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2007年一括ダウンロード

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2007年一括ダウンロード
アニュアル・レポート 2007
What
We Create
エーザイグループは、医療用医薬品を中心とした医薬品の研究・開発、生産、物流・販売、市販後調査を事業とする製薬
企業です。私たちは、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念
としています。
「ベストな
現在、2012年3月期を最終年度とする6カ年の第V期中期戦略計画「ドラマティック リープ プラン」に取り組み、
人の ベストな場所での ベストなストラクチャーによる価値創造」をコンセプトとする世界本社構想をはじめ、オンコロ
ジー(がん領域)ビジネス戦略やコストパフォーマンスに優れたエリアへ高度な技術レベルのオペレーションを移行するトラン
スフォーメーション戦略などを推進しています。この計画に掲げた目標を達成し、真のグローバル企業としての成長を果た
すことで、企業価値のさらなる向上をはかります。
エーザイグループは、
「患者価値」
「株主価値」
「社員価値」を創出し、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足しながら、存
在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業をめざしてまいります。
中期戦略計画の推移
(単位:億円)
第V期(06-11)
ドラマティック リープ プラン 10,000
1987年3月期と比べて売上高7倍、研究開発費11倍、
営業利益8倍、当期純利益20倍にする計画
第IV期(02-05)
ミレニアム計画
6,013
第III期(97-01)
飛翔の時代
4,317
第II期(92-96)
グローバリゼーションの
時代
第I期(87-91)
2,816
国内営業の時代
2,000
2,243
1,505
932
2,000
550
383
187
240
61
150
1987/3
302
345
504
194
1992/3
1997/3
957
727
365
2002/3
1,200
634
2006/3
売上高
研究開発費
営業利益
当期純利益
2012/3
※従来「販売費及び一般管理費」に含めていました事業税は、連結財務諸表規則の改正により1999年3月期以降「法人税、住民税及び事業税」に含めて表示しています。
なお、過年度実績についても遡及して組替表示しています。
Eisai Co., Ltd.
CONTENTS
02
ハイライト
03
連結財務ハイライト
04
ステークホルダーの皆様へ
10
営業概況
13
「ドラマティック リープ プラン」の達成に向け、着実に前進
14
二大重点領域に集中し、新薬開発を加速
20
ベストな人のベストな場所での
ベストなストラクチャーによる価値創造
売上高の構成
MANAGEMENT SYSTEM
(2007年3月期売上高)
その他の分野
アリセプト
212億円
2,529億円
(3.1%)
(37.5%)
その他の品目
2,469億円
(36.6%)
6,741
億円
医薬品分野
29
企業の社会的責任(CSR)への取り組み
30
コーポレートガバナンス
34
役員一覧
37
株式・株主還元の状況
38
社員1人ひとりのために
6,529億円
(96.9%)
パリエット/
アシフェックス
FINANCIAL SECTION
40
ファイナンシャル・レビュー
44
連結貸借対照表
46
連結損益計算書
47
連結株主資本等変動計算書
48
連結キャッシュ・フロー計算書
伴う想定などの不確実性に基づくものを含んでいます。従って、さまざまな要因の変化により、将来
49
連結財務諸表に関する注記
予想などが実際の結果と大きく乖離する可能性があります。リスクや不確実性には、一般的な業界な
64
独立監査人の監査報告書
1,743億円
(25.9%)
将来予想に関する記述とリスク要因
本冊子において提供される資料ならびに情報は、現在における予想、目標、評価、見通し、リスクを
らびに市場の状況、金利、通貨為替変動といった日本および国際的な経済状況が含まれております。
当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能
性のあるリスクは、次のとおりです。なお、これらのリスクは、本資料作成日現在において判断、予測
したものであります。
CORPORATE INFORMATION
海外展開におけるリスク、新薬開発の不確実性、他社とのアライアンスにおけるリスク、医療費抑
65
知的財産、リスク情報
制策、後発医薬品に関する競合・訴訟、知的財産に関するリスク、副作用発現のリスク、法規制に関す
67
会社沿革
部への業務委託に関するリスク、環境に関するリスク、ITセキュリティおよび情報管理に関するリスク、
68
国内・海外ネットワーク
ならびに金融市況および為替の動向に関するリスク。
70
国内主要製品一覧
72
組織図
73
会社概要
るリスク、訴訟に関するリスク、工場の閉鎖または操業停止、使用原材料の安全性に関するリスク、外
「環境・社会報告書」について
エーザイは、企業市民として「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:CSR)」を実
践し、広く社会の信頼を獲得していくことが重要であると認識しており、その活動をまとめ「環境・社
会報告書」を2001年より作成しています。
詳細については<http://www.eisai.co.jp/social/esreport/index.html>をご参照ください。
73ページに記載の窓口にご連絡いただければ、冊子を送付させていただきます。
PERFORMANCE & STRATEGY
PERFORMANCE & STRATEGY
01
PERFORMANCE & STRATEGY
ハイライト
Eisai Co., Ltd.
02
ビジネストピックス
2007年
6月
• 抗てんかん剤「イノベロン」、ドイツなど
で販売を開始
• 週 1回投与製剤の骨阻鬆症治療剤「アク
トネル錠17.5mg」を新発売
• 速効型インスリン分泌促進薬「グルファ
スト」のアセアン10カ国におけるライセ
ンス契約を締結
5月
• B型ボツリヌス毒素製剤「ニューロブ
ロック」の欧州における独占的販売権を
獲得
• 米国「アシフェックス」特許侵害訴訟に
勝訴
• 処方を強化し、さらに低カロリーとした
ドリン ク 剤「 チョコ ラ BB ラ イト 2 」を
新発売
3月
• 血管拡張剤「エリル」の韓国におけるラ
イセンス契約を締結
• 米国バイオベンチャー、モルフォテック
を買収する契約を締結
• エーザイの抗体医薬参入に向けたドラ
マティック リープ(4月17日契約発効)
• 英国に医薬品生産子会社を設立
• インドに医薬品の原薬研究・生産子会社
を設立
2月
• 関 節 リウ マ チ 治 療 剤「 H U M I R A 」の
台湾・韓国における販売スキームをエー
ザイによる単独販売に変更(1チャネル2
2006年(下期)
11月
• ポルトガルに医薬品販売子会社を設立
10月
• アレ ル ギ ー に よ る 鼻 炎 や 皮 ふ 症 状 に
効くスイッチOTC*「ハイガード」
を新発売
• カン研究所が神戸医療産業都市に移転
し、研究活動を開始
• シンガポールに臨床研究子会社を設立
9月
• 抗がん剤4品目の戦略的製品買収に関す
る契約を米国ライガンド社と締結(10月
契約発効)
プロモーション)
1月
• 米国ボストン研究所の、新研究棟が完成
4月
• 三光純薬株式会社の完全子会社化に関
*医療用医薬品として長く販売されていた成分のうち、
有効性・安全性が確認され、薬局などで購入できる一
般用医薬品として転用(スイッチ)されたもの。
する株式交換契約の締結
R&Dの主な動き
2007年
6月
• 頻脈性不整脈治療剤「タンボコール錠」
発作性心房細動・粗動の効能・効果およ
び用法・用量の追加承認を取得
5月
• 消化管運動機能改善剤「ガスモチン」を
タイで承認申請
• 血 液 凝 固 阻 止 剤「 フ ラグ ミン 」、米 国
FDA よりがん患者における静脈血栓塞
栓症再発抑制の効能・効果追加の承認を
取得
4月
•「アリセプト」、欧州における高度アルツ
ハイマー型認知症の適応追加申請を取
り下げ
3月
• 0.05% 硝酸イソソルビドシリンジ製剤
「ニトロール注5mgシリンジ」
、
「ニトロー
ル持続静注 25mg シリンジ」、日本で剤
形追加の承認を取得
• 非イオン造影剤「イオメロン」、日本で
コンピ ュー タ ー 断 層 撮 影 に お け る 用
法・用量追加を承認申請
1月
• プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリ
エット 錠 1 0 m g 」日 本 で ヘ リコ バ ク
ター・ピロリ除菌療法に係る新効能・新
用量の承認を取得
• 抗てんかん剤「イノベロン」、欧州委員会
より販売承認を取得
• 虚血性心疾患治療剤「ワソラン」、日本
で心房細動、発作性上室性頻拍の効能
追加を承認申請
2006年(下期)
12月
• B型ボツリヌス毒素製剤E2014、日本で
痙性斜頸の効能で承認申請
10月
• 全自動化学発光酵素免疫測定システム
「ルミパルス」で測定可能な間質性肺炎
診断補助マーカー KL-6測定試薬の共同
研究開発契約を締結
•「アリセプト」、FDAより高度アルツハイ
マー型認知症の効能・効果追加の承認を
取得
連結財務ハイライト
億円
2004年
3月期
2005年
3月期
2006年
3月期
2007年
3月期
売上高 ..........................................................................................
¥4,666
¥5,002
¥5,330
¥6,013
¥6,741
営業利益 ......................................................................................
759
831
868
957
1,053
当期純利益 ...................................................................................
410
501
555
634
706
研究開発費 ...................................................................................
597
690
783
932
1,083
3,882
4,195
4,596
5,192
5,525
総資産 ..........................................................................................
5,917
6,158
6,627
7,472
7,921
研究開発費率(%)..........................................................................
12.8
13.8
14.7
15.5
16.1
自己資本利益率(ROE)
(%)............................................................
10.9
12.4
12.6
13.0
13.2
総資産利益率(ROA)
(%)...............................................................
7.1
8.3
8.7
9.0
9.2
自己資本比率(%)..........................................................................
65.6
68.1
69.4
69.5
69.7
純資産配当率(DOE)
(%)...............................................................
2.5
2.6
3.7
5.3
6.4
¥172.11
¥193.39
¥221.86
¥247.85
円
1株当たり当期純利益(EPS)........................................................... ¥141.16
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 ..............................................
139.85
172.11
193.34
221.61
247.47
1株当たり配当金 ...........................................................................
32.00
36.00
56.00
90.00
120.00
自己資本=
(純資産)ー(少数株主持分)ー(新株予約権)
売上高
営業利益
(単位:億円)
当期純利益
(単位:億円)
8,000•
(単位:億円)
1,200•
1,053
6,741
6,013
6,000•
4,666
5,002
800•
900•
5,330
759
831
634
868
600•
600•
400•
2,000•
300•
200•
’03
’04
’05
’06
0•
’07
(単位:%)
(単位:億円)
1,200•
13.8
14.7
15.5
16.1
•16
1,083
932
900•
’04
’05
’06
’07
•8
221.86
’03
’04
研究開発費
● 研究開発費率
’05
’06
’07
’06
172.11
6.4
5.3
193.39
3.7
90•
150• 141.16
50•
30•
0•
0•
’03
’04
’05
’06
’07
(単位:%)
120•
•4
•0
’05
247.85
60•
300•
’04
150•
200•
597
’03
(単位:円)
300•
250•
783
0•
100•
0•
555
1株当たり配当金/純資産配当率(DOE)
(単位:億円)
•12
690
600•
’03
1株当たり当期純利益(EPS)
研究開発費/研究開発費率
12.8
501
410
4,000•
0•
706
957
’07
2.5
2.6
32
36
•7
120 •6
•5
90
•4
56
•3
•2
•1
’03
’04
’05
1株当たり配当金
● 純資産配当率(DOE)
’06
’07
•0
03
CONSOLIDATED FINANCIAL HIGHLIGHTS
自己資本 ......................................................................................
Eisai Co., Ltd.
2003年
3月期
PERFORMANCE & STRATEGY
Eisai Co., Ltd.
04
ステークホルダーの
皆様へ
内藤 晴夫
代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)
エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一
れていない医療ニーズの拡大、高齢化社会がいよいよ
義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業
現実のものとなったことなどにより、イノベーションに
理念と定め、hhc(ヒューマン・ヘルスケア)の文字にそ
よる治療薬の創出と予防−疾病管理−最新治療を俯瞰
の思いを込めて使用しております。当社は、株主の皆様
した情報・サービス・製品の提供を製薬産業に期待する
からのご賛同を得て、定款に企業理念を定めました。全
声も高まっております。一方、医療費全体の高騰に対す
世界の当社グループ社員 9,600名がこの企業理念を共
る懸念や、
ドラッグアクセスの改善、医療用医薬品の価
有し、実現に向けて日々の事業活動に取り組んでおりま
格についての議論などが活発に行われている現状もあ
す。エーザイグループでは全社員がこの企業理念を共
ります。このような中、当社グループは企業価値向上を
有する中、企業価値向上のために
「患者価値」
「株主価値」
めざし、2012年 3月期を最終年度とした第Ⅴ期中期戦
「社員価値」を創出し、あわせて企業の社会的貢献の遂
略計画「ドラマティック リープ プラン:Dramatic Leap
行につとめております。現代社会における未だ満たさ
Plan (以下DLP)」を策定し、2012年3月期の売上高1兆
Eisai Co., Ltd.
イが展開する日本、米国、欧州、アジアの各リージョン
益 1,200 億円の目標に向けて、2007 年 3 月期を初年度
の特性に合致した各々の成長戦略が必要となっており
としてスタートいたしました。
ます。かかる認識のもとに、グローバルに統一された活
動が必要な機能、例えば臨床研究や新製品についての
第Ⅴ期中期戦略計画(ドラマティック リー
統一された発売計画案の策定については、すでに医薬
プ プラン)1年目の進捗
品産業の最大集積地である米国に移設を完了しており
DLP初年度の2007年3月期は、売上高では8期連続、
ます。リージョナル化としては、日本、米国、欧州、アジ
利益で7期連続の最高実績を達成いたしました。売上高
アの各々にリージョナル本部を設置し、リージョンに最
は6,741億円と前期比112%となり、営業利益で初めて
適なる成長戦略を策定するとともに、内部統制、コンプ
1,000億円を超える実績を達成するとともに、
経常利益、
ライアンス、事業開発、製品取りそろえ等の充実をはか
当期純利益すべてにおいて2桁の成長を果たしました。
り、さらに事業計画、マーケティング、法務、人材開発な
一方、研究開発費は、後期臨床テーマの順調な進行によ
どの機能を強化していくこととしております。日本にお
り1,083億円(前期比116%)を投入いたしました。売上
いては、展開する医薬品の 4つの事業、すなわち、診断
高、研究開発費、当期利益ではDLPで計画した平均成長
薬、一般用医薬品、医療用医薬品、ジェネリック医薬品
率を上回る実績を達成するとともに、日本、米国、欧州、
が統合された戦略のもとに情報・サービス・製品を提供
アジア全リージョンで各リージョンの成長戦略にもとづ
する、
トータルなソリューションビジネスを推進する体
き市場を上回る売上成長を達成いたしました。2007年
制整備を行っております。米国においては、探索研究、
3月期は、1株当たり配当金として120円を還元し、配当
臨床研究、生産、販売、物流への投資を続けてシームレ
性向 48.4% と自己資本純利益率( ROE )の 13.2% を掛
ス・バリュー・チェーンの強化をはかり、2大重点領域で
けあわせた純資産配当率(DOE)は6.4%となりました。
ある「がん領域」
「神経領域」に集中した成長戦略で事業
DLP初年度は順調な一歩を踏み出しています。
の拡大に取り組んでおります。欧州においては、事業展
開を一層推進するため、研究開発、生産、マーケティン
事業基盤整備による持続的な成長性の確保
(グローバル化とリージョナル化)
グ、地域本部の機能を統合した欧州戦略拠点(欧州ナ
レッジセンター)の建設を英国で着手するとともに、拡
製薬産業をめぐる環境は多様性を増しており、グロー
大するEU諸国等への新規進出を進めるなど、基盤整備
バルに1つの成長戦略を用いて全リージョンが成長する
に取り組んでおります。アジアにおいては、中国をアジ
ことは不可能と認識しております。したがって、エーザ
アでの成長市場ととらえ、北京事務所の機能を強化す
05
PERFORMANCE & STRATEGY
円、研究開発費 2,000億円、営業利益 2,000億円、純利
PERFORMANCE & STRATEGY
Eisai Co., Ltd.
06
るとともにその活用を促進し、中国における販売力の
の売上高を2011年3月期比55%に維持し、グローバル
拡大をめざしてまいります。また、優れた技術レベルを
でも同75%、2,750億円の売上高を見込んでおります。
有し、生産性の高いインドを第4の知識創造拠点と位置
もう1つのグローバル製品であるプロトンポンプ阻害型
づけ、原薬の研究・生産会社を立ち上げるとともに、臨
※
※
(米国名「アシフェックス」
)もグ
抗潰瘍剤「パリエット」
床研究・データマネジメントと統計解析機能を設置して
。
ローバルに順調に成長を果たしました(前期比113%)
まいります。さらに、マラリア等のいわゆるトロピカ
また、米国の後発品申請に対する物質特許侵害訴訟に
ル・ディジーズへの創薬研究を担う拠点設立を検討して
おいては、米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判
おります。今後、インドにおける生産・研究拠点へ当社
所より
「アシフェックス」の物質特許は権利行使可能と
グループの保有する機能の一部を移行する戦略を進め
の判決が示されました。この判決により、
「アシフェック
てまいります。
ス」の物質特許が特許満了日である2013年5月8日まで
有効であり、権利行使可能であることが改めて確認され
グローバルな成長のドライバー
グローバル製品であるアルツハイマー型認知症治療
剤「アリセプト」※は、2006年 10月に米国で高度アルツ
ました。今後もPPI市場の拡大に伴い、米国、日本を中
心に、欧州、アジアも含めた4極での一層の伸長をめざ
してまいります。
ハイマー病の追加適応の承認を受け、世界で唯一の軽
度、中等度、高度をカバーするフルスペクトラムなアル
がん領域事業への参入
ツハイマー病治療剤として大きく成長しております(前
自社抗がん剤の開発が進展し、E7389の米国FDAへ
。
「アリセプト」は、米国で2010年11月に物
期比129%)
の承認申請が今年度第3四半期に予定されることから、
質特許が満了し、後発品が市場に参入した場合は売上
ノースカロライナ工場内に、抗がん剤製剤生産設備の
高の落ち込みが見込まれますが、当社ではその影響を
建設を開始いたしました。また、2006年 10月、米国ラ
最小限にとどめるため、以下の対応策の準備を進めて
イガンド社から抗がん剤4品の戦略的製品買収を行い、
おります。①「アリセプト」の小児への有用性の証明を
米国で販売を開始したほか、抗体医薬によるがん治療
めざします。②「アリセプト」の新製剤である徐放性製
をめざし、あわせてバイオロジクス分野への本格的進
剤、経皮吸収型貼付剤を開発することで有用性と使い
出をはかるため、独自の抗体技術を持つ米国のバイオ
やすさを向上させ、現製剤からのスイッチをめざします。
ベンチャー、モルフォテックの企業買収を2007年4月に
これらの対応策を実現することにより、米国市場では物
行うなど、自社開発抗がん剤の発売に向けた基盤整備
質特許満了後の2012年3月期においても「アリセプト」
に積極的に取り組んでおります。
Eisai Co., Ltd.
07
PERFORMANCE & STRATEGY
研究開発の状況
同時に免疫的研究、血管薬理的研究等による全く新規
探索的研究を担当する研究所は、筑波研究所、ボスト
のコンセプトによる治療薬の創出にも取り組んでおりま
ン研究所、ロンドン研究所、カン研究所にモルフォテッ
す。これらの取り組みにより、研究の最終段階である臨
クを加えた 5グループとなり、アカデミアとの接点であ
床フェーズⅢ試験レベルに次の 3 品を擁しております。
るトランスレーショナルな領域をカバーし、低分子化合
いずれも世界で初めてエーザイがコンセプトを樹立し、
物研究に加えてバイオロジクス研究を保有するようにな
それを証明することを通じて開発した、画期的な新薬候
りました。一方、臨床研究は米国に本部機能を設置し、
補といえます。①微小管伸長阻害剤 E7389( eribulin
日本、米国、欧州、アジアをはじめ、全世界における臨
mesylate)は、米国で乳がん3rdラインへの申請を、FDA
床研究を一元的に管理しております。さらに、エーザイ・
のサブパート H と呼ばれる加速承認システムにより
アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社を立ち上
2008 年 3 月期 第 3 四 半 期 に 申 請 予 定 で す。加 えて、
げ、後期前臨床から臨床段階テーマの進捗管理と世界
2011年3月期に申請予定の乳がん2ndラインへの適用
の全社の研究グループに対する資源配分を担当してお
をめざすフェーズⅢは順調に進行し、非小細胞肺がん、
ります。領域としては「神経」と
「がん」の2領域をフラン
前立腺がん、肉腫などの適応がん種の拡大も積極的に
チャイズと定め、約 75%の資源を投入しておりますが、
進めています。②AMPA受容体拮抗剤E2007(peram-
PERFORMANCE & STRATEGY
Eisai Co., Ltd.
08
panel)は、2008年3月期中に米国と欧州でパーキンソ
の権限を執行系に委譲し、取締役会は経営の監督に専
ン病の適応申請を予定しています。さらに、てんかんに
念するというものです。すでに11名の取締役のうち7名
ついてはPOC(Proof of concept:創薬概念の検証)を
は社外取締役であり、取締役会議長も社外取締役が務
臨床試験において証明でき、化合物の価値を高めるこ
め、執行系からは社長のみが取締役となっております。
とに成功しております。また、神経因性疼痛の適応は
指名委員会と報酬委員会は、全員が社外取締役で構成
フェーズⅡにおいて POC 試験を開始しており、多発性
され、監査委員会は5名中3名が社外取締役で構成され
硬化症の適応は、フェーズⅡにおいてPOC試験を準備
ております。3委員会とも、委員長は社外取締役が務め
中 で す。③ エンドト キ シン 拮 抗 剤 E5564( eritoran
ております。
「当社企業価値・株主共同の利益の確保に
tetrasodium)はlipid A antagonismの全く新規のコン
関する対応方針」の継続、見直し、廃止については、社
セプトにより創出され、重症敗血症を対象としたフェー
外取締役だけで構成される社外取締役独立委員会で毎
ズⅢ試験が進行中で、2010年3月期の日・米・欧での同
年検討することとし、現在の同委員会は「当社企業価
時申請を予定しております。さらにトロンビン受容体拮
値・株主共同の利益の確保に関する対応方針」の継続を
抗剤 E5555、アルツハイマー病病態修飾作用が期待さ
支持しております。当社の内部統制は、内部統制担当執
れるγセクレターゼモジュレーターであるE2012につ
行役のもとに内部統制推進部を設置して、内部統制シ
いても、開発に取り組んでおります。国内向け新製品で
ステムの充実と効果的・効率的な運用をはかっておりま
は、既申請品の関節リウマチ治療剤T-614、D2E7の2品
す。当社グループでは、グローバルな内部統制ポリシー
のほかに7品が承認申請中で、2008年3月期にはD2E7
と内部統制基本規程等を策定し、日本、米国、欧州、ア
の乾癬適応とKES524の肥満症適応の申請を予定して
ジアの各地域における規程類の整備を行ってまいりま
おりま す。そ の 後 、DLP 期 間 中 に E7389 、E5564 、
した。あわせて各地域に、内部監査実施ならびに内部
E2007等の自社開発新製品の申請を予定しております。
統制推進に関する専任部署を設置しております。リスク
今後も持続的な成長をめざし、研究開発ならびに重点
管理に関して、財務報告の信頼性を担保するため、海外
領域を強化するための戦略的提携など、事業基盤を整
関係会社も含めて財務リスクとコントロールを明確に
備するための投資を積極的に行っていく所存です。
する文書化を推し進め、継続的な内部統制の構築とモ
ニタリングを実施できる体制をめざしております。また、
ガバナンス・内部統制・コンプライアンス
日常的なリスクについては、各組織が自ら内部統制シ
エーザイにおけるガバナンスの基本は、取締役会と
ステム の 構 築 状 況 を 評 価 する CSA( Control Self
執行系を可能な限り分離し、業務執行にかかわる多く
Assessment)を実施し、その評価に基づき、リスク対
Eisai Co., Ltd.
営の透明性を高めて、
「株主価値」の向上につとめてま
のリスクの領域ごとに、当該損失の危険に関する事項
いります。当社は委員会設置会社であり、剰余金の配当
を統轄する執行役を任命して、それぞれの損失の危険
等に関しては、機動的に行うことを目的として取締役会
管理に関する規則を作成し、運用しております。情報管
決議とすることを定款に定めております。株主還元につ
理に関しては、当社グループにおける情報セキュリティ
きましては、連結業績ならびに純資産配当率(DOE)等
に責任を有する執行役を任命し、そのポリシーを定め、
を勘案し、株主の皆様へ継続的・安定的な配当を実施し
運用をはかっております。当社グループのコンプライア
てまいります。自己株式の取得に関しても機動的に実施
ンスは、企業行動憲章と行動指針を定め、全役員・社員
いたします。2012年3月期には、配当性向50%、自己資
の1人ひとりが、これを遵守し日々行動することにつと
本当期純利益率( ROE )16% を実現し、純資産配当率
めております。当社は、コンプライアンスの推進を統轄
(DOE)8%をめざすことを目標として掲げております。
する執行役(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を
2008 年 3 月期は 1 株当たり配当金として 130 円を予定
任命し、コンプライアンスを推進する専任部署を設置
し、配当性向は49.4%、ROEは13.3%となる見通しに
するとともに、チーフ・コンプライアンス・オフィサーの
より、DOEは6.5%を見込んでおります。株主をはじめ
諮問機関として、外部の法的専門家を中心に組織され
とするステークホルダーの皆様におかれましては、引き
たコンプライアンス委員会を設置しております。当社グ
続き当社の経営に対するご理解とご支援、ご鞭撻を賜り
ループ各社は、コンプライアンス推進責任者と担当者
ますようよろしくお願い申し上げます。
を任命し、コンプライアンス推進活動を展開しておりま
※「アリセプト」
「パリエット」
「アシフェックス」はエーザイの登録商標です。
す。定期的に、日本、米国、欧州、アジアの地域ごとに、
コンプライアンス推進担当者の会議を開催し、各社の
2007年8月
推進計画や活動状況について意見交換を行い、コンプ
ライアンスの推進につとめております。
積極的な株主還元
株主の皆様との価値共有のもとで、
「 患者価値」創出
をグローバルに展開することにより、持続的な成長と企
業価値の向上を果たし、その成果を株主の皆様に還元
いたします。あわせて、経営情報を積極的に開示し、経
内藤晴夫
09
PERFORMANCE & STRATEGY
応をはかっています。さらに、財務、法務、環境・災害等
PERFORMANCE & STRATEGY
営業概況
Eisai Co., Ltd.
