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No.11 購買管理システム・販売管理システム・総勘定元帳 - C

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No.11 購買管理システム・販売管理システム・総勘定元帳 - C
2009 年度
No.11
会計システム(取引処理)No.11
担当:河合久、櫻井康弘、成田博
購買管理システム・販売管理システム・総勘定元帳システムの設計と運用④
-業務管理パッケージと会計パッケージの連携-
(決算:振替取引の入力および部門別管理情報の産出)
1. 取引モデルにおける月次処理の流れ
購買・在庫管理ソフト(PCA商管)
購買業務
データ
【実習10-3】
自動仕訳
会計ソフト(PCA会計)
【実習10-4】
自動仕訳の受入
検収・支払
取引ファイル
振替データ
振替単価
【実習11-2-②】
払出単価計算
【実習11-3】
振替金額更新
振替一覧表作成
振替一覧表
会計取引
ファイル
【実習11-2-③】
棚卸表作成
棚卸表
月末在庫
データ
販売業務
データ
【実習10-3】
自動仕訳
【実習11-4】
振替取引処理
【実習11-5】
月末棚卸処理
【実習10-4】
自動仕訳の受入
出荷・回収
取引ファイル
販売管理ソフト(PCA商魂)
2. 自動仕訳の修正
【実習 10-3】の自動仕訳設定において当座預金の補助科目が一つ(杉並 AIS 銀行)しか設定できなかったため,
自動仕訳結果を検索し該当する仕訳を修正する。
実習 11-1
自動仕訳の修正
【実習データの準備】
①
PCA 会計の起動
☞
「スタート」ボタン→「すべてのプログラム」→「PCA 会計8 V.2」→「PCA 会計8 V.2」
☞
ログイン時のアカウントとパスワード,「PCAUS000」と「qqqqqq」を入力。
②
データのリカバリ
☞
メニュー「ファイル」「データのリカバリ」→「データのリカバリ」画面で「ドライブ No.」の「参照」ボタ
ンをクリック。
☞
フラッシュメモリー(リムーバブルディスク)に保存したフォルダ「7-1PCA」を指定し,「実行」ボタンをク
リック。各種メッセージが表示されるが,「はい」または「OK」をクリックする。
▼ 実習 11-1 ▼
自動仕訳の修正
修正すべき取引は,「2/14 根本システムへの買掛金支払」と「2/15 関東産業からの売掛金回収」の2件である。
いずれも「杉並 AIS 銀行」を「あずさ銀行」に修正する。
☞
メニュー「データ入力」「仕訳検索修正」
; 伝票日付:「(2009 年) 2 月 1 日~(2009 年) 2 月 28 日」
; 「実行」ボタンをクリック
- 54 -
Accounting System
☞
修正すべき仕訳をクリックする
☞
画面右下の「修正」ボタンをクリックする
☞
表示された振替伝票上で修正する
☞
修正が終わったら画面右下の「登録」ボタンをクリックする
☞
確認メッセージの「はい」ボタンをクリックし,伝票画面「終了」ボタンをクリックする
☞
仕訳検索修正画面の「終了」ボタンをクリックする
3. 払出単価・在庫単価の計算(商品受け払い)
一般的に,同一商品であっても購入条件等の違いから異なる単価で購入する場合がある。具体的な払出単価の計算
方法には,個別法,先入先出法,移動平均法,総平均法,最終仕入原価法などがある。これらの計算方法によって棚
卸資産の取得価額は,原価配分の原則にしたがって当期の費用となる売上原価と次期以降の費用となる棚卸資産とに
配分される。ただし本来,商品の個々の取得原価をもって棚卸資産を評価する個別法が,最も正確な損益計算に資す
る方法であるが,個別法は個別の商品管理が必要となりその適用が困難であるとして,先入先出法や移動平均法など
の方法が簡便法として採用が認められている。
上場企業では,データ処理上の容易さから① 総平均法,② 移動平均法といった方法の採用が非常に多い。総平均
法は期別・月別法として,一期間(月)の総購入金額を総購入数量で除して平均化して求められた単価を払出単価とし
て売上原価を計算する方法で,バッチ処理方式にのみ採用可能で準統合型取引処理システムに適している。
しかし,一般的に採用される総平均法は,次式のとおり一期間の総購入金
額を総購入数量で除して在庫単価を求め,それを期末商品棚卸数量に乗じて
在庫単価=
繰越在庫高+期間仕入高
繰越在庫数+期間仕入数
期末商品棚卸高を算出し,後は決算時に五勘定法の仕訳によって総勘定元帳
システムに入力しプログラムによって売上原価を算定する。この方法は,商品別の損益管理を指向しない準統合型取
引処理システムの特徴であり,財務諸表作成に資する期末商品棚卸高のみを総勘定元帳システムへ供給する。した
がって,自動仕訳の対象は,期中の購買取引と販売取引だけであり,基本的には売上原価算定目的の期末商品棚卸高
は決算時に手入力となる。
「PCA 商魂・商管」では,商品売買取引(ここでは,購買,発送および販売業務)の都度,商品の受け払い数量
