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議事録 - 総務省

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議事録 - 総務省
ユビキタス特区事業
成果評価会
議事要旨
1 日 時 平成23年6月20日(月)14:00~17:30
2 場 所 三番町共用会議所2階大会議室
3 出席者(敬称略)
土居範久(座長)、関口和一(座長代理)、森俊介、山田肇、事務局
(1)総務省・原政策統括官ごあいさつ
●ユビキタス特区事業は平成20年度から開始し、22年度までの3カ年の間で計54件
のプロジェクトを実施してきた。本日の成果評価会では、このうち22年度まで実施し
た、いわゆる継続事業と呼ばれている事業17件について、その成果の評価を行ってい
ただきたい。17件と案件が多いので、2日間に分けて開催する。
●このユビキタス特区事業は昨年6月の行政事業レビューで、
「廃止を前提とした全面的見
直し」という大変厳しい評決を受けた。この評決を受けて、昨年8月に再評価会も開催
して、継続についての再評価をいただいたところである。事務局として、その後も、本
事業の効率的な実施に努めて、フォローアップを行ってきたところ。
●本日、それぞれの案件について、当初の計画どおりに事業が実施されたか、あるいは計
画どおりに進まなかった場合の要因分析、そこから得る教訓について整理ができている
か、今後の取り組み方針は適切か等を中心に、先生方から率直なご意見をいただきたい。
いただいたご意見についてはすべて事業者へ伝え、今後の事業取組に反映させるべく指
導していく。
(2)配布資料及び運営方法の確認
(略)
(3)事業者によるプレゼンテーション及び質疑応答
①「グローバル市場に対応できる移動通信端末の開発支援プラットフォーム」
<プレゼンテーション>
【横須賀テレコムリサーチパーク】平成20年度から22年度の3年度にわたって実施し
-1-
た、ユビキタス特区事業のグローバル市場に対応できる移動通信端末のプラットフォーム
についてご報告する。
・
(資料1ページ)概要であるが、平成20年当時、W-CDMAのサービスが世界的に普
及していたが、いわゆる日本の携帯端末が先行しているのに売れない、ガラパゴスという
ようなご指摘もいただいていた。
その環境を改善するために、第2世代から第3世代までの世界各国の携帯マーケットの
発展段階に対応し得る携帯端末の端末及びアプリケーションサービスの双方に対して、検
証が行えるような開発・試験環境を整備し、その実証を行うものである。また、このプロ
ジェクトを通じ、ヨーロッパの研究開発及びサービス開発分野の連携強化を行うというこ
とで、特に欧州で取り組まれている研究枠組み計画、フレームワークプログラムとの相互
連携を行うことにより、グローバル市場における我が国のICT国際競争力を強化するこ
とを目的としている。国際連携については、この計画の中で、フィンランドにあるテスト
ベッドと接続したネットワークを構築するということと、今申したフレームワークプログ
ラムのプロジェクトにおいて、欧州で連携に関する取りまとめを行っている機関への参加
及びテストベッドとの連携を図っている。
・
(資料2ページ)プロジェクトの、サービス内容、実証内容であるが、世界で広範に使わ
れているGSM方式、これは我が国では使われていないわけであるが、及びW-CDMA
等の移動通信システムの、海外向け携帯端末等の開発・実証環境を整備すると。これをも
って国内でその試験を実施する。
また、国内において企業の開発を支援する。さらに、いわゆる携帯端末のみならず、関
連する通信機能を有する各種の機器、あるいは組み込み型のパーツ等も含めたものの海外
向け製品の開発を支援するということである。
開発支援対象として、左にあるように、携帯端末のほか、カーナビ等々の、あるいは情
報家電等を想定している。また、右にあるように、マーケットとしてヨーロッパ、アジア
で行うと。実施場所については、このような企業が集積しているYRPに環境を整備する
ということである。
・資料3ページに、概要の中で、本開発実証のコスト面、あるいは開発支援環境の優位性
を書いているが、従来、このような環境が国内になかったので、企業の試験については海
外に出向いて試験を行うと。そのための交通費、出張費等の負担もあるし、テストベッド
の利用料、100万円/日と書いてあるが、これもあまりオープンにされていないが、い
-2-
ろいろと聞き取りの結果、このようなレベルであったということである。
実際の実施に当たっても、国外に出るので、派遣される人数が制限される、また、その
フィードバックに時間がかかるということで、国内のYRPにある環境であれば、関係者
が一堂に集まり、日本語でストレスなく作業ができ、またスケジューリングについても非
常にフレキシブルに行える。
・以降、各年度ごとの目標とその成果を書いてある。下4ページが平成20年度の成果目
標であるが、項目は基本計画に沿って書いてある。
少しわかりにくいが、1番目として、GSM/3G、3GはW-CDMAを指すが、実
網と切り離された環境。これは、いわゆる試験を行うために、外部につながらない純粋な
試験環境を構築するということである。
また、2番目として、実網と接続した環境と申すのは、ローミング試験、あるいはアプ
リケーションの開発のための外部網との接続試験を可能とする環境である。これについて
は、21年度に接続完成を目指すと。平成20年度については、その設計を行うというの
が当初の目標である。
それから3点目は、IP網に接続した試験環境の構築と、次世代IP網の中枢部である
ミドルウエアの開発ということで、20年度中に設計を行うという目標である。また、こ
れについては21年度に提供するため、20年度については、位置情報連携機能、リコメ
ンド機能について設計、開発及び実証実験を実施する。さらに、その他の3機能について
は基本設計を行うということである。
4点目として、海外連携によるGSM/3G認証試験環境の構築及び海外市場での評価
試験ということで、現実にある海外のテストベッドとの連携を図るということである。実
質の成果については、20年度については7ページにある。
以上、申したような計画について、当初、20年度については初年度なので、総務省様
の基本計画書に沿った形で実施したが、その基本計画の内容を満足するとともに、一部の
目標については前倒しして実施している。
ネットワークについては、2社、世界的なシェアの大きいエリクソン、ノキア・シーメ
ンスのネットワークを用いて、試験環境、試験技術を開発した。また、このコアネットワ
ークを用い、実際の試験の構築及び試験を実施している。
これをもって、実際に5種類の端末を用いて評価した。4点目にあるように、屋外環境
を模した試験環境の構築という目標があったが、これについて、その装置の開発を実施し
-3-
た。
また、欧州との連携に向けて、海外の情報の収集を行っている。結果について、学会へ
2件の発表を行っている。
21年度は2年度目ということで、目標をざっとご説明すると、この環境を実際に運用
する、その中で維持及び高度化を行うという内容になっている。また、4点目にあるよう
に、ミドルウエアについてはさらに他の機能を追加して、試験環境を構築する。欧州との
連携については、具体的な機関との連携及びテストベッドの連携を行うということである。
・この部分の成果については、11ページに21年度の達成状況があるが、21年度につ
いても、基本計画の21年度分の達成目標を満足するとともに、一部の目標については前
倒しして実施した。
具体的には、構築した環境による端末の開発のための支援を行った。また、アプリケー
ション等の試験のために疑似アプリケーションサーバーを接続して、機能を拡張している。
その結果、試験として、携帯については10社、約10機種の試験を行った。また、その
設備の利用率、これは稼働日の日数に対する利用率だが、85%を達成している。その評
価について、利用者からは、試験効果が非常に高かった、あるいは迅速な試験ができた、
その結果、経済的な面でも非常に効果が高かったという評価をいただいている。
アプリケーション開発の分野については、新たに開発した機能を追加して、6社のユー
ザーから利用を検討いただいた。また、その前提として、実際に2社のユーザーが開発に
利用されている。
そのほか、屋外環境のシミュレーションを行うための機能の統合を行い、また、ヨーロ
ッパとの連携については、具体的にFP7へのプロジェクト提案を行っているが、残念な
がら、これについては不採択だった。2年度目についても、学会への論文投稿で公表して
いる。
22年度については最終年度ということで、当初の基本計画以上の検討も含めて行って
いる。具体的には、3年間の特区事業後の実際の運用の検討、それから屋外での試験、こ
れは実際の電波が発射できなかったためにシミュレーションを行っているが、その環境が
できることの検討を行っている。
・この成果については、16ページの3点目にあるように、利用率についてはおおむね1
00%、全日使われた。それから、実際の試験については、14社の利用をいただいてい
る。
-4-
最後に、この実績を踏まえ、本年度から当社で実サービスとして提供を開始している。
また、さらに次の世代の携帯端末技術、LTE、あるいはTD系の技術についても、その
運用を検討しているとともに、一番ニーズの多かったベンダーの認証についても、今ベン
ダーと調整して、さらに改善を図っている。
今後のニーズに応じた迅速な環境づくりと、それに対応する費用、この点について、ど
う兼ね合いをとりながら進めていくかというところが一番の課題になっている。
以上である。
<質疑応答>
Q.23年度以降の軍資金はどのように調達する予定か。
A.基本的には、利用者の利用料によって、必要な固定的な経費、運用費、設備費、あるい
はバージョンアップ費を賄うことを考えているが、本年度については、国のプロジェクト
による長期的な利用という分野で、一部利用をいただいている。
Q.ということは、資金としては十分調達できるような体制になっているという理解でいい
か。それとも、今から、どこかからか取ってこなきゃいけない?
A.本年度についても、事業計画上はかなり頑張っていかないと達成できないかなという懸
念はある。
Q.このプロジェクトのねらいというのは、やはり当時はGSM環境がなかったというのが
一番の大きいポイントだと思うのだが、これがスタートした当初と、それから今現在は、
相当かなり、海外でも先進国を中心に3Gが入ってきているので、その重要度の度合いと
いうのは、当初と今とではどんなふうに変わってきていると考えているか。
A.GSMについては、重要度についてはほとんど変わっていない。むしろ、例えば車につ
いて、イーセイフティという通報機能を義務化する制度が導入されようとしているが、基
本的にはGSMがよく使われるということで、やはりグローバルな通信のためのGSMと
いうのはかなり寿命が長くて、かつ、より拡大していると考えている。GSMが在った上で、
3G、あるいはさらにLTEが導入されてきているという環境だと理解している。
Q.これはメーカーあるいはベンダーからの利用実績、それから現在の問い合わせ状況、使
いたいという要望はどの程度来ているのか。
A.守秘義務があり詳細に述べられないがが、今、使うことを前提に四、五社がいる。特に、
長期的な利用については予算の調整をされていて、まとまって使うというお話をいただい
ている。
-5-
Q.最後のほうに書いてあることを拝見すると、これから継続して使おうとするには費用が
高くて使いにくいとメーカーが言っていると書いてあるように読み取れるが、そういうメ
ーカーは、ここを使わないとどこを使うことになるんだろうか。
A.このような試験を極力省略して、ぎりぎりのところで使うという発想のようである。
Q.それは、ここではなくて外国のサイトを使うということか。
A.いや、シミュレーターとか。本環境は実機による試験ということで、標準でない部分も
試験できるというところが目標なのだが、できるだけそういうところをネグって、とにか
くシミュレーターでどんどんやって、最後の最後で試験をしたいと。それが通用するかど
うかはわからないが、そうせざるを得ないと言っている。
Q.これができたことによって、海外へ、特段ヨーロッパへ出かけていた方、あるいは横浜
あたりの先方のものを使っていた方々は、それを使わなくて済むようになったということ
か。
A.然り。少なくともこの特区事業中は、日本のテストベッドを使えるようになった。
Q.だから、今後ともそれをずっと継続していくようなことをやらなければいけないという
ことか。
A.然り。既に事業化して開始しているが、外国とも競争できる、利用しやすい料金という
ことで設定している。また、先ほど、メーカーの費用負担という話があったが、海外、例
えば韓国、台湾は、もっといろんな意味で政府の援助があって、ほとんどただ同然で、経
済的に自由に使えるという支援をしている。
なので、我々はもちろん独立採算を目指しているが、利用されるメーカーさんの立場か
ら見ると、競争相手のよその国の会社はいろんな意味で支援を受けているというところに
ちょっと不満があると思うので、その辺、いろいろと高い見地からご判断いただければと
思う。
●でも、それは言ってはいけないことだと思う。なぜならば、台湾や韓国のメーカーは、
そうやって支援を受けた結果として、製品を諸外国に展開して、きちっと収益を上げて、
税金を払っている。日本のメーカーは、こうやって開発してもほとんど外国に出ていけな
くて、外国に出ていけないという部分では国税を払っていないわけだから、国税を払わず
に支援しろというのはおかしいと思う。
②「空間コードの活用による国際物流の効率化の実証」
-6-
<プレゼンテーション>
【日本郵船】
お手元の資料の3ページをごらんいただきたい。実施事業者名のところ
に株式会社MTIと書かれているが、これは日本郵船の100%子会社であって、当初は
そこで受託した。その後、社内の組織改革等があり、メンバーは変わらず、私も含めて日
本郵船に異動し、最終年度、22年度は実施した。
プロジェクトの概要であるが、物流の中でも特に完成自動車の物流を対象にした。自動
車というのは、もちろん日本の中でも産業的に非常にすそ野が広いもので、ITは十分進
んでいるだろうと思われるかと思うが、確かに工場を出るところまではジャスト・イン・
タイムとかカンバンとか、いろいろとITで固まっているが、工場を出荷した後、私たち
が買いに行くところまでのいわゆる物流工程は、かなり人海戦術が行われているというの
が現状で、そこをITで何かできないかというのが発端である。
一番下の国際連携とあるが、このユビキタス特区の趣旨も、日本のイニシアチブで国際
展開をするということなので、積極的に国際連携をしようということで取り組んでまいっ
た。一番下に書いてある「ITS
Japan」というところに、この動きを一応引き継
ぐことができたので、後ほどご紹介する。
・4ページをごらんいただきたい。1枚であらわすと、この絵が最適だと思って出した。
先ほど申したけれども、現状のいわゆる完成車の物流の拠点の中での作業は、非常に人海
戦術である。紙伝票がいろいろなところで莫大に使われているし、この絵にもあるとおり、
例えば、同じ赤いセダンが何千台と並んでいるところからピンポイントの1台を探さなき
ゃいけないという場合が、たまに発生する。そういうときに、非常に手間がかかっている。
それを、今回私たちが開発したアクティブ型の電子タグとその関連システムを使うこと
によって、個別の車両確認だとか、輸送中に情報を変更したりとか、伝票の張りかえがな
くなるとか、もろもろのメリットが出てくると想定している。
使い方としては、右の下の写真にあるように、車のフロントガラスの内側にこういった
ようなタグを取りつけて、現在の紙の伝票にかわるものとして管理していきたいと考えて
いる。
・5ページをごらんいただきたい。3年間担当させていただいたけれども、3年間、5ペ
ージの図のようにプロジェクトを進めてまいった。
最初の年は、水島工場とあるが、これは岡山県倉敷市にある三菱自動車の日本最大の工
場、年間数十万台つくっている工場だが、そこの隣に、隣接されている敷地にモータープ
-7-
ールという仮置き場があるのだが、そこの中でのハードウエアのプロトタイプの実験に終
始した。
2年度目は、平成21年度は、水島工場でつくられた車が、現状のオペレーションに沿
って海外まで輸出されていく、その工程に沿った実験を行った。ただ、ここで海上輸送と
書いてあるが、ここは、例えばベルギーだと40日間ずっと車は載っていくので、その間
はちょっと無駄なので、実際ははしょって実験させていただいた。
最終年度、平成22年度は、ほんとは2年度目と同様にサプライチェーンでの実験を継
続したかったけれども、予算等の都合もあって、結局は拠点の中での、もう少し技術のブ
ラッシュアップに特化した実験を行ったということである。
・6ページをごらんいただきたい。成果の目標の達成状況である。目標として、まず、こ
こに書いてある2つ大きなのがあるけれども、この①、②はそれぞれ裏表の関係というか、
一体なので、結果としては、下に書いてある達成状況のように行った。
3年間を通じ、最初の1年は、いろいろな要求仕様の確認だとか策定を行い、その後、
少量試作、改良試作等を順を追ってつくっていったというところである。今、お見せした
タグが改良試作(β版)と言われるもので、2年度目と3年度目には、それを用いて実験
をしてきた。
達成状況のところで、青字で書いているのが1つのポイントであるが、このタグは、い
わゆる通信機能と表示機能と測位機能(GPS)というのが1つのデバイスに合体したも
のである。もちろん、それぞれの技術は既存で存在するのだけれども、それをうまく連携
して管理するというのは、今回、ユビキタス特区で世界初だと考えている。
・次のページをごらんいただきたい。もう一つの大きな成果目標が、国際標準化への提言
ということだった。こちらも3年間をかけて行ってまいった。冒頭申したけれども、達成
して一番よかったことは、イの達成状況に書いてあるが、NPO法人、特定非営利活動法
人ITS
Japanに引き継ぐことを行った。インテリジェント・トランスポート・シ
ステムズという、ETCなんかをやっているNPO法人である。
平成22年4月なので、ユビキタス特区の最終年度の1年間だけはちょうどオーバーラ
ップしたが、その後は、今年の4月からはユビキタス特区が終わってしまったので、この
ITS
Japanの活動だけに絞って取り組みを行っていくということになっている。
また、国際標準化ということで、いろいろな情宣活動が必要なので、非常に多くの海外に
出向き、日本ではこういう活動を行っているというプレゼンを3年間通じて行ってまいっ
-8-
た。
・8ページをごらんいただきたい。こちらは、今申したとおりだが、ユビキタス特区事業
の3年間が終わって、今年、平成23年4月からは新しいプロジェクトに引き継いだとい
うことである。ユビキタス特区では、自動車会社さんは三菱自動車さんだけ、電機メーカ
ーはセイコーエプソン、タムラ製作所さんだけだったが、新しいITS
Japanのプ
ロジェクトでは、自動車会社国内全社、及び電機メーカーさんも10社程度入って参画い
ただいている。
・9ページが今後のビジネス展開に当たってのスケジュールである。平成25年、201
3年の後半に何らかの形で事業化したいという目標を持っており、そこから逆算で活動を
している。赤字の太枠になっているのが、今年度の1年間で何をやるかを示している。ま
ずサービスの試案をつくって、それをもとに製品のほうのスペックのブラッシュアップ、
それを実際どうやって使っていくかという整理を行う予定である。
・10ページであるが、こちらが事業のモデルである。まだ確定ではないが、このタグを
自動車会社さんに一気に全部買ってもらうというのは非常に大変なので、赤い点線で囲ん
だ新しい事業者、貸し出し事業者、レンタル事業者というのを設立して、そこが自動車会
社に貸していくというモデルがいいのではないかと、今考えている。
・11ページ目の課題であるが、大きく2つ。1つが周波数帯の話、もう一つが、タグそ
のものの非関税対象化である。周波数帯は、ユビキタス特区では433メガヘルツという
のを使わせていただいたが、実用化のときには、国内外でシームレスに使えないと、これ
