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富 市中 市街地活性化が 分布に与える影響

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富 市中 市街地活性化が 分布に与える影響
富⼭市中⼼市街地活性化が
⼈⼝分布に与える影響
富⼭⼤学 岩⽥ゼミ
⽬次
1.
富⼭市の概要
2.
研究の動機
3.
研究の⽬的と⽅法
4.
GISによる分析
5.
重回帰分析
6.
結論
⒈富⼭市の概要
富⼭市は、富⼭県の中⼼部に位置し、東は⽴⼭連峰を隔
てて⻑野県に接するとともに、南は岐⾩県に接し、北は
⽇本海の富⼭湾に⾯している。
富⼭県の県庁所在地であり、中核市に指定されている。
⼈⼝
418,536⼈(平成28年10⽉末現在)
⾯積
1,241.77㎢
⼈⼝密度
337⼈/㎢(県庁所在地で下から4番⽬)
富⼭市の概要
地⽅都市特有の問題に直⾯する富⼭市
 中⼼市街地の⼈⼝減少と空洞化
 住宅や施設の郊外移転により薄く拡がった市街地を形成
このような⼈⼝が拡散した都市はさまざまな機能が⾮効率
⇒上下⽔道や除雪などの⾏政サービスにかかる費⽤が増加
市としては財政的にも⾏政サービスを効率化したい
富⼭市のコンパクトシティ政策
 公共施設や住宅の集約で⾏政コストを削減
 既存の公共交通が発達している地域に⼈を集める
 中⼼部への移転に補助⾦を出す
 具体的な事業
 富⼭ライトレール、市内電⾞環状化
 まちなか居住推進事業、公共交通沿線居住推進事業
etc.
まちなか居住推進事業
富⼭市の中⼼市街地436haの範囲内で、住宅
や共同住宅の建設、賃貸住宅へ転居をする、
事業者や市⺠に対して補助⾦が助成される制
度
計画年次
2005年〜2014年
中⼼市街地該当地区
公共交通沿線居住推進事業
鉄軌道をはじめとする公共交通を活性化させ、そ
の沿線に居住、商業、業務、⽂化等の都市の諸機
能を集積させることにより、公共交通を軸とした
拠点集中型のコンパクトなまちづくりを⽬指す。
計画年次
2007年〜2026年の20年間
富⼭市が⽬指す「お団⼦と串」の都市構造
⒉研究の動機
研究の動機
まちなか居住推進事業と公共交通沿線居住推
進事業の2つの政策が始まってから10年が
経過しようとしており、これらの政策の効果
が現時点で確認できるかを調べたい。
⒊研究の⽬的と⽅法
⽬的
 富⼭市全体の町丁⽬を対象として、都市構造を⼈⼝密度
の変化から分析し、まちなか居住推進事業と公共交通沿
線居住推進事業の効果を測る。
⽅法
 ⼩地域GISを⽤いて、市の⼈⼝変動の動向を視覚的に
把握する。
 ⼩地域ごとの⼈⼝変化を社会経済データを使った回
帰分析によって統計的に分析する。
⒋GISによる分析
GISとは
GIS(Geographic
Information
System︓地理情報システム)とは、
様々な位置に関する情報を持った
データを、地図上に視覚的に表⽰す
ることができる技術。

本研究ではQGISというソフトを使⽤

富⼭市の⾏政区域はe-statよりダウンロード
説明変数のデータ収集⽅法
 05年、10年、15年の3年分の富⼭市の町丁⽬別の総⼈⼝
 政策の対象地域
 鉄軌道駅
➡国⼟数値情報のデータ及び富⼭市が発表するデータを
QGISで富⼭市の⾏政区域データと結合
2005年から2010年の⼈⼝の増減
2005年から2015年の⼈⼝の増減
⒌重回帰分析
⽤いる分析⽅法
『差の差の推定法』
☞時間を通じた変化(差)が、政策導⼊の有無によって
異なる(差がある)かを⾒ることで政策の効果を調べる
⽅法
ここでは推進事業が⾏われる前後の⼈⼝密度の変化が補
助⾦の有無によって異なっているかを調べる。
推定式
Yit=β0+β1Ti+β2AFTERt+β3(Ti×AFTERt)+Uit
被説明変数
説明変数
⼈⼝密度 Yit
年ダミー AFTERt
居住推進地区(対象町丁⽬+鉄軌道駅から
500mの範囲) Ti
上記⼆つの掛け合わせダミー AFTERt×Ti
差の差の推定法による補助⾦の効果の検定
富⼭市の⼈⼝は年々減少傾向にある
居住推進事業(補助⾦の⽀払い)が⾏われていない地域
居住推進事業(補助⾦の⽀払い)が⾏われている地域
※どちらの地区も同じ量だけ⼈⼝および⼈⼝密度が下がる
補助⾦が減少する⼈⼝密度をそのまま増加に転じさせるとは考えづらい
差の差の推定法による補助⾦の効果の検定
補助⾦が対象地域の⼈⼝減少を抑え
る効果があるならば、補助⾦の対象
地域の⽅が補助⾦の対象地区外より
も⼈⼝の減少の量がゆるやかになる
はず
2005年と2010年
2005年と2015年
分析結果
回帰分析の結果の⽐較
・掛け合わせダミー
2005年~2010年ではマイナス
2005年~2015年ではプラス
⇒有意ではないものの、⼈⼝の減少が緩やかになった
ことがわかる
6.結論
結論
GISでの視覚的な分析では、⼈⼝密度の増減について
はまだはっきりとした傾向はみられない。
重回帰分析による統計的な分析では、有意ではないが、
政策の実施によって⼈⼝密度の減少が緩やかになった可
能性がある。
参考資料
 住⺠基本台帳
 富⼭市まちなか移住推進計画
 公共交通沿線居住推進事業
 国勢調査(平成12年度、平成17年度、平成22年度)
 富⼭市ホームページ(http://www.city.toyama.toyama.jp/index.html)
 国⼟数値情報(http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/)
 政府統計の総合窓⼝e-stat
(http://www.estat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do)
ご清聴ありがとうございました。
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