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国際的な滞在拠点を目指した
鳥羽うみ文化の
継承と創造に向けて
第2次
鳥羽市観光基本計画
平成 27 年 3 月
鳥羽市
はじめに
昭和 29 年に市制が施行されて以来、はじめて中長期的な観
光施策の指針となる「鳥羽市観光基本計画」が平成 20 年に策
定され、現在まで 7 年が経過しました。その間、本市では観光
基本計画の元で 2 期にわたるアクションプログラムを策定し、
民間事業者・団体、市民の皆様とともに観光振興に向けた取り
組みを実行し、着実に成果を上げてきました。
観光をめぐる諸情勢は観光ニーズ等の多様化により著しく
変化しています。政府では観光庁をはじめ各省庁が訪日外国人の増大に向けて総力を挙
げて取り組んできました。平成 19 年 6 月に閣議決定された「観光立国推進基本計画」
は平成 24 年 3 月に改訂され、7 つの基本的な目標のうち 3 つが訪日外国人旅行者に関
する目標となっています。
また、平成 25 年 6 月に閣議決定された日本再興戦略-JAPAN is BACK-では「日本産
業再興プラン」
「戦略市場創造プラン」
「国際展開戦略プラン」の 3 つのアクションプラ
ンのうち、観光は「戦略市場創造プラン」の中に位置づけられました。
円安情勢やこうした政府による観光政策などの後押しにより、平成 25 年に初めて訪
日外国人旅行者数が年間 1,000 万人を突破しました。また、平成 32 年にオリンピック・
パラリンピック東京大会の開催が決定したことを追い風に、今後は更に訪日外国人観光
客の誘致が加速すると考えられます。
一方、国内の情勢を見ますと、いよいよ少子化と高齢化による人口減少社会へと突入
しており、地域の産業を維持するためにも、観光をはじめとする交流人口の拡大が多く
の地域で求められるようになっています。本市でも観光は観光事業者のみならず漁業や
農業事業者など幅広い産業への貢献が期待される重要な産業として位置づけています。
こうした情勢の変化を踏まえ、本市では鳥羽市観光基本計画の見直しを行い、第2次
鳥羽市観光基本計画を策定しました。本計画では、新たに「鳥羽うみ文化」という鳥羽
らしさを定め、それを継承・創造しながら観光地鳥羽のより一層の魅力向上を目指すた
めの指針を示しています。また、昨今の訪日外国人旅行者市場の成長を踏まえ、本市で
も積極的に訪日外国人旅行者の誘致を進めるべく、基本戦略と戦略プロジェクトに位置
づけました。
本計画の策定にあたりましては、市民の方々や民間事業者・団体の方々で組織する策
定委員会及び策定部会の皆様に様々な角度からご審議いただき、市民を代表して感謝を
申し上げます。
平成 27 年 3 月
鳥羽市長 木田 久主一
|2|
第 2 次鳥羽市観光基本計画
第2次鳥羽市観光基本計画 概要
報告書第1章
◆第2次観光基本計画の基本的な考え方
報告書第3章
◆鳥羽市らしさとは?
計画の位置づけと性格
 本計画は、鳥羽市の観光が将来進むべき方向性を示す羅針盤としての役割を持ち
ます。したがって、本計画書に記載された目標を地域で共有し、目標の実現に向
かってそれぞれが役割を果たすことが求められます
町の風景
人の魅力
うみのなりわい
海と鳥羽との独自の
関係性が築き上げた
「鳥羽うみ文化」
豊かな食
生活文化・歴史文化
計画期間:平成28年~平成37年
多様な地域性
住みよい街
豊かな海、自然美
◆第1次観光基本計画の成果
離島の良さ
報告書第2章
報告書第3章
◆目指すべき姿
第1次観光基本計画(平成20年~平成27年)が目指した観光地鳥羽の姿
 国際観光時代をリードする“海洋文化都市”の形成
 皆が幸せを感じる、やさしい鳥羽
 自立自走できる地域経営の核となる観光産業の持続的発展
鳥羽観光の目標像
国際的な滞在拠点を目指した
「鳥羽うみ文化の継承と創造」
2期にわたるアクションプログラムを通じて53事業を実施
 官民一体となった取り組みを通じて、「観光資源の掘り起こしと保全・活用」や「エコ
ツアー等のガイドツアーの拡充」、「観光ガイドの拡充」などで成果を上げた
 一方で、「域内交通」などについては十分に成果を上げることができなかった
これまで築き上げてきた「鳥羽うみ文化」が将来にわたって継承されると同時に、
新たな「風」を入れることでより創造性豊かなものとなる観光地であること
市民や観光客が市内で「鳥羽うみ文化」を感じられるような観光地であること
報告書第2章
◆鳥羽市の観光を巡る動向
国や県による観光振興の取組み
 政府による観光立国推進基本計画の策定
 観光立国実現に向けたアクションプログラム
 三重県観光振興基本計画の策定
旅行市場の動向
 訪日外国人旅行者数が平成25年に初めて
年間1,000万人を突破
 「2020年オリンピック・パラリンピック東京大
会」の開催決定による更なるインバウンド拡
大への期待
 少子高齢化時代への突入と国内旅行市場
の変化・縮小
鳥羽の魅力である「食」とそれを支える漁業のなりわいが
将来にわたって維持される観光地であること
鳥羽市の観光の現状
 平成25年に伊勢神宮の式年遷
宮を終え、今後は観光客数の
減少が想定される
 リーマンショックや東日本大震
災後のインバウンド観光客回
復の遅れ
 観光客の総合満足度の中で
「大変満足」の比率が低い
 「食」や「観光施設」、「温泉」に
対する観光客の期待
観光客が宿泊したくなる滞在型の観光地であること
国内だけでなく海外の観光客も魅力を感じる国際的な観光地であること
観光産業が持続的であり、観光を支える次世代の育成にも積極的な観光地であること
鳥羽観光を支える推進体制がしっかりとしており、
関係者それぞれが役割と責任を担う体制が整っている観光地であること
◆目標指標および数値
指標
観光客数の維持・拡大の必要性
観光地に相応しい魅力ある空間の形成
外国人観光客の受入強化の必要性
温泉のさらなる活用
経済効果拡大の必要性
日本人
報告書第2章
◆鳥羽市の観光の課題と展望
延べ宿泊者数
(人泊/比率%)
地域資源としての鳥羽の海の再認識
鳥羽での滞在を目的とする観光客の拡大
漁業と観光の連携促進
観光イノベーションの必要性
推進体制の強化
現状値
目標値(平成32年)
(注1)
171万人泊 / 99.7%
185万人泊 / 98%
外国人
4,600人泊 / 0.3%(注1)
38,000人泊 / 2.0%
合計
172万人泊 / 100%(注1)
189万人泊 / 100%
外国人入込客数(人)
32,000人(注2)
96,000人
観光客満足度
(「大変満足」の比率 %)
12.5%(注3)
25.0%
観光消費額・経済波及効果(億円)
数値なし
推計後に目標値を設定する
(注1):平成24年鳥羽市観光統計資料、(注2):平成21年鳥羽市観光統計資料、(注3):平成26年鳥羽市観光動態調査
i
第2次鳥羽市観光基本計画 概要
報告書第3章
◆第2次観光基本計画の施策体系
目標像
国
際
的
な
滞
在
拠
「
鳥点
を
羽目
う指
みし
た
文
化
」
の
継
承
と
創
造
基本戦略
◆戦略プロジェクト
基本戦略および主要施策に基づいて「鳥羽うみ文化」の継承と創造を通じた魅力ある観光地鳥羽を
形成するために重点的に取り組むべきプロジェクトを設定します
主要施策
戦略1
鳥羽うみの豊かな食を提供する
1-1 食に付加価値を付ける
テーマ別戦略プロジェクト
1-2 漁業や海女のなりわいを継承する
戦略2
鳥羽うみの文化を伝える
2-1 うみの文化を伝える
テーマプロジェクト① 「鳥羽市全体における鳥羽うみ文化ネットワーク構想」【主要施策2-1に対応】
 市内には海にまつわる一流の文化・観光施設があります。また、集落には海女文化資料館や海女
小屋などの施設もあります。そこで、海に関する観光・文化施設それぞれが「鳥羽うみ文化」の発信
機能を向上させます。また、それらの施設と屋外のフィールドをネットワーク化することで、鳥羽市全
体で「鳥羽うみ文化」の伝達を高めます。
2-2 歴史・文化・伝統を継承・活用する
2-3 芸術・文化を活用する
テーマプロジェクト② 「漁業と観光連携」【主要施策1-2に対応】
 魚介を中心とする食に対しては、観光客の期待も高く、漁業と観光は、鳥羽市の重要な基幹産業と
して、鳥羽市経済を牽引してきました。しかし、漁業従事者の後継者不足や魚価の低迷など、鳥羽
の観光を支える漁業は課題も多く、漁業と観光の連携を通じて鳥羽の魚介類の地元利用の更なる
向上とブランド力の向上を目指します。
2-4 自然史を活用する
戦略3
鳥羽での滞在をより魅力的なものにす
る
3-1 より魅力ある観光施設を目指す
3-2 より魅力ある宿泊施設を目指す
3-3 温泉地としての魅力も高める
テーマプロジェクト③ 「芸術を活かした観光振興」【主要施策2-3に対応】
 芸術家や芸術作品を活用して、地域資源を再認識したりこれまでとは異なる客層を呼び込むことを
目指します。
3-4 観光資源を創造的に活用する
3-5 鳥羽らしい土産品・特産品を開発する
戦略4
美しい景観を提供する
テーマプロジェクト④ 「インバウンド受入推進」【基本戦略5に対応】
 訪日外国人旅行者の受入拡大を目指すため、鳥羽のどのような価値を外国人に訴求するのか、と
いう外国人に向けた魅力の掘り起こしや、外国語対応などの受入環境の整備、ターゲットとして取り
組む国・地域の検討をし、戦略的に推進していきます。
4-1 中心市街地の景観を向上させる
4-2 集落や離島の風景を活用する
4-3 美しい景観を観光活用する
エリア別戦略プロジェクト
4-4 自然環境を保護する
戦略5
外国人観光客に魅力を伝える
中心市街地プロジェクト 「中心市街地の賑わい・魅力創出」
 鳥羽駅は観光客にとっての玄関口としての機能を持っています。北側には観光案内所や鳥羽ビジ
ターセンター、鳥羽一番街、鳥羽マルシェ、かもめの散歩道、鳥羽マリンターミナルなど、観光をする
上で重要な拠点施設が揃っています。南側の中心市街地には鳥羽城跡を中心に、今も伝統的・歴
史的建造物が多く残っています。それらは点ではなく群として残存しており、歴史的景観を形成する
要素になっています。こうした多様な観光資源や観光施設を集積する鳥羽駅を中心とする周辺空間
については、鳥羽らしさを感じられるような空間へと仕上げます。
5-1 外国人観光客に魅力的なコンテンツを創り出す
5-2 外国人観光客の受入態勢・環境を整備する
5-3 外国人観光客が訪れやすい環境を作る
戦略6
鳥羽を発信する
戦略7
観光基盤の充実・強化
観
光
基
盤
整
備
報告書第4章
6-1 鳥羽市内での情報提供を強化する
6-2 外部に対する適切な情報発信を行う
離島プロジェクト 「新たな島旅の推進」
 鳥羽の有人離島は神島、答志島、菅島、坂手島があり、それぞれ、本島にはない個性豊かな魅力
を兼ね備えています。そこで、離島の魅力をより一層引き立てながら、島旅を推進します。
7-1 バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進
7-2 観光地としての防災対策の強化
◆計画の実現に向けて
7-3 周辺地域との連携による観光ルートの構築
実現に向けた基本的な考え方
 戦略プロジェクトを実現させるため、アクションプログラムを策定し、より具体的かつ複合的な事業を
検討・推進していきます。アクションプログラムは3年ごとに見直します。
 市民や観光客の視点から優先して取り組むべき事項を整理して事業を推進します。今すぐにできる
ことだけではなく、成果を得るまでに時間を要するものや関係者の意識共有が必要なものなどにつ
いても考慮する必要があります。
7-4 鳥羽までの交通および域内交通の改善
戦略8
観光推進体制の構築
報告書第5章
8-1 観光推進体制の強化と構築
8-2 計画の見直しと評価
8-3 観光統計の充実
8-4 観光財源の確保と有効な活用
市民および事業者との協働
 観光事業者や市民・NPO法人、市がそれぞれの役割を担いながら連携・協力して計画を推進します。
 「鳥羽うみ文化」の継承と創造を図るためには、これまで直接的には観光事業と関わりが少なかっ
た漁業者等、他産業の従事者にもそれぞれの役割を担っていくことが期待されます。
8-5 観光産業活性化と人材育成
8-6 市民の参画を促す
ii
第
2
次
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
本計画の利用にあたって........................................................................................................
01
第1章
02
計画策定の趣旨............................................................................
1-1 計画策定の背景と目的............................................................................ 03
10
1-2 計画の期間と位置づけ...................................................................................
15
1-3 計画策定の手順................................................................................................
第2章
2-1
2-2
2-3
2-4
2-5
2-6
16
鳥羽市観光の現状と課題.........................................................
17
鳥羽市の概要.....................................................................................................
22
鳥羽市と周辺の観光資源・施設.....................................................................
鳥羽市における観光の動向....................................................................,, 35
第1次観光基本計画の評価.................................................................... 46
観光客の客層および観光動態................................................................ 57
66
鳥羽市観光の課題と展望...............................................................................
第3章
70
第2次鳥羽市観光基本計画...................................................
3-1
3-2
3-3
3-4
3-5
3-6
基本的な考え方........................................................................................... 71
鳥羽らしさとは................................................................................................ 72
80
目標および目標像.............................................................................................
数値目標........................................................................................................... 82
施策体系......................................................................................................... 87
基本戦略と主要施策....................................................................................89
目
次
基本戦略1
基本戦略2
基本戦略3
基本戦略4
基本戦略5
基本戦略6
基本戦略7
基本戦略8
第4章
89
鳥羽うみの豊かな食を提供する..........................................
鳥羽うみの文化を伝える............................................... 91
94
鳥羽での滞在をより魅力的なものにする..........................
美しい景観を提供する.......................................................97
100
外国人観光客に魅力を伝える.........................................
鳥羽を発信する................................................................ 103
観光基盤の充実・強化....................................................105
観光推進体制の構築.......................................................108
112
戦略プロジェクト...............................................................................
114
4-1 テーマ別戦略プロジェクト..............................................................................
4-2 エリア別戦略プロジェクト.......................................................................... 120
第5章
124
計画の実現に向けて...................................................................
125
5-1 実現に向けた基本的な考え方.................................................................
5-2 市民および事業者との協働......................................................................126
参考資料
...........
.............................................................................................................................
128
|0|
第 2 次鳥羽市観光基本計画
~本計画の利用にあたって~
この計画は、鳥羽市観光協会や鳥羽商工会議所などの観光関連団体や民間事業者から
構成された「鳥羽市観光基本計画策定委員会・策定部会(座長:安島博幸立教大学教授)
」
によって、鳥羽市の観光をより良いものにするために議論された数々の意見やアイディ
アをもとに英知を結集させて策定された計画書です。
この計画書は、対象地域を鳥羽市内全地域とし、鳥羽市の観光が将来進むべき方向性
を示す羅針盤としての役割を持ちます。
したがって、本計画書に記載された目標を鳥羽市内の観光に関係する皆様で共有し、
目標の実現に向かって地域一丸となりそれぞれが役割を果たす必要があります。
鳥羽湾の風景
|1|
第 2 次鳥羽市観光基本計画
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第1章
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
計画策定の趣旨
1-1 計画策定の背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
1-2 計画の期間と位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
1-3 計画策定の手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 2|
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
1―1.計画策定の背景と目的
1 計画策定の背景と目的
鳥羽市では、平成 20 年 1 月に「鳥羽市観光基本計画」を策定し、計画に基づいた施
策を展開してきました。鳥羽市観光基本計画(以降、第 1 次観光基本計画と記載)の期
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
間中には、リーマンショック(平成 20 年 8 月)による金融危機や不況、東日本大震災
の発生(平成 23 年 3 月)や急激な円高、近隣諸国との国際摩擦など、鳥羽市の観光に
も大きな影響を与える出来事が続きました。
近年では、平成 25 年に初めて訪日外国人旅行者数が 1,000 万人を突破し、平成 26
年にはさらに増加し 1,300 万人を突破し、いよいよ 2,000 万人突破が現実のものとなり
つつあるなど、明るい兆しも見え始めています。また、三重県内の動向としては、平成
25 年は伊勢神宮が式年遷宮を迎え、伊勢志摩地域では入込客延数が 3,620 万人1と前年
比 4 割増を記録しました。
観光をめぐる諸情勢は観光ニーズの多様化により著しく変化しています。また、都市
の大小や立地に関わらず、日本全国で観光地づくりや誘客が盛んになっています。こう
した状況を踏まえると、鳥羽市ではより一層戦略的な観光地づくりに取り組む必要があ
ります。
そこで、第 1 次観光基本計画が平成 27 年度で満了を迎えることを踏まえ、新たに第
2 次鳥羽市観光基本計画を策定しました。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
1
平成 25 年観光レクリエーション入込客数推計(三重県)
|3|
第 2 次鳥羽市観光基本計画
2 平成 20 年以降の国や県、旅行市場の動向
平成 20 年以降の国や県の観光政策および旅行市場を整理すると、次のとおりです。
○国の観光政策
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
観光は 21 世紀における日本の重要な政策の柱であることを位置付けた観光立国推進
基本法が平成 18 年 12 月に成立しました。さらに、政府は観光立国推進基本法に基づ
き平成 19 年 6 月に観光立国推進基本計画を閣議決定しました。この計画は平成 24 年 3
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
月に改訂され、次の基本方針と目標、具体的な施策が定められました。
図表 1-1 観光立国推進基本計画
基本方針
1.震災からの復興
2.国民経済の発展
3.国際相互理解の増進
4.国民生活の安定向上
計画期間
5年間
平成28年までの目標 1.国内における旅行消費額
2.訪日外国人旅行者数
3.訪日外国人旅行者の満足度
4.国際会議の開催件数
5.日本人の海外旅行者数
6.日本人の国内観光旅行による1人あたりの宿泊数
7.観光地域の旅行者の総合満足度
施策
30兆円
1800万人
「大変満足」45%
「必ず訪問したい」60%
5割以上増加させる
2000万人
2.5泊
「大変満足」25%程度
再来訪意向25%程度
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
1.国内外から選好される魅力ある観光地域づくり
2.オールジャパンによる訪日プロモーションの実施
3.国際会議等のMICE分野の国際競争力強化
4. 休暇改革の推進
その後も観光庁を中心に観光立国に向けた活発な取組みがなされており、平成 25 年
6 月に政府は日本再興戦略 -JAPAN is BACK-を閣議決定しました。この戦略では、3
つのアクションプランのうちの「戦略市場創造プラン」の中で観光について言及されて
います。また、同月には観光立国推進閣僚会議が「観光立国実現に向けたアクション・
プログラム」を取りまとめました。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
平成 25 年 9 月に「2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会」の誘致が決定し
たことを踏まえ、さらに同年に「観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014」
が発表され、国が推進していくべき事業が示されました。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 4|
図表 1-2 国の観光立国実現に向けたアクション・プログラム 20142
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
① 「2020年オリンピック・パラリンピック」を見据えた観光振興
1) オリンピック・パラリンピック開催をフルに活用した訪日プロモーション
2) オリンピック・パラリンピックを機に訪日する外国人旅行者の受入環境整備
<空港のゲートウェイ機能の強化>
<空港アクセスの改善>
<無料公衆無線LAN環境の整備・多言語対応の徹底>
<多機能フリーパスの検討>
<観光案内拠点・観光ガイドの充実>
3) オリンピック・パラリンピック開催効果の地域への波及
<航空による地方へのアクセスの充実>
<地方への鉄道旅行の促進>
4) オリンピック・パラリンピック開催を契機としたバリアフリー化の加速
② インバウンドの飛躍的拡大に向けた取組
1) インバウンド推進の担い手の拡大
2) 訪日プロモーションの戦略的拡大
3) 訪日プロモーションの新たな切り口での展開
4) 訪日プロモーションの実施体制の整備
5) 効果的なメディア戦略
6) オールジャパン体制による連携の強化
③ ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化
1) ビザ要件の戦略的緩和
2) 外国人長期滞在の促進
3) 出入国手続の迅速化・円滑化
4) 本邦航空会社による新規路線の開設やLCCの参入促進等による、利用しや
すい旅行商品の創出
④ 世界に通用する魅力ある観光地域づくり
1) 地域連携による情報発進力強化と新たな広域周遊ルートの形成
2) 地域の魅力を来訪者に体感してもらうための仕組みづくり
<規制制度面での環境整備>
<地域の観光振興の促進>
<観光地域づくりを担う主体への支援制度>
3) 世界に通用する地域資源の磨き上げ
<魅力ある空間の形成>
<美しい自然を活かして>
<海洋観光の展開>
<豊かな農山漁村の魅力>
<日本食文化の発信>
<文化資源・科学技術との連携>
4)
観光振興による被災地の復興支援
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
2
観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014 より作成
|5|
第 2 次鳥羽市観光基本計画
⑤ 外国人旅行者の受入環境整備
1) 多言語対応の改善・強化
<多言語対応ガイドラインの徹底>
<多言語アプリの活用>
<外国人旅行者に分かりやすい地図・ナビゲーション>
<道路の案内標識等>
<鉄道の駅施設・車両・外国語案内等>
<外国人が利用しやすいタクシーサービス等>
<美術館・博物館での展示解説>
<公園内の施設>
<ホテル・旅館の外国語放送>
2) 無料公衆無線LAN環境の整備促進など、外国人旅行者向け通信環境の改善
3) 公共交通機関による快適・円滑な移動のための環境整備
<ICカード・企画乗車券の利便性向上と情報発信>
<美術館・博物館、観光施設等と相互利用可能な共通パスの導入>
<空港アクセスの改善>
<貸切バスの供給確保>
<レンタカーの利便性向上>
<手ぶら観光の実現>
4) 「クルーズ100万人時代」実現のための受入環境の改善
<出入国手続きの円滑化>
<情報発信とターミナルの機能強化>
5) ムスリムおもてなしプロジェクトの実施
6) 「外国人旅行者向け消費税免税制度」の拡充を契機としたショッピング・ツーリ
ズムの振興と決済環境の整備
<ショッピング・ツーリズムの振興>
<決済環境の整備>
7) 外国人旅行者の安全・安心確保
<災害対応>
<不慮の怪我・病気への対応>
8) 多様な滞在ニーズへの対応と宿泊施設の情報提供の充実
9) 観光産業の人材育成
⑥ MICEの誘致・開催の促進と外国人ビジネス客の取り込み
1) MICEに関する取組の抜本的拡大
<取組対象の抜本的拡大>
<MICE戦略・強化都市への多面的支援>
<MICEの受入環境整備>
2) 外国人ビジネス客の取り込み強化
<訪日アクセス等の利便性向上>
<ビジネス環境の整備>
3) IR(統合型リゾート)についての検討
| 6|
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
○県の観光政策
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
三重県では、平成 24 年 3 月に「三重県観光振興基本計画」を策定し、国内外に対す
る観光宣伝活動の強化、魅力ある観光地の形成および人材の育成、観光旅行を促進する
ための環境の整備を基本方針とし、式年遷宮の好機を生かした国内誘客、三重県の特性
を生かした海外誘客、観光産業の高付加価値化、おもてなしの心を形にする観光の魅力
づくり・人づくり、利便性・快適性に優れた観光の基盤づくりを施策展開の柱として定
めています。平成 27 年度までの計画目標として、次の指標と数値を定めています。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
図表 1-3 三重県観光振興基本計画の目標数値
指標
観光消費額
観光レクリエーション入込客数
観光旅行者満足度評点
リピート意向率
県内の延べ宿泊者数
県内の外国人延べ宿泊者数
観光における海外自治体等との連携事業数
現状値
4,449億円
3,562万人
81.1点
75.7%
708万人
106,000人
0件
目標値(平成27年度)
5,250億円
4,000万人
100点
100%
800万人
150,000人
10件
○訪日外国人市場の拡大
平成 25 年に年間の訪日外国人旅行者数が初めて 1,000 万人を超え、平成 26 年には
1,300 万人を突破しました。国籍・地域別にその動向をみると、台湾・韓国・中国・米
国・香港が上位 5 位を占めていますが、近年はタイやインドネシア、ベトナムなど東南
アジア諸国からの訪日外国人が増加する傾向にあります。
図表 1-4 訪日外国人旅行者数の推移3
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
(単位:万人)
2,500
2,000
2,000
1,500
1,341
1,036
1,000
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
521
733
614 673
861
835 835
679
836
622
500
0
H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32
(2020)
出典:日本政府観光局(JNTO)日本政府観光局(JNTO)
。平成 15 年~平成 25 年は日本政府観光局発
表の月別確定値を合計して算出。平成 26 年は日本政府観光局発表の 1-10 月まで暫定値、11-12 月は推計
値を合計して算出した。
3
|7|
第 2 次鳥羽市観光基本計画
図表 1-5 訪日外国人旅行者数の推移(国籍・地域別)4
単位:人
国籍・地域
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
対H20伸び率
韓国
2,382,397
1,586,772
2,439,816
1,658,073
2,042,775
2,456,165
2,755,300
15.7%
台湾
1,390,228
1,024,292
1,268,278
993,974
1,465,753
2,210,821
2,829,800
103.5%
香港
550,190
449,568
508,691
364,865
481,665
745,881
925,900
68.3%
中国
1,000,416
1,006,085
1,412,875
1,043,246
1,425,100
1,314,437
2,409,200
140.8%
タイ
191,881
177,541
214,881
144,969
260,640
453,642
657,600
242.7%
シンガポール
167,894
145,224
180,960
111,354
142,201
189,280
227,900
35.7%
マレーシア
105,663
89,509
114,519
81,516
130,183
176,521
249,500
136.1%
インドネシア
66,593
63,617
80,632
61,911
101,460
136,797
158,700
138.3%
フィリピン
82,177
71,485
77,377
63,099
85,037
108,351
184,200
124.2%
ベトナム
34,794
34,221
41,862
41,048
55,156
84,469
124,300
257.2%
インド
67,323
58,918
66,819
59,354
68,914
75,095
87,900
30.6%
英国
206,564
181,460
184,045
140,099
173,994
191,798
220,100
6.6%
ドイツ
126,207
110,692
124,360
80,772
108,898
121,776
140,200
11.1%
フランス
147,580
141,251
151,011
95,438
130,412
154,892
178,600
21.0%
66,270
46,952
51,457
33,793
50,176
60,502
64,100
-3.3%
米国
768,345
699,919
727,234
565,887
716,709
799,280
891,600
16.0%
カナダ
168,307
152,756
153,303
101,299
135,355
152,766
182,900
8.7%
オーストラリア
242,031
211,659
225,751
162,578
206,404
244,569
302,700
25.1%
その他
585,975
537,737
587,304
415,477
577,273
686,862
823,100
40.5%
8,350,835
6,789,658
8,611,175
6,218,752
8,358,105 10,363,904 13,413,600
60.6%
ロシア
総計
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
出典:日本政府観光局(JNTO)。平成 20 年~平成 25 年は日本政府観光局発表の月別確定値を合計して
算出。平成 26 年は日本政府観光局発表の 1-10 月まで暫定値、11-12 月は推計値を合計して算出した。
4
| 8|
○国民の国内旅行はやや回復傾向
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
観光庁によると平成 25 年の国民一人当たりの国内宿泊観光旅行回数は 1.43 回(前年
比 5.9%増、暫定値)
、国民一人当たりの国内宿泊観光旅行者数は 2.35 泊(同 9.8%増、
暫定値)でした。国民一人当たりの国内宿泊観光旅行回数、国民一人当たりの国内宿泊
観光旅行泊数ともに平成 23 年まで減少傾向でしたが、それ以降は増加に転じています。
図表 1-6 国民一人当たり宿泊観光旅行回数および宿泊数
2.5
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
2.37
2.38
2
2.35
2.09
2.08
1.32
1.30
2.14
1.5
1.52
1.46
1.35
1.43
1
0.5
国民一人当たりの宿泊観光旅行回数(回)
国民一人当たりの宿泊観光旅行宿泊数(泊)
0
H20
H21
H22
H23
H24
H25
(年度)
出典:平成 25 年度版観光白書
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
|9|
第 2 次鳥羽市観光基本計画
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
1―2.計画の期間と位置づけ
1 計画の期間
平成 20 年 1 月に策定された第 1 次観光基本計画およびアクションプログラムが平成
27 年度で終了となるため、第 2 次鳥羽市観光基本計画は平成 28 年度〜平成 37 年度ま
での 10 カ年の計画とします。また、第 1 次観光基本計画と同様に、具体的に取り組む
事業を整理したアクションプログラムを策定します。アクションプログラムは、観光を
取り巻く情勢の変化を踏まえて見直しと更新を行うため、10 年間の計画期間を 3 期に
分け、前期(3 カ年)
・中期(3 カ年)
・後期(4 カ年)アクションプログラムとします。
図表 1-7 第 2 次観光基本計画の位置づけ
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
2024
2025
総合
計画
第五次鳥羽市総合計画
第2次鳥羽市観光基本計画
第1次鳥羽市観光基本計画
個
別
計
画
・
戦
略
等
第六次鳥羽市総合計画
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
観光
関連
前期
AP*
第2次前期
AP*
後期AP*
第2次中期
AP *
第2次後期
AP *
鳥羽市都市マスタープラン
その他
鳥羽市地域防災計画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
三重県観光振興基本計画
三重県
観光
関連計画等
三重県離島振興計画
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
