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インドの日系部品メーカー:生産拠点の構築/拡充

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インドの日系部品メーカー:生産拠点の構築/拡充
2016/4/5
イ ン ドの日系部品メーカ ー:生産拠点の構築/拡充 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
インドの日系部品メーカー:生産拠点の構築/拡充
芦森工業/コニシ/JSP/タチエス/東海ゴム/パイオラックス等が新拠点構築
2010.6.22 No.891
インドの各日系自動車メーカーは新型小型車の生産を計画
芦森工業はスズキ向け、タチエスは日産向け、東海ゴムはトヨタ向けに新拠点構築
大同メタル/デンソー/トヨタ紡織/ニッパツ/古河電工が生産能力増強、ブリヂストンが生産品目拡大
シロキ工業/タイガースポリマー/万能工業はインド社に技術供与
要 約
以下は、インドにおける日系自動車部品メーカーの最近動向である (2010年 6月中旬までの約 1年間の動向)。ス
ズキ/ホンダ/トヨタ/日産の生産拡大計画に対応して、部品メーカーの生産拠点の構築と拡充、現地企業との提携
等が続いている。
インドの各日系自動車メーカーは新型小型車の生産を計画
日系自動車メーカーはインドで、スズキが2012年春までに Manesar 工場の年産能力を拡充、ホンダが延期して
いた第 2工場の稼働を2011年末に開始、トヨタが2010年末に第 2工場を稼働する計画。日産は、Renault との合弁
工場を2010年 5月に稼働した。また、Ashok-Nissan, Renault-Nissan-Bajaj での合弁生産も計画している。
日系メーカーの年産能力は、4社合わせて現在 136万台。各メーカーとも、相次いで新開発の低価格小型車の生
産を開始し、インド市場に投入する計画。他市場への輸出も視野に入れており、インドでの生産能力は今後も拡大
する見込み。
インドにおける、日本の自動車メーカーの主要生産拠点
組立工場
年産能力
概要/最近動向
(1,000台)
Maruti 800, Wagon R, Alto, Versa (Every Landy), Omni (Every),
ス
Maruti
ズ
Suzuki
キ
India Ltd.
Gurgaon
700
Gypsi (Jimny), Zen Estilo (MR Wagon) に加え、09年 5月から Ritz
(Splash) を生産。2008年末に稼働した年産能力24万基のエンジン工場
では、新型の低燃費エンジンを生産。
Manesar
300→550
Swift, A-star, SX4, DZire 等を生産。170億ルピーを投じて設備を増
強し、2012年春までに年産能力を 55万台に引き上げる。
Greater
Noida
ホ Honda Siel
100
(第 1工
ン
Cars
場)
ダ
India Ltd.
Tapukara
2010年稼働予定を 2年延期し、2011年末から Honda New Small
(第 2工
0→60
場)
ト
ヨ
タ
Toyota
Bangalore
Ltd.
Bangalore
第 2工場
Concept を生産する計画。敷地内のプレス部品とエンジン部品の工場
は08年 9月に稼働した。
60
Kirloskar
Motor Pvt.
City, Civic, Accord に加え、09年 6月から Jazz (Fit) を生産。
Innova, Corolla, Fortuner を生産。
2010年末までに稼働し、新開発小型車 Etios を生産する。年産能力
0→100
(Renaulthttp://www.marklines.com/ja/report/rep891_201007
は10万台だが、当初の年産規模は 7万台。R&D 施設とエンジン工場の
設立を検討中。
当初の予定より 1年遅い2012年から、新工場で超低価格車を (コード
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Nissan
Chakan
0→未定
名 ULC:ultra-low-cost car) 生産する計画。新工場の当初計画での
Bajaj)
年産能力は 40万台。
Renault
Nissan
2010年 3月に新工場が完成し、日産は同年 5月に新型 Micra
Automotive
日
産
India
(March) 生産を開始した。当初は 1ラインのみ稼働し、年産能力は 20
Oragadam 200→400
Private
万台。2010年度は 8万台以上生産する計画。Renault は2011年に生産
を開始する。2015年の年産能力は 40万台の計画。
Limited
Ashok
Leyland
Nissan
両社の既存設備を活用して、2011年中旬から小型商用車を生産。新
工場の建設は当面延期と見られる。
Vehicles
Pvt. Ltd.
