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構内車両の安全確保と今後の検討課題について

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構内車両の安全確保と今後の検討課題について
構内車両の安全確保と今後の検討課題について
平成27年5月12日
福島第一原子力発電所
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社
1.はじめに
震災後、発電所構内では多くの車両が走行しているが、その整備につ
いては現状、法令要求の点検整備はもとより日常・月例等の自主点検
を実施し故障リスクの低減に努めている。
また、汚染により発電所外へ移動することができず構内専用となった車
両については、車検整備等の法令適用外となるが、自主的に構内へ整
備士を呼んで整備を実施してきている。
H26.6からは構内に車両整備工場を設置し整備を開始するなど点検
整備環境の充実を図り故障リスクの低減を図っている。
なお、構内には原子力安全上重要な設備が点在している現状ふまえ、
車両の整備不良ならびに道路の整備不良が原因となり事故発生の可
能性がないか、現状の整理を実施した。
1
2.整理の観点
3つの観点から、現状を整理した。事故の可能性を回避するための追
加対策を検討した。
① 車両整備の実施・・・P3~P8
② 路面整備の実施・・・P9
③ 安全運転の徹底・・・P10~P11
2
3. ①車両整備の実施
~車両の種別~
現在構内で走行している車両の点検は、法令上以下に大別される。
①道路運送車両法
通称「車検整備」と呼ばれるもので、構内(私有地)専用で走行するものに
ついては適用されない。
②労働安全衛生法(クレーン等安全規則)
構内外の使用にかかわらず性能検査ならびに年次の法定点検は必須。
ホイールクレーン等の走行部がタイヤ形式で一般道を走行可能なものにつ
いては①の適用を受ける。
③労働安全衛生法(特定自主検査)
バックホー、ブルドーザー等の建設用重機で一般的に走行部がキャタピラー
式のもの。
構内外の使用にかかわらず特定自主検査という法定点検は必須。
3
3.①車両整備の実施
~法令要求~
各車両の点検・整備に係る法令要求内容は下表のとおり。
車輛区分
車輛
ナンバー
法律名
有
道路運送車両法
定期点検(1回/年)
無
なし(*)
-
有
道路運送車両法
8t以上(1回/3ヶ月)
8t未満(1回/6ヶ月)
無
なし(*)
-
艤装部
(クレーン)
安衛法(クレー
ン則等)
年次点検(1回/年)
性能検査(1回/2年)
艤装部
(バックホー,ブ
ルドーザー等)
労働安全衛生法
特定自主検査(1回/年)
有
道路運送車両法
車両部:定期点検(1回/年)
無
なし(*)
-
普通車
大型車
重機
車両部
法令要求内容
*:私有地(構内)専用車両は法律上の制約を受けないこと
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3. ①車両整備の実施
~保有台数~
通常の発電所と異なり、構内専用車両の内訳は下表のとおり。
車輛区分
車輛
普通車
大型車
重機
東電所有台数
企業所有台数
有
82
-
無:構内専用
91
450
有
78
-
無:構内専用
107
143
117
0
有
2
-
無:構内専用
27
0
自走式でない
自走式
※
ナンバー
企業所有車両の内ナンバー有については、日々構外より持ち込まれており、
整備についてはリース会社等により実施されている。
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3.1 車両整備の実施例
当社保有の普通車の整備に関しては,現状の以下の取り組みを継続
①運行前点検の確実な実施
日々の作業開始前に使用者が運行前点検を実施
②定期点検の確実な実施
定期点検・・・12ヶ月法定点検相当の整備内容
(テスターを使用した車体確認(ブレーキの利き具合等),オイル,フィル
タ交換,ブレーキ点検等)
③故障修理の実施
パンク修理,バッテリー交換,マフラー修理等
【②③については、構内整備工場にて実施】
*当社所有の大型車の整備に関しては、整備工場の受入環境が整い次第、整備を開始(H27.
