...

Title 第9回国際堆積学会議(ニース) - Kyoto University Research

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

Title 第9回国際堆積学会議(ニース) - Kyoto University Research
Title
Author(s)
Citation
Issue Date
第9回国際堆積学会議(ニース)報告
岡田, 博有; 飯島, 東; 西島, 進; 西脇, 二一; 志岐, 常正
堆積学研究会報 (1975), 10: 1-4
1975-11-30
URL
http://hdl.handle.net/2433/88075
Right
© 1975 堆積学研究会
Type
Article
Textversion
publisher
Kyoto University
堆積学研究会報
X
1975.11.30
自 次
時田博有・ 3
立
島
東・西島
西脇二一@支般常正
進
@炭酸塩コンクリーションの成因 Kついて一一炭素伺位体組成を中心として……平林
憲次
@第 9四国!祭堆積学会議(ニース)
@泥質岩の鉱物組成の解析
・
.
.
.
・ ・-……………・・…....・ ・...………………・……一鹿野和彦
H
H
@堆積学研究会第 3
・堆積学研究会第 4回例会記事
@論文紹介
・Ohemical Geology • MarineGeology
-y • SedimentaryPetrology
• SedimentaryGeolog
• Sedimentology
@ニュース
・生命の起原台よび進化学会第 2回学会大会
・続成作用 Kなける有機物の変化 K関するシンポジワム
.第 5回有機地球化学談話会
• 1976年度ゼオテイト国際会議
• OPNS間際会議
第 9回国際堆積学会議(ユース)報告
岡田博有(時把島大学教養部)
飯島
西島
進(石油開発公団)
西脇ニー(京都大学理学部)
志岐
常正(京都大学理学部)
東(東京大学理学部)
去る 7月の初めフランスのニースで第 9回国際
堆積学会議は後で述べるよう K大変盛会であっ
堆積学会議が開催された臼日本から私たち 5名が
たが,会議準備段階の論文提出時期 Kフランス盟
出席の機会 K恵まれたので,とと K会議の模様を
内では長期郵便ストが重在ったため,会議組織関
簡単 K報告する次第である。
係者の心労のほどは大変在ものであったと忠われ
るo
1.会期と会議組織
1975年 7月 6日より 7月 12E3まで本会議が持
之会場
本会議はニースの中心 K偉容を誇る市営ヵジノ
たれ,その前後プランス内外で約 22方面の野外巡
検が組織された。
AS)とフラン
この会議は国際堆積学協会( I
“Palais de l
aM~diterranée 柿で全日程が行
左われた。
ζ
の建物は, よくぞ名ずけられた地中
ス堆積学協会が共催し,大会の組織委員長はニー
海の“紺碧海岸凶( cote d
'
a
z
u
r )V
L臨 し , 時
.Ph.Manginが務めた。また会
ス大学の Prof.J
はまさ K ビキニの美女たち K埋めつくされた円磯
議のための全業務は旅行社“ Kuoni 泊 が 代 行 し
ピーチを見下す最高の位震を占めている。
た.
ロマネスク風の重厚左上記建物は 3階建で,階
-1-
下はカジノ K使われてなり,
2-3階の 3室が会
の数字は講演日程と会場を,
議 K用いられた。ただ,会議向きの部屋は 400
人
を示す。
位収容できる小講堂のみで,他の 2室は折り畳み
1
.
[
1はコンピーナ
Sedimentological factors [Dr.P.
F .Bur
oI1
et]
椅子左どを寄せ集めた急どしらえの会場であった。
49編
ζ のため音響効果,照明,座席の座り心地左ど必
Ja. Oold climates (7A )
ずしも良好とはいえ左かった。
1b. 0ar
b0nat
es 0f p1atf
0rm s
. pa1
e0
-
不興を買っていたようである。ただ,どの会場で
C
Ii
mat
e
s & pa1
eo1
ati
t
udes
lc. Oratonic paleogeography
も英一仏語相互の同時通訳がサービスされていた。
ld. Geochemistry
しかし,大会受付、けのサービス係はフランス語し
1e. Arid &humid c
Iimates winds
各会場はスライド映写関係の設備がまた悪く,
(7A )
(7A)
(7A)
(8A)
か話さ左い人が多かった。また,各会場場内の模
様はテレビ中継されて受付ロピ ¥
i
C送られていた。
lf. Indicators for paleoclimates&
ζ のほか,ロピ ¥
i
Cはヨーロッパの出版社数社
が会期中出版物の展示をして,出席者の関心を集
orogenic phases
2
. Geochemical Aspects of σorrtinen-
.
