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【不動産リサーチレポート】ジャパン・クオータリー 2016年第2四半期

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【不動産リサーチレポート】ジャパン・クオータリー 2016年第2四半期
不動産リサーチレポート
ジャパン・クオータリー
2016 年第 2 四半期
2016 年 4 月
目
次
1
まとめ
3
2
経済・金融・投資家動向
4
2.1 マクロ経済情勢
4
2.2 不動産投資市場・価格
6
3
2.3 J-REIT
10
不動産ファンダメンタルズ
12
3.1 オフィス
12
3.2 商業施設
15
3.3 住 宅
16
3.4 物流施設
17
バックナンバー
18
免責事項
19
組織変更のお知らせ
平成 27 年 10 月 1 日より、ドイツ証券(株)不動産投資銀行部の業務はドイチェ・アセット・マネジメント
(株)に新設された不動産投資運用部に引き継がれました。
併せて、本レポートの配布元についてもドイツ証券(株)よりドイチェ・アセット・マネジメント(株)へ変
更となりました旨、お知らせ申し上げます。本書記載の内容については、日本国内ではドイチェ・アセット・
マネジメント株式会社がお問い合わせの窓口となりますので、ご質問などございましたらドイチェ・アセッ
ト・マネジメント株式会社の担当者までご連絡願います。
注意事項
本レポートの日本語版と英語版は発行のタイミングが異なるため、内容・データが一部異なることがあります
のでご了承願います。
本件に関するお問い合わせ先
ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 広報担当
Tel: 03-5156-5000
2
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
1 まとめ
—
経済・金融・投資家動向: 本章では国内マクロ経済動向や不動産投資市場、キャップレート、投資リターンなど
について直近の動向と今後の見通しを分析している。2016 年第 1 四半期の実質 GDP は、消費の停滞や輸出
の不調などもあり実質的にマイナス成長が予想されている。年始より為替が円高傾向に振れており、輸出や個
人消費の回復も遅れている。資源価格の下落や中国の景気減速などと相まって、日本経済の下振れリスクは増
大しているといえる。
2015 年度の不動産売買高は約 4.1 兆円と前年度比約 23%の減少となっており、2012 年度以降初めての目立
った減少となった。都心を中心に取引利回りに過熱感が出ているほか、周辺部でも売買取得が成立しない事例
も一部にみられる。一方、日銀が 2 月から導入したマイナス金利政策の後押しを受けて、J-REIT による取得が
再び活発化する地合いにあり、不動産業界への資金流入も再び増加する基調にある。
—
不動産ファンダメンタルズ: 本章ではオフィス・商業施設・住宅・物流施設の 4 セクターそれぞれにおける市場フ
ァンダメンタルズの動向について概観している。企業の雇用は概ね拡大基調にあるが、これまで好調だったオフ
ィス市況はここへきてやや減速の兆しも見えている。2016 年前半にはさらにいくつかの大型ビルの供給が予定
されており、一部ビルでは空室の消化に時間がかかるケースも出るものと思われる。
2015 年度の訪日外国人数は前年比 46%増、2013 年比 95%増の 2,136 万人と年度ベースで初めて 2,000 万
人を超えた。2015 年度の消費額も前年度比 61%増の約 3.7 兆円と過去最高となったが、直近 2 四半期は円
高の影響もあり拡大ペースが減速している。2015 年第 4 四半期の都心商業施設の賃料は銀座、表参道でほぼ
横ばい、新宿で 7.6%と上昇したものの、渋谷、池袋では軟調に推移した。訪日客向けの免税品売上高も 2015
年通年でみると前年比約 2.6 倍になったものの、中国経済の減速や円高の影響で需要には一服感もみられる。
都心の百貨店や主要都市のショッピングセンターにおける 2016 年第 1 四半期売上高は前年同期比で概ね横
ばいとなった。
2016 年第 1 四半期の首都圏分譲マンションの平均販売価格は前年同期比 9.1%増の 5,669 万円と過去 20 年
で最高の水準で高止まりしている。一方、販売価格の上昇が影響して供給戸数は 2 四半期連続で前年割れと
なり、契約率も低迷している。物流施設では東京圏で大型施設の新規供給が続き、東京圏で前期比 1.8%の下
落、大阪圏でも同 1.7%の下落と 2 四半期連続で下落した。2016 年半ばにかけて東京圏、大阪圏いずれにお
いても高水準な供給が予定されているため、空室率は年末まで上昇傾向が続くものとみられる。
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
3
2 経済・金融・投資家動向
マクロ経済情勢
2.1
2016 年第 1 四半期の実質 GDP は、消費の停滞や輸出の不調などもあり閏年の日数を除けばマイナス成長が予想さ
れている。年始より為替が円高傾向に振れており、輸出や個人消費の回復も遅れているほか、九州では地震によるサ
プライチェーンへの影響も局地的にみられる。IMF は 2016 年の世界経済の成長率を下方修正しており、資源価格の
下落や中国の景気減速などと相まって、日本経済の下振れリスクは増大しているといえる。
図表 1: 実質 GDP 成長率の推移
Q1
Q2
Q3
日経平均(前年同期比、右軸)
Q4
(前年同期比)
(年成長率、実質)
60%
6%
予想
4%
40%
2%
20%
0%
0%
-20%
-2%
-4%
2000.12
ITバブル崩壊
1997.04 消費増税
1997.07 アジア通貨危機
-6%
2011.03
東日本大震災
-40%
2014.04
消費増税
-60%
2008.09
リーマンショック
-8%
-80%
-100%
2019F
2018F
2017F
2016E
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
-10%
E:Deutsche Asset Management 推定値(文中全ての図表同様)、F:Deutsche Asset Management 予想値(文中全ての図表同様、詳細については末尾の免責事項を参照)
出典: 内閣府、Bloomberg、ドイツ証券の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
日銀短観による 2016 年 3 月の業況判断指数 DI(国内大企業・全産業ベース、黄線)は 2015 年 12 月から 5 ポイント
下落の 13 となった。中国など新興国経済の減速、国際商品価格の下落、年初より進む円高・株安の影響を受けて特
に製造業において景況感の悪化が大きい。2016 年 2 月の景気動向指数先行 CI(青線)は 99.8 と前期比 2.7 ポイント
減と 2012 年 12 月以来の低水準となった。
図表 2: 景気動向指数(先行指数)と日銀短観
景気動向指数 先行CI (左軸)
日銀短観 大企業DI (右軸)
(2010年=100)
