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株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー

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株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー
ダイワ投資情報マンスリー10月号
トップに聞く
トップに聞く
Top Interview
実は、
CAIJを設立する際、
CAIには100%子会社とし
ズに応えるため、
全国の会計事業所や銀行・証券会社か
て設立し、
私に社長をやらせたいという意向がありまし
ら顧客の紹介をいただき、
販売しています。
さらに、
近年
たが、
自分でビジネスをやりたかった私は反対し、
CAIが
ニーズが高まっているのが、
事業承継のための活用で
80%、
当社が20%出資する形を採りました。その後、
す。戦後まもなく設立されたオーナー系企業は、
経営者
CAIの経営陣が交代したことで、
経営方針が合わなくな
が高齢化してきており、
後継者に株式を譲りたいという
り、
話し合いの末、
私はCAIJの経営を退きました。そし
意向をお持ちの企業が多い。特に、
高収益企業の株価
て、
新生JIAとして、
CAIJで反対にあった、
コンテナよりも
は高く評価される場合が多いですが、
オペレーティング・
マーケットシェアが格段に大きい航空機リース事業への
リースを活用することで、
算定される自社株の評価を下
参入等により、
2014年9月に東証マザーズへの上場を
げることができます。
果たしました。結果として、
当社が飛躍するチャンスとな
りました。今年3月には、
当社はCAIJの全株式を取得し
■図表① 事業系統図
「日本型オペレーティング・リースの仕組み」
て子会社化し、
CAIとは業務提携を行い、
新たな関係を
築いています。
-御社のオペレーティング・リースは、
当社
(大和証券)
のお客
様にもご活用いただいております。
仕組みを教えてください。
-
航空機は、
ボーイングやエアバスの中型~大型新造機
ともなると、
一機当たり100~250億円します。航空会
社が全て自己所有している場合はまれで、
海外では一定
株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー
代表取締役社長 白岩 直人氏
高収益の中堅・中小企業に活用されているオペレーティング・リースを主力事業としているジャパンイ
ンベストメントアドバイザー。
既存の金融商品にとらわれず、
顧客にとって本当に役立つ商品・サービス
を追い求めてきた同社は、
金融・IT・人材を融合させた多様なサービスを提供する、
金融ソリューショ
ン企業に変革を遂げている。
「日本の金融界に一石を投じたい」
と語る代表取締役社長 白岩 直人氏
に、
オペレーティング・リースの動向や投資のメリット、
多岐にわたる新規事業についてお話を伺った。
期間リース会社から賃借する、
オペレーティング・リース(注)
が一般的です。
(注)
オペレーティング・リースとは、
中古市場が存在し、
将来の中古市
場で公正市場価格が見込まれる汎用物件に対して、貸手
(リース会
社)
が将来の中古価値を負担することにより、借手
(ユーザー)
にリー
ス期間中、
有利なリース料で該当物件を使用させる仕組みをいう。
当社が取り扱っている日本型オペレーティング・リース
当社の商品を販売いただいている提携先は、
2016
年6月末時点で全国の税理士・会計事務所98事務所、
地方銀行や証券会社等の金融機関36社です。
2014年
9月に東証マザーズに上場して以来、
知名度や信用力が
飛躍的に向上したことで、
提携先は拡大基調にあります。
(図表①参照)
も、
基本的にはオペレーティング・リース
と同じです。
当社は、
航空会社からリース事業を受注する
-御社が最初に手掛けたのはコンテナ・リースでした。
-
と、
100%子会社のSPC
(特別目的会社)を作り、
金融機
当社の設立前から、
私は、
コンテナ・リースが非常に面
関からリース物件価格の約70%を借り入れ
(ノンリコー
白いビジネスと感じていました。通常のオペレーティン
スローン契約
)
、
匿名組合出資という形で、
利益平準
グ・リースはファイナンス機能が主になりますが、
コンテ
(注)
-創業の経緯についてお聞かせください。
-
ザー
(JIA)
を設立。以前から付き合いのあった米コンテ
化ニーズがある中堅・中小企業など日本の法人から約
ナ・リースには物流の偏りを埋めるという実業面のニー
私は、
1985年株式会社三和銀行
(現 株式会社三菱
ナ・リース専業大手CAI International, Inc.
