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本文ファイル - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ

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本文ファイル - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
重い障害をもつ子どもの教育にたずさわる教師の養成(第Ⅲ報)
―意識障害についての治療教育学的考察―
Author(s)
相川, 勝代
Citation
長崎大学教育学部教育科学研究報告, 27, pp.99-111; 1980
Issue Date
1980-03-25
URL
http://hdl.handle.net/10069/30432
Right
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http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
重い障害をもつ子どもの教育にたずさわる
教師の養成(第Ⅲ報)
―意識障害についての治療教育学的考察―
相 川 勝 代
The Training of Teachers for
Severely Handicapped Children(Ⅲ)
Severely Handicapped Children(Ⅲ)
for Disorders of Consciouness―
Katuyo AIKAWA
1.はじめに
「ちょうど今の精神生活の全体を意識」Dというとヤスパースは定義しているが,教育活
動を行なう場合,その対象者の意識が障害されていないということは,前提条件として論
をまたない。
ところが,近年の重度化・重複化している障害児を,継続的に詳細に観察してみると,
教師や保母や指導員が気づかないような,時には,医師や看護婦などの医療スタッフでさ
えもみすごしてしまうような,軽度の意識障害の状態を経過している事例が,思いのほか
多いということに,あらためて気づかされることになった。
というのは,昭和52年度から,教育学部の主として養護学校教員養成課程の学生に課し
ている重症心身障害児施設における一週間の臨床実習2)の指導をするということは,一方で
は,言語をもたない,肢体不自由の高度な,移動の全く不可能な重度・重複の重症児を,
継続的にベットサイドで観察する機会にめぐまれるということであった。その時,観察し
体験できたことは,常にスタッフがベットサイドで療育や看護にあたっているわけではな
いので,軽い意識障害発作の場合は,目撃者もなく,記録にとどめられることもなく,意
識障害は一過性に経過し,もとの正常な状態に復していると考えられる事例が,かなり存
在しているということであった。また,私自身,盲・聾でねたつきりの重度児の食事介助
時にてんかん発作をおこした事例にぶつかったが,食物を口にいれたまま,急に咀囑をや
め,手足を軽くピクピクと痙攣させており,窒息などの事故につながりはせぬかと,不安
をおぼえながら発作がおわるのを待ったというような,医師として,今さらといえるよう
な体験をしたりすることになった。
また,いままでに,診療科としての精神科の外来に,「授業時間中に注意散漫で落ちつか
100
長崎大学教育学部教育科学研究報告 第27心
ない」とか,「手まぜが多く行儀が悪い」とか,「ときどきノートの文字がでたらめになっ
たり,計算を全くまちがえてしまう」などの主訴で,現場の先生方から紹介されてきた事
例に,脳波検査を行なって,てんかんの発作症状としての行動障害であることがわかり,
薬物治療を試みたところ,急速に行動障害が改善されていったというようなことを,度々
経験していた。
さて,医師としての基本的な立場で,障害児教育とその教員養成にたずさわっている者
として,上に紹介してきたような経験を通して,重度障害児教育の教員養成の観点から,
意識障害に対する治療的教育のあり方について,若干の考察を試みる。
II.教育活動を行なう前提としての意識の正常性
意識の状態3)4)5)6)をみる時,意識の清明性と広がりと時間的経過の三つの側面からみるこ