資料:各社広報資料、各種報道
(注) 日産拠点の年産能力は Renault ブランド車の生産能力も含む。"(Renault-Nissan Bajaj)" は名称未定。
インドの自動車生産/国内販売/輸出台数 (台)
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年
2009年
2010年
06年3月期
07年3月期
08年3月期
09年3月期
10年3月期
1-4月
1-4月
生産
1,700,383
2,065,205
2,326,589
2,255,823
2,917,848
783,102
1,145,684
国内販売
1,494,117
1,847,744
2,040,376
1,936,002
2,481,171
708,865
991,877
216,172
247,989
277,395
378,412
491,153
輸出
n.a.
n.a.
2009年
2010年
1-4月
1-4月
■日系自動車メーカーの生産台数 (暦年ベース)(台)
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
スズキ
555,327
628,355
751,405
756,333
966,307
303,582
386,467
ホンダ
38,570
55,379
58,114
53,298
61,262
18,284
21,219
トヨタ
45,695
44,310
52,275
52,990
52,562
11,634
25,002
3社合計
639,592
728,044
861,794
862,621
1,080,131
333,500
432,688
資料:SIAM (Society of Indian Automobile Manufacturers)
芦森工業はスズキ向け、タチエスは日産向け、東海ゴムはトヨタ向けに新拠点構築
日系部品メーカーによるインド生産拠点の新たな構築の動きは、トヨタと日産の工場があるインド南部 (Bangalore
市, Chennai 市など) に集中、スズキとホンダの工場があるインド北部 (Rajasthan 州 Uttar Pradesh 州, Haryana
州など) にも見られる。
南部では、JSPがバンパーコア材の発泡ポリプロピレン、タチエスがシート、東海ゴムが防振ゴム、パイオラックスが
樹脂ファスナーの生産拠点を構築。北部では、芦森工業がシートベルトとエアバッグ、コニシが車載電子部品の生産
を開始する。
日系自動車部品メーカー:インド生産拠点の構築
2010年 6月中旬までの約 1年間の動向。配列は企業名 50音順。
■芦森工業: 2011年12月に、スズキ向けにシートベルト、エアバッグの生産を開始
芦森工業は2009年10月、Rajasthan 州に 100% 出資の Ashimori India Private Limited を設立した。2010年
に新工場に着工し、2011年12月に稼働予定。スズキのインド生産車向けに、タイ工場から輸出しているシートベル
ト、エアバッグの生産を、順次移管する。2013年度に 24億円の売上を見込む。他の日系メーカーや現地メーカー
も開拓する。総投資額は 8.6億円。
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■コニシ: フジモールドと合弁で車載電子部品の生産開始
コニシは2009年12月、フジモールド工業と合弁で、Haryana 州に KF Instruments India Pvt. Ltd. を設立し
た。資本金は 3億円で、コニシが 66.6%, フジモールドが 33.3%出資。賃貸の工場で、2010年 4月から車載電子