伊勢志摩観光振興プラン
*AP:アクションプログラムの略
| 10 |
2 関連計画との関係性
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
第 2 次鳥羽市観光基本計画に関連する計画を整理すると、下図のとおりになります。
上位計画としては、「三重県観光振興基本計画」「三重県離島振興計画」(以上三重県策
定)や「第五次鳥羽市総合計画」(鳥羽市策定)があります。第2次鳥羽市観光基本計
画の関連計画として、「鳥羽市都市マスタープラン」や「鳥羽市地域防災計画」などが
あり、そのほか、「伊勢志摩観光振興プラン(伊勢志摩観光コンベンション機構策定)」
なども関連計画として位置づけられます。それぞれの計画において、鳥羽市の観光に関
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
わる記述は次のとおりです。
図表 1-8 第 2 次観光基本計画と関連計画
三重県の計画
三重県観光振興基本計画
(平成24年度~27年度)
三重県離島振興計画
(平成25年度~34年度)
鳥羽市の計画
調整・連携
第五次鳥羽市総合計画
(平成23年度~平成32年度)
調整・連携
調整・連携
第2次鳥羽市観光基本計画
(平成28年度~37年度)
関連する計画(国・民間等)
調整・連携
伊勢志摩観光振興プラン
(平成26年度~30年度)
調整・連携
鳥羽市都市マスタープラン
鳥羽市地域防災計画
調整・連携
○三重県観光振興基本計画(三重県)
【伊勢志摩地域の今後の方向性】
•
伊勢志摩地域は、日本を代表する観光地として、あらゆる面から県
内の観光地を牽引する役割が期待されている。「何回来ても新しい
発見、出会い、感動がある」など、さまざまな魅力をより深く体感
していただけるよう、日帰りから1泊へ、さらに2泊以上の滞在型
の観光地づくりを進める。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
•
外国人観光旅行者の誘致に取り組んできた、これまでの経験と知見
を生かし、また、最新の情報・交流技術(ICT)も活用しながら、
さらなる誘客に取り組むとともに、国際的に通用する観光地として
の地位を築く。
| 11 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
○三重県離島振興計画(三重県)
【離島の観光振興の方向(鳥羽市分を抜粋)】
•
「島遺産 100 選」登録やエコツーリズムの推進などにより、自然や
食、歴史・文化、祭、風物詩など、地域固有資源の更なる魅力創出
や活用・保存を進める。
•
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
滞在交流型体験プログラムの開発やインストラクター、ガイドの人
材育成、ホスピタリティの向上に努める。
•
観光基盤の形成や情報発信に努め、観光客の誘致や宿泊産業など観
光産業の活性化を図るとともに、離島間や本土との連携強化や情報
共有を図り、回遊性のある魅力的な観光地域づくりに努める。
•
映画「潮騒」の都市部におけるリバイバル放映や、第6作の製作の
働きかけをはじめ、伊勢志摩フィルムコミッションと連携した映画
やドラマ等の撮影誘致に取り組む。
○第五次鳥羽市総合計画(鳥羽市)
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
【観光交流】 自然の恵みと出あう感動をわかちあおう
•
海洋文化都市としての資源に磨きをかける
【施策】 1. 観光資源の保全・活用
2. 食の魅力の充実
3. 景観・環境の整備
•
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
まちの美しさや機能に磨きをかける
【施策】 1. 観光基盤の整備
2. 鳥羽観光の玄関口にふさわしい歓迎空間づくり
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
3. 観光案内の充実
4. パールロード沿線の景観整備
•
おもてなしの心を育み、鳥羽の魅力を発信する
【施策】 1. 宿泊産業の活性化
2. 旅行商品・プロモーションの充実
3. 円滑な道路通行条件の整備
4. おもてなしの啓蒙、観光ガイドの拡充
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 12 |
○鳥羽市都市マスタープラン(鳥羽市)
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
【都市づくりの目標】
(観光に関わる箇所のみ)
•
世界に誇れる豊かな自然や歴史を守り育てる”環境都市”づくり
1. 優れた自然環境を魅力とするまち
2. 鳥羽の歴史風土を活かした美しいまち
3. 環境にやさしいまち
•
多くの人々で賑わい、郷土の豊かさが感じられる”交流都市”づくり
1. まちの中心が賑わうまち
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
2. 産業が成長するまち
3. 観光交流が活発なまち
○鳥羽市地域防災計画 風水害対策編(鳥羽市)
【第 2 章 災害予防計画 第 5 節】
・観光施設の管理者又は経営者は、施設の責任者を定め、平常時から危険個
所の点検を行うとともに緊急時における連絡、避難誘導等の体制の強化に
努める。
○鳥羽市地域防災計画 地震・津波対策編(鳥羽市)
【第 2 部 第 1 章 観光地における防災対策の促進
第 7 節】
(この計画が目指す状態)
・観光客等の帰宅困難者の安全が確保されるよう、観光関係団体、観光事業
者、公共交通機関や地域住民が一丸となって観光防災対策に取り組む。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
【第 2 部 第 2 章 避難対策等の推進 第 1 節】
(この計画が目指す状態)
・住民個別の避難計画や観光客、定期船旅客等の避難誘導対策が確立してお
り、避難時要支援者に配慮している。
・それぞれの地域・施設等おいて津波避難対策が確立し、避難所の開設・運
営は町内会等と連携し、弱者対策が図られている。
福祉避難所の指定、避難対策に最大限配慮した地域づくりが進んでいる。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
【第 3 部 第 4 章 観光客等の帰宅困難者の安全確保
第 3 節】
(活動方針)
・市は、観光客等の帰宅困難者の保護等のため、帰宅支援等必要な対策を講
じる。
| 13 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
○伊勢志摩観光振興プラン(伊勢志摩観光コンベンション機構)
【共有理念・目的】
“観光立圏”伊勢志摩経済圏の活性化
1. 資源の見直し・相互利活用による伊勢志摩ブランドの確立
2. 全ての観光客に満足してもらえるおもてなし力の向上
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
(魅力・満足・快適・安全・安心の「おもてなし」)
3. 協働と競争的共存、地域一体となった持続可能な観光地育て
4. 観光による地域の潤いと地域の活性化
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
【基本戦略】
•
魅力の向上
•
満足度の向上
•
情報発信・誘客力の強化
•
協働推進体制の強化
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 14 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
1―3.計画策定の手順
本計画の策定にあたっては、観光関連団体から構成された、第 2 次鳥羽市観光基本計
画策定委員会および策定部会を設け、議論を行いました。策定部会は、実務担当者を中
心に構成され、ワークショップ形式で活発な議論を重ねてきました。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
図表 1-9 第 2 次観光基本計画の策定プロセス
策定委員会
策定部会
第1回策定委員会(平成26年7月1日)
第1回策定部会(平成26年7月1日)
 現状把握と課題の整理
 現状把握と課題の整理
第2回策定部会(平成26年7月28日)
 目標像の検討
 基本戦略の検討
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
第1次観光基本計画に関する意見シート
第3回策定部会(平成26年8月26日)
 目標像の検討
 基本戦略の検討
 主要施策の検討
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
第2回策定委員会(平成26年10月10日)
 目標像の検討
 基本戦略の検討
 主要施策の検討
第4回策定部会(平成26年10月10日)
第3回策定委員会(平成26年11月14日)
 主要施策の検討
 推進体制の検討
 計画骨子案の検討
第5回策定部会(平成26年11月14日)
 主要施策の検討
 推進体制の検討
 計画骨子の検討
市議会中間報告
(平成26年12月10日)
パブリックコメント
(平成26年12月15日~12月26日)
第4回策定委員会(平成27年2月5日)
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
 計画案の検討
市議会への上程
第2次鳥羽市観光基本計画の策定
| 15 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第2章
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
鳥羽市観光の現状と課題
2-1 鳥羽市の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
2-2 鳥羽市と周辺の観光資源・施設・・・・・・・・・・
22
2-3 鳥羽市における観光の動向・・・・・・・・・・・
35
2-4 第1次観光基本計画の評価・・・・・・・・・・・
46
2-5 観光客の客層および観光動態・・・・・・・・・・
57
2-6 鳥羽市観光の課題と展望・・・・・・・・・・・・
66
| 16 |
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
2―1.鳥羽市の概要
1 概要
本市は、三重県東端部の志摩半島北側に位置し、伊勢湾と太平洋・熊野灘に面して
おり、市域は神島・答志島・菅島・坂手島の 4 つの有人離島と半島部から構成されて
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
います。
市域面積は 108.05 平方キロメートルであり、70%以上を森林が占めています。
平地は海岸線沿いにのみ分布しており、市域の多くは急峻な山地となっています。また、
海岸線は、山地が海岸部まで迫っているため、風光明媚なリアス式海岸が形成されてお
り、全域が昭和 21 年に伊勢志摩国立公園の指定を受けています。海岸部は古くから豊
かな漁場となっており、今日まで海女漁をはじめとする多様な漁業が続けられています。
また、本市は国民の豊かな生活、文化振興および国際交流に果たす役割が大きいとし
て、全国 12 都市の 1 つである国際観光文化都市に、昭和 52 年に指定されています。
図表 2-1 鳥羽市の土地利用
雑種地
3,786,454
4%
原野
457,151
0%
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
田
5,227,019
6%
その他,
12,092,337,
14%
畑
3,419,062
4%
宅地
4,263,198
5%
池沼
37,464
0%
一般山林
59,240,759
67%
(単位:㎡)
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
データ:鳥羽市統計要覧 数値は平成 25 年
| 17 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
2 鳥羽市内へのアクセス・域内交通
本市は、鉄道が近鉄線、JR線によって大阪、名古屋方面と結ばれています。また、
海上交通では市営定期船や伊勢湾フェリーによって離島や伊勢湾を隔てた愛知県と結
ばれており、観光客や市民の足として重要な役割を担っています。一方、道路網は、広
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
域幹線道路である国道 42 号、国道 167 号が市域を縦貫し、県道・市道も含めて道路体
系が形成されています。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
図表 2-2 鳥羽市へのアクセス(鉄道・船・フェリー)
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 18 |
3 人口・世帯
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
平成 25 年の人口は、住民基本台帳によると 21,114 人で昭和 61 年以降毎年減少傾向
が続いています。10 年前の平成 16 年と比較すると、約 13.8%の減少となっています。
一方、世帯数については微増を続けています。
図表 2-3 人口と世帯数の推移
(単位:人)
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
(単位:世帯)
35,000
10,000
9,000
30,000
8,000
25,000
7,000
6,000
20,000
5,000
15,000
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
4,000
3,000
10,000
2,000
5,000
1,000
0
0
S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25
人口(左軸)
世帯数(右軸)
人口
世帯数
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
29,035 28,818 28,920 28,697 28,682 28,541 28,424 27,944 27,831 27,632
7,956 7,939 8,091 8,039 8,081 8,111 8,154 8,099 8,132 8,141
人口
世帯数
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
27,464 27,335 27,294 26,987 26,742 26,399 26,053 25,605 25,395 25,139
8,238 8,327 8,400 8,382 8,412 8,401 8,397 8,328 8,366 8,389
人口
世帯数
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
24,840 24,494 24,090 23,761 23,343 22,954 22,646 22,249 21,858 21,429 21,114
8,382 8,376 8,359 8,378 8,352 8,382 8,445 8,427 8,408 8,367 8,510
データ:住民基本台帳、基準:各年 3 月末日現在
| 19 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
4 産業の実態
本市の第 1 次産業(主に漁業・農業)の就業率は三重県内で第 3 位となっており、
特に、伊勢湾や熊野灘の豊かな資源を背景とした漁業従事者が多くなっています。
また、豊富な海の幸を食材とする飲食店や、旅館・ホテル等のサービス業に従事する
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
人が多いことから、第 3 次産業就業率は三重県内で第 4 位と高くなっています。
就業人口は減少傾向にあり、平成 22 年では第 1 次産業 1,325 人(12.9%)、第 2 次
産業 1,814 人(17.7%)
、第 3 次産業 7,100 人(69.3%)となっています。
産業別に就業者割合の推移をみると、第 3 次産業の就業者割合が増加し、第 1 次、第 2
次産業は減少しています。
図表 2-4 産業別就業者数
第1次産業
内訳 漁業
農業
その他の第1次産業
第2次産業
内訳 製造業
建設業
その他の第2次産業
第3次産業
内訳 飲食店・宿泊業
卸売・小売業
サービス業(他に分類されないもの)
その他の第3次産業
合計
就業者数
(人)
1,325
1,206
112
7
1,814
1,231
571
12
7,100
2,206
1,539
1,011
2,344
10,239
割合
12.9%
11.8%
1.1%
0.1%
17.7%
12.0%
5.6%
0.1%
69.3%
21.5%
15.0%
9.9%
22.9%
100.0%
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
データ:平成 22 年国勢調査
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 20 |
図表 2-5 産業別就業者数の推移
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
(単位:人)
16,000
14,349
14,304
13,955
12,804
14,000
11,781
12,000
10,000
10,239
9,362
8,508
8,438
8,445
7,868
8,000
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
7,100
6,000
4,000
2,000
3,146
3,066
2,765
2,814
1,814
2,128
1,916
1,790
1,325
H2
H7
H12
H17
H22
第1次産業
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
2,123
2,381
0
S60
2,443
第2次産業
第3次産業
総計
データ:昭和 60 年~平成 22 年国勢調査
図表 2-6 産業別就業者数の比率推移
0%
S60
H2
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
40%
19%
60%
80%
22%
17%
22%
61%
15%
20%
65%
H12
15%
19%
66%
H17
15%
18%
67%
13%
100%
59%
H7
H22
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
20%
18%
69%
第1次産業
第2次産業
第3次産業
データ:昭和 60 年~平成 22 年国勢調査
| 21 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
2―2.鳥羽市と周辺の観光資源・施設
(注)本項のデータは主に鳥羽市総合パンフレット「鳥羽たびガイド」や鳥羽市ホームページ、
鳥羽市観光協会のウェブサイトを参照して作成している。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
1 広域的な観光資源
本市を含む広域的な周遊観光のルートの中で鳥羽市の位置づけを見るためには、広域
的に点在する観光資源の特徴を捉えることが必要です。
(公財)日本交通公社による観光資源評価では、日本各地に立地する数多くの観光資
源の中から、とりわけ魅力があり、“わが国を代表するもの、日本人の誇り、日本のア
イデンティティを示すもの、人生のうちで一度は訪れたいもの”を<A 級観光資源>と
し、さらにそのなかでも特に“世界にも強く誇れるもの”を<特 A 級観光資源>として
評価しています。全国で A 級資源が 396 件、特 A 級が 55 件選定されており、三重県
には A 級が 4 件、特 A 級が 2 件あります。
鳥羽市の周辺で特 A 級および A 級観光資源として選定された観光資源を地図上で示
すと図表 2-8 のとおりで、松阪牛のすき焼き(松阪市)や伊勢神宮、式年遷宮(共に伊
勢市)、英虞湾(志摩市)が選定されています。
三重県南部から和歌山県南部にかけては、大杉谷や大台ケ原、瀞峡、那智滝といった
自然資源が数多く選定されています。また、平成 16 年に登録された世界文化遺産「紀
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
伊半島の霊場と参詣道」の構成資産である熊野三山や熊野古道や丸山千枚田、湯の峰温
泉が選定されています。
観光資源評価の視点
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
美しさ
大きさ
古さ
珍しさ
静けさ
日本らしさ
地方らしさ
住民とのつながりの深さ
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
図表 2-7 観光資源の種別と評価の視点1
観光資源の種別
自然資源
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
1
山岳
高原 湿原 原野
湖沼
河川 峡谷
滝
海岸 岬
岩石 洞窟
動物
植物
自然現象
人文資源
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
史跡
神社 寺院 教会
城跡 城郭 宮殿
集落・街
郷土景観
庭園 公園
建造物
年中行事
動植物園 水族館
博物館 美術館
テーマ公園 テーマ施設
温泉
食
芸能・興業・イベント
•
•
•
•
•
•
•
•
出典:公益財団法人日本交通公社, 全国観光資源台帳
| 22 |
図表 2-8 特 A 級および A 級観光資源の分布(三重県およびその周辺)
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 23 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
2 伊勢志摩地域の観光資源・施設
伊勢志摩地域の広域的な範囲で観光資源を見ると、図表 2-9 のとおりとなります。多
くの観光資源は海岸沿いに立地しています。伊勢市には伊勢神宮や夫婦岩といった歴史
的資源や史跡・旧跡があり、志摩市には志摩スペイン村パルケエスパーニャや志摩マリ
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
ンランド、志摩パークゴルフ場などレジャー施設が多く集積しているのが特徴です。そ
れらに挟まれた鳥羽市には、鳥羽水族館やミキモト真珠島などのレジャー施設だけでな
く、神明神社や海の博物館、相差海女文化資料館などの文化観光施設があるのが特徴で
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
す。
図表 2-9 伊勢志摩地域の観光資源
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 24 |
3 鳥羽市の観光資源・施設
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥羽市には、アウトドア施設や海水浴場・プールといったレクリエーション施設、寺
社仏閣や名所・旧跡といった文化観光を支える資源、レジャー施設、博物館・資料館な
どの施設、ビューポイントとなる灯台や展望台などがあります。
以下では、中心市街地と集落・離島の観光資源を資源の種類別に整理します。
○中心市街地
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
鳥羽駅周辺には、鳥羽市観光案内所や鳥羽ビジターセンター、伊勢志摩バリアフリー
ツアーセンター、鳥羽市歴史文化ガイドセンターといった施設が立地しており、観光客
の玄関口としての機能を果たしています。また、鳥羽マリンターミナルからは各離島を
結ぶ定期船が発着しています。
また、鳥羽駅の南側は戦国時代に築城された鳥羽城と足下に広がる城下町の雰囲気を
一部に残す、歴史的な地域となっています。鳥羽みなとまち文学館や鳥羽城三ノ丸広場
などがあり、まちあるきを楽しむことができます。
・鳥羽水族館
自然の環境を再現した 12 のゾーンがあり、約 1,200 種類 30,000 点もの海や川の生きものが飼育・展示
されている、国内最大級の水族館。
・ミキモト真珠島
御木本幸吉が世界で初めて真珠養殖に成功した島。島内には真珠博物館や御木本幸吉記念館、様々な真
珠製品のショッピングや海女の実演を楽しむことができる。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
・鳥羽マルシェ
鳥羽志摩の地域が誇る水産物や農作物の直売所と郷土料理を中心とした地物ビュッフェレストラン。平
成 26 年 10 月にオープンした。
・鳥羽みなとまち文学館
江戸川乱歩や竹下夢二と親交のあった画家/風俗研究家の岩田準一の生家を利用した施設。
・鳥羽湾めぐりとイルカ島
鳥羽湾をめぐる 1 周約 50 分のクルーズ。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
・城山公園・鳥羽城三ノ丸広場
城山公園は九鬼嘉隆が築いた鳥羽城の北側にある公園で高台になっていて、鳥羽の港が一望できる。三
ノ丸広場は城山公園の東側にあるポケットパークで、石垣を整備し平成 22 年に完成した。
・めだかの学校
ビオトープでメダカを楽しむことができる。藤棚や足湯も設けられている。
・鳥羽大庄屋かどや(旧広野家住宅)
江戸時代に大庄屋を務めた鳥羽の富豪の住居を一般公開している。
| 25 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
図表 2-10 鳥羽市中心市街地の観光資源・施設
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 26 |
○集落・離島の観光資源
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
集落や離島には、それぞれの地域固有の寺社仏閣や史跡・旧跡、美しい風景を眺める
ことができる展望台や灯台等があります。
観光交流施設
<海女小屋>
離島や集落にある「海女小屋」では、現役の海女さんの話を聞きながら、食事をとることができる。
<浮島自然水族館>
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
大潮の干潮時間に合わせて、手つかずの自然を観察し、磯の生き物とふれあうことができる。
寺社仏閣・名所・旧跡
<鳥羽三女神>
・女性の願いを叶えると言われる石神さん(神明神社)
、縁結びの伊射波神社、安産の神・彦瀧大明神は「鳥
羽三女神」として近年人気を集めている。
<九鬼嘉隆に関連する資源>
・戦国時代に鳥羽城主で水軍の将として活躍した九鬼嘉隆は、関ヶ原の戦いで西軍に味方し敗れ、答志島
で自刃した。その後、息子の守隆によって首は首塚に、胴部は胴塚に葬られた。首塚は鳥羽城を望む築
上岬山上に、胴塚は自刃した洞仙庵の近くにあり、県指定文化財となっている。また、加茂エリアにあ
る九鬼岩倉神社は、かつて九鬼家の居城だった「田城」があった場所で、九鬼の本家にあたる澄隆がそ
の叔父・嘉隆に暗殺されたという伝説が残っている神社である。中心市街地にある賀多神社は九鬼嘉隆
が何度も戦勝を祈祷したと言われる由緒ある神社である。
・丸興山庫蔵寺
弘法大師ゆかりの古刹で、本堂の天井絵は国の重要文化財に指定されている。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
・青峯山正福寺
本尊の十一面観音菩薩は、相差の海からクジラに乗り現れたと伝わる。漁業や船舶関係者の信仰が厚く、
旧暦 1 月 18 日には「御船祭」が行われる。
・海女潜女神社
潜水作業の「めまい除け」にご利益があるとされ、地元の海女や全国のダイバーから信仰されている。
・浦神社
浦の権現さんと親しまれ、洞の湧水は目に効くと言われている。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
・梵潮寺
後醍醐天皇の勅願を受けて開山された古刹。
・八代神社
宝物の銅鏡などが伊勢神島祭祀遺物として国の重要有形文化財・考古資料に、また鉄獅噛文金銅象嵌鍬
形が、国の重要有形文化財・工芸品に指定されている。毎年元旦未明に奇祭・ゲーター祭が行われる。
博物館・資料館
<海の博物館>
| 27 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
・
「海と人間の長くて深いかかわり」をテーマに、海に関する約 6 万点におよぶ実物資料を保存・展示して
いる。昭和 46 年に鳥羽市中心部に開館し、平成 4 年に移転した。漁労用具のほか、加工販売用具、船
関係用具、製作修理用具から、生活・信仰・儀礼に関するものなど、あらゆる海の資料を網羅するよう
収集してきているうえに、収集範囲も全国に広げており、海に関しては我が国最大の博物館。施設は、
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
内藤廣氏の設計で、日本建築学会賞など多くの賞を受賞しており日本の公共建築百選にも選ばれている。
<相差海女文化資料館>
・相差の歴史や海女の暮らし、海女漁などについて、さまざまな資料で紹介している。平成 19 年 4 月に
オープンした。
ビューポイント
<展望台>
・鳥羽展望台
鳥羽と志摩を結ぶ海岸線沿いを走るパールロード沿いにある展望台。リアス式海岸と水平線を望めるス
ポット。
・常永久の鐘
太平洋と的矢湾に面し、目の前に安乗崎を見ることができる菅崎園地の突端にある。
<灯台>
・鎧埼灯台や神島灯台、菅島灯台などがある。菅島灯台は現存する日本最古の洋式灯台と言われ、国登録
有形文化財になっている。
<その他>
・麻生の浦大橋やその周辺では、漁業によって生まれた生活景観である、カキ養殖の筏が海に浮かぶ景色
を楽しむことができる。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
レクリエーション施設
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
<海水浴場>
市内に 10 か所の海水浴場がある。
<キャンプ場>
市内に 3 か所のキャンプ場がある。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
鎧埼灯台
丸興山庫蔵寺
| 28 |
図表 2-11 鳥羽市集落・離島の観光資源
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 29 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
○伝統文化・イベント
鳥羽市内では、年間にわたって、伝統的な祝祭やイベントが市内各地で行われていま
す。代表的なものを年間カレンダーで整理すると、次の表のとおりとなります。
図表 2-12 鳥羽市の伝統文化・イベント
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
12月
・1 日 ゲーター祭(神島)
・中旬 八幡祭(答志島)
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
・中旬 御船祭(青峯山正福寺)
・ 下旬 浦村牡蠣の国まつり(浦村)
・上旬 鳥羽春まつり(鳥羽)
・7 日 石神さん春祭り(相差)
・2 2 日 赤崎祭り(赤崎神社)
・ 1 日 海女潜女神社例大祭(国崎)
・上旬 しろんご祭(菅島)
・1 4 日 相差天王くじら祭
・下旬 鳥羽みなとまつり(鳥羽)
・魚々まつり(鳥羽)
・2 3 日 加布良古神社
例大祭(安楽島)
・2 3 日 大漁祈願祭(安楽島)
・2 4 日 春雨艦
例大祭(相差)
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
・2月・12月を除く毎月30日 真珠婚式
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
ゲーター祭(神島)
石神さん春祭り(相差)
| 30 |
○食
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
豊かな海に囲まれる鳥羽市では、伊勢エビや牡蠣、あわびなど、一年を通じて様々な
海の幸を楽しむことができます。それぞれの魚種を旬によって整理すると次の表のとお
りとなります。
図表 2-13 鳥羽市の食の魅力
春
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
まだい
しらす
あわび
サザエ
あらめ
すずき
いせえび
まだこ
さわら
しらす
まがき
わかめ
くろのり
あおのり
夏
ウニ
秋
冬
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 31 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
なまこ
4 宿泊施設
本市には多彩な種類の宿泊施設があります。様々な形態の宿泊施設が数多く存在する
ことは、観光客にとって選択肢を拡げることに繋がり、鳥羽の魅力の 1 つとなっていま
す。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
○鳥羽市内の宿泊施設の特徴
平成 25 年現在、鳥羽市には宿泊施設が 187 軒あり、収容人員は 16,390 人です。
宿泊施設の内訳は、政府登録ホテルが 2 軒、政府登録旅館が 19 軒、国際観光旅館連
盟加盟旅館が 2 軒、日本観光旅館連盟加盟旅館が 20 軒、普通旅館が 67 軒、民宿が 70
軒などとなっています。また、エリア別に宿泊施設の総数を見ると、相差で最も多く
70 軒を占めます。
収容人員数は、政府登録旅館が最も多く 6,983 人、次いで普通旅館で 3,929 人、日本
観光旅館連盟加盟旅館で 2,269 人、民宿で 2,095 人などとなっています。
収容人員数を宿泊施設数で除した 1 施設あたりの収容人員数は、約 90 人となってい
ます。特に普通旅館や民宿などでは 1 施設あたりの収容人員数が 60 人を下回っており、
小規模な宿泊施設も多いと言えます。
また、答志島、小浜、鳥羽、安楽島、浦村、石鏡、国崎、相差、畔蛸のエリアには温
泉を楽しめる宿が約 60 軒あります。
図表 2-14 鳥羽市内の宿泊施設数
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
(単位:軒数)
エリア
鳥羽
小浜
堅神
安楽島
今浦
本浦
石鏡
国崎
相差
畔蛸
坂手
桃取
答志
和具
菅島
神島
合計
政府登録
国際観光 日本観光
普通旅館
ホテル
旅館
旅館連盟 旅館連盟
1
7
1
2
3
1
1
3
2
1
4
1
1
1
3
2
7
1
9
5
3
3
4
17
3
1
1
2
19
2
1
1
1
1
20
1
3
11
2
1
67
民宿
ペンション
保養所
3
1
2
1
4
43
6
1
1
3
1
2
2
70
2
1
2
1
1
5
2
合計
11
11
0
19
7
7
7
9
70
10
3
3
7
15
5
3
187
(注)国際観光旅館連盟と日本観光旅館連盟は平成 24 年 10 月 1 日に合併し、日本旅館協会となった。
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
| 32 |
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
図表 2-15 鳥羽市内の宿泊施設収容人員数
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
(単位:人)
鳥羽
小浜
堅神
安楽島
今浦
本浦
石鏡
国崎
相差
畔蛸
坂手
桃取
答志
和具
菅島
神島
合計
政府登録
国際観光 日本観光
普通旅館
ホテル
旅館
旅館連盟 旅館連盟
200
2,592
50
151
999
140
100
348
1,662
646
1,006
260
150
166
108
150
437
202
240
200
824
730
829
90
130
350
66
90
70
130
169
40
385
40
60
30
350
6,983
309
2,269
3,929
民宿
ペンション
83
30
52
15
103
1,413
201
15
18
65
28
45
27
2,095
40
60
30
27
157
保養所
298
298
合計
2,993
1,670
0
3,652
350
476
804
543
3,796
421
395
174
265
649
145
57
16,390
(注)国際観光旅館連盟と日本観光旅館連盟は平成 24 年 10 月 1 日に合併し、日本旅館協会となった。
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
○三重県における鳥羽市内の宿泊施設の特徴
三重県全域における鳥羽市の宿泊施設数の割合をみると、鳥羽市には三重県内の宿泊
施設の 22%が存在し、三重県内の市町で最も多い比率となっています。また、近隣市
である志摩市が 21%、伊勢市が 6%を占めており、三重県の宿泊施設の約半数が伊勢
志摩鳥羽エリアにあります。
図表 2-16 三重県における鳥羽市内の宿泊施設数の比率(平成 25 年)
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
その他(7市
14町) 26.6%
三重県全域
宿泊施設
851軒
紀北町 4%
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
鳥羽市 22%
志摩市 21%
熊野市 4%
四日市市
4%
尾鷲市 5%
伊勢市 6%
津市 7%
データ:平成 26 年刊三重県統計書
| 33 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
5 鳥羽市の観光資源・施設の評価
鳥羽市および周辺の観光資源・施設の状況を踏まえると、鳥羽市の観光資源・施設は
次のとおり評価することができます。

