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Nightingale, Public Health and Victorian Society

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Nightingale, Public Health and Victorian Society
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資料 No. 9-2014-112 / Apr 2014
<看護史、ビクトリア朝研究、イギリス社会史>
ナイチンゲールの書簡や資料からみる、ヴィクトリア朝時代の社会と公衆衛生
NIGHTINGALE, PUBLIC HEALTH
AND VICTORIAN SOCIETY
from the British Library, London
Florence Nightingale (1820-1910)は子供のときから、自分の人生は病人の看護と福祉に捧げる
べきものであることに気付いていました。16 歳のときに「奉仕せよと命ずる神の声」を聞き
ましたが、当時は看護の職は下層階級の低賃金の仕事で、Nightingale の家族は彼女が天職につ
くことをなかなか許そうとしませんでした。しかし彼女の決心は堅く、傷病兵を看護するた
めに看護婦の一団を引き連れていくことを家族に認めさせました。Nightingale の片時も休まぬ
働きぶりを伝える報告書は、世間の関心をひき、賞賛を集め、1856 年に母国に戻ったときに
は、Nightingale はヴィクトリア朝社会全体の尊敬をうけるようになっていました。ヒロイン扱
いされることを彼女は激しく嫌いましたが、それが彼女の仕事に関心をよび、
援助をあつめる一助になったのは確かで、政治家や政府高官、ジャーナリスト
などの幅広い人脈を駆使して、Nightingale は看護と病院の改革を先導しました。
Nightingale は、救貧院の貧しい病人から陸軍病院の兵卒、市民病院の患者まで、
社会のあらゆる階層の人々ために力を尽くしました。今日 Nightingale は専門職
としての近代看護を確立した中心人物として、また、健康増進と病気予防に根
ざした公的医療制度に貢献した人物として記憶されています。
マイクロフィルムのシリーズである Nightingale, Public Health and Victorian Society は、英国図書館の資料を撰集し
て、Florence Nightingale の生涯と業績を詳細に描き出すものです。本シリーズの編集顧問である Lynn McDonald 博
士は本シリーズを、「Florence Nightingale の直筆の資料を集めた、世界でもっとも大規模かつ多面的なコレクション」と
評しています。本資料集は Nightingale の書簡、論文、草稿、単行本を収めています。Nightingale は一生をつうじて毎
日のように手紙を書き、本コレクションは書簡の原文以外にも草稿や往復書簡のコピーも収録しています。
Part 1: Correspondence relating to the Crimea, India and Public Health Reform
........................................................................................... 22 reels 概価 ¥550,000 〔本体〕
Part 2: Family letters and correspondence with Clough, Jowett, Martineau, Mill and others.
........................................................................................... 20 reels 概価 ¥500,000 〔本体〕
Part 3: Writings on Nursing, India, Religion, Philosophy and other subjects with correspondence
regarding the Nightingale Fund ........................................ 21 reels 概価 ¥525,000 〔本体〕
Part 4: Correspondence with nursing staff and papers relating to St Thomas's Hospital and
other subjects..................................................................... 23 reels 概価 ¥575,000 〔本体〕
(Adam Matthew, GBR / 日本総代理店:丸善)
《裏面に続きます》
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営業部・支店・営業所=横浜・八王子・大宮・筑波/札幌・盛岡・仙台・名古屋・岐阜・
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Part 1: Correspondence relating to the Crimea, India and Public Health Reform
【収録文献例】
ヴィクトリア社会における女性 ナイチンゲールは、Mary Elizabeth Herbert, Laura Rolfe, Selina Holte
Bracebridge, Elizabeth Sutherland, Marianne Strutt Galton, Elizabeth McNeill などの人物と強いネットワーク
を築いていました。
公衆衛生改革 ナイチンゲールが重要な役割を果たしていた、ヴィクトリア時代の偉大な業績を紹介
します。John Sutherland, Edwin Chadwick などの人物との往復書簡を収録します。彼らは、飲み水とゴミ
の除去、病院や療養所の設計、医学の推進、医療専門における女性の役割について論じています。
インド ナイチンゲールは、インド総督や国務長官、改革者、ボンベイの衛生省役人 Thomas Gillham
Hewlett、マドラス政府の長官 Staunton Ellis のような重要人物と常にコンタクトを取っていました。
クリミア ナイチンゲールの知名度が上がったのは、クリミア戦争の時でした。神話がどのように現実に
合っていったのか?看護婦や軍人、Robert Rawlinson らとの往復書簡を収録し、そのなぞを解明します。
Part 2: Family letters and correspondence with Clough, Jowett, Martineau, Mill
and others.
パート 2 は、Henry Acland, Helen Bonham Carter, Mary Carpenter, Arthur Hugh Clough, Benjamin Jowett,
Harriet Martineau, John Stuart Mill, Arnold Toynbee, the Verneys ら知識人との主要な往復書簡を収録します。
また、家族に宛てた様々な手紙も収録されます。手紙の内容から、普段から花やプレゼントを贈っていた彼女
の性格がわかります。病院、軍事医療学校、インドにおける看護と公衆衛生など、多くの手紙は、彼女が関心
のあることを綴っています。サラエヴォにおけるボスニアの子供たちのための学校については常に手紙の中で
触れられています。
Part 3: Writings on Nursing, India, Religion, Philosophy and other subjects with
correspondence regarding the Nightingale Fund
パート 3 は看護、インド、宗教などのテーマに関する彼女の意見を知ることができる資料を収録します。
各トピックに関する彼女の知識の深さと、彼女の思想と活動の関係を理解する上で大変貴重な資料です。
・Notes on Nursing for the Labouring Classes
・Introductory Notes on Lying-in Institutions
・Suggestions for Thought、その他日記やノートブックなど。
Part 4: Correspondence with nursing staff and papers relating to St Thomas's
Hospital and other subjects
パート 4 は専門的な看護業に関する Nightingale の業績を集めています。Lynn McDonald いわく、
「専
門的な看護を救貧院の診療所に導入した彼女の先進的な業績は、公的医療制度の実現のための大きな
一歩でありながら、いままで学術研究の対象になったことはほとんどなかった。看護の専門技術だけ