とができるが,正常な精神活動が営まれるためには意識は十分な広がりを持ち,清明であ
ることが必要である。
教育活動を行なっていく場合の前提条件である意識が正常である状態とは,知覚・注意・
認知・判断・記憶などの精神活動が適切に行なわれており,現在の時間や場所や人物を正
しく認識し,行動は過去から現在,未来へと連続性のあるもので,将来への見通しを持っ
た,現実に即した行動がとれる状態をさしている。
意識が正常で,感情や意志・意欲に問題がなけれぼ,潜在的な能力は十分に発揮され,
教育の効果が期待できる。すなわち,教育活動をすすめていく場合は,意識の状態や,さ
らに感情・意志・意欲についても,十分に検討していかなければならない。
III.障害児教育における意識障害の捉え方
1.意識が障害された状態
意識が障害された状態としては,意識水準の障害としての意識混濁や昏睡,意識野の障
害としての意識狭窄,および意識の変容状態がある。
意識の変容状態とは,種々の程度の意識混濁の状態に,幻覚や錯覚,および夢幻様体験
など現実に即さない精神活動が行なわれている状態で,夢幻状態,せん妄状態,アメンチ
ア,もうろう状態,薬物酩酊による急性幻覚症などの特有な状態がある。てんかんでは精
神運動発作の時,意識の変容状態を呈する。
意識野の障害としての意識狭窄は,心因性のものとして,催眠状態やヒステリー状態が
ある。精神薄弱児は心因反応をおこしやすく,意識の視野の狭窄をおこすことが多いが,
本稿では意識野の障害にはふれない。
意識水準の低下としての意識の混濁には,旧識困難,昏眠,昏睡などの段階がわけられ
るが,意識水準は一定したものではなく,動揺しやすく,各段階を移行することがある。
意識が喪失し,精神活動が全く行なわれていない状態を昏睡状態と呼び,一過性,発作
性のものとしては,てんかんの大発作がある。持続するものとしては,脳出血や頭部外傷
によるものがある。昏睡状態では外界刺戟に全く反応しないので,診断上の困難さはない。
軽度の意識混濁の場合,状況によっては,一応つじつまのあった反応をすることもある
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重い障害をもつ子どもの教育にたずさわる教師の養成(第III報)(相川)
ので,診断がむずかしい。軽度の意識混濁下で,つじつまのあった反応ができても,のち
に健忘を残し,与えられた刺戟内容も,その刺戟に自己がどのように反応したかの記憶も
ほとんど失なわれてしまっている。意識障害の存在に気づかずに教育活動を行ない,いく
らかの反応があったとしても,結果としては全く指導効果は蓄積されてはいないと考える
べきであろう。
以下,意識が障害された状態について,治療と教育とのかかわりについて,検討してい
く。
2.生理的な意識の変化
正常な意識の変化としては,1日のリズムをもって,周期的にやってくる睡眠と覚醒7》8)
がある。睡眠はその深さから,傾眠状態・浅眠状態・熟睡状態とわけられ,睡眠状態に現
実に即さない精神活動が加わると,夢やねごとやねぼけという現象となってあらわれてく
る。
睡眠と覚醒という日内リズムが明らかになるのは,5才以上とされている9}。重度・重複
児は,睡眠と覚醒のリズムが乱れることが多く,多動・自閉・興奮などの行動障害を呈す
る子どもに睡眠障害が目立つ。
昼間は傾眠状態で,刺戟に対する反応が鈍く,指導効果のあがらない子どもが,夜は明
け方の3∼4時までも入電せず,不穏・興奮状態を続けることがある。朝方,2∼3時間うと
うとするだけでは睡眠が足りず,翌日の昼間は,再び傾眠状態となる。そして,夜になる
と,第1夜と同じく,不眠・興奮状態となるというような悪循環を繰りかえしている重度
児がいる。
こういう事例に対しては,学校も,寄宿舎や寮も,当面の指導の第一目標に,睡眠障害
の改善をかかげて,昼間ねむたがる子どもをどう指導すれぼ,夜間の適正な睡眠リズムに
持ちこめ,昼間の指導効果をあげることができるか,子どもとスタッフが悪戦苦闘する。
睡眠薬の投与を試みることもあるが,睡眠薬本来の睡眠効果があまり期待できず,むし
ろ,翌日へのもちこし現象が目立って,翌日の昼間の傾眠傾向を増強させる原因となり,
情緒障害や行動障害を伴う重度児への薬物治療のむずかしさが痛感させられる。経験的に