DI業況判断指数:
('良い' - '悪い', % ポイント)
126
113
25
100
0
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
-50
1993
74
1992
-25
1991
87
出典: 日本銀行、内閣府の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
4
50
先行き
世界的なリスクオフの流れや米利上げ観測の後退を受けて、日経平均は 4 月にたびたび 17,000 円を割り込む展開と
なっており、年初からの下げも 10%を超えている。また、円相場も 4 月中旬に一時 1 ドル=107 円台まで強含んだ。円
安主導によるデフレ脱却を目指してきたアベノミクスは今まさに正念場を迎えているといえる1。
図表 3: 日経平均と円相場
日経平均(左軸)
円相場(右軸)
¥20,000
¥120
アベノミクス
¥15,000
¥100
¥10,000
¥80
2016.04
2015.10
2015.04
2014.10
2014.04
2013.10
2013.04
2012.10
¥60
2012.04
2011.10
2011.04
2010.04
2009.10
2009.04
2008.10
2008.04
2007.10
2007.04
2006.10
2006.04
¥5,000
2010.10
2011.10
円相場75円台
(史上最高値)
2008.09
リーマンショック
出典: Bloomberg の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
先号の本誌発行後、日銀は国内史上初めてマイナス金利の導入を決めた。これに伴い 10 年物国債の利回りは 2016
年 4 月現在-0.10%前後で推移しており、今後も 2018 年までゼロ%程度で推移するものと予想されている。消費者物
価指数(コア CPI)は原油安の影響を受けて軟調に推移しており、足元ではゼロ%付近、食料及びエネルギーを除いた
指数は 0.8%で推移している。2016 年末にかけて 1%程度までは上昇する可能性があるが、日銀が目標とする 2%の
達成時期は順次先送りされている。デフレ脱却はアベノミクスの至上命題であるだけに、今後日銀によるもう一段の利
下げの可能性も出てきている。
.
図表 4: 短期金利と消費者物価指数推移
翌日物コールレート(%, 期末)
(%)
消費者物価指数
10年国債
消費増税
影響含む
3
2
1
0
-1
予想
-2
2019F
2018F
2017F
2016E
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
-3
E:Deutsche Asset Management 推定値、F:Deutsche Asset Management 予想値
出典: Bloomberg、ドイツ証券の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
1
ジャパン・クオータリー2016 年第 1 四半期号「特集:アベノミクスの過去 3 年を検証する」をご参照。
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
5
不動産投資市場・価格
2.2
金融機関による不動産ファイナンス2の状況はこれまでの改善傾向からやや高止まり感が出てきている。日銀短
観によると 2016 年 3 月の金融機関の不動産・大企業向け貸出態度 DI(黄線)は前期比横ばいだったものの、
不動産業の設備投資向け新規融資額は 2015 年 12 月に前年同期比で若干の減少に転じた。足元で一部の取引価
格が過熱感を増しており、投資家もレンダーもやや慎重な姿勢を示す例がみられる。
図表 5: 不動産向け新規融資の増減と金融機関の貸出指標の推移
不動産業の設備投資向け新規融資増減 (前年同期比、左軸)
貸出態度DI 全産業・大企業 (右軸)
貸出態度DI 不動産・大企業 (右軸)
40%
40
20%
20
0%
0
-20
-40%
-40
2008.03
2008.06
2008.09
2008.12
2009.03
2009.06
2009.09
2009.12
2010.03
2010.06
2010.09
2010.12
2011.03
2011.06
2011.09
2011.12
2012.03
2012.06
2012.09
2012.12
2013.03
2013.06
2013.09
2013.12
2014.03
2014.06
2014.09
2014.12
2015.03
2015.06
2015.09
2015.12
2016.03
-20%
出典: 日本銀行の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
2015 年度の不動産売買高は約 4.1 兆円と前年度比約 23%の減少となっており、2012 年度以降初めての目立った減
少となった。都心を中心に取引利回りは引き続き低下傾向にあり過熱感が出ているほか、周辺部でも売主の希望価格
に満たずに売買取得が成立しない事例も一部にみられる。一方、日銀が 2 月から導入したマイナス金利政策の後押し
を受けて、J-REIT による取得が再び活発化する地合いにある。
図表 6: 収益不動産売買高と金融機関の不動産向け貸出指標の推移
売買高 (12ヶ月合計、左軸)
(兆円)
6ヶ月前の貸出態度DI(不動産-大企業)
E:Deutsche Asset Management 推定値
出典: 日本銀行、都市未来研究所、Real Capital Analytics のデータをもとに Deutsche Asset Management 作成
2
6
一般的なJ-REITのLTVは40%程度であるのに対して、金融機関は概ね50-60%程度まで許容している。
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
2016.09F
2015.09
2016.03E
2015.03
2014.09
2014.03
2013.09
2013.03
2012.09
2012.03
2011.09
2011.03
2010.09
2010.03
2009.09
2009.03
2008.09
2008.03
2007.09
2007.03
-36
2006.09
0
2006.03
-24
2005.09
1
2005.03
-12
2004.09
2
2004.03
0
2003.09
3
2003.03
12
2002.09
4
2002.03
24
2001.09
5
2001.03
36
2000.09
6
図表 7 の左図はセクター別のキャップレートを示している。実勢価格を織り込んだ TMAX キャップレートは 2015 年 12
月期に 4.80%と約 7 年ぶりの低水準となったほか、東京オフィスの鑑定キャップレートも速報ベースで 3.64%と過去最
低の水準となった。マイナス金利政策の影響を受けてキャップレートの低下は地方やオフィス以外のセクターにも波及
しており、東京や大阪のマンションでも前年同期比 20-60bps 程度の低下となった。
