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お客さまからの、より深い信頼へ

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お客さまからの、より深い信頼へ
お客さまとともに
美しくありたい、健やかでありたい、幸せでありたい。このお客さまの願いを、
お客さまとともに育み、優れた品質と価値の創造を通じて、豊かに、かたちにしていきます。
取引先とともに
こころざしを同じくする取引先と、よきパートナーシップで連帯します。
そして、誠心誠意、目標に向けて、互恵の努力を続けます。
株主とともに
質の高い成長を通じた正当・健全な成果の蓄積・提供と、透明な企業経営により、
株主の理解と共感を得る活動に努めます。
社員とともに
社員一人ひとりの独創性と多様性が、わたしたちの財産です。その能力の限りない飛躍と活動を応援し、
公正に評価します。そして社員のゆとりと豊かさの充実に努め、ともに成長していくことをめざします。
社会とともに
すべての法律を遵守します。安全と地球環境への配慮を、なにものにも優先します。
わたしたちは、地域社会と連携し、国際社会との調和を図りながら、
持てる文化資本をベースに、グローバルレベルの美しい生活文化を創ります。
資生堂が1872年
(明治5年)
、日本初の洋風調剤薬局として東京銀座に誕生してから134年。
いた
かなこんげん
ばんぶつ と
しょう
社名の由来となった中国の古典、易経の一節「至れる哉坤元、万物資りて生ず」のごとく、
大地のあらゆるものを融合することで新たな価値を創造し、お客さまのお役に立ち、社会に貢献する
という
「創業の精神」は、現在も企業理念「新しく深みのある価値を発見し、美しい生活文化を創造する」
として生き続けています。この企業理念は、化粧品を中心に、人々の美と健康を支援する
さまざまな付加価値の高い商品やサービスとなって実現されています。
目
資生堂は、2005年度から2007年度の3カ年を
「成長と躍進」のステージと位置付け、
成長性の拡大と収益性の向上を目指した
3カ年計画を推進しています。
この3カ年計画は、
「お客さま志向のマーケティングに徹する」
、
「利益体質の会社に生まれ変わる」
、
「すべての改革の実行力とスピードを高める」の
3つを重点テーマとしています。
この改革を成功させることにより、
「お客さまからの、より深い信頼へ」と結び付け、
社会と、お客さまと、そしてすべての人が
「一瞬も 一生も 美しく」あることを
目指してまいります。
次
財務ハイライト....................................................... 2
事業別主要ブランド ............................................. 3
ステークホルダーの皆さまへ.................................. 4
特集:
「お客さまからの、より深い信頼へ」
∼Profound Customer Trust∼ ....................... 10
ブランド戦略の革新 ............................................... 12
ビューティーコンサルタントの活動革新 ......................... 14
営業改革/組織機構改革 ...................................... 16
中国事業の拡大加速 ............................................. 18
研究開発 .............................................................. 20
CSR(企業の社会的責任)
....................................... 22
コーポレートガバナンス ........................................... 24
取締役・監査役および執行役員 .............................. 26
グローバルネットワーク ........................................... 27
2005年度資生堂グループ事業展開........................ 28
2005年度事業別営業概況
化粧品事業 ......................................................... 30
トイレタリー事業 ................................................... 32
その他の事業(プロフェッショナル事業)
....................... 32
(医薬品事業、ビューティーフーズ事業、ファインケミカル事業)
..... 33
財務セクション
6年間の財務サマリー ............................................ 34
経営の概況 ......................................................... 35
連結財務諸表 ...................................................... 44
連結財務諸表に対する注記 .................................... 49
監査報告書 ......................................................... 60
会社情報 ............................................................... 61
財務ハイライト
株式会社資生堂及び連結子会社
2004年、2005年、2006年3月期
百万円
(注3)
千米ドル
増減率
(一株当たり情報を除く)
(一株当たり情報を除く)
2004
2005
2006
経営成績(会計年度)
売上高 ............................................
営業利益(注1)..................................
当期純利益(損失)
...........................
¥624,248
37,478
27,541
¥639,828
26,529
(8,856)
¥670,957
38,879
14,436
+4.9%
+46.6
—
$5,711,733
330,972
122,890
財政状態(会計年度末)
総資産 ............................................
株主資本 ........................................
¥626,730
374,550
¥701,095
359,004
¥671,842
373,899
–4.2%
+4.1
$5,719,262
3,182,933
一株当たり情報(円、ドル)
(注2)
....................
当期純利益(損失)
(注
)
2
株主資本
...................................
配当金 ............................................
¥ 64.9
903.7
22.0
¥ (21.5)
866.5
24.0
¥ 34.4
906.1
30.0
—
+4.6%
$ 0.29
7.71
0.26
財務指標
売上高営業利益率(注1)....................
株主資本当期純利益率(ROE)
........
6.0%
7.6
4.1%
(2.4)
2006/2005
2006
5.8%
3.9
注: 1.2005年3月期までの営業利益および売上高営業利益率は、2006年3月期に行った計上区分の変更に従って遡及修正して表示しています。
2. 一株当たり当期純利益(損失)
は期中平均株式数に基づき、一株当たり株主資本は期末株式数に基づき算出しています。
なお、一株当たり当期純利益(損失)
は潜在株式調整前数値に基づいて計算しています。
3. 米ドル表示は便宜上のものであり、2006年3月31日の1米ドル=117.47円で換算しています。
売上高・海外売上高比率
(億円)
5,900
6,213 6,242 6,398
営業利益・営業利益率
(%)
6,710
(億円)
(%)
当期純利益
(損失)
・ROE
(億円)
(%)
275
471
245
389
375
7.0
7.6
144
7.6
22.4
24.8
27.5
26.0
29.4
6.0
265
232
3.9
5.8
(2.4)
(89)
4.1
3.9
(6.4)
(228)
02
03
04
05
06
02
売上高
海外売上高比率
03
04
05
06
営業利益
営業利益率
02
03
04
05
06
当期純利益(損失)
ROE
所在地別構成比(2006年3月期)
売上高
営業利益
9.5%
17.2%
70.9%
68.3%
12.7%
11.4%
6.9%
3.1%
見通しに関する注意事項
当資料の記載内容のうち、歴史的事実でないも
のは、資生堂の将来に関する見通しおよび計画
に基づいた将来予測です。これらの将来予測
には、リスクや不確定な要素などの要因が含ま
日本
アメリカ
欧州
アジア・オセアニア
※売上高は、セグメント間の内部売上高または振替高を含まない外部顧客に対する売上高です。
※営業利益は、全社費用控除前の構成比です。
2
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
れており、実際の成果や業績などは、記載の見
通しとは異なる可能性があります。
事業別主要ブランド
87.2%
化粧品事業
79.5%
資生堂グループの中核事業。国内外においてプレステージブランドとして高
く評価されている
「
」を中心に、カウンセリング志向、セルフ
セレクション志向、それぞれのお客さまにお応えするブランドを揃えています。
「ベネフィアンス」
「クレ・ド・ポー ボーテ」
「ベネフィーク」
「エリクシール シュペリエル」
(2006年9月発売)
アウトオブ資生堂
「マキアージュ」
「インテグレート」
(2006年8月発売)
「ジャンポール ゴルチエ」 「ディシラ」
「イプサ」
11.4%
9.1%
トイレタリー事業
0.7%
その他の事業
毎日の生活を清潔・健康・快適にする商品をお届けする事業。
資生堂グループ商品の愛用者拡大を担っています。
「TSUBAKI」
「洗顔専科」
「シーブリーズ」
12.1%
プロフェッショナル、医薬品、食品など、モノとサービスの
両面から美しい生活文化を創造する事業を展開しています。
「ゾートス」
「Q10シリーズ」
「サプレックス」
※事業別構成比(2006 年3 月期)
外円:売上高構成比(対外部顧客) 内円:営業利益構成比(全社費用控除前)
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
3
ステークホルダーの皆さまへ
資生堂の「成長と躍進」を目指す 3 カ年計画
の初年度に当たる 2005 年度は、積極的な
経 営 資 源 の 投 入 や 抜 本 的な 構 造 改 革を
推し進めたことにより、増収増益と、順調な
業績を残すことができました。
この改革の勢いを確実なものとし、成長性・
収益性の両面からさらなる改革を進めること
により、ステークホルダーの皆さまから一層の
信頼を得られるよう努めてまいります。
代表取締役 執行役員社長
前田 新造
4
2005年度(2006年3月期)の業績概況
この計画達成に向け、2005年度より
「国内マーケ
2005年度は3カ年計画の初年度として、積極的な
ティング改革」
、
「中国事業の拡大加速」
、
「抜本的な
経営資源の投入や抜本的な構造改革に取り組み、
構造改革」の3つを重点戦略として展開しています。
成長性の拡大と収益性の向上を目指す経営を進め
「国内マーケティング改革」では、お客さまと資生堂
てきました。
を結ぶ大切な経営資源であるブランドを磨き直すべ
この結果、国内化粧品事業が計画通り好調に推
く
「ブランド戦略の革新」
に取り組み、カテゴリーNo.1
移するとともに、中国を中心とする海外で大幅な成
を目指す「メガブランド戦略」
を推進しました。2005年
長を果たし、売上高は前年度比5%増収の6,710億
8月に導入した「マキアージュ」
と新生「ウーノ」
、2006
円となりました。利益面では、
トイレタリー事業にお
年2月に発売した「アクアレーベル」
、そして2006年3
いて「峻別と集中」
を進めてマーケティングコストを抑
月発売の「TSUBAKI」
は、それぞれのカテゴリーで
制したことや、2004年度に実施した早期退職優遇・
トップシェアを獲得しています。また、メガブランド以
特別プランにより人件費を低減したことで、営業利益
外の主力ブランドも確実に伸長しており、
“太く・強い”
は前年度に対し47%増益の389億円となり、営業利
ブランド育成のため、マーケティング投資を集中化し
益率は1.7ポイント改善の5.8%となりました。固定資
た効果が表れています。
産減損や事業撤退損などの計上はありましたが、当
一方、お客さまとの接点から企業価値を高める
期純利益は前年度の赤字から144億円の黒字へ転
「ビューティーコンサルタントの活動革新」にも取り組
換しました。
みました。ビューティーコンサルタントが本来の活動
に専念できる環境をつくるべく、社長直轄の全社横
3カ年計画初年度の戦略展開
断プロジェクトで課題を抽出し、具体的なアクション
「お客さま志向のマーケティング
この3カ年計画では、
プランを策定しました。このうち、ビューティーコンサ
に徹する」
、
「利益体質の会社に生まれ変わる」
、
「すべ
ルタントの評価を、売上や推奨品の販売数量などの
ての改革の実行力とスピードを高める」
の3つを進める
基準から、お客さまからの評価に変更する
「お客さま
ことにより、中長期的にブランド価値の最大化と、営業
応対満足度評価」
については、全国1/3の営業拠点
利益率10%を出し続ける企業への変革を目指します。
で先行導入しました。
3カ年計画全体像
国内(事業の枠組みを外して考える)
海外事業
成
長
性
の
拡
大
中国市場
商品戦略
×
流通戦略
×
新規開拓
コミュニケーション
戦略
マーケティング改革
成長市場への
積極展開
H&BC・通販
「峻別と集中」 事業構造を革新し投資に振り向ける
戦略投資
戦略投資
構造改革→投資原資の捻出
不採算事業
撤退
原価低減
固定費の削減
人お
的客
資さ
源ま
投へ
入の
投
資
組織能力の向上
人事改革
組織機構改革
コーポレート
ガバナンス改革
「ブランド価値の最大化」×「営業利益率10%を出し続ける」企業へと変革
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
5
これらの取り組みの結果、国内化粧品の店頭売
初年度である2005年度は、売上高、営業利益とも
上は力強い回復基調にあり、改革の手応えを感じて
に期首の計画を上回る実績を確保しました。特に
います。
営業利益率については、期首計画4.9%に対し、5.8%
「中国事業の拡大加速」では、中国を資生堂の
「成
と計画を上回りました。
長と躍進」のシンボルと位置付け、さらなるビジネスの
社内においても、
「一旦会社を壊して作り直す」
と
拡大を図りました。百貨店では中国専用ブランドの
いう私の覚悟が浸透し、この改革を絶対に達成させ
「オプレ」
と、
「
」
グローバルラインへ積極
るという全社員の強い意気込みが感じられます。
的に経営資源を投下し、売場づくり、宣伝・広告、プ
改革は始まったばかりですが、グローバルコンペ
ロモーションを強化したことから、両ブランドの売上は
ティターと伍して戦える企業へ変革するための土壌
大きく伸長しました。化粧品専門店の展開も積極的
は、着実に形成されつつあると考えています。
に進め、計画通り累計で1,000店を超えるお店との
契約を果たしました。
2006年度の重点戦略
「抜本的な構造改革」では、コスト構造の改革を
3カ年計画の2年目となる2006年度は、この中期
積極的に進め、収益性の向上を図りました。特に
計画を達成する上で要となる年です。2006年度の
(シャンプー・リンス、
トイレタリー事業は、
「洗浄3分野
進捗如何で3カ年計画の成否が決まるといっても過
ボディーソープ、洗顔料)
」に経営資源を集中させ効
言ではありません。2005年度の成長軌道を確実な
率的に費用を投入することで、前年度までの赤字か
ものとするため、改革をさらに加速させ、計画を着
ら脱却することができました。また、国内4工場体制
実に実行していくことが求められます。そのため、
への再編によって生産効率を高めるとともに、海外
2006年度は「国内マーケティング改革」、
「中国事業
の不採算ブランドの整理や生理用品事業の譲渡を
の拡大加速」
、
「成長市場への積極展開」
といった成
決定するなど、低収益事業やブランドからの撤退も
長戦略の継続・強化と、
「不採算事業・ブランドから
進めました。
の撤退」や「固定費の思い切った削減」など、もう一
3カ年計画の数値目標としては、最終年度である
段踏み込んだ構造改革を進めていきます。
2007年度に営業利益率8%の必達を掲げています。
“ 3 カ年計画の初年度である 2005 年度は、数値面
で初期の目標を達成し、
「一旦会社を壊して作り直
す」という私の覚悟が社内に浸透してきています。
”
“ 2006 年度は計画達成の要となる年であり、初年
度の成長軌道を確実なものとするため、改革をさら
に加速させ、計画を着実に実行していきます。
”
6
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
ステークホルダーの皆さまへ
国内マーケティング改革
更しました。
お客さまと資生堂をつなぐ大切な経営資源である
このような体制変更は、
「ブランド戦略の革新」
を進
ブランドは、
「絶対的な信頼感・安心感」
、
「圧倒的な
め、
“太く・強い”
ブランドの開発・育成に取り組んでい
存在感」
、
「あこがれ・プライド」
など、すべてが揃って
くことを狙いとしています。2006年度は、すでに導入
はじめて“真のブランド”
といえます。今後も
「資生堂
しているメガブランドをカテゴリーNo.1ブランドとして
ブランド」
を
“真のブランド”
として磨き続けなければな
引き続き育成していくとともに、上期には、ボリューム
りません。その鍵を握るのが国内マーケティング改革
ゾーンの新スキンケアブランド
「エリクシール シュペリ
です。
エル」
とセルフセレクションの新メーキャップブランド
この改革では、お客さまの購買行動を基軸とした
「インテグレート」
を発売する計画です。
組織の構築を目指し、2006年4月に化粧品事業とトイ
「ビューティーコンサルタントの活動革新」では、
「お
レタリー事業を融合するとともに、商品カテゴリーや
客さま応 対 満 足 度 評 価 」を全 国 展 開 するほか 、
販売チャネルで括り直した戦略ビジネスユニットごと
すべてのビューティーコンサルタントを対象とした店頭
のマーケティング体制に変更しました。これは、
「100%
応対研修の実施など、さらなる強化を図ります。
お客さま志向」のマーケティングに徹するために、従来
2006年度は新たに「営
これらの取り組みを土台に、
までの機能型組織を一旦ゼロベースに戻し、
「お客さ
業改革」
をスタートさせました。それぞれのチャネル
まのためにどうあるべきか」
という視点で再編したも
の店頭で、そのチャネルを利用されるお客さまの購買
のです。この再編では、グループ資生堂としてのシナ
行動に合わせた営業活動を実現するため、2006年4
ジー発揮のため、両事業で重なる領域を整理すると
月からは、化粧品専門店、組織小売業、ホールセー
ともに、市場で優位性のないブランド群の撤退などを
ルなどそれぞれに対応したチャネル別営業体制を導
明確にしました。あわせて、モノづくりの価値の源泉
入しています。
である研究開発部門も、リサーチセンターとビュー
ティーサイエンス研究所とを統合させたビューティーソ
中国事業の拡大加速
リューション開発センターを新設し、開発の初期段階
中国の化粧品市場では、お客さまとの接点である
から商品と美容ソフトを並行して開発する体制に変
流通環境が大きく変化しています。このような中、明快
3カ年計画の3つの宣言
化粧品事業とトイレタリー事業の融合
化粧品
1
2
3
Declaration お客さま志向の
マーケティングに徹する
スキンケア メーキャップ
男性
トイレタリー
ボディー
ヘア
生理用品
その他
顧客接点
深耕
ブランド
Declaration 利益体質の会社に生まれ変わる
顧客接点
拡大
ブランド
すべての改革の実行力と
Declaration スピードを高める
※◎、○、△印は2006年3月
時点の売上規模(イメージ)
洗浄3分野に集中
縮小・撤退
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
7
な「ブランド別チャネル戦略」
を構築することによって
スについても、既存ブランドへの積極的な費用投入
お客さまのニーズに合わせたブランド政策を推進し、
を行うとともに、2007年度の市場導入を視野に入れ
現在の資生堂の優位性をさらに確実なものとしてい
た新ブランドの開発を進めています。
きます。中国の代表的ブランドとなった「オプレ」
につ
さらなる構造改革の推進
いては、ワンランク上の価値を持つ新ラインを導入し、
ブランド価値を磐石なものとしていきます。また、化粧
2007年度の営業利益率8%の目標達成に向けて、
品専門店の展開では、取扱店を累計1,700店まで拡
2006 年度中に国内外の構造上の課題を解決し、
大することに加え、新たに専門店専用ブランドを導入
2007年度年間を通じてその効果を享受できるベース
し、商品とプロモーション施策を強化していきます。
をつくりあげていきます。
中国をはじめ、海外での力強い成長を果たすこと
国内においては、化粧品とトイレタリーの事業融合
により、海外売上比率は計画よりも1年前倒しで30%
を機に、すべてのコスト構造を改めて見直し、さらな
を超える見通しです。
る固定費のスリム化やマーケティングコストの効率化に
取り組みます。また、利益貢献度の低いブランドにつ
成長市場への積極展開
いては「峻別と集中」
をさらに進めるとともに、チャネル
将来に向けて成長が期待できる有望な市場にお
との関係性を含めたコスト構造の見直しを進めます。
いても、積極的な事業展開を進めます。特に、お客さ
海外では、特に収益性の低い北米地域において抜本
まの美と健康に対する関心の高まりや、高齢化社会
的な構造改革を断行します。
の到来などにより、ヘルス&ビューティーケア領域は魅
こうした事業構造改革と並行し、生産・物流面の
力的な市場となっています。資生堂はこれまで、この
改革も推し進めます。2005年度の工場再編で確立
市場に対してビューティーフーズ、医薬品といった縦割
された国内4工場体制の生産性を高めていくととも
りの事業部で対応してきましたが、その枠組みを外し
に、特に新製品に関する原価低減活動を推進し、売
て再編することでお客さまへの対応力を強化し、美と
上原価率のさらなる低減を図ります。物流インフラに
健康に貢献する事業として育てていきます。
ついても、国内外での改革を進め、より一層の効率
もう1つの成長市場と位置付けている通販ビジネ
営業利益率8%達成に向けて
2005年度
売上
原価率 26.4%
3カ年経営計画
2007年度
工場生産性向上
原価低減活動
化を目指します。
売上
原価率 25.5%
(億円)
8,000
(対期首計画)
6,398
北米構造改革
67.8%
サプライチェーン改革
販管
66.5%
費率
マーケティング費
一定比率維持
750
4,000
営業利益
69億円増
(対期首計画)
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
500
430
389
265
230
250
144
0
営業
利益率
(89)
8.0%
(計画)
8
1,000
7,400
6,850
6,710
2,000
営業
5.8%
利益率
(億円)
6,000
国内化粧品事業効率化
販管
費率
営業利益率8 %超
売上高
210億円増
0
当期純利益44億円増(対期首計画)
2004年度
売上高(左軸)
2005年度
2006年度(見通し)
営業利益(右軸)
–100
2007年度(計画)
当期純利益(右軸)
ステークホルダーの皆さまへ
組織能力の向上、株主還元
活文化を創造する」という資生堂の企業理念を象徴
3カ年計画の実行力とスピードを高めるための人
する言葉であり、
「美しく生きたい」
という世界中の
事改革も推進していきます。改革の成否を分けるの
人々の願いに誠実に応え、さらに徹底した「お客さ
は「人」であり、一人ひとりの実行力を高めなければ、
ま志向」の企業を目指すことを広く社会に宣言する
改革を成功させることはできません。ポスト任期制
メッセージです。
の導入や昇格年齢の早期化など、信賞必罰を徹底
この3カ年計画は、資生堂を本気で変える改革で
することで、メリハリある処遇を実現し、社員の働く意
す。2005年度の1年間は、決して平坦な道ではあり
欲と組織能力を高めていきます。あわせて、コーポ
ませんでしたが、その一歩一歩が着実な成果につ
レートガバナンス面では、昨年新設した「役員指名諮
ながり、会社全体が明るく輝いてきました。2006年
問委員会」
を中心とした議論を通じ、役員の役位別
度はさらに大きな改革に取り組むことになりますが、
在任期間の上限設定、昇降格・退任のルールなどを
私は、どんな難問でも真正面から取り組み、やり遂
導入し、
トップマネジメントの責任の明確化と実行力
げていくことをお約束します。そして同時に、コンプ
の強化を図ります。さらに、今後は社外取締役制度
ライアンスや企業倫理をはじめとする社会的責任へ
の導入により、業務執行と監督機能の分離、監督機
の取り組みについても引き続き積極推進することに
能のさらなる強化を進めていきます。
より、コーポレートブランド「
なお、株主還元については、連結当期純利益に
対する配当金と自己株式取得合計額の比率である
総還元性向を中期的に60%とする基本方針を継続
していきます。
「一瞬も 一生も 美しく」
資生堂は2005 年7 月に、新たなコーポレートメッ
」
をより光り
輝かせ、すべてのステークホルダーの皆さまから信
頼される企業を目指してまいります。
今後とも皆さまのより一層のご支援を賜りますよう
お願い申しあげます。
2006年6月29日
代表取締役 執行役員社長
セージとして「一瞬も 一生も 美しく」
を策定しました。
これは、「新しく深みのある価値を発見し、美しい生
“改革の実行力とスピードを高め国内外の構造上の
課 題を解 決 することで、3 カ年 計 画の最 終 年 度
である2007年度に営業利益率8%を達成します。
