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平成19年度 特許出願技術動向調査報告書 半導体の機械加工技術

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平成19年度 特許出願技術動向調査報告書 半導体の機械加工技術
平成19年度
特許出願技術動向調査報告書
半導体の機械加工技術
(要約版)
<目次>
第1章 半導体の機械加工技術の俯瞰..........................1
第2章 半導体の機械加工技術に関する特許動向分析............5
第3章
半導体の機械加工技術に関する研究開発動向分析......35
第4章 半導体産業の産業政策動向分析......................38
第5章 半導体産業の市場環境分析..........................39
第6章 総合分析..........................................41
平成20年4月
特
許
庁
問い合わせ先
特許庁総務部企画調査課
技術動向班
電話:03−3581−1101(内線2155)
第1章
半導体の機械加工技術の俯瞰
第1節
半導体の機械加工技術の概要
1.半導体の機械加工技術に関する技術の俯瞰
半導体製造技術は機械加工技術をはじめ、リソグラフィ技術、薄膜形成技術、エッチング
技術、イオン注入技術、洗浄技術などからなっている。半導体の基板(ウエハ)として、シ
リコン(Si)基板とガリウム砒素(GaAs)などの化合物半導体基板がある。
半導体の機械加工技術としては、ウエハ製造工程、ウエハ処理工程、チップ化工程、組立
工程の各工程において、切断(スライシング)、研削、ラッピング、ポリッシング、CMP(化
学的機械的研磨)、バックグラインディング、ダイシングなどがある。さらに、周辺技術とし
て、工程内でのウエハ搬送技術(工程間も)、バックグラインディングでの表面の保護テープ
の貼付および剥離、チップ化工程におけるダイシングテープの貼付および剥離などが含まれ
る。それぞれの機械加工技術において使用される装置や材料として、たとえば、CMP 技術に
おける CMP 装置、終点検出機器、スラリー(砥粒、薬剤)、パッド、洗浄液などがある。
半導体の機械加工技術における課題として、加工精度の向上、平坦化、汚染防止、極薄化、
ウエハの表面フラットネスの向上、ウエハの大口径化、生産性向上、環境負荷の低減などが
あげられる。
半導体の応用産業として、パソコン、携帯電話、液晶 TV、プラズマ TV、携帯型オーディオ
機器、自動車などがあり、新しい応用形態として IC カード、RFID タグ、MEMS、SiP などがあ
る。これらの応用分野が今後とも半導体市場を牽引し、市場拡大していくと予想される。
半導体の機械加工技術の技術俯瞰図を第 1-1 図に示す。
第 1-1 図
半導体の機械加工技術の技術俯瞰図
半導体の
応用産業
液晶TV
パソコン
プラズマTV
携帯電話
自動車
RFIDタグ
・ダイシングブレード
・極薄ウエハ
ウ
Siエハの大口径化等
・大口径ウエハ
ウ
Siエハの表面フラットネス向上
・セラミック、樹脂、金属
加工精度向上
- 1 -
周辺技術
搬送技術、検査技術など
・ダイシングテープ
・ダイシングブレード
組立工程
実装基板のダイシング
ダイシングテープ剥離
ダイシングテープ貼付
・スラリー(砥粒、薬剤)
・パッド
・終点検出機器
・洗浄液
ダイシング
CMP
CMP
バックグラインディング
配線層
絶縁膜
)
(GRINDING
)
LAPPING&POLISHING
研削
)
(SLICING
研磨(
切断
薄膜形成技術、エッチング技術、洗浄技術、
リソグラフィ技術、イオン注入技術等
・マルチワイヤーソー
・砥粒、砥石
・エッチング液
・研磨布(パッド)
・研磨材
チップ化工程
SiP
メタル・
絶縁膜層の平坦化
半導体の機械加工技術
ウエハ製造工程 ウエハ処理工程
MEMS
極薄化
半導体
製造技術
携帯型オーディオ機器
ICカード
2.半導体の製造工程における機械加工技術
半導体の機械加工技術は①研磨(CMP を含む)、研削、②スライシング、ダイシング、③周
辺技術(搬送、ダイシングテープ・保護テープの貼付、剥離など)の要素技術に大別される。
半導体の製造プロセスはウエハ製造工程、ウエハ処理工程、チップ化工程、組立工程に大別
される。なお、ウエハ処理工程はさらにバルク工程、配線工程、背面処理工程に区分される。
各製造プロセスにおける半導体の機械加工技術について以下で説明する。
(1)ウエハ製造工程における機械加工技術
結晶成長させた半導体の単結晶インゴットの外周を研削し所定の直径に成形した後、所定
の長さに切断する。次いで、インゴットを、薄いドーナツ状の円盤の内周に砥粒を取り付け
た内周刃、もしくは細いワイヤーに砥粒を絡ませて往復させるマルチワイヤーソーによりス
ライシング(切断)し、ウエハ形状にする。
ウエハの面取り形状に対応した砥石でウエハ外周を製品直径に研削(Grinding)し、端面
を円弧状に研削し、面取りする。ウエハの面方位を示すためのオリエンテーションフラット
あるいはノッチの形成も研削加工にて行なう。
ラッピングは回転する上下のラップ定盤の間で、ウエハをセットしたキャリアが自公転し、
砥粒を含んだ研磨剤を介してウエハとラップ定盤をすり合わせることによる機械研磨法であ
る。砥粒はアルミナベースが多い。加工時間の短縮・高効率化などの要求に応え、ラッピング
の精度を維持するための新しい加工法として、砥石を用いる方法が検討されている。近い将
来、砥石の改善が進むと遊離砥粒を用いるラッピングが砥石研磨に置き換わる可能性がある。
ポリッシングは、研磨パッドを貼り付けた回転盤にウエハを接着したプレートを押し付け、
スラリーを供給して行われる鏡面研磨である。スラリー中の薬液による化学的エッチング作
用と砥粒を介して研磨パッドに押し付けることによる機械的作用を併用する CMP(Chemical
Mechanical Polishing)が用いられる。エッジのダメージが割れやパーティクル発生の原因
となるため、エッジを研磨するが、これをエッジポリッシングという。
(2)ウエハ処理工程における機械加工技術
半導体素子の高集積化、高速化が進展しているが、高速化は配線材料の低抵抗化と層間絶
縁膜の低誘電率化の 2 方向から検討されており、Cu 配線や low-k 絶縁膜が開発されている。
高集積化、すなわち、微細化の進展とともに、焦点深度が浅くなり、高度なフラットネスが
必要となり、それに伴い、平坦化において高い加工精度が要求されるようになり、平坦化 CMP
技術が開発された。CMP 技術は化学反応によるエッチングと砥粒・研磨パッドによる機械的
研磨を組み合わせた研磨技術で、半導体デバイスの製造工程における配線等による段差を平
坦化するために用いられる。平坦化 CMP の技術的な課題として、スクラッチフリーの平坦化
技術、ディッシング(配線金属のへこみ)やエロージョン(配線金属を含む層間絶縁膜のへ
こみ)の発生防止技術などがあげられる。
配線材料は、従来の Al 配線に代わり、より低抵抗な Cu 配線の導入が本格化している。Cu
配線には層間絶縁膜層中への Cu の拡散防止のためのバリアメタル層として、Ta 系金属が使
用される。層間絶縁膜として、low-k 膜、さらには、ポーラス low-k 膜が用いられるように
なり、脆い材料が用いられるため、研磨の荷重を低く抑えることが必要となった。微小真球
粒子、複合粒子など低圧 CMP 用スラリーが各メーカーで開発されている。また、電解研磨な
- 2 -
どの新しいプロセスが提案されている。また、CMP 用パッドについてもパッドの溝形状の工
夫などが行われている。
SiP(System in Package)や IC カード等の用途で、最近、ますますチップ化段階でのウエ
ハの極薄化が要求されるようになってきた。ウエハを任意の厚さに加工するため、電子回路
が形成されている表面に保護テープを貼り付け、ウエハの裏面を、砥石を用いて研削する。
これを背面研削(バックグラインディング)という。
(3)チップ化工程における機械加工技術
チップ化工程は、ウエハ処理工程で電子回路の形成されたウエハから各デバイスを個々の
チップに切り出す工程で、薄いブレードの外周刃を用いてダイシングする。薄型半導体デバ
イスにおいては、ダイシング時のチッピングやクラックがチップの強度や特性に影響を与え
るため、特にチッピング等を低減するダイシング技術が求められる。なお、ダイシング時に
は、ウエハ背面にダイシングテープを貼り付け、ウエハが個々のチップに分割された後も、
チップがテープ上に保持された状態で、組み立て工程に搬送される。ウエハから個々のチッ
プを切り出す方法には、ダイシング法の他にスクライブ・ブレーキング法がある。この方法
は、ダイヤモンドツールでウエハ表面に碁盤の目状の浅いキズをつけた後、ウエハに圧力を
かけて、キズに沿ってウエハを割り、チップ化する方法である。スクライブ・ブレーキング
法は、化合物半導体など主として小型チップ(5mm 角以下)の製造に適用されている。それ以
外の半導体デバイスのチップ化技術の主流はダイシング法である。
- 3 -
第2節
半導体の機械加工技術の応用産業の概要
半導体の機械加工技術は、リソグラフィ技術、エッチング技術、イオン注入技術、洗浄技
術等とともに半導体製造の重要なプロセス技術の1つである。これらのプロセス技術を集大
成して半導体(IC、LSI を含む)が製造される。すなわち、半導体の機械加工技術の応用産
業は一義的には半導体産業と捉えることができる。したがって、応用産業として半導体産業
について以下に記載する。
WSTS(WORLD SEMICONDUCTOR TRADE STATISTICS:世界半導体市場統計)による世界地域別
半導体市場予測(2006 年秋)によれば、半導体の世界市場は 2005 年には約 2,275 億ドル、
2006 年には約 2,470 億ドルであり、2008 年には約 3,000 億ドルに成長すると予測されている。
産業の米といわれる半導体は 2006 年、2007 年は約 9%、2008 年には約 12%成長し、2009 年
までプラス成長を続けると予測されている。
半導体の製品別市場は、2005 年の実績では、IC が約 85%、ディスクリートが約 7%、オプ
トエレクトロニクスが約 6%、センサーが約 2%であったが、2008 年では IC が約 84%、ディ
スクリートが約 6%、オプトエレクトロニクスが約 7%、センサーが約 3%になると予測され
ており、センサー、オプトエレクトロニクスが伸びるとの予測である。IC の製品別市場は、
2005 年の実績でロジック約 30%、MOS マイクロ約 28%、メモリ約 25%、アナログ約 17%で
あったが、2008 年では、ロジック約 29%、MOS マイクロ約 26%、メモリ約 27%、アナログ
約 18%になると予測されており、メモリとアナログが伸びるとの予測である。
主な半導体メーカーとして、米国のインテル、テキサスインスツルメンツ(TI)、アドバン
ストマイクロデバイス(AMD)、フリースケールセミコンダクター、 欧州のインフィニオン
(Infineon)テクノロジー、ST マイクロエレクトロニクス、韓国の三星電子、ハイニックス
(Hynix)セミコンダクタ、日本の東芝、ルネサステクノロジ(日立と三菱電機の JV)、NEC
エレクトロニクスなどが上位にランキングされている。
- 4 -
第2章
半導体の機械加工技術に関する特許動向分析
第1節
調査方法と対象とした特許
1.調査方法
半導体の機械加工技術に関する特許出願動向について、全体出願・登録動向分析、技術区
分別動向分析、出願人(発明者)別動向分析および重要特許分析を行った。
海外特許は、米国特許、欧州特許、韓国特許、中国特許、台湾特許、オーストラリア特許
およびシンガポール特許を対象とした。欧州特許としては、欧州特許庁への出願(EPC 出願)
だけでなく、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スイス、フィンランド、
スウェーデン、オーストリア、ベルギー、デンマーク、スペイン、アイルランド、ルクセン
ブルク、ポルトガル、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、スロバキアの各国への特許出願も
対象としている。欧州国籍の出願人は上記各国にロシアとノルウェー国籍の出願人を加えて
いる。
特許検索は、日本特許では PATOLIS(株式会社パトリスの登録商標)、海外特許では Derwent
World Patents Index(WPINDEX(STN))を用いた。検索では、優先権主張日 1990 年 1 月 1 日
から 2006 年 12 月 31 日の特許出願を対象とした。その検索結果は、日本への出願において
21,225 件、米国、欧州、韓国、中国、台湾、オーストラリアおよびシンガポールを合わせて
15,274 件であった。登録特許についても優先権主張日 1990 年 1 月 1 日から 2006 年 12 月 31
日のものを対象とした。なお、データベース収録までの時間差により全データが収録されて
いる年が各国で異なっており、特に 2004 年以降は全データが取得されていない場合があるこ
とを念頭においておく必要がある。このため、出願・登録動向の集計グラフは、優先権主張
年 1990 年から 2005 年までのデータを用いて作成した。さらに PCT 出願では国内移行までの
時間が長く、公表公報発行時期が国内出願の公開(1 年 6 ヵ月)より遅くなる事情もある。
また、米国特許では、2000 年 11 月 29 日に部分的に公開制度が開始されたので、特に、それ
以前は、出願件数としてカウントできるのは登録されたものに限られる。したがって、出願
件数の推移、各国間の出願件数の比較では、米国における出願件数は、特に公開制度以前の
時期については、全件数になっていないことに注意する必要がある。韓国への出願では、WPI
への収録は 1997 年以降であるため、それ以前の出願については登録件数のみがカウントされ
ている。台湾への出願では、公開制度が 2002 年 10 月から始まったため、それ以前について
は登録された件数を出願件数とした。また、台湾への出願については、WPI への収録が遅れ
ており、特に優先権主張年 2005 年は少なくなっていることを考慮する必要がある。
また、登録件数の推移については、特許出願から審査請求までの期間と審査にかかる期間
が個別に異なること、および日本においては、従来、出願から 7 年間であった審査請求まで
の期間が 2001 年 10 月以降の出願から 3 年に短縮されており、現在これらが混在した移行期
間であることも念頭において評価する必要がある。