計第
画1
策章
定
の
趣
旨
日本を代表する観光資源は、鳥羽市周辺には伊勢神宮(伊勢市)や英虞湾(志
摩市)など存在するものの、鳥羽市内には存在していない。

しかし、鳥羽市には鳥羽水族館やミキモト真珠島などの観光施設や、生活文化
を伝える海女関連の観光交流施設、歴史文化を伝える寺社仏閣・名所・旧跡、
博物館や資料館、自然風景を楽しむことができるビューポイントが中心市街地
や集落、離島に数多く点在している。

また、豊かな海に囲まれ、四季折々の海の幸を楽しむことができるほか、集落
や離島には地域特有の伝統行事が行われている。これらの観光資源は、保全を
図りながら更に観光活用を推進することで、より一層観光地鳥羽の魅力向上に
貢献するものと言える。

そして、宿泊施設数は県内トップを誇り、ホテルや旅館、民宿など様々な形態
の宿泊施設を擁しており、観光客の多様なニーズに対応できると言える。

したがって、既存の観光資源により一層の磨きを掛け、持続的な資源の活用を
図ると同時に、宿泊拠点としての機能を強化することが必要である。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 34 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
2―3.鳥羽市における観光の動向
1 観光客数の動向
○宿泊客数の推移
ここ 10 年間の延べ宿泊者数の推移を見ると、平成 21 年以降 4 年連続で 200 万人泊
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
を下回っていましたが、平成 25 年には再び 200 万人泊を超えました。また、平成 25
年の宿泊客数を月別に見ると、8 月と 11 月にピークがあり、2 月、4 月、6 月は少なめ
です。
図表 2-17 延べ宿泊者数の推移
単位(万人泊)
400
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
300
209
206
211
199
213
216
200
194
198
H21
H22
201
179
172
H23
H24
100
0
H15
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
H16
H17
H18
H19
H20
H25
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
図表 2-18 月別の宿泊者数(平成 25 年)
(単位:人泊)
300,000
249,249
250,000
224,941
182,240
200,000
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
150,000
176,128
149,947
153,264
142,468
127,390
124,103
152,268
134,097
193,785
100,000
50,000
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
| 35 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
○日帰り客数の推移
一方、日帰り観光客数の推移については、平成 19 年に 300 万人を記録して以降、減
少傾向が続きましたが、平成 25 年には 277 万人にまで回復しました。
図表 2-19 日帰り観光客数の推移
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
単位(万人)
400
299
300
288
290
293
301
251
236
256
277
242
240
H23
H24
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
200
100
0
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H25
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
2 外国人観光客の動向
○外国人の宿泊者数および入込客数
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
平成 15 年以降の外国人観光客数の推移を見ると、入込客数は平成 19 年、20 年に
53,000 人超を記録したものの、その後減少傾向が続いています。一方、外国人宿泊者
数については、平成 19 年に 19,302 人泊を記録したあとは減少傾向が続いています。
また、平成 20 年にはリーマンショックの影響により、外国人入込客数は 53,759 人
から 32,298 人、外国人宿泊者数は 16,626 人泊から 12,692 人泊、平成 23 年は東日本
大震災の影響により外国人入込客数は 29,972 人から 9,921 人、外国人宿泊者数は
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
10,368 人泊から 1,370 人泊へと大幅に減少し、その後も 5,000 人泊を下回っており、
低迷が続いています。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 36 |
図表 2-20 外国人観光客数の推移
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
60,000
53,532 53,759
外国人宿泊者数(人泊)
50,000
外国人入込客数(人)
40,844
40,000
35,759
32,298
30,000
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
28,408
25,260
20,000
13,581
15,518
29,972
20,002
19,302
17,673 18,695
16,626
16,543
12,692
10,368
9,921
10,000
1,370
4,589 3,471
0
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
○延べ宿泊者数にみる外国人宿泊者数の比率
鳥羽市を訪れる延べ宿泊者数のうち外国人の占める比率を見ると、
平成 15 年以来 1%
を下回っています。
図表 2-21 外国人宿泊者数の比率
5%
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
4%
3%
2%
1%
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
0.6%
0.8%
0.9%
0.9%
0.9%
0.8%
0.7%
0.5%
0.1%
0.3%
0.2%
H24
H25
0%
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
延べ宿泊者数に外国人が占める比率
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
| 37 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
○訪日外国人旅行者数の全国および鳥羽市の伸び率の比較
平成 15 年の全国および鳥羽市の訪日外国人旅行者数を 1 とし、その後の伸び率を比
較すると次の図のとおりとなります。平成 20 年までは全国の伸び率に比べて鳥羽市の
方が拡大していましたが、平成 21 年以降は逆転しています。平成 21 年のリーマンシ
ョックおよび新型インフルエンザ、平成 23 年の東日本大震災の影響による訪日外国人
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
旅行者数の減少からの回復が遅れていると言えます。
図表 2-22 外国人入込客数の伸び率
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
H15の訪日外国人旅行者数
を1としたときの伸び
2.5
2.1
2.1
2.0
2.0
1.6
1.7
1.4
1.5
1
1.0
1
1.6
1.2
1.3
1.6
1.4
1.3
1.3
1.1
1.6
1.2
1.2
0.7
0.5
0.8
0.4
0.0
H15
H16
H17
H18
H19
鳥羽市
H20
H21
H22
H23
H24
H25
日本全国
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)および訪日外客数(日本政府観光局(JNTO))
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 38 |
○宿泊旅行統計に見る外国人延べ宿泊者数
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥羽市と中部・近畿地方各県2各地域の外国人延べ宿泊者数(平成 25 年)を観光庁「宿
泊旅行統計3」の結果を用いて比較すると、三重県内の市町は全体的に少ない傾向にあ
ります。
図表 2-23 宿泊旅行統計における外国人延べ宿泊者数の比較(平成 25 年)
(単位:人泊)
0
100,000
大阪市
京都市
名古屋市
神戸市
高山市
金沢市
浜松市
富士河口湖町
豊橋市
富山市
豊田市
大津市
白浜町
松本市
奈良市
岐阜市
長野市
新潟市
茅野市
姫路市
津市
長浜市
静岡市
笛吹市
山ノ内町
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
200,000
300,000
400,000
500,000
2,474,339
1,445,000
464,004
266,809
179,461
177,110
116,695
104,571
77,903
57,894
53,526
49,017
41,254
40,333
37,451
36,507
29,900
29,575
27,217
26,014
25,723
24,529
24,441
24,365
20,924
・
・
・
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
志摩市
・
・
・
鳥羽市
17,187
1,519
・
・
・
三重郡菰野町
363
データ:観光庁「宿泊旅行統計調査」
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
2
観光庁「宿泊旅行統計調査」の新潟県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、富山県、
石川県、山梨県、福井県、長野県、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県を参照した。
3 宿泊旅行統計調査の調査対象施設は、従業者数に応じて、従業者数 10 人以上の事業所:全数調査、従業
者数 5 人~9 人の事業所:1/3 を無作為に抽出してサンプル調査、従業者数 0 人~4 人の事業所:1/9 を無
作為に抽出してサンプル調査することと定められている。外国人延べ宿泊者数については多くの市町村で
従業者数 9 人以下の事業所のデータが存在しないため、上記の表は従業者数 10 人以上の事業所における数
値を用いて作成している。宿泊旅行統計調査と鳥羽市の統計とは調査方法が異なるため、数値は一致しな
い。
| 39 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
3 観光施設入込客数
主な観光施設への入込客数の推移を見ると、「鳥羽水族館」や「ミキモト真珠島」な
どは平成 3 年から平成 12 年までは減少傾向が続いたものの、ここ 10 年間は安定し低
推移しています。また、
「相差海女文化資料館」は平成 23 年、
「神明神社(石神さん)
」
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
は平成 22 年以降、観光客数が増加しています。
図表 2-24 観光施設入込客数の推移4
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
(単位:万人)
300
250
200
鳥羽水族館
ミキモト真珠島
志摩マリンレジャー
(鳥羽湾めぐり)
志摩マリンレジャー
(イルカ島)
パールロード鳥羽展望台
海の博物館
150
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
100
50
0
H1
H5
H10
H15
H20
H25
(単位:年)
(単位:人)
300,000
相差海女文化資料館
250,000
246,502
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
神明神社(石神さん)
海女の家五左屋
183,136
200,000
164,474
150,000
125,601
100,000
50,000
68,137
80,275
58,786
31,656
62,208
76,558
71,996
H24
H25
52,048
0
H21
H22
H23
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
平成 25 年は鳥羽湾めぐりとイルカ島の年間入込客数が一本化された。またパールロード展望台について
は、平成 15 年~平成 17 年の数値が不明。
4
| 40 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥羽水族館
ミキモト真珠島
志摩マリンレジャー
(鳥羽湾めぐり)
志摩マリンレジャー
(イルカ島)
パールロード鳥羽
展望台
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
1,407,199
2,125,526
2,472,854
2,217,021
1,831,159
1,740,362
1,625,738
1,494,319
1,357,623
1,209,312
977,682
997,120
1,011,349
942,536
903,454
726,968
598,786
551,700
457,412
360,069
439,110
444,011
437,733
408,159
348,323
310,321
279,214
283,492
311,936
278,926
262,358
253,453
245,081
230,195
193,243
165,723
155,969
159,114
162,616
133,617
628,410
667,321
667,044
737,224
722,262
683,970
652,647
581,809
597,364
480,000
2,231
3,090
28,170
59,965
46,840
52,602
59,672
53,208
55,432
海の博物館
H11
H12
H19
H20
1,096,406
1,052,971
973,775
908,045
951,225
935,310
876,596
935,351
1,028,122
1,039,503
297,607
270,645
251,471
245,102
248,790
237,314
228,372
227,592
262,073
253,723
262,906
254,321
251,638
245,620
229,246
223,894
220,805
217,545
233,536
224,835
134,719
130,672
128,370
133,326
122,654
120,234
123,105
115,693
121,184
113,387
505,387
657,483
498,432
30,096
179,053
180,417
220,011
海の博物館
49,422
47,186
48,939
44,791
47,918
45,309
40,606
鳥羽水族館
936,106
888,553
828,492
815,980
947,753
ミキモト真珠島
205,969
192,256
161,055
164,699
228,158
195,698
186,974
167,779
180,485
101,256
99,251
92,693
13,904
262,459
269,815
248,599
268,131
272,017
38,939
35,667
32,950
30,374
33,522
鳥羽水族館
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
ミキモト真珠島
志摩マリンレジャー
(鳥羽湾めぐり)
志摩マリンレジャー
(イルカ島)
パールロード鳥羽
展望台
H21
志摩マリンレジャー
(鳥羽湾めぐり)
志摩マリンレジャー
(イルカ島)
パールロード鳥羽
展望台
海の博物館
H22
H13
H23
H14
H24
H15
H16
不明
51,554
不明
51,544
H17
不明
46,987
H18
H25
209,104
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
鳥羽水族館
| 41 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
4 宿泊収容力
○鳥羽市内の宿泊収容力の推移
宿泊施設数は平成 15 年と比較すると 19.4%の減少で、収容人数についても 15.1%の
減少となっており、徐々に減少傾向にあります。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
図表 2-25 宿泊収容力の推移
(単位:人)
(単位:軒数)
25000
250
237
219
220
216
212
211
203
199
20000
194
187
187
15000
10000
200
150
19768
19215
18,837
19089
100
18,492
18,104
18,444
5000
16,390
18,191
16,390
18,840
50
0
0
H15
H16
H17
H18
H19
収容人数(左軸 単位:人)
H20
H21
H22
H23
H24
H25
施設数(右軸 単位:軒数)
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
○エリア別の宿泊収容力の推移
平成 18 年以降の宿泊施設数および収容人数の推移をエリア別にみると、宿泊施設数
が最も大きく減少したのは相差エリアで 8 軒、次いで神島エリアで 5 軒となっています。
また、宿泊施設数が増加したエリアはありません。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
収容人数についても、最も大きく減少したのは相差エリアで 1,242 人分の減少となっ
ています。次いで和具エリアで 333 人分の減少、本浦エリアで 246 人分の減少と続き
ますが、鳥羽エリアや小浜エリア、桃取エリアでは平成 18 年に比べ平成 25 年は収容
人数が増加しています。
| 42 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
図表 2-26 宿泊施設数のエリア別推移
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
鳥羽
小浜
堅神
安楽島
今浦
本浦
石鏡
国崎
相差
畔蛸
坂手
桃取
答志
和具
菅島
神島
合計
H18
12
11
1
20
10
9
9
10
78
11
4
3
7
17
6
8
216
H19
12
10
1
19
10
9
9
10
77
11
4
3
7
17
6
7
212
H20
12
10
1
22
10
9
9
10
76
10
3
3
7
17
5
7
211
H21
12
10
1
22
10
9
8
10
73
10
3
3
7
16
5
4
203
H22
12
11
0
20
9
9
8
10
72
10
3
3
7
16
5
4
199
H23
12
11
0
20
8
9
7
9
72
10
3
3
7
15
5
3
194
H24
11
11
0
19
7
7
7
9
70
10
3
3
7
15
5
3
187
H25
11
11
0
19
7
7
7
9
70
10
3
3
7
15
5
3
187
(単位:軒数)
H18とH25の増減
▲1
0
▲1
▲1
▲3
▲2
▲2
▲1
▲8
▲1
▲1
0
0
▲2
▲1
▲5
▲ 29
データ:平成 18 年~平成 25 年各年の観光統計資料(鳥羽市観光課)
図表 2-27 宿泊施設収容人数のエリア別推移
鳥羽
小浜
堅神
安楽島
今浦
本浦
石鏡
国崎
相差
畔蛸
坂手
桃取
答志
和具
菅島
神島
合計
H18
2,958
1,450
25
3,834
457
722
953
620
5,038
546
415
105
327
982
250
155
18,837
H19
2,958
1,425
25
3,809
457
722
953
620
4,768
546
415
105
327
982
250
130
18,492
H20
2,958
1,425
25
3,914
457
722
973
620
4,718
476
400
105
327
982
212
130
18,444
H21
2,958
1,425
25
3,914
457
722
943
620
4,568
476
400
105
327
882
212
70
18,104
H22
2,963
1,703
0
4,765
363
707
852
620
4,499
446
290
150
327
873
212
70
18,840
H23
2,958
1,714
0
3,870
422
722
923
570
4,518
476
400
180
327
842
212
57
18,191
H24
2,993
1,670
0
3,652
350
476
804
543
3,796
421
395
174
265
649
145
57
16,390
H25
2,993
1,670
0
3,652
350
476
804
543
3,796
421
395
174
265
649
145
57
16,390
(単位:人)
H18とH25の増減
35
220
▲ 25
▲ 182
▲ 107
▲ 246
▲ 149
▲ 77
▲ 1,242
▲ 125
▲ 20
69
▲ 62
▲ 333
▲ 105
▲ 98
▲ 2,447
データ:平成 18 年~平成 25 年各年の観光統計資料(鳥羽市観光課)
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
5 交通機関の利用状況
観光客の交通機関別利用者数を見ると、JR 鳥羽駅を除くいずれの交通機関も利用者
は減少傾向にあります。特に近鉄鳥羽駅は平成 3 年初頭のピーク時と比較して半数以下
にまで減少しています。
また、平成 25 年は、式年遷宮の影響により伊勢志摩スカイライン(伊勢料金所)の
| 43 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
利用者数が近鉄鳥羽駅の利用者数を上回りました。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
一方、市営定期船の利用者数は、ここ 5 年程度横ばい傾向が続いています。
図表 2-28 交通機関の利用状況5
(単位:人)
1,800,000
JR鳥羽駅
近鉄鳥羽駅
伊勢志摩スカイライン(伊勢料金所)
伊勢湾フェリー伊良湖航路
1,600,000
1,400,000
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
0
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
H21
H23
H25
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
H1
JR鳥羽駅
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
144,834
139,987
149,477
142,743
151,822
152,130
109,353
111,544
127,715
101,798
1,212,282
1,527,765
1,585,783
1,534,639
1,457,633
1,314,455
1,149,720
1,095,814
1,027,967
957,863
794,323
838,753
882,300
877,767
934,819
735,477
513,516
476,144
459,158
406,453
482,829
535,658
573,592
546,343
543,878
600,049
465,630
448,689
433,187
375,544
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
JR鳥羽駅
107,142
112,626
96,298
92,996
94,438
92,099
134,861
123,626
82,944
近鉄鳥羽駅
881,304
825,292
786,494
829,549
932,083
931,229
889,700
796,280
796,459
741,892
377,316
329,809
324,144
291,513
277,546
269,243
280,485
283,820
279,604
235,331
392,387
387,407
326,288
296,955
288,756
271,094
235,910
217,724
225,686
219,971
H21
H22
H23
H24
H25
近鉄鳥羽駅
伊勢志摩スカイライ
ン(伊勢料金所)
伊勢湾フェリー伊良
湖航路
伊勢志摩スカイライ
ン(伊勢料金所)
伊勢湾フェリー伊良
湖航路
JR鳥羽駅
近鉄鳥羽駅
伊勢志摩スカイライ
ン(伊勢料金所)
伊勢湾フェリー伊良
湖航路
不明
不明
不明
不明
H20
不明
614,839
578,420
585,137
727,394
279,445
289,901
314,442
305,324
831,756
166,177
186,491
156,709
159,059
227,174
データ:平成 25 年観光統計資料(鳥羽市観光課)
5
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
128,893
647,567
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
平成 20 年から平成 24 年の JR 鳥羽駅利用者数については発表されていない。
| 44 |
図表 2-29 市営定期船の利用状況6
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
(単位:人)
350,000
300,000
250,000
200,000
290,612
241,180
284,657
274,619
161,202
149,891
150,000
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
151,338
100,000
58,865
268,489
224,606
222,181
227,096
151,346
154,477
157,040
137,925
132,139
128,582
240,485
238,672
172,286
285,518
263,598
149,711
149,258
58,755
54,660
565
877
H21
H22
52,148
54,730
52,864
1,138
1,152
3,603
50,000
0
H20
H23
H24
鳥羽~答志
鳥羽~桃取
鳥羽~菅島間
鳥羽~坂手間
鳥羽~神島
循環便
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
H25
データ:平成 25 年度鳥羽市統計要覧および鳥羽市ホームページ
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
市営定期船 かがやき
6大人を
1 名、小人を 0.5 人として算出されている。
| 45 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
市営定期船 きらめき
2―4.第 1 次観光基本計画の評価
(注)アクションプログラムの具体的な事業と成果については参考資料を参照のこと。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
1 第 2 次観光基本計画策定委員会・部会メンバーによる計画の評価
今回、第 2 次観光基本計画を策定するにあたり、策定委員会・部会の 29 名の皆さん
に第 1 次観光基本計画の評価について尋ねました。
その結果、
「第 1 次観光基本計画は計画どおりに進み、鳥羽の観光は良くなった」と
回答した人は 13 名と約半数に上りました。
図表 2-30 第 2 次観光基本計画策定メンバーによる第 1 次観光基本計画の評価
(単位:人)
0
5
10
第1次観光基本計画どおりに進み、
鳥羽の観光は良くなった
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
13
第1次観光基本計画どおりに進んだが、
鳥羽の観光は良くなっていない
3
第1次観光基本計画どおりに進んでおらず、
鳥羽の観光は良くなっていない
3
その他
15
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
5
各基本戦略について、その目標が達成されたかどうかを「そう思う」
「そう思わない」
「分からない/知らない」で尋ねたところ、下の結果となりました。それぞれ「そう思
う」と「そう思わない」と回答した人数が多かったものを挙げると、
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
・観光資源の保全・活用戦略

「観光資源の掘り起こしと保全・活用が進んだ」
(そう思う:20 人)

「鳥羽観光を支える資源に関する市民の学習が進んだ」(そう思わない:11 人)
・観光ルート・交通戦略

「ウォーキングルートが整備された」(そう思う:14 人)

「多様な観光魅力を持つ市内各地への 2 次交通が整備された」(そう思わない:
15 人)
・観光基盤整備戦略

「安全・安心な防災基盤や危機管理のシステムが構築された」
(そう思う:14 人)
| 46 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨

「情報・物販拠点の利用促進と整備が進んだ」(そう思わない:13 人)

「夜の鳥羽の魅力づくりが進んだ」
(そう思わない:13 人)
・景観・環境戦略

「環境共生型の観光事業が進んだ」
(そう思う:14 人)

「沿道景観の整備が進んだ」(そう思わない:11 人)
・ホスピタリティ戦略
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画

「観光ガイドが拡充された」(そう思う:14 人)

「一歩先ゆくバリアフリーツアーの提供が進んだ」(そう思う 14 人)

「鳥羽ブランドの企業育成が進んだ」(そう思わない:11 人)
・食品・土産品戦略

「特産品開発の推進と鳥羽ブランドの認証が進んだ」(そう思う:11 人)

「地産地消や宿泊施設の朝食など食の魅力が充実した」(そう思わない:9 人)
・旅行商品・プロモーション戦略

「エコツアー等ガイドツアーが拡充された」(そう思う:20 人)

