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外来生物問題に関する企業等による取組事例

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外来生物問題に関する企業等による取組事例
資料5-6
外来生物問題に関する企業等による取組事例
企業や業界団体等の活動も、外来生物問題と関係を持つ場合が増えてきた。
環境省が平成 21 年度に取りまとめた「生物多様性民間参画ガイドライン」に示されてい
るような指針や環境配慮型の養殖を認証する制度等の主旨(外来種の使用を極力避ける等)
に沿って活動を行う企業や、外来生物関係の勉強会や特定外来生物の飼養等を伴わない作
物の使用や個体の引き取り等、自主的取組も展開している例も見られる(事例1~7)
。
■企業等による好ましいと考えられる取組事例
事例1:環境配慮型の養殖の認証制度(WWF等と、認証を目指すヤンマー)
世界の漁獲量の約4割を占める養殖による海の環境悪化を食い止めようと、NGO「世界自然保
護基金」
(WWF)などが、環境配慮型の養殖を認証する世界初の制度を始める。養殖で周辺海域が
汚染されたり、外来種が持ち込まれるなど、海の環境破壊や生物多様性を損なうのを防ぐことを
目指す。制度導入は 12 年で、国内でもアサリ養殖に取り組む企業が認証第1号を目指し準備を
始めた。
名古屋市で開催中の国連生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10=名古屋会議)でも海洋生
態系の保全は最重要課題で、注目を集めそうだ。
東南アジアのエビ養殖で沿岸のマングローブが伐採されたり、
養殖向けの幼魚を乱獲されたヨ
ーロッパウナギが絶滅危惧(きぐ)種になった。日本では、養殖用に中国から輸入したアサリと
一緒に天敵の貝が持ち込まれ、各地の国産アサリに被害を与えている。
認証基準は魚種ごとに決められ、「養殖用稚魚を乱獲しない」
「過剰な餌や薬剤散布をしない」
などと定める。条件を満たすと店頭で「エコラベル」を表示できる。すでに二枚貝とナマズ類で
基準が固まり、今後、エビやサケなどで順次策定される。
国内では、機械メーカー「ヤンマー」が、アサリ養殖の認証を目指す。大分県内の施設でアサ
リを卵から稚貝(1~5ミリ)まで育て、各地の漁業者が稚貝をカゴに入れて海面からつるす独
自の手法で養殖する。卵は養殖地と同じ海域の国産アサリから採るため、養殖海域の生態系を乱
す恐れがなく、卵から出荷まで追跡できる。
同社の橋本康治部長は
「輸入品と混ざる恐れがなく、
漁業者にとって付加価値の高い商品になる。国際的な認証をいち早く獲得し、環境配慮型養殖へ
の理解を広げたい」と話す。
海の資源管理に詳しいアミタ持続可能経済研究所(東京)の伊沢あらた上級研究員は「養殖に
よる漁獲の比率は増えている。この取り組みは生態系の保護と、安全を求める消費者のニーズに
も合う」と期待を寄せる。
出典:毎日新聞(平成 22 年 10 月 23 日)
事例2:セイヨウオオマルハナバチ対策(株式会社アレフ)
ファミリーレストラン「びっくりドンキー」などを展開する株式会社アレフでは、特定外来生
物のセイヨウオオマルハナバチを栽培に用いていないトマト、
ミニトマトのみを材料として調達
している。また北海道内のセイヨウオオマルハナバチの駆除活動なども行っている。
出典:草刈秀紀 編著.2010.知らなきゃヤバイ!生物多様性の基礎知識
事例3:外来生物(魚類)の引き取り制度「おさかなポスト」
(川崎河川漁協)
ペット用などで飼われていた外国産の魚が、日本の河川に放され、生態系を脅かしている。ア
マゾンになぞらえ「タマゾン川」とも呼ばれる首都圏の多摩川は典型例だ。名古屋市の川にも北
米原産の大型外来魚が生息する。世界自然遺産をめざす小笠原諸島も例外ではない。国連地球生
きもの会議の作業部会は 21 日、外来種の取引の管理・監視体制を検討する専門家集団の設立で
合意した。
「熱帯魚にも命があるのにいらなくなれば捨ててしまう」。多摩川で外来魚の監視を続ける川
崎河川漁協の山崎充哲(みつあき)さん(51)はそう嘆く。
外国産のナマズ類、熱帯魚のグッピーやエンゼルフィッシュ――。多摩川でこれまでに見つか
った外来魚は、200 種を超す。
「下水処理水の影響で、冬でも水温が 24 度くらいの場所もある。グッピーは越冬して繁殖し
ている」と山崎さん。魚に病気を広げるウイルスや細菌が外来魚と一緒に侵入していないか心配
だという。
放流行為を防ごうと、山崎さんらが5年前に川崎市内に設置した「おさかなポスト」という専
用水槽には、昨年までに3万匹以上、300 種近くの魚が持ち込まれた。
大きくなり飼えないという理由のほか、最近は失職などでお金がなくなり手放す人も目立つと
いう。魚は飼育を希望する「里親」に渡す。
10 月中旪の夕刻。「里親」を志望する愛知県内の 20 歳代の男性が、車で5時間かけて山崎さ
んの家へやってきた。「ネットでポストを知った。魚には何も罪はない。かわいそうだから引き
取ります」
全長が 50 センチを超す外来魚ガーパイクなど5匹を受け取った。自宅で飼うという。
出典:朝日新聞(平成 22 年 10 月 22 日)
事例4:外来生物(昆虫類)の引き取り制度「クワガタポスト」
(ドルクスグッズ)