部品を生産し、日系メーカーやタタ自動車等現地メーカーに販売する。2011年度までに年間 4億円の販売を目指
す。
■JSP:バンパーコア材用の発泡ポリプロピレンを、2011年から生産
JSP は2010年 7月に、発泡ポリプロピレン "ピーブロック" を生産・販売する JSP Foam India Pvt. Ltd. を Chennai 近郊に設立する。ピーブロックは、衝撃緩衝用バンパーコア材や内装材等の自動車部品、輸送用通い
函、家電用緩衝材等に使用。資本金は 1億ルピー。出資比率は JSP が 50%, 韓国子会社とシンガポール子会社
が各 25% ずつ。生産開始予定は2011年度。
■タチエス:Lear と合弁で、2010年5月から日産向けにシートを生産
タチエスは2009年 8月、米国 Lear Corporation の子会社 Lear Corporation (Mauritius) Ltd. と合弁で、イン
ド Tamil Nadu 州に TACLE Automotive India Private Ltd. を設立した (タチエスの出資は 49%)。新工場を建
設し、2010年 5月に日産向けにシート生産を開始。投資額は 3.6百万米ドル。2011年度の生産目標は、20万~
23万台分。
■東海ゴム:トヨタの低価格小型車 Etios 向けに防振ゴムの生産を開始
東海ゴムは2008年 5月に、100% 出資で Tokai Rubber Auto-Parts India Private, Ltd. を設立。インド南部の
Bangalore 市近郊で土地と建物をリースし、2010年から防振ゴムの生産を開始。タイ工場で生産した防振ゴムを最
終製品に仕上げ、トヨタが2010年末から生産する低価格小型車 Etios 向けに供給する。2011年度の売上高目標
は 2.3億ルピー。インドでは、08年 1月から自動車用ホースを合弁生産しているが、防振ゴムの生産は初。
■日鍛バルブ:2010年中にインドにエンジンバルブの生産拠点を構築
日鍛バルブは、新興国での生産体制を増強する計画の一環として、インドへの生産進出を決定。2010年中にも
工場建設に着手する見通し。日系メーカーからのエンジンバルブの新規受注に対応する。新工場には、初期投資
を低く抑え、量産効果を高めた新タイプの自動生産システムを導入する。2010年度の設備投資は、インド、ブラジ
ルを含む海外投資を、前期比 2倍に拡大する計画。
■パイオラックス:2009年末に工業用ファスナーの販社を設置、2, 3年内に工場設置を検討
パイオラックスは、2011年度からインドで精密ばねや樹脂ファスナーを生産する方針を固めた。当初は日産とホ
ンダのインド拠点へ供給する。2013年度以降には、欧州市場向け製品の生産も日本からインドへ移管する。2010
年内に Chennai 近郊で建設予定地を確定し、2011年12月の稼働を目指す。
(注)パイオラックスは、2009年12月に工業用ファスナーの販社 Piolax India Private Limited を設置し、2010年に
日産向け供給を開始。日本やタイで生産した製品を輸送している。2012年に約 4億円の売上を目指しており、
新工場の建設を検討していた。
■ブリヂストン:2つ目のインド工場を建設し、生産能力を 8割増加
ブリヂストンのインド子会社 Bridgestone India Private Ltd. は 2010年3月、Maharashtra 州 Pune 市に新工
場を建設すると発表。2013年 1月に乗用車用、同 8月にトラック・バス用タイヤの生産を開始する。総投資額は約
500億円。2020年末の日産能力は、乗用車用が 1万本、バス・トラック用が 3,000本。インドのタイヤ工場は、
