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検査待ちを劇的に減少させた四肢専用MRI
GE Healthcare 四肢専用 MRI 総合病院での経済効果 Dr. Nigel Raby, consultant radiologist. Glasgow Western Infirmary (UK) グラスゴー ウェスタン病院( Glasgow Western Infirmary)はイギリスのグラスゴー大学( University of Glasgow)附属の大学病院で、ガートナベル総合病院( Gartnavel General Hospital)と合わせて 1,000 床を持つ 大規模施設です。グラスゴーの西に位置し、人口約 100 万人が住む西の地域一帯をカバーしており、年間 70,000 人の患者が来院する基幹病院です。主には事故や救急患者の集中治療、整形外科的外傷、緊急手術、急性脳 梗塞など、緊急患者の受け入れを行っていますが、さらに、消化器、乳腺、心臓手術も行っており、専門領域は循 環器、一般内科、腎臓内科など合わせ多岐にわたります。 こちらの施設では 1994 年に全身用 1.5T MRI が導入され、その後 2005 年には、当時の最新バージョンへの変 更が行われています。四肢専用 MRI は 2007 年の 3 月に救急病棟に導入されました。またその他にも画像診断機 器としては 64 チャンネル CT が稼働しています。 四肢専用 MRI の利用計画 2007 年に四肢専用 MRI が導入された当初、 Dr. Raby はこの四肢専用 MRI によって全身用 MRI の検査枠を補い、四肢の検査件数を増やすことを 目標としていました。そして 1998 年から行われてい る ”舟状骨骨折” のプロジェクトへの利用にも期 待を寄せていました。 2007 年 3 月に四肢専用 MRI が導入されると、 大部分の膝関節の検査が全身用 MRI から四肢専 用 MRI へ移行されました。さらに、この四肢専用 MRI は磁場強度が高く、非常に細かい解剖学的構 造や小さな病変の検出に優れているため、手関節 の検査も次第に増加し、手指や足関節の検査も四 肢専用 MRI へ移行するようになりました。 四肢専用 MRI カスタマーボイス #02 Glasgow Western Infirmary in UK. 四肢専用 MRI 導入による、ワークフローへの影響 四肢専用 MRI 導入前 導入前は全身用 MRI 1 台で、年間 7,000 件の検査が実施されていました。当初全身用 MRI では特に膝関節と腰 椎の検査待ちが多く、新しいシーケンスを行おうにも、検査枠に余裕がありませんでした。 四肢専用 MRI 導入後 導入後は検査件数が年間 1,500 件増加し、全身用と四肢専用の 2 台体制で、年間 8,500 件の検査が実施され ています。膝関節や脊椎の検査待ちが減少し、肩関節や股関節の検査を増加することができました。また MRI を 用いた四肢の術前計画が行いやすくなり、全身用 MRI では新しいシーケンスや検査を積極的に行えるようにも なりました。 四肢専用 MRI カスタマーボイス #02 Glasgow Western Infirmary in UK. グラスゴー ウェスタン病院において、四肢専用 MRI を導入したことによる最も大きなメリットは、患者の検査待ち を劇的に改善できたことです。 膝関節 四肢専用 MRI の導入とともに、ほぼすべての膝関節検査が、全身用 MRI から四肢専用 MRI へ移行しました。 結果として膝関節の検査待ちは、これまで 1 年程度だったものが 1 か月に短縮され、まだ予約枠に余裕があ るという状態です。 手関節と足関節 約半数の手関節、足関節検査が四肢専用 MRI で行われるようになりました。細かい解剖学的構造や小さな 病変を検出する能力は、四肢専用 MRI の適用の幅を広げています。救急の負傷患者だけでなく、慢性疾患患 者がより積極的に四肢専用 MRI で検査されています。 脊椎 膝関節、手関節、足関節の検査が四肢専用 MRI に移行したため、全身用 MRI で脊椎の検査枠に余裕が出ま した。四肢専用 MRI が導入される前は、腰に痛みのある患者は 40 週も検査待ちをしなくてはなりませんでし たが、今では検査待ちは 4 週間にまで減少しています。 股関節と肩関節 股関節、肩関節の検査待ちの患者も、全身用 MRI 検査に余裕が出たことにより、恩恵を受けました。特に股 関節では、外科医が MRI 検査結果をその週のうちに受け取れるようになり、術前計画がスムーズに行えるよ うになるにつれれ、関節鏡検査の大半は、関節造影検査で済むようになりました。 全身用 MRI の検査 全身用 MRI で 45 分枠の検査が行えるようになりました。Dr. Raby は、骨髄腫やリンパ腫、ゴーシェ病と言った 特別な骨の病気に苦しむ患者の MRI 検査を行えるようになったと言います。 四肢専用 MRI 導入前後の検査待ち時間比較 2004 年~2006 年にかけて、紹介患者が増加したことにより、特に膝関節と脊椎の検査待ちが急増しました。 しかし 2007 年に四肢専用 MRI を導入したことにより、膝関節の検査は 4 週間以下に改善されました。 また膝関節の検査などが四肢専用 MRI に移行したことにより、全身用 MRI の検査枠にゆとりが生まれ、脊椎 の検査待ち期間も劇的に短縮されました。 四肢専用 MRI カスタマーボイス #02 Glasgow Western Infirmary in UK. 舟状骨骨折疑い患者のへの取り組み 2007 年から、Dr. Raby は、四肢専用 MRI を用いて、舟状骨骨折疑い患者への取り組みを行っています。グラス ゴー ウェスタン病院においては、月に 35 人の患者が舟状骨の検査を受診し、そのうち 20~30 人が MRI 検査を 受診します。まさに四肢専用 MRI はこのような患者の早期診断に、大きく貢献しています。 現在イギリスでは、舟状骨骨折疑いの患者に対しては、X 線検査を行うのが最も一般的です。一度 X 線検査で 骨折がないと診断された患者には、通常舟状骨ギブスでの固定措置が行われます。しかしながら、そのような患 者の多くでは、10 日後の再検査によって、目に見えない骨折が検出される場合がほとんどです。もしこのような 患者に対して早期の MRI 検査が行われれば、骨折を早期に診断できるため、長期のフォローアップが不要となり、 ひいては大きな医療費削減となると Dr. Raby は言います。Dr. Raby は 90 年代後半、舟状骨骨折疑い患者に対 する MRI 診断の有用性に関して詳細な検討を行っています。( スタディの詳細は Dr. Raby の文献*を参照) [*]: Magnetic Resonance Imaging of Suspected Scaphoid Fractures Using a Low Field Dedicated Extremity MR system in Clinical Radiology (2001) 56: 316-320. 終わりに ここでは、全身用 MRI と四肢専用 MRI を併用しているグラスゴー ウェスタン病院の使用経験を通して、総合病 院における四肢専用 MRI の有用性についてご紹介しました。 前述のとおり、四肢の MRI 検査を受診する患者だけでなく、全身用 MRI 検査を受診予定の患者においても、 検査待ちは劇的に減少し、より多くの患者が MRI を受診できるようになりました。また検査枠に余裕が出たこと で、全身用 MRI でより高度な検査が行えるようになりましたし、また四肢専用 MRI でも高磁場を生かし、病理学 的により細かい構造を観察するような検査も行われるようになりました。経済面だけでなく、臨床面でも有用性 の高い運用を行っています。 四肢専用 MR, Optima MR430s 1.5T 同院に導入されている四肢専用 MR の後継機。 Optima MR430s 1.5T はオプティマ MR430s 1.5T のことです。 認証番号 223ACBZX00003000 オプティマ MR430s 1.5T 用オプションコイル 認証番号 223ACBZX00006000