”
“どんな難問でも真正面から取り組み、この改革を
成功させ、すべてのステークホルダーの皆さまから
信頼される企業を目指してまいります。”
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
9
Brands
Satisfaction
お客さまと資生堂を結ぶ
お客さまの真の満足を実現し、
大切な経営資源であるブランドを
信頼を得るための活動に専念するため、
磨き直す「ブランド戦略の革新」を
「ビューティーコンサルタントの活動革新」
さらに徹底強化します。
を一層発展させます。
「お客さまからの、より深い
∼ Profound Customer Trust ∼
2005年度からスタートした3カ年計画は、成長性の拡大と収益性の向上の
両面での改革を展開しています。
中でも、成長性の拡大を図るため、国内ではお客さま志向のマーケティング改革を
推し進めるとともに、海外では中国事業を中心にさらなる成長・拡大を図っています。
2006年度は、
「組織機構改革」
による新体制のもと、2005年度に展開した「ブランド戦略の革新」
、
「ビューティーコンサルタントの活動革新」
、
「中国事業の拡大加速」
ならびに
「成長市場への積極展開」
をさらに徹底強化するとともに、
「営業改革」
にも着手します。
こうした取り組みにより、お客さまからより深い信頼を寄せていただき、
ブランド価値の最大化と営業利益率10%を出し続ける企業への変革を目指してまいります。
10
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
Integration
Global
事業の枠組みを外して統合・再編し、
中国事業を
「成長と躍進」のシンボル
お客さまにとって最適な体制を構築することで
と位置付け、お客さまのニーズにあわせた
グループとしての総合力を
ブランド政策を推進し、
活かしたシナジーを発揮します。
事業展開のさらなる加速を図ります。
信頼へ」
<2006年度成長戦略の概要>
2005年度
2006年度
ブランド戦略の革新
メガブランドの導入
カテゴリー別マーケティング体制の確立
お客さま志向の
国内マーケティング
改革
ビューティーコンサルタントの活動革新
ビューティーコンサルタントの活動の見直し
お客さま応対満足度評価の実施
営業改革
チャネル別営業体制の構築
新規開拓
国内成長市場への積極展開
ヘルス&ビューティーケア領域の再編
ヘルス&ビューティーケア、通販市場への積極投資
中国事業の拡大加速
チャネル×ブランド戦略の展開
グローバル展開
グローバル化への対応強化
ブランド戦略の再構築
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
11
ブランド戦略の革新
Brands
お客さまと資生堂を結ぶ
大切な経営資源であるブランドを磨き直す
「ブランド戦略の革新」
をさらに徹底強化します。
ブランド戦略の革新
開発プロセスも見直します。商品の開発段階から宣伝・
2005年度を初年度とする3カ年計画では、
「お客さ
プロモーションの企画を同時に進め、お客さまの評価
ま志向のマーケティングに徹する」ため、お客さまと資
を組み込みつつ、最も効果的な展開となるようなマー
生堂を結ぶ大切な経営資源であるブランドを磨き直す
ケティング戦略を構築していきます。
「ブランド戦略の革新」
を進めています。この中で、かつ
て細分化していたブランド体系については抜本的な再
2006 年 3 月に発売し
た「 TSUBAKI 」は全
国 9 都市での大規模
編を行い、広いチャネルでカテゴリートップを狙う
「顧
客接点拡大ブランド」
と、流通チャネルを限定しお客さ
なイベントサンプリン
グなど、インパクトのあ
る導入プロモーション
を実施しました。
まとの関係性を深める
「顧客接点深耕ブランド」
とに大
別し、投資の選択と集中を図っています。
カテゴリー別マーケティング体制の確立
“太く・強い”
ブランドを育てるためには、メーキャップ、
メガブランドの導入
スキンケア、ヘアケアといったカテゴリーごとに競争相手
「ブランド戦略の革新」の柱として、カテゴリーごとの
を見極め、競争に打ち勝つための価値づくりを行ってい
No.1ブランドを狙うのが「メガブランド戦略」です。こ
くことが必要です。そのため、2006年4月には、商品カ
れは、複数の既存ブランドを統合・再編することで、投
テゴリーやチャネルを基軸とした
「戦略ビジネスユニット」
資を集中的かつ効果的に行い、お客さまから圧倒的
単位に組織を再編し、ユニットごとに資源配分のメリハ
な支持を得られる、新しい価値を持ったブランドとして
リをつけてNo.1ブランドを生み出す体制としました。各
育成していくものです。
ユニットには、ブランドの開発から、宣伝、広報、そして
2005年8月には、メーキャップカテゴリーに「マキアー
具体的な施策立案までを一貫して企画、推進し、マー
ジュ」
を、メンズカテゴリーに新生「ウーノ」
をそれぞれ導
ケティング活動のすべてに責任を持つ「ブランドマネー
入しました。
「100%お客さま志向」の商品開発と集中投
ジャー」
を配置しました。さらに2006年度は、ブランドの
下したマーケティング費用の投資効果から、これらの2
ブランドは発売半年で、売上高や認知度などの目標にお
いて当初の計画を大きく上回り、それぞれのカテゴリー
でNo.1ブランドの地位を確立しています。2006年2月
にはドラッグストアを中心としたセルフセレクション領域の
スキンケアカテゴリーに「アクアレーベル」
を、3月には激
戦ともいえるヘアカテゴリーに「TSUBAKI」
を導入しま
した。
「TSUBAKI」は、化粧品とトイレタリー事業に分
散していたヘアカテゴリーのマーケティング体制を融合
メガブランド戦略の第 1 弾「マキアージュ」では、
現代社会における多様な価値観を表現する女性た
ちをイメージした4名のモデルを起用しています。
12
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
してつくりあげたブランドであり、
「化粧品とトイレタリーの
事業融合」の象徴ともいえるメガブランドです。ワンラン
「お客さまからの、より深い信頼へ」
ク上の価値の提唱と、かつてない規模での導入プロ
カテゴリーNo.1ブランドの地位を獲得した「マキアー
モーションを実施することで、発売と同時にトップシェアを
ジュ」
。今後は、トップブランドであり続けるための取り
獲得、メーカー順位も一気に1位に躍り出ました。こうした
新たな価値づくりとダイナミックなマーケティング展開こそ、
組みに邁進していきます。
メガブランド戦略の第1弾として2005年8月に導入した「マ
キアージュ」
は、従来の人気ブランド「ピエヌ」
と
「プラウディア」
事業融合の成果であるといえます。
2006年度はこのメガブランド戦略の真価が問われる
年になります。上期には中価格帯ボリュームゾーンの新
スキンケアブランド「エリクシール シュペリエル」
と、セル
フセレクションの新メーキャップブランド「インテグレート」
を発売します。これら新メガブランドの上市を成功させ
るとともに、すでに導入したブランドを徹底して強化して
いくことが必要となります。2005 年度に導入したメガ
ブランドはすべて高い認知を獲得し、力強い立ち上がり
を統合したブランドです。ブランドづくりにおいては、従来のよ
うにシーズンごとのファッション性のみを追求するのではなく、
ブランド価値の蓄積を重視しています。カテゴリーでのトップ
ポジションを磐石にするため、従来の2ブランドの合計を上回
る、年間店頭売上高500億円を育成目標としています。
「マキアージュ」のターゲットは、年齢にかかわらず「自分のキ
レイ」
を磨き続ける
「オトナ」の女性。提供する価値を上質化す
ることで、
「オトナ」の方でも満足できるモノづくりを目指しました。
宣伝展開にあたっては、日本女性を購入パターンと価値観に
を見せていますが、
2年目には間断ないプロモーションを
よって分析し、その中で浮かび上がってきた7つのタイプのうち、
展開することで品質に対する高い評価と共感を得て、お
4つを攻めることにしました。それが、4名のモデルを使用してい
客さまの真の満足を実現していくことが必要です。こうし
る意義であり、多くの女性の共感を得ることができた要因です。
た取り組みにより、他社の追随を許さない“太く・強い”
また、幅広い販売チャネルで取り扱えるよう、さまざまな売場に
ブランドを育成していきます。
フィットするような店頭づくりにも力を入れました。このような全
体最適を目指した積極的なマーケティン
■カテゴリーとブランド体制
グ費用の投資配分が可能となったの
主要ブランド
スキンケア
エリクシール シュペリエル* HAKU
アクアレーベル* 洗顔専科
メーキャップ マキアージュ* 顧客接点
拡大ブランド
インテグレート*
は、ブランドマネージャー制のおかげで
あると感じています。
導入2年目となる2006年度は、
「マキ
ボディー
アネッサ Ag+
アージュ」の真の力が試される年です。
ヘア
TSUBAKI* スーパーマイルド
ブランド価値を蓄積するための商品づ
ウーノ* アデノゲン
くりや品質を訴求した宣伝活動を強化
メンズ
デパート・ クレ・ド・ポー ボーテ
プレステージ BOP ベネフィアンス
顧客接点
深耕ブランド
化粧品
専門店
し、
トップブランドであり続けるよう努め
ていきます。
ベネフィーク キオラ
化粧惑星 その他
セレクティブ デリエ &フェイス
草花木果
*メガブランド
メーキャップユニット ブランドマネージャー
下村 敦
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
13
ビューティーコンサルタントの活動革新
Satisfaction
お客さまの真の満足を実現し、
信頼を得るための活動に専念するため、
「ビューティーコンサルタントの活動革新」
を一層発展させます。
資生堂の顔であるビューティーコンサルタント
1934年に「ミス・シセイドウ」
としてデビューし、お客
さま一人ひとりの個性に合った美しさを実現するため
のカウンセリングを行うビューティーコンサルタントは、
反映します。本人は、自分自身の強みや弱みを確認・自
己研鑚し、その後のより満足度の高い応対に活かすこ
とができるようになります。
2005年10月からは全体の1/3にあたる22の国内営
質・量の両面で資生堂の強みであり、お客さまに資生
業拠点で先行導入しましたが、半年間ですでに4万通
堂の価値を直接伝え、おもてなしの心を体現する
「資
を超えるアンケートをお客さまからお返しいただきました。
生堂の顔」
ともいうべき存在です。3カ年計画では、店
「こんな素晴らしい応対ははじめて」
、
「資生堂のことが
頭におけるお客さまからの評価を格段に進化させ他社
好きになりました」
といったありがたいお言葉を数多くお
の追随を許さない、という考えのもと、お客さまとの接
寄せいただいています。このようなアンケート結果の
点から企業価値を高める
「ビューティーコンサルタントの
フィードバックを受けることは、ビューティーコンサルタント
活動革新」
に取り組んでいます。ビューティーコンサルタ
にとって自分の応対を改善するためのモチベーションに
ントがお客さまの真の満足を実現し、信頼を得るため
つながっており、店頭での「お客さまとの強い絆づくり」
の活動に専念してはじめて「 100 %お客さま志向」の
が進んでいます。2006年4月からは、この「お客さま応対
マーケティングに徹する改革が実現するといっても過言
満足度評価」
を全事業所で展開し、全国のビューティー
ではありません。
コンサルタントがお客さまの満足と信頼獲得のための活
動を推進しています。
ビューティーコンサルタントが「お
客さまから真の満足を得る」活動
を行うことで、お客さまとの接点か
らの企業価値向上を図ります。
「お客さま応対満足度評価」の全国展開
「ビューティーコンサルタントの活動革新」の柱となるの
お客さまからお送りいただく
アンケート葉書をもとに分
析・集計し、各ビューティー
コンサルタントにフィード
バックすることで店頭応対
の改善につなげます。
が「お客さま応対満足度評価」の導入です。これは、従
来までビューティーコンサルタントを評価する主要指標で
14
また、
「お客さま応対満足度評価」の全国展開に加
あった売上高目標や推奨品の販売数量目標を廃止し、
え、ビューティーコンサルタントの本来のミッションを推進
新たにお客さまからご満足をいただき、信頼を獲得する
する上での阻害要因を可能な限り排除し、ビューティー
ことを指標としたものです。お客さまにアンケート葉書を
コンサルタントの活動を革新していくための対策を展開
お渡しし、ご記入・ご送付いただき、これをビューティー
していきます。ビューティーコンサルタント自身のスキル
コンサルタントにフィードバックするとともに、業績評価に
アップを目的とした店頭応対研修を引き続き強化するな
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
「お客さまからの、より深い信頼へ」
ど、スピードをもって実行することにより、店頭から
「資
お客さまのことを最もよく知るビューティーコンサル
生堂は変わった」
と実感いただき、
「お客さまからの信
タント。その活動が変わることが、お客さまの喜びを
目指す上での大きな力となっています。
頼」
をより深めていきます。
■「お客さま応対満足度評価」を行っていること
に対するお客さまからのご意見
ここ1、2年、現場では「お客さまにもう一度お店に来ていた
だくためにはどうしたらよいか」
ということを重視し、ビューティー
コンサルタント、営業担当、お店の三者が連携をとって活動し
てきました。3 カ年計画は、こうした現場の発想と改革のタイ
ミングが一致したものです。この2つの推進力が1つになったこ
どちらでもない
とで、大きな力を生み出していると思います。
25%
プラス評価
75%
「お客さま応対満足度評価」の導入により、私たちの活動は
大きく変化しています。売上の目標がなくなったことで、お客さま
にどうすればよりきれいになっていただけるかを中心に考え、推
奨品にこだわることなく伸び伸びとした活動ができるようになり
お客さまからのご意見の例
[プラス評価]
・直接はなかなかいえない「素敵な接客でした。ありがとうござい
した」の気持ちが伝えられたら嬉しいです。
・資生堂がブランド名だけに頼るのではなく、足元からきちんとし
ていこうという姿勢がうかがえて、とてもよいことだと思います。
[どちらでもない]
・アンケートの有無に関係なく、いつもよくしてもらっています。
ました。お客さまにご満足いただければ、結果は自ずと出るはず
です。アンケートは業績評価につながるため、最初は不安もあ
りましたが、今までお伺いできなかったお客さまの生の声を聞く
ことができるといった期待感もあり、これを契機に、喜ばれる応
対とは何かをビューティーコンサルタント一人ひとりがより一層、
真剣に考えるようになりました。よりお客さまに近いところで接
するようになり笑顔の回数も増えて
活動ベクトルの共有化
こうした展開にあわせて、ビューティーコンサルタントだ
けでなく、営業部門も含めた販売第一線の活動を強化
していきます。
「一人でも多くの新しいお客さまに出会い、
出会ったお客さまを美しくし続ける活動」
を、販売第一線
の社員が共通で目指す活動と位置付け、ビューティー
コンサルタントと営 業 部 門 の 意 識 改 革とコミュニ
ケーション強化に取り組みます。ビューティーコンサル
います。
ビューティーコンサルタントの活動
は、お客さまをただ一方的にきれい
にすることだけではなく、それぞれの
お客さまならではの「キレイ」
を一緒に探し実現していくこ
と。今後も感謝の気持ちと
笑顔を忘れず、お客さまの喜
びを目指していきます。
タントの
「お客さま応対満足度評価」
を営業担当の業績
評価にも反映させるなど、営業部門とビューティーコン
サルタントの活動ベクトルを合わせ、活動内容を連動さ
せていきます。これにより、販売第一線が一体となって店
頭からの改革の大きなうねりをつくり出し、
「国内マーケ
ティング改革」成功への原動力としていきます。
資生堂販売
(株)埼玉支店
山田ビューティーコンサルタント
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
15
営業改革/組織機構改革
Integration
事業の枠組みを外して統合・再編し、
お客さまにとって最適な体制を構築することで
グループの総合力を活かしたシナジーを発揮します。
2005 年冬には、従来の
化粧品事業・トイレタリー事業の営業改革
化粧品事業とトイレタリー
事業が合同で新製品発
表会を開催。全国 6 会場
で 2,000 人を超える小売
流通環境の変化や業界の再編が進む中、資生堂が
「成長と躍進」
を果たしていくためには、それぞれのチャ
業の方々にご参加いただ
き、好評を博しました。
ネルの店頭で、そのチャネルを利用されるお客さまに
とって最適な形で商品を提供していくことが必要です。
お客さまの購買行動に合わせたマーケティングが展開
できる営業活動を推進するため、営業の使命と役割を
ゼロベースで見直す改革に着手します。これは、資生堂
として強化しています。この体制のもと、これまで化粧品
グループの持つ営業における資源を最大限に活かすた
とトイレタリーで別々に実施していた本部折衝について
め、チャネルや市場特性に合わせ、営業体制を再編・
は、化粧品とトイレタリーの営業機能を融合したチーム
構築するものです。2006年4月に行った「化粧品事業と
を編成することで、強力な営業展開を図っていきます。
トイレタリー事業の融合」では、販売第一線の機能を化
従来のトイレタリー事業が持つセルフセレクション領域で
粧品専門店、組織小売業、百貨店、ホールセールと
の情報収集・分析や提案におけるスキルを共有するこ
いったそれぞれのチャネル特化型の組織に再編する
とで、提案力、交渉力を高めていきます。一方、各店舗
「チャネル別営業体制」
を導入しました。
に対する営業は、本部で決定された内容をそれぞれの
店頭で確実に実現していくため、効率的な営業プロセ
■化粧品・トイレタリーのチャネル別営業体制
化粧品専門店
組織小売業
百貨店
ホールセール
スを確立していきます。
化粧品専門店に向けては、地域密着型営業を強化
するための「支店」
と、広域エリアで市場を統括する9
支店(59支店)
営業本部
(11本部)
支社(9支社)
デパート
営業本部
(7本部)
ホールセール
営業本部
(6本部)
つの「支社」
とに再編します。
「支店」では、それぞれの
化粧品専門店の特長を活かしたお店づくりを支援し、
店頭の活性化を図ります。
「支社」では、エリア全体の
販売戦略を策定するとともに、広域化の傾向にある専
門店グループに対応し、共存共栄のビジネスモデルを
地域密着型営業・
折衝力・
専門店グループ 売場づくり強化
対応
地域別拠点店
の育成強化
大手系列店との
連携強化
構築していきます。
ホールセール向け営業は、従来、トイレタリー事業
の支店で行っていましたが、2006年4月からは新設し
チャネル別営業体制の構築
成長著しいドラッグストアを中心とした組織小売業へ
業向け「営業本部」が担当する大手系列との連携を強
の営業力強化は重要な課題の1つです。全国に広が
化するとともに、その他の小売業を対象に、ホール
る 組 織 小 売 業 の 本 部 に 対 応 するた め 、従 来 、
セールの営業力との相乗効果で、配荷店拡大と店頭
東京・大阪・名古屋の3地域で展開していた営業本部
づくりを進めていきます。
を2006年4月からは全国に拡大し、11の営業本部体制
16
た「ホールセール営業本部」が担当します。組織小売
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
「お客さまからの、より深い信頼へ」
ヘルス&ビューティーケア領域の再編
資生堂ではこれまで長い間、成長著しいヘルス&
ビューティーケア市場に対して、
「ビューティーフーズ」
、
「医
「オール資生堂」の強みを活かし、小売業への商談力を
高め、提案内容を1店舗1店舗で着実に実現していく仕
組みを構築していきます。
薬品」
、
「ファインケミカル」
といった縦割りの事業部で展
日々の営業活動を通じ、今の小売業の皆さまが求めている
開してきましたが、市場やお客さまの変化に的確に対応
のは、化粧品、
トイレタリーといった枠組みのない「オール資生
するため、この領域でも事業の枠組みを外して組織の
堂」
としての提案であると感じていました。今回の事業融合に
統合・再編を行いました。2006年度からは、幅広いお客
より、まさに小売業の皆さまのニーズに、すなわちお客さまの
さまをターゲットに、美と健康のニーズに応えるための食
品や一般用医薬品を提供する
「ヘルスケア事業」
と、医
師や研究機関を主なお客さまとし、医療用医薬品、化
粧品用原料とこれを発展させた新素材、美容皮膚医療
などを提供する
「フロンティアサイエンス事業」
とで展開
し、対応力を強化していきます。
ニーズに対応できる構造となったと思います。
2005年7月から、この事業融合後の姿をシミュレーションす
る営業タスクフォースで活動してきましたが、化粧品事業とトイレ
タリー事業では商習慣も異なり、課題は山積みでした。しかし、
組織小売業の本部に対する商談力を高め、それぞれの店頭で
自分たちの提案内容を実現していくためには、化粧品事業の持
つブランド力とトイレタリー事業の持つ営業ノウハウを融合させ
特に、ヘルスケア事業は、身体の中から美しくなるサ
ることが必須であり、同じ目標のもと、タスクフォース全員で具体
プリメントなどを中心に、化粧品事業との連携をさらに
的 な 課 題を抽 出し、解 決 策を見 出してきました 。また
強化し、資生堂グループの総合力を発揮することで、お
オール資生堂として、化粧品とトイレタリーを合わせた商品ライン
客さまの美と健康に貢献する事業として育てていきます。
アップで各小売業に提案できることは大きな強みとなり、今春発
このような取り組みを通じて、成長市場への積極展開
売した
「TSUBAKI」
においてはグループの連携のもと、期待以上
の売場確保を達成しました。
を強力に推し進めます。
今後は、これまでに営業タスクフォース
■ヘルス&ビューティーケア領域の新体制
が抽出した課題とその解決策を全営業
担当者で共有し、
「さまざまな仕組みを活
一般消費者向け
化粧品・
美容・
医薬部外品 健康食品
一般用
医薬品
ヘルスケア事業
製薬企業、研究機関、
医師等向け
医療用
医薬品
美容皮膚 クロマト・
医療
マテリアル
用して行動に移すと、このような成果が
上がる」
ということを実体験できる事例を
構築し、事業融合の営業面における成
果を高めていきます。
フロンティア
サイエンス事業
連携
化粧品
事業
組織流通部
ひょうざわ
兵沢 清美
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
17
中国事業の拡大加速
Global
中国事業を「成長と躍進」のシンボルと位置付け、
お客さまのニーズにあわせたブランド政策を推進し、
事業展開のさらなる加速を図ります。
専用化粧品コーナーを設
置した「資生堂化粧品専
門店」は、地域に密着した
きめ細やかな応対で、確
実に認知度が高まってき
ています。
中国事業のさらなる成長
資生堂の成長の牽引役である中国事業は、
1981年に
日本から輸入品の販売を開始して以来、飛躍的な拡大
を遂げており、2005年度も計画通り、30%を超える売上
伸長を果たしました。一方で、大手グローバル企業が中
国展開の強化を図っているほか、流通環境も大きく変化
してきています。資生堂が現在の中国市場におけるプレ
ゼンスを徹底強化し、さらなる成長を実現していくために
として組織化する
「資生堂化粧品専門店」の出店をさ
は、将来を見据えた明快なブランド別・チャネル別戦略
らに加速します。2005年度は計画通り累計で1,000店
が必要となります。そのため、2006年度には、それぞれ
以上との契約を達成し、2006年度は1,700店に拡大す
のチャネル特性に合わせ、お客さまのニーズに対応した
る計画です。資生堂の日本におけるチェインストア運営
商品やプロモーションを展開していきます。
のノウハウを活用したこの取り組みは、中国の化粧品
専門店に資生堂の「おもてなしの心」
を広げていくもの
でもあり、契約した化粧品専門店の方々からも高い評
価を得ています。今年度中には、中国の化粧品専門店
専用のブランドを新たに導入し、ラインアップを強化し
ていきます。
中国女性の肌研究をベー
スに1994年に発売した中
国専用ブランド「オプレ」
は、中国の代表的ブラン
ドとしての地位を確立して
組織小売業チャネルにおいても、
トイレタリーや医薬
品を含めたグループ全体のブランド力を活かした商品
展開により、今後さらに期待される市場の成長性に対
います。
応していきます。
こうしたブランド別・チャネル別戦略を下支えする中
チャネル×ブランド戦略の展開
百貨店チャネルにおいては、現在、中国の取り扱い
強化するため、2005年11月には旧施設の約10倍となる
店でトップシェアを獲得している
「オプレ」ブランドのさ
総建築面積約3,000㎡の新中国研究所を開設しまし
らなる価値向上を図ります。中国女性のために開発さ
た。新中国研究所では、中国向け商品開発のための
れ、現地生産・現地販売の中国を代表するブランドと
研究開発を行うほか、世界的に注目の高まっている中
して支持され続けている
「オプレ」ですが、この優位性
医学の研究を通じ、世界に向けて新しい美の価値を
をさらに確固たるものとするため、現在よりもワンランク
発信する機能を担っています。
上の価値を持つ新ラインを導入するとともに、百貨店に
おけるプロモーションをさらに強化していきます。
化粧品専門店チャネルに向けては、中国で急増して
いる個人経営の専門店を資生堂のボランタリーチェーン
18
国のインフラ整備の一環として、研究開発機能をさらに
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
「お客さまからの、より深い信頼へ」
■中国市場のチャネル×ブランド戦略
長年中国で築いてきた資生堂の高いブランドイメージと
店頭応対力をフルに活かして、化粧品専門店ネットワー
デパート
輸入
「 」の
グローバルライン
超高級
クを開拓・育成していきます。
中国専用・現地生産
高級
「オプレ」
中国に来て驚いたことは、
「オプレ」
を中心とした百貨店ビ
ジネスの成功によって築いてきた中国での資生堂の知名度
大衆
アウトオブ資生堂ブランド
「イプサ」など
が、想像していた以上に高いということ。中国女性の「憧れ」
輸入
となっているブランドイメージは、私たちが専門店ビジネスを進
現地生産
「 」の
メンズ、
トイレタリーライン
アウトオブ資生堂ブランド
「 Za(ジーエー)」など
現地生産
輸入
「 」の
リージョナルライン
めていく上で最大のアドバンテージです。
化粧品専門店専用
ブランド
「ピュア&マイルド」など
