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2008年度環境報告書(PDF形式、2.9MB)

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2008年度環境報告書(PDF形式、2.9MB)
環境報告書
2008
日立エーアイシー株式会社(Hitachi AIC Inc.)の社名は、「先進の
(Advanced)電子部品(Interconnecting Components)を、世界のお客様へ
提供し、社会の発展に貢献していく」という、私たちの姿勢を表現していま
す。また、私は、「ものづくりの強化による高付加価値製品分野への転換
取締役社長
本田
の加速」をスローガンとして、事業活動を展開しています。この活動が、地
一政
域社会や地球環境に密接に関わってくることを認識し、事業の発展と環
境保全の両立を図った持続可能な社会の実現を目指しています。
私は、環境と安全は会社の顔であると考えております。いかに品質がよく生産性の高い製
品を製造していたとしても、環境と安全を満足に守れなければ会社として存在価値がないと
言わざるを得ません。また、今まで取り組んできた5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)3定(定品、
定置、定量)及びTPS(トヨタ生産方式)といった生産改善活動と環境改善活動は、目指す
ゴールは同じであると考えております。例えば製造工程のムリ・ムダ・ムラを改善することによ
り、品質や生産性が向上し、エネルギー・化学物質の使用や廃棄物の発生といった環境負
荷の低減と安全を確保することができます。また、職場が「正常」か「異常」な状態であるか誰
でもすぐわかるように「見える化」することで、トラブルが大きくなる前にすぐに改善し、環境事
故を予防することができると考えております。これらを実現するために、当社は、日立エーア
イシー及びグループ会社全てを網羅する環境安全管理体制を整備し、全社で統合したISO1
4001を活用した法令順守の徹底、リスク管理レベルの向上、環境情報のグループ内共有
及び内部統制システムにより、効率的な環境経営の実践を図ってまいりました。今後とも、全
社一丸となって環境負荷の低減に努め、真に信頼される企業グループを目指し、努力を継続
していきます。
本報告書では、日立エーアイシーグループの環境への取組みについてご紹介させて頂き
ました。この報告書をお読みいただき、忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いです。
1
生産拠点
製品紹介
高多層配線板
ビルドアップ多層配線板
アルミ電解コンデンサ
パッケージ配線板
タンタルコンデンサ
フレキシブル配線板
フィルムコンデンサ
多層・両面配線板
フラットスルーホール配線板
アルミ蒸着フィルム
アルミ蒸着シート
感光性フィルム用
ラミネータ
2
トピックス
日立化成グループ「グリーンカーテンプロジェクト」に参加
日立化成グループでは、従業員の省エネルギー意識啓発のため、「グリーン・カーテン・プロジェクト」を実
施しています。当社では、建屋の壁面にゴーヤなどのつる性の植物を植えて「緑のカーテン」をつくり、夏の
日差しを抑えて空調機電力の低減をはかり、CO2削減に取り組んでいます。
環境方針
【1】基本理念
日立エーアイシーグループは「環境と調和」を経営の最優先課題の一つに位置付けし、環境マネジメントシステ
ムを構築し、全従業員が参加し、環境負荷の継続的改善を推進する。
【2】基本方針
日立エーアイシーグループは、その活動、製品及びサービスとこれらの環境影響に関して基本理念の下、「CS
R(企業の社会的責任)に基く全社グループの環境経営を推進する」を基本方針として推進する。日立エーアイ
シー株式会社規則第224号「日立エーアイシー環境保全行動指針」に則り具体的な行動内容について次に示す。
(1)事業活動全般に関わる地球環境及び地域社会環境への影響を常に認識し、地球環境の汚染の予防に努め
る。そのため環境マネジメントシステムを継続的に維持・改善する。
(2)事業活動全般に関わる環境関連法規及び同意するその他の要求事項を順守する。
(3)事業活動全般に関わる地球環境影響項目の内、以下の項目を重点テーマとして諸数値の改善に取り組む。
・地球温暖化を防止するため、省エネルギーを推進する、特に電力の省エネルギーを推進する。