10
日本
連結業績の概況
2007年3月期は、売上高6,741億円(前期比12.1%増)と8期
と7期連続の過去最高
連続、当期純利益は706億円(同11.4%)
実績を記録しました。1株当たり当期純利益(EPS)も247.85
円と、前期より11.7%増加し2桁成長を実現しました。
品目別には、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」
が 2,529億円(同 28.7%増)、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤
「パリエット/アシフェックス(米国名)
」が1,743億円(同
(PPI)
12.8%増)となり、両製品とも全地域で伸長しました。
研究開発費は、積極的な投資によって1,083億円(同16.1%
増)となり、売上高の16.1%を占めました。また、日本を除く
、売上
海外所在地別売上高の合計は3,819億円(同20.8%増)
高に占める海外比率は56.7%(同4.1ポイント増)とそれぞれ
増加しました。
北米
売上高は3,034億円(前期比19.9%増)、営業利益は288億
と大きく伸長しました。
円(同27.9%増)
「アリセプト」は、2006年10月、高度アルツハイマー型認知
症の効能・効果追加について、FDA(米国食品医薬品局)より
承認を取得し、すべてのステージのアルツハイマー型認知症
の患者様における服用が認められた唯一の薬剤となり、売上
「 アシフェック
高が 1,622億円(同 35.3%増)と伸長しました。
ス」は、製品の特長を訴求したプロモーション活動の展開によ
り収益性が向上し、売上高は1,269億円(同10.9%増)となり
ました。
抗がん剤は、ライガンド社からの製品買収により、2006年
10月、全4品目*の販売を開始しました。また、2006年11月に
は、自社開発品の商業生産に向けて、ノースカロライナ工場で
抗がん剤専用製剤棟の建設に着手しました。さらに、抗体医薬
への本格参入をめざし、2007年 4月、抗体医薬の研究開発を
専門とする米国のバイオベンチャー企業モルフォテックを買
収しました。
*CD25陽性皮膚浸潤T細胞リンパ腫治療剤「オンタック」
、再発性皮膚浸潤T細胞リンパ
、 AIDSに伴う表在性
腫治療剤「タルグレチン・カプセル」 「タルグレチン・ゲル1%」
。
カポジ肉腫治療剤「パンレチン・ゲル0.1%」
主力品の好調により、売上高2,922億円(前期比2.5%増)
と
伸張し、グローバルな研究開発費を日本で負担しているため
となりました。
営業利益は728億円(同1.8%減)
医療用医薬品事業では、
「アリセプト」が売上高497億円(同
17.4%増)、
「 パリエット」が売上高 307億円(同 11.3%増)と、
それぞれ伸長しました。一般用医薬品事業も、売上高が同
11.6%増、営業利益率も2桁台を確保しました。2006年11月
には、アレルギーによる鼻炎や皮ふ症状に効くスイッチ OTC
「ハイガード」を発売し、新市場を開拓しています。
製造面では、鹿島事業所内の改築工事が2006年3月に完了
し、開発中の抗がん剤治験薬の原薬生産を開始しました。
欧州
売上高は548億円(前期比20.4%増)と伸張しましたが、営
業 利 益 は 進 出 国 拡 大 の た め の 費 用 負 担 により 41 億 円( 同
12.4%減)となりました。
2007年3月、英国で設立中の「欧州ナレッジセンター」内に、
欧州初の生産拠点となる医薬品生産子会社Eisai
Manufacturing Ltd.を設立し、施設の建設を始めました。また、
2006年11月、ポルトガルに医薬品販売会社を設立しました。
、
主力製品は、
「アリセプト」が売上高345億円(同15.3%増)
「パリエット」が売上高 121億円(同 34.0%増)でした。新製品
では、重度慢性疼痛治療薬「プリアルト」を、英国、
ドイツに続
き、イタリア、スペインなどで発売しました。抗てんかん剤「イ
ノべロン」
(一般名:ルフィナマイド)は、2007年1月、欧州委員
会よりレノックス・ガストー症候群の併用療法の承認を取得し、
2007年6月より販売を開始しています。
アジア
売上高は 237 億円(前期比 34.6% 増)、営業利益は 40 億円
となりました。
(同44.5%増)
、
「パリエット」
「アリセプト」の売上高は66億円(同50.0%増)
と、いずれも大幅増となりま
の売上高は46億円(同32.2%増)
した。
中国では、蘇州工場第 2生産棟の増設工事が完了し、2006
障害を対象としたフェーズⅢ試験の結果などをもとに次の試
インドでは、2007 年 3 月に医薬品の原薬研究・生産子会社
験デザインを検討中です。
Eisai Pharmatechnology & Manufacuturing Pte. Ltd.を設
立し、間もなく施設の建設に着手する予定です。
消化管運動機能改善剤「ガスモチン」は、2007年5月にタイ
国内開発品
E2014(B型ボツリヌス毒素製剤)は、2006年12月、痙性斜
頸の効能で承認申請しました。D2E7(ヒト抗ヒトTNFαモノク
ほかにASEAN諸国など9カ国でも承認申請の準備が進んでい
ローナル抗体)は、申請中のリウマチ、2008年3月期中の申請
ます。
予定の乾癬に続き、クローン病を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試
験を開始しました。KES524は肥満症を対象としたフェーズⅢ
試験を進行中で、2008年3月期中の申請を予定しています。
研究開発品の進捗状況
主 力 製 品 の 新 効 能・新 剤 形 の 追 加
2007年3月期は、神経・がん領域に経営資源を集中し、積極
「アリセプト」は、2006年10月、米国で、高度アルツハイマー
的な研究開発活動を行いました。主な開発品の進捗状況は以
型認知症の効能追加の承認を取得しました。剤形追加では、
下のとおりです。
経皮吸収型貼付製剤で、フェーズⅠ試験に向けた準備を進め
ており、長時間作用型の徐放性製剤については、フェーズⅢ試
グローバル開発品
験を開始しました。それぞれ2010年3月期の欧米での申請を
E7389(微小管伸長阻害剤) は、米国で乳がんを対象とし
*1
めざしています。
たフェーズⅢ試験を開始し、サブパートH申請 用試験も進行
「パリエット」は、2007年 1月、日本でヘリコバクター・ピロ
中で 2008 年 3 月期第 3 四半期の米国申請を予定しています。
リ除菌療法の効能および用法追加の承認を取得しました。ヘ
欧州では、乳がんを対象としたフェーズⅢ試験および肉腫を
リコバクター・ピロリ二次除菌療法*5についても、2006年8月、
対象としたフェーズⅡPOC(Proof of Concept:創薬概念の
日本で用法・用量の追加の承認申請を行いました。また、夜間
検証)試験を開始しました。非小細胞肺がん、前立腺がんを対
に亢進する胃酸分泌を抑制する長時間作用型製剤は、フェー
象としたフェーズⅡ試験も進行中です。
ズⅢ試験の準備中で、2010年3月期の欧米での申請をめざし
*2
E2007(AMPA受容体拮抗剤) は、欧米でパーキンソン病
*3
を対象としたフェーズⅢ試験を実施し、申請に向けて順調に
ています。
*1:カイメン由来の天然物であるハリコンドリンBの抗がん活性部位の誘導体であり、
微小管の構成成分であるチューブリンの重合を阻害して微小管の伸長を抑え、細胞
進行しています。さらに、てんかん、多発性硬化症、片頭痛予
防、神経因性疼痛の治療における効果を期待しており、米国お
よび欧州でフェーズⅡが進行中です。
分裂を阻害することにより抗腫瘍活性を示す新規抗がん剤。
*2:重症または生命に危険を与える病気に対する新薬のうち、一定の要件を備えたも
のに対して、米国食品医薬品局(FDA)が条件付きで加速承認する申請制度。
*3:中枢神経の伝達物質グルタミン酸の受容体の1つであるAMPA受容体に選択的に
拮抗し、カルシウムの細胞内への過剰な流入を妨ぐことにより、神経細胞死を抑制。
E5564(エンドトキシン拮抗剤)*4は、重症敗血症を対象とし
たフェーズⅢ試験を欧米を含む14カ国で実施しています。今
後さらに、日本を含む10カ国での治験実施を計画し、2010年
3月期の日米欧同時申請を予定しています。
E5555(トロンビン受容体拮抗剤)は、欧米で急性冠症候群
を対象としたフェーズⅡ試験を進行中です。AS-3201(アル
*4:Lipid Aの誘導体で、エンドトキシンに特異的に拮抗することにより、重症敗血症治
療に効果を発揮することが期待される化合物。
*5:一次除菌が不成功の場合に、抗生剤の組み合わせを変えて実施する除菌療法。
11
PERFORMANCE & STRATEGY
で機能性胃腸症に伴う消化管症状の効能で承認申請を行い、
Eisai Co., Ltd.
年6月から生産を開始しました。
ドース還元酵素阻害剤)は、米国で実施された、糖尿病性神経
PERFORMANCE & STRATEGY
承認取得品リスト
Eisai Co., Ltd.
12
分類
神経
製品名
(開発品コード)
アリセプト(E2020)
(効能追加)
地域
米国
イノベロン
(E2080)
欧州
パリエット(E3810)
消化器 (効能・用法追加)
日本
ニトロール
(剤形追加)
他領域 タンボコール
(E0735)
(効能追加)
日本
日本
薬効/作用または分類
剤形
オリジン
高度アルツハイマー型認知症の効能追加
本剤はすでに軽度および中等度のアルツハイマー型認知症治療剤として承認を取得していますが、高度アルツハイ
錠剤
自社
マー型認知症の承認を米国で取得しました。
抗てんかん剤(一般名:ルフィナマイド)
他剤との併用で難治性のてんかんにも効果を示す新規構造を持つ抗てんかん剤です。欧州ではオーファン指定を受けたレ
錠剤
ノバルティス
ノックス・ガストー症候群の併用療法の効能で承認を取得しました。
ヘリコバクター・ピロリ除菌にかかる効能および用法追加
錠剤
自社
本剤は国内においてすでに胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群の承認を取得してい
ますが、抗生剤との併用によるヘリコバクター・ピロリ除菌療法にかかる効能および用法追加について承認を取得しました。
プレフィルドシリンジ
プレフィルド
自社
本剤は国内においてすでに経口剤、注射剤として承認を取得しておりますが、プレフィルドシリンジとして承認を取得しました。 シリンジ
症候性発作性心房細動・粗動の効能追加
本剤は、すでに頻脈性不整脈(心室性)治療剤として承認を取得していますが、発作性心房細動・粗動の効能追加について承
錠剤
アイノバ
認を取得しました。
主要開発品リスト
分類
製品名
(開発品コード)
アリセプト(E2020)
(効能追加)
地域
米国
欧州
欧州
欧州
米国
欧州
神経
欧州
E2080
米国
E2014
日本
E2007
米国
欧州
米国
欧州
AS-3201
米国
欧州
E0302
日本
E7389
米国
欧州
がん
米国
欧州
パリエット/
アシフェックス
(E3810)
(効能追加)
日本
日本
消化器
ガスモチン
アジア
クレブジン
アジア
T-614
日本
D2E7
筋・骨格
日本
日本
E5564
E5555
他領域
米国
欧州
米国
欧州
KES524
日本
ワソラン(E0103)
(効能追加)
イオメロン(E7337)
(用法用量追加)
E7210
(一時開発中断中)
2006年10月
2007年1月
2007年1月
2007年3月
2007年6月
(2007年7月10日現在)
日本
アリセプト(E2020)
(剤形追加)
承認時期
日本
日本
日本
薬効/作用または分類
剤形
脳血管性認知症の効能追加
米国において脳血管性認知症の効能追加を申請中です。
欧州では2004年4月に申請を取り下げましたが、有効性を立証する追加データを取りそろえ、再度申請をめざします。
高度アルツハイマー型認知症の効能追加
高度アルツハイマー型認知症の効能追加について申請中です。
欧州では高度アルツハイマー型認知症の効能追加に関する承認申請はいったん取り下げました。再申請については、当局
錠剤
と相談のうえ検討を進めてまいります。
パーキンソン病に伴う認知症の効能追加
パーキンソン病に伴う認知症の効能追加に向けたフェーズⅢが進行中です。
片頭痛予防の効能追加
片頭痛予防の効能追加のフェーズⅡが進行中です。
液剤の剤形追加
液剤
嚥下困難な患者様に配慮し、液剤の剤形追加を欧州で申請中です。
抗てんかん剤(一般名:ルフィナマイド)
米国ではオーファン指定を受けたレノックス・ガストー症候群および成人の部分てんかんの併用療法で申請中です。
錠剤
(米国でのブランド名は検討中)
痙性斜頸治療剤/B型ボツリヌス毒素
ボツリヌス毒素が神経筋接合部でコリン作動性神経終末に作用し、アセチルコリンの遊離を阻害することで筋を弛緩させ
注射
ます。痙性斜頸の効能で申請しました。
パーキンソン病治療剤/AMPA受容体拮抗剤(一般名:ペランパネル)
本剤は、グルタミン酸受容体のサブタイプであるAMPA受容体に選択的に拮抗し、パーキンソン病における効果を期待して
います。米国および欧州でパーキンソン病に対するフェーズⅢが進行中です。
錠剤
てんかん・多発性硬化症・片頭痛予防・神経因性疼痛治療剤/AMPA受容体拮抗剤
米国および欧州で各疾患を対象としたフェーズⅡが進行中です。
糖尿病合併症治療剤/アルドース還元酵素阻害剤
本剤は、強力なアルドース還元酵素阻害作用に基づく糖尿病合併症治療剤をめざしています。米国で糖尿病性神経障害に
錠剤
対するフェーズⅢが進行中です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
(一般名:メコバラミン)
末梢性神経障害治療剤として広く使われているメコバラミンについて、新たに筋萎縮性側索硬化症を対象としたフェーズ
注射
Ⅱ/Ⅲを開始しました。
抗がん剤/微小管伸長阻害剤/乳がん(一般名:エリブリン)
本剤は、カイメン由来のハリコンドリンB抗腫瘍活性本体の誘導体です。微小管の伸長を阻害し細胞分裂を抑制することにより
抗腫瘍活性を示します。乳がんでのPOCに成功し、米国でサブパートH申請用試験およびフェーズⅢが進行中ですが、あわ
注射
せて欧州で乳がんを対象としたフェーズⅢを開始しました。
抗がん剤/微小管伸長阻害剤/非小細胞肺がん、前立腺がん、肉腫
非小細胞肺がんでのPOCに成功し、前立腺がんおよび肉腫を対象としたフェーズⅡが進行中です。
非びらん性胃食道逆流症の効能追加
本剤は、すでに胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群の承認を取得していますが、
非びらん性胃食道逆流症の効能追加について申請しました。
錠剤
ヘリコバクター・ピロリ二次除菌療法の効能追加
ヘリコバクター・ピロリ二次除菌療法(一次除菌不成功の場合に抗生剤の組み合わせを変えて実施する除菌)の用法・用量
追加について申請中です。
消化管運動機能改善剤(一般名:クエン酸モサプリド)
本剤は、選択的なセロトニン5-HT4受容体アゴニストであり、アセチルコリン遊離の増大を介して消化管運動促進作用およ
錠剤
び胃排出促進作用を示します。タイで機能性胃腸症を適応に承認申請を行い、アセアン諸国等9カ国での承認申請準
備中です。
慢性B型肝炎治療剤(一般名:クレブジン)
DNAポリメラーゼ阻害による抗ウイルス作用に基づく慢性B型肝炎治療剤です。中国でフェーズⅢ準備中です。
カプセル
なお、新たな臨床試験を必要としないアジア諸国においては2008年3月期中の承認申請をめざして準備中です。
リウマチ治療剤(一般名:イグラチモド)
本剤は、炎症性のサイトカインの産生、リンパ球増殖および免疫グロブリン産生を抑制し、関節リウマチに対する改善効果
錠剤
を期待しています。
リウマチ治療剤/ヒト抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体(一般名:アダリムマブ)
本剤は、自己免疫疾患の炎症反応に関わる中心的なサイトカイン(TNFα)を中和することにより関節リウマチへの効果を
期待しています。関節リウマチの効能で申請しました。
注射
乾癬、クローン病の効能追加/ヒト抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体(一般名:アダリムマブ)
関節リウマチを効能にすでに申請中ですが、乾癬を対象としたフェーズⅡ/Ⅲが進行中です。さらにクローン病を対象と
したフェーズⅡ/Ⅲを開始しました。
敗血症治療剤/エンドトキシン拮抗剤(一般名:エリトラン)
本剤は、エンドトキシン拮抗作用により、種々のグラム陰性菌由来のエンドトキシンに起因する重症敗血症で目標としてい
注射
た有効性および安全性が確認されました。フェーズⅢが進行中です。
急性冠症候群治療剤/トロンビン受容体拮抗
本剤は、
トロンビン受容体拮抗作用に基づき血小板凝集抑制作用と平滑筋増殖抑制作用を示します。急性冠症候群に対する
錠剤
フェーズⅡが進行中です。
肥満症治療剤/脳内セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害(一般名:シブトラミン)
本剤は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害に基づく中枢作用による満腹感の亢進 カプセル
と、体内のエネルギー消費の亢進により、体重の減少効果を期待しています。
心房細動、発作性上室性頻拍の効能追加
錠剤
本剤はすでに虚血性心疾患治療剤として承認を取得しておりますが、心房細動、発作性上室性頻拍の効能で申請しました。
コンピューター断層撮影における用法・用量の追加
本剤は、すでにコンピューター断層撮影における造影等の効能・効果で承認を取得していますが、コンピューター断層撮
注射
影における用法用量追加を申請しました。
超音波造影剤
注射
微小気泡(マイクロバブル)が超音波を反射することを利用した造影剤です。現在、開発を一時中断しています。
オリジン
開発段階
前臨床 フェーズⅠ フェーズⅡ フェーズⅢ
申請
申請時期
2002年9月
2005年12月
自社
2008年3月期
予定
2004年5月
ノバルティス
2005年11月
ソルスティス・
ニューロ
サイエンス
2006年12月
2008年3月期
自社
予定
大日本住友
自社
2008年3月期
サブパートH
自社
申請予定
2006年3月
自社
2006年8月
大日本住友
ブグァン
富山化学
2007年5月
2008年3月期
予定
2003年9月
2005年12月
アボット
2008年3月期
(乾癬)
自社
2010年3月期
予定
自社
アボット
2008年3月期
予定
アボット
2007年1月
ブラッコ
2007年3月
ブラッコ
「ドラマティック リープ プラン」の達成に向け、着実に前進
エーザイは、戦略的グローバル化の進展と企業価値の一層の向上をめざし、第Ⅴ期中期戦略計画「ドラマティック
りの成長を遂げました。
連結損益
13
地域別売上高
世界市場において、より良いバランスを追求。
売上高:CAGR* 9%
米州
6,013億円
1兆円
研究開発費:CAGR* 14%
2007/3
2,000億円
3,600億円
2012/3 目標
欧州
957億円
455億円
2006/3
1,053億円
548億円
2007/3
2,000億円
当期純利益:CAGR* 11%
2007/3
2,922億円
2007/3
2012/3 目標
2006/3
2,851億円
2006/3
1,083億円
営業利益:CAGR* 13%
2007/3
4,400億円
2012/3 目標
日本
932億円
2012/3 目標
2006/3
3,034億円
2007/3
2012/3 目標
2006/3
2,531億円
2006/3
6,741億円
2007/3
1,400億円
2012/3 目標
アジア 他
634億円
2006/3
706億円
176億円
2007/3
1,200億円
2012/3 目標
237億円
600億円
2012/3 目標
*2006年3月期から2012年3月期の平均成長率
海外合計
ROE
2006/3
13.0%
2006/3
13.2%
2007/3
3,162億円
3,819億円
2007/3
6,400億円
2012/3 目標
16.0%
2012/3 目標
ROE:自己資本利益率
DOE
2006/3
2007/3
損益構造改革
5.3%
販売管理費と売上原価を抑制して、研究開発費の増加を吸収。
6.4%
8.0%
2012/3 目標
DOE:純資産配当率
営業利益
DPR
2006/3
2007/3
2012/3 目標
DPR:配当性向
収益性をさらに向上。
40.6%
営業利益
15.9%
15.6%
研究開発費
研究開発費
15.5%
16.1%
48.4%
営業利益
20.0%
研究開発費
20.0%
50.0%
販売管理費
販売管理費
51.2%
52.1%
販売管理費
45.0%
※CAGR:年複利成長率
売上原価
売上原価
17.4%
16.2%
2006/3
2007/3
売上原価
15.0%
2012/3 目標
PERFORMANCE & STRATEGY
すべての指標が、2012年3月期の目標値に向けて順調に伸長。
2006/3
Eisai Co., Ltd.
リープ プラン」
(2007年3月期∼2012年3月期の6カ年)を実践しています。初年度となった2007年3月期は、計画通
PERFORMANCE & STRATEGY
Eisai Co., Ltd.
14
Why
We Focus on Integrative
Neuroscience and
Oncology
二大重点領域に集中し、新薬開発を加速
インテグレーティブ・
インテグレーティブ・
ニューロサイエンス
オンコロジー
(脳・神経領域)
(がん領域)
神経変性疾患(アルツハイマー病など)
その他の神経疾患(てんかんなど)
精神疾患(うつ病など)
抗がん剤治療
(がん縮小、増殖阻止、抗体など)
がん治療支援(鎮痛、貧血、嘔吐治療など)
これら2つの重点領域に、研究開発費の75%を集中的に投入
エーザイは、特定の領域に研究開発資源を集中投入することで、先端技術や医療動向など、基礎から臨床まで
の最新情報を把握し、こうした豊富な情報に基づいた意思決定によって研究開発の成功確率を高め、継続的な成
果を生み出そうとしています。このため、十分な治療法が確立していない疾病が多く存在する「脳・神経領域」と
「がん領域」を二大重点領域とし、これらの領域を中心に、革新的な新薬(あるいは既存薬に対して明確な優位性
を持つ新薬)の創出をめざしています。
ほかにも、
「免疫学」や「血管生物学」などの観点から、領域にとらわれない創薬研究も推進しています。さらに、
重症敗血症など、未だ満たされていない医療ニーズを充足するための領域にも挑戦しています。
PERFORMANCE & STRATEGY
インテグレーティブ・オンコロジー
Eisai Co., Ltd.
15
(がん領域)
「がん領域」で、エーザイは積極的に事業を開拓し続けています。抗がん剤の新薬候補化合物では、
グローバルに見ても豊富なパイプラインを有しています。
新規分裂阻害
がん領域への進出
E7974
E7389
∼満たされていない医療ニーズの充足に向けて∼
血管新生阻害
新規作用
メカニズム
E7820
E7080
E7070
E7107
現代社会においては、1人ひとりが、健康で満足度の高い生活をめざ
していることはいうまでもありません。医療の発展に伴って、疾病に起
インテグレーティブ・
オンコロジー
T細胞リンパ腫
因する医療ニーズは充足されつつあります。一方で、
「 がん領域」は最
も革新が進む領域でありながら、依然として、医療ニーズが大きく存在
がん性疼痛
血栓症
しています。
オンタック
タルグレチン・カプセル
タルグレチン・ゲル1%
プリアルト
フラグミン
カポジ肉腫
パンレチン・ゲル0.1%
20年の歴史を持つ、エーザイのがん治療薬研究
1986年、エーザイは抗がん剤領域
これまでの自社探索研究から、が
充実したパイプラインを築いていま
への参入に向け、日米欧の抗がん剤
んを縮小させることを目的とした新
す。また、さらなる患者価値の創出に
市場や研究動向の調査を開始し、翌
規微小管伸張阻害剤E7389をはじめ
向けて、がん治療の支援療法にも目
年には研究グループを発足させ、
「新
とする新規作用メカニズムを有する
を向け、疼痛、貧血、嘔吐などに対す
規作用機序」
「新規骨格」
「in vivoでの
薬剤群、また増殖阻止をめざした血
る治療薬の重要性を認識し、多面的
優れた抗腫瘍効果」を目標に、化合物
管新生阻害剤などを創出し、これら
なアプローチで、がん治療における
の創出に取り組みました。
にモルフォテックで創出されたがん
アンメット・ニーズの充足をめざして
治療抗体を加え、臨床試験段階にも
います。
がん領域
多面的アプローチでがん治療のニーズを充足する
腫瘍治療
腫瘍治療支援
低分子化合物
がんの縮小
新規作用メカニズム
新規分裂阻害
増殖阻止
がん増殖シグナル阻害
E7070
E7389
E6201
細胞周期G1期標的
米
フェーズⅠb
微小管伸長阻害
欧米
フェーズⅢ
マルチキナーゼ阻害
E7107
E7974
微生物代謝産物由来
欧米
フェーズⅠ
チューブリン重合阻害
米
フェーズⅠ
抗体
フェーズⅠ準備中
血管新生阻害
E7820
インテグリン
α2発現阻害
米
フェーズⅠb/Ⅱ
E7080
VEGF受容体
チロシンキナーゼ阻害
欧米日
フェーズⅠ
MORAb-003
抗葉酸受容体α
モノクローナル抗体
米
フェーズⅡ
MORAb-009
抗メソセリン
モノクローナル抗体
米
フェーズⅠ
がん性疼痛
がん患者における静脈
血栓塞栓症再発抑制
プリアルト
重度慢性疼痛治療
(発売済)
フラグミン
血栓凝固防止
(発売済)
16
「ドラマティック リープ プラン」で最重要の「オンコロジービジネス戦略」
「ドラマティック リープ プラン」では、
抗がん剤製品の買収
生産体制の整備
がん領域を新たな重点領域として掲げて
2006 年 10 月、米国ライガンド社の抗
原薬製造では、鹿島事業所内に24億円
います。
「オンコロジービジネス戦略」の
がん剤 4品目の全世界における独占的な
を投じて拠点を設け、臨床後期の原薬製
もと、有望な自社抗がん剤の開発を加速
権利を獲得しました。これにより、自社開
造や商業生産を見込んだ製造活動を開始
しているほか、製造インフラやマーケティ
発品の発売に先駆け、がん領域参入の第
しています。製剤化に関して、米国ノース
ング力の強化など、がん関連の製造販売
一歩を踏み出すことができました。さら
カロライナ工場で専用製剤棟を建設中で
体制を整備しています。
に、同社のがん領域の専門家が加わった
す。総面積6万平方フィートを超える施設
ことで、カンファレンス活動、物流、薬制
内に、9,000 万ドルを投じて無菌製剤生
機能などが強化されました。
産ライン、治験薬製造ライン、製剤研究
自社抗がん剤の開発
基礎研究では、筑波研究所とボストン
研究所に100名以上のがん専門研究員を
施設などの機能をそろえていきます。
がん専門MRの強化
配置するほか、バイオベンチャーとの連携
米国のがん専門MR(Medical Repre-
も進めています。臨床開発では、グローバ
sentative:医薬情報担当者)は、現在、病
ルな臨床開発体制を整え、約70名のがん
院販路チームとオンコロジーフランチャ
領域チームを編成しています。
イズチームをあわせた 160 名体制です
が、これを 2012年 3月期までに 300名に
拡大します。グローバルでもがん専門
米国ノースカロライナ工場
MR を 強 化し 、2012 年 3 月期 に は 日 本
100名、欧州135名体制とする計画です。
鹿島事業所
● 既存のクラスのアナログ研究は行わない
● 自社研究の優位性を確保できるものを狙う
抗がん剤創薬
研究方針
● 生存率・生存期間の向上が最終目標であることを研究着手時から念頭において
テーマを設定する
● テーマの特徴・狙い目に対応した動物モデルでの評価項目および効果判定基準
を設定する
17
E7389発売に向け、万全の準備態勢
E7389は、乳がんでのPOC(創薬概念
E7389のユニークなメカニズム
E7389は、細胞分裂で重要な役割を果
の検証)に成功し、米国でサブパートH申
E7389は、カイメン由来の海洋天然化
たす微小管の構成成分であるチューブリ
請用試験および欧米でのフェーズⅢ試
合物ハリコンドリンBの抗腫瘍活性部位の
ンの重合を阻害して細胞分裂を抑制する
験、その他のがん種に対するフェーズⅡ
誘導体です。ハリコンドリンBには優れた
ことで、強力な抗腫瘍活性を示します。
試験等が進行中です。販売体制の構築に
抗腫瘍効果がありますが、天然の抽出か
同様の作用機序を持つ既存の抗がん剤と
関しても、MR の編成を進めるなど資源
らは量を得ることができません。エーザ
も異なる性質を有しており、新たな治療
を投入しています。原薬製造は鹿島事業
イは、1992年からボストン研究所で研究
オプションを提供できる薬剤として期待
所内に新たに準備した生産棟で行い、製
に着手し、ハリコンドリンBの安定的な誘
しています。
剤化はノースカロライナ工場に建設中の
導体を合成する技術を創り上げました。
専用製剤棟で行う予定で、E7389の発売
準備体制が着々と整いつつあります。
抗体医薬に参入し、抗体治療薬を創出
エーザイは、
バイオロジクス
(生物製剤)
技術と、7 品の抗体医薬パイプラインを
いった、最先端のがん治療を提供する可
分野への本格的な参入を果たすため、
獲得できました。抗体治療薬を創出して
能性を得たことになります。筑波研究所、
2007年4月、抗体医薬の研究開発を専門
いく上で必要な新規抗原についても、エー
ボストン研究所、カン研究所、モルフォ
とする米国のバイオベンチャー企業モル
ザイの基礎研究に加え、モルフォテック
テックの連携により生まれる、低分子化
フォテックを3億2,500万ドルで買収しま
による外部研究機関との共同研究から入
合物、薬理評価、抗体という3つの研究基
し た 。こ れ に よ り 、Human MOR-
手することが可能になりました。
盤のシナジーは、がん領域に限らず、エー
PHODOMA®技術(完全ヒトモノクローナ
がんの多様性を考慮した最適な治療法
ザイの創薬研究活動全体にわたり波及す
ル 抗 体 を 産 生・最 適 化 す る 技 術 )と
の開発や、テーラーメイド医療の実現、
るものであり、その生産性を高めること
Libradoma™ 技術(数千種のハイブリ
自社の低分子化合物と抗体との併用療法
ができます。
ドーマ細胞のライブラリー)という特許
による有効性の高い標準療法の確立と
Eisai Co., Ltd.