「健康をテーマとした滞在プログラムが開発され提供された」(そう思わない:
11 人)
という結果になりました。
したがって、域内交通の整備については、第 1 次観光基本計画に掲げた目標が十分に
達成されておらず、今後の課題と言えます。
図表 2-31 第 1 次観光基本計画に関する策定委員・部会員の評価
観光資源の保全・活用戦略に関する評価
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
0
5
10
15
0
5
10
15
(単位:人)
20
観光資源の掘り起こしと
保全・活用が進んだ
鳥羽観光を代表する風景の
再点検・保全が進んだ
食文化の継承・育成・発信が進んだ
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
温泉の保護・活用と魅力・情報の
発信が進んだ
鳥羽観光を支える資源に関する
市民の学習(地域学習)が進んだ
そう思う
| 47 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
そう思わない
分からない/知らない
20
観光ルート・交通戦略に関する評価
0
5
10
15
(単位:人)
20
鳥羽へのアクセスが整備された
多様な観光魅力を持つ市内各地への
2次交通が整備された
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
道路の渋滞対策が進んだ
バリアフリーな交通環境が整備された
魅力ある観光コース・ルートが整備された
ウォーキングルートが整備された
0
そう思う
そう思わない
5
10
15
20
分からない/知らない
観光基盤整備戦略に関する評価
0
5
10
15
(単位:人)
20
既存施設の利用促進と
有機的ネットワークが進んだ
鳥羽駅周辺の「鳥羽観光の玄関口」
としての整備が進んだ
町なかや漁村集落を活かした
界隈空間づくりが進んだ
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
情報装置や休憩施設の整備が進んだ
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
情報・物販拠点の利用促進と整備が進んだ
宿泊滞在拠点として質の向上や
個性化が進んだ
夜の鳥羽の魅力づくりが進んだ
安全・安心な防災基盤や
危機管理のシステムが構築された
0
そう思う
そう思わない
5
10
15
20
分からない/知らない
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 48 |
ホスピタリティ戦略に関する評価
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
0
5
10
15
0
5
10
15
(単位:人)
20
観光ガイドが拡充された
市民ボランティアの参加が進んだ
おもてなしの心とプロの接客技術を持つ
人材の育成が進んだ
鳥羽ブランドの企業育成が進んだ
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
一歩先ゆくバリアフリーツアーの
提供が進んだ
観光施設等への勧誘方法の
適正化が進んだ
観光客から寄せられたクレーム情報が
共有されるようになった
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
そう思う
そう思わない
20
分からない/知らない
景観・環境戦略に関する評価
0
5
10
15
0
5
10
15
(単位:人)
20
沿道景観の整備が進んだ
水辺等のクリーンアップが進んだ
環境共生型の観光事業が進んだ
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
公共交通機関の利用が促進された
そう思う
そう思わない
20
分からない/知らない
食品・土産品戦略に関する評価
0
5
10
15
(単位:人)
20
0
5
10
15
20
安全・安心な料理の提供が進んだ
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
地産地消や宿泊施設の朝食など
食の魅力が充実した
特産品開発の推進と
鳥羽ブランドの認証が進んだ
そう思う
| 49 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
そう思わない
分からない/知らない
旅行商品・プロモーション戦略に関する評価
0
5
10
15
(単位:人)
20
エコツアー等ガイドツアーが拡充された
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
健康をテーマとした滞在プログラムが
開発され提供された
広域に対するプロモーションが
継続的に実施されている
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
「真珠婚」「恋人の聖地」「潮騒・フェスティバル」等のプ
ロモーションが継続されている
教育旅行の誘致が促進された
ビジット・ジャパン・キャンペーン等と連携した外客プロ
モーションが実施された
ロゴマークやキャッチコピーが
設定され、普及した
利用者の立場に立った
情報発信がなされている
0
そう思う
そう思わない
5
10
15
20
分からない/知らない
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
二舟祭り
| 50 |
2 第 1 次観光基本計画アクションプログラムの評価
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
○アクションプログラムとは
平成 20 年に策定された第 1 次観光基本計画を踏まえ、鳥羽市では各基本戦略の具体
的な内容を定めると同時に、鳥羽観光の目標(目指すべき観光地像)を着実に実現して
いくため、鳥羽市が優先的かつ重点的に実施すべき事業・取り組みを示すアクションプ
ログラムを策定して事業を推進してきました。
前期アクションプログラムでは、平成 25 年の伊勢神宮式年遷宮を見据えて平成 21
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
年度~平成 22 年度に実施すべき事業を定めました。
後期アクションプログラムでは、前期アクションプログラムの実績と評価を踏まえつ
つ、民間事業者や市民活動団体等の意向を反映させた、実効性の高い計画の策定を目指
しました。観光基本計画推進協議会を 4 回、2 つのテーマを設定したワーキンググルー
プ会議をそれぞれ 5 回開催し、協議を重ねました。また、鳥羽市観光アドバイザーや主
な観光関連団体との意見交換会を踏まえてアクションプログラムの策定を行いました。
後期アクションプログラムでは、取り組み目標を「伊勢神宮式年遷宮に向けた誘客促
進と受け皿づくり」として定め、次の 5 つの重点戦略に基づいて事業を実施してきまし
た。
重点戦略1
重点戦略2
重点戦略3
重点戦略4
重点戦略5
鳥羽マリンタウンエリアの魅力づくり
宿泊産業活性化の推進
食の魅力創造と食をテーマとした旅の構築
首都圏を含めたプロモーションの強化
インバウンドの推進
○アクションプログラムで位置づけられた事業の一覧
前期アクションプログラム(平成 21 年度~平成 22 年度の 2 カ年)では記載された
15 の事業と新たに追加した 1 事業の計 16 事業を実施しました。
後期アクションプログラム(平成 23 年度~平成 27 年度の 5 カ年)は、東日本大震
災の発生直後であったため、観光の自粛ムードの中、37 事業を実施してきました。
図表 2-32 第 1 次観光基本計画のアクションプログラム
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
アクションプログラム名
実施期間
前期アクションプログラム
平成21年度~平成22年度
後期アクションプログラム
平成23年度~平成27年度
注)平成22年度に新たに1事業を追加したため
| 51 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
アクションプログラム
実施事業数
記載の事業数
15
16(注)
37
37
図表 2-33 第 1 次観光基本計画のアクションプログラムの実施状況(1)
実施年度
個別事業
目的・概要
前
期
後
期
1 観光資源の保全・活用戦略
観光推進団体支援事業
・鳥羽市制施行55周年記念式典で観光振興に貢献している地域団体
を顕彰(H21.11)
・ふるさと雇用再生事業実施による観光関係団体の事業推進支援
(H22年度)
文化遺産を活かした観光振興事業
・賀多神社の能舞台の床板の新調(34枚)。
・岩屋山古墳の石室の一部の崩壊防止の処置、墳丘の崩落防止の処
置。城山公園の園路整備
●
海女文化振興事業
・海女振興協議会を設立(H24.5),「海女サミット」の開催し、韓国済州
島での「海女祝祭」に参加
・「海女のまち鳥羽」としてのブランド化や情報発信
●
観光圏整備事業、
地域ブランド確立支援事業
海女文化が感じられるまちづくりを目指し、相差町の古民家海女の家
や海女文化資料館を整備
・観光圏整備事業(H23、24年度)、観光地域ブランド確立支援事業
(H25年度)
●
エコツーリズム推進事業
地域固有の資源について地域内の合意形成を図りながら保護と活用
を進めるエコツーリズムの推進を図る
エコツーリズム推進協議会の立ち上げ(H22.7),観光関係団体、漁業協
同組合及び自治体等との連携による研修会(エコツーカフェ)等の開催
●
伊勢湾フェリー利用促進事業
重要な航路である鳥羽伊良湖航路の利用促進策を実施、「鳥羽伊良
湖航路活性化協議会」の設置
・「鳥羽伊良湖航路活性化総合連携計画(H23~25年度)」のとりまと
め、計画の推進
●
祝い旅ゴールデンルートづくり
伊勢神宮から鳥羽へと続く「祝いの旅」モデルルートを提案し、「祝い
旅」のゴールデンルート構築を目指す。
●
●
2 観光ルート・交通戦略
3 観光基盤整備戦略
安楽島海水浴場施設整備事業
観光案内サイン整備事業
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
施設の安全面・衛生面を見直すことで来訪者の満足度向上を図り、海
水浴場の利用促進を図る。
・市営安楽島海水浴場の管理棟の建て替え
●
市内の観光案内サインについて、デザインや表記の統一を図り、観光
客の利便性及び利用者の満足度の向上を図る。
・鳥羽市観光案内サイン整備事業計画策定(H21年度)
・整備計画の説明会を実施(H22年度)(H21:新規・改修5、撤去5、
H22:新規・改修7)
●
観光地の防災の観点から、避難誘導サインの整備を実施、H23年度37
基、H24年度42基(うち撤去2基)、H25年度4基(うち移設1基)
●
計画的なトイレ整備事業
・安楽島海水浴場管理棟に多目的トイレ、相差海女小屋体験施設付近
に新規トイレ設置(H21年度)
●
・鳥羽展望台トイレ棟改修工事(H22年度)
三ツ島ライトアップ実証実験事業
夜の鳥羽の魅力づくりに向けて調整したが、設置場所選定など困難な
ため、断念
カモメの散歩道水中ライトアップ事業
海の自然景観と夜の魅力アップを図り、夜間の賑わいを創出し、鳥羽
市への更なる誘客を進める。
●
・「とばホタル~2010光の祭典~」(H22.7~8)実施。
夜間に海辺の散策を楽しむことを演出し、観光客の滞在時間の延長や
満足度の向上につなげる。
カモメの散歩道付近に水中灯設置、ライトアップ(7~8月)、週末イベン
ト実施
●
●
| 52 |
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
図表 2-33 第 1 次観光基本計画のアクションプログラムの実施状況(2)
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
実施年度
個別事業
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
夜の観光魅力アップ事業
夜の魅力を高めることにより、鳥羽市への宿泊客の誘致を進める。
旅館組合等の取り組みに対し、経費の一部補助(鳥羽旅館事業協同
組合、答志島旅館組合、浦村旅館組合、石鏡旅館組合、小浜旅館組
合)
地域住民及び観光客の生命・身体・財産の保護を目的に消防施設の
充実を図るため、多様化する災害に対応できる消防力及び機動力の
強化を計画的に進める。
・梯子付消防ポンプ自動車を更新(H22年度)。旅館・ホテル等の高層
建物での消防訓練に使用
●
●
●
●
観光客が鳥羽駅での利便性や快適性の向上を図るため、旧案内所を
待合所とし、近鉄鳥羽駅構内の旅行代理店跡に鳥羽市観光案内所を
整備した。新しい鳥羽市観光案内所オープン(H23.5)
●
花を活用した歓迎空間づくり事業
鳥羽駅を降り立った観光客へのおもてなし表現と快適空間づくりに加
え、緑化推進と自然環境の促進を図る。
・鳥羽駅周辺で花整備(H25年秋、H26年春)
●
鉱泉源を活かした観光振興事業
鳥羽温泉郷の周知を図り、温泉の魅力を活かした誘客促進を行う。
●
鳥羽城跡を活かした
町なかの界隈づくり事業
・旧広野家住宅を改築、「鳥羽大庄屋かどや」整備、点在する文学館を
周遊する仕掛けづくり
・空き店舗をアンテナショップとして活用、しろやま嘉隆まつり等イベント
支援
●
鳥羽市観光駐車場整備事業
観光繁忙期における市内の渋滞緩和と観光客の受け入れ体制を整
備。
・繁忙期に、市内に臨時駐車場を設置、シャトルボートを活用した送客
●
イルミネーション整備事業
鳥羽マリンターミナルからの連続した夜景を演出し回遊性の向上を図
る。水中ライトアップや毎夜連続花火とも連携。実証実験(H23年度)、
佐田浜東公園を中心にイルミネーション整備実施(H24年度~)
●
「鳥羽市観光産業活性化戦略」を推進し、宿泊施設の活性化を図る。
・来訪客実態調査、地域説明会、ワークショップを実施、鳥羽市宿泊施
設魅力向上委員会を設立
観光地における防災対策
●
各地区をより深く楽しんでもらい、宿泊客の満足度を高める仕組みづく
りを行う。
・「ぐるとば」の造成(H25年度:23のメニュー)、「一宿逸品」の発信、
「鳥羽食探訪」の発行
●
観光客の安心・安全確保のため、災害に強い観光地づくりに取り組
む。観光事業者、観光関係団体、公共交通機関及び行政でフィールド
ワーク、図上訓練及び避難訓練を実施。※後期アクションプログラムに
記載無し。
●
4 景観・環境戦略
事業系生ごみ再資源化システム
実証事業
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
後
期
鳥羽駅前のマイクロバス
待合空間快適性向上事業
宿泊産業活性化推進事業
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
前
期
3 観光基盤整備戦略
消防施設整備事業
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
目的・概要
景観ブラッシュアップ事業
| 53 |
環境共生型観光事業の推進を図るために、事業所から排出される生
ごみを資源リサイクルし、循環型社会システムの構築を目指す。ホテ
ル・旅館等に設置する生ごみ脱水処理機の購入補助(H21年度:1ヶ
所、H22年度:1ヶ所)
事業所から排出される生ごみを資源化することで、事業所の排出ごみ
量を減少、循環型社会システムを構築し、環境共生型(エコ)観光事業
の推進を図る。事業者が購入する生ごみ処理機に対する補助金交付
(H23年度1件、H24年度0件、H25年度0件)
美しい景観を保全するとともに、ビューポイント整備などを行い、その魅
力に磨きをかける。
・神島、菅島、答志島、青峯山・朝熊山の近畿自然歩道の維持管理、
景観維持
第 2 次鳥羽市観光基本計画
●
●
●
図表 2-33 第 1 次観光基本計画のアクションプログラムの実施状況(3)
実施年度
個別事業
目的・概要
前
期
後
期
鳥羽駅ボランティアガイド事業
繁忙期における鳥羽駅の観光案内を充実させ、観光客がスムーズに
観光できるようソフト面でのおもてなしを展開。市民や事業者へのボラ
●
ンティアの呼びかけ、事前研修を行い、観光案内や車椅子・ベビーカー
の貸出し等。
●
休憩所ボランティアネットワーク事業
快適に歩く旅を楽しんでもらうと同時に、滞留拠点としての仕掛けを作
る。
・休憩所ボランティアネットワーク会議開催、休憩用木製ベンチと案内
看板を設置(H21:5、H22:8)
5 ホスピタリティ戦略
●
バリアフリー観光推進事業
高齢者や体の不自由な方など、当市を訪れる多様な観光客が旅行を
楽しむことができるように、バリアフリー観光を推進。「ばりふりっと鳥
羽」の発刊、鳥羽市一斉避難訓練への参画や講習の実施
●
おもてなし本の配布・活用事業
市民が一体となって観光客を温かく迎えられるように、おもてなしの心
と知識をもつ人材の育成を図る。
・「鳥羽のおもてなし」作成、市内事業者へ配布
●
子ども・若者への観光教育事業
子どもや若者世代が、地域に対する知識や愛着を深め、観光資源とな
る環境保全の意識と観光客に対するおもてなし心の醸成を図る。菅島
小学校の「島っ子ガイド」、鳥羽高校との連携
●
6 食品・土産品戦略
地産地消の推進と
新しい食の魅力創造事業
「食」に付加価値をつけ、来訪者の満足度向上を図る。
地域ならではの食材を活用した「食」の魅力を創造し来訪者に提供す
ることで、「食」に付加価値をつけ、来訪者の満足度向上および鳥羽市
全体のPRを図る。
・「とばーがーフェスティバル」開催(H22.11)
●
「とばーがー」(26種類)や「鳥羽弁当」(16種類)の認定、情報発信
●
食をテーマとした新しい旅の構築事業
鳥羽の食をテーマに回遊する「食をテーマとした新しい旅の構築」に取
組み、観光客の滞在時間の延長を図る。「ぐるとば」の実施、宿泊プラ
ンの造成、「鳥羽の食素材を活かしたPR事業」、「海の幸海藻活用拡
大事業」、刊行本の配布
●
食の魅力開発事業
・料理人を表に出した弁当の試作品開発、モニターツアー、意識調査を
実施
・食の魅力開発実行委員会を設置→「料理人(しょくにん)弁当」の認定
基準確立→6種認定
●
食の文化伝統継承及び消費拡大
(鳥羽HOSUプロジェクト)
熨斗鰒に起源を持つ干す文化や海女文化などを活かした日本の祝い
魚の消費拡大のため、情報発信を実施。
●
7 旅行商品・プロモーション戦略
エコツーリズム推進協議会事業
エコツアー等のガイドツアーについて、魅力ある体験プログラムや旅行
商品づくりの拡充に取り組む
●
・ミーティング、準備会、セミナー開催(H21年度)、鳥羽市エコツーリズ
ム推進協議会設立(H22.7)、全国エコツーリズムセミナー開催(H22.7)
多言語観光ホームページ作成業務
観光ホームページのリニューアル及び多言語ページを作成、管理を行
うことにより、国内外への効果的な情報発信を行う。鳥羽市観光情報
サイトのリニューアルと多言語化
●
費用対効果の高い宣伝PR効果を見出す。鳥羽市広告宣伝戦略委員
会設立、恋する鳥羽キャンペーン、鳥羽市広告宣伝戦略策定(H21)、
「恋する鳥羽」を核とした広告宣伝活動(H22)
●
広告宣伝戦略事業
一貫した広告宣伝を実現し、当市への来訪や観光行動へと結びつけ
る。「三世代海女」を観光キャンペーンガールとして発信
・「鳥羽108人隊」を結成
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
●
| 54 |
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
図表 2-33 第 1 次観光基本計画のアクションプログラムの実施状況(4)
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
実施年度
個別事業
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
後
期
3つの旅行商品の造成販売
(「ちょこ得まち歩き」、「“潮騒の舞台”「神島」プラン」、「謎解き宝探し
ゲームin鳥羽」)
●
まち歩き島歩きを旅行商品として流通させ、地域内での観光客の回遊
性を高めて、町に観光客があふれる観光地を目指す。「鳥羽ちょこ得ま
ち歩き」の継続実施、島歩きも継続実施。答志島と神島コースを造成
●
滞在型旅行商品の造成販売事業
多様な価値観を持つ来訪客増加に対応するため、伊勢志摩地域で連
携し、地域資源を活用した旅行商品を提供。他事業で造成した体験プ
ログラムについてモニターツアーを実施し、着地型旅行商品を造成。
●
首都圏戦略旅行商品造成事業
・「女子旅Shupoへのミキモトコスメセット特典付きプラン」、「鳥羽祝い
魚プラン」等の造成
・首都圏パンフレットに「鳥羽」専用ページを確保、立教大学と連携、学
生オリジナル旅行商品造成
●
離島の魅力創出事業
各離島が連携して魅力創出を図り、各島のPRに繋げる。「島遺産100
選」の選定、「島遺産100選ガイドブック」を制作、販売、「島むすび会
議」発足、映画「潮騒」主演の吉永小百合さん再訪(H25年)
●
インバウンド促進事業
伊勢志摩地域・鳥羽市外国人観光客誘致促進協議会による東アジア
市場をターゲットとした事業
・台湾・香港へのセールス強化、ムスリム受入れ促進のため研修会等
の実施。ワーキング立ち上げ(H25年度)
●
その他
市場調査事業
戦略的な観光地づくりを進めていくための基礎資料として市場調査を行
い、魅力的な観光地を目指す。
●
来訪客実態調査及び宿泊施設実態調査を実施→「鳥羽市観光産業活
性化戦略」を策定
観光戦略アドバイス事業
・専門家2名を観光アドバイザーに任命、アドバイスやセミナー等を実
施
・中心市街地を周遊する「ちょこ得まち歩き」を実験的に造成、流通
マーケティング調査事業
観光客の来訪実態やニーズに関するきめ細かなデータを各種団体間
で共有し、行政の施策推進や個々の事業者が競争力を高めるのに役
立てる、H26年度は観光動向調査を予定
●
市観光アドバイザー事業
・専門的な知識や経験を持つアドバイザーから、広範囲なアドバイスを
受け、新しい観光振興策へとつなげる
●
観光基本計画推進事業
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
前
期
7 旅行商品・プロモーション戦略
まち歩き島歩き旅行商品
造成販売事業
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
目的・概要
新時代の鳥羽観光を担う
人材育成事業
| 55 |
重点事業(アクションプログラム)を効果的に推進していくための協議を
行い、「鳥羽市観光基本計画」に掲げられた鳥羽観光の目的を達成す
る。観光基本計画推進協議会開催、ワーキンググループ会議、ヒアリ
ング、アンケート、意見交換を実施
●
●
・アクションプログラムを効果的に推進していくための協議を行い、『鳥
羽市観光基本計画』に掲げられた鳥羽観光の目的の達成を目指す。
第2次鳥羽市観光基本計画策定(H26年度)
●
将来の鳥羽市の観光を中心になって担う世代のネットワークの場をつく
り、研鑽や交流の機会を通して、地域全体の視点から観光地経営を
リードしていく人材を育成。
▲
第 2 次鳥羽市観光基本計画
3 第 1 次観光基本計画の評価
以上の整理を踏まえると、第 1 次観光基本計画は次のように評価することができます。

アクションプログラムはほぼ計画どおりに遂行することができた。

観光資源の掘り起こしと保全・活用や、観光ガイドの拡充、エコツアー等のガ
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
イドツアーの拡充などについては、第 1 次観光基本計画とアクションプログラ
ムの着実な実行によって、成果を上げた。