果がありました。1つめは、短期間で中国全土の大・中規模都
この広大な国土で専門店を開拓する過程で2つの大きな成
市における一番店と契約を結び、その店頭の一番よい場所に
現地生産
「資生堂化粧品コーナー=資生堂の顔」
を配置することができ
・ハイパーストア
・
ドラッグストア
・近代薬局
・コンビニエンスストア
組織小売業
たこと。これにより、統一したイメージを醸成でき、お客さまとの
出会いが広がっています。2つめは、契約店に対して同時に同
化粧品専門店
じ温度で情報伝達を行うトレーニングやセミナーの仕組みが整
備できたことです。お店への教育は、まず「サービスを提供する」
といった意識改革から始めました。契約初期の基本教育に加
グローバル化への対応強化
資生堂が成長を果たしていくためには、グループの
え、開店後も店頭でのフォローをしっかり行うことで、着実に
「お
客さま満足」の考え方が根付いてきています。
ブランド力や70カ国に及ぶ海外展開力を最大限に発
現在、ほとんどの契約店で売上インストアシェアNo.1を確
揮し、グローバル化を加速していくことが必要です。そ
保していますが、今後は、物流
のため2006年度は、グローバル視点でブランド戦略を
などのインフラ整備を進めなが
再構築するとともに、エリア・チャネルの視点で資生堂
グループにおけるシナジーの最大化を図ります。国内
マーケティング改革と同様に、徹底的な「選択と集中」
により、成長の柱となる
“太く・強い”
ブランドの育成・
ら、資生堂のブランドイメージを
バックボーンに店頭での応対力
強化に重点を置き、刻々と変化
していくお客さまのパーソナル
ニーズにお応えしていきます。
強化を重点的に推し進めます。このようなグローバル戦
略の展開を通じて海外での力強い成長を果たすこと
資生堂(中国)投資有限公司
専売店営業部
により、グローバルコンペティターと伍して戦うための基
松岡 洋一郎
盤整備を進めます。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
19
研究開発
研究開発の基本方針
資生堂の研究開発拠点は、神奈川県横浜市の2カ所のリサーチセンター、東
京都品川区のビューティーソリューション開発センターをはじめ、米国
(東海岸)
、
欧州(フランス)
、アジア
(中国)
など世界各地域に広がっています。2006年度に
は、東南アジア
(タイ)
に拠点を設けるなど、研究開発体制のグローバル化をさ
らに推し進めていきます。特に中国においては、2005年11月に「資生堂(中国)
研究開発中心有限公司」の新社屋を建設し大幅に機能を拡張するなど、販売
面のみならず研究開発面においても中国を重要な拠点と位置付け、取り組み
を強化しています。
資生堂の高い研究開発力を裏付けるものとして、化粧品技術の最高峰とされ
資生堂(中国)研究開発中心有限公司では、中国向
けの商品開発とグローバル市場向け商品のための中
医学研究を行っています。
での数々の受賞歴に加え、2005年9月には、
ているIFSCC*大会(Congress)
イタリア・フィレンツェで開催されたIFSCC中間大会(Conference)
において、
『顔の“たるみ”
を光学的に補正する粉体「レフ板効果パウダー」の開発』で最優
秀賞を受賞しました。
このように資生堂では、これまで優位性の高い技術を開発し、お客さまの美
と健康に貢献する付加価値の高い商品をつくり出してきました。今後さらに、
「美
しくありたい」
というお客さまの願いにより高度に応えていくために、化粧品だけで
はなく、サプリメントや エステなど 身 体 の 内 外 から働きかけるトータルな
ソリューション
(願望をかなえたり、悩みを解決するモノやこと)
を提供していくこと
「お客さま志向」の観点から研究
を目指しています。そのために、2006年4月より
開発の仕組みを進化させ、モノづくりの初期段階から、商品の中味・外装
(ハー
新設した「ビューティーソリューション開発センター」
において、美容ソフトに関する研究を行っています。
ド)
と美容法や美容施術など(ソフト)
を並行して開発する体制を整備し、
トータルソリューションの創造力強化に取り組んでいます。
*IFSCC(国際化粧品技術者連盟:International Federation of Societies of Cosmetic Chemists)
シミのある部分
シミのない部分
研究開発トピックス
新美白ブランド「HAKU」の開発
シミのある部分では、メラニンが過剰に生成され、多
量に存在しています。
シミのある部分
シミは、紫外線などの影響によって表皮基底層(表皮の最下層)
にあるメラノ
サイト
(色素形成細胞)
でメラニンが過剰に生成され、肌が浅黒く見えることに
シミのない部分
よって生じています。
このシミ部位の皮膚状態について詳細に研究を重ねた結果、シミ部位の皮
シミのある部分では、活性化したメラノサイトが増加
しています。
膚はシミのない正常部位の皮膚と異なり、肌内部で慢性的に微弱な炎症を起
こしていることを発見しました。さらに、資生堂が独自に美白有効成分として開
発したm-トラネキサム酸が、慢性微弱炎症に作用してシミを防ぐ効果があるこ
とを見出しました。
この新知見に基づき、m-トラネキサム酸を配合した新美白美容液「HAKU
メラノフォーカス」を2005年4月に発売。発売8カ月で売上100万個を超える大
ヒットとなっています。
20
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
新ヘアケアブランド「TSUBAKI」の開発
ヘアダメージの発生・進行について詳細に解明するため、毛髪内部の微細構造
「艶」を与える効果
キ
ュ
ー
テ
ィ
ク
ル
の変化について研究を行った結果、カラーリングやパーマ、紫外線などのダメージ
要因によって、髪表面をうろこ状に覆っている組織
(キューティクル)
の内部に小さ
イメージ図
「弾力」を与える効果
な穴
(キューティクルホール)
が発生することを見出しました。さらには、このキュー
ティクルホールが次第に大きく広がっていくことでキューティクルの剥がれを引き起
コ
ル
テ
ッ
ク
ス
こすこと、また、髪の内部組織
(コルテックス)
からタンパク質が流失することによっ
イメージ図
「表層補修」効果
て、ヘアダメージの進行を引き起こしていることを明らかにしました。
このような現象に対し、毛髪内部の構造にアプローチしてダメージを補修する
ヘアケア成分の探索を行った結果、尿素の誘導体であるヒドロキシエチル尿素
が有効に作用することを発見しました。ヒドロキシエチル尿素は、ダメージを受け
イメージ図
「深層保護」効果
たキューティクルとコルテックスを同時に補修する優れた効果を有しており、これ
に、純度の高い椿オイル、ならびに美髪補修成分ポリマーナノスフェアを組み合わ
せることにより、
「高純度椿オイルEX」
を新たに開発。日本女性が生まれ持った
イメージ図
「高純度椿オイルEX」が髪の「艶」
と
「弾力」を
引き出します。
髪の「艶」
と
「弾力」
という美しさの素質をさらに引き出す新ヘアケアブランド
「TSUBAKI」
に配合し、2006年3月より発売しています。
知的資産の活用
資生堂の知的資産は、高い研究開発・技術力や優れた美容法、ビューティーコンサルタントによるお客さまへ
の店頭応対力をはじめ、コーポレートブランド「
」や商品ブランド、特許や著作権といった知的財産
など、グローバルかつ多岐にわたります。資生堂は、こうした知的資産とこれらを担う社員、さらには国内愛用
者組織「花椿CLUB」が象徴する日々の活動を通じて出会うお客さまとの信頼関係や、ボランタリーチェーン制
度をはじめとした取引先の方々とのネットワークなど、創業以来蓄積してきた多様な無形資産を活用して経営を
進めてきました。特に、2005年度からの3カ年計画では、お客さまと資生堂を結ぶブランドや、お客さまへの応
対、さらには資生堂を
「魅力ある人」で埋め尽くすための人材育成を重点強化するため、積極的な経営資源の
投入を行っています。資生堂は、これらの無形資産が集約された信頼のブランド「
」
を次世代に向
けて育むとともに、知的資産経営を今後とも拡充させ、企業価値の永続的向上に努めてまいります。
主な知的資産データ
(2005年度末現在)
社員数
約15,000名(日本) 約11,000名(海外)
研究員数
約1,000名
研究開発費
165億円(連結売上高の2.45%)
※2005年度
総特許件数
928件(日本)
、252件(海外) 計1,180件
取扱店数
約83,000店(日本)
、約39,000店(海外)
ビューティーコンサルタント数
約10,000名(日本)
、約9,000名(海外)
「花椿CLUB」会員数
約550万人(日本)
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
21
CSR(企業の社会的責任)
CSRに対する基本方針
資生堂は、1872年の創業以来、
「お客さまのお役に立ち、社会に貢献する」
と
いう創業の精神を今日に至るまで追求し続けています。
企業理念
THE SHISEIDO WAY
(資生堂企業行動宣言)
THE SHISEIDO CODE
(資生堂企業倫理・行動基準)
社内規程・社内ルール
1921年に制定した「資生堂五大主義」
(品質本位主義、共存共栄主義、消費
者主義、堅実主義、徳義尊重主義)
は、現在のCSRの精神そのものです。
この五大主義の精神を引き継ぎつつ、1989年には企業理念、1997年にはCSR
憲章ともいえる
「 THE SHISEIDO WAY(資生堂企業行動宣言)
」を制定し、
それぞれのステークホルダーに対し、どのような企業行動をとるのかを明文化し
企業行動・日常業務活動
ています。これを実現するための具体的な基準が「THE SHISEIDO CODE
(資生堂企業倫理・行動基準)
(
」1997年制定、2003年改定)
です。また、2004年
9月、国連グローバル・コンパクトに参加を表明し、国際社会に対しても良き企業
市民として自発的に社会的責任を果たしていくことを宣言しました。
今後もグローバルな視点で、化粧品会社の資生堂だからこそできるCSR活動
に積極的に取り組んでいきます。
「国連グローバルコンパクト」
は、人権・労働・環境・
腐敗防止の4分野で10原則を策定しています。
CSR活動トピックス
化粧を通じた社会貢献活動
あざや外傷といった外見上の悩みをメーキャップによりカバーし、気持ちを明
るく引き立てる化粧効果を「セラピーメーキャップ」
と呼び、資生堂では1992年
頃から大学病院などと共同でその研究・普及に取り組んできました。2006年6
月には新たに「ソーシャルビューティーケアセンター」
を銀座に設け、幅広いお客
さまを対象にセラピーメーキャップ活動を展開しています。専門のビューティーセ
ラピストが外見上の悩みを解消し、個々のお客さまが持つ美しさを最大限に引
き出すメーキャップ法を考え、無料でカウンセリングと実習を行います。2006年
ビューティーセラピストによる施術活動。
秋には白斑用のカバーファンデーションもラインアップし、取扱店での活動を広
げていきます。
また、企業や学校などのご依頼に応じ、全国の事業所にて
「美容セミナー」
を
開催しています。化粧品の正しい使い方に加え、化粧生活をより豊かに楽しくす
るアイデ アなどもお 伝 えしています。障 が いのある方 や 高 齢 者 向 けの
コースも設けており、医療・福祉の分野からも注目されています。
「SHISEIDO社会貢献くらぶ−花椿基金−」
2005年7月より創設した従業員参加型の社会貢献支援組織「SHISEIDO社
会貢献くらぶ−花椿基金−」では、趣旨に賛同した資生堂グループ社員が継
続的に給与から資金の積み立てを行うとともに、災害時の義援金の募金窓口
2005年度の株主の皆さまからの寄付金は、
「国連
女性開発基金(UNIFEM)
」
日本国内委員会に寄
付いたしました。
22
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
としても活動しています。また、株主優待の1つとして「社会支援団体への寄付
コース」を設け、選択された株主の皆さまからご寄付いただくとともに、資生堂
主催セミナーの入場料収入の一部を寄付させていただくなど、参加者は社員
だけでなく、各ステークホルダーにも広がっています。
環境対応
1992年度に環境に関する経営方針「資生堂エコポリシー」を制定するととも
に、1997年度から2001年度にかけては、各ビジネスプロセスにおける環境活動
基準「資生堂グローバル・エコスタンダード」
を定め、すべての事業活動におい
て地球環境の保全に努めています。これまでに国内外16の化粧品工場におい
て国際環境規格ISO14001認証を取得しているほか、2001年度から使用済み
化粧品ガラスびんの回収とリサイクルを全国で展開しています。
取引先との企業倫理活動の展開
商品の中味を製造するための原料や香料、パッケージ、販売促進物などを購
使用済み化粧品ガラスびんのリサイクル活動。
入している外部の会社
(サプライヤー)
と一体となってCSR活動に取り組むことを
を策定しました。
狙いに、2006年3月に「資生堂グループ サプライヤー行動基準」
「法令遵守」
、
「労働
(児童労働・差別の禁止、安全衛生の徹底など)
」
、
「知的財
産の保護および機密の保持」
、
「環境保全」
、
「公正な商取引」
に関する行動基準
を国内外の事業所を通じて各サプライヤーに案内し、活動の輪を広げています。
社員とともに
活力のある職場環境を目指し、①社員の多様性を活かす社内風土の醸成、
②若手および女性の経営意思決定への参画促進を視野に入れたリーダーの育
成・登用、③ワーク・ライフ・バランスと生産性の向上を目指した社員の働き方の
「資生堂グループ サプライヤー行動基準」
見直し、④優秀な人材を確保するための仕事と出産・育児との両立支援の4つ
の重点課題に取り組んでいます。
特に、社員の多様性を活かす活動として、2006年1月、知的障がい者を中心
とした特例子会社「花椿ファクトリー」
を立ち上げました。国内工場内の作業ラ
インで、健常者とともに化粧品の加工やセット作業を行っています。自立を目指
し働く障がい者社員に戦力として大きな期待を寄せるとともに、経営面でも自立
した会社になることを目指しています。
また、男性社員の育児参加促進を狙いとして、従来の育児休業制度(子ども
が満3歳まで取得可能、無給)
に加え、2005年4月より、連続2週間の有給の育
児休業も選択可能としました。これにより、男性社員の育児休業取得者数は
男性社員による有給育児休業の取得。
2004年度の1名に対し、2005年度には16名に増加しています。
資生堂のCSR活動の詳細は、
CSRレポートをご覧ください。
http://www.shiseido.co.jp/csr/
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
23
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスの基本方針
層の権限委譲を進め、経営のさらなるスピードアップを
資生堂がお客さま、取引先、株主、社員、社会とい
図ります。
資生堂は常勤監査役2名と、当社とは利害関係のな
うすべてのステークホルダーの方々から
「価値ある企業」
として支持され続けるためには、企業価値、株主価値
い非常勤の社外監査役3名が監査役会を構成していま
の最大化に努めるとともに、社会的な責任を果たし、か
す。監査役は取締役会その他重要な会議への出席な
つ持続的な成長、発展を遂げていくことが重要です。こ
どを通じ、取締役の業務執行の適法性・妥当性につい
の認識のもと、コーポレートガバナンス
(企業統治)
の改
て監査を実施しています。
革に取り組んでいます。
なお、公認会計士監査については、従来、中央青山
監査法人に依頼していましたが、同監査法人の任期満
コーポレートガバナンスの体制
了に伴い、あずさ監査法人に変更しています。
資生堂の取締役会は取締役9名で構成し、迅速な意
思決定を行う体制としています。取締役会は毎月1回開
資生堂独自の制度・仕組み
催し、重要事項はすべて付議されています。
このほか経営の透明性・客観性を高める観点から、
また執行役員制度を導入し、意思決定・監督を担う
取締役会の諮問機関として、役員の報酬制度を策定す
取締役会の機能と業務執行を担う執行役員の機能を
る
「役員報酬諮問委員会」
と、取締役・執行役員候補の
分離しています。さらに執行役員の重要案件の業務遂
選抜を行う
「役員指名諮問委員会」
を設置しています。
行を決裁する
「経営会議」を設けることで、執行役員へ
いずれの委員会も社外取締役を委員長とし、客観性を
の権限委譲を進め、責任の明確化を図っています。同
確保しています。
会議は、CEO兼COO(最高経営責任者兼最高執行責
「役員報酬諮問委員会」
においては、固定報酬の割
任者)
である社長が議長を務めています。なお取締役
合を縮小し業績連動部分を拡大した新報酬制度を策
および執行役員の任期は1年です。
定し、2005年度から導入しています。また業績連動部分
また、経営に外部視点を取り入れ、業務執行に対す
の報酬については、当委員会で確認された数値目標の
る一層の監督機能強化を図ることを目的に、2006年度
達成度に応じて金額を確定しています。
より社外取締役2名を起用しました。社外から取締役を
「役員指名諮問委員会」では、役員候補の選抜のほ
招聘することにより、取締役会は経営上の重要事項の意
か、
トップマネジメント力の強化、すなわち役員全員が高
思決定と監督機能に特化するとともに、執行役員への一
いレベルで成果を出し続けることを狙いに、執行役員の
在任期間の上限設定や昇降格・退
■資生堂の経営・業務執行体制
任のルールづくりなど、新たな仕組
株主総会
法令上の総会決議事項
選解任
選解任
監査役会
(株)資生堂
監査
取締役会
CSR、企業倫理、総合リスク
対策、個人情報保護、
技術品質の5委員会
監督
役員報酬諮問委員会
経営会議
執行役員政策会議
決裁・承認
提案
決裁・承認
担当執 行 役員意 思 決 定 会 議
24
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
不可欠であるとの考えのもと、さまざ
まなリスク管理機能を強化する観点
から、取締役会直轄の委員会を設
役員指名諮問委員会
法令上の重要事項の提案
また「社会に対する責任」
を果た
すことが持続的発展のために必要
取締役会直轄委員会
報告
みの構築を進めてきました。
置し、社内から横断的に委員を選
出し運営しています。具体的には、
企業に求められる社会的責任につ
いて取り組む「CSR委員会」
、法令遵守にとどまらず企業
倫理の視点から適法かつ公正な企業活動の徹底を行
会計監査人に支払うべき監査報酬等の内容
支払額
(百万円)
区分
う
「企業倫理委員会」
、海外も含めた社内で想定される
①当社および連結子会社が会計監査人に支払うべき報酬
等の合計額
98
あらゆるリスクに対応した総合リスクマネジメントを整備・
②上記①の合計額のうち、公認会計士法第2条第1項の
監査証明業務の対価として支払うべき報酬等の合計額
98
推進する
「総合リスク対策委員会」
、個人情報保護体制
③上記②の合計額のうち、当社が会計監査人に支払うべき
報酬等の額
64
の浸透・定着や個人情報に関する事故の未然防止と事
故後の適切な対応支援を行う
「個人情報保護委員会」
、
技術リスクの低減、品質管理にかかわる仕組みの強化
を行う
「技術品質委員会」の5委員会です。
会社法「内部統制システムの基本方針」の決議
法令を遵守し、公正かつ効率的な企業活動を推進
するための体制を整備・運用していくことが、取締役とし
役員報酬および監査報酬
ての重要な責務であるとの認識のもと、取締役の職務
2005年度から導入している新たな役員報酬制度で
の執行が法令および定款に適合することを確保するた
は、業績目標の達成度や株価に連動する業績連動部
めの体制、ならびにその他業務の適正を確保するため
分を50%程度としています。業績連動部分は、毎年の
の体制に関し、
「内部統制システムの基本方針」
を2006
連結業績に応じて支給される短期インセンティブとして
年5月の取締役会において決議いたしました。当基本方
の賞与、3カ年計画の目標達成を基準とした「中期イン
針には、前記の「コーポレートガバナンスの体制」
と
「資生
センティブとしての株式報酬型ストックオプション」
、株主の
堂独自の制度・仕組み」の内容も含まれています。
皆さまとの利益意識の共有を主眼とした「長期インセン
特に、コンプライアンスについては、資生堂グループ共
ティブとしてのストックオプション」で構成されています。
通の「企業理念」や「THE SHISEIDO WAY(資生堂
なお、この3種のインセンティブにより、単年度のみなら
企業行動宣言)
」
、グループで働く一人ひとりが業務の中
ず中長期的な視野をもって、業績や株価を意識した経
で 実 践していくべき行 動 基 準「 THE SHISEIDO
営を動機付ける設計としています。
CODE(資生堂企業倫理・行動基準)
」
を制定し、適法
かつ公正な企業活動の推進に努めています。取締役会
取締役および監査役に対する役員報酬等の内容(2005年度)
取締役
区分
監査役
直轄の「企業倫理委員会」
を設置し、グループ全体の適
計
支給人員 支給額 支給人員 支給額 支給人員 支給額
(名) (百万円) (名) (百万円) (名) (百万円)
法かつ公正な企業活動を推進するための体制を構築
するとともに、コンプライアンスに関する定期的な研修を
定款または株主総会
決議に基づく報酬
9
214
5
106
14
320
利益処分による
役員賞与
4
11
—
—
4
11
計
225
106
331
注:1. 定款または株主総会決議に基づく報酬
取締役報酬は、旧商法第269条第1項第1号の規定に該当し、第89回定時株主総
実施しています。各事業所には、適法かつ公正な企業
活動を推進する
「コードリーダー」
を配置するとともに、グ
ループにおける法令・定款・諸規定に違反する行為など
を早期に発見して是正することを目的に、社外弁護士を
含めた複数の報告・相談窓口を設置しています。また、
会(1989年6月29日)決議による報酬限度額月額30百万円以内です。監査役報
酬は、第105回定時株主総会(2005年6月29日)決議による報酬限度額月額10百
万円以内です。
2. 当期末現在の取締役の人員は7名、監査役の人員は5名であり、上記の支給人
員には退任取締役2名が含まれています。
3. 上記支給額のほか、株主総会決議に基づく退職慰労金として、退任取締役2名
に対し308百万円の支払いがあります。なお、本支払いは、第104回定時株主総会
グループ全体の内部監査では、業務の適正性を監査
し、その結果を取締役および監査役に報告しています。
資生堂は、このような内部統制システムの整備・運用
を通じて、企業価値の向上に努めてまいります。
(2004年6月29日)における退職慰労金制度廃止に伴う打ち切り支給の決議に基
づく支払いです。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
25
取締役・監査役および執行役員
(2006年6月29日現在)
取締役
代表取締役 執行役員副社長
取締役 執行役員専務
取締役 執行役員常務
CEO 兼 COO
中国事業 担当
国内化粧品事業 営業領域 担当
資生堂販売(株)代表取締役社長
IR・財務・法務・総務 担当
前田 新造
西森 誠二
小林 敏光
原田 康彦
代表取締役 執行役員社長
取締役 執行役員常務
取締役 執行役員
取締役 執行役員
社外取締役
社外取締役
国際事業部長
プロフェッショナル事業部長
人事・秘書・
お客さま情報 担当
経営企画部長
アスクル株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
早稲田大学大学院法務研究科・
法学部併任教授 法学博士
小松 正明
岩田 喜美枝
川崎 清
岩田 彰一郎
上村 達男
監査役
執行役員
監査役(常勤)
生駒 清治
執行役員専務
中国総代表
資生堂
(中国)
投資有限公司董事長
監査役(常勤)
斎藤 忠勝
伊勢嶋 勲
社外監査役
執行役員常務
グローバルR&D 担当
原田 明夫
熊野 可丸
社外監査役
執行役員常務
情報企画・ロジスティクス 担当
大宅 映子
社外監査役
保田 博
執行役員
R&D戦略・特許・基盤研究 担当
稲葉 民生
執行役員
ヘルスケア事業・
フロンティアサイエンス事業 担当
ヘルスケア事業部長
資生堂薬品(株)代表取締役社長
資生堂ビューティーフーズ
(株)代表取締役社長
執行役員
専門店部長
石丸 正之
森 光平
山中 健正
長屋 俊郎
執行役員
資生堂アメニティグッズ
(株)
代表取締役社長
執行役員
技術 担当
柿崎 孝夫
中村 淳
執行役員
企業文化部長
野口 正
大矢 和子
執行役員
生産技術開発センター長
執行役員
国内アウトオブ資生堂事業 担当
池田 敏秀
佐竹 一利
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
東久保 和雄
執行役員
生産事業 担当
執行役員
ブティック事業 担当
企業文化・宣伝制作・広報 担当
執行役員
(株)
エフティ資生堂代表取締役社長
26
執行役員
国内化粧品事業
事業戦略・
マーケティング領域 担当
山内 豊
執行役員
製品開発・ソフト開発 担当
米山 俊夫
グローバルネットワーク
(2006年3月31日現在)
事業名
生産・販売ほか
親会社
子会社・関連会社
海外(66社)
(株)
資生堂
国内(36社)
鎌倉工場
掛川工場
大阪工場
資生堂販売
(株)
資生堂フィティット
(株)
(株)資生堂インターナショナル
(株)
ディシラ
(株)
イプサ
(株)
アユーラ ラボラトリーズ
(株)
エテュセ
(株)
キナリ
(株)
フルキャスト
(株)
資生堂ビューテック
(株)
ビューティーテクノロジー
(株)
エトバス
(株)
オービット
(株)
アクス
ボーテプレステージ
インターナショナル
(株)
(株)
インターアクト
台資商事
(株)
(株)
ピエール ファーブル
ジャポン**
販売ほか
生産
トイレタリー
販売ほか
事業
久喜工場
アジア・オセアニア
(23社)
資生堂インターナショナル
資生堂インターナショナルヨーロッパ
資生堂ヨーロッパ
コーポレーション
資生堂コスメティックス
(アメリカ) 資生堂ドイチュラント
資生堂コスメティチ
(イタリア)
資生堂オブ ハワイ
資生堂トラベルリテールアメリカ 資生堂フランス
資生堂カナダ インコーポレーテッド 資生堂エスパーニャ
資生堂ユナイテッド キングダム
資生堂ブラジル
ボーテプレステージインターナショナル ボーテプレステージインターナショナル
ボーテプレステージインターナショナル
(マイアミ)
(ドイツ)
ナーズ コスメティックス
ボーテプレステージインターナショナル
インコーポレーテッド
(スペイン)
ザー インターナショナル
ボーテプレステージインターナショナル
コーポレーション
(イタリア)
デクレオール U.S.A.