18
PERFORMANCE & STRATEGY
米国・バイオベンチャー、モルフォテック
エーザイの抗体医薬参入に向けた
ドラマティック リープ
抗体 *1治療薬は、がん患者様のアンメット・メ
ディカル・ニーズに対して、極めて重要なものとな
ると考えられます。エーザイは低分子の抗がん剤
候補を複数開発していますが、これまでがん領域
のバイオロジクス(生物製剤)は保有しておりませ
エーザイ・インク会長 清水初(写真右)
モルフォテック
モルフォテック社長 ニコラス・ニコライデス(写真左)
んでした。モルフォテックの買収により、今後エーザイは抗がん治療抗体の開発を積極的に進めていくことができます。また、す
でにエーザイで開発中の低分子化合物と併用して使用される可能性もあります。がん領域に加えて、多様な疾患領域での免疫療
法を開発するにあたっても、モルフォテックの独自の抗体技術はアドバンテージとなります。
モルフォテックは、独自の完全ヒトモノクローナル抗体をつくるHuman MORPHODOMA®技術を保有し、さまざまな疾患の治
療薬としてモノクローナル抗体を開発しています。モルフォテックは、優れた研究機関とコラボレーションしており、さまざまな疾
患と関連するターゲットの情報を得て、Human MORPHODOMA®技術を用いて治療抗体を創出し、臨床開発を進めています。
モルフォテックはオンコロジー、炎症性疾患、感染症分野においてパイプラインを保有しており、その内の2つの化合物は臨床
試験段階にあります。MORAb-003は卵巣がん、そしてMORAb-009は膵臓腺がんと肺がんを対象に臨床試験が進行中です。
抗体領域におけるモルフォテックの強みは、ヒトB細胞*2から産生される完全ヒト抗体の抗原に対する結合力(親和性)の最適化
を、容易にかつ短期間で行うことができる技術を有していることです。モルフォテックは、ヒトB細胞から産生される完全ヒト抗体
は一般的に自己抗原に強く結合することができないという課題を解決し、既に特許で保護されている他社技術とは一線を画する
新規性の高い技術を有しております。このアプローチは、完全ヒト抗体をタイムリーに開発するエンジンとして期待できます。
抗体技術は著しく進歩しており、患者様にとって真に重要となるものをお届けするために、エーザイは、モルフォテックの持つ
基盤技術を活用し、高品質な抗体治療薬を創出し、効率的に開発したいと考えております。モルフォテックの買収によって、バイ
オロジクスへ参入し、抗体パイプライン、独自の抗体技術基盤と重要なノウハウを確固たるものとします。
*1 抗体:B細胞の産生するタンパク質で、主に血液中や体液中に存在し、体内に侵入してきた細菌・ウイルスなどの微生物や、微生物に感染した細胞を抗原として認識し
て結合する。抗体が抗原へ結合すると、体内から除去する働きがうまれたり、免疫反応を引き起こしたりする。
*2 B細胞:リンパ球の一種。抗体を産生する。
Eisai Co., Ltd.
19
(脳・神経領域)
アルツハイマー病
アルツハイマー型認知症治療剤
次世代治療剤の開発にも
で他社をリード
挑戦
軽度認知障害
てんかん
E2012
ゾネグラン
ルフィナマイド
アリセプト
エーザイは、アルツハイマー型認
エーザイは、アルツハイマー
糖尿病性
神経障害
知症治療のワールドワイド・リーダー
型認知症の次世代治療剤の
AS-3201
として、日々、新薬の創出に邁進して
開発に向けて、共同研究を含
います。
め、原因遺伝子の探索、免疫療
特に、主力製品であるアルツハイ
アリセプト
法、ワクチン療法といった多面的な
E2007
インテグレーティブ・ パーキンソン病
ニューロサイエンス
E2007
筋萎縮性
側索硬化症
E0302
片頭痛(予防)
アリセプト
多発性硬化症
E2007
E2007
マー型認知症治療剤「アリセプト」で
研究に取り組んでいます。現在は、ア
は、患者様のニーズ充足や利便性の
ルツハイマー型認知症の進展そのも
向上に向けて、効能追加や剤形追加
のを抑制する治療剤として、γセクレ
療剤の E2014 など、新薬パイプライ
に取り組んでいます。効能追加につ
ターゼ・モジュレーターという新しい
ンの充実が進んでいます。2007 年 1
いては、米国で、従来の軽度・中等度
作用機序を持つE2012を開発中です。
月には、抗てんかん剤
「イノベロン」
で、
レノックス・ガストー症候群(LGS)の
に加えて高度までの適応を得たこと
により、すべてのステージのアルツハ
多様な分野で新薬パイプライン
併用療法としての販売承認を欧州委
イマー型認知症患者様に服用いただ
が充実
員会(EC)より取得しました。
けるようになりました。剤形追加とし
「脳・神経領域」では、ほかにも、
今後も、こうした「脳・神経領域」に
ては、経皮吸収型貼付製剤でフェー
パーキンソン病、てんかん、神経因性
おける知を蓄積し、研究開発につと
ズⅠに向けた準備が進んでいるほか、
疼痛、片頭痛予防、多発性硬化症を対
め、画期的な新薬の創出につなげて
長時間作用型の徐放性製剤もフェー
象疾患とする E2007 、糖尿病性神経
まいります。
ズⅢを開始しました。
障害治療剤の AS-3201、痙性斜頸治
PERFORMANCE & STRATEGY
インテグレーティブ・ニューロサイエンス
PERFORMANCE & STRATEGY
How
We Create Hope
医療用医薬品・一般用医薬品・ジェネリック
20
Eisai Co., Ltd.
医薬品・診断薬の4事業ミックスで、
収益力を向上
20%up
多様性に富む大市場・大経済域
での成長を期して、進出国を拡大
3%up
35%up
中国の機能を拡充し、基盤化を推進
インドはトランスフォーメーション
戦略の中核に
「ベストな人の ベストな場所での ベストなストラクチャーによる価値創造」
エーザイは、
「日本」
「米州」
「欧州」
「アジア、大洋州、中東」のそれぞれにリージョナル・ヘッドクオーター
(地域事業本部)を設置し、地域ごとの成長戦略を立てています。2007年3月期は、4つの地域すべてが
Eisai Co., Ltd.
市場成長率を上回る成長を見せました。
21
研究・生産・物流・販売の
バリューチェーンをさらに強化
20%up
世界本社構想のもと、主要機能をグローバルに適正配置
リージョン
日 本
米 国
欧 州
ア ジ ア
●
○
○
○
グローバルマーケティング
○
●
○
○
製品戦略/事業開発戦略
●
○
○
○
探索研究
●
○
○
○
開発研究
●
○
○
○
臨床研究
○
●
○
○
レギュラトリー サイエンス
○
○
●
○
マネジメント機能等
●
○
○
○
生産物流企画・管理
●
○
○
○
薬制
●
○
○
○
QA
●
○
○
○
安全管理
●
○
○
○
知的財産
●
○
○
○
IR
●
○
○
○
リスクマネジメント(企業倫理・内部統制)
●
○
○
○
CSR・環境安全
●
○
○
○
人事・人材開発
●
○
○
○
トランスフォーメーション
○
○
○
重要ファンクション
経営計画
事業戦略
研究開発
生産物流
信頼性保証
●:グローバル機能 ○:地域本社
●
(2006年時点プラン)
PERFORMANCE & STRATEGY
医薬品産業の最大市場で、
世界最大の医薬品市場である米国で
は、2006年1月に施行された「メディケ
ア・パート D*」の本格化によって、医薬
品市場が拡大する一方、価格引き下げ
PERFORMANCE & STRATEGY
圧力が増大しています。2007 年 3 月期
Eisai Co., Ltd.
22
の売上高は前期に比べて約20%増を達
成し、当社にとっての最大市場となりま
した。米州市場全体では成長が見込ま
れており、2012 年 3 月期までに売上高
4,400 億円、平均成長率 10% をめざし
ます。
The Americas
米国には、グローバルファンクション
として、グローバル製品のマーケティン
グ戦略を立案する Global Medical &
− 米州
Marketing Services、日・米・欧の臨床
当期売上高は20%増。
確固たる地位を築くため、基盤力を強化
Clinical Development を設置してい
研 究 機 能 を 指 揮 す る Eisai Global
ます。
米国事業の拡大に向けては、米州統
括・持株会社の Eisai Corporation of
North Americaの機能強化をはかり、コ
ンプライアンス、監査、法務、人事の充
実をはかっていきます。同時に、探索研
進めて、製品価値の向上をはかります。
究から、臨床研究、生産、物流、販売に
重点領域の1つであるがん領域では、
いたるシームレス・バリュー・チェーン
ライガンド社から買収した「オンタック」
に投資を続け、米国内での生産性と効
率性を強化します。
「タルグレチン・カプセル」
「タルグレチ
ン・ゲル 1%」
「 パンレチン・ゲル 0.1%」
製品ラインアップ(9品目)
● アリセプト(アルツハイマー型認知症
治療剤)
● アシフェックス(逆流性食道炎治療
剤、PPI)
「アリセプト」は2006年10月に、高度
を足がかりとし、米国内のがん販売体
アルツハイマー型認知症の追加承認を
制を整備していきます。また、2005 年
取得し、軽度から高度まで、アルツハイ
より販売開始した深部静脈血栓症治療
マーの全ステージの患者様への使用を
剤「フラグミン」が、2007 年 5 月に新た
● フラグミン(血液凝固阻止剤)
認められた唯一の治療剤としてフルス
に「がん患者静脈血栓塞栓再発抑制」の
● セレ ビック ス( て ん か ん 重 積 症 治
ペクトラム・プロモーションを展開して
追加承認を取得し、がん関連製品ライ
います。2010年の物質特許期間満了後
ンアップが充実しました。がん領域の
を見据えて、マーケティングの強化や製
製造設備としては、ノースカロライナ工
ん剤の生産および製剤化研究のための
PPI市場は、ジェネリックが伸張しブラ
ンド品の成長は鈍化していますが、
「アシ
施設を建設中です。
米国以外の地域では、新たに、カナダ、
フェックス」は、製品の特長を訴求したプ
メキシコ、ブラジルへの進出を予定し
ロモーション活動の展開に加えて、柔軟
ています。
な価格政策も講じ、環境の変化に適応し
*65 歳以上を対象とする米国の公的医療保険制度「メ
ディケア」において、外来処方薬給付について定めた
プログラム。
ていきます。また、2013 年の物質特許
療剤)
● オンタック( CD25 陽性皮膚浸潤性
T細胞リンパ腫治療剤)
● タルグレチン・カプセル(再発性皮膚
浸潤性T細胞リンパ腫治療剤)
● タルグレチン・ゲル1%(再発性皮膚
浸潤性T細胞リンパ腫治療剤)
● パ ンレ チン・ゲル 0.1%( AIDS に
ともなう表在性カポジ肉腫治療剤)
期間満了後を見据え、新製剤の開発を
グローバルマーケティング拠点の役割
「ドラマティック リープ プラン」では、グローバルに最も妥当性の高い国や地域に重要なビジネス機
能を設置する「世界本社構想」を進めています。エーザイのグローバルマーケティングの拠点 Global
Medical and Marketing Services(以下GMMS、米国ニュージャージー)のシニア・バイスプレジデ
ントであるエド・ブロートンに、この組織の役割を尋ねました。
Q:米国にグローバルマーケティングの拠点を置いた理由は?
A:開発とマーケティングを一体とするために、グローバル臨床を担当する Eisai Global Clinical
Developmentの近くにマーケティング機能を設置しました。特に、アウトカム研究*、効果の比較試験、
エド・ブロートン
ライフサイクルマネジメント、医療経済学に関しては、開発の最も初期の段階からマーケティングのアド
バイスが必要となります。また、もう1つの理由は、将来のグローバル製品を最初に発売するのは米国になると考えられるからです。
Q:研究開発など、他部門との連携は?
A:私は、研究開発部門のマネジメント機能を担うエーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社のマーケティング担当役
員も兼務し、全プロジェクトに対して、あらゆる開発段階でマーケティングの意見を伝えています。また、主要開発品のグローバル
開発推進チームには、GMMSのマーケティングメンバーを参加させています。
Q:新製品におけるグローバルマーケティング戦略の策定方法は?
A:GMMSは、マーケティング、メディカル、マーケットリサーチ、医療経済とアウトカム研究のグローバル担当者によって構成されていま
す。私たちは、主要市場のグローバルなニーズを読み取り、グローバルの臨床チームと共同して、ターゲット製品の特性や治療効果など
のプロファイルを決定します。最終的には、グローバルベースでの開発戦略、ブランディング、商標、ロゴマーク、広報計画から費用対効
果のスタディーまで関与します。これらの要素がマーケティング計画の基礎となり、新製品が承認される国々で共有されていくのです。
Q:従来のマーケティング戦略との違いは?
A:新薬発売のかなり前、フェーズⅠ、さらにはもっと前の段階から、市場のニーズを組み込んだマーケティング計画が可能となりまし
た。今後も、グローバルマーケティングと研究開発が早い段階からチームワークを発揮することで、エーザイのマーケティング力は大
きく向上すると思います。
*アウトカム研究:医療サービスがもたらした患者様のQOL、介護負担、経済評価など、医療サービスの転帰と帰結に関する研究。
23
PERFORMANCE & STRATEGY
場に9,000万米ドルを投じて、注射抗が
開発にも取り組んでいきます。
療剤)
Eisai Co., Ltd.
品価値の最大化に加え、後継品の早期
● ゾ ネ グ ラ ン( 成 人 部 分 て ん か ん 治
日本市場は、薬価改定をはじめとす
る医療費抑制策の影響で低成長が予想
されていますが、一方で、革新的な医薬
PERFORMANCE & STRATEGY
品の価値に対する認識は高まっていま
Eisai Co., Ltd.
24
す。エーザイは、こうした環境のもと、
2012年3月期までに売上高3,600億円、
平均成長率4%をめざします。
Japan
2007年4月、
「ドラマティック リープ プ
− 日本
4事業を有する強みで、
革新的なビジネスモデルに挑戦
ラン」
に掲げる4リージョン体制の整備・
強化の一環として
「日本事業本部」
を立ち
上げました。この事業本部のもと、日本
における将来的な医療動向や治療技術
を精査・予測し、
「予防」
「疾病管理」
「最新
治療」の流れの中で、情報・サービス・製
品というトータルなソリューションビジネ
スを推進する体制を構築していきます。
の体質や薬剤応答(副作用や効き目)な
■ 医療用医薬品事業
医療用医薬品事業では、
神経、
消化器、
ど、治療剤との一層のシナジーが期待
されています。こうした状況を踏まえ、
「医療用医薬品」
「一般用医薬品」
「診
でシェアNo.1をめざします。
「アリセプ
当社は、当社の連結子会社で遺伝子シ
断薬」
「 ジェネリック医薬品」の 4事業を
ト」
「 パリエット」を拡大し、新製品の研
グナル増幅技術「PALSAR法」の特許を
有する当社は、事業を横断した、他社に
究開発に取り組むことで、2012 年 3 月
持つ三光純薬株式会社を完全子会社化
はない統合戦略を構築することが可能
期まで、市場成長を上回る平均成長率
する予定です( 2007 年 10 月)。これに
です。生活者・患者様への「 Creating
7%の達成につとめていきます。
よってグループの総合力を活かした効率
Hope」という視点から各事業をとらえ
直し、医療の周辺産業も含めて検討し
ながら、独自の患者様価値創造モデル
■ 一般用医薬品事業
一般用医薬品の市場全体が伸び悩む
■ ジェネリック医薬品
(後発医薬品)
中、当社は「チョコラ」
「ナボリン」といっ
日本では、2006 年 4 月に処方箋様式
たビタミン剤ブランドで好調が続き、
がジェネリック医薬品への変更を容易
販管費の有効活用や原価などのコスト
にしたものに変更されたこともあり、
削減努力が功を奏し、収益性が向上し
ジェネリック市場が成長しています。治
て い ま す。一 般 用 医 薬 品 事 業 で は 、
療薬の選択権は患者様に移りつつあり、
2012年3月期に営業利益率20%の達成
医薬品市場のパラダイムが変わろうとし
をめざします。
ています。エーザイは、連結子会社のエ
ルメッド エーザイ株式会社において、
品質・剤形・情報提供といった側面か
■ 診断薬
テーラーメイド医療の進展が予測さ
れる中、遺伝子診断分野では、個々人
ら、付加価値の高いジェネリック医薬品
事業を展開していきます。
日本事業
市場魅力度を前向きに再評価
予防
疾病管理
最新治療
日本事業本部
Japan Business Headquarters (JBHQ)
診断薬
一般用
医薬品
医療用
医薬品
ジェネリック
医薬品
統合された戦略のもとに情報、サービス、製品の提供
豊富な日本向け新製品の取りそろえ
4事業の収益力の向上
25
PERFORMANCE & STRATEGY
を実現していきます。
的かつ迅速な開発を実現していきます。
Eisai Co., Ltd.
運動器という3つのフランチャイズ領域
PERFORMANCE & STRATEGY
Eisai Co., Ltd.
26
5億人を擁する欧州は、医療制度をは
ンブルグのベネルクス3国や、ポーラン
「パリエット」は、共同販促しているス
じめ、極めて多様性に富んだ市場です。
ド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの
ペイン、イタリア、スイスに続き、北欧で
エーザイは、積極的な事業展開によっ
中東欧とロシアへの進出も準備してい
もパートナーから販売を引き継ぎまし
て、2012 年 3 月期までに欧州での売上
ます。
た。製品ラインをさらに充実させるた
高 1,400 億円、平均成長率 21% をめざ
欧州では
「アリセプト」
は英国、
ドイツ、
します。
フランスで、
「パリエット」は英国、ドイ
現在、2009年3月期の稼働をめざし、
ツで、パートナーの支援のもと、自社販
英国ハットフィールドに、欧州全域の事
売しています。
め、他社製品の導入も積極的に展開し
ています。
2005年6月に発売した抗てんかん剤
「ゾネグラン」は、欧州全域での販売に
業活動の中心となる「欧州ナレッジセン
パートナーが販売している国々でも、
向けて取り組むほか、既存販売国での
ター」を建設中です。欧州事業本部、創
欧州での自社販売体制の充実に伴い、
さらなる高成長をめざします。また抗
薬、臨床開発、生産、販売の機能を集約
当社の共同販促範囲を拡大しています。
てんかん剤「イノベロン」は英国、ドイ
することで、高い生産性をめざします。
「アリセプト」はすでに共同販促を行
ツ、北欧における2008年3月期第1四半
また、主要諸国での販売体制を充実さ
っているスペイン、スイス、北欧に加え、
せるため、既に販売展開している 14 カ
ポルトガル、ベルギー、ルクセンブルク
国に加え、ベルギー、オランダ、ルクセ
で共同販促を開始する予定です。
期に発売しました。
2006年に英国、ドイツで販売を開始
した重度慢性疼痛治療薬「プリアルト」
は、イタリア、スペインなどさらに販売
Europe
国を拡大しています。
さらに2007年5月には、B型ボツリヌ
− 欧州
ス毒素製剤「ニューロブロック」の欧州
における独占的な販売権獲得に関する
欧州諸国への進出を拡大し、
新たな事業機会を開拓
契約(計35カ国)をソルスティス・ニュー
ロサイエンス社と締結しました。
欧州ナレッジセンター
エーザイは、欧州の戦略拠点を英国ロンドン郊
外のハットフィールドに設立するため、約 100 百
万ポンドを投じる計画です。この「欧州ナレッジ
センター」は、欧州における創薬研究、臨床開発、
生産、販売、欧州統括の各機能を集約するほか、
欧州ナレッジセンターの完成予想模型
英国の営業部門としての機能も果たします。完成
欧州ナレッジセンターの設立計画を担当する
レイ・リースと事務局メンバー
すれば、23万平方フィートの施設に、研究開発と生産の新規採用300名を含む総勢500名以上が勤務する拠点となります。すでに
建設が進んでおり、生産施設と研究施設は2009年3月期中にオープンする予定です。
エーザイは、機能を統合して1拠点に集約することにより、効率性、生産性、品質の向上が可能になると考えています。このよう
な「シームレス・バリュー・チェーン」の構築が、英国の1拠点に欧州事業のすべての機能を統合しようとする主たる理由です。これ
は、エーザイの企業理念であるヒューマン・ヘルスケア(hhc)の実現に貢献し、革新的な医薬品の早期開発によって患者様やご家
族のベネフィット向上にもつながると考えます。
欧州は、今後も投資を続けていく重要なマーケットです。中でも英国は、生命科学分野における革新的な発明で知られています。
エーザイは、1990年に設立したロンドン大学(UCL)内の探索研究子会社で、パーキンソン病、てんかん、多発性硬化症など、現在
臨床段階にある神経変性疾患の治療剤候補化合物を創出した実績を持っています。今回設立する拠点においても、さらに革新的
な発明を生み出したいと考えています。
すでに事業展開している東アジア、東
これを 2012年 3月期までに 1,000名に
い熱帯の感染症を標的とした創薬研究
南アジア、南アジアに加え、中東への本
拡 大し 、人 口 100 万 人 以 上 の 都 市 の
の拠点を設置する予定です。また、グ
格的な進出をめざし、2006年6月、アジ
1,400 病院をカバーしつつ、特にコンプ
ローバルな臨床データの解析を行うた
ア・大洋州・中東事業本部を立ち上げま
ライアンスを重視した展開をはかります。
め、統計解析機能を設置し、データマネ
した。この地域では、2012 年 3 月期ま
インドは、アジアにおけるトランス
でにアジアでの売上高 600 億円、平均
フォーメーション戦略(グローバルな機
成長率23%をめざします。
能を最適な場所に配置)の中心ととらえ
シンガポールには、アジア全域の臨床
著しい成長が見込まれる中国では、
ています。このため、インドにエーザイ
研究を戦略的に推進するEisai Clinical
北京事務所の機能を拡大しています。
のグローバル・ロジスティックスの一翼
Research Singapore Pte. Ltdを設立
蘇州工場では拡充工事が完了し、従来
を担う原薬研究と生産拠点の建設を予
しています。
の3倍の生産能力を確保しました。MR
定しています。基礎研究では、マラリア、
は、現在 460名体制となっていますが、
結核、HIVなど、治療法の確立していな
ジメントの戦略的パートナーシップを構
築していきます。
次代の成長を担う有望市場へ積極的に投資
PERFORMANCE & STRATEGY
− アジア・大洋州・中東
Eisai Co., Ltd.
Asia, Oceania, and the
Middle East
27
PERFORMANCE & STRATEGY
hhcを実践するMR力の強化
Eisai Co., Ltd.
