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関係機関との連携リポート -NO.1
2014年(平成26年)1月 1 関係機関との連携リポート January -NO.1 関係機関と法テラスのいまが見える、現場の最前線など連携に関する情報をリポートします。 「レラピリカ」プロジェクト開始へ、第一関門を越えた! 何気ない日常生活を普通に送れない子どもたちがいます。 シ ェ ルタ- 「今晩帰ってご飯を食べ、眠る場所がない」という子どもたちの緊急避難場所、 それがレラピリカです。 児童福祉法と児童虐待防止法によって児童相談所の保護が受 けられるのは、18歳未満に限られ、18歳を過ぎると対象外とな ります。たとえ家庭で養育放棄や虐待を受けて逃げ出してきても、 公的に保護される仕組みがありません。 こうした公的制度の枠から漏れた10代後半の子を保護しようと 「子どもシェルター」の開設が各地で広がっています。 昨年12月 道内では初で全国でも9番目に、 札幌弁護士会の子どもの権利 委員会で活動する弁護士や福祉関係者らでつくる特定非営利活 動法人子どもシェルター「レラピリカ」が「安心して生活できる環境 を提供したい」と開設されました。 子どもシェルターでは一時的に衣食住を提供します。子ども一人 ひとりに「子ども担当弁護士」がつき、親への対応や就職など自 立を支援します。シェルターを卒業した後も悩み事などをサポート していきます。 ● レラピリカとは ● アイヌ語で「美しい風」という意味で す。 居場所のない子どもたちが、子ども シェルターで生活する間に少しでも 生きる力を蓄え、子どもシェルターを 巣立って行った後は広い北の大地を 風のように自由に駆け抜けて欲しい、 そのような願いが込められています。 Page1 これまでの歩み 平成24年5月 平成24年7月 平成24年9月 平成24年10月 平成24年10月 平成25年2月 平成25年3月 平成25年3月 平成25年7月 平成25年12月 札幌弁護士会主催のシンポジウム「つくろう!子どもシェルター」開催 第1回札幌子どもシェルター設立準備会を開催 NPO法人の名称が“レラピリカ”に決定 第2回札幌子どもシェルター設立準備会を開催 特定非営利活動法人子どもシェルターレラピリカ設立総会を開催 特定非営利活動法人子どもシェルターレラピリカ設立登記 シンポジウム「もうすぐ誕生!子どもシェルタ~居場所のない子どもたちのため~」開催 京都の子どもシェルター「ののさん」スタッフ・ボランティア研修見学 レラピリカのボランティア研修実施 シェルター開所 子どもシェルターだからこそ、救われる ~18歳以上の未成年が親から逃げて居場所を隠すにはシェルターしかない!~ シェルターを運営する 理事長 内田 信也 弁護士に、子どもシェルター開所に あたっての抱負を語っていただきました。 プロフィール 内田信也弁護士 お待たせしました!「子どもシェルターレラピリカ」の誕生です 子どもたちに春風を! (札幌弁護士会所属) 1986年弁護士登録。家族(夫 婦・親子・親族)の紛争および 子どもの権利に関わる事件を 中心に活動。少年非行の問題 にも積極的に取組んでいる。子 どもの権利委員会委員(現職) ようやく、昨年12月24日に「子どもシェルターレラピリカ」が誕生しました。 全国で9番目になりますが、先輩シェルターに学びながら手探りの1年半・・・正直言って「難産」でした。しかし、「今晩 帰ってご飯を食べ、眠る場所がない」という子どもたちに安心できる場所を提供したい。子どもたちに寄り添いながら自 立へのお手伝いをしたい・・・という「レラピリカ」の心に多くの人と企業が賛同してくださいました。そして、多額の寄附と ともに、物心両面のご支援、ご協力を沢山いただき、全国で初めて「新築にして自前」の施設を作ることができました。 心より感謝申し上げます。 早速、2名の子どもたちが「レラピリカ」に入所して新年を迎え、彼女たちにも春が訪れようとしています。「レラピリカ」(美 しい風)は、「春風」に限りますね。子どもは、私たちの希望であり、未来と世界へ羽ばたく可能性に満ちた、かけがえの ない存在です。子どもが健やかに伸び伸びと成長できる社会は、大人にとっても安心して生きていける社会に違いあり ません。子どもが辛い思いをする社会は、大人にとっても辛い社会なのです。そう考えると、子どもシェルターの開設は、 私たち大人に課せられた使命といってよいでしょう。 生まれたばかりの「レラピリカ」は、財政面が脆弱で「課題山積、前途多難」ですが、「小さく産んで、大きく育てる」の極 意どおり、「慌てず、焦らず、しかし確実に」、スタッフ一同、全力を尽くします。 今後ともご指導、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。 Page2 公費はあるが、維持していくのが課題 子どもたちの生活費やスタッフの人件費など、子どもシェルターの運営には、 行政から支給される公費と有志の方々からの寄附で賄われているというこ とでした。公費だけでは決して十分でないため、レラピリカでは、活動理念に 賛同していただける方の寄附を必要としています。 子どもたちが少しずつ、少しずつ前に進むためには、大人が責任を持って、 苦しむ子どもたちの居場所を作ってあげないといけません。 