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第20号(PDF:2231KB)
∼食の安全・安心情報誌∼
ドコミュニティー
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フ
い し か わ
第20号
2015年3月発行
食物アレルギーについて
保育所におけるアレルギー対応ガイドラインによれば、保育園児の5%が食物アレルギーを発症しています。食物アレ
ルギーの10%程度が重篤なアナフィラキシーショックを引き起こす危険性があり、食品に表示されるアレルギー物質の情
報は、アレルギー患者にとって重要な情報源となっています。
食物アレルギーに関する知識を持つとともに、食品のアレルギー表示について理解を深め、食物アレルギーによる被
害の発生を防ぎましょう。
※アナフィラキシーショック:アレルギー反応により、皮膚症状や呼吸器症状などが複数同時に出現した状態をアナフィラキシーといい、
血圧が下がる、意識を失うような場合をアナフィラキシーショックと呼び、直ちに対応しないと生命に関わる重篤な状態をいいます。
食物アレルギーの有病率(年齢別)
10%
6%
食物アレルギーの有病率の比較
8%
4%
6%
4%
2%
2%
0%
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
0%
保育園児
(保育所におけるアレルギー対応ガイドライン)
アレルギーの原因食物
大豆
0.9%
バナナ
0.8%
(H23−24 消費者庁調査)
かに
0.6% カシューナッツ
0.6%
やまいも
0.8%
その他
7.5%
くるみ
1.4%
キウイ
フルーツ
1.4%
そば
2.2%
えび
2.7%
いくら
3.5%
鶏卵
39.0%
落花生
5.1%
小麦
11.7%
牛乳
21.8%
小学生
食物アレルギーの基礎
食物アレルギーと原因となる食べ物
食物アレルギーとは、食べ物に含まれるタンパク質などを身体が異物と思い、自分の体を守るために攻撃す
ることで、過敏な反応により体に良くない症状を引き起こしてしまうものです。
原因となる食べ物は、食物アレルギーを持つ園児で、鶏卵が 50%を占め、続いて牛乳 20%、小麦7%、大豆
およびナッツ類5%の順となっていました。
また、学童から成人へと、年齢が高くなるとえび、かに、果物類、魚類、
そばが増えてきます。
食物アレルギーの主な症状
主な症状は、皮膚(89%):かゆみやじんましん、むくみや赤くなる、湿疹など。他に
も、呼吸器の症状(27%):くしゃみ、鼻づまり、ゼーゼーするなどや、目の充血や唇・
口の中の違和感やはれ、腹痛やおう吐、下痢など様々な症状が現れます。
症状の現れ方は様々で、ほとんどの人は食べて数分から 2 時間くらいで症状が現
れます。
食物アレルギーは治らない?
食物アレルギーを持つ人は、乳児で約10%、3歳児で5%、学童以降は 1.3 ∼
2.6%で、全年齢を通して、1∼2%程度と考えられており、乳幼児期に発症した鶏
卵、牛乳、小麦による食物アレルギーは 3 歳までに半数が、6歳までに8∼9割が
治癒します。
一方で、そば、えび、かに、落花生などによるアレルギー症状や、年齢が大きくな
り発症した場合には、軽快する可能性は低くなっています。
食物アレルギーの表示
食品表示法の施行
平成 27 年 4 月 1 日の食品表示法の施行に伴い、これまで JAS 法、食品衛生法、健康増進法の 3 法により
規定されていた食品表示に関するルールが改正され、食物アレルギーに関する食品表示が変わりました。
ただし、生鮮食品で 1 年 6 ヵ月、加工食品、添加物で 5 年の猶予期間が設けられていることから、その期間
は旧制度に基づく食品表示も認められています。
< アレルギー表示に関する変更点 >
① すべてのアレルギー物質が個別に表記されます
② 同じアレルギー物質が複数の原材料に含まれている場合は、使用された
すべてのアレルギー物質が一括表示されます
③ 一般的にアレルギー物質を含むことが予測できる食品(特定加工食品)等にも
アレルギー物質が表記されます
(例)従来のお好み焼きの原材料表示
・ 従 来 : 小麦粉、
キャベツ、
たまご、
エビ、
マヨネーズ、天かす
① 個別表記 : 小麦粉、
キャベツ、
たまご、
エビ、
マヨネーズ ( 卵を含む )、天かす ( 小麦・卵を含む )
② 一括表示 : 小麦粉、
キャベツ、
たまご、
エビ、
マヨネーズ、天かす、( 一部に小麦・卵・えびを含む )
③ マヨネーズは卵の特定加工食品であることから、従来はアレルギー表示が省略できましたが、
新基準 ( 個別表記 ) ではアレルギー物質の表示が必要となります。
食品に表示されるアレルギー物質
アレルギー表示の対象品目は 27 品目あり、中でも特に症状が重篤な、又は症例数が多い
7品目は特定原材料として、必ず表示することが義務づけられています。残りの 20 品目は、
重篤な例が少ないか、又は症例数が比較的少なく、特定原材料に準ずるものとして、表示す
ることが推奨されています。
実際の表示では、表記方法や言葉が違ってもアレルギー物質を含む食品と同一であ
ることが理解できる表記(代替表記)として別の名称で表示されているアレルギー物質
もあります。
区 分
卵
たまご、鶏卵、あひる卵、うずら卵、タマゴ、玉子、エッグ
乳