が記録され,右図表のとおり任意の時点で在庫受払帳が出力できる。ただこの在庫受払帳は,学習簿記における商品
有高帳に相当するが,そこで把握されているのは商品受払数量と在庫数量で,払出金額や在庫金額などと一体となっ
た帳票とは異なる。
このように実務においては,払出数量と払出単価
の計算は,別々におこなわれることが多い。
「PCA 商魂・商管」前準 備処理におい て在庫単価
の計算に総平均法を選択した場合,下図表の棚卸表
のとおり月末において商品別の在庫単価を総平均法
で計算し,期末商品棚卸高を算定する。
総平均法に
よって計算
- 55 -
2009 年度
会計システム(取引処理)No.11
担当:河合久、櫻井康弘、成田博
ここでは,総平均法で在庫単価の計算をおこない営業部(倉庫)別の月末在庫残高明細を確定する。ただし,PCA 商
管では,倉庫別の在庫管理を行っていても在庫単価はすべての倉庫で共通となる。
実習 11-2
棚卸表の作成(在庫単価の計算)
【実習データの準備】
①
PCA 商魂・商管の起動
☞
「スタート」ボタン→「すべてのプログラム」→「PCA 商魂・商管8 V.2」→「PCA 商魂・商管8 V.2」
☞
ログイン時のアカウントとパスワード,「PCAUS000」と「qqqqqq」を入力。
②
データのリカバリ
☞
メニュー「ファイル」「データのリカバリ」→「データのリカバリ」画面で「ドライブ No.」の「参照」ボタ
ンをクリック。
☞
フラッシュメモリー(リムーバブルディスク)にある前回保存した「00 商魂商管」を指定し,「実行」ボタ
ンをクリック。各種メッセージが表示されるが,「はい」または「OK」をクリックする。
▼ 実習 11-2-(1) ▼
☞
メニューバー「ファイル」「商管メニューへ」。または,ツールバー上の「8」ボタンをクリック
▼ 実習 11-2-(2) ▼
☞
商管画面へ切替
在庫評価の集計期間の設定
メニュー「在庫」「G.在庫期間の集計」
; 集計期間:【090201】~【090228】
; 「実行」ボタン,「OK」ボタンをクリック
▼ 実習 11-2-(3) ▼
棚卸表(商品有高帳)の作成
☞
メニュー「在庫」「L.棚卸表」「実行」
☞
「EXCEL 出力」ボタン,「終了」ボタンをクリック
☞
Excel に次の表のように棚卸表が作成される
倉庫コード
倉庫名
データ区分
商品コード
011
本社倉庫
10
1111
011
本社倉庫
10
011
本社倉庫
011
本社倉庫
011
品名
数量
単位
ノート PC
20
台
145,862
2,917,240
1121
デスクトップ PC
10
台
190,476
1,904,760
10
1131
プリンター
15
台
100,000
1,500,000
10
2111
会計ソフト
10
本
200,000
2,000,000
本社倉庫
10
2121
管理ソフト
10
本
50,000
500,000
011
本社倉庫
10
3111
プリンター用紙
15
ケース
4,000
60,000
011
本社倉庫
10
3121
プリンタートナー
12
個
10,000
120,000
011
本社倉庫
40
021
多摩倉庫
10
1111
ノート PC
5
台
145,862
729,310
021
多摩倉庫
10
1121
デスクトップ PC
5
台
190,476
952,380
【倉
庫
計】
評価単価
92
金額
9,002,000
☞
リムーバブルディスクにファイル名「棚卸 2 月」で保存する
☞
「棚卸 2 月」の各商品の評価単価(払出・在庫単価)を上図表に記入しなさい
4. 振替取引伝票への振替単価の入力と振替取引一覧表の出力
資料 45~47 ページで確認したとおり,商品の発送段階では振替原価の計算は行なわれておらず,実際の振替伝票
への入力では前準備処理時に在庫マスターに登録した 1 月末の在庫単価を「振替単価」として用いていた。ここでは,
【実習 11-2】で計算された在庫単価にもとづいて振替伝票の振替単価を訂正入力する。
- 56 -
Accounting System
実習 11-3
PCA 商魂・商管の振替伝票修正
▼ 実習 11-3-(1) ▼
振替伝票の修正入力
☞
メニュー「在庫」「振替データ入力」「前伝票」ボタン
☞
【実習 11-2】で記入した各商品の払出単価を参照しながら,振替データ入力伝票の「単価」欄に適当な金額
を入力
☞
入力が終わったら「登録」ボタンをクリック
☞
「前伝票」ボタンをクリックし,次の伝票に入力
☞
すべての伝票の入力を終えたら「終了」ボタンをクリック
▼ 実習 11-3-(2) ▼
☞
振替伝票の一覧表
メニュー「在庫」「振替一覧表」「出荷倉庫別・振替一覧表」タブ
; 振 替 日:【090201】~【090228】
; 出
力:【プリンタ】
; 作成方法:【出荷倉庫】毎【入荷倉庫】別・商品別集計
; 「実行」ボタンをクリック
☞
「EXCEL 出力」ボタンをクリック
☞
「終了」ボタンをクリック
☞
次のような「振替一覧表」が出力される.