ボーテプレステージインターナショナル
(ベルギー)
ボーテプレステージインターナショナル
(オーストリア)
ボーテプレステージインターナショナル
(オランダ)
ボーテプレステージインターナショナル
(UK)
ノム デュコード
デクレオール
(UK)
カリタ
カリタインターナショナル
カリタ
(UK)
レ・サロン・デュ・パレロワイヤル・シセイドー
フィパル
331インターナショナル
SMB
資生堂
(中国)
投資有限公司
資生堂
(中国)
研究開発中心
有限公司
北京花之友化粧品販売中心
資生堂大昌行化粧品有限公司
資生堂大昌行化粧品
(広州)
有限公司
法 麗国際股 有限公司
韓国資生堂
資生堂タイランド
サハ アジアパシフィック
資生堂オーストラリア
資生堂シンガポール
資生堂マレーシア
資生堂フィリピン
資生堂トラベルリテール
アジアパシフィック
ボーテプレステージインターナショナル
(シンガポール)
台資控股有限公司**
(株)
エフティ資生堂
資生堂アメニティグッズ
(株)
資生堂プロフェッショナル(株) パエディア カナダリミテッド
資生堂美容室(株)
資生堂薬品(株)
資生堂ビューティーフーズ(株)
(株)ザ・ギンザ
(株)資生堂パーラー
資生堂開発(株)
資生堂物流サービス
(株)
資生堂情報ネットワーク
(株)
資生堂アステック
(株)
資生堂リース
(株)
資生堂インベストメント
(株)
販売ほか
12社/16工場
68社
2社
資生堂医理化テクノロジー
(株)* ゾートスインターナショナル
インコーポレーテッド*
その他の事業
合計
(103社)
2社/2工場
(株)
ミュウプロダクツ
生産
合計
欧州(29社)
花椿ファクトリー
(株)
資生堂アメリカインコーポレーテッド 資生堂インターナショナルフランス 資生堂麗源化粧品有限公司*
資生堂ホネケーキ工業(株)** ダブリンインダストリーズ
(ジアン、バル・ド・ロワール/2工場) 上海卓多姿中信化粧品有限公司
インコーポレーション
ラボラトワール デクレオール*
台湾資生堂股 有限公司*
(中 、新竹/2工場)
資生堂ニュージーランド*
上海華
(女尼)
透明
美容香 有限公司**
生産
化粧品事業
アメリカ
(14社)
2社/2工場
ジョイコ ホールディング
ジョイコ ラボラトリーズヨーロッパ
サル・デ・フェット**
資生堂プロフェッショナル
(タイランド)
PT.プラナ・デワタ・ウブド
18社
生産
1社/4工場
4社/4工場
3社/3工場
2社/3工場
5社/6工場
15社/20工場
販売ほか
—
32社
11社
27社
18社
88社
計
1社
36社
14社
29社
23社
103社
研究開発拠点
リサーチセンター
(新横浜)
リサーチセンター
(金沢八景)
ビューティー
ソリューション
開発センター
資生堂アジアテクノセンター 資生堂アメリカテクノセンター
資生堂ヨーロッパテクノセンター 資生堂(中国)研究開発中心
有限公司
(
(株)
資生堂内)
(資生堂インターナショナル
(ゾートス インターナショナル
資生堂プロフェッショナル(株)
ヨーロッパ内)
インコーポレーテッド内)
資生堂アメリカインコーポレーテッド 資生堂インターナショナルフランス
(バル・ド・ロワール工場内)
ゾートス インターナショナル
ラボラトワール デクレオール
インコーポレーテッド
(3拠点)
(2拠点)
(3拠点)
(3拠点)
「国内」
5拠点
「海外」
3カ国7拠点
(1拠点)
* 生産・販売会社
** 関連会社
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
27
2005年度資生堂グループ事業展開
売上高・営業利益率※
化粧品事業
(億円)
(%)
5,331
4,896 5,048
4,600 4,819
[資生堂、by 資生堂]
国内では、
「お客さま志向」のマーケ
ティングに徹するための国内マーケティン
グ改革を推進しました。
「メガブランド」の
グローバルライン
導入をはじめ、
“太く・強い”
ブランドの育
11.5
9.6
8.5
02
8.1
うべきビューティーコンサルタントが本来の
7.4
03
売上高
04
成に努めるとともに、
「資生堂の顔」
ともい
05
06
活動に専念できる仕組みを整備しました。
リージョナルライン
その結果、店頭売上も伸長し、カウンセ
営業利益率
リング化粧品、セルフセレクション化粧品
ともに堅調に推移しました。
一方、海外では、持続的な成長戦略
の実践や成長性と収益性を支える構造
改革に取り組み、中国を中心に各地域
において順調な売上伸長を収めました。
[アウトオブ資生堂]
「
」
を冠さず展開するアウ
海外発ブランド
トオブ資生堂ブランドにおいては、国内
では「ディシラ」や通販ビジネスへ戦略
的な費用投入を行い、重点ブランドの
売上伸長を図ることができました。
海外では、新製品導入効果により、
日本発ブランド
ボーテ プレステージ インターナショナ
ルの売上が大きく伸長しました。
売上高・営業利益率※
トイレタリー事業
(億円)
640
(%)
692
664
612
605
(0.6)
03
売上高
04
05
06
(%)
702
取り組みました。
営業利益率
(億円)
660
果、大幅な損益改善を果たしました。
海外では、中国において販路拡大に
(9.0)
売上高・営業利益率※
その他の事業
低収益事業からの撤退を進め、マーケ
ティング効率の向上と事業体制のスリ
0.5
02
点分野への集中化や不採算ブランド・
ム化による収益性の改善に努めた結
2.8
(8.3)
激しい競争環境の国内市場では、重
682
745
767
国内では、サロン向け商品や直営サ
ロンを展開するプロフェッショナル事業が
好調に推移するとともに、ビューティー
フーズ事業や医薬品事業もそれぞれ堅
5.0
4.9
調に推移しました。
ビューティーフーズ事業
海外では、米国でのサロン向けビジネ
1.7
02
1.9
03
売上高
2.4
スにおいて構造改革を進めながら成長
04
性の拡大に努めた結果、順調な売上伸
05
営業利益率
06
長を果たしました。
医薬品事業
ファインケミカル事業
その他
※2002年3月期∼2006年3月期 ※売上高は、セグメント間の内部売上高または振替高を含まない外部顧客に対する売上高です。営業利益率はセグメント間の内部売上高を含めた売上高に対するものです。
28
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
チャネル展開
百貨店
化粧品店
総合スーパー
エリア展開
ドラッグストア
コンビニエンスストア
その他
日本
中国
アジア
・オセアニア
欧州
アメリカ
2006年以降の
新セグメント分類
「クレ・ド・ポー ボーテ」
「ベネフィアンス」
「ホワイトルーセント」
「BOP」
「シセイドウ メン」ほか
「マキアージュ」
「エリクシール シュペリエル」
「リバイタル」
「HAKU」ほか
「ベネフィーク」
「キオラ」ほか
「&フェイス」
「シノアドア」ほか
「アクアレーベル」
「インテグレート」
「マシェリ」ほか
「ウーノ」
「アデノゲン」ほか
「化粧惑星」
「オプレ」
国内化粧品事業
「ピュア&マイルド」
「ジーエー」
「ジャンポールゴルチエ」
「イッセイミヤケ」
「ナーズ」
「ザー」ほか
「デクレオール」
「カリタ」
(スパ、サロン)
従来の「化粧品事業」
、
「トイレタリー事業」
、およ
び「その他の事業」の一
部のうち、日本における
事業展開が「国内化粧
品事業」
となります。
「イプサ」
「アユーラ」
「ディシラ」
海外化粧品事業
「エテュセ」 (バラエティストア)
「草花木果」
「エルゴラ」ほか (通販)
従来の「化粧品事業」
、
「トイレタリー事業」
、およ
び「その他の事業」の一
部のうち、海外における
事業展開が「海外化粧
品事業」
となります。
「TSUBAKI」
「洗顔専科」
「クユラ」
「シーブリーズ」ほか
プロフェッショナル向け
一般消費者向け
「資生堂プロフェッショナル」
「ゾートス」ほか
「資生堂ビューティーサルーン」ほか (サービス業)
「サプレックス」
「コラーゲンEX」ほか
「Q10シリーズ」
「フェルゼア」ほか
「ヒアロス」
「オペリード」ほか
その他の事業
「バイオヒアルロン酸」
「ナノスペース」ほか
レストラン、ブティックなど
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
29
2005年度事業別営業概況
化粧品事業
国内化粧品事業
2005年度(2006年3月期)
は、
「お客さま志向」のマーケティングに徹すること
を掲げ、国内マーケティング改革として、お客さまと資生堂とを結ぶ重要な経営
資源であるブランドを磨き直す「ブランド戦略の革新」
と、お客さまとの接点から
企業価値を高めるための「ビューティーコンサルタントの活動革新」
を重点課題
として取り組んできました。これらの活動を通じ、カウンセリング化粧品、セルフ
セレクション化粧品ともに着実な売上伸長を果たしました。
若年層向けシリーズを導入し、各年代に対応する
メンズブランドに進化した新生「ウーノ」
。
ブランド戦略の革新
“太く・強い”
ブランドの確立を目指して、ブランド戦略を商品開発とマーケ
ティング面から見直し、ブランドの統廃合を行うことでマーケティングコストの集中
化と効率化を図りました。この改革では、流通チャネルを限定し、お客さまとの
関係性を深めるブランド群を
「顧客接点深耕ブランド」
として継続育成していく
一方で、組織小売業を中心とした幅広いチャネルでお客さまとの出会いを拡げる
ブランド群を
「顧客接点拡大ブランド」
としてブランドの“メガ化”
を図りました。
独自に開発したうるおい導入成分「アクアシナジー」
の働きで、肌に欲しい成分を効果的に導入する
「ア
クアレーベル」
。
特に、中心となる
「メガブランド戦略」では、メーキャップやスキンケアなどそれ
ぞれのカテゴリーでトップシェアを目指しています。2005年8月には新メーキャップ
「マキアージュ」
と男性用の新生「ウーノ」
を、そして2006年2月には、セルフセレク
ション市場向けの新スキンケア
「アクアレーベル」
を導入し、目標通りそれぞれの
カテゴリーでトップシェアを獲得しました。
また、お客さまの3大美容悩みである
「シミ」
、
「しわ」
、
「薄毛」
に対応するため、
薬用有効成分を独自に開発し、新製品に配合しています。薬用美白有効成分
m-トラネキサム酸配合の美容液「HAKU メラノフォーカス」、薬用有効成分
レチノールアセテート配合の「リバイタル レチノサイエンス ローションAA」
、生体
内薬用成分アデノシン配合の発毛促進剤「薬用アデノゲン」は、それぞれ売上
「 HAKU メラノフォーカス」は発売 8カ月で売上
100万個を突破するなど記録的なヒットとなってい
ます。
に大きく貢献しました。
なお、顧客接点深耕ブランドでは、ハイプレステージブランド「クレ・ド・ポー
ボーテ」や、化粧品専門店専用の「ベネフィーク」
といった主力ブランドが確実
に伸長しました。これらの結果、カウンセリング化粧品の店頭売上は、前年比
では直近10年で最も高い成長性を確保しました。
販売チャネルの概況
こうしたブランド戦略を進める上で、チャネル戦略も表裏一体の関係にある
重要な要素となっています。特に、成長チャネルである組織小売業への対応が
課題であり、
ドラッグストアチャネルを中心に、積極的な売場強化に取り組んで
組織小売業はドラッグストアを中心に、お客さまの
幅広いニーズに対応するチャネルとして大きく伸長
しています。
ドラッグストアが最大の販売チャネルとなって
います。この結果、2005年度には、
おり、今後は、化粧品とトイレタリーの事業融合を機に、営業改革を推し進める
ことで一層のプレゼンス強化に努めていきます。
30
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
ビューティーコンサルタントの活動革新
お客さまとの接点からの改革として、ビューティーコンサルタントの活動評価の
仕組みを見直しました。
「お客さまから信頼を寄せていただく」
というビューティー
コンサルタント活動の基本精神に立ち返り、
「お客さま応対満足度評価」
を一部
の営業拠点に先行導入した結果、多くのお客さまから高い評価をいただくことが
でき、お客さまの満足と信頼を得るための活動が定着し始めました。この仕組み
は2006年度からすべての営業拠点に導入しています。
研究開発、品質、イメージ、販売におけるカウンセ
リングなど、すべてにおいて最高級を目指したハイ
プレステージブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」
。
海外化粧品事業
「ハイ・クオリティ」
、
「ハイ・イメージ」
、
「ハイ・サービス」
を追求するとともに、3カ
年計画における海外化粧品事業の基本戦略として、
「中国事業の拡大加速」
、
「収
益体質の強化」
、
「持続的な成長戦略の実践」
、
「成長性と収益性を支える構造
改革」に取り組みました。その結果、中国をリード役に、各地域において順調に
売上伸長を果たしました。
中国事業の拡大加速
百貨店チャネルにおけるさらなるブランド認知度向上と売上拡大に向け、中国
中国では、新モデルを起用した「オプレ」の広告の
投入など、積極的なマーケティング活動を展開し
ました。
専用ブランド
「オプレ」
に新モデルを起用するなど宣伝を強化するとともに、中国女
性の高い美白ニーズに対応すべく、
「
」
ブランドから美白ライン
「ホワイ
トルーセント」
を新規導入しました。化粧品専門店チャネルでは新規開拓を積極
的に推進しました。当初計画通り累計1,000店以上の専門店網を構築し、中国
全土で良質なサービスを提供できる体制づくりを進めました。さらに、急速なビジ
ネスの拡大に対応するため、現地生産能力や物流拠点の増強など、インフラの整
備にも取り組みました。
その他の地域の取り組み
資生堂の強みである抗老化・美白領域にマーケティング活動を集中し、主力ライ
新薬用有効成分ビタミンCエチルを配合した「ホワ
イトルーセント」は、美白ニーズが高いアジアを中
心に、世界中で支持を得ています。
ンの商品強化やプロモーションを重点的に実施しました。その結果、美白ライン
「ホ
ワイトルーセント」や抗老化ライン
「BOP」
などが大幅に売上を伸ばし全体の売上成
長に寄与しました。
「
」以外のブランドでは、新製品の導入効果などに
より、ボーテプレステージ インターナショナルの売上が大きく伸長しました。
また、空港免税店へ本格的に進出する体制を整備し、持続的な成長に向けた
基盤づくりにも取り組みました。加えて、低収益の海外現地法人の清算など構造
改革を推進し収益体質の強化を図るとともに、グローバルサプライチェーンマネジ
メント改革により、地域ごとの効率的な在庫管理と物流体制の整備を進めました。
一方、グローバルな人材開発体制にも引き続き力を入れました。国内ビュー
ティーコンサルタントの海外派遣などを通じて、店頭応対力の強化と企業価値
国内ビューティーコンサルタントの海外派遣により、
海外の各地域でも資生堂ならではの価値である
「おもてなしの心」が根付いています。
向上に取り組んでいます。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
31
トイレタリー事業
資生堂グループの愛用者拡大を目指すトイレタリー事業では、化粧品がオリ
ジンのメーカーとしての強みを発揮できる分野で、日常生活を清潔・快適にする
ための高品質商品を提供しています。
2006年4月からの化粧品事業との融合による新たなマーケティング・営業体制
の確立を視野に、重点分野である洗浄3分野
(シャンプー・リンス、ボディソープ、
洗顔料)
や「シーブリーズ」への集中化、および不採算ブランド・一部アジア市場
濃密な泡のクッションで、肌のうるおい層を守って
洗う
「洗顔専科」
。
からの撤退を図り、マーケティング効率の向上と事業体制のスリム化による収益
性の改善に努めました。これらの活動の結果、
「洗顔専科」
などの育成ブランド
が好調に推移するとともに、前期の赤字から脱し、黒字化を図ることができまし
た。また、2006年3月には、利益貢献度の低い生理用品事業の譲渡を決定し、
もう一段の収益性向上を図ります。
「メガブランド戦略」の一環として、競争が激しいヘアケア
一方、2006年3月、
市場でカテゴリートップを目指す「TSUBAKI」
を導入しました。
「TSUBAKI」
は、
日本女性の髪の美しさを最大限に引き出すヘアケアブランドとして、テレビ宣伝や
サンプリングなど強力なプロモーションを展開し、カテゴリートップ獲得に向け力
強い第一歩を踏み出すことができました。
日本女性の髪の美しさを引き出すブランドとして、
ヘアケア市場で一気にトップシェアを獲得した
「TSUBAKI」
。
海外では、2003年度にヘアブランド「アクエア」
を導入し事業を開始した中国
において販路拡大に取り組みました。
その他の事業
プロフェッショナル事業
プロフェッショナル事業では、国内外のサロン* 向け商品を開発・供給し、サ
ロン経営をサポートする
「サロンプロダクト領域」
と、サロン経営を直接行う
「サロン
サービス領域」で事業を展開しています。
2005年度は、国内では、形状記憶パーマ器材「システムキュール」がお客さま
や取引店から高い支持を得たほか、新ヘアカラー
「ディアニスト」の市場導入を進
めました。また、成長領域であるスパ市場において、
「カリタ」の国内販売権を獲
得して営業を開始するとともに、
「デクレオール」
も取引店の拡大を進めるなど、販
売体制の確立に取り組みました。
ウェーブの持続性・再現性によ
り、高い支持を得ている新感覚
ウェービングシステム「システム
キュール」
。
ゾートス インターナショナルを中心とした海外のサロン向けビジネスでは、在
庫の縮減など構造改革に取り組む中、ヘアスプレー、パーマ剤が堅調に推移し
ました。
*ヘアサロン、エステティックサロン、スパサロン
32
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
2005年度事業別営業概況
医薬品事業
医薬品事業では、
「健康美医療」
を事業コンセプトに、治療だけでなく、未病・
予防の領域へも積極的な取り組みを行っています。
2005年度、一般用医薬品においては、抗老化の保健機能食品「Q10シリーズ」
を前期に引き続いて積極的に展開し、当該市場でトップシェアの地位を堅持し
ました。また、乾燥肌対策ブランド「フェルゼア」
など、主力ブランドのマス宣伝と
連動した売場づくりを徹底し、売上の拡大を図りました。医療用医薬品では、眼
科用手術補助剤「オペリード」
、速乾性手指消毒剤「ヒビソフト」が、厳しい市場
環境の中、順調に推移しました。
高品質の「Q10シリーズ」は、効果実感が高いと
多くの方に愛飲されています。
ビューティーフーズ事業
ビューティーフーズ事業は、肌を通して身体の外から美しさを追求する化粧品
に加え、身体の中から全身に作用することによって美しさと健康へと導く
「ヘルス&
ビューティーケア」市場開拓の一翼を医薬品事業とともに担っています。
事業展開にあたっては、販売チャネルの特性に合わせたマーケティングを展開
しており、カウンセリングチャネルにおいては、美肌実現食品「コラーゲンEX」
を重
点的に育成するとともに、抗老化の付加価値食品「サプレックス」
を新たに導入
杜仲葉、高麗人参、ハス胚芽などを配合した、ハ
リのある美しさを身体の中から応援する「コラーゲ
ンEX」
。
し、百貨店の販路拡大に取り組みました。また、セルフセレクションチャネルでは、
働く女性を応援する
「美系」のマス宣伝などのマーケティング活動を展開しました。
ファインケミカル事業
ファインケミカル事業では、化粧品で培った研究開発力を発展させ、粉体表面
処理技術から生まれた高速液体クロマトグラフィー分野と、バイオヒアルロン酸な
どの化粧品用原料の用途を拡大したマテリアル分野で事業を展開しています。
特に、自社開発・自社製造で高い安全性と品質優位性を有するバイオヒアル
ロン酸は、化粧品だけにとどまらず医薬品や食品の分野へも用途を拡大してい
ます。2006年1月には掛川工場内に設立した新工場棟を本格稼働し、生産能力
さまざまな商品で使用されるバイオヒアルロン酸の
製造増強を図るため、掛川工場内に専用工場棟を
新設しました。
の増強を図りました。化粧品・医薬品・食品など多用途に対応できる体制を整
備して、さらなる売上の拡大を図っています。
なお、2006年4月に実施した組織変更に伴い、2006年度より事業セグメントを
「国内化粧品事業」
、
「海外化粧品事業」
、
「その他の事
業」に変更します。国内外の化粧品事業には、従来の化粧品事業に加え、
トイレタリー、プロフェッショナル、ヘルスケア
(一般用医薬品
とビューティーフーズ)
の各事業を含めます。
「その他の事業」には、フロンティアサイエンス
(ファインケミカルと医療用医薬品)
、レストラン、
ブティックなどの事業を含めます。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
33
6 年間の財務サマリー
株式会社資生堂及び連結子会社
2001年3月期∼2006年3月期
2001
千米ドル(注1)
(一株当たり情報を除く)
2003
2004
経営成績(会計年度)
売上高 ................................... ¥595,152 ¥589,962
売上原価(注2)...........................
