
雇用創出や福祉、教育など各種施策の推進とともに以下の事項に取り組み、総合的な移
住・定住対策の推進を図ります。
・住宅・土地の確保
移住希望者向けの村有地の確保について検討を進めるほか、村内の空き家や空き地の情
報を希望者に提供する「空き家バンク」制度の運用などを通し、空き家等を活用した移
住・定住の促進を図ります。
また、住宅と合わせて、野菜づくりができる場を確保するなど、居住環境の魅力向上策
について検討します。
・移住促進に向けたPR等の実施
村外の方に村の魅力や生活を知ってもらう移住体験事業をPRするとともに、体験プロ
グラムや地域情報の提供などを充実し、シーズンステイや二地域居住など中長期の滞在
者の増加を図ります。
・地域おこし協力隊の採用
トマム地区の活性化に向けた住民活動を支援する地域おこし協力隊の採用に取り組み
ます。協力隊が採用された場合は、定住に向けたサポートや支援等を行い、地域への定
着を図ります。
○ 地域資源を活かした産業振興・雇用創出
豊かな森林資源を活かした木質バイオマスの導入・活用によるエネルギーの地産地消や
地域内の経済循環など、村が有する地域資源を活用し、関連産業の振興や雇用の創出を図
ります。また、道東自動車道に代表される村内の交通アクセスや通信インフラ、澄んだ
空気、水、冷涼な気候など、恵まれた自然環境や新規参入企業への優遇制度などを効果的
にPRし、企業等の誘致に努めます。
◎ 住民参加・参画の推進
「むらづくり」への住民の参加・参画を通し、住民一人一人が「むらづくり」に共感・
納得し、暮らすことに誇りを持てる村を実現するために、村の施策・事業について、村と
住民が情報共有し、その実施過程等において住民参加を推進する仕組みを検討します。
(3)星野リゾート トマムが取り組むこと 【◎ 早期に取り組むこと
○ 中長期的に取り組むこと】
トマム地区の活性化に向け、
「雲海テラス」に代表される地域資源を活かした魅力創出に
より一層の集客を図るとともに、日本有数のリゾート企業ならではの豊富なノウハウや人材、
ネットワーク等を活かし、以下の事項に取り組んでいきます。
◎ トマム地区住民との交流機会の増加
地区住民との相互理解を深めるための事業説明の実施や、トマム地区の地域活動への
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参加・協力などを通し、住民との交流機会の増加を図ります。
○ 住民活動・行政施策との連携強化
トマム地区における生活環境の改善など、トマム地区の維持・活性化に向けた住民や村
の各種取組に関し、協議のもと連携・協力に努めます。
○ 従業員の定住促進
村と協議・連携し、トマム地区をはじめとする村への従業員の定住促進に努めます。
○ トマム地区の魅力発信
リゾート区域外も含めたトマム地区の魅力に関する情報発信に協力します。
(4)各主体が連携して取り組むこと
上記の取組を進めるにあたっては、各主体が協調することが基本となりますが、以下の事
項については、取組の効果的な推進のため、各主体が互いに意見・情報交換や協議を行うな
ど連携を密にし、また、役割分担を行うなどしながら取組を推進していきます。
① 買い物対策
② 移住・定住対策
③ 地域の魅力発信
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