☞
リムーバブルディスクにファイル名「振替 2 月」で保存する
出荷倉庫
コード
倉庫名
入荷倉庫
コード
入荷倉庫名
データ
入荷倉庫
区分
コード
商品コード
品名
数量
金額
011
本社倉庫
021
多摩倉庫
10
021
1121
デスクトップ PC
3
571,428
011
本社倉庫
021
多摩倉庫
10
021
2111
会計ソフト
2
400,000
011
本社倉庫
021
多摩倉庫
10
021
2121
管理ソフト
2
100,000
011
本社倉庫
021
多摩倉庫
20
011
本社倉庫
031
松本倉庫
10
031
1121
デスクトップ PC
3
571,428
011
本社倉庫
031
松本倉庫
10
031
2111
会計ソフト
2
400,000
011
本社倉庫
031
松本倉庫
10
031
2121
管理ソフト
2
100,000
011
本社倉庫
031
松本倉庫
20
【入荷倉庫
計】
7 1,071,428
011
本社倉庫
40
【出荷倉庫
計】
14 2,142,856
【入荷倉庫
計】
7 1,071,428
5. 振替取引の仕訳入力
仕入れは本社購買部で一括して行い,仕入れた商品を各営業部へ本社購買部から発送している。この発送に関する
業務を1つの取引として捉えて仕訳を行なう。この発送業務は会社内における単なる商品の移転であるから会計上の
取引とは本来なりえない。
しかし,ここでは部門別損益計算(組織別の業績管理目的)のため,商品の発送のつど,本社営業部の仕入勘定か
ら各営業部の仕入勘定に原価にて振替える。この振替原価には,原価による場合と原価に利益を加えた額による場合
とがあるが,本モデルでは前者である。原価による場合の仕訳は次のとおりである。
本社は,多摩営業部に原価\1,000,000 の商品を送付し,同営業部はこれを受け取った.
(借)仕
入(多摩営業部)1,000,000(貸)仕
入(本社営業部)1,000,000
モデルでは,【実習 11-3】のとおり本社営業部購買課において月末に払出単価の算出後,PCA 商魂・商管「振替伝
票」の単価欄に修正入力した。その振替伝票を本社管理部経理課に送付して,経理課でそれにもとづいて振替取引を
「PCA 会計」に仕訳入力する。
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2009 年度
会計システム(取引処理)No.11
実習 11-4
担当:河合久、櫻井康弘、成田博
振替取引を PCA 会計へ入力
▼ 実習 11-4-(1) ▼
PCA 会計起動
▼ 実習 11-4-(2) ▼
振替取引の仕訳入力
☞
メニュー「データ入力」「振替伝票入力(コクヨ形式)」
☞
画面下部の「税切替」ボタンをクリックし【税計算しない】と設定する
☞
ファイル「振替 2 月」を参照しながら,振替取引を入力する
2 月 28 日(借)【 仕入高 】(多摩営業部)1,071,428(貸)【 仕入高 】(本社営業部)1,071,428
2 月 28 日(借)【 仕入高 】(松本営業部)1,071,428(貸)【 仕入高 】(本社営業部)1,071,428
☞
2 件の振替取引を入力したら「登録」ボタンをクリック
6. 月次決算
本モデルでは,部門別損益管理を目的に部門別損益計算書を作成するが,より正確な毎月の部門別の損益を算出す
るために「月次決算」を行なう。ただし,月次決算における月次決算整理仕訳の入力は,月次商品棚卸高の計上のみ
とする。
【年次決算の場合】
借方
貸方
期首商品棚卸高について
【期首商品棚卸高】
100
【商品
】
100
期末商品棚卸高について
【商品
150
【期末商品棚卸高】
150
【月次決算の場合】
】
借方
貸方
4 月の月初商品棚卸高について
【期首商品棚卸高】
4 月の月末商品棚卸高について
【商品
】
5 月の月初商品棚卸高について
【期末商品棚卸高】
5 月の月末商品棚卸高について
【商品
】
6 月の月初商品棚卸高について