164,783
157,140
売上総利益(注2)
........................
430,369
432,822
販売費及び一般管理費(注2)
.....
400,357
409,608
営業利益(注2)...........................
30,012
23,214
(注3)
EBITDA ...........................
(29,828)
412
当期純利益(損失)
..................
(45,092)
(22,768)
¥621,250
170,702
450,548
403,459
47,089
66,827
24,496
¥624,248
166,299
457,949
420,471
37,478
82,341
27,541
¥639,828 ¥670,957 $5,711,733
168,636
176,884 1,505,779
471,192
494,073 4,205,954
444,663
455,194 3,874,982
26,529
38,879
330,972
29,043
58,963
501,943
(8,856)
14,436
122,890
財政状態(会計年度末)
流動資産................................ ¥319,075
総資産 ...................................
665,247
流動負債................................
162,314
短期借入債務(注4)................
16,642
長期借入債務 ........................
50,544
有利子負債 ............................
67,186
株主資本................................
361,696
¥304,832
664,041
157,545
25,685
72,485
98,170
345,667
¥305,850
663,403
184,171
55,117
44,291
99,408
353,466
¥264,175
626,730
176,609
47,678
18,480
66,158
374,550
¥313,921
701,095
212,538
25,213
69,114
94,327
359,004
¥(106.8)
868.1
16.0
422,097
¥ (54.6)
818.0
16.0
416,708
¥ 58.0
844.7
20.0
419,580
¥ 64.9
903.7
22.0
414,723
¥ (21.5)
866.5
24.0
414,219
¥ 34.4
906.1
30.0
412,855
一株当たり情報(円、ドル)
(注5)
.............
当期純利益(損失)
株主資本(注5)
...........................
配当金 ...................................
期中平均株式数
(千株)
...........
2002
百万円
(一株当たり情報を除く)
2005
2006
¥300,605 $2,558,990
671,842 5,719,262
167,297 1,424,164
12,786
108,850
69,492
591,568
82,278
700,418
373,899 3,182,933
財務指標
(注2)
.....
売上高営業利益率
(%)
売上高当期純利益率(%)
......
総資産当期純利益率(ROA)
(%).....
総資本事業利益率
(注2)
(注6)
(事業ROA)
(%)
.....
株主資本当期純利益率(ROE)
(%)
....
(注7)................
投資収益率
(%)
株主資本比率(%)
..................
(注2)
(注8)
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
..
流動比率(%)
.........................
(注9)
固定比率(%)
.....................
デット・エクイティ・レシオ
(倍)
...
配当性向(%)
.........................
単独配当性向(%).................
(注10)
総還元性向(%)
...............
5.0
(7.6)
(6.8)
3.9
(3.9)
(3.4)
7.6
3.9
3.7
6.0
4.4
4.3
4.1
(1.4)
(1.3)
5.8
2.2
2.1
4.9
(11.4)
(10.6)
54.4
28.0
196.6
95.7
0.19
—
—
—
3.7
(6.4)
(5.5)
52.1
11.8
193.5
103.9
0.28
—
—
—
7.3
7.0
6.0
53.3
18.9
166.1
101.2
0.28
34.5
77.8
53.2
6.0
7.6
7.0
59.8
16.3
149.6
96.8
0.18
33.9
57.9
51.2
4.3
(2.4)
(2.2)
51.2
12.0
147.7
107.8
0.26
—
1,348.3
—
5.9
3.9
3.3
55.7
16.6
179.7
99.3
0.22
87.2
153.6
105.1
期末従業員数(人).................
従業員1人当たり売上高 .......
24,959
¥23.8
25,021
¥23.6
25,202
¥24.7
24,839
¥25.1
24,184
¥26.5
25,781
¥26.0
注:1. 米ドル表示は便宜上のものであり、2006年3月31日の1米ドル=117.47円で換算しています。
2. 2005年3月期までの売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益、売上高営業利益率、総資本事業利益率、
およびインタレスト・ガバレッジ・レシオは、2006年3月期に行った計上区分の変更に従って遡及修正して表示しています。
3. EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)
=税金等調整前当期純利益(損失)+支払利息+減価償却費
4. 短期借入債務=短期借入金+1年以内に返済期限の到来する長期借入債務
5. 一株当たり当期純利益(損失)
は、期中平均株式数に基づき、一株当たり株主資本は期末株式数に基づき計算しています。
なお、一株当たり当期純利益(損失)
は、潜在株式調整前数値に基づいて計算しています。
6. 総資本事業利益率=
(営業利益+受取利息及び受取配当金)/総資産(期中平均)
7. 投資収益率=当期純利益(損失)/(株主資本+長期借入債務<1年以内返済予定分除く>)
(期中平均)
8. インタレスト・カバレッジ・レシオ=
(営業利益+受取利息及び受取配当金)/支払利息
9. 固定比率=
(総資産−流動資産)/株主資本
10. 総還元性向=(配当額+自己株式取得額)
÷当期純利益
34
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
2006
$0.29
7.71
0.26
$221.5
経営の概況
業績概況
■ 売上高・海外売上高比率
営業概況
7,500
(%)
30
5,000
20
2,500
10
(億円)
当期のわが国経済は、企業業績が好調に推移し雇用・
所得環境が改善するなど、民間需要中心の穏やかな回復
が続きました。一方、海外においては、欧米でも穏やかな
経済成長が見られ、アジアでは、中国における消費の拡大
や設備投資の増加が牽引し、景気の拡大基調が続きまし
0
0
た。このような状況の中、資生堂は「成長性の拡大と収益
2002 2003 2004 2005 2006
性の向上」
を狙い、2006年3月期より3カ年計画をスタート
売上高
5,900 6,213 6,242 6,398 6,710
海外売上高比率 22.4 24.8 26.0 27.5 29.4
させ、
「国内マーケティング改革」
、
「中国事業の拡大加速」
、
「抜本的な構造改革」の3つの重点戦略に取り組んできまし
4,577 4,671 4,618 4,641 4,737
1,323 1,542 1,624 1,757 1,973
国内売上高
海外売上高
た。この結果、当期の経営成績は、前期に比べて売上高
は4.9%増収の670,957百万円、営業利益は46.6%増益
売上原価、販売費及び一般管理費
の38,879百万円となりました。その他の損失として、国内
売上原価は、売上高の増加に伴い、前期に比べ4.9%
外の固定資産の減損損失計上や収益性の向上を意図し
増加の176,884百万円となりました。ただし、前期末の「早
た構造改革費用の計上はあったものの、当期純利益は
期退職優遇・特別プラン」実施による人件費低減により、
14,436百万円と黒字への転換を果たしました。
売上高に対する売上原価の比率は前期と同じく26.4%を
維持しました。
会計処理の変更
販売費及び一般管理費は前期に比べ2.4%の増加にと
当期より、資生堂では経営成績をより適切に把握するた
どまり、
455,194百万円となりました。これは、国内化粧品事
め事業損益計算の枠組みを見直しました。その結果、売
業を中心に引き続き高水準のマーケティング費用を投入した
上高に対応する原価の把握をより適切に行うため、従来
ものの、
「早期退職優遇・特別プラン」実施により人件費が低
売上原価として計上していた物流費、研究開発費などに
減したことによるものです。販売費及び一般管理費の売上高
ついてその性格を見直した部分を、販売費及び一般管理
に対する比率は、
1.7 ポイント低下して 67.8 %となりました。
費として計上しています。また、従来その他の損益として
売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発
計上していた営業権・商標権の償却費用は、営業権・商
費は、前期に比べ1.9%減少の16,452百万円となり、売上
標権の取得が営業収益の拡大に貢献すると考えられるこ
高に対する比率は0.1ポイント低下の2.5%となりました。
とから、営業損益をより適切に表示するため販売費及び
一般管理費として計上しています。この変更により、従来
の方法に比べ、売上原価が40,830百万円減少、販売費
■ 売上原価率・販売管理費率
(%)
30
(%)
70
29
69
及び一般管理費が42,191百万円増加、その他の損益が
28
68
1,361百万円減少しています。なお、連結損益計算書の過
27
67
26
66
25
65
24
64
年度数値は遡及修正して表示しています。
売上高
売上高は、国内売上高の成長性が回復したことと、中国
を中心とした海外売上高が大きく伸長したことにより、前期
63
23
2002 2003 2004 2005 2006
売上原価率(左軸) 26.6
販売管理費率(右軸) 69.4
27.5 26.6
64.9 67.4
26.4
69.5
26.4
67.8
に比べて4.9%増収
(現地通貨ベースで同4.0%)
の670,957
百万円と順調に推移しました。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
35
営業利益
法人税等
営業利益は、国内外における売上伸長に加え、前期末
の「早期退職優遇・特別プラン」の実施による人件費低減
法人税等は、税金等調整前当期純利益の増加により前
期に比べ112.9%増加の12,247百万円となりました。
もあり、前期に比べ46.6%増益の38,879百万円、営業利
益率は前期より1.7ポイント改善の5.8%となりました。
少数株主利益
■ 営業利益・営業利益率
少数株主利益は、中国、台湾を中心としたアジアの合弁
600
(%)
8
450
6
300
4
150
2
0
0
(億円)
会社の業績好調により、前期に比べ20.6%増の2,855百万
円となりました。
当期純利益
(損失)
以上の結果から、当期純利益
(損失)
は、前期の8,856百
万円の損失から14,436百万円の利益となりました。1株当た
営業利益
営業利益率
2002
2003
2004
2005
2006
り当期純利益は、前期の△21.5円から34.4円となりました。
232
3.9
471
7.6
375
6.0
265
4.1
389
5.8
株主資本当期純利益率( ROE )
については、前期の
△2.4%から3.9%となりました。
■ 当期純利益
(損失)
・ROE
その他の損益
300
(%)
9
200
6
100
3
0
0
(億円)
その他の損益は、前期の27,265百万円の費用
(純額)
から、9,341百万円の費用
(純額)
となりました。
受取利息及び受取配当金から支払利息を控除した金融
収支の純額費用は、前期の479百万円から572百万円と
なりました。これは主に支払利息が、欧米の金利上昇によ
-500
り、前期に比べ3.4%増加の2,452百万円となったことによ
るものです。なお、持分法投資利益は、前期に比べ180.8%
増加の61百万円となりました。
-15
2002
当期純利益(損失)(228)
(6.4)
ROE
2003
2004
2005
2006
245
7.0
275
7.6
(89)
(2.4)
144
3.9
日本における固定資産の減損会計の導入により
(株)
資
生堂および国内子会社で6,086百万円の減損損失を計上
事業別セグメントの状況
したほか、米国子会社において営業権などの減損損失
事業別セグメントの業績は、次の通りです(
。なお、以下の
6,318百万円を計上しました。また資生堂グループでは収
各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高・振替
益性の向上を図る
「抜本的な構造改革」
を進めており、そ
高を含まない、外部顧客に対する売上高です。
)
の一環として利益貢献度の低いブランド、事業領域の縮
小・撤退など徹底したスリム化を推進したことにより発生し
た構造改革費用2,703百万円を計上しています。
化粧品事業
化粧品事業の売上高は、前期に比べ 5.6 %増収の
533,068百万円となりました。
税金等調整前当期純利益
(損失)
税金等調整前当期純利益
(損失)
は、前期の736百万円
の損失から29,538百万円の利益となりました。
国内売上高は、前期比2.2%増収の356,256百万円とな
りました。当期はお客さまと資生堂を結ぶ大切な経営資源
であるブランドを磨き直すべく
「ブランド戦略の革新」
に取り
組みました。特に各カテゴリートップを目指す「メガブランド」
36
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
として発売した大型メーキャップブランド「マキアージュ」
と
人件費の低減などにより、前期の5,564百万円の営業損失
男性用ブランドの新生「ウーノ」
については、集中的な費用
から329百万円の営業黒字への改善を果たしました。
投入とプロモーション展開によってそれぞれのカテゴリーで
トップシェアを獲得する好スタートとなりました。この結果、
カウンセリング化粧品領域が引き続き前期を上回る売上実
績となり、セルフセレクション化粧品領域も男性用の回復な
その他の事業
その他の事業の売上高は、前期に比べ 2.9 %増収の
76,723百万円となりました。
国内売上高は、前期に比べ2.1%増収の58,123百万円
どにより増収基調に転じました。
海外売上高は、前期比13.3%増収
(現地通貨ベースで
となりました。サロン向けのプロフェッショナル事業が増収と
は同10.1%伸長)
の176,812百万円となりました。当期は、
なったことに加えて、医薬品事業、ビューティーフーズ事業も
最重点市場である中国をリード役に、各地域での売上が
それぞれ堅調に推移しました。プロフェッショナル事業では
順調に伸びました。主力の「
形状記憶パーマ
「システムキュール」が売上を伸ばしました。
」ブランドをはじ
め、ボーテ プレステージ インターナショナルのフレグランス、
「デクレオール」
、
「ナーズ」
など「
」以外のブラン
ドも堅調に推移しました。
営業利益は、国内外において売上が順調に増加した増
医薬品事業、ビューティーフーズ事業ではQ10配合商品が
下期に減速したものの、その他の健康食品などが堅調に
推移しました。
海外売上高は、前期に比べ5.4%増収
(現地通貨ベース
収効果に加えて、前期末に実施した「早期退職優遇・特別
では3.6%の増収)
の18,600百万円となりました。これは、
プラン」による人件費低減もあり、前期に比べ15.6%増益
そのほとんどを占める米国でのサロン向けビジネスが構造
の43,722百万円となりました。
改革を進めながら、増収を確保したことによるものです。
営業利益は、Q10 配合商品などの好採算商品が伸び
トイレタリー事業
トイレタリー事業の売上高は、前期に比べ1.1%増収の
61,166百万円となりました。
悩んだ一方、積極的な費用投入を行ったことから、前期に
比べ1.0%減益の6,068百万円となりました。
■ 事業別売上高
(億円)
国内売上高は、前期に比べ1.3%増収の59,337百万円
7,500
となりました。国内ヘアケア市場における厳しい競争環境が
継続する中、
「洗浄3分野
(シャンプー・リンス、ボディソープ、
5,000
への集中化」
に取り組み、シャンプー・リンスではメガ
洗顔料)
2,500
ブランド
「TSUBAKI」
を3月に発売、ボディソープでは「クユ
ラ」
、洗顔料では「洗顔専科」の市場定着を図りました。
0
2002 2003 2004 2005 2006
一方で、利益貢献度の低いブランド・事業領域からの撤退・
ジングを進めましたが、
「TSUBAKI」
の導入効果もあり国内
化粧品
トイレタリー
その他
4,600 4,819 4,896 5,048 5,331
640 692 664 605 612
660 702 682 745 767
売上は増収を確保しました。
合計
5,900 6,213 6,242 6,398 6,710
縮小など経営体質の強化に向けて売上規模のダウンサイ
海外売上高は、特に中国において積極的な販路拡大に
取り組みましたが、一部アジア市場からの撤退もあり前期
に比べ5.5%減収(現地通貨ベースでは8.7%の減収)
の
1,829百万円となりました。
営業利益は、売上高が微増にとどまりましたが、洗浄3分
■ 事業別営業利益
(億円)
化粧品
トイレタリー
その他
2002
2003
2004
2005
2006
395
(54)
19
557
19
22
473
(4)
27
378
(56)
61
437
3
61
野への費用の集中化、低収益ブランド・事業の撤退・縮小、
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
37
■ 事業別営業利益率
(%)
化粧品
トイレタリー
その他
換算後の売上高でも前期に比べ27.6%増収の63,714百
2002
2003
2004
2005
2006
8.5 11.5
(8.3) 2.8
1.7
1.9
9.6
(0.6)
2.4
7.4
(9.0)
5.0
8.1
0.5
4.9
※事業別営業利益率はセグメント間の内部売上高を含めた売上高
に対するものです。
万円となりました。
営業利益は、中国ではマーケティング費用の投入強化
を推進しているものの、売上増に伴う差益増により、前期
に比べ20.7%増益の8,598百万円となりました。
■ 所在地別売上高(在外)
(億円)
所在地別セグメントの状況
2,0000
所在地別セグメントの業績は、次の通りです(
。なお、以下
1,600
の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高・振
1,200
替高を含まない、外部顧客に対する売上高です。
)
800
400
日本
0
売上高は、化粧品事業を中心にすべての事業で増収と
アメリカ
欧州
アジア・オセアニア
なり、前期に比べ1.8%増収の475,654百万円となりました。
営業利益は、増収による差益増に加えて、前期末の「早
在外計
期退職優遇・特別プラン」の実施による人件費低減もあり、
前期に比べ34.7%増益の34,235百万円となりました。
現地通貨ベースの売上高が4.3%の増収となったことに加
え、
ドルに対して若干円安が進んだことで、円換算後の売上
高は前期に比べ 6.8%増収の 46,016百万円となりました。
営業利益は、売上が前期を上回ったことに伴う差益増に
より、前期に比べ240.6%増益の1,567百万円となりました。
欧州
ボーテ プレステージ インターナショナルのフレグランスや
「デクレオール」の売上好調もあり、現地通貨ベースでの売
上高が5.4%の増収となったことに加え、ユーロに対して若
干円安が進んだこともあり、円換算後の売上高は、前期に
比べ7.3%増収の85,573百万円となりました。
営業利益は、売上増による差益増により前期に比べ
6.3%増益の5,719百万円となりました。
アジア・オセアニア
中国の成長が際立つアジアの売上は順調に伸び、現地
通貨ベースでの売上高が22.1%増収になったことに加え、
アジア通貨全体に対して若干の円安となったことから、円
38
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
2003
2004
2005
2006
389
568
342
454
658
409
435
725
430
431
798
499
460
856
637
1,299 1,521 1,590 1,728 1,953
■ 所在地別営業利益(在外)
2002
2003
2004
2005
2006
アメリカ
欧州
アジア・オセアニア
(6)
15
32
22
19
46
2
33
58
5
54
71
16
57
86
在外計
41
87
93
130
159
(億円)
アメリカ
2002
■ 所在地別営業利益率
(在外)
(%)
2002
2003
2004
2005
2006
アメリカ
欧州
アジア・オセアニア
(1.3 ) 4.1
2.4 2.7
9.4 11.1
0.3
4.3
13.5
0.9
6.5
14.2
2.9
6.4
13.5
5.4
7.0
7.6
在外計
2.9
5.3
※所在地別営業利益率は、セグメント間の内部売上高を含めた売上高
に対するものです。
■ 海外売上高
(億円)
アメリカ
欧州
アジア・オセアニア
合計
2002
2003
2004
2005
2006
416
513
394
467
617
458
458
681
485
443
749
565
476
804
693
1,323
1,542 1,624 1,757 1,973
資産および負債・資本
流動性と資金の源泉
資金調達と流動性マネジメント
資生堂は、事業活動のための適切な資金確保、流動性
当期末の総資産は、前期末に比べ4.2%減少の671,842
百万円となりました。
の維持、ならびに健全な財政状態を常に目指し、安定的な
流動資産は、前期末に比べ4.2%減少の300,605百万
営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確
円となりました。この減少は主に有価証券が前期末に比べ、
保に努めています。資生堂の成長を維持するために将来
35.3%減少の36,945百万円となったことによるものです。
必要な運転資金および設備投資・投融資資金は、主に手
投資その他の資産は、投資有価証券の評価増などによ
元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、
り、前期末に比べ5.6%増加の134,044百万円となりました。
借入や社債発行により調達しています。
*
■ 総資産・総資本事業利益率
(事業ROA)
(億円)
8,000
(%)
8
6,000
6
4,000
4
目安としています。当期末現在で、現金及び預金、有価証
2,000
2
券の総額は90,456百万円であり、連結売上高の1.6カ月
0
当期末現在において、資生堂の流動性は適度な水準
にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の
柔軟性は高いと考えています。手元流動性については、臨
時の資金需要に備え連結売上高の1.5カ月程度を1つの
0
2002
分と適度な水準にあります。
一方、当期末現在の有利子負債残高は82,278百万円
となりました。国内普通社債の発行登録枠の未使用枠500
2003
2004
2005
2006
6,640 6,634 6,267 7,011 6,718
3.7
7.3
6.0
4.3
5.9
総資産
事業ROA
* 総資本事業利益率=
(営業利益+受取利息及び受取配当金)
/総資産
(期中平均)
億円、
(株)
資生堂および欧米金融子会社を借入人とする
プログラム型シンジケート・ローンの未使用枠3億ドルなどを
■ 株主資本・株主資本比率
有し、資金調達手段は分散化されています。2005年6月に
(億円)
4,000
(%)
65
3,000
60
2,000
55
1,000
50
は300億円の国内コマーシャル・ペーパー
(CP)
プログラム
も設定し、財務の柔軟性はさらに高まっています。
格付け
資生堂は、流動性および資本政策に対する財務の柔軟
45
0
性を確保し、資本市場を通じた十分な資金リソースへのア
クセスを保持するため、一定水準の格付けの維持が必要で
あると考えています。資生堂グループは、グローバルな資本
2002 2003 2004 2005 2006
株主資本
株主資本比率
3,457 3,535 3,746 3,590 3,739
52.1 53.3 59.8 51.2 55.7
市場から円滑な資金調達を行うため、ムーディーズ・インベス
ターズ・サービス
(ムーディーズ)
およびスタンダード&プアーズ
(S&P)
の2社より格付けを取得しています。
「アニュアルレポート2006」発行日
(2006年6月29日)
現在
の債券格付けの状況
(長期/短期)
は以下の通りです。
有形固定資産(減価償却累計額控除後)
は、既存設備
の改修・更新に加えて国内工場再編に伴う増設などを実
施したものの、減損会計導入の影響もあり、前期末に比べ
2.3%減少の160,196百万円となりました。無形固定資産
及び繰延資産についても、米国子会社の営業権などの減
ムーディーズ
S&P
長期
A1(見通し:安定的) A(見通し:ポジティブ*)
短期
P-1
*2006年6月に「安定的」から変更
A-1
損処理の影響により前期末に比べ11.1%減少の57,018百
万円となりました。
流動負債では、支払手形及び支払債務が「早期退職優
遇・特別プラン」
に係る特別退職債務の支払いにより前期末
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
39
に比べ27.4%減少の112,006百万円となりました。短期借
投資活動によるキャッシュ・フロー
入金は主に、米国金融子会社における返済により、前期末
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に
から80.0%減少の3,323百万円となりました。固定負債で
比べ12,260百万円少ない12,640百万円のキャッシュを使
は、確定拠出年金過去分移管額の支払いなどにより、その
用しました。このうち、固定資産投資
(有形・無形固定資産
他固定負債が37.3%減少の8,581百万円となりました。
は、既
投資および長期前払費用の取得による支出の合計)
当期末の長短借入債務を合わせた有利子負債残高は、
存設備の改修・更新に加えて工場再編に伴う増設などを実
12.8%減少の82,278百万円となりました。これは主に、米
施した結果、全体としてほぼ減価償却費と同水準の27,471
国金融子会社の短期借入金返済や欧州金融子会社発行
百万円となりました。また、有価証券および投資有価証券の
のミディアム・ターム・ノート
(MTN)
の償還によるものです。
取得・売却などの純額は、営業キャッシュ・フローの減少を補
なお、社債残高は当社発行の2007年5月償還の無担保普
うために保有債券などの売却を進めたことにより、前期の770
通社債50,000百万円、欧米金融子会社発行のMTNから
百万円の支出から9,085百万円の収入となりました。
フリー・キャッシュ・フロー*は、前期の27,534百万円から
構成されています。
当期末の株主資本は、前期末に比べ 4.1 %増加の
373,899百万円となりました。これは、当期純利益およびそ
18,362百万円(66.7%)減少の9,172百万円となりました。
*フリー・キャッシュ・フロー=「営業活動によるキャッシュ・フロー」
+「投資活動によるキャッシュ・フロー」
の他有価証券評価差額金の増加などによるものです。この
結果、当期末の株主資本比率は、前期末の51.2%から4.5
ポイント上昇し55.7%となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期
における17,421百万円のキャッシュの獲得から29,959百
キャッシュ・フロー
万円のキャッシュの使用になりました。当期の財務活動に
営業活動によるキャッシュ・フロー
よるキャッシュ・フローの減少の主なものは、前期に61,158
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前
百万円の収入であった長期借入による収入が8,612百万
期の52,434百万円の現金及び現金同等物(以下「キャッ
円にとどまったことに加え、欧米金融子会社による有利子
シュ」)
の獲得から30,622百万円減少の、21,812百万円の
負債の削減や株主への利益還元
(配当および自己株式取
キャッシュの獲得となりました。これは、
「早期退職優遇・
得)
によるものです。
特別プラン」を実施した前期に比べ、税金等調整前当期
以上の結果、為替相場変動のキャッシュに対する影響額
純利益(損失)
は大幅に改善しましたが、当期に特別退職
を加味した現金及び現金同等物期末残高は、前期に比べ
債務の支払い
(43,879百万円)
や確定拠出年金過去分移
19,266百万円(17.8%)減少し、89,015百万円となりました。
管額の支払い
(6,176百万円)
など、一時的要因があった
ことによるものです。
研究開発活動
■ 営業活動によるキャッシュ・フロー・
■ 固定資産投資
(有形・無形固定資産および長期前払費用)
(億円)
円であり、各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果お
よび研究開発費は次の通りです。なお、基礎研究などの各
800
事業に配分できない費用3,263百万円が含まれています。
600
400
化粧品事業
200
より美しい肌、美しい生活を実現することを目的に、基礎的
な皮膚科学の研究から化粧品原料素材の開発、製品の開
0
40
当期におけるグループ全体の研究開発費は16,452百万
2002
2003
2004
2005
2006
営業キャッシュ・フロー 365
319
固定資産投資
668
273
471
337
524
300
218
275
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
発、美容法、美容理論の開発に至るまでの研究開発を推進
しています。当期には、独自に美白有効成分として開発した
m -トラネキサム酸が慢性微弱炎症に作用してシミを防ぐ効果
があることを見出し、新美白美容液「 HAKU メラノフォー
業績見通し
資生堂グループを取り巻く市場環境は、国内・海外とも
カス」
に応用しました。また、肌内部で反射する光
(肌内光)
依然楽観できない状況にありますが、資生堂はグループ一
を増大させ、肌の透明感を高める効果のある新規複合粉体
丸となって3カ年計画の実行に取り組み、競争優位を確立
「インナーライティングパウダー」
を開発し、新メーキャップブラン