は国内用の車なので違う周波数帯、これは輸出車なので433メガヘルツ帯と分けて現場
でつけなきゃいけないというのは、非常に煩雑というか無理なことなので、それは統一し
ないといけないと思っている。
また、非関税対象化だが、先ほど回覧したタグのサンプルは、まだプロトタイプなので
かなり大きいけれども、実用化になったとしてもある程度の大きさがある。今までは紙の
伝票だったので、紙は関税も何もないけれども、ある程度の電子デバイスになると、やは
り関税の処理をしなければいけない。そこを何とかしていきたいと考えている。
お配りした資料は以上だが、ここからは投影だけだが、ご参考にお見せしたいと思う。
今までこの事業の関係で訪問した国ということで、20カ国ぐらい行った。中国にもお邪
魔した。韓国にも2009年にもろもろの展示会で参った。あと、台湾、シンガポール、
ベトナム、マレーシア、タイ、香港、オーストラリア、アメリカ、トルコ、EU、フィン
-9-
ランド、イギリス、フランス、チェコ、ドイツ、オランダ、オーストリア、ベルギー、国
連等々である。ということで、一応20カ国以上は訪問して、この宣伝をしてまいったの
で、引き続き、これから実用化に向けて頑張っていきたいと思う。
<質疑応答>
Q.いろいろ海外を回られたということだが、海外でも同様な取り組みをなされていると思
うのだが、そういう意味で有力な対抗馬というのはどの国で、どういうものなのか。それ
と、実際にITS
Japanに引き継いでから、海外から引き合いというか、どの程度
の関心が寄せられているのか、お聞きしたい。
A.特に韓国が一番積極的だと聞いている。韓国の現代・起亜自動車と、電機メーカーで、
片やサムソンがとにかく一緒に、かなり似たような取り組みをやりたいというふうに聞い
ているので、似たようなものが複数出てしまうと、全然標準化でもなくなってしまうので、
何とか先行して、我々は日本でこういうことをやっている、こちらのほうが実用化に近い
ので一緒に乗らないかという巻き込み活動をやっていきたいといって、実際にやっている。
あと、関心だけれども、表示機能というのが、日本のメーカーさんには非常に関心を持
っていただいているが、海外のほうだとそれ以前の問題というか、場所さえわかればいい
ということなので、あまり表示はなくても、通信で、きちんとピンポイントで場所がわか
ればいいのではないかという意見もある。そこは、これからどうしたものかと考えている。
表示器があってもなくても、通信で相互運用できるようにできればなと考えている。
Q.ここのところ、日本がアイデアを提案して、海外が似たものをつくってしまうというパ
ターンが相次いでいるものだから、そうならないようにお願いする。
A.了解した。
Q.最初に、これが一番効果的であるのは出荷段階、港と思うけれども、そこで、従来のも
のに比べてどの程度の成果が、効率化が図れたのか、そういう評価をされたかどうかが1
点目の質問。
それから、着地で受け取った後は、数はずっと減ってしまうので台数管理はずっと容易
になるわけだが、この際、要件としてセキュリティーだとか、あるいは盗難防止だとか、
そういう視点があったかどうか、その点をお聞かせいただきたい。
A.まず、最初のご質問だが、港及びここで言うモータープールというところでの効率化だ
が、実際、今、作業者の方が三菱自動車の場合は、1日数千台を扱っている車の中で、ひ
どいときには数百台の伝票の張りかえをしなければいけない。その工数が基本的にはゼロ
-10-
になるという、例えばそういう話がある。もちろん、自動車という貨物は人間が動かさな
いと動かせないので、ドライバーさんの工数は当然残るのだけれども、ドライブする以外
の、単に情報、状況が変わったから紙を取りかえに行くといった作業がなくなるというこ
とで、そこだけで1社年間数千万円という試算はいただいている。
2番目の……。
Q.このICタグは位置情報が伝えられるわけだから、セキュリティーとか、本来もっと多
様な機能が望めるはずである。
A.然り。
Q.ただ出荷の段階が整理できるだけでは、このタグの機能からみてもったいなさ過ぎると
いう印象が、どうしてもある。
A.実際、そういったお話は三菱自動車さんからも来ているし、ITS
Japanでのほ
かの自動車メーカーからも多々出てきている。このユビキタス特区の実験ではそこまでは
できなかったが、これから、今まさにご指摘のとおり、単にオペレーションがよくなるだ
けではもったいないので、発展的な用途についても使っていく予定。
Q.433メガはテレビ帯でしょうか。
A.アマチュア無線である。
Q.あ、テレビじゃなかったか。テレビはもうちょっと上か。
いずれにしろ、国際的に通用しても、国内的に利用できないんじゃ使えないよね。
A.然り。
Q.実際にはどこに持っていこうとしているのか。
A.まさに議論中であって、そこに書いたとおり、2.4ギガヘルツ帯あるいはUHF帯。た
だ、つい最近、UHF帯は周波数の位置が変わるという動きもあるので、それもにらみつ
つ、周波数帯の選定は非常にセンシティブに、今、気を使っているところであるが、43
3の場合だと、日本以外は現状では非常に使いやすいので、いまだにそれの可能性は十分
あると考えている。具体的には、2.4かUHFを想定している。
●日本は、UHFにいけるのかね。
●ただ、飛びの問題が出てくる。
Q.距離。あと、先ほど来、国際標準というのが出ているけれども、とにかく、いろんな連
携をされている、努力をされているというのは評価するけれども、要は何かというと、デ
ファクトでもいいから、とった上で、要するにマーケットをとらないと勝負にならないわ
-11-
けだから、ITS
Japanに移行したところで、あの方々にそれを全面的にそういう
ことまで任せられる体制なのかとなると、なかなか難しいんじゃないかと思うが、どうな
のか。
A.おっしゃるとおりである。メンバーとしてはこういうメンバーでやっているが、正直、
まさに今言われたとおりの状態で、実際は、自動車の業界で今一番ホットな中国の特に上
海港、そこにタグを導入しようという動きが急に浮上してきたので、そこにITSの枠組
みを一歩先に行く形で、弊社なりが導入をするべく活動している。それを例にとって、I
TSを逆に、上海ではこういうふうに導入しつつあるので、日本でもそれにならってとい
うか、そこに一緒に行こうと、そういう動きを今しているところである。
せっかくこういったメンバーが集まってきて、環境は非常によいけれども、やっぱり動
きが若干、逆に言うとちょっと遅いので、もっと動きの早い中国に、どこでもいいので導
入実績をつくりたいというのが、今一番焦っているところである。
Q.アクティブタグは1個幾らするのか。量の問題で解決するんだったら、もうめどが立っ
ているんだと思うけど。
A.将来は数万円だが、数万円を自動車の数だけ何万台と買うわけにはいかないので、なの
で今、レンタルというモデルを。
Q.量産化しても数万円か。
A.然り。表示機能がなければ1万円ぐらいである。今この表示が、特殊な電子ペーパー、
低消費電力の電子ペーパーを使っている関係で、ちょっと高い。
Q.ITS
Japanは、歴代トヨタさんが代表をやっているので、トヨタ自体の取り組
みというのはどうなのか。トヨタあたりがかなり、がんがん使って、量を使って安くして
いくという、ある意味、ITS参加全社がそうやって、デファクトをつくっていくことが
大事だと思うが、その辺の取り組みはいかがか。
A.トヨタさんも、この活動に2年ぐらい前から関心を持ってきてくれていて、その関係が
あって、実はITS
Japanに半ば招待されたみたいな形もあるのだが、現状では使
っていないそうである。ただ、私たちが、先ほどの韓国だとか中国の話をすると、まずい
なという話は伺っている。
トヨタさんの興味は、広く皆さんに使ってもらうなどして、コストをダウンしたいとい
うこと。
あともう一つは、世界中で使えるようにするのであれば、国際標準でないと使えないと
-12-
いう形で言われている。だから、私どもはそれに沿った形で、なるべく多くのカーメーカ
ーさんを巻き込んで、加えて、国際標準をとっていくという形でこたえるようにしている
ということである。逆に言うと、国際標準化とかを目指していない単なる取り組みだと、
多くのカーメーカーさんは全く興味を持ってくださらないのではないかということだと思
う。
Q.要は、だけど、机上の論だけで標準をとりに行くというのは、なかなか悩ましい話だか
ら、そういう意味では、ある意味においてやっぱり巻き添えにして、実績を積んでいかな
いと難しい。だから、そういうところになると、どっちから先かとなると悩ましい。
それは、あっちでもこっちでも使ってくれないと、トヨタだって心配して使いにくいだ
ろうとは思うけれども、そうはいっても、やっぱりそこのところは理解してもらってでも
トヨタに使ってもらうことに努力していただくのが必要なんじゃないか。
A.そのつもりである。
③「放送と通信のシームレスな切替え等を可能とする新ワンセグ端末の開発・実証」
<プレゼンテーション>
【中京テレビ放送】
資料3ページ目をごらんいただきたい。我々が目指しているのは、
現在ワンセグは、放送ブラウザは搭載されているわけであるが、携帯ブラウザは携帯の機
能を利用しているということで、その間のシームレスな遷移がなかなかできないがために
新しいビジネスモデルの開発ができないということがあって、まずその辺を共通にするブ
ラウザを開発しようということが1つである。2つ目が、電子マネーも携帯端末には搭載
されているので、それもワンセグの中で活用したいというところで新ワンセグ端末の開発
を目指している。
他省庁関係とのプロジェクトは特に整合性はない。
国際連携については、昨年度、上海万博の日本館において2週間実証実験をさせていた
だいた。これは後ほどまた詳細をご説明する。
・
(資料4ページ)私どもが目指している新ワンセグ端末のサービスモデルの概要を図式化
させていただいている。真ん中にある黒い端末、実際このような端末を2年目に開発して
いるが、これが新ワンセグ端末のイメージである。実際は携帯電話に搭載されたりスマー
トホンに搭載されるということをイメージしている。そこのブラウザを経由して電子マネ
ーの決済であるとか、決済ができることによって有料の動画サービスも展開できるという
-13-
ことである。あと、せっかくWi-Fi等の無線LANの活用もできるので、通信経路と
しても活用するし、そこの位置情報を活用したいろんなコンテンツサービスも考えている
ところである。
・
(資料5ページ)3年間にわたって開発を行った。まず、初年度の20年度であるが、初
年度ということもあって本当にそういう共通ブラウザが可能なんだろうかということで、
ブラウザの開発コストはおよそ数億円と言われているが、そこの部分でリスキーなことも
あるので、まずはPC上でプロトタイプのブラウザの開発をした。その中で、実際の通信
コンテンツとの連携の動作チェックであるとか、現状のワンセグとの互換性のチェックを
目標としてやった。
実施内容としては、共通ブラウザエンジンの開発をしたし、従来のブラウザとの互換性
をチェックするということもやった。あと、BML、HTMLという、放送ワンセグはB
MLという言語で記述されているので、HTMLの言語特性とBMLの言語特性は非常に
違うので、その辺のシームレスな遷移が可能だろうかというチェックもした。位置情報モ
ジュールとの連携のテスト、あと通信を使うということでDRMをかける必要があるので、
それの実験も考えて、名古屋市内、この年は1カ所であるが、同時に2波ワンセグ電波を
出して実証実験をしている。
開発としては放送・通信共通ブラウザの開発にめどをつけたということがある。それと、
放送番組から通信番組への遷移、電子マネーとの連携、位置情報の活用は成功ということ
で、実際の成果を獲得したわけである。
・
(資料6ページ)次に、2年目の21年度である。パソコン上ではいかんせん、ワンセグ
をイメージしたいろんな実証実験がやりにくかったので、このようなPDA上に20年度
に開発したブラウザそれぞれの機能を移植するということをやった。実際には端末20台
を構築して、それをそれぞれの実証実験会場に持ち込んだテストをやったし、ストリーミ
ング再生、最初の年度はダウンロード型の再生であったが、ストリーミングの再生もやっ
たということである。端末の裏を見ていただくとわかるように、非接触型のICカードを
後ろに内蔵して、それをモバイルのICカードに見立てた実証実験もやっている。電子マ
ネーの決済フローも若干処理の仕方を見直して、コンテンツの管理と決済を分離したとい
うことである。
あと、DRMについても、従来型のDRMではおもしろくないということで、再生回数
であるとか時刻による制御、あるいはここには書いてないが、位置による制御、そういう
-14-
パラメータも組み込んだ。そういうものと実際のライブラリとの結合をして実証実験をや
ったということである。
経路選択については、無線LAN、Wi-Fiと通信経路であるのでFOMAのカード
を実装して、これの切り替えをやると。そんな中で、社会的な制約があるところでできる
だけ通信を使わせないということも本当にできるんだろうかということで、位置情報と連
動させて病院とか映画館の中では通信の遮断をするという実証もした。
一応PDAの移植等は無事成功した。メモリーサイズとかCPUの能力がないというこ
とで、リアルタイムなワンセグの再生には苦労したが、結果的には成功したということで、
名古屋市内4カ所で5ケースを想定した実証実験をやった。
・(資料8ページ)最終年度が22年度、昨年度である。これについては前2年の成果を、
最終的にはARIBのワンセグの規格に採用させるということを目指しているので、その
規格化の仕様を検討した。
あと、最終成果ということで、海外での実証実験ということで、先ほども申し上げたよ
うな上海万博の日本館で2週間ほどスペースをお借りして、そこで実際海外の方々に先ほ
どの端末を使っていただいた実証実験をした。
仕様書については、まとめて、今ここにはお持ちしてないが、108ページにのぼるA
RIBへのワンセグの追加仕様書が完成した。話が前後するが、上海万博においては12
日間の実証実験をやって、海外の方1,723名の方からアンケート調査をいただいて、ぜ
ひ海外でもこういうワンセグサービスを早めに実施してほしいという要望が多数寄せられ
たということである。
・
(資料10ページ)今後の事業化に向けた見通しであるが、昨年度の成果に基づいて今年
度ARIBのほうの新放送技術調査研究会に我々の要望仕様書を提案している。今これか
ら検討いただくということであるが、順調にいけばARIBのデジタル放送の標準規格、
ARIB
STD-B24という規格であるが、こちらのほうに仕様の追加をしていただ
けるのではないかということである。それができた後、デジタル推進協会、Dpaである
が、こちらのほうでデジタル放送の運用規格を制定している。これはTR-B14、ワン
セグはCプロファイルというものであるが、こちらのほうにも運用規定を定めていただい
て、標準化の整備が整った後にワンセグ端末が発売されるという見込みである。
海外については、ご承知のとおり中南米諸国11カ国、それにフィリピンが日本のデジ
タル放送規格(ISDB-T)を採用していただいている。その採用された動機が、ワン
-15-
セグが使えるからということでもあるので、私どもの規格が日本で採択されれば海外へも
展開していきたいと考えている。
・実際のサービスモデルはこんなふうに考えていて、資料11ページであるが、左側が我々
の今ワンセグの広告放送のモデルである。これに実際の電子マネーの決済を加えた通信コ
ンテンツ、有料での配信、もちろん無料での配信もあるが、コンテンツプロバイダの方々、
あるいは通信事業者の方々と連携して通信コンテンツサービスをやり、ワンセグと連携を
図っていきたいと考えている。
・
(資料12ページ)今後の課題であるが、これから標準化の動きの中で我々がご提案申し
上げるわけであるが、なかなか最終的なタイムスケジュールが今のところ見えにくいとい
うことで、できるだけ早くということでお願いをしているが、いろんな方面との調整、あ
るいはグローバルへの展開をどうするんだということについてもいろいろ調整が必要とな
るということで、費用もこれから追加で要るのではないかと想定していて、我々特区の名
古屋のメンバーだけでやるのはちょっとつらいということで、キー局さんにもあわせた作
業を今お願いしているところである。
もう一つは、急速に携帯端末の流れがフィーチャーホンと言われるガラパゴス携帯から
スマートフォンへの移行が始まっている。その中でワンセグというのはある意味日本のド
メスティックなアプリケーションサービスであるので、そういうものが本当に海外のプラ
ットフォーム事業者にちゃんと採択されて標準化できるんだろうかというところが少々疑
問がある。日本の携帯事業者さんはかなり頑張っていただいているので、その流れの中で
やっていけるんじゃないかなと思っている。
・(資料13ページ)未達成事項は特にない。
・
(資料14ページ)今後のスケジュールの予定であるが、今年度は規格をつくっていただ
くというところに注力して、次年度はワンセグと通信の連携したサービスモデルの検討、
25年度からは端末が発売されればそれを使ったコンテンツ事業者さん、通信事業者さん、
放送事業者、それぞれのウイン・ウインの関係を築くようなサービスモデルの展開を考え
ている。
以上である。
<質疑応答>
Q.次世代ブラウザについては、知的財産戦略本部でも指定されて、政府あるいは企業も含
めて国を挙げて国際標準日本として貢献をしていこうという重要なテーマの1つになって
-16-
いるが、これはそれに貢献できる要素が多分にあると思うが、次世代ブラウザの国際標準
化活動にはどのようにこれから貢献されていく予定か。
A.私ども、名古屋という地理的な条件とかいろんなものがあって、なかなか今まで国際化
の流れには乗っていない。先ほど申し上げたようにキー局さんにもこの流れを一緒にやっ
ていただこうということでお願いしているので、その中で一緒に検討させていただければ
と考えている。
Q.現状では、既存のワンセグつきのフィーチャーホン、あるいはワンセグチューナーつき
のパソコンとの違いがどうもよく見えない。先ほどウィンドウズパソコンにつながって出
てきたものであるから。既存のストリーミングによるブラウザとの違いを一体どこに主張
されるのか、あるいは、インターネットテレビがブラウザで見れてしまえばそれで終わり
じゃないかという、どうしてもそういう発想になってしまうので、そういう懸念が出る。
どのあたりに一番の違いを主張されるのか。
A.インターネットテレビのことは、今考えられているのは家庭の据え置き型テレビを中心
にした議論が進んでいて、ワンセグについては我々が考えているのと全く同様だと考えて
いる。我々のほうが、3年前というか、実際このユビキタス特区が始まる前であるので5
年ぐらい前からこういう提案をさせていただいていて、やっと世の中そういう時代になっ
てきたのかなというところで、そういう意味であまり違いが今現状は見えないというとこ
ろかなと思う。
Q.確かにオリジナルはこちらであっても、現状の市場のほうが別のほうに移行し、ブラウ
ザ上でもストリーミングだとかそういう形になってしまうとすると、せっかくやったこと
が宝の持ち腐れになりかねない。インターネットによるテレビ配信にどのように対応して
いくか。課金だとか著作権とかDRMを含めて、どういうふうにしっかりと課金できるビ
ジネスモデルをつくっていくか、それから著作権をどうやって守っていくかというところ
が、おそらくコンテンツを配信する側からは一番の興味のあるところなはずと思われる。
電子書籍も同じ問題がある。だから、単に放送が映るというだけではビジネスモデルとし
てはどうしても弱いんじゃないかという印象はある。
A.ご指摘はごもっともであるが、そういう部分での規格化がまだ図られてないというのが
現状で、我々が積極的に規格化についてご提言申し上げているというのが現状である。
Q.2点お聞きしたい。1つは、ワンセグと電子マネーという組み合わせは、どっちも日本
独自の技術で、組み合わせとしては、それはおもしろいが、ただ逆に言うと、独自のもの
-17-
を2つも掛け合わせるということは、相当オリジナルなものになって、海外とのすり合わ
せというのがどれだけとれるのか。例えば、決済のところでいえば、通常のクレジットか