地産地消をはじめとする食の魅力づくりについては、観光関係団体の継続的な
取り組みにより成果を上げており、今後も更なる魅力づくりが期待される。

しかし、域内交通の整備については、第 1 次観光基本計画では十分に実施でき
なかったと考えられる。第 2 次基本計画では、その必要性を確認した上で、必
要に応じて継続して取り組む必要がある。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
浮島自然水族館
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
自然体験エコツアー
海女小屋
| 56 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
2―5.観光客の客層および観光動態
鳥羽市では観光施策の推進を図ることを目的として、観光客・宿泊客の動向や満足度
を把握するため、平成 26 年に鳥羽市を訪れる観光客の動向調査を実施しました。
調査は、下記の 2 通りの調査方法で実施しました。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
(1)留め置きアンケート
①調査方法
鳥羽市内の主要宿泊施設、観光施設、観光案内所等にハガキ形式の調査
票を設置、記入後、投函してもらう。
②有効回答数
282 通
平成 26 年4月 25 日~6月 30 日
③調査期間
(2)聞き取りアンケート
①調査方法
鳥羽駅にて調査員を配置し、観光客に対して調査票の記入依頼、
または聞き取り調査を実施。
②有効回答数
③調査期間
④その他
821 通
平成 26 年 5 月 4 日~5 月 6 日
調査協力者に対しては景品を贈呈。
以下では、当調査の結果から得られた鳥羽市への観光客の特徴を整理します。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
留め置きアンケート(282 通)と聞き取りアンケート(821 通)で回収された計 1,103 サンプルを集
計した結果を示した。構成比は無回答を割り戻しして計算しており、設問によって無回答のサンプル
数が異なるため、各グラフに示されたサンプル数は異なる。
| 57 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
1 客層
○性・年代(単数回答)
性別では、
「女性」の比率が 61.6%と高く、年代別では、
「40 歳代」が 20.3%と最も
多くなっています。60 歳代以上の比率が約 25%と高いのも特徴だと言えます。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
図表 2-34 観光客の客層(性別・年代別)
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
男性
38.4%
女性
61.6%
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
(n=1,098)
80歳以上
1.5
70歳代
6.0
10歳代
4.6
20歳代
14.9
60歳代
16.8
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
30歳代
18.9
50歳代
17.1
40歳代
20.3
(n=1,089)
○同行者(単数回答)
同行者は、
「子供連れ家族」が最も多く 28.5%を占め、次いで「夫婦」が 24.9%です。
「夫婦」
「子供連れ家族」
「その他家族」を合計すると、7 割を占め、家族で訪れる比率
が高いことが分かります。
| 58 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
図表 2-35 観光客の同行者
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
団体(職場・学校・地域)
1.8%
その他
1.0%
ひとり
3.4%
友人・知人
14.1%
その他
家族
18.8%
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
カップル
7.6%
子ども連れ家族
28.5%
(n=1,092)
○来訪回数(単数回答)
来訪回数別では、1 回目が 37.2%となっています。来訪回数を年代別にみると、上の
年代ほど来訪回数が 2 回目以上のリピーターの比率が高くなります。特に 60 歳代以上
では、「6~9 回目」
「10 回目以上」を足し合わせた比率が 3 割超と高くなっています。
図表 2-36 観光客の来訪回数
0%
20%
全体(n=1008)
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
夫婦
24.9%
40%
37.2%
10歳代(n=45)
60%
19.0%
40.0%
80%
25.7%
17.8%
24.4%
100%
4.9%
13.2%
6.7% 11.1%
0.6%
20歳代(n=155)
62.6%
20.6%
13.0%
3.1%
30歳代(n=193)
37.8%
23.3%
26.0%
9.8%
4.3%
40歳代(n=209)
39.7%
18.2%
25.9%
12.0%
4.2%
50歳代(n=168)
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
33.9%
60歳代(n=158)
21.5%
70歳代以上(n=68)
13.3%
1回
| 59 |
19.0%
16.5%
14.7%
2回
第 2 次鳥羽市観光基本計画
3~5回目
29.2%
27.8%
16.2%
6~9回目
13.7%
10.8%
23.4%
7.4%
14.7%
10回目以上
3.2%
○居住地(単数回答)
観光客の居住地を見ると、
「近畿地方」が 38.0%と最も多く、次いで「関東地方」で
24.4%、「中部地方(三重県除く)
」が 18.6%となっています。また、県内客は 8.9%を
占めています。
図表 2-37 観光客の居住地
中国・四国
地方
5.3%
九州・
沖縄地方
2.1%
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
北海道・
東北地方
2.7%
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
関東地方
24.4%
近畿地方
38.0%
中部地方
(三重県除く)
18.6%
三重県
8.9%
(n=1,094)
2 観光動向
○滞在泊数
鳥羽市内への滞在泊数を見ると、1 泊が 58.4%と過半数を占めます。また、「2 泊」
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
は 15.2%、
「3 泊以上」は 0.3%と、短期滞在が中心であることが分かります。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
図表 2-38 観光客の滞在泊数
3泊以上
0.6%
2泊
15.2%
0泊
25.8%
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
1泊
58.4%
(n=985)
| 60 |
○来訪目的(複数回答)
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
来訪目的として最も多いのは、
「美味しいものを食べる」で 40.5%を占めており、観
光客にとっては、鳥羽の食が最大の魅力と言えます。次いで「テーマパークや水族館等」
で 39.1%ととなっており、観光施設への訪問も観光の魅力となっていることが分かり
明日。そのほか「社寺参拝」
「温泉」までが来訪目的として 3 割を超えています。
図表 2-39 観光客の来訪目的
0%
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
5%
10%
15%
20%
30%
35%
40%
美味しいものを食べる
テーマパークや水族館等
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
39.1%
社寺参拝
34.5%
温泉
34.4%
22.9%
自然風景
17.6%
まちなみ探訪・散策
6.2%
記念日、お祝い
5.7%
仲間と過ごす
4.0%
祭りやイベント
1.1%
帰省
1.1%
釣り
1.0%
仕事
0.6%
マリンスポーツ・マリンレジャー
0.5%
漁業・自然体験
0.5%
スポーツ(ゴルフ等)
0.2%
その他
3.8%
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 61 |
45%
40.5%
休養・ゆっくりする
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
25%
第 2 次鳥羽市観光基本計画
(n=1,094)
50%
○鳥羽市内外の訪問地(複数回答)
鳥羽市内の施設で訪問率が最も高いのは、「鳥羽水族館」で半数以上が訪問していま
す。また、伊勢神宮(内宮)を訪問する割合も半数を超えており、鳥羽市を訪問する観
光客の半数以上が伊勢市にも訪れていることが分かります。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
図表 2-40 観光客の鳥羽市内外の訪問地
0%
10%
20%
30%
40%
50%
鳥羽水族館
52.8%
鳥羽一番街
27.2%
イルカ島・鳥羽湾めぐり
23.7%
ミキモト真珠島
20.8%
石神さん(神明神社)
9.7%
鳥羽展望台
5.9%
答志島
海女小屋
5.7%
2.5%
伊良子清白の家
2.1%
海の博物館
1.9%
鳥羽みなとまち文学館
1.7%
神島
1.5%
鳥羽大庄屋かどや(旧広野家住宅)
1.4%
鳥羽城三ノ丸広場
0.9%
菅島
0.9%
伊射波神社(加布良古さん)
0.7%
彦瀧大明神(彦瀧さん)
0.3%
鎧埼灯台
0.2%
坂手島
0.2%
鳥羽竜発見現場
0.1%
鳥羽市内その他
3.1%
51.4%
おかげ横丁
41.1%
伊勢神宮(外宮)
39.0%
二見浦・夫婦岩
上記以外の立寄り先
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
19.5%
志摩スペイン村
大王崎灯台
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
伊勢神宮(内宮)
志摩マリンランド
60%
12.0%
2.4%
0.9%
6.0%
(n=1,057)
| 62 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
3 満足度
○観光客満足度
総合満足度が「大変満足」
「満足」
「やや満足」と回答した比率は 86.5%ですが、
「大
変満足」と回答していただく比率を上げ、観光客の満足度を向上させることが必要です。
図表 2-41 観光客の総合満足度
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
0%
総合満足度(n=1070)
20%
12.5%
40%
41.5%
60%
80%
32.5%
100%
9.7%
3.8%
大変満足
満足
やや満足
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
海女漁
| 63 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
どちらでもない
不満
一方、個々の項目について観光客の満足度を見ると、宿泊施設の「食事内容」で「満
足」した比率が 50%に達していますが、他の全ての項目において「満足」した比率は 5
割を下回っています。宿泊施設や観光施設では「設備」
、交通では「交通の利便性」
、食
事・土産物では「土産物の内容、品質」、環境整備では「地域の防災対策」において、
「満足」した比率が最も低くなっており、その他の項目も含めて努力していく必要があ
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
ります。
図表 2-42 観光客の満足度
0%
20%
総合満足度(n=687)
宿
泊
施
設
設備(n=665)
食事内容(n=668)
交通の道路標識・案内板(n=948)
24.7%
交通の利便性(n=923)
20.3%
交通のスタッフの対応(n=901)
土産物の内容、品質(n=970)
地域の防災対策(n=954)
16.2%
バリアフリー対策・対応(n=948)
18.2%
やや満足
1.8%
19.6%
1.2%
4.9%
11.3%
31.0%
45.2%
19.9%
46.1%
35.1%
35.9%
どちらでもない
19.8%
28.8%
39.5%
34.9%
2.9%
29.3%
39.7%
31.9%
飲食店での食事内容(n=994)
満足
41.0%
26.1%
0.7%
23.0%
46.6%
16.3%
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
3.4%
13.1%
48.1%
32.6%
7.5%
12.8%
47.7%
30.2%
4.9%
18.8%
52.0%
26.4%
8.1%
10.2%
39.7%
34.2%
スタッフの対応(n=776)
整環
備境
38.9%
44.1%
3.5%
19.1%
34.6%
34.8%
観
設備(n=784)
光
施 提供しているサービス・内容(n=781)
設
100%
8.3%
42.9%
50.3%
浴場(n=653)
80%
47.5%
29.9%
総合満足度(n=810)
土食
産事
物・
60%
40.8%
スタッフの対応(n=657)
交
通
40%
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
3.5%
3.1%
2.7%
45.4%
3.2%
39.8%
6.1%
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
やや不満/不満
○鳥羽市が魅力的な観光地となるために期待すること(複数回答)
鳥羽市が魅力的な観光地となるために観光客が期待していることとしては、「地域性
豊かな食の提供」が 5 割と最も高い結果となっています。来訪目的(図表 2-37)と同
様に食に対する期待が高いと言えます。次いで「交通の利便性の向上」や「土産物の質
の向上や豊富な品ぞろえ」「町並みの景観、雰囲気の改善」「施設のおもてなしの向上」
と続きます。鳥羽市の魅力である海の幸の魅力を今後さらに高めると同時に、交通や土
産品、町並み、おもてなしなどの課題に取り組む必要があります。
| 64 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
図表 2-43 観光客が鳥羽に期待すること
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
0%
20%
40%
地域性豊かな食の提供
50.4%
交通の利便性の向上
36.5%
土産物の質の向上や豊富な品揃え
33.3%
町並みの景観、雰囲気の改善
25.5%
施設のおもてなしの向上
24.2%
海などでの自然体験
18.8%
夜の観光魅力創出
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
60%
17.2%
バリアフリー等の環境整備
13.7%
離島など地域の風習・伝統・祭りの体験
13.3%
津波等の地域の防災対策
12.1%
住民を含めた地域全体でのおもてなし向上
3.8%
その他
(n=926)
2.5%
4 消費額
○観光客の消費額
個人旅行で鳥羽市を訪れた観光客が鳥羽市内で使った金額(1 人あたり)を見ると、
日帰り客は 7,614 円なのに対し、宿泊客は 35,731 円と 5 倍弱の額を消費していること
が分かります。費目別に見ても、「その他」以外の全ての項目で宿泊客の方が、消費額
は高い傾向にあります。
図表 2-44 観光客の鳥羽市内における消費額
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
¥0
¥10,000
飲食費
買物費
その他
¥1,675
¥4,227
¥0
¥20,193
¥1,659
¥4,369
¥2,777
¥6,028
¥1,503
¥914
日帰り客
| 65 |
¥40,000
¥35,731
交通費
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
¥30,000
¥7,614
総額
宿泊費
¥20,000
第 2 次鳥羽市観光基本計画
宿泊客
2―6.鳥羽市観光の課題と展望
鳥羽市の現状や観光資源の特徴、第 2 次鳥羽市観光基本計画策定委員会および部会で
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
の議論、観光客動態調査の結果等を踏まえると、鳥羽市の観光の課題と将来への展望は
次の 10 点に整理されます。
1 受入可能な観光客数の維持・拡大の必要性
鳥羽市を訪れる観光客数は年々減少する傾向にあります。平成 25 年は伊勢神宮式年
遷宮の影響で観光客数はやや増加したものの、長期的に見ると減少傾向にあります。観
光客数の減少は、宿泊施設の過剰状態をもたらし、観光地としての質の低下や宿泊施設
の選択幅を狭めるなどの影響が考えられる一方、観光客数の大幅な増加は観光客の満足
度を下げることにも繋がります。したがって、受入可能な範囲のなかで、観光客数の維
持・拡大を図ることが必要となります。
2 外国人観光客の受入強化の必要性
日本人観光客数の減少が続くなか、今後期待できる市場の 1 つに外国人観光客の存在
があります。中部国際空港や、外国人観光客が集中する東京-名古屋-大阪というゴー
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
ルデンルートから比較的近い距離にある鳥羽市は、そういったエリアから外国人観光客
を誘致する戦略が必要だと考えられます。平成 32 年には「オリンピック・パラリンピ
ック東京大会」が開催されることとなっており、観光庁をはじめとする日本政府は訪日
外国人の大幅な増加を目指し、様々な政策を展開しています。そういった国の政策を踏
まえつつ、鳥羽市としても外国人観光客を誘致することを推進していく必要があります。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
3 経済効果拡大の必要性
市場の縮小などを考慮すると、今後鳥羽市への観光客数の大幅な拡大を望むことは容
易ではありません。しかし、観光客数の縮小は、観光産業だけでなく漁業やサービス業
など他産業への経済的な損失をもたらしかねません。そこで、観光客数の停滞あるいは
減少が見込まれる中、いかに域内にもたらす消費額を維持・拡大するかが課題となりま
す。具体的には、観光客一人あたりの消費額を増加させることと、域内調達率(観光サ
ービスに関する原材料や商品、人材などを域内から仕入れる割合)を増加させることが
必要となります。
| 66 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
4 鳥羽での滞在を目的とする観光客の拡大
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥羽市を訪れる観光客の約半数が伊勢神宮にも訪問しています。これまで、鳥羽市は
伊勢神宮訪問旅行の宿泊先として多くの宿泊旅行者を受け入れてきました。1でも述べ
たとおり、式年遷宮を終え、今後伊勢神宮を訪れる観光客数は減少すると考えられます。
それに伴って伊勢神宮と鳥羽市を周遊する観光客数も減少すると考えられます。そこで
今後は、伊勢神宮参拝者の宿泊地としての鳥羽だけではなく、鳥羽市への訪問を主たる
目的として来ていただける方を増やすことが必要です。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
そのためには、より一層鳥羽の魅力を高める必要があります。食の魅力や離島の旅、
美しい風景や観光施設など、鳥羽での滞在の楽しみ方を観光客に伝えることが必要です。
5 観光イノベーションの必要性
鳥羽市には一流の観光施設が揃っています。また、宿泊施設についても地元の方との
触れ合いを楽しめる民宿や一流のおもてなしを体験できる旅館やホテルなど多種多様
なものを有しており、観光客にとっては選択性に富んだ観光地だと言えます。しかし、
観光客の満足度は必ずしも高くはありません。
国内観光の市場規模は縮小し、各観光地間の競争は激化している一方、観光客の評価
は非常にシビアなものになっています。したがって、観光客が滞在中に「ワクワク」で
きるようなより一層魅力ある観光地鳥羽へと変えていく必要があります。
6 観光地に相応しい魅力ある空間の形成
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
観光施設や宿泊施設のイノベーションのみならず、観光地としての空間を魅力的にす
る必要があります。例えば、鳥羽観光の玄関口として重要な鳥羽駅には、鳥羽を感じさ
せるような空間整備が求められます。中心市街地や集落では、まち歩きを楽しめるよう
な雰囲気を醸し出したり、景観を整えたりすることが必要です。
7 温泉のさらなる活用
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
温泉を目的として鳥羽を訪れる観光客は少なくありません。しかし、宿泊施設の浴場
に対する満足度は必ずしも高くありません。宿泊施設では、豊かな食に加え、温泉の魅
力をより一層高め、温泉観光地として外部発信することが必要です。
| 67 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
8 地域資源としての鳥羽の海の再認識
豊かな海を擁し、漁業が主な地域産業として成長してきた鳥羽市は、その地域性を更
に高めていくことが望まれます。海を観光資源として再認識するだけでなく、鳥羽市民
の誇りとしていくことが必要です。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
9 漁業と観光の連携促進
観光地鳥羽の魅力は、海の幸を中心とする「地域性豊かな食」です。それらを観光客
に絶えず提供するためには、漁業を将来にわたって維持することが不可欠です。しかし、
漁業従事者は年々減少する傾向にあり、このままでは漁業の衰退に伴い海の幸を失うこ
とに繋がりかねません。
したがって、漁業と観光とが連携体制を構築し、漁業振興と観光振興を一体的に実施
し、双方の強みと魅力をいかして活性化することが必要です。
10 推進体制の強化
鳥羽市では入湯税の 7 割を鳥羽市観光振興基金にて積み立て、安定的な財源の確保を
目指しています。今後も継続的に入湯税を観光振興に活用していくことが必要です。
また、より良い観光地を目指し、本計画を着実に推進していくためには、観光協会や
観光施設、宿泊施設、商工会議所などの関係者が連携して推進していくための体制を構
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
築したり、観光統計の整備や観光産業従事者の人材育成を実施したりするなどの取り組
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
みも必要となります。
図表 2-45 鳥羽市観光の課題と展望(まとめ)
鳥羽市観光の課題と展望
1 受入可能な観光客数の維持・拡大の必要性
6 観光地に相応しい魅力ある空間の形成
2 外国人観光客の受入強化の必要性
7 温泉のさらなる活用
3 経済効果拡大の必要性
8 地域資源としての鳥羽の海の再認識
4 鳥羽での滞在を目的とする観光客の拡大
9 漁業と観光の連携促進
5 観光イノベーションの必要性
10 推進体制の強化
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 68 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 69 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第3章
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
第 2 次鳥羽市観光基本計画
3-1 基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・
71
3-2 鳥羽らしさとは・・・・・・・・・・・・・・・・・
72
3-3 目標および目標像・・・・・・・・・・・・・・・・
80
3-4 数値目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
82
3-5 施策体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
87
3-6 基本戦略と主要施策・・・・・・・・・・・・・・・
89
| 70 |
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
3―1.基本的な考え方
観光計画とは、設定した年次までに“かくありたい”“こうなりたい”という観光地
を支える人々の想いや志を、目指すべき目標、理念、戦略、施策として体系化すること
です1。
すなわち、観光計画では、観光地鳥羽の持つ課題を解決するための戦略や施策を挙げ
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
るだけではなく、
「どういう観光地であるべきか」
「将来どういう観光地になりたいのか」
という将来像を掲げ、それを実現するために取り組むべき戦略や施策を考えることが必
要です。
図表 3-1 観光基本計画の考え方
観光計画に盛り込むべき考え
観光地としての質
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
将来像
観光地としての プラス
将来像
理想の観光地となるために
必要な戦略・施策
→向上型取り組み
観光地として
最低限あるべき姿
0
将来
現在
観光地として
課題がある状態 マイナス
時間軸
観光地として、
当然実施すべき戦略・施策
→改善型取り組み
では、将来の観光地の姿はどのように考えれば良いのでしょうか。将来像を考える上
では、地域の「個性」を明らかにしていくプロセスが大切です。そのため、地元の人々
だけでなく(内の目評価)、部外者の視点(外の目評価)も踏まえて、伸ばすべき「個性」=
地域の遺伝子(DNA)=コンセプトを明確化していかなければなりません2。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
そこで、本計画の策定にあたり、策定部会では「鳥羽らしさとは何か」について議論
を重ねてきました。
1
2
公益財団法人日本交通公社編著, 「観光地経営の視点と実践」
同上
| 71 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
3―2.鳥羽らしさとは
1 鳥羽市観光基本計画策定部会の議論で得られた「鳥羽らしさ」のキーワード
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
策定部会におけるワークショップの結果、図表 3-2 のようなキーワードと鳥羽の特徴
が抽出されました。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
図表 3-2 ワークショップで得られた鳥羽らしさのキーワード
くらし
人の魅力
離島
•
•
•
•
•
•
•
•
•
• 船(漁船、定期船、遊覧船、フェリー、
観光船)
• 船に乗って離島に渡れる
• 手軽な島の旅を楽しめるまち
• 離島文化(古くからの日本の原風景
が残る)
• 離島(答志島)の寝屋子制度
• 離島文化(観光)
• 4島それぞれ島の魅力
• せまい路地
• 公営の船舶輸送人員が日本一(市営
定期船)
• 離島の魅力
• 人情・風景
•
•
•
•
•
•
地元歌手がいる
街歩きのガイドさん
おもしろい人物がいる
温かい人たち
観光協会が個性的
地域的な特色が多い離島と住民
安心感のある地域(人間性が良い)
人があたたかい
おじいちゃん、おばあちゃんが元気で
おもしろい
地域のつながりが強い
何となく座っているおじいちゃん&お
ばあちゃん
団結力
地域が強く結ばれている
人、絆
独特な文化を持ち、ほこり守っていく
人達に感動!
多様な地域性
• 地域ごとの違いがスゴイ
• 9つのエリアに分かれ、それぞれに特
色がある
• 多様な地域性
• いっぱい地域指定されてます(過
疎 ・半島 ・離島 ・農山村)
• 地域がたくさんある
住みよい街
• 若い世代が町を支える地域
• 鳥羽市民自ら鳥羽のことを自慢でき
るまち
• 住みよい街
• 都会ではないが暮らしは便利
• 子育てしやすいまち
• 住みやすい気候
| 72 |
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
なりわい
豊かな食
町の風景
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
いろんな食文化が根強く残る
1年を通して旬な食材がある
御食国の聖地化
豊富な魚介類(イセエビ、カキ)
豊かな伊勢湾の海の幸
歴史のある食文化
サワラがおいしい
食材の豊かさ
新鮮さ(魚介類)
食べ物がおいしい
おいしい物を食べさせてくれる飲食店
漁協直営 魚々味
新鮮な食材
おいしい海の幸
アワビ・サザエ・・・
意外と田畑のものもうまい
豊かな食
灯台
みなとまつりの花火
町の風景
船の往来が見える
漁村の風景
漁具とか船とか
海女らしさが感じられる景観
黒海苔の作業風景
答志の市場の活気
小浜の釣り筏の釣り客
カキ養殖筏の作業風景
なりわい
•
•
•
•
•
•
•
漁業が盛んなことがまちの魅力
海女日本一
漁法、魚種
海女さんの数、日本一
海女さん(答志、石鏡、相差)
すてきな海女さん
作業風景
歴史文化・生活文化
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
歴史文化
生活文化
• 神宮を礎とする歴史、文化
• 寺社仏閣(伊射波神社、正福寺、石神
さん、庫蔵寺、常安寺、西明寺等)
• 江戸川乱歩
• 古さがある(歴史がある)
• 水軍・海軍
• みなとまちの風情が漂う景観
• 豊かな歴史・自然(海がテーマ)
• 九鬼水軍
• 海女鳥羽城跡
•
•
•
•
| 73 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
•
•
•
•
朝市が実は盛んである
子どもたちのあそび場 磯
漁師さんや海女さんの祭り
にぎやかな祭りはもちろん昔から伝わ
るいろんな行事
ユネスコ無形文化遺産登録
海女文化
あまさんと文化と両方残ってほしい
多種多様な漁師文化漁法等も含む
自然
自然美
豊かな海
•
•
•
•
•
• 豊かな海藻
• 美しい海の景色
美しいリアス式海岸
自然がいっぱいある
パールロードからの景色(海、自然)
伊勢志摩国立公園のまち
海の景色海水浴場がいっぱい
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
観光
多様な観光施設
アクセス性・立地
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
屋台村 ミニおかげ横丁
観光都市、観光業
歩いて楽しめる商店街
店がある、そろっている
おかげ横丁みたいになったらいい
なー
観光施設(市内、歩いて周遊可)
観光するところが豊富(水族館、ミキ
モト、鳥羽湾めぐり、伊勢湾フェリー)
鳥羽水族館 順路が決まっていな
海の博物館
ジュゴンがいる
遊歩道、かもめの散歩道
全天候型、雨でも楽しめる
観光施設が充実している
多様な宿泊施設
• 幅広い価格や雰囲気を持つ宿泊施設
• 安い宿から高い宿まである
• 約60軒の温泉宿がある
•
•
•
•
•
•
伊勢湾の入り口
関西・中京地域からの便利さ
JRの終着駅
神宮参拝時の宿泊先
伊勢神宮の宿泊地
伊勢神宮に近い交通機関(JR、近鉄、
フェリー、CANばす)
いろいろな種類が選べる
電車で来て歩いて行ける観光地
近鉄とJRの共同駅
鳥羽駅からの二次交通の充実
便利なアクセス
神宮参拝の海からのルート確立
観光客に優しい街
• 女性にやさしい、うれしいまち
• どの世代でも楽しめる観光地バリア
フリー観光(車いす、ベビーカーの無
料貸出)
• あらゆる世代(熟年層、若いカップル、
家族)に受け入れられる家族で楽し
めるまち
(注)上記のコメントは、原則として全て策定部会におけるワークショップで得られた意見をそのまま記
載している。
上記に挙げられた観光地鳥羽を支える魅力や特徴などを見つめなおすと、それらは鳥
羽の目の前に広がる海があり、鳥羽市民と海とが長い歴史の中で共存しあってきたから
こそ存在するものであることに気付きます。
海があるからこそ漁業というなりわいが成り立ち、漁業があるからこそ豊かな食に恵
| 74 |
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
まれ、漁業風景が創られ、海と一体となった離島や集落で活き活きと人が生活していま
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
す。鳥羽の観光は、こうした魅力を最大限に活かしてこそ成立していると言えます。
そこで、策定部会のワークショップで得られた「鳥羽らしさ」を海を中心として整理
しました。海を「無限大(∞)」の形に見立て、海に囲まれて個々の魅力が存在してい
ることや個々の魅力は海を介して繋がっていることを示しています。そしてそれらの中
心に鳥羽の観光地としての魅力があります。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
答志島の夕景
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
伊射波神社鳥居
| 75 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
図表 3-3 鳥羽らしさのまとめ
生活文化
歴史 ・ 文化
多種多様な漁師文化 漁法等も含む
豊かな歴史・自然(海がテーマ) 九鬼水軍、海女
海女文化 あまさんと文化と両方残ってほしい
水軍・海軍 みなとまちの風情が漂う景観
漁師さんや海女さんの祭り 朝市が実は盛んである 寺社仏閣 (
伊射波神社、正福寺、石神さん、庫蔵寺、常安寺、西明寺等)
にぎやかな祭りはもちろん昔から伝わるいろんな行事 古さがある(歴史がある)
鳥羽城跡 神宮を礎とする歴史、 文化
ユネスコ無形文化遺産登録
江戸川乱歩
子どもたちのあそび場 磯
歴史文化
生活文化
町の風景
カキ養殖筏の作業風景 答志の市場の活気
小浜の釣り筏の釣り客 船の往来が見える
黒海苔の作業風景 漁村の風景 漁具とか船とか
海女らしさが感じられる景観 みなとまつりの花火
灯台
いろんな食文化が根強く残る
豊かな伊勢湾の海の幸
1年を通して旬な食材がある
豊富な魚介類(イセエビ、カキ)
おいしい海の幸 アワビ・サザエ・・・
サワラがおいしい
おいしい物を食べさせてくれる飲食店
歴史のある食文化
意外と田畑のものもうまい
新鮮な食材
食べ物がおいしい
御食国の聖地化
海女日本一 漁法、魚種
漁協直営 魚々味
漁業が盛んなことがまちの魅力
食材の豊かさ、
海女さんの数、日本一
新鮮さ(魚介類)
海女さん(答志、石鏡、相差)
すてきな海女さん
豊かな食
う
み
なりわい
なりわい
多様な宿泊施設
約60軒の温泉宿がある
安い宿から高い宿まである
はば広い価格や雰囲気を持つ宿泊施設
観光客に優しい街
バリアフリー観光(車いす、ベビーカーの無料貸出)
どの世代でも楽しめる観光地 家族で楽しめるまち
女性にやさしい、うれしいまち
あらゆる世代(熟年層、若いカップル、家族)
に受け入れられる
観光
多様な宿泊施設
観光客に優しい街
多様な観光施設
アクセス性 ・ 立地
自然
人の魅力
団結力 地域が強く結ばれている 人があたたかい
何となく座っているおじいちゃん&あばあちゃん
おじいちゃん、おばあちゃんが元気でおもしろい
地域のつながりが強い 安心感のある地域(人間性が良い)
人、絆 独特な文化を持ち、ほこり守っていく人達に感動!
温かい人たち 街歩きのガイドさん おもしろい人物がいる
地元歌手がいる観光協会が個性的 地域的な特色が多い離島と住民
くらし
住みよい街
9つのエリアに分かれ、それぞれに特色がある
いっぱい地域指定されてます ・過疎 ・半島 ・離島 ・農山村
地域ごとの違いがスゴイ
地域がたくさんある
住みやすい気候
都会ではないが暮らしは便利
子育てしやすいまち
手軽な島の旅を楽しめるまち せま~い路地
鳥羽市民自ら鳥羽のことを
4島それぞれ島の魅力 離島文化(観光)
自慢できるまち
船(漁船、定期船、遊覧船、フェリー、観光船)
若い世代が町を支える地域
離島 (答志島) の寝屋子制度
離島文化(古くからの日本の原風景が残る)
公営の船舶輸送人員が日本一(市営定期船)
離島の魅力 人情・風景 船に乗って離島に渡れる
豊かな海
自然美
豊かな海藻
美しい海の景色
海の景色
伊勢志摩国立公園のまち
美しいリアス式海岸
パールロードからの景色(海、自然)
自然がいっぱいある
海水浴場がいっぱい
多様な観光施設
観光施設(市内、歩いて周遊可)
観光都市、観光業
屋台村 ミニおかげ横丁
観光施設が充実している
歩いて楽しめる商店街 ・店がある ・そろっている おかげ横丁みたいになったらいいなー
多様な地域性
う
み
離島
アクセス性 ・ 立地
観光するところが豊富
(水族館、ミキモト、鳥羽湾めぐり、伊勢湾フェリー)
鳥羽水族館 順路が決まっていない
全天候型、雨でも楽しめる
ジュゴンがいる
海の博物館
遊歩道、かもめの散歩道
伊勢神宮に近い
神宮参拝の海からのルート確立
伊勢神宮の宿泊地
神宮参拝時の宿泊先
関西・中京地域からの便利さ
伊勢湾の入り口
JRの終着駅
近鉄とJRの共同駅
便利なアクセス近鉄
鳥羽駅からの二次交通の充実
電車で来て歩いて行ける観光地
交通機関(JR、近鉄、フェリー、Canばす)、
いろいろな種類が選べる
(注)この図は、第2次鳥羽市観光基本計画策定部会にて、「鳥羽らしさとは何か」を議論した結果、部会メンバーより挙げられた意見を整理したものである。
| 76 |
| 77 |
2 鳥羽と海との関係性
鳥羽の様々な魅力は海と関連しあっています。鳥羽にとって海はどのような存在でし
ょうか。
鳥羽市は三方を海に、一方を険しい山に囲まれた土地と神島や答志島、菅島、坂手島
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
に代表される大小さまざまな離島からなる地域で、市街地や集落と海との距離が非常に
近いことが特徴です。また、広域的にみると、伊勢湾や三河湾といった内海と熊野灘、
遠州灘といった外洋が交りあうところに鳥羽の海があると言えます。鳥羽の海、すなわ
ち「鳥羽うみ」は次のような密接で独特な関係性を築き上げてきました。

鳥羽で捕れた魚介類を古来より伊勢神宮に神饌として奉納するなど、長い
歴史と伝統が今もなお、受け継がれています。

鳥羽の人々は豊かな海の恵みを活かし、漁を生業として生活してきました。
その中で海女という独特な素潜り漁が行われてきたほか、各集落では、独
自の慣習や祭を通して人々は密接に海と関わってきました。