は,薬物の投与よりも,生活指導や身体運動面での工夫が,より効果的である。事例の数
はそんなに多いものではないが,睡眠障害の高度な子どもの指導にあたるスタッフや親の
努力と工夫は,それは大変なもので,さき程も使用した悪戦苦闘という表現がぴったりす
るように思う。
心身の適応10)をめざして,睡眠障害のひどい子どもを養護・訓練の中で,どう指導し
ていくか,今後,研究していかねぼならないテーマである。
強い心身の疲労に伴って,生理的な意識の水準の低下がおこることがあるので,易疲労
性の精神薄弱児の指導にあたっては,一回の指導時間や指導内容等についても,十分に検
討する必要がある。
102
長崎大学教育学部教育科学研究報告 第27号
3.薬物によって誘発される意識の変化
薬物によって誘発される意識の変化一その大部分は意識水準の低下である一も教育活動
を妨げ,子どもの発達を阻害する因子として問題である。ところが,重度・重複化にとも
ない,薬物治療の必要な子どもは,今後,ますます増加するのが必然である。
薬物治療の対象として,最も多いのはてんかん発作である。てんかん発作がある時や,
脳波に異常波が認められる時に使用する抗てんかん薬のほとんどすべてが,催眠作用を
持っている。これは,抗てんかん薬の中枢神経抑制作用による眠気,鎮静など意識水準の
低下にもとずくものである11)。
「薬をのませないと,時々,発作がおこるけれども,薬をのませるとぼんやりなってしま
うので,薬はのませたくない」という母親に,時たま,出会うことがある。服薬を続ける
と子どもはぼんやりなってしまうが,服薬を中断するとてんかん発作がおこるという二律
相反する状態となり,昼間,活発であってほしいと願う教師や親は,素人判断によって,
時々,勝手に服薬を中断させることがあるが,てんかんの治療にあたっては,勝手な服薬
中断は発作重延状態を引きおこし,生命の危険に陥ることもあるので,絶対に避iけなけれ
ぼならない。
多動・興奮・攻撃性・衝動性などを示す場合に使用する向精神薬や,囲うつ・不安・恐
怖・情動不安定などに対して使用する抗うつ剤なども傾眠傾向がある。睡眠薬が催眠効果
をもつのは当然のことである。
薬物によってひきおこされる眠気などは,教育活動を妨げる因子となるから,適確な薬
物の選択をし,最少有効量を決定し,事例ごとに服薬時間を考慮して,副作用としての催
眠傾向の出現をおさえながら,薬物治療を行ない,子どもの成長・発達を促すための教育
的援助を続けなければならない。
4.てんかん発作による意識の変化
精神薄弱の合併障害として,最も多いのはてんかん発作であり,意識障害についての治
療の教育的意義について,考察しようとすれば,その主たる対象はてんかん発作となる。
a)てんかんとは
てんかん発作は突発的におこり,一一過性に経過する痙攣と意識障害の発作である。
1973年,W・H・0は「てんかんはさまざまな原因でおきる慢性脳疾患で,その特徴は,
脳ニューロンの過度な放電に由来する反復発作であり,多種多様な臨床及び検査所見を随
伴する」と定義しており,脳生理学的な知見としては,てんかんは「突発性脳律動異常」
(paroxysmal discharge)(Gibbs, Lennox)を呈する脳内作用機序によるものと理解され
ている。
b)精神薄弱とてんかんの関連
ところで,精神薄弱とてんかんは合併することが多いが,両者の間にどのような病因的
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重い障害をもつ子どもの教育にたずさわる教師の養成(第m報)(相川)
連関があるのか,いまだ十分に明らかにされてはいないが,Penrose12)がいうように,外因
を有する精神薄弱者の場合はてんかん合併率が高く,また,知能障害の程度が著しいもの
程,てんかん合併の割合が高いということが,われわれの日常の臨床経験でも確認されて
おり,Tredgold13)は白痴56%,痴愚42%,軽愚11%にけいれん発作の合併をみたと報告し
ている。
重度精神薄弱者にてんかん発作を合併することが多いのは,脳器質的な障害が基礎に存在
しており,それがてんかん発作の原因ともなりうるし,また,幼児期からてんかん発作が
頻発するため,知能の発達が阻害されたためとも考えられる。
c)てんかんの出現頻度
ところで,一般人口に対する有病率は0.3∼0.5%といわれており,1万の人口に対し,