ドの「マキアージュ」のファンデーションなどに応用しました。
当事業にかかわる研究開発費は10,920百万円です。
していきます。
2007年3月期は、国内化粧品における売上伸長をさらに
確実なものとすべく、引き続き
「メガブランド」
を中心に各カ
テゴリーでNo.1となる
“太く・強い”
ブランドを投入するとと
トイレタリー事業
もに、広告宣伝や施策の強化を図ります。また、国内にお
化粧品開発の技術を最大限に活用し、低コスト、高品
けるヘルス&ビューティーケアと通販、海外における中国な
質な製品の開発に努めています。当期には、ある種の香
ど、成長領域への投資も強化・継続し、成長の加速化を図
りに、繰り返し嗅ぐことによって嗜好が高まる効果が特徴的
ります。
に見られることを発見しました。この知見は新ヘアケアブラ
2007年3月期も売上増加に対応してマーケティング費用を
ンドの「TSUBAKI」に応用しています。この「TSUBAKI」
増加させますが、一方で売上伸長に伴う利益増と構造改革
には、独自に開発した新美髪成分「高純度椿オイルEX」
も
を通じたコスト削減も見込み、業績は増収増益を計画して
配合し、日本人女性が生まれ持った髪の「艶」
と
「弾力」
と
います。連結売上高は6,850億円
(前期比2%増)
、営業利
いう素質をさらに引き出します。
(同59%
益は430億円
(同11%増)
、当期純利益230億円
当事業にかかわる研究開発費は1,084百万円です。
増)
と見通しています。なお、本年 4 月の組織改変を機に、
2007年3月期より事業セグメントについても見直しを行います。
その他の事業 新たな区分は、国内化粧品、海外化粧品、その他とし、国
医薬品事業においては、一般用医薬品では、スキンケア
内外化粧品については、従来の化粧品にトイレタリー、
の技術を活かし従来にない優れた使用性を持つ皮膚外用
プロフェッショナル、ヘルスケア
(ビューティーフーズおよび一般
剤などを開発し販売しています。医療用医薬品では女性
用医薬品)
の各事業を含めることとします。
の更年期に特有の症状を改善するホルモン補充療法薬な
なお、2006年度の日本の実質GDPは2%台のプラス成
どの開発推進に取り組んでいます。ファインケミカル事業に
長と見ています。化粧品の需要動向としては、経済産業省
おいては、メーキャップに用いられる粉体の開発技術を応
の化粧品出荷統計ベースで微増を想定しています。また、
用した分析用の高性能カラムの開発、種々の分離精製用
主な為替レートは、110円/米ドル、135円/ユーロ、14円/中
機器装置の開発などを行っています。
国人民元で計画を策定しています。
当事業にかかわる研究開発費は1,185百万円です。
■ 研究開発費・売上高研究開発費比率
利益還元方針
200
(%)
4
150
3
100
2
50
1
(億円)
(株)
資生堂は、株主への直接的な利益還元に、中長期
的な株価上昇をプラスした
「株式トータルリターンの実現」
を
目指しています。この考え方に基づき、事業から得られた
0
0
2002 2003 2004 2005 2006
研究開発費
170
173
176
168
165
売上高研究
開発費比率
2.9
2.8
2.8
2.6
2.5
キャッシュ・フローは、
「新たな成長につながる戦略投資」
、
「安定的な配当と機動的な自己株式取得」
などへ優先的に
充当することを基本方針としています。
利益還元の目安として、
(株)
資生堂は配当と自己株式取
得の合計額の連結当期純利益に対する比率を
「総還元性
向」
と捉え、中期的におよそ60%を目処としていますが、今後
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
41
は総還元に占める配当の割合をさらに高めていく方針です。
場合、資生堂グループのブランド価値が低下し、資生堂の
なお、当期の配当は、年間配当を1株当たり6円増配の
経営成績および財政状態などに悪影響を及ぼす可能性が
30円(中間期15円、期末15円)
としました。この結果、当期
あります。
の配当性向は、連結ベースで87.2%、単体ベースで153.6%
(3)戦略的投資活動など
となりました。
また2004年6月29日開催の第104回定時株主総会の定
資生堂は、戦略市場への投資、M&Aおよび新規事業・
款変更により、取締役会決議により自己株式取得を決定で
新地域への投資などの戦略的投資活動の推進に際して、
きる方式としています。当期は、取締役会決議に基づき200
意思決定のために必要かつ十分な情報収集と検討を実
万株、2,800百万円の自己株式取得を実施しました。
施し、合理的意思決定を行っています。しかし予期し得な
以上の結果、当期における総還元性向は105.1%となり
い種々の環境変化などにより、当初意図した成果が得ら
れない場合には、資生堂の経営成績および財政状態など
ました。
2007年3月期については、当期よりさらに2円増配し、32
に悪影響を及ぼす可能性があります。
(中間期16円、期末16円)
円
とする計画です。なお、3カ年
計画の利益成長を勘案すると、この水準は妥当であると
考えています。
(4)経済状況および競争などによる影響
資生堂の事業は、販売国または地域における経済状
況や競合他社の活動状況、顧客嗜好の変化、天候要因
事業などのリスクについて
などの影響を受けています。従って、今後国内外での事
資生堂の経営成績および財政状態などに影響を及ぼす
業活動において、予期し得ない景気変動や競合他社の
可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判
活動、顧客嗜好の変化、天候不順などが、資生堂の経営
断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。
成績および財政状態などに悪影響を及ぼす可能性があ
なお、文中の将来に関する事項は、
「アニュアルレポート2006」
ります。
発行日
(2006年6月29日)
現在において資生堂が判断したも
のでありますが、ここに掲げられている項目に限定されるもの
(5)海外での事業活動
資生堂は海外で事業活動を行っており、連結売上高に
ではありません。
占める海外売上高比率は年々伸長し、当期では29.4%に
至っています。今後ともこの傾向は続くものと見込まれま
(1)コーポレートブランド戦略
資生堂では、国内外の事業活動において、
「
」
ブランドをグループ会社で共有し、ブランド価値の向上に
通貨価値の変動、テロ・戦争・内乱などによる政治的・社
努めていますが、不測の事態によるブランド価値の低下が
会的混乱ならびに法規制や租税制度の変更などが、資生
発生した場合には、資生堂の経営成績および財政状態な
堂の経営成績および財政状態などに悪影響を及ぼす可
どに悪影響を及ぼす可能性があります。
能性があります。
(2)お客さま対応
42
す。海外での事業活動において、予期し得ない景気変動、
(6)為替変動による影響
資生堂では、お客さまとの関係を重視しています。
「THE
資生堂の海外での事業活動における現地通貨建ての取
SHISEIDO CODE(資生堂企業倫理・行動基準)」でも
引は、取引時点から期末時点までの為替レートの変動によ
その第1章としてお客さまの満足と信頼が得られるように行
り円換算後の価値が大きく変動する可能性があります。資
動する旨を明示し、周知徹底を図っています。しかし、お客
生堂は、販売地域に対応する生産体制を築くなど通貨
さまの満足や信頼を損なうこととなる不測の事態が生じた
変動に対するヘッジを行っていますが、中長期の不測の為
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
替変動が生じた場合には、資生堂の経営成績および財政
推進し、製造および物流の効率化を図るとともに、災害・事
状態などに悪影響を及ぼす可能性があります。
故発生時の製造および物流、販売の中断による損失を最
小化するため、すべての設備における定期的な災害・事
(7)市場ニーズへの適合
資生堂は新製品および新ブランドの開発を重視しており、
故防止検査と点検を行っています。しかし、災害・事故な
どの発生により製造および物流、販売の中断が生じた場
開発およびマーケティング活動を積極的に行っています。し
合には、資生堂の経営成績および財政状態などに悪影響
かし当該活動は、その性質上、さまざまな要因による不確
を及ぼす可能性があります。
実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合に
は、資生堂の経営成績および財政状態などに悪影響を及
ぼす可能性があります。
買収防衛策の導入について
なお、第106回定時株主総会
(2006年6月29日)
の承認を
受け、
(株)
資生堂の企業価値ひいては株主共同の利益に
(8)特定の取引先など
資生堂の主要事業である国内化粧品事業においては、
専門店チャネルにおける経営悪化、後継者不足などの問
反する買付行為を抑止するための枠組みとして、買収防衛
策
(事前警告型ライツプラン)
を導入しました。
(詳細につい
ては、資生堂ウェブサイト
「IR情報」
をご覧ください。
)
題や、組織小売業チャネルにおける出店競争、価格競争
の激化などが、資生堂の経営成績および財政状態などに
悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)法規制など
資生堂は、薬事法をはじめとする法規制や、品質に関
する基準、環境に関する基準など、事業展開している国内
外のさまざまな法規制などの適用を受けています。これら
・目的:
① 買付に応じるべきか否かを株主の皆さまに適切に判断してい
ただくため、
あるいは当社取締役会が株主の皆さまに代替案
を提案するため、必要な情報や時間を確保するため。
② 株主の皆さまのために不当な買収に対する交渉を行うことな
どを可能にするため。
・ 第106回定時株主総会第3号議案(定款の一部を変更し、新株
予約権無償割当ての決議を、取締役会のほか、総会もしくは総会
決議に基づく取締役会への委任によって可能とする議案)
および
の法規制などの新設・改正に際して多額の対応コストが
第7号議案(買収防衛策のための新株予約権無償割当てを取
生じた場合などには、資生堂の経営成績および財政状態
締役会に委任する議案)の決議によって導入。
などについて悪影響を及ぼす可能性があります。
・ 大量買付者が現れた際に、独立性の高い社外取締役2名および
社外監査役1名で構成される独立委員会が外部専門家の助言
(10)情報セキュリティなど
資生堂が保有する顧客情報や機密情報などの情報資
産の保護については、さまざまな対策を講じています。その
1つとして、2005年4月の「個人情報保護法」の全面施行を
を得ながら、買付内容などを検討し、新株予約権無償割当ての発
動可否を取締役会に勧告。
・ 取締役会は、独立委員会の勧告を経て、新株予約権の無償割当
ての発動可否などを決定。
踏まえ、2004年3月に個人情報保護を適切に行っている企
・ 取締役会への委任期間は3カ年計画の最終年度である2008年
(JIS規格)
」の認証を取
業の証である
「プライバシーマーク
3月期の定時株主総会までの2年間。その後の継続可否は現3カ
得しています。しかしながら予期し得ない不正アクセスによ
年計画の達成状況と次期計画の内容をもとに再度、株主に判断
していただく。
る情報漏洩などが発生した場合には、資生堂の経営成績
および財政状態などに悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)災害・事故など
資生堂は、国内外における製造・物流体制の統廃合を
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
43
連結財務諸表
連結貸借対照表
株式会社資生堂及び連結子会社
2005年及び2006年3月31日現在
(注1(1))
千米ドル
百万円
2005
2006
2006
資産の部
流動資産
現金及び預金 ........................................................................
¥ 55,168
¥ 53,511
有価証券(注3)
..........................................................................
57,063
36,945
314,502
グループ外取引 ..................................................................
107,781
105,050
894,266
非連結子会社・関連会社との取引 ....................................
26
24
208
.......................................................................................
107,807
105,074
894,474
$
455,532
受取手形及び受取債権
貸倒引当金 ........................................................................
(1,665)
.......................................................................................
106,142
103,425
880,433
たな卸資産(注4)
......................................................................
66,580
72,344
615,851
繰延税金資産(注8)
..................................................................
19,379
25,778
219,447
その他の流動資産 .................................................................
9,589
8,602
73,225
流動資産合計.................................................................
313,921
300,605
2,558,990
..................................................................
投資有価証券(注3)
79,322
87,774
747,201
非連結子会社・関連会社への投資・貸付 .............................
1,226
1,316
11,208
前払年金費用 ........................................................................
31,769
30,637
260,810
(1,649)
(14,041)
投資その他の資産
その他の投資 ........................................................................
14,567
14,317
121,876
投資その他の資産合計 .................................................
126,884
134,044
1,141,095
建物及び構築物 .....................................................................
174,481
167,705
1,427,637
機械装置・車両運搬具及び器具備品 ....................................
176,084
180,206
1,534,063
.......................................................................................
350,565
347,911
2,961,700
減価償却累計額 .....................................................................
(250,499)
(246,988)
(2,102,564)
.......................................................................................
100,066
100,923
859,136
土地 .......................................................................................
60,420
57,176
486,726
建設仮勘定 ............................................................................
3,543
2,097
17,853
有形固定資産合計 .........................................................
164,029
160,196
1,363,715
無形固定資産及び繰延資産(注5)
...............................................
64,143
57,018
485,384
連結調整勘定 ............................................................................
2,412
2,271
19,329
繰延税金資産(注8)
......................................................................
29,706
17,708
150,749
資産合計 ....................................................................................
¥ 701,095
¥ 671,842
$ 5,719,262
有形固定資産
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
44
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
(注1(1))
千米ドル
百万円
2005
負債・少数株主持分及び資本の部
流動負債
短期借入金 ............................................................................
1年以内に返済期限の到来する長期借入債務(注6)
................
支払手形及び支払債務
.......................................................
グループ外取引(仕入)
非連結子会社・関連会社との取引 ....................................
その他 ................................................................................
2006
¥ 16,627
¥
3,323
2006
$
28,291
8,586
9,463
80,559
57,937
60,492
514,953
1,124
1,284
10,933
94,974
50,230
427,599
.......................................................................................
154,035
112,006
953,485
未払法人税等 ........................................................................
返品調整引当金 .....................................................................
繰延税金負債(注8)
..................................................................
その他の流動負債 .................................................................
流動負債合計.................................................................
3,549
8,950
76,187
4,030
4,767
40,578
292
127
1,082
固定負債
..................................................................
長期借入債務(注6)
退職給付引当金(注7)
...............................................................
(注2
役員退職慰労引当金 (10))
.................................................
(注2(11)
)
債務保証損失引当金
.................................................
(注8)
繰延税金負債
..................................................................
その他の固定負債 .................................................................
固定負債合計.................................................................
少数株主持分 ............................................................................
25,419
28,661
243,982
212,538
167,297
1,424,164
69,114
69,492
591,568
34,923
36,204
308,199
594
285
2,422
–
350
2,979
293
2,020
17,193
13,676
8,581
73,061
118,600
116,932
995,422
10,953
13,714
116,743
64,507
64,507
549,134
偶発債務(注9)
資本の部
資本金
授権株式数
784,561,000株(2005年及び2006年3月31日現在)
発行済株式総数
............................
424,562,353株(2005年及び2006年3月31日現在)
資本剰余金 ............................................................................
利益剰余金 ............................................................................
その他有価証券評価差額金 ..................................................
為替換算調整勘定 .................................................................
70,258
70,258
598,093
242,342
244,768
2,083,662
8,003
18,279
155,609
(11,672)
(6,754)
(57,496)
.......................................................................................
373,438
391,058
自己株式 ................................................................................
資本の部合計.................................................................
(14,434)
(17,159)
3,329,002
359,004
373,899
3,182,933
負債・少数株主持分及び資本合計 ..........................................
¥701,095
¥671,842
$5,719,262
(146,069)
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
45
連結損益計算書
株式会社資生堂及び連結子会社
2004年、2005年、2006年3月期
(注1(1))
千米ドル
百万円
売上高 .......................................................................
2004
¥624,248
2005
¥639,828
2006
¥670,957
2006
$5,711,733
売上原価* ..................................................................
売上総利益* .......................................................
166,299
457,949
168,636
471,192
176,884
494,073
1,505,779
4,205,954
販売費及び一般管理費* ............................................
営業利益* ..........................................................
420,471
37,478
444,663
26,529
455,194
38,879
3,874,982
330,972
1,334
823
(2,388)
3,026
(1,520)
—
(1,073)
26,732
—
—
(4,194)
(4,120)
(1,899)
(1,233)
(585)
—
354
15,257
52,735
1,892
1,802
(2,371)
2,928
(1,516)
106
22
—
2,567
(226)
—
(2,664)
—
—
—
(30,987)
1,182
(27,265)
(736)
1,880
1,826
(2,452)
3,408
(1,600)
—
61
—
—
—
(12,404)
(2,703)
—
—
—
—
2,643
(9,341)
29,538
16,006
15,547
(20,877)
29,012
(13,626)
—
520
—
—
—
(105,593)
(23,010)
—
—
—
—
22,503
(79,516)
251,456
.......................................................................
.......................................................................
8,241
14,893
23,134
29,601
6,126
(374)
5,752
(6,488)
12,274
(27)
12,247
17,291
104,489
(226)
104,263
147,193
少数株主利益.............................................................
(2,060)
(2,368)
(2,855)
(24,303)
当期純利益
(損失)
...............................................
¥ 27,541
¥ (8,856)
その他の損益*
受取利息及び受取配当金 ......................................
投資事業組合等運用益 .........................................
支払利息 ................................................................
固定資産売却益 .....................................................
固定資産処分損 .....................................................
連結調整勘定償却額 .............................................
持分法投資損益 .....................................................
厚生年金基金代行部分返上益(注7)
........................
(注7)
退職給付制度変更益
.......................................
投資有価証券及びその他の投資評価損 ...............
(注13)
減損損失(注5)
.................................................
構造改革費用 .........................................................
オフィス集約化・再配置費用..................................
役員等退職慰労引当金繰入額(注2(10))
..................
たな卸資産償却費用...............................................
(注7)
特別退職関連費用
...........................................
その他 ....................................................................
..........................................................................
税金等調整前当期純利益
(損失)
........................
法人税等(注8)
当期分 ....................................................................
繰延税額 ................................................................
*
¥ 14,436
$ 122,890
2005年3月期までの売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益、及びその他の損益は、
2006年3月期に行った計上区分の変更
に従って遡及修正して表示しています。
(注1(1))
米ドル
円
一株当たり情報(注2(5))
当期純利益(損失)— 単純 ....................................
— 潜在株式調整後** ...............
配当金 ....................................................................
期中平均株式数
(千株)
..............................................
