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幼児教育Q&A - 栃木県立高等学校

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幼児教育Q&A - 栃木県立高等学校
幼児教育Q&A
平成22年3月
栃木県総合教育センター
ま
え
が
き
近年の様々な社会状況の変化を背景として、平成20年3月に幼稚園教育要領が改訂
されました。
今回の改訂では、「環境を通して行う」という幼稚園教育の基本を引き続き充実、発
展させる中で、規範意識の芽生え、思考力の芽生え、表現力の芽生え等の表現で、幼稚
園が義務教育及びその後の教育の基礎を培うという位置付けを明確にしました。
県教育委員会は、平成20年に教育課程改善の趣旨の理解を図るため教育課程説明会
を実施したほか「幼稚園教育課程編成の手引」を刊行し、各園の教育課程の改善の方法
について示しました。
また、幼稚園教育要領の改訂に伴い幼児指導要録の改善が行われたことを受け、その
記入の仕方等を「幼稚園幼児指導要録記入の手引」として示したところです。
これらの一連の流れを受け、今回、教育課程の実施に当たって予想される疑問点につ
いて解説を加える形式のQ&A集を作成いたしました。本冊子は、栃木県幼児教育セン
ターのホームページにも掲載しておりますので、あわせてご活用いただきたいと思いま
す。
なお、このたびの保育所保育指針の改定においても、保育課程の編成や子どもの育ち
を支えるための資料の作成と小学校への送付等が義務付けされました。
そこで、保育所においても保育課程実施上の参考としていただくため、本冊子を配布
することとしましたので、ご活用いただければ幸いです。
平成22年3月
栃木県総合教育センター所長
瓦井
千尋
目
次
まえがき
Q1
「生きる力」とは、どのような力ですか。
1
Q2
好奇心や探究心を育てるためには、どのような援助が大切ですか。
2
Q3
自ら進んで食べようとする気持ちを育てるにはどのような援助が大切ですか。
3
Q4
協同して遊ぶということはみんなで一緒に遊ぶということですか。
5
Q5
規範意識 の芽 生えを培うためには、きま りや ルールを守るように厳しく 指導する
ことが大切なのですか。
Q6
7
幼児が自 分の 思いを言葉で伝え合う喜び を味 わうようになるためには、 どのよう
な経験が必要なのですか。
Q7
作品の出来栄えよりもその過程を大切にするとは、どのようなことですか。
Q8
多様な体 験を するということは、行事や 施設 見学などを数多く取り入れ るという
9
11
ことですか。
13
Q9
交流活動は、幼児にとってどのような意味がありますか。
15
Q10
クラスに 発達 障害と診断された幼児がい ます が、保育者はどのような援 助をした
らよいのですか。
16
Q11
幼児がうまく園に馴染むためには、どのような援助が大切ですか。
17
Q12
園における子育ての支援の配慮点は何ですか。
18
Q13
教育課程や指導計画を評価し、改善していく方法を教えてください。
19
Q14
幼稚園や保育所の教育と小学校教育の「段差」とは、どのようなものですか。
21
Q15
入学に際 して の情報伝達では、小学校の 先生 は、幼児のどのような情報 がほしい
22
のですか。
「幼児教育Q&A」作成委員名簿一覧
参考文献
Q1
「生きる力」とは、どのような力ですか。
《生きる力とは》
○基礎・基本を確実に身に付け、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、自
ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
○自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊か
な人間性
○たくましく生きるための健康や体力
など
子どもが生涯にわたって生きていくために必要な力を「生きる力」
と呼んでいます。
幼児期は、「生きる力」の基礎が培われる重要な時期です。
☆そのために大切な経験
・乳幼児のころから、スキンシップなど、体が触れ合うかかわりをもつこと。
・幼児が身近な環境にかかわり、十分に体を動かし、諸感覚を働かせた多様な活動を
生活や遊びの中で経験すること。
・様々なことに興味や関心を広げ、それらに自らかかわろうとする気持ちをもつこと。
☆保育者の大切な援助
・幼児は、保育者のあたたかなまなざしの中で十分に自己を発揮し、遊びを楽しみま
す。幼児が安心して過ごすことができるよう、一人一人をあたたかく受け止めるこ
とが大切です。
・幼児期は、知識を教えられて身に付けていく時期ではなく、遊びながら学んでいく
時期です。幼児期の発達の特性に照らして、計画的に幼児の遊びを十分に確保する
ことが大切です。
・幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、小学校以降
の生活や学習の基盤を培うという意識をもち、幼児一人一人の内面を理解し、共に
遊びながら、幼児の興味が広がったり深まったりするように援助することが大切で
す。
幼児期には、次代を担う子どもたちが、人間として心豊かにた
くましく生きる力を身に付けられるよう、遊びを通して、その
基礎を培うことが重要です。
1
Q2
好奇心や探究心を育てるためには、どのような
援助が大切ですか。
《 幼児期の好奇心や探究心とは 》
園庭のブランコに乗って揺れる影を見つめる子ども、砂を集めて泥だんごをつくる
子ども、衣装を身にまとってごっこ遊びを楽しんでいる子どもなど、園の中では、何
かに夢中になって遊ぶ子どもの姿が当たり前のように見られます。
このような日常の当たり前の生活の中で芽生えた興味・関心に基づき、きれいだな、
不思議だな、なぜだろう、もっと知りたいな、もっとやりたいなと、幼児が自分なり
に身近な環境とのかかわりを広げていこうとする意欲こそが好奇心や探究心といえま
す。
☆保育者の大切な援助
幼児にとっては、自分の周りにあるあらゆるものが好奇心や探究心の対象です。
したがって、保育者は、
・幼児が扱いやすい遊具や用具、物を用意する。
・幼児が自分なりに環境に働きかけようとする気持ちを引き出す自由な空間をつ
くり、物を配置する。
・幼児がどうしても分らないときには一緒にやったり、アイデアを出したりする
など、適切にかかわる。
・幼児が互いの考えに触れることができるような環境を構成する。
などの援助が大切です。
☆その過程で幼児はこんなことを経験します。
自分なりに考えて試す
ことの楽しさを知る。
友達の試行錯誤
する姿を見る。
物事の規則性に
気付く。
友達の考えを
聞く。
友達と一緒に試行
錯誤する。
友達と考えを出し合う
ことのよさを知る。
友達の考えに刺激を受け、自分だけでは発想しえなかったことに気付き、新
しい考えを生み出します。このような体験を通して、幼児は、考えることの楽
しさや喜びに気付き、自ら考えようとする気持ちが育っていきます。
小学校以降の思考力の基礎となる大切な経験です。
2
Q3
自ら進んで食べようとする気持ちを育てるには
どのような援助が大切ですか。
《幼児期の「食育」》