てんかん発作をもつ人が3∼5人いることになる。発病率は0.03∼0.05%といわれ,0∼5才
と10∼15才が好発年令とされている14)。
1967年の文部省調査によると,普通学級にいるてんかん児は,0.02%であり,ちなみに,
東京都目黒区の葦護教諭部会で区内の全小学校を対象に学校が把握しているてんかん児は,
0.045%であった15)という。
これらの調査結果からいえることは,医学調査と比較して,文部省統計や教育現場の調
査結果は,著しく高値を示しているということである。このような著しい差異はどこから
生じてきたのであろうか。
てんかん児の親は,教育の場に対して,病気に対する理解が少ない(49.3%)と訴え,
23.6%の親は病気のことを学校に話さなかったと答えている16)。
d)精神薄弱とてんかんの合併
さて,精神薄弱でてんかん発作を合併する割合をみてみると,Penrose12)は1280例の精神
薄弱の27.6%にてんかん発作があったと報告し,管野ら17)は21.5%,長畑らエ8)は24%と報告
しており,調査対象によってあまり差はなく,精神薄弱のほぼ20∼30%にてんかん発作を
合併していると考えられる。
第1表 施設,特殊学級および養護学校に在籍する精神遅滞児(者)のてんかん出現頻度
報告者
{設・学校の種別
精神薄弱児(者)施設*
特殊学級(小・中学校)
養護学校(精神薄弱)
江草ら
風祭ら
福島
19.2%
16.7%
i79/412)
i60/360)
5.4%
6.9%
i23/427)
i165/2399)
浜本ら
長畑ら
相川
18.0
6.7
24.4%
15.7%
i33/135)
i11/70)
重症心身障害児(者)施設
*精神薄弱児通園施設を含む,0は例数
合計の%
41.2%
61.0%
54.8%
i49/119)
i122/200)
i131/239)
21.5
51.4
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長崎大学教育学部教育科学研究報告 第27号
第1表(長畑9}が整理したものに,著者の調査分を追加したもの)をみると,特殊学級
6.7%,精神薄弱児施設18.0%,養護学校21.5%,重症心身障害児施設51.4%となり,知能
障害が軽く,神経学的な異常所見の合併の少ない特殊学級児にてんかん発作の出現率が最
も低く,精神薄弱児施設と養護学校がその中間に位置し,重症心身障害児施設がもっとも
高率で,長畑らの調査では60%をこえており,著者が長崎県下の重症心身障害児施設で調
査した結果は,239名中131名(54.8%)にてんかんがあった。
現在も,なおそういう傾向にあるが,てんかん発作が頻発すると,学校教育の対象外と
され,就学猶予や免除の措置がとられ,重症心身障害児病棟で,医療の対象とされてきた
ため,従来の報告をみると,養護学校と重症心身障害児施設のてんかん合併率が著しくこ
となっており,重症心身障害児施設に比べると,養護学校の合併率は約渥と低率であった
が,昭和54年度よりの学制の変化にともない,この差はおのずと縮少されていくであろ
う。
ところが,現在でも,発作が頻発するため,就学猶予の措置をとらざるをえない事例が
ないわけではないが,それでも従前に比べると,相当の発作頻発例に対しても,訪問教師
によるベットサイドでの教育的な働きかけが試みられるようになってきた。その結果,養
護学校教師にとっては対象児の半数以上,訪問教師にとっては,あるいはすべての対象児
が,いつ襲来するかわからないてんかん発作を持った子どもであるということになった。
そこで,今までは,看護業務とされてきたようなこと,例えば,発作がおこった場合のさ
しあたっての処置などの看護的な行為まで,教師に要請されるようになってきた。
さて,障害が重度化する程,合併率が著しく高くなっていくてんかん発作とは,どうい
う病態であり,その病態が教育の場で問題になってくるのは,どういう時であり,それを
どう捉え,どう対処すべきであるかについて,いくつかの観点にわけ,考察していく。
e)てんかんの発作型
まず,発作型別にその特有な病態と,その型に特異的におこってくる問題点等について,
整理する。
発作型としては,大発作,小発作,精神運動発作,自律神経発作などがある。