ドルクスグッズは東京・中野の店先にクワガタやカブトを回収する「クワガタポスト」を設置
した。週1、2回、容器に入ったクワガタやカブトが投入される。ギラファノコギリクワガタの
10 ペアとヘラクレスオオカブトの6ペアが一度に持ち込まれたこともある。角田正人社長は「日
本の生態系に影響を与えないように店も対応しなければならない」と話している。
出典:朝日新聞(平成 22 年 10 月 22 日)
事例5:外来生物調査(株式会社 NTT データ)
NTT データグループは、生物多様性保全という社会課題への貢献活動を目的に、財団法人日本
自然保護協会(東京都中央区 理事長:田畑
貞寿)の協力のもと、2010 年6月から9月まで
の約3ヶ月間、NTT データグループの社員・家族による「生きもの情報館」を活用した水辺の外
来種調査を実施しました。
この調査は、外来種生物の中でも分布の記録が十分に収集できていないとされている、アメリ
カザリガニやウシガエルといった水辺に生息する外来種について、日本全国の主要拠点 10 箇所
で NTT データグループ社員とその家族、のべ 230 名が分布状況の調査を行い、自然保全活動を
IT で支援する市民参加型 WEB サイト「生きもの情報館」への登録を行う形で実施されたもので
す。
調査内容を「生きもの情報館」に登録
自然観察員の説明を受けながら外来種を観察
出典:株式会社 NTT データ(http://www.nttdata.co.jp/release/2010/101500.html)
事例6:アルゼンチンアリの駆除における無償協力(フマキラー株式会社)
2010 年 10 月上旪に東京港でのアルゼンチンアリの生
息が確認された。この防除に関して、フマキラー株式会
社が無償での薬剤提供を申し出てくれている。
出典:フマキラー株式会社 HP
(http://www.fumakilla.co.jp/argentine/)
事例7:外来生物フィギュアをモチーフとしたストラップ(タカラトミーアーツ株式会社)
タカラトミーアーツ株式会社では、カプセル自動販売機で発売するカプセルトイ(ガシャポン)
として、外来生物のフィギュアをあしらった「立体カプセル百科事典 注意!!日本の外来生物
ストラップシリーズ」を 2010 年9月より販売(価格 200 円)している。
ラインナップは外来種のなかでも生態系への影響が大きい種類として
「日本の侵略的外来種ワ
ースト 100」から選ばれており、「アライグマ」、
「オオクチバス」
、
「シロアゴアゴガエル」、「ア
ルゼンチンアリ」
(以上、特定外来生物)
、「アカミミガメ(ミドリガメ)
」、
「セイヨウタンポポ」
(以上、要注意外来生物)の6種+シークレット「アカミミガメ(ミドリガメ)のアルピノ」の
計7種となっている。
出典:タカラトミーアーツ株式会社 HP(http://my.tomy.co.jp/arts/meisai.aspx?n=Y988332)
同梱されている解説書
ストラップの実物
一方で、例えば一部の企業では、発売する商品のイメージキャラクターとして動物を採
用する事例がある(事例1~4)
。その際、その姿のかわいらしさや仕草、仕草からのイメ
ージといった部分のみを考慮し、社会的影響が加味されていないと推察される例が散見さ
れる。
■企業等による問題と考えられる取組事例
事例1:アライグマをイメージキャラクターに(ラスカル会)
テレビアニメ「あらいぐまラスカル」についてはラスカル会の活動を例として示す
<ラスカル会とは>
ラスカルや世界名作劇場を応援していくための会となっています。ライセンシーの方々や、キ
ャンペーンなどラスカルビジネスに参加していただいている企業の方々の協力をもとに成り立
っています。
具体例としては、ラスカルグッズを今までよりも一層に充実したものにしたり、ファンの皆さん
に喜んで頂けるような商品を新企画したりしています。
出典:ラスカル会 HP(http://www.nippon-animation.co.jp/rascalgroup/index.html)
ラスカル会メンバーリスト
●トランプ・カレンダー・ジグソーパズル
天田印刷加工株式会社
●衣料・衣料雑貨
伊藤忠商事株式会社
●ウオッチ
株式会社ウィングインターナショナル
●紙芝居・その他
株式会社エフ・クルー
●インテリアグッズ
エムアンドアイアートシステム株式会社
●トイレットペーパー
大分製紙株式会社
●地域限定グッズ
株式会社オンリーワン
●ステーショナリー
株式会社学研トイホビー
●玩菓
カバヤ食品株式会社
●キャンディ
カンロ会社
●絵本
株式会社ぎょうせい
●クレジットカード
株式会社クレディセゾン
●石けん・ボディソープ
株式会社クロバーコーポレーション
●ジグソーパズル
株式会社毛塚
●入浴剤
コナミ株式会社
●CD
コロンビアミュージックエンターテインメント株式会社
●ステーショナリー
株式会社ジェイ・エフ・エー
●イメージキャラクター
株式会社十八銀行
●刺繍メモリーカード
蛇の目ミシン工業株式会社
●木製品
株式会社スカイフィールド
●ぬいぐるみ・オルゴール・マスコット
株式会社セキグチ
●ダンシングぬいぐるみ
株式会社大永商事
●文庫(CD 付)
株式会社竹書房
●食器
株式会社たち吉
●絵本
中央出版株式会社
●北海道限定グッズ
株式会社 T.M.R.