子どもに対する「食育」は、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を
はぐくんでいく基礎となるものです。
したがって、園では、生活の様々な機会を通してみんなで食べるとおいしいという
体験を積み重ねていくようにすることが大切です。
☆保育者の大切な援助
はし
○「食べなさい。」
「こぼさないで。」
「お箸の持ち方が違うでしょう、覚えなさい。」
などといった一方的な指導ではなく、自ら進んで食べようとする気持ちを個に応
じて育てるような援助が大切です。
○「食育」という言葉や、栽培活動・調理といった取組にこだわらず、日常の保育
の中で幼児が自然に食べ物を大切にしたり、感謝をしたりなどの気持ちが育つよ
うな援助も大切です。
○地域や家庭の協力を得るなど、連携することも必要です。
☆援助の具体例
食べ物への興
味・関心を高め
る活動を取り入
れましょう。
(野菜作り、調
理、絵本、紙芝
居、歌・・・)
農家などの地
域の人との交流
を計画しましょ
う。
乳幼児が一緒に食べ
たくなるような和やか
な雰囲気づくりをしま
しょう。
誕生会や季節の行事
にふさわしいメニュー
を考えましょう。
自ら進んで食べようとする
気持ちを育てるには
(事例1参照)
地域、保護者の協
力を得ましょう。
みんなで食べる
とおいしいと感じ
る体験をさせまし
ょう。
十分に体を動かして遊び、
空腹を感じさせましょう。
そして、昼食の時間を楽し
みにする気持ちを共有させま
しょう。
・食に関する指導の際には、幼児の食生活の実情への配慮が必要です。
・家庭での食生活や食物アレルギーなどの情報を保護者から聞き、家庭と
連携することが大切です。
・年齢にあったマナーを育てることも大切です。
3
【事例1(4歳児
幼
4月∼8月)
児
の
「野菜!大嫌い!」】
姿
※家庭との連携
保育者の受け止めと援助
(4月)4歳児から入園したA児は、野菜嫌いだっ
た。朝も不安そうな顔をして登園し、給食の時
間になると泣き出す日が続いていた。
※母親に伝えると、家では野菜は全く食べない
とのことであった。
この時期、新入園児は不安でいっ
ぱいである。ましてやA児は野菜嫌
いだ。園生活に慣れるまでには時間
がかかりそうである。無理強いをし
ないようにした。
(5月)週に1、2回、泣かずに給食を食べるよう
A児の成長の姿を認め、泣かずに
になった。食事の量は少量である。
食べられた時はほめるようにし、泣
※少量でも食べられるようになったことを認め、 い て し ま っ た 日 は 、「 お し ま い に す
家庭でもほめてもらうようにした。
る?」など声をかけ、見守るように
した。
(6月)不安そうな状態が続いているが、食べたい
ものは自分から食べ、泣かずに給食の時間が過
ごせるようになった。
※家では野菜は食べないが園では「少し食べた
よ」と報告しているとのことであった。
泣かずに食べられるようになった
ので、そろそろ一口でも苦手なもの
も食べてほしいと思い、「野菜も少し
ずつ食べてみよう。」と強く声をかけ
た。
(6月)声をかけた次の日から、また給食の時間に
保育者の一言でまた泣き出してし
泣くようになった。
まったことを深く受け止め「泣かな
※母親に伝えたところ、朝の登園を嫌がる
くていいよ。心配しなくても大丈夫。」
ようになってしまったとのことであった。
と声をかけた。
(7月)一緒に遊ぶ友達(B男)ができた。おいか
保育者の言葉に安心したようだ。
けっこや固定遊具に登るなど、体を使う遊びが 仲良しの友達ができたこと、体を使
増えてきた。食べる量も増えてきた。(野菜は、 っての遊びが増え空腹を感じられる
ほとんど食べようとしない)
ようになったことも良かったと思う。
(8月)園生活の中で、笑顔が見られるようになっ
た。ある日「ぼく、ブロッコリー食べたことな
いんだけど、食べてみようかな。」と言って少し
口にいれた。
保育者の食べ方を見て、「本当、おもしろい。」
と言い、また口に入れた。
※家でも食べたとのことであった。
◇
保育者は、自分から食べた姿に驚
き、「すごい!食べられたね!」と共
感した。心の中で「もう一口」と言
おうとしたが、あせらず「先生は、
ブロッコリーを食べるとき髪を切る
人だと思って食べるんだよ。クルク
ル頭をチョキチョキってね。おもし
ろいでしょう。」と食べて見せた。
保育者には、給食中は泣かないでほしい、早く好き嫌いなく食べられるようになっ
てほしいという強い気持ちがありました。しかし、A児の今までの育ちや環境などを
十分理解し、A児にあった援助、指導していくことが大切であることが分かりました。
また、子どもは、一部分だけ分離して発達するのではなく、いくつかの側面が総合
的に発達していくものであるということ(この事例では、園生活に慣れた・友達がで
きた・空腹体験)を理解しておくことも大切なことです。
4
Q4 協同して遊ぶということはみんなで一緒に遊ぶと
いうことですか。
ネットワーク
・様々な人との出会いを刺激にし
て活動が充実する。
・互いのしていることやそれぞれ
のよさを認め合い、刺激し合いな
がら活動する。
刺激し合う
・みんなの中の自分を意識して、
はりきって生活する。
5
歳
児
はりきる
仲間との
やりとり
・互いの思いや考えに気づ
き、考えを出し合ったり工
夫したりする。
・友達とのやり取りを通して、伝
わった喜び、うれしさ、伝わらな
い悔しさ、もどかしさなど、様々
な感情を味わう。
揺れる
4
歳
児
試
・仲間の中で様々な立場に立って
仲間との関係を試す。
・様々な素材を使って多様な表現を
楽しむ。
す
楽しむ
3
歳
児
感じる
協同して遊ぶように
なるまでのイメージ
・気の合う友達と遊び、やり取
りしたり、思いが通じたりする
喜びを味わう。
・友達のしていることを自分のこ
とのように感じる。
・弁当をみんなで食べるとうれしい
など友達と過ごすことが心地よい
と感じる。
< 子 ど も の 姿 >
・様々な刺激(適度な抵抗感のあ
る活動や協力しないと扱えない
材料など)を投げかけ、それぞれ
のしていることが互いに関連し
合っていく状況をつくる。
(事例3参照)
・個々のよさを引き出しながら周
りに知らせることで互いを生か
し合う関係性をつくっていく。
・一人一人の葛藤の中身を探り、
時には自分なりに考えている場面
を見守ったり、一人一人の思いを
保育者が受け止め、言葉で表現し
たりしながら友達の様々な思いや
考えに気付く場面をつくる。
・様々な素材に触れられる環境を
構成する。
・遊びを作っていく楽しさを感じ
られるよう保育者がアイデアを提
供したり、材料を吟味したりする。
・保育者が仲立ちとなって友達と
つながる気分が味わえるように
する。
(事例2参照)
・自分らしい表現が安心してでき
るように一人一人の思いを十分
に受け止める。
・保育者や友達と一緒に生活する
ことの安心感がもてるように生
活のリズムに配慮する。
<保育者の援助のポイント>
協同性の育ちを重視するからといって、友達と一緒に活動することを急ぎすぎると、ともすると自立の
芽を摘んでしまうことにもなってしまいます。しかし、一方で、自立や自発性を重視するあまり、協同す
る機会を逃してしまっても問題です。
保育者は、一緒に遊ぶ人数にかかわらず、一人一人の幼児が十分に自己発揮しながら、他の幼児と多様