一方、東京のオフィスビル実取引における平均イールド・スプレッド(国債金利とキャップレートの差)は前期比 10bps
減の 420bps と引き続き世界的に高い水準を維持しており、スプレッドが 240-320bps 程度のニューヨークやロンドン、
210bps 強の香港など他の都市とは対照的となっている。
図表 7:鑑定キャップレートと世界主要市場のオフィス・イールドスプレッド
鑑定キャップレート
東京オフィス(鑑定)
東京マンション(鑑定)
TMAX(実勢ベース)
東京
香港
大阪オフィス(鑑定)
大阪マンション(鑑定)
オフィス取引イールドスプレッド
ニューヨーク
シンガポール
ロンドン
シドニー
5%
6.5%
速報値
4%
5.5%
3%
5.0%
2%
4.5%
1%
4.0%
0%
3.5%
-1%
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
6.0%
07
08
09
10
11
12
13
14
07
15
08
09
10
11
12
13
14
15 16
注: データは将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
出典: 不動産証券化協会、Real Capital Analytics、TMAX のデータをもとに Deutsche Asset Management 作成
2016 年第 1 四半期の東証 REIT 指数はマイナス金利政策により J-REIT の調達コストが低下したことを好感視され、
前期比 7%超の上昇となりその後も高値圏で推移している。一方、実物の資産価格の指標となる東京都心部 A クラス
ビルの 2015 年 12 月の床単価3インデックスは 792 万円/坪と前年同期比で約 9%の下落となったものの、資産価格は
2008 年のピーク時より依然 31%ほど低い水準にある。資産価格は REIT 指数を 1 年遅れで追いかける展開が続いて
いることから、今後価格が再度強含んでいくものと思われる。
図表 8: 不動産価格の推移
Aクラスビル資産価格(坪単価, 右軸)
J-REIT指数 (左軸)
(万円/坪)
1,200
2,400
2008年9月
リーマンショック
1,000
1,600
800
1,200
600
800
400
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
2,000
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015 16
出典: 大和不動産鑑定、Bloomberg のデータをもとに Deutsche Asset Management 作成
3
物件価格をビルの床面積で割った資産価格指標。ここでは賃貸可能面積(NRA)ベースで算出。
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
7
直近の主な不動産取引は以下の通りで、J-REIT による取引が再び活発化しつつある。最も高額だったのはラサール
ロジポート投資法人の新規上場に伴うポートフォリオの取得(1,614 億円)、続いてインヴィンシブル投資法人によるホ
テル 4 物件などの取得(667 億円)となった。
単価が最も高額だったのは日本リテールファンドによるゼニア銀座ビルの取得(130 億円)で、床単価は 1 平米当たり
599 万円(1 坪当り 1,980 万円超)、最もキャップレートが低かった物件も同物件で 2.8%となっており、大和証券オフィ
ス・リートによる新宿の日廣ビル(3.4%)、六本木ヒルズ森タワーの部分取得(3.8%)が続いた。また、ヘルスケア施設
の取得も引き続き活況であり、当該セクターへ対する投資家の強い関心が伺える。
図表 9: 2016 年 1 月以降に取引・発表された主な国内不動産取引
種別
オフィス
物件名称 ( 取得割合%)
開発用地
場所
取引
年月
取得主
461
2.71
3.8%
港
16年1月
森ヒルズリート
1.39
4.1%
港
16年3月
ヒューリックリート
上野イーストタワーの60%
216
0.87
4.2%
台東
16年3月
日本ビルファンド投資法人
浜松アクトタワーなど計2物件
168
0.08
8.1%
静岡ほか
16年3月
オリックス不動産投資法人
日土地虎ノ門ビル
虎ノ門東洋ビル/KDX虎ノ門ビル
156
154
1.39
1.38
3.8%
-
港
港
16年3月
16年3月
ケネディクス・オフィス投資法人
日本土地建物
日廣ビル
137
1.33
3.4%
新宿
16年3月
大和証券オフィス投資法人
東急番町ビル
127
0.80
3.4%
千代田
16年3月
東急リアル・エステート投資法人
大博多ビル
109
0.36
4.9%
福岡
16年3月
SIA不動産投資法人
大阪西本町ビルなど計5物件
84
0.26
5.6%
大阪ほか
16年5月
いちごオフィスリート
-
-
-
台東
16年3月
ラサール・インベストメント(米)
青山タワービル
-
-
-
港
16年1月
竹中工務店
梅田ゲートタワーの88%
-
-
-
大阪
16年3月
フェニックス・プロパティ(香港)
-
-
-
品川
15年9月
フェニックス・プロパティ(香港)
271
0.35
5.1%
愛知ほか
16年3月
ケネディクス商業リ-ト
イースクエア茶屋町
172
1.93
-
大阪
15年12月
大東洋グループ
吉祥寺プレイス
153
3.28
4.1%
東京
16年2月
日本リテールファンド
ゼニア銀座ビル
130
5.99
2.8%
中央
16年2月
日本リテールファンド
ロジポート流山B棟など計8物件
プロロジスパーク大阪5など計2物件
1,614
0.20
4.7%
千葉ほか
16年2月
ラサールロジポートREIT(新規上場)
421
0.52
4.7%
大阪
16年2月
日本プロロジスリート
パークハビオ新宿イーストサイドタワー
132
-
5.6%
新宿
16年1月
コンフォリア・レジデンシャル
ホテル4物件と賃貸マンション1物件
667
-
4.8%
品川
16年3月
インヴィンシブル投資法人
ロワジールホテル&スパタワー那覇
200
-
5.9%
沖縄
16年2月
ユナイテッド・アーバン投資法人
175
-
5.8%
埼玉
16年4月
ユナイテッド・アーバン投資法人
いちごグループ
ホテル/ヘルスケ 浦和ロイヤルパインズホテル
ア
ホテル7物件
ポートフォリオ
キャッフ ゚
レート
319
ホームセンターコーナン砂田橋店など計7物件
住宅
(百万円/㎡)
ヒューリック神谷町ビルなど計3物件
グラスキューブ品川
物流
単価
(億円)
六本木ヒルズ森タワーの4フロア
山口ビル7
商業
取得額
149
-
-
東京ほか
15年12月
介護老人保健施設5物件
112
-
5.6%
大阪
16年3月
ケネディクス/ジャパン・シニアリビング
ザ・ペニンシュラ東京
103
-
-
千代田
15年12月
香港&上海ホテルズ(香港)
スターアジアREIT(新規上場)
アサヒビルヂングなど計18物件
615
-
-
東京ほか
16年4月
商業施設4物件と物流施設1物件
554
-
-
奈良ほか
16年1月
イオン・リート
ジャパン・レジデンシャル(英)の住宅ポートフォリオ
285
-
-
東京ほか
16年1月
ブラックストーン(米)
日立製作所戸塚事業所の敷地