**
¥(21.5)
—
24.0
414,219
¥34.4
34.4
30.0
412,855
2005年3月期の潜在株式調整後一株当たり当期純利益は、当期純損失を計上しているため、記載していません。
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
46
¥64.9
64.9
22.0
414,723
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
$0.29
0.29
0.26
連結株主持分計算書
株式会社資生堂及び連結子会社
2004年、2005年、2006年3月期
千株
百万円
資本剰余金 利益剰余金
その他有価証券 為替換算
評価差額金
調整勘定
発行済株式数
資本金
2003年3月31日現在残高 ................................
2004年3月31日終了年度当期純利益 .......
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
連結子会社増加による剰余金減少高.....
その他の剰余金減少高 ..........................
自己株式処分損.....................................
自己株式の購入・売却............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整 .............................................
424,562
¥64,507
¥70,258
¥242,463
¥(2,504)
¥(11,926)
¥ (9,332)
—
—
—
27,541
—
—
—
—
—
—
(8,741)
—
—
—
—
—
—
(102)
—
—
—
—
—
—
(195)
—
—
—
—
—
—
(467)
—
—
—
—
—
—
(6)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
(5,144)
—
—
—
—
9,712
—
—
—
—
—
—
—
(1,514)
—
2004年3月31日現在残高 ................................
2005年3月31日終了年度当期純利益(損失)....
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
その他の剰余金増加高 .............................
その他の剰余金減少高 .............................
自己株式処分損 .........................................
自己株式の購入・売却 ...............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整 .............................................
424,562
64,507
70,258
260,493
7,208
(13,440)
(14,476)
—
—
—
(8,856)
—
—
—
—
—
—
(9,113)
—
—
—
—
—
—
(144)
—
—
—
—
—
—
21
—
—
—
—
—
—
(54)
—
—
—
—
—
—
(5)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
42
—
—
—
—
795
—
—
—
—
—
—
—
2005年3月31日現在残高 ................................
2006年3月31日終了年度当期純利益
...........
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
その他の剰余金減少高 .............................
自己株式処分損 .........................................
自己株式の購入・売却 ...............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整 .............................................
424,562
64,507
70,258
242,342
8,003
—
—
—
14,436
—
—
—
—
—
—
(11,571)
—
—
—
—
—
—
(15)
—
—
—
—
—
—
(417)
—
—
—
—
—
—
(7)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
10,276
—
—
—
—
—
—
—
4,918
—
2006年3月31日現在残高 ................................
424,562
¥64,507
¥70,258
¥244,768
¥18,279
1,768
(11,672)
自己株式
—
(14,434)
—
(2,725)
¥ (6,754)
¥(17,159)
)
千米ドル(注1(1)
千株
発行済株式数
資本金
資本剰余金 利益剰余金
その他有価証券
評価差額金
為替換算
調整勘定
自己株式
2005年3月31日現在残高 ................................
2006年3月31日終了年度当期純利益..........
配当金 .........................................................
役員賞与 .....................................................
その他の剰余金減少高.............................
自己株式処分損 .........................................
自己株式の購入・売却 ...............................
その他有価証券評価差額金 .....................
為替換算調整.............................................
424,562
$549,134
$598,093 $2,063,014
$ 68,128
$(99,359)
$(122,879)
—
—
—
122,890
—
—
—
—
—
—
(98,504)
—
—
—
—
—
—
(126)
—
—
—
—
—
—
(3,552)
—
—
—
—
—
—
(60)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
87,481
—
—
—
—
—
—
—
41,863
—
2006年3月31日現在残高 ...............................
424,562
$549,134
$598,093 $2,083,662
$155,609
$(57,496)
(23,190)
$(146,069)
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
47
連結キャッシュ・フロー計算書
株式会社資生堂及び連結子会社
2004年、2005年、2006年3月期
(注1(1))
千米ドル
百万円
2004
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益(損失)
...........................
減価償却費 ............................................................
減損損失 ................................................................
特別退職債務の増減額 .........................................
構造改革費用 .........................................................
投資有価証券及びその他の投資評価損 ................
退職給付引当金増減額 .........................................
役員退職慰労引当金増減額 ..................................
前払年金費用の増減額 .........................................
連結調整勘定償却額 .............................................
貸倒引当金の増減額 .............................................
受取利息及び受取配当金 ......................................
支払利息 ................................................................
持分法投資損益 .....................................................
固定資産処分損益 .................................................
売上債権の増減額 .................................................
たな卸資産の増減額 ..............................................
仕入債務の増減額 .................................................
確定拠出年金過去分移管額の支払 ......................
その他 ....................................................................
小計 ....................................................................
利息及び配当金の受取額 ......................................
利息の支払額 .........................................................
法人税等の支払額 .................................................
営業活動によるキャッシュ・フロー ....................
¥ 52,735
27,218
4,194
—
—
—
(22,386)
849
—
—
270
(1,334)
2,388
1,073
(1,250)
(9,208)
(450)
7,151
—
616
61,866
1,416
(2,580)
(13,628)
47,074
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の増減額 .................................................
有価証券の取得による支出 ...................................
有価証券の売却等による収入 ...............................
投資有価証券の取得による支出 ...........................
投資有価証券の売却等による収入 .......................
出資金の払込による支出 .......................................
有形固定資産の取得による支出 ...........................
有形固定資産の売却による収入............................
無形固定資産の取得による支出 ...........................
長期前払費用の取得による支出 ............................
持分法適用範囲の変更を伴う関連会社株式の売却による収入 ...
連結子会社株式の取得による支出 ........................
その他 ....................................................................
投資活動によるキャッシュ・フロー ....................
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額 .........................................
長期借入による収入................................................
長期借入債務の返済による支出 .............................
自己株式の売却による収入/購入による支出.........
配当金の支払額 .....................................................
少数株主への配当金の支払額 ..............................
その他 ....................................................................
財務活動によるキャッシュ・フロー .........................
現金及び現金同等物に係る換算差額 ........................
現金及び現金同等物の増減額 ..................................
現金及び現金同等物の期首残高...............................
新規連結・連結除外に伴う現金及び現金同等物の増減額.....
現金及び現金同等物の期末残高...............................
添付の注記はこの財務諸表の一部です。
48
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
2005
¥
2006
2006
(736)
27,408
—
44,015
1,767
226
(5,908)
(255)
(31,768)
(106)
134
(1,892)
2,371
(22)
(1,412)
7,441
(509)
11,073
—
9,581
61,408
2,133
(2,372)
(8,735)
52,434
¥ 29,538
26,972
12,404
(43,879)
2,238
—
1,166
(309)
1,118
174
(206)
(1,880)
2,452
(61)
(1,807)
2,223
(4,319)
663
(6,176)
7,696
28,007
1,873
(2,540)
(5,528)
21,812
$ 251,456
229,610
105,593
(373,536)
19,053
—
9,926
(2,635)
9,520
1,479
(1,751)
(16,006)
20,877
(520)
(15,385)
18,921
(36,770)
5,645
(52,571)
65,515
238,421
15,945
(21,622)
(47,056)
185,688
(2,000)
(390)
1,516
(20,638)
10,517
(3,249)
(22,362)
8,009
(5,648)
(5,645)
—
(1,000)
(2,143)
(43,033)
(1,452)
(1,674)
2,087
(59,589)
58,406
—
(19,638)
5,752
(4,335)
(6,061)
195
(11)
1,420
(24,900)
2,444
(383)
3,052
(4,767)
11,183
—
(20,096)
4,159
(2,504)
(4,871)
—
(1,690)
833
(12,640)
20,806
(3,266)
25,977
(40,578)
95,197
—
(171,077)
35,409
(21,313)
(41,464)
—
(14,385)
7,088
(107,606)
1,296
4,848
(37,306)
(5,150)
(8,735)
(837)
—
(45,884)
(276)
(42,119)
101,103
380
¥ 59,364
(1,068)
61,158
(31,774)
36
(9,103)
(1,828)
—
17,421
1,291
46,246
59,364
2,670
¥108,281
(10,049)
8,612
(12,890)
(2,731)
(11,560)
(1,208)
(133)
(29,959)
1,768
(19,019)
108,281
(247)
¥ 89,015
(85,543)
73,317
(109,733)
(23,250)
(98,411)
(10,284)
(1,134)
(255,038)
15,054
(161,902)
921,775
(2,108)
$ 757,765
連結財務諸表に対する注記
株式会社資生堂及び連結子会社
1. 連結財務諸表作成の基準
(1) 会計原則及び開示方法
(株)資生堂及び連結子会社は、日本の会社法(旧「商法」
)及び各国の会計規定や一般に公正妥当
と認められる会計原則及び会計慣行に準拠して財務諸表を作成しています。これらの財務諸表を基礎
として連結財務諸表を作成しており、国際会計基準に基づく会計処理方法や開示要求とは異なる部分
もあります。
日本の関東財務局長に提出した連結財務諸表を日本以外の国の投資家に分かりやすくするために、
表示形式の組み替えを行っています。
米ドル表示は専ら日本以外の国の投資家の理解を促すために記載しています。2006年3月31日の1米
ドル=117.47円で換算しています。この米ドル表示は、円金額がそのレートで米ドルに交換、実現あるい
は決済できることを示すものではありません。
(2) 連結の範囲
2006年3月31日現在、
(株)資生堂には97社(2005年3月31日は101社、2004年3月31日は99社)
の子
会社(親会社によって意思決定機関が支配されている会社)があり、連結財務諸表ではそのうち 93社
(2005年3月31日は97社、2004年3月31日は91社)がその対象となります。
主要な連結子会社は以下の通りです。
出資比率
(間接出資も含む)
資生堂販売(株)
..............................................................................
資生堂フィティット
(株)
...................................................................
(株)
エフティ資生堂 .......................................................................
100.0%
100.0
100.0
資本金
(百万円)
¥100
¥10
¥100
(千米ドル)
資生堂インターナショナルコーポレーション.................................
100.0
$403,070
(千ユーロ)
資生堂インターナショナルヨーロッパ ............................................
100.0
247,473
(千中国元)
資生堂(中国)投資有限公司 ........................................................
資生堂麗源化粧品有限公司 ........................................................
100.0
65.0
台湾資生堂股 有限公司 ............................................................
51.0
CNY 353,006
CNY 94,300
(千ニュー台湾ドル)
NTD 1,154,588
一部の連結子会社は、3月31日以前3カ月を超えない範囲の各社決算日で連結しています。
非連結子会社 4社については本格的な営業を行っておらず、総資産、売上高、当期純損益及び剰余
金は僅少で、連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため連結の範囲に含めていません。
(3) 連結及び消去
連結財務諸表の作成にあたっては、グループ内取引、債権債務及び未実現利益を消去しています。
また、少数株主の持分については少数株主持分として控除しています。
(株)資生堂の投資勘定は、それに相当する連結子会社の資本勘定と相殺消去しています。投資額と
資本額との消去差額は、重要なものは連結調整勘定として計上し、その個別案件ごとに判断し、20年以
内の合理的な年数で償却しています。
(4) 非連結子会社及び関連会社への投資
2006年3月31日現在、
(株)資生堂には5社の関連会社(財務及び営業方針の決定に対して重要な影
響を親会社から受ける会社)があり、2006年 3月31日現在の連結財務諸表では 5社( 2005年 3月31日は
3社、2004年3月31日は5社)
に対して持分法を適用しています。
持分法の適用に際しては、持分法適用関連会社の当期純利益のうち、
(株)資生堂の持分はグループ
内利益を消去した後、連結しています。
非連結子会社4社への投資については、原価法を適用しています。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
49
(5) 連結子会社の資産及び負債の評価
子会社の資産及び負債について支配獲得日の時価で評価することが義務付けられています。
資本連結を行う際の連結子会社の資産及び負債の評価については、全面時価評価法を採用しています。
2. 重要な会計方針
(1) たな卸資産
(株)資生堂は総平均法による原価法で評価し、連結子会社は主として最終仕入原価法で評価して
います。
(2) 有形固定資産
有形固定資産は取得原価で計上しています。
建物(附属設備を除く)
は定額法、建物以外については主として定率法で償却しています。
耐用年数については、見積り耐用年数を採用しています。
修繕費や維持管理費用は支出時に費用として計上しています。
(3) 有価証券
(株)資生堂及び国内連結子会社が保有する有価証券は、金融商品に係る会計基準に従ってその他
有価証券に区分されています。時価のあるものについては市場価格等に基づく時価法で評価していま
す。評価差額は全部資本直入法によって処理し、税金を控除して資本の部に区分表示しています。な
お、売却原価は主として移動平均法によって算定しています。時価がないものについては主として移動
平均法による原価法で評価しています。ただし、投資事業有限責任契約に基づく組合等への出資は組
合等の財産の持分相当額を有価証券として計上し、組合等の営業により獲得した損益の持分相当額
を損益として計上しています。
1年内に満期の到来する債券及び現預金と認識される債券は流動資産の有価証券、それ以外は投
資有価証券として表示しています。
(4) リース会計
リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引については、
主として通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っています。
(5) 一株当たり当期純利益及び配当金
一株当たり当期純利益の基準となる株式数は、期中平均株式数によって算出しています。潜在株式調
整後一株当たり当期純利益は、新株発行をもたらす権利の行使や約定の履行あるいは新株への転換に
よって起こる希薄化の影響を考慮して計算しています。
連結損益計算書の各年度の一株当たり配当金は、当該年度の公表配当額であり、支払配当額では
ありません。
(6) 消費税
日本では商品やサービスの消費(例外あり)
に対して一律5%の消費税が課せられます。
(株)資生堂及び国内連結子会社は販売時に預った消費税と商品やサービスの購入時に支払った消
費税を相殺した後、国に納付しています。
また、
(株)資生堂及び国内連結子会社は消費税を連結損益計算書の関連項目から控除しています。
(7) 貸倒引当金
(株)資生堂及び国内連結子会社は売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権につ
いては貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収
不能見込額を計上しています。在外連結子会社は、主として特定の債権について回収不能見込額を
計上しています。
(8) 返品調整引当金
(株)資生堂及び国内連結子会社は、化粧品、医薬品等の返品による損失に備えるため、過去の返品
率及び将来の返品可能性を勘案して見積もった損失見込額を計上しています。
50
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
(9) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、退職給付債務及び年金資産の見込額に基づいて退職給付引当金
を計上しています。
過去勤務債務は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数
(10年)
による定額法
により費用処理しています。数理計算上の差異は、主としてその発生時の従業員の平均残存勤務期間
による定額法により翌期から費用処理することとしています。
以内の一定の年数(10年)
(10) 役員退職慰労引当金
2004年3月31日に終了した年度の(株)資生堂の取締役会において、2004年3月31日に係る定時株主
総会の日をもって役員、監査役及び執行役員に対する退職慰労金制度を廃止することとし、2004年 3月
31日までの在任期間中の職務遂行の対価部分相当を、支給すべき退職慰労金の額として決定したこと
により、当該金額を引当計上しています。
このうち、役員及び監査役に係る部分を役員退職慰労金として、執行役員に係る部分を退職給付引
当金として計上しています。
(11) 債務保証損失引当金
債務保証に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上して
います。
(12) 外貨換算
外貨建て金銭債権債務は、各社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益と
して処理しています。
外貨建ての非連結子会社及び関連会社への投資は、取得日レートで円貨に換算しています。
(13) 在外連結子会社等の財務諸表項目の円換算
在外連結子会社等の資産及び負債は、各社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、資本及
び剰余金の項目は当該項目の発生時の為替レートによって換算しています。収益及び費用は各社の会
計期間に基づく期中平均相場により円貨に換算しています。換算差額については、少数株主持分及
び資本の部における為替換算調整勘定に含めています。
(14) 固定資産の減損会計
2002年8月9日に、企業会計審議会より
「固定資産の減損に係る会計基準」が公表されました。同基準
は、固定資産の帳簿価額が回収されない可能性を示す事象や環境の変化がある場合には、減損損失
を認識するかどうかの判定を行うことを求めています。減損損失を判定すべきであると判定された資産ま
たは資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額と使用価値のいずれか高い方
の金額)
まで減額し、当該減少額を減損損失として損益計算書に計上します。
(株)資生堂及び国内連結子会社は、同基準を2005年4月1日以降開始する連結会計年度から適用し
ています。この変更により、従来の方法によった場合と比べ、当期の売上原価は124百万円減少し、売上
総利益は同額増加、販売費及び一般管理費は261百万円増加し、営業利益は137百万円減少、税金等
調整前当期純利益は6,223百万円減少しています。
(15) 計上区分の変更
当期より、新たな連結経営管理の仕組みを導入し、制度会計と管理会計の融合を図る土台となるグ
ループ標準勘定科目体系を構築するとともに、経営成績をより適切に把握するため事業損益計算の枠組
みを見直しました。その結果、売上高に対応する原価の把握をより適切に行うため、従来売上原価に含
めて計上していた物流費や研究開発費等についてその性格を見直した部分を、当期より販売費及び一
般管理費として計上する方法に、また、従来その他の損益として計上していた営業権・商標権償却費用
は、営業権・商標権の取得が営業収益の拡大に貢献すると考えられることから、営業損益をより適切に
表示するため、当期より販売費及び一般管理費として計上する方法に変更しています。
2005年3月期までの売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益、及びその他の損益
は、この計上区分の変更に従って遡及修正して表示しています。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
51
3. 有価証券
2005年及び 2006年 3月31日現在の、有価証券で時価のあるものの種類別、取得原価、連結貸借対照表
計上額、評価差額は以下の通りです。
その他有価証券
百万円
2005
取得原価
連結貸借対照表計上額
評価差額
(益)
評価差額
(損)
株式 ................................................................
債券 ................................................................
その他 ............................................................
¥12,184
¥27,358
¥15,227
9,404
9,037
25
392
6,991
5,751
25
1,265
....................................................................
¥28,579
¥42,146
¥15,277
¥1,710
¥
53
百万円
2006
取得原価
連結貸借対照表計上額
評価差額
(益)
評価差額
(損)
株式 ................................................................
債券 ................................................................
その他 ............................................................
¥10,996
¥41,230
¥30,238
3,035
2,977
4
62
6,440
6,731
513
222
....................................................................
¥20,471
¥50,938
¥30,755
¥ 288
¥
4
千米ドル(注1(1))
2006
取得原価
連結貸借対照表計上額
評価差額
(益)
株式 ................................................................
債券 ................................................................
その他 ............................................................
$ 93,605
$350,979
25,836
25,341
33
528
54,827
57,302
4,371
1,896
....................................................................
$174,268
$433,622
$261,813
$2,459
$257,409
評価差額
(損)
$
35
2005年及び2006年3月31日現在の、時価のない有価証券の内容及び連結貸借対照表計上額は以下の
通りです。
その他有価証券
2005
2006
千米ドル(注1(1))
2006
¥17,178
¥17,188
$146,320
百万円
株式 ............................................................................................
債券 ............................................................................................
3
3
27
その他 ........................................................................................
77,058
56,590
481,734
..................................................................................
¥94,239
¥73,781
$628,081
2005年及び2006年3月期に売却したその他有価証券の売却額は以下の通りです。
2005
2006
千米ドル(注1(1))
2006
¥59,941
¥13,715
$116,754
552
519
4,421
—
—
—
百万円
受取高 ........................................................................................
総実現益 ....................................................................................
総実現損 ....................................................................................
52
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
4. たな卸資産
2005年及び2006年3月31日現在のたな卸資産は以下の通りです。
2005
2006
千米ドル(注1(1))
2006
¥43,571
¥48,580
$413,555
13,582
12,998
110,648
3,478
3,979
33,874
5,949
6,787
57,774
¥66,580
¥72,344
$615,851
百万円
商品・製品 .................................................................................
原材料 .......................................................................................
仕掛品 .......................................................................................
貯蔵品 .......................................................................................
5. 無形固定資産及び繰延資産
2005年及び2006年3月31日現在の無形固定資産及び繰延資産は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
2005
2006
2006
営業権* ......................................................................................
商標権** .....................................................................................
長期前払費用*** .......................................................................
その他 ........................................................................................
¥23,370
¥21,471
$182,782
18,116
14,925
127,050
11,077
9,494
80,818
11,580
11,128
94,734
.......................................................................................
¥64,143
¥57,018
$485,384
* 2005年3月期ならびに2006年3月期の営業権の取得総額は、328百万円と250百万円です。
また、営業権は定額法によって国内は 5年、海外は主として 20年で償却しており、2004年 3月期、2005年 3月期ならびに
2006年3月期の償却費はそれぞれ769百万円、885百万円、557百万円です。
なお、2004年3月期ならびに2006年3月期において、SFAS No.142に基づく営業権の減損損失は、それぞれ3,879百万円、
3,357百万円です。
** 2005年3月期の商標権の取得総額は、3百万円です。
また、商標権は主として定額法によって10年で償却しており、2004年3月期、2005年3月期ならびに2006年3月期の償却
費はそれぞれ805百万円、805百万円、804百万円です。
なお、2004年 3月期ならびに 2006年 3月期において、SFAS No.142に基づく商標権の減損損失は、それぞれ 316百万
円、2,961百万円です。
米国子会社は 2002年 1月時点で、営業権及びその他の無形固定資産について SFAS No.142を採用しています。
SFAS No.142のもとでは営業権及び耐用年数が確定できないその他の無形固定資産は償却されず、毎年減損処理
の要否が検討されることとなります。
***(株)資生堂及び国内連結子会社は、当期から固定資産の減損に係る会計基準を適用しています。この変更による
2006年3月期の長期前払費用の減損損失は1,222百万円です。
6. 長期借入債務
2005年及び2006年3月31日現在の長期借入債務は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
2005
2006
2006
銀行その他の金融機関からの長期借入金 ...............................
第3回無担保普通社債
(2007年5月償還、利率0.40%)........
ユーロMTN
(2006年∼2008年償還)*....................................
¥ 7,866
¥ 7,062
$ 60,117
50,000
50,000
425,641
19,834
21,893
186,368
.......................................................................................
77,700
78,955
672,126
1年以内に返済期限の到来する長期借入債務 ........................
(8,586)
(9,463)
(80,558)
.......................................................................................
¥69,114
¥69,492
$591,568
* 資生堂インターナショナルコーポレーション、資生堂インターナショナルヨーロッパが発行したものです。2006 年 3 月31日
現在の利率は0.37%∼4.05%です。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
53
7. 退職金及び年金基金
(株)資生堂及び国内連結子会社は、確定給付型の制度として、企業年金基金制度及び退職一時金制度
を設けています。なお、2004年9月より、従来の厚生年金基金の一部を退職一時金制度へ移行しています。ま
た、2004年10月より、従来の確定給付型制度の一部を廃止し、確定拠出型制度及び退職前払い制度へ移行
しています。その他、従業員の退職等に際して、支払時に退職給付費用として処理する割増退職金等を支払
う場合があります。
2005年、2006年3月31日現在の連結貸借対照表における、退職給付債務、年金資産、未積立退職給付債
務及び退職給付引当金の額は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
2005
2006
2006
退職給付債務 ...........................................................................
年金資産 ....................................................................................
¥(176,739)
149,593
¥(186,389)
183,218
$(1,586,697)
1,559,702
未積立退職給付債務 ...............................................................
会計基準変更時差異の未処理額* .........................................
未認識数理計算上の差異 .......................................................
未認識過去勤務債務(債務の減額)
........................................
連結貸借対照表資産計上額* .................................................