大発作 臨床上,もっとも多い発作型である。大発作は意識喪失をともなう全身性痙攣
発作で,一過性であって,だいたい1分以内に発作は終り,定型的な発作は,一見してそ
の状態が異常であり,病的であることがわかるが,すでに薬物治療をうけているような事
例では,発作が頓挫し,非定型的となるため,診断が困難となることもある。もし,大発
作が食事中や入浴中におこれぼ,死への危険と結びつくおそれもある。発作頻度はそんな
に多くない。
てんかん性の大発作と鑑別すべきものに,心因性の意識障害があるが,その中核を占め
るのは,ヒステリー性のもうろう状態であり,その場合,身体症状として痙攣発作を伴う
ことがある。てんかんの場合,発作は時や場所を選ばず襲来し,夜間睡眠中にもおこるこ
とがあるが,ヒステリーでは多くは衆人環視の中でしかおこらず,睡眠中にはおこさない。
痙攣の様子もヒステリーでは一定しておらず,周囲の状況に左右されがちであり,持続時
105
重い障害をもつ子どもの教育にたずさわる教師の養成(第III報)(相川)
問は長いが,意識障害の程度は軽く,てんかんの昏睡とちがうところである。脳波検査に
よって,ヒステリーの場合多くは正常脳波である。
これらふたつの,痙攣を伴う意識障害発作を鑑別診断することは,治療教育上,重要で
ある。というのは,てんかんの治療は薬物療法などの狭義の医療の対象であり,一方ヒス
テリーは心理治療が有効であり,日常の教育活動や対人関係の調整が治療的に作用するこ
とがあるというように,治療方法が全くことなるからである。診断と治療をあやまると,
てんかんは脳障害として予後を増悪させ,ヒステリーは疾病逃避への心理機制を強めてい
くことがあるから,十分な注意が必要である。
稀に,ヒステリー発作とも,てんかん発作とも鑑別のできないヒステロエピレプシーと
いわれる状態もみられることがある。
精神運動発作 次に多い発作型は,精神運動発作である。精神運動発作は,比較的軽い
意識障害の発作で,もうろう状態のことが多く,持続は数秒から数分のことが多いが,稀
に,数時間∼数日におよぶようなこともある。
もうろう状態では,状況によっては,一応適切な応答をすることもあり,食自動症,表
情自動症,歩行自動症,言語自動症などを伴っている状態は,行儀の悪さ,落ちつきのな
さ,注意の散漫さ,反抗的,ひとりごとなどとして捉えられることが多く,神経症性の行動
障害と考えられ,未治療のまま,不適切な教育的処遇をうけて,病状を悪化させているこ
とがある。
精神運動発作によるもうろう状態で,時々,高いところによじ登ろうとしたり,高いと
ころがらとびおりようとしたり,室内をウロウロ歩きまわったりして,危険なことがある。
当時,高校1年生で出生時の脳障害が原因と考えられるてんかん発作を持った女性徒が,
ある時,授業時間中に突然教室をとび出し,校舎の三階のベランダからすべり落ち,全身
打撲,左大腿骨々折,脊椎圧迫骨折の重傷を負い,重篤な状態に幽いり,生命を危ぶんだ
ことがある。この事例は,頭部外傷はうけていなかったのに,事故のあと,自己のなした
危険な行為についての記憶がなかった。おそらく,精神運動発作によるもうろう状態でな
されたものであろう』
また,本事例はこのエピソードの前にも,発作的に,周りの制止を振りきって,校舎の
窓に手をかけよじのぼろうとしたことがあったので,学校関係者も主治医も,慎重に経過
観察をしていた矢先のことで,強い衝撃をうけたが,これももうろう状態によるもののよ
うであった。
ちなみに,当時,本事例は自殺の目的で,とびおりたのではないかという推測もされた。
ところで,てんかんの自殺についての報告20)をみてみると,対象者400例中13人(3%)が
自殺を企図し,15%の者が自殺念慮を持ったことがあると述べているが,本事例は,当時
すでに10年もの長い羅病期間を経ており,17才という思春期2Dにあるのに,人前で発作がお
こるため,不安,恥しさ,劣等感などに噛んでおり,自殺念慮を口にすることもあったこ
となどから考えると,軽度の意識混濁によって,平素,持ち続けていた自殺念慮を尖鋭化
させ,行動化へと促進されたのかもしれないと考える。このように,精神運動発作は種々
の危険と結びつきやすい。
小発作 小発作は1日に数回以上も頻発することがあり,また,発作重延状態を呈する
106
長崎大学教育学部教育科学研究報告 第27号