特許動向分析は、検索された特許公報(韓国特許、中国特許および台湾特許については抄
録)の内容から、要素技術軸(研磨・研削技術、スライシング・ダイシング技術、周辺技術)
に分類し、さらに、「用途」「工程」「基板」「課題」という分析軸を設けて分類した。
用途軸は、パソコン、携帯電話、デジタル家電(液晶テレビ等)、自動車のほかに、IC カ
ード、RFID タグ、MEMS およびその他の用途とした。
- 5 -
工程軸は、ウエハ製造工程、ウエハ処理工程、チップ化工程および組立工程とした。
基板軸は、シリコン基板、化合物半導体基板およびエピ成長用基板とした。なお、化合物
半導体基板は GaN、SiC、GaAs、InP およびその他の化合物半導体に小分類した。
課題軸は、加工精度の向上、加工ダメージの低減、平坦化 CMP 技術の向上、汚染防止、ウ
エハの大口径化、ウエハの極薄化、生産性の向上、コストダウン、環境負荷の低減、3 次元
実装およびその他の課題とした。
解決手段軸、すなわち要素技術軸は、大分類として研磨・研削技術、スライシング・ダイ
シング技術および周辺技術とし、これらをさらに中分類に分けて分類した。
研磨・研削技術は CMP 技術、EMP,ECMP 技術、ラッピング技術、研削技術、研磨・研削の制
御技術、鏡面研磨(ポリッシング)技術、加工対象物の形状およびその他の研磨・研削技術
に中分類した。スライシング・ダイシング技術はスライシング(マルチワイヤーソー)技術
とスライシング(内周刃)技術、ダイシング技術、スライシング・ダイシングの制御技術お
よびその他のスライシング・ダイシング技術に中分類した。周辺技術は搬送技術、保護テー
プ、ダイシングテープ、ダイシング・ダイボンドテープ、加工液の再生技術およびその他の
周辺技術に中分類した。用途、工程、基板、課題および要素技術(解決手段)がそれぞれ複
数個記載されている場合は複数の分類を付与した。
分類・解析するにあたっては、同一発明を複数の出願先に出願している特許、すなわちフ
ァミリー特許がある場合は、日本特許、米国特許、欧州特許、韓国特許、中国特許、台湾特
許およびその他の出願先の順に優先して読み込み、対応する他の特許にも同一の分類結果を
付与した。なお、ファミリー特許の情報は WPI のデータに基づいている。
また、出願件数および登録件数のカウントは、各国・地域への出願の公報一つ一つを個別
にカウントする「公報単位」によるカウントと、WPI によるファミリー単位でカウントする
「発明単位」によるカウントとの 2 通りの方法で行い、分析している。
なお、技術分類作業においてノイズと判断される特許出願は、分析対象から除外した。
2.調査対象とした特許
第 2-1 表
本調査において、解析対象とした特許の
半導体の機械加工技術で対象とする特許
出願先
出願件数と登録件数を出願先ごとに第 2-1
表に示す。優先権主張年が 1990 年から 2006
年の特許出願と登録特許を調査対象として
いるが、各国の特許制度の違い、データベ
ースへの収録の遅れなどを考慮し、出願・
出願件数
登録件数
日
米
本
国
16,645
7,140
2,990
5,196
欧
州
3,213
1,121
韓
国
3,530
1,024
中
国
1,475
430
台
湾
2,186
1,924
登録動向の集計グラフは、優先権主張年
オーストラリア
651
14
1990 年から 2005 年までのデータを用いて
シンガポール
354
6
作成し、これをもとに出願動向の解析を行
合 計
5 カ国・地域計
35,194
32,003
12,705
10,761
った。なお、登録特許は、検索日時点で公
報が発行されデータベースに収録されたものを対象にしている。
出願件数は、日本特許、米国特許、韓国特許、欧州特許、台湾特許、中国特許の順に多い。
米国特許での出願件数に対する登録件数の多さが目立っている。
- 6 -
第2節
全体動向分析
1.全世界での出願・登録動向
今回の特許調査においては、日本特許、米国特許、欧州特許、韓国特許、中国特許、台湾
特許、オーストラリア特許およびシンガポール特許について調査している。日本特許、米国
特許、欧州特許、韓国特許および中国特許の 5 カ国・地域の特許に重点を置いて分析すること
とし、全世界での出願・登録特許の件数として、これらの 5 カ国・地域への出願・登録特許の
件数の合計を用いることとした。
(1)出願動向
第 2-2 図に 1990 年から 2005 年までの、日本、米国、欧州、韓国および中国の 5 カ国・地
域への出願人国籍別出願件数推移と出願人国籍別出願件数割合を示す。1999 年に出願件数の
ピークがあり、その後は横ばいから若干減少傾向を示している。出願人国籍別では、日本国
籍が圧倒的に多く約 67%で、次いで米国籍が約 21%、韓国籍が約 6%、欧州国籍が約 5%、
台湾籍が約 1%、中国籍、シンガポール籍およびオーストラリア籍はそれぞれ 1%以下である。
第 2-2 図
出願人国籍別出願件数推移と割合(5 カ国・地域への出願件数の合計)
4,000
優先権主張年
1990-2005
3,500
3,306
3,396
2,397
出 2,500
願
件 2,000
数
1,500
2,993
2,962
2,929
3,000
中国籍
95件
0.3%
2,392
2,901
2,014
1,607
1,435
779
1,000
539
826
欧州国籍
1,488件
5%
931
596
500
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
日本国籍
中国籍
その他
韓国籍
1,917件
6%
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
米国籍
6,601件
21%
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
407件
21件
1%
シンガポー
0.1%
ル国籍
36件
0.1%
その他
76件
0.2%
日本国籍
21,362件
67%
合計
32,003件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
(2)登録動向
第 2-3 図に 1990 年から 2005 年までの日本、米国、欧州、韓国および中国の 5 カ国・地域へ
の出願人国籍別登録件数推移と出願人国籍別登録件数割合を示す。優先権主張年が 1999 年の
ものが登録件数でピークを示し、その後は減少傾向を示している。ただし、登録件数の推移
は、各国により審査請求期間が異なるなどの要素も含んでおり、グラフに現れた増減のみで
議論することは出来ない。
出願人国籍別では、日本国籍が最も多く約 56%、米国籍が約 31%と両国籍が多く、次いで
欧州国籍および韓国籍がそれぞれ約 5%、台湾籍が約 2%、中国籍、シンガポール籍およびオ
ーストラリア籍はそれぞれ 1%以下である。
- 7 -
第 2-3 図
出願人国籍別登録件数推移と割合(5 カ国・地域での登録件数の合計)
1,600
優先権主張年
1990-2005
1,400
1,308
1,393
1,143
1,200
1,192
中国籍
28件
0.3%
韓国籍
522件
5%
1,012
登 1,000
録
800
件
数
600
400
903
775
662
355
225
423
457
欧州国籍
578件
5%
410
277
190
200
36
台湾籍 オーストラリ
265件
ア国籍
2%
5件
シンガポー
0.05%
ル国籍
10件
0.1%
その他
33件
0.3%
米国籍
3,338件
31%
日本国籍
5,982件
56%
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
日本国籍
中国籍
その他
合計
10,761件
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
2.出願先国別出願人国籍別出願・登録動向
(1)出願動向
第 2-4 図 a)~f)に各国・地域への出願人国籍別出願件数の推移と割合を示す。
日本への出願(a)は優先権主張年 1990 年から毎年増加しており、1999 年に 1,600 件弱のピ
ークを示し、その後、緩やかな減少傾向にある。出願人国籍別出願件数割合では、日本国籍
が約 90%と圧倒的に多い。次いで、米国籍が約 7%、欧州国籍が約 2%、韓国籍が約 1%で続
いている。
米国への出願(b)は優先権主張年 1990 年から増加しており、1999 年に 900 件強のピークを
示し、その後、減少傾向にある。出願人国籍別出願件数割合では、米国籍が約 45%、日本国
籍が約 41%と 2 国籍で大部分を占めている。その後を韓国籍、欧州国籍および台湾籍がそれ
ぞれ 4~5%で続いている。
欧州への出願(c)は優先権主張年 1990 年から増加傾向で 1999 年に 400 件弱のピークを示
し、その後、減少傾向にある。出願人国籍別出願件数割合では、日本国籍が約 43%、米国籍
が約 33%、欧州国籍が約 20%と 3 国籍で大部分を占めている。その後を韓国籍と台湾籍がそ
れぞれ 1~2%で続いている。
韓国への出願(d)は優先権主張年 1995 年頃から増加しており、2003 年に 500 件弱のピーク
を示している。出願人国籍別出願件数割合では、日本国籍が約 38%、韓国籍が約 35%、米国
籍が約 21%と 3 国籍で大部分を占めている。その後を欧州国籍が約 4%で続いている。
中国への出願(e)は優先権主張年 1996 年頃から増加しており、2003 年に約 300 件のピーク
を示している。出願人国籍別出願件数割合では、日本国籍が約 51%、米国籍が約 30%と 2
国籍で大部分を占めている。その後を欧州国籍が約 7%、中国籍が約 5%、韓国籍が約 4%、
台湾籍が約 1%で続いている。
台湾への出願(f)は優先権主張年 1995 年頃から増加しており、1999 年に 400 件弱のピーク
を示し、その後、減少傾向にある。出願人国籍別出願件数割合では、日本国籍が約 45%、米
国籍が約 31%、台湾籍が約 14%と 3 国籍で大部分を占めている。その後を欧州国籍および韓
国籍がそれぞれ 4~5%で続いている。
- 8 -
第 2-4 図 出願先国別-出願人国籍別出願件数推移と割合
a)日本への出願
1,800
1,575
優先権主張年
1990-2005
1,600
1,532
1,499
1,400
1,402 1,423
1,338
1,249
1,129 1,113
1,200
1,032
出
願 1,000
件
800
数
600
783
612
541 542
台湾籍
69件
0.4%
オーストラ
リア国籍
シンガポー
3件
ル国籍
0.02%
8件
0.05%
米国籍
1,110件
7%
453
422
400
中国籍
韓国籍 0件
200件 0%
欧州国籍 1%
274件
2%
その他
15件
0.1%
200
日本国籍
14,966件
90%
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
合計
16,645件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
b)米国への出願
1,000
941
優先権主張年
1990-2005
900
907
754
800
751
出
願
件
数
606
577
600
韓国籍
348件
5%
464
500
445
400
290
239
300
138
200
56
100
159
108
60
台湾籍
中国籍 271件
4%
9件
0.1%
645
700
欧州国籍
306件
4%
日本国籍
2,909件
41%
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
合計
7,140件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
35件
0.5%
米国籍
3,239件
45%
0
出願人国籍
オーストラ
リア国籍
11件
シンガポー
0.2%
ル国籍
12件
0.2%
韓国籍
シンガポール国籍
c)欧州への出願
450
優先権主張年
1990-2005
400
392
341
350
中国籍
4件
0.1%
303
300
出
願 250
件
200
数
150
269
259
187
103 99
100
50
255
275
51
221
韓国籍
61件
2%
195
107
87
69
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
日本国籍
中国籍
その他
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
台湾籍
36件
1%
欧州国籍
646件
20%
オーストラ
リア国籍
3件
シンガポー
0.1%
ル国籍
9件
0.3%
その他
17件
1%
日本国籍
1,380件
43%
米国籍
1,057件
33%
合計
3,213件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 9 -
d)韓国への出願
600
優先権主張年
1990-2005
500
483
394
400
385
382
402
357
出
願
件 300
数
200
301
219
韓国籍
1,246件
35%
243
中国籍
1件
0.03%
台湾籍
9件
0.3%
5件
0.1%
94
0
8
14
21
35
その他
4件
0.1%
日本国籍
1,348件
38%
149
100
オーストラ
リア国籍
1件 シンガポー
0.03%
ル国籍
43
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
米国籍
758件
21%
欧州国籍
158件
4%
合計
3,530件
韓国籍
シンガポール国籍
e)中国への出願
350
優先権主張年
1990-2005
300
297
230
250
190
出
願 200
件
数 150
202
94
73
75
74
43
50
26
6
2
12
10
欧州国籍
104件
7%
米国籍
437件
30%
日本国籍
759件
51%
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
台湾籍 オーストラ
リア国籍
22件
3件
1%
0.2%
韓国籍
62件
4%
141
100
0
中国籍
81件
5%
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
5件
0.3%
合計
1,475件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
シンガポー
ル国籍
2件
0.1%
韓国籍
シンガポール国籍
f)台湾への出願
400
369