Madhya Pradesh州 Indore市の工場に続く 2ヶ所目で、生産能力は約 8割増加する。
資料:各社プレスリリース, 各紙報道
大同メタル/デンソー/トヨタ紡織/ニッパツ/古河電工が生産能力増強、ブリヂストンが生産品目拡大
インド既存工場の生産能力増強では、大同メタル工業がドライ軸受の生産能力を 3~4割引き上げ、ニッパツがス
タビライザーの生産能力を倍増、古河電工が電装部品の第 2工場を建設する。デンソーとトヨタ紡織は、トヨタが
2010年末から生産する低価格小型車 Etios 向けに、それぞれ 7万台分のエアコンとドアトリム/エアクリーナーを増
産する。
生産品目拡大では、ブリヂストンが乗用車・小型トラック用に加え、新たにトラック・バス用ラジアルタイヤの生産を
開始する。
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日系自動車部品メーカー:インド生産拠点の生産能力増強と生産品目拡大
2010年 6月中旬までの約 1年間の動向。配列は企業名 50音順。
■ASTI:マルチ・スズキ向けに電子基板の生産を増強
ASTI のインド子会社 ASTI Electronics India Private Ltd. (Haryana 州) は、2010年にマルチ・スズキとの直
接取引を開始するにあたり、車載機器を制御する電子基板の生産を増強する。2010年中に工場をフル稼働とし
(年初の稼働率は 6, 7割)、インドでの売上を 2倍近くに増やす計画。
■エイチワン:日本の年産能力30%削減により、余剰設備をインドに移設
車体骨格部品メーカーのエイチワンは、2009年内に日本の年産能力を 100万台超から 70万台レベルに削減。
余剰設備をタイ、インドに移設し、同時に中国への移設も検討している。インドでは、Uttar Pradesh 州の H-One
India Pvt. Ltd. に、既に300トン級小型プレス設備を移設。近く汎用ロボットも移設する計画。
■大同メタル工業:岐阜工場からドライ軸受の設備ラインを移設、生産能力を 3~4割引き上げ
大同メタル工業は2010年末までに、インド子会社 BBL Daido Private Ltd. (Tamil Nadu 州) の工場に、岐阜工
場からドライ軸受 (潤滑剤を使用しない、メンテナンスが容易な軸受) の設備 1 ラインを移設し、生産能力を 3~4
割引き上げる。日系車・部品メーカーの現地生産拡大に対応する。
(注)大同メタル工業は2010年末までに、低迷する日米の余剰設備を、成長市場での現地生産拡大に充てる計画。
ロシア工場には米国工場から、中国工場には子会社の大同プレーンベアリングから、設備を移設する。
■デンソー:エアコン工場を約 3倍に拡張、トヨタの低価格小型車 Etios 向けにエアコン増産
デンソーは、インドでカーエアコンとラジエータを生産する Denso Kirloskar Industries Pvt. Ltd. (Bangalore
市, デンソーが 89% 出資) に総額 25億円を投じ、生産設備を増強する。トヨタが2010年末に生産開始する低価格
小型車 Etios 向けエアコン等を生産するため、工場の建物面積を 5,400m2 から 14,400m2 に拡張し、2010年後
半に稼働する。トヨタ Etios は年産 7万台の計画で、デンソーは同車向けを全量供給する。
また、2012年までに、トヨタの既存車種や他の日系メーカー向けのエアコン、ラジエータの生産ラインも順次増強
する計画。
■トヨタ紡織:トヨタ Etios 向けにドアトリム、エアクリーナーを 7万台分増産
トヨタ紡織は、インドで内装・フィルター機器部品を生産する Toyota Boshoku Automotive India Pvt. Ltd.
