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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University

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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University
Title
Author(s)
Journal
URL
角膜ヘルペスに関する研究
金子, 行子
東京女子医科大学雑誌, 43(8):715-716, 1973
http://hdl.handle.net/10470/2207
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
27
(14)
氏名(生年月日)
金子行子(昭和1
コ
本
籍
学位の種類
医学博士
学位授与番号
甲第85号
学位授与の日付
学位授与の要件
昭和48年3月30日
学位規則第5条第1項該当(医学研究科眼科学専攻,博士課程修了者)
学位論文題目
角膜ヘルペスに関する研究
1角膜ヘルペスウイルスの抗ウイルス剤及びその他の薬剤に対する感受性に
ついて
虹 角膜ヘルペス患者の血清及び涙液中の抗体について
論文審査委員
(主査)教授 加藤 金吉
(副査)教授 吉岡 守正,教授 森崎 直木
論文内容の要旨
研究目的
された.IDUとIDCに対しての抵抗性変異粒子を含
角膜ヘルペスの病変局所から分離した単純ヘルペスウ
むものが1株,IDU, IDC, F3TdRの3者に.対しての抵
イルスの抗ウイルス剤及びその他,2,3の薬物に対する
抗性変異粒子を含むものが1株であった.近年の角膜ヘ
感受性を調べた.また角膜ヘルペス患者の血清及び涙液
ルペスの治療剤としてのIDU汎用にもかかわらず,耐
中のヘルペス抗体と免疫グロブリンについて検討した.
性株の出現は低率であった.副腎皮質ステロイドホルモ
研究方法
ン,リゾチーム,グルタチオンは本実験ではいずれも抗
1)薬剤感受性の測定にはHeLa細胞の単層培養に
ヘルペス効果を示さなかった.
2)蛍光抗体価は血清中の抗体価測定法の中では最も
ヘルペスウイルスを接種し,生ずる感染focusの拡大を
鋭敏で高い価を与え,かつ補体結合抗体価,中和抗体価
抑止する薬剤の濃度を求めた.
とよい相関を示した.なお発病時と回復期の抗体価の比
Focusの観察には蛍光抗体法の直接法を用いて調べ
較から初感染を証明する場合にも用いうることが判っ
た.
2)血清及び涙液中の抗ヘルペス抗体を上記の感染
た,
角膜ヘルペスの基本型とされる樹技状角膜炎におい
focusを用い,一次抗体に血清または涙を,二次抗体に抗
ヒト・ガンマグロブリン・ウサギ標識抗体を反応させる
て,蛍光抗体法による涙液中の抗ヘルペスIgAは発病時
方法,すなわち蛍光抗体法の間接法によって測定した.
に低値を示し,回復とともに上昇した.抗ヘルペスIgG
血清の場合は希釈倍数を蛍光抗体価とした。涙液の場合
は逆に発病時に高く,回復期にやや低下を示した.
免疫拡散板法によるIgA, IgGの値も蛍光抗体法によ
は蛍光の強さから抗体の量の段階をつけた.その他血清
るものと同様の傾向が得られた.
の中和抗体と補体結合抗体をマイクロタイター法で測っ
た.免疫グロブリン量は免疫拡散板によった.
IgA対IgGの比は発病時に1より小,回復期に1よ
研究結果と考察
り大となった.IgMは炎症眼,非炎症眼ともに涙液中
1)昭和45年46年の2年間に角膜ヘルペス患者から
には測定可能な量は見出せなかった。
角膜ヘルペスの発病及び経過と涙液中のIgA, IgGと
分離したウイルス18町中16株はIDU(5-1・do-2’一deoxyuri-
の間の関係が示唆される成績を得た.
dine), IDC(5-IGdo-2,・deQxycytidine), F3TdR(Trifluoro-
thymidine)それぞれの12.5γ/ml以下でその増殖が阻止
一715一
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論 文 審 査 の 要 旨
角膜ヘルペスは眼感染症の中では頻度と重篤さにおいて,現在最も重要な疾患の一つである.本論文は
本症患者角膜病巣から分離した単純ヘルペスウイルス株について,その抗ウイルス剤に対する感受性の実
態を明らかにした.また蛍光抗体法を用いて血清および涙液の抗ヘルペス抗体を測定する方法を考案し,
本症の病期と免疫グロブリンの変動との関係を追及した.医学上価値あるものと認めた.
2)Pandemic of New Type・f Conjunctivitis(新型
主論文公表誌
1 単純ヘルペスウイルスの抗ウイルス剤及びその他
結膜二炎の世界的流行).
の薬剤に対する感受性について.
The I・ancet, June 3,1191~1194(1972)
日本眼科学会雑誌第76巻第7号 399~
3) 2,3の眼疾患に対するCZ(Clofezone)内服の
治療経験
403(1972年)
H 角膜ヘルペス患者血清及び涙液中の抗体につい
眼科臨床医報 第66巻 第1号 83~86(1972
年)
て.
日本眼科学会雑誌第77巻第1号 8~14
4) テタニー白内障
一偏性副甲状腺機能低下症に合併した白内障の一
(1973年)
例一
副論文公表誌
1)新型流行性結膜炎一急性出血結膜炎一
眼科臨床医報 第65巻 第9号 7~10(1971
眼科 第14巻 第9号 726~730(1972年)
年)
一716一
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