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ダイワCI生物多様性保全基金

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ダイワCI生物多様性保全基金
ダイワCI生物多様 性保全基 金
国連開発計画(UNDP)
・国連財団(UNF)
・コンサべーション・インターナショナル(CI)
が連携し運営する世界自然遺産地域環境保全型ビジネス支援プログラム(WH-LEEP)
の一環として大和証券グループがCIと協力するパートナーシップ基金です。
ダイワC I 生物多様性保全基金
Daiwa CI Biodiversity Conservation Fund ( DCBCF )
大和証券グループは、この度、コンサベーション・インターナショナル(CI)とのパートナーシップによりダイワCI生物多様
国連開発計画
(UNDP)
・国連財団
(UNF)・コンサベーション・インターナショナル
性保全基金を創設しました。この基金は、
(CI)
が連携し運営する、
世界自然遺産地域環境保全型ビジネス支援プログラム
(WH-LEEP)
の一環として、
世界自然遺産
周辺地域での生物多様性保全を進めます。
インデックス
Index
ダイワCI生物多様性保全基金
メッセージ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
パートナーシップ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
ダイワCI生物多様性保全基金による支援
プロジェクト対象地域
・・・・・・・・・・ 4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
各世界自然遺産地域の紹介
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6-9
持続的なコミュニティ事業のチャンスをつくる
Creating Opportunities for Communities Enterprises
世界遺産-過去から引き継いだ私たちが、
後の世代に残すことのできる地球のたからもの。
私たちが健康と安らぎのある生活を送る上で、なくてはな
らない自然環境。世界自然遺産に指定されている貴重な生
態系の保全は、その周辺の住民の生活と深いかかわりがあ
ります。経済的な理由から安易な農地開拓や自然破壊につ
ながる資源利用がある一方、貴重な生態系をうまく利用す
るエコツーリズムなどの持続的ビジネスは、地元に収益と
発展をもたらしかつ生態系も守ることのできる、環境保全
型ビジネスといえます。
しかし、このようなビジネスチャンスを地元住民が感じて
はいても、多くの場合、資本やノウハウ・技術不足のために、
自分たちだけで行動を起こすことは困難です。
ダイワCI生物多様性保全基金は、地元コミュニティが生態
系と共生し持続的な方法で生活を向上させるためのコミュ
ニティ事業を促進する基金です。世界自然遺産の周辺コミ
ュニティに対して環境保全型ビジネスの起業・運営、キャパ
シティビルディングなどの支援を行い、コミュニティの持続
的事業への自主的な取り組みを支援します。
ダイワCI生物多様性保全基金は、国連開発計画(UNDP)、
国連財団(UNF)、コンサベーション・インターナショナル
(CI)の連携により運営する、世界自然遺産地域環境保全型
ビジネス支援プログラム(WH-LEEP)と新たなパートナー
シップを組みました。生物多様性保全に重要な8つの世界
自然遺産地域の地元コミュニティを支援します。
持続的なビジネスの計画支援、資金の提供、経営・技術的支
援を実施するほか、特にコミュニティを主体としたビジネ
スの持続性を確保する、マイクロファイナンスへの対応能
力を強化します。
1
大和証券グループからのメッセージ
Message from Daiwa Securities Group
大和証券グループは、金融機関として、社会や環境に配慮
ます。基金の原資には、投資信託「ダイワ・エコ・ファンド」
した資金の流れを作ることが重要だと考えています。今回
の運用会社である大和証券投資信託委託と販売会社で
創設しました「ダイワCI生物多様性保全基金」は、森林
ある大和証券からの寄付金が充てられています。今後も、
の違法伐採の回避に加え、それを引き起こす原因のひと
本業と企業市民活動の両面を通じて、社会の持続可能な
つである貧困問題の軽減に焦点を当て、地域住民の「人間
発展に寄与したいと考えます。
開発」を目的とした社会起業支援プログラムに活用され
CIからのメッセージ
Message from CI
CIは、生物多様性が豊かでありながらも危機に瀕している
保全意識が高まる中、マルチセクターのパートナーシップ
地域「生物多様性ホットスポット」の持続的な保全に取り
が果たす役割はますます重要となっています。
「 ダイワCI