優先権主張年
1990-2005
350
349
295
289
300
291
台湾籍
308件
14%
出 250
願
件 200
数
150
中国籍
2件
0.1%
189
138
日本国籍
992件
45%
28
50
3
0
10
19
14 4
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
日本国籍
中国籍
その他
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
欧州国籍
115件
5%
シンガポー
ル国籍
9件
0.4%
その他
6件
0.3%
韓国籍
81件
4%
105
83
100
オーストラ
リア国籍
1件
0.05%
米国籍
672件
31%
合計
2,186件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 10 -
(2)登録動向
第 2-5 図 a)~f)に各国での出願人国籍別登録件数の推移と割合を示す。
a)は日本での出願人国籍別登録件数の推移と出願人国籍別登録件数割合を示す。登録件数
の年次推移は、審査請求時期などの違いもあり、単純に増減を議論できない。出願人国籍別
登録件数割合は日本国籍が約 91%と出願人国籍別出願件数割合の日本国籍(約 90%)よりも
若干大きい。米国籍が約 5%、欧州国籍が約 2%と続いている。
b)は米国での出願人国籍別登録件数の推移と出願人国籍別登録件数割合を示す。出願人国
籍別登録件数割合は米国籍が約 48%、日本国籍が約 39%と 2 国籍が多い。その後を台湾籍、
欧州国籍および韓国籍がそれぞれ約 4%で続いている。
c)は欧州での出願人国籍別登録件数の推移と出願人国籍別登録件数割合を示す。出願人国
籍別登録件数割合は日本国籍が約 45%、米国籍が約 32%、欧州国籍が約 19%と 3 国籍で大
部分を占める。韓国籍は約 2%、台湾籍は約1%である。
d)は韓国での出願人国籍別登録件数の推移と出願人国籍別登録件数割合を示す。出願人国
籍別登録件数割合は日本国籍が約 52%、韓国籍が約 22%、米国籍が約 19%と 3 国籍で大部
分を占める。欧州国籍は約 6%、台湾籍は約1%である。
e)は中国での出願人国籍別登録件数の推移と出願人国籍別登録件数割合を示す。出願人国
籍別登録件数割合は日本国籍が約 50%、米国籍が約 28%と 2 国籍で大部分を占める。欧州国
籍が約 8%、韓国籍および中国籍がそれぞれ約 6%であり、台湾籍は約 2%である。
f)は台湾での出願人国籍別登録件数の推移と出願人国籍別登録件数割合を示す。出願人国
籍別登録件数割合は日本国籍が約 44%、米国籍が約 32%、台湾籍が約 15%と 3 国籍で大部
分を占める。欧州国籍が約 5%、韓国籍が約 4%で、中国籍は 1%以下である。
- 11 -
第 2-5 図 出願先国別-出願人国籍別登録件数推移と割合
a)日本での登録
400
350
優先権主張年
1990-2005
329
300
300
341
308
韓国籍
39件
欧州国籍
1%
52件
2%
277
登 250
録
件 200
数
150
192
138
230
205
165 169
157
122
39
15
3
2004
2005
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
合計
2,990件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
3件
0.1%
日本国籍
2,726件
91%
0
出願人国籍
オーストラ
リア国籍
1件
0.03% シンガポー
ル国籍
0件
0%
米国籍
149件
5%
100
50
中国籍 台湾籍
20件
0件
1%
0%
韓国籍
シンガポール国籍
b)米国での登録
900
800
優先権主張年
1990-2005
789
700
600
517
529
登
録 500
件
400
数
300
425
韓国籍
210件
4%
381
欧州国籍
215件
4%
156
56
60
106
台湾籍
中国籍 222件
4%
3件
0.1%
オーストラ
リア国籍
4件
0.1%
133
130
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
日本国籍
2,001件
39%
合計
5,196件
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
22件
0.4%
米国籍
2,511件
48%
27
0
日本国籍
中国籍
その他
シンガポー
ル国籍
8件
0.2%
268
274
200
100
685
660
韓国籍
シンガポール国籍
c)欧州での登録
160
優先権主張年
1990-2005
140
141
137
121
120
登 100
録
件 80
数
60
40
中国籍
0件
0%
110
109
91
韓国籍
20件
2%
65
59
台湾籍
9件
1%
60
オーストラ
リア国籍
シンガポー
0件
ル国籍
0%
2件
0.2%
52
41
36
53
欧州国籍
215件
19%
28
13
20
5
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
日本国籍
中国籍
その他
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
日本国籍
505件
45%
その他
6件
1%
米国籍
364件
32%
合計
1,121件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 12 -
d)韓国での登録
160
優先権主張年
1990-2005
140
137
117
120
96
登 100
録
件 80
数
60
97
韓国籍
226件
22%
78
57
32
11
20
中国籍
0件
0%
台湾籍 オーストラ
6件
リア国籍
シンガポー
1%
0件
ル国籍
0%
0件
0%
48
39
40
0
129
131
欧州国籍
61件
6%
29
19
3
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
出願人国籍
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
米国籍
192件
19%
1
日本国籍
537件
52%
合計
1,024件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
2件
0.2%
韓国籍
シンガポール国籍
e)中国での登録
100
優先権主張年
1990-2005
90
86
80
70
70
登
録
件
数
中国籍
25件
6%
57
60
49
50
50
45
韓国籍
27件
6%
40
30
25
20
10
19
欧州国籍
35件
8%
14
9
4
2
オーストラ
リア国籍
0件
0%
台湾籍
8件
2%
米国籍
122件
28%
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
シンガポー
ル国籍
0件
0%
その他
0件
0%
日本国籍
213件
50%
合計
430件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
f)台湾での登録
400
350
368
優先権主張年
1990-2005
300
342
281
登 250
録
件 200
数
150
台湾籍
281件
15%
264
136
131
58
28
3
0
10
19
14
4
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
日本国籍
中国籍
その他
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
6件
0.3%
韓国籍
73件
4%
83
50
シンガポー
ル国籍
9件
0.5%
中国籍
2件
0.1%
183
100
オーストラ
リア国籍
0件
0%
欧州国籍
94件
5%
日本国籍
847件
44%
米国籍
612件
32%
合計
1,924件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 13 -
3.全体動向のまとめ
(1)出願先国別-出願人国籍別出願件数収支
日本、米国、欧州、韓国および中国の 5 カ国・地域における出願先国別-出願人国籍別出
願件数収支を第 2-6 図に示す。
日本から米国への出願件数は 2,909 件に対し、米国から日本への出願件数は 1,110 件であ
る。日本から欧州への出願件数は 1,380 件に対し、欧州から日本への出願件数は 274 件である。
日本から韓国への出願件数は 1,348 件に対し、韓国から日本への出願件数は 200 件である。日
本から中国への出願件数は 759 件に対し、中国から日本への出願件数は 0 件である。
米国から欧州への出願件数は 1,057 件に対し、欧州から米国への出願件数は 306 件である。
米国から韓国への出願件数は 758 件に対し、韓国から米国への出願件数は 348 件である。米
国から中国への出願件数は 437 件に対し、中国から米国への出願件数は 9 件である。
第 2-6 図
出願先国別-出願人国籍別出願件数収支(5 カ国・地域への出願)1990 年~2005 年
日本への出願
16,645件
韓国籍
200件
1%
中国籍
0件
0%
台湾籍
69件
0.4%
欧州国籍
274件
2%
オーストラリア
国籍
3件
0.02% シンガポール
国籍
8件
0.05%
米国籍
1,110件
7%
その他
15件
0.09%
米国への出願
7,140件
日本国籍
14,966件
90%
1,110件
欧州への出願
3,213件
1,380件
台湾籍 オーストラリア
国籍
271件
11件 シンガポール
中国籍
4%
国籍
0.2%
9件
12件
0.1%
0.2%
韓国籍
その他
348件
35件
5%
0.5%
欧州国籍
日本国籍
306件
2,909件
4%
41%
中国籍
4件
0.1%
274件
2,909件
0件
200件
韓国籍
61件
2%
306件
348件
759件
1,348件
その他
17件
0.5%
欧州国籍
646件
20%
1,057件
米国籍
3,239件
45%
台湾籍 オーストラリア
36件
国籍
1%
3件 シンガポール
0.1%
国籍
9件
0.3%
日本国籍
1,380件
43%
米国籍
1,057件
33%
4件
61件
9件
437件
158件
中国への出願
1,475件
オーストラリア
国籍
台湾籍
3件 シンガポール
22件
0.2%
国籍
中国籍
1%
2件
81件
0.1%
5%
韓国籍
その他
62件
5件
4%
0.3%
欧州国籍
104件
米国籍
7%
437件
30%
104件
台湾籍
9件
0.3%
中国籍
1件
0.03%
758件
1件
62件
日本国籍
759件
51%
韓国籍
1,246件
35%
欧州国籍
158件
4%
韓国への出願
3,530件
オーストラリア
国籍
1件
0.03% シンガポール
国籍
5件
0.1%
その他
4件
0.1%
米国籍
758件
21%
日本国籍
1,348件
38%
注)公報単位でカウント
- 14 -
第3節
技術区分別動向分析
1.全体での出願・登録動向
(1)出願動向
①技術区分-「要素技術」
日本、米国、欧州、韓国および中国の 5 カ国・地域への出願件数の合計の要素技術別出願
件数推移を第 2-7 図に示す。研磨・研削技術は 1990 年~1999 年は増加しており、1999 年に
は 2,700 件を超えてピークとなっている。特に 1995 年以降は伸び率が大きくなっている。2000
年以降は緩やかに減少している。スライシング・ダイシング技術と周辺技術は研磨・研削技
術と比べて件数は少ないが、2003 年までは増加傾向にあり、2004 年以降はやや減少している。
第 2-7 図
要素技術別-出願件数推移(5 カ国・地域への出願件数の合計)
3,000
優先権主張年
1990-2005
2,500
2,000
出
願
件
数
1,500
1,000
500
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
優先権主張年
研磨・研削技術
スライシング・ダイシング技術
周辺技術
注)公報単位でカウント
第 2-8 図に要素技術別の出願件数割合を円グラフで示す。
このグラフにおいて、特許出願によっては、複数の要素技術に分類付与されることがある
ため合計件数は 34,290 件となり、解析対象とした 32,003 件(第 2-1 表を参照)よりも多く
なっている。同様に、研磨・研削技術は 22,784 件であるが、研磨・研削技術の中で複数の中
分類に関係する特許出願もあるため、内訳を示した右側の円グラフの合計件数は 28,651 件と
多くなっている。同様に左側のスライシング・ダイシング技術についても大分類としては
7,229 件であるが、スライシング・ダイシング技術の中の複数の中分類に関係する特許出願
もあるため、合計件数は 8,967 件となっている。本報告書において、同様な集計を多く行っ
ているが以下同様である。
- 15 -
研磨・研削技術は全体の約 66%を占めている。研磨・研削技術の中では CMP 技術が約 56%
で最も多く、次に研磨・研削の制御技術が約 20%である。CMP 技術の中では装置・方式に関
するものが約 33%、スラリーに関するものが約 32%、パッドに関するものが約 21%となっ
ている。
スライシング・ダイシング技術は全体の約 21%を占めている。スライシング・ダイシング
技術の中ではダイシング技術に関するものが約 54%と過半数を占めており、次いでスライシ
ング(マルチワイヤーソー)技術が約 15%である。ダイシング技術の中では装置に関するも
のが約 75%と大半を占めている。
第 2-8 図 要素技術別(大分類-中分類)-出願件数割合(5 カ国・地域への出願件数の合計)
1990 年~2005 年
周辺技術
12%
4,277件
スライシング・
ダイシング
技術
21%
7,229件
その他の
スライシング・
ダイシング技術
12%
1,058件
スライシング・
ダイシングの
制御技術
14%
1,236件
スライシング
(マルチ
ワイヤーソー)
技術
15%
1,346件
スライシング
(内周刃)
技術
6%
502件
ダイシング技術
54%
4,823件
スペイシング
5%
233件
その他の
ダイシング
7%
326件
クラッキング
7%
330件
研磨・研削
技術
66%
22,784件
研磨・研削の
制御技術
研削技術
20%
7%
5,737件
2,096件
加工対象物の
形状
3%
987件
ラッピング
技術
5%
1,503件
