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ミレニアム開発目標と水

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ミレニアム開発目標と水
MDGsの1/3は、
水問題の解決なくして
達成できない
• MDGsは国連が策定した国際開発の目標である
• 水と衛生を改善することでMDGsに貢献できる
MDGsと現在の状況
MDG 1 極度の貧困と飢餓の撲滅
MDG 2 初等教育の完全普及
MDG 3 ジェンダーの平等と女性のエ
ンパワーメントの達成
MDG 4 乳幼児死亡率の削減
貧困人口比率21%(2001)
飢餓人口比率17%(2001)
就学率83%(2001/02)
女子就学率(対男子)
小学校92%(2001/02)
中高等学校89%(2001/02)
5歳未満死亡率8.8%(2003)
MDGsと現在の状況
MDG 5 妊産婦の健康の改善
出産時の死亡者数
450人/10万人(2000)
MDG 6 HIV/エイズ、マラリアなどの疾
病 の蔓延防止
MDG 7 環境の持続可能性の確保
HIV:490万人
マラリア:3.5~5億人
(いずれも2004)
MDG 8 開発のためのグローバル・
パートナーシップの推進
安全な飲料水のアクセス率
77%(1990), 83%(2002)
衛生施設へのアクセス率
49%(1990), 58%(2002)
途上国における発展および
開発を持続できない
水と衛生の寄与率の分析手法
例:MDG2 ・・・問題点:初等教育が普及しない
■その原因は?
①病気や怪我で教育を受けられない
②学校に行く時間がない
③教育機会を与えられていない
■それらを引き起こす要因は?
例えば「① 病気や怪我で教育を受けられない」では、
1.病気にかかること(HIV、下痢、マラリア、栄養失調、その他)
2.怪我をすること
の2つの要因が挙げられる
水と衛生の寄与率の分析手法
• 例:「1.病気にかかること」(Diarrhea)の場合
「 汚い水を飲む」 原因が
5 つ考えられる
水等自然災害により衛生状態が悪化する
上水処理がされていない
川や湖の水が汚い
地下水が汚い
下痢になる原因が
5 つ考えられる
病気にかかる
下痢
汚い水を飲む
きれいな水かどうかが分からない
汚い水で洗った食べ物を食べる
汚い食べ物を食べる
腐った食べ物を食べる
汚い手で食べる
汚い水で洗っている
1
そもそも洗わない
怪我をする
汚い水で洗っている
汚い食器を使う
そもそも洗わない
体が弱っている
その原因は?
食べ物が十分にない
その原因は?
水と衛生の改善に関する主要な柱
水供給の改善
衛生設備の改良
衛生教育の普及
水災害対策
水と衛生の改善に関する分類
水等自然災害により
衛生状態が悪化する
上水処理がされていない
川や湖の水が汚い
地下水が汚い
汚い水を飲む
きれいな水かどうかが分からない
汚い水で洗った食べ物を食べる
病気にかかる
下痢
汚い食べ物を食べる
腐った食べ物を食べる
汚い手で食べる
汚い水で洗っている
1
そもそも洗わない
怪我をする
汚い食器を使う
汚い水で洗っている
そもそも洗わない
体が弱っている
食べ物が十分にない
水と衛生に関連した項目を、 4つの柱に分類する
水と衛生の寄与率の算出方法
• MDGsの直接の問題点(MDG2の場合、①
病気や怪我で教育を受けられない ② 学校
に行く時間がない ③ 教育機会を与えられ
ていない)に、原因となっているそれぞれの事
項が、どの程度寄与するかを算出する
• 各項目に重み付けはなく、全て同程度の要因
であると仮定する
(1つの項目に3つ要因があるときは、それぞ
れ1/3ずつ原因になっていると考える)
水と衛生の寄与率の算出方法
例:MDG2における「水供給の改善」について
寄与率
= 1/2 × 1/5 × 1/5 × 1/1 × 1/5 × 1/4
= 1/1000 → 0.1%
水等自然災害で衛生状態が
悪化する
上水処理がされていない
水等自然災害で衛生状態が
悪化する
川や湖の水が汚い
上水処理がされていない
地下水が汚い
川や湖の水が汚い
HIV
×1/5
下痢
汚い水を飲む
きれいな水かどうかが分からない
地下水が汚い
汚い水で洗った食べ物を食べる
汚い食べ物を食べる
水等自然災害で衛生状態が
悪化する
腐った食べ物を食べる
きれいな水かどうかが分からない
水等自然災害で衛生状態が
悪化する
上水処理がされていない
上水処理がされていない
川や湖の水が汚い
汚い手で食べる
川や湖の水が汚い
汚い水で洗っている
