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避難所運営の手引き

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避難所運営の手引き
避難所運営の手引き
土
浦
-1-
市
1
避難所とは
土浦市では、市立の小中学校28校を地区防災拠点に指定しています。
地区防災拠点は、災害対策上次のことを行う拠点となります。
(1) 食料、水、救援物資などの配布場所
(2) 生活情報の提供場所
(3) 家族の安否確認の場所
(4) 避難所
ま た 、地 区 防 災 拠 点 の う ち 、8 中 学 校 に 医 療 救 護 所 を 設 置 し 、医 療 拠 点 と
します。
2
地区防災拠点に備蓄している資機材
地区防災拠点には、防災倉庫が設置されて避難所生活をする上で必要と
なるもの、救出救助に用いる道具、救急セットなどが備蓄されています。
防災倉庫に備蓄されている主な資機材は、次のとおりです。
カ ン パ ン ・ ミ ネ ラ ル ウ ォ ー タ ー ・ ア ル フ ァ 米 ・ ろ 水 機 ( 浄 水 器 )・ 水 運
搬袋・防災かまど
毛布・担架・リヤカー・医薬品セット・組立式トイレ・簡易トイレ・
ビニールシート
発電機・投光器・投光器用三脚・コードリール・ガソリン携行缶
ジャッキ・チェーンソー・メガホン・救助用バール
3
避難所の運営
勝手な行動ばかりを取る方や避難所の運営は誰かがやってくれるだろう
と思っている方ばかりでは、秩序ある共同生活、自主的な避難所運営は困
難になってしまいます。
そこで、自主防災会を中心とした地域の住民や避難所の代表者による自
治 組 織 「 避 難 所 運 営 委 員 会 」 を 結 成 し 、「 避 難 者 と し て 保 護 を 受 け る 者 」 で
はなく「避難生活の主体」として避難所の運営に当たることが必要となり
ます。
したがって、避難所の運営の主体は、避難者等が組織する「避難所運営
委員会」とし、市、学校施設管理者及びボランティアは、できる限りその
支援に当たることになります。
-2-
(1)避難所運営委員会の組織例示図
共同生活班
避
避
難
者
自主防災会
難
所
運営委員会
委員長
副委員長
学
校
市災対本部
ボランティア
*
作
業
班
総 務 班(5 人)
給 食 給 水 班 ( 15 人 )
救 護 班 ( 10 人 )
清 掃 班 ( 15 人 )
物 資 分 配 班 ( 20 人 )
情報広報班(5 人)
名簿総括班(5 人)
()内の人数は、必要人員数の目安……避難所の規模により増減あり、
人数等は、運営委員会で決定。
(2)各班の主な任務
ア
総務班・情報広報班…総務、情報広報対策
『総務班』
①
防災倉庫内の資機材の取扱い及び管理をします。
②
災 害 発 生 時 間 、被 害 状 況 、避 難 者 の 状 況 に 見 合 っ た 避 難 所 の レ イ ア
ウトを学校管理者等と相談し、早期に設定します。
③
避難所生活を避難所住民の協力を得ながら秩序あるものとして維
持 す る た め 、必 要 が あ れ ば 、保 安 要 員 を 確 保 し 、避 難 所 内 を パ ト ロ ー
ルします。
④
ボ ラ ン テ ィ ア と 連 絡 調 整 に 当 た り 、避 難 所 の 運 営 に 協 力 し て も ら い
ます。
⑤
避難所日誌を記録します。
⑥
避難所運営委員会の庶務を担当し、事務局を兼ねます。
『情報広報班』
①
デマやパニックの防止の観点から情報管理の一元化に努めます。
②
避 難 所 直 行 職 員 及 び 避 難 所 従 事 市 職 員 並 び に 学 校( 職 員 )と の 連 絡
調 整 を 行 い 、避 難 所 生 活 に 必 要 と な る 生 活 関 連 情 報 、生 活 支 援 情 報 等
の情報を収集し、伝達します。また、避難所での要望を伝えます。
③
避 難 所 内 に 1 箇 所 設 置 さ れ た 掲 示 場 を 管 理 し 、時 系 列 を 考 慮 し た 掲
示方法により各種情報を伝達します。
-3-
イ
給食給水班…炊き出し・飲料水の供給
①
自主防災会などの炊き出し用の資材を用意できた場合は市職員と
連携し炊き出しを行います。
②