こともあるので,十分な観察と注意が必要である。
自律神経発作 頭痛,腹痛,嘔吐,眩量などの自律神経症状としてあらわれるので,脳
波検査によって,他の内科疾患と鑑別することが治療上大事である。
次に,てんかんの発作をもった子どもの知的能力の問題,難治1生でんかんや強制正常化
の問題,薬物の血中濃度と副作用の問題,安全性に関する問題,保健指導と養護・訓練と
の関わり等について,考察していく。
f)てんかん発作と知能
てんかん児の知的能力の問題に関して,Lennox22)は1905人のてんかん者のうち,知能の
やや劣るもの22%,かなり劣るもの12%,著しく劣るもの2%の計36%とし,てんかん者
に知能障害があらわれる場合として,①てんかん者に遺伝的に精神薄弱が規定されている
場合,②てんかん発作の開始前に,すでに知能障害をきたすような脳の器質的損傷を有し
ている場合,③でんかん発作自体の影響として知能障害をきたす場合,④社会的・心理的
に隔離されたり,誤った取り扱いをされた場合,および⑤感けいれん剤の過剰投与をあ
げている30)。
社会・心理的に誤った処置が,てんかん児の発達を阻害する場合としては,教育の場で
の教師のてんかんに対する理解度や態度が,強く影響していく。
それまで,スポーツや学校行事などに参加する場合,特別に制限をうけていなかった小
学5年生の男児が,管理者(校長)の交代で,学校の方針が変り,安全と責任の問題から,
予防接種や水泳・運動会など学校行事への参加を全面的に拒否されて,はじめて,自分の
病気が社会的に種々の制約をうける特別の病気であるらしいと感じ,ショックをうけて
沈みこみ,自分の病気のことを誰も知らないところに転校したいとか,職員室で教師を
つかまえ,死ぬ方法を教えてくれといったりするようになった。
教師のてんかんに対する誤解と偏見,それにもとずく安易な解決策のために,心身の成
長・発達の機会を奪われ,本事例のように,死を希求する程の重い精神的外傷をうけ,い
らだち,そして萎縮していく子どもの事例は少なくはないであろう。
9)難治性てんかん
医学的な治療においてのみならず,教育上も困難な問題を提示しているところの難治性
てんかんとは,現在,もちいうるすべての治療方法を適切に施行しても,なお,十分な発
作の抑制が期待できない症例で,年令依存性のレノックス症候群に最も多く,次に,ウェ
スト症候群に多い。ウェスト症候群やレノックス症候群の多くは,基礎症患として,種々
の脳器質障害が想定され,そのため知能の障害を伴っていることが多いが,さらに,頻発
治績する発作のため脳障害が加重され,知能の障害が進行し,著しい知能低下の状態にお
ちいっていることが多い。
重症心身障害児施設に入所している学令のレノックス症候群の子どもたちが,養護学校
に登校してくるようになった。このような難治性てんかん児の教育をどうすすめていくか
ということは,障害児教育の今後に残された大きな課題であろう。
107
重い障害をもつ子どもの教育にたずさわる教師の養成(第III報)(相川)
h)てんかんの強制正常化
Landolt24)のいう強制正常化forced normalizationという状態も,てんかん児の教育的
側面について,検討をすすめていくにあたって,問題となってくる。これは薬物治療によっ
て,脳波上はてんかん性の異常波がみられなくなり,臨床上も発作は完全に抑制されてい
るが,その代理症状のようにして,種々の精神症状があらわれ,可動,興奮,時には,幻
覚,妄想などの精神症状が出現して,学習が妨げられることになる。この場合,投与して
いる薬物の量を慎重に漸減していく方法がとられる。
臨床的に,完全な発作の抑制を目標にして,いく種類もの薬剤を大量に投与していると,
脳波上の強制正常化というまでにならなくても,多動,焦躁,不機嫌,攻撃などの精神運
動性の不穏状態や,興奮状態をひきおこし,家庭や学校での指導に困惑してしまう事例が
あるが,このような場合も,慎重に薬量を減少していくことが多い。
ところで,親や教師は,発作の完全抑制を期待しがちであるが,事例によっては,発作
の完全抑制は,精神症状の出現と裏腹となることもあるので,注意が必要である。
の薬物の血中濃度測定
適正な治療を行ない,教育上の指導効果をあげていくために,抗てんかん薬の血中濃度