(Bangalore 市) に数億円を投じ、生産設備を増強する。トヨタが2010年末から生産する低価格小型車 Etios 向け
に、年 7万台分のドアトリムやエアクリーナーを供給するため。工場の建物面積を 13,000m2 から 18,400m2 に拡
張し、射出成形機等を新規導入してラインを新設し、12月に供給を開始する。
■ニッパツ:スタビライザーの生産を月産 20万本に倍増
ニッパツは、インドでスタビライザーを生産する NHK Spring India Ltd. (Manesar市) の月産能力を10万本から
20万本に倍増する。2010年後半に約 3億円を投じて、既存工場の敷地内に新工場棟を建設し、加熱炉や成形用
の専用機等を導入し、1ラインを追加する。2011年中に稼働予定。ホンダ、マルチ・スズキ、Mahindra & Mahindra
に供給しており、09年度の売上高は約 25億円。
■古河電工:2015年までにインドに電装部品の第2工場を建設
古河電工は、2015年までにインドに第 2工場を建設する計画を、2009年12月に明らかにした。スズキ向けの電
装部品を生産している Minda Furukawa Electric Pvt. Ltd. (MFE) (Haryana 州) の第 2工場を建設し、日系・そ
の他メーカーからの受注拡大を目指す。2015年までに、主力のワイヤーハーネス事業における世界売上高を
2,000億円レベルに、世界シェアも約 4% に倍増させることを目指す。
■ブリヂストン:2011年からトラック・バス用ラジアルタイヤを新たに生産
ブリヂストンは、Bridgestone India Private Ltd. の Indore 工場 (Madhya Pradesh州) に約 33億円を投じて建
屋を増設し、2011年上期から新たにトラック・バス用ラジアルタイヤの生産を開始する。2012年下期時点での日産
能力は約 400本。従来は乗用車・小型トラック用ラジアルタイヤを生産しており、2010年 1月現在の日産能力は
12,500本。
資料:各社プレスリリース, 各紙報道
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シロキ工業/タイガースポリマー/万能工業はインド社に技術供与
技術供与契約等により、現地メーカーにインドでの生産を担当させるのは、ウィンドウレギュレータ/ドアヒンジを扱う
シロキ工業、空調ダクトを扱うタイガースポリマー、シフトレバーを扱う万能工業など。
今仙電機はシートアジャスタの生産子会社を増資し、設備投資に充当して、凍結していた工場を稼働する。ユーシ
ンは、キーセット等電装品の合弁生産会社に対する出資比率を引き上げ、現地での事業運営を円滑化させる。
軸受製品を扱う日本精工は、インドに地域本社を新設。研究開発センターの設置も計画中。電装品を手掛けるミツ
バも、インド向け車の部品を開発するため、研究開発センターの設置を計画している。
日系自動車部品メーカー:インドでの技術供与・増資・開発/営業拠点整備など
2010年 6月中旬までの約 1年間の動向。配列は企業名 50音順。
■今仙電機:シートアジャスタ生産子会社を増資、2010年春から工場を稼働
今仙電機は、日系シートメーカー向けにシートアジャスタを製造・販売する Imasen Manufacturing India Private
Limited (Rajasthan 州) の増資を、2010年 3月に実施した。1億 5,000万ルピーを増資し、資本金は 3億 1,670
万ルピーとほぼ倍増。インド市場の回復を受け、凍結していた工場を 2010年春に稼働するため、生産設備、金型
等の設備投資として増資した。
(注)今仙電機は、インド市場での受注獲得を目指して、Imasen Manufacturing India を2007年11月に設立。しか
し、2008年秋以降の経済危機の影響で事業計画を見直し、当初2009年 8月に予定していた工場稼働を凍結し
ていた。
■シロキ工業:資本提携するインドメーカーから、トヨタ Etios 向けにドア部品を供給
シロキ工業は、21% 出資するインドの部品メーカー Technico Industries Ltd. を通じて、トヨタが2010年末からイ
ンドで生産する低価格小型車 Etios 向けに、ウィンドウレギュレータとドアヒンジを供給する (2010年 1月発表)。シ
ロキ工業が設計等の技術指導を行い、Technico が現地での生産を担当する。シロキ工業がインドでトヨタに部品
を納入するのは初。
シロキ工業は、Technico を通じて、インドでスズキにもウィンドウレギュレータを供給している。09年 3月には、ス
ズキの小型車向けシート用機構部品の新規納入を開始した。Technico への出資は、2007年に 1.3% で開始した