・廃棄物の発生量を抑制し、中間処理の拡大と再資源化を推進する。
・有害化学物質の削減を推進する。
(4)環境方針を達成するために、年度毎に全社と工場毎の環境目的・目標を法的要求事項、保有する環境側面
利害関係者からの見解などに基づき見直しする。
(5)この環境方針は、全従業員及び社内で働く協力会社員の人々に周知し、環境を大切にする企業風土作りを
推進する。
(6)この環境方針は、外部からの要求に対し公開する。
3
2007年度環境行動計画
日立エーアイシーグループでは、環境行動計画を定め環境活動を推進しております。この計画に基き、
地球環境への負荷低減活動と環境に優しい製品の開発など環境経営に取り組んでおります。
項目
中期目標
目標年度
2007年度目標
実績
評価
芳賀工場市原製造所、㈱山
2サイト認証取得
岸エーアイシー滋賀工場の
( 全工場認証取得)
認証取得
ISO14001全社統合認証
20 0 7
グループ会社環境安全監査の実施
20 0 7
4事業所監査
実施
環境適合製品
環境適合製品売上比率90%以上
20 1 0
95%以上
(06年度中期目標達成)
94%
有害化学物質
管理
海外製品環境規制への対応
20 0 7
REACH 規制への対応
CO2排出量削減93%以下
( 基準年度1990年)
20 1 0
CO2排出量98%以下
(基準年度2006年)
CO2売上高原単位排出量削減25%
以下(基準年度1990年)
20 1 0
CO2排出量売上原単位9
8%以下
(基準年度2006年)
廃棄物最終埋立量の削減
( 全工場ゼロエミッションの達成)
20 0 7
全工場達成
(全社合計で は達成済)
4サイト埋立率
1%以下未達
廃棄物発生量削減70%以下
( 基準年度2003年)
20 1 0
60%以下
72%
PCB廃棄物の適正処理
20 1 6
適正保管
適正保管中
化学物質大気排出量削減30%以下
( 基準年度2003年)
20 0 7
大気への排出量
15%以下
12%
( 主にトルエン削減)
環境マ ネジメント
システム
地球温暖化防止
廃棄物の削減
化学物質管理
REACH 規制管理
体制の確立
・ 従業員教育実施
106%( 悪化)
97%
環境マネジメント体制
当社では、環境安全に関する意思決定機関として、当社及びグループ会社の経営層で構成される
「全社環境安全管理委員会」を設置し、日立エーアイシーグループとして環境保全活動を推進しています。
2008年10月
取締役社長
経営管理本部
CSRグループ
全社環境安全管理委員会
事業部門 ・工場
・配線板製造本部(下館工場、石岡工場、二宮工場)
・コンデンサ事業本部(芳賀工場(市原、北上製造所)、三春工場)
グループ会社
新町コンデンサ㈱
㈱山岸エーアイシー(飯田工場、豊川工場、滋賀工場)
環境マネジメントシステム
環境法令の順守状況
2007年11月に芳賀工場市原製造所お
2007年度は、環境に関する行政指導
よび山岸エーアイシー滋賀工場において
や外部からの苦情等により、罰金、科料
環境マネジメントシステム(ISO14001)
を納めた実績はありません。
認証を取得しました。これで全工場の認
証が完了しました。
4
生産プロセスにおける環境保全活動と環境負荷物質の概況
アルミ電解コンデンサの生産プロセスを例として、当社の環境保全活動
と環境負荷の概況について説明いたします。
大気汚染対策
CO2排出量と売上高原単位の推移
生産プロセスから排出される(酸性)ガス・粉
9,000
じん等の大気汚染物質は、洗浄塔・集塵機等
アルミ電解コンデンサ
製造例
8,000
全社CO2排出量の推移
t-CO2/月
電力起因CO2排出量
A重油,LPG,LNG起因CO2排出量
CO2排出量売上高原単位
7,000
を設置し、適切に除去しています。
6,244
(108)
5,792
(100)
6,000
6,175
(107)
6,025
(104)
6,129
(106)
6,107
(105)
6,157
(106)
3,000
原材料を加工、組み立てす
ることにより製品となります。
工程から発生する廃水や廃
棄物は、工場外へ影響を及
ばないように適切な処置を
実施しています。
1.67
(118)
1.72
(121)
2
1.07
(75)
1
1,000
0
0
'90
'02
'03
'04
'05
'06
07
10目
年度
産業廃棄物発生量の推移
2,000
10
発生量合計(t)
埋立率(%)