9月)
企業保有の車両整備に関しては,以下のとおり
①車両整備工場での定期点検を実施
②構内駐車場にて整備士を呼んで定期点検を実施
③構内駐車場にて作業員による日常点検を実施
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3.2 重機の整備の改善内容(1/2)
重機の整備に関しては,現在実施している法定点検に加え以下の取り組み
を実施する。
当社所有重機
従来、当社(貸出側)所有重機の日常ならびに月例点検については企業
側(借手側)において実施し記録の保管を行っていたが、今年度より点検
記録の提出を義務づけ毎月貸出側で確認を行う。
企業所有重機
企業が持ち込むリース重機については、当社のパトロール等において、法
令点検の実施状況を確認する。
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3.2 重機の整備の改善内容(2/2)
道路運送車両法(通称:車検整備)に伴う点検整備
(ホイールクレーン等の走行部含む)
通常車検等の整備については私有地(構内)専用車両は法律上の制約を受けないこ
とから、昨年度までは貸し出す前に整備を実施していたが、平成27年度より自主的に
以下の整備を年1回実施し故障リスクの低減を図る。
(1)構外整備
除染を行い構外に搬出可能なものは、構外整備工場にて点検整備(車検整備
又は12ヶ月点検)を実施する。
(2)構内整備
構外に搬出できないものは、 2015年9月(予定)より構内車両整備工場にて
大型車両の受け入れ体制が整うことから、順次構内車両整備工場で年次点検整
備を実施する。
上記にて対応困難なものは、暫定処置として構内重機ヤード内に簡易ピットなら
びに洗浄設備等必要な設備を設置し、構内での点検の強化を図る。(2015年9
月末目途)
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4.②路面整備の実施
現在実施している事項としては大きく以下の2点。
a. 構内道路の整備 (下図参照)
b. 工事エリア内仮設道路の整備
a.構内道路の整備につい
ては,左図の計画に沿って
進めていく(あわせて構内パ
トロール(1回/月)を継続実
施し,損傷箇所確認の際に
は,都度,即時補修を行う)
【凡例】
既整備完了
提供:日本スペースイメージング(株)、©DigitalGlobe、2014年5月24日撮影
H27.4整備完了
H27.5以降整備予定
b.工事エリア内仮設道路の
整備については,車両の出
入りの多いタンクエリア等を
重点的に補修を行う
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5.③安全運転の徹底(1/2)
現在実施している事項としては大きく以下の3点。
a. 構内制限速度の明確化
b. 構内パトロールの実施
c. 指導強化
a.構内制限速度について
は,主要幹線道路は原則4
0km/h以下とし,工事エリ
ア近傍や坂道道路は20km
/h以下とする
工事エリア内については,原
則徐行とする
*道路整備の進捗により,制限速度は
適宜見直す。
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5.③安全運転の徹底(2/2)
a.構内パトロール等にて,車両の運転状況(速度遵守状況など)を確認
していく
b.車両事故等を発生させた場合,原因と対策を報告して頂くなど,指
導を強化し運転マナー向上をはかる
(具体的取組み)
・ペナルティの導入「危険運転者に対し,始末書の提出,悪質な場合には構内
での車両運転禁止(原則1ヶ月)」
(2015.2より開始)
・構内車両所有箇所の明確化
危険運転抑止のため,車両の所有者が一目で識別可能なよう社名入りス
テッカー等を貼付
(現在、当社ステッカー手配中。手配完了次第、取引先へ水平展開予定)
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6.今後の検討課題
ハード面では、「車両」「路面」の観点で、これまでも整備を実施しており、
今後も継続して整備していく。ソフト面では「安全運転」を徹底するよう、
対策を実施し始めており、適宜改善しながら、取り組みを継続していく。
また、現状法令の適用を受けない構内専用車両についても点検整備
内容を充実させ故障リスクの低減を図る。
大型車を含む点検予定車両の着実な整備の実施
作業員による点検しか実施していない車両の整備
十分な点検整備が出来ていない重機の整備
付随する下記課題も検討していくこととする。
(重機)構内で点検整備をしてもらえる整備士(走行部点検)の確保
(車両)作業員による日常点検の車両について整備工場の利用促進策
の検討
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参考資料 車両の点検実績(1)
構内専用車両点検実績(主に移動用車両)
会社
車両
全台数
点検済台数
点検予定台数
点検内容
普通車
91
91
0
大型車
107
0
107
87
53
59
1
構内駐車場にて整備士を呼び点検整備 1回/年
13
9
構外へ搬出し車両整備工場にて点検整備 1回/年
68
0
構内駐車場にて整備士による月例点検
* 160
0
構内駐車場にて自社作業員にて日常点検、一部車両は加えて月例点検
18
0
構内駐車場にて整備士を呼び点検整備 1回/年
3
0
構外へ搬出し車両整備工場にて点検整備 1回/年
17
0
構内駐車場にて整備士による月例点検
* 55
0
構内駐車場にて自社作業員にて日常点検、一部車両は加えて月例点検
当社委託先にて一括管理しており構内整備工場にて点検整備 1回/年
当社
普通車
450
企業
大型車
合計
構内整備工場の受入れ態勢が整い次第(今年9月予定)、同工場にて点検整備
当社委託先にて一括管理しており構内整備工場にて点検整備 1回/年
143
791
*作業員による点検しか実施していない車両(普通車:160台 大型車:55台)について、各企業へ整備士による点検依頼
を行う予定
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参考資料 車両の点検実績(2)
構内専用車両点検実績(主に建設用車両)
会社
重機
種別
クレーン
全
台
数
16
点検済
台数
15
点検予
定台数
1
点検内容
年次点検:構内に整備士を呼び重機ヤードや各現場にて法定に基づく点検
整備を実施 1回/年
性能検査:構内に検査官を呼び重機ヤードや各現場にて検査 1回/2年
自走式で
ない
バックホー,ブ
ルドーザー等
101
98
3
構内に整備士を呼び重機ヤードや各現場にて法定に基づく点検整備を実施
1回/年
26
1
構内に整備士を呼び重機ヤードや各現場にて法定に基づく点検整備を実施
1回/年
0
* 27
艤装部の点検時に点検(目視点検・動作確認等)を実施するが構外整備工
場で実施するような十分な点検整備が出来ていない状況
当社
艤装部
自走式
27
車両部
*十分な点検整備が出来ていない重機(27台)の車両部についても、構内に簡易ピット(H27.9末)を設置し自主的に点検
を行う予定
14
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