でなく、巧みな政治的駆け引きも要求され、その一部始終はそれ自体としても非常に興味深い。
」この
コレクション所収の草稿からその一部始終をたどることができます。
Nightingale Training School が設置された聖トマス病院や、英国中、世界中の病院や看護機関の看護に
おける重要人物と、Nightingale が交わした往復書簡が本パートには収められています。Nightingale
Training School を設立するだけでなく、Nightingale は East London Nursing Society (1868)や Workhouse
Nursing Association and National Society for Trained Nurses for the Poor (1874)、the Queen's Nursing Institute
(1890)の設立にも参加しました。
19 世紀の初め、病院の看護婦は教育を受けていない労働者階級の女性がつとめており、そのおもな
仕事は、患者を清潔にし、ベッドをつくり、糞尿を処理し、湿布を作ることでした。ほとんどの看護
婦は 16 時間のシフト制で働き、残業代はつきませんでした。看護婦用の部屋もなく、病室で料理をし
て、寝る場所といえば屋根裏や地下室、患者といっしょの病室に寝る場合もありました。看護婦のほ
とんどは文盲で、飲酒癖があるとして蔑まれていました。彼女たちを監督していたのは家政婦で、そ
のだいたいが中流の下の階級出身でした。自身が看護婦であるのではなく、しかも看護婦たちを監督
して規律を守らせることだけに責任をおっていました。
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しかし 19 世紀の終わりには、Nightingale と Nightingale Training School での訓練のおかげで、看護婦
とその社会的地位はめざましく改善されました。訓練をうけた看護婦が一般的になり、社会的にも尊
敬される職業となり、婦長も上流階級出身の訓練された看護婦で、看護婦を訓練し患者に適切な看護
がなされるよう気をつけることが主な役目となりました。有料の病院で受けられる専門的な看護は、
そのほかのところでも全く同じように受けられるようになりました。
Nightingale によって 1860 年に Nightingale Training School が聖トマス病院に設立され、そこで訓練を受けた
看護婦は、英国中、世界中に派遣されました。系統だった訓練を受けた女性による Nightingale の看護技術は、
体の清潔をたもつ点だけでなく、衛生や倫理面にも力点をおいていました。しろうととして Nightingale Training
School にはいった、あまり教育を受けていない労働者階級の女性は、卒業にさいしてわずかながら報酬をうけ
とり、看護婦見習いとして入学して正規の看護婦となった中流階級の女性のいる機関や家庭へ配属されました。
訓練の期間は 1 年間で、学生は病院の一部に設置された、談話室も備えた学生用の部屋で生活しました。
だいたい 20 から 30 人くらいの学級で学び、同時に病院で患者の看護を行いました。
Nightingale は一時期学校の経営を婦長の Wardroper 夫人に任せていましたが、1860 年代の終わりに、学校
の日々の業務に再び関心を向け、自分の方針が徹底されておらず、看護婦が看護婦見習いを全く監督できて
いないことに気付きました。また、看護婦の訓練に必要不可欠と Nightingale が考えていた、教育や宗教的知
識を深める機会が、看護婦見習いには与えられていませんでした。そのため Nightingale は学校を改善する試
みをはじめ、職員を刷新しました。Wardroper 夫人は残りましたが、薬剤師はくびになり、講義をしてもらうため
に医師を一人雇いました。Mary Crossland を Home Sister として雇い入れ、Nightingale 自身も定期的に看護婦
たちをみるようになり、看護婦見習いたちに毎年おこなった、あの有名な講演を書くようになりました。
本パートに収めた書簡は、英国の看護における重要人物と交わしたものです。
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Mrs Sarah Elizabeth Wardroper, Matron of St Thomas’s Hospital, 1857-1894
Angelique Lucille Pringle of the Royal Infirmary, Edinburgh and Matron of St Thomas’s Hospital,
1872-1909
Louisa McKay Gordon, Matron of St Thomas’s Hospital, 1890-1900
Mary S Crossland, “Home-Sister”, 1875-1900
Sarah Anne Terrot, a former Crimean nurse who worked with Nightingale, 1857-1868
Mary Jones, Lady Superior of St John’s House Training Institution for Nurses, 1860-1881. She also led
the midwifery nurse training programme at King’s College Hospital
Maria M Machin, Matron of Montreal General Hospital and of St Bartholomew’s Hospital, Smithfield,
1873-1900
Mary J Pyne, Matron of Westminster Hospital, 1873-1897
Eva Charlotte Ellis Luckes, Matron of the London Hospital, 1889-1899
Rachel Williams, Matron of St Mary’s Hospital, Paddington, 1873-1899
Jane E Styring, Matron of Paddington Infirmary, 1877-1900
Elizabeth Vincent, Matron of St Marylebone Infirmary, 1873-1901
Elizabeth Anne Torrance, Matron of Highgate Infirmary, 1869-1877
Annie E Hill, Matron of Highgate Infirmary, 1872-1877
Flora Masson, Matron of the Radcliffe Infirmary, Oxford, 1889-1897
Elizabeth Ann Barclay, Lady Superintendent of the Edinburgh Royal Infirmary, 1871-1877
Frances Elizabeth Spencer, Lady Superintendent of the Edinburgh Royal Infirmary, 1873-1900
Jessie Lennox, Matron of Belfast Hospital for Sick Children, 1869-1896
Agnes Elizabeth Jones, Lady Superintendent of Liverpool Workhouse Infirmary, 1861-1868 (together
with extracts from her journal)
Florence Sarah Lees, afterwards Florence Sarah Lees Craven, wife of Rev Dacre Craven,
Superintendent General of the Metropolitan and National Nursing Association, 1868-1900
Mary Elinor Wilson, Lady Superintendent of Scarborough Ladies’ Convalescent Home, 1868-1870
Amy Hughes, Superintendent of the Metropolitan and National Nursing Association and of Bolton
Workhouse Infirmary, 1891-1901
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ほかにも、聖トマス病院の看護婦見習いたちと交わした 1873 年から 1900 年までの手紙や、Liverpool
Workhouse Infirmary の看護婦たちと交わした 1868 年の手紙、Edinburgh Royal Infirmary の看護婦たちと交わ
した 1872 年から 1873 年までの手紙の草稿も収めています。
世界中の看護関係者と交わした書簡には以下のものがあります。