417
0.42
-
神奈川
16年3月
中外製薬
ららぽーと豊洲の底地
200
0.47
-
江東
16年3月
三井不動産
横浜市西区平沼町の用地
170
-
-
神奈川
16年2月
テレビ神奈川
注: 取得主が黄色は J-REIT による取得、グレーは外資系による取得を示したものです。個別の物件や企業名はあくまでも参考として記載したもので、その企業の株式や証券等の売買を推奨するも
のではありません。取得額は推定値を含みます。一部の取引は完了しておらず、優先交渉権が与えられただけのものも含みます。
出典: 日経不動産マーケット情報、各社公表資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
8
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
2016 年 3 月末までの過去 12 ヶ月間の収益不動産取引額4を都市別にまとめると図の通りで、東京の取引額は約 239
億ドルとドルベースで前期比約 22%減少した。東京はニューヨーク、ロンドン、ロサンゼルス、サンフランシスコ、パリに
次いで世界第 6 位へと下落したものの、アジア太平洋地域では依然として最大の取引市場となった。この間 J-REIT に
よる取得は約 33%、外資勢による取得は約 14%とみられる。大阪の取引額は同期間で約 47 億ドルと主軸のオフィス
ビルの取引が回復しつつあるのに加え、商業施設、物流施設やホテルの取引も活況でアジア太平洋地域で第 7 位に
上昇し、北京、ソウルを抜いてシンガポールなどアジア主要国の首都に肩を並べている。
図表 10: 世界の都市別収益不動産売買取引額ランキング (過去 12 ヶ月)
オフィス
商業施設
賃貸マンション
物流施設
ホテル
(売買額に占める外資系の割合 %)
ニューヨーク
31 %
ロンドン
66%
ロサンゼルス
24%
サンフランシスコ
17%
パリ
32%
東 京
国内系
J-REIT
1
外資系
ワシントンDC
14%
20%
シカゴ
19%
~
~
上 海
12%
香 港
17%
シドニー
63%
メルボルン
34%
シンガポール
55%
大 阪
17%
ソウル
26%
北 京
2%
台 北
35%
広 州
4%
0
10
20
30
40
50
60
70
(十億ドル)
80
注: 開発用地を除く
出典: Real Capital Analytics のデータをもとに Deutsche Asset Management 作成
実物不動産インデックスによるトールリターン5は 2009 年後半から上昇、2010 年からプラスで推移しており、2015 年
11 月は前年同期比 1.2 ポイント増の年 9.0%(速報値、図表 11 左図)と改善した。セクター別にみると回復が遅れてい
たオフィスのリターンも同 1.6 ポイント増の 7.9%、商業施設は 8.2%、物流施設、住宅はいずれも高く 9%前後となった。
図表 11: 実物不動産投資の年間トータルリターン推移 (レバレッジ前)
年間トータルリターン
トータルリターン
15%
インカムリターン
セクター別総合リターン
キャピタルリターン
速報
オフィス
15%
5%
5%
0%
0%
-5%
-5%
-10%
-10%
-15%
-15%
住宅
物流
速報
2003
2005
2008.06
2008.12
2009.06
2009.12
2010.06
2010.12
2011.06
2011.12
2012.06
2012.12
2013.06
2013.12
2014.06
2014.12
2015.06
2015.11
10%
2003
2005
2008.06
2008.12
2009.06
2009.12
2010.06
2010.12
2011.06
2011.12
2012.06
2012.12
2013.06
2013.12
2014.06
2014.12
2015.06
2015.11
10%
商業
注: データは将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
出典: MSCI Real Estate –IPD(左表)、不動産証券化協会(右表)のデータをもとに Deutsche Asset Management 作成
4
5
ここでは持ち家の取引や開発用地の売買は、キャッシュフローを生まない取引のため含めていない。
投資家が投資のベンチマークとして利用する収益指標で、賃料収入による運用利回りと鑑定評価に基づくキャピタル・ゲインを加えたレバレッジ前の収益
率。「総合収益率」と同義。
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
9
2.3
J-REIT
マイナス金利の導入によって投資家の間では利回りの厚い REIT を再評価する動きがみられる。年初より日経平均株
価が 10%超下落したのに対し、東証 REIT 指数は 2016 年 4 月も 1,900 ポイント前後と比較的堅調に推移している。
2016 年第 1 四半期は米国の利上げ観測が後退したことから、米国やシンガポールなど主要国の REIT 指数も堅調に
推移した。
図表 12: REIT インデックス(短期推移と長期国際比較)
東証 REIT 指数と日経平均比較(5 年)
REIT 指数の国際比較(10 年)
J-REIT
A-REIT (豪州)
(円)
日経平均 (右軸)
2,000
US-REIT
S-REIT (シンガポール)
400
20,000
350
J-REITインデックス (左軸)
1,700
17,000
300
250
1,400
14,000
200
150
11,000
1,100
100
(2009年3月 = 100)
2016.04
2015.04
2014.04
2013.04
2012.04
2011.04
2010.04
2009.04
2008.04
2007.04
2016.04
2015.10
2015.04
2014.10
2014.04
2013.10
2013.04
2012.10
2012.04
2011.10
2011.04
2010.10
8,000
2010.04
800
2006.04
50
注: 参照インデックスは東証リート・インデックス、 FTSE NAREIT All Equity REITS Index (US-REIT), S&P/ASX 200 A-REIT Index (豪州 REIT), FTSE ST REIT Index (シンガポール REIT)
出典: Bloomberg の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
2016 年 2 月の J-REIT 平均分配金利回りは J-REIT 指数の回復を受けて前期比 14bps 下落の 3.29%(オフィス型
REIT に限れば 2.71%)となった。この間、日銀によるマイナス金利政策が導入されたため長期金利もゼロ%を下回る
状態となっており、国債利回りとの差(スプレッド)も 335bps(オフィス型 REIT に限れば 277bps)と広がった。分配金・
配当スプレッドは米国 REIT、英国 REIT ともに 180-245bps 程度となっており、この利回りで比較すれば J-REIT の方
