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SMBC China Business Information
NO.200510
2005 年 7 月 29 日
SMBC 中国ビジネス情報
SMBC China Business Information
三井住友銀行
中国業務推進部
保税区企業の貿易権取得・国内販売権申請の容認化「通知」について
2005 年 7 月 13 日付けで《商務部、税関総署弁公庁:保税区及び保税物流園区の貿易管理
関連問題に関する通知》(商務部弁公庁商資字【2005】76 号。「和文訳」別添)が公布され、
保税区企業に対しても《外商投資商業領域管理弁法》
(以下、8 号令という)が適用されるこ
とになりました。本通知のポイントは以下の通りです。
1.保税区、保税物流園区内の企業と個人は、貿易権を取得し、国内販売権を申請する
ことが可能。
8 号令が昨年 4 月 16 日に公布されて以降、保税区企業にも 8 号令が適用できないかという
ことが大きな関心事でした。確かに 8 号令の条文には保税区企業を排除するという記載は無
いものの、保税区という税関特殊監督管理区域に所在する企業に対して 8 号令は適用できな
い、適用すべきでない、或いは適用してほしいというような様々な意見が飛び交っていまし
たが、本通知によりついに保税区企業に対しても 8 号令を適用することが可能となりました。
また、経営範囲の拡大という形式で 8 号令を適用された実例も現れるに至っています。すな
わち、保税区企業の国内販売権が正式に認められたこととなり、保税貨物と非保税貨物の両
方を取り扱うことができる商社が認められる素地ができたといえます。
2.保税区、保税物流園区内の対外貿易経営者は、国内区外との間の製品の売買に際し
国家関連輸出入、外国為替と国家税収管理方面の規定を遵守。
本通知により、保税区企業と国内区外との間の製品の売買に際し、区内企業は自社名義で
の通関が可能となり、また外貨核銷手続を行なうこととなりました。
<問題点>
本通知により保税区企業の商業企業化への道が開かれたわけですが、商業企業化がなされ
たとしてその運用がどのように行われるのかが気になるところです。運用を考える上で関係
してくるものとしては税関管理、税務管理、外貨管理が考えられます。本通知においては、
これらの問題についていずれも「関連規定に従って処理する」という文言で片付けられてい
ますが、裏返えすと、この部分の運用がどのようになされるかが保税区企業の商業企業化を
語る上で最も重要な部分でありながら、非常に曖昧な表現でしか記述されていないため、実
1
際の運用がどのようになされるかを見ていく必要が有ります。例えば外貨管理について言い
ますと、保税区という地域に対しては《保税区外貨管理弁法》
(2002 年 7 月 25 日公布、2002
年 10 月 1 日施行)が適用されることとなっており、この中では、保税区企業が保有する人民
元で外貨を購入することができるのは、人民元を使用して設立した企業、パーツセンター、
国内販売を行なう加工企業が一定の範囲内で許されているに過ぎず、その他には配当送金に
伴なう外貨購入が認められているに過ぎません。しかし、仮に商業企業化された保税区貿易
企業が海外から貨物を自主通関により購入し、それを国内区外宛に人民元で販売し人民元で
代金回収した場合、回収した人民元で外貨を購入し海外宛外貨決済を行なうことまでは認め
られていません。ここで採り上げた外貨管理の問題はほんの一例に過ぎず、その他にも保税
貨物と非保税貨物とをどのように区分けして取り扱っていくのか、といった問題をどのよう
にクリアーしていくのかは、今後の運用や関連通知の公布がなされるか否かを見ていく必要
があるといえます。
以上
【本件に関するご照会先】
日本総合研究所
研究事業本部 海外事業・戦略クラスター
青柳 Tel: 03-3288-5258
E-Mail:[email protected]
平田 Tel: 03-3288-5273
E-Mail:[email protected]
日綜(上海)投資諮詢有限公司
副総経理 呉明憲 Tel:86- 21-6841-3368
E-Mail:[email protected]
1. 税制、法律等は中国当局により変更されることがありますので、ご参考としてご利用ください。
2. 本資料は、当社が入手し得る資料及び一般に信頼できると思われる情報源に基づいて作成
されたものですが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
3. 本資料は、情報の提供を目的として作成されたものであり、法令、税務、会計に関する助言を
含むものではありません。法令、税務、会計に関する案件につきましては、各専門家にご相談
ください。
2
(和文訳)
商務部弁公庁
税関総署弁公庁
商貿字[2005]76 号
商務部、税関総署弁公庁:保税区及び保税物流園区の貿易管理関連問題に関する通知
各省、自治区、直轄市、計画単列市及び新疆生産建設兵団商務主管部門、各直属税関:
我が国の世界貿易組織加入の承諾を適切に履行し、保税区、保税物流園区内企業の貿易
管理について改善するために、ここに関連問題を以下のとおり通知する。
一、 保税区、保税物流園区内の企業と個人は《中華人民共和国対外貿易法》、《対外貿易経営
者備案登記弁法》と《外商投資商業領域管理弁法》及びその他関連規定に基づいて、法
に従って貿易権を取得し、国内販売権を申請することができる。上述権限を取得した企
業と個人は、法に従って国内の企業と個人(貿易権を取得していない企業と個人を含む)
と貿易活動を展開することができる。国内販売権を取得した外商投資企業は法に従って
国内で国内販売活動に従事することができる。
二、保税区、保税物流園区内の対外貿易経営者が国内区外に製品を販売し、及び国内区外か
ら製品を購入するにあたって国家関連輸出入、外貨と国家税収管理方面の規定を遵守し
なければならない。
(一) 保税区、保税物流園区内の対外貿易経営者と国外との間を出入りする貨物につい
て、税関管理規定を受け継いで輸出入手続きを行う。区内企業は対外貿易経営者
の身分をもって貨物を国内区外に販売する場合、区内企業の名義をもって通関及
び外貨核銷手続きを行い、区外の企業と個人が区内の企業と個人から貨物を購入
する場合、現行規定に従って処理する。
(二) 保税区、保税物流園区内の対外貿易経営者と国外との間を出入りする貨物につい
て、中華人民共和国が参加または締結している国際条約及び法律、行政法規及び
関連規章で別途明確に規定しているものを除いて、輸出入許可証管理を執行しな
い。
(三) 国内区外から保税区、保税物流園区に入る《紡織品輸出臨時管理商品目録》に属
する紡織品について、税関は許可証を検査照合しない。上述の貨物が実際に国境
を離れるのを待って、関連規定に従って、紡織品臨時輸出管理を必要とする国家
または地域への輸出に対して税関は許可証に基づいて通過手続きを行なう。
三、保税区、保税物流園区内の企業の設立は国家産業政策に符合しなければならず、区内の
いかなる企業も全て国家が投資を禁止する領域において生産と経営活動に従事してはな
らない。
四、保税区、保税物流園区内の各タイプの企業の税収、税関監督管理、外貨管理の事項に対
して、国家税務局、税関総署、国家外貨管理局の関連規定に従って処理する。
二○○五年七月十三日
(仮訳:日綜(上海)投資コンサルティング有限公司/呉
3
明憲)
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