組んでいる国際NGOです。現地コミュニティの人々をは
生物多様性保全基金」の創設により、途上国現地のみなら
じめ、企業や国際機関、政府などと連携・協力し、貴重な生
ず日本においても、生物多様性の重要性とその地球規模
物種や生態系の保全とその鍵となる周辺のコミュニティ
での持続的な保全への理解と取り組みが高まる事を期待
の生計向上に取り組んでいます。現在、国際的に地球環境
しています。
2
パートナーシップ
The Partnership
世界自然遺産地域環境保全型
ビジネス支援プログラム
(WH-LEEP)
WH-LEEP
生物多様性保全を目的として、世界自然遺産周辺地域の環境保全型ビ
ジネスを支援し、持続的生計手段を生み出すパートナーシッププログ
ラム。小規模補助金プログラム(SGP)と国連財団(UNF)が運営する
COMPACTに、CIのベルデ・ベンチャーズ(VV)と大和証券グループの
COMPACT
DCBCF
DCBCFが加わりました。ダイワCI生物多様性基金のWH-LEEPへの
参加により、生物多様性保全の緊急度の高い地域の環境保全型ビジネ
スに新しい資金を提供し、さらなる成果の拡大をめざします。
住民参加型保護区管理プログラム
(COMPACT)
UNFとSGPが共同で2000年より運営する、世界自然遺産地域の住民
参加型保護区管理プログラム。UNFの資金を基にSGPが実施し、世界
自然遺産周辺コミュニティへ小規模の補助金を提供し、住民参加型の
保護区管理と住民の経済力向上に大きな成功を収めています。
国連財団(UNF)
1998年に米国のテッド・ターナー氏の10億ドルの寄付によりワシン
トンに設立された民間財団。
世界における児童保健、
環境、
女性と人口、
人権、平和と安全保障等の分野での政府・国連機関と民間とのパート
ナーシップ構築のための助成活動を軸に世界が直面している緊急課
題への対応に務めています。
ダイワCI生物多様性保全基金
(DCBCF)
大和証券グループとコンサベーション・インターナショナル(CI)が
生物多様性の保全を目的としてパートナーシップを組み、WH-LEEP
を強化する基金。
大和証券グループ
日本をはじめ、米州、欧州、アジア・オセアニアの主要な金融市場に営
業拠点を持ち、持株会社体制の下で、多様な金融サービスを提供する
総合証券グループ。大和証券グループ本社が純粋持株会社としてグル
地球環境ファシリティ
(GEF)
小規模補助金プログラム (SGP)
ープ全体の経営を束ね、その傘下にリテール、ホールセール、アセッ
国連開発計画(UNDP)のGEF内で運営され、現在100カ国以上で実施
担っています。
されています。エンパワメント・貧困緩和・地球環境への貢献をテーマ
に、途上国で活動する地元活動グループへ技術・運営面でのキャパシテ
ィビルディングを行い持続的生計手段を生み出す支援をします。
ト・マネジメント、投資業務の主な4業務をそれぞれ独立した会社が
コンサベーション・インターナショナル(CI)
ベルデ・ベンチャーズ(VV)
CIは1987年に設立された民間非営利の国際NGOで、人間社会と
自然が調和して生きる道を具体的に示すことを目的に、開発途上国の
生物多様性保全優先地域(ホットスポット)を中心に世界40カ国
以上、約1000名のスタッフで活動しています。ベルデ・ベンチャーズ
は2001年に開始されたCI内のローン基金プログラムで、ホットス
ポットの周辺コミュニティへ小・中規模のローンやコミュニティ収
益増加のためのノウハウを提供し、環境保全型ビジネスの支援を行
っています。
3
ダイワCI生物多様性保全基金による支援
Supports Offered by Daiwa CI Biodiversity Conservation Fund
ダイワCI生物多様性保全基金は、WH-LEEPプログラムにおいて、地元の
資金提供者
環境保全型ビジネスの持続性と発展性を確保するためのキャパシティビ
ルディングに活用されます。これまでWH-LEEPでは、カカオやコーヒーの
アグロフォレストリー、エコツーリズムを多く実施しています。また、地域
によっては再植林、沿岸資源管理、CO2排出の削減・吸収など、さまざまな
ビジネスのニーズと可能性があります。 事業実施者
支援の例として、会計・財務管理研修や関連ソフトウェアの提供・研修、
広報・ビジネスマネジメントの能力育成、ガイドの養成、環境認証取得に
対するアドバイス、法務に関するアドバイスなどが挙げられます。特にビ
ジネスの発展とマイクロファイナンスに対応する能力の強化に焦点を当
て、支援を行います。起業支援や必要なリソースの提供による組織・人材の
育成は、環境保全型ビジネスの成長を促進します。
長期的には、持続的な環境保全型ビジネスは、地域コミュニティが共存す
る世界自然遺産周辺の生態系保護へつながり、さらに生物多様性をはじ
めとする地球環境の保全、貧困削減へと貢献します。
世界自然遺産
地域住民コミュニティ
CIのローン基金プログラム、ベルデ・ベンチャーズ(Verde Ventures)が