が有利とみる投資家もいる。
図表 13: J-REIT 分配金利回り
オフィスREIT
J-REIT
10年国債
8%
6%
4%
2%
スプレッド
出典: 三井住友トラスト基礎研究所、Bloomberg の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
10
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
2016.02
2015.08
2015.02
2014.08
2014.02
2013.08
2013.02
2012.08
2012.02
2011.08
2011.02
2010.08
2010.02
2009.08
2009.02
2008.08
2008.02
2007.08
2007.02
2006.08
2006.02
2005.08
2005.02
2004.08
2004.02
2003.08
2003.02
2002.08
2002.02
0%
2015 年 10 月-2016 年 3 月期の 6 ヶ月間でラサールロジポート投資法人など 2 銘柄の新規上場があったほか、日本
プロロジス・リートなど 10 銘柄以上の公募増資が公表された。同期間の J-REIT による IPO・増資額は計 1,830 億円
超、物件取得額は計 6,700 億円超(売却額を除いたネットでは 5,400 億円)とこれまでの勢いからするとやや低調にな
った。
都心の物件をはじめ取引利回りが低下しているため、REIT が投資できる物件も減っているとの見方があり、実際 JREIT による物件取得額は前年同期比では 31%減少した。ただし、マイナス金利の後押しを受けて J-REIT による取得
は 2 月以降再び活発化してきているとみられる。低金利の環境下、大和ハウスや日本生命をはじめ私募リートの組成
も相次いでおり、運用難の年金基金やメガバンク、地方銀行などからの資金流入が期待されている。
図表 14: J-REIT の資金調達と物件取得額
(兆円)
直近の主要増資一覧
(億円)
J- REIT 銘柄
1.0
J-REIT物件取得額
(純増額)
投資法人債
第三者割当増資
時期
2016年3月
235
イオンリート
2016年1月
283
2016年1月
252
森ヒルズリート
公募増資
星野リゾート・リート
IPO
2015年10月
278
10-3月
789
その他増資合計
0.5
増資額
日本プロロジスリート
合計
1,837
新規上場のREIT
J- REIT 銘柄
時期
いちごホテル・リート
2015年11月
143
2016年2月
1,016
合計
1,159
ラサールロジポート・リート
0.0
2001.09
2002.03
2002.09
2003.03
2003.09
2004.03
2004.09
2005.03
2005.09
2006.03
2006.09
2007.03
2007.09
2008.03
2008.09
2009.03
2009.09
2010.03
2010.09
2011.03
2011.09
2012.03
2012.09
2013.03
2013.09
2014.03
2014.09
2015.03
2015.09
2016.03
増資額
上場予定のREIT :
スターアジア(総合)、リスト(総合)、森トラスト(ホテル)
注: 増資額は上限額。個別の物件や企業名はあくまでも参考として記載したもので、その企業の株式や証券等の売買を推奨するものではありません。
出典: 不動産証券化協会、Real Capital Analytics、各社公表資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
図表 15 は国内収益不動産の取引額(自己居住用住宅などを除く)及び J-REIT の物件取得額・売却額をそれぞれ示
している。2015 年 10 月-2016 年 3 月の不動産取引額は速報ベースで約 2.0 兆円と前年同期比約 36%の減少となり、
J-REIT の取引に占める割合は約 34%と前期比やや減少した。
図表 15: 収益不動産取引額の推移と J-REIT の取得割合
(兆円)
4
80%
取得 その他法人
取得 J-REIT
売却 J-REIT
3
全体の売買額に占める
J-REITの取得割合 (右軸)
60%
2
40%
1
20%
0
0%
-20%
2015.09
2016.03E
2015.03
2014.09
2014.03
2013.09
2013.03
2012.09
2011.09
2012.03
2011.03
2010.09
2010.03
2009.09
2009.03
2008.09
2008.03
2007.09
2007.03
2006.09
2006.03
2005.09
2005.03
2004.09
2004.03
2003.09
2003.03
2002.09
2002.03
2001.09
2001.03
2000.09
-1
出典: 不動産証券化協会、都市未来研究所、Real Capital Analytics の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
白色:Deutsche Asset Management 推定による暫定値
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
11
3
不動産ファンダメンタルズ
3.1
オフィス
堅調な雇用情勢に支えられオフィス市況はこれまで拡大基調にあったが、ここへきてやや減速の兆しも見えている。
2016 年 3 月末時点の都心 5 区 のオフィスビルの平均空室率は 4.3%と 2 ヶ月連続での上昇(悪化)となった。新宿ガ
ーデンタワーや JR 新宿ミライナタワーなど大型の新築ビルは比較的好調なすべり出しとなったものの、1 年以内の新
築ビル計 21 棟の平均空室率は 29.4%と前月比 6.2 ポイントの上昇となった。2016 年前半にはさらにいくつかの大型
ビルの供給が予定されており、一部ビルでは空室の消化に時間がかかるケースも出るものと思われる。
図表 16: 都心 5 区の平均空室率と新築ビルの空室率の推移
(Log表)
新築ビルの空室率 (右軸)
11 %
32 %
9%
16 %
平均空室率(左軸)
主な竣工ビル一覧 (2014年以降)
ビル名
竣工
階数
大崎ウィズタワー
室町古河三井ビル
室町ちばぎん三井ビル
京橋トラストタワー
横浜アイマークプレイス
大手町タワー
西新橋スクエア
虎ノ門ヒルズ森タワー
飯田橋グラン・ブルーム
日生丸の内ガーデンタワー
豊洲フォレシア
品川シーズンテラス
東京日本橋タワー
大崎ブライトタワー
大崎ブライトコア
テラススクエア
二子玉川ライズ・タワーオフィス
鉄鋼ビルディング
大手門タワー・JXビル
新宿ガーデンタワー
JR新宿ミライナタワー
大手町フィナンシャルシティ・グランキューブ
2014/1
2014/2
2014/2
2014/2
2014/3
2014/4
2014/4
2014/5
2014/6
2014/6
2014/7
2015/2
2015/4
24
22
17
21
14
38
22
52
30
22
16
32
35
31
20
17
30