●雑貨
株式会社トミー
●イメージキャラクター
株式会社東和銀行
●グリーティングカード・玩具
株式会社ドリームズ・カム・トゥルー
●ケーキ・クッキー
株式会社長登屋
●キャンディ・玩菓
株式会社ハート
●マスコット
株式会社ハピネット
●知育絵本・雑貨
株式会社バンダイ
●DVD ソフト
バンダイビジュアル株式会社
●アミューズメント・人形焼き
株式会社バンプレスト
●スタンプ
株式会社ビバリー
●商品&イベント企画・クリエイティブワーク プレスト株式会社
●絵本
株式会社文渓堂
●ビデオ
株式会社ポニーキャニオン
●ミニチュア食器
株式会社丸昌
●イメージキャラクター
三井物産ハウステクノ株式会社
●イベント
株式会社ムービックプロモートサービス
●フィギュア
株式会社メガハウス
●ティッシュペーパー
八幡浜紙業株式会社
●セーフティーサイン
株式会社ラッキーコーポレーション
●キーホルダー・マスコット
株式会社ラナ
●エージェンシー(映像販売)
中央映画貿易株式会社
●エージェンシー(三井物産ハウステクノ株式会社)
株式会社ディ・エス・ピイ
●エージェンシー(株式会社東和銀行)
株式会社 DNP メディアクリエイト
●エージェンシー(株式会社セブン-イレブン・ジャパン) 株式会社東急エージェンシー
●エージェンシー(株式会社十八銀行)
凸版印刷株式会社長崎営業所
●携帯コンテンツ
ジェイアニメドットコム株式会社
出典:ラスカル会 HP(http://www.nippon-animation.co.jp/rascalgroup/index.html)
事例2:アライグマをイメージキャラクターに(健栄製薬株式会社)
イメージキャラクターとしてアライグマを採用。
テレビCMにおいても実際のアライグマを出
演させるもの作成し、放映していた。現在もマスコットとして使用しており、着ぐるみキャラク
ターとおどる「手ピカおどり」を発表している。
出典:健栄製薬株式会社 HP(http://www.tepika.net/about/products/index.html)
事例3:アライグマをイメージキャラクターに(パナソニック電工)
パナソニック電工のキャラクター
しっかり者のやすし君
「せつやっクマ」元気な「つよし君」
おおらかな「ひろし君」
得意技は節水です パナ電工が新キャラ「せつやっクマ」
パナソニック電工は、水回り製品の節水・省エネ能力をアピールするキャラクター「せつやっ
クマ」を広告やカタログなどに起用する。アライグマがモデルで、
「節水で洗おう」とお風呂や
トイレ、食器洗い機などの紹介に登場させる予定。
ポーカーフェースが魅力のパパという設定で、子どもはしっかり者の「やすし」
、元気な「つよ
し」
、おおらかな「ひろし」の3兄弟。お母さんは「今後登場させる予定」
(広報)という。
出典:電子新聞記事 asahi.com(2010 年 3 月 16 日)
事例4:アライグマをイメージキャラクターに(福島県クリーンふくしま運動推進協議会)
あらいぐまのふくちゃん
空き缶等の散乱ごみについての対策を考え、清潔で潤いのある美しい県土を守る県民運動の効
果的な推進を図ることを目的として設立された。県内各界を代表する学識経験者、関係行政機関
の代表で組織された「クリーンふくしまを考える会」の提言を受け、空き缶等散乱ごみの効果的
な対策の推進母体として設立された団体。福島県内の企業や行政機関・教育機関、関係業界、報
道機関、各種団体など 82 会員の構成団体がある。
出典:福島県クリーンふくしま運動推進協議 HP
(http://www.pref.fukushima.jp/hozen/cleanfukushima/cleanfukushimatop.html)
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