(ニューヨー
30%出資を頂き、
機体を購入します。
当社は各案件組成
ズもあるからです。
東京UFJ銀行)
に入行し、
法人営業や融資の審査、
海外
ク証券取引所上場)
の創業オーナーから日本進出をした
のアレンジを行っています。
この仕組みを活用すること
コンテナはモノを輸送するのに使用する大きな箱で
業務に携わりました。
数多くの企業に触れ、
経営者とお会
いというお話をいただき、
2007年には、
CAIJ
(カイジェ)
で、
航空会社は借り入れを行わずにすみ、
財務内容の悪
す。ISOで国際的に規格化されているため、
タイムリー
いしたことが、
今の事業につながっています。
1997年、
株式会社をCAIと合弁で設立しました。
化につながりません。
に、
正確に、
安価にモノを運ぶのに役立っており、
物流に
革命を起こしたと言われています。物流は偏りが大きく、
行内の公募制度に手を挙げて、
米国のサンフランシスコ
主力事業のオペレーティング・リースは、
全国の高収
支店に転勤しました。米国の最先端の金融を生で体験し
益の中堅・中小企業にご活用いただく仕組みです。
オペ
たかったのです。米国金融を目の当たりにして、
私は、
日
レーティング・リースから事業を開始することで、
こうし
本では金融機関の経済への貢献が米国に劣っていると
た優良企業を顧客に持つことができ、
新たな金融サー
感じ、
いつか自分で日本の金融界に一石を投じて、
新た
ビスの展開につながるのではないか、
という思いがあり
一方で、
出資をした法人は航空機の減価償却を行う
やリースすれば、
そのまま置いてくることができる。
リー
な金融サービスを提供する会社を立ち上げたいと思う
ました。
ことで、
利益の圧縮効果を得ることができ、
課税所得の
ス会社は世界中の船会社と付き合いがあるので、
コンテ
繰り延べ効果により、
将来に備えて内部留保を高めるこ
ナを北米から南米、
あるいは、
大西洋を越えてヨーロッパ
ようになりました。
(注)
ノンリコースローン契約とは、返済原資を借入人(リース事業
営業者)
が保有する特定の資産から生ずる将来のキャッシュ・フロー
(リース料や資産の売却代金を含む)
に限定し、借入人の他の資産
に訴求させないローン契約のこと。
例えば、
100のモノをアジアから北米に運んだとして、
北
米からアジアに運ぶのが80だと20のコンテナを空のま
ま持ち帰ることになります。
ところが、
コンテナをレンタル
その後、
2002年に同行を退職し、
BNPパリバ傘下の
-白岩社長がビジネスに携わっていらっしゃった中で、
転機だ
とができます。
また、
将来の適切な設備投資計画や安定
などへの輸送に用いることで、
効率的に運用ができます。
米商業銀行バンク・オブ・ザ・ウエストを経て、
日本帰国後
と思い出されることはございますか。
-
した利益計画を構築することができ、
経営の安定化を図
近年、
海運市況は低迷していますが、
コンテナ市場は
に、
2006年株式会社ジャパンインベストメントアドバイ
毎日が転機だと思って経営していますけどね。
ることが可能となります。
こうした中堅・中小企業のニー
コンテナ船とは違う動きを過去からしており、
これまで
ダイワ投資情報マンスリー 10 月号より抜粋
ダイワ投資情報マンスリー10月号
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トップに聞く
Top Interview
は、
年平均約7%で伸びています。一方、
コンテナ価格は
的短く、
マーケット環境に対して安全性の高い商品を販
鉄の価格や、
メーカーの95%以上が中国であることか
売しているのも特徴です。
ら、
中国の景気や人件費の影響を受け、
昨年後半から下
当社はユーザーである投資家と航空会社、
双方からヒ
落基調にあります。投資タイミングとしては、
相場が底打