飲 料 水 は プ ー ル の 水 や 備 蓄 し て あ る ミ ネ ラ ル ウ ォ ー タ ー 、耐 震 性 貯
水槽の水を利用します。
③
炊 き 出 し に 必 要 な 材 料 、燃 料 等 を 、市 職 員 を 通 じ 市 災 害 対 策 本 部 に
要請し、確保します。
ウ
救護班…要援護者の保護
①
障害者、お年寄り、傷病者の方々を援護します。
②
名簿総括班と連携し、傷病者の把握に努めます。
③
負傷者の応急手当、医療機関への誘導、搬送の手配をします。
④
医 療 拠 点 と な る 中 学 校 に あ っ て は 、参 集 す る 市 医 師 会 救 護 班 と 連 携
し、傷病者の救護に協力します。
⑤
医 療 拠 点 と な ら な い 小 学 校 に あ っ て は 、比 較 的 軽 度 の 負 傷 者 の 救 護
に当たります。
エ
清掃班…環境衛生対策
①
仮設トイレをあらかじめ定められた場所に設置します。
②
避難所からのごみの出し方(分別)のルールの徹底を指導します。
③
ご み 収 集 及 び 焼 却 施 設 が 稼 動 す る ま で の 間 は 、学 校 施 設 の 敷 地 内 で 、
ごみを処理(保管)します。
④
避難所の清掃を行います。
⑤
市 災 害 対 策 本 部 に 必 要 な 防 疫 用 薬 剤 を 要 請 し 、ご み 集 積 場 所 等 の 場
所で発生するハエ、カなどの衛生害虫の駆除をします。
オ 物資分配班…食料・生活用品等の調達・配布
①
備 蓄 食 料 や 救 援 物 資 、生 活 必 需 物 資 な ど を 市 災 害 対 策 本 部 か ら 受 入
れ、配布します。
②
名 簿 総 括 班 と 連 携 し 、避 難 者 数 を 把 握 し 、必 要 と な る 物 資 の 数 量 を
把握します。
③
高齢者、障害者等への対応の優先及び公平な分配に努めます。
④
配布時に、混乱が起きないような対策を講じます。
カ
名簿総括班…避難所生活者名簿の管理
①
名簿により避難所生活者の把握に努めます。
②
名 簿 の 一 元 管 理 を し 、入 所 者 、出 所 者 を 確 実 に 把 握 し 作 業 各 班 に 情
報を提供し、各班の活動がスムーズに行えるよう連携を密にします。
* この 名 簿 は 、食 料 、 物 資 供 給 の 基 礎 デ ータ となり ます ので 、 この 管 理 は 重
要 です。
-4-
4
避難所従事者の任務
(1) 直行職員
阪神・淡路大地震の際、初動体制が遅れたことを考慮し、地区防災
拠点である小中学校の近くに居住する市職員を直行職員として地区
防災拠点に配備することとします。
直 行 職 員 は 、 土 浦 市 内 で 震 度 5弱 以 上 の 地 震 が 観 測 さ れ た と き は 、
あ ら か じ め 定 め ら れ て い る 直 行 場 所 へ 参 集 し 、災 害 対 策 活 動 に 当 た る
こととなっています。
主な任務は、参集途上で知った被害状況、避難所へ避難された方か
ら伝 え られ た 被害 状況 、避 難所 で の 状況 な どを 市 災害 対策 本 部へ 報 告
したり、災害対策本部からの情報を伝達する『情報収集伝達業務』及
び避難所を自主的に運営する組織として避難所運営委員会を立ち上
げる『避難所開設業務』となります。また、市災害対策本部の動員態
勢が機能し、各部の分担業務が行われるようになれば、避難所の運営
に当たる教育委員会職員に業務を引き渡します。
な お 、避難 所 内 に自 治 組織 で ある 避難 所 運営 委 員会 が編 成 され れ ば、
ほと ん どの 避 難所 内で の 業務 に つい ては 、避 難所 運 営 委員 会 が行 う こ
ととなりますので、その業務を引き渡すことになります。その場合、
避難 所 を担 当 する 教育 委 員会 の 職員 の主 た る業 務 とし ては 、避 難所 運
営委員会と市災害対策本部との調整及び避難所運営委員会の支援と
なります。
ア
情報収集伝達業務の内容及び手段
①
避難者名簿の作成
別に定める様式を用い、避難者名簿を作成し、併せて避難の状況、
病人・負傷者の有無、高齢者・障害者の状況を把握します。
こ の 場 合 、パ ソ コ ン 等 の 機 材 を 活 用 し た 取 り ま と め の 方 法 で 名 簿 の