EMP, ECMP
技術
1%
415件
CMP技術
56%
16,027件
合計 34,290件
合計 28,638件
洗浄
6%
1,099件
ドレッシング
7%
1,262件
合計 8,965件
鏡面研磨
(ポリッシング)
技術
7%
1,873件
装置・方式
33%
5,731件
ブレード
5%
235件
スラリー
32%
5,559件
パッド
21%
3,622件
合計 17,273件
装置
75%
3,306件
注)公報単位でカウント
合計 4,430件
第 2-9 図 a)~c)に要素技術別の出願人国籍別出願件数推移と割合を示す。各年の合計を示
す折れ線グラフは第 2-7 図に示したグラフと同じものである。研磨・研削技術は、日本国籍
出願人からの出願が約 60%と最も多く、次いで米国籍出願人からの出願が約 26%、韓国籍出
願人からの出願が約 7%と続いている。スライシング・ダイシング技術は、日本国籍出願人
からの出願が約 82%と最も多く、次いで米国籍出願人からの出願が約 8%であり、米国籍の
割合は研磨・研削技術より小さくなっている。欧州国籍の割合は研磨・研削技術の約 4%か
ら約 7%と多くなっているが、韓国籍の割合は研磨・研削技術の約 7%から約 2%と少なくな
っている。周辺技術は日本国籍出願人からの出願が約 83%と更に多くなり、次いで米国籍出
願人からの出願が約 7%、韓国籍出願人から約 4%と続いている。
- 16 -
第 2-9 図
技術区分別出願人国籍別出願件数推移と割合(5 カ国・地域への出願件数の合計)
a)研磨・研削技術
3,000
2,741
優先権主張年
1990-2005
2,500
2,579
2,164
2,280
1,997
2,000
出
願
件 1,500
数
1,872
530
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
337件
1件
1%
シンガポー
0.004%
ル国籍
21件
0.1%
961
980
463
韓国籍
1,660件
7%
1,538
1,440
1,000
1992
1993
500
中国籍
74件
0.3%
2,054
欧州国籍
985件
4%
585
274 326
その他
30件
0.1%
米国籍
5,954件
26%
日本国籍
13,722件
60%
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1991
1990
日本国籍
中国籍
その他
合計
22,784件
優先権主張年
出願人国籍
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
b)スライシング・ダイシング技術
800
優先権主張年
1990-2005
700
677
615
602
600
610 596
616
513
522
出 500
願
件 400
数
300
461
373
韓国籍
148件
2%
407
中国籍
13件
0.2%
310
254
215
欧州国籍
485件
7%
249
209
200
100
日本国籍
5,907件
82%
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
50件
16件
1%
0.2% シンガポー
ル国籍
15件
0.2%
米国籍
その他
562件
33件
8%
0.5%
合計
7,229件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
c)周辺技術
700
600
優先権主張年
1990-2005
632
462
出
400
願
件
数 300
394
284
319 347
302
249
77
101
106
89
93
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
48件
12件
1%
0.3% シンガポー
ル国籍
2件
0.05%
米国籍
その他
293件
24件
7%
0.6%
156
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
日本国籍
中国籍
その他
韓国籍
191件
4%
欧州国籍
126件
3%
183
200
100
中国籍
12件
0.3%
483
500
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
日本国籍
3,569件
83%
合計
4,277件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 17 -
②技術区分-「課題」
第 2-10 図 a)~d)に 5 カ国・地域に出願された半導体の機械加工技術に関する特許出願の
課題別の出願人国籍別出願件数推移と出願人国籍別割合を示す。
加工精度の向上(a)を課題とする特許出願は、1990 年以降増加し、1999 年に 1,500 件を超
えてピークとなり、その後は緩やかに減少している。国籍別では日本国籍出願人からの出願
が約 60%で最も多く、次いで米国籍が約 28%、韓国籍と欧州国籍がそれぞれ約 5%と続いて
いる。韓国籍出願人からの出願件数は 2003 年が最も多くなっている。
平坦化 CMP 技術の向上(b)を課題とする特許出願は、1992 年以降増加し、1999 年に 1,900
件を超えてピークとなり、その後は緩やかに減少している。国籍別では日本国籍出願人から
の出願が約 50%で最も多く、次いで米国籍が約 34%、韓国籍が約 10%と続いている。加工
精度の向上と比較して、米国籍と韓国籍の割合が大きくなっている。韓国籍出願人からの出
願件数は 2004 年が最も多くなっている。
ウエハの極薄化(c)を課題とする特許出願は、1990 年以降増加傾向を示し、2002 年に 149
件でピークとなり、その後は減少している。国籍別では日本国籍出願人からの出願が約 80%
で最も多く、次いで欧州国籍が約 8%、米国籍が約 7%と続いている。日本国籍の出願が約
80%というのは課題の中で最も高い割合である。
生産性の向上(d)を課題とする特許出願は、1990 年以降増加傾向を示し、1999 年に 1,133
件でピークとなり、その後は緩やかに減少傾向である。国籍別では日本国籍出願人からの出
願が約 72%で最も多く、次いで米国籍が約 17%、韓国籍が約 5%と続いている。日本国籍出
願人からの出願件数は 1998 年が最も多く、韓国籍出願人からの出願件数は 2001 年が最も多
くなっている。
第 2-10 図
課題別出願人国籍別出願件数推移と割合(5 カ国・地域への出願件数の合計)
a)加工精度の向上
1,600
1,463
1,510
優先権主張年
1990-2005
1,400
1,187
1,215
1,200
1,197
1,213
中国籍
58件
0.4%
1,025
出 1,000
願
800
件
数
600
韓国籍
702件
5%
550
346
400
200
862
905
719
欧州国籍
678件
5%
421
314
210
217
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
日本国籍
中国籍
その他
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
211件
5件
2%
シンガポー
0.04%
ル国籍
11件
0.1%
米国籍
3,712件
28%
その他
18件
0.1%
日本国籍
7,959件
60%
合計
13,354件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 18 -
b)平坦化 CMP 技術の向上
2,500
優先権主張年
1990-2005
1,907
2,000
1,886
1,477
出 1,500
願
件
数 1,000
中国籍
61件
0.4%
1,440
1,562
1,300
1,425
1,088
929
韓国籍
1,470件
10%
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
274件
1件
2%
シンガポー
0.007%
ル国籍
19件
0.1%
その他
16件
0.1%
546
500
56
38
206
1990
1991
150
241
573
欧州国籍
521件
4%
0
日本国籍
7,378件
50%
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
出願人国籍
米国籍
5,084件
34%
合計
14,824件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
c)ウエハの極薄化
160
149
優先権主張年
1990-2005
140
133
120
105
出 100
願
件 80
数
60
102
79
72
54
35
21
10
日本国籍
667件
80%
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
出願人国籍
その他
19件
2%
米国籍
59件
7%
6
1994
7
1993
1990
8
1992
2
0
7
1991
20
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
3件
シンガポー
0件
0.4%
ル国籍
0%
0件
0%
欧州国籍
64件
8%
45
40
中国籍
6件
韓国籍 0.7%
17件
2%
合計
835件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
d)生産性の向上
1,200
1,000
出
願
件
数
1,133
優先権主張年
1990-2005
1,056
1,070
1,002
1,124
948
800
中国籍
26件
0.2%
913
722
757
600
618
538
400
217
348
333
200
欧州国籍
469件
4%
285
230
米国籍
1,874件
17%
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
日本国籍
中国籍
その他
韓国籍
555件
5%
台湾籍 オーストラリ
141件
ア国籍
シンガポー
1%
4件
ル国籍
0.04%
12件
0.1%
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
38件
0.3%
日本国籍
8,175件
72%
合計
11,294件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 19 -
(2)登録動向
①技術区分-「要素技術」
5 カ国・地域での登録件数の合計の要素技術別の登録件数推移を第 2-11 図に示す。登録件
数推移は、各国の特許制度の違いにより審査請求の時期や審査期間などにより変わるため、
年次推移の評価は慎重に行う必要がある。3 つの要素技術とも 1990 年~1999 年に増加してい
るが、研磨・研削技術の登録件数の伸びが他の 2 つの技術より大きく、特に 1995 年から 1999
年に出願された特許では伸びが大きくなっている。
第 2-11 図
要素技術別-登録件数推移(5 カ国・地域での登録件数の合計)
1,400
1,200
優先権主張年
1990-2005
1,000
登
録
件
数
800
600
400
200
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
優先権主張年
研磨・研削技術
スライシング・ダイシング技術
周辺技術
注)公報単位でカウント
第 2-12 図に要素技術別の登録件数の割合を円グラフで示す。研磨・研削技術が全体の約
71%を占めている。研磨・研削技術の中では CMP 技術が約 57%で最も多く、次に研磨・研削
の制御技術が約 22%である。CMP 技術の中では装置・方式に関するものが約 37%、スラリー
に関するものが約 28%、パッドに関するものが約 20%となっている。
スライシング・ダイシング技術の登録件数は全体の約 18%を占めている。スライシング・
ダイシング技術の中ではダイシング技術に関するものが約 50%を占めており、次いでスライ
シング(マルチワイヤーソー)技術が約 17%である。ダイシング技術の中では装置に関する
ものが約 75%と大半を占めている。
- 20 -
第 2-12 図
要素技術別(大分類-中分類)-登録件数割合(5 カ国・地域での登録件数の合計)
1990 年~2005 年
研磨・研削の
制御技術
22%
研削技術 2,311件
6%
655件
周辺技術
11%
1,230件
スライシング・
ダイシング
技術
18%
2,107件
その他の
スライシング・
ダイシング技術
13%
353件
スライシング・
ダイシングの
制御技術
13%
351件
スライシング
(マルチ
ワイヤーソー)
技術
17%
スライシング
440件
(内周刃)
技術
7%
173件
研磨・研削
技術
71%
8,184件
合計 11,521件
CMP技術
57%
6,028件
EMP, ECMP
技術
1%
126件
ダイシング技術
50%
1,335件
合計 10,615件
洗浄
7%
449件
ドレッシング
7%
485件
合計 2,652件
その他の
ダイシング
9%
ブレード
109件
5%
スペイシング
57件
5%
56件
クラッキング
7%
81件
ラッピング
技術
4%
440件
装置・方式
37%
2,436件
鏡面研磨
(ポリッシング)
技術
6%
671件
加工対象物の
形状
4%
384件
スラリー
28%
1,838件
パッド
20%
1,317件
合計 6,525件
装置
75%
891件
注)公報単位でカウント
合計 1,194件
第 2-13 図 a)~c)に要素技術別の出願人国籍別登録件数推移と割合を示す。折れ線グラフ
は第 2-11 図に示したグラフと同じもので各年の合計を示している。研磨・研削技術の登録特
許は、日本国籍出願人からの出願が約 50%と最も多く、次いで米国籍出願人からの出願が約
37%、韓国籍出願人および欧州国籍出願人からがそれぞれ約 5%と続いている。
スライシング・ダイシング技術の登録特許は、日本国籍出願人からの出願が約 71%と最も
多く、次いで米国籍出願人からの出願が約 15%であり、米国籍の割合は研磨・研削技術より
小さくなっている。周辺技術の登録特許は日本国籍出願人からの出願が約 75%、次いで米国
籍出願人からの出願が約 13%、韓国籍が約 4%と続いている。
- 21 -
第 2-13 図
要素技術別出願人国籍別登録件数推移と割合(5 カ国・地域での登録件数の合計)
a)研磨・研削技術
1,400
優先権主張年
1990-2005
1,200
1,152
1,040
1,000
登
録
件
数
923
940