28
新薬の適正な使用に資するための情
に 1,400 名程度の規模が必要になると
極的に進出するとともに、新たに発売
報を提供し、1日も早く、必要とされて
判断しました。これに加え発売を期待
する製品の販売拡大に向けて営業体制
いる患者様に新薬が提供されるように
する抗リウマチ薬や抗がん剤への取り
を強化します。アジア地域では、マーケ
する。この重要な役割を担うのが、エー
組みを考慮し、第Ⅴ期中期戦略計画で
ティング力の強化をはかり、将来の最大
ザイのMR(Medical Representative:
は1,600名体制をめざしています。
また、
市場と目される中国を中心に MR の増
医薬情報担当者)です。患者様とそのご
MRの生産性向上も課題にしており、コ
員を進めます。
家族のQOL(Quality of Life:生活の質)
ール数や商品ディテールの質の向上、
向上に貢献するため、エーザイのMRは
目標設定、多品目展開などを可能とす
が、情報活動において守るべき法律や
全員が同じ目標を見据えています。
る体制を整えます。
倫理を踏まえながら、それぞれのポジ
エーザイでは、世界の全市場の全MR
エーザイの医家向けMRは、現在、国
一方、海外では、今後当社が発売する
内で 1,200 名、海外 17 カ国で 2,300 名
新製品はすべて自社でマーケティング
イは 、自 由 闊 達 な MR 活 動 を 通して 、
が活動しています。これを第Ⅴ期中期
することをめざし、その基盤づくりの一
hhc の実現に向けた取り組みを進めて
戦略計画の最終年度である2012年3月
環として MR を強化します。欧州では、
います。
期までに、国内1,600名、海外4,200名
ベネルクス3国(オランダ、ベルギー、ル
に増員する計画です。
クセンブルグ)、中東欧、ロシアなど新
国内のMR体制では、前述した国内の
市場への積極的な進出を計画していま
フランチャイズ領域だけでも、将来的
す。米国では、新しく抗がん剤市場へ積
ションで個性を発揮しています。エーザ
企業の社会的責任(CSR)への取り組み
エーザイは、企業の社会的責任(CSR)の意義を、日々の事業活動を通じて社会的使命を果たすこと、社会性のある
考えています。
このため、CSRの遂行を経営の重要課題と位置づけ、内部統制、コンプライアンスの推進、環境保全、社会貢献活
動に取り組んでいます。また、真にグローバルな製薬企業として、世界のあらゆる地域で、その地域に応じたCSR活
コンプライアンス
情報管理に関しては、個人情報の取
社会貢献活動
り扱いに関する社内規定を制定し、e当社では、コンプライアンスは単に
法令遵守ではなく、倫理的・社会的規範
ラ ー ニン グ 等 を 利 用した 継 続 的 な 教
育・研修を行っています。
まで含めた遵守ととらえています。体
制としては、
「企業倫理担当役員(コンプ
エーザイグループは、事業そのもの
を通じたQOL(生活の質)の向上が、社
会全体への貢献につながると考えてい
環境保全
ライアンス・オフィサー)
」を任命し、
「企
ます。また、企業理念実現の一環として、
学術振興を支援する財団の運営や、医
業倫理推進部」を設置しているほか、諮
「ENW環境方針」に基づき、環境管理
療の向上をめざす研究への助成、地域
問機関として、外部の法的専門家を中
体制を整備して、継続的な環境保全活
医療の貢献者を讃える賞への協賛、ア
心とした「コンプライアンス委員会」を
動を進めています。国内の主要工場で
ルツハイマー病の啓発活動に対するさ
編成しています。また、半期に一度、日
は、ISO14001に基づく環境マネジメン
まざまな取り組みなどを支援していま
本、アジア、米国、欧州等の地域ごとに、
トシステムを構築し、継続的な環境管
す。このほか、周辺地域の方々とのコ
コンプライアンス推進者責任会議を開
理の充実をはかっています。その他の
ミュニケーション活動や、国内外の自然
催しています。
国内外グループ各企業・事業所におい
災害に対する支援など、多様な貢献活
ては、独自の管理体制のもと、温暖化ガ
動を積極的に進めています。
コンプライアンス遵守に関しては、
企業行動憲章と行動指針を記載したコ
ス排出抑制、省エネ・省資源、廃棄物削
ンプライアンス・ハンドブックを作成し
減、リサイクル推進など、地球環境負荷
て定期的・継続的に改訂し、国内外の
の低減に取り組んでいます。
エーザイネットワーク企業(ENW)で定
さらに、より効率的な環境保全活動
期研修を実施しています。また、その実
をめざし、環境保全の投資と費用を集
効性を高めるため、コンプライアンス
計して、環境コストの把握にもつとめて
の浸透度に関する意識調査も実施して
います。
います。社員の相談窓口としては、社内
と社外にコンプライアンス・カウンタ
ーを設け、リスクの未然防止をはかっ
ています。
29
MANAGEMENT SYSTEM
動を推進するようつとめています。
Eisai Co., Ltd.
適正なプロセスで事業活動を行うこと、そして、多様なステークホルダーの皆様から継続的に信頼をいただくことと
MANAGEMENT SYSTEM
コーポレートガバナンス
Eisai Co., Ltd.
30
当社は、コーポレートガバナンスを充実させ、株主の皆様の信頼を獲得し、株主の皆様に当社の株式を安心して長期
に所有していただくことをめざします。コーポレートガバナンス充実のための要諦は、経営の活力が増大し、かつ経
営の公正性が確保されるとともに経営の透明性が向上するシステムを整備していくことにあります。
コーポレートガバナンス
システム
③取締役会は、その過半数を社外取締
当社グループは、経営の監督機能と
④取 締 役 会 の 議 長 は 、社 外 取 締 役 と
⑧指名委員会、監査委員会および報酬
役とする。
業務執行機能の明確な分離をはかり、
委員会の委員長は社外取締役とする。
⑨執行役を兼任する取締役は、代表執
行役社長1名とする。
する。
以下の内容を柱としてコーポレートガ
⑤社外取締役は、会社法に定める要件
バナンスシステムを構築しております。
を充足するだけでなく、当社から独
保に関する対応方針」
の維持、見直し、
①取締役会は、法令の範囲内で、会社の
立しているものとする。
廃止およびその運用を行う社外取締
業務執行に係る権限を大幅に執行役
に委譲し、経営の監督に専念する。
②取締役会の議長と代表執行役社長を
分離する。
⑩「当社企業価値・株主共同の利益の確
⑥指名委員会と報酬委員会はすべて社
役独立委員会を設置する。
なお、2007年4月26日開催の取締役
外取締役で構成する。
⑦監査委員会は、過半数の社外取締役
会において、コーポレートガバナンスガ
と社内事情に精通した社内取締役で
イドラインを改正し公表しております。
構成する。
http://www.eisai.co.jp/company/
cgguideline.html
経営の公正性と透明性を確保しつつ、企業価値の向上を実現するための仕組み
株 主 総 会
取締役会11名(社内4名、社外7名) 議長:社外取締役
監査委員会
報酬委員会
指名委員会
経営監査部
監査委員会監査
社外取締役独立委員会
取締役会事務局
執行部門
代表執行役社長兼CEO
執行役会
会計監査人
会計監査
報告
承認
グローバル・ポリシー・アンド・ストラテジー・カウンシル
執行役
内部統制推進担当執行役
内部監査担当執行役
内部統制担当部署
各部門・国内外子会社
内部統制の構築・内部監査
《取締役会》
れ、このうち、社外取締役が過半数の
当社は、内部統制担当執行役のもと
当社は、委員会設置会社として、過半
7名を占めています。
に内部統制推進部を設置して、内部統
数を社外取締役により構成する監査委
2007年3月期は、11回の取締役会を
制システムの充実、効果的・効率的な運
員会を中心とした監査体制をとってお
開催しました。
用をはかっております。
ります。当社は、監査委員会の職務を補
当社グループでは、グローバルな内
助する機関として経営監査部を設置し
指名委員会は、社外取締役3名で構成
部統制ポリシーと内部統制基本規程等
ており、監査委員会は、経営監査部を指
しています。社外取締役候補者について
を策定し、日本、米国、欧州、アジアの
揮し、主として内部統制システムを通じ
は、指名委員会が定めた「社外取締役の
各地域における規程類の整備を行って
た監査を実施しております。
独立性の要件」
に従って選任しています。
まいりました。あわせて、各地域に内部
監査委員会の常勤監査委員と経営監
2007年3月期は、7回の指名委員会を
監査実施ならびに内部統制推進に関す
査部は、内部監査部門との連携をはか
る専任部署を設置しております。
り、内部監査担当執行役や内部監査部
《指名委員会》
開催しました。
リスク管理に関して、財務報告の信頼
署と定期的に、あるいは必要に応じて
監査委員会は、委員長を含む社外取
性を担保するため、海外子会社も含め
会議を設定し、全般的な監査活動の情
締役 3 名と、社内取締役 2 名で構成して
て財務リスクとコントロールを明確に
報を共有するだけでなく、内部統制に
います。
する文書化を推し進め、継続的な内部
関する取り組み状況などについても意
統制の構築とモニタリングを実施でき
見交換を行っております。また、当社の
る体制をめざしております。
内部監査部署を通して、主要な国内外
《監査委員会》
2007年3月期は、13回の監査委員会
を開催しました。
《報酬委員会》
報酬委員会は、社外取締役3名で構成
しています。
2007年3月期は、7回の報酬委員会を
開催しました。
《社外取締役独立委員会》
社外取締役独立委員会は、社外取締
役7名で構成しています。
2007年3月期は、2回の社外取締役独
立委員会を開催しました。
また、日常的なリスクについては、
各組織が自ら内部統制システム構築状
子会社の内部監査結果の報告を受けて
おります。
況 を 評 価 す る CSA( Control Self
さらに、会計監査人である監査法人
Assessment)を実施し、そのリスク対
は、定期的に監査委員会に出席し、実施
応をはかっております。
した監査結果を適時報告しております。
さらに、財務、法務、環境・災害等の
一方、常勤監査委員は、必要に応じて会
リスクの領域ごとに、当該損失の危険に
計監査人が実施する個別の監査に立ち
関する事項を統轄する執行役を任命し
会うほか、当社グループ全体の会計に
て、それぞれの損失の危険の管理に関
関する内部統制の状況について情報を
する規則を作成し、運用しております。
収集し、連結決算における監査の質の
情報管理に関しては、当社グループ
向上につとめております。
における情報セキュリティに責任を有
なお、監査の公正性と透明性を確保
する執行役を任命し、そのポリシーを
するため、経営監査部員は、執行役から
定め、運用をはかっております。
の独立性が保証されております。
31
MANAGEMENT SYSTEM
監査体制
Eisai Co., Ltd.
内部統制システム
取締役会は、11名の取締役で構成さ
MANAGEMENT SYSTEM
Eisai Co., Ltd.
32
取締役および執行役の報酬等
報酬委員会は、取締役および執行役
績連動型報酬)、ストックオプションお
当社企業価値・株主共同の利益の
確保に関する対応方針について
よび退職慰労金で構成しております。
エーザイは、第Ⅴ期中期戦略計画「ド
執行役の報酬等は基本報酬、賞与(業
が受ける報酬等の決定に関する基本方
基本報酬は役位別の定額制としており
ラマティック リープ プラン」の達成に
針を定め、個人別の報酬等を決定して
ます。賞与(業績連動型報酬)は全社業
よって実現する企業価値と株主共同利
おります。
績と個人別業績の評価結果に応じて決
益を確保するため、社外取締役独立委
取締役の報酬等は基本報酬、ストック
定しております。全社業績は、連結売上
員会から提案のあった「当社企業価値・
オプションおよび退職慰労金で構成して
高、連結営業利益、連結当期純利益、連
株主共同の利益の確保に関する対応方
おります。ただし、社外取締役について
結 ROE の 4 項目についてそれぞれの目
針」を 2006 年 2 月28 日に開催した取締
は、退職慰労金を支給しておりません。
標達成度を評価し決定しております。個
役会で承認し導入しました。
基本報酬は定額制としており、取締役会
人別業績は各執行役の職務分掌に基づ
本対応方針は、当社株式の大量買付
の議長および各委員会の委員長は、議
き、患者価値、株主価値、社員価値、社
が行われようとする場合の手続きを定
長、委員長としての職務に対する報酬
会的責任について具体的に目標を設定
め、株主の皆様が適切な判断をするた
を加算しております。ストックオプショ
し、各々その達成度により評価しており
めの十分な情報と時間を確保するとと
ンは、付与株式数を 1,000 株単位で定
ます。ストックオプションは、役位別に
もに、買付者がこの手続きを遵守しな
め付与しております。退職慰労金は社
付与株式数を 1,000 株単位で定め付与
い場合や、企業価値・株主の皆様の共同
内取締役を支給対象とし、在任1年ごと
しております。退職慰労金は、役位別に
の利益を損なうような不適切な当社株
に定めた金額と在任期間に基づいて決
在任 1 年ごとに定めた金額と在任期間
式の買付であった場合には、買付者に
定しております。報酬の水準は、外部専
に基づいて決定しております。報酬の
よる権利行使ができない新株予約権
門機関を使い調査した他社水準を考慮
水準は、外部専門機関を使い調査した
を、その時点のすべての株主の皆様に
して決定しております。
他社水準を考慮して決定しております。
発行し、買付者の有する議決権割合を
取締役および執行役の報酬等の総額
2007年3月31日在任の取締役および執行役の2006年4月1日から2007年3月31日の期間における報酬等の総額は135,664万円で
あり、その内訳は以下のとおりです。
基本報酬
支給人員
取締役(社内)
3名
支払額
7,920万円
賞与(業績連動型報酬)
引当対象人員
引当額
—
—
ストックオプション
付与人員
3名
公正評価額
1,393万円
退職慰労金
引当対象人員
3名
引当額
合計
2,610万円
11,923万円
—
10,150万円
7名
6,900万円
—
—
7名
3,250万円
—
執行役
22名
59,991万円
22名
20,960万円
22名
13,699万円
22名
18,940万円 113,590万円
合計
32名
74,811万円
22名
20,960万円
32名
18,343万円
25名
21,550万円 135,664万円
取締役(社外)
注記:1. 取締役兼代表執行役社長の報酬等は、執行役に含めて記載しております。
2. 2006年6月23日開催の第94回定時株主総会において新たに選任された取締役および同日開催の当社取締役会において新たに選任された執行役につ
いては、2006年7月から2007年3月の期間の報酬等を記載しております。
注記:3. 執行役の賞与については、2006年4月から2007年3月を対象期間として、2007年7月に支給の未払賞与の総額を記載しております。
注記:4. ストックオプションについては、当社報酬委員会で取締役および執行役の報酬等として決議し、2006年6月23日の当社取締役会で発行決議を行ってお
、執行役22名に対し、1,180個(118,000株)の合計1,580個(158,000株)
ります。その結果、新株予約権として、取締役10名に対し400個(40,000株)
を割当てております。なお、表中のストックオプションの公正評価額は、当社ストックオプションにおける株式1株当たりの公正評価額(1,161円)に基づ
いて算定しております。
注記:5. 退職慰労金については、役員退職慰労引当金の2007年3月期増分の総額を記載しております。
「攻めの内部統制」による企業価値向上
取締役(監査委員長) 八田 進二
Eisai Co., Ltd.
Q:監査委員長として、エーザイのコーポレートガバナンスをどのようにご覧になりますか
A:2006年6月から社外取締役(監査委員長)を拝命しています。コーポレートガバナンスの
原点は、経営層が会社の使命を実感し、その達成に向けてどのように業務を行っているか
をステークホルダーに示し、正しい評価を得ることにあります。その点、内藤社長は考え方
33
にブレがなく、主導的に取り組まれていると思います。
これは、委員会設置会社の本来のあるべき姿で、非常にうまく機能していると思います。
Q:先生は会計学がご専門で、大学で教鞭をとる立場でいらっしゃいますが、企業の社外
取締役をお引き受け頂いている理由は何でしょうか
A:私は、理論と実践の架け橋の研究、つまり市場や実務界で起きている問題を抽出して理論的に研究したいと考えています。
エーザイは、伝統的な日本の株式会社機構とは異なり、社外の者が参加しやすい委員会設置会社です。監査においては常勤の監
査委員を置き、委員会設置会社の中でも質の高い監査委員会が構成されています。しかし、良い監査を推進するには、特定の監査
部門だけでなく、外部監査や内部監査、さらにはコンプライアンスなどの部門が協力し合う必要があります。私自身、これまでの
監査研究を通じて得た知見をもとに、そうした部分をつなぐ役割を担えればと思います。
Q:来年度より、金融商品取引法で内部統制報告制度が義務付けられます。内部統制に関するエーザイの取り組みをどう評価され
ますか
A:グローバルな視点で、かなり先駆的な取り組みをしています。おそらく、金融商品取引法への対応以上の内部統制体制が敷か
れており、上場会社におけるモデルケースとなり得るのではないでしょうか。エーザイは2007年3月に、コンプライアンスと内部
統制に関する取り組みで企業を表彰する「誠実な企業」賞の大賞を受賞しました。利害関係のない第三者の専門家からも高い評価
を受けているという証拠です。
端的に言うと、内部統制が有効に機能しているということは、結果として、より良い会社になるということです。関連文書の作成
自体が目的化し、経営の自由度や社員の創意を削ぐような体制となっては意味がありません。内部統制を機能させるには、まず
トップの誠実かつ崇高な意識が必要で、その意向に従って全社員が同じ目線で取り組むこと。そして、トップと現場で自由にモノ
が言える、柔軟な組織体系が必要です。エーザイは、トップの考え方が全社に浸透していますし、組織的にも風通しの良い環境が
ありますね。積極的な「攻めの内部統制」を継続し、企業価値を一層高めていきたいと思います。
低下させる事前警告型のプランです。
われ、
その結果は、
取締役会に提案され、
れ、定められた手続きに従い、次月の取
この方針の運用は社外取締役独立委員
取締役会で審議の上、本対応方針の継
締役会においてその継続を決議してお
会によって行われ、経営陣の恣意性を
続、見直し又は廃止が決定されるもの
ります。
排除する仕組みになっております。
なお、
となっております。
また、毎年3月には社外取締役独立委
この方針の有効期間は、
「ドラマティッ
本対応方針は、導入後、2006 年 6 月
員会を開催し、各社外取締役の本対応
ク リープ プラン」の期間を含む 2012
23 日および 2007 年 6 月 22 日開催の社
方針に対する賛否の確認を行ったうえ
年6月末までですが、社外取締役独立委
外取締役独立委員会において、現行の
で、各社外取締役の賛否を株主総会招
員会で毎年、廃止を含めた見直しが行
内容で継続することがそれぞれ決議さ
集ご通知に記載しております。
MANAGEMENT SYSTEM
エーザイの特筆すべき点は、取締役会の議長に社外取締役を置いていることでしょう。
役員一覧
(2007年6月22日現在)
取締役
小川 哲司
1975年10月
1983年06月
1985年06月
1986年06月
1987年06月
1988年04月
1996年03月
1971年03月
1996年04月
1999年04月
2001年06月
2004年06月
2006年06月
MANAGEMENT SYSTEM
当社入社
当社取締役
当社常務取締役
当社代表取締役専務
当社代表取締役副社長
当社代表取締役社長
株式会社ジェノックス創薬研究所代表取
締役社長
2003年06月 当社代表取締役社長兼最高経営責任者
(CEO)
2004年06月 当社取締役兼代表執行役社長兼最高経
営責任者(CEO)
(現任)
2006年01月 財団法人内藤記念科学振興財団理事長
(現任)
34
Eisai Co., Ltd.
内藤 晴夫(代表執行役社長兼CEO)
株主の皆様へ
定款に記載し、株主の皆様と共有している当社の企業理念(hhc&Compliance)
を実現するため、諸施策を果敢に実行いたします。すなわち、Creating Hope,
当社入社
当社大阪支店業務部長
当社医薬事業部事業推進部長
当社秘書室長
当社取締役会事務局部長
当社取締役(現任)
株主の皆様へ
私は、当社の企業理念の実現を通して、企業価値および長期的な株主価値の向
上のために最善を尽くす所存です。そのためには、当社の経営の活力を増大させ、
経営の公正性を確保するとともに、経営の透明性が向上する最良のコーポレート
ガバナンスを常に追求することによって、当社の第Ⅴ期中期戦略計画を完遂させ、
個人株主の皆様の利益にも配慮した株主価値の増大につとめてまいります。
Our Missionを信条に、
「患者価値」
「株主価値」
「社員価値」を増大させ、持続的な
成長をめざします。また、経営情報の積極的な開示により、企業の透明性を高め
倉地 正
(取締役議長、社外取締役独立委員会委員長)
るとともに、企業としての社会的責任を果たし、株主の皆様の負託にお応えする
所存です。
1960年04月
1988年06月
1991年06月
1996年04月
1996年06月
1999年06月
2004年06月
2004年06月
2005年06月
2006年02月
天明 質(監査委員会委員)
1970年03月
1993年06月
1997年04月
1999年04月
2001年04月
2004年06月
当社入社
三光純薬株式会社取締役(出向)
当社日本事業計画部長
当社経営計画部会計センター長
当社業務検査部長
当 社 取 締 役( 現 任 )、監 査 委 員 会 委 員
(現任)
株式会社東京銀行入行
同行取締役
同行常務取締役
株式会社東京三菱銀行常務取締役
同行専務取締役
兼松株式会社代表取締役社長
当社取締役(現任)
、監査委員会委員
兼松株式会社代表取締役会長
当社取締役議長(現任)
当社社外取締役独立委員会委員長(現任)
株主の皆様へ
エーザイの企業理念であるhhcに心より共感しております。その企業理念を株主
の皆様と共有すべく定款に規定するなど、常に先を見つめたユニークな取り組み
にも賛同いたします。社外取締役として、株主の皆様および世の中の常識の視点に
株主の皆様へ
定款に定めた企業理念の実現、企業価値の向上のため、職務に邁進する所存で
す。私は、本社関係や事業部門関係を中心にして多くの業務を経験しております
立ち、取締役それぞれの専門的な見解を得て、取締役会における自由闊達な議論
を行い、当社の企業価値の向上、株主の皆様の共同の利益の増大につとめます。
ので、これらを活かすとともに監査等の専門分野の研鑽につとめ、社内取締役監
査委員として先憂後楽の心構えで監査活動を行うことにより、経営の監督ならび
野中 郁次郎
(指名委員会委員長、報酬委員会委員、社外取締
役独立委員会委員)
に意思決定に貢献し、当社を中長期的な視野で支援してくださる方々をはじめと
する株主の皆様の期待にお応えしたいと考えております。
1958年04月
1978年04月
1979年04月
1982年04月
片岡 新太郎(監査委員会委員)
1971年03月
2000年04月
2001年06月
2003年04月
2003年06月
2004年06月
2005年04月
2005年06月
当社入社
当社川島工園長兼工場長
当社執行役員
当社生産物流担当
当社常務執行役員
当社常務執行役
当社生産物流本部長
当 社 取 締 役( 現 任 )、監 査 委 員 会 委 員
(現任)
1995年04月
1997年09月
2000年04月
2004年06月
2005年06月
2006年02月 当社社外取締役独立委員会委員(現任)
2006年04月 一橋大学名誉教授(現任)
株主の皆様へ
私は、定款に記されている企業理念実現に尽力し、企業価値および長期的な株
主価値の向上に貢献したいと考えています。日常的に業務執行の公平性と透明性
を検証し、コーポレートガバナンスの確保によって経営活力を増大させ、第Ⅴ期中
期戦略計画を着実に達成させることが株主の皆様の期待にお応えする王道である
と確信しております。
富士電機製造株式会社入社
南山大学経営学部教授
防衛大学校教授
一橋大学商学部附属産業経営研究施設
教授
北陸先端科学技術大学院大学教授
カリフォルニア大学バークレイ校
ゼロックス知識学ファカルティー・フェロー
(現任)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
富士通株式会社社外取締役(現任)
当社取締役(現任)、指名委員会委員長
(現任)
、報酬委員会委員(現任)
株主の皆様へ
エーザイはhhc理念を掲げ、企業理念の実現に向けて知識経営を行い、着実な実
践を積上げている。理念、コンセプト、実践を中心とした経営が、独自の企業文化
を創り出しており、それが当社の成長を支えている。社外取締役として、株主の皆
様の信認に応えられるよう、取締役会での議論を通して、経営の監督および適切な
意思決定を行って企業理念の実現に貢献する。
N田 忠裕
(指名委員会委員、報酬委員会委員長、
社外取締役独立委員会委員)
コー・ヤン・タン
(指名委員会委員、報酬委員会委員、
社外取締役独立委員会委員)
1973年02月 デヴェボイス・アンド・プリントンLLPアソシ
1972年08月 吉田工業株式会社(現 YKK 株式会社)
2006年02月
2006年06月
株主の皆様へ
社会への貢献、顧客、株主の皆様、社員など幅広いステークホルダーズの皆様
のさらなる幸せや喜びを追求することは、どの会社においても共通と考えます。
者パートナー
オメルベニー・アンド・マイヤーズLLPパートナー
世界銀行副総裁兼法律顧問
投資紛争解決国際センター(ICSID)事務総長
モリソン・アンド・フォスターLLPシニアカウ
ンセラー(現任)
2006年01月 イエール大学ロースクール ビジティング・
プロフェッサー(現任)
2006年06月 当社取締役(現任)、指名委員会委員(現任)、
報酬委員会委員(現任)
、社外取締役独立委員
会委員(現任)
1985年07月
1999年12月
2000年04月
2005年05月
株主の皆様へ
長年、国際ビジネス、国際関係に携わってきた経験から、私は、
「地球市民」としてグ
ローバルな視点を持っていると自負しています。エーザイもまた、全世界の人々に健
私は、エーザイが今日まで培った企業理念や文化を尊重しつつ、当社の企業価値
康と幸福をもたらし、これにより、企業価値と多様な株主の皆様の利益の向上をはか
や株主価値をさらに高めるよう、これまでの経験を活かして、社外の独立した立
ることを使命とする「地球市民」たる企業であるといえます。エーザイは、国際水準の
場で、質問をし、意見を述べ、決議に参加する所存です。
コーポレートガバナンスを実現することにより、最高品質のヘルスケア製品を世界に
供給する使命を果たしてきました。かかるエーザイの使命の確固たる追求こそが、私
の独立社外取締役としての最大の責務であります。
岸本 義之
(監査委員会委員、社外取締役独立委員会委員)
1986年04月 日本ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン
1993年08月
2000年04月
2000年04月
2004年10月
2005年01月
2005年06月
2006年02月
2006年04月
株式会社入社
マッキンゼー・アンド・カンパニー・イン
ク・ジャパン入社
早稲田大学アジア太平洋研究科非常勤
講師
ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン株式
会社ヴァイス・プレジデント
株 式 会 社ビッグレ ン タル 社 外 取 締 役
(現任)
ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン株式
会社ディレクター・オブ・ストラテジー
(現任)
当 社 取 締 役( 現 任 )、監 査 委 員 会 委 員
(現任)
当社社外取締役独立委員会委員(現任)
早稲田大学客員教授ファイナンス科目
担当(現任)
株主の皆様へ
八田 進二
(監査委員会委員長、社外取締役独立委員会委員)
1987年04月
1994年04月
2001年04月
2005年04月
富山女子短期大学商経学科助教授
駿河台大学経済学部教授
青山学院大学経営学部教授
青山学院大学大学院会計プロフェッション
研究科教授(現任)
2006年06月 当社取締役
(現任)
、監査委員会委員長
(現任)
、
社外取締役独立委員会委員(現任)
株主の皆様へ
当社は、企業理念を中心におき、コンプライアンスにも大きな経営資源を投入して
いるユニークな文化を持った企業です。また、コーポレートガバナンスの充実にも力
を注いでいます。私は、長年にわたり会計と監査について、研究をしてまいりましたが、
この経験と知識を活かし、経営の監督に力を発揮して、企業価値の向上、所有株式の
多寡にかかわらず幅広い株主の皆様の利益の増大につながる職務を遂行いたします。
当社の仕事は直接人の命にかかわる仕事であり、そういう意味でも社外取締役
としての責任の重さを強く感じます。極めて真面目な社風の中で、急速に国際化
谷川 紀彦
(監査委員会委員、社外取締役独立委員会委員)
を進めている当社が、新たな課題に積極果敢に挑戦、解決し、企業価値を高め、
さまざまな株主の皆様における株主価値を向上させるべく、社外の目から取締
1968年04月
1990年12月
1993年03月
1995年05月
1998年09月
1999年12月
役会、各委員会での発言を通じて貢献していく所存です。
2002年01月
2002年06月
2004年06月
2006年06月
株式会社富士銀行入行
富士ウルフェンソーン社常務取締役
同社取締役副社長
株式会社富士銀行情報開発部長
同行本店審議役
富士コーポレートアドバイザリー株式会社
常務執行役員
日本精工株式会社顧問
同社執行役員常務コーポレート経営本部
副本部長兼事業企画部長
同社執行役常務コンプライアンス本部長兼
コーポレート経営本部副本部長兼事業企画部長
中外商事株式会社取締役社長(現任)
株主の皆様へ
エーザイの企業理念およびその理念を定款に記載し、実現をめざす経営姿勢には、
外部からも共感を覚えます。私の国内外のビジネス社会での経験およびリスク管理や
コンプライアンス、CSRの責任者等の経験を活かし、会社の活動が、企業理念の実現、
企業価値の向上、当社株主の皆様のご意向に沿った方向に向かっているかについて、
社外取締役という独立した立場から意見を述べてまいりたいと存じます。
35
MANAGEMENT SYSTEM
2005年06月
エイト
1976年07月 タン・ドラブキン・アンド・ボーイントン創設
Eisai Co., Ltd.