アリングを行い、
ニーズや、
マーケット環境に合った商品
ちしたところで購入するのがベストですので、
マーケット
を機動的に開発しています。大手の金融機関がやらない
の動向をウォッチしながら、
仕入れるタイミングを探って
ような商品を提供したくて、
起業しましたからね。
■図表③ 事業内容
いるところです。
船舶は、
バルク船、
タンカー、
コンテナ船等、
市況の変
-昨年10月に開始したパーツアウト・コンバージョン事業は早く
動が激しい船舶の取扱いは今のところしていません。
も業績拡大に寄与しています。
-
市況が比較的安定している自動車運搬船や特殊なケミ
コンバージョン事業は、
古くなった旅客機を貨物機に
カルタンカー、
ウッドチップ船等の案件を組成しておりま
convert
(改装)
し、
付加価値をつけて売却したり、
貨物機
す。無理な投資をせずに、
マーケットを見ながら商品を組
専用の航空会社にリースをする事業です。パーツアウト
成することが大切だと考えています。
事業では、
退役航空機の機体を解体し、
部品に分解して、
整備工場等へ販売します。機体を丸ごと売却するよりも
-中長期的な目標・成長戦略をお聞かせください。
-
その他の新規事業では、
2015年9月には日本證券新
-航空機リースは取り扱う企業が多く、
競争環境は厳しいと
価値が高くなります。
純利益ベースで毎期50%以上の増益を目標の一つ
聞社及び日本證券新聞リサーチを買収し、
メディア関連・
考えられますが、
御社の強みを教えてください。
-
航空機市場では、
新造機よりも大きな中古機市場が
としており、
2年後、
3年後、
どうしたらこの数字を達成で
IR支援事業を立ち上げました。IR支援事業では、
IRでお
国内におけるオペレーティング・リースの市場規模
(出
あります。当社はお話したように中古機を活用したリー
きるかを、
常に考えながら経営しています。
また、
東証1部
困りの上場企業は多いと思いますので、
きめ細かいサー
資金ベース)
(図表②参照)
は、
2016年度で3,650億円
ス商品を販売していますが、
リースが満了した機体の問
への上場を計画しておりますが、
東証1部は時価総額が
ビスを提供しており、
スチュワードシップ・コードや2015
程度が見込まれています。
主な商品である航空機、
船舶、
題が生じます。
日本型オペレーティング・リースには、
コー
大きな企業が多いため、
埋もれないようにしなければな
年6月に導入されたコーポレートガバナンス・コードへの
コンテナのうち、
航空機が7割超を占めますので、
ビジネ
ル・オプションというリース満了時に航空会社が予め決
りません。
東証1部に上場する段階では、
時価総額で最低
対応にもアドバイスできるように活動しています。
スを拡大するには航空機を伸ばすことが必要と考えま
めた価格で航空機を購入することができる権利が付与
500億円以上
(8/31時点:355億円)
を目安に、
16年
また、
優良中堅・中小企業の経営者とお話していると、
す。航空機市場も新興国を中心とした旅客数の増加や
されているケースが多いですが、
これは
「購入選択権」
と
12月期の決算をベースに判断したいと考えています。
人材不足や育成、
I
Tの活用が課題であるとおっしゃるこ
航空貨物輸送の拡大を背景に、
長期的な成長が見込ま
いうあくまで権利ですから、
市況が悪くなっていたら、
航
今後の戦略としては、
既存のオペレーティング・リース
とから、
ニーズに応えるべく、
人材ビジネス・
I
Tビジネス
れています。
空会社は行使しません。パーツアウト・コンバージョン事
事業、
環境エネルギー事業、
そして、
これらと関係の深い
にも取り組んでいます。今年8月には、
PCIホールディン
大手金融機関傘下や独立系大手の同業他社は、
新造
業によって、
機体を活用する選択肢が広がり、
オペレー