デビット決済とか、そういうものに置き換えてもこのビジネスモデルが成り立つのかどう
なのかというのが1点。
もう1点は、来春からは今度マルチメディア放送が出てくるし、さらにはその先として
V-Lowも控えている。そういう中でこのスキームというのが、そういうものが出てき
た当時も十分に新規性、あるいは技術的優位性が誇り続けられるのかどうか、その点をお
聞きしたい。
A.まず1点目であるが、電子マネーについては、今回の実験は我々ICカード型で実装し
ているが、ネットワークタイプの電子マネー決済についても当然検討している。その辺の
電子マネーの決済は各ICカードでもいろいろ違うし、ネットワーク型でも違うので、モ
ジュール構造にして、それをアドオンする形でいろんな電子マネー決済に対応できるとい
う提言をする予定である。
2点目のご質問であるが、V-Lowであるとかマルチメディア放送の絡みであるが、
私ども目指すところはそんなに違いはないと思っている。ただし、コンテンツ力という部
分については、やはり地上波放送局の優位性というのは当然あると思っている。特に地上
波放送を入り口とした関連コンテンツというところから普及を図りたいと思っているので、
仕掛けとしては共用できる部分もあると思うが、ビジネスモデルは多少違うのかなという
ところである。
Q.そうすると、地上局に強みがあるというところが強みだとすると、地上局というのは大
きいテレビ向けに、万人が見るものをつくるのに今まで得意としてきたわけで、こういっ
た携帯端末向けに本当に優位性があるかどうかというのがよく理解できない。
A.パーソナルな部分では視聴率データをごらんいただくとわかるが、ドラマとかは個人が
ワンセグで見ていると、特に若い人は多いという調査結果も出ているので、そういうとこ
ろをきっかけにやるという方法はあるのかなと思っている。
Q.これは現在もそうであるが、最後のスケジュールで拝見していると、ともかくもARI
B規格をとるということをなさってから動くということにしか読めないが、それで本当に
いいのか。
A.端末メーカーあるいは通信キャリアとも一緒にやれというお話も以前からいただいてい
た。これはまさに放送局を動かすための仕掛けであるので、最初から通信事業者さん、端
-18-
末事業者さんと組んでやっているという誤解を受けると、放送局の中で議論がストップし
てしまう。その部分を解消するということもあり、まず規格をちゃんと定めて、放送局が
これはちゃんと使えるスキームであるということを示す必要があると考えていて、そうい
う部分で規格から入っているということである。
Q.ということは、先ほどからたびたび言われている通り、本当に真剣にキー局を巻き添え
にしないと、これは要するに死命を制すると、こんな感じか。
A.ご指摘の通りである。
④「電力線通信(PLC)を活用した家電状況モニタリング」
<プレゼンテーション>
【パナソニックシステムソリューションズジャパン】
省エネ診断というアプリケーシ
ョンをこのプロジェクトでやらせていただいていて、3・11以降、省エネのニーズが高
まってきたということもあるので、引き続き、そういう成果を今後も生かしていきたいと
いう姿勢で取り組ませていただきたいと思う。
・4ページ目のプロジェクトの概要のところをごらんいただきたい。従来ケーブルテレビ
というのは受け身の、テレビを見るだけの仕組みであったが、我々、家電の消費電力を端
末から吸い上げて、ケーブルテレビのネットワークを使って編集・加工して、それをさら
にデータ放送を使ってテレビに各世帯個別の情報としてお示しするという仕組みを開発さ
せていただいた。
ケーブル会社さん、実際にケーブルをサービスしていらっしゃるKCN京都さんという
近鉄ケーブル系の会社さんと連携をさせていただき、右側、家電の消費電力をはかる仕組
みのところにPLCを活用させていただいたというのが1点目の新規のポイントである。
このPLCを使うことによって、電灯線を使って家電の消費電力を容易にケーブルセンタ
ーに上げることができるということが1つ目のポイントである。
2点目は、ケーブル会社さんが活用しているデータ放送であるとかテレビブラウザを使
って世帯ごとに情報を提供するということが2点目の新規性である。丸の2番になるが、
これによって家庭で使っている消費電力を機器ごとにお示しすることで、気づきを与えて
省エネ行動を誘発するとか、どこに家電があるかという所在情報をケーブル会社さんの顧
客管理と組み合わせることで製品安全の告知をスムーズにできるという、こういうアプリ
ケーションの提供をやらせていただいた。
-19-
3点目は、今までHEMSであるとかいろんな機器が各家庭で個別にやられてきたが、
それはなかなか高価で、例えば1システム10万円して、電気代は年間で1万円も下がら
ないなんていう結果が過去にあって、そういうことのないようになるべく家庭の負担を下
げながらこういうサービスができないかという課題意識で取り組ませていただいたという
経緯である。
・5ページ目にシステム構成図を書かせていただいていて、右から端末のほうにいって、
左側にはケーブルの中のサーバー群というのを書かせていただいている。赤字の部分が1
年目、2年目で開発・改良させていただいたところで、昨年度は3年目に当たるが、それ
が青字の部分で開発させていただいた部分である。主に青字のところをご説明させていた
だくと、端末側であるが、PLCと計測器が1年目、2年目は分離の形をさせていただい
ていたが、3年目は一体型ということで、かつそれを商品化して市場へ出すということで
対応させていただくということである。これが製品で、後ほどごらんいただきたいと思う。
それからその左にいくと、家電製品を簡単に登録する仕組みが今後重要になってくるだ
ろうということで、今、QRコードを活用して家庭にある機器を携帯電話で登録していた
だくという仕組みを昨年度開発させていただいた。
一、二年目の開発については、それ以外に、KCN京都さんにあるシステムの中にさま
ざまなサーバーを導入させていただいたが、一番ポイントになるのは、家電の情報という
か、消費電力をためるサーバーを追加するということと、それからそれをユーザーさんの
情報とひもづけるというところが新しいポイントで、ここのひもづけのためにはケーブル
モデムのMACアドレスと家電情報をひもづけるという形で新しく取り組ませていただい
た。
それ以外の成果については、後ろのほうにペーパーがあるので、それに従ってご説明を
させていただきたいと思う。
・6ページ目に一覧で各年度に開発したシステムの内容が書いているので、この内容でい
ろんなシステムを開発させていただいた。それの細かい内容も後ろに書いてあるのでちょ
っと飛ばしていただいて、この内容が全部テキストで後ろのほうに書いてあるが、13ペ
ージからどういう形でユーザーさんに見ていただけるかというのが書いていて、まずはこ
のシステム開発の中で一番ポイントになるポータル画面、これはデータ放送の画面を活用
してつくらせていただいていて、ここにポイントが書いてあるが、これはこういうエコな
番組を試聴するとポイントがアップされるような仕組みであるとか、それからここに少し
-20-
最新情報などを書かせていただいているが、そういうものを見ていただくとポイントがア
ップするという仕組みで、なるべくユーザーさんにインセンティブを提供しながらエコの
行動をしていただくような仕組みを新たにつくらせていただいた。
それから、③にある省エネ診断とか製品安全チェックというのは、こちらにボタンがあ
って、リモコンでこのボタンを押していただくとそこに飛んでいくという構造にさせてい
ただいた。
まず、省エネ診断のテレビ画面であるが、この緑色の画面がそうで、大きく5つほど省
エネ診断のメニューを用意させていただいている。1番目が消費電力量、2番目が省エネ
度チェック、3番目が省エネランキング、4番目が省エネ方法、5番目が買い換え診断と
いうことで、リアルな情報を活用して、最後は理想的には買い換えまでもっていって、そ
のインセンティブでこのビジネスを立ち上げてはどうだろうかという仮説を考えて、そこ
までのメニューをご用意させていただいた。
・15ページ目に買い換え診断の画面の例があるが、これはシステムで見ていただいた家
電につないだ電気料金というのが現在あって、これと最新のカタログ値による家電の比較
をすると、どれぐらい安くなるかというのが一発で出るということで、こういうものをユ
ーザーさんに提供することで買い換えが進まないかという話である。
・
(資料16ページ)当初2000年というのは、弊社、FF式ファンヒーターということ
で製品事故でかなりいろんな苦労をしていて、今でも苦労はしているが、なかなか事故が
起きた製品を探し出すというのが難しいということがあって、メーカーの使命としてこう
いう製品安全を簡単に探し出せるサービスがぜひ必要だろうということで、ここの画面に
は経済産業省さんが毎回ホームページで出されている製品事故の情報を加工して、こうい
う形で放送で出せる仕組みを提供した。
・次のページには(17ページ目)、この製品が自分の家の製品に該当しているかどうかと
いうのを、診断という9番に書いてあるボタンを押していただくと一発で確認ができると
いう仕組みを提供させていただくというメニューを作成した。
・18ページ目は、もう少し広告の幅を広げたいというニーズがあったので、ツイッター
を使って家電につぶやかせるという仕組みができないかということで、例えば、テレビを
見過ぎとか、エアコンの温度が高過ぎるということを、奥さんに言われるんじゃなくて家
電に言わせようということで、そういうサービスをしながら、間、間に広告を入れていっ
て収入を上げたらどうだろうかという提案をさせていただくためにつくったアプリケーシ
-21-
ョンである。
・19ページ目は、分離型と一体型のお話があるので、見ていただいたとおりである。
・20ページ目は、家電を登録する仕組みが、今、家電で自動的に登録するということが
できないので、QRコードを仮想的に家電に張り付けて、それを携帯電話で読み取ってケ
ーブルセンターで登録していただくという仕組みを作成した。これについても後ほど標準
化という活動も必要になってくるかなと思うので、その辺を意識して活動していきたいな
と思っている。
・21ページ目は実証実験で、一般世帯の実証実験と、それから精華町さんという役場で
公開実証実験をやらせていただいた。
今後の展開であるが、25ページ目にサービス展開の見通しということで書かせていた
だいているが、ケーブルテレビというのは全国型、都市型、地方型というか自治体型とい
うことで、大きく3つぐらいの類型に分かれると思うが、ビジネスを一番早く立ち上げる
類型はどれかということで議論させていただいて、都市型のケーブルテレビさん、例えば
近鉄ケーブルであるとか東急ケーブルさんというのがそれに相当するが、そういうことで
都市型をベースに今後展開していきたいということである。
それで、今年度は3・11以降の対応ということで、26ページ目に都市型のモデルで
マンションのピークシフトみたいなのと展開できないかということで、都市型のケーブル
事業者さんといろいろ取り組みを始めているところである。これはご報告である。
・
(資料28ページ)社会変化というところをちょっとお話しさせていただきたいと思うが、
東京電力さんの需給不足もあって、このミスマッチがかなりこれからサービスになるんじ
ゃないかと注目していて、負荷平準化みたいなことをケーブルの仕組みの中で展開できな
いかということを我々は考えようとしていて、今年度以降、そういう事業化の芽も探して
いきたいなと考えている。
・
(資料32ページ)最後の3年間のプランになるが、今年度、都市型のケーブルテレビさ
んと連携をさせていただくことで、うまくフライをさせて来年の秋ぐらいには何かそうい
う形での事業をつくっていきたいと考えている。
以上である。
<質疑応答>
Q.このプロジェクトが走っている間に東日本大震災という大きな出来事があったわけで、
にわかにそこで注目されているのがスマートメーターという、ここで描いてきたこととい
-22-
うのは従来の電力供給体制をベースに考えて、PLCで、ある意味では仕方ないからこう
いうふうにするという形だったと思うが、供給そのものを見直そうという話になってきた
ときに、ここでのこういう知見みたいなものがそのままスマートメーターみたいな形にで
きるものなのか、これはこれでいくべきものなのかというのがまず1点。それともう1点
は、登録のところであるが、確かにQRコードでというのはわかるが、途中からMACア
ドレスとか使い始めたということなので、もう少しそこは自動化というか、機械が自動的
に認識するという形にはもっていけないものなのかどうか、その2点をお聞きしたいと思
う。
A.1点目であるが、知見は十分生かせると思う。ただし、スマートメーターというのは、
フォーマルにいうと計量法という面倒くさいものがあるので、それのない、なんちゃって
スマートメーターという領域が最近増えてきているということもあって、そういう領域の
プレーヤーが、今、ネガワットと言ってピークを下げるとお金がもらえるという仕組みを
どうやってつくるかという、こういう検討を始めているので、そういう形でプレーヤーに
提案していくし、それからケーブル会社さんもそういうプレーヤーになってもらうという
提案をしていきたいなというのが1点目である。
それから2点目の登録に関しては、こ
れからの家電というのはネットワークを持った家電というのが増えてくるであろうという
想定をしているので、そういうものに関しては自動化という形がいけるのではないかと思
うが、そのデータがメーカーだけにたまってしまうとこういう仕組みができないので、第
三者が利用できる仕組みというのをあわせて考えないといけないかなという課題認識をし
ている。今回のプロジェクトはどちらかというと既存の家電をなるべく見える化をして、
新しい家電にも変えていただきたいし、今の家電の現状というのもわかっていただきたい
し、製品安全上も管理したいということを思いとしてつくらせていただいたものであるか
ら、両方必要かなと感じている。
Q.私も3・11以降は見える化ではもはや済まないような状況になっていると考えていて、
もっとアクティブに、機器をコントロールまで視野に入れなければならなくなると思う。
家庭でもオフィスでも店舗でも、使っている機器それぞれに対して、この順番だったら電
源をとめても仕方がないというところまでおそらくいくと思う。今はちょっと制度の問題
があるのは承知しているが、これから間違いなくそっちの方向に行く。それからIPv6
があれば全部の家電機器、全部の電機機器を登録しようと思えばできるわけであるから、
おそらくそういうのまで視野に入れておられると思う。ご指摘があったようにこれまでと
-23-
はこのような省電力の重さが全く違ってきたから、この課題はもっとこれからどんどん重
要になってくる。もうケーブルテレビで、テレビで省電力状況を見せるようなレベルでは
おそらくないと思う。今から電気とめるよという通告でもいいと思っている。コメントに
しかならないが。
A.了解した。
Q.ほかの家電メーカーと協力しないと、例えば今の話の続きになるが、ピークシフトまで
展望して22ページにもそういう絵をかいていらっしゃるが、確かに乾燥機の利用を2時
間控えるのはとてもいいことだと思うが、パナソニックだけじゃなくてシャープの乾燥機
も控えてもらわなきゃいけないわけで、そういう意味で家電各社との協力体制、いい成果
だと思うので、ぜひそれを今後つくっていただかないと、実際には今後の展望というとこ
ろは何もひらけないんじゃないかと思うが、いかがか。
A.社内的には意見交換を進めていて、なかなか利害が相反するところもある。我々、ケー
ブルテレビさんのビジネスサービスとして少し後押ししているところがあって、社内的に
は家電をたくさん売りたいというモデルと若干相反するが、意見交換させていただいてい
て、そこについてはしっかりまた社内でも議論を進めていきたいと思っている。
Q.CATVの世帯普及率というのはどの程度なのか。全く知らないので。
A.アナログも入れると2,500万世帯ぐらいあると言われている。
Q.CATVそのものというのは、ある意味においては悪くないと思うが、何か別途、二本
立てでもよろしいとも思うが、お考えになっていただく必要があるんじゃないかと思うの
と、それからそういうことで普及させていくとなると、これ、インターフェースがあまり
よくなさそう。もう少し何かインターフェースをお考えになったほうがよさそうな気がす
る。
A.ご指摘のとおり例えばスマートフォンなんかはインターフェースにしていくとか、モバ
イルを少し活用するという方向はこれから出していきたいなと思う。それから、これは開
発当初はリモコンで操作ができるというのにこだわったものであるから、画面のアプリの
番号も1、2、3と書いてあるのは、リモコンの番号1で押すとこのメニューが出るとか、
そういう形でやらせていただいたものである。若干パナソニックはテレビばかになってい
るところがあるが、そういうユーザーさんもたくさんいらっしゃるんじゃないかという前
提でやらせていただいた。これから考慮していく。
-24-
⑤「ASP・SaaSによる環境家計簿の実証」
<プレゼンテーション>
【イオンアイビス】
(資料2ページ)まず、今回の実施事業者であるが、イオンアイビ
スが平成22年度行っていて、それ以前はビジネスオンラインさんがやっている。イオン
アイビスという会社はあまり聞き慣れないと思うが、イオングループのITを担っている
会社であるのでどうぞよろしくお願いする。
・
(資料3ページ)プロジェクトの概要であるが、ここに書いてあるように家庭部門におけ
る温室効果ガス削減に向けた取り組みとして、ICTを利用して家庭からのCO2排出量を
見える化することと、環境問題を一般家庭においても身近な問題と意識してもらうことで、
CO2排出量の削減に寄与するというのが目的である。
・
(資料4ページ)プロジェクトであるが、ここに簡単に絵をかいている。左側に一般の利
用者がいる。この一般の利用者が真ん中にある環境家計簿システムを利用する。この中で
家計簿の機能とCO2排出量の見える化を実現している。この家計簿をつける中でメリット
となるのが、各サービスの事業者から、例えばイオンの店舗でお買い上げの方に電子マネ
ーあるいはクレジットのカードをお使いになると、そのPOSデータを連携してその家計
簿のデータになるということと、CO2の排出量が自動的に計算できるということである。
また、銀行、あるいはクレジットカードの利用についても、一昨年であるが、連携のテス
トを実施させていただいた。また、将来的には交通機関、公共、あるいは先ほどパナソニ
ックさんの説明にあったようにスマートのデータを取り込めるということも可能になって
くると思う。
こういった取り込んだデータについてはCO2の排出量のテーブルを持って、CO2の排
出量を換算している。また、これから出てきたデータについては統計の処理をして、自治
体、行政、あるいは単品のデータと含めたマーケティングデータと活用しようということ
である。また、自治体においてはこういったデータを利用して地域の施策等に反映させる
という仕組みである。
・
(資料5ページ)これはトップページ及びマイページの絵であるが、女性の利用者を意識
した形でかわいくつくっている。
・
(資料6ページ)資料のほうを見ていただきたいが、実現した機能について見ると、左の
上であるが、実際に買われたものを品目ごとに入れることによってCO2の排出量を換算で
きる。また、エネルギー項目については、電気であるとキロワットアワーを入れればその
-25-
県の排出量を自動的に計算して反映するような形にしている。右下がレシートの連携のイ
メージで、買われたものの単品データをもとに連携して最終的には上の形になる。また、
左上であるが、エネルギー項目のCO2排出量ということで、今回この仕組みは家計簿を前
提にしているので、こういった1つの項目の見える化という形で、履歴を見れるというこ
とを簡単にできるようになっている。また、左の下であるが、CO2の排出量をグラフ化し
たものである。これは右肩上がりになっていて、CO2の排出量が増えているじゃないかと
いう議論ではなくて、最初の4カ月、5カ月は、水道光熱費しかつけてない。次の5カ月
は家計として打ってみたと。最後の3月であるが、飛行機に乗ったと、CO2の排出量が増
えたというところをイメージしていて、こういうふうに見える化して、何を削減しなきゃ