26
22
37
32
31
2015/4
2015/4
2015/6
2015/10
2015/11
2016/3
2016/3
2016/4
2016.03
2015
2014
2013
2016年5月以降
延床㎡
(オフィス部)
58,411
62,470
29,120
52,471
97,400
198,000
55,373
244,360
124,000
55,800
101,376
128,000
133,900
92,000
44,770
29,840
86,900
52,140
52,763
55,817
55,000
108,330
ビル名
東京ガーデンテラス
六本木三丁目プロジェクト
京橋エドグラン
住友不動産麻布十番プロジェクト
銀座六丁目計画
大手町パークビルディング
内幸町二丁目プロジェクト
赤坂一丁目再開発
目黒駅前地区再開発 オフィス棟
新日比谷プロジェクト
西品川一丁目再開発事業
浜松町二丁目計画A街区
ニッセイ浜松町クレアタワー
TGMM芝浦計画A棟
〃 B棟
虎ノ門トラストシティ ワールドゲート
大手町二丁目再開発A棟
〃 B棟
渋谷駅南街区 再開発
〃 道玄坂街区
丸の内3-2計画
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
出典: 三鬼商事(上段)、三幸エステート、各社公表資料(下段)をもとに Deutsche Asset Management 作成
個別の物件や企業名はあくまでも参考として記載したもので、その企業の株式や証券等の売買を推奨するものではありません。
12
2012
2011
2010
2009
1%
2008
1%
2007
2%
2006
3%
2005
4%
2004
5%
2003
8%
2002
7%
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
竣工
階数
2016/5
2016/9
2016/10
2016/12
2017/1
2017/1
2017/5
2017/8
2017/11
2018/1
2018/1
36
40
32
10
13
29
21
37
27
35
24
42
29
31
36
36
35
32
35
18
30
36
2018
2018
2019
2018
2018
2018
2018
2018
2019
延床㎡
(オフィス部)
80,712
103,620
66,590
33,571
38,000
60,710
57,500
81,698
47,223
115,500
130,656
計270,000
51,900
101,400
118,400
計210,000
173,250
97,152
45,000
58,900
89,100
94,000
2016 年 3 月の東京都心 3 区6の基準階面積別オフィス空室率は概ね改善傾向にある。大規模ビル(基準階面積 200
坪以上)の空室率は前年同期比 1.4 ポイント改善し 2.7%となったほか、基準階面積 50-100 坪クラスのビルで同 2.6
ポイント改善し 5.1%となった。一方、これまで改善傾向にあったフリーレント期間は、2015 年 12 月は平均 2.6 ヶ月と、
一時的ながらも前期比では 0.4 ヶ月増加(悪化)した。
図表 17: 東京都心 3 区の基準階面積別オフィス空室率の推移
基準階 50~100坪のビル
基準階 100~200坪のビル
基準階 200坪以上のビル
平均
15%
(ヶ月)
8
10%
6
5%
4
0%
2
-5%
0
1996.03
1996.09
1997.03
1997.09
1998.03
1998.09
1999.03
1999.09
2000.03
2000.09
2001.03
2001.09
2002.03
2002.09
2003.03
2003.09
2004.03
2004.09
2005.03
2005.09
2006.03
2006.09
2007.03
2007.09
2008.03
2008.09
2009.03
2009.09
2010.03
2010.09
2011.03
2011.09
2012.03
2012.09
2013.03
2013.09
2014.03
2014.09
2015.03
2015.09
2016.03
フリーレント月数(右軸)
出典: ザイマックス不動産総合研究所、三幸エステートの資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
過去のデータをみると東京都心のオフィスビルでは空室率と賃料上昇幅に相関(正確には逆相関)関係がみられる。
2015 年 12 月の都心 3 区の基準階 200 坪以上のオフィス空室率は 3.1%と自然空室率の 5%を割っている。一方、成
約賃料は 3 期移動平均で下落傾向を示しており、空室率は改善しているものの賃料上昇に結びつかない状況となった。
図表 18: 東京都心 3 区のオフィス空室率と成約賃料の推移 (基準階 200 坪以上)
成約賃料増加率 (前期比、3期移動平均)
空室率 (右軸)
8%
1%
4%
3%
0%
5%
-4%
7%
回復
-8%
9%
2015.12
2014.12
2013.12
2012.12
2011.12
2010.12
2009.12
2008.12
2007.12
2006.12
2005.12
2004.12
2003.12
2002.12
2001.12
2000.12
1999.12
1998.12
1997.12
1996.12
-12%
1995.12
:賃料が増加に転じた時点
11%
出典: ニッセイ基礎研究所、三幸エステートの資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
6
千代田区、中央区、港区を指す。
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
13
東京都心部のビルは 2016 年第 1 四半期の基準階 100 坪以上のビルの募集賃料は前年同月比 4.5%増と 8 四半期
連続で回復となり、新築ビルでも平均募集賃料は前年同月比 11.4%増(黄線)と 3 四半期連続で上昇した。一方、
2016 年前半は製造業を中心に企業業績の鈍化が見られ、賃料上昇は年後半にかけて回復スピードがやや減速する
懸念もある。
図表 19: 東京都心 5 区の基準階面積別オフィス募集賃料の推移
予想
(円/坪/月)
50,000
プライム賃料、丸の内・大手町
基準階200坪以上
40,000
Aクラスビル
30,000
新築ビル
基準階100坪以上
20,000
平均
基準階100坪以上
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008.03
2008.06
2008.09
2008.12
2009.03
2009.06
2009.09
2009.12
2010.03
2010.06
2010.09
2010.12
2011.03
2011.06
2011.09
2011.12
2012.03
2012.06
2012.09
2012.12
2013.03
2013.06
2013.09
2013.12
2014.03
2014.06
2014.09
2014.12
2015.03