記載 は 世帯 ご とに 行う こ とに よ り 、安否 確 認 、避難 所 の移 動 等の 作 業
をスムーズに行えるようにします。
②
被災状況の把握
被 災 状 況 の 把 握 は 、直 行 職 員 自 ら 参 集 途 上 で 知 っ た も の 、避 難 者 か
ら聞 い たも の によ りま す 。災 害救 助 法の 適 用 は 、そ う した 被 災状 況 の
情報をもとにした総務部の調査によることになります。
③
市災害対策本部等からの情報の伝達
市災害対策本部からの情報・広報を、掲示板を用い、避難した方々
に伝達します。
な お 、情 報の 受 伝達 に 関す る 管理 は一 元 化し 、管 理 する 部 署を 通 し
-5-
た情報のみを伝達することにより無用な混乱を排除します。
情報の伝達の方法は、掲示板を使い行いますが、伝達の際には、次
のことに留意しなければなりません。
避 難 所 で 生 活 し な け れ ば な ら な い 人 は 、健 常 者 の 方 ば か り で は あ り
ません。視覚障害者、聴覚障害者、日本語を理解する ことが困難な外
国人の方など情報を受ける際にハンディキャプを抱えている人たち
もい ま す 。情報 の 伝達 に 当た っ ては 、避難 所 受 付時 に 把握 し たそ う し
た人 た ちに 配 慮し 、避難 所 内 で介 添 えと な る人 の 協力 を求 め 、避 難所
内 で そ の よ う な 人 の 協 力 を 求 め る こ と が で き な い と き は 、市 災 害 対 策
本部に連絡し、介添えとなる人の派遣を要請します。
④
市災害対策本部への伝達の手段
電 話 回線 が 途絶 、輻輳 し て いな け れば 、電 話 回線 又 はフ ァ ック ス を
使用して連絡し、又電話回線が途絶、輻輳している場合は、職員室に
設置している地域防災無線を使用して連絡することとします。
イ
①
避難所開設業務の内容
避難所の開設
第 一 に 、あ ら か じ め 避 難 所 と し て 開 放 す る こ と と な っ て い る 屋 内 体
育 館 の 施 錠 を 解 き 、建 物 の 外 側 、内 側 か ら 建 物 の 破 損 状 況 を 目 視 に よ
り点検し、常識的判断の範囲で建物の倒壊危険の有無を判断します
( 実 質 的 な 判 断 は 、 応 急 危 険 度 判 定 士 が 到 着 し て か ら に な り ま す )。
建 物 の 倒 壊 の 危 険 が な い と 判 断 で き れ ば 、天 井 か ら の 落 下 物 、飛 び 散
っ た ガ ラ ス 等 を 除 去 し 、床 、壁 面 、天 井 の 安 全 を 確 認 し た 後 、避 難 し
てきた方たちを誘導します。
倒 壊 の 危 険 が 目 視 に よ り 明 ら か に あ る と 判 断 で き る 場 合 は 、校 庭 の
安全を確認し、そこに集合、待機させるようにします。
な お 、休 日 夜 間 は 直 行 職 員 が 避 難 所 の 開 設 の 担 当 と な り ま す が 、就
業時間中は学校職員および教育委員会職員が避難所開設の担当とな
ります。
②
避難所運営委員会の立ち上げの支援
秩 序 あ る 共 同 生 活 の た め に 、で き る だ け 早 く 自 主 組 織 で あ る 避 難 所
運営委員会を避難者の方々に組織していただくことになります。
ま ず 避 難 所 運 営 委 員 会 を 組 織 す る に あ た っ て は 、リ ー ダ ー が 必 要 と
なります。
あ ら か じ め 指 定 さ れ て い る 避 難 場 所( 屋 内 体 育 館 又 は 校 庭 )に 集 ま
っ て い た だ い た 方 に 声 を か け 、リ ー ダ ー に な っ て い た だ く 方 を 捜 し 出
し ま す 。特 に 、自 主 防 災 会 の リ ー ダ ー や 自 主 的 に 手 を 挙 げ た 方 た ち に
-6-
中心になっていただき、組織づくりを行うことになります。
ま た 、避 難 所 運 営 委 員 会 が 組 織 す る 救 護 班 を 編 成 す る と き に 、そ の