(27,146)
1,173
38,625
(14,447)
(1,359)
(3,171)
1,182
10,235
(12,322)
(1,491)
(26,995)
10,059
87,132
(104,893)
(12,692)
連結貸借対照表計上額純額 ..................................................
(3,154)
(5,567)
(47,389)
前払年金費用 ...........................................................................
31,769
30,637
260,810
退職給付引当金 .......................................................................
¥ (34,923)
¥ (36,204)
$ (308,199)
2005年及び2006年3月期の退職給付費用は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
2005
2006
2006
勤務費用 ....................................................................................
利息費用 ....................................................................................
期待運用収益 ...........................................................................
会計基準変更時差異の費用処理額* .....................................
数理計算上の差異の費用処理額 ..........................................
過去勤務債務の費用処理額 ...................................................
退職給付費用 ...........................................................................
退職給付制度変更に伴う利益 ..............................................
¥ 8,970
4,729
(5,673)
91
5,294
(2,266)
11,145
(2,567)
¥ 7,606
4,304
(5,983)
108
5,367
(2,124)
9,278
—
$ 64,752
36,643
(50,934)
918
45,690
(18,088)
78,981
—
計 ...........................................................................................
¥ 8,578
¥ 9,278
$ 78,981
*在外連結子会社が自国の会計制度に基づいて計上した金額です。
(株)資生堂及び一部の国内連結子会社が加入する厚生年金基金制度における退職給付債務の、2005年
及び2006年3月31日現在の現在価値算出に使用した割引率は2.5%です。2005年及び2006年3月31日現在
の、年金資産の期待運用収益率は4.0%です。退職給付見込額は期間定額基準によっています。
(株)資生堂及び一部の国内連結子会社は、確定給付企業年金法の施行に伴い、厚生年金基金の代行
部分について、2004年2月25日に厚生労働大臣から将来分支給義務免除の認可を受けています。それに伴
い、
(株)資生堂及び一部の国内連結子会社は、「退職給付会計に関する実務指針
(中間報告)(
」 日本公認会
計士協会会計制度委員会報告第13号)第47-2項に定める経過措置を適用し、代行部分に係る退職給付債
務と返還相当額の年金資産を消滅したものとみなして処理しています。本処理により2004年 3月31日に終了
を計上しています。
する年度において26,732百万円(227,564千米ドル)
(株)資生堂は、
( 株)資生堂及び国内連結子会社に在籍する満 50∼ 59歳かつ勤続 15年以上の正社員を
対象に、中高年齢層のライフプランの選択肢を広げ、これを支援することを目的とした「早期退職優遇・特別プ
ラン」
を実施しました。これに伴い2005年3月31日に終了する年度において1,364名が退職し、特別退職関連
を計上しています。
費用30,987百万円(263,784千米ドル)
54
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
8. 繰延税金
2005年及び2006年3月31日現在の繰延税金資産及び繰延税金負債(流動及び固定)の発生の主な要因
別の内訳は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
繰延税金資産
繰越欠損金 ...........................................................................
金融資産評価損 ...................................................................
減価償却費 ...........................................................................
退職給付引当金 ...................................................................
たな卸資産、貯蔵品 ............................................................
賞与引当金限度超過額 ......................................................
未払費用 ...............................................................................
たな卸資産・固定資産等の未実現利益 ...........................
未払事業税等 .......................................................................
役員退職慰労引当金 .................................................................
その他 ...................................................................................
繰延税金資産小計 ...............................................................
評価性引当額 .......................................................................
繰延税金資産合計 ...............................................................
繰延税金負債
その他有価証券評価差額金 ..............................................
無形固定資産評価益 ..........................................................
買換資産圧縮積立金他 ......................................................
減価償却費 ...........................................................................
その他 ...................................................................................
繰延税金負債合計 ...............................................................
2005
2006
2006
¥21,317
10,055
9,659
5,086
4,970
3,850
3,084
1,040
261
244
5,667
¥13,989
8,085
10,958
3,204
6,758
4,836
2,888
6,071
834
115
7,444
$119,088
68,822
93,284
27,274
57,526
41,164
24,586
51,680
7,102
980
63,374
65,233
(6,686)
65,182
(7,911)
554,880
(67,338)
¥58,547
¥57,271
$487,542
¥ 5,541
1,731
1,192
829
754
¥12,687
495
1,144
773
833
$107,997
4,215
9,739
6,579
7,092
¥10,047
¥15,932
$135,622
法定実行税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率の差異の主要な項目別内訳
2005
法定実効税率 ..............................................................................................
調整
交際費等永久に損金に算入されない項目 ..................................................
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 ...........................................
連結調整に係る一時差異 ...............................................................................
その他 ................................................................................................................
税効果会計適用後の法人税等の負担率 .....................................................
2006
41.0%
—
(173.0)
76.5
(762.0)
35.9
(781.6)%
—
—
—
—
—
* 2006年 3月期は、法定実行税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が 100分の 5以下であるため
注記を省略しています。
9. 偶発債務
(株)資生堂は 2006年 3月 31日現在、従業員の銀行借入金に対し保証債務 38百万円( 326千米ドル)
を
負っています。
10. ストック・オプション・プラン
2002年 6月27日に株主に承認されたストック・オプション・プランに基づき、
( 株)資生堂は 2003年 3月期に
ストックオプションとして、637,000株に相当する新株予約権を付与しました。
2003年 6月27日に株主に承認されたストック・オプション・プランに基づき、
( 株)資生堂は 2004年 3月期に
ストックオプションとして、936,000株に相当する新株予約権を付与しました。
2004年 6月29日に株主に承認されたストック・オプション・プランに基づき、
( 株)資生堂は 2005年 3月期に
ストックオプションとして、1,098,000株に相当する新株予約権を付与しました。
2005年 6月29日に株主に承認されたストック・オプション・プランに基づき、
( 株)資生堂は 2006年 3月期に
ストックオプションとして、2,594,000株に相当する新株予約権を付与しました。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
55
2006年3月期における、付与済みストック・オプションに関する要約情報は以下の通りです。
① 2002年6月27日に株主に承認されたストック・オプション・プラン
付与数
未行使残高
行使価格
行使期間
2002年7月16日に
承認されたストック・オプション
2003年2月28日に
承認されたストック・オプション
578,000株
524,000株
1,669円
2004年7月1日∼2012年6月26日
59,000株
—
1,512円
2003年4月1日∼2006年3月31日
計
637,000株
524,000株
② 2003年6月27日に株主に承認されたストック・オプション・プラン
付与数
未行使残高
行使価格
行使期間
2003年7月31日に
承認されたストック・オプション
2003年11月28日に
承認されたストック・オプション
2004年3月8日に
承認されたストック・オプション
878,000株
657,000株
1,287円
2005年7月1日∼2013年6月26日
18,000株
6,000株
1,229円
2003年12月1日∼2006年11月30日
40,000株
9,000株
1,361円
2004年4月1日∼2007年3月31日
計
936,000株
672,000株
③ 2004年6月29日に株主に承認されたストック・オプション・プラン
付与数
未行使残高
行使価格
行使期間
2004年7月26日に
承認されたストック・オプション
2004年11月30日に
承認されたストック・オプション
2005年3月9日に
承認されたストック・オプション
1,004,000株
1,004,000株
1,427円
2006年7月1日∼2014年6月28日
16,000株
1,000株
1,419円
2004年12月1日∼2007年11月30日
78,000株
48,000株
1,445円
2005年4月1日∼2008年3月31日
計
1,098,000株
1,053,000株
④ 2005年6月29日に株主に承認されたストック・オプション・プラン
2005年7月28日に
承認されたストック・オプション
2005年7月28日に
承認されたストック・オプション
408,000株
408,000株
1円
2008年8月1日∼2011年6月30日
261,000株
261,000株
1,481円
2007年7月1日∼2015年6月28日
2005年10月27日に
承認されたストック・オプション
2005年11月7日に
承認されたストック・オプション
2006年3月8日に
承認されたストック・オプション
11,000株
11,000株
1,865円
2005年11月1日∼2008年10月31日
1,851,000株
1,851,000株
1,896円
2007年7月1日∼2010年6月30日
63,000株
63,000株
2,012円
2006年4月1日∼2009年3月31日
付与数
未行使残高
行使価格
行使期間
付与数
未行使残高
行使価格
行使期間
計
2,594,000株
2,594,000株
11. リース取引
(株)
資生堂及び連結子会社は、借主、貸主双方の立場で各種リース契約を締結しています。リース物件の
所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース契約では、通常の賃貸借取引に係る方法
に準じた会計処理を行っており、2005年、2006年3月期のファイナンス・リース取引の内容は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
2005
2006
2006
.......................................................................................
¥ 5,091
9,429
¥ 14,520
¥ 4,166
8,107
¥ 12,273
$ 35,462
69,018
$ 104,480
支払リース料 .........................................................................
減価償却費相当額 ...............................................................
¥ 4,849
¥ 4,849
¥ 5,371
¥ 5,371
$ 45,723
$ 45,723
リース物件取得価額相当額、減価償却累計額相当額
及び期末残高相当額
機械装置、器具備品等取得価額相当額 ......................
機械装置、器具備品等減価償却累計額相当額 .........
機械装置、器具備品等期末残高相当額 ......................
¥ 29,020
(14,500)
¥ 14,520
¥ 27,187
(14,914)
¥ 12,273
$ 231,437
(126,957)
$ 104,480
①(株)
資生堂または連結子会社が借主側となる取引
未経過リース料期末残高相当額:1年内 .........................
1年超 ..........................
上記注記は利子込み法によって算定しています。また、減価償却費相当額は定額法によっています。
56
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
千米ドル(注1(1))
百万円
2005
②(株)資生堂または連結子会社が貸主側となる取引
未経過リース料期末残高相当額:1年内 ...........................
1年超 ...........................
2006
2006
.......................................................................................
¥ 1,644
4,018
¥ 5,662
¥ 1,619
2,939
¥ 4,558
$ 13,781
25,018
$ 38,799
受取リース料 .........................................................................
減価償却費 ...........................................................................
受取利息相当額 ...................................................................
¥ 1,846
¥ 1,596
¥ 312
¥ 1,930
¥ 1,757
¥ 345
$ 16,427
$ 14,960
$ 2,933
¥ 9,425
(4,040)
¥ 5,385
¥ 9,442
(5,164)
¥ 4,278
$ 80,379
(43,965)
$ 36,414
リース物件取得価額、減価償却累計額及び期末残高
機械装置、器具備品等取得価額 ..................................
機械装置、器具備品等減価償却累計額 ......................
機械装置、器具備品等期末残高 ..................................
2005年、2006年3月期のオペレーティング・リース取引の内容は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
①(株)
資生堂または連結子会社が借主側となる取引
未経過リース料:1年内 .........................................................
1年超 .........................................................
.......................................................................................
②(株)資生堂または連結子会社が貸主側となる取引
未経過リース料:1年内 .........................................................
1年超 .........................................................
.......................................................................................
2005
2006
2006
¥ 3,825
30,974
¥34,799
¥ 3,797
27,505
¥31,302
$ 32,323
234,148
$266,471
¥177
221
¥398
¥212
394
¥606
$1,808
3,354
$5,162
12. デリバティブ取引関係
(株)資生堂及び連結子会社は、通常の営業取引の中で、為替予約取引及び通貨スワップ取引を含むデ
リバティブ取引を利用しています。これは、外貨建て債権・債務及び長・短期負債の為替変動によるリスクを
回避し、安定的な利益の確保を図ることを目的としたものであり、投機あるいは利益獲得の目的で派生商品を
用いることは行っていません。
2005年及び2006年3月31日現在のデリバティブ取引に係る契約額、時価、評価損益は以下の通りです。
百万円
2005
種類
契約額等
契約額等の
うち1年超
通貨スワップ取引:受取円/支払ユーロ ......
¥3,996
¥3,996
時価
評価損益
¥(1,053)
¥(1,053)
時価
評価損益
¥(744)
¥(744)
百万円
2006
種類
契約額等
契約額等の
うち1年超
通貨スワップ取引:受取円/支払ユーロ ......
¥3,946
¥1,176
千米ドル(注1(1))
2006
種類
通貨スワップ取引:受取円/支払ユーロ ...
契約額等
$33,592
契約額等の
うち1年超
$10,014
時価
評価損益
$(6,331)
$(6,331)
なお、ヘッジ会計の要件を満足するデリバティブ取引については、上の表から除外しています。
13. 減損損失
当社グループは事業用資産において、事業区分をもとに、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小
の単位ごとに、遊休資産等においては、個別物件単位で資産のグルーピングを行っています。
その結果、事業用資産については、営業店舗等で営業損益が継続してマイナスとなっている資産の帳簿価
額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。その内訳は、土地214百万円、
建物及び構築物1,030百万円、長期前払費用等1,567百万円です。
遊休資産等については、生産を終了する工場等の資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減
少額を減損損失に計上しています。その内訳は、土地 2,356百万円、建物及び構築物等 919百万円です。
なお、回収可能価額は正味売却価額により算出しており、主に不動産鑑定評価額を基に評価しています。
米国子会社の無形固定資産に係る減損損失については、注記5.に記載しています。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
57
14. セグメント情報
(1) 事業の種類別セグメント情報
(株)
資生堂及び連結子会社は以下の3つの事業区分により事業活動を行っています。
化粧品事業:女性化粧品、男性化粧品
トイレタリー事業:石けん、ヘアケア製品、コスメ製品、生理用品
その他の事業:理・美容製品、美容食品、医薬品、ファッショングッズ、ファインケミカル等
(株)
資生堂及び連結子会社の2006年3月期までの3期間の事業の種類別セグメント情報は以下の通りです。
売上高:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
...........................................................
配賦不能営業費用控除前営業利益*:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
2004
百万円
2005
2006
千米ドル(注1(1))
2006
¥489,587
¥504,760
¥533,068
$4,537,910
66,397
60,499
61,166
520,696
68,264
74,569
76,723
653,127
¥624,248
¥639,828
¥670,957
$5,711,733
¥ 47,326
¥ 37,820
¥ 43,722
$ 372,197
(399)
(5,564)
329
2,799
2,707
6,131
6,068
51,658
...........................................................
49,634
38,387
50,119
426,654
配賦不能営業費用 .......................................
(12,156)
(11,858)
(11,240)
(95,682)
営業利益*.......................................................
¥ 37,478
¥ 26,529
¥ 38,879
$ 330,972
¥321,124
¥358,373
¥364,673
$3,104,393
43,502
34,751
37,150
316,253
104,851
108,091
102,164
869,702
469,477
501,215
503,987
4,290,348
資産:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
...........................................................
消去又は全社 ...........................................
157,253
199,880
167,855
1,428,914
...........................................................
¥626,730
¥701,095
¥671,842
$5,719,262
¥ 17,510
¥ 17,344
¥ 16,449
$ 140,026
2,527
2,945
3,516
29,936
7,133
7,074
6,963
59,276
27,170
27,363
26,928
229,238
減価償却費:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
...........................................................
消去又は全社 ...........................................
48
45
44
372
...........................................................
¥ 27,218
¥ 27,408
¥ 26,972
$ 229,610
¥
$
減損損失:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
¥
...........................................................
消去又は全社 ...........................................
...........................................................
資本的支出:
化粧品事業 ...............................................
トイレタリー事業 .......................................
その他の事業 ...........................................
...........................................................
*
58
4,194
—
—
—
4,468
—
—
7,740
65,895
4,194
—
12,456
106,040
248
2,112
—
—
4,194
—
¥ 12,404
$ 105,593
¥ 23,830
¥ 20,867
¥ 17,471
$ 148,729
2,152
2,000
5,072
43,179
8,418
5,731
6,054
51,533
34,400
28,598
28,597
243,441
¥
(52)
38,033
(447)
消去又は全社 ...........................................
6
33
29
248
.......................................................
¥ 34,406
¥ 28,631
¥ 28,626
$ 243,689
2005年3月期までの配賦不能営業費用控除前営業利益及び営業利益は、2006年3月期に行った計上区分の変更に
従って遡及修正して表示しています。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
(2) 所在地別セグメント情報
2006年3月期までの3期間の所在地別セグメント情報は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
売上高:
日本 ...........................................................
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
2004
2005
2006
2006
¥465,287
43,523
72,464
42,974
¥467,027
43,097
79,776
49,928
¥475,654
46,016
85,573
63,714
$4,049,150
391,729
728,464
542,390
在外計 .......................................................
158,961
172,801
195,303
1,662,583
.......................................................
¥624,248
¥639,828
¥670,957
$5,711,733
配賦不能営業費用控除前営業利益*:
日本 ...........................................................
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
¥ 40,355
161
3,283
5,835
¥ 25,422
460
5,380
7,125
¥ 34,235
1,567
5,719
8,598
$ 291,439
13,341
48,680
73,194
在外計 .......................................................
9,279
12,965
15,884
135,215
.......................................................
49,634
38,387
50,119
426,654
配賦不能営業費用 .......................................
(12,156)
(11,858)
営業利益*.......................................................
¥ 37,478
¥ 26,529
¥ 38,879
$ 330,972
資産:
日本 ...........................................................
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
¥297,535
57,441
77,035
37,466
¥316,626
53,960
87,497
43,132
¥309,246
59,547
84,696
65,383
$2,632,549
506,916
721,004
556,591
在外計 .......................................................
171,942
184,589
209,626
1,784,511
(11,240)
(95,682)
.......................................................
469,477
501,215
518,872
4,417,060
消去又は全社 ...........................................
157,253
199,880
152,970
1,302,202
.......................................................
¥626,730
¥701,095
¥671,842
$5,719,262
* 2005年 3月期までの配賦不能営業費用控除前営業利益及び営業利益は、
2006年3月期に行った計上区分の変更に従っ
て遡及修正して表示しています。
(3) 海外売上高
2006年3月期までの3期間の海外売上高((株)資生堂及び国内子会社の輸出売上に海外連結子会社
の日本以外に対する売上を加えたもの)
は以下の通りです。
千米ドル(注1(1))
百万円
2004
2005
2006
2006
海外売上高:
アメリカ ......................................................
欧州 ...........................................................
アジア・オセアニア ..................................
¥ 45,808
68,104
48,485
¥ 44,282
74,929
56,465
¥ 47,527
80,395
69,319
$ 404,594
684,384
590,100
...........................................................
¥162,397
¥175,676
¥197,241
$1,679,078
連結売上高に占める海外売上高の割合.....
26.0%
27.5%
29.4%
29.4%
15. 後発事象
2006年 3月 31日以降の事象として、
( 株)資生堂は 2006年 6月 29日の株主総会で現金配当 6,187百万円
(52,667千米ドル)、一株当たり配当金15円の承認を受けました。この配当は2006年3月期の利益処分によ
るもので、2006年3月31日現在の株主に対して支払われます。
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
59
独立監査人の監査報告書
株式会社資生堂取締役会 御中
当監査法人は、株式会社資生堂及び連結子会社の、2005年及び2006年3月31日現在の日本円で表示された連結貸借対照
表ならびに2006年3月31日に終了した3年間の各連結会計年度の連結損益計算書、連結株主持分計算書及び連結キャッシュ・
フロー計算書について監査を行った。これらの連結財務諸表の作成責任は経営者にあり、当監査法人の責任は独立の立場か
ら連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
当監査法人は、日本国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。これらの基準は、連結財
務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得るように、当監査法人が監査を計画し、実施することを求めて
いる。監査は、連結財務諸表における金額や開示の基礎となる証拠の試査による検証、経営者が採用した会計原則及び経営
者が行った重要な見積りの評価、及び全体としての連結財務諸表の表示を検討することを含んでいる。当監査法人は、監査の
結果として意見表明のための合理的な基礎を得たと判断している。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、日本国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会
社資生堂及び連結子会社の 2005年及び 2006年 3月31日現在の連結財政状態ならびに 2006年 3月31日に終了した 3年間の各
連結会計年度の連結経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、すべての重要な点において適正に表示しているものと認める。
連結財務諸表に対する注記 2.( 14)
に記載されている通り、株式会社資生堂及びその国内連結子会社は 2006年 3月31日に
終了する連結会計年度から、固定資産の減損に係る会計基準を適用して連結財務諸表を作成している。
連結財務諸表に対する注記2.(15)
に記載されている通り、株式会社資生堂及びその連結子会社は2006年3月31日に終了
する連結会計年度から、従来売上原価に含めて計上していた物流費や研究開発費等、そして従来その他の損益として計上し
ていた営業権・商標権償却費用を、それぞれ販売費及び一般管理費として計上する方法に変更している。
米ドル表示の金額は、読者の便宜を図ることだけを目的に表示されたものであり、連結財務諸表に関する注記1.(1)
に記載
された基準に準拠して換算されたものである。
中央青山監査法人
東京、日本国
2006年6月29日
(注)
:この監査報告書は英文アニュアルレポートに含まれている英文監査報告書の和訳です。
株式会社資生堂及び連結子会社の連結財務諸表に係る日本語の監査報告書の正文につきましては、
「有価証券報告書」をご参照ください。
60
株式会社資生堂 アニュアルレポート2006
会社情報
(2006年3月31日現在)
定時株主総会
本社
株式会社 資生堂
毎年6月に東京で開催
〒104-0061
東京都中央区銀座七丁目5番5号
電話:03-3572-5111
上場証券取引所
普通株:東京証券取引所(証券コード 4911)
米国預託証券:米国店頭市場
創業
会計監査人
1872年9月17日
中央青山監査法人
設立
株主名簿管理人
1927年6月24日
64,506,725,140円
〒105-8574
東京都港区芝三丁目33番1号
中央三井信託銀行株式会社
従業員数
米国預託証券
3,227名(グループ従業員数 25,781名)
CUSIP No.:824841407
比率(米国預託証券:普通株)
:1 : 1
取引所: 店頭市場
コード:
SSDOY
発行銀行:The Bank of New York
101 Barclay Street
New York, NY 10286, U.S.A.
資本金
決算日
3月31日
発行済株式総数
424,562,353株(うち自己株式12,105,939株)
株主数
37,148名
所有者別株式数比率
大株主
株主名
持株数
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
ヒーロー アンド カンパニー
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
株式会社みずほ銀行
日本興亜損害保険株式会社
朝日生命保険相互会社
株式会社みずほコーポレート銀行
三井住友海上火災保険株式会社
日本生命保険相互会社
資生堂従業員自社株投資会
出資比率
25,741 千株
21,609
18,371
17,226
14,569
12,079
11,382
10,211
9,747
8,997
6.06 %
5.08
4.32
4.05
3.43
2.84
2.68
2.40
2.29
2.11
その他国内法人
証券会社
1.44%
5.32%
自己株式
2.85%
外国人
26.45%
金融機関
44.97%
個人
18.96%
※上記のほか、
(株)資生堂は自己株式12,105千株を保有しています。
株価・出来高推移
(円)
2,500
2,250
2,000
1,750
1,500
1,250
1,000
750
500
250
株価
出来高
(千株)
60,000
45,000
30,000
15,000
0
0
’01/4
’02/4
’03/4
’04/4
お問い合わせ先
ウェブサイト
〒105-8310
東京都港区東新橋一丁目6番2号
株式会社資生堂 IR部
ファックス:03-6218-5544
メールアドレス:[email protected]
日本語版
http://www.shiseido.co.jp/
英語版
http://www.shiseido.co.jp/e/
’05/4
’06/4
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