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生命保険協会提出資料(PDF:161KB)

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生命保険協会提出資料(PDF:161KB)
[0]
資料6
銀行による保険募集(銀行窓販)に係る弊害防止措置について
銀行による保険募集(銀行窓販)に係る弊害防止措置について
平成23年5月27日
生 命 保 険 協 会
1.はじめに (これまでの経緯)
[1]
○ 銀行窓販の重要なポイント
- 生命保険契約には、再加入困難性や長期性という特徴がある。
- そのため、利用者に、契約内容を正しく理解され、自由な意思で選択される必要がある。
- 圧力販売などが行われると、これが損なわれ、事後救済が困難な潜在的被害が生じることが
懸念される。
○ こうしたポイントを踏まえ、これまで、慎重に検討・措置が進められてきた。
- 平成9年、保険審議会答申 「利用者利便の向上等のメリットと弊害を比較考量」
- 平成12年、保険業法275条 「保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合」
- 平成16年、金融審議会報告 「圧力販売につながるような融資先に対する保険販売を禁止」
○ 全面解禁後、現下の課題は「利用者保護の確実な履行」である。
- 利用者が能動的に選択できない状態は、利用者保護に欠けている。
2.生命保険協会に寄せられた苦情・紛争の状況
[2]
○ 銀行窓販に関する苦情・紛争は、近年増加傾向にある。
(紛争件数は全体の20%超を占める。)
○ 内容は、「説明不十分」として顕在化しているものが多い。
苦情の状況
250
200
150
100
50
0
紛争の状況
211
197
(全体に占める割合)
2.8%
58
35
0.4%
平成18年度
159
3.0%
2.2%
0.6%
平成19年度
平成20年度
平成21年度
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
平成22年度
- 苦情内容別の割合(平成22年度)
不適切な募集行為
4%
加入意思 不適切
その他
確認不十分 な話法
7%
13%
13%
説明不十分
63%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
<生命保険相談所>
36
40
(全体に占める割合)
30
20
10
0
3
27
23.9%
30.0%
21.7%
4.1%
0
0
平成18年度
平成19年度
0.0%
0.0%
20.0%
10.0%
0.0%
平成20年度
平成21年度
平成22年度
【事例①】
○ 定期預金の満期時に銀行員が訪問してきて、変額年金保険を勧めら
れた。リスクがあるものは嫌だと断ったが諦めてくれず、やむを得ず
加入した。
【事例②】
○ 定期預金の利息が安いからと変額個人年金を勧められた。銀行に全
幅の信頼を寄せていたため、何の疑問も感じずに申し込んだが、3%
での運用、受取総額100%保証等のメリットのみ説明され、リスク等
の重要事項の説明がなかった。
<裁定審査会>
参考
○国民生活センターからの、弊害防止措置の不徹底、形式的な署名・捺印の問題等に関する指摘
- 平成17年7月、「高齢者に多い個人年金保険の銀行窓口販売に関するトラブル」
- 平成21年7月、「個人年金保険の銀行窓口販売に関するトラブル-高齢者を中心に相談が倍増-」
3.非公開情報の取扱いに関する利用者の声
[3]
○ 銀行による非公開情報の利用を望まない利用者が多い。
○ 情報利用に関する「同意」の実効性が不十分である。
-
- 88.7%の方が「銀行口座番号、クレジットカード
88.7%の方が「銀行口座番号、クレジットカード - 実際に保険加入した方の2人に1人が非公開
金融情報の利用に関する同意の自覚がない
番号、取引履歴」を、
番号、取引履歴」を、 74.2%の方が「年間収入、
74.2%の方が「年間収入、
「銀行による同意取得」
財産状態、納税額など」を他人に知られたくない
財産状態、納税額など」を他人に知られたくない
50%
41.1%
と回答