なかかわりがもてるように援助し、幼児が、遊ぶ中で共通の思いや願いや目的が生まれ、工夫したり、協
力し合ったりする楽しさを十分に味わえるようにします。
大切なことは、自立心や自発性をはぐくむ中で友達と協同する経験を通してさらに質の高い自立心や自
発性をはぐくんでいくという視点を保育者がもっていることです。
5
【事例2(3歳児)
「Aちゃんもピンク好きなんだって!」】
A児はピンクが大好きで、ピンクのベビ
ーカーを押しながら保育室にあるピンク
の布、ピンクのクレヨン、ピンクの紙など
をベビーカーの中に入れてしまいます。
あるとき、B児が「Aちゃんはピンクば
っかり集めちゃってずるい!」と保育者に
訴えました。保育者はA児の様子を見なが
らB児に「Aちゃんはね、ピンクがだ∼い
すきなんだって!」とにこにこしながら伝
えました。B児は複雑な表情をしてA児を
見つめていましたが、その表情が次第にゆ
るんできました。そして、B児はA児が押
して歩いているベビーカーの横を並走し
ました。二人の表情はとてもうれしそうで
した。
【事例3(5歳児)
◇最初、B児は、保育者のひとことでA児が自分と同じ感覚
をもっていることに気付き、A児に肯定的な感情を抱くよう
になったのだと思います。
また、保育者がA児を肯定的に受け止めている感情がB児
に伝わったのかもしれません。保育者が日ごろから幼児をど
のように受け止めているかが大きなカギになるのではない
でしょうか。
3歳児にとって友達という他者に出会うときの感
情は様々で複雑かもしれません。しかし、このよう
に、友達と出会ったときに、同じ感覚をもつ他者が
いることを心地よく思う経験を積み重ねていくこと
は、以後、自ら友達とかかわっていくときに肯定的
に友達の存在を受け入れることができるようになる
ための大切な経験の一つになっていくでしょう。
「リレーごっこ」】
ある園の運動会では、5歳児の競技に障害物リレーを取り入れています。
A児たちは障害物を「しかけ」と呼び、「とげとげ山」を作りたいといい出しまし
た。どうしたら本物らしく見えるか素材にこだわり、積み木を使ってみたり板を使っ
てみたりした結果、大型ブロックに小さいブロックを立ててそれを「とげとげ山」に
見立てました。その過程においては、とげとげ山に見えないといって壊したり、イメ
ージの違いからトラブルになったりして何度も挫折しそうになりました。また、とげ
とげ山から別のイメージがわいてきて、他のごっこ遊びの遊具にして、遊んでいるこ
ともありました。そんな様子を見ていたB児たちは「とげとげ山」の隣に新たな「し
。
かけ」として「ワープトンネル」を作りました。また、C児は「タッチして走ること」
にこだわり、「友達タッチをされて走る」ことを楽しみました。
障害をこんな
風にしたい
材料や作り方
の研究だ
D児はだんだんできあがっていく
全部の障害
をストーリー
でつなぐ
友達とのやりとりが
楽しい
全体を見わたして
障害に凝る
障害物リレーを見て「ここでとげとげ
山を越えたらトンネルくぐるんだよ。
そしてしかけ爆弾があってこれを爆
発しないように運ぶの。」とストーリ
ーを作りました。「ジャングル探検み
たいだね。」と、できあがった障害物
応援
したい
自分なりの役割を
見つけて
走ることへの興味
走るのが
楽しい
バトンタッチが
楽しい
友達と競走
したい
スタートの
笛を吹こう
旗を作ろう
リレーで友達と競い合うことを楽し
む子や、旗を作ってその子たちを応援
する子もいました。そして、今年の障
害物リレーはとげとげ山やワープト
ンネルを越えていく「ようこそ!ジャ
ングルへご招待」に決まりました。
◇一人一人の自発的な思いは周
りに自発的に活動している友達
がいるからこそ、より楽しくなっ
ています。例えば、障害物を作っ
ている子は走ってくれる子がい
るからこそ作り甲斐があり、走る
のが好きな子は応援してくれる
子がいるからこそまた走ろうと
思います。個々のしていることが
響き合って、自分のしていること
が充実していきます。
・それぞれが自発的な思いでリレ
ーごっこにかかわっているので、
自ずとそこに「ぼくが作った」と
いう思いが生まれています。
・かかわる内容や方法がひとりひ
とり異なるからこそ、個々のよさ
やはりきりが浮き彫りになり、互
いの持ち味を幼児同士が感じな
がら「みんなで作った」という気
持ちをもつことができます。
保育者は、幼児一人一人がはりきっていることを見つけ、活動を支えながら、
適切な素材を提示したりアイディアを出したりして、十分に自己発揮できるよう
に援助し、響き合いを意識しながら活動をコーディネートしていきます。一人一
人の自発的な思いを受け止め、保育者も共に創り上げながら、
「みんなで作った醍
醐味」が味わえるように援助することが大切です。
6
Q5
規範意識の芽生えを培うためには、きまりやルールを
守るように厳しく指導することが大切なのですか。
幼児の経験
―みんなと生活する中で―
教師の役割
◇状況に応じた多様なかかわりを大切にする◇
・みんなで気持ちよく生活することの大切
・発達の見通しの中で幼児の行動をとらえる。(同じ
さに気付く
行為でもその幼児の実態によって意味が異なる)
・友達の様々な特性を理解する
・幼児一人一人の考える過程を尊重し、保育者も共に
・生き物とのかかわりの中で命の大切さに
生活する一員として気持ちよく過ごせるようになる
気付く
ための方法を一緒に考えていく。
・様々な人との交流を通して自分の在り方
・友達とうまくいかなかったときの様々な解決法を示
を考える
していく。
(事例4参照)
・様々な人との交流を通していろいろな立場の自分を
感じる場面をつくり、一人一人の心の動きを見守る。
―友達とのかかわりを深める中で―
◇幼児を肯定的に受け止める◇
・いろいろな解決の方法を知る
・幼児が自分の思いや感情を適切な言葉で表現した
・自分の思いの伝え方を知る
り、自分や周りの友達の気持ちに気付いたりできるよ
・友達とのけんか・いざこざを通して様々
うにする。
な思いに気付く
・友達との遊びの楽しさを十分に味わえるように仲間
・ルールやきまりの意味を知る
の一員となって遊ぶ。
・自分の思いを主張する
・幼児の動きや言葉を真似たり、同じものを持ったり
・友達と遊ぶ面白さを知る
して幼児が友達と一緒の楽しさを感じられるように
・友達といることを心地よいと感じる
する。
・言葉で仲介するだけでなく、時には気持ちが切り替
えられるようなかかわりをする。
―初めての集団生活の中で―
幼児は教師に受け止められることで、安
・人を肯定的に受け止めることができるよ
心して自分の思いを表出できるようにな
うになる
ります。そのことで、幼児は、教師との安
・安心して自分の思いを表出する
定した関係に支えられ、友達とのかかわり
・幼稚園の生活の仕方を知る
の中で、自分が他者を肯定的に受け入れら
れるようになります。
幼児期は、他者との様々なやり取りをする中で、自分や他者の気持ち、自他の行動の意味など
に徐々に気付いていくようになります。そのためには、教師を支えに安心して自己発揮したり、
友達と遊んで楽しかったりする経験も大切です。大人が一方的に教え込む関係性では、幼児の自
分なりに考えようとする気持ちは育ちません。様々な出来事の中で心を動かし、自分なりにどう
するべきか考えたり、葛藤したりして、自分なりの価値観が揺さぶられながら考えていく過程を