2015.06
2015.09
2015.12
2016.03
2016.12F
10,000
F:Deutsche Asset Management 予想値
出典: 三幸エステート、ニッセイ基礎研究所の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
国内主要都市のオフィス空室率は東京以外で引き続き改善傾向にある。2016 年 3 月の空室率は札幌が 4.9%、福岡
が 6.2%、大阪が 6.8%といずれも長期的な平均値である 8%を下回り、とりわけ札幌と福岡は約 15 年ぶりの低水準と
なった。地方都市では需要が堅調なうえ、2015 年第 4 四半期に 2 棟の大型供給があった名古屋を除くと供給も限定
的なため、空室率はいましばらく堅調に推移していくものとみられる。
図表 20: 国内主要都市のオフィス空室率の推移
札幌
(%)
福岡
名古屋
大阪
東京
15
10
グランフロント大阪 タワーA
グランフロント大阪 タワーB/C
富士フィルム名古屋ビル
NTT東日本仙台青葉通ビル
名古屋東京海上日動ビル
あべのハルカス(大阪)
札幌三井JPビル
新ダイビル(大阪)
大名古屋ビルヂング
JPタワー名古屋
竣工
階数
2013/4
2013/4
2013/4
2013/5
2013/6
2014/3
2014/8
2015/3
2015/10
2015/11
38
38/33
14
14
15
60
20
31
34
40
延床㎡
(オフィス部)
187,800
295,100
21,637
33,742
10,854
306,000
68,000
42,000
65,000
80,000
2016.03
2015.12
2015.06
2014
2013
ビル名
竣工
階数
JRJP博多ビル(福岡)
シンフォニー豊田ビル(名古屋)
JRゲートタワー(名古屋)
中之島フェスティバルタワー・ウエスト(大阪)
グローバルゲート・ウエスト(名古屋)
グローバルゲート・イースト(名古屋)
錦二丁目計画(名古屋)
新南海会館ビル(大阪)
札幌創世1.1.1区
梅田3丁目計画(大阪)
2016/4
2016/6
2017
2017
12
25
46
41
36
17
21
29
28
40
出典: 三鬼商事(上段)、三幸エステート、各社公表資料(下段)をもとに Deutsche Asset Management 作成
個別の物件や企業名はあくまでも参考として記載したもので、その企業の株式や証券等の売買を推奨するものではありません。
14
2012
2016年以降
主な竣工ビル一覧 (2013年以降)
ビル名
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
0
1997
5
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
2017
2018
2018
2018
2019
延床㎡
(オフィス部)
24,000
15,444
45,030
67,750
計157,000
45,586
34,650
35,112
120,000
3.2
商業施設
2015 年度の訪日外国人数は前年比 46%増、2013 年比 95%増の 2,136 万人と年度ベースで初めて 2,000 万
人を超えた。また 2016 年 3 月も約 201 万人と単月としての過去最高を記録した。これに伴い 2015 年度の消費
額も前年度比 61%増の約 3.7 兆円と過去最高となったが、直近 2 四半期は円高の影響もあり拡大ペースが減
速している。2015 年第 4 四半期の都心商業施設の賃料は銀座、表参道でほぼ横ばい、新宿で 7.6%と上昇した
ものの、渋谷、池袋では軟調に推移した。
図表 21: 東京都心と大阪の主要商業地の商業施設の平均募集賃料の推移
外国人消費額(右軸)
(円/坪/月)
銀座
表参道
新宿
渋谷
池袋
心斎橋(大阪)
(兆円)
Q1 2016
Q4 2015
Q3 2015
Q2 2015
Q1 2015
Q4 2014
Q3 2014
Q2 2014
Q1 2014
Q4 2013
Q3 2013
Q2 2013
Q1 2013
Q4 2012
Q3 2012
Q2 2012
Q1 2012
Q4 2011
Q3 2011
Q2 2011
Q1 2011
0.0
Q4 2010
0
Q3 2010
0.5
Q2 2010
12,000
Q1 2010
1.0
Q4 2009
24,000
Q3 2009
1.5
Q2 2009
36,000
注: オフィス賃料は東京都心 5 区の基準階面積 100 坪以上の平均(図表 17 のベンチマーク)
出典: スタイルアクト、日経不動産マーケット情報、観光庁の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
好調なインバウンド需要に支えられ訪日客向けの免税品売上高は 2015 年通年でみると前年比約 2.6 倍になったもの
の、中国経済の減速や円高の影響もあり足元では高級宝飾品の動きが特に鈍くなっている。2016 年第 1 四半期のチ
ェーンストア(全国)やコンビニの売上高はそれぞれ 1.8%、0.8%と伸びた一方、東京・大阪の百貨店の売上高は前年
同期比でほぼ横ばい、ショッピングセンター(政令指定都市)もほぼ横ばいとなった。
図表 22: 形態別小売売上高の前年同期比推移 (%)
ショッピングセンター (13都市)
15%
百貨店 (東/阪)
チェーンストア (全国)
(全て既存店ベース)
10%
5%
0%
-5%
2016.03
2015.12
2015.09
2015.06
2015.03
2014.12
2014.09
2014.06
2014.03
2013.12
2013.09
2013.06
2013.03
2012
2011
2010
2009
2008
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
2007
-11%
-10%
出典: 日本ショッピングセンター協会、日本百貨店協会、日本チェーンストア協会の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
15
住 宅
3.3
2016 年第 1 四半期の首都圏分譲マンションの平均販売価格は前年同期比 9.1%増の 5,669 万円と過去の平均販売
価格である 4,500 万円を大きく上回り、過去 20 年で最高の水準で高止まりしている。一方、販売価格の上昇が影響し
て供給戸数は前年同期比 26.4%減の 6,424 戸と 2 四半期連続で前年同期比割れとなり、足元で契約率も 70%を下
回る月が多くなるなど低迷している。最近の円高により外国人投資家の需要も一巡しており、今後は価格が横ばいか
やや軟調に推移していく可能性がある。
図表 23: 首都圏新築分譲マンションの平均価格と販売戸数増加率の推移
平均販売価格
(万円)
販売戸数増加率(前年同期比)
(%)
120%
5,500
80%
5,000
40%
4,500
0%
4,000
-40%
3,500
-80%
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
6,000
96 98 00 02 04
