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医療連携ニュース NO.72 リウマチ・膠原病科

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医療連携ニュース NO.72 リウマチ・膠原病科
 平成25年7月発行
医療連携ニュース NO.72
TEL:(03)3373-5931 FAX:(03)3370-7478 URL http://www.jreast.co.jp/hospital/
発行責任者 : 医療連携室長 上田賢一 担当 : 樋口正和、小池真紀子
リウマチ・膠原病科
✽ 安全で確実なリウマチ・膠原病治療 ✽
萩原 主任医長
【膠原病とは何ですか?】
「膠原病」とよく似たまぎらわしい言葉に、「リウマチ性疾患」という言葉と、「自己免疫性疾患」という
言葉があります。はじめにこれらの用語を整理しましょう。
「リウマチ性疾患」とは筋骨格系の疼痛性疾患のこと、簡単にいえば「ふしぶしが痛む病気」のことで
す。
「自己免疫性疾患」とは、本来は病原体と戦うべき免疫反応が、自分自身に対して向けられた結果
生じる疾患です。
左の図に示しますように、リウマチ性疾患で
あって、自己免疫性疾患でないものの代表
として痛風や五十肩があります。
一方、自己免疫性疾患であって、リウマチ性
疾患でないものの代表として橋本病(甲状腺
に対する自己免疫)や自己免疫性溶血性貧
血があります。
そして、リウマチ性疾患としての性質と、自己免疫性疾患としての性質をあわせ持つ疾患が「膠原病」
です。その代表的な疾患が関節リウマチです。
【膠原病の3つの特徴、膠原病科の3つのモットー】
膠原病の第1の特徴として、慢性の疾患であることがあげられます。すなわち病気としての経過が
長いため、患者様と医療者の間で長きにわたる信頼関係を構築することが重要になります。
膠原病の第2の特徴として、過剰な免疫反応が関与していることがあげられます。多くの薬剤は免
疫応答を抑制しますので、感染防止対策などの安全対策をとることが前提となります。
膠原病の第3の特徴として全身性の疾患であることがあげられます。従いまして、内科各科、整形
外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、リハビリテーション科、看護部、薬剤部などなど多科多職種との協力
体制が重要となるばかりでなく、近隣の先生方との密なる医療連携、そして患者様と医療者との間の
協力関係を構築することが極めて大切です。
以上のことから、リウマチ・膠原病科のモットーとして必然的に
安全 信頼 連携
の3つの柱が打ち立てられます。私たちは第一に安全を追及し、患者様との信頼関係の構築につと
め、チーム医療・地域医療連携・患者様との協力関係の実現にむけて、たゆまぬ努力を積み重ねて参
ります。
【関節リウマチは関節滑膜に炎症を生じる】
関節リウマチでは、左の図に示すような
関節の滑膜という場所で炎症が起こ
る結果、関節の痛みと変形を生じま
す。
炎症とは「赤く腫れて熱をもって痛
むこと」を意味します。そして、炎症は
炎症性サイトカインという分子によって営
まれています。
サイトカインとは細胞から出て細胞を刺激
する分子の総称です。
【関節リウマチの分子病態と生物学的製剤の作用機序】
関節リウマチでは、なんらかの自分自身の成分(自己抗原)に対して、免疫の司令官が反応している
ことが知られています。この司令官を「自己反応性ヘルパーT細胞」といいます。そして、自己反応性ヘ
ルパーT細胞が「よし、反応せよ!」と指令を出すと、兵士であるマクロファージが活性化して炎症性サイトカ
インを出します。炎症性サイトカインが過剰に産生されると、周囲の組織がダメージをうけます。
近年開発され、著しい臨床効果を示している生物学的製剤は、自己反応性ヘルパーT細胞の活性化
を抑制したり、炎症性サイトカインそのものの動きを阻害することで効果を発揮します。
オレンシアが効くしくみ
【安全で確実な治療の実現ために】
リウマチ・膠原病の領域では強力な免疫抑制療法が相次いで開発されていますが、重篤な副作用も
皆無ではありません。これらの副作用をいかにして防止するか、万が一にも副作用を生じたときには
いかに迅速に対処するか、そのリスクマネージメントが求められています。そのためには、病気の勢いだ
けでなく、副作用が発現のしやすいリスクファクター(高齢、肺病変、低体重など)を的確に評価して治療
法を選択することが重要になります(下の表)。
そして、安全な治療の実現のためには、医療者側が十分に注意するだけではなく、患者様にもご
協力をいただくことが大切になります。それは、とりもなおさず、何かあったらすぐ来院していただくこ
と、定められた処方を守っていただくこと、禁煙していただくことなどです。
か:感染防御 手洗い、マスク、ワクチン
き:禁煙
く:苦しかったらすぐ受診
薬をきちんと服用
け:健診を受ける 計画妊娠をする
こ:転ばない
安全で確実なリウマチ・膠原病診療は、
近隣の先生方との医療連携と、患者様
との協力関係のもとではじめて実現され
ます。今後ともなにとぞよろしくお願い
申し上げます。
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