1978年06月
1980年06月
1986年09月
1993年07月
1999年06月
2002年04月
入社
同社取締役
同社専務取締役
同社代表取締役副社長
同社代表取締役社長
同社代表取締役会長兼社長(現任)
YKKアーキテクチュラルプロダクツ株
式会社(現YKK AP株式会社)代表取締
役会長兼社長(現任)
当社取締役(現任)
、指名委員会委員(現
任)
、報酬委員会委員
当社社外取締役独立委員会委員(現任)
当社報酬委員会委員長(現任)
MANAGEMENT SYSTEM
Eisai Co., Ltd.
36
執行役
代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)
執行役 中国事業担当兼エーザイ・チャイナ・インク董事長、総経理
内藤 晴夫
赤田 幸雄
代表執行役副社長 国際担当
執行役 臨床研究センター長
松野 聰一
田中 尚
代表執行役専務 管理担当
執行役 欧州事業担当兼エーザイ・ヨーロッパ・リミテッド社長
松居 秀明
土屋 裕
代表執行役専務 戦略担当
執行役 日本事業本部(JBHQ)副担当兼医薬事業部長
椎名 誠
直江 登
専務執行役 内部統制・コンプライアンス・知的財産担当
執行役 日本事業本部(JBHQ)計画部長
出口 宣夫
岡田 安史
常務執行役 研究開発担当
執行役 創薬研究本部長
兼エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社代表取締役社長
小林 精一
吉松 賢太郎
執行役 コーポレートコミュニケーション・IR担当
常務執行役 ガバメント・リレーションズ担当
兼コーポレートコミュニケーション部長
戸田 健二
藤吉 彰
常務執行役 日本事業本部(JBHQ)担当
執行役 薬粧事業部長
本多 英司
長谷川 潔
常務執行役 米州事業担当
執行役 国際臨床研究担当兼エーザイ・メディカル・リサーチ・インク社長
兼エーザイ・コーポレーション・オブ・ノースアメリカ社長兼エーザイ・インク会長
津野 昌紀
清水 初
執行役 生産物流・トランスフォーメーション担当兼生産物流本部長
常務執行役 ビジネスデベロップメント担当兼事業開発部長
林 秀樹
浅野 隆文
執行役 ゼネラル・カウンセル兼法務部長
執行役 総務・環境安全・情報システム担当兼システム企画部長
三井 博行
高橋 健太
執行役 信頼性保証本部副本部長
エドワード・スチュワート・ギリー
執行役 信頼性保証本部長
加納 則夫
<グローバル・ポリシー・アンド・ストラテジー・カウンシル 委員一覧>
委員長
米国医薬品事業
グローバル薬制
生産物流・トランスフォーメーション
内藤 晴夫
清水 初
David Jefferys
浅野 隆文
国際/グローバルHR
米国医薬品事業
探索開発研究
ガバメント・リレーションズ
松野 聰一
Lonnel Coats
小林 精一
戸田 健二
管理
欧州医薬品事業
探索開発研究
事業開発
松居 秀明
土屋 裕
Micheal Lewis
林 秀樹
戦略
欧州医薬品事業
グローバル臨床開発
コーポレートコミュニケーション・IR
椎名 誠
Paul Hooper
津野 昌紀
藤吉 彰
日本事業
中国事業
内部統制・コンプライアンス・知的財産
グローバルメディカル・マーケティング
本多 英司
赤田 幸雄
出口 宣夫
Ed Broughton
日本事業
アジア・大洋州・中東事業
法務
グローバル安全性管理
直江 登
Thaweesak Sithongsurapana
高橋 健太
Stewart Geary
日本事業
研究開発
法務
経営計画
岡田 安史
吉松 賢太郎
Douglas Snyder
平井 一雄
株式・株主還元の状況
エーザイは、株主の皆様の信任を得
施策を実行することが、経営陣にとって
最も優先度の高い課題のひとつである
と認識しています。
配当政策では、継続的かつ安定的な
(DOE:%)
140–
DOE(純資産配当率=ROEx配当性向)
:右軸
:左軸
100– ■ DPS(1株当たり配当金)
120–
■
3.7
80–
60–
120
–7
6.5
–6
–5
–4
90
–3
56
32
36
2003/3
2004/3
20–
0–
130
6.4
2.6
2.5
40–
あげていくことをめざします。2007年
5.3
–2
–1
2005/3
2006/3
2008/3(計画)
2007/3
–0
3月期の1株当たり配当金は、前期から
30円増配の120円とさせていただきま
した。2008年3月期には、さらに10円
株価推移
日経平均(単位:円)
(単位:円)
TOPIX(単位:ポイント)
21,000
–02,000
8,000–
■
増配の 130 円を予定しています。配当
■
6,000–
エーザイ株価:左軸
日経平均株価:右軸 –18,000
01,600
TOPIX:右軸
13,000
–01,200
性向は、2007 年 3 月期は前期比 7.8 ポ
イント増の 48.4% となりました。これ
09,000
–00,800
4,000–
05,000
–0,0400
を、2008年3月期に49.4%まで伸ばす
ことが目標です。
2,000–
2002/3
2003/3
2004/3
2005/3
–01,000
2007/3 00,000
2006/3
一方、キャピタル・ゲインでも株主の
皆様に報いるため、投下資本収益率を
高めていきます。具体的には、成長機
会をとらえて積極的に投資し、自己資
本利益率( ROE )の向上をはかります。
2007年3月期はROE13.2%と、国内企
業の中でも高水準を維持しました。
また、エーザイでは、ROE と配当性
向を乗じた純資産配当率(DOE)を、株
主還元の指標として重視しています。
2007年 3月期の DOEは、前期比 1.1ポ
大株主の状況
(2007年3月31日現在)
持株数(千株) 持株比率(%)
株主名
日本生命保険相互会社
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
株式会社埼玉りそな銀行
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
ザ チェース マンハッタン バンク エヌエイ ロンドン エスエル オムニバス アカウント
株式会社みずほコーポレート銀行
エーザイ従業員持株会
野村證券株式会社
住友生命保険相互会社
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505103
15,327
14,856
12,398
11,735
10,250
5,630
5,526
5,355
5,000
4,886
5.17
5.01
4.18
3.96
3.46
1.90
1.86
1.81
1.69
1.65
※自己株式は12,437千株(4.19%)であり、議決権がないため大株主上位10位から除いています。
※株式数は千株未満を切り捨てて表示しています。
イント増の 6.4% となりました。2012
年 3 月期の目標値 8.0% を達成すべく、
所有者別株主構成比の推移
取り組みを進めます。
エーザイは、株主の皆様と価値を共
有しながら持続的な成長を果たし、そ
■金融機関 ■証券会社 ■その他の法人 ■外国法人 等
■自己株式 ■個人・その他
0.1%
2006年
0.6%
3月末
3.5%
1.7%
94.1%
➠
0.2%
2007年
0.4%
3月末
2.5%
1.3%
95.6%
の成果を株主の皆様に還元したいと考
えています。そして、株主の皆様との
対話を重視した IR活動を進め、経営情
報を積極的に開示し、企業の透明性を
高めて「株主価値」の向上につとめてい
きます。
所有者別所有株式構成比の
推移
2006年 3.6%
3月末
12.5%
40.2%
■金融機関 ■証券会社 ■その他の法人 ■外国法人 等
■自己株式 ■個人・その他
33.7%
3.3%
6.7%
➠
2007年 4.2%
3月末
13.8%
38.7%
31.1%
4.5%
7.7%
37
MANAGEMENT SYSTEM
配当を基本に、増配実績を着実に積み
1株当たり配当金
(単位:円)
Eisai Co., Ltd.
るために努力し、そのご期待に応える諸
MANAGEMENT SYSTEM
社員1人ひとりのために
エーザイでは創業以来、社員こそが会社の最も重要な資産であると認識し、個性と意欲を尊重した能力開発をはかる
とともに、社員1人ひとりが生き生きと働ける職場環境の整備につとめています。また、グローバルな人材育成に向
けて、グローバル人事ポリシーを策定するとともに、グローバルレベルでのリーダーシップ研修の実施や人材交流を
促進するシステム構築などに注力しています。
Eisai Co., Ltd.
38
hhcの実現
にさまざまな制度の充実をはかるとと
グローバル人材の育成・交流
もに、能力を存分に発揮できるフィール
エーザイ第 V 期中期戦略計画( DLP )
エ ー ザイグ ル ープ の め ざして い る
ドをグローバルに提供しています。さ
hhc とは、
「患者様とそのご家族、生活
らに、昇格・昇進、配置、能力開発にお
のコンセプトである「ベストな人によ
者の皆様の喜怒哀楽を考え、そのベネ
ける機会均等を実現するため、国籍や
る ベストな場所での ベストなストラ
フィット向上を第一義とし、世界のヘル
性差の区別なく、さまざまな制度の公
クチャーでの価値創造」を実現するため
スケアの多様なニーズを充足する」
こと
正公平な運用を志向しています。
に、グローバル人事ポリシーやガイドラ
です。この hhc を実現するには、社員 1
人ひとりが、患者様や生活者の喜怒哀
インを策定し、積極的な人材交流に向
けた仕組みを整備するとともに、グロー
楽を知ること、そして、日々の業務を通
社員が生き生きと働ける
環境整備
じて製品やサービスに結実させていく
エーザイでは、社員1人ひとりの安定
どをスタートしました。これらの諸施策
ことが重要です。エーザイグループの
した生活環境があってこそ、社員がhhc
により、当社の国際展開を支えるグロー
約9,600名の社員が、このhhc理念を共
の実現に対して積極的に取り組み、そ
バル人材の育成をさらに加速させてい
有してグローバルにhhc活動を推進して
の能力を遺憾なく発揮できるという考
ます。
います。
えのもと、すべての社員が生き生きと
安心して働くことのできる環境を整備し
社員は主要な
ステークホルダーズ
ています。例えば、職種によってフレッ
エーザイは、定款で、主要なステーク
社員1人ひとりの働き方を尊重していま
ホルダーズを患者様と生活者の皆様、
す。また、育児および介護に対する支援
株主の皆様および社員と定め、社員に
制度も充実させ、子育てや介護する社
対する安定的な雇用の確保、やりがい
員を積極的にサポートしています。高齢
のある仕事の提供、能力開発機会の充
者に対しては、2006 年 4 月施行の改正
実により社員価値を高めることを社内
高年齢者雇用安定法に先駆けて、2005
外に明示しました。エーザイでは、社員
年 10月より継続雇用制度を導入しまし
を
“自ら企業価値を高めることができる
た。豊富な経験や知識・技能を有する
唯一のステークホルダー”
と位置づけ、
社員が60歳を過ぎても生き生きと活躍
社員自らが能力開発に取り組めるよう
し、hhcの実現に貢献しています。
クスタイム制度や裁量労働制を導入し、
バルレベルでのリーダーシップ研修な
CONTENTS
ファイナンシャル・レビュー
44
連結貸借対照表
46
連結損益計算書
47
連結株主資本等変動計算書
48
連結キャッシュ・フロー計算書
49
連結財務諸表に関する注記
64
独立監査人の監査報告書
39
FINANCIAL SECTION
40
Eisai Co., Ltd.
財務セクション
ファイナンシャル・レビュー
文中において将来について記載した事項は、アニュアル・レポート2007作成日現在におい
て当社グループが判断、予想したものであります。従って、さまざまな要因の変化により、将
FINANCIAL SECTION
来予想などが実際の結果と大きく乖離する可能性があります。
可能性のあるリスクについては、65ページをご参照ください。
医薬品産業における事業環境は、日本、米国、欧州、アジア諸国の医療費抑制策の進展、研
財務ハイライト
究開発コストの増大、科学・技術の進歩、新たな経済圏の出現、企業再編の活発化などにより、
ますます厳しさを加え、大きな変革の時期にあります。また、地球環境、社会および事業の
Eisai Co., Ltd.
持続性に関する企業の社会的責任の遂行も強く求められております。
このような状況の中、2007年3月期の連結業績は、売上高6,741億円(前期比12.1%増)
、
営業利益1,053億円(同10.0%増)
、当期純利益706億円(同11.4%増)
となりました。
売上高においては、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」が 2,529 億円(前期比
28.7%増)、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリエット」
(米国名「アシフェックス」
)は1,743
億円(同12.8%増)
とそれぞれ増加し、所在地別には日本、北米、欧州、アジア他とも順調に
伸長いたしました。
研究開発費は1,083億円(前期比16.1%増、売上高比16.1%)
と積極的資源投入を行う一
方で、売上原価率(16.2%、前期より1.2ポイント減)の改善等により営業利益、当期純利益と
もに増益となりました。
当期末の資産合計は7,921億円(前期末より449億円増)
、純資産合計は5,627億円(同342
売上高
億円増)
、自己資本合計は5,525億円(同332億円増)
となり、自己資本比率は69.7%(同0.3
(単位:億円)
8,000•
6,013
5,330
5,002
4,000•
4,666
6,000•
6,741
ポイント増)
となりました。
この結果、1株当たり当期純利益(EPS)は247円85銭(前期より25円99銭増)
、自己資本利
益率(ROE)は13.2%(同0.2ポイント増)
、総資産利益率(ROA)は9.2%(同0.2ポイント増)
となりました。
また、1株当たり配当金は120円(前期より30円増)
、純資産配当率(DOE)は6.4%(同1.1
2,000•
ポイント増)
となりました。
’07
*自己資本=
(純資産)ー(少数株主持分)ー(新株予約権)
’03
’05
’06
’07
7.1
9.2
60•
0•
•0
’03
’04
’05
1株当たり当期純利益(EPS)
自己資本利益率(ROE)
総資産利益率(ROA)
’06
’07
150•
•12
120•
•9
90•
•6
60•
•3
30•
•0
0•
•8
6.4
5.3
3.7
2.5
’03
•6
•4
2.6
’04
1株当たり配当金
純資産配当率(DOE)
120
13.2
(単位:%)
(単位:円)
•15
90
13.0
9.0
8.3 8.7
180•
120•
’04
12.6
240• 10.9
•9
•3
当期純利益
当期純利益率
12.4
•6
200•
0•
300•
10.5
706
10.5
634
555
501
400•
8.8
410
600•
10.4
(単位:%)
(単位:円)
•12
800•
56
(単位:%)
(単位:億円)
10.0
1株当たり配当金/純資産配当率(DOE)
主要指標推移
•2
36
当期純利益/当期純利益率
32
’06
247.85
’05
221.86
’04
193.39
’03
172.11
0•
141.16
40
当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす
’05
’06
’07
•0
当期の売上高は6,741億円であり、前期より729億円、12.1%増加いたしました。
「アリセ
経営成績
プト」および「パリエット/アシフェックス」の合計は売上高の63.4%を占めており、このうち
米国の構成比は全体の67.7%であります。翌期においても、引き続き世界各国での「アリセ
プト」および「パリエット/アシフェックス」のさらなる伸長と、Ligand Pharmaceuticals(米
売上原価は1,093億円であり、前期より48億円の増加、売上原価率で1.2ポイント低減いた
しました。売上原価率の低減は、主に生産部門における継続的な原価低減努力や当社グルー
プの製品の中で原価率の低い「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の売上高が
より681億円、13.7%増加いたしました。
販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は 3,512 億円であり、前期より 435 億円、
14.1%増加いたしました。その主な要因は、
「アリセプト」および「パリエット/アシフェック
ス」
の米国を中心としたプロモーション費用ならびに欧米を中心とした医薬情報担当者
(MR)
の増員に伴う人件費の増加によるものであります。
研究開発費は1,083億円であり、前期より150億円、16.1%増加いたしました。その主な
要因は、主要開発品の臨床研究活動への積極投入によるものであります。
営業利益は1,053億円であり、前期より96億円、10.0%増加いたしました。
その他の収益(費用)は51億円であり、前期より47億円増加いたしました。主な増加要因
は米国における受取利息の増加に加え、前期に無形固定資産臨時償却費を計上していたこと
によるものであります。
当期純利益は706億円であり、前期より72億円、11.4%増加いたしました。
翌期においては、積極的な研究開発への投資やグローバル展開のための販売費及び一般
管理費の増加を「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の売上拡大、製造原価の
低減および経営資源の効率化により吸収し、当期を上回る営業利益および当期純利益を確
保する見込みであります。
0•
’03
500•
’05
アリセプト
パリエット/アシフェックス
’06
16.3
16.6
16.3
•18
15.9
600•
957
900•
868
•15
•9
15.6
0•
’07
•9
•6
300•
•3
•3
’03
研究開発費
研究開発費率
•15
•12
•6
250•
’04
1,200•
•12
783
690
597
1,743
750•
16.1
(単位:%)
(単位:億円)
831
15.5
•18
759
13.8
14.7
932
1,000• 12.8
1,545
1,323
1,416
1,290
1,153
1,174
600•
1,629
2,400•
1,200•
1,250•
1,965
3,000•
1,800•
(単位:%)
(単位:億円)
2,529
(単位:億円)
営業利益/営業利益率
1,053
研究開発費/研究開発費率
1,083
主要製品売上高
’04
’05
’06
’07
•0
0•
’03
営業利益
営業利益率
’04
’05
’06
’07
•0
41
FINANCIAL SECTION
増加したことによるものであります。その結果、当期の売上総利益は5,648億円となり、前期
Eisai Co., Ltd.
国)より製品買収した抗がん剤4品目の寄与等により増収を見込んでおります。
医薬品分野
事業の種類別セグメント
すべての地域において「アリセプト」と「パリエット/アシフェックス」が伸長いたしました。
FINANCIAL SECTION
この結果、医薬品分野の売上高は6,529億円(前期比12.6%増)
、営業利益は1,081億円(同
事業の種類別売上高構成比
9.8%増)となりました。
その他の分野
アジア他
(日本2.8%、海外0.3%)
3.5%
3.1%
欧州
その他の分野
8.0%
食品添加物、化学品、製薬用機械等の売上高は212億円(前期比1.2%減)
、営業利益は17
医薬品分野
Eisai Co., Ltd.
42
96.9%
北米
日本
44.9%
億円(同27.7%減)
となりました。
40.5%
日本
所在地別セグメント
売上高は2,922億円(前期比2.5%増)
、営業利益は728億円(同1.8%減)
となりました。医
療用医薬品では、
「アリセプト」の売上高は497億円(同17.4%増)
、
「パリエット」の売上高は
307億円(同11.3%増)とそれぞれ伸長いたしました。
北米
売上高は3,034億円(前期比19.9%増)
、営業利益は288億円(同27.9%増)
となりました。
「アリセプト」の売上高は1,622億円
(同35.3%増、現地通貨では31.0%増)
、
「アシフェックス」
の売上高は1,269億円(同10.9%増、現地通貨では7.4%増)
となりました。
欧州
所在地別売上高構成比
売上高は548億円(前期比20.4%増)
、営業利益は41億円(同12.4%減)
となりました。
「ア
アジア他
3.5%
欧州
リセプト」の売上高は345億円(同15.3%増)
、
「パリエット」の売上高は121億円(同34.0%増)
8.2%
日本
となりました。
43.3%
北米
45.0%
なお、2006年11月に医薬品販売会社EF-Eisai Farmacêutica Unipessoal Lda.をポルト
ガルに設立いたしました。
アジ ア 他
所在地別売上高構成比(推移)
売上高は237億円(前期比34.6%増)
、営業利益は40億円(同44.5%増)
となりました。
「ア
(単位:%)
リセプト」の売上高は66億円(同50.0%増)
、
「パリエット」の売上高は46億円(同32.2%増)
と
100•
それぞれ伸長いたしました。
75•
50•
海外計
海外所在地別売上高の合計は、3,819億円(前期比20.8%増)
となり、売上高比率は56.7%
25•
(前期より4.1ポイント増)
となりました。
0•
’03
’04
日本
欧州、アジア他
北米
’05
’06
’07
主力2品である
「アリセプト」の売上高は1,386百万米ドル(前期より328百万米ドル増)
、
「ア
米国子会社Eisai Inc.の状況
シフェックス」の売上高は1,084百万米ドル(同75百万米ドル増)
と大きく伸長したことにより、
受託研究収入等を含めた売上高は2,612百万米ドル(同364百万米ドル増)
となりました。
また、売上高の増加および販管費比率の改善により、当期の営業利益は231百万米ドル(前
当期末の資産合計は7,921億円(前期末より449億円増)
となりました。主な増加は、売掛
財政状態
金、販売権、繰延税金資産などであります。
43
上割戻引当金などであります。
純資産合計は5,627億円(前期末より342億円増)、自己資本合計は5,525億円(同332億
円増)
となり、自己資本比率は69.7%(同0.3ポイント増)
となりました。
なお、2006年8月に自己株式の市場買付けを行いました。
営業活動から得たキャッシュ・フローは、812億円(前期より59億円減)
となりました。税金
等調整前当期純利益は1,103億円、法人税等の支払額は489億円、減価償却費は268億円で
あります。前期からの主な減少要因は、仕入債務の減少によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、552億円の支出
(前期より257億円増)
となりました。
そのうち、有形固定資産の取得に225億円、事業譲受に243億円を支出いたしました。前期
からの主な増加要因は、事業譲受(Ligand Pharmaceuticalsの抗がん剤4品目の製品買収)
などによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、406億円の支出
(前期より188億円増)
となりました。
配当金の支払いに299億円、自己株式の市場買付けに111億円を支出いたしました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローから現事業維持のための支出を控除した自
由に使途を決定できる資金であるフリー・キャッシュ・フローは、前期より149億円減の286億
円、当期末における現金及び現金同等物は1,711億円(前期末より122億円減)
となりました。
なお、翌期の配当金においても、株主の皆様への利益還元を重視し、中期的な純資産配当
率(DOE)8%レベルの実現を目指した配当方針のもと、1株当たり中間配当金65円、期末配
当金65円の年間配当金130円(当期より10円増)を計画しております。
キャッシュ・フローの状況
億円
営業
キャッシュ・フロー
実績
2003年3月期 ........................................... ¥576
2004年3月期 ........................................... 727
2005年3月期 ........................................... 492
2006年3月期 ........................................... 871
2007年3月期 ........................................... 812
資本的支出等
フリー・
キャッシュ・フロー
増減額
実績
増減額
実績
増減額
¥007
151
(235)
379
(59)
¥265
238
387
435
525
¥018
(27)
149
48
91
¥311
489
105
436
286
¥ (10)
178
(384)
331
(149)
注:フリー・キャッシュ・フロー=
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
ー
(資本的支出+その他現事業維持のための支出等)
FINANCIAL SECTION
負債合計は2,294億円(前期末より107億円増)
となりました。主な増加は、未払費用、売
キャッシュ・フローの状況
Eisai Co., Ltd.
期より67百万米ドル増)
となりました。
連結貸借対照表
千米ドル(注記1)
百万円
2007年
FINANCIAL SECTION
資産
44
3月期
2007年
3月期
¥183,279
$1,449,924
11,906
75,966
流動資産:
現金及び現金同等物 .......................................................................................................... ¥171,091
短期投資(注記3) .............................................................................................................
8,964
受取債権:
受取手形 .......................................................................................................................
7,461
6,719
63,229
売掛金 ..........................................................................................................................
154,711
142,002
1,311,110
その他 ..........................................................................................................................
4,933
8,569
41,805
(353)
(333)
(2,991)
たな卸資産 .......................................................................................................................
52,757
44,949
447,093
繰延税金資産(注記7).......................................................................................................
33,220
29,272
281,525
その他の流動資産 .............................................................................................................
8,426
6,238
71,407
流動資産合計 .............................................................................................................
441,210
432,601
3,739,068
土地 ................................................................................................................................
18,049
17,053
152,958
建物及び構築物 ................................................................................................................
161,462
151,031
1,368,322
機械装置及びその他の有形固定資産 ....................................................................................
147,772
141,279
1,252,305
建設仮勘定 .......................................................................................................................
4,894
9,300
41,474
合計 ..........................................................................................................................
332,177
318,663
2,815,059
(198,335)
(189,980)
(1,680,805)
133,842
128,683
1,134,254
投資有価証券(注記3).......................................................................................................
111,489
105,100
944,822
関連会社に対する投資 .......................................................................................................
367
355
3,110
貸倒引当金 ....................................................................................................................
Eisai Co., Ltd.
2006年
3月期
有形固定資産(注記5)
:
減価償却累計額 ................................................................................................................
有形固定資産合計 .......................................................................................................
投資及びその他の資産:
無形固定資産(注記4、5、14)
:
販売権 ..........................................................................................................................
45,986
28,653
389,712
その他 .........................................................................................................................
16,604
14,554
140,712
繰延税金資産(注記7).......................................................................................................
32,586
27,612
276,153
その他の資産(注記5).......................................................................................................
10,030
9,674
85,000
投資及びその他の資産合計 ..........................................................................................