06
08
09
10
11
12
13
14
15
16
出典: 不動産経済研究所の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
2016 年第 1 四半期の東京 3 区の高級賃貸マンションの募集賃料(黄線)は前年同期比 0.9%減と僅かながらも減少
に転じた。23 区の募集賃料(茶線)は堅調に推移はしているものの伸び率は 1.2%と小幅にとどまっている。
図表 24: 東京都心における賃貸住宅賃料と空室率の推移
オフィス平均賃料
23区住宅賃料
5区住宅賃料
3区住宅賃料
12%
9%
6%
3%
0%
-3%
出典: ケン不動産投資顧問、リーシング・マネジメント・コンサルティング、タス、三鬼商事の資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
16
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
2016.03
2015.12
2015.09
2015.06
2015.03
2014.12
2014.09
2014.06
2014.03
2013.12
2013.09
2013.06
2013.03
2012.12
2012.09
2012.06
2012.03
2011.12
2011.09
-6%
3.4
物流施設
物流施設では東京圏で大型施設の新規供給が続き、2015 年第 4 四半期の平均空室率は 5.0%と上昇した一方、大
阪圏では前期比 0.9 ポイント減の 1.4%と引き続きタイトな状態が続いた。平均賃料は新規供給の影響を受けて東京
圏で前期比 1.8%の下落、大阪圏でも同 1.7%の下落と 2 四半期連続で下落した。2016 年半ばにかけて東京圏、大阪
圏いずれにおいても高水準な供給が予定されているため、空室率は年末まで上昇傾向が続くものとみられる。
図表 25: 賃貸物流施設の空室率及び募集賃料推移
マルチテナント型物流施設の空室率推移
東京圏
20%
大型物流施設の募集賃料推移
大阪圏
(円/坪、月)
予想
4,800
15%
4,200
10%
3,600
5%
3,000
予想
東京圏 賃料
大阪圏 賃料
2008.06
2008.12
2009.06
2009.12
2010.06
2010.12
2011.06
2011.12
2012.06
2012.12
2013.06
2013.12
2014.06
2014.12
2015.06
2015.12
2016.06F
2008.06
2008.12
2009.06
2009.12
2010.06
2010.12
2011.06
2011.12
2012.06
2012.12
2013.06
2013.12
2014.06
2014.12
2015.06
2015.12
2016.06F
2,400
0%
F:予想値(一五不動産)、注: 延床面積 10,000m2 以上のマルチテナント型賃貸物流施設、募集面積1,000m2 以上の賃貸物流施設が調査対象
出典: 一五不動産情報サービスの資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
2016 年の東京圏の賃貸物流施設の供給量は 1.7 百万平方メートル、大阪圏でも 0.7 百万平方メートルと、いずれも
過去最高の新規供給水準となる見込みである。このため今後 6-18 ヶ月ほどは需給調整期に入る可能性があり、東京
圏・大阪圏とも空室率は上昇する見込みである。
図表 26:賃貸物流施設の新規供給及び空室率推移
東京圏
大阪圏
新規供給(左軸)
空室率(右軸)
新規供給(左軸)
空室率(右軸)
(百万m2)
(百万m2)
15%
1.0
1.6
12%
0.8
12%
1.2
9%
0.6
9%
0.8
6%
0.4
6%
0.4
3%
0.2
3%
0.0
0%
0.0
0%
15%
18F
17F
15
16F
14
13
12
11
10
09
08
07
06
予想
05
18F
17F
15
16F
14
13
12
11
10
09
08
07
06
05
04
予想
04
2.0
F:予想値(日経不動産)
出典: 一五不動産情報サービス、日経不動産マーケットの資料をもとに Deutsche Asset Management 作成
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
17
バックナンバー
版
Vol
1
特集のテ ー マ
発行年月
第2四半期
08年6月
賃料データの謎を読み解く
第3四半期
08年9月
クレジット・クランチ
3
第4四半期
08年12月
復活するか、J-REIT市場
4
第1四半期
09年3月
東京の魅力度を測る
第2四半期
09年7月
日本の住宅市場
6
第3四半期
09年10月
歴史は繰り返す?「2003年問題」当時と現在の比較
7
第4四半期
10年1月
ビルの価格指標に「取引単価」を
8
第1四半期
10年4月
なぜ不動産投資が必要か(ポートフォリオ理論からの説明)
第2四半期
10年7月
安全志向が強い国内投資家と資本市場
10
第3四半期
10年10月
四半期アップデート
11
第4四半期
11年1月
拡大するクロスボーダー取引と取り残される日本
12
第1四半期
11年4月
東日本大震災と日本の不動産市場への影響
第2四半期
11年7月
地価データの本当の使い方
14
第3四半期
11年10月
四半期アップデート
15
第1四半期
12年1月
J-REITの今後の10年
第2四半期
12年4月
四半期アップデート
17
第3四半期
12年7月
四半期アップデート
18
第4四半期
12年10月
内向き志向の強い日本の不動産市場
19
第1四半期
13年1月
住宅ローン減税は需要を喚起できるか?
第2四半期
13年4月
四半期アップデート
21
第3四半期
13年7月
急速に変革が進むアジア太平洋地域の物流不動産
22
第4四半期
13年10月
四半期アップデート
23
第1四半期
14年1月
クロスボーダー投資と日本市場の課題
第2四半期
14年4月
四半期アップデート
25
第3四半期
14年7月
四半期アップデート
26
第4四半期
14年10月
四半期アップデート
27
第1四半期
15年1月
四半期アップデート
28
第2四半期
15年4月
私募REITの国際比較と今後の可能性
29
第3四半期
15年7月
四半期アップデート
30
第4四半期
15年10月
四半期アップデート
第1四半期
16年1月
アベノミクス―三本の矢の成果
第2四半期
16年4月
四半期アップデート
2
2008年
5
2009年
9
2010年
13
2011年
16
2012年
20
2013年
24
2014年
2015 年
31
2016 年
32
18
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
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D-160428-1
ジャパン・クオータリー 2016 年第 2 四半期 | 2016 年 4 月
19
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