いけないかというのが具体的になるということである。
・
(資料7ページ)続いて、成果目標については書いてあるとおりであるが、平成22年度
は自治体連携モデルの開発をして、自治体にデータを提供した。また、産業連関表による
環境負荷原単位データブックの2000年度版から2005年度版の数値の切り替えも行
っている。また、このデータについは、那覇市、横浜市に参考データとしての提供を行っ
ている。
・
(資料8ページ)次に、成果目標の結果であるが、会員をどれだけ集めたかということで
ある。赤字で書いているが、ちょっと目標の人数には達しなかった。しかし、沖縄県を見
ていただければわかると思うが、3年間継続してやったところ、1つの県当たり1,283
名の参加をいただいたということで、こういった環境問題については継続的な活動が必要
だということである。
・(資料9ページ)3番目、環境に対する意識の変化、CO2排出量の削減に寄与するとい
った面であるが、これについてはアンケートの結果で把握させていただいた。結果につい
てはここに数字があるが、一番下の点のところを見ていただきたい。環境に対する意識に
ついては、こういう活動をしたが、変わらないという人が多かった。また、考える方、行
動するという方もいらっしゃるが、具体的にどうやったらいいのかわからないという意見
が非常に多くて、我々はこういった部分について次のアクションとして何を考えるかとい
うところが大事かなと認識した。
・
(資料11ページ)続いて、KPIとして数値面を出したが、3年間の加入者数及びデー
タ入力の推移、エネルギー項目の登録件数、登録者の県別構成比を示した。特に4番の県
別構成比を見ていただきたい。実施した千葉県、沖縄県が多いが、他のレシート連携を行
-26-
ってない県でも利用者がいると。これはウェブ等で申し込まれた方であるが、環境家計簿
ということを意識して使われている方も中にはいらっしゃるということで、レシート連携
を全国に広げれば会員数は拡大するということがこの中でわかる。
・
(資料12ページ)続いて4番目であるが、自治体との連携で、昨年度だが、横浜市との
連携を行った。また、従業員、あるいは関係の取引先等へのプロモーションを行った。短
い期間、横浜市にお願いしたり、横浜市の関係の取引先にお願いしたのだが、やはりなか
なか大きな人数を集めるほどまで至っていないということである。これはやはり、理解い
ただいて使うというところまで持っていくというのが非常に難しいということで、この辺
をうまく導入するように今後考えていきたいと思っている。
また、成果目標の5番目だが、国際展開可能性の検討ということで、弊社の中国法人に
勤務する中国籍の従業員に少しヒアリングをさせてもらった。やはり、こういった機能に
ついては無料であるということが重要だが、機能面としては、アラームが欲しい、アドバ
イスが欲しいといったこと、あるいは楽しんで利用ができるという要望等があり、今、提
供している機能では不足であるということがわかった。
また、環境問題についても、中国の方も非常に高いということで、展開の可能性として
はあるのだが、やはりローカライズというのが必要だなということである。
・
(資料13ページ)今後の展開であるが、事業化予定時期は7月となっている。少し今準
備をしているが、やはりポイントとしては広告料、ポイント等の受け入れによる手数料の
収入で事業が成り立つ必要があると考えている。そのために、母数となる会員獲得という
のが第一番の前提で、これに対して我々はアプローチしていくということになると思う。
だから、こういった部分の確保、あるいはビジネスモデルの検討を継続していくというこ
とである。
また、海外の見通しだが、先ほどの中国の結果があるが、やはり拡張して考えることと、
納税申告の利用、あるいは国内では医療費控除等の集計が各自やられているということで、
これで集計すればリスト化も簡単にできるので、というような機能等を幅広く間口を広げ
て考えていきたいと思っている。
・
(資料14ページ)5番目は課題であるが、やはりスマートフォンが出てきたというのが
課題である。また、政策については、少し、環境省になるとは思うのだが、やはりカーボ
ンフットプリントの商品の普及ということが、こういった環境に対する貢献に対しては削
減というのが見えてくるということで重要だと思っている。
-27-
・
(資料15ページ)最後に、計画についてはここに書いてあるとおりで、家計簿をつけな
い人に対してのアプローチというのがなかなかできていなかったというのがあり、この辺
も幅広く拡大して考えていきたいと思っている。
・
(資料16ページ)最後に、今年度だが、まず事業としてすすめていることと、そのため
の広告。あとはイオンとしてはWAONで地域提携を図っているので、こういった自治体
とのCO2削減モデルの実施ということを考えていきたいと思っている。
以上である。
<質疑応答>
Q.家計簿との連携というのは、確かに意義は十分あると思う。実際、面倒くさいという人
もたくさんいるだろう。ところがCO2に関すると、家庭で一番排出源というのは給湯と
暖房で、エアコンの冷房でさえ、年間ではせいぜい2から3%ぐらいしかないわけで、こ
こを変えようとすると、ある程度の省エネのための、壁を断熱化とか、初期投資が必要な
ものが結構多い。そうすると、買い物した段階でCO2が増えた減ったにあまりこだわる
と、大局を見誤って、ほんとうに小さなところでこつこつとやって、それで大きなところ
を見落とす危険がどうしても出てくる。せっかくSaaSを使うんだったら、ある程度の、
年間にわたってならしたときにどの程度の効果があるかや、時間的な平均など、投資がど
こで回収できるかというところを見ていかないと、結局小さな我慢の積み重ねという楽し
くない話になってしまう。
それから、もう一つはリコメンデーションができないと。先ほど、リコメンドも触れら
れたと思うが、ではどうすればいいのだというところになる。今のように、ガスの給湯の
ときに、湯が出てくる蛇口をひねって湯が出てくる前に締めてしまうようなことをやって
いると、これが一番無駄なわけだが、こういうのは目に見えない。
だから、これはせっかくSaaSを使っているならば、もう少し細かいサービスをやっ
ていかないと、何か、ほんとうに買い物のときに、1年間の消費から見ると、実はあまり
効果のないところに集中してしまうことを少し私は懸念する。
A.おっしゃることはよくわかる。CO2削減の施策を、例えばエコポイントなど、いろい
ろなところを集める形で少し検討していきたいとは思っている。また、リコメンデーショ
ンも、今はできていないが、やはり先ほど申し上げたフットプリントの商品の紹介や、あ
と、我々社内の中で、買うエコということで、カーボンオフセットの施策を対にして、こ
ういった商品を紹介していって、あわせてこの中でポイントを付与するなど、この辺も少
-28-
し考えていきたいと思っている。参考としたい。
Q.今、指摘にもあったと思うのだが、やはり3.11の東日本大震災はいろいろな意味でイ
ンパクトがあり、それまではCO2削減というのが、国家としても個人としても政策目標
だったのが、最近ではCO2削減よりも、電力使用量そのものの削減のほうに目的が移っ
てきている部分があると思う。そういう意味で、電力がわかるとなると、個人としては結
構興味があると思うが、そういうアプリケーションの使い回しのようなものができるのか
どうかというのが1点。あと、基本的にはこれはイオングループで買い物したものでしか
集計ができない?
A.あと一般小売店のデータも、実は当初ユビキタス特区の那覇市で実験したが、やはりシ
ステムを維持するというあたりがあるので、今回イオンでやったものを、いかに間口を広
げられるかというのは……。
Q.だから、そのレシートデータというのは、ある意味でバイプロダクト的に使っていると
思うので、イオンさんは意味があるし、イオンに集客をしてくるという意味でも意味があ
ると思う。なるべく1カ所に集中させて数字を知りたいというお客さんのニーズがあると
思うが、本格的にやろうと思ったらもっと間口を広くしなければいけないので、そうする
とほかのスーパーや、ほかが入ってきたとき、どうやってそこの費用分担なり協力関係を
築いていくのかというあたり、それと入力方法そのものも、やはり一々手打ちするという
のはまず不可能なので、やはり自動的に入ってくるような仕組みを、家計簿も、私もネッ
ト家計簿など使ったりするのだが、やはり面倒くさい。全部自動的に、せっかくクラウド、
SaaS関係を使うのであれば、ほんとうにそれを自動的に収集していくような仕組みが
必要だと思うが、その辺の対応はどうか聞きたい。
A.まず、いろいろな流通の各社の話については、やはりフォーマットを決めて、受け口を
一般化してやっていくということをやろうとはしている。まだ、今すぐというわけにはい
かないと思う。ただ、そのほかのクレジット、ほかの、例えば電子マネーについては、今、
同様にICTを使って連携するような仕組みがあるので、その辺の取り組みも並行して参
考にしつつ、取り込んでいきたいと思っている。
あと、やはり手打ちなのだが、これも
まだまだ手打ちの部分があり、例えば品目の修正等があるが、これもより自動化して、例
えば1人が品目を設定すればほかの全員が使えるなど、その辺も少し工夫していきたいと
思っている。
Q.最初の電力使用は。
-29-
A.(資料6ページ左上図)電力使用量なのだが、少しピンぼけして申しわけないが、実は
ここに電力の使用量と金額を打つような仕組みになっており、これは家計簿のデータと連
携しているのだが、これを、例えば東京電力さんのサイトから持ってくることができれば、
比較的容易にできると思う。ただ、やはり日数の問題や、さまざまな関連する情報を得な
いと、なかなか使えないのではないかという懸念もあり、これから取り組んでいく課題か
と思っている。
Q.根本的な問題は、例えば6ページ、それの左下のグラフを出されているが、これはどう
見てどうしようというのか。「お前、旅行に行くな」と言いたいのか。
A.そうではない。少なくとも、CO2の排出量に対して、これはできていないが、目標を
立てて、その目標をどうやって減らすかという、やはりPDCAサイクルを回す、あるい
は、ここでは使ったがここで減らそうなど、そういう次の手を打つための見える化だと思
っている。ただ、まだ、これを使って何をするのという指摘は、実はまだできていない。
●結果はそこのところにもよるんだろうと思う。この棒グラフを見て、どう判断せよとい
うことをきっちり、ある意味において分析、解析して、それを先ほど、どなたかがおっし
ゃられたとも思うが、それがあってこそ、ユーザーにとっては役に立つわけであり、これ
をにらんで何かを求められても困るという気がする。
Q.だから、何がどうあれで、アウトプットを何とかされるほうが先ではないかと思う。何
といっても、旅行するなと言いたいのだと僕は思っている。
A.いいえ。やはり、こうやって使うと(CO2排出量として)出てくるので、やはりこういう
ところ(見える化のプロセスとして)をやらないと。
Q.1万人目標だったが、登録者は4,000人弱であったか。
A.はい。
Q.それで、その登録した人の平均で見ると、月に3回ぐらいデータを入力するのが精いっ
ぱいで、アンケート調査をしても5%ぐらいの人しか答えないということは、登録はした
が、何だか使いにくいからやめようといって眠ってしまった登録者がいっぱいいたという
ことか。ほんとうは。
A.結構いる。
Q.ということは、そこを抜本的に見直さないと、ビジネスにならないだろう。
A.ご指摘のとおりで、やはり参加者、実際にデータを使って活用されている方が非常に少
ないというのが、一番これで難しいところで、そのために、実際のデータが十分CO2の
-30-
排出量のデータとして統計的にとれないという、そのジレンマで今期5カ月間やってきた。
しかし、全国で参加されて、利用されている方もぽちぽち、数は少ないがおられるので、
そういった人の意見を真摯に受けとめてやっていこうと思っている。
Q.先ほど、別の事業者さんのプロジェクトで話があったが、せっかくクラウド環境でやる
わけで、ユーザーのほうのプロファイルも匿名化して、同地域、同家族構成だったらこう
だと、だからどうしたというのに、何かの比較項目がないとわからないと思うので、それ
はできるようになっているのか。
A.例えば、オール電化がいいかというのがあるが、どういう省エネの機器をこの利用者が
使っているか。例えば太陽光発電、あるいはマンションに住むのか、戸建てに住むのか、
集合住宅に住むのかと、そういった、あるいは何人でお住まいかと、その辺の情報を、一
応属性情報として持っており、その違い、戸建ての人と集合住宅のCO2の排出量の違い、
そういうのもデータをとれるように準備はしているのだが、いかんせん数が少ないので。
比較はしてみたいとは思っている。
●リコメンデーションが、最後必要だと思うので、戸建てとマンションを比較してもあま
り意味がなくて、戸建ての中でうちはどうかという、そこまでぜひ持っていけるようにお
願いしたい。
⑥「アクティブタグを活用したユビキタスヘルスケア」
<プレゼンテーション>
【西日本電信電話】
「アクティブタグを活用したユビキタスヘルスケア」ということ
で、まず、もともとは平成20年4月、メタボリックシンドローム予防のために義務化さ
れた特定健診及び特定保健指導というものに着目し、日々計測する健康情報、これを簡単
に効率的に保健指導サービスに展開できないかということで、アクティブタグを活用した
ユビキタスヘルスケアサポート基盤というものを整備して、その有効性を実証、最終的に
はヘルスケアサポート事業モデルというものを確立していくことを目標に本実験を行った。
・(資料2ページ)プロジェクトの概要、①-2と絵がある。
平成20年には、まずヘルスケアサポート基盤ということで、こういった絵にもあるが、
このような万歩計、アクティブタグがついたものを住民の皆さんにつけていただいて、島
の各地、全部で9カ所であるが、ゲートを設けた。これをつけた人がゲートを通ると、そ
のデータが収集をされると。その収集されたデータというのは、保健センターなどのパソ
-31-
コンで見ることができるといった、1つの基盤としてきちんと回るかどうかということを
行った。
21年度、真ん中の絵であるが、この舞台となった座間味村というのは、幾つかの島々
からなる。人が住んでいる島が3つ、それ以外の島も合わせると10以上といったところ
であり、海を隔てた形での保健指導というものが非常に必要となる。そのため、この万歩
計、これをゲートだけではなく、島のどこにいても情報がとれるような形で、このアンテ
ナのような高機能リーダというものを持ち、どの島にいても情報がとれること、そして、
下のほうに保健指導端末(テレビ電話)という絵があるが、今度は各個人のお宅とテレビ
電話を通じて保健指導ができることを島全体に広げるということを行った。
そして22年度、これは座間味村さんも一緒に入った検討委員会の中で出てきたのだが、
こういった保健指導が回っていく中、今度、このヘルスケアサポート基盤を、もっといろ
いろな切り口で使えないかという意見を踏まえ、観光と融合させる形で、ヘルスケアツー
リズムという形でのモニター事業というものを行った。これについてはJTBさんと一緒
に協力を得て、今、事業化の運びに至っている。
・
(資料3ページ)今の中にも出てきたが、20年度については、まず基盤がきちんと回る
かということで、成果目標①、②、③とあるが、429Mヘルツのアクティブタグできち
んと自動転送ができ、さらに在宅だけでなく、外出先でもデータの発信ができるといった
基本機能を実現することができた。また、実際には診療所であるとか、5カ所以上、ユー
ザー50人以上という目標に対して、ゲートリーダは島々の中9カ所で、ユーザーとして
は60人以上のデータ収集をすることができた。
・
(資料4ページ)続いて2/3であるが、さらにそのデータの内容としては、歩数・血圧・
体重等のデータ、これを暗号化して送受信することというところについても実現可能と、
こちら、20年に前倒ししているが、これによって個人情報の部分に関してのケアも十分
確認できている。また、通信速度も5秒以内と、実現性についてもクリアしている。そし
て、実際に島々、高機能リーダで持ち歩いたデータを吸い上げるという話だが、こちらに
ついて、半径600メートル以内という目標をクリアし、これによって座間味村内、実際
にアンテナは5カ所立てた。この5カ所で全域をカバーし、島のどこにいても、住民のバ
イタルデータがとれるといったことを確認できている。
ただ、実際のテレビ電話による保健指導については、ちょうどこのタイミングで新型の
インフルエンザが流行したということもあり、少し十分な実施ができなかったという側面
-32-
はある。
・
(資料5ページ)7番目は歩数計だが、これに関しては、あくまで邪魔にならないという
ことで開発をした。おおむね好評ではあったが、もう少し小さかったらというご意見もあ
り、これに関しては大きさ、つけやすさ、まだまだ改良の余地があると思っている。
9番になるが、最終的には参加者100人以上での実証実験という目標を立てていた。
これに関しては、実際には最大で85人と、15人ほど割ってしまった。この原因として
は、配ったものを落として壊してしまうということが非常に多くあり、あとは実際に配っ
たのだがつけなかったという方もおり、我々が見ていたよりも、そういう方が若干多かっ
たことによって、目標数値を割り込むといったところがあった。
・
(資料6ページ)次に、サービス・ビジネスの展開についてである。使い勝手などについ
ては問題なかったのだが、やはりなかなかメインユーザーとなる自治体様においては、そ
の費用対効果というところが課題になっている。実際にかかるコスト、これは初期費用、
ランニングともにあるが、ここの部分というのがネックになっているというのもあり、我々
としては、今後サーバーシステムのSaaS、あるいはクラウド化といったところを含め
て、いかにコストを安く低減していくかということを目標として、このビジネスが回るよ
うに何とか頑張っていきたいとしている。
効果としては、この検討結果の中でも見られるとおり、十分な住民への効果、そして実
際に保健指導を行う保健師さんの稼働削減、例えば隣の島に住んでいる人のところまで行
き帰りをするだけでも時間がかかるので、時間の削減効果を含めて、25年度中の事業化
を目標とし、引き続き自治体様対応を行っていく所存である。
また、別の切り口として行った観光との融合、あるいはフィットネスクラブなどと、切
り口からも使えるのではないかという検討は行っている。いずれにせよ、いろいろな形で
お金が回る仕組みというものに展開をしていくこともあわせて考えていきたいと考えてい
る。
・
(資料7ページ)④として、現状及び今後の課題等とある。つらつらと書いているが、大
きいところでは2点あり、一番上、こういったものは、やはり継続をどのように行ってい
ただくかと、使っていただく人たちに飽きをこさせないというところがポイントであり、
今回も歩数による順位づけなど、そういったものを行い、参加者のモチベーションを上げ
ることをいろいろ考えていったが、事業化に当たっては、さらにそういったところが必要
になってくると考えている。
-33-
そして、もう1つが一番下の行である。これは特定保健指導にピンポイントの話になる
のだが、今回テレビ電話を用いたが、中盤になり、通常の電話はポイントになるが、テレ
ビ電話は加算されていないということがあった。ポイント制によるものなので、そのポイ
ントがつかないとなると、なかなかモチベーションとしても上がらない側面があろうかと
思うので、電話を併用して使うのか、あるいはテレビ電話を認めてもらうのか、どちらの
切り口がよいかわからないが、1つの課題として存続している。
最後にスケジュール感であるが、今までお話ししたところの焼き直しになるが、もとも
との目的である自治体様との交渉及びシステムとしてのコスト低減をあわせて検討してい
くのと同時に、ヘルスケアツーリズム、これは既に実際行っているが、スポーツクラブ向
けの展開など、多角化も含めて考えていきたいと思っている。
以上である。
<質疑応答>
Q.お話にあったように、今の端末、かなり大きいというか、腰につけておくにはつらいか
という感じではあったが、これはだんだん小さくなるとして、バッテリーのもち、これは
普通のボタン電池か何かでもつ?
