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品質と生産性の両立を目指す

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品質と生産性の両立を目指す
drupa 2016
インタビュー/ミヤコシ
インクジェット、液体トナー機を技術展示
品質と生産性の両立を目指す
ミヤコシはdrupa2016にデジタル印刷
drupa2016では1,200dpiの解像度を持
の分野から水性インクジェットプリンター
つインクジェット機が主流になったよう
「MJP20AX」
、液体トナー電子写真方式枚
です。前回のdrupa2012で発表した当社
葉デジタルプレス「MDP4000」を技術展
の1,200dpiの機種も1年半前ぐらいから
示した。また、同社は各社と技術提携し
市場に導入され始めています。
ており、その高い搬送技術を採用したデ
技術展示した「MJP20AX」は一歩進め
ジタル印刷システムが出展されている。
た2,400dpi×1,200dpiの機種です。1,200dpi
drupa2016の手応えと成果について、同
のヘッド2個の位相をずらして印刷幅方
社執行役員営業本部副本部長兼POD営
向を倍の2,400dpiにしています。ミヤコ
業部長の天野剛氏に話を伺った。
シのインクジェットプリンターは高速で
可変データを出力する分野で抜群の力を
2,400dpi×1,200dpiの
発揮してきましたが、会場ではデータプ
インクジェット機
リントに限らず、写真を掲載したダイレ
ミヤコシ 天野 剛執行役員
クトメールや出版物の小ロット、オンデ
い高い品質となり、用紙対応力を向上さ
今回は計3機種を出展しました。1台
マンド用途での活用を提案し、手応えを
せました。
は間欠オフセットラベル印刷機ですが、
感じました。
ドロップオンデマンド方式では通常、ラ
インクジェット、液体トナー電子写真の
「MJP20AX」は用紙にインクの受理
ンダムドロップやリフレッシュパターンと
2つの方式のデジタル印刷システムを技
層を敷くプライマーユニットを搭載し、
いった、吐出不良を防止するための微細
術展示し、これから先を見据えた形をご
CMYKの4色で印刷します。プライマー
なドット印刷が必要となります。但し、印
覧頂きました。
を敷くことによって、インクの滲みがな
刷仕上がり内への、この微細なドット印刷
を気にされるお客様もいます。ミヤコシ
では来年3月を目処にこの微細なドット
が生じないヘッドを開発し、
「MJP20AX」
に搭載して販売を開始する予定です。新
しいヘッドではヘッドノズルの乾きを防止
するパージの頻度も少なくなります。解像
度を高めるとデータ量が増えるので、コ
ントローラーの改良が必要となります。発
売時には後加工を含めてトータルソリュー
ションで提供したいと考えています。
ブースでは実際に80m/分のスピード
で実演しました。出力サンプルもご希望
の方には提供しました。非常にリアクショ
ンが良く、来年にはさらに品質を上げて
2,400×1,200dpiの水性インクジェットプリンター MJP20AX
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いきたいですね。
デジタル印刷の新技術を提案したミヤコシ
ブース
drupaの会場に出展されたインクジェッ
トプリンターの全てを見てはいませんが、
高品質化が進んでいると感じています。
ミヤコシはロール式ですが、枚葉機の品
質向上も目覚ましいものがあります。ま
た、ラベルやパッケージのインクジェッ
液体トナー機のMDP4000
ト化は避けて通れないと思います。興味
きます。
す。1,200dpiの機種が主流になり始めて
があるのは段ボールです。軟包装分野も
MDP4000ではクリックチャージやカ
おり、インクジェットプリンターの汎用
富士フイルム様のブースで「MJP20W」
ウントチャージを排除したシンプルな運
性はこれから高まると思います。2,400×
が参考出品されました。今後の実機投入
用料金体系にする予定です。トナーと消
1,200dpiの解像度を持つMJP20AXは一
に期待しています。
耗品だけのコスト構成なので、ランニン
層、活用範囲を広げるものと思われます。
グコストを抑えた運用が可能になります。
また、MDP4000は、両面印刷でダイレ
商業印刷、パッケージ印刷へ
今後は品質の向上を図るとともに、
クトメールやチラシ、ページ物に対応す
液体トナータイプのB2枚葉機
ユーザーの方々がどの程度の速度を求め
るほか、パッケージ用途を見据えていま
られているのか、スピードのバランスを
す。B2判なので少量からある程度のボ
MDP4000は液体トナー電子写真方式枚
取りながらインクジェットとはまた違っ
リュームまでをカバーできます。商業印
葉デジタルプレスです。両面印刷が可能
た品質を求めていきます。製品化につい
刷に限らず、紙器・パッケージとアプリ
で解像度は1,200×1,200dpiです。付帯
ては未定ですが、2018年度を目処に形に
ケーションが広がります。
設備を除いて全長5.3m×奥行2m×高
していきたいと考えています。
ミヤコシでは今回技術展示した機種の
完成度を高めて実戦でご活用頂ける製品
さ2mのコンパクトな筐体を採用しまし
た。さらに品質を上げる方向で開発して
アプリケーションの幅を広げ
に仕上げていきます。次回のIGAS2018
います。
少量多品種対応を進める
の出展機種の決定はまだ先ですが、drupa
2016で発表されたデジタル印刷の新しい
出力速度は片面で4,000枚、両面で2,000
枚。今回は両面でデモンストレーション
ここ数年、印刷業界では少量多品種化
ステージが実現されることを期待してい
をお見せしました。将来的にパッケージ
が進んでいます。これまでの600dpiを主
ます。
印刷での活用を考えると、7色搭載で、
体としたデータプリント向けのロール式
紙厚0.6㎜前後まで高める必要がありま
のインクジェットプリンターは活用範囲
株式会社ミヤコシ
す。課題はありますが、様々なアプリケー
が限られ、結果的に稼働率の低下や償却
TEL 047-493-3854
ションが印刷できるよう開発を進めてい
の長期化という課題が指摘されていま
http://www.miyakoshi.co.jp/
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