大切にすることで、幼児がみんなと気持ちよく生活することの大切さに気付いていくのです。
7
【事例4(5歳児)
「がまんすることで」】
おやつの時間、A児とB児は椅子の取り合いをしました。
しばらく言い合っていましたが、ついにB児がA児に飛びかかってしまいました。
ちょうどB児はジュースをもっていたので、A児にジュースがかかってしまいました。B
児ははっとして手をひきました。A児はジュースをかぶったまま、じっとB児をにらんでい
ましたが、そのまま何も言わずに自分のタオルが掛っているところまで歩いて行き、保育者
に「先生、ぼく、何もしなかったよ」と言って取り合った椅子とは全く違う場所に座りまし
た。
降園時、保育者はクラス全体の話題として取り上げ、みんなで考えることにしました。
C児:「B君がわるいよ。だってジュースかけたもん。」
D児:「だってB君が先に座ってたんだから、取ったA君が悪いよ。
」
F児:「A君は聞いてから座ればよかったんだよ。」
G児:「A君は知らなかったんじゃないの?」
H児:「でもジュースかけることないじゃん。
」
保育者:「どうすればよかったのかな?」
I児:「口でいえばいいんだよ。
」
J児:「そうだよ。そうすればけんかにならない。」
K児:「でもさ、A君えらかったよね。やりかえさなかったもん。」
◇「ぼく、何もしなかったよ」という言葉に、自分の中で状況を判断し、やり返さなかっ
たA児の心の動きが見えます。立ち止まって感情を抑えながらどうしようか考えていたこ
の言葉は、保育者と、自分自身に向けている言葉であると思われます。立ち止まれた自分
自身を感じた瞬間です。「ごめんね」は言っていないA児ですが、“こうしなければならな
い”という価値基準をあてはめていくのではなく、一人一人の中で葛藤しながら自分の気
持ちを調整しようとする過程を大切にしたいものです。
K児の「えらかったよね。やり返さなかったもん」という言葉にも、A児がじっと立ち
止まった葛藤も含めて理解していることがうかがえます。
5歳児になると、表面的な現象の善悪の判断だけでなく、どうして、そのような状況に
なってしまったのか、どうすればよかったのかなど、友達の心の動きまで考えられるよう
になります。クラスの中で起きた出来事だからこそ、みんなと一緒に楽しくし過ごしたい
思いが生まれ、そのためにどうしたらよいのか、一人一人が問題意識をもって真剣にその
ことと向かい合えるのです。
幼児期後半には、生活の中で、自分たちが困った体験等を通して、
過ごしやすくなるための方法など自分たちなりに考える場を意識
してつくっていくこともよいでしょう。
8
Q6 幼児が自分の思いを言葉で伝え合う喜びを味わうよう
になるためには、どのような 経験が必要なのですか。
言葉は・・
・身近な人とのかかわりを通して次第に獲得されていきます。
・幼児は、園生活の中で心を動かす体験を通して様々な思いをもち、この思いが
高まるとその気持ちを思わず言葉にして親しい相手に伝え、共有しようとします。
☆
言葉による表現が難しい幼児は、表情や動作を交えて
精一杯伝えようとします。
うなずいたり
見つめたり
微笑んだり
保育者は・・・
幼児なりの表現を
積極的に受け止め
理解します。
言葉以外の表現も大切です。(事例5参照)
相手に自分の思いを理解してもらうことにより、
思いを伝えたいという気持ちが芽生えていきます。
☆
幼児は、保育者や他の幼児の言葉による表現を聞きながら、
自分の気持ちや考えを言葉で人に伝える表現の仕方を学んで
いきます。
伝える喜び
保育者は・・・
幼児の思いを言葉で代弁
していくことによって、
幼児が自分の思いをどう
言葉で表現すればよいか
が少しずつ理解していけ
るようにします。
共有することの満足
言葉のやり取りの楽しさを知り、
さらに意欲につながります。
☆
言葉の発達は、個人差が大きいものです。幼児は、保育者や
他の幼児とのかかわりの中で、言葉を使って伝えたり、保育者
や他の幼児の様々な表現に触れたりするなど言葉でのやり取り
をします。
次第に自分本位の言葉から人
に伝わる言葉になってきます。
場面に応じた言葉も使える
ようになってきます。
言葉による伝え合いの
喜びを感じます。
「ごめんなさい」という言葉も、無理
に言わせるのではなく、3歳からの経
験の積み重ねによって、少しずつ自分
の言葉として言えることが大切です。
9
保育者は・・・
幼児の言葉や発達や人との
かかわりをとらえながら、
・正しく
・分かりやすく
・美しい言葉
を使って語りかけ、幼児の
模範となり、喜びや表現を
伝える役割を果たせるよう
にします。
【事例5(3歳児
5月)「ぼくと同じハンカチ」】
3歳児であっても、簡単な言葉やしぐさで言葉のやり取りの楽しさを知る体験をしてい
ます。
∼手洗いの時間∼
入園してまもなく、まだ他の幼児に対して様子が分からずにいる時期。
A児の前に並んでいたB児がポケットからハンカチを出しました。
B児のハンカチを見ると、
「あっ!ぼくと同じハンカチだ。」
と、笑顔で言いました。
A児
今日のハンカチは、A児にとってお気に入りのハンカチでした。
A児がB児の前にハンカチを広げて見せました。
B児
自分と同じハンカチを見てA児に向かって、
「うん。」
と、笑顔でうなずきました。
B児にとっても大好きなハンカチであり、A児と共感していました。
B児もA児の前に自分のハンカチを広げて見せました。
保育者
A児とB児のやり取りの姿を見て、
「二人のハンカチはおそろいね。」
と、言葉をかけました。
保育者がお揃いのハンカチに気付き、言葉であえて代弁することに
より、二人の意識が明確になり、喜びと共感が深まりました。
二人は、顔を見合わせにっこり笑うと、保育者の前に二人並んで
おそろいのハンカチを広げて見せました。
A児
B児
二人の幼児にとっての伝え合いとなりました。
A児は、大好きなキャラクターが付いている、お気に入りのハンカチと同じ物を
他の幼児が持っていることに気付き、この喜びをB児と共感していました。
また、言葉でのやり取りでなくても、自分の思いを表情やしぐさで伝え合う楽し
さを感じていました。
幼児期において、身近な生活の中で自分の思いを言葉にする楽しさを感じられるよ
うな経験は大切です。しかし、それは、やり取りする経験だけをいっているのではな
く、それまでに様々な経験を積み重ね、心が動く経験をする過程が何よりも大切であ
ることを忘れてはいけないのです。
10
Q7
作品の出来栄えよりもその過程を大切にするとは、
どのようなことですか。
幼児が、活動を楽しみながら自己表現しようとする気持ちを育てることが大切です。
☆
様々な表現を楽しむ過程
幼児は、毎日の生活の中で身近な環境とかかわりながら様々なことを感じます。
不思議さ
面白さ
美しさ
優しさ
心が動きだし、感じたこと・考えたこと・イメージしたこと
を自己表現しようとします。
言葉で気持ち
を伝え合う。
なりきったり、
見立てたりして
楽しむ。
☆
心が揺さぶられ、
感動し体が動く。
表
音楽や絵本に
親しむ。
現
かいたり、つくったり
することを楽しむ。
安心して感情
を表す。
(事例6参照)
保育者は・・・
様々な表現の素材や方法を
経験できる機会をつくること
が大切です。
十分に自己表現するために大切なこと
保育者は・・・
○