どのぐらいもつものなのか。
A.LR44電池で、大体半年ぐらい。
Q.LR44で半年。それをもっともつようにできるわけか。
A.それは設計によるが。
Q.では、普通の万歩計に比べて、そんなに遜色はない。
A.ないと思っている。
Q.あともう1点お聞きしたい。1つの目的だけで、歩数情報だけでつけているというのは、
やはりもったいない気がするし、ビジネスモデル的にも、ほかのことはできないかという
意味でいうと、位置情報というのを、携帯電話ネットワークではないが、リーダとの距離
でもって位置情報を割り出したり、GPSはこの中に入ってないと思うが、そういうもの
が仮にもし使える場合にそれを組み合わせるなど、そういう位置情報をとって何かすると
いうことを考えてはいるのか。
A.まさにご指摘のとおりで、実はこれ、タグが情報を発信するときの地点というのはわか
る。なので、見守りなどに使えるのではないかということを、内部では議論に上がってい
る。
Q.そうすると、結構お年寄りなど。
-34-
A.そうである。特に島々で高齢者も多いので、その方が今どこにいるかということをきち
んと把握するというのは、自治体としては非常に魅力があるはずだと考えている。
Q.ビジネスモデルで考えるなら、どういうところにニーズがあるかという掘り起こしをも
う少し考えたらよろしいのではないかという気がする。具体的に申しあげると、バイタル
データをリアルタイムで計測する必要があるのは、例えば心臓病や糖尿病、特に治療後の
モニタリングのときに重要だったり、それから高血圧などでも、家庭ではかっているとき、
お医者さんの前ではかるときと、それよりも朝晩や夜中など、思わぬ、普通と違うときに
急に血圧が上がるという症例もあるわけで、特にそういう術後、あるいはそういう幾つか
の病気に対しては、このニーズはものすごく高いと思う。
それと、もう1つは、これは一般に、ヘルスケアや企業、何か一般の、島のどこでもと
いう場合もあれば、特定のエリアの中で、急に脈が上がることを避けるようなモニタリン
グだとか、もう少し範囲を絞ると別のニーズがあるように思う。そうしてニーズをもっと
絞ってかかれば、要求される機能も大分変わってくると思うし、例えば、難しいかもしれ
ないが、場合によっては血糖値のモニタリングが必要な症例もあるだろう。だから、これ
はただはかれるからどこに使おうかというのではなくて、もっと積極的に、こういうモニ
タリング、それから場合によっては医療ネットワークとの連携が必要な人はどのような人
かというところから、もう少し何か提案できるのではないかという気がする。
A.ただ、今、現状、1日2回自動的に送信する設定になっていて、もしリアルタイムモニ
タリングが必要になると、やはり電池のもちという観点から、半年もつなど、そういうの
は少し……、毎日毎日充電、そういう今の携帯電話的な、スマートフォン的なもののほう
にマッチしているかと思う。だから、今は血圧・体重・歩数データで見れ、保健師が保健
指導に使うという、あまり急を要しないようなデバイスとして使っている。
それも、1日2回で半年もつのと、1日4回、1日8回、1日12回などで、随分扱える応
用度が多分変わってくると思う。別に、血圧でも、それから心臓の場合であっても、もち
ろんリアルタイムが望ましいことは確かなのだが、ものによっては3時間に1回の情報で
も十分であったりする。血糖や血圧などではそういう場合もあろう。それから、1時間に
1回欲しいというのもあるし、必ずしも1秒単位である必要はないものもたくさんあると
思う。だから、その辺は携帯との連携ということもできると思う。あるいは異常値があっ
た場合だけ、それを検出して、携帯を通じて送るなど、これはほんとうにいろいろな応用
範囲があると思う。
-35-
Q.これは今、歩数計であるが、体重計にも同じアクティブタグを入れてというのはできる
わけだ。というのは、今、私が名前を言えば、みんな知っているところであるが、いちい
ちはめて、こうやってつないで。無線LANタイプも最近出てきたが、ものすごく面倒く
さいので、全部自動的に上がると。
A.はい。現状は体重計と血圧計で計測を行ない自動的にデータがあがるようにしている。
要は使った体重計や血圧計には送受信するデバイスをつけており、置くだけで自動的に記
録されているようになっている。
Q.アクティブタグ、やめよう。スマートフォンの一アプリとしてつくれば、ずっと広く使
えるし、一々そのために、そこら中にゲートをつくったりする必要も全然ないので、当然
そう考えていらっしゃるだろう。
A.同じような議論は我々の中でもやっており、それは地域によって多少条件が違っている
のかと思っている。例えば島嶼地域のように高齢化率が高くなってくると、通信費の負担
をだれに求めるのかという問題もあり、例えば携帯端末のようなものを皆さんが持たれて
いる環境であれば、おっしゃるようにスマートフォン、あるいは携帯端末を使うモデルが
有力だと思うが、今回、あまりお年寄りの方が持たれてないという事情もあったので、そ
ういうところでは限定的かもしれないが、今回のような仕組みが有効なのかと思っている。
もちろん、都市部では、おっしゃるようにスマートフォンのようなものを使うことが有力
だと思っている。だから、我々は、デバイスはあまり1つのものに固執するわけではなく、
いろいろな組み合わせを、いろいろなユーザーにあわせて提供していくべく検討を進めて
いるところである。
Q.成果目標のところに、それぞれ目標とするというのが挙げられているわけだが、最終的
には、これらがある意味において総合的に機能することを目標とされているのだと思う。
そのときには、何をもって目標を達成したということにされたのか。要するに1番目、例
えば、上でも下でもいいが、4ページ目を見ると、サイズはポータブル機器または携帯電
話程度を目標とする、できた、バイタルデータの送受信5秒以内とすることを目標とする、
できた、やったところで、それができたんだろうが、最終的には、これらを総合的に利用
し、何かをすることで確認をする、最終的な健康管理というのがそうなんだろうと思うが、
そういうときには何をもって、要するに成果が上げられたと判断をされるのか。皆さん方
の家では、されたことにされたのか。
要は、赤字でも書かれているが、これで残念ながら実施することができない状況も起こ
-36-
ってしまった。だけども、ということになっているが、これはこれで成果を上げたとみな
されているのか、残念ながら少々というのか、その辺のところがよくわからない。要する
に、1つ1つの目標は、個々には達成されたんだろうが、物理的なものでは。しかし、そ
の物理的な面の個々のものだけで済まされる、そういうプロジェクトではなかった気がす
るが。
A.そう。一番最初のプロジェクトの概要に書いているとおり、最終的な目標というのは、
こういったヘルスケアサポート基盤ということを構築したときに、それがきちんと回るの
か、そしてそのデータを用いた保健指導サービスを通して、ヘルスケアサポート事業モデ
ルが確立できるのかというところがゴールである。それを分解していったときに、個々の
目標になっている構造になる。
Q.そうだろう。そのときにしたがって、もう1つ心配になってくるのは、その辺のことが
着実に評価されてないと、実用化をなさるのが……、25年?
事業のサービス化予定。
A.はい。
Q.ほんとうにできるのかと、こう思うわけなのである。だから、そういうことを含めた深
い分析をなさる必要があるのではないかと思っている。感じとして。
A.了解。
⑦「外国人ビジター調査、多言語翻訳を可能とする携帯端末の実証」
<プレゼンテーション>
【京都産業21】
私たちの財団は京都の産業支援機関だが、私どもの財団が代表機関
となり、事業推進委員会という形で構成して、京都府、京都市、商工会議所並びに関係の
事業者さんのご協力を得て実施したプロジェクトである。機械関係についてはNECさん、
WILLCOMさん、UQコミュニケーションズさん。あるいは、翻訳関係ではATR、
けいはんなにあるNICTさん。観光関係では、JTBさん、インテージさん、それから
地元のヤサカタクシーさんという事業者さん等の協力を得て実施してきた事業である。
・(資料2ページ)このプロジェクトの概要であるが、外国人観光客を対象にして、位置検
索・多言語翻訳・多言語対応のガイドコンテンツサービス等の高速モバイル通信を使って、
携帯端末を通じて利用可能なICTサービスを提供していくということを目的に実証実験
を行ったものである。
関係府省の環境整備等については、多言語翻訳部分のエンジン部分については、内閣府
-37-
の社会還元加速プロジェクトによって、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)さん
がつくられている、翻訳のエンジンの部分を使わせていただいている。
・
(資料3ページ)イラストがあるが、これは私どもの企画提案当時から使わせていただい
ている絵で、外国人ビジターの方が、こういった次世代のモバイル通信を使った端末を使
って、実際にこれを持ち歩いていただき、何かわからないことがあれば、動画のやりとり
をしたり、コールセンターと会話する形で観光情報を自由に入手できる環境を構築してい
く。あるいは、位置情報サービスを使った観光情報サービスの提供がされるという世界を
つくっていきたいということで取り組んだものである。
・
(資料4ページ)この事業の3年間の流れであるが、平成20年度には、1つは多言語翻
訳の部分から、ガイドサービスということで、多機能の携帯端末として、WILLCOM
のD4というものを使って、東映太秦映画村という観光施設を対象地域にして、実際の多
言語翻訳の実証実験を行った。また、それとあわせて、この携帯端末を持って歩いていた
だいた観光客の動線ログを取得し、その観光客の動向調査を行うという事業を行った。平
成21年度については、音声翻訳については、携帯端末から、実際に設置したマイクを使
ったタイプのものに変更して実施した。あと、携帯端末についても、さらにウェアラブル
のコンピューターを使って、ヘッドマウントディスプレイ、アイカメラ、ヘッドセット等
を使った端末でもって実証実験を行うという形になった。平成22年度については、さら
にこれは映画村から飛び出して、実際、観光タクシーを使って、移動環境でもって実証実
験を行うということをやってもらったところである。
成果目標として、①から⑤まで5つを一応書いているのだが、若干重複するところもあ
る。
・
(資料5、6ページ)①については、多機能型携帯端末・ネットワークシステムの実証と
いうことで、この観光支援システムのバックボーンとなる携帯端末等のネットワークに関
してである。平成20年度については、PHS、無線LANを使った実証をやり、21年
度については、さらにそれを次世代PHSと当時目されていた、WILLCOMのXGP
という技術を使って、ウェアラブルの端末を使った実証実験を行った。平成22年度につ
いては、さらにUQコミュニケーションズのWiMAXの環境でもって、実証実験を行っ
た。
その22年度の様子が、下にある6ページのものであるが、高速の無線通信ネットワー
クとして、WiMAXとXGP、地域によって切りかわる形で使い、実際に外国人観光客
-38-
が、ウェアラブルのコンピューターと、ヘッドマウントディスプレイ、アイカメラ等をつ
けて観光地を歩いてもらうと。それを無線通信を使ってガイドオペレーター側とリアルタ
イムにやりとりをしながら、観光情報を多言語で入手できる環境の実証実験を行った。遠
隔地でのものだけではなくて、観光タクシーで実際に移動しながらの運用性についても実
証実験を行ったところである。
・
(資料7、8ページ)外国人観光客を主な対象とした市場調査、動態調査の部分について
は、実際にユビキタス端末を外国人観光客が持って歩くことで、その動向をリアルタイム
に把握する。それはGPSのデータを使って把握するわけであるが、それをリアルに、地
図上にプロットして、こちら側で把握ができるシステムというのを20年度につくり、M
apSNSということで、実際に実証実験、動態調査を行った。21年度はさらにそれを
若干、分析部分を改良し、22年度はそれを使った調査を引き続きやったわけであるが、
8ページをごらんいただくと、そのときに使ったユビキタスのMapSNSというものの
画面が出ている。
平成20年度については、京都市内の15の宿泊施設でこの端末を貸し出し、実際2,
000ユーザーほどに使っていただき、最終的に返ってきたアンケートが952件という
ことになる。それから、この動態調査については、データとしては、有効は507件のデ
ータを収集し、実際にこういった形でGPSのデータを収集し、宿泊日数が長い人、短い
人、あるいは国別等々、いろいろな方向で分析をかけたわけであるが、ここに出ているの
は、ホテルのランク別の動態調査をやったものを一例として挙げている。いわゆるラグジ
ュアリー、高級志向の少し高いホテルなり、旅館にお泊まりの方については、わりあい狭
い地域で集中的に時間を過ごされる傾向が見られる。逆に、エコノミーは、ユースホステ
ル、安いバックパッカー向けの宿のようなところがあるが、こういった形の公共交通機関
を使って非常に幅広く動かれるというということが実際に実証されたということである。
このとき使った端末というのが、このWILLCOMのadvanced-es、この当
時の端末はGPSを内蔵していないので、外づけでGPSのユニットを差し込んで、こう
いった端末でもって、このGPSのデータの取得を行っている。
・
(資料9ページ)成果の③の多言語翻訳機能の実証については、下、10ページの写真を
ごらんいただくと、平成20年度については、これもWILLCOMであるが、D4とい
う当時の、Windowsの載る携帯端末、これでもって音声翻訳の実証実験を店頭で行
い、やりとりをした。このときは、携帯端末を持って、相手に向けて、さらにこっちに向
-39-
けてというのが非常にまどろっこしいということが、実際にやってみると結果としてあっ
たので、21年度については、実際に固定近接センサーつきのマイクでもって運用してみ
たというところである。
22年度については、ウィンドウズOSからアップルiPhoneのほうに移植をし、
非常に普及が進んできたスマートフォン環境での実証事業を行ったところである。
・
(資料11ページ)次の成果目標④、位置検索技術を用いたルートマップの実証について
は、先ほどのGPSの同じ端末を使って実証を行ったわけだが、下の12ページの写真を
ごらんいただくと、平成20年度についてはWILLCOM D4にGPSユニットの形、
それから22年度はiPadを使って実際に行った。
これのおもしろいところは、通常のGPSの位置情報を使って地図にプロットされる観
光マップというのはたくさんあると思うが、これの場合は、観光情報マップ、イラストマ
ップという既存のものを使って自分の位置を表示する。その場合、必ずしも縮尺が縦横正
確ではない地図なので、位置情報をサーバー側でうまく変換してここに載せるという技術、
これがおもしろい試みだということでうけもよく、使いやすいと。
その発展形として、22年度については、既存の古地図や屏風絵のようなものについて
も、実際に自分の位置が掲示できると。それはサーバー側で座標を変換して、GPSの正
確でない縮尺のものに対して対応できるような形にしているので、こういったものが非常
にうけがよかったということで、この部分について事業化が進んでいる。
・(資料14ページ以降)時間が来てしまったので飛ばしていくが、この事業を通しては、
先ほどの一番最初にあった観光客向けの多言語翻訳なり動態調査の、まずシステムとして
の有効性というのは、さまざまな局面で実証された課題についても把握できたわけである。
ただ、音声翻訳のガイドセンターで運用していくことについての事業性というところがな
かなか難しいところがあり、その部分は京都の府・市商工会議所等の機関で引き続き検討
していくことになっている。
それから、先ほどのイラストマップから派生した古地図等に表示できる仕組みについて
は、事業者のほうでも、既存の地図を使えるということで使い勝手がいいということで、
東映太秦映画村のほうでこの秋から使われるリニューアルのシステムの中で実際に事業化
が進んでいる。
<質疑応答>
Q.おもしろいとは思うが、何かちょっと違うんじゃないかなという感じがしている。とい
-40-
うのは、海外でも、見本市とかいろいろなところへ行くと、既にiPhoneやスマート
フォン向けにソフト、アプリができていて、それをダウンロードすると、持っていったお
客さんの端末でナビゲーションしてくれるというところまでもうかなり来ているわけであ
る。そこに特別な端末を持たせたりというのは、ちょっと使い勝手としてどうかというの
が、まず1点。
それと、翻訳についても、センターでやるということだが、やっぱりスケーラビリティ
の観点からいっても、それはどうかなと。だから、初めから多言語のものをエアタグのよ
うな感じで張りつけておいて、それをそこで見えるようにだけすればいいんじゃないかと
思うのだが。挙げると切りがないのだが、以上2点、いかがか。
A.これを企画した当時、平成19年度当時と今回の現在の状況というのは非常に変わって
きており、実際にこれだけスマートフォンが普及するというのは予測されていなかったと
いうところがある。私どもは、この課題のほうにも載せているわけだが、スマートフォン
対応というのは非常に重要なことだと思っており、今回の最終年度の実証実験でもiPh
one、iPadというところに移植して使った。当初、NECの特殊な端末を使うよう
な形の実証実験を進めていたわけだが、その部分で事業化につなげていくのはなかなかつ
らいというところもあるので、なるべくそういった普及した端末でもって使えるというと
ころを実際に実証実験をやり、かつそこで、では、世の中にもう既に自動翻訳のようなシ
ステムもできてきているわけなので、そことの差別化というか、今回やったことがどうつ
ながっていくのかというあたりについては、自動翻訳では補い切れないようなおもてなし
的な部分について、このセンターで補完するような形。ガイドセンター側が常にずっとつ
ながったままで話をしていたのでは、横に並んでしゃべっているのと同じなので非常にコ
ストがかかる。だから、自動翻訳と組み合わせるような形で、必要なところだけピンポイ
ントでガイドセンターにつながるような仕組みをつくっていきたいと思っている。実際、
今回、最終年度は、タクシーを使って、タクシー会社さんとも協力してやったのだが、タ
クシー会社のほうでも、こういった多言語翻訳の仕組みというのは非常に興味を持たれて
いて、何とか事業化していきたいと。課金をどうするというかというところが、どうして
も重要になってくるわけだが、京都に来られるようなちょっとラグジュアリー層の、観光
タクシーを1日3万円とかで借りられるような方に対しては、プラス3,000円、5,0
00円ぐらい足しても、おそらくちょっとした端末を1日貸すよということであれば、事
業として十分成り立つだろうということを言ってもらっているので、そこら辺をタクシー
-41-
会社なり、ある程度複数の会社が連携して事業化につなげていけないかということを考え
ている。
Q.試みとしてはわかるのだが、一番伺いたいのは、これを持ってガイドあるいはリコメン
デーション以外に何か便利な機能として、例えば料金を、それを見せればただで電車に乗
れるとか、一般の観光用の1日チケットとか、そういう便利機能は、どういうものを考え
ておられるのか。
A.具体的に今考えているものというのはないのだが、京都のほうでも幾つかこういった観