217,062
185,948
1,839,509
資産合計 ............................................................................................................................. ¥792,114
¥747,232
$6,712,831
連結財務諸表に関する注記をご参照ください。
千米ドル(注記1)
百万円
負債及び純資産
2007
2006
2007
3月期
3月期
3月期
¥000,413
$0,002,000
流動負債:
短期借入金(注記6) .......................................................................................................... ¥000,236
1,095
1,406
9,280
買掛金 ..........................................................................................................................
18,174
23,000
154,017
その他 ..........................................................................................................................
57,912
53,171
490,780
未払費用 ..........................................................................................................................
52,063
43,384
441,212
未払法人税等 ....................................................................................................................
22,049
23,416
186,856
売上割戻引当金 ................................................................................................................
35,066
27,826
297,169
その他の流動負債 .............................................................................................................
5,185
5,538
43,941
流動負債合計 .............................................................................................................
191,780
178,154
1,625,255
33,100
36,895
280,508
固定負債:
退職給付引当金(注記8)....................................................................................................
繰延税金負債(注記7).......................................................................................................
96
92
814
その他の固定負債 .............................................................................................................
4,440
3,579
37,627
固定負債合計 .............................................................................................................
37,636
40,566
318,949
負債合計 ....................................................................................................................
229,416
218,720
1,944,204
少数株主持分(注記2(p)
)....................................................................................................
9,296
契約債務および偶発債務(注記12、13、15)
純資産(注記9、10、18)
:
資本金:普通株式
発行可能株式総数 1,100,000,000株
発行済株式総数 2007年および2006年3月期 296,566,949株 ........................................
44,985
44,985
381,229
資本剰余金 .......................................................................................................................
55,223
55,223
467,992
新株予約権 .......................................................................................................................
295
利益剰余金 .......................................................................................................................
469,632
429,025
3,979,932
2,500
その他有価証券評価差額金 ................................................................................................
19,860
20,328
168,305
為替換算調整勘定 .............................................................................................................
4,985
1,568
42,246
(42,220)
(31,913)
(357,797)
計 ............................................................................................................................
552,760
519,216
4,684,407
少数株主持分(注記2(p)
)....................................................................................................
9,938
純資産合計 ................................................................................................................
562,698
519,216
4,768,627
負債及び純資産合計 ............................................................................................................. ¥792,114
¥747,232
$6,712,831
自己株式:
2007年3月期 12,437,412株、 2006年3月期 10,692,033株........................................
84,220
45
FINANCIAL SECTION
支払手形 .......................................................................................................................
Eisai Co., Ltd.
支払債務:
連結損益計算書
千米ドル(注記1)
FINANCIAL SECTION
百万円
Eisai Co., Ltd.
46
2007
2006
2007
3月期
3月期
3月期
売上高 ................................................................................................................................ ¥674,112
¥601,253
$5,712,814
売上原価 .............................................................................................................................
109,303
104,503
926,297
売上総利益 .......................................................................................................................
564,809
496,750
4,786,517
販売費及び一般管理費 ..........................................................................................................
351,249
307,796
2,976,686
研究開発費 ..........................................................................................................................
108,296
93,249
917,763
営業利益 ..........................................................................................................................
105,264
95,705
892,068
6,087
3,935
51,585
その他の収益(費用)
:
受取利息及び受取配当金 ....................................................................................................
支払利息 ..........................................................................................................................
(65)
(80)
(551)
為替差損益 .......................................................................................................................
(730)
587
(6,186)
投資有価証券売却益 ..........................................................................................................
1,657
5
14,042
固定資産処分損 ................................................................................................................
(1,148)
(827)
(9,729)
無形固定資産臨時償却費(注記14).....................................................................................
その他 .............................................................................................................................
(2,568)
(730)
(675)
(6,187)
その他の収益(費用)
(純額)............................................................................................
5,071
377
42,974
税金等調整前当期純利益 .......................................................................................................
110,335
96,082
935,042
法人税、住民税及び事業税 .................................................................................................
47,712
47,141
404,339
法人税等調整額 ................................................................................................................
(8,514)
(14,907)
(72,153)
39,198
32,234
332,186
(522)
(437)
(4,424)
¥063,411
$0,598,432
法人税等(注記7)
:
法人税等 .......................................................................................................................
少数株主利益 .......................................................................................................................
当期純利益 .......................................................................................................................... ¥070,615
米ドル(注記1)
円
1株当たり情報(注記17)
:
1株当たり当期純利益(EPS)
................................................................................................
¥247.85
¥221.86
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 ..................................................................................
247.47
221.61
2.10
1株当たり配当金 ...............................................................................................................
120.00
90.00
1.02
連結財務諸表に関する注記をご参照ください。
$2.10
連結株主資本等変動計算書
千株
百万円
2007年3月期
2007年3月期
発行済
株式総数
自己
株式数
¥44,985
¥55,223
期末残高 ........................... 296,567 (12,437)
¥44,985
利益
剰余金
その他
有価証券
評価差額金
為替換算
調整勘定
自己株式
計
¥429,025
¥20,328
¥1,568
¥(31,913)
¥519,216
70,615
(29,914)
(11,195)
794
3,244
642
¥519,216
9,296
70,615
(29,914)
(11,195)
794
3,886
¥552,760
¥9,938
¥562,698
¥9,296
70,615
(29,914)
(11,195)
888
(94)
¥295
¥55,223
¥295
¥469,632
(468)
3,417
¥19,860
¥4,985
千株
¥(42,220)
百万円
2006年3月期
発行済
株式総数
純資産
少数
合計
株主持分 (注記9、10)
自己
株式数
2006年3月期
資本金
資本
剰余金
期首残高 ........................... 296,567 (10,781)
当期純利益 .......................
剰余金の配当 ....................
自己株式の取得 ................
(24)
自己株式の処分 ................
113
変動額
(純額)...................
¥44,985
¥55,223
期末残高 ........................... 296,567 (10,692)
¥44,985
新株
予約権
利益
剰余金
¥387,077
63,411
(21,436)
その他
有価証券
評価差額金
為替換算
調整勘定
自己株式
計
¥09,375
¥(4,907)
¥(32,145)
¥459,608
63,411
(21,436)
(104)
309
17,428
¥459,608
63,411
(21,436)
(104)
309
17,428
¥519,216
¥519,216
(104)
336
(27)
¥55,223
¥429,025
10,953
6,475
¥20,328
¥(1,568
¥(31,913)
純資産
少数
合計
株主持分 (注記9、10)
千米ドル(注記1)
2007年3月期
資本金
資本
剰余金
新株
予約権
期首残高 ............................................................ $381,229 $467,992
表示区分変更に伴う増加 ..................................
当期純利益 ........................................................
剰余金の配当 ....................................................
自己株式の取得 ................................................
自己株式の処分 ................................................
変動額
(純額)...................................................
$2,500
期末残高 ............................................................ $381,229 $467,992
$2,500
連結財務諸表に関する注記をご参照ください。
利益
剰余金
その他
有価証券
評価差額金
為替換算
調整勘定
$3,635,805
$172,271
$13,288
自己株式
計
$(270,449) $4,400,136
純資産
少数
合計
株主持分 (注記9、10)
$4,400,136
78,780
598,432
(253,509)
(94,873)
6,729
5,440
32,932
$78,780
598,432
(253,509)
(94,873)
7,525
(796)
$3,979,932
(3,966)
28,958
$168,305
$42,246
598,432
(253,509)
(94,873)
6,729
27,492
$(357,797) $4,684,407 $84,220 $4,768,627
47
FINANCIAL SECTION
期首残高 ........................ 296,567 (10,692)
表示区分変更に伴う増加 ...
当期純利益 .....................
剰余金の配当 .................
自己株式の取得 ..............
(2,023)
自己株式の処分 ..............
278
変動額(純額) ................
新株
予約権
Eisai Co., Ltd.
資本金
資本
剰余金
連結キャッシュ・フロー計算書
千米ドル(注記1)
FINANCIAL SECTION
百万円
48
2007
2006
2007
3月期
3月期
3月期
¥096,082
$0,935,042
営業活動によるキャッシュ・フロー:
税金等調整前当期純利益 .................................................................................................... ¥110,335
調整項目:
法人税等の支払額 ..........................................................................................................
(48,948)
(45,403)
(414,813)
減価償却費 ....................................................................................................................
26,803
25,042
227,144
固定資産売却益・処分損 ..................................................................................................
934
736
7,915
(1,658)
(7)
(14,051)
売上債権の増加額 .......................................................................................................
(11,808)
(3,135)
(100,068)
たな卸資産の増加額 ....................................................................................................
(5,482)
(3,424)
(46,458)
仕入債務の増加(減少)額 .............................................................................................
(6,312)
7,350
(53,491)
未払費用の増加額 .......................................................................................................
7,601
6,404
64,415
売上割戻引当金の増加(減少)額 ...................................................................................
7,041
(3,118)
59,670
退職給付引当金の増加(減少)額. ..................................................................................
(3,801)
2,082
(32,212)
その他 ..........................................................................................................................
6,483
4,444
54,941
営業活動によるキャッシュ・フロー .............................................................................
81,188
87,053
688,034
有価証券の売却・償還による収入 ........................................................................................
10,220
2,907
86,610
有形固定資産の取得による支出 ..........................................................................................
(22,550)
(22,043)
(191,101)
無形固定資産の取得による支出 ..........................................................................................
(6,010)
(21,794)
(50,932)
有価証券・投資有価証券売却益 ........................................................................................
Eisai Co., Ltd.
資産及び負債の増減:
投資活動によるキャッシュ・フロー:
投資有価証券の売却・償還による収入 ..................................................................................
8,260
16,423
70,000
投資有価証券の取得による支出 ..........................................................................................
(20,150)
(23,156)
(170,763)
事業譲受による支出(注記11)
..............................................................................................
(24,280)
その他 .............................................................................................................................
(702)
18,149
(5,949)
投資活動によるキャッシュ・フロー .............................................................................
(55,212)
(29,514)
(467,898)
(205,763)
財務活動によるキャッシュ・フロー:
短期借入金の純減少額 .......................................................................................................
(188)
(511)
(1,593)
配当金の支払額 ................................................................................................................
(29,914)
(21,436)
(253,509)
自己株式の市場買付けに伴う支出(注記9)
.............................................................................
(11,060)
その他 .............................................................................................................................
財務活動によるキャッシュ・フロー .............................................................................
現金及び現金同等物に係る換算差額 .......................................................................................
(93,729)
541
103
4,585
(40,621)
(21,844)
(344,246)
2,457
5,154
20,822
現金及び現金同等物の増加(減少)額 ......................................................................................
(12,188)
40,849
(103,288)
現金及び現金同等物の期首残高 .............................................................................................
183,279
142,430
1,553,212
現金及び現金同等物の期末残高 ............................................................................................. ¥171,091
¥183,279
$1,449,924
連結財務諸表に関する注記をご参照ください。
連結財務諸表に関する注記
2007年および2006年3月期
注記1. 連結財務諸表の作成基準
エ一ザイ株式会社(以下、
「当社」
)
およびその連結子会社は、日本の証券取引法およびその関連法規ならびに一般に公正妥当と認められた
会計原則(国際財務報告基準で要求されている会計処理および表示方法とは一部異なります)に準拠して連結財務諸表を作成しております。
当連結財務諸表の作成にあたり、海外の読者によりわかりやすい様式で開示するため、国内で公表された連結財務諸表に一定の組替え
当連結財務諸表は当社が所在している日本の通貨(円)で表示しており、海外の読者の便宜のため、2007年3月31日におけるおよその為
。なお、この換算は円貨金額が実際の米ド
替レート(1米ドル=118円)で換算した金額を併記しております(注記4および注記18(a)を除く)
ルに当該あるいは他の換算レートで交換できることを意味するものではありません。
注記2. 重要な会計方針
当連結財務諸表は当社とすべての子会社(以下「当社グループ」
)を連結しております。
実質的な支配力基準および影響力基準に基づき、経営上の意思決定に対し直接または間接的に当社が支配力を行使することができる会
社45社(2006年3月期40社)を連結の対象とし、また、当社グループが重要な影響を与えることができる関連会社1社(2006年3月期2社)に
は持分法を適用しております。
関係会社への投資額と被投資会社の純資産(時価評価後)
との差額は、発生した期より5年間で均等償却しております。また、当社グルー
プ間における重要な債権債務、取引高および未実現損益はすべて消去しております。
(b)現金同等物
現金同等物は流動性が高く容易に換金が可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資からなっておりま
す。現金同等物には取得日から3カ月以内に満期日が到来する定期預金、コマーシャル・ペーパーおよびMMFなどを含んでおります。
(c)短期投資および投資有価証券
短期投資は3カ月超定期預金と時価のある有価証券からなっております。また、投資有価証券は時価のある有価証券と時価のない有価証
券からなっております。
時価のある有価証券は、保有目的に応じて以下のように区分されております。
1)満期まで所有するという積極的な意思と能力に基づいて保有し、償却後の薄価を貸借対照表価額とする「満期保有目的の債券」
2)上記に分類できない有価証券の時価を貸借対照表価額とし、評価損益は税効果額を控除した後の金額を純資産に計上している「そ
の他有価証券」
時価のない有価証券は、移動平均法による原価法により評価しております。また、投資有価証券においては、回復可能性があると認めら
れる場合を除き、公正価額に基づき評価減を行っております。
(d)たな卸資産
当社および国内連結子会社のたな卸資産は、主として総平均法による原価法により評価しております。また、海外連結子会社のたな卸資
産は主として先入先出法による低価法により評価しております。
49
FINANCIAL SECTION
(a)連結方針
Eisai Co., Ltd.
を行っております。また、2007年3月期の表示区分に合わせて2006年3月期を組替えております。
(e)有形固定資産
有形固定資産は取得原価で表示しております。当社および国内連結子会社の減価償却の方法は、各資産の見積耐用年数に基づき定率法
FINANCIAL SECTION
を採用しております。当社および国内連結子会社における主な耐用年数は、建物が15年から50年、機械装置が6年から7年であります。ま
Eisai Co., Ltd.
50
た、海外連結子会社は主として所在地国の会計基準に基づく定額法を採用しております。
(f)リース取引
当社および国内連結子会社におけるリース取引は、主として賃貸借取引に準じた方法により会計処理しております。これはリース取引に
関する日本の会計基準において、リース物件の所有権が借主に移転すると認められる所有権移転ファイナンス・リース取引については資産
計上が求められておりますが、所有権が借主に移転すると認められない所有権移転外ファイナンス・リース取引については借主の財務諸表
に所定の注記を記載することで賃貸借取引として会計処理することが認められているためであります。また、海外連結子会社については、
主として通常の売買取引に準じた会計処理によっております。
(g)無形固定資産
無形固定資産は取得原価から償却累計額を差し引いた純額で表示しております。償却の方法は定額法を採用しております。主な無形固定
資産の償却期間は販売権が5年から10年、自社利用のソフトウェアが主に5年であります。
(h)長期性資産の減損
当社および国内連結子会社は、資産または資産グループについて減損の兆候があると認められる場合に減損損失を認識するかどうかの
判定を行います。資産または資産グループの継続使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローの総額
が、これらの帳簿価額を下回ると判断された場合には、減損損失を認識いたします。この場合、その帳簿価額を回収可能価額(使用価値ま
たは正味売却価額のいずれか高い方)
まで減額し、当該減少額を減損損失として計上いたします。
また、海外連結子会社については、所在地国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき減損テストを実施した上で、該当す
る場合には減損損失を認識しております。
(i)法人税等
法人税等は連結損益計算書上の税金等調整前当期純利益に基づいて計算されております。会計上と税務上の資産および負債の一時差異
については、主として資産負債法により繰延税金資産および負債を認識しております。
(j)退職給付
当社は確定給付企業年金制度および退職一時金制度を採用しており、一部の国内連結子会社は、総合設立型厚生年金基金制度、適格年金
制度および退職一時金制度を採用しております。また、一部の海外連結子会社は確定給付型の制度のほか、確定拠出型の制度を設けており
ます。
当社および一部の連結子会社は、期末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき、当連結決算日において発生していると
認められる額を退職給付引当金として計上しております。
当社および一部の連結子会社において発生した過去勤務債務は、5年の按分額を営業費用として処理しております。
当社および一部の国内連結子会社において発生した数理計算上の差異は、償却年数5年の定額法により、それぞれ発生した期の翌期から
営業費用として処理しております。
また、当社および一部の連結子会社は、役員の退職慰労金の支払いに備えるため、会社内規に基づく必要額を役員退職慰労引当金として
計上しております。
(k)剰余金の処分
各期の剰余金の処分は取締役会の決議、あるいは株主総会の承認に基づき翌期の財務諸表に反映しております。
(l)外貨建取引
外貨建ての債権債務はその長短の区分にかかわらず決算日レートにより日本円に換算しております。また、ヘッジ会計の要件を満たした
為替予約が付されている場合を除き、評価替えによって生じた為替差損益は発生した期の損益として計上されております。
(m)外貨建財務諸表の換算
海外連結子会社の貸借対照表項目は、資本を取得時レートで換算することを除いて、すべて決算日レートで日本円に換算し、また、収益・
純資産に計上しております。
(n)デリバティブ取引およびヘッジ取引
当社グループは、為替の変動リスクを回避する目的に限定したデリバティブ取引を行っており、投機目的でのデリバティブ取引は行って
おりません。
1)ヘッジ会計の要件を満たすものを除く全てのデリバティブ取引を時価に基づいて資産または負債に計上し、その評価損益を当該年度
の損益として計上しております。
2)ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ取引、すなわちヘッジ対象とヘッジ手段の間に高い相関関係および有効性が認められるものに
ついては、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで、取引に係る損益を繰り延べております。
為替予約取引は製品の輸出入および委託研究等外貨建取引から生じる為替リスクを回避するために利用されており、時価で評価すると
ともに未実現損益は期間損益として処理しております。外貨建債権・債務等の為替先物予約取引を行う場合は、自国通貨を確定させるため
に行っております。また、予定取引を対象としたデリバティブ取引については、時価評価により生じた未実現損益をヘッジ対象取引が実行
されるまで繰り延べております。
(o)ストック・オプション
当社は「ストック・オプション等に関する会計基準」およびその適用指針を、2006年5月1日以後に新たに付与するストック・オプションに
ついて適用しております。当社は役員および使用人に対して付与したストック・オプションについて、その付与日現在で算定された公正な評
価額に基づき、役員および使用人からサービスを取得する対価として、その取得に応じて報酬費用を計上しております。ストック・オプション
は権利行使までの間、連結貸借対照表の純資産に新株予約権として独立表示 しております。
この適用による2007年3月期の税金等調整前当期純利益への影響額は、295百万円(2,500千米ドル)であります。
(p)純資産の表示
当社は「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」およびその適用指針を2007年3月期より適用しております。これにより少数
株主持分および新株予約権は、連結貸借対照表の純資産に独立表示しております。
(q)研究開発費
研究開発費は発生時に費用処理しております。
(r)1株当たり情報
1株当たり当期純利益は、普通株式に係る当期純利益を(株式分割が行われた場合にはそれらが期首に行われたと仮定して)、年間加重平
均発行済株式数で除して算定しております。
潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、ストック・オプションの行使等の潜在的な希薄化を反映したものであります。ストック・オプション
については当期首(あるいは発行時)にその全てが行使されたと仮定して算定しております。
連結損益計算書に記載されている1株当たり配当金は、各期の中間配当および期末配当であります。
51
FINANCIAL SECTION
デリバティブ取引と外貨建取引については、次のように会計処理をしております。
Eisai Co., Ltd.
費用項目は期中平均レートで日本円に換算しております。これらの換算によって生じる差額は連結貸借対照表上、為替換算調整勘定として
注記3. 短期投資および投資有価証券
2007年および2006年3月31日現在の短期投資および投資有価証券の内訳は、次のとおりであります。
FINANCIAL SECTION
百万円
Eisai Co., Ltd.
52
2007年
3月期
短期投資:
3カ月超定期預金 ....................................................................................................................................... ¥002,133
時価のある有価証券:
6,592
債券 ......................................................................................................................................................
その他 ...................................................................................................................................................
239
合計 ................................................................................................................................................... ¥008,964
投資有価証券:
時価のある有価証券:
株式 ...................................................................................................................................................... ¥077,064
債券 ......................................................................................................................................................
28,682
その他 ...................................................................................................................................................
1,030
時価のない有価証券:
3,692
株式 ......................................................................................................................................................
その他 ...................................................................................................................................................
1,021
合計 ................................................................................................................................................... ¥111,489
千米ドル
2006年
3月期
2007年
3月期
¥001,706
$018,076
9,689
511
55,864
2,026
¥011,906
$075,966
¥063,502
31,629
4,896
$653,085
243,068
8,729
4,031
1,042
31,288
8,652
¥105,100
$944,822
2007年および2006年3月31日現在の時価のあるその他有価証券および満期保有目的の債券の内訳は、次のとおりであります。
百万円
2007年3月期
種類:
その他有価証券:
株式 ..................................................................
その他 ..............................................................
満期保有目的の債券..............................................
2006年3月期
取得原価
未実現
利益
未実現
損失
時価
¥43,220
1,271
35,274
¥34,287
14
71
¥(443)
(16)
(298)
¥77,064
1,269
35,047
取得原価
未実現
利益
未実現
損失
時価
¥28,821
5,447
41,318
¥34,681
11
9
¥ 0(0)
(51)
(672)
¥63,502
5,407
40,655
千米ドル
2007年3月期
取得原価
種類:
その他有価証券:
株式 .................................................................. $366,271
その他 ..............................................................
10,771
満期保有目的の債券.............................................. 298,932
未実現
利益
未実現
損失
時価
$290,568
119
602
$(3,754)
(135)
(2,526)
$653,085
10,755
297,008
2007年および2006年3月31日現在の時価のないその他有価証券の内訳と計上額は、次のとおりであります。
百万円
千米ドル
2007年
3月期
2006年
3月期
2007年
3月期
その他有価証券:
非上場株式........................................................................................................................................................ ¥3,692
優先出資証券等 ................................................................................................................................................. 1,021
¥4,031
1,042
$31,288
8,652
合計 .............................................................................................................................................................. ¥4,713
¥5,073
$39,940
2007年および2006年3月期におけるその他有価証券の売却額と移動平均法による売却損益(総額)は、次のとおりであります。
百万円
千米ドル
2006年
3月期
2007年
3月期
売却額 ..................................................................................................................................................................... ¥2,294
売却益(総額) ......................................................................................................................................................... 1,657
売却損(総額) .........................................................................................................................................................
0
¥144
6
0
$19,441
14,042
0
2007年3月31日現在のその他有価証券のうち満期があるものおよび満期保有目的の債券の今後の償還予定額は、次のとおりであります。
百万円
千米ドル
満期保有
目的の債券
その他
有価証券
満期保有
目的の債券
1年以内 ......................................................................................................................................... ¥0,239
1年超5年以内 ................................................................................................................................. 1,019
5年超10年以内...............................................................................................................................
10年超 ...........................................................................................................................................
¥06,592
15,339
13,293
50
$02,025
8,636
$055,864
129,991
112,653
424
合計............................................................................................................................................ ¥1,258
¥35,274
$10,661
$298,932
注記4. 事業譲受
2007年3月期における事業譲受の内容は、次のとおりであります。
(a)企業結合の概要
Ligand Pharmaceuticals(米国)
抗がん剤4品目を含むがん領域の医薬品事業
がん領域における製品ラインの拡充
2006年10月25日
事業譲受
(b)連結財務諸表に含まれる被取得事業の業績の期間
自 2006年10月25日 至 2007年3月31日
(c)取得事業の取得原価およびその内訳
取得の対価 ................................................................................................................................................................................................ 205百万米ドル
取得に直接要した支出 ............................................................................................................................................................................... 002百万米ドル
取得原価 ................................................................................................................................................................................................ 207百万米ドル
なお、米国市場における事業は、連結子会社のEisai Inc.(米国)が譲受け、米国以外の市場における販売権等(主に欧州)は当社が譲受け
ており、それぞれの対価を全て現金で支出しております。
(d)発生したのれんの金額、発生の原因、償却の方法および償却期間
1)のれんの金額 ..................................................................................................................................................................................... 025百万米ドル
2)発生原因
抗がん剤4品目の今後の事業展開によって期待される将来の収益力および抗がん剤領域のフランチャイズ展開に対する戦略的投資とし
て発生したものであります。
3)償却方法および償却期間
取得企業がEisai Inc.(米国)であるため、米国の会計基準(SFAS142 Paragraph18)に基づき、のれんは償却いたしません。
(e)企業結合日に受け入れた資産および負債
たな卸資産(流動資産) ............................................................................................................................................................................. 013百万米ドル
有形固定資産 ............................................................................................................................................................................................ 000百万米ドル
無形固定資産 販売権 ................................................................................................................................................................................. 169百万米ドル
無形固定資産 のれん ................................................................................................................................................................................. 025百万米ドル
負債 .......................................................................................................................................................................................................... 0— 百万米ドル
取得原価 ................................................................................................................................................................................................ 207百万米ドル
無形固定資産 販売権については9年間で均等償却しております。
53
FINANCIAL SECTION
その他
有価証券
1)相手企業の名称 .....................................................................................
2)取得した事業の内容...............................................................................
3)企業結合を行った主な理由 .....................................................................
4)企業結合日 ...........................................................................................
5)企業結合の法的形式 ..............................................................................
Eisai Co., Ltd.
2007年
3月期
注記5. 長期性資産の減損
2007年および2006年3月期における減損損失の主な内訳は、次のとおりであります。
FINANCIAL SECTION
百万円
Eisai Co., Ltd.
54
千米ドル
2007年
3月期
2006年
3月期
2007年
3月期
無形固定資産 .............................................................................................................................................................. ¥101
機械装置及びその他の有形固定資産 ............................................................................................................................
55
投資その他の資産(その他の資産)..............................................................................................................................
43
その他 ........................................................................................................................................................................
2
¥085
72
8
80
$0,856
466
364
17
合計 ........................................................................................................................................................................ ¥201
¥245
$1,703
2007年3月期における使用価値算定のための割引率は、5%∼8%(2006年3月期 5%)を使用しております。
注記6. 短期借入金
短期借入金は銀行からの無担保の借入金であり、2007年および2006年3月期の加重平均利率は、それぞれ5.75%と4.70%であります。
注記7. 法人税等
2007年および2006年3月31日現在の繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、次のとおりであります。
百万円
2007年
3月期
繰延税金資産:
委託研究費.................................................................................................................................................... ¥27,834
退職給付引当金 ............................................................................................................................................. 22,241
売上割戻引当金 .............................................................................................................................................
6,273
たな卸資産未実現利益 ...................................................................................................................................
5,872
減価償却費....................................................................................................................................................
5,364
繰延資産 .......................................................................................................................................................