743
800
674
564
600
479
163
133
欧州国籍
396件
5%
326
306
400
246
315
150
200
米国籍
2,989件
37%
30
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
その他
13件
0.2%
日本国籍
4,116件
50%
合計
8,184件
優先権主張年
出願人国籍
日本国籍
中国籍
その他
台湾籍 オーストラリ
215件 ア国籍
3%
0件
シンガポー
0%
ル国籍
8件
0.1%
中国籍
22件
0.3%
韓国籍
425件
5%
韓国籍
シンガポール国籍
b)スライシング・ダイシング技術
300
優先権主張年
1990-2005
250
200
登
録
件 150
数
100
244
170
214
205
197
176
163
134
125
88
85
韓国籍
58件
3%
99
77
中国籍
5件
0.2%
台湾籍 オーストラリ
ア国籍
31件
5件
シンガポール
1%
0.2%
国籍
2件
0.1%
その他
19件
0.9%
欧州国籍
175件
8%
86
38
50
6
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
日本国籍
1,491件
71%
米国籍
321件
15%
合計
2,107件
優先権主張年
日本国籍
中国籍
その他
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
シンガポール国籍
c)周辺技術
160
146
優先権主張年
1990-2005
140
121 127
123
134
120
108
登 100
録
件 80
数
60
40
中国籍
2件
0.2%
111
韓国籍
50件
4%
81
71
46
42
欧州国籍
41件
3%
43
29
30
20
オーストラリ
ア国籍
2件
0.2%
シンガポー
ル国籍
0件
0%
その他
8件
0.7%
米国籍
156件
13%
17
1
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
出願人国籍
日本国籍
中国籍
その他
台湾籍
43件
3%
優先権主張年
米国籍
台湾籍
合計
欧州国籍
オーストラリア国籍
日本国籍
928件
75%
合計
1,230件
韓国籍
シンガポール国籍
注)公報単位でカウント
- 22 -
第4節
注目研究開発テーマ別動向分析
半導体における技術進展のドライビングフォースとして、微細化(高集積化)と高性能化
(高速化)が重要な要因となっているが、これらを向上するためには、機械加工技術の技術
開発が必要である。機械加工技術の技術開発における注目研究開発テーマとして、下記の 3
テーマについて調査・分析した。
〔1〕平坦化 CMP 技術の向上
①加工精度の向上
高速化と高集積化の要求に対応して回路パターンの微細化と配線の多層化が進んでいる。
デバイス構造が複雑になるに従って、より高いリソグラフィ精度が求められる。そのために、
高レベルの加工精度が必要となるので、ウエハ処理工程での平坦化 CMP 技術の向上が重要と
なる。
②選択比の最適化
高速化、高集積化が進むとともに、配線間絶縁膜に脆い low-k 膜が使用されるようになり、
そのために従来よりもマイルドな条件の平坦化 CMP 技術が必要となる。他方、タングステン
など硬い配線金属を含めた平坦化 CMP 技術が求められる。選択比の最適化により、種々の材
料、目的に応じた平坦化 CMP 技術の開発が必要となる。
〔2〕ウエハの極薄化
最近、薄いカードや無線タグなどの用途に対する需要が拡大しており、また、高密度実装
に対する要求が高まっている。これらの要求に対応するためには、ウエハの極薄化が必要で
あり、極薄化技術への要求が高まってきた。ウエハの極薄化のために、ウエハの研削におい
て装置や方式などに種々の工夫が行われている。また、極端に薄いウエハは割れやすいため、
極薄ウエハをダイシングしてチップ化するためにダイシングにおける装置、プロセス、搬送
方法などの工夫が行われている。また、生産性の向上や低コスト化のためにウエハの大口径
化が進んでいるが、大口径ウエハにおける極薄化を実現するには、研磨・研削方法、仕上げ
方法、加工装置、搬送方法などに多くの工夫が必要である。
- 23 -
1.平坦化 CMP 技術における加工精度の向上
(1)出願動向
第 2-14 図に 5 カ国・地域への出願人国籍別出願件数推移と割合を示す。平坦化 CMP 技術に
おける加工精度の向上に関する出願件数は、優先権主張年 1992 年から 1999 年まで一貫して
増加し、1999 年に 1,000 件超でピークとなっている。その後、緩やかな減少傾向がある。出
願人国籍別では、日本国籍が約 46%で最も多く、次いで米国籍が約 40%となっており、この
2 国籍で 85%を超えている。
第 2-14 図 課題(平坦化 CMP 技術における加工精度の向上)の出願人国籍別出願件数推移と
割合(5 カ国・地域への出願件数の合計)
1,200
優先権主張年
1990-2005
1,036
998
1,000
826
802
806
800
出
願
件
数
667
600
718
510
400
512
364
273
149
200
111
47
135
34
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
優先権主張年
出願人国籍
日本国籍
台湾籍
米国籍
オーストラリア国籍
中国籍
50件
1%
韓国籍
609件
8%
欧州国籍
329件
4%
欧州国籍
シンガポール国籍
韓国籍
その他
中国籍
合計
台湾籍 オーストラリ
164件
ア国籍
2%
1件
シンガポー
0.01%
ル国籍
6件
0.1%
その他
6件
0.1%
日本国籍
3,660件
米国籍
46%
3,163件
40%
合計
7,988件
注)公報単位でカウント
- 24 -
2.平坦化 CMP 技術における選択比の最適化
(1)出願動向
第 2-15 図に、平坦化 CMP 技術における選択比の最適化に関する出願人国籍別出願件数推移
と割合を示す。平坦化 CMP 技術における選択比の最適化に関する出願件数は、優先権主張年
1992 年から 2001 年まで増加傾向を示し、2001 年から 2002 年にかけ 230 件超でピークとなっ
ており、その後、減少している。出願人国籍別では、米国籍が約 42%で最も多く、次いで日
本国籍が約 37%となっており、この 2 国籍で 75%を超えている。
第 2-15 図 課題(平坦化 CMP 技術における選択比の最適化)の出願人国籍別出願件数推移と
割合(5 カ国・地域への出願件数の合計)
250
237
優先権主張年
1990-2005
233
214
198
200
184
出
願
件
数
150
122
120
124
95
100
43
40
50
5
21
19
19
6
1990
1991
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
出願人国籍
優先権主張年
日本国籍
台湾籍
米国籍
オーストラリア国籍
中国籍
1件
0.1%
欧州国籍
シンガポール国籍
台湾籍
64件
4%
オーストラリ
ア国籍
1件
0.1%
韓国籍
212件
13%
中国籍
合計
シンガポー
ル国籍
1件
0.1%
日本国籍
614件
37%
欧州国籍
82件
5%
韓国籍
その他
その他
3件
0.2%
米国籍
702件
42%
合計
1,680件
注)公報単位でカウント
- 25 -
日本への出願における平坦化 CMP 工程の研磨対象材料別の出願件数推移を第 2-16 図(絶縁
膜と金属)と第 2-17 図(化合物半導体)に示す。STI(酸化シリコンや窒化シリコンなど)
は 1998 年頃から増加し始め、2003 年まで毎年 40 件以上出願されている。low-k 膜は 2003
年に大幅な伸びを示している。金属では 1999 年から Cu が増加しており、1999 年と 2002 年
には年間 140 件を超える出願がある。化合物半導体では、2003 年と 2005 年に SiC が増えて
いることが目を引く。
第 2-16 図
平坦化 CMP 工程の研磨対象材料の推移-絶縁膜と金属-(日本への出願)
60
160
絶縁膜
出
願
件 40
数
140
出
願 120
件
数 100
30
80
50
金属
60
20
40
10
20
0
0
2005
2004
2003
バリア膜
2002
2001
2000
1999
Cu
1998
1997
1996
1995
1994
1993
W
その他の絶縁膜
1992
1991
1990
2005
2004
2003
2002
low-k膜(porous)
2001
2000
1999
1998
1997
low-k膜
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
STI
その他の金属
注)公報単位でカウント
第 2-17 図
平坦化 CMP 工程の研磨対象材料の推移-化合物半導体-(日本への出願)
20
出
願
件
数
15
10
5
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
GaN
SiC
GaAs
InP
その他の化合物半導体
注)公報単位でカウント
- 26 -
3.ウエハの極薄化
(1)出願動向
第 2-18 図に、ウエハの極薄化に関する出願人国籍別出願件数推移と割合を示す。ウエハの
極薄化に関する出願件数は、優先権主張年 1990 年から増加傾向を示し、2002 年に出願され
たものが 150 件弱でピークとなっており、その後、減少傾向である。出願人国籍別では、日
本国籍が約 80%で最も多く、次いで欧州国籍が約 8%、米国籍が約 7%、となっている。
第 2-18 図 課題(ウエハの極薄化)の出願人国籍別出願件数推移と割合(5 カ国・地域への出願
件数の合計)
160
149
優先権主張年
1990-2005
140
133
120
105
出
願
件
数
102
100
79
80
72
54
60
45
35
40
21
20
8
7
1992
1993
2
7
10
6
0
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1991
1990
優先権主張年
出願人国籍
日本国籍
台湾籍
米国籍
オーストラリア国籍
韓国籍
17件
2%
中国籍
6件
1%
欧州国籍
シンガポール国籍
台湾籍
3件
0.4%
中国籍
合計
オーストラリ
ア国籍
0件
シンガポー
0%
ル国籍
0件
0%
欧州国籍
64件
8%
米国籍
59件
7%
韓国籍
その他
その他
19件
2%
日本国籍
667件
80%
合計
835件
注)公報単位でカウント
- 27 -
ウエハの極薄化を課題とする特許出願がどの様な用途を目指しているかを第 2-19 図に示
す。左図はウエハの極薄化を課題とするものの用途の割合を示す円グラフである。IC カード
が半数を占めている。右図は日本への出願の全体の用途の割合を示している。IC カードは約
27%であり、課題をウエハの極薄化に限定した場合と限定しない場合で明らかな差異がある。
パソコン、携帯電話の割合はほとんど変化が見られていないことと対照的である。
第 2-19 図 課題をウエハの極薄化に限定した場合の用途(5 カ国・地域への出願件数の合計)
1990 年~2005 年
課題を「ウエハの極薄化」に限定した場合の用途
RFIDタグ
4件
2%
課題を限定しない全体の用途(日本への出願)
その他
102件
17%
MEMS
その他
5件
5件
パソコン
3%
3%
29件
15%
MEMS
70件
12%
RFIDタグ
8件
1%
携帯電話
41件
22%
ICカード
96件
50%
自動車
1件
1%
デジタル
家電
8件
4%
パソコン
83件
14%
携帯電話
133件
22%
ICカード
167件
27%
自動車
9件
1%
デジタル
家電
35件
6%
注)公報単位でカウント
ウエハの極薄化の課題を解決するための解決手段(要素技術の中分類)を第 2-20 図に示す。
ウエハの極薄化に対応する技術としては、研削技術、ダイシング技術、周辺技術である保護
テープ等のテープ技術が重要であることを示している。
第 2-20 図 課題「ウエハの極薄化」における解決手段(要素技術の中分類)(5 カ国・地域への
出願件数の合計)1990 年~2005 年
出願件数
0
50
100
150
200
250
CMP技術
要素技術
EMP, ECMP技術
ラッピング技術
研削技術
研磨・研削の制御技術
鏡面研磨(ポリッシング)技術
加工対象物の形状
その他の研磨・研削技術
スライシング(マルチワイヤーソー)技術
スライシング(内周刃)技術
ダイシング技術
スライシング・ダイシングの制御技術
その他のスライシング・ダイシング技術
搬送技術
保護テープ
ダイシングテープ
ダイシング・ダイボンドテープ
その他の周辺技術
注)公報単位でカウント
- 28 -
第5節
出願人別動向分析
1.出願先国別の出願・登録動向
第 2-21 表に 5 カ国・地域への出願件数が上位の出願人の一覧表を示す。表には出願人の国
籍によって色分けして示している。いずれの出願先においても日本国籍出願人が上位にある
ことが分かる。米国と韓国では、自国の出願人が 1 位・2 位を占めている。日本への出願で
は、上位 10 社全て日本国籍である。ここに示されたのべ 50 社は全て民間企業であり、半導
体の機械加工技術の分野では大学・研究機関からの特許出願は少ない。
第 2-21 表
5 カ国・地域への出願件数上位出願人一覧表
1990 年~2005 年
日本への出願
出願人
件数
ディスコ(日)
東京精密(日)
東芝(日)
荏原製作所(日)
松下電器産業(日)
ソニー(日)
信越半導体(日)
日立化成工業(日)
ルネサステクノロジ
(日)
日立製作所(日)
米国への出願
欧州への出願
韓国への出願
中国への出願
出願人
件数
出願人
件数
出願人
件数
出願人
件数
マイクロンテクノロ
751 ジー(米)
543 信越半導体(日)
201 三星電子(韓)
533 ディスコ(日)
92
ハイニックスセミコン
アプライドマテリアル
ロームアンドハース
713 ズ(米)
431 荏原製作所(日)
159 ダクタ(韓)
217 (米)
65
ワッカーシルトロニッ
ドンブエレクトロニク
620 荏原製作所(日)
342 ク(独)
123 ス(韓)
180 東芝(日)
56
キャボットマイクロエ
509 東芝(日)
249 ディスコ(日)
110 日本電気(日)
114 レクトロニクス(米)
56
アプライドマテリアル
493 ラムリサーチ(米)
231 ズ(米)
110 荏原製作所(日)
111 日東電工(日)
53
480 三星電子(韓)