光関連の実証実験が行われてきており、なかなか事業化につながっていないという反省が、
これは地元のほうでもある。京都府・市商工会議所、並びに関係企業数十社が集まってつ
くっているITコンソーシアム京都という団体があるのだが、そちらのほうには観光事業
者もたくさん入っていただいており、昨年度は、私どもの実証実験と並行して勉強会をや
られている。私どもの実証実験の結果も踏まえて、実際にこういうものを実用化していく
に当たってどういったインセンティブが与えられるかというのは、引き続き今も検討して
いるという段階である。
Q.特に、こちらが海外に行くと、確かにガイドはないかもしれないけれども、博物館とか
で公共交通機関に簡単に乗れるとか、そういうのは現実的にありがたいわけである。その
上にさらに言語ガイドがあれば確かに便利だろうし、移動するときにガイドがあれば確か
にこれは便利だと思う。ところが、今の場合は、今はただガイドだけだから、ちょっと正
直なところ、ビジネスとしてはばらばらになっちゃって成立がきついかなという印象がど
うしてもする。それにまた、iPadは便利かもしれないけれども、650グラムもある
ものを抱えて歩くというのも結構大変だと思うし、やはりガイドブックのサイズを超える
大きさ、重さのものを常時持たせるというのは、やはりちょっと厳しいかなという気がす
る。
A.そういうこともあって、今回、環境として観光タクシーというのを非常に重視していて、
タクシーは、車内であればある程度重いものでも使えるというところと、あと電源の心配
がないというあたりがあり、そういうこともあってタクシーというのを今回のフィールド
にしたところである。確かに、今のiPadを持ち歩くというのは、実際に現実的ではな
いとは思う。
Q.とにかく人も含めて、こういう物量作戦がビジネスモデルとしてほんとうに成り立つと
お考えか。
-42-
A.というのは、ガイドセンターのことだろうか。
Q.ガイドセンター、はい。
A.正直、これだけでガイドセンターの人を賄うというのは、事業としてはまず難しいと思
う。実際に行政が乗り出すなりというようなことがなければ、これだけでガイドセンター
の運用は難しいと思う。
Q.とてもとてもできそうにないような気がする。
それと、ほかのこともなさりたいからこういうあれなのだろうが、こんなものをくっつ
けてまで歩きたいと思うかなと、こう思うんじゃないか。だから、もう少し簡素化できな
いかと。
A.これはテレスカウターというNECの製品なのだが、これをつけて町を歩くかと言われ
ると、確かに難しいとは思う。
ただ、例えばだが、今回実証フィールドに使った東映の太秦映画村だが、そういった観
光施設でのちょっとしたアトラクション的に貸し出して使っていただく。ここに行くとバ
ーチャルでキャラクターが出てきたり、そこに行くとクーポン的なものがあったりという
ような、そういったちょっとしたアミューズメントとして使う分には、まず事業化できる
んじゃないかということは、実際に東映のほうでも考えておられる。
●まあ、やってごらんになってからで。
⑧「携帯電話による観光動線誘導サービスの実証」
<プレゼンテーション>
【NTTドコモ】
我々は、携帯電話による観光動線誘導サービスの実証を行ったが、
携帯電話に搭載されているGPS機能、FeliCa機能の他に、アクティブタグといわれるRFID
機能の組み合わせにより、位置情報に基づいた配信エリアの大きさ、によって誘導パター
ンを変えることによって、より利用者ニーズに対応した観光サービスができないか実証を
行った。
それで、大きなセルの場合だと、どちらかというと、利用者に気づいていただくと。近
距離であれば、当然利用者は認識しているのでプル型でそこに触っていただくと。これを
組み合わせることによって、プルとプッシュを組み合わせることによって、より効率的な
観光誘導、消費誘導ができないかと、そういった観点で実証実験をさせていただいたので、
その詳細についてご報告させていただく。
-43-
・1ページ目に、このプロジェクトの概要を記している。GPSを使った位置情報サービ
スや情報提供サービスは従来もあるが、GPSと中距離とか近距離を支える技術を組み合わせ
たサービスというのは、昨今でも少ない。特にこの事業を開始した平成20年度は顕著で、
そういった周辺の技術、RFIDやICタグ、あとはFeliCaなどを使った技術の結
びつき、既存技術の組み合わせによって、こういった周辺の状況や観光者の位置に応じた
情報提供サービスができないかという仮説に基づいて実証事業をさせていただいた。
実際に関係省庁による環境整備という意味では、ユビキタス・プラットフォーム技術の
研究開発という、ユビキタス端末技術というプロジェクトのほうで製作した成果物などを
効果的に活用することで、この事業で実際に使っていただくような携帯電話を開発、検証
した。
国際連携という意味では、西欧諸国の中でも最も進んでいるというフィンランド技術庁
との連携による実施も行っている。
・2ページ目をごらんいただきたい。こちらが、今スライドとして映しているものなのだ
が、まずこのスライドをごらんいただく前に、ちょっとごらんいただきたいものがある。
これは沖縄県の地図だが、沖縄というのは、観光で考えると非常に特性的な地方である。
一番南側に那覇空港があり、そこが観光客のインとアウトになっている。それで、公共交
通機関を何か利用できないかと考えるのだが、やはり那覇市内を中心としたゆいレールや
路線バスに限られる。多くの観光客の方というのは、皆さんもご存じかもしれないが、美
ら海水族館という水族館を目指してどう行くかと。実際の観光ツアーで観光バスを利用さ
れる方がいらっしゃる一方で、個人のお客様というのは、美ら海水族館まで行って帰って
くると。
この地図を見ていただくと、黒い線の先がちょうど美ら海水族館の場所になるが、こん
なに遠い。車で高速道路を通っても1時間半ぐらいかかってしまうというような場所なの
で、そういったようなところにアクセスするときに、単純に目的地まで行って、また那覇
空港周辺まで帰ってきてしまうと。それではやはりこの名護地区というようなところが置
いてきぼりにされるというか、周辺にもいい観光スポットがあるのに、なかなか気づかず
に通り過ぎてしまうというような問題点を、名護市や名護市の観光の周辺の事業者さんと
いうのは、長年問題として抱えられてきたわけである。
そこに着眼して、例えば高速道路を走っている道中で、名護市関連の情報を付与してあ
げることで、名護市の立ち寄りを促すことで消費行動を促進できないか。ここまでだとG
-44-
PSだけでできるのだが、これに加えて実際の施設の中を回遊するときに、RFIDの技
術を使ったり、決済やクーポンを利用するときにFeliCaの機能を使うと。こういっ
たようなところで携帯電話を一体化して、シームレスに使ってもらうというようなところ
で利用していただいた。
先ほどのページ、2ページをごらんいただきたい。ここでは、サービス提供イメージと
して、空港到着から実際の情報配信の提供まで含めてご説明させていただいているのだが、
実際に体験していただいたお客様、200組ほどいらっしゃる。ここで情報配信と情報分
析という観点からサービスの提供をさせていただいたが、実際にシステムを動かす部分の
反面で、ビジネスモデルを検討しなくてはいけないと。どういうふうにお金が回っていく
仕組みをつくらなくてはいけないかという点で我々が注意したのは、沖縄に閉じた、クロ
ーズドなビジネスモデルになるのではなくて、ほかの地域にも展開が可能なようなビジネ
スモデルというところに着目をして検討した。
・
(資料4ページ)システム開発と、実際のビジネス検証という意味で成果をここには掲げ
ているが、①の部分は、実際に開発や実証を行ったという意味で、GPSに連動するよう
なFeliCa、あとはRFIDの技術のシステムが一体化して動くかどうかという検証
と開発を行った。
2点目の②のほうだが、こちらは実際の個人のニーズや周囲の状況に合わせて情報を提
供するという観点に立ちながら実際に配信を行った。例えば、旅行会社や観光施設だけで
はなく、ホテルやフリークーポン等を発行する会社などもあるので、そういったような会
社様のご協力をいただくことで、ハイブリッドモデルに近いような、どこか1社ねらい撃
ちというよりかは、全体の地域として回していくようなビジネスモデルに留意して検討し
た。
実際に国内のサービスとしては、2サービスほどあとでご紹介させていただくが、「次ナ
ビ」というサービスと「オートGPSかんたん導入サービス」というものを実証化してい
る。
海外に対しては、先ほどのフィンランドとの連携を書かせていただいたが、フィンラン
ドも国内の街道で行うサービス、日本で言うと、かざすケータイのようなサービスをやっ
ているようなのだが、そういったようなところに対しての展開も意見交換を随時している
ところである。
一方で、課題だが、こういった情報配信の仕組みを提供するためにはフレッシュなコン
-45-
テンツが必要になるのだが、その運用確保というものが1つの課題になると考えている。
これは今回は省略させていただくが、幾つかの方法で解決していきたいと思っている。
事業連携に関しては、ごらんいただきたいとおりである。
・(資料7ページ)計画の変更はない。
・
(資料8ページ)スケジュールだが、今ご説明した観光という分野以外にも、災害や介護、
福祉分野に利用できないかというところで検討を進めている。我々が少し想定外だったの
は、スマートフォンがこんなにも早く普及するものかというのが、キャリアとしては想定
外だった部分は否めない。
参考として、先ほどの次ナビというサービスと、オートGPSかんたん導入サービスを
挙げている。次ナビのサービスは、弊社だけではなく、3キャリアで対応できるようなサ
ービスにしているので、ぜひご興味のある方は、個別にお問い合わせいただければと思っ
ている。
以上である。
<質疑応答>
Q.レンタカーを前提とした場合、カーナビとの連携、あるいはカーナビの表示はどのよう
に考えておられるか。
A.連携だが、先にフォーメーションをお見せしたほうがよいかと思うが、今回フォーメー
ションとしては、こちらに書かせていただいたフォーメーションでさせていただいた。レ
ンタカーと先生がおっしゃったのは、沖縄ツーリストと書いてあるところがOTSレンタ
カーという会社を運営しており、こちらで実際に旅行を申し込まれる際に、ワンストップ
で提供するような仕組みをつくっていらっしゃる。
レンタカーを貸し出す際に、お客様にこの携帯電話を持っていっていただくと。将来的
には、先生のおっしゃるとおり、その携帯電話とレンタカーの連携というところを前提と
してサービスインをするべきだとは私も思うが、現段階で考えるところだと、カーナビゲ
ーションを利用しないようなシーン、つまりは車を駐車して施設を見学する場合、そうい
った場合はやはり身近に持つ携帯電話が必要になってくる。そういったようなところで携
帯電話にフォーカスをした開発を今回は手法としてとらせていただいた。
Q.いや、それは着いてからはそれでわかるのだが、何度も携帯を見ながら運転するわけに
もいかないので。
A.もちろん運転をする人に貸し出したわけではなく、基本的にはご家族でいらっしゃった
-46-
り、カップルでいらっしゃった方の同乗者の方にお貸し出しいただくと。そちらの利用規
約も厳密に示した上で、道路交通法に違反しない形で今回は実証させていただいた。
Q.カーナビでリコメンデーションやガイドを入れるという研究はたくさんあるので、携帯
にあまりに特化し過ぎると、これだけ広域の観光ガイドをやろうとすると、何かちょっと
苦しいところが出てくるという印象がどうしてもする。
それから、カーナビ、ナビゲーションにしても、パーソナルナビゲーションで車から持
ち出せるタイプのものがたくさん出ている、その辺がちょっと気になったところである。
A.情報配信を行う際、受け取る側が不要な情報にならないよう工夫をしなければサービス
が広がっていかない。位置に応じた情報だけでなく、個人の嗜好や普段どのような事柄に
関心を持っているのかに注目して提供できるデバイスはカーナビではなく携帯電話である
と考えている。
Q.課題をみずからおっしゃったとおりなのだが、スマートフォンがこれだけ普及してきた
という中で、ここではGPSとアクティブタグと携帯ネットワークとFeliCaと全部
使うということだが、例えばほかの案件であったように、歩数計のような小さいものに安
価な通信手段としてアクティブタグを使うというのは考えられるとしても、もしスマート
フォンを使ったら、もう全部その中に包含されているから、アクティブタグを使う必要が
ほんとうにあるのかどうかというのが、まず1点。それからもう一つ、コンテンツをつく
るのが大変だと。それはそのとおりで、今の流れは、ソーシャルメディアではないが、U
GCというか、CGMというか、ユーザー自体が情報を上げてそれでコンテンツをつくっ
てしまうという流れになってきていると思うが、そういう仕組みというのはないのか。
A.1点目だが、ご質問いただいたタグの話は、先ほどもご指摘いただいたとおり、なぜタ
グでやるんだというところは、我々は手段の一つとして考えているわけで、そこに対して、
例えば我々の会社で進めている小型無線基地局というような、少しナローエリアで提供で
きるようなサービスの応用も考えていると思う。
ただ、そういった近距離で受けるようなユーザーの抵抗感や実際の使用感というのは、
2008年度の開発を進める段階においては、ほかに手段が、正直なかったというような
ところもあり、そこの開発に早急に着手することで、サービスを可視化するというほうを
先行させていただいたと。ただ、それに対しては、その知見を今後のフェムトセルのサー
ビスや、近距離を念頭としたサービスに生かしていくつもりである。
2点目のご質問だが、先ほどのコンテンツの維持・運用という意味では、沖縄はフリー
-47-
ペーパーが東京ぐらい発達していて、実際に観光で使えるクーポンというのが、非常に割
安なクーポンが幾つか存在している。そういったようなところが提供するSNSや、あと
はそういうクーポンに関連するような店舗情報を継続的に提供できるような仕組みを、株
式会社パムというフリークーポン雑誌を発行する会社が現地にいて、沖縄ではそのパムさ
んと一緒に検討を進めていた。
そういったようなところで、地域の特性に応じた形で、具体的にコンテンツを継続的に
提供していただけるような事業者さんとうまく絡んでいく必要があるかと思っている。
Q.フィンランドのTekesの話が出たが、向こうが実際にどこに関心を示しているのか。
こっちが売り込みたいというのはわかるが、向こうがほんとうにこれはすばらしいと言っ
ているのかどうなのかというところと、Tekes自体はノキアと非常に近い位置にある
ので、ノキアがこういったものに関心を示しているのかどうかという部分と、ノキア自体
が自分のところで破綻してマイクロソフトが今やろうとしているわけだから、そういう流
れの中にあって、こういう提案がどれほど説得力を持っているのかというあたりをお聞き
したい。
A.今ご指摘いただいたとおり、具体的に携帯電話を自分で見ながらうろうろするというよ
うな文化が、海外の人にはなかなかないというのが現状だと聞いていた。でも、その中か
らこういった取り組みやアプローチというのは、一方で新鮮だねというようなご意見もい
ただいた。例えば、それはいろいろな国でなされている事例で、幾つか市内を回るときに、
レンタサイクル、自転車を借りたり、あとは観光するために必要な足の手段を確保する上
で、こういった情報の気づきを与えられるような機会があるといいねというご意見はいた
だいた。特に近距離通信に彼らはすごい関心を持っていて、3GとFeliCaのものは
向こうでもやっているのだが、近距離で接近したらアクションを起こすというところに対
して、彼らの関心事項が一番あったかと思う。
A.ノキアの関連のご質問だと思うが、ノキアのほうも、スタンスは我々からも少し聞かせ
てはいただいたのだが、やはりコスト効果でどの端末にどういうものを実装していったら
いいかというのは、ある程度キャリアが考える役割とは違うだろうというようなご意見も
お持ちのようなお答えであった。
今ごらんいただこうとしているのが、那覇市内を典型的に2泊3日で動かれるユーザー
の軌跡なのだが、GPSなどを利用するとこういうデータがとれる。当然、これはお客様
にご了解いただいた上で使わせてもらっているが、例えばこの人が30代の男性で、家族
-48-
と一緒に来ていると。あとは、目的が例えば釣りだというのがわかれば、釣りに関しての
情報などを効果的に提示することでヒット率が上がると。
そういったような情報を生かしながら、お客様に役立つものだけではなくて、お客様と
いうのは、観光客に役立つものだけではなくて、事業者側にも役立つようなマーケティン
グデータとして提供できないかという試みも並行して進めている。
⑨「マルチワンセグメントサービスの実証」
<プレゼンテーション>
・
(資料1ページ)本プロジェクトは、日本の地上デジタル放送方式における1チャンネル
分の帯域において、ワンセグコンテンツを最大13個伝送する技術を用いて、利用者に多
様な放送サービスを提供するということの実現と、新たなメディアの創出、地域における
コンテンツ流通の活性化を目標に、マルチワンセグメントサービスの放送の送受信技術の
実証と、サービスの事業性を検証してきた。
もう一つの目標である国際連携についてだが、このマルチワンセグメントサービスは、
諸外国が日本の放送方式の採否にかかわらず、比較的安価で、エリア限定型の独自サービ
スの展開が期待できるものと考えており、洞爺湖サミット等でいらっしゃった方々、メデ
ィアやプレスの関係の方、それと札幌にお越しいただいている外国人観光客、特に最近は
アジア圏内が多いのだが、の方々に利用していただいて、海外でのマルチワンセグメント
サービスを展開するための方策について検討を行った。
本プロジェクトの前段で、平成16年から札幌地域において、地上デジタル放送の幅広
い活用方策について調査研究を、札幌市と私どもを中心に行っている。その中の防災面に
おいてであるが、緊急時に情報を効率的に伝達する手段としてワンセグに着目して、平成
17年度には総務省様から調査研究事業を受託して、緊急起動放送にてワンセグを立ち上
げる調査研究をさせていただいている。
その中で、札幌特有なのかもしれないが、札幌は冬場、雪が降るので、非常に地下街と
地下鉄のコンコースの利用率が高い状況である。ただ、そこに今、電波が流れていないこ
とが判明したため、これをマルチワンセグメントサービスで行えるのであれば、NHK様、
それから、民放各局様の放送が閉鎖された地下空間でも効率的に提供可能になるのではな
いかということも考え、緊急時の輻輳のない情報提供ができるようになると考えていた。
ただ、緊急時だけのシステムというのは、いざという時に機能しない場合があるので、平
-49-
常時から事業性のあるサービスが行えれば、何かあったときに緊急時にも活用できると考
えていた。
・(資料2ページ)2ページ目になるが、マルチワンセグメントサービスの構成である。
図の左側にあるようなさまざまな映像素材に対し配信プラットフォームを構築して、これ
らをワンセグコンテンツとして13個に束ねて、札幌市内の地下、それから建物内、これ
は国際メディアセンターも含むが、それから、地上などのイベントの会場で、その場所で
しか入手できないようなライブ映像や公共番組も盛り込み、エリア限定の放送を配信して、
一般の利用客の方に体験していただいた。
ユビキタス特区としては、札幌地域において地上放送の32チャンネルを利用させてい