鳥羽には、海女小屋や離島を行き交う船、船の安全を見守る灯台など、海
にまつわる豊かな風景が広がっています。

鳥羽は海上交通の要所として栄えてきたため、九鬼水軍や、風まち港など
の歴史文化が生まれました。

数多くの離島を擁し、リアス式海岸が織りなす複雑な海岸線など、美しい
海の風景があります。
こういった関係性は鳥羽らしさの核であり、うみとそれぞれの特徴は総体として文化
を築き上げています。つまり、鳥羽らしさの核は「鳥羽うみ文化」と表現することがで
きます。この「鳥羽うみ文化」は鳥羽市民の中で育まれてきました。そして、将来にわ
たって鳥羽市民の英知によって守られ、創造され、更に磨きあげられることが大切にな
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
ります。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 78 |
図表 3-4 鳥羽うみの独自性
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
「鳥羽うみ文化」とは、大小様々な島々を擁したり、内海と外洋が交じり合ったりする
ことで創出される独特で特徴ある海そのものと、海を通じて生まれた歴史や生活文化、
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
漁業文化などの総体である。
| 79 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
3―3.目標および目標像
1 目標
鳥羽らしさの核である「鳥羽うみ文化」を守り、創造し、磨きをかけるために観光は
大きな役割を担うことが期待されます。そして観光を通じて、観光客が「鳥羽うみ文化」
を感じ、楽しめるような観光地を鳥羽市は目指すことが大切です。
そのためには、「鳥羽うみ文化」の魅力を継承しつつ、新たな視点で文化を継承でき
るような創造性豊かな取り組みが求められます。
図表 3-5 目標の考え方
創造のベクトル
鳥羽うみ
文化
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
観光客が鳥羽うみ文化を感じ、
楽しめる観光地鳥羽
継承のベクトル
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
そこで、鳥羽の観光の目標を「鳥羽うみ文化の継承と創造」とします。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 80 |
2 目指すべき観光地像
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
「鳥羽うみ文化」の継承と創造の実現を通じて、鳥羽市は次のような観光地を目指し
ます。
図表 3-6 鳥羽市が目指す観光地像
これまで築き上げてきた
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
「鳥羽うみ文化」が将来にわたって
継承されると同時に、
新たな「風」を入れることで、
より創造性豊かなものとなる
観光地であること
国内だけでなく海外の観光
市内で「鳥羽うみ文化」を
客も魅力を感じる
感じられるような
国際的な観光地であること
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
市民や観光客が
観光地であること
鳥羽観光の理念
国際的な滞在拠点を目指した
「鳥羽うみ文化の
継承と創造」
鳥羽の魅力である「食」と
観光客が宿泊したくなる
それを支える漁業のなりわい
滞在型の観光地であること
が将来にわたって維持される
観光地であること
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
鳥羽観光を支える
推進体制がしっかりとしており、
観光産業が持続的であり、
関係者それぞれが
観光を支える次世代の育成にも
役割と責任を担う体制が
積極的な観光地であること
整っている観光地であること
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 81 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
3―4.数値目標
目標像を達成するためには、成果指標を設定し、数値目標を定めることが必要です。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
成果指標には、観光客数や延べ宿泊者数、観光消費額、経済波及効果、満足度、再来
訪意向など様々ありますが、計画目標に適した指標を選択することが必要です。
本計画では、計画期間の中間である平成 32 年までに達成するための成果指標を次の
とおり設定しました。平成 32 年以降の成果指標については、観光を巡る社会情勢など
を踏まえ、改めて設定することと致します。
図表 3-7 設定する成果指標
いかに市内に滞在してもらうか
成
果
指
標
延べ宿泊者数の増加
いかに外国人観光客に来てもらうか
外国人観光客の増加(入込客数)
いかに顧客満足度を高めるか
観光客満足度の向上
いかに市内で消費してもらうか
観光消費額の拡大
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 82 |
①いかに市内に滞在してもらうか→延べ宿泊者数の増加
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
滞在拠点としての位置づけを高めるためには、観光客により長く鳥羽に滞在してもら
うことが必要となります。したがって、観光客数よりも延べ宿泊者数(単位:人泊)を
伸ばすことが重要です。長期的にみると縮小傾向にある日本人旅行者と、今後大幅な増
加が期待できる外国人旅行者を分けて考えます。
<日本人延べ宿泊者数>
鳥羽市の延べ宿泊数は、平成 25 年は伊勢神宮の式年遷宮の影響により 200 万人泊を
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
越えましたが、平成 24 年までは減少傾向が続いていました。平成 15 年以降の鳥羽市
の延べ宿泊者数の推移をみると、平成 32 年には約 150 万人泊にまで落ち込むことが予
想されます3。そこで、宿泊者数の増加を図り、1 日の人員あたりの稼働率を平成 24 年
に比べ 10%上昇させることで、延べ宿泊者数の落ち込みを抑制します。数値目標とし
ては、平成 32 年までに 185 万人泊とすることを目標とします。
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
図表 3-8 延べ宿泊者数(日本人)の推移と計画推進による目標
(単位:人泊)
2,500,000
計画推進によって
押し上げを図る
2,000,000
1,500,000
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
1,000,000
500,000
0
H H H H H H H H H H H H H H H H H H
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
3
平成 25 年は式年遷宮の影響が大きいため、平成 15 年から平成 24 年までの推移を元に推計している。
| 83 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
<外国人延べ宿泊者数>
三重県観光振興基本計画によると、平成 27 年度までに県内の延べ宿泊者数を、日本
人延べ宿泊者数が 785 万人(構成比約 98%)、外国人延べ宿泊者数が 15 万人(構成比
約 2%)の計 800 万人とする目標を定めています。この計画に準じて、鳥羽市では平成
32 年までに外国人の延べ宿泊者数を 2%とすることを目標とします。数値目標として
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
は、日本人宿泊者数の目標値(185 万人泊)より計算される 38,000 人泊を目指します。
日本人および外国人の延べ宿泊者数を合わせた延べ宿泊者数としては、平成 32 年ま
でに 189 万人泊を目指します。
②いかに外国人観光客に来てもらうか→外国人観光客の増加(入込客数)
鳥羽の魅力である食や中部国際空港や名古屋圏から近い立地、今後ますます国全体で
インバウンド観光客の誘致が進むことを踏まえると、国内だけでなく海外からも多くの
観光客に来ていただける魅力的な観光地を目指すことが必要です。目標像のとおり、
「国
際的な滞在拠点」を目指すためには、外国人観光客数の増加に加え、外国人観光客数が
鳥羽市への観光客数全体に占める割合を上げることも必要です。
鳥羽市の外国人入込客数は、平成 21 年を境に全国の伸び率を下回り続けています。
そこで、平成 32 年までにその遅れを取り戻すことを目標とします。国は平成 32 年に
2,000 万人の訪日外国人旅行者数を目指しており、その値は平成 21 年の 679 万人に対
して約 3 倍に相当します。したがって、鳥羽市では、平成 21 年の外国人入込客数を基
準とし、平成 32 年にその約 3 倍である 96,000 人を目指します。
図表 3-9 外国人入込客数目標値の考え方
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
H21を1としたときの伸び
3.5
3.0
2.5
2.0
計画推進によって
押し上げを図る
1.5
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
1.0
0.5
0.0
H21
H22
H23
H24
H25
H26
鳥羽市
H27
H28
H29
H30
H31
H32
日本全国
| 84 |
③いかに顧客満足度を高めるか→観光客満足度の向上
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
国内市場が減少するなか、観光地ではいかにリピートしていただける方を増やすかが
重要になります。リピートしていただくためには、観光客の満足度を向上させることが
大切です。そこで、観光客が「鳥羽うみ文化」を様々な方法で体感でき、「大変満足」
していただける観光地を目指します。
観光立国推進基本計画では、平成 28 年までに観光地域の旅行者の総合満足度につい
て、
「大変満足」と回答する割合を 25%程度にすることを目標に定めています。この目
標を踏まえ、鳥羽市では「大変満足」の比率を平成 32(2020)年までに 25%にするこ
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
とを目指します(平成 26 年動向調査では、「大変満足」の比率は 12.5%)。
④いかに市内で消費してもらうか→観光消費額の拡大
観光による鳥羽市内への経済波及効果を拡大することを目指します。鳥羽市の産品を
優先して使うことによって、地域経済に循環が生まれ、一層地域が潤います。そのため
には、観光客一人あたりの域内消費額を増加させることと、域内調達率を増加させるこ
とが必要となります。数値目標については、現状の観光消費額および経済波及効果を推
計したうえで設定します。
図表 3-10 数値目標
指標
現状値
目標値(平成32年)
日本人
171万人泊 / 99.7%(注1)
185万人泊 / 98%
外国人
4,600人泊 / 0.3%(注1)
38,000人泊 / 2.0%
合計
172万人泊 / 100%(注1)
189万人泊 / 100%
外国人入込客数(人)
32,000人(注2)
96,000人
観光客満足度(「大変満足」の比率%)
12.5% (注3)
25.0%
観光消費額・経済波及効果(億円)
数値なし
推計後に目標値を設定する
延べ宿泊者数
(人泊/比率%)
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
(注1):平成24年鳥羽市観光統計資料、(注2):平成21年鳥羽市観光統計資料、(注3):平成26年鳥羽市観光動態調査
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 85 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
〔コラム〕観光地の経営状況を把握するための指標
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
観光地の経営状況を把握するための標準的な指標として次の 7 つが挙げられる4。
1)
観光客数(宿泊客数・日帰り客数)
2)
観光消費額
地域内での観光活動に伴う消費を把握するもので、交通費・宿泊費・飲食費・買い物費・入場料等と観
光関連事業者の業種毎に項目を分けて把握する。観光消費額を把握することで、経済波及効果を算出す
ることができる。
3)
観光客満足度
観光客のリピート率を高めていくための指標として観光客の満足度を把握することが望まれる。また、
個別のサービス品質に対する満足度を把握することで、優先的に満足度を高めていくべき項目を把握す
ることができる。
4)
観光資源・観光施設の活用状況
業態毎の利用者数や宿泊者数、稼働率、経営状況(売上高、雇用者数等)を把握する。
5)
観光経済波及効果
地域を訪れた観光客が、地域内で観光消費を行い、その観光消費された金額のうち、どの程度が地域経
済に影響をおよぼしたのかを金額で表した数字である。観光経済波及効果を算出することで、観光の総
付加価値を算出することができる。
6)
住民満足度
「住んでよし、訪れてよし」の地域を実現させていくためには、その地域の住民の観光に対する理解を
深めていくことが必要である。
7)
従業員・従業者満足度
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
観光に携わる人材を確保していくことは、地域の観光産業の基盤強化となる。そのため、観光産業に従
事する従業員や従業者の満足度を把握することが必要である。
〔コラム〕経済波及効果の算出方法
経済波及効果の算出方法としては、産業連関表を用いる方法と地域内の事業所アンケート調査を元に
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
乗数理論を利用して算出する方法がある。鳥羽市では産業連関表を作成していないため、乗数理論を用
いた算出方法を用いることが望ましい。そのためには、(a) 観光客の数量と消費金額、(b) 事業者の売上
高の内訳、(c) 流通と雇用の実態を把握する必要がある。(a)は市の観光統計や観光客に対するアンケー
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
ト調査、(b) (c)は事業者に対するアンケート調査を実施することで数値を得る。
4
公益財団法人日本交通公社編著,「観光地経営の視点と実践」
| 86 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
3―5.施策体系
以下の 6 つの基本戦略に基づいて、具体的な取り組みを進めていきます。6 つの基本
戦略の下で 20 の主要施策を定めます。
図表 3-11 第 2 次観光基本計画の施策体系
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
目標像
国
際
的
な
滞
在
拠
点
「
鳥を
目
羽指
うし
た
み
文
化
」
の
継
承
と
創
造
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
基本戦略
主要施策
戦略1
鳥羽うみの豊かな食を提供する
・食に付加価値を付ける
戦略2
鳥羽うみの文化を伝える
・うみの文化を伝える
・漁業や海女のなりわいを継承する
・歴史・文化・伝統を継承・活用する
・芸術・文化を活用する
・自然史を活用する
戦略3
鳥羽での滞在を
より魅力的なものにする
・より魅力ある観光施設を目指す
・より魅力ある宿泊施設を目指す
・温泉地としての魅力も高める
・観光資源を創造的に活用する
・鳥羽らしい土産品・特産品を開発する
戦略4
美しい景観を提供する
・中心市街地の景観を向上させる
・集落や離島の風景を活用する
・美しい景観を観光活用する
・自然環境を保護する
戦略5
外国人観光客に魅力を伝える
・外国人観光客に魅力的なコンテンツを創り出す
・外国人観光客の受入態勢・環境を整備する
・外国人観光客が訪れやすい環境を作る
戦略6
鳥羽を発信する
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 87 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
・鳥羽市内での情報提供を強化する
・外部に対する適切な情報発信を行う
また、6 つの基本戦略の土台として観光基盤整備に関する戦略を 2 つ位置づけます。
図表 3-12 観光基盤整備に関する戦略
基本戦略
戦略7
観光基盤の充実・強化
主要施策
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
・バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進
・観光地としての防災対策の強化
・周辺地域との連携による観光ルートの構築
観
光
基
盤
整
備
・鳥羽までの交通および域内交通の改善
戦略8
観光推進体制の構築
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
・観光推進体制の強化と構築
・計画の見直しと評価
・観光統計の充実
・観光財源の確保と有効な活用
・観光産業活性化と人材育成
・市民の参画を促す
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 88 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
3―6.基本戦略と主要施策
(注)取り組みイメージの表現について、本計画は、鳥羽市の観光に関わる全ての人のための羅
針盤としての役割を果たします。取り組みイメージでは具体的な主語を明記していませんが、関
係者と共に実施することを想定した取り組みを記載しています。
基本戦略1 鳥羽うみの豊かな食を提供する
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
○基本的な考え方
鳥羽市には豊かな海があり、漁師や海女をはじめとした海をなりわいとする市民が多
数います。鳥羽の魅力である豊かな食をより魅力的で価値のあるものにし、将来にわた
って持続的に観光客に提供するためには、食そのものだけでなく、それを支えるなりわ
いのシステムを維持することが必要となります。そこで、宿泊施設、飲食施設等の関係
者と共に、食の価値を向上させることと食を支えるなりわいの継承を主要施策として取
り組みます。
○主要施策
主要施策1-1 食に付加価値を付ける
具体的な取り組みイメージ
多様な食の楽しみ方提供

鳥羽の食材を活かした新しい食の魅力を創出します。

宿泊施設や飲食施設で、鳥羽の旬のものを旬の時期に食べられるようにした
り、地元独特の食材の食べ方を観光客に提供したりするなどします。
食を楽しむ空間の提供

鳥羽の美しい風景を眺めながら、おいしい食事を楽しめるような空間を創り出
します。

中心市街地や集落、離島の商店街や港で食事を楽しめる空間を創り出します。
地産地消の工夫
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て

鳥羽では集落によって獲れるものも漁法も異なるのが特徴です。その特徴をも
っと前面に出し、食材の背景にあるストーリー性を活かします。鳥羽を訪れた
観光客が鳥羽の食材を鳥羽で食べるという、従来の地産地消を推進することに
加え、より具体的な地産の形を観光客に伝えることで、鳥羽うみの食材の価値
を高めます。

鳥羽市内で収穫できる農産物についても宿泊施設や飲食店などでの活用を図
り、域内での消費を促進します。
| 89 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
主要施策1-2 漁業や海女のなりわいを継承する
具体的な取り組みイメージ
漁業と観光の連携

漁業と観光業が互いに手を取り合い連携して、漁業の安定化と漁業および観
光の持続的な発展に向けた方策を検討し、実現に向けて取り組みます。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
漁師や海女の後継者の育成

漁師や海女の後継者を育成するためのプログラムを検討し、実現に向けて取
り組みます。
■委員会および部会で出されたその他の意見・アイディア
・シーサイドのロケーションで旬のシーフードを楽しめるオープンカフェがあれ
ば良い。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
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プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
伊勢えび千匹干し(菅島)
鯛千匹干し(答志島)
| 90 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
基本戦略2 鳥羽うみの文化を伝える
○基本的な考え方
これまで鳥羽が継承してきた海との歴史や文化を市民や観光客に伝え、将来にわたっ
て維持することで「鳥羽らしさ」を強化し、鳥羽の観光地としての魅力を高めることに
繋がります。市内には鳥羽と海との繋がりや文化を伝える施設が多くあります。そこで、
既存の施設を活用して海の文化や歴史・文化・伝統を観光客に伝えられるような取り組
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
みを推進します。また、これまであまり取り入れられてこなかった芸術・文化を新たに
鳥羽に取り入れることで、新たな価値を創造します。
○主要施策
主要施策2-1 うみの文化を伝える
具体的な取り組みイメージ
既存資源のコンセプト強化
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画

市内には鳥羽と海との繋がりや文化を伝える施設が多くあります。それぞれの
施設においては、海の文化をより一層分かりやすく明確に観光客や市民に伝え
楽しめるよう、展示の工夫や資料の充実などを求め、一体の魅力として打ち出
していきます。
既存資源のネットワーク化

既存施設のネットワーク化を図り、鳥羽市全体で海の文化を発信する機能を高
めます。
海女文化のユネスコ無形文化遺産への登録
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト

海女文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けて、三重県および鳥羽・志摩、海
女振興協議会等と連携を図りながら、国へ働きかけていきます。
漁業や海女文化の観光への活用

漁業や海女文化の風習や生活スタイルなどを観光客等に伝え、おいしい食材と
海女文化への理解とふれあいを創造します。

各集落の漁業や海女漁の情報を集約し、観光案内所などで観光客に情報提供し
ます。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
主要施策2-2 歴史・文化・伝統を継承・活用する
具体的な取り組みイメージ
歴史・文化資源の掘り起こし・活用

山間部やまちなかのエリアを含めた市内全域にある、観光に活用できる歴史・
文化資源の掘り起こしに努めます。

| 91 |
歴史・文化資源の保全と観光資源としての活用方法の検討に取り組みます。
第 2 次鳥羽市観光基本計画
鳥羽城周辺の空間づくりと活用

鳥羽城跡の歴史が感じられるような空間作りに努めます。

城下町として発展してきた市街地においては、空き家の活用や歴史的建造物の
修復・修景などを図り、人が憩える町並みの形成に努め、観光活用を図ります。

旧鳥羽小学校の保存と活用方法の検討に取り組みます。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
祭りや文化の観光への活用

伝統的な祭りを観光客等に周知するとともに、鳥羽の歴史文化にふれあう機会
づくりに努めます。

海女文化など鳥羽固有の民俗文化を観光客が学ぶことができるプログラムの
開発に取り組みます。
主要施策2-3 芸術・文化を活用する
具体的な取り組みイメージ
アーティストと市民・観光客との交流

まちなかや集落の空き家にアーティストが長期滞在する仕組みを検討し、市民
や観光客とアーティストとの交流を目指します。
アートの活用

町並みや集落、離島の風景をアートの展示場所として活用し、アートを通じて
地域資源の魅力を観光客に伝えます。
主要施策2-4 自然史を活用する
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
具体的な取り組みイメージ
地質遺産の掘り起こしと活用

鳥羽市北部を横切る中央構造線やリアス式海岸などの地質遺産の掘り起しを
周辺市町と検討します。

鳥羽竜恐竜化石発見地の保存と活用について、鳥羽恐竜研究振興会との連携に
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
より取り組んでいきます。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 92 |
〔コラム〕佐久島におけるアートによる島おこし「アートプラン 21」
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
三河湾最大の島、愛知県西尾市佐久島では、島民と行政が協働して「アートによる島おこし」に取り組
んでいる。島民の自主的かつ創意溢れる活動を通して、自然・風土・歴史・産業といった佐久島固有の資
源を発掘・研磨し、経済的発展、交流人口の増大、定住人口の確保などを推進することを目的に、
「島を美
しく作る会(島民による島おこし組織)
」や佐久島の島民、島外ボランティア、役場などが活動を展開して
いる。取り組みのポイントとしては、次の 4 点が評価されている。
1.島の歴史文化とアートのコラボレーション
島の歴史文化とアートが、互いを尊重しながら融合することで、佐久島にしかない魅力を発信している。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
2.ターゲットは、体験型志向の若い観光客
島本来の魅力を評価してくれる観光客をターゲットとすることで、島の自然や伝統文化、島民の生活など
を守りながら観光振興を図り、定住促進を目指している。
3.
「人を活かす」活動の展開
島の子ども達や「島を美しくつくる会」におけるメンバーの、思いや才能をリーダーが見つけ、島おこし
の中で引き出すことで、島民主体の島おこしを実現している。
4.質の高い情報発信
佐久島ホームページの定期的な情報更新とプロによるコンテンツ作成を通じて、質の高い情報発信を行う
ことで、マスコミ等の注目を集めている。
〔コラム〕鳥羽市中心市街地の歴史的建造物
平成 17 年に鳥羽市が実施した「歴史文化遺産
等現地調査業務」によると、鳥羽市の中心市街
地には歴史的建造物がまちなかに広く分布して
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
いる。
建築年別に分類すると、古くは江戸時代末期
から昭和前期まで存在し、鳥羽の歴史を伝える
重要な地域資源である。しかし、空き家化など
の理由により荒廃してしまった建物も少なくな
い。
近年、全国各地でこうした歴史的建造物を修
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
理・修景し、レストランやカフェなどに活用す
る事例が多くなっている。鳥羽でもこの資源を
活用して中心市街地の賑わいを創出することが
期待される。
(歴史文化遺産等現地調査業務報告書より抜粋)
| 93 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
基本戦略3 鳥羽での滞在をより魅力的なものにする
○基本的な考え方
将来の市場動向を踏まえると、今後は観光客が市内により長く滞在してもらうことや
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
リピートして訪れてもらうことが必要になります。そのためには、鳥羽での楽しい過ご
し方を提供できるような取り組みが必要になります。そこで、観光施設や宿泊施設等の
関係者とともに、宿泊施設や観光施設の魅力やおもてなしの強化、観光資源の活用、鳥
羽らしい土産物の開発など、鳥羽での滞在を魅力的なものにする取り組みが必要です。
○主要施策
主要施策3-1 より魅力ある観光施設を目指す
具体的な取り組みイメージ
コンテンツの充実

展示方法を工夫したり、展示内容を充実させたりするなど、より魅力的で観光
客がリピートしたくなる観光施設への刷新を推進します。
主要施策3-2 より魅力ある宿泊施設を目指す
具体的な取り組みイメージ
個性の強化

鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
ホテル、旅館、民宿などそれぞれの宿泊施設が「売り」となる魅力を明確化し、
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
個性的な宿泊施設へと変革します。

宿泊施設において、観光客が観光案内や滞在プログラムの案内が受けられるよ
うにサービスの向上を図ります。

旅館等の泊食分離などサービスの多様化を推進します。

ホテル、旅館、民宿などそれぞれの宿泊施設がおもてなしの心をより一層強化
し、宿泊客に満足度の高い滞在を提供します。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
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に
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け
て
| 94 |
主要施策3-3 温泉地としての魅力も高める
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
具体的な取り組みイメージ
温泉を守り、活かす

入湯税を活用して今後も継続的に源泉の保護や泉質点検に取り組みます。

温泉の魅力を観光客が楽しめるよう、宿泊施設における浴場の整備や日帰り入
浴への対応などを推進します。
温泉地らしい空間の形成

鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
駅やまちなかで足湯を楽しめる空間を整備します。
主要施策3-4 観光資源を創造的に活用する
具体的な取り組みイメージ
既存資源の創造的な活用

鳥羽市内にある地域資源を再度見直し、魅力的な活用方法を検討します。

鳥羽市の農林業と観光がタイアップした連携事業を検討します。
島旅の推進

町並みや集落、離島の風景をアートの展示場所として活用し、アートを通じて
観光客が地域資源を認識し、楽しめるようにします。

離島の資源を活用したスポーツイベント等を実施します。
中心市街地の観光への活用

中心市街地の街歩きや散策が楽しめるよう、商店街の賑わいを演出します。

夜の魅力を高め、宿泊客がそぞろ歩きを楽しめるような魅力ある空間を創り出
します。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
新たな滞在方法の提案

時間帯や季節を活かした鳥羽の新たな滞在プランを構築し、提供します。

テーマに沿ったウォーキングコースや観光コース・ルートを整備します。

「鳥羽エコツーリズム推進全体構想」に則り、継続してエコツーリズムを推進
します。

「ぐるとば」など既存の取組みを見直し、さらに魅力を高めます。
体験プログラム「ぐるとば」の受付サービスの構築
計第
画5
の章
実
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に
向
け
て

「ぐるとば」を利用する観光客がスムーズに予約できる受付窓口の一元化を構
築します。
| 95 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
主要施策3-5 鳥羽らしい土産品・特産品を開発する
具体的な取り組みイメージ
鳥羽らしい土産品・特産品の開発

鳥羽らしい土産品や特産品の開発を行い、鳥羽市内で製造できる仕組みを構築
します。

計第
画1
策章
定
の
趣
旨
既存の土産品・特産品のパッケージデザインや品質などを見直し、魅力的な土
産品・特産品へと結びつけていきます。
情報発信

鳥羽マルシェなど市内の販売店を通じて、鳥羽の土産品や特産品の情報発信に
努めます。

インターネット媒体を活用した戦略的な情報発信で市内外にアピールします。
■委員会および部会で出されたその他の意見・アイディアなど
・港町の景観を見ながら、地元グルメを食べ歩きできるようになれば良い。
・鳥羽湾を真上から見下ろすカフェがあれば楽しい。
・鳥羽“リアルキッザニア”を展開し、定期船船長体験や漁師体験、海女体験な
ど観光客が鳥羽の生業を体験できると楽しいのではないか。
・夜の海を体験したことのない人は多いと思うので、夜の海をクルーズする体験
を提供してはどうか。
・船に乗って離島や集落などの風景を眺めながら鳥羽市内を周遊したら面白い。
海の博物館などにも海からアクセスできればワクワクする。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
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課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
・観光客の方に、地元の方が良く行くお店を紹介して欲しいと言われることがあ
る。観光客の方だけでなく地元の人も楽しめるようなまちづくりを進める必要
があるだろう。
〔コラム〕那覇まちま~い
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
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ク
ト
沖縄県那覇市では、「那覇まちま~い」と呼ばれるまち歩きプログラムを提供している。地元ガ
イドと那覇のまちを歩き、歩いているだけでは分からない歴史や文化、習慣などを学ぶことができ
る。
テーマやターゲット別に 20 ほど揃えられており、季節によっても異なる。定番の首里城コース
だけでなく、早朝 6 時に集合して市場を巡るコースや、夜 7 時に集合して飲み屋を巡るコースなど、
様々な客層に楽しめるコースを提供している。
各コースとも参加料金は 1,000 円からと手ごろなことに加え、前日 17 時までにインターネット
あるいは電話で予約をすれば良く、定員に空きがあれば当日の参加も可能となっており、観光客が
参加しやすい仕組みで運営されている。
| 96 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
基本戦略4 美しい景観を提供する
○基本的な考え方
海や集落、離島を眺める風景や歴史ある町並みの景観は観光客に非日常感を演出し、
旅情をかき立てます。観光客が鳥羽に到着した時点から鳥羽らしい風景や景観を感じら
れるよう美しい景観を創り出すことが必要です。
特に、鳥羽駅前は第五次鳥羽市総合計画で「鳥羽観光の玄関口にふさわしい歓迎空間
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
づくり」が位置付けられているほか、第 1 次観光基本計画でも海を連想させる駅空間や
玄関口としての情緒としつらえを持たせることが謳われています。したがって、本計画
においても引き続き主要施策として位置付けていきます。
また、中心市街地や集落・離島に固有の景観を見直し景観形成を図ると同時に、それ
らを観光客が楽しめるような場を創り出すことも大切です。
○主要施策
主要施策4-1 中心市街地の景観を向上させる
具体的な取り組みイメージ
鳥羽駅前空間の整備