リーダーとして役割を担っていただく医療業務の専門的知識をもっ
ている看護師、保健師等の経験者の協力も求めます。
避 難 所 運 営 委 員 会 は 、委 員 長 、 副 委 員 長 の も と に 作 業 班 各 班 及 び 共
同生活班を組織します。
人選については、運営委員会で決めます。
共 同 生 活 班 は 、で き れ ば 避 難 所 内 の ブ ロ ッ ク ご と 又 は 教 室 ご と に 編
成し、その代表者(班長)を決めます。
避難所運営委員会は、避難所での状況を把握し、避難所での課題、
問 題 に 対 処 す る た め 又 は 情 報 収 集 伝 達 、各 班 の 役 割 等 を 再 確 認 す る た
め 、毎 日 時 間 を 定 め て 1 回 以 上 、作 業 班 各 班 、共 同 生 活 班 の 班 長 を 召
集 し 、学 校 関 係 、市 職 員 、ボ ラ ン テ ィ ア ほ か の 関 係 者 の 参 加 に よ り 会
議 を 行 い ま す 。( あ く ま で も 会 議 の 主 体 は 、 避 難 所 運 営 委 員 会 と な り
ま す の で 、 学 校 関 係 者 以 下 の 参 加 は オ ブ ザ ー バ ー と な り ま す 。) 又 、
できればミーティングルームとしてある程度の広さがある部屋を学
校管理者と相談し、確保しておくことが適当です。
な お 、作 業 各 班 の 人 員 の 張 り 付 け は 、固 定 化 す る こ と な く 輪 番 制( た
と え ば 1 週 間 単 位 又 は 1 か 月 単 位 )で 担 当 す る こ と が 公 平 性 の 観 点 よ
り適当といえます。
③
防災資機材の活用
防 災 倉 庫 内 に 備 蓄 さ れ て い る ろ 水 機 、発 電 機 、仮 設 ト イ レ 等 避 難 生
活 に 必 要 な 物 品 を 避 難 し て き た 方 と 協 力 し て 搬 出 し 設 営 し ま す 。な お 、
取 扱 い が 不 慣 れ な 場 合 は 、取 扱 い の 指 導 を 行 い 、で き る 限 り 自 治 組 織
の方が主体となって活動していただくようにします。
④
災害時要援護者に対する配慮
視 覚・聴 覚 障 害 者 、外 国 人 が 避 難 所 で の 共 同 生 活 を し な け れ ば な ら
な い こ と に 配 慮 し て 、視 覚 障 害 に 対 し て は 点 字 に よ る 掲 示 、ト イ レ へ
の 案 内 用 ロ ー プ の 設 置 、聴 覚 障 害 者 に 対 し て は 文 字 や 光 に よ る 伝 達 方
法 、外 国 人 に 対 し て は 通 訳 ボ ラ ン テ ィ ア の 配 備 等 の 工 夫 が 必 要 と な り
ます。
ウ
ミーティングルーム等の確保
避 難 所 運 営 委 員 会 が 、ミ ー テ ィ ン グ ル ー ム と し て 利 用 す る 部 屋 、ま た 、
医療救護所を開設する中学校にあたっては医療救護所としてある程度
の広さが確保された部屋を避難所の開設と平行して学校管理者と相談
して確保します。
-7-
エ
その他の業務
教 育 委 員 会 の 職 員 に 業 務 を 引 き 継 ぐ ま で の 間 、又 は 避 難 所 運 営 委 員 会
が 組 織 さ れ る ま で の 間 、避 難 所 で 必 要 と す る 食 料 、毛 布 、衣 料 等 の 救 援
物 資 の 必 要 数 を 市 災 害 対 策 本 部 に 連 絡 し 、搬 送 さ れ た と き は 、搬 送 担 当
班から物品輸送引渡書とともに救援物資を受領します。
①
避難者名簿のチェック及び食料(弁当)の手配
避 難 者 名 簿 の チ ェ ッ ク は 、避 難 者 の 状 況 を 把 握 す る た め 、任 意 の 時 間
に行います。
②
食料、毛布、衣料等の救援物資の配布
被 災 直 後 に お け る 搬 送 さ れ た 救 援 物 資 の 仕 分 け 及 び 配 布 は 、避 難 所 も
落ち着いていない状況であり、学校、ボランティアの協力を得ながら、
直行職員が行います。
な お 、避 難 所 が 落 ち 着 き 、避 難 所 運 営 委 員 会 が 編 成 さ れ れ ば 、救 援 物