ただき、実験を行っている。受信機としては、マルチワンセグメントサービスに対応した
携帯端末、USB型のチューナー、それから、カーナビゲーションを開発している。携帯
とUSBチューナーに関しては、モニターの皆様にお貸し出しさせていただき、使ってい
ただいた状況である。実は実機を持ってこようと思ったのだが、見ていただいても、マル
チワンセグメントサービスの電波を送信する環境がなければ、外見はただの携帯電話、た
だのカーナビゲーション、ただのチューナーだったものでお持ちできなくて、今お配りし
た資料の裏面、2の右側に載せさせていただいている。
また、この携帯端末を200台程度開発し、貸し出したのだが、数に限りがあるので、
13セグメントのうちの中央のセンターセグメントに関しては、サーチしていただければ
どなたの携帯でも見られるので、それもPRチャンネル等を流して、見ていただいた。
・
(資料3ページ)成果目標の達成状況についてであるが、平成20年度はマルチワンセ
グメントサービスの基本プラットフォームの開発・構築を行った。洞爺湖サミットの国際
メディアセンター、それから、アイコモンズ・サミットの会場でデモンストレーションを
させていただき、あとは札幌地下街で実験をさせていただいている。洞爺湖サミットでは
G8各国の国際放送を、慶応大学のWIDEプロジェクト様のご協力によって、国際学術
ネットワークを介して札幌に一度集めて、そこで札幌の放送局さんの番組とあわせてルス
ツというメディアンターで放送を行っている。
本サービスに関しては、メディアセンターで利用した国内外のプレス、メディアの関係
者の方から、各国がどのようにサミットをとらえて報道しているかを、手元でリアルタイ
ムで確認できることで非常に高い評価をいただいている。
札幌の実験であるが、これに関しては、市民の実生活の場で、観光の拠点でもある札幌
-50-
の中心部、さっぽろ地下街における実験であるが、市民だとか外国、20年度に関しては、
韓国人観光客などを対象にして、当該サービスのニーズ把握を行うために、それに適した
コンテンツを開発して、アンケートやヒアリングによって評価を行っている。その中で、
ニーズがあること、それから、ユーザーによって求めるコンテンツ、サービスの形態が異
なることがわかった。
・
(資料4ページ)21年度はさっぽろ地下街に加えて、札幌の冬のイベントであるホワ
イトイルミネーション、それから同時にミュンヘン・クリスマス市をやっているのだが、
それの会場となっている地上の大通公園にエリアを拡大して、イベント開催期間に合わせ
て1カ月間という長期の実験をさせていただいている。
コンテンツについては、20年度の実験結果をもとに、リアルタイム性の高い情報や参
加型の番組など、マルチワンセグならではのコンテンツへと高度化を図っている。また、
配信プラットフォームに関しても、CMS、コンテンツマネジメントシステムを導入し、
運用性の向上や、長期間の運用によるシステムの安定性の向上を確認させていただいてい
る。
・
(資料5ページ)最終年度、昨年度、22年度には、この2年間の実験結果をもとに、ま
ずプラットフォームに関しては、コンテンツマネジメントシステムを全チャンネル導入し
て、大体一、二名で運用可能なシステムを実現している。
コンテンツについては、さっぽろ雪まつり大通会場、それから、地下鉄の大通駅のコン
コースで放送の優位性の一つと思っているライブ放送を、携帯電話の中継も含め、日本語、
英語、韓国語、中国語で行っている。
このように、携帯電話のテレビ電話機能やIPカメラの映像を放送として提供可能であ
ることを実証したことで、災害時にもある程度いろんなもの、簡易なシステムを含めて使
えることがここで実証できている。
・
(資料6ページ)続いて、サービス・ビジネス展開については、机上検討も含めて、既
存の、同じサービスが今、存在していないので、検討をさせていただいている。その中で、
CM型のモデルが可能ではないかと初期段階では考えている。ただ、13セグメントをC
M型でやっても魅力の低下につながるので、端末機が普及した時点ではいろんな方法を考
えていかなければいけないと思っている。
・
(資料7ページ)今後の課題については、技術面、サービス面から検証を行って、少し
だが、事業化の道筋は見えてきたものと考えている。しかし、ここで課題として幾つか項
-51-
目を挙げさせていただいているが、さきに申し上げたように、技術の標準化だとか、免許
制度、それから、法的整備などが進められていけば、ある程度ビジネスモデルというか、
やり方は見えてくると考えている。
・
(資料9ページ)スケジュールに関しても、とりあえず埋めさせていただいたが、今、総
務省様のほうで、ホワイトスペース等、その中でエリアワンセグ等の検討をなされている
ので、そこの動向を見ながら、一緒に行くのがいいのかと考えている。
以上である。
<質疑応答>
Q.エリアワンセグの実証実験がそこら中で行われているが、それとこれはどこが違うか全
然わからないのだが、同じではないのか。
A.エリアワンセグは1つのチャンネル、例えば、私どもは今回32チャンネルをお借りし
たのだが、その中で1セグメントだけを放送するのがエリアワンセグである。私どもが今
やってきたのは、その1チャンネルを、1セグメントではなく13セグメント、要するに
13チャンネルを同時に流してしまうという実験である。
Q.でも、ずっと前に、もう何年か、4年くらい前に、例えば慶応の日吉のキャンパスで学
生向けにやったのなんかは、マルチチャンネルでたしかやっていた記憶があるし、富士ス
ピードウェイもマルチチャンネルではなかったか。少なくともそういうことは十分に可能
であるということは、それは可能に決まっているが、可能であることは、僕も4年か5年
前にそういうことを文部科学省でレポートに書いたことがあるのだが。だから、何が新規
なのかわからないのだが。
A.最初のほうで少しお話をさせていただいたのだが、札幌の市民として、私どもがよく、
普通に使っている地下街であるとか、地下鉄のコンコースであるとか、あと今、札幌は札
幌駅から大通駅まで、ご存じの方もいると思うが、地下通路でつながった。その中で、幸
い札幌市は災害の少ない都市なのでというのはあるのだが、何か災害が起きたときに、放
送波が流れていない、災害が起きたとすると、通信はなかなかつながらなくなるという状
況を考えたときに、これはかなり危険だなというのは本音で思い、そこでその13を一遍
に流せれば、その中にNHKさんも入れば、STVさんも入ればという放送波を流せる、
各局のチャンネルが流せると。札幌の場合は放送局のチャンネルが7つあるから6つの自
主番組が流せると。それを平常時流して、ビジネス化、サービスモデルを確立して、緊急
時にも役立てたいという思いでこれはやらせていただいた。
-52-
Q.まず、緊急時と常時とに分けたほうがよくて、緊急時の場合だったら、この前の3月1
1日に東京駅の周りには三菱地所がものすごくたくさん、丸ビルとか、新丸ビルとか、ビ
ルをいっぱいつくっているのだが、あそこにあるデジタルサイネージは全部、普通のとき
には広告を流していたが、地震の発生した7分後ぐらいから、全部NHKの通常放送に切
りかえて、ありとあらゆるデジタルサイネージがそれを流して、丸の内近傍で働いている
方、いらっしゃった方々への極めて有効な情報提供手段になったので、例えば、サイネー
ジに光ファイバーでつないで流す方法だってあるわけで、必ずしも電波だけではないわけ
である。だから僕は緊急時はあまり言わないほうがいいと思っていて、それよりも……、
それからあと、起きる確率も非常に少ないので、平常時にどういうビジネスができるかの
ほうが重要だと思っていて、おっしゃるようなこういうシステムは、僕はとてもいいこと
だと思う。僕が前に文部科学省で書いたレポートのときには、AデパートとBデパートと
Cデパートが駅の周りにあるとしたら、Aデパートチャンネルとか、Bデパートチャンネ
ルとか、それぞれが勝手にチャンネルをつくってやれば、周りを歩いてる人がデパートに
買い物に行くかもしれないし……。
A.おっしゃるとおりである。
Q.商店街や、それこそすすきのであったか。
A.はい。
Q.すすきのに酒を飲みに行くかもしれないし、だから、そういう意味でマルチチャンネル
でワンセグの放送をすることはいいことだと思っていて、僕はやられていることとかビジ
ネスモデルの可能性とかはあると思っている。ただし、実験としてそれをわざわざ、いっ
ぱいお金をかけてやる価値はどこにあったのだろうかと質問をしているだけである。だか
ら、評価していないわけではなく、すごく評価している。
A.では、補足させていただく。技術的な新規性という意味でいうと、先ほど慶応のお話が
あったが、時期的にはほぼ一緒ぐらいの時期に始めた。これはもともとはNHK技研で開
発した技術である。束ねるところ、それから、束ねたものをばらすところの装置というの
が、まず存在していなかったものであるから、そこをまず製品化しようということを今回
の実験の中で道筋をつけたいと。実証実験の中で、2年目ぐらいには製品として、既にメ
ーカーから出せるようなものに、特注品にはなっているが、一応製品ということで、どな
たでもエリアワンセグというか、マルチワンセグをやろうとした場合にシステムが組める
ことになっている。
-53-
ただ、ついてきていないのは、まだ端末への実装というところがあるので、その部分を
これから標準化であるとか、そういう中でとっていただいて、各携帯キャリアさん、それ
から、カーナビメーカーさんといったところで、実装を検討していっていただきたいと考
えている。
●事務局に聞きたいのだが、こういうのは後で結果を公表するのか。そうすると、今おっ
しゃったようなことがこの報告書の中に書いてあると、ああ、それでお金がかかったんだ
なと納得できるのだが、書いていないと何かわからないのだが、そういうのは私は必要だ
と思うが。
●後ほど、本日プレゼンいただいた各事業者にも連絡をしようと思うが、今日の議論で、
重要であると思われるにもかかわらず資料には記載がない部分については、追加的に記載
をして、この資料は事後ホームページにアップをしようと思っているので、そういう形に
指導をしたいと思っている。SNETさんもその点、今の点は重要な部分だと思うので、
記載をして、またこちらに提出をいただければと思う。【事務局】
●了解。【札幌総合情報センター】
●この件を採択したのが我々だと思うので、採択時の理由というのが、やはりこれは出て
いる。だから、それが一緒になって、要するに、ウェブサイトに置かれることが重要な、
大事なことじゃないかと思う。時代が進むわけであるから、それとともに、いろんな結果
が何となく不思議に見えたりするようなことだって起きるわけであるから、その採択した
時点でのことが明確に書かれていることが重要だと思う。
●了解した。
【事務局】
Q.今のことにも関連するのだが、私もこういうものは地デジを普及させる意味でも大事じ
ゃないかということを当時言ったのだが、世の中はそれをはるかにしのぐスピードで変わ
っており、確かに洞爺湖サミットのときはすごかったと思うのだが、今はもう普通にスマ
ートフォンを使ってユーストリームとか何だとか、同時放送もできるし、海外の放送局も
リアルタイムで放送を流していると、ネットで。それを単に見ればいいという話なものだ
から、そのための仕組みをわざわざつくることの意味がどのぐらいあるのかという、非常
に今、私自身も反省と、それから日本がいかにスピードが遅いのかということを、ずっと
今日のお話を伺ってきて、強く感じているわけである。
何が言いたいかというと、1つは、かつてはよかったわけだが、今のこの状況にあって、
このシステムの優位性がどこにあるのかという。だから、一斉同報とか電波で輻輳が起き
-54-
ないとか、いろいろメリットはあると思う。それはもう重々承知の上で、だけども、さっ
き話があったように、これを受信するためには、その仕組みが端末に入ってなきゃいけな
いわけであるから、そこからスタートするという意味でいうと、出だしから相当遅れてい
るわけである。片や普通の通信端末であれば、通信のパイプさえ太ければ、みんなが受信
できるわけで、という状況でどれだけ優位性があるのかというのがまず1点。
もう1点目は、これはほかのプロジェクトに対してもコメントを申し上げたが、マルチ
メディア放送とか、それから、今度はV-LOWの話が出てきているし、既に、例えばド
コモさんで今、BeeTVみたいなものをやっているし、いろんなものが出てきている中
で、実装するにしても、それを全部載っけるのはまず不可能なわけで、ひょっとしたら将
来的にワンセグ自体が日本の携帯端末から落ちてしまう可能性もないわけではないことが、
今後想定し得る話だと思う。今までだったら想定外だったと思うのだが、そういうときに
これがどのぐらい競争力を持ち得るのかという、その2つである。
A.1点目の優位性としては、なかなか先生のおっしゃるとおり厳しいものが今あると思っ
ている。ただ、私ども、この実験を通して、1つ、これかなと思ったのが、やはりリアル
タイム性、ユーストリームというお話も確かにある。ただ、今回はサテライトをつくって、
そことFOMAで中継をしてということを実験させていただいた。例えば、残念ながらそ
の機会がなかったのだが、迷子が出たというときに、そのFOMA中継を使って、この子
が今迷子だというような放送が可能である。確かに、おっしゃるとおりユーストリームで
もそれはできないことはない。ただ、皆さんに、このマルチワンセグメントサービスを見
ていただけているとすれば、見ていただくことを可能とすれば、そういうサービスだとか、
今、ここで何々が始まっただとか、そういうものに関しては、放送が強いと私どもは今回
ちょっと感じたところはある。
Q.ただ、ワンセグの場合はワンセグを立ち上げていなきゃ見られないのだね、携帯端末で
は。これは根本的なあれで、勝手に知らせてきて、自動でポップアップして、放送が動き
出せばいいが、そういう仕様には残念ながらなっていない。
A.なっていない。
Q.ということは一斉同報の意味がないのである、今のワンセグの仕組みは。そういうこと
からすると、今おっしゃったことはほんとうにできるのかというのはどうなのか。
A.この辺は、実は弊社の役員とかと議論をしても、元来、年齢がいっているものであるか
ら、ワンセグ自体見ないぞという話も、まずは言われる。ただ実際に、ワールドベースボ
-55-
ールクラシックやワールドカップであるとか、そういうもので家にいられない場合は見る。
それぐらい、今、ワンセグというものが、実際に放送されているのだが、テレビで見られ
るものしか、ほとんどの場合は、今、放送されていないので、あえてここでこうやって小
さいもので見たいという欲求があまり多くないのではないかと。これが今、エリアワンセ
グさんを含めて、いろんなところで、その地域に特化した放送をされていったとしたら、
ワンセグを見ようという機会がこれから増えていくのではないかと期待している。
Q.2点目の、ほかのマルチメディア放送とか。
A.これに関しては、今、私どもが一番やりたいのは、札幌中心部全体だけで、そこの地域
だけ限定の放送をしたいと思っている。その中には、地下歩行空間であるとか、地下街で
あるとか、そういうものが含まれるので、現段階ではそこはちょっと違うかなという、マ
ルチメディア放送さん……。
Q.全国だから。
A.はい。
Q.でも、そうすると、ある意味で地下街と極めてエリアを限定しているわけであるから、
逆に通信でも大丈夫ではないかなという気がしてくるのだが。放送波を使うというのは、
大規模にたくさんの人を一遍に収容したいから放送波だと思うのだが、地下街に入ってい
るせいぜい数万人の、札幌であったらそんなに、ある特定の場所ではいないかもしれない
が、であれば何ら、それを全員が見るわけでないとすれば、通信でもいいような気もする
が。
A.ただやはり、例えば各放送局さんが地下にワンセグを流そうとした場合、6局あれば6
波流さなければいけないわけである。その費用効率を考えても、マルチワンセグで13セ
グメントの中で6つ流すほうが効率的だとは考えている。
Q.私たちがこれを見たときに、マルチワンセグのメリットを一体どこで生かそうとされて
いるのかがよくわからなかったのが一番である。やはり技術的にはおもしろいのである。
せっかく複数のチャンネルがあるなら、それを生かすような番組制作からつくっていかな
いと、なかなか売り込めないと思う。例えば、札幌だから日本ハムの野球でもいいし、あ
るいはサッカーでもいいのだが、1つの番組で複数のカメラから同時に流すことはできる
わけですね。
A.はい。
Q.それから、それは1つの番組で同時に3チャンネル、4チャンネル占有しようと思えば
-56-
できるね。それから、ライブなんかの音楽の場合でも、1人1人のアーティストを別のチ
ャンネルで流すこともできるわけである。そうすると、視聴者のほうは、場合によっては
複数のワンセグ端末を5台、6台並べて同時に見ることもできるわけである。そういうよ
うな新しい何か番組の提供のあり方を入れていかないと、単に前と同じチャンネルが、普
通の地上波と同じものが携帯で12、10チャンや6チャンネル、13チャンネル見られ
るというだけでは何か迫力に欠けると思う。
A.はい。
Q.これはおもしろいと思っているのは、よく複数のテレビで、違う角度からの番組を同時
に流すという試みはあちこちあるのだが、そんなに普及していないのだが、このマルチワ
ンセグを使えば、そういう試みが同時にできるわけだし、そういう実験的なものをもっと
あわせてセットで売り込んでいかないと、なかなかイメージがつかめないのではないか、
特にマルチセグワンセグのメリットがなかなか伝わらないのではないかという気がどうも
するのである。
A.そのとおりだと思う。私どももドームで行う日本ハムの試合を、当然試合を放送すると
いうことは、カメラが1個や2個ではないのである。だから、それをずっといただいて全
部のチャンネルで流そうというのも企画したが、なかなかそれをオーケーしていただくま
でには至らず、昨年度の実験では、例えば、1チャンネル目が日本語のライブ、生中継で
ある、2チャンネル目は韓国語である、3チャンネル目が中国語であるというようなチャ
ンネル構成をつくったり……。
●それはわかるのだが、日本語と中国語と韓国語を同時に聞く視聴者ははまずいないわけ
であるが、複数のアーティストと、あるいは、いろんな選手、複数の人を同時に見たい視
聴者はいるわけである。だから、そういうのは、それこそ地下街で、6台の携帯あるいは
6台のワンセグで同時放送ができるというデモをするとか、そこから考えていかないと、
私は何かせっかくのマルチワンセグのメリットがどうもこのままでは腐ってしまうような
ことを非常に危惧する。
●先ほどちょっとおっしゃっていたが、ホワイトスペースのほうで携帯を利用となってき
たときには、要するにワンセグ、フルセグというのが結構あるわけで、したがって、そう
いうところに一般の放送もさることながら、そういうところへご一緒されるようなことで
方向を広げるということもお考えになる手はあろうかと思う。それとともに、我々、ある
いは総務省は完全に把握されているのだと思うが、先ほどの今後の課題のところで、法制
-57-
度をはじめとしていろいろ壁があるという点に関しては、最終報告書のところに明確に列
記しておかれることを望む。
⑩「電話番号を企業のマスターIDとする電子申請等支援サービスの開発・実証」
<プレゼンテーション>
【NTTソフトウエア】
私たちのグループの事業は、電話番号を企業のマスターID
とする電子申請等支援サービスの開発・実証ということで、今後、ASP・SaaSが非