自己の感情や体験を自分なりに表現する楽しさや
充実感を味わうこと。
○ 生活の中で出会う様々な事物や事象、文化に興味
をもち、心が動くこと。
○ 感じたこと、考えたこと、イメージして心を動か
したことを他の幼児や保育者と共有し合い、喜びを
感じること。
技能ばかりを身に付けさせ
るような偏った指導により、
幼児の表現意欲が損なわれた
り、出来栄えのみを重視した
りすることがないように十分
配慮します。
経験を重ねることで、感性と表現する力を養い創造性を豊か
にし、自己表現を楽しむようになります。
保育者は、幼児が表現する過程を楽しみ、それを重ねて幼児なりの自己表現が豊かに
なるよう幼児の心に寄り添いながら、適切な援助をすることが大切です。
11
【事例6(4歳児
5月)「うさぎの赤ちゃんにお話していたの」】
幼稚園でうさぎの赤ちゃんが生まれました。A児は小さく愛らしいうさぎの赤ちゃんが
大好きです。毎朝、家からキャベツを持ってきてうさぎに食べさせているA児の姿が見ら
れるようになりました。
A児
保育者
A児
保育者
A児
他の幼児
A児
他の幼児
保育者
他の幼児
A児
保育者
一人でお話をしながら、一生懸命うさぎの赤ちゃんの絵を描いていました。
「うさぎの赤ちゃんに何を話しているの?」
「『今日は、雨が降っているから会いに行けないよ。』ってうさぎの赤ち
ゃんにお話していたの。」
「いつもお野菜あげていたのに残念ね。」
にっこり笑って、「大丈夫だよ!」と言い、また絵を描き始めました。
様子を見ていた数人の幼児が、
「今、うさぎの赤ちゃんおなかがすいているのかな。」とつぶやきました。
「今、キャベツあげたから大丈夫だよ!」
うさぎの赤ちゃんの口元に緑のキャベツが描かれました。
「うさぎは、ニンジンが好きなのよ。」
「クローバーが好きなんだよ。」
「みなさん、うさぎの好きなものをよく知っているのね。みなさんも
うさぎの赤ちゃんに描いてあげたら。」
次々と描き始めました。
しばらくすると、
「うさぎの赤ちゃん、もうおなかいっぱいだって。明日は、おうちから
ニンジン持ってきてあげるって約束したんだ。」
と満足そうにお話しながら絵を見せてくれました。
「うさぎの赤ちゃんうれしそうね。よく描けたわね。」
幼児は、身近な生活の中で感じたり、考えたりしたことを表現します。A児は、
うさぎを思う気持ちを絵に描くことで自分の思いを満たし、保育者や他の幼児に伝
えようとしています。
また、保育者や他の幼児がその思いに気付いて共有したり、他の幼児とのかかわ
りから新しい発見をしたりします。このような体験を重ねていくことにより、自己
表現する楽しさや喜びを感じ、豊かな感受性が育ちます。幼児の表現活動におい
て、この過程が大切です。
12
Q8
多様な体験をするということは、行事や施設見
学などを数多く取り入れるということですか。
《多様な体験をするとは》
○多様な体験をするとは、行事や施設見学などをあれもする、これもするという量の
問題ではなく、質的に多様な体験をすることです。
○一つ一つの体験が、幼児の様々な経験を生み出すように広がったり、深まったりし
て、その後の体験とつながることです。
もの との
人
との
かかわり
かかわり
幼児が心身ともに調和の
とれた発達をするために
必要な 様々な経験とは
自然 との
生き物 との
かかわり
幼児自身の内面の成長のために
かかわり
意味のある多様な体験とは
幼児が環境に働きかけ、驚いたり、うれしくなったり、怒ったり、悲しくなった
り、面白いと思ったり、感動したり、不思議に思ったりなど、心が揺り動かされる
体験です。(事例7参照)
一つ一つの体験からどのような興味や関心が幼児の心に
生じたかを理解しましょう。
そこで
保育者は
幼児の思いを共感
しましょう。
幼児一人一人の体験を理解
しましょう。(同じ活動をし
ていても同じ経験をしている
とは限りません。)
ある体験から幼児
が何を学んだのかを
理解しましょう。
入園から修了までの園生活の中で、その体験が、後の
どのような体験につながっていくのかを考えましょう。
13
【事例7(5歳児
6月)「もっと遊びを楽しくしたい気持ちをきっかけに」】
幼児の姿
保育者の受け止めと援助
○ A 児はままごとでお母さん ○ 自 分 で 遊 び を 楽 し く し よ
役 に な り 、 料 理 を 作 り な が ら うとしている。
「電子レンジがあればいいな」
と言い、保育者や友達に話す。 ○ 自 分 た ち で も 作 れ る こ と
を知らせたかったので「作
○「何で作るの?」「どうやっ っ て み た ら ? 」 と 声 を か け
て作るの?」と疑問をもつ。 る。
○まわりの友達も集まってき
て、一緒に作り、出来上がる
様子を見て「本当だ。電子レ
ンジみたい」とにこにこして
いる。
○ 父親保育参観で、お父さんと
一緒に、ダンボールや廃材を使
って、制作遊びをする。
○自分で考えたものを作り始め
た。
○作ることよりダンボール切り
に夢中になる。
○作ったものを、年中、年少組
さんに見せたり、貸したりして
遊ぶ。
○遊んで使わなくなったもの
はどうするか考える。
◇
経験していること
○必要なものを自分で考
える。
○自分の思いを保育者や
友達に伝える。
○ ダ ン ボ ー ル や 廃 材 を 準 備 ○どうやったらできるの
し「一緒に作ろう」と誘う。 か?不思議な気持ちと興
味関心をもつ。
○既製の遊具が多いので、
自 分 た ち で 作 っ た こ と を 喜 ○ダンボールや廃材が電
んでいる。
子レンジになったことへ
の驚きと喜びを感じる。
○お父さんと制作することで、
ダイナミックで本物に近いも ○喜びを共感する。
のができた。
○素材や道具などの特質、
使う量、使い方などに気付
○作ることがおもしろいと感 く。自分でも作ってみたい
じている。
という気持ちが芽生える。
○作ることが楽しい。
○自分の経験したことを伝え ○道具の使い方を知る。
たり、年中、年少組の子に対 ○切ることが楽しい。
して優しくしたい気持ちがみ ○ 年 中 、 年 少 組 に 言 葉 で
られる。
伝える。世話をする。一緒
に遊ぶ。
○エコ・リサイクルにつ
いて知る。
○ エ コ ・ リ サ イ ク ル の 時 代 ○知ったことを家庭に話
であることを話題にする。 し伝える。
この遊びをきっかけに、遊びが持続し、友達同士のかかわりも増え、様々な体験
をしていることが分かりました。また、このとき大切なことは、保育者のかかわり
です。保育者は、アイデアをなげかけたり、一緒に遊んだり、考えたり、工夫した
りして、子どもたちと思いを共有することが重要です。それにより子どもは、様々
な経験ができるのです。この経験が今後の遊びや生活の中でどのようにつながって
いくかを考えることも忘れてはならないことです。
幼児が何を経験しているかを
とらえることが重要です。
14
Q9 交流活動は、幼児にとってどのような意味があり
ますか。
小学校(生活科)の単元「秋祭りへようこそ」の交流活動の例をもとに、幼児にとっての
交流の意味を考えます。
秋祭りへようこそ(第2学年・生活科)
小学校2年生が秋の自然物を利用した遊びのコーナーやお店屋さんを用意し、そこに幼稚
園・保育所の幼児を招いて、一緒にお祭りを楽しむ活動
いらっしゃい。
2つで60円です。
2つください。
小学校のねらいは?