4,625
未払賞与 .......................................................................................................................................................
4,492
その他 .......................................................................................................................................................... 11,839
評価性引当金 ................................................................................................................................................
(5,723)
千米ドル
2006年
3月期
2007年
3月期
¥18,654
23,511
6,455
5,947
4,587
4,788
3,972
11,390
(5,147)
$235,881
188,483
53,161
49,763
45,458
39,195
38,068
100,330
(48,500)
繰延税金資産合計 ......................................................................................................................................
82,817
74,157
701,839
繰延税金負債:
その他有価証券評価差額金 ............................................................................................................................
その他 ..........................................................................................................................................................
13,855
3,252
14,185
3,180
117,415
27,560
繰延税金負債合計 ......................................................................................................................................
17,107
17,365
144,975
繰延税金資産の純額 ............................................................................................................................... ¥65,710
¥56,792
$556,864
2007年および2006年3月期の法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳は、次
のとおりであります。
2007年
3月期
2006年
3月期
法定実効税率 .................................................................................................................................................................................. 41.0%
交際費等永久に損金に算入されない項目 ......................................................................................................................................... 1.6
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 ................................................................................................................................... (0.2)
試験研究費の法人税額特別控除 ....................................................................................................................................................... (5.1)
連結子会社との税率差 .................................................................................................................................................................... (1.5)
評価性引当額 .................................................................................................................................................................................. 0.4
その他 ............................................................................................................................................................................................ (0.7)
41.0%
1.9
(0.4)
(5.6)
(1.4)
(0.7)
(1.3)
税効果会計適用後の法人税等の負担率 ............................................................................................................................................. 35.5%
33.5)%
注記8. 退職給付制度
当社および一部の連結子会社は、従業員および役員に対する退職給付制度を設けております。
通常、自己都合により退職する従業員の退職金支給額は、その時点における給与と勤続年数等に基づいて計算されております。従業員の
退職給付は、会社からの一時金、もしくは一時金と年金の併用のいずれかによります。
2007年および2006年3月31日現在の従業員の退職給付債務の内訳は、次のとおりであります。
百万円
千米ドル
2006年
3月期
2007年
3月期
退職給付債務 .............................................................................................................................................. ¥(113,860)
年金資産 ....................................................................................................................................................
102,589
未認識数理計算上の差異 .............................................................................................................................
(11,348)
未認識過去勤務債務(債務の減額)..............................................................................................................
(9,150)
¥(113,097)
103,611
(14,284)
(11,808)
$(964,915)
869,398
(96,170)
(77,542)
退職給付引当金 ....................................................................................................................................... ¥0(31,769)
¥0(35,578)
$(269,229)
2007年および2006年3月期における退職給付費用の内訳は、次のとおりであります。
百万円
2007年
3月期
勤務費用 .............................................................................................................................................................. ¥3,868
利息費用 .............................................................................................................................................................. 2,723
期待運用収益........................................................................................................................................................ (3,380)
数理計算上の差異の費用処理額.............................................................................................................................
423
過去勤務債務の費用処理額 ................................................................................................................................... (2,643)
確定拠出型年金制度への掛金等............................................................................................................................. 1,315
退職給付費用 .................................................................................................................................................... ¥2,306
千米ドル
2006年
3月期
2007年
3月期
¥4,004
2,901
(2,651)
6,474
(2,893)
950
$32,779
23,076
(28,644)
3,585
(22,398)
11,144
¥8,785
$19,542
2007年および2006年3月期における退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、次のとおりであります。
2007年3月期
割引率 ......................................................................................................................................................................... 主として2.5%
期待運用収益率 ............................................................................................................................................................ 主として4.0%
数理計算上の差異の処理年数 .......................................................................................................................................
5年
過去勤務債務の額の処理年数 .......................................................................................................................................
5年
2006年3月期
主として2.5%
主として4.0%
5年
5年
2007年および2006年3月31日現在の役員退職慰労引当金は、それぞれ1,331百万円(11,279千米ドル)および1,317百万円であり、連結
貸借対照表上、退職給付引当金に含めて表示しております。役員の退任の際の退職慰労金の支払いには報酬委員会の決定ないしは株主総
会の承認が必要となります。
注記9. 純資産
当社および国内連結子会社は従来の商法を改正・再編した新しい会社法を2007年3月期より適用しております。また、当社は会社法で定
める委員会設置会社であるため、会計監査人からの無限定適正意見の入手等の一定の要件を満たした場合には、定款に基づき取締役会の
決議により自己株式の取得や剰余金の配当などを行うことができます。
2007年3月期において当社は自己株式の市場買付け11,060百万円(93,729千米ドル)を行っております。これにより2百万株(1株あたり
)の自己株式を取得いたしました。なお、自己株式の市場買付けは2006年7月31日における取締役会
の取得単価は5,530円(46.86米ドル)
)に基づくものであります。
決議(取得する株式の総数の上限4百万株および株式の総取得価額の上限22,000百万円(186,441千米ドル)
55
FINANCIAL SECTION
2007年
3月期
Eisai Co., Ltd.
当社は確定給付年金制度および退職一時金制度を採用しており、この退職給付制度のうち、企業年金基金への移行割合はおよそ45%、退
職一時金への移行割合はおよそ55%であります。
注記10. ストック・オプション制度
決議年月日
ストック・オプション数
2000年6月29日
142,000株
2000年9月1日
3,090円
($26.19)
2000年9月1日∼
2010年6月29日
2001年6月28日
180,000株
2001年8月1日
2,668円
($22.61)
2001年9月3日∼
2011年6月28日
56
2002年6月27日
175,000株
2002年7月1日
3,165円
($26.82)
2002年7月1日∼
2012年6月27日
2003年6月24日
210,000株
2003年7月1日
2,520円
($21.36)
2003年7月1日∼
2013年6月24日
2004年6月24日
238,000株
2004年7月1日
3,170円
($26.86)
2004年7月1日∼
2014年6月24日
2005年6月24日
262,000株
2005年7月1日
3,820円
($32.37)
2007年7月1日∼
2015年6月24日
2006年6月23日
254,000株
2006年7月10日
5,300円
($44.92)
2008年7月10日∼
2016年6月23日
Eisai Co., Ltd.
FINANCIAL SECTION
当社は役員および使用人に対しストック・オプションを付与しております。
2007年3月31日現在におけるストック・オプションの内容は、次のとおりであります。
付与日
権利行使価格
権利行使期間
ストック・オプションの変動状況は、次のとおりであります。
株
2000年6月29日
2001年6月28日
2002年6月27日
2003年6月24日
2004年6月24日
2005年6月24日
期首残高 ........................................
権利確定 ........................................
権利行使 ........................................
当期末未行使残 ..............................
109,800
153,700
166,800
155,300
238,000
262,000
52,200
57,600
75,100
78,600
43,000
123,800
69,200
86,100
38,300
199,700
権利行使時の平均株価 ....................
5,905
($50.04)
5,858
($49.64)
5,839
($49.48)
決議年月日
2006年6月23日
254,000
262,000
254,000
円(米ドル)
......................................................
公正な評価単価(付与日)................
......................................................
5,698
($48.29)
5,662
($47.98)
1,161
($9.84)
2007年3月期において付与されたストック・オプションの公正な評価単価の見積方法は、次のとおりであります。
使用した評価技法 ......................................................................................................................................................................
ブラック・ショールズ式
26.82%
株価変動性 ................................................................................................................................................................................
予想残存期間 .............................................................................................................................................................................
6年
予想配当 .................................................................................................................................................................................... 110円(0.93米ドル)/株
無リスク利子率 ..........................................................................................................................................................................
1.66%
注記11. キャッシュ・フロー情報
2007年3月期における事業譲受により増加した資産および負債と事業譲受による支出の関係は、次のとおりであります。
千米ドル
¥21,293
2,987
$180,449
25,314
事業譲受による支出 ..........................................................................................................................................................
¥24,280
$205,763
注記12. リース取引
当社グループは一部の備品、コンピュータ、その他の資産をリース賃借しております。リース物件の所有権が借主に移転すると認められ
るもの以外のファイナンス・リース取引を2007年および2006年3月期の財務諸表に計上した場合、次の金額が反映されることとなります。
百万円
千米ドル
2007年
3月期
2006年
3月期
2007年
3月期
機械装置
及びその他の
有形固定資産
機械装置
及びその他の
有形固定資産
機械装置
及びその他の
有形固定資産
取得価額相当額 ..............................................................................................................................................
減価償却累計額相当額 ....................................................................................................................................
減損損失累計額相当額 ....................................................................................................................................
¥3,953
1,815
16
¥3,966
1,542
16
$33,500
15,381
136
期末残高相当額...........................................................................................................................................
¥2,122
¥2,408
$17,983
(b)未経過リース料期末残高相当額等
百万円
千米ドル
2007年
3月期
2006年
3月期
2007年
3月期
未経過リース料期末残高相当額:
1年内 ................................................................................................................................................................... ¥1,069
1年超 ................................................................................................................................................................... 1,103
¥0,990
1,461
$09,059
9,348
合計 .................................................................................................................................................................. ¥2,172
¥2,451
$18,407
リース資産減損勘定の残高.................................................................................................................................... ¥0,008
¥0,012
$00,068
57
FINANCIAL SECTION
(a)取得価額相当額、減価償却累計額相当額、減損損失累計額相当額および期末残高相当額
Eisai Co., Ltd.
百万円
取得資産 ...........................................................................................................................................................................
のれん ..............................................................................................................................................................................
(c)支払リース料、リース資産減損勘定の取崩額、減価償却費相当額、支払利息相当額および減損損失
FINANCIAL SECTION
百万円
Eisai Co., Ltd.
58
千米ドル
2007年
3月期
2006年
3月期
2007年
3月期
支払リース料 ........................................................................................................................................................ ¥1,161
リース資産の減損勘定の取崩額 .............................................................................................................................
5
減価償却費相当額 ................................................................................................................................................. 1,096
支払利息相当額 ....................................................................................................................................................
73
減損損失 ..............................................................................................................................................................
¥1,053
4
995
68
16
$9,839
42
9,288
619
減価償却費相当額はリース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によって算定しております。また、支払利息相当額はリース
料総額とリース物件の取得価額相当額との差額とし、利息法により各期へ配分しております。いずれも連結損益計算書には反映されており
ません。なお、リース資産減損勘定はその他の固定負債に含めております。
2007年および2006年3月期における解約不能オペレーティング・リースに係る未経過リース料は、次のとおりであります。
百万円
2007年
3月期
千米ドル
2006年
3月期
2007年
3月期
1年内 ................................................................................................................................................................. ¥02,204
1年超 ................................................................................................................................................................. 13,791
¥1,239
3,150
$018,678
116,873
合計 ................................................................................................................................................................ ¥15,995
¥4,389
$135,551
注記13. デリバティブ取引
デリバティブ取引については、決裁ルート等を規定した社内管理規程に基づき通常の取引の範囲内において実施しております。
当社グループが現在行っているデリバティブ取引は、信用度の高い金融機関を取引相手としており、相手方の債務不履行による損失の発
生は予想しておりません。
百万円
千米ドル
2007年3月期
2007年3月期
契約額
時価
評価損益
契約額
時価
評価損益
契約額
時価
¥14,470
1,043
¥14,301
1,050
¥169
(7)
¥12,473
71
00,270
¥12,431
72
275
¥42
(1)
5
$122,627
8,839
$121,195
8,898
評価損益
59
$1,432
(59)
上記の契約額等はあくまでもデリバティブ取引における名目的な契約額です。すなわち実際に取引される金額ではなく、また当該デリバ
ティブ取引に係る信用リスク等を表すものではありません。
注記14. 無形固定資産臨時償却
無形固定資産臨時償却費は、米国における抗てんかん剤の販売権の償却年数を見直したことによるものであります。
注記15. 偶発債務
2007年3月31日現在の当社グループの偶発債務は、次のとおりであります。
従業員住宅資金借入の連帯保証 ........................................................................................................................................
百万円
千米ドル
¥110
$932
FINANCIAL SECTION
為替予約取引:
米ドル売建.....................................
ユーロ売建 ....................................
円買建 ...........................................
2006年3月期
Eisai Co., Ltd.
2007年および2006年3月31日現在のデリバティブ契約は、次のとおりであります。
注記16. セグメント情報
当社グループは事業区分を医療用医薬品、一般用医薬品、診断用医薬品等の「医薬品分野」と、食品添加物、化学品、製薬用機械等の「そ
FINANCIAL SECTION
の他の分野」に分類しております。
Eisai Co., Ltd.
60
(a)2007年および2006年3月期における当社グループの事業の種類別セグメント情報は、次のとおりであります。
百万円
2007年3月期
医薬品分野
その他の
分野
消去
又は全社
外部顧客に対する売上高 ..............
セグメント間の内部売上高
又は振替高 ................................
¥652,937
¥21,175
230
21,198
¥ (21,428)
1) 売上高合計 ...............................
営業費用 ......................................
653,167
545,107
42,373
40,663
(21,428)
(16,922)
1)営業利益 ......................................
¥108,060
¥01,710
¥656,788
25,716
150
50,960
¥31,814
803
2006年3月期
連結
医薬品分野
その他の
分野
消去
又は全社
¥674,112
¥579,813
¥21,440
186
17,459
¥ (17,645)
674,112
568,848
579,999
481,622
38,899
36,534
(17,645)
(12,608)
601,253
505,548
¥ 0(4,506)
¥105,264
¥098,377
¥02,365
¥ 0(5,037)
¥095,705
¥103,512
284
51
172
¥792,114
26,803
201
52,000
¥556,475
24,140
206
35,901
¥26,179
637
39
598
¥164,578
265
¥747,232
25,042
245
37,024
連結
1)売上高及び営業損益
¥601,253
2)資産、減価償却費、減損損失
及び資本的支出
資産 ............................................
減価償却費 ..................................
減損損失 ......................................
資本的支出 ..................................
868
千米ドル
2007年3月期
医薬品分野
その他の
分野
消去
又は全社
外部顧客に対する売上高...................
セグメント間の内部売上高
又は振替高.....................................
$5,533,365
$179,449
1,949
179,644
$(181,593)
1) 売上高合計 ...................................
営業費用 ..........................................
5,535,314
4,619,551
359,093
344,602
(181,593)
(143,407)
1)営業利益 ..........................................
$0,915,763
$014,491
$0(38,186) $0,892,068
$5,566,000
217,932
1,271
431,864
$269,610
6,805
$(877,221
2,407
432
1,458
連結
1)売上高及び営業損益
$5,712,814
5,712,814
4,820,746
2)資産、減価償却費、減損損失
及び資本的支出
資産 .................................................
減価償却費 .......................................
減損損失 ..........................................
資本的支出 .......................................
7,356
$6,712,831
227,144
1,703
440,678
525
(b)2007年および2006年3月期における所在地別セグメント情報は、次のとおりであります。
百万円
2007年3月期
日本
北米
欧州
アジア他
消去又は全社
連結
外部顧客に対する売上高 ...........................................................
セグメント間の内部売上高
又は振替高 .............................................................................
¥292,223
¥303,411
¥54,775
¥23,703
86,303
36,897
18,302
11
¥(141,513)
1) 売上高合計 ...........................................................................
営業費用 ..................................................................................
378,526
305,724
340,308
311,546
73,077
69,017
23,714
19,693
(141,513)
(137,132)
674,112
568,848
1)営業利益 ..................................................................................
¥072,802
¥028,762
¥04,060
¥04,021
¥00(4,381)
¥105,264
2)資産 .........................................................................................
¥489,912
¥221,123
¥57,428
¥23,516
¥(000,135
¥792,114
消去又は全社
連結
1)売上高及び営業損益
日本
北米
欧州
アジア他
外部顧客に対する売上高 ...........................................................
セグメント間の内部売上高
又は振替高 .............................................................................
¥285,059
¥253,076
¥45,505
¥17,613
74,322
30,574
10,378
4
¥(115,278)
1) 売上高合計 ...........................................................................
営業費用 ..................................................................................
359,381
285,217
283,650
261,163
55,883
51,247
17,617
14,834
(115,278)
(106,913)
601,253
505,548
1)営業利益 ..................................................................................
¥074,164
¥022,487
¥04,636
¥02,783
¥00(8,365)
¥095,705
2)資産 .........................................................................................
¥431,473
¥168,491
¥39,927
¥18,495
¥0(88,846
¥747,232
消去又は全社
連結
1)売上高及び営業損益
¥601,253
千米ドル
2007年3月期
日本
北米
欧州
アジア他
$2,571,280
$464,195
$200,873
1)売上高及び営業損益
外部顧客に対する売上高 ........................................................... $2,476,466
セグメント間の内部売上高
又は振替高 .............................................................................
731,382
$5,712,814
312,686
155,102
93
$(1,199,263)
3,207,848
2,590,882
2,883,966
2,640,220
619,297
584,890
200,966
166,890
(1,199,263)
(1,162,136)
5,712,814
4,820,746
1)営業利益 .................................................................................. $0,616,966
$0,243,746
$034,407
$034,076
$0,0(37,127)
$0,892,068
2)資産 ......................................................................................... $4,151,797
$1,873,924
$486,678
$199,288
$(0,001,144
$6,712,831
1) 売上高合計 ...........................................................................
営業費用 ..................................................................................
(c)2007年および2006年3月期における海外売上高は、次のとおりであります。
百万円
2007年3月期
2006年3月期
北米
欧州
アジア他
合計
北米
欧州
アジア他
合計
海外売上高 ..................................................
連結売上高 ..................................................
¥312,006
¥72,218
¥26,542
¥410,766
674,112
¥262,260
¥61,718
¥19,920
¥343,898
601,253
連結売上高に占める海外売上高の割合 ..........
46.3%
10.7%
3.9%
60.9%
43.6%
10.3%
3.3%
57.2%
千米ドル
2007年3月期
北米
海外売上高 .................................................. $2,644,119
連結売上高 ..................................................
欧州
アジア他
合計
$612,017
$224,932
$3,481,068
5,712,814
61
FINANCIAL SECTION
百万円
2006年3月期
Eisai Co., Ltd.
¥674,112
注記17. 1株当たり当期純利益
2007年および2006年3月期における1株当たり当期純利益と潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、次のとおりであ
FINANCIAL SECTION
ります。
Eisai Co., Ltd.
62
百万円
千株
当期純利益
期中平均株式数
¥70,615
284,911
円
米ドル
1株当たり当期純利益
2007年3月期:
1株当たり当期純利益:
普通株主に係る当期純利益 ..............................................................................................
希薄化効果:
ストック・オプション(新株予約権)...................................................................................
潜在株式調整後1株当たり当期純利益:
潜在株式調整後1株当たり当期純利益計算のための当期純利益 ..........................................
¥247.85
$2.10
$2.10
432
¥70,615
285,343
¥247.47
¥63,411
285,817
¥221.86
2006年3月期:
1株当たり当期純利益:
普通株主に係る当期純利益 ..............................................................................................
希薄化効果:
ストック・オプション(新株予約権)...................................................................................
潜在株式調整後1株当たり当期純利益:
潜在株式調整後1株当たり当期純利益計算のための当期純利益 ..........................................
316
¥63,411
286,133
¥221.61
注記18. 後発事象
(a)株式取得による会社等の買収
1)買収の概要および目的
(米国時間)に発効した米国Morphotek
当社100%子会社である米州統括会社Eisai Corporation of North Americaは、2007年4月16日
Inc.の買収契約に基づき、同日、同社株式を取得して100%子会社といたしました。当該買収の目的は、当社グループのバイオロジクス分
野への本格参入とがん領域をはじめとする抗体治療薬創出の充実をはかるためであります。
2)買収する会社の名称、事業内容、規模
2)iii)名称 ................................................................ Morphotek Inc.(米国)
2)iii)事業内容 ......................................................... 抗体医薬の研究開発
2)iii)規模
2) • 従業員数 ...................................................... 45名
2) • 総資産額. ..................................................... 42百万米ドル
2) • 純資産額 ...................................................... 26百万米ドル
2) • 売上高 ......................................................... 01百万米ドル
2) • 当期純損失 ................................................... 21百万米ドル
2) 上記のドル建金額は、Morphotek Inc.の2006年度(1月1日から12月31日まで)の監査済財務諸表の記載に基づくものであります。
3)取得価額および取得後の持分比率
2) 取得価額 ......................................................... 350百万米ドル(付随費用を除く)
2) Morphotek Inc.の全株式を取得し、取得後の持分比率は100%となります。
(b)剰余金の処分
2007年5月15日、当社の取締役会にて2007年3月31日現在の剰余金を以下のように処分することが決議されております。
1株当たり65.00円(0.55米ドル)の期末配当金 ...................................................................................................................
百万円
千米ドル
¥18,468
$156,508
(c)株式交換による完全子会社化
当社と連結子会社である三光純薬(株)は、2007年4月、当社が三光純薬(株)を株式交換により完全子会社化することに合意し、株式交換
契約を締結いたしました。現在、当社は三光純薬(株)株式の50.59%を有しておりますが、2007年6月21日に開催された三光純薬(株)の定
時株主総会において、同社は同年10月1日付で株式交換により、当社の完全子会社となることが決議されました。
(d)ストック・オプション
2009年7月9日から2017年6月22日までであります。
なお、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は100株であります。
Eisai Co., Ltd.
2007年6月22日、当社の定時株主総会およびその後の取締役会においてストック・オプション付与の件が承認・決議され、当社の役員お
よび使用人に対し、2,640個の新株予約権を発行することが決まりました。 当該新株予約権は2007年7月9日に発行され、その行使期間は
63
FINANCIAL SECTION
独立監査人の監査報告書
エーザイ株式会社
FINANCIAL SECTION
取締役会御中
当監査法人は、エ一ザイ株式会社及びその子会社の2006年4月1日から2007年3月31日及び2005年4月1日から2006年3月31日ま
での連結会計年度の日本円で表示された連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び
連結キャッシュ・フロー計算書について監査を行った。この連結財務諸表の作成責任は経営者にあり、当監査法人の責任は独立の立場
から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
Eisai Co., Ltd.
64
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準は、当監査法人に連
結財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求めている。監査は、試査を基礎として行われ、経営者が
採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りの評価も含め全体としての連結財務諸表の表示を検討する
ことを含んでいる。当監査法人は、監査の結果として意見表明のための合理的な基礎を得たと判断している。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、エ一ザイ株式会社
及び子会社の2007年3月31日及び2006年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。
連結財務諸表に関する注記2に記載されているとおり、エーザイ株式会社及び子会社は当連結会計年度から貸借対照表の純資産の
部の表示に関する会計基準及びストック・オプション等に関する会計基準が適用されることとなるため、当該会計基準を適用し連結財
務諸表を作成している。
連結財務諸表に関する注記18に記載されているとおり、100%子会社である米州統括会社Eisai Corporation of North Americaは、
2007年4月16日(米国時間)に米国Morphotek Inc.の株式を取得し100%子会社としている。
当監査法人はまた、日本円金額から米ドル金額への換算についても監査を行った。当監査法人は、換算は注記1に記載された基準に
準拠して行われているものと認めた。これら米ドル金額は、日本国外の利用者の便宜上表示されたものである。
デロイト・トゥシュ・トーマツ
2007年6月22日
注)本監査報告書は、Eisai Co., Ltd. Annual Report 2007に掲載されている“INDEPENDENT AUDITORS’ REPORT”を翻訳したものです。
知的財産、リスク情報
4. 特許
知的財産の保護・強化
エーザイでは、研究開発で得られた成果を守るために積極的
な特許出願を行っていますが、医薬品事業のグローバル化の進
独自に開発した技術や製品を法的に保護し、有効活用するこ
展に伴い、海外への特許出願件数が大幅に増加し、出願国の数
も増えています。海外への特許出願の要否や出願国については、
できないものです。そのためエーザイでは、社の製品戦略と研
各発明の重要性を十分に評価しながら決定しています。
究開発戦略に沿って、特許など、知的財産に関する諸活動を戦
略的に進めています。
5. 商標
エーザイは、すべての医薬品について患者様に支持される商
知的財産部は、国内外研究拠点の知的財産担当者と緊密に連
携しながら、特許、商標、意匠、著作権等の知的財産にかかわ
品名を開発し、それらを商標権によって保護しています。また、
マーケティング部門と連携して、ブランド戦略をグローバルに展
開しています。
る活動をグローバルに展開しています。特に、海外研究拠点ま
で含めたグローバルな知的財産活動においては、連携強化に努
め、各拠点の知的財産部門の責任者間で定期的に情報を共有し、
グローバルな視点での意思決定を行っています。また、特許出
事業等のリスク
願や先行技術調査等では、事業部や研究現場と密接に連携して
活動しています。エーザイネットワーク企業との連携も進めて
当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資
おり、エーザイの研究開発活動をグローバルにマネジメントす
判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、次のとおり
るエーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社
であります。なお、これらのリスクは、有価証券報告書提出日現
に対しては、緊密な連携のもとに知的財産活動を支援していま
在において判断、予想したものであります。
す。さらに、前述の新規技術や有望化合物の導入時には、関連
組織と連携し合い、着実な権利化による保護やコンプライアン
スに則した作業を重視しています。
(1)海外展開におけるリスク
当社グループは、
「アリセプト」および「パリエット/アシフェッ
クス」を軸として、日本をはじめ、米国、欧州、アジアを中心に生
2. 研究開発と知的財産戦略
産・販売活動を展開しております。グローバルな事業活動を展開
エーザイの売上の大部分は、医療用医薬品、つまり医師の処
するうえで、法的規制、政情不安や事業環境の不確実性などのリ
方に基づき患者様が服用する薬です。これら医療用医薬品の探
スクを完全に回避できる保証はありません。このようなリスクに
索研究においては、遺伝子、タンパク質、スクリーニング方法、
直面した場合、当該国における収益が当初の見込みを達成でき
医薬品候補化合物等を戦略的に特許出願し、研究成果や技術を
ない可能性があります。
積極的に保護しています。探索研究の結果見出された有望化合
物についても、発売後の医薬品が適切に保護されるよう、各拠
(2)新薬開発の不確実性
点の研究部門と連携して戦略的な特許出願を行い、その権利化
医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発を中止
に注力しています。さらに、開発中および発売後の医薬品につ
する可能性があります。また、臨床試験で良い結果が得られた場
いては、患者様のベネフィット向上につながるよう、その医薬
合であっても、製品開発中に施行される承認審査基準の変更に
品の持つポテンシーを最大限に引き出し、新製剤、新医薬用途、
より、承認が得られない可能性があります。開発の不確実性によ
新投与形態等の研究を行って、得られた成果を特許権で保護し
る新薬の開発中止などの理由で、将来に期待していた収益が得
ています。
られない可能性があります。
3. ライセンス関連活動の事業への貢献
(3)他社とのアライアンスにおけるリスク
エーザイは、特許権そのもののライセンス料から収益をあげ
当社グループは、主要製品である
「アリセプト」および「パリエッ
ることよりも、事業収益を確保する手段としての特許化に重点
ト/アシフェックス」について、他社との業務提携を行っておりま
をおいています。
す。米国、欧州主要国では市場全体をカバーし、プロダクト・セー
65
CORPORATE INFORMATION
1. 知的財産活動
Eisai Co., Ltd.