直接の実施パートナーとして、以下のStep1-3を実施します。
STEP 1 ビジネスニーズ調査
STEP 2
ビジネス能力開発
パッケージの構築
提出された起業案に対し、ビジネスの経験豊富なスタッフが様々な側面から支援の必要性を分析します。
最低3日間をかけ詳細な調査を行い、必要とされる支援の種類、方法、事業開始のタイミングや発展可能
性を割り出します。
ニーズ分析調査結果をもとに、それぞれのビジネスの規模や特性に合った支援メニューと方法を組み立て、
支援パッケージを構築・提案します。提供される支援はビジネスの規模や特性により様々です。技術指導や
資金援助のほかにも、会計ソフトなどの物品を提供する場合もあります。多くの場合、支援は研修や物品、
資金提供、マイクロファイナンスなどを組み合わせる形となります。
適切な各支援実施団体者や必要な技術・ノウハウをもつ機関などと提携し、研修や支援物品を提供します。
STEP 3 支援サービスの提供
可能な限り現地のVVやSGP、またWH-LEEPパートナー自らがで直接支援援助を行いますが、地理的・技
術的に問題がある場合は最も適した外部の地元ローカルまたは国際NGO、民間コンサルタント等を厳正
な審査のうえ起用します。
4
プロジェクト対象地域
Project Target Areas
5
6
7
8
2
1
4
生物多様性ホットスポット
[ケニア共和国] 3. チンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区 [マダガスカル共和国]
4. アツィナナナの雨林 [マダガスカル共和国]
5.
6.
シアン・カアン [メキシコ合衆国]
7. モーン・トロワ・ピトンズ国立公園
Pilot [ドミニカ国]
Pilot
8. プエルト‐プリンセサ地下河川国立公園 [フィリピン共和国] CIの生物多様性ホットスポット
地球上34ヶ所の最も生物多様性が豊かでありながら、同時に最も
危機に瀕している地域。その場所にしか生息しない固有の生物種
を多数有していながら、原生生態系の70%が既に失われている地
域です。CIは現在、最も支援を必要とする開発途上国を中心に20
箇所のホットスポットで保全事業を展開ししています。
www.biodiversityhotspots.org
にとって顕著で普遍的な価値を持つと認定された世界自然遺産の
周辺コミュニティです。なかでも、生物多様性に富みかつ保全の必要
性がせまる、アフリカ、アジア、中米からの7カ国8地域(ベリーズ、
Pilot ベリーズのバリア・リーフ保護区 [ベリーズ]
プロジェクト対象世界自然遺産
支援対象地域は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)により人類
1. キリマンジャロ国立公園 [タンザニア連合共和]
2. ケニア山国立公園/自然林
重要原生自然地域
3
ドミニカ、ケニア、マダガスカル、メキシコ、フィリピン、タンザニア)
の世界自然遺産地域のコミュニティにて支援を行っていきます。
■支援対象ビジネスは、その生態系保全への貢献度、地元社会への
仕事の創出、ビジネスの持続可能性などの地域社会へもたらされる
正のインパクトを総合判断し決定します。
■5年間の支援プログラムの第1フェーズにおいて、ベリーズ・ドミ
ニカ・メキシコでパイロットプロジェクトを行います。これらの3地
域の取り組みを評価したうえで、残る5地域の効果的な活動へと反
映させます。
5
各世界自然遺産地域の紹介
Introduction of the Target World Natural Heritage Sites
キリマンジャロ国立公園
Kilimanjaro National Park
タンザニア連合共和国
登録年 1987
登録基準 自然遺産(vii)
南緯3 04 東経37 22
面積 75353ha
IUCN分類 II(国立公園)
スワヒリ語で「輝ける山」の意味を持つキリマン
ジャロを中心に広がる国立公園です。
キリマンジ
ャロは標高5896mを誇るアフリカ大陸最高
峰の火山で、その山頂は氷河と雪に包まれてい
ま す。標 高 別 に 砂 漠 、高 山 湿 地 帯 、高 地 草 原 、
草原、熱帯雨林と多様性に富んだ環境が広がっ
ています。
ケニア山国立公園/自然林
Mount Kenya National Park/Natural Forest
ケニア共和国
登録年 1997
登録基準 自然遺産(vii)(ix)
北緯7 26 東経37 20 12
面積 142020ha
IUCN分類 (国立公園)
II
、
IV
(森林保護区)
ケニア山は国名の由来となった火山で、原住民
族から「神の山」と呼ばれています。山頂部には
大小12の氷河があり、U字形をした氷河の谷
が存在します。氷河に覆われた高山湿原や多様
な森林などの、貴重な生態系が見られます。ジャ
イアントセネシオなどの高山植物からアフリカ
ゾウなど様々な動植物が生息しています。
6
チンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区
Tsingy de Bemaraha Strict Nature Reserve
マダガスカル共和国
登録年 1990
登録基準 自然遺産(vii)(x)
南緯18 40 東経44 45
面積 152000ha
IUCN分類 Ia(厳正保護地域)
チンギとは
「人の住めない土地」
という意味です。
数万年かけて浸食されたとされるカルスト大地
には石灰岩の尖塔群が林立し、広大な原生林が
大地と渓谷を覆っています。人が立ち入れない
ことで守られてきた手つかずの森林、湖、マング
ローブの生える沼地は、希少なキツネザルや、
鳥たちの生息地になっています。
アツィナナナの雨林
Rainforests of the Atsinanana
マダガスカル共和国
登録年 2007
登録基準 自然遺産(ix)(x)
南緯14 27 35 東経49 42 9
面積 479660.7ha
IUCN分類 II(国立公園)
マダガスカル島の東部に沿った6つの国立公園
を包括しているアツィナナナの熱帯雨林では、
生息する動植物種の80∼90%が固有種です。
島は約6000万年以上も前にインド亜大陸から
切り離されて以来、孤立した島として存在し続
けたため、大変独特な動植物相が見られます。
7
各世界自然遺産地域の紹介
Introduction of the Target World Natural Heritage Sites
シアン・カアン
Sian Ka'an
メキシコ合衆国
登録年 1987
登録基準 自然遺産(vii)(x)
北緯19 23 00 西経87 47 30
面積 528000ha
IUCN分類 II(国立公園)
ユカタン半島の東海岸に位置する自然保護区
です。マヤ民族の言葉で「空の起源」を意味する
シアン・カアンには、殆ど手つかずの熱帯雨林、
マングローブ林、セノーテが広がり、海域には
世界第2位のサンゴ礁が続いています。セノー
テとは、石灰岩台地の陥没穴に地下水が溜まっ
た天然の泉のことで、300種以上の鳥達の楽園
になっています。
ベリーズのバリア・リーフ保護区
Belize Barrier Reef Reserve System
ベリーズ
登録年 1996
登録基準 自然遺産(vii)(ix)(x)
北緯16 45 0 西経87 3 30
面積 96300ha
IUCN分類 II(国立公園)、III(天然記念物)
IV(種と生息地管理地域)
60種以上の珊瑚と500種以上魚類が生息する北
半球最大の珊瑚礁です。周囲に数百も点在する
「キー」と呼ばれる珊瑚礁の島に繁茂するマング
ローブの林は、ウミガメやマンタのほか、絶滅の
危機に瀕するタイマイやアメリカマナティの重
要な生息地となっています。
「海の怪物の寝床」
と
呼ばれる大きな穴
「ブルーホール」
が有名です。
8
モーン・トロワ・ピトンズ国立公園
Morne Trois Pitons National Park
ドミニカ国
登録年 1997
登録基準 自然遺産(viii)(x)
北緯15 16 0 西経61 16 60
面積 6857ha
IUCN分類 II(国立公園)
トロワ・ピトンズ(フランス語で「3つの尖端」
の意)火山など5つの火山を中心とした熱帯雨
林の火山地帯が風光明媚な国立公園になって
おり、中には50の噴気孔や熱湯が湧き出す温
泉湖が存在します。170種余りの鳥類や、世界
最大のカブト虫であるヘラクレスオオカブト
などの希少な昆虫も数多く存在しています。
プエルト-プリンセサ地下河川国立公園
Puerto-Princesa Subterranean River National Park
フィリピン共和国
登録年 1999
登録基準 自然遺産(vii)(x)
北緯10 10 東経118 55
面積 5753ha
IUCN分類 II(国立公園)
フィリピン諸島の南西、パラワン島の洞窟内に
ある地底河川を保護する目的で指定された国
立公園です。公園の洞窟内を流れる川は海に繋
がっているため、下流部分は潮の干満の影響を
受けて独自の生態系を築いています。山から海
までの豊かな生態系を守る森林はアジアで最
も重要な環境のひとつで、動植物や昆虫の宝庫
になっています。
9
ILCP : Our mission is to further environmental and cultural conservation through ethical photography.
Photo:
iLCP/ Kevin Schafer , Art Wolfe/ www.artwolfe.com
CI/ Russel A. Mittermeier , Sterling Zumbrunn , Haroldo Castro , Enrico Bernard , Roderic Mast , Jenny Nichols , Yoko Tamura
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