生乳、牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、
加工乳、クリーム(乳製品)、バター、バターオイル、チーズ、
濃縮ホエイ(乳製品)、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、
無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、
クリームパウダー(乳製品)、ホエイパウダー(乳製品)、
タンパク質濃縮ホエイパウダー(乳製品)、バターミルクパウダー、
加糖粉乳、調整粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料
小麦
こむぎ、コムギ
特定原材料
落花生
えび
そば
かに
いくら
キウイフルーツ
くるみ
大豆
バナナ
やまいも
カシューナッツ
もも
特定原材料に
準ずるもの
代替表記
アレルギー物質名
ごま
さば
さけ
いか
鶏肉
りんご
まつたけ
あわび
オレンジ
牛肉
ゼラチン
豚肉
ピーナッツ
海老、エビ
ソバ
蟹、カニ
イクラ、すじこ、スジコ
キウイ
クルミ
だいず、ダイズ
ばなな
山芋、ヤマイモ、山いも
桃、モモ、ピーチ
胡麻、ゴマ
、サバ
鮭、サケ、サーモン、しゃけ、シャケ
イカ
とりにく、とり肉、鳥肉、鶏、鳥、とり、チキン
リンゴ、アップル
松茸、マツタケ
アワビ
牛、ぎゅうにく、牛にく、ぎゅう肉、ビーフ
ぶたにく、豚にく、ぶた肉、豚、ポーク
食品表示を見るときの注意
●特定原材料に準ずるものは、表示が義務付けられていないため、表示されていない場合もあります。
●原材料表示欄の外に注意喚起として記載されている食品もあります。
(例)
「本製品の製造ラインでは、小麦を使用した製品も製造しています」
など。
食品のアレルギー物質の監視指導・検査
県では、県内で製造された加工食品中のアレルギー物質の検査を行い、加工食品のアレルギー物質が正しく表示されて
いるかを確認しています。
平成 26 年度は加工食品(そうざい、菓子等)30 品について、延べ 140 項目(えび、かに、卵、乳、小麦、そば、落花生)
の検査を実施しました。平成 27 年度も同程度の検査を予定しています。
○食品工場への立入調査
食品製造所へ立入
①アレルギー物質を含む食材の使用状況を調査
②製造品の表示を確認
○食品検査
食品からタンパク質を抽出
アレルギー物質由来タンパク質の検出
基準値に照らし合わせて、
陽性/陰性の
判定
アレルギー物質の検出
(県の検査機関:保健環境センター)
食品製造所へ結果に基づき表示指導
食物アレルギーの対策
医療機関に相談
食物アレルギーの症状は様々ですが、その症状の原因のすべてが食物アレルギーとは限りません。原因とな
る食物を除去する場合は、特に小さなお子さんの場合、栄養のバランスを考えなければなりませんので、自己判
断せず、必ず医師や栄養士に相談しましょう。
また、年齢とともに、食べられるようになる場合もありますので、時期がきたら除去を解除
することが大切です。乳幼児の場合は 1 年に 1 度、成人の場合は必要に応じて、定期的に医
師に相談し、原因の食物が食べられるようになっているか確認しましょう。
事業者等への問い合わせ
食品の表示欄にすべての情報が記載されているわけではありません。加工食品の原材料などについて情報
が必要な場合や疑問がある場合は、製造した事業者やお客様相談室等に問い合わせるなど、自己防衛を図る
ことも重要です。
出典:保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03.pdf)
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック(http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin560_1.pdf)
新しい食品表示制度(http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150331_reaf-newhyouji.pdf)
食品表示全般に関する問い合わせ(食品表示 110 番)
県では、広く県民から食品表示に関する各種情報を受け付ける窓口として
「食品表示110番」
を設置し、食品
表示に対する不安の解消及び食品表示の適正化に努めています。
<受付窓口(県内 11 カ所)>
地域担当窓口
総合窓口
健康福祉部食品安全対策室
消費生活支援センター
南加賀保健福祉センター食品保健課
石川中央保健福祉センター食品保健課
能登中部保健福祉センター食品保健課
能登北部保健福祉センター食品保健課
076-267-6110
0761-22-0794
076-275-2253
0767-53-2482
0768-22-2011
076-225-1445
南加賀農林総合事務所企画調整室
石川農林総合事務所企画調整室
県央農林総合事務所企画調整室
中能登農林総合事務所企画調整室
奥能登農林総合事務所企画調整室
石川県 健康福祉部 食品安全対策室
0761-23-1707
076-276-0528
076-204-2100
0767-52-2583
0768-26-2320
〒920-8580 石川県金沢市鞍月 1 丁目 1 番地 電話 076-225-1445
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