①幼児とのかかわりで、思
いやりの気持ちをもったり
自分の成長に気付いたり
する。
②季節の変化や自然を感じる。
③表現力やコミュニケーショ
ン能力を養う。
幼稚園・保育所のねらいは?
単なる
お客さん?
交流活動では、幼稚園や保育所の幼児が、小学校に招待される形が多く実施されてます。
その際、活動計画は、全般的に小学校が作成し、幼稚園・保育所は、どちらかというと招待され
る立場で「お客さん」になりがちです。これでは、幼児にとって意味のある交流と言えないので
はないでしょうか。
幼児にとって意味のある交流にするための4つのポイント!!
幼児にとっても
○幼稚園・保育所のねらいを明確にして、参加しましょう。
学びの時間です
(例)・言葉のやり取りをしながら、買い物やゲームを楽しむ。
・お兄さん、お姉さんに親しみをもち、小学校へのあこがれや期待をふくらませる。
○事前に、幼稚園・保育所と小学校の双方のねらいを共通理解しましょう。
日時や場所も大切で
・計画書をもらうだけでなく、保育のねらいを伝えましょう。
すが、ねらいの共通
理解が必要です
○事後に、実施した交流活動について話合う機会をもちましょう。
・交流して終わりではなく、活動内容や子どもの様子について、
親しく話し合いましょう。
○交流活動を年間指導計画に位置付けましょう。
・毎回、苦心していた日程調整に要する労力を軽減できます。
次年度の交流にも生
かせます
継続した取組につな
がります
小学校へのあこがれや期待がふくらみます。
交流で経験したことを幼児なりに遊びや生活に生かそうとします。
交流をすることによって、幼児に育つものは何か、その時
間にどのような学びがあるのかというねらいを教師がしっか
りともつことが重要です。
15
Q 1 0 クラスに発達障害と診断された幼児がいますが、
保育者はどのような援助をしたらよいですか。
《特別支援教育とは》
○「困った子どもがいる、どうしよう。」ではなく、「子どもが困っている、どう援助
していこう。」から出発します。
○集団の中での生活を通して、場に応じた生活習慣の形成や人とのかかわり方、自己
肯定感などを全体的に促していきます。
○障害の有無にかかわらず、幼児が互いのよさや違いを認め合い、育ち合うための組
織的・計画的教育です。
☆保育者の具体的な援助
・動きやすい保育室をつくる。
・満足感や達成感を味わわせる。
・一日の見通しやルールを図などで、わかり
やすく示す。
・具体的に、短くわかりやすい指示をする。
・保育者は、他児へのかかわり方のモデルと
なる。
すべての幼児に
有効な援助です。
大切なのは、その幼児が集団の中で他の幼児と同じことをすることではな
く、その場で個々の発達に応じた必要な経験をしているかということです。
☆そのために必要なことは
○個別の指導計画の作成
・教育課程、指導計画等を踏まえて、幼児一人一人の教育的ニーズに対応した、より
具体的な指導目標や指導内容・方法等を盛り込みます。
・幼児自身のニーズとともに、保護者や保育者の思いや願いを取り込んで、具体的な
かかわり方を計画します。
○園内の指導体制の充実
・園内委員会、特別支援教育コーディネーター等の設置が望まれます。
⇒担当者のみでかかわるのでなく、園全体の協力体制を作り、取り組むことが大切
です。全体でかかわることが、保育者の知識と経験を豊かにすることにもつながり
ます。
○関係機関等との連携
・ 特別支援学校や医療・福祉などの関係機関との連携を図り、助言・援助を活用しな
がら、長期的な視点に立った支援を考えます。
○ 保護者への支援
・幼児 の状況を受容し、一緒にかかわっていけるよう、話を聞いたり幼児の育ちを伝
えたりする援助が必要です。
16
Q11 幼児がうまく園に馴染むためには、どの
ような援助が大切ですか。
《入園当初の援助について》
食事や排泄、遊びなどの生活を家庭とは異なる場所で始める幼児は、園での生活をす
べて初めての体験としてとらえ、とまどうことが多いものです。
幼児の生活の基盤となる各家庭での経験は、保護者の考え方や生活態度により様々で
す。このため、幼児の園への馴染み方は、一人一人異なり、個人差が大きくなります。
「早く園での生活に慣れよう」「みんなで一緒に」ではなく、子どものペースに応じ
た援助を考えることが必要です。
幼児のトイレを例に考えてみましょう。
一人でトイレに
いけないよぉ
行っておいでって
言ってほしいのに
広いトイレが
怖いよ
誰に言えば
いいの?