資 の 仕 分 け 及 び 配 布 は 、避 難 所 運 営 委 員 会 の 担 当 班( 物 資 分 配 班 )が 行
うことになります。
(2)
教育委員会の職員
災 害 対 策 本 部 の 各 部 各 班 の 、動 員 態 勢 の 整 備 に よ り 、避 難 所 従 事 者 と
し て 派 遣 さ れ た 教 育 委 員 会 の 職 員 は 、直 行 職 員 か ら 業 務 を 引 き 継 ぎ ま す 。
業務の内容は、ほぼ直行職員が行っていたものと同様になりますが、
避 難 所 も 落 ち 着 い て く る 時 期 に あ る こ と か ら 、学 校 管 理 者 と 連 携 を 取 り
ながら、避難所運営委員会との調整にあたります。
避 難 者 の 生 活 自 立 へ の 支 援 、公 的 資 金 援 助 等 生 活 自 立 再 建 に 関 す る 情
報 、応 急 仮 設 住 宅 等 生 活 情 報 の 避 難 所 で の 周 知 並 び に 避 難 所 に お い て と
りまとめられた各種要望事項の市災害対策本部への伝達が重要な業務
となります。
ま た 、避 難 所 の 収 容 能 力 等 に よ り 、や む な く 公 園 、空 地 等 で テ ン ト 生
活を送る被災者も予想されますので、関係する情報を積極的に入手し
( 必 ず 現 地 を 調 査 し て お か な け れ ば な り ま せ ん )、 こ の よ う な 被 災 者 へ
の食料、物資等の供給に十分配慮する必要があります。
-8-
5
避難所での避難者の活動例
(1)初動期(1~3日)
ア
避難者名簿の作成
避 難 者 の 生 活 支 援 の 基 礎 資 料 と な り ま す の で 、で き る だ け 早 く 避 難
者 数 を 把 握 し ま す 。最 初 は 、 混 乱 状 況 に あ る の で 避 難 者 の 協 力 を 得 な
がら、直行職員もしくは教育委員会職員が行うこととなります。
避 難 者 名 簿 へ の 記 載 の 方 法 に つ い て は 、後 で の 検 索 が 容 易 と な り ま
すので50音順、世帯ごとにとりまとめるようにします。
避 難 所 が 落 ち 着 き 、避 難 所 運 営 委 員 会 が 組 織 さ れ れ ば 、名 簿 を 担 当
する班に引き継ぐことになります。
こ の 避 難 者 名 簿 は 、 安 否 確 認 の 際 に 重 要 と な り ま す の で 、漏 れ が な
いよう注意してください。
イ
避難者の救護
避難者名簿をもとに災害時要援護者になるであろう妊婦、傷病者、
高齢者、障害者など救護を要する者を把握し、必要があれば救護しま
す。生活条件の良い避難所(冷暖房の採りやすい場所、畳のある部屋
等 )へ の 移 動 又 は 医 療 救 護 を 受 け る 必 要 が あ る 場 合 は 、福 祉 関 係 施 設 、
公 民 館 等 の 施 設 又 は 医 療 拠 点( 市 内 公 立 中 学 校 7 校 が 医 療 救 護 所 と な
り ま す 。) 若 し く は 後 方 医 療 拠 点 へ の 搬 送 を 配 備 職 員 に 連 絡 し 、 要 請
します。
災 害 時 要 援 護 者 の 方 を 条 件 の 良 い 避 難 場 所 へ 移 動 さ せ る 場 合 は 、家
族 単 位 で 行 う よ う に し 、家 族 が ば ら ば ら に な ら な い よ う な 配 慮 が 必 要
となります。
な お 、真 に 医 療 を 必 要 と す る 重 症 患 者 等 が 医 療 救 護 を 受 け な け れ ば
な ら な い 場 合 に 、軽 傷 者 又 は 中 傷 の 患 者 が 医 療 救 護 所 又 は 後 方 医 療 施
設 に 殺 到 す る こ と に よ り 、必 要 な 医 療 救 護 を 受 け ら れ な い と い う 混 乱
を避けるために、次の基本方針により対処することとします。
医療救護の基本方針
1 軽傷者については、各避難所の避難所運営委員会に組織され
た救護班で対応します。
2 中傷の患者については、医療救護所で対応します。
3 重症患者については、医療救護所の判断等により、後方医療
施設へ搬送します。
この基本方針は、避難所内、外ともに適用されます。
-9-