地下水が汚い
地下水が汚い
そもそも洗わない
きれいな水かどうかが分からない
汚い水で洗っている
汚い食器を使う
病気や怪我で教育を
受けられない
×1/2
×1/5
病気にかかる
体が弱っている
マラリア
栄養失調
その他
×1/1
きれいな水かどうかが分からない
×1/5
×1/4
そもそも洗わない
農作物を十分に作れない
食べ物が十分にない
食べ物を買うお金がない
土地がない
近くに魚がいない
食べられる魚が採れない
肥料がない
技術がない
家畜が育てられない
技術がない
魚が汚染されている
水等自然災害で食物が失われる
水がない
川や湖の水が汚い
水が汚染されている
餌がない
水がない
技術がない
怪我をする
水汲みなどの重労働で
怪我をする
水等自然災害で怪我をする
不慮の事故で怪我をする
その他の要因
一項目が全体でどの程度の割合を占めているかを計算する
水と衛生の寄与率の算出方法
① 1/2 × 1/5 × 1/5 × 1/1 × 1/5 × 1/4 = 1/1000 → 0.1%
② 1/2 × 1/5 × 1/5 × 1/1 × 1/5 × 1/3 = 1/750 → 0.13% total 12.73%
③ 1/2 × 1/4 = 1/8 → 12.5%
水等自然災害で衛生状況が
悪化する
上水処理がされていない
水等自然災害で衛生状況が
悪化する
川や湖の水が汚い
上水処理がされていない
地下水が汚い
川や湖の水が汚い
HIV
下痢
汚い水を飲む
きれいな水かどうかが分からない
×1/5
汚い水で洗った食べ物を食べる
汚い食べ物を食べる
腐った食べ物を食べる
地下水が汚い
きれいな水かどうかが分からない
水等自然災害で衛生状況が
悪化する
水等自然災害で衛生状況が
悪化する
上水処理がされていない
上水処理がされていない
川や湖の水が汚い
汚い手で食べる
川や湖の水が汚い
汚い水で洗っている
※図中で省略した
寄与率:1.2%
地下水が汚い
地下水が汚い
そもそも洗わない
きれいな水かどうかが分からない
病気や怪我で教育を
受けられない
きれいな水かどうかが分からない
汚い水で洗っている
汚い食器で食べる
体が弱っている
×1/2
マラリア
×1/5
×1/5
1
そもそも洗わない
農作物が十分に作れない
食べ物が十分にない
食べ物を買うお金がない
土地がない
近くに魚がいない
食べられる魚が採れない
肥料がない
技術がない
技術がない
魚が汚染されている
病気にかかる
×1/1
水がない
家畜が育てられない
栄養失調
その他
3
怪我をする
×1/2
×1/4
Contaminated river or lake
water
水が汚染されている
×1/5
水等自然災害で食べ物が失われる
餌がない
2
水がない
×1/3
技術がない
水汲みなどの重労働で
怪我をする
水等自然災害で怪我をする
不慮の事故で怪我をする
その他の要因
「水供給の改善」による
MDG達成の寄与率
13.9%
水と衛生の寄与率の算出方法
病気や怪我で
教育を受けられない
計 38 %
13.9 %
13.9%
7.2 % 2.0% 14.9 %
2.0%
7.2%
14.9%
「水供給の改善 」以外の3つの柱についても同様に算出する
その結果、「病気や怪我で教育を受けられない」への水と衛
生の寄与率は38%となる
水と衛生の寄与率の算出方法
平均30%寄与
MDG 2
初等教育が
普及しない
寄与率
約30%
病気や怪我で
教育を受けられない
38 %
学校に行く時間がない
33 %
教育機会を
与えられていない
13 %
13.9 %
7.2 % 2.0%
14.9 %
33.3 %
就学率 83% (2001/02)
2.1% 2.1%
8.3 %
各MDGについて全項目(MDG2の場合は3項目)について水
と衛生の寄与率を算出する
それらの平均をMDG2の水と衛生の寄与率とする
MDGsに対する水と衛生の寄与率
MDG 1 極度の貧困と飢餓の撲滅
寄与率
約30%
MDG 2 初等教育の完全普及
寄与率
約30%
MDG 3 ジェンダーの平等と女性のエンパ
ワーメントの達成
MDG 4 乳幼児死亡率の削減
寄与率
約20%
寄与率
約30%
MDGsに対する水と衛生の寄与率
MDG 5 妊産婦の健康の改善
寄与率
約45%
MDG 6 HIV/エイズ、マラリアなどの疾病
の蔓延防止
MDG 7 環境の持続可能性の確保
寄与率
約25%
MDG 8 開発のためのグローバル・
パートナーシップの推進
寄与率
約50%
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