fi
s &
t
a
l sedimentation [Prof.Gof
めていた。
a宿
Prof
.G.Friedman]
~
Eコ
ζ ろ¥
i
C
.約
32編
2a. Euxinic Environments 一一一一
出席者の街舎はすべて会場から徒歩 20 分以内
のと
(8A)
29ホテノレが確保されていた。
の地は一流の国際的リゾートで,
a
c
tu
a1 mode1
s (8B )
2b. Trace elements
ζ
しかもシーズン
2c. Red beds
中とあって並みのホテル(級別星印の数は 23
)
2d. Geochemistry i
n cootioental basins
でもか左り高値だったのは仕方の左い ζ とであろ
うo 2っ星クラスでパス・トイレ付,
(8B)
(1OA)
朝食付で
(10A)
2e. Hard grouods. pedogenesis(1
1B )
6.000円前後であった。ただ,相部屋 Kすると 3
2f. Actual Lacustrine sedimeots(110)
つ星クラスでも税込約 4,
600円と,かなり安〈上
2g. Ooocretions & organic structures
がる。な孝子,ホテルは,海岸通 9¥
i
C沿って高級ホ
(12B)
テルが並び,山の手 K行くほど安〈在る。
2h. Therm01
umi
nesce0ce
3
.
4 会 議
nics and methods [Dr.R.Bonnefille
会議出席者は事務局の推定 Kよれば総勢 900名
Kも及び,発表された論文総数は約 370編 Kも達
&
Prof.
D
.F
.Merri
am]
宇
a1 t
e
chnics
本会議は先ず 7月 6B
夜,開会式を以て幕を挙
20編
3a. Mathemat
i
cs and sedi
me0t
o1
0gi
c
した。
げた。
(11
B)
Progress i
n sedimeotological tech-
(70)
4
. Tectooics aod sedimentation [Prof.
ζ の式では国際堆積学協会会長ギュブラー
M.Lem0i
0e & R .
H .D0t
t
,Jr]
49編
女史と大会組織委員長マンジャン教授,ニース市
長を中心vc,フランス堆積学界の長老である
A.
Vatan と A.Lombard の両教授をな迎えして
盛大 K挙行された.しかし記念学術講演のよう左
ものは左かった。
月 12日まで,連日朝 8時半から夕方 6時過ぎ K
かけて, A, B, 0の 3分科会場 K分かれて熱心
在講演と討論が行左われた。
sedimentatioo ( 100)
( 100 )
4c. Flysch and molasse
-2-
(1
10)
4d. Ohaotic sedimentatioo and
tectoni
c
s
(110)
4e. Sedi
mentary breaks
)内
aod
4b. Wrench faultiog a
n
r
l serlimeotat1
0
0
翌 7月 7日から,途中 1日沿いて,最終日の 7
講演テーマは次のよう K区分された。(
4a. Synsedimentary f
a
u
l
t
i昭
( 12B)
4f
. Tectonics and cootinental mar-
gin sedimentations
(120)
0I
ogi
ca1 markers f0 r depth
8f. Bi
5
. Synthesis of sedimentary basins
and
.E .MuttiJ
[Prof.Y.Gubler & Prof
temperature
(8A)
9
. Economic geology [Dr. slansky &
Prof.G.O. AmstutzJ
82編
21編
Jノ
nU
、
、
‘
1i
/t
c
、
、
5a. Pleistocence and Miocene basins
5b. Oretaceous and paleogene basins
(11A )
5d. Permo-Triassic basins
(12A )
e
s ( 12A )
9d. Princip1
(1IA)
5e. Paleozoic and proterozoic ba
1
0
. Open topics [
Prof.P.Ootillon] 23編
10a. Regional sedimentology
(12B)
I2B)
10b. Pollution and environmets(
(120)
とれらのうち,炭酸塩堆積物 K関する論文は質
5f. Platform and mobil basins
(120)
5g. Deltas
(12A )
9b. Metallic deposits (12A)
9c. 0thefs
5c・ Jurassic basins (llA)
sins
9a. Ph0sphates
(llA)
量とも
K他を庄していた。
ζ の分野の研究の繁栄
は 過 去 10数年来の国際的傾向であり,前回第 8回
5h. RegionaI synthesis
会議(ハイヂノレベルグ)のときはまさ K ピークで
(120)
6
. Sedimentary mechanics-Rates of
sedimentary processes [Dr.日.
あった(飯島,
1972),今回の会議を特徴づけ
たのは何といっても D S D Pの成果を中心とする
Winnock & Prof.G.V. MiddlefonJ
海洋堆積学からの話題であろう。本会期の前半の
41編
話題をさらっていった感があった。とく K大 洋 底
6a. Dynamic control of basins
のフィルム映写は注呂を集めた。また,数理処理
(10B)
6b. Ohanges in strata morphology
V
C関する分科会も着実在発展をとげているようす
がよくうかがえた。
(1
1B)
6c. Granulometry and sedimentary
mechanisms
球 化 学 J (松本
(11B)
良 と 共 著 〉 な よ び テ ー マ 7で
「沸石続成作用忙なける間際水中の Na濃 集 効 果j
7
. Diagenesis [Prof.H.Fuchtbauer &
Dr.B.TissotJ
ととろで,われわれ出席者のうち,飯島はテー
マ 2で「日本の古第三紀挟炭層中の炭酸犠類の地
39線
と題し講演するととも V
C,テーマ?の分科会で,
7a. 日vaporitic diagenesis (80)
7b. Diagenesis in clastic sediments
の役を果した。西脇はテーマ 6で「和泉層群の層
(80 )
Cついて発表した。志岐と岡田はテーマ
厚 解 折 JV
(80)
4VC所属し,志肢は「日本列島地堤 Kなける堆積
7d. Special minerals and problems
作用,とく Kターピダイト V
てついて J (徳橋秀一
(1OA)
・井本伸夫と共著)と題して講演し,開田は「正
7c. Oarbonate diagenesis
7e.