Correspondence with Sir Henry Parkes, GCMG, Prime Minister of New South Wales, 1866-1892

Correspondence with Miss Lucy Osburn, (1836-1891), Superintendent of the Prince Alfred Hospital,
Sydney, 1867-1885. Trained at the Nightingale Training School in London Osburn is considered the
founder of modern nursing in Australia

Correspondence with M Amy Turton, Superintendent of the Scuola Infermiera, Florence, 1893-1903

Letters from Emily (Emmy) Rappe, a Swedish nurse, 1867-1870. She joined the Nightingale School in
1866 and returned to Sweden to take up a post at a new hospital in Uppsala and later became Inspector
of Nursing Schools
ほかにも医療関係者との書簡も収めており、例えば外科医の John Croft との 1873 年から 1973 年までの
書簡、薬剤師・嘱託医の Richard Gullett Whitfield との 1858 年から 1872 年までの書簡、医学博士であり
Derbyshire General Infirmary の医師であった William Ogle との 1864 年から 1891 年までの書簡などです。
また、公衆衛生の改善のために彼女が助言を求め、影から彼女を助けた人など、上で述べた以外の
重要人物との書簡も収録しています。

William Rathbone, MP, a wealthy Liverpool merchant and philanthropist who worked closely with
Nightingale regarding the training of nurses. In 1862 the Liverpool Training School and Home for
Nurses was established, from which a district nursing system was begun which spread throughout the
country. He was also instrumental with Nightingale in the reform of workhouse infirmary nursing in
Liverpool which Nightingale hoped would lead to general reform and later to the abolition of the
workhouse system. Papers included here relate to the foundation of the Queen’s Jubilee Institute of
District Nursing, 1887

Surgeon-General Thomas Graham Balfour MD, mostly relating to the Army Sanitary Commission of
1857 and its report of 1858

Alexander MacGrigor MD relating to his service as Principal Medical Officer and later as Deputy
Inspector of Hospitals at the Barrack Hospital at Scutari, 1854-1855
病院の医師や地区その他の看護機関にかかわっている女性との対談に関する、Nightingale の詳しい
覚書きも、1871 年から 1898 年のぶんを本パートに収録しており、同時期の聖トマス病院の看護スタッフ
との対話に関する興味深い覚書きも収めています。
看護に関する雑多な覚書きやノートも、Royal British Nursing Association やその設立趣意書ん関する
ものと一緒に本パートに収められています。
本マイクロフィルムシリーズは英国図書館に収められている Florence Nightingale の原稿を収集した
もので、看護、公共衛生、社会改革、ヴィクトリア朝期の宗教と哲学などの研究者にとって貴重な資
料源となるものであり、インドやクリミアに関する欠くべからざる情報も多数含んでいます。
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