口と言えます。鳥羽駅周辺の観光の玄関口としての機能を高めるための方法を
検討します。
市街地の景観整備

戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
鳥羽駅周辺は鉄道、国道、港などの交通結節点であり、観光客にとっての玄関
観光客が街歩きを楽しめる空間を作るため、市街地の景観整備を図ります。
廃屋対策の検討

廃業になった旅館やホテル、店舗などの大型建築の再利用や取り壊しを働きか
け、快適な空間を創出します。
空き家等の再生

定住希望者と空き家とをマッチングさせる仕組みの構築に取り組みます。

まちなかの空き店舗等を改修して商業施設や観光案内所等へと利活用し、まち
の賑わいを生み出します。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
身近な空間の美化促進

自宅や観光施設の排水溝や軒先など、身近な空間を清潔で綺麗な状態に保ち、
観光客を迎え入れる環境を作ります。
| 97 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
主要施策4-2 集落や離島の風景を活用する
具体的な取り組みイメージ
集落や離島固有の風景を観光活用する

変化に富む海岸線や離島の織りなす多島海の風景など、集落や離島にはそれぞ
れ固有の風景があります。将来にわたって継承すべき風景を把握し、観光客に
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
伝える方法を検討します。
パールロード沿いの景観整備

パールロードは通行すること自体が観光客の旅行体験になります。パールロー
ド沿いの看板の規制や草木の伐採を行い、海の見通しを確保するなど、道自体
の観光資源としての魅力を高め、南鳥羽への来訪者増加を促進します。
廃屋対策の検討(再掲)

廃業になった旅館やホテル、店舗などの大型建築の再利用や取り壊しを働きか
け、快適な空間を創出します。
空き家等の活用

集落や離島の空き家を活用して使用したい方や定住したい方の利活用を推進
します。
海から見る鳥羽の風景の整備

船や離島から見る本土や離島の風景を意識して景観の整備に取り組みます。
身近な空間の美化促進(再掲)

自宅や観光施設の排水溝や軒先など、身近な空間を清潔で綺麗な状態にし、観
光客を迎え入れる環境を作ります。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
今浦と麻生の浦大橋
大山と菅島
| 98 |
主要施策4-3 美しい景観を観光活用する
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
具体的な取り組みイメージ
新たな視点場の提供

自然景観を楽しめる視点場を整備します。

離島や集落の自然風景を海から楽しめるような取り組みを推進します。
国立公園ブランドの観光利用

平成 28 年に伊勢志摩国立公園指定 70 周年を迎えるにあたり、国立公園の価値
を再確認し、そのブランド力を観光に活かします。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
主要施策4-4 自然環境を保護する
具体的な取り組みイメージ
自然環境の保全

漂流・漂着ごみの撲滅や海岸の美化、生態系の維持、生活排水処理の推進に積
極的に取り組みます。

「宿泊施設生ごみ減量対策」を継続的に推進し、鳥羽の環境保護に貢献します。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
鳥羽の夕景
| 99 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
神島のカルスト地形
基本戦略5 外国人観光客に魅力を伝える
○基本的な考え方
外国人観光客の訪問は、消費による経済的な効果だけでなく、異文化との交流による
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
国際相互理解の進展や自地域に対する誇りが高まったりするなど、社会的な効果をもた
らすと期待されます。また、鳥羽市は中部国際空港から比較的近く、ゴールデンルート
からのアクセス性も悪くありません。そこで、鳥羽市では外国人観光客を積極的に受け
入れるため、宿泊施設、観光施設等の関係者の理解と協力を得ながら、外国人観光客に
提供したい鳥羽の価値を追求すると同時に外国人観光客が訪問しやすい環境を創り出
し、「国際観光文化都市」に相応しい観光地を目指すことが必要です。
○主要施策
主要施策5-1 外国人観光客に魅力的なコンテンツを創り出す
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
具体的な取り組みイメージ
外国人観光客に訴求する魅力の検討

「鳥羽うみ文化」を外国人観光客にも訴求できるよう、鳥羽の魅力や資源を吟
味しブランド戦略を策定します。
外国人観光客向けのコンテンツ

外国人観光客が楽しめる鳥羽のコンテンツづくりを積極的に進めます。
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
主要施策5-2 外国人観光客の受入態勢・環境を整備する
具体的な取り組みイメージ
外国人観光客の受入戦略策定

ターゲットとする外国人観光客(国籍や客層等)を明確にし、計画的に外国人
観光客を受け入れる方法を検討し、体制を整えます。
環境整備

戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
観光案内所や案内サインの多言語化対応や観光関連施設(宿泊施設・飲食施
設・物販施設)における多言語案内、Wi-Fi の整備など、外国人観光客に快適
に滞在いただくために必要な整備に取り組みます。

市内の宿泊施設内などの土産物店等の免税店舗化を推進します。
受入体制整備

観光案内所や観光施設、宿泊施設等において外国人観光客の受入研修や外国語
が話せるスタッフの雇用を推進します。

ムスリム観光客やベジタリアン観光客など様々な外国人観光客の滞在に対応
できるような受入体制を整備します。
| 100 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
主要施策5-3 外国人観光客が訪れやすい環境を作る
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
具体的な取り組みイメージ
広域観光ルートの構築

近隣や中部地方、近畿地方の他都市などとの連携により、外国人観光客の来訪
を促す広域観光ルートの構築に取り組みます。

中部国際空港から入国した外国人観光客が鳥羽に来訪しやすい環境を整えま
す。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
■委員会および部会で出されたその他の意見・アイディア
・外国人には忍者も人気である。伊賀市に「甲賀流忍術屋敷」があり、外国人旅
行者に人気なので、鳥羽市の海女文化とともに連携して外国人に PR してはど
うか。
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
石鏡の風景
| 101 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
〔コラム〕平成 32 年の訪日外国人旅行市場と鳥羽の観光
平成 25 年に初めて訪日外国人観光客数が 1000 万人を突破した我が国では、さらに「2020 年オ
リンピック・パラリンピック東京大会」の開催という絶好の機会を捉え、平成 32 年に向けて訪日
外国人旅行者数 2000 万人の高みを目指すべく、観光庁を初めとする政府による取り組みが始まっ
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
ている。
鳥羽市でも外国人観光客が訪れる観光地を目指すことは必然の流れと言える。そのためには、外
国人旅行市場で鳥羽市はどのような位置づけを目指すべきかを明確にする必要がある。
一言で外国人観光客と言っても、国籍や地域によって旅行形態は様々である。欧米は長期滞在型
の個人旅行が主流であるのに対し、東南アジアや中国では周遊型の団体ツアー型が主流である。
こうした市場の特性を踏まえると、
鳥羽市の位置づけは大きく 2 つの方向性があると考えられる。
1 つは、滞在拠点としての位置づけである。欧米からの観光客は 1 つの拠点に滞在し、周辺観光地
を周遊する傾向にあるため、鳥羽は名古屋や京都、大阪といった国際的な観光都市へのアクセスが
良いことを活かし、鳥羽がそういった都市を周遊する拠点になることを目指すということである。
現状では、名古屋や京都、大阪を拠点に鳥羽を訪れる構図になっているが、鳥羽が拠点性や長期滞
在型の観光地としての魅力を形成することができれば、逆転の関係を築くことも可能かもしれな
い。
そしてもう 1 つは、周遊旅行の滞在地としての位置づけである。中部国際空港を中心に見ると、
南部には鳥羽のほか、世界遺産である「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道、北部には高山や白
川郷、金沢といった一流の観光地が並ぶ。それらの地域との広域連携により、周遊ルートを形成す
ることができるだろう。現在、中部運輸局が中心となって「昇龍道プロジェクト」を推進しており、
徐々に成果が見え始めている。今後更にこのルートを太い線へとしていくためには、それぞれの地
域がより魅力を増す
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
周遊観光地
結ぶことが必要だと
考えられる。
日帰り
観光地点2
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
入国空港
日帰り
観光地点1
ことと広域的に手を
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
周遊観光地
(鳥羽市)
滞在拠点
(鳥羽市)
周遊観光地
日帰り
観光地点3
【滞在拠点化のイメージ】
出国空港
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
【周遊観光地化のイメージ】
| 102 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
基本戦略6 鳥羽を発信する
○基本的な考え方
基本戦略1~5を推進することで鳥羽の魅力を高めると同時に、その魅力を観光客に
伝えることによって観光客を誘客することができます。鳥羽市を訪れた観光客に情報を
提供するとともに、大都市圏などに対する情報発信を積極的に実施します。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
○主要施策
主要施策6-1 鳥羽市内での情報提供を強化する
具体的な取り組みイメージ
情報提供の体系化

発信すべき情報および情報提供場所、情報提供方法を体系的に整理します。
鉄道や自動車で来訪する観光客向けの情報案内の充実

鉄道を利用する観光客向けに、鳥羽駅の観光案内所のサービスの充実を図りま
す。

自動車での観光客に鳥羽市内の情報を提供できる拠点を国道沿いなどに整備
できる体制を検討します。

バス停や鳥羽マリンターミナルなどの公共交通施設における観光情報の案内
を充実します。
離島に関する情報提供の充実

駅や観光施設、宿泊施設などの観光客が集まる地点において、離島の魅力を情
報提供する方法を検討し、積極的に推進します。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト

各離島でそれ以外の離島の観光情報を提供し、離島の周遊を推進します。
情報提供ツールの見直しと刷新

既存のパンフレットやポスターなどを見直し、必要に応じて刷新および統一し
ます。

携帯端末を用いた、域内における情報提供の方法およびコンテンツを検討しま
す。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 103 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
主要施策6-2 外部に対する適切な情報発信を行う
具体的な取り組みイメージ
市民参画の広告宣伝戦略委員会による情報発信

市民参画の広告宣伝戦略委員会において、情報発信内容の検討を行い、戦略的
かつ先進的な情報発信を行います。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
インターネット(SNS 等)を用いた情報発信

Facebook や twitter など、その時代に見合った SNS を活用し、国内外へ鳥羽
の情報発信に努めます。

外国人ブロガーの招へいや情報発信を担う人材を登用し、世界に対して鳥羽を
発信できる仕組みを作ります。

英語や中国語など多言語による鳥羽の魅力の情報発信に取り組みます。

平成 32 年開催のオリンピック・パラリンピック東京大会を見据えて、外国人
観光客に対する魅力的な情報発信に努めます。
広域連携によるプロモーションの継続的実施

伊勢志摩観光コンベンション機構や三重県、中部運輸局などとの連携によるプ
ロモーション事業を継続的に実施します。
教育旅行の推進

修学旅行の誘致に向け、伊勢志摩学生団体誘致委員会を中心に継続的な取り組
みを進めます。
視察旅行の受入れ

大学関係者や企業などの視察旅行の受入を推進します。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
豪華客船の受入れ推進

国内外の豪華客船の誘致を継続的に推進します。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
鳥羽港に入港する豪華客船「飛鳥Ⅱ」
| 104 |
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
基本戦略7 観光基盤の充実・強化
○基本的な考え方
観光客の高齢化や外国人観光客の増大を見据え、鳥羽を訪れる観光客が不自由なく快
適に滞在できるよう市内のバリアフリー化を推進します。また、東日本大震災を機に、
観光地においても防災対策の重要性が再認識されました。観光客が安全かつ快適に滞在
できるよう、観光基盤の整備に取り組みます。さらに、観光ルートの構築や交通基盤の
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
整備については引き続き取り組みます。
○主要施策
主要施策7-1 バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進
具体的な取り組みイメージ
公共施設におけるバリアフリーの推進

駅やターミナル、観光施設などにおけるバリアフリー化を働きかけます。
公共交通機関のバリアフリー化の推進

コミュニティバスや市営定期船などの公共交通機関のバリアフリー化を推進
します。
宿泊施設や観光施設のバリアフリー化の推進

宿泊施設や観光施設におけるバリアフリー化を推進します。
ソフトなバリアフリーの推進

市民のちょっとした心遣いで障がい者や高齢者、外国人の観光客が快適に滞在
できるよう啓発していきます。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
バリアフリー情報の提供

公共施設や観光施設、宿泊施設などのバリアフリー化の状況をウェブなどで情
報発信し、誰もが安心して来訪できるよう推進します。
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 105 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
主要施策7-2 観光地としての防災対策の強化
具体的な取り組みイメージ
地震・津波対策の推進

観光客が津波避難場所等を事前に確認できるようパンレットなどを充実しま
す。

緊急時の情報伝達手段を充実します。

観光客が津波から安全に避難できるよう避難路・誘導看板等を整備します。

高齢者や障がい者、外国人が災害時に安全に避難できるよう防災対策に努めま
す。
帰宅困難者対策の推進

観光施設や宿泊施設における避難者・帰宅困難者の受入・帰宅支援体制を整え
ます。

帰宅困難者等への交通情報等を一元的に集約・伝達する方法を検討します。
観光事業所等への啓発等

宿泊施設や観光施設において、継続的な訓練の実施を推進します。

災害時に観光客へ安全・安心を提供するため、観光事業所等への啓発に取り組
みます。
主要施策7-3 周辺地域との連携による観光ルートの構築
具体的な取り組みイメージ
新たな観光ルートの構築

関東からの来訪客が鳥羽を訪れやすいような新たな観光ルートを検討します。

中部国際空港や関西国際空港からの入国者や名古屋・大阪・京都を来訪した外
国人観光客が伊勢志摩地域を訪れるような広域観光ルートを検討します。
主要施策7-4 鳥羽までの交通および域内交通の改善
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
具体的な取り組みイメージ
鳥羽までの交通アクセスを改善する

観光客等の交通アクセスニーズを捉えながら、利便性の向上を目指して交通関
係機関に働きかけていきます。

鉄道やバス、船などの公共交通間の広域的な連携性を高め、観光客にとって周
遊しやすい環境を構築するよう働きかけます。

港のゲートウェイ機能を高め、海からのアクセス性の向上を目指します。
鳥羽市内の交通を改善する

鳥羽市地域公共交通総合連携計画を踏まえた市内全体の交通の調整を図りま
す。
| 106 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
計第
画1
策章
定
の
趣
旨

公共交通機関による来訪を促進し、鳥羽市内の交通渋滞の緩和に努めます。

観光客が各地域の観光施設などを周遊できるよう、伊勢・二見・鳥羽周遊バス
「CAN ばす」や路線バスの連携と利便性の向上に努めます。

観光客が利用しやすい離島航路のダイヤの検討を行います。

まちなかや観光施設などの駐車場を確保します。
■委員会および部会で出されたその他の意見・アイディア
・クルーザーやヨットなどで鳥羽市を訪れることができるようにしてはどうか。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
鳥羽マリンターミナルや佐田浜にヨットハーバーができれば、海の玄関口とし
ての魅力が増すのではないか。
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
鳥羽マリンターミナル
| 107 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
基本戦略8 観光推進体制の構築
○基本的な考え方
観光基本計画を着実に実施するための体制を整え、定期的に計画を見直すプロセスを
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
導入します。また、観光政策を進める上で必要となる指標を正しくモニタリングできる
よう統計整備に努めます。
○主要施策
主要施策8-1 観光推進体制の強化と構築
具体的な取り組みイメージ
民間の活力を活かす

観光事業者や交通事業者、商業事業者などの民間事業者の主体的・積極的な参
画と創意工夫を通じて観光振興の実現を図ります。
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
官民の連携

「鳥羽うみ文化」の継承と創造を実現するため、行政と民間との連携や民間同
士の連携、行政内部の部署間連携などを進めます。

行政や観光協会などが三重県や伊勢志摩観光コンベンション機構、伊勢市、志
摩市などの近隣地域や組織と連携して、より効果的な観光施策の推進に取り組
みます。
外国人観光客の受入推進組織の構築

第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
インバウンドを推進するため、行政や観光協会、商工会議所、民間事業者など
を含めた体制づくりと活動の充実を図ります。
国策に沿った政策の展開

国の観光政策や地域活性化政策等に柔軟に対応し、必要と思われる施策を鳥羽
市で推進していきます。
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
主要施策8-2 計画の見直しと評価
具体的な取り組みイメージ
計画の PDCA サイクル確立

策定した第 2 次鳥羽市観光基本計画の成果と課題を把握できるよう、PDCA サ
イクルに則った評価方法を確立します。
アクションプログラムの策定と実行

第 2 次鳥羽市観光基本計画に基づいて取り組むべき個別の事業を体系的に整理
し、アクションプログラムとして策定し推進します。アクションプログラムは
3 年ごとに見直し、更新します。
| 108 |
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
事業成果の市民への周知・公表
計第
画1
策章
定
の
趣
旨

事業の成果を分かりやすく市民に伝え、市民の観光に対する興味・関心を促し
ます。
主要施策8-3 観光統計の充実
具体的な取り組みイメージ
経済波及効果の算出

鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
及効果の算出を行います。
日本人および外国人観光客動態調査の実施

鳥羽を訪れる観光客の客層を把握するため、正しく統計を取ります。また、定
期的に動態調査を実施するほか、必要に応じて潜在客調査を実施します。
主要施策8-4 観光財源の確保と有効な活用
具体的な取り組みイメージ
入湯税の効果的な活用

基金化している入湯税を計画的に観光事業に活用します。また、入湯税の使途
を公開します。
ふるさと納税などの寄附金の活用

全国からふるさと納税をしていただけるよう、魅力あるふるさと納税制度の充
実を図ります。

戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
観光が鳥羽市内の産業に与える効果を正しく把握するために定期的に経済波
観光事業を推進するため、多様な資金調達方法の導入を検討します。
主要施策8-5 観光産業活性化と人材育成
具体的な取り組みイメージ
観光関連産業の活性化支援

鳥羽商工会議所とともに観光に関連する市内中小企業に対する経営診断を実
施し、経営改善を支援します。

計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
観光関連産業従事者の就労環境の改善を推進します。
観光関連産業の人材育成

観光関連産業に従事する人材を育成します。

外国人観光客を受け入れるため、外国語対応可能な人材の育成を促進します。
次世代への観光教育

市内高校に対する鳥羽市内の観光産業への就職を支援する機会づくりを創出
します。

| 109 |
市内小中高校生に対する地域学習を推進します。
第 2 次鳥羽市観光基本計画

市内小中高校生による観光案内などの観光実習に取り組みます。

大学生とのコラボによる観光教育の推進と観光施策を推進します。

観光客を温かく迎え入れる「やさしい街」を目指すため、市内小中高校生に対
するおもてなし教育を推進します。
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
主要施策8-6 市民の参画を促す
具体的な取り組みイメージ
市民向けの地域学習

「鳥羽うみ文化」の理解促進のため、市民向けの地域学習講座を実施します。
市民と観光客の交流

市民が観光客を歓迎できるよう、観光産業の従事者とともに意識の醸成や向上
に取り組みます。

花いっぱい運動をはじめとする居住地のまちづくり活動への市民の参画を促
し、市民が観光客を迎え入れるおもてなしの心を育てます。
ボランティアガイドの拡充

観光客を案内できる市民ボランティアの拡充を目指します。
■委員会および部会で出されたその他の意見・アイディア
・市内の小中高校生に対して、鳥羽市の観光産業の実態や観光客への挨拶の仕方
などを教えるための冊子を作成し、地域学習を推進したい。
・市内小中高校の休日(日曜日)を月に 1 回程度、月曜日に変更し、観光産業事
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と
課
題
第第
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画
業者が子供たちと過ごせる日を作ってみてはどうか。
・高校生が旅館と連携して企画を組んだり、旅館の食事を考えたりするような課
外学習を展開し、観光産業の面白さや地域に対する興味を引き出せると良い。
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〔コラム〕観光事業に対する新たな資金調達の方法
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定
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趣
旨
近年、インターネットを通じて不特定多数に資金提供を募るクラウドファンディングという新た
な資金調達の方法が注目を集めている。クラウドファンディングは、実施の形態によって寄付型、
購入型、投資型に分類されており、観光分野においても様々な事例が見られる。
鎌倉市では、市内に観光案内板を設置する「かまくら想いプロジェクト」の実現のために市がク
ラウドファンディングを活用し、1 口 1 万円で総額 100 万円の寄付を募った。出資者に対しては、
金銭的見返りはないものの、設置される案内板の裏に名前が記入されるというサービスが提供され
た。募集は平成 25 年 11 月に開始され、3 週間で目標金額を達成した。この成功の背景には、気軽
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画
に寄付ができるというクラウドファンディング特有の敷居の低さに加え、鎌倉の観光をより魅力的
なものにするという目的への共感が得られたことが挙げられる。「かまくら想いプロジェクト」に
は、資金調達の手段としてだけではなく、寄付を通じたまちづくりへの参加という意義を含んでい
た。
また、滋賀県長浜市でガラス工芸の製造・販売などの観光事業を展開する株式会社黒壁は、ガラ
ス制作時に必要な燃料代を得るために、投資型のクラウドファンディングを行った。1 口 5 万円か
ら最大で 10 口 50 万円の範囲で募集を行い、総額 770 万円の資金を得た。投資家に対しては、ガ
ラス製品の売上金額の 5%が成功報酬として分配されるというスキームが採用され、またその他の
特典として黒壁の経営店舗などで使用できるサービス券や特典品が付与された。
上記の 2 事例のように、観光事業を実現させるための資金調達方法の 1 つとしてのクラウドファ
ンディングは、市民やその地域のファン、投資家など様々な主体による協力が期待できる。
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答志島の路地裏
| 111 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
計第
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趣
旨
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第4章
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画
戦略プロジェクト
4-1 テーマ別戦略プロジェクト・・・・・・・・・・・ 114
4-2 エリア別戦略プロジェクト・・・・・・・・・・・ 120
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| 112 |
第 3 章で定めた基本戦略および主要施策に基づいて「鳥羽うみ文化」の継承と創造を
計第
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策章
定
の
趣
旨
通じた魅力ある観光地鳥羽を市内全体で形成するため、重点的に取り組むべきプロジェ
クトをテーマ別戦略プロジェクトとエリア別戦略プロジェクトの 6 つ設定します。
○テーマ別戦略プロジェクト
基本戦略および主要施策に対応した 4 つのプロジェクトを定めますが、対応する基本
戦略および主要施策に留まらず、必要に応じてその他の基本戦略・主要施策を交えてプ
ロジェクトを推進します。また、テーマ別戦略プロジェクトは市内全地域で取り組みま
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題
第第
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画
す。
○エリア別戦略プロジェクト
中心市街地と離島で進める 2 つのプロジェクトを定めます。複数の基本戦略や主要施
策を横断的に捉え、プロジェクトを推進します。
なお、各プロジェクトには主な取り組み例を記載していますが、次年度策定予定のア
クションプログラムにおいてより具体的な事業を検討していくことになります。
図表 4-1 戦略プロジェクト
テーマ別戦略プロジェクト
1
2
3
4
戦第
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プ章
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ト
鳥羽市全体における鳥羽うみ文化ネットワーク構想
漁業と観光の連携
芸術を活かした観光振興
インバウンド受入推進
エリア別戦略プロジェクト
1 中心市街地の賑わい・魅力創出
2 新たな島旅の推進
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鳥羽城 三ノ丸広場
| 113 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
八幡祭(答志島)
4―1.テーマ別戦略プロジェクト
1 鳥羽市全体における鳥羽うみ文化ネットワーク構想
【主要施策 2-1 に対応】
計第
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策章
定
の
趣
旨
鳥羽には鳥羽水族館やミキモト真珠島、海の博物館といった、海にまつわる一流の文
化・観光施設があります。また、集落には海女文化資料館や海女小屋などの施設もあり
ます。そこで、鳥羽らしさである「鳥羽うみ文化」をより深く観光客に感じていただけ
るよう、海に関する観光・文化施設それぞれが「鳥羽うみ文化」を発信できるよう、機
能の向上に努めます。また、それらの施設をネットワーク化することで、鳥羽市全体で
「鳥羽うみ文化」の伝達を高めます。
主な取り組み例
<各施設における「鳥羽うみ文化」の発信機能の強化>

各施設が伝える「鳥羽うみ文化」を明確化し、市民や観光客が施設を周遊するこ
とで鳥羽うみ文化の全体像を学べるようにする

鳥羽うみを再現した展示を作るなど、各施設における展示内容や展示方法を見直
し、「鳥羽うみ文化」の伝達機能を高める
<「鳥羽うみ文化」を活かした誘客>

関係する施設が連携して商品造成を旅行会社に働きかける

関係する施設が連携して対外プロモーション活動を展開する
<施設間の連携>

関係する施設が連携してイベントを実施したり企画展を開催したりするなど、施
設間で連携した取り組みを検討する

施設周遊券の販売
<施設とフィールドとの連携>

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施設で学んだ「鳥羽うみ文化」に実際に触れられる空間としてフィールドを位置
づける

船に乗って各施設や集落などを巡りながら鳥羽うみ文化を体験できるプログラ
ムを構築する
<施設の経営持続性>

クラウドファンディング1などの資金調達方法を活用し施設の持続的な経営を支
える
1
新規・成長企業等と資金提供者をインターネット経由で結びつけ、多数の資金提供者から少額ずつ資金
を集める仕組みで、寄付型、購入型、投資型の 3 種に大別される(内閣府消費者委員会の説明より引用)
| 114 |
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2 漁業と観光の連携
計第
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策章
定
の
趣
旨
【主要施策 1-2 に対応】
鳥羽は古くから漁業が盛んな地域で、恵まれた海洋環境に立地し、地区毎に獲れる魚
介類の種類も漁法も多様です。魚介を中心とする食に対しては、観光客の期待も高く、
漁業と観光は、鳥羽市の重要な基幹産業として、鳥羽市経済を牽引してきました。しか
し、漁業従事者の後継者不足や魚価の低迷など、鳥羽の観光を支える漁業の課題も多く、
漁業と観光の連携を通じて鳥羽の魚介類の地元利用の更なる向上とブランド力の向上
を目指します。
鳥第
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題
第第
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次章
鳥
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基
本
計
画
鳥羽市では、市観光協会が主体となって平成 26 年度に「漁業と観光の連携促進計画」
を策定しており、本プロジェクトは当計画に則って事業を進めます。
主な取り組み例
<鳥羽の魚を PR する>