199 ラムリサーチ(米)
110 東芝(日)
105 日本電気(日)
51
アプライドマテリアル
467 IBM(米)
186 東京精密(日)
107 ズ(米)
100 JSR(日)
38
キャボットマイクロエ
ロームアンドハース
419 ディスコ(日)
184 レクトロニクス(米)
90 (米)
78 ラムリサーチ(米)
38
384 日本電気(日)
178 東芝(日)
84 ラムリサーチ(米)
67 リンテック(日)
37
331 信越半導体(日)
ロームアンドハース
168 (米)
83 JSR(日)
64 フジミ(日)
35
第 2-22 表に 5 カ国・地域への登録件数が上位の出願人の一覧表を示す。出願件数と同様に
日本国籍出願人が多いことが分かる。その他は出願件数と同様の傾向が見られる。
第 2-22 表
5 カ国・地域への登録件数上位出願人一覧表
1990 年~2005 年
日本での登録
出願人
件数
信越半導体(日)
日本電気(日)
東京精密(日)
東芝(日)
荏原製作所(日)
松下電器産業(日)
SUMCO(日)
富士通(日)
ソニー(日)
日平トヤマ(日)
米国での登録
欧州での登録
韓国での登録
中国での登録
出願人
件数
出願人
件数
出願人
件数
出願人
件数
マイクロンテクノロ
信越半導体(日)
三星電子(韓)
日本電気(日)
229 ジー(米)
101
127
30
481
アプライドマテリアル
197 ズ(米)
80 日本電気(日)
83 東芝(日)
22
331 荏原製作所(日)
160 荏原製作所(日)
52 東芝(日)
73 リンテック(日)
19
254 ラムリサーチ(米)
キャボットマイクロエ
東京精密(日)
荏原製作所(日)
155 ラムリサーチ(米)
51
50
17
207
レクトロニクス(米)
キャボットマイクロエ
129 東芝(日)
42 IBM(米)
47 三洋電機(日)
17
184 レクトロニクス(米)
ワッカーシルトロニッ
ワッカーシルトロニッ
86 IBM(米)
39 ク(独)
28 ラムリサーチ(米)
15
170 ク(独)
80 三星電子(韓)
37 東京精密(日)
28 日東電工(日)
12
151 東芝(日)
74 信越半導体(日)
74 日本電気(日)
スピードファムIPEC
69 (米)
151 リンテック(日)
145 ロデール(米)
アプライドマテリアル
121 ズ(米)
- 29 -
30 日立製作所(日)
28 リンテック(日)
ハイニックスセミコン
28 ダクタ(韓)
24 IBM(米)
21 松下電器産業(日)
21
11
10
2.平坦化 CMP 技術の向上に関する出願人別出願動向
平坦化 CMP 技術の向上に関する出願人別出願動向について、日本への出願において集計し
た。平坦化 CMP 技術の向上に関する出願人別出願件数上位ランキングを第 2-23 表に示す。出
願件数 100 件以上の上位 16 社の業種を見ると、CMP などの加工装置メーカーとパッドやスラ
リーや研磨液など CMP 関係の資材のメーカーと半導体デバイスメーカーが 4~6 社ずつ入って
いる。これらの出願人の出願件数の年次推移を業種ごとに分けて第 2-24 図に示す。
第 2-23 表 平坦化 CMP 技術の向上に関する出願人別出願件数ランキング(日本への出願)
1990 年~2005 年
順位
出願件数
業種
1
荏原製作所
492
加工装置
2
東芝
343
デバイス
3
日立化成工業
333
資材
4
日本電気
241
デバイス
5
ソニー
211
デバイス
6
ニコン
206
加工装置
7
松下電器産業
199
デバイス
7
アプライドマテリアルズ
199
加工装置
9
日立製作所
172
デバイス
ルネサステクノロジ
171
デバイス
11
東京精密
161
加工装置
12
JSR
123
資材
13
住友ベークライト
113
資材
14
東洋ゴム工業
112
資材
15
ロームアンドハース
100
資材
15
東レ
100
資材
10
第 2-24 図
出願人
平坦化 CMP 技術の向上に関する出願人別出願件数推移(日本への出願)
a)デバイスメーカー
200
デバイスメーカー
出 150
願
件
数 100
50
0
1990
1992
東芝
松下電器産業
6社合計
1994
1996
1998
日本電気
日立製作所
- 30 -
2000
2002
2004
ソニー
ルネサステクノロジ
b)加工装置メーカー
200
加工装置メーカー
出
願
件
数
150
100
50
0
1990
1992
1994
荏原製作所
東京精密
1996
1998
2000
ニコン
4社合計
2002
2004
アプライドマテリアルズ
c)資材メーカー
200
資材メーカー
150
出
願
件 100
数
50
0
1990
1992
日立化成工業
東洋ゴム工業
6社合計
1994
1996
1998
2000
JSR
ロームアンドハース
2002
2004
住友ベークライト
東レ
注)公報単位でカウント
デバイスメーカーでは、1997 年~1999 年に出願件数のピークがあり、加工装置メーカーで
は 1999 年にピークがある。また、資材メーカーでは 1999 年(日立化成工業が突出)と 2002
年~2003 年にピークがある。この様に、業種別に分けてみると出願件数のピークが少しずつ
ずれていることが分かる。
- 31 -
第6節
基本特許・重要特許
1.重要特許の選定方法
重要特許の選定基準
①
参考文献により、その要素技術について最初に出願された特許と思われる特許
(点線枠で表記)
②
委員会の委員から推薦された特許(一点鎖線枠で表記)
③
特許審査に当たり審査官に引用された回数が多い特許(実線枠で表記)
引用回数 11 回以上(平坦化 CMP 工程について)
2.平坦化 CMP 工程における機械加工技術に関する重要特許の変遷
半導体の機械加工技術に関する重要特許のうち、特許出願件数が比較的多いウエハ処理工
程の平坦化 CMP 工程における重要特許を第 2-25 図に示す。平坦化 CMP 工程の初期の特許につ
いては、米国の IBM の US4944836(1985 年)が最初とする見解もあるが、参考文献に富士通
(1973 年)と日本電気(1983 年)の先願がある 1と記載されているので、富士通と日本電気
の特許を最初の特許とした。
平坦化 CMP 工程に関して、審査官引用回数 11 回以上を重要特許とした。平坦化 CMP 工程に
関する重要特許をスラリー、パッド、装置・方式、ドレッシング・コンディショニングおよ
び終点検出に分けて整理した。スラリーでは銅系金属用の研磨液に関する出願や複合系粒子
に関する出願が抽出された。東芝から出願された特開平 8-83780 はディッシングを抑えて銅
の埋め込み配線を形成する方法に関する特許であるが、引用回数 38 回で今回調査した中では
最も多かった。パッドでは、表面にスラリーの流れを制御するように溝を形成した研磨パッ
ドや積層構造の研磨パッドなどがある。
装置・方式関係の出願では、フェイスアップ式の研磨装置や、生産性を向上させるため複
数のヘッドを持つ研磨装置、高速 CMP 装置、洗浄装置と一体化した研磨装置などがある。こ
の他、温度や圧力の制御方法や、定盤を自転を伴わない円運動とし局部的な速度差の発生を
抑える特許出願もある。終点検出方法としては、光学式検出の出願が 3 件抽出された。いず
れも米国籍出願人の出願で、その場観察(in situ)を行う方法を示している。
これらのほか、委員会の委員から推薦された重要特許を追加している。
1
CMP 技術大系 精密工学会「プラナリゼーション CMP とその応用技術専門委員会」編
登場と発展(松永正久)P10-22
- 32 -
第 2 章 CMP 技術の
第 2-25 図
平坦化 CMP 工程における機械加工技術に関する重要特許の変遷
~1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
[ 1/2 ]
1998年
1999年
2000年
CMP技術
全般
特開昭50-99685 富士通
SiO2等の絶縁膜上の多結晶シリコン層の研磨(CMP使用)
(1983)
特開昭59-136934, 特開平9-232258,232262 日本電気
メカノケミカルポリシングによる層間絶縁膜の平坦化(シリカ砥粒研磨液)
(1985)
US4944836 IBM
基板上に同平坦面の金属膜/絶縁体膜を作るためのCMP
特開昭62-102543, 特開平8-17831 IBM
同平坦面の導電性膜/絶縁性膜,金属/SiO2層の形成(シリカ含む塩基性スラリでCMP)
(1987) 特開平1-55845 IBM 14回
金属/絶縁薄膜の同時平坦化
特開平6-163489 日本電気 13回
選択平坦化ポリッシング(過研磨防止)
スラリー
(砥粒・薬剤)
- 33 -
特表平7-502778 ロデール 18回
酸化セリウム/ヒュームドシリカ/沈殿シリカ系
特開平6-216096 東芝 21回
高純度研磨剤(シリカ、セリア)
特開平10-214834 松下電器産業 11回
埋込配線形成方法(2段選択研磨)
特開平9-193004 トクヤマ 13回
高純度微粒ヒュームドシリカ
特開平10-46140 昭和電工 11回
研磨組成物(規定カルボン酸含有)
特開平7-233485 東芝 28回
Cu系金属用研磨液(有機酸含有)
特開平11-195628 日立製作所 22回
金属膜研磨液(砥粒<1wt%、金属腐食pH)
特開平8-83780 東芝 38回
金属用研磨剤(ディッシング抑制)
特開平11-114808 東レ 11回
研磨剤用複合粒子(子粒子担持)
特開平9-55363 東芝 14回
Cu系金属用研磨液(有機酸含有)
特開平8-153696 日立製作所 12回
高純度セリア研磨剤
特開平11-135466 日立製作所
砥粒を含まない研磨液で研磨
特開平11-21546 キャボット 26回
Cu系基板用スラリー
特開平7-254579 東芝 14回
研磨剤の温度を調節
(供給方法)
パッド 2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
引用回数11回以上
(1973)
特開平7-297195 スピードファム 15回
合成樹脂製研磨布表面に表面層形成
(材質)
(表面形状等)
特開平5-146969 インテル 11回
表面に溝があるパッド
特開平7-321076 東芝 18回
放射状溝のある研磨布
特表平8-500622 ロデール 12回
高分子微小エレメント/ウレタンパッド
2007年
第 2-25 図
平坦化 CMP 工程における機械加工技術に関する重要特許の変遷
~1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
[ 2/2 ]
1998年
特表平7-508685 スピードファム 13回
高速CMP装置(複数キャリヤ)
装置・方式 (装置・方式)
特開平6-252113 松下電器産業 27回
小さいヘッド・フェイスアップ・膜厚モニタで平坦化
特開平7-88759 日本電気 11回
フェイスアップのウエハ研磨装置
特開平7-135192 ソニー 24回
パーティクルレベル低減装置(ウエハ湿潤)
特開平8-153694 東芝機械;東芝 15回
研磨~乾燥を1台でする装置
特開平9-117857 荏原製作所 11回
2つの研磨ユニットをもつ装置
- 34 -
特開平7-223160 ソニー 12回
基板保持台の半径方向温度分布
特開平8-229808 三菱マテリアル 21回
リテーナリング当接圧力の最適調整
特開平9-19863 アプライドマテリアルズ 14回
流体圧制御式ヘッド
(定盤) 特開平5-74749 土肥俊郎 11回
自転伴わない円運動する定盤
特開平7-256554 三菱マテリアル 22回
研磨パッドのツルーイング装置
ドレッシング・
コンディショニング
終点検出 2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
引用回数11回以上
特開平6-99348 三菱マテリアル 17回
全面高平坦化仕上げ研磨装置
(ポリッシングヘッド、
ウエハキャリア)
1999年
特開平4-255218 マイクロンテクノロジー 19回
レーザ干渉で終点検出(オーバーハング)
特開平7-235520 IBM 15回
反射率によるin situ研磨モニタ
特開平9-7985 アプライドマテリアルズ 13回
レーザ干渉でその場で終点検出
2007年
第3章
半導体の機械加工技術に関する研究開発動向分析
第1節
全体動向
1990 年~2006 年に発表された半導体の機械加工技術に関する論文は 1,221 件で、優先権主
張年が 1990 年~2005 年の特許出願件数が約 35,000 件であるのに対してかなり少なくなって
いる。
第 3-1 図に論文を発表した研究者の所属機関の国籍別論文発表件数推移と割合を示す。日
本の研究機関からの発表が 524 件(約 43%)で最も多く、次いで米国の研究機関からの発表が
358 件(約 29%)である。年次別では 2004 年だけは日本より米国の方が多いが、その他の年次
は日本の研究機関からの発表が最も多い。3 位は欧州で 124 件、4 位は台湾で 89 件となって
いる。韓国よりも台湾からの論文発表が多いことが特徴的である。
第 3-1 図
研究者所属機関国籍別論文発表件数推移と割合
160
発行年
1990-2006
140
140
137
112
120
104
100
件
数
91
91
87
90
75
80
67
57
60
46
38
40
26
21
20
20
19
0
台湾籍
89件
中国籍
7%
15件
1%
欧州国籍
シンガポール国籍
オーストラリ
ア国籍
4件
0.3%
韓国籍
64件
5%
欧州国籍
124件
10%
韓国籍
その他
シンガポー
ル国籍
18件
その他
1%
25件
2%
日本国籍
524件
43%
米国籍
358件
29%
- 35 -
合計
1,221件
中国籍
合計
2006
米国籍
オーストラリア国籍
2005
発行年
日本国籍
台湾籍
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
研究者所属機関国籍
第2節
技術区分別動向
1.要素技術別動向調査
半導体の機械加工技術に関して発表された論文を要素技術別に動向調査した。第 3-2 図 a)
に論文全体の要素技術別論文発表件数割合を示す。論文によっては、機械加工技術を応用し
た研究や、残留歪みの解析のような機械加工のプロセス解析のように、特許と同様の要素技
術にそぐわないものがある。解析した論文 1,221 件中 136 件は研磨・研削技術、スライシン
グ・ダイシング技術および周辺技術に分類できなかった。残りの 1,085 件を要素技術別に分
類した。中には一つの要素技術に限定できないこともあるので、この図では複数の要素技術