このプロジェクトはまだ緒についたばかりですが、子どもたちが未来に夢や 希望を持って新しい明日を歩んでいけるよう、法テラスからも、「子どもたち の笑顔と明るい未来」のための皆様の温かいご支援をお願いします。 ご寄附の振込先 北洋銀行 札幌西支店 普)5170871 2階には子どもの個室6部 屋とトイレがあります。 特定非営利活動法人 子どもシェルターレラピリカ 理事長 内田信也 ※詳細パンフレットはこちらからご覧になれます。 ※子どもシェルターの利用方法などについてのお問い合わせは、 直接「レラピリカ」事務局(011-272-3125)まで電話してください。 進む、弁護士と法テラスとの連携 原則20歳未満の女子を対象としたシェルターで、定員 は6名です 2012年度、法テラス札幌管轄における情報提供の取扱いで犯罪被害に関するものは981件(札幌地方事務所扱い 460件、法テラスサポートダイヤル扱い521件)、その内、未成年者が同居人から直接的な被害を受けているケース は24件(主に性犯罪、児童虐待、DV家庭での子への暴力)ありました。法テラスには犯罪被害に精通している窓口 対応専門職員がおり、こうした被害から逃れて子どもが自立したいと願う思いに寄り添い、必要としている支援につ いての情報提供を行います。法的に支援活動を行う弁護士への橋渡しを行うケースも増えています。 支援を必要とする子どもを発見した関係機関、法テラスと子ども問題に関わる弁護士間との「情報連携」がその後の 対応を決める重要な要素の一つとなります。レラピリカを運営する弁護士との連携構築の素地は固まりつつあります が、未成年被害者本人からSOSが発せられるケースはまだ少ないため、もっと子どもたちにシェルター の存在を知らせること、自分からメッセージを送らない子どもたちへの働きかけなど、長期的 な視野を持って臨んでいく必要がありそうです。 Page3 法テラスが行う日弁連委託援助について シェルターではこころと体をゆっくり休めて、自立に向けて羽ばたくための力を蓄えます。 子ども一人ずつにつく「子ども担当弁護士」が、退所後の生活、退所先を、弁護士会、医療機 関、学校、自立援助ホーム、その他関係機関と連携し、子どもを中心にしてその子どもに必要 な支援を行います。活動費用については、日本弁護士連合会による法テラスへの委託援助 事業を利用します。 ※この制度は原則的に被援助者が無償で利用できますが、申込後に親族の援助を受けられ る状態になったなどの事情が生じたときに、例外的に費用の負担を求められることがあり ます。 援助の対象となる活動 子 ・ 児童相談所や児童養護施設等の施設との交渉の代理 ど ・ シェルターへの入所の援助、シェルターから自立的生活への移行への援助 も ・ 虐待等を行う親との交渉に関する代理、親との関係調整活動 ・ 児童虐待事件に関する刑事告訴手続の代理、刑事手続で証人として出廷する子どもの援助 に ・ 虐待する養親との離縁や扶養を求める調停や審判などの訴訟代理 ・ 以上に係わる法律相談 利用条件 以下3つの要件を満たすことが必要です。 法 対 律 す 援 る 助 ① 対象者に該当すること・・・・・人権救済を必要としている子ども ※「子ども」とは、20歳未満をいいます。 ② ※資力が一定額以下であること・・・・・子ども自身について判断します。 ③ 弁護士に依頼する必要性・相当性があること ※資力要件について 以下の1及び2の基準を満たすことが必要です。ただし、やむを得ない事情により生計が困難と認められ る場合は援助を開始することがあります。 Page4 1.収入等 収入等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 申込者及び配偶者(生計を共にする配偶者をいう。以下同じ。)の合計した手取り月収額(賞与を含 めた年間手取額の12分の1)の基準は次のとおりです。 ○ 単身者 201,000円以下 ○ 2人家族 276,000円以下 ○ 3人家族 299,000円以下 ○ 4人家族 329,000円以下 ○以下、家族が1名増える毎に基準額に33,000円を加算します。 家賃・住宅ローンを負担している場合の加算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 申込者又はその配偶者が、家賃、住宅ローン、医療費又は教育費を負担している場合には、その負担 額を上記基準額に加算します。 2.資産 申込者又はその配偶者が、当該事件にかかる保険金、生活のために必要な住宅及び農地以外の不動産 その他300万円以上の資産を有しない者であること。 関係機関との連携に向けて 法テラスではさまざまな関係機関と連携し地域の子どもたちの支援の実現に向けて、必要とする支援への橋渡し を行っていきます。具体的な解決方法が思いつかない場合もぜひお問い合わせください。情報提供業務は平日午 前9時から午後4時まで行っております。 今後も、法テラス札幌では、関係機関と連携、協力し、様々な角度からいろいろな活動や取り組みを紹介していき たいと思っています。「連携リポート」を通じた貴所の取組の発信にご関心のある各自治体、関係機関・団体のご担 当者の方は、連携担当(総務課直通 050・3383・5555)までお気軽にご相談ください。 ( 平成26年1月31日 記 ) Page5