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機械設備の修繕における取組み

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機械設備の修繕における取組み
機械設備の修繕における取組み
UR賃貸住宅においては、お住まいの方の安全安心な生活環境を提供するために、定期的な点検と計画的な修繕
を実施し、適切な維持管理に努めている。また、UR賃貸住宅を更に持続的に維持管理していくために、従来の計
画的な修繕に加え、今後は経年劣化によりお住まいの方の安全安心を損なう恐れのある設備の修繕を新たに実施し
ていく必要がある。本稿では、現在実施している主な修繕の取組みと今後必要となる修繕について紹介する。
技術・コスト管理部
技術管理分室
井原 聖一
1.給水管修繕
UR賃貸住宅の共用部を含む屋内の給水管については、
概ね 25 年以上経過したもので、経年腐食等による漏水事
例の多いもの、又は赤水等の著しいものを住戸又は棟単位
で取替えることとしています。
共用給水管の修繕では既設管と同じ位置に新設管を設
置する工法(パイプインパイプ)
、住戸内では床下に管を
敷設する原状復旧型工法など、コストに留意しつつ見栄え
などにも配慮した工法を一部で採用しています。
潜熱回収型ふろ釜(給湯器)の原理
壁貫通型潜熱回収型ふろ釜
3.今後必要となる修繕
UR賃貸住宅の排水管のうち、概ね 18 年以上経過した
配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用している台所流し系統の
雑排水管については、棟単位で取替えを実施してきていま
す。そのほかの排水管として、トイレ系統の汚水管や浴室
系統の雑排水管などがありますが、これらは劣化状況に応
じた修繕を個別に実施しているところです。
とくに昭和50年代頃までに建設されたUR賃貸住宅の浴
室系統の雑排水管については、浴室のトラップがスラブ(躯
体)に埋め込まれており交換が困難であること、また、排水
横枝管が階下の住戸天井部にあることから、
修繕が必要な場
合に階下の住戸に立ち入らなければならないなど、
維持管理
上の課題もあります。
そのような仕様のUR賃貸住宅を今後
も安全安心に維持管理していくためには、
浴室系統の雑排水
管の全面的な修繕が必要になると考えられます。
露出工法(共用廊下配管)
PS 内同一位置での更新
共用部の修繕事例
露出工法(配管+ケース)
現状復旧工法(床下に敷設)
住戸内の修繕事例
2.ふろ釜等修繕
昭和 50 年代頃までに建設されたUR賃貸住宅には、浴
室内にふろ釜(バランス式ふろ釜等)が設置されている場
合が多いです。ふろ釜の修繕については、部品等の劣化や
腐食が著しく、部分修繕により難いものを取替えることと
しており、浴槽の大型化に合わせて壁貫通型ふろ釜への取
替えなども実施しています。
また、平成 20 年頃からは熱効率の高い潜熱回収型の壁
貫通ふろ釜へ条件が整った団地から順次取替えており、省
エネ性の向上とともにUR賃貸住宅の CO2 削減にも寄与
しています。
浴室断面図
ふろ釜
浴槽
シャワー付ふろ釜
大型化浴槽化と壁貫通型ふろ釜
ふろ釜から壁貫通型ふろ釜へ
階下に露出した排水横枝管
躯体に埋め込まれたトラップ
浴室系系統の雑排水管修繕にあたっては、居付きを前提
とした改修となり、排水の使用制限や住戸専用部への立ち
入りなどが必要になることから、お住まいの方の協力を得
るための負担低減や効率的な修繕方法が求められます。
そのためには、住棟の形状や住戸内の水廻りの位置によ
りますが、住棟外部に排水立て管を新たに設置する手法や、
既存の排水立て管と同一位置で交換する手法などを今後、
具体的に検討してく必要があります。
手法の検討にあたっては、工事時間の短縮やコストなど
に配慮するとともに、賃貸住宅としての商品価値の向上を
考慮する必要があると考えられます。
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