の測定25)が繰りかえされる必要がある。従来は,発作のおこりぐあいや頻度から,薬の種類
や量の目安をつけていたが,血中濃度測定が実施できるようになってからは,血中有効濃
度の決定が客観的にできるようになり,また,副作用のチェックも臨床症状が顕在化する
前に,予測ができるようになってきた。このように血中濃度の測定は,適正な薬量の決定
と副作用のチェックに有用であるが,現在のところ,価格や検査技術の問題もあって,測
定器機の普及が不十分であるのが残念である。
1)抗てんかん薬の副作用
次に,抗てんかん薬の副作用11}について,障害児教育の立場から考えてみると,投与量に
関連した副作用と,副作用の出現部位として,中枢神経系にあらわれた場合とが問題になっ
てくる。抗てんかん薬の種類と投与量は,年令や体重,発作の型や頻度などによって決め
られるが,過剰投与による中枢神経系の症状としては,ねむけ,めまい,ふらつき(運動
失調),頭痛,頭重,言語障害などとしてあらわれてくるし,精神症状としては,不眠,不
安,焦躁,多動,精神的な不活発さなどのほかに,重篤なものとしては,せん妄,昏迷,
錯乱などとしてみられることがある。
ところで,注意力散漫,あきっぽさ,二丁力低下などの精神的な機能低下としてあらわ
れてくる中枢神経系の副作用は,意識水準の低下と関連することが多く,学習効果の低減
と結びつき,ひどくなると指導効果は全く期待できなくなってしまう。このような意識水
準の低下としての傾眠や精神的な不活発さは,投薬の初期に限られることが多い。せん妄
や錯乱状態などを,抗てんかん薬の副作用として,経験することは稀であるが,重篤なも
のであるから,十分な観察と,的確な診断と処置が必要である。
108
長崎大学教育学部教育科学研究報告 第27号
k)安全の問題
てんかん発作は,適度の緊張状態ではおこりにくいといわれ,臨床的にも,確められて
いるので,医学的診断をもとにして,教育的配慮をし,できるだけスポーツや学校行事な
どへ参加できるように指導していくべきであろう。
安全はすべての指導の根底に位置づけられるべき基本的事項であるが,人が自らリスク
をとるということも人間の尊厳につらなるものであるから23),人が様々な体験をすること
によって,発達し,成長しながら,人間らしい存在として,その価値を主張しながら生き
ていくということは,ある意味では絶えずリスクの可能性にさらされているということで
ある。しかし,絶対に,単なる可能性としてだけのリスクにとどめなければならないが,
そのためには,教育と医学あるいは医療が,さらに緊密に連携しあう必要がある。教育か
医療かの二者択一論におちいってはならない。
1)保健指導
予防接種の可否なども含めて,てんかん発作のある子の保健指導をどうすすめていくか
にあたっては,教科としての保健体育や,特別活動としての学校行事や,さらに,養護・
訓練とのかねあいを考えながら,指導計画をたて,実践していかねばならない。
m)親の会活動
日本てんかん協会としての親の会活動も盛んになりつつあり,長崎でも,今秋,支部発
足の予定だときいている。親の連帯と社会的な啓発運動が展開されている。
さて,てんかんの発作症状に対する神経生理学的な研究知見は,めざましい進歩をみせ
ているが,それにひきかえ,てんかん発作を持つ人々についての社会・心理学的研究や,
精神医学的アプローチは乏しく,てんかん発作をもつ子どもたちは,治療と教育の谷間26)に
おかれているのが現状である。
このような現状を,障害児教育の教員養成の立場から,わずかでもきりひらいて行きた
いと考え,てんかん児のもついくつかの間題をとりあげ,若干の考察を試みてきた。
5.てんかん性の脳波異常を認めるにもかかわらず,意識の変化がみられない場合
さて,前項までは,障害児教育の場における「意識障害」をとりあげ,治療と教育との
かかわりについて,考察をすすめてきたが,本項では,臨床的に明らかな意識障害はみら
れないけれども,脳波検査によって,てんかん性の異常波が認められる精神薄弱について,
少しく付言しておきたい。
梶谷27)は184名のてんかん発作や進行性脳病変をもたない精神薄弱児に脳波検査を行な
い90名(49%)に脳波異常を認め,そのうち26名(14%)は棘波,棘徐波,鋭波などの明
らかなてんてん性の異常波であったと報告し,Gibbs28)は臨床的にてんかん発作を伴わない