が、インド事業の拡大に備え、08年に 21% に引き上げた。
■タイガースポリマー:インドの Minda Group と技術援助契約を結び、ダクト用の金型を設計
タイガースポリマーは、インドの部品大手 Minda Group (Haryana 州) と技術援助契約を締結した。同グループ
向けに、2010年 5月から空調ダクトの金型設計を開始し、同年10月までに金型を完成させる計画。Minda Group
は、2011年後半から、ホンダに新たに空調ダクトを供給する。タイガースポリマーは、ダクトの生産量に応じて技術
指導料を得る。
タイガースポリマーは、技術援助を通じて、潜在需要の把握など、インド市場の調査も実施する。自社でも 5年以
内を目処に、インドでダクトの生産を始めたいとしている。
■ニフコ:樹脂ファスナー等の営業拠点を新設、賃貸工場で一部部品を生産
ニフコは、南東部の Chennai 市と北部の Haryana 州 Gurgaon 市の 2ヶ所に、樹脂ファスナー等の営業や市場
調査を手掛ける子会社を新設する。資本金は、Chennai の会社が約 6,000万円、Gurgaon の会社が約 5億円の
計画で、2010年 6月現在、登記準備中。日系メーカーや現代自からの受注獲得を目指す。Gurgaon の会社で
は、一部部品を生産できる場所を賃貸で確保するが、当面は本格的な生産設備は持たず、タイなど周辺の生産拠
点から供給する計画。
■日本精工:インドに地域本社を新設、2014年には研究開発センターの設置を計画
日本精工は2010年 4月、インドに地域本社を新設した。シンガポールの ASEAN 地域本社が担当していたインド
事業管理業務を移管する。インドでは現在、電動パワーステアリングを 2工場で生産し、数年以内にハブユニット
等の軸受製品の生産を計画。競争力確保のため、現地で材料・部品のサプライチェーンの構築を目指す。
2009年秋には、インドの生産拠点内に製品評価施設を設置した。軸受製品の性能・仕様等を評価し、積極的に
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市場展開を進める。5年以内には、インドに研究開発センターを開設する方針。
■万能工業:インド Lumax 社にトヨタ Etios 向けシフトレバーの技術を供与
万能工業は2010年 5月、インドの部品メーカー Lumax Industries Ltd. とシフトレバーに関する技術供与契約を
締結した。トヨタが2011年初にインド市場に投入する低価格小型車 Etios 向けが対象。シフトレバーの設計と評価
に関する技術を Lumax に供与し、Lumax からトヨタへの販売額の 2~3% を受け取る。今後、他の日系メーカー
向けのシフトレバーについても、万能工業が技術供与する計画。
■ミツバ:インドに研究開発センターを新設
電装品を手掛けるミツバは、2010年以降の早い時期にインドに研究開発センターを新設する計画 (09年11月報
道)。主要納入先のホンダや日産が、インドで事業規模を拡大していることに対応する。
(注)ミツバは、新興国向け車の部品開発を、国内から現地に移管している。インドと中国に研究開発センターを新設
するほか、フィリピンとベトナムの既存研究開発センターでは、2010年を目処に両拠点とも100人規模に増員す
る。国内では、桐生市と横浜市の開発拠点を、桐生市の研究開発センターに一本化する計画。
■ユーシン:キーセット等の合弁生産会社の出資比率引き上げを交渉
ユーシンは、1986年に設立した合弁生産会社 Jay Ushin Ltd. (Haryana 州) の出資比率の引き上げを、合弁相
手の地元財閥 JPM Group に打診していることを明らかにした (09年11月)。現在の出資比率は 26% だが、買収を
前提に交渉中。現地で主導権を握り、事業運営を円滑にする計画。Jay Ushin は主にマルチ・スズキ向けにキー
セット、スイッチ類等を生産。他の日系・海外メーカーとの取引拡大も目指す。
■ユーシン:インドの合弁生産会社から、スイッチ等の日本への輸入を開始
ユーシンは、インドの合弁生産会社 Jay Ushin が生産した部品を、2010年から日本へ輸入する。スイッチ等、生
産工程の大半を人手に頼る部品が対象。まず、建設機械向けのスイッチ部品を輸入し、その後、自動車向けスイッ
チ等に対象を広げる。日本での生産と比較し、製造コストを半分程度まで抑える計画。
資料:各社プレスリリース, 各紙報道
出典:マークラインズ
Copyright(C)MarkLines Co., Ltd. All rights reserved.
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