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DRA-CAD を利用した固定資産の見える化

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DRA-CAD を利用した固定資産の見える化
DRA-CAD を利用した固定資産の見える化
■固定資産管理ツールとして DRA-CAD を選択
社内で「固定資産を見える化しよう。」という方針になりました。建築の専門知識がない
人や、建物の過去の履歴を知らない人でも、自社の固定資産を管理できるようにすること
を目指しました。そのための方法やツールを探す中で、DRA-CAD を利用することを提案
し、提案者がまずやってみることになりました。
大がかりなシステムを構築するより DRA-CAD の基本的な機能のみを使って誰でも簡
単にできるようにと考えました。実際に行う操作は、文字入力、図形の拡大縮小、写真や
Excel で作成した帳票の貼り付けなどです。また、DRA-CAD 以外は、特別なソフトを使
用しなくてもできるようにしました
■DRA-CAD 上に全ての情報を集める
固定資産管理の DRA-CAD データは、フロア全体の現況図の図面枠と固定資産ごとの図
面枠で構成されています。フロア全体の現況図を中央に配置し、周囲に固定資産ごとの図
面枠を配置し、フロア別、年度別に 1 ファイル作成します。固定資産ごとの図面枠は必要
に応じて増やしていき、各図面枠は印刷ページとなります。
【図 1】
固定資産管理の DRA-CAD データ
中央にフロア全体の現況図、周囲に
固定資産ごとの図面枠を配置する。
まず、外構から各階平面図を配置してフロアごとに、このシートを作成します。その後、
固定資産を 1 つ追加するごとに DRA-CAD データの中に情報を追加していきます。固定
資産ごとの図面枠に、追加した場所を拡大した平面図とタイトル、メモ書き、Excel で作成
した帳票、写真を貼り付けます。つまり、全ての情報を DRA-CAD 上に集めてして管理し
ていくわけです。これを見れば「どの場所に、何時、どういうものを追加しました。
」とい
う情報が一目瞭然にわかります。除却したときも、その金額がわかります。
これまでは新築時から存在する固定資産なのか、後で追加した固定資産なのか、後から
来た担当者にはわかりませんでした。それを設計図書と見比べて判断するのも大変に困難
です。しかし、このデータがあればすぐにわかります。このように DRA-CAD データに固
定資産の追加、除却の情報を毎年度追加していくことを、固定資産台帳の更新とともに継
続しています。
建築の専門知識や、建物の新築以来の履歴を知っているなど、経験がものをいう固定資
産管理でなく、誰が見てもわかるものを目指しました。
【図 2】
固定資産ごとの図面枠
固定資産が追加されたら、その場所
を拡大した平面図とタイトル、メモ書
き、Excel で作成した帳票、写真を貼
り付ける。全ての情報を DRA-CAD
上に集めてして管理する。
■建物竣工直後から固定資産管理をスタート
新築の場合、竣工図のデータをもらったらすぐに固定資産管理のシートを作成します。
設計は基本設計のみを自社で行っています。概算を出してそれを元に設計事務所に委託し
ます。ですから設計段階から CAD データは持っています。設計事務所に設計依頼するとき
も CAD データをもらう条件でしています。設計事務所の CAD データが DRA-CAD でな
い場合は、DWG や DXF 形式でもらいます。古い物件で CAD データが無い場合は、紙図
面から平面図をおこしました。管理している物件は、寮、社宅、ショールームなどの他に
大規模な商業施設もあります。商業施設のように外部のテナントが入居する物件では、B
工事の資産も管理します。
■ルールを確立し「全員参加」で継続していく
実際に検収を上げる業務を担当するスタッフが DRA-CAD の入力を行います。前述の、
文字入力、図形の拡大縮小、写真や Excel で作成した帳票の貼り付けなどの操作を教えて
います。検収を上げたらデータを入れるルールです。理想は、この固定資産管理の方法を
ルール化し、継続し、建築の知識が無い人でもできるようになることです。専門的なこと
をあまり要求しないようにすること、ルールだけはきちんとすること、コマンドはあまり
たくさん使用せず基本的な機能のみを使うことを方針としました。経験と知識がある人が
行えば、すぐに終わりますが、そうではなく「全員参加」である事が必要です。担当者が
代わっても、支障なく継続できることが重要なのです。ルールを作り、継続することが、
今は手間がかかっても、将来の効率化につながるからです。
この「固定資産の見える化」を始めて3年目になります。固定資産の管理をしっかり行
っているかどうかは、外部からの評価にも影響します。今後も「固定資産の見える化」のル
ールを改善しながら継続していきます。
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