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いのちと念仏J相談センターにおける 心の悩み相談

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いのちと念仏J相談センターにおける 心の悩み相談
ー
ー
「
本願寺教学伝道研究所だより
「いのちと念仏J相談センターにおける
心の悩み相談
1 、﹁心の悩み相談﹂の業務について
りんしょうしんりし
﹁心の悩み相談﹂ では臨床心理士などの
臨床心理専門員が相談に応じます。
﹁心の悩み相談﹂はこころのケアを中
から金曜日の九時から一七時までで、
です。受付日時は﹁教学相談﹂は月曜日
的な不安などに関する﹁心の悩み相談﹂
もう一つは対人関係や家族の問題・精神
仏事などに関する﹁教学相談﹂ であり、
っております。 一つは浄土真宗の教義や
つの窓口を設け電話による相談業務を行
﹁いのちと念仏﹂相談センターでは 、
も食べられなくなった人、極端に気持ち
た中学生・高校生や、ご飯を食べたくて
ても心身のどこかが不調で行けなくなっ
み苦しんでいる人には、学校へ行きたく
のためのこころの学問ともいえます。悩
の言い方をすれば、悩み苦しんでいる人
ると﹁病床に臨むこと﹂とあります 。別
は、﹃広辞苑﹂︵岩波書店・第四版︶によ
聞を臨床心理学といいます。﹁臨床﹂と
心に扱います。こころのケアのための学
﹁心の悩み相談﹂は月曜日と水曜日の
が落ち込んでしまった人などがおられま
本願寺教学伝道研究所に設置している
二時三 O分から一六時までです。電話番
す
。
理学の理論と技法の訓練を受けた人で
り方で接します。カウンセラーとは、心
たちが、主にカウンセリングという関わ
いわゆる﹁カウンセラー﹂と呼ばれる人
それらの人に対して、臨床心理専門員
のぞ
号はいずれも O七五 l三七一 l五O二四
です。
今回はこのうち﹁心の悩み相談﹂につ
いてご紹介いたします。
2、こころのケア
す。このカウンセラーのカウンセリング
を通して、 クライエント︵カウンセリン
グの場に何らかの支援を求めて来談する
宗報 2
0
1
1年 7月号
1
3
﹁教学相談﹂ では真宗学や仏教学等を
専攻する研究者が相談に応じますが 、
.
.
まし人
。りが
、人
心間
理関
的係
外や
傷自
痛の
み聞
を題
や己
癒午な
たを
り解
し決
しど
3、﹁心の悩み相談﹂の特徴
まざまな難解なケl スにであうことも多
ご門徒から深刻な相談をされるなど、さ
皆様方も、僧侶として生活する中で、
ー さまざまな相談との違いと
いと思います。難解なケi スでは、聞き
ぃ、聞き手の方が夜も眠れない状態にな
高度な専門性
カウンセリングの仕事を続ける限り学
ったりします。他にも、 カウンセリング
手が相談者に感情移入をしすぎてしま
リング大事典﹄︵新曜社︶ のカウンセリ
び続けることが必須です。また、 カウン
上に熟練したカウンセラーから指導を受
パlパイズとは、 カウンセラーが自分以
ない場合もあります。このように難解な
るにもかかわらず、相手の悩みが解決し
の上で相手の話を聴くように心がけてい
ングの項には、より詳しく以下のように
あります。
カウンセラーとして重要なことは、
ライエントに指示すべきかどうかとい
床心理相談室と連携して業務にあたって
﹁心の悩み相談﹂では、龍谷大学の臨
ぅ、臨床心理学的アプローチの専門的な
です。これは ﹁リファ l﹂︵紹介︶とい
ウンセラlに依頼することも重要な対応
ケースに直面した場合は専門家であるカ
います。龍谷大学の臨床心理相談室には、
手法の一つです。このことによって、自
けることです。
尊重、配慮、自己受容、自己開示、な
経験豊富な精神科の医師や臨床心理士な
る制
りのままでいること︶、受容、無条件の
どによって、 クライエントの体験過程
とあ