ウ
給食給水、生活必需物資等の必要数量の把握及び要請
避難所運営委員会が編成されていなければ、直行職員が給食給水、
生 活 必 需 物 資 等 の 必 要 数 量 を 把 握 し 、市 災 害 対 策 本 部 に 要 請 し ま す が 、
避難所運営委員会が立ちあがったときは、運営委員会の給食、給水、
生活物資等を担当する作業各班が行うことになります。
〈給水活動〉
防災拠点での水の確保は、次により行います。
①
備蓄されているミネラルウォーター
②
市災害対策本部が手配する給水車
③
市内に設置されている耐震性貯水槽(市内3箇所)
設置場所:都和南小学校・土浦第一中学校・土浦第三中学校
④
浄水機によりプールの水をろ過
〈炊き出し活動〉
自主防災会や、町内会に炊き出しを依頼し、炊き出しができるよう
であれば、市災害対策本部へ連絡し、炊き出しに必要な食材・燃料を
報告し、調達された食材を調理し配布します。
エ
避難所レイアウトの設定
避 難 所 で の 集 団 生 活 が 長 期 に わ た っ た 場 合 、精 神 的 な 疲 労 が た ま り 、
健康 を 害し た り、トラ ブ ルを 起 こし たり す るこ と が考 えら れ ます 。避
難生活の長期化に備えたプライバシーの確保対策として部屋の間取
り、間仕切り板の活用等、できる限り個人空間の確保に配慮した対策
を避難所開設当初から講ずる必要があります。
オ
避難所でのルールの取決め
避 難 所 内 で の 共 同 生 活 を 秩 序 あ る も の と す る た め に 、学 校 施 設 管 理
者及び直行職員と協議しながら、ルールづくりをします。
例 : 災 害 時 要 援 護 者 に 対 す る 配 慮 、外 部 か ら の 問 い 合 わ せ 、使 用 禁 止 場 所
校 長 室、職 員室 、放 送 室等 へ の立 入、ト イレ の 使用 方法 、ごみ 集 積
所 以 外 へ の ご み の 搬 入 、避 難 場 所 で の 飲 酒 及 び 喫 煙 、暖 房 器 具 の 持 ち
込み、消灯時間等
-10-
(2)混乱継続期及び復旧過程期(4~14日)
ア
避難所運営委員会のスムーズな運営
①
避難所内の緩和
避難者間のトラブルの発生が予想され、その処理に当たります。
②
救援物資等の公平な配分
生活必需品等の配分は、災害時要援護者に配慮した上で、公平に
行います。また、必要数量が確保されない場合を考えて、その手立
て を 講 じ ま す 。特 に 腐 っ て し ま う も の 又 は 分 割 で き な い も の に つ い
ては、その手立てが必要となります。
例:話し合いや抽選などで対処
配分は、声の大きい人などの特定の者に偏ることのないよう公平、
公正な手続きにより行うことが肝要です。
③
避難所での食品衛生管理
配給される弁当等により食中毒が発生しないよう予防措置を講
じます。
・ 製造年月日の確認
・ 食べ残しは廃棄すること
・ 配食前における複数の者による味、匂いなどの異常のチェック
④
避難所運営委員会会議の開催及びその内容
・ 市災害対策本部からの情報の伝達
・ 避難所生活でのルールの徹底
・ 各作業班の作業内容等の確認
・ 各作業班の作業に当たっての要望事項のとりまとめ
・ 生活共同班の状況報告等
⑤
避難者の状況の把握
避難所で病人が出た場合の救護をします。必要があれば、医療施
設への搬送を市災害対策本部(避難所を担当する市職員を通して)
に要請します。
⑥
避難者の要望のとりまとめ
避難所内での各所要望をとりまとめ、市災害対策本部(避難所を
担当する市職員を通して)へ連絡します。
⑦
各種申請書類及びとりまとめ
市災害対策本部と連携をとりながらり災証明交付申請書、税減
免・徴収猶予申請書類を配布し、そのとりまとめをします。
-11-
(3)復旧期〈15日~〉
ア
避難者の状況の把握
救 護 班 は 、生 活 共 同 班 と 連 携 を 取 り 、 長 期 に 亘 る 避 難 所 生 活 に と も
な う メ ン タ ル ケ ア に つ い て 又 は 高 齢 者 の 保 健 に つ い て 、プ ラ イ バ シ ー
の 保 護 に 支 障 を 生 じ な い 範 囲 で 、避 難 者 の 状 況 を 把 握 し 、保 健 師 等 の