宿泊施設や観光施設において、鳥羽で獲れる魚種や鳥羽独自の漁法など、漁業と
魚の特徴を PR する

漁業と観光が共同してプロモーションを行う

漁業と観光がタイアップしたイベントを開催する
<鳥羽の魚を食べる>

鳥羽の海で獲れた旬の魚を宿泊施設やまちなかで食べられるようにする

鳥羽の魚を使った創作料理を作り出し、市民や観光客が食べられるようにする

鳥羽の漁村ならではの郷土料理を観光客も食べられるようにする
<観光客が漁業を知る・触れ合う>
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ク
ト

漁業や海女漁のスケジュールを観光案内所や宿泊施設などで情報提供し、観光客
が漁業や海女漁などの様子を見学できるようにする

漁師や海女と語り合ったり食事をしたりするようなプログラムを造成し、観光客
に漁業に対する興味・関心を持ってもらう
計第
画5
の章
実
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て
| 115 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
3 芸術を活かした観光振興 【主要施策 2-3 に対応】
近年、芸術・文化を活用していかに「地域資源」を見せていくのか、という試みが全
国的に注目されています。従来、ストリートアートは地域がその芸術・文化を見せる場
を提供するものでしたが、香川県直島をはじめとする日本全国のアート・プロジェクト
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
は、芸術作品そのものが目的ではなく手段として機能しています。つまり、まちなかに
芸術作品が展示されることによって、それまで気付かなかった地域固有の風景や魅力に
気付くことがあります。
さらに、芸術家がまちなかに滞在し、芸術家と市民が一緒になって芸術作品を作り上
げるプロセスに市民を巻き込むことで、観光地づくりの主体として市民を巻き込んだり、
アーティストの定住を促進するなどの効果があります。
鳥羽市には、まだまだ掘り起こしができる地域資源が数多くあります。芸術家や芸術
作品を活用して、地域資源を再認識したり、これまでとは異なる客層を呼び込むことを
目指します。
主な取り組み例
○短中期的取り組み
<アート・プロジェクトの開催>

数年以内に鳥羽アート・プロジェクトを試験的に実施し、アートを活かした観光
振興の可能性を探る

亀山トリエンナーレや佐久島アートプラン 21 など、近隣地域のアート・プロジ
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題
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画
ェクトと連携する
○中長期的取り組み
<芸術家を呼び込む>

国内外から鳥羽市内に滞在して創作活動をしていただけるアーティストを招へ
いするためのプログラムや仕組み・体制を検討する
<制作プロセスに市民を巻き込む>

戦第
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ト
市民参加型の芸術作品を芸術家とともに作り上げ、市民の芸術に対する理解を促
す
<芸術作品の展示場所として地域資源を活用する>

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の章
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て
芸術作品の展示場所として、地域の歴史的な資源等を活用する
| 116 |
〔コラム〕神山アーティスト・イン・レジデンス
計第
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定
の
趣
旨
徳島県の山間部に位置する神山町では平成 11 年から「神山アーティスト・イン・レジデンス事業
(KAIR)
」を実施している。毎年 3 名(海外 2 名、国内 1 名)の芸術家を招へいし、地域に居住して市
民とともに芸術作品を作る支援をしている。旅費や滞在費は KAIR 実行委員会が負担し、その代わりに
芸術家が制作した芸術は神山町に残してもらうことになっている。芸術家は滞在中に市内小中学校の美
術の授業を行ったり、芸術作品を市民とともに作ったりするなど、地域に根付いた活動を行う。
芸術家が制作した作品は、廃校の教室や校庭、川原や山の中などに展示される。芸術作品を通じて町
の何気ない風景が際立って見えるようになる。
鳥第
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観
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課
題
神山には毎年 100 名以上の芸術家からの応募があるという。これほどの魅力を惹きつけるのは、プロ
グラムの支援制度だけではなく、神山町が持つその風景や伝統文化など、地域資源にある。さらに、神
山はすなわち God mountain。その名前自体から神山に対する魅力や芸術作品を産むための力を感じる
という芸術家もいると聞く。
同じく「神」という地名を持つ神島ではいかがであろうか。
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青峯山正福寺
| 117 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
4 インバウンド受入推進 【基本戦略 5 に対応】
訪日外国人旅行者の受入は鳥羽市にとって喫緊の課題です。しかし、訪日外国人旅行
者の受入には、プロモーション活動だけでは不十分で、鳥羽のどのような価値を外国人
に訴求するのか、という外国人観光客のための魅力の掘り起こしなどの受入環境の整備
計第
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策章
定
の
趣
旨
が必要です。また、訪日外国人旅行者と言っても国籍や地域によって信条や嗜好は全く
異なります。したがって、訪日外国人旅行者の拡大を目指すためには、どの国・地域を
ターゲットに取り組むのかという戦略的な判断も必要です。
本戦略プロジェクトを通じて、訪日外国人旅行者の受入拡大を目指します。
主な取り組み例
○短期的取り組み
<近隣地域と連携した誘客プロモーションの実施>

伊勢神宮や伊賀流忍者博物館など、既に外国人旅行者が訪れている地域と連携し
て海外への誘客プロモーションを実施する

中部国際空港における鳥羽の情報発信を拡大する
<受入体制・環境整備>

観光協会や観光案内所、宿泊施設等において多言語対応可能なスタッフの雇用を
促進する

観光案内所や案内サインの多言語化を進める

市民向けの外国人のおもてなし講習会の実施

宿泊施設や観光施設などで無料 Wi-Fi の整備を行う
<ターゲットとする国籍・地域の見極め>
国籍・地域による訪日旅行ニーズの違いを把握する
<魅力の訴求>

第第
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○中長期的取り組み

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題
海女文化や豊かな食など外国人観光客に訴求できる鳥羽の魅力を整理し、観光ブ
ランド戦略を策定する

鳥羽の魅力を外国人向けに磨きあげる(海女文化を分かりやすく伝えるための方
法を検討するなど)

伊勢市や志摩市などと連携して伊勢志摩地方を体験する観光ルートを作る

白川郷や飛騨高山、名古屋、伊賀、熊野古道などと連携し、日本の文化を伝える
観光ルートの構築を目指す
| 118 |
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<ターゲットに合わせた情報発信>
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趣
旨

海外のガイドブックへの掲載の促進(例:ミシュランの星を獲得するための取組み
など)

外国人ブロガーの招へいや SNS などを通じたプロモーションの実施
<外国人観光客のニーズ調査の実施>

鳥羽市を訪問した外国人観光客に対するアンケート調査を実施し、ニーズや受入に
あたっての課題などを把握し、改善に努める
鳥第
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題
第第
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次章
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基
本
計
画
〔コラム〕訪日外国人旅行者の日本国内での活動
いよいよ年間 1,000 万人を突破した訪日
中にどのような活動をしているのだろう
か。観光庁が平成 22 年度より実施してい
る「訪日外国人消費動向調査」の平成 25
年調査結果によると、全国籍・地域で最も
80% 100%
自然・景勝地観光
旅館に宿泊
ビジネス
街の街歩き(67%)」、「自然・景勝地観光
日本の歴史・伝統文化体験
日本の生活文化体験
また、次回の訪日旅行でしたい活動をみ
美術館・博物館
ると、
「日本食を食べること(47%)
」、
「温
親族・知人訪問
然体験ツアー・農漁村体験」などについて
60%
繁華街の街歩き
のぼり、
「ショッピング(77%)
」や「繁華
となっている。ほか、
「四季の体感」や「自
40%
ショッピング
温泉入浴
(57%)
」と続く。
20%
日本食を食べること
多いのは「日本食を食べること」で 97%に
泉入浴(47%)
」、
「ショッピング(41%)
」
戦第
略4
プ章
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0%
外国人旅行市場。外国人観光客は日本滞在
ナイトライフ
テーマパーク
四季の体感
イベント
も高い比率となっている。
こうした傾向は、国籍や地域によっても
異なるため、鳥羽市がターゲットとする国
籍・地域を見定める際には、国の統計調査
等を活用することが望まれる。
計第
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て
自然体験ツアー・農漁村体験
舞台鑑賞
映画・アニメ縁の地を訪問
スキー・スノーボード
スポーツ観戦
治療・検診
ゴルフ
今回したこと
次回したいこと
出所:訪日外国人消費動向調査平成 25 年年次報告書
| 119 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
4―2.エリア別戦略プロジェクト
特に重点的に観光地としての魅力向上を推進する必要のある中心市街地と離島につ
計第
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策章
定
の
趣
旨
いては、エリア別戦略プロジェクトとして位置づけます。
1 中心市街地の賑わい・魅力創出
鳥羽駅は観光客にとっての玄関口としての機能を持っています。駅周辺には観光案内
所や鳥羽ビジターセンター、鳥羽マルシェ、かもめの散歩道、鳥羽マリンターミナル、
民間の観光関連施設など、観光をする上で重要な拠点施設が揃っています。
南側の中心市街地には鳥羽城跡を中心に、今も伝統的・歴史的建造物が多く残ってい
ます。それらは点ではなく群として残存しており、歴史的景観を形成する要素になって
います。また、江戸末期から昭和戦前まで幅広い年次に建築された建造物があり、鳥羽
の歴史を語る重要な資源と言えます。
こうした多様な観光資源や観光施設を集積する鳥羽駅を中心とする周辺空間につい
ては、鳥羽らしさを感じられるような空間へと仕上げる必要があります。
主な取り組み例
<駅前空間の魅力づくり>

鳥羽マルシェやかもめの散歩道で海を眺めながら鳥羽の海産物を食べられるよ
うな空間を作る(ベンチを設置する、屋台を開くなど)

鳥羽マルシェを活用した市民や観光客向けのイベントを開催する
<中心市街地の空き家再生>

第第
23
次章
鳥
羽
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観
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基
本
計
画
鳥羽駅から鳥羽一番街や鳥羽マルシェ、鳥羽マリンターミナルまで観光客を誘導
するような案内サインや空間の整備を行う

鳥第
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状
と
課
題
戦第
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空家となっている町家を修復し、町並みに統一感を演出すると同時に、店舗や住
居として活用できる状態にする

市内の小中高校や近隣の大学などと連携して、町家を利用した実験店舗を運営
し、町家の店舗利用の可能性を探る
<中心市街地の商店街再生>

鳥羽の魚介類をその場で食べ歩きできるような店舗と一休みできるベンチの設
置

商店街のディスプレイを工夫して、市民や観光客が楽しく買い物をしたくなるよ
うな空間を演出する
| 120 |
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
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趣
旨
町家や商店をライトアップしたり、繁忙期は商店街の営業時間を遅めたりするこ
とで、中心市街地の夜の魅力を向上させる
<中心市街地の周遊促進>

駅を中心とし、海側と市街地側の一体的な賑わいを創出し、観光客が周遊できる
空間作りを目指す
〔コラム〕千葉県香取市佐原地区の町家再生
千葉県香取市佐原地区は、江戸時代に舟運の拠点として栄えた町で、現在でも当時を忍ばせる多くの
鳥第
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課
題
第第
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次章
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計
画
歴史的建造物が点在し、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。近年、まちなかの歴史
的建造物がレストランや交流拠点として再生され、観光客の賑わいを生んでいる。
香取市では行政が主体的に町家の修理・修復を手掛けてきた。そして修復した町家の再生にあたって
は、大学研究室との連携により実験的に町家を店舗として運営し、その成果の住民との共有を図ってき
た。それらの町家は現在、民間事業者がレストランやカフェとして運営されており、その他にも「夢時
庵(フランス料理店)
」や「カフェしえと」など多くの町家が魅力的なコンテンツを持つ店舗として再生
している。
町家の再生を進めるにあたって注意すべき点としては、町家の有する歴史的価値を損なわないこと、
魅力的なコンテンツを有すること、市民も観光客も楽しめる用途を混在させることなどがあげられよう。
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鳥羽市中心街の様子
| 121 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
2 新たな島旅の推進
鳥羽の有人離島は神島、答志島、菅島、坂手島があり、それぞれ、個性豊かな魅力を
兼ね備えています。そこで、離島の魅力をより一層引き立てながら、島旅を推進します。
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の
趣
旨
主な取り組み例
<スポーツイベントの開催>

4離島の地形を活かしたスポーツイベントの実施
<ウォーキングルートや健康滞在プログラムの造成>

トレイルランコースや島の歴史資源探索コースなどを作る
<離島で食を楽しむ>

わざわざ離島を訪れたくなるような食を提供する(ランチを食べに船に乗る)

漁師の船に乗って魚を獲り、その場で食事を楽しめるような体験プログラム造成
<離島の風景を楽しむ>

離島を船で一周し、市民も知らないような景観を楽しめるようにする
しろんご祭(菅島)
鳥第
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第第
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画
神島時計台と街並み
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〔コラム〕イタリア・ポルトヴェーネレ、チンクエテッレと小島群における観光振興の取り組み
イタリア北部の都市ジェノバの南にあるリグリア海に浮かぶ 3 つの島(パルマリア島、ティーノ島、
ティネット島)はその周辺地域を含めたエリアとともに、険しい海岸に囲まれた家屋が文化的景観とし
て平成 9 年に世界文化遺産に登録されている。
ここでは、観光客が島々の景観を海から楽しめるように船が運航している。具体的には、船に乗って
チンクエテッレの各村を周遊するというのが一つの観光パターンにもなっており、また船上から見る沿
岸部や、小島群の景観は、陸上からでは見ることのできない美しさがあるとして、高く評価されている。
また、各島内には歩いて楽しめるようなトレッキングコースが整備されている。
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計第
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第2次鳥羽市観光基本計画
計第
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趣
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画
計画の実現に向けて
5-1 実現に向けた基本的な考え方・・・・・・・・・・・ 125
5-2 市民および事業者との協働・・・・・・・・・・・ 126
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計第
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趣
旨
5―1.実現に向けた基本的な考え方
○重層的に実施することで相乗的な効果を生み出す
戦略や主要施策は互いに関連しているものが少なくありません。従って、個々の戦略
や主要施策を達成することを目的とするのではなく、複合的な視点で戦略や施策を捉え、
事業を展開することで相乗的な効果を生み出すことが必要です。
鳥第
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課
題
第第
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次章
鳥
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市
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基
本
計
画
第 4 章で位置づけられた戦略プロジェクトはこうした視点に基づいて設定されてお
り、アクションプログラムでは戦略プロジェクトを実現させるため、より具体的かつ複
合的な事業を検討していきます。なお、アクションプログラムは 3 年ごとに見直します。
○優先順位を踏まえた事業実施
限りある経営資源を効果的に配分していくため、市民や観光客の視点から優先して取
り組むべき事項を整理して事業を推進していきます。
必ずしも今すぐにできることから始めるだけではなく、成果を得るまでに長期間を要
するものや関係者の意識共有から始めるものなどを考慮する必要があります。
○PDCA サイクルに基づいた事業の継続
本計画を着実に推進するため、取組みの効果や目標数値の達成度を定期的に評価・検
証します。
また、計画の確実な推進を管理するため、「第2次鳥羽市観光基本計画
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
推進委員会
(仮称)」を立ち上げます。推進委員会は、本計画の策定にも関わり鳥羽市の観光の将
来を担う若手のメンバーを中心に構成します。推進委員会では、計画の着実な遂行を管
理する役割を担います。
図表 5-1 PDCA サイクルに基づいた事業プロセス
推
進
委
員
会
に
よ
る
適
切
な
管
理
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 125 |
PLAN
計画を策定する
Do
アクションプログラムを策定し事業を実行する
Check
事業の確認をする
Action
結果の要因を把握し、次に活かす
第2次鳥羽市観光基本計画
5―2.市民および事業者との協働
これからの観光推進にあたっては、観光事業者や観光産業従事者などが中心となり、
計第
画1
策章
定
の
趣
旨
関連する産業や市民団体、一般市民などの協力と参画のもとで観光を推進することが求
められます。それに対し、行政は観光課のみならず関連するセクションと共にサポート
役としての機能を果たすことが必要です。
図表 5-2 これからの観光推進体制のあり方1
相互理解と連携
農協・漁協・
商工会議所
など
相互理解と連携
行政
行政
(観光担当セクション)
観光関連
産業
(観光担当セクション)
その他
地場産業
観光産業
行政
観光産業
(その他セクション)
観光推進
組織
観光推進
組織
サポート
地域の
研究機関等
理解と参画
一般市民
これまでの観光に関する
取り組み体制
市民団体
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
これからの観光に関する取り組み体制
観光事業者や市民、行政等が次のような役割で本計画を推進します。
○観光事業者等に期待される役割

鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題
本計画で提示した基本戦略や主要施策の実現には、民間事業者(観光事業者や交
戦第
略4
プ章
ロ
ジ
ェ
ク
ト
通事業者、商業関係者等)による積極的な取組が期待されます。

また、従来から鳥羽市の観光への取組を先導してきた鳥羽市観光協会や鳥羽商工
会議所等が中心的な役割を担っていきます。

また、
「鳥羽うみ文化」の継承と創造を図るためには、これまで直接的には観光事
業と関わりが少なかった漁業者等、他産業従事者もそれぞれの役割を担っていく
ことも必要となります。
1
公益財団法人日本交通公社編著
「観光地経営の視点と実践」引用
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計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
○市民・NPO 法人等に期待される役割
計第
画1
策章
定
の
趣
旨

本市では、非営利の団体が観光案内やガイドツアーの提供に積極的に取り組んで
います。このような取組はますます重要な役割を担っていくものと期待されます。

また本計画で提示した基本戦略は、広くまちづくりや環境整備に関わり、こうし
た分野に関わる多様な市民の参画を得たり、連携を図りながら取組を進めていき
ます。
○行政の役割に期待される役割
鳥第
羽2
市章
観
光
の
現
状
と
課
題

鳥羽市は、観光事業者や市民等の取り組みにあたっての土壌づくりや支援を積極
的に行い、本計画の推進の全体調整役を担っていきます。

鳥羽市は、国や三重県といった広域行政との連携によって、観光資源の保全、観
光ルート形成、観光基盤整備等に関する事業を進めていきます。
第第
23
次章
鳥
羽
市
観
光
基
本
計
画
赤いハンカチによる大型客船の見送り風景
戦第
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ロ
ジ
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ク
ト
計第
画5
の章
実
現
に
向
け
て
| 127 |
第2次鳥羽市観光基本計画
参考資料
| 128 |
1.三重県内の他の市町村の観光計画
現在、三重県内の市町で観光計画を策定しているのは 9 市町である。
市町村名
計画名称
計画策定年月
基本理念
計画内容
ビジョン
市町村名
計画名称
計画策定年月
基本理念
計画内容
基本方針
市町村名
計画名称
計画策定年月
基本方針
計画内容
視点
基本戦略
市町村名
計画名称
計画策定年月
基本コンセプト
計画内容
基本方針
| 129 |
第2次鳥羽市観光基本計画
伊賀市
伊賀市観光振興ビジョン
平成24年3月
まち、さと、やまで培われてきた地域の宝に
出会い、味わい、わかちあう「場」をつくる
1 多様なものに出会える場である
2 価値をじっくりと味わえる場である
3 誰もが参加して支える場である
伊勢市
伊勢市観光振興基本計画
平成26年3月
「住む人と訪れる人がおかげさまの心を通じて交わるまち」
「常若の精神を未来へ受け継ぎ、進化し続けるまち」
1 新たな地域資源の発掘、開発・磨き上げ
2 笑顔で迎える受入基盤・環境の整備
3 行政・事業者を越えた地域連携の推進
4 ターゲット別PR戦略と検証可能な取り組み
5 「競争と協働」視点での広域連携の推進
6 市民の地域愛からにじみ出る「おかげさまの心」
亀山市
亀山市観光振興ビジョン
~まちを磨き、交流を育む、まちづくり観光を進めます!~
平成21年3月
まちを磨き、交流を育む、まちづくり観光を進めます!
1 持続可能な観光を目指す
2 市民が育てる観光をめざす
3 魅力的な"人"や"暮らし"を感じてもらう観光をめざす
1 まちづくり観光の好循環をつくる
2 まちづくり観光の基礎をととのえる
紀北町
紀北町観光振興プラン
平成20年2月
きもち、ほっと、くつろぐ町 きほく
~古道で、魚まちで、銚子川で、熊野灘で
人と自然に癒される「廻りのまち」の実現
1 官民協働 -ただし、主役は民(民間組織、町民)
2 住む人(町民)・訪れる人(観光客)両者の満足度向上
3 紀北町が持つ優れた環境・雰囲気(=快適な癒しの空間)の保
全・復興
4 紀北町全体の「演出力」の向上
5 産業連携による町内産業全体の活性化
市町村名
計画名称
計画策定年月
観光振興のコンセプト
計画内容
基本戦略
市町村名
計画名称
計画策定年月
理念
計画内容
目標
基本方針
市町村名
計画名称
計画策定年月
計画内容 観光振興戦略
市町村名
計画名称
計画策定年月
観光振興ビジョンが目指す将来像
施策
計画内容
基本姿勢
市町村名
計画名称
計画策定年月
将来目標
計画内容
基本方針
桑名市
桑名市観光振興プラン
平成18年3月
川と街道が織りなす交流文化都市・桑名
〔重点戦略〕
1 川と街道の文化にふれるにぎわいの舞台環境づくり
〔支援戦略〕
2 川と街道の魅力にふれる桑名ならではの観光スタイルの提案
3 川と街道のまち・桑名の情報発信
4 まちの魅力を伝えるおもてなしの体制づくり
菰野町
菰野町観光振興プラン ~持続可能な観光地をめざして~
平成21年9月
先人が守ってきた自然を次世代に引き継ぐため、水と空気のきれ
いな観光地を宝と考え、この地で健康的で人にも環境にも優しい、
持続可能な観光地をめざします。
1 鈴鹿国定公園や渓流を含む自然を活かした観光地づくり
2 農業や他産業と連携した観光振興
3 地域が一体となった「もてなし」の観光地づくり
1 多様な観光ニーズへの対応
2 地産地消と地域ブランドの創出
3 交通対策・景観等の基盤整備
4 もてなしの向上
鈴鹿市
鈴鹿市観光振興基本計画
平成19年3月
1 イメージ戦略
2 観光情報の伝達
3 観光ルート・観光地区・観光イベントの設定
4 交通環境や観光施設などの整備
5 観光振興体制の確立
津市
津市観光振興ビジョン
平成21年2月
自然、歴史・文化が奏でる観光交流のまち
1 人と資源を活かした地域の魅力づくり
2 観光イメージの形成
3 受け入れ体制の充実と広域連携の強化
1 津市の「魅力」を再認識し、共有することから始めます
2 「まちづくり」と同時進行で進めます
3 多様な魅力が活かせるような総力で取り組みます
明和町
明和町観光振興計画
平成23年3月
歴史と自然が彩るおもてなしのまち・明和
1 観光客を呼び込むための目玉づくり
2 購買意欲をそそる商品開発・販売
3 再訪を促すための施設の魅力UP
4 町民のおもてなし力向上
| 130 |
2.第2次鳥羽市観光基本計画 策定委員及び部会員名簿
○策定委員会
所 属
立教大学観光学部
鳥羽市観光協会
鳥羽市温泉振興会
鳥羽商工会議所
鳥羽市旅館組合連絡協議会
鳥羽観光施設連合会
鳥羽料飲組合
NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンター
鳥羽ガイドボランティアの会
島の旅社推進協議会
鳥羽市エコツーリズム推進協議会
鳥羽市広告宣伝戦略委員会
鳥羽志摩農業協同組合
鳥羽磯部漁業協同組合
伊勢志摩観光コンベンション機構
近畿日本鉄道株式会社伊勢志摩事業推進部
三重交通株式会社伊勢営業所
役 職
教授
会長
副会長
常議員
理事長
会長
組合長
事務局長
会長
事務局長
会長
委員長
常務理事
常務理事
事務局長
部長
所長
氏 名
安島 博幸
吉川 勝也
野村 秀光
木村 良
寺田 順三郎
木下 登
浦口 恵次
野口 あゆみ
徳田 享
山本 加奈子
江崎 貴久
吉田 一喜
林 辰也
藤原 隆仁
東浦 久修
伏見 晋也
早川 正素
<アドバイザー>
所 属
海の博物館
鳥羽市観光アドバイザー
三重県観光・国際局
役 職
館長
―
国内誘客班
氏 名
石原 義剛
奥野 和宏
梶野 高広
役 職
副市長
課長
課長補佐
観光振興係長
観光企画係長
氏 名
木下 憲一
清水 敏也
高浪 七重
松岡 孝治
村田 直
<事務局>
所 属
鳥羽市役所
鳥羽市役所観光課
鳥羽市役所観光課
鳥羽市役所観光課
鳥羽市役所観光課
| 131 |
第2次鳥羽市観光基本計画
○策定部会
【食の魅力創出】
役割
部会長
副部会長
所 属
鳥羽市観光協会
鳥羽志摩農業協同組合
鳥羽市温泉振興会
鳥羽磯部漁業協同組合
鳥羽料飲組合
鳥羽市旅館組合連絡協議会
鳥羽市役所観光課
鳥羽市役所農水商工課
氏 名
世古 晃文
斎藤 啓吉
世古 素大
佐藤 真理子
伊藤 理
寺田 順三郎
高浪 七重
野村 藤浩
【観光地の魅力向上と新たな観光】
役割
所属
部会長
鳥羽観光施設連合会
島の旅社推進協議会
鳥羽市エコツーリズム推進協議会
鳥羽ガイドボランティアの会
鳥羽市観光協会
副部会長
鳥羽商工会議所
鳥羽市役所観光課
鳥羽市役所企画財政課
鳥羽市役所教育委員会生涯学習課
氏名
木下 登
濱口 ちづる
兵頭 智穂
近藤 宣二
山崎 正文
小崎 則彦
松岡 孝治
河原 光寿
豊田 祥三
【観光地の機能向上と情報提供】
役割
所属
部会長
鳥羽市広告宣伝戦略委員会
鳥羽市観光協会
NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンター
副部会長
鳥羽観光施設連合会
伊勢志摩観光コンベンション機構
近畿日本鉄道株式会社伊勢志摩事業推進部
三重交通株式会社伊勢営業所
鳥羽市役所観光課
鳥羽市役所定期船課
鳥羽市役所建設課
鳥羽市役所総務課
氏名
山本 欽久
山下 光洋
中村 千枝
片山 剛
小阪 雅利
矢吹 誠志
堀口 時彦
村田 直
村山 陽介
鳥羽 学
山口 朱成
| 132 |
第 2 次鳥羽市観光基本計画
平成 27 年 3 月
発行者
鳥羽市
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽三丁目 1 番 1 号
TEL 0599-25-1155(観光課)
編集
| 133 |
鳥羽市観光課
第2次鳥羽市観光基本計画
| 134 |
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