分の可能な範囲で援助を適切に行うこと
こカ宝
どのこころのケアの専門家、熟練したカ
わc 体
に主体的にかかわっていくという態度
携?プ
ができ、それぞれが効果的な援助活動を
ケク
アア
に&ツ
ウンセラーがいます。この支えがあるこ
ろパ
一O 百︵︶
のツ
である
門員は積極的に取り組むことができてい
ができるのです。
つ専
行うことができます。このような高度な
このようにクライエントに対して限り
ます。例えば、難解な事例の場合、専門
家同士の守秘義務を徹底して守りなが
なく細やかな気 配 り を 行 い つ つ 、 話 を 聴
ていく姿勢が求めら れます。
て門
は性
じと
め充
て実
こし
こた
とで、﹁心の悩み相談﹂ の相談活動に専
った技術的なことよりも、クライエン
け続けることが求められています。
理論を勉強し、トレー ニン グも受け、そ
ク
セラ lがスーパーパイズという指導を受
ことである﹂と言われます。﹃カウンセ
具体的には、 カウンセリングは﹁聴く
す2た )
トに対する共感的理解、自己一致︵あ
ス
ら、アドバイスを得ることができます。
~(
本願寺教学伝道研究所だよ り
1
4
宗報 2
0
1
1年 7月号
.
.
.
.
.
.
.
.
宗務情報コーナー
4 、心理相談と捧土真宗の実践の違い
一万カ寺といわれる浄土真宗の寺院は
5、共に支え合う社会へ
‘
浄土真宗の実践も心理相談も、共に悩
え ね て
をいい
みてる
つはと
け信い
て心わ
いをれ
おいては、社会における問題を建設的に
解決していく能力を開発していくことが
目的です。共に、人間へのアプローチで
はありますが、それぞれの専門性が似て
非なるものであることは重要な点です。
僧侶は宗教的実践であり、 カウンセラー
はこころのケアだという両者の違いを明
らかにしつつ、お互いが協力しあって悩
みを抱えている人を支えていくことが大
︵心の悩み相談伊東秀章︶
ひご利用ください。
っております。僧侶、ご門徒問わず、ぜ
相談﹂もお役に立つことができればと願
そのサポートの一つとして ﹁心の悩み
るところが大きいと考えられます。
助ネットワークの窓口としても活躍でき
トワ1 クをもっ組織はないことから、援
います。例えば、寺院ほど地域とのネツ
に大きな役割を果たすことができると思
大きなつながりとなり、さまざまな問題
日本各地にあります。この寺院に関係す
答に三
みを抱えている人間へのアプローチとい
い
三ごく室
L
こ刀て J
る僧侶やご門徒が共に支えあえばとても
安じ浄索
前さ~
うことでは同じです。しかしながら、そ
島すす
と
。〉
対
くことが目的ですが、 カウンセリングに
宇;~ ~
切です。
︿
1﹀カウンセラーについて平木︵二 0 0
四︶は次のように述べています。
心理学的な理論と技法の訓練を受けた
専門のカウンセリングというサービス
を提供する人であり、その内容は、自
己実現の支援、心理的能力の向上の支
援、そして心理的外傷や痛みの癒しで
ある。その機能は、助言や矯正指導と
いうよりは成長促進︵フアシリテ 1シ
ヨン︶であり、クライエントの問題解
決と成長のために時間と関心、エネル
ギーを集中的に用いることである 。ま
た、カウンセラーの役割、機能は、ク
ライエントに対して生き方をより豊か
にし、より健康に生きるための方法を
探り、発見し、それを実現するための
支援をすること。
平木典子︵二 O O四︶﹁カウンセラ
ーとクライエント﹂、福島惰美・田
上不二夫・沢崎達夫・諸富祥彦、
﹃カウンセリングプロセスハンドブ
ック ﹂
、金子書房、九頁
︿
2﹀友久久雄編︵二 O一O︶﹃仏教とカ
ウンセリング﹂、法蔵館
.
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白川
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