避 難 所 巡 回 時 に 連 携 を と り 、必 要 が あ れ ば 、施 設 へ の 入 所 措 置 等 の 対
策を講じます。
イ
就業、公的資金援助、応急仮設住宅等情報の伝達
生活自立再建に関する情報の伝達を避難者へ行います。
ウ
自宅での生活再建
家 屋 の 全 壊 、焼 失 を 免 れ た 人 に つ い て は 、ラ イ フ ラ イ ン の 復 旧 、小
売店等の営業再開に伴い、自宅での生活再建を促します。
エ
避難所の縮小
学校施設は、避難者の自立再建、災害復旧の進み具合に合わせて、
避難所としての機能と平行して本来の機能である授業の再開をする
必要があります。
避 難 所 運 営 委 員 会 は 、市 災 害 対 策 本 部 、学 校 管 理 者 と 協 議 し な が ら
避 難 所 の 縮 小 又 は 閉 鎖 を 検 討 し ま す 。( 近 隣 の 避 難 所 と の 統 合 に よ り
閉 鎖 を 行 う 場 合 も あ り ま す 。)
6
市災害対策本部の対応
(1)初動期(1~3日)
ア
避難者の状況の把握(避難者名簿の作成)
イ
各種情報の迅速な提供
①
被害情報
②
医療救護に関する情報
③
安否情報
④
遺体安置所、埋葬等に関する情報
ウ
非常食料の避難所への搬送
エ
被害状況の把握
オ
生活関連(ライフライン、交通の復旧等)情報の提供
カ
被災者〈避難者〉のニーズの把握
キ
公共施設〈避難所となる小中学校等を主体に〉の応急危険度判定
-12-
(2) 混乱継続期及び復旧過程期(4~14日)
ア
住宅被害実態調査の実施
イ
生活関連(ライフライン、交通の復旧等)情報の提供
ウ
安否情報
エ
市 税 等 の 減 免 、災 害 見 舞 金 、弔 慰 金 、援 護 資 金 等 の 支 援 策 の 広 報 及
び実施
オ
倒壊家屋の処理(厚生省指針が出た場合は、公費解体)
カ
相談窓口の開設(法律相談、住宅相談)
キ
協定締結先からの生活必需品等の調達、救援物資等の搬送
ク
避難住民に対する健康管理(健康相談)
ケ
各種申請書(り災証明交付申請書、仮設住宅申込書等)の交付
コ
避難所ニーズの把握(避難所からの要請事項への対処)
サ
東京電力への各避難所の電気容量増の要請
シ
民間家屋の応急危険度判定
ス
避 難 所 の 清 掃 対 策( 生 活 ご み・災 害 廃 棄 物 の 収 集・し 尿 収 集・防 疫 )
セ
各避難所の受入れ能力の把握
(3) 復旧期(15日~)
ア
避難住民に対する健康管理(健康相談、特にメンタルケア)
イ
復旧情報の提供
ウ
応急仮設住宅の建設、住宅応急修理
エ
応急仮設住宅への募集受付及び入居抽選
オ
市 税 等 の 減 免 、災 害 見 舞 金 、弔 慰 金 、義 援 金 、援 護 資 金 等 の 支 援 策
の広報及び実施
カ
自立生活再建のための各種融資又はあっせん
(中小企業者、農業者)
キ
仮設住宅入居者に対する健康管理(健康相談)
ク
相談窓口の開設(住宅相談、法律相談)
ケ
民間家屋の応急危険度判定
コ
倒壊家屋の処理
サ
授 業 再 開 に 向 け て の 教 科 書 、学 用 品 等 の 支 給( 災 害 救 助 法 非 適 用 も
含めて)
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避難所生活者の生活自立への支援
避 難 所 は 、災 害 発 生 直 後 か ら 当 分 の 間 、応 急 的 に 居 住 し 、生 活 を す る
場となります。
開 設 で き る 期 間 に は 限 り が あ る た め 、自 宅 の 復 旧 や 応 急 仮 設 住 宅 へ の
移住を含めた避難所生活者の生活の再建を図らなければなりません。
生 活 自 立 へ の 支 援 は 主 に 行 政 が 実 施 す る も の で す が 、行 政 等 の 相 談 窓
口 の 紹 介 や 次 に 掲 げ る 各 種 生 活 再 建 関 連 情 報 の 提 供 な ど 、避 難 所 運 営 委
員会が関わる部分もあります。
主な支援をまとめたものは、次のとおりです。
主な支援策
主
な
内
容
住宅障害物の除去
住宅障害物の除去
り災証明の発行
被災者の応急的、一時的救済目的に実施される証
明
被災住宅の応急修理
最小限度の応急修理の実施
応急仮設住宅の建設