に属することを許容している。研磨・研削技術に関する論文が最も多く全体の約 80%を占め
ている。次いでスライシング・ダイシング技術が約 14%、周辺技術が約 6%となっている。
研磨・研削技術 922 件の内訳を第 3-2 図 b)に示す。全体の約 80%を占める研磨・研削技
術に関する論文の内、半数以上の約 57%が CMP 技術に関する論文となっている。なお、この
図でも複数の要素技術に属することを許容している。
第 3-2 図
要素技術別論文発表件数割合
1990 年~2006 年
a) 論文全体
b) 研磨・研削技術の内訳
周辺技術
67件 6%
加工対象物の形状
25件 2%
鏡面研磨(ポリッシン
グ)技術 79件 8%
スライシング・
ダイシング技術
162件 14%
その他の研磨・研削
技術 43件 4%
研磨・研削の制御
技術 118件 11%
CMP技術
594件 57%
研削技術
120件 12%
研磨・研削技術
922件 80%
ラッピング技術
50件 5%
EMP,ECMP技術
11件 1%
合計
1,151 件
合計
1,040 件
第 3-3 図に論文に示されたテーマの発表件数割合と特許に示された課題の件数割合を比較
して示す。平坦化 CMP 技術の向上に関する論文が多く全体の約 40%を占めている。次いで加
工精度の向上に関する論文が約 29%、加工ダメージの低減に関する論文が約 13%と続いてい
る。論文は特許出願より平坦化 CMP 技術の向上に関するものの割合が高く、生産性の向上に
関するものの割合が低くなっていることが分かる。
- 36 -
第 3-3 図
課題(テーマ)の論文発表と特許出願の比較
a)論文全体 (1990 年~2006 年)
コストダウン
55件 3%
生産性の向上
137件 9%
b)特許出願(5 カ国・地域合計)
(1990 年~2005 年)
環境負荷の低減
37件 2%
3次元実装
7件 0.4%
ウエハの極薄化
12件 1%
コストダウン
3,810件 7%
加工精度の向上
462件 29%
ウエハの大口径化
23件 1%
環境負荷の低減
596件 1%
3次元実装
43件 0.1%
加工精度の向上
13,362件 24%
生産性の向上
11,296件 20%
ウエハの極薄化
835件 1%
汚染防止
37件 2%
加工ダメージの低減
207件 13%
平坦化CMP技術の向上
632件 40%
ウエハの大口径化
421件 1%
加工ダメージの低減
8,542件 15%
汚染防止
2,651件 5%
合計
1,609 件
平坦化CMP技術の向上
14,833件 26%
合計
33,158 件
注)公報単位でカウント
第3節
所属機関別、研究者別動向
1.全体動向調査
半導体の機械加工技術に関する論文の研究者所属機関別発表件数ランキングを第 3-4 表に
示す。埼玉大学と東京大学が 36 件で並んで 1 位、日立製作所が 3 位となっている。台湾の研
究機関が 2 箇所入っているのが注目される。
第 3-4 表
研究者所属機関別発表件数上位ランキング
順位
研究機関
発表件数
1
埼玉大学(日)
36
1
東京大学(日)
36
3
日立製作所(日)
34
4
茨城大学(日)
29
5
国立交通大学(台)
26
6
東北大学(日)
24
6
東芝(日)
24
8
アリゾナ大学(米)
23
9
IBM(米)
21
富士通(日)
20
11
カリフォルニア大学(米)
19
11
日本電気(日)
19
10
13
東海大学(日)
18
14
マサチューセッツ工科大学(米)
17
14
三星電子(韓)
17
14
カンザス州立大学(米)
17
17
国立ナノデバイス研究所(台)
16
18
大阪大学(日)
15
18
荏原製作所(日)
15
18
クラークソン大学(米)
15
- 37 -
第4章
半導体産業の産業政策動向分析
第1節
産業政策動向
1.日本の産業政策
経済産業省が 2007 年 4 月に策定した「技術戦略マップ 2007」の「情報通信分野」におい
て、半導体分野を高度情報通信社会の中で重要な役割を果たす分野と位置づけ、半導体の微
細化および高性能化に伴う消費電力の増大を抑制することを重要な課題としている。
経済産業省は 2007 年度プロジェクトとして、「ナノエレクトロニクス半導体新材料・新構
造技術開発-うち新材料・新構造ナノ電子デバイス」(期間 2007-2011 年)を、文部科学省
および独立行政法人科学技術振興機構(JST)は「戦略的創造研究推進事業」の中で「次世代
エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新材料・プロセス研究」を推進している。これ
らは互いに連携しながら進めることになっている。これらのプロジェクトにおいて、半導体
製造工程における重要な機械加工技術が開発されるものと考えられる。
第 4-1 図に各国の半導体に関するコンソーシアム、進行中のプロジェクトをまとめる。
標準化については、シリコンウエハなど半導体基板の厚みや形状、オリフラやノッチの位
置や大きさなど国際規格として SEMI が中心となって取り進めている。
第 4-1 図
各国の半導体コンソーシアム
2005年
H17年
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年
次世代エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新材料・プロセス研究
文部科学省
連携
研究期間5年
ナノエレクトロニクス半導体新材料・新構造技術開発
-うち新材料・新構造ナノ電子デバイス
経済産業省
技術戦略マップ2007
情報通信分野 半導体の微細化および高性能化に伴う消費電力の増大を抑制
SeIete あすか
NEDO MIRAI
SRC
45-32nm世代のプロセス技術開発と設計技術開発
次世代半導体材料・プロセス基盤技術の開発
(H13~H22)
企業と大学が連携して研究開発の強化
米
ISMT
国
MARCO/FCRP
世界の先端半導体デバイスメーカーによる製造分野の研究開発コンソーシアム
欧 IMEC
州 MEDEA+
設計、プロセスデバイス技術を含むマイクロエレクトロニクス高度技術基盤の確立
韓
COSAR
国
台
ERSO
湾
大学をベースにした長期的観点から研究を行うプログラム
市場競争力と技術開発力の強化を推進
産官学共同の半導体関係のコンソーシアム
電子技術の開発と導入、人材の育成、技術移転
- 38 -
(2001~2009)
第5章
半導体産業の市場環境分析
第1節
半導体産業の市場動向
WSTS(世界半導体市場統計)による世界の半導体市場を第 5-1 図に示す。世界の半導体市
場は、1990 年代のバブルが 2001 年に崩壊後、2003 年と 2004 年には 2 桁成長を続け、2005
年以降も約 10%の伸びで拡大しており、2006 年に約 2,500 億米国ドル(約 30 兆円)、2007
年には約 2,700 億米国ドルに達すると予想されている。さらに、2009 年までは成長・拡大を
続けると考えられている。
第 5-1 図
世界の半導体需要見通し
350
世
界
市
場
300
250
[
1
0
億
ド
ル
200
150
100
50
0
1999
2000
2001
2002
米国
2003
欧州
日本
2004
2005
2006
アジア・太平洋
2007
2008
2009
(Source:WSTS)
(出典:WSTS)
- 39 -
]
第2節
半導体機械加工装置等の市場動向
1.半導体機械加工装置市場
世界の半導体製造装置市場は、2006 年で約 4 兆 4,600 億円に達する。次に、半導体製造装
置のうち、半導体機械加工装置に焦点を当てて見てみると、ウエハ製造工程が約 540 億円、
CMP 工程が約 2,000 億円、後工程が約 2,500 億円である。しかし、後工程にはボンディング
装置などの機械加工関連装置でないものも含まれている。後工程における機械加工関連装置
は、ダイシングソーおよび CSP 切断装置で、これらの市場は合わせて約 380 億円弱(後工程
全体の約 15%)である。合計すると半導体機械加工装置市場は約 3,000 億円と見積もられる。
なお、工程別の半導体製造装置は世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑 2007 を参考
に分類した。
2006 年の半導体製造装置全体およびウエハ製造工程、CMP 工程、後工程の製造装置の市場
規模を第 5-2 図に示す。
第 5-2 図 半導体製造装置全体の市場規模およびウエハ製造工程、CMP 工程、後工程の製造装置
の市場規模(2006 年)
ワイヤーソー
13%
グラインディング
装置
54%
スライシング装置
1%
ウエハ製造工程
540億円
ラッピング装置
6%
ポリッシング装置
26%
1%
半田バンプ形成
装置
7%
CSP切断装置
5%
オート・モール
ド・プレス
15%
ワイヤー・ボン
ディング装置
31%
1%
1%
11%
ダイシングソー
10%
26%
5%
5%
2500億円
ダイ/チップ・ボ
ンディング装置
32%
4兆4600億円
6%
5%
4%
11%
4%
後工程
ポストCMP
洗浄装置
1%
7%
12%
ウエハ製造工程
リソグラフィ工程
エッチング工程
薄膜形成工程
配線工程
低誘電率膜工程
CMP工程
ドーピング工程
洗浄工程
後工程
工場自動化装置
排気系装置
電源
チラー
クリーンルーム
1%
2000億円
CMP装置
99%
CMP工程
*出典:世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑 2007 のデータを基に MCTR が図表化
(発行所:グローバルネット株式会社)
- 40 -
第6章
総合分析
第1節
特許出願動向分析結果の総括
1.特許出願動向分析結果の総括
半導体の機械加工技術に関する特許を検索し、技術分類することにより、特許出願から見
た技術動向を調査した。時期的範囲は優先権主張年が 1990 年から 2006 年とした。ただし、
2006 年は年央につき網羅されていないため、集計グラフは 2005 年までとしている。分析対
象とした特許出願件数は 35,194 件で、この内各国で登録された特許が 12,705 件である(第
2-1 表)。出願先としては、日本、米国、欧州、韓国および中国の 5 カ国・地域に重点を置い
て分析することとした。
出願人国籍別では、5 カ国・地域への特許出願の内、日本国籍が約 67%、米国籍が約 21%、
韓国籍が約 6%となっており(第 2-2 図)、半導体の機械加工技術は日本国籍出願人が強い技
術分野であると考えられた。
出願先国別の出願人国籍別出願件数を第 6-1 表に示す。網掛け部分はそれぞれ自国への出
願件数を示している。
(外国への出願件数)/(自国への出願件数)を外国出願比率とすると、
欧米では 100%を超えており、自国への出願より外国への出願の方が多いことが分かる。一
方、日本国籍出願人の外国出願比率は約 43%であり、韓国籍出願人の外国出願比率は約 54%
である。日本の外国出願比率は、欧米はもとより、韓国よりも約 11 ポイント低い値となって
いる。
第 6-1 表
出願先国別-出願人国籍別出願件数
出願人国籍
日本
米国
欧州
韓国
中国
その他
合計
日本
14,966
1,110
274
200
0
95
16,645
米国
2,909
3,239
306
348
9
329
7,140
欧州
韓国
1,380
1,057
646
61
4
65
3,213
1,348
758
158
1,246
1
19
3,530
中国
759
437
104
62
81
32
1,475
外国への出願件数合計
外国出願比率
6,396
3,362
842
671
14
43%
104%
130%
54%
17%
-
-
-
-
技術分野別では、研磨・研削技術が約 66%、スライシング・ダイシング技術が約 21%、保
護テープやダイシングテープや機械加工に関わる搬送技術といった周辺技術が約 12%の割
合で出願されている(第 2-8 図)。研磨・研削技術は 1990 年以降増加しており 1999 年頃にピ
ークとなっている。1985 年に IBM が積層構造の半導体デバイスの層間絶縁体表面の平坦化や
埋め込み構造の金属配線の作製に化学的機械的研磨(CMP)を応用することを発表して以来、平
坦化 CMP 技術の関連特許の出願が伸びていると考えられる。スライシング・ダイシング技術
は多少の増減はあるものの調査した期間中、緩やかな増加傾向を示している。周辺技術は、
1995 年頃から増加の割合が加速され、2003 年まで大幅に増加している(第 2-9 図)。
国籍別では、いずれも日本からの出願が多いが、研磨・研削技術では米国籍出願人からの
出願件数の割合が比較的大きくなっている(第 2-9 図)。これは平坦化 CMP 技術を提案した
IBM やマイクロンテクノロジーなどのデバイスメーカー、および平坦化 CMP 装置を製造・販
売している大手メーカーであるアプライドマテリアルズなど、米国籍出願人からの出願が多
- 41 -
いためと考えられる。
特許出願に示された課題としては、加工精度の向上、平坦化 CMP 技術の向上、生産性の向
上が多く、それぞれ 20~26%を占めている。
出願先国別に出願件数の多い順に出願人別ランキングを集計した(第 2-21 表)。日本への
出願では、ディスコが 751 件でトップ、2 位は東京精密である。さらに荏原製作所が 4 位で
加工装置メーカーが上位にランクされている。また、東芝、松下電器産業、ソニー、ルネサ
ステクノロジおよび日立製作所といったデバイスメーカーが上位 10 社中 5 社入っている。米
国への出願では、デバイスメーカーであるマイクロンテクノロジーが 1 位で、東芝、IBM、三
星電子および日本電気が上位 10 社にランクされている。また、加工装置メーカーのアプライ
ドマテリアルズ、荏原製作所、ラムリサーチおよびディスコ、基板メーカーの信越半導体が
上位にランクされている。
平坦化 CMP 工程における機械加工技術に関する重要特許の変遷(第 2-25 図)を調査した。
ウエハ処理工程において、配線金属や絶縁層を研磨して表面を平坦化する平坦化 CMP 技術に
ついては、米国の IBM の US4944836(1985 年)が最初とする見解もあるが、それより前に富
士通(1973 年)と日本電気(1983 年)から特許出願されているとする参考文献があり、これ
らを初期の頃の特許出願とした。さらに、審査官引用回数が多い(11 回以上)特許出願を重
要特許と考え時系列に整理した。これらの他に、委員会の委員から推薦された重要特許を加
えている。
2.研究開発動向分析結果の総括
半導体の機械加工に関する技術論文を検索して技術分類した。時期的範囲は 1990 年から
2006 年である。分類対象とした論文の件数は 1,221 件で、特許出願件数 35,194 件と比較し