【期末商品棚卸高】
6 月の月末商品棚卸高について
【商品
】
100
】
100
90
【期末商品棚卸高】
90
90
【商品
】
90
110
【期末商品棚卸高】
110
110
【商品
】
110
【期末商品棚卸高】
80
80
【商品
※ この仕訳は5勘定法の応用であるが,月次棚卸決算入力の際に,何故このような仕訳を行なうのか
商品
前期繰越
100
4月初棚卸高 100
4月末棚卸高 90
5月初棚卸高 90
5月末棚卸高 110
6月初棚卸高 110
6月末棚卸高 80
期首商品棚卸高
商
品
期末商品棚卸高
100
- 58 -
5月商品
90
4月商品
90
6月商品
110
5月商品
110
6月商品
80
Accounting System
7. 月次決算整理仕訳の入力
【実習 11-2】において本社購買部において商品の購買・在庫管理業務に関するデータ処理を「PCA 商管」にて行い,
月末に「棚卸表」を作成し払出単価を計算した。その棚卸表を本社経理部に送付して,経理部でそれにもとづいて月
末棚卸高を「PCA 会計」に仕訳入力する。
実習 11-5
月次決算整理仕訳の入力
☞
メニュー「データ入力」「振替伝票入力(コクヨ形式)」
☞
ファイル「棚卸 2 月」と下表「参考資料」を参照しながら,商品棚卸高に関する仕訳(2 月初商品棚卸高の洗
替と,2 月末商品棚卸高)を入力する
☞
月次決算仕訳を入力したら「登録」ボタンをクリック
2/28(借)【期末商品棚卸高】(本店営業部)4,300,000(貸)【商
2/28(借)【商
品】
品】
2/28(借)【期末商品棚卸高】(多摩営業部)2,000,000(貸)【商
2/28(借)【商
品】
品】
2,000,000
2,381,690(貸)【期末商品棚卸高】(多摩営業部)2,381,690
2/28(借)【期末商品棚卸高】(松本営業部)1,200,000(貸)【商
2/28(借)【商
4,300,000
9,002,000(貸)【期末商品棚卸高】(本社営業部)9,002,000
品】
品】
1,200,000
1,697,290(貸)【期末商品棚卸高】(松本営業部)1,697,290
「参考資料」
本社営業部
2月初商品棚卸高
多摩営業部
4,300,000
松本営業部
2,000,000
1,200,000
8. 2 月度の部門別損益計算書の作成
実習 11-6
部門別損益計算書の作成
▼ 実習 11-6-(1) ▼
☞
2 月全社損益計算書の作成
メニュー「日常帳票」「合計残高試算表」
; 部門指定:【指定なし】
; 【2009 年 2 月~2009 年 2 月】
; 【損益計算書】
表示された損益計算書の「残高」欄の金額のうち,下表にしたがって該当箇所にそれぞれの金額を記入
▼ 実習 11-6-(2) ▼
☞
2 月部門別損益計算書の作成
メニュー「日常帳票」「合計残高試算表」
; 部門指定:【本社営業部】
; 【2009 年 2 月~2009 年 2 月】
; 【損益計算書】
☞
表示された損益計算書の「残高」欄の金額のうち,下表にしたがって該当箇所にそれぞれの金額記入
☞
部門名を【多摩営業部】【松本営業部】も上記手順で行う
全社
純売上高
本社営業部
多摩営業部
松本営業部
43,035,000
18,358,000
14,267,900
10,409,100
7,762,000
5,122,000
1,862,000
778,000
高
33,985,000
16,780,144
9,957,428
7,247,428
期末商品棚卸高
13,080,980
9,002,000
2,381,690
1,697,290
売上原価計
28,666,020
12,900,144
9,437,738
6,328,138
売上総利益
14,368,980
5,457,856
4,830,162
4,080,962
期首商品棚卸高
仕
入
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