建設から2年を限度として供給される住宅
災害公営住宅の建設
大規模災害が発生し、住宅の被害が「公営住宅
法第8条第1項各号」に定める程度以上に達した
場合、県は国庫から補助を受けて建設します。そ
こでの居住は3年を限度とします。
学校教育の再開
災害見舞金等の配分
災害見舞金、災害障害見舞金、災害弔慰金
義援金の受入れ、配分
災害応急資金の融資
災害復興住宅資金
中小企業災害復旧資金
災害復興住宅特別融資
災害援護資金貸付
生活福祉資金貸付
税・使用料の減免
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8
市民(避難所生活者)に周知すべき広報の主な内容
(1)初動期(1~3日)
ア
避難誘導の周知
イ
避難指示の周知
ウ
各種情報等
① 被害情報
② 生活関連情報
③ 医療情報等
(2)混乱継続期及び復旧過程期(4~14日)
ア
相談窓口の開設の周知
イ
被害状況、支援制度等の案内
ウ
支援制度等、一時避難用応急住宅募集案内
エ
悪質業者への注意
オ
余震への備え
カ
解体費用工費負担の案内
キ
各種支援制度等の案内
(3)復旧期(15日~)
ア
各種支援制度等の案内
イ
被害状況(節目:1ヶ月、1ヶ年等)
ウ
災害見舞金配分案内
エ
応急仮設住宅入居案内
(4)広報の媒体
ア
広報車
イ
防災行政用無線
ウ
広報紙(広報つちうら、臨時広報)
エ
パンフレット、ちらし
オ
CATV
(5)避難所での情報の周知の方法
市 災 害 対 策 本 部 は 、避 難 所 を 担 当 す る 市 職 員 に 情 報 を 伝 達 し ま す 。避
難 所 運 営 委 員 会 情 報 広 報 班 は 、そ れ ら の 情 報 を 分 類( 生 活 情 報 、ラ イ フ
ラ イ ン 情 報 、交 通 情 報 、医 療 情 報 な ど )し 、避 難 所 に 定 め ら れ た 掲 示 場
に掲示します。市職員、学校職員はできる限り援助を行います。
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こ れ ら の 情 報 を 提 供 す る 場 合 は 、視 覚 障 害 者 、聴 覚 障 害 者 、外 国 人 へ
の 配 慮 が 必 要 と な り ま す の で 、ボ ラ ン テ ィ ア の 方 の 協 力 を 得 な が ら 行 い
ます。
特 に 留 意 す べ き こ と と し て 、避 難 所 運 営 委 員 会 情 報 広 報 班 は 、外 部 の
者 が 勝 手 に 掲 示 し た り 、は が し た り し て 、混 乱 が 生 じ な い よ う に 掲 示 場
を管理します。
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自主防災組織の役割
大 地 震 が 発 生 し た 場 合 、被 害 を 最 小 限 に と ど め る た め に は 、行 政 は も
と よ り 、市 民 の 一 人 ひ と り が 適 切 に 行 動 し 、隣 近 所 で の 助 け 合 い 、さ ら
には地域で組織的、自主的に防災活動に当たることが必要となります。
市 の 自 主 防 災 組 織 は 、現 在 1 4 3 組 織 を 数 え て お り 、平 常 時 か ら 災 害
時 に 備 え 、防 災 訓 練 、防 災 知 識 の 啓 発 、防 災 資 機 材 の 整 備 な ど を 行 っ て
います。
そ う し た こ と か ら 、災 害 が 発 生 し た 場 合 、自 主 防 災 組 織 の 役 員 の 方 は 、
地 域 を 守 る リ ー ダ ー と し て 、ま た 地 域 防 災 拠 点 に 開 設 さ れ る 避 難 所 の 自
主的な運営に携わるリーダーとして避難所運営委員会に関わっていた
だくことになります。
自 主 防 災 組 織 の 救 出 救 護 班 、給 食 給 水 班 等 の 各 班 は 、避 難 所 運 営 委 員
会 に 編 成 さ れ る 作 業 各 班 に そ の ま ま 移 行 す る こ と が 、発 災 後 の 混 乱 時 期
には適当といえます。
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