常に増えてきた場合に、そのIDのあり方をどうすべきかということを念頭に置いて検討
した。
・(資料2ページ)2ページ目のほうにいっていただき、実際の構成をここに示している。
実際、最近ASP・SaaSが増えてきているというところだが、このASP・SaaS
を、企業のIDを統一することによって、いかに生産性向上よく、使い勝手をよくするか
ということを目標に事業を推進させていただいた。
実際、企業のIDというのはどういうIDがあるのかというところの定義づけが必要だ
が、図の左側の下のほうに書かせていただいたが、企業のIDというのは、まずサイトに
ログインするIDというのが1つある。もう一つが、企業を特定するIDというのがある
と思う。
1番目のサイトにログインするIDというのは、企業があるサイトに認証して入って使
うというIDになるのだが、2つ目の企業を特定するIDというのは、例えば信用情報を
とる場合に、その企業の番号に「1112」が割り振られたり、株式であれば株式番号が
あるという、その企業を特定するIDがあり、このサイトにログインするIDと、そして
企業を特定するIDというのをいかにひもづけたり、統一をして、使い勝手のいいASP・
SaaSにするかということを目標に開発・実証をしてきた。
・
(資料3ページ)次に3ページにいっていただき、実際に何をしたかというと、まず平成
20年度は、企業ディレクトリという企業を特定するIDのサイトをつくり、1つはユー
ザーがそれぞれのASP・SaaSにリバティ・アライアンス、SAMLを使いシングル
サインオンをするというプラットフォームの基盤を作成した。
加えて、企業ディレクトリというところに、企業を一意に特定するマスターのIDをつ
け、このマスターIDを入力することによって、ここにある財務会計とか、信用情報を一
括して取得するというマスターIDの使い方の実証を行っている。
-58-
続いて、平成21年度には、それぞれの機能を拡張して、まずシングルサインオンに関
しては、SAMLの持つ属性情報流通という規格を使い、実際に金融機関に金融サービス
を申し込むことを想定して、属性流通の機能を使ってサービス実証をしたところである。
また、3ページ目の右側にあるが、企業を特定するIDを使って、ASP・SaaSの
サービスがあるのだが、これをID連携させて、違うサービスなのだが、あたかも1つの
サービスと見せるような実証実験を行った。
具体的に言うと、購買サイトと企業の販売管理サービスみたいなものを複数購買サイト
を使って、IDを使って連携させるというものと、あとは企業の会計とPOS・SaaS
及び勤怠SaaSなどの複数のSaaSを連携させたサービスの実証を行ったというとこ
ろである。
・
(資料4ページ)4ページ目にいっていただき、昨年度は、これらのSaaSを導入する
問題点の1つとして、実際に企業には企業内のシステム、オンプレミスのサーバーが存在
するということで、このオンプレミスと外部のASP・SaaSとを連携させることのサ
ービス実証を実施させていただいた。これらのサービス実証によって得られた知見という
ものを、少し飛ばしていただき、13ページ目からまとめさせていただいた。
・
(資料13ページ)まず、サイトにログインするためのIDを連携させた認証連携・属性
情報流通機能の有用性については、Liberty
Alliance及びSMALを活
用して、その有用性を確認させていただいた。ただし、協議会等で議論させていただいた
が、その費用負担レベルが、やはりただなら使うというところが非常に多く、このプラッ
トフォームがいかに使い勝手よく使われるかというのが今後の課題だということを抽出し
ている。
続いて、企業のIDを利用した情報のアグリゲーションに関しては、統一企業コードを
活用してアグリゲーションするというのは、SaaSサービスが非常に増えてきたところ
では非常に有用であるという意見が多く、有用性を確認できたが、実際に金融機関であろ
うが、公共自治体であろうが、申し込む場合は全部が電子になっているわけではないとい
うことで、1つでも紙ベースが残るとどうしてもこういうのは必要ないだろうと。まして
や、お金を払ってまで企業IDの活用はしないという1つの課題が明確になったと思って
いる。
それから、企業ディレクトリを介してASP・SaaS間を連携させたり、社内システ
ムの連携の有用性に関しては、1対1の場合は、実際システムに手を入れればいいのだが、
-59-
N対Nが複数になった場合は非常に有用であるという意見をいただいている。ただし、N
対Nになった場合は、IDの名寄せとか、変更及びそれに対する稼働及び費用をだれが負
担するのかという問題点を浮かび上がらせている。
最後に1つ、IDを決める上で重要な問題なのは、真正性の担保ということで、なりふ
り構わずIDを振られるだけであると、ほんとうにそれがいいのかと。IDを振るために
は、やはりその会社が存在するんだということを認めてもらわないと、そのIDの使い勝
手は非常に悪いという意見をいただいている。
・
(資料14ページ)14ページ目である。実際、いろいろな審議会等でも電話番号をID
にしてはどうかという意見をいただいていたので、電話番号を使う上での問題点をここに
まとめさせていただいた。電話番号は、ここに書かせていただいたように、年間の開業率
が4%、廃業率が8%、また廃止された電話番号が再割り当てされるということもあり、
実際、非常に変更率が高いということなので、この名寄せとか成り済まし等が非常に多い
ということもあるので、ちょっと電話番号は難しいのではないかという結論を出させてい
ただいている。そういう中で、やはり行政による統一企業コードを期待するという声が非
常に多かったと思っている。実際、これらの実施を通してどのような事業を始めたかとい
うことで書かせていただいたが、まず、16ページ目をお願いする。
・
(資料16ページ)まず、この企業ディレクトリに関しては、先ほど示したように、真正
性が非常に重要だということと、コストをだれが持つのかということがあるので、今、総
務省のほかの事業でもある共通企業コードセンター等について、まずは国のシステムにこ
ういう統一IDを持てないかということを、NTTグループで少し提案させていただいて
いるというところである。
・
(資料17ページ)もう一つ、サイトにログインするIDに関する件だが、これはNTT
コミュニケーションズのほうで、認証サービスBizCITYということで、シングルサ
インオン等のASP・SaaS基盤を商用化して現在提供中である。
先ほど一言述べたが、費用体系のあり方、ASP・SaaSがどれだけ広がるかという
ところが今後のこのサービスが広がるかという問題点だと思っている。
・
(資料18ページ)最後に、絵には直接システムを使ったわけではないのでかいていない
が、先ほどの社内システムと外部のASPサービスを結べる点に関しては、NTTソフト
ウエアのほうで事業化を開始したというところになっている。
以上である。
-60-
<質疑応答>
Q.確認させていただきたいのだが、私はとにかく成り済ましが一番恐ろしいとばかり思っ
ているのだが、先ほど何と言われたか。
A.成り済ましが怖いので、電話番号は使えないと。
Q.それで、IDと組み合わせてやると、その部分は、なさったこと自身はどうなるのか。
A.まずは、電話番号は成り済ましが多いので非常に難しいということである。普通のID
も、その真正性を担保するものがなければ、やはり同じように一般事業者としては使いづ
らいと。そのため、国のようなところで真正性を担保するようなIDが望ましいのではな
いかという意味である。
●それは真っ当である。
Q.電話番号を企業のマスターIDとするサービスの開発・実証の結果、電話番号を企業の
マスターIDとはしないほうがいいという結論に達したのだが、それはそれでいいのだが、
そんなことは最初からわかっていたのではないかというのが質問1で、2番目は、3年間
ではなくて、1年目にわかったら1年目でやめてもよかったのではないかということであ
る。
A.まず、1点目だが、1点目はたしか平成19年のICTによる生産性向上委員会とか、
ASPICの委員会のほうで、マスターIDとするのは何がいいんだという議論が非常に
盛り上がっていて、そのときに電話番号が網羅性とみんなが知っているというところでい
いのではないかというご意見があって、それも含めて、IDとして電話番号が使えるかど
うかをまずは念頭に置いて始めたところにある。最初の1年目で少し難しいのではないだ
ろうかということで、電話番号は1つ候補から落ちた。そのかわり出てきたのが、まずは
IDを連携させること、それから代表的なIDは割り振って使うということを実際にやろ
うとしたのだが、実際にこれが広がるかどうかということを、2年目以降はいろいろなシ
チュエーションを含めて実施したということになっている。なので、結果的にはまだこれ
からという段階だが、真正性のIDがあれば、有効性があるので広がる可能性があるので
はないかという結論で、3年間はやらせていただいている。
Q.住民基本台帳のカードの番号のように、ああいうような形になってくるととても使いに
くい状況になってきて、ある意味においてお上が定めるということになると、がちがちに
なり極めて使い勝手が悪くなる方向へ行ってしまうので、それを待たず、先行してやって
いただくということが我々の希望であった。
-61-
A.そういう意味では、いろいろ協議会も開き、各方面から人を集めさせていただいたのだ
が、やはりコストの面と、真正性の面と、あとASP・SaaSがまだそれほど数がない
ということで、紙ベースがどうしても出てしまうというところで、まだそこにはなってい
ないというのが実情だと思っている。若干同じことを補完させていただくが、マスターI
Dが仮に電話番号でなかったとしても、果たしてマスターIDというのはどんな局面でほ
んとうに必要なのかということを、実際の用途の開発の中から、最初はSaaS間の連携
のひもづけの中心に必要なのではないか。それから、2年目においては、それがさらに企
業の中の社内コードと外のSaaSが連携してきたときに、そこをひもづけるコードとし
てのマスターIDそのものの必然性というのは、商用化の中でどんな必要があるのだろう
かということを、実際に企業の与信であるとか、あるいはファイナンスの場面を用途にと
って検証したということがまず1つある。それから、2番目は、その中でそれを実際に民
間のサービスとして何とか私どもも事業化できないかということで、グループ各社を挙げ
ていろいろ検討したが、マスターIDの重要性、それから真正性が担保できなかったとき
の被害のあたり、それから、それを担保するためのコストということを考えると、残念な
がら商用化の結論に現時点ではまだ至っていないというのが現状のご報告ということであ
る。
●あれは内閣官房、堀部先生がマスターIDのようなことを座長でやっていらっしゃるの
がある。あれは、電話交換機ではないが、有線で張りかえをやっているだけのような理解
でしかないのだが、あれはたしかこういうような、用途は別としても使えるようなことの
検討であるか。
●政府・与党社会保障改革検討本部を中心に、「社会保障・税番号」制度の検討が進められ
ている。これは個人コードと、それから企業コードの2種類の共通番号というものを割り
振り、それぞれについて情報連携基盤を通じてコード間をマスターID的なものでひもづ
けていこうという構想である。本プロジェクトは言ってみれば、それを先行するような取
り組みであったということだと思う。【事務局】
Q.そうである。検討はされているのだが、あれがいいかどうかがわからない。単に昔のあ
れと同じで、配線をこうやってつないでいるだけのように理解するほうが簡単だと私は思
っているのだが。
A.つなぐという行為には、やはりコストがかかったり、稼働がかかったりするのが一番問
題であり、その真正性を担保しながら、いかにコストを下げるかというところが課題かと
-62-
思っている。ほんとうを言うと、このマスターIDが皆が使うとなれば一番いいのだが、
そのために国で使っていただいたIDを公開して、そのIDをみんなで使おうというのが
今後の流れではないかと実情として考えている。
Q.皆さん方は結局、お金は何に使ったのかと聞いたのだが。
A.実際サーバー構築、企業IDをみんなで使っていただくようなサーバーをとり、ネット
ワークを使って各ASP・SaaSさんがそれをつないで、実際つないでみるというとこ
ろにお金を使った。
Q.マスターIDができるとそれが使えるということなのか。
A.そういうことである。
Q.購買企業というのは、どの範囲をおっしゃっているのか。例えば、上場している企業な
らば当然登録番号もあるし、資金法に載っているものもあるし、不動産業だったら登録番
号があるわけだが、これはどこまでの範囲をカバーされようとされたのか。
A.当然、大企業も一部は含まれているが、主としてはやはり中小企業である。確かに法人
企業コードや、民間でも調査会社のコードがある。こういうものというのは、実際に私ど
もの実験の中で使ったが、そういうコードをそれぞれに持っているサービスを連携させる
ときのハブとしてのマスターIDの可能性を探ったということである。
●そういうことであるか。なるほどわかりました。
Q.きっとこれは事務局から与えられた成果報告書の書式にのっとって書いてあるから、今
の回答のような一番大事なことが全部落ちていて、最初に私が言ったように、すごく嫌み
に言うと、最初からわかっていたことに何でこんなにお金をかけたのかと言われてしまう。
でも、そうではないはずである。本当はいろいろなことがわかったはずなのだから、ぜひ
わかったことをこの書式の外側にはみ出して構わないので、きちんと報告書に書いてほし
い。それが何十ページかになっても、僕はそっちのほうがずっと重要だと思う。それに価
値があると思うので、ぜひそうしてほしい。
A.了解した。
(4)フリーディスカッション・講評
・個人的には、全体として基本的には時流というのが早く流れ過ぎているということで、
事業を実施される上でジレンマもあったのだろうとは思うが、先行した我々としても、事
業開始時点での目標及び今のような変更された上での目標を、ほとんどのところが達成さ
-63-
れたのではないかと思っている。その中でも、もう事業化をされているプロジェクトもあ
り、なかなか全体としたらいい結果を出すことができたのではないかと考える。
・私も評価会でたびたびコメントしたのだが、技術的な開発はそれなりの成果が出ている
としても、結局これを何に使うかというところで、
「一体だれが一番これを必要としている
か」という「ニーズ」、それから「どういう局面で使えるか」というところが、何かちょっ
と全体的に不満が残ってしまった。では、だれも使わないのかというとそうではなくて、
「こういう人たちが本当は欲しいはずではないか」というところについて、何かもう少し
検討することはできないのか。そこが一番の感想である。
この問題は、ほとんど全部の案件について当てはまり、例えばPLCの案件であれば、
もうこういう時代なのだから、「見える化」どころの騒ぎではない、「見える化」の先まで
やってほしいというニーズもあるし、健康の案件であれば、あのシステムが必要な人は必
ず世の中にいるわけで、それは医療だとか、介護だとか、そういう現場の方にいろいろと
もっと掘り起こしができるのではないか。マルチワンセグは、伺っていて、私でもジャニ
ーズの嵐の5人がワンセグを持ち寄って同じ試合の違うシーンを同時に見ているようなコ
マーシャルが頭の中にぱっと浮かぶ。
だから、そういう使い方は、ニーズというものは、それが商売であるかどうかは別とし
て、僕はいろいろな可能性をまだまだ掘り起こさないと次に行かないのではないかという
気がどうしてもする。
・先ほども少し指摘したが、こういう複数年度のプロジェクトを実施するというのは、少
し今後は難しいのではないかとすごく感じた。というのは、例えば1990年代の中ごろ、
インターネットが急激に普及したころに、それは総務省ではなくて経産省、当時の通産省
であるが、イーコマース協議会というのを立ち上げていろいろなことをやった。例えば、
電子マネー、今で言うネットワークのマネーではなくて、物理的なクレジットカードの電
子マネーである。その標準化を検討したのであるが、結局日本でやると、その会議の開催
期間に合わせて計画を策定する。その間に海外でどんどん標準化が進んでしまって、結果
的に日本は標準化をとり損ねたという経験があり、挙げれば切りがないのだが、今回も、
これが最初から「3年プロジェクト」だというと、事業者さんも役所もそうであるが、
「3
年かけてやろう」ということに最初からなってしまうので、そうすると、その間にどんど
ん技術革新が進むと、よそで違うものができてしまうという根本的な問題が結構はっきり
してきたのではないか。そういう意味で、ユビキタス特区というのはいいのだが、特区と
-64-
いうある意味での上げ底でもって特別でやらせるということはいいのだが、期間について
はもう少し臨機応変に、1年でやるものとか、3年かけてやるものとか、さっきのように
もうやる意味がなくなっているのにずるずるやるとか、そういったことがないような仕組
みを今後考えていかなければいけないのではないかと思った。
・情報通信審議会の下の下に、「ICT利活用戦略ワーキンググループ」という会議を設置
して、野村総研の村上顧問が座長を務められ、私も参加していたが、そこで「これからの
ICT利活用プロジェクトでは、利用者視点が大事だ」ということを強調して打ち出した
ところである。これ(=ユビキタス特区事業)は、それが始まる前の話なのでやむを得な
いところはあるが、本日のお話を伺うと、
「目標とした技術はできました」と、全部それで
終わってしまっている。しかし、例えばパナソニックさんの電力線の話にしても、イオン
さんの話にしても、あと2つあった観光の話にしても、実験に協力してくれた方、利用者
がいらっしゃるわけである。例えば京都で外国人の方何人かに使っていただいたら、その
方々はどういうふうにそれを評価したのか。「とてもよかった」と言ってくれたのか、「二
度と使いたくない」と言ったのか、「ここを直してほしい」と言ったのか。そういう実際に
モニター調査等を行ったときに、利用された方々がどのようにお感じになられたか、そこ
からどのような次のヒント・課題が得られたかということも、ぜひ報告書の中に書いてい
ただくと、
「ICT利活用戦略ワーキンクグループ」の方向に近づくことになると思うので、
そういうことを考えていただければと思う。
・中間評価、事後評価の方法について、世の中には評価者すらあまり読まないような、書
いた人しか読まないような膨大な資料作成というのが山のように行われているわけである。
だが、実質的な評価を行うためには、成果報告書の作成はそれはそれで重要であるが、本
日のようにプレゼンをしていただき、事業者と評価者とがフェイス・トゥー・フェイスで
やり、そして1年目で打ち切るとか、2年目で打ち切るとか、あるいは進めてもらいたい
ものにはさらなる予算を投入するというような、臨機応変にプロジェクトの実施を判断し
ていく必要が、今後とも技術革新の進展が早いこのICT分野に限っては、当然のことな
がら考えていかなければいけないことと考える。
(5)閉会
事務局より次回会合(平成21年度採択7案件の成果評価会)について、7月4日(月)
14時から17時、場所は三番町共用会議所別館A会議室で開催する予定ある旨報告があ
-65-
り、会議終了となった。
以
-66-
上
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