何て言えばいいの
か分からないよ
いつ行けばいいの
おむつをしているのよね
どのような声の
かけ方や寄り添い
方が必要か、保護
者と情報を伝え合
い、園と家庭とが
連携して子どもを
支えていきましょ
う。
モジモジしているな
園には、幼児の生活の組み立てに関してのこれまでの指導の蓄積があることでしょう。
一方、保護者も精一杯の子育てをしています。
園の方針・方法と家庭での方法のどちらに合わせるかではなく、互いの情報を共有し、
共感することから話を始めることが大切です。
この関係が、保護者と園の信頼関係を築く足掛かりとなります。
保護者の安心感が幼児の安心感につながることを常に意識しましょう。
☆大切な職員同士の連携
保護者が、園での幼児の様
子を心配して不安に思う気持
ちが幼児を不安定にすること
もあります。
保護者の園への信頼が幼児
の気持ちの安定につながるこ
とを、全職員で確認しましょ
う。
職員同士の連携として、例
えば、幼児への対応は担任が
行い、保護者への対応は主任
や園長など、園全体を把握で
きる職員が行うという役割分
担も有効な方法です。
17
不安が強い幼児や保護者
へは、どのような対応をす
るのか園内で共通理解し、
園全体で受け止める姿勢を
保護者に伝えるようにしま
しょう。
Q12 園における子育ての支援への配慮点は何ですか。
《幼稚園における子育ての支援について》
近年、核家族化や少子化が進み、子育てに不安を抱える保護者が増えています。
そこで、保育の専門性を生かした幼稚園における子育ての支援が必要とされていま
す。子育ての相談や子育ての情報提供、あるいは未就園児の親子登園など、施設を開
放し、地域の子育て支援の機関とも連携しながら保護者と共に子どもの健やかな育ち
を支えていくことが重要です。
☆具体的な配慮点
情報提供では
未就園児の親子登園では
・保護者が研修の成果を
発表するなど、保護者の
言葉で子育ての考えが伝
わるようにしましょう。
・個人情報には十分注意
しましょう。
・保育者のかかわり方を保護者が
見て、子どもへの接し方を学んで
いることを自覚しましょう。
・園庭を開放して園児と遊ぶなど
子ども同士の育ち合いにつながる
ような活動にしましょう。
子育ての相談では
・内容によって相談しやすい
場所や時間を考えましょう。
・子育て相談の専門機関と連
携をとり、その子にとって最
もよい環境を保護者とともに
考えましょう。
子育てネットワークを構築し、保護者同士が積極的に交流できるような配慮が必要です。
子育てのネットワーク例
特別支援学校
との連携
親子
登園
NPO法人
との協力
未就園児
の受入れ
園だよ
りの配
布
ボランティア
団体の活用
家庭教育オピニオン
リーダーとの連携
保護者の
保育参加
サーク
ル活動
子育て
相談会
行政機関との
連携
幼稚園
子育て経験者
の活用
幼稚園・保育所・
小学校との連携
中高生の
保育体験
おやじ
の会
子育て
サロン
保育カウンセ
ラーとの連携
講演会
園庭
開放
≪子育ての支援活動が充実すると(A幼稚園の例)≫
○親子関係が安定します。
○快い刺激と運動で食欲がでたり、自然に排泄の習慣が身に付いたり、早寝早起きや食事
などの生活のリズムが身に付きます。
○子どもの失敗やトラブルも成長に必要な体験ととらえるようになり、子どもと程よい距
離を保つことができます。
○保護者は、子育てに自信をもち、余裕がでてきて、周りの人から頼られる存在になります。
○保護者との協力関係を築くことができます。
○未就園児の親子登園などを通して、入園初期の幼児理解が深まります。
保護者が子育てを楽しいと感じられるような支援をしていくこ
とが大切です。そこに来た保護者が子育てのヒントを得られたり、
子どもの成長に喜びを感じたり、友達ができたりする機会を充実
していきましょう。
18
Q13
教育課程や指導計画を評価し、改善していく方法を
教えてください。
教育課程は各園で設定した教育目標を達成するために、入園から修了までの幼児の発
達の過程を見通し、その発達の過程を基に具体的なねらい・内容を組織化したものです。
編成した教育課程をより適切なものとし、教育目標がより効果的に実現できるように絶
えず、評価、改善していくことが大切です。
ここでは、幼稚園教育要領の改訂により、特に重点のおかれたいくつかの視点につい
て具体的な方法を例示します。
改善例1
∼「自信をもった行動」を視点として∼
幼稚園教育要領及び解説の記述
○集団の生活の中で、幼児が自己を発揮し、教師や他の幼児に認められる体験をし、自信をもって
行動できるようにすること。
<幼児の具体的な姿>
<幼稚園教育要領「人間関係」内容の取扱い(2)>
<事例の読み取り(評価)>
<具体的な改善例(教育課程表の一部)>
●4 歳児(11月)
○気の合う友達との間で十
期
ねらい
指導する内容
楽しみ会(発表会)でいくつ
分に自分の思いを表現する
3 歳児
かのグループに分かれて年
経験を重ねてきたからこそ、
長組と一緒に活動すること
安心できる友達と分かれて
4 歳児
○先生や友達に
○先生や友達と一緒に
前半
親しみをもちい
いる心地よさを感じる
になった。A児はいつも声も
活動する状況を自分なりに
小さく、B児となら安心して
受け入れることができるよ
ろいろなものに
○気の合う友達と遊ぶ
自分の思いを表現して遊ん
かかわることを
中で自分のしたいこと
うになるのだろう。
でいた。しかし、B児はA児
○自分が興味をもった活動
楽しむ。
と友達のしたいこと違
とは別のグル―プを選んで
をしながら充実感を味わっ
しまった。A児は初めは不安
たり、新たな活動を成し遂げ
な表情で過ごしていたが、自
た満足感を味わったりした
分で選んだ楽器グループの
ことで、できた自分を感じて
いを感じながらも一緒
追加
に遊ぼうとする。
4 歳児
後半
○友達とのつな
○異年齢保育の中で
がりを感じなが
様々な不安や葛藤を乗
らいろいろな活
り越え、やり遂げられた
動を楽しむ
自分を感じる
追加
活動が楽しくなり、本番をや
いる。
り遂げた。本番が終わると、
○できた自分を感じている
クラスの中で自分がやって
ことで、友達のしている活動
いなかった劇グループの出
への興味がわき、楽しみを共
し物をC児やB児と一緒に
有したり、自信をもって表現
大きな声で堂々と演じるこ
したりできるようになるの
とを楽しんだ。
だろう。
19
追加
○友達とのつながりを
意識しながら自分のや
りたいことに取り組ん
でいく
改善例2
∼「思考力の芽生え」を視点として∼
幼稚園教育要領及び解説の記述
○遊びの中で周囲の環境とかかわり、次第に周囲の世界に好奇心を抱き、その意味や操作の仕方
に関心をもち、物事の法則性に気付き、自分なりに考えることができるようになる過程を大切に
すること。特に、他の幼児の考えなどに触れ、新しい考えを生み出す喜びや楽しさを味わい、自
ら考えようとする気持が育つようにすること。
<幼稚園教育要領「環境」内容の取扱い(1)>
<幼児の具体的な姿>
<事例の読み取り(評価)> <具体的な改善例(教育課程表の一部)>
●4 歳児(1月)
A児は自分で作ったミニ四駆を
何台か持ち、何度も走らせている。
しかし、どの車も自分が思ったよ
うに「かっこよく!」は走らない。
教師に新しいミニ四駆を作るため
の材料を要求してきた。早速、作
り変えてみたが、思うように走ら
ない。車体の装飾を少なくしたり、
タイヤをたくさんつけてみたりし
ている。大小のタイヤをつけてい
るB児や車体の大きさや素材の違
うものでつくっているC児も同じ
場で遊んでいる。A児はB児やC
児の真似をしてさらに工夫を続け
ていた。6 度目の作りなおし後、
「できた!」転んでもそのまま走
るリバーシブルカーが完成した。
●5 歳児(1月)
糸ゴマを一人一つずつ持って、
回して遊ぶことを楽しんでいるR
児、S児、T児たちは功技台と雨
どいを使ってコマのコースを作っ
ている。一度下がって、また登っ
てくるようにコースを組んでいる
が、なかなか成功しない。
「こっち
の段を一段上げれば?」「じゃあ、
ここはこのままでいいよね?」