会議締めくくりのコメントをする“ Rapporteur
凶
o0mparative scaIes indiagenes-
地 向 斜 帯 Kなける上方粗粒イヒ堆積とその構造的意
(1OA)
義 J (松本達郎と共著 )VCついて発表するととも
1S
8
. Great Depths:recent sediments
.L .
DangeardJ
[Pr0f
V
C,テーマ 4の“ chaotic sedimentation叫 の
15縞
分科会を主宰した。とのほか,外国研究者との共
8a. Diagenesis,deep I
it
hifi
cati
0n
同研究として,小西健二氏,加賀美英雄氏の名前
(7B)
があった。
8b. Lysocline,deepsedimentation(7B)
8c・ Far oceans
8d. D.S.D.P.
間 K制限され,どの会場でも時間が不足気味のよ
(7B)
(7B)
8e. Deep sea markers
講演はいずれも討論を含めて 15 分 と い う 短 時
うだった。
(8A )
また,各会場を通じ非常 K不便であるととも
-3-
K
不満だったのは組織だったプログラムが左<.場
当たり的だったととである o また,各分科会で、の
があり,次回主催国イスラエルの代表 Dr.Nathan
k対する拍手で幕を閉じた。
発表論文構成 Kはテーマ K左じままいものがある
左ど,問題があった。とういうわけで,何か Kつ
けて組織だつたハイデルペノレグ会議と比較される
羽目 K在った。
総会は 9 日夕方 7時頃から関かれ,いくつかの
重要案件が採択された。その Iは規約の改正での,
執行部強化のための原案 K激論が戦わされたが,
Bureau強化 Kよる事務局業務円滑化をうたった
改正案が採択された。その 2は第 10回 会 議 開 催
地の決定である。事務局としては当初東欧間諸国
K開催地の引受けを打診していたが失敗し,
立候補国はイスラエノレのみであったため,イスラ
エノレ Kするかどうかの討論,採決が行左われた。
とれ Kは中東情勢 Kからむ不安や反対意見が強い
調子で出されたが,最終的 Kは採決 K よってイス
ラヱル K決まった。なまr,開催時期は万国地質学
会議との兼ね合いから次回だけ 3年後(I978)VC
開かれるととに在った。イスラヱノレ地質調査所が
中心 K在って組織される予定である。また,との
後の評議員会で次回は 1978年 7丹第 2週 K行う
ととが了承された。第 3の重要事項は役員改選で
ある。新会長 Kは今年まで Socie
ty o
fE
c
onomi
c Paleontologists and Mineralogists
の会長を務めたアメリカの Pr
o
f
.G
e
r
a
l
dM .
Fr
ie
dman が選出された。また日本から岡田が新評議
員 K選ばれ,飯島は Na
ti
o
na
l Oorrespondent
5
. 出版物
今回の会議では,英・
Kよる要旨集
(180p
.)のほか,テーマ 1から 10まで, テー
マ毎 K分冊 K左った論文集が発行された:
1- 248p
., H- 176p
., 駆 -13Op., l
V-340・
4
V-399p., VI-239p., 四一 237p., 理一8
3
.,
p
JX-118p., X-150p・
9 総ページ数 2
,
120p.と
いう膨大左ものである。関心のある方はわれわれ
出席者のうち誰忙でも連絡をとってくださればど
利用いただける。
どを収めたポストプリントはとれから用
意される予定である。
れた論文を別の形 Kまとめて出版する計画は左い
ようである。
以上会議 K関係した話題のほか,野外巡検はい
ずれのコースも充実したものであった。われわれ
は各自の興味 K より互いに異左るコース K参加し
たので,いずれ機会をあらためてその模様を紹介
するとともできょう O
最後 Kζ の会議のホスト Prof.Mangin の ど
労 苦 K心から感謝するものである。また,私たち
の会議出席 Kあたり種々ど便宜をいただいた関係
L
.岡田は文部省
各 位 K厚〈長礼申しあげる。と<V
の国際研究集会派遣 K より参加したととを明記し
て当局 K深〈謝意を表する。
k指 名 さ れ た 。 と も か し と の 総 会 で は 論 議 も 白
熱し,延々深夜 K及んだのであった。
最終日の 12日 は , 夕 方 6時半から閉会式が催
された。とれ Kはフランス堆積学界の大御所 Prof
A . LombardV
Cよる会議全体を回顧しての論評
ζ のほかとの会議K提出さ
飯 島 東 (1972)
引用資料
第 8四国際堆積学会に出席して,
堆積学研究会報, (
6
), 1 - 4
.
Fly UP