て 30 分の 1 程度の件数であった。
研究者所属機関国籍別では日本国籍が約 43%、米国籍が約 29%、欧州国籍が約 10%、台
湾籍が約 7%で、特許出願件数と同様に論文発表件数でも日本の研究機関からの発表が多い
(第 3-1 図)が、特許出願件数と比べて米国籍および台湾籍の発表件数の割合が大きくなっ
ている。
技術分野別では、研磨・研削技術が約 80%、スライシング・ダイシング技術が約 14%、周
辺技術が約 6%で、特許出願件数割合より研磨・研削技術の割合が大きくなっている(第 3-2
図)。特許の課題に相当する論文のテーマとしては、平坦化 CMP 技術の向上が約 40%と多く、
次いで加工精度の向上が約 29%で、特許出願では約 20%と多かった生産性の向上は約 9%と
少ない(第 3-3 図)。
研究者所属機関では、埼玉大学と東京大学がそれぞれ 36 件でトップ、以下日立製作所、茨
城大学と続いている(第 3-4 表)。
3.政策動向分析結果の総括
半導体の機械加工技術に関する産業政策として、日本、米国、欧州、韓国および台湾の半
導体産業に関する国家プロジェクト、コンソーシアムなどをまとめた。日本では、半導体先
端テクノロジーズ(Selete)と NEDO のプロジェクトである MIRAI プロジェクトが進められてい
る。
米国では、SRC、International SEMATECH、および MARCO のもとで FCRP が活動している。
- 42 -
欧州では、ベルギーの IMEC と、EU として MEDEA+が活動している。韓国では COSAR、台湾で
は ERSO が半導体に関するコンソーシアムである(第 4-1 図)。
標準化については、シリコンウエハなど半導体基板の厚みや形状、オリフラやノッチの位
置や大きさなど国際規格として SEMI が中心となって取り進めている。
4.市場動向分析結果の総括
半導体デバイスの市場、半導体加工装置の市場、半導体基板(ベアウエハ)の市場および
CMP 関連資材の市場について調査した。
半導体産業の 2006 年の世界市場規模は約 30 兆円であり(第 5-1 図)、2005 年以降 2009 年
まで年率約 10%のペースで成長・拡大すると考えられている。中でもアジア・太平洋市場の
割合と伸びが大きい。
半導体製造装置の世界市場規模は 2006 年に約 4 兆 4,600 億円に達していると見込まれる
(第 5-2 図)。この内、機械加工装置市場は約 3,000 億円と見積られ、更にこの内の約 2,000
億円が CMP 装置でこれが最も大きい。
- 43 -
第2節
技術開発の方向性に関する提言
半導体における技術進展の鍵を握っているのは微細化(高集積化)と高性能化(高速化・
低消費電力)であるが、これらの性能の向上のためには、高度な機械加工技術の向上が必要
である。半導体の機械加工技術における注目研究開発テーマとして、〔1〕平坦化 CMP 技術、
特に、①加工精度の向上および②選択比の最適化、
〔2〕ウエハの極薄化の 3 テーマを選定し
た。こうした状況を踏まえて、半導体の機械加工技術に関する提言として次の 3 つの提言を
提案する。
提言1.日本は、半導体デバイスメーカー、CMP 装置メーカー、CMP 関連資材メーカーが三
位一体で連携して、今後ますます市場の拡大が期待される半導体の用途に焦点を当てた
次世代平坦化 CMP 技術の開発に取り組むことが望まれる。
半導体市場はパソコン、携帯電話、デジタル家電等の機器が牽引してきた。これらの用途
に使用される半導体デバイスの高速化・低消費電力化、高集積化が進展するとともに、回路
パターンの微細化と配線の多層化の要求が強くなってきた。そのため、配線として、従来の
Al 配線から Cu 配線が実用化され、平坦化 CMP で研磨する金属材料として Cu に関連する特許
出願が 1999 年以降増加している(第 2-16 図)。また、配線間絶縁膜として low-k 膜が要求さ
れるようになってきた。このような動向に伴い、平坦化 CMP で研磨される配線間絶縁膜材料
として、low-k 膜に関連した特許出願が 2001 年以降増加傾向にある(第 2-16 図)。そして、
Cu 配線や low-k 絶縁膜に対応した平坦化 CMP 技術が必要になってきた。このように、半導体
デバイスの製造工程において、より高レベルの加工精度および加工面品位が要求されるよう
になり、それに対応した平坦化 CMP 技術の開発がますます重要となりつつある。
昨今、地球温暖化が喧伝されるようになり、二酸化炭素を排出する自動車の出荷台数が増
加しているため、自動車産業に対し、二酸化炭素の排出量を低減するための対策が求められ
るようになってきた。このようなトレンドの中で、地球環境にやさしいハイブリッド自動車
に対する需要が高まりつつある(日本自動車工業会の HP のクリーンエネルギー車の日本市場
における普及台数推移を参照;http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/200606/02.html)。
トヨタ自動車が 1997 年にハイブリッド自動車を発売して以来、2007 年には累積販売台数が
100 万台を達成し、ハイブリッド自動車が世界的に認知されるようになってきた。ハイブリ
ッド自動車に対する需要が今後、世界的に急速に拡大することが期待されている。
また、ハイブリッド車1台(+カーナビ1台)に使用する半導体ウエハの使用量は 150mm
ウエハ換算で 0.96 枚と多く、パソコン 1 台(150mm ウエハ換算で 0.12 枚)に対して約 8 倍、
普通車1台(150mm ウエハ換算で 0.21 枚)に対して 4~5 倍の半導体が必要であるといわれ
ている(STARC フォーラム 2007 のトヨタ自動車の藤川東馬氏講演会資料(2007 年 7 月 6 日開
催)を参照;http://www.starc.jp/download/forum2007/09_fujikawa.pdf)。
このような状況を背景に、ハイブリッド車の需要の増加とともに、自動車用半導体市場は
急激に拡大することが予想される。今後、パソコン、携帯電話、デジタル家電等といった主
要な用途とともに、自動車用デバイスの需要が半導体市場の拡大を牽引するようになること
が期待されている。
なお、自動車用のパワーデバイスの基板として、従来の Si 基板に比べてはるかに硬い SiC
- 44 -
基板(あるいは、GaN 基板)が有望視されており、それに対応した高能率の平坦化 CMP 技術
が要求されるようになってきた(第 2-17 図)。種々の基板(SiC 基板など)や材料(Cu 配線、
low-k 絶縁膜など)に対応した次世代平坦化 CMP 技術の開発が今後、ますます重要性を増し
てくる。
日本の半導体関連企業は米国企業と同様に、平坦化 CMP 技術の開発に積極的に取り組んで
きた(第 2-10 図)。平坦化 CMP 技術は、荏原製作所などの CMP 装置メーカーや東芝などの半
導体デバイスメーカーを主体に開発が推進され、1994 年頃から平坦化 CMP 技術の向上に関す
る特許出願が増加してきた。一方、CMP 関連資材メーカーは数年遅れで、平坦化 CMP の技術
開発に注力しており、1996~1997 年頃から平坦化 CMP 技術の向上に関する特許出願が増加し
てきた(第 2-24 図)。
最近では、従来の CMP 装置主体の技術開発から CMP 関連資材を含めた幅広い技術開発が必
要になりつつある。今後、日本は半導体デバイスメーカー、CMP 装置メーカー、CMP 関連資材
メーカーが三位一体となって技術開発に協力し合いながら、今後需要の拡大が期待される半
導体の用途に焦点を当てた次世代平坦化 CMP 技術の開発に取り組むことが望まれる。
提言2.極薄化技術の開発において先行しているわが国は今後もその強みを生かして、大
口径ウエハの極薄化などの新規の極薄化技術に対応した研削、ダイシング、保護テープ
等に関する次世代技術の開発に積極的に取り組むことが期待される。
半導体技術の進展に伴って、IC カードやメモリカード等といった応用領域にも半導体の需
要が広がりつつある。わが国においても、最近、首都圏交通機関用の IC カードが急速に市場
を拡大し、2008 年 1 月 18 日に 3,000 万枚を突破した(関東 IC カード相互利用協議会、PASMO
協議会、東日本旅客鉄道株式会社による 2008 年 1 月 23 日付プレスリリース)。IC カード用
途の拡大とともに、ウエハやチップへの極薄化に対する要求が強まっている。日本特許の用
途別特許出願件数において、IC カードが占める割合は約 27%であるのに比べて、課題をウエ
ハの極薄化技術に限定した場合の用途別特許出願件数における IC カードの占める割合は約
50%と大幅に増加する(第 2-19 図)。
日本の半導体関連企業(半導体デバイスメーカー、加工装置メーカー、資材メーカー等)
は、ウエハの極薄化に対応した重要な要素技術として、研削技術、ダイシング技術、周辺技
術のテープ関連技術を熱心に開発してきた(第 2-20 図)。例えば、研削技術としてウエハの
最外周のエッジ部分を残し、その内周のみを研削して極薄化する背面研削(バックグライン
ディング)技術(TAIKO(株式会社ディスコの登録商標)プロセス)の開発、ダイシング技術
としてレーザーを併用したダイシング技術の開発、周辺技術のテープ関連技術として電子回
路が形成されている表面を保護するために貼付する保護テープの開発などに注力してきた。
高品位の極薄化に対応した次世代技術として、スラリーレスで砥石技術を活かした、研磨
のように完全なスクラッチフリーの高品位な加工表面を実現できる次世代研削・研磨技術、
グラインディング後ウエハ裏面からプラズマエッチングでエッチングして、チップを分割し、
ドライでダメージフリーにダイシングできる次世代ダイシング(プラズマダイシング)技術、
極薄化ウエハのハンドリングにも関係する厚さのばらつきのない超高精度テープの開発等が
期待されている。
- 45 -
また、ITRS2005 のロードマップ 2005 によると、生産性の向上に対応してウエハの大口径
化が進められており、450mm ウエハは 2013 年に実用化がはじまり、2018 年には主力サイズで
ある 300mm ウエハに匹敵する市場になると予測されている(Fig 13: Market Forecast by
Diameter of Position Paper for 450mm Development in Special White Paper Augmenting ITRS
Chapters 450 mm of ITRS Paper and Presentations(http://www.itrs.net/papers.html))。
ウエハの大口径化の進展とともに、大口径ウエハを極薄化することは今まで以上に難しくな
ってくる。今後、大口径ウエハの極薄化を実現するための技術開発がますます重要になると
予想される。
日本の半導体関連企業は極薄化技術の開発において、海外勢に比較して積極的に取り組ん
できており(第 2-18 図)、産業競争上、現在優位な位置にある。今後も日本の強みを生かし、
大口径ウエハの極薄化等に対応した次世代研削・研磨技術、次世代ダイシング技術、次世代
テープ関連技術(周辺技術)等の開発を積極的に推進することが期待される。
提言3.日本企業による半導体の機械加工技術に関する特許出願件数は米欧韓中に比べて
多いが、日本国籍出願人の海外特許出願比率は、米欧の国籍出願人は無論のこと、韓国
籍出願人よりも低い。日本企業は今後、積極的に海外出願を増やすとともに、技術に対
する目利き力を向上させて、重要な特許は海外でも成立(登録)できるように努めるこ
とが期待される。
半導体の機械加工技術に関する特許出願について、日本、米国、欧州、韓国および中国の
5 カ国・地域での出願件数収支を比較すると、日本、米国、欧州、韓国、中国の順で、出願件
数が優位にある(第 2-6 図)。
しかし、日本国籍出願人の海外(米国、欧州、韓国、中国)への出願件数と自国(日本)
への出願件数の比率(以下、この比率を「海外出願比率」という)は、6,396 件/14,966 件
と約 43%である。米国籍出願人の海外(日本、欧州、韓国、中国)への出願件数と自国(米
国)への出願件数の比率は、3,362 件/3,239 件と約 104%である。欧州国籍出願人の海外出
願比率は、842 件/646 件と約 130%である。韓国籍出願人の海外出願比率が 671 件/1,246
件と約 54%である。日本国籍出願人の海外出願比率が、米国籍および欧州国籍出願人のみで
なく、韓国籍出願人のそれよりも約 11 ポイントも低い(第 6-1 表)。
また、半導体の機械加工技術における重要な技術の1つである平坦化 CMP 技術は IBM の米
国特許(US4944836;1985 年 10 月出願)が基本特許とされているが、日本国内では IBM 特許
に先立って、富士通(特開昭 50-99685(特許 1047465)
;1973 年 12 月出願)、特開昭 57-79634
(公告なし)
;1980 年 11 月出願)および日本電気(特開昭 59-136934(特許 2135148);1983
年 1 月出願)から平坦化 CMP 技術に関する特許が出願されていた。しかし、その後両社では
平坦化 CMP の実用化が進展しておらず、これらに対応する特許は海外に出願されていない。
米国で IBM を中心に、CMP 装置メーカー、CMP スラリー・パッドなどの資材メーカーが協力し
て平坦化 CMP 技術の実用化に向けた研究開発を行い、その結果、米国で平坦化 CMP 技術の開
発に成功した。
- 46 -
●IBM (US4944836;1985 年 10 月出願)
基板上に同平坦面の金属膜/絶縁体膜を作るための CMP
●富士通(特開昭 50-99685(特許 1047465);1973 年 12 月出願、特開昭 57-79634(公告
なし);1980 年 11 月出願)
SiO2 等の絶縁膜上の多結晶シリコン層の研磨(CMP 使用)
●日本電気(特開昭 59-136934(特許 2135148);1983 年 1 月出願)
メカノケミカルポリシングによる層間絶縁膜表面の平坦化(シリカ砥粒研磨液)
(詳細は、第 2-25 図「平坦化 CMP 工程における機械加工技術に関する重要特許の変遷」を
参照)
日本企業は、半導体の機械加工技術に関する特許出願において、少なくとも韓国企業と同
等か、それ以上の海外出願比率になるように今後、積極的に海外への出願を増やすことが望
まれる。また、日本企業は今後、技術に対する目利き力を向上させ、重要な特許は国内へ出
願・登録するとともに、海外へも積極的に出願・登録することが期待される。
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