「こ
れは少し、下げよう」と互いに段
数を調整している。
「タイヤ回しが
いいんじゃない?」S児がコマの
回し方の工夫に気づくと次々に試
してみている。成功すると、見て
いた友達から大きな拍手がおこっ
た。
○遊びながら自分なり
期
に「こうしたい」とい
3 歳児
う思いが生まれていく
4 歳児
ことで、自分なりの試
きるようになる。
く、試したり、工夫し
4 歳児
後半
たりしてみたくなるよ
うな材料・素材の吟味
も重要である。
追加
○友達と同じ場で遊ん
でいることで、直接や
り取りはしていなくて
も自分の試しの中に友
達のしていることが取
20
・いろいろな
材料、用具や
遊具に興味を
もち、そこか
ら自分なりに
イメージをわ
かし、遊びを
楽しむ。
・友達とのつ
ながりを感じ
ながら活動を
楽しむ。
・
「こうしたい」
という思いをも
って、自分なり
に工夫して取り
組もうとする。
5 歳児
変更
・いろいろな材
料や用具とかか
わり自分なりに
試したり確かめ
たりして遊ぶ。
前半
・共通の目的 ・遊びの内容、
り込まれていく。
○5 歳児では、何人か
の友達と、目的を共有
し、そのことに向かっ
て試行錯誤するように
なる。
○自分の思いを言葉や
行動に表し、互いに伝
え合いながら活動する
ことでより探究心が深
まり、新たな目的が生
まれていく。
○知的好奇心を高め合
えるような教材と環境
づくりが重要である。
また、互いのことを認
め合える関係性をつく
っておきたい。
指導する内容
前半
しを繰り返すことがで
○4 歳児でも扱いやす
ねらい
5 歳児
後半
に向かって友
達と考えたり
話し合ったり
して活動を進
める。
追加
追加
目的に応じ、場
や材料、素材を
選んだり工夫し
たりしながら遊
ぶ。
・自分なりの考
えを相手に伝え
たり、友達のよ
さを認めたり、
その考えを取り
入れたりしなが
ら遊びを進め
る。
幼児の姿を視点をもって見直す
ことが、つまりは教育課程の評価に
つながります。ねらいや指導する内
容を見直し、新たな項目を追加した
り、文言を変更したりするなど改善
を図りましょう。
Q14
幼稚園や保育所の教育と小学校教育の「段差」
とは、どのようなものですか。
《「段差」とは》
「段差」というと、マイナスのとらえ方をする場合が多いと思いますが、ここでは、幼稚園
や保育所の教育と小学校の教育の違いととらえてみましょう。
就学を境に生じる「段差」を2つの面から考えてみます。
上れない「段差」
つきあたる
小学校
つまずく
上れない
下りたくない「段差」
国語 算数などの教科学習
幼児期
つまらない
時間で区切られた授業
最年長のしっかり者
教室での座学中心
できるのに
下りたくない
自分でやろうとする意欲
幼児期
自尊心
遊びの中での学び
小学校
最年少の1年生
時間の区切りが緩やかな生活
早い下校時刻
5領域の総合的な指導
できないことが前提
幼稚園や保育所で生活していた子どもが小学校に入学すると、様々な違いに出あいます。
左の図は、上れないと感じられる段差で、遊びを中心とした幼児期の学びから、教科や時間に
区切られた小学校の学びへというような、主に学習面での移行です。
一方、右の図は、下りたくないと感じられる段差で、有能感に満ちた年長児が、最年少の立場
の 1 年生として扱われるような、主に生活面での移行です。
☆この段差を滑らかなものにするためには?
○小学校では、特に入学当初、生活科を中心としたスタートカリキュラムや国語・音楽・図画
工作などで、幼児期の表現や言葉に関する内容を意識した学習活動の充実を図っていきまし
ょう。
○幼稚園や保育所では、年長児における協同的な活動の充実など、就学を意識したカリキュラ
ムなどを考えていきましょう。
☆段差は、ない方がいいの?
○子どもにとって、1年生になる期待や小学校への
憧れは、とても大切なものであり
滑らかな「段差」
自分 で上れる
みんな とがんばる
小学 校
子どもの成長には、背伸びとジャンプが必要です。
ち ょっと助けてもらえばで きる
保育・教育 の相互理解
幼児期
子どもの 発達の理解
発達や学 びの連続性
「段差」をすべて取り除くのではなく、子ど
もが幼児期に身に付けた力で対応できるよう
な、滑らかな「段差」にすることが大切です。
21
Q15 入学に際しての情報伝達では、小学校の先生は、
幼児のどのような情報がほしいのですか。
《入学に際しての情報伝達について》
ここでは、幼稚園や保育所から送付する幼稚園幼児指導要録・保育所児童保育要録と、口頭
で幼児の様子を伝える情報交換会の2つの側面から説明します。
A児の入学について、考えてみます。
口頭での情報交換会
指導要録・保育要録の送付
○学籍に関する記録
○指導に関する記録
・指導上、参考となる事項
発達の著しいもの
総合的にとらえた姿
成長の過程
指導に必要な配慮事項 等
○基本的な生活習慣について
の状況
○情緒面での配慮
○健康面
○交友関係
○家庭での様子 等
A児の学びを保障するための資料
学級編成や学級経営に生かす資料
☆指導要録・保育要録は
子どもの学びを保障するための資料として、小学校で有効に活用されます。
では、A児についてのどのような内容が、1年生の担任には、役立つのでしょう。
例えば、・運動会では、苦手なかけっこも一生懸命走り、メダルをもらって喜んでいました。 は、
小学校の先生にとって、指導に生かせる内容でしょうか。下の3つの視点を加えてみます。
運動に関するA児の課題
一生懸命走るようになった過程
教師の具体的な援助の方法
等
・進級当初は外遊びが苦手でしたが、教師が園庭で一緒に遊んだり、仲良しの友達と鬼ごっこを
楽しんだりすることを通して、少しずつ、体を動かす気持ちよさを感じるようになりました。
これなら、1年生の担任が体育の指導をする際の手助けになります。また、入学当初の言葉か
けの参考にしたり、休み時間の過ごし方を見たりすることもできます。そうすることで、A児の
中に育ってきた運動や体を動かすことへの意欲が継続されます。
☆口頭での情報交換会は
子ども一人一人が集団の一員として活躍するための学級編成の資料となります。幼稚園・保育
所と小学校の教職員が顔を合わせて、双方向性のある情報交換をし、学級経営に生かせるものと
しましょう。
小学校の先生が、入学前の幼児の育ちや学びの様子を知ることで、
子どもの学びが0(ゼロ)からのスタートでは、なくなります。
指導要録・保育要録による伝達と情報交換会等の伝達の双方を
有効に活用して、子どもの学びをつなぎましょう。
22
「幼児教育Q&A」作成委員一覧(順不同、敬称略)
稲川
知美
宇都宮大学教育学部附属幼稚園教諭
萩原
京子
那須塩原市立塩原幼稚園教諭
吉原
弘美
陽の丘幼稚園教諭
新村
幸江
栃木県教育委員会事務局学校教育課副主幹
増田眞千子
栃木県総合教育センター幼児教育部部長(幼児教育センター長)
松本
良雄
栃木県総合教育センター幼児教育部部長補佐
永井
弘美
栃木県総合教育センター幼児教育部副主幹
鈴木
智恵
栃木県総合教育センター幼児教育部指導主事
高木
恵美
栃木県総合教育センター幼児教育部指導主事
(職名は平成22年3月現在)
参 考 文 献
○平成17年1月
「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り
方について(答申)」(中央教育審議会)
○平成20年1月
「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指
導要領の改善について」(中央教育審議会答申)
○平成20年4月
「保育所保育指針解説書」(厚生労働省)
○平成20年10月
「幼稚園教育要領解説」(文部科学省)
○「食育基本法」
(平成17年6月17日公布法律第63号)
○平成21年1月
「幼稚園教育課程編成の手引」(栃木県教育委員会)
幼 児 教 育 Q& A
発行
平 成 22年 3 月
栃木県総合教育センター
幼児教育部
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