8
140
120
100
80
60
40
20
0
1.70
(120)
1.71
(120)
%
1.66
(117)
1.66
(117)
1.42
(100)
2,000
エッチング箔を化成液中で通電し 化成箔(陽極箔)の完成
酸化被膜(誘電体)を形成
1,204
( 100)
1028
892
( 74)
131
500
723
(6 0 )
2.3
'03
4
2
0.5
0.2
0.2
0.3
0
80 69
6
859(72)
872
( 71)
( 72)
1,000
%
アルミ原箔に電気処理、化学
処理を行い表面積を拡大する
1,205
( 100)
t/月
1,500
t
3
5,387
(93)
5,000
4,000
PRTR物質大気排出量の推移
4
'04
'05
'06
07
0.0
0
生産プロセスから発生する廃棄
物は、目標値を定め、計画的に
低減をはかっています。07年度
は、03年度比72%まで排出量
を低減しました。また、取引業者
の現地確認を1回/年行なう等
適正処理の確認や不法投棄の
防止に努めています。
'10 年度
46
19 16 13
'00 '03 '04 '05 '06 '07 '10
廃水処理後放流
水質汚濁・土壌汚染対策
5
生産プロセスから酸・アルカリ性の廃水が
発生します。これらは、廃水処理設備によ
り分解・沈殿・分離等の適正な処置を行い
河川(下水道)に放流しています。また、
土壌汚染対策として、廃液タンクに防液堤
を設置し土壌への流出を予防しています。
陽極箔・陰極箔・電解紙を製品
寸法に合せて切断
各極の箔にリードを接続し、陽極
箔、陰極箔、電解紙を巻取る
素子に電解液を含浸させる
素子に電解液を含浸させる。
電気化学反応により、陽極箔
裁断面に酸化被膜を形成
ゴムリングを挿入し、密閉(カール) 電気的特性と外観を検査
後、スリーブを被覆
リードにワッシャ、キャップを取り
付け、素子をケースに収納
製品を梱包し、出荷
6
環境保全活動の歩み
1991年 環境管理本部設置
1998年 日立エーアイシー環境保護行動指針制定(2005年改訂)
ISO14001取得開始
2004年 経営管理部を設置し、環境安全グループに名称変更
2005年 日立エーアイシー環境保全行動指針へ改訂
全社環境安全管理委員会設置
2006年 日立エーアイシー㈱、新町コンデンサ㈱、㈱山岸エーアイシーでISO14001統合認証を取得
2007年 芳賀工場市原製造所及び㈱山岸エーアイシー滋賀工場のISO14001認証を取得
2008年 小田原工場を閉鎖し、二宮工場へ製品と設備を移管(3月)
日立化成エレクトロニクス㈱を吸収合併し、下館工場とした(4月)
会社概要
社
名
設
立
所 在 地
資 本 金
株
主
代 表 者
事業内容
日立エーアイシー株式会社
1949年4月2日
〒321-4521 栃木県芳賀郡二宮町大字久下田413番地
23億16百万円
日立化成工業株式会社 100%
取締役社長 本田 一政
1.電子機械器具、電気機械器具及びそれらの部品、材料の製造販売
2.蒸着製品及びその応用加工製品の製造販売
3.産業用機械器具の製造販売
4.電気機械器具取付工事の設計、監督及び請負
5.前各号に附帯する一切の事業
主要品目 配線板
コンデンサ
蒸着製品
産業用機械器具
従業員数 1203名(連結1487名)
(2008年4月20日現在)
売 上 高 35,768百万円(2007年度)
対象範囲 本報告書の環境データは、下記の工場を対象としております。
日立エーアイシー㈱:石岡工場、二宮工場、小田原工場、芳賀工場(市原製造所、北上製造所含む)、三春工場
新町コンデンサ㈱
㈱山岸エーアイシー:飯田工場、豊川工場、滋賀工場
※芳賀工場市原製造所、㈱山岸エーアイシー滋賀工場の環境データを今回より追加しました。
※下館工場の環境データは、本報告書の対象外となっております。
対象期間 この報告書は、2007年度の環境活動を中心に報告しております。
お問い合わせ先
日立エーアイシー株式会社
経営管理本部CSRグループ
〒321-4521
栃木県芳賀郡二宮町大字久下田413番地
TEL:0285-74-0511 FAX:0285-74-4060
E-mail:[email protected]
U R L:http://www.hitachi-aic.com/
2008年12月
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