とは、企業が持続的に成長・発展していくうえで欠かすことの
CORPORATE INFORMATION
Eisai Co., Ltd.
66
ルスの極大化をはかるため、提携企業の販売促進協力を受けて
合成ビタミンEバルク製品に関する価格および販売活動に関し
おります。これら提携企業との良好な協力関係が保たれなくなっ
て訴訟対象となっております。
た場合、売上高が減少し業績に重要な影響を及ぼす可能性があ
ります。また、製品買収や導入品などの活動に伴う不確実性によ
り、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(10)工場の閉鎖または操業停止
技術上の問題、使用原材料の供給停止、火災、地震、その他の
災害等により工場が閉鎖または操業停止する可能性があります。
(4)医療費抑制策
日本では医療費抑制策の一環として、通常 2年に 1回程度、医
この場合、製品の供給が妨げられ、業績に重要な影響を及ぼす
可能性があります。
療用医薬品の薬価が引き下げられております。欧米、アジアの
国々などにおいても、医薬品の価格低減への圧力は年々高まっ
ており、売上高を減少させる要因となります。
(11)使用原材料の安全性に関するリスク
使用する原材料に安全性の懸念が発生した場合、使用原材料
の変更はもちろんのこと製品の回収、販売停止等を実施し、業
(5)後発医薬品に関する競合・訴訟
績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
先発医薬品の特許には期限があります。通常、先発医薬品の
特許が切れると同成分のジェネリック医薬品(後発医薬品)が発
売されます。開発リスクを伴わないジェネリック医薬品の低価格
(12)外部への業務委託に関するリスク
当社グループでは研究や製造などの一部を外部へ業務委託し
での販売により、市場シェアを奪われる可能性があります。また、
ております。何らかの原因で業務委託先が操業停止し、当社グ
特許期間内であっても、米国のようにジェネリック医薬品の申請
ループへの委託業務の供給が妨げられることがあった場合、業
が可能な国もあります。現在、
「アシフェックス」および「アリセプ
績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
ト」の 2 品について、ジェネリック医薬品の申請が米国 Hatch-
Waxman法に基づきなされております。当社グループは、これ
に対して特許侵害訴訟を提起しておりますが、その結果によって
は、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13)環境に関するリスク
当社グループ所有の事業所が環境汚染の原因と判断された場
合、事業所の閉鎖等の法的処置が講じられる可能性があります。
また、周辺地域への補償責任や環境改善に要する費用は、業績
(6)知的財産に関するリスク
に重要な影響を及ぼす可能性があります。
特許の不成立や特許成立後の無効審判、または取得した特許
を適切に保護できない場合、想定より早く他社の市場参入を招
き、売上高が減少する可能性があります。
(14)ITセキュリティおよび情報管理に関するリスク
当社グループでは業務上、各種 ITシステムを駆使しているた
め、システムの不備やコンピューターウィルス等の外部要因によ
(7)副作用発現のリスク
り、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め
製品に重大な副作用が発現した場合、処方の停止、製品の回収
多くの情報を保有していますが、万が一の事故等によりその情
等の措置を取る可能性があります。発現した副作用に対する情
報が社外に流出した場合、信用を大きく失うことで業績に重要
報の収集、伝達および製品の回収は費用の増加につながります。
な影響を及ぼす可能性があります。
(8)法規制に関するリスク
(15)金融市況および為替の動向に関するリスク
医薬品事業は、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制に関
市場性のある株式等を保有しているため、株式市況の低迷に
連しており、法規制の制定や改定により業績に重要な影響を及
よってはこれらの株式等の売却損や評価損が生じ、また、金利動
ぼす可能性があります。法規制に適合しない場合、製品の回収
向によって退職給付債務の増加など業績に重要な影響を及ぼす
さらには製品の許認可の取り消し、あるいは賠償請求等の可能
可能性があります。さらに連結売上高の半分以上を外貨で占め
性があります。
ているため、連結子会社業績の円換算において外国為替変動の
影響を受けます。また、輸出入取引においても外国為替変動が
(9)訴訟に関するリスク
現在直面している訴訟または将来直面する訴訟の結果が、業
績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、
業績に重要な影響を及ぼします。
会社沿革
欧州
2007 英国に医薬品生産子会社を
設立
会社を設立
2007 バイオベンチャー、モルフォ
テック社を買収 2006 ライガンド社より抗がん剤4
品目を買収、販売を開始
「プリアルト」の発売
2005 「フラグミン」の販売を開始
英国に欧州戦略拠点の設立
を決定
2004 エラン社より「ゾネグラン」
2005 「ゾネグラン」を英国、ドイ
スウェーデンに販売子会社
を設立
スイスに販売子会社を設立
イタ リ ア に 販 売 子 会 社 を
設立
2004 英国に欧州統括・持株会社
を設立
2002 フランス子会社 Eisai S.A.
がBIODIM社の全株式を
取得
2001 スペインに販売促進子会社
を設立
1998 「アリセプト」をフランスで
発売
「パリエット」を英国、ドイ
ツで発売
1997 「アリセプト」を英国、ドイ
ツで発売
1996 ドイツ・フランスに医薬品
販売会社を設立
1995 英 国 に 医 薬 品 販 売 会 社 を
設立
1992 ロンドン研究所が竣工
2003 「アシフェックス」の物流を
自社で展開
「アリセプト」の物流を自社
で展開
2002 ファイザー社の「セレビック
ス」販売促進活動開始
Eisai Inc. の 臨 床 機 能 を
分 社 化し 、Eisai Medical
Research Inc.を設立
2000 ケアギバー・マニュアル作
成・配布
1999 「アシフェックス」発売
1997 「アリセプト」を発売
生産工業化研究施設が竣工
製剤化研究、医薬品生産施
設が完成
1995 医薬品販売会社Eisai Inc.を
設立
1992 統括・管理会社を設立
1989 ボストン研究所が竣工
2007 三光純薬株式会社を完全子
会社化へ
2006 研究開発部門のマネジメン
ト機能などを分社化
2004 機械事業部を分社化
委員会等設置会社へ移行
食品・化学事業部を分社化
2003 動物薬事業を明治製菓株式
会社に譲渡
2002 1単元の株式数を1,000株か
ら100株に変更
2001 研究開発特別インセンティ
ブ制度導入
持株会社「サンプラネット」
設立
「環境・社会報告書」を発行
開始
2000 経営体制を改革(執行役員
制度の導入など)
1999 川島工園ISO14001取得
「アリセプト」発売
アジア
2007 インドに医薬品の原薬研究・
生産会社を設立
2006 シンガポールに臨床研究子
会社を設立
シンガポールに医薬品販売
子会社を設立
2004 インドに医薬品販売子会社
を設立
2000 「パリエット」を香港・イン
ドネシア・マレーシアなど
で発売
1999 「パリエット」をタイで発売
1998 「アリセプト」を香港、タイ
などで発売
中国で蘇州工場が竣工
1997 韓国に医薬品の販売会社を
設立
1996 中国に医薬品の製造・販売
会社を設立
1995 台湾に医薬品の販売支援会
社を設立
1991 香港に医薬品の販売支援会
1997 「パリエット」発売
社を設立
1996 ホームページを開設
(http://www.eisai.co.jp)
中国に医薬品の製造・販売
会社を設立
1993 コーポレートメッセージを
「 ヒ ュ ー マ ン・ヘ ル ス ケ
ア」に
1989 タイに医薬品の販売会社を
設立
1987 台湾に医薬品の販売支援会
1988 臨床開発会社を設立
1991 初めて連結決算を発表
社を設立
1987 ボストン研究所を設立
1990 三光純薬を子会社化
1981 化学品、製薬用機械の販売
1988 内 藤 祐 次 が 会 長 と な り 、
インドネシアでボゴール工
場が竣工
会社を設立
内藤晴夫が社長に就任
1990 ロンドン研究所を設立
1982 筑波研究所(茨城県)が竣工
1989 ドイツに現地法人を設立
1981 美里工場(埼玉県)稼働
1988 英国に現地法人を設立
1966 川島工園(岐阜県)稼働
創業者内藤豊次が会長とな
り、内藤祐次が社長に就任
1961 東京・大阪証券取引所第1部
に上場
1955 社名をエーザイ株式会社に
改称
1944 桜ヶ岡研究所、日本衛材株
式会社は対等合併し、日本
衛材株式会社に一本化
1941 埼玉県本庄町に、日本衛材
株式会社を設立
1936 エーザイ株式会社の前身で
ある合資会社桜ヶ岡研究所
を内藤豊次が設立
1979 シンガポールに医薬品の販
売支援、経営サービス会社
を設立
1974 マレーシア、フィリピンに医
薬品の販売会社を設立
1972 台湾で台南工場が竣工
1970 インドネシアに医薬品の製
造・販売会社を設立
67
CORPORATE INFORMATION
ツで発売
を買収、販売を開始
日本
Eisai Co., Ltd.
2006 ポルトガルに医薬品販売子
米国
国内・海外ネットワーク
19
CORPORATE INFORMATION
海外の主な関係会社
Eisai Co., Ltd.
68
8 11
10 9
米国
15
13 12
14 18
17
20
2 Eisai Corporation of North America
16
100 Tice Boulevard Woodcliff Lake, New Jersey
07677, U.S.A.
TEL: 1-201-692-1100
FAX: 1-201-746-2940
29
3 Eisai Research Institute of Boston Inc.
4 Corporate Drive Andover
Massachusetts 01810, U.S.A.
TEL: 1-978-794-1117
FAX: 1-978-794-4910
28
32
6 Eisai Medical Research Inc.
55 Challenger Road, Ridgefield Park
New Jersey 07660-2104, U.S.A.
TEL: 1-201-403-2500
FAX: 1-201-462-9350
7 Morphotek, Inc.
210 Welsh Pool Road, Exton, Pennsylvania
19341 U.S.A.
TEL: 1-610-423-6100
FAX: 1-610-423-6199
欧州
8 Eisai Europe Ltd.
Titan Court, 3 Bishop Square, Hatfield,
Hertfordshire AL10 9NE, U.K.
TEL: 44-20-8600-1400
FAX: 44-20-8600-7300
9 Eisai London Research Laboratories Ltd.
Bernard Katz Building
University College London
Gower Street, London WC1E 6BT, U.K.
TEL: 44-20-7388-4746
FAX: 44-20-7413-1121
= Eisai Ltd.
Titan Court, 3 Bishop Square, Hatfield,
Hertfordshire AL10 9NE, U.K.
TEL: 44-20-8600-1400
FAX: 44-20-8600-1401
A Eisai Manufacturing Ltd.
Titan Court, 3 Bishop Square, Hatfield,
Hertfordshire AL10 9NE, U.K.
TEL: 44-20-8600-1400
FAX: 44-1707-252-650
B Eisai GmbH
Lyoner Strasse 36
D-60528 Frankfurt am Main, Germany
TEL: 49-69-665850
FAX: 49-69-6658585
C Eisai Machinery GmbH
Mathias Brueggen Strasse 142
D-50829 Koeln, Germany
TEL: 49-221-9564590
FAX: 49-221-9564599
D Eisai S.A.S.
Tour Manhattan, 5-6 Place de I’Iris
92095 Paris La Défense 2 Cedex, France
TEL: 33-1-47670005
FAX: 33-1-47670015
26
C
30
27
25
4 Eisai Machinery U.S.A. Inc.
[Machinery Division]
3 University Plaza, Hackensack
New Jersey 07601-6208, U.S.A.
TEL: 1-201-746-2111
FAX: 1-201-692-1972
5 Eisai Inc.
100 Tice Boulevard Woodcliff Lake, New Jersey
07677, U.S.A.
TEL: 1-201-692-1100
FAX: 1-201-746-3201
A Eisai Inc./Research Triangle (RTP)
900 Davis Drive, P.O. Box 14505
RTP, North Carolina 27709, U.S.A.
TEL: 1-919-941-6920
FAX: 1-919-941-6931
1
D 31
22 23
24
21 B
E Eisai B.V.
Strawinskylaan 909, 1077 XX
Amsterdam, The Netherlands
TEL: 31-20-575-3340
FAX: 31-20-575-3341
F Eisai Farmacêutica S.A.
C/Arturo Soria 336, 3a Planta
28033 Madrid, Spain
TEL: 34-91-455-9455
FAX: 34-91-721-0506
G Eisai S.r.l.
Via dell’Unione Europea 6, 7th Floor
20097 San Donato Milanese (MI), Italy
TEL: 39-02-518-1401
FAX: 39-02-518-14020
H Eisai Pharma AG
Schaffhauserstrasse 611, 8052 Zurich, Switzerland
TEL: 41-44-306-1212
FAX: 41-44-306-1280
I Eisai AB
Svardvagen 3a, Danderyd
P.O. Box 23060 104 35 Stockholm, Sweden
TEL: 46-8-501-01-600
FAX: 46-8-501-01-699
J EF-Eisai Farmacêutica, Unipessoal Lda.
Rua dos Maloes, Edificio D. Pedro I, #107
Paco D’Arcos, 2770-071 Portugal(仮オフィス)
TEL: 351-21-000-16-00
FAX: 351-21-000-16-75
アジア
K P.T. Eisai Indonesia
Ratu Plaza Office Tower, 11th Floor
Jl, Jend. Sudirman 9, Jakarta 10270, lndonesia
TEL: 62-21-571-3304
FAX: 62-21-571-3305
B Bogor Factory
Desa Karang Asem Barat, Kecamatan Citeureup,
Kabupaten Bogor Jawa-Barat 16001, Indonesia
TEL: 62-21-875-3202
FAX: 62-21-876-4886
L Eisai Asia Regional Services Pte. Ltd.
M Eisai (Singapore) Pte. Ltd.
#15-05/07, 152 Beach Road,
Gateway East, Singapore 189721
TEL: 65-6296-6977
FAX: 65-6292-2185
N Eisai Clinical Research Singapore Pte. Ltd.
#15-05/07, 152 Beach Road,
Gateway East, Singapore 189721
TEL: 65-6297-6624
FAX: 65-6297-6328
O Eisai (Malaysia) Sdn. Bhd.
Lot 6.1, 6th Floor, Menara Lien Hoe
No. 8, Persiaran Tropicana
47410 Petaling Jaya, Malaysia
TEL: 60-3-7803-9096
FAX: 60-3-7803-0060
P Eisai (Thailand) Marketing Co., Ltd.
6th Floor, GPF Witthayu Tower A
93/1 Wireless Road, Bangkok 10330, Thailand
TEL: 66-2-256-6296
FAX: 66-2-256-6299
Q HI-Eisai Pharmaceutical Inc.
20th Floor, Multinational Bancorporation Centre
6805 Ayala Avenue, 1226 Makati City, Philippines
TEL: 63-2-887-1047
FAX: 63-2-887-5172
R Eisai (Hong Kong) Co., Ltd.
Room 2008, Fortress Tower
250 King’s Road, North Point
Hong Kong, China
TEL: 852-2516-6128
FAX: 852-2561-5042
S Eisai Korea Inc.
#1201, 12F City Air Tower 159-9
Samsung-Dong, Kangnam-ku
Seoul 135-973, Korea
TEL: 82-2-3451-5500
FAX: 82-2-3451-5599
T 衛采製薬股M有限公司
9th Floor, No. 18, Chang An E. Road, Sec. 1
Taipei, Taiwan
TEL: 886-2-2-531-4175
FAX: 886-2-2-531-0063
C 衛采製薬股L有限公司台南廠
(台南工場)
No. 54, Gong-Yeh West Road, Guan Tyan
Hsiang, Tainan Hsien, Taiwan
TEL: 886-6-698-5180
FAX: 886-6-698-7539
U 衛材(中国)薬業有限公司
20th Floor, Plaza 66, 1266, Nanjing Xi Road,
Shanghai, 200040 China
TEL: 86-21-6288-3118
FAX: 86-21-6288-3198
D 衛材
(中国)薬業有限公司(蘇州工場)
Bai Yu Road #32 Suzhou Industrial Park Suzhou,
Jiangsu Province, 215021 China
TEL: 86-512-6761-3211
FAX: 86-512-6761-8640
V Eisai Pharmaceuticals India, Pte. Ltd.
1st Floor, B-Wing, Marwah Centre
Krishanlal Marwah Marg, Andheri (East)
Mumbai 400072, India
TEL: 91-22-2857-9740
FAX: 91-22-2857-9720
株式会社カン研究所
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町6-7-3
神戸MI R&Dセンター3F
TEL: 078-306-5910
FAX: 078-306-5920
3
〔厚木センター〕
〒243-0213 神奈川県厚木市飯山字台地堂3039-1
TEL: 046-248-2654
FAX: 046-247-9559
〔札幌センター〕
〒006-0832 札幌市手稲区曙2条4-4-25
TEL: 011-688-0205
FAX: 011-688-0335
株式会社クリニカル・サプライ
〒501-6024 岐阜県各務原市川島竹早町3
TEL: 0586-89-2711
FAX: 0586-89-3225
工場・研究所
国内事業所
1 本社
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
TEL: 03-3817-3700(大代表)
コミュニケーション オフィス
札幌
〒003-0021 札幌市白石区栄通4-3-1
TEL: 011-851-6171
FAX: 011-853-3523
仙台
〒989-3121 仙台市青葉区郷六字龍沢26-3
TEL: 022-226-2111
FAX: 022-226-1730
東京
〒112-0004 東京都文京区後楽2-5-1
住友不動産飯田橋ファーストビル2F
TEL: 03-3817-5285
FAX: 03-3811-5202
名古屋
〒461-0001 名古屋市東区泉2-13-23
TEL: 052-931-1311
FAX: 052-932-5547
大阪
〒530-0005 大阪市北区中之島3-3-3
中之島三井ビルディング10F
TEL: 06-6448-9001
FAX: 06-6448-9011
広島
〒730-0037 広島市中区中町7-22
住友生命広島平和大通りビル9F
TEL: 082-244-1212
FAX: 082-246-6853
福岡
〒818-0131 福岡県太宰府市水城2-26-1
TEL: 092-924-1112
FAX: 092-925-3879
※上記のほか、全国60カ所にコミュニケーション オフィスが
あります。
美里工場
〒367-0198 埼玉県児玉郡美里町大字広木950
TEL: 0495-76-3111
FAX: 0495-76-1841
川島工園
〒501-6195 岐阜県各務原市川島竹早町1
TEL: 0586-89-3115
FAX: 0586-89-3848
鹿島事業所
〒314-0255 茨城県神栖市砂山22
TEL: 0479-46-1155
FAX: 0479-46-1095
筑波研究所
〒300-2635 茨城県つくば市東光台5-1-3
TEL: 029-847-5900
FAX: 029-847-8489
国内の主な関係会社
三光純薬株式会社
〒101-0032 東京都千代田区岩本町1-10-6
TMMビル6F
TEL: 03-3865-4311
FAX: 03-3864-5644
サンノーバ株式会社
〒370-0426 群馬県太田市世良田町3038-2
TEL: 0276-52-3611
FAX: 0276-52-1341
エルメッド エーザイ株式会社
〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-23-5
TEL: 03-3980-6633
FAX: 03-3980-6634
株式会社サンプラネット
〒112-0012 東京都文京区大塚3-5-10
住友成泉小石川ビル8F
TEL: 03-5978-1941
FAX: 03-5978-1970
エーザイ生科研株式会社
〒113-0033 東京都文京区本郷4-8-13 TSKビル3F
TEL: 03-5689-6460
FAX: 03-5689-6464
〔熊本事業所〕
〒861-2401 熊本県阿蘇郡西原村鳥子312-4
鳥子工業団地内
TEL: 096-279-3133
FAX: 096-279-2897
株式会社パルマビーズ研究所
〒210-0855 神奈川県川崎市川崎区南渡田町1-12
研究C棟3F
TEL: 044-329-1351
FAX: 044-366-2767
ブラッコ・エーザイ株式会社
〒112-0012 東京都文京区大塚3-11-6
大塚3丁目ビル8F
TEL: 03-5319-3381
FAX: 03-5319-3387
エーザイフード・ケミカル株式会社
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-13-10
日本橋サンライズビルディング5F
TEL: 03-3548-3560
FAX: 03-3273-2084
エーザイマシナリー株式会社
〒112-0012 東京都文京区大塚3-5-10
住友成泉小石川ビル5F
TEL: 03-5319-2202
FAX: 03-3942-2730
エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント
株式会社
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
飯野竹早ビル3F
TEL: 03-3817-3658
FAX: 03-3815-6702
69
CORPORATE INFORMATION
〔北房センター〕
〒716-1401 岡山県真庭市五名1850
TEL: 0866-52-2210
FAX: 0866-52-4220
Eisai Co., Ltd.
エーザイ物流株式会社
〒243-0213 神奈川県厚木市飯山字台地堂3039-1
TEL: 046-248-2655
FAX: 046-248-5909
2 5
4
7 6
A
国内主要製品一覧
CORPORATE INFORMATION
主な医療用医薬品
Eisai Co., Ltd.
70
アリセプト
アルツハイマー型認知症
治療剤
アクトネル
骨粗鬆症治療剤
アゼプチン
アレルギー性疾患治療剤
クリアクター
血栓溶解剤
プロハンス
非イオン性MRI用造影剤
コアテック
急性心不全治療剤
マクサルト
5-HT1B/1D 受容体作動型
セルベックス
胃炎・胃潰瘍治療剤
タンボコール
頻脈性不整脈治療剤
イオメロン
非イオン性造影剤
グラケー
骨 粗 鬆 症 治 療 用 ビ タ ミン
K2剤
ニトロールR
長時間作用型硝酸
イソソルビド製剤
グルカゴン(遺伝子組換え)
製剤
パリエット
プロトンポンプ阻害型
抗潰瘍剤
注射用グルカ
ゴンG・ノボ
デタントールR 1日1回型α1遮断降圧剤
片頭痛治療剤
ミオナール
筋緊張改善剤
メチコバール
末梢性神経障害治療剤
ワーファリン
経口抗凝固剤
主な薬粧品
サクロン
飲み過ぎに、スーッと効く
緑の胃ぐすり
シーボンド
チョコラBB
ピュア
活 性 型ビタミン B 2 主 薬 製
剤、B6、B1、C配合
チョコラBB
ドリンクⅡ
疲れた時と肌あれに、ビタ
ミンB2配合のドリンク
チョコラBB
ライト2
ビタミンB2配合のドリンク
トラベルミン
乗りもの酔い薬
総入れ歯安定剤
スカイナー
鼻炎S錠
鼻炎用内服薬
セルベール
整胃錠
弱った胃を粘液のベールで
整える胃ぐすり
ナボリンS
メコバラミン主剤
ハイガード
アレ ル ギ ー によ る 鼻 炎 や
皮ふの症状の改善薬
ブリーズライト
鼻孔拡張テープ
ユビテンS
エネルギー代謝改善型循環
器官用薬
(コエンザイムQ10
製剤)
ユベラックス
天然ビタミンE剤
クリニサーチ
CA・RF
血清中の抗ガラクトース欠
損IgG抗体検出用試薬
ルミパルス
PIVKA-Ⅱ
エーザイ
血清中PIVKA-Ⅱ測定用
医薬品
主な診断薬
アルブシュア
尿 中 微 量 アル ブ ミン 検 出
試薬
エイテストKL-6 血 清 中 シ アル 化 糖 鎖 抗 原
KL-6測定用医薬品
エイテスト
血清中IgG-RF測定用
医薬品
エイテスト
PIVKA-Ⅱ
IgGRF
血中PIVKA-Ⅱ測定用
医薬品
トロンボテスト 複合凝固因子測定試薬
オーレン
ピコルミ
血清中抗ガラクトース欠損
CA・RF
IgG抗体測定用医薬品
ピコルミKL-6
血 清 中 シ アル 化 糖 鎖 抗 原
KL-6測定用医薬品
ピコルミ
PIVKA-Ⅱ
血中PIVKA-Ⅱ測定用
医薬品
ヘパプラス
チンテスト
複合凝固因子測定試薬
71
CORPORATE INFORMATION
疲れた時と肌あれに、ビタ
ミンB2主剤
Eisai Co., Ltd.
ザーネクリーム 薬用スキンケアクリーム
チョコラBB
プラス
組織図
CORPORATE INFORMATION
(2007年6月22日現在)
秘書室
コーポレートストラテジー室
グローバルHRM戦略室
知創部
Eisai Co., Ltd.
72
事業開発部
ビタミンE情報室
知的財産部
内部統制推進部
アジア・大洋州・
中東事業本部
信頼性保証本部
取締役会
事務局
医薬事業部
企業倫理推進部
日本事業本部
株主総会
取締役会
社長
薬粧事業部
執行役会
創薬研究本部
指名委員会
法務部
報酬委員会
経営計画部
臨床研究センター
生産物流本部
監査委員会
経営監査部
財務経理部
国内ネットワーク推進部
システム企画部
人事部
くすり博物館
コーポレートコミュニケーション部
総務部
環境安全部
会社概要
(2007年3月31日現在)
設立
1941年
資本金
44,985百万円
商号
従業員数
4,050名(単体)、9,649名(連結)
エーザイ株式会社(英文名:Eisai Co., Ltd.)
株主数
42,849名
株主名簿管理人
三菱UFJ信託銀行株式会社
上場証券取引所
東京、大阪
米国預託証券保管・代理人
JPMorgan Chase Bank, N.A.
4 New York Plaza, New York, NY10004 U.S.A.
証券コード
4523
監査法人
〒108-8530 東京都港区芝浦4-13-23 MS芝浦ビル
公告方法
電子公告
http://www.eisai.co.jp/fr/index.html
監査法人 トーマツ
ただし、やむを得ない事由が生じた場合は、日本経済新聞
に掲載する。
患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を考え
企業理念
そのベネフィット向上を第一義とし
世界のヘルスケアの多様なニーズを充足する
一人ひとりが法令と倫理を遵守したビジネス活動を徹底し
めざす企業像
いかなる医療システム下においても存在意義のある
ヒューマン・ヘルスケア企業
お問い合わせ先
〒112-8088
東京都文京区小石川4-6-10 エーザイ株式会社 コーポレートコミュニケーション部
TEL: 03-3817-5120 FAX: 03-3811-3077
http://www.eisai.co.jp
ホームページには会社案内、ニュースリリース、IR情報、患者様向け情報などを掲載しております。
73
CORPORATE INFORMATION
定時株主総会
6月下旬
発行済株式総数
296,566,949株
Eisai Co., Ltd.
本社所在地
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
TEL:03-3817-3700(大代表)
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