精神薄弱2,400人のうち,睡眠脳波で41%にてんかん性の異常波を認めたと報告している。
このように,臨床的に明らかなてんかん発作をみない精神薄弱で,てんかん性の異常脳
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重い障害をもつ子どもの教育にたずさわる教師の養成(第III報)(相川)
波を示す率は高い。とりわけ,種々の行動障害を示す精神薄弱で,脳波検査によって,明
らかなてんかん性の異常波を認め,抗てんかん薬の服用によって,著しい行動障害の改善
をみることがある。
例えば,臨床的にてんかんの発作症状を認めず,発病状況と抜毛時の意識が清明である
ことから,心理的原因にもとずく習癖異常としての抜毛行為29)と考えられていた中肋精神
薄弱の13才の女児の脳波に高野巾今期波バーストがみられ,また,ここ数年来,母親に対
してのみ,絡み,興奮し,悪口雑言をあびせるため,母親は拒否・嫌悪の感情をあらわに
し,母子関係が著しく悪化していた同じく13才の野牛精神薄弱の女児の脳波には野州がみ
られた。この二例はたまたま前後して受診してきたが,二例ともに抗てんかん薬を投与し,
現在,約4ケ月を経過したが,初診時の主訴であった抜毛と興奮は,ほとんどみられなく
なった。
このように,長い間,行動異常の原因は心理・環境的な要因にもとずくものと考えられ
ていた中・重度精神薄弱児に,明らかな脳波異常を認め,抗てんかん薬の服用により,問
題行動が改善されていくのをみると,精神薄弱児,とりわけ行動障害を示す中・重度精神
薄弱児の脳波検査の必要性が痛感させられてくる。
脳波検査が,定期健康診断の診断項目として採用され,潜在的てんかん30}subclinical
epilepsyの診断がなされ,ケースによっては早期に薬物治療を試み一安易な薬物治療はさ
けなければならないが一,脳内の異常放電を抑制することによって,行動障害を治療し,
知能障害の進行を防止することができれぼ,狭義の医療が障害児教育において荷う役割を
さらに広げることができる。
IV.おわりに
「治療教育学は,教育学と医学一ことに精神生活の病的状態を対象とする医学一との間の
境界領域である。この意味でも,医学の領域に手をのぼすことが必要である。医学の分野
に対する理解ということは,治療教育者のすべてに前提となることである」31)というヘラー
の言葉を拙論第II報32>でも引用し,重度障害児の治療教育において,精神医学的側面や小児
神経学的観点をとり入れることの必要性について論じ,重度障害児のための教員養成の方
法について,いくつかの提言を試みた。
そこで,今回は,具体的な臨床精神医学的問題としての「意識」と,それが障害された
状態としての「意識障害」をとりあげ,それをどう捉え,どう対処していけば,子どもの
成長・発達を抄すことができるかについて,教員養成の立場から若干の考察を試みてきた。
ところで,重度障害児のための教員養成をすすめるにあたって,医学の基礎知識をもた
ない教育学部学生に,医学的側面を理解させるためには,視聴覚器材の利用は不可欠であ
り,さらに,重症心身障害児施設や,診療科としての精神々経科での臨床実習を課するこ
とによって,障害児のもつ医学的問題を理解し,また,治療や看護のあり方を知ることに
よって,教育的なかかわりのあり方を示唆される’であろう。
知能の遅滞のほかに,種々の精神病理的側面や身体的な合併症状をもつ重度・重複障害児
のための教員養成にあたっては,臨床実習を含めて少なくとも1∼2年の修業年限の延長が
必要である。また別の方法として,看護学校卒業生すなわち看護婦有資格者を教育学部に
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長崎大学教育学部教育科学研究報告 第27号
編入させ,教育学を学ばせるというのも検討されるべき教師養成のコースであろう。
昭和54年4月,養護学校義務化がスタートした。それは,障害児教育において,一つの
進歩であったのか否かを含めて,制度の問題,治療教育のすすめ方,教員養成のことなど
山積している問題を,あらためて批判的に検討しなおすべき時期である。
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