34.6%
と回答
40%
<平成18年9月、内閣官房「個人情報保護に関する世論調査」>
<平成18年9月、内閣官房「個人情報保護に関する世論調査」>
-
- 2人に1人が預金残高や給与の情報を銀行
2人に1人が預金残高や給与の情報を銀行
による保険募集に「利用されたくない」
による保険募集に「利用されたくない」 と回答
と回答
「銀行による情報利用」
0.6%
そ の他
覚 え て いな い
30.2%
同意をして
いな い
どちらとも
言えない
50.8%
口 頭 に て同 意
を した
19.0%
10.6%
10%
0%
利用され
たくない
16.6%
20%
書 面 に署 名 を
し て同 意 し た
利用して
もらいた
い
30%
<平成22年8月、民間調査会社(株式会社ゲイン)「銀行等の保険販売に関する調査」>
<平成22年8月、民間調査会社(株式会社ゲイン)「銀行等の保険販売に関する調査」>
参考
○国民生活センター、平成21年7月、「個人年金保険の銀行窓口販売に関するトラブル ‐高齢者を
中心に相談が倍増‐」
「よくわからないまま記入した」「販売員に指示されるまま署名捺印した」など、消費者に書面の内容を理解さ
せずに、形式的に記入・署名捺印を求めている
4.借入先銀行からの保険加入に関する利用者の声
[4]
○ 銀行の影響力は、借り手企業・従業員の意思決定・行動に作用している。
(取引関係への影響を懸念して、不満は潜在化する傾向。)
○ 特に中小企業は、従業員も一体として保護する必要性が高い。
-金融商品・サービスの購入要請に応じた融資先の約5割が
-金融商品・サービスの購入要請に応じた融資先の約5割が
意思に反して購入
意思に反して購入
「借入先銀行からの保険加入」
断りづらく
なかった
21.7%
<平成18年6月、公正取引委員会「金融機関と企業との取引慣行に関する調査報告書」>
<平成18年6月、公正取引委員会「金融機関と企業との取引慣行に関する調査報告書」>
-実際に保険加入した方の2人に1人が借入先の
-実際に保険加入した方の2人に1人が借入先の
銀行からの保険募集が「断りづらかった」と回答
銀行からの保険募集が「断りづらかった」と回答 (右グラフ参照)
(右グラフ参照)
どちらとも
言えない
29.9%
<平成22年8月、民間調査会社(株式会社ゲイン)「銀行等の保険販売に関する調査
<平成22年8月、民間調査会社(株式会社ゲイン)「銀行等の保険販売に関する調査 」>
」>
中小企業の特徴
-中小企業の銀行への借入依存度は高い。
-役員も従業員も取引関係を慮って保険に加入している。
断りづら
かった
48.4%
「資本金別の借入依存度」
資本金
依存度
1千万円
未満
54.4%
1~5千万円 5千万~1億円 1億円以上
未満
49.6%
未満
31.0%
23.8%
<平成22年9月、財務省「平成21年度法人企業統計調査」>
-- 借入先の銀行から保険加入した中小企業の役員・従業員の意見
借入先の銀行から保険加入した中小企業の役員・従業員の意見
「勤務先が融資を受けているので、付き合い上断りにくい」
「勤務先が融資を受けているので、付き合い上断りにくい」 「借り入れがあるので今後の融資に影響があり
「借り入れがあるので今後の融資に影響があり
そうな気がした」
そうな気がした」 「借入金等の関係で支店長からお願いがあった為」
「借入金等の関係で支店長からお願いがあった為」
<平成22年8月、民間調査会社(株式会社ゲイン)「銀行等の保険販売に関する調査
<平成22年8月、民間調査会社(株式会社ゲイン)「銀行等の保険販売に関する調査 」>
」>
5.まとめ
[5]
○ 生命保険契約の特徴(再加入困難性、長期性)と、銀行の特徴(融資
先への影響力)を踏まえ、融資先販売規制、非公開情報保護措置など
の弊害防止措置が整備されている。
○ 生命保険協会における苦情受付・紛争解決の状況、国民生活センター
からの改善要望や、利用者の調査結果などを踏まえると、保険契約者
等の保護の観点から設けられた弊害防止措置の重要性は現環境下に
おいても変わりがなく、履行の確保と実効性の向上に向けた検討が必
要である。
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