パーツアウト・コンバージョン事業を三本柱として伸ばし
グス株式会社
(東証第一部上場、
証券コード3918)
と
機中心で、
大手投資銀行が組成した案件の入札に応札
ティング・リースの出口におけるリスクを低減することが
ます。環境エネルギー事業は、
太陽光発電を用いた日本
FinTech領域において業務提携しました。金融・
I
T・人
する形をとるため、
画一的な商品が多いと思います。一
できます。マーケットとしても大きいですし、
当社のビジ
型オペレーティング・リースと同様の機能を持つ商品を
材、
この3つの融合が当社の成長のキーポイントです。
方、
当社はセミオーダーで、
新造機のみならず、
中古機も
ネスチャンス拡大にもつながると考えています。
提供しています。
円ベースのため、
為替のリスクがないこ
取り扱っています。
投資家である法人のメリットとしては、
パーツアウト・コンバージョン事業を行うVallair Capital
とが特徴で、
投資家から好評です。当社はこれまで、
14
-最後に株主・投資家の方々にメッセージをお願いします。
-
初年度の償却率が高くなることや、
償却期間が短いこと
SAS(2016.2.19付社名変更 旧Valliere Aviation
件、
22メガワットの太陽光発電所運営を行っております
既存の金融界に一石を投じ、
新たな金融のあり方を目
が挙げられます。新造機の場合、
償却期間は、
ナローボ
社、本社:フランス共和国シャトルー(Châteauroux)市)
が、
2018年中には100メガワットに達する見込みであ
指したいという思いで経営しています。金融界で一定の
ディ機
(内部の通路が1本、
小型機)
が8年、
ワイドボディ機
へ出資し、
2015年11月から資本・業務提携を行ってお
ります。四本目の柱に育てたいのが、
PE投資事業です。
プレゼンスを発揮できるよう、
成長スピードを維持しなが
(内部の通路が2本、
中型~大型機)
だと概ね10年です
ります。参入と同時に、
売上・利益共に上がっており、
15
今までは利益を平準化する商品を販売していましたが、
ら、
規模を追い求めていく所存です。ぜひ、
ご期待、
ご注
が、
中古機でしたら3~5年で償却可能です。
年12月期の売上高は10月に参入後の3ヵ月間で5.8億
現在のマイナス金利環境をふまえて、
安定的なキャッ
目下さい。
航空機に限ったことではありませんが、
当社は、
オペ
円、
16年12月期は上半期の6ヵ月間で10.3億円です。
シュフローと利回りを生む運用商品に変えていきたいと
レーティング・リースの組成から販売までの期間が比較
来年以降も伸びる見通しです。
考えています。
■図表② オペレーティング・リース市場規模の推移
-本日はお忙しい中、
ありがとうございました。
-(金森 睦美)
株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー
(7172 東証マザーズ)
日本型オペレーティング・リースが主力事業。傘下に、
リース事業を担う
JPリースプロダクツ&サービシイズ株式会社、CAIJ株式会社等。PE
投資事業など、新規事業に注力している。2014年9月に東証マザーズ
上場した。6期連続で過去最高益を更新。
【16年12月期会社予想値(2/12公表)】
Vallair Capital社でのパーツアウト・コンバージョン事業風景
下関豊田八道太陽光発電所
(当社組成のファンド対象物件)
売上高52.1億円
(前期比86%増)
純利益13.4億円
(前期比76%増)
年間配当金10円/株
株主優待として、12月末日現在の株主を対象にクオカード及び日本
証券新聞デジタル版購読券を進呈。
ダイワ投資情報マンスリー 10 月号より抜粋
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