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Ideas for Japanese-Language Classrooms
みなさんの学習者は、覚えた漢字の形をすぐ忘れたり、書く練習
授業のヒント
じゅ
たの
かん
かん じ
かたち
わす
こんかい
じゅく ご
じ
おぼ
か
れんしゅう
じゅぎょう
なか
なら
かん じ
熟語を楽しく書きながら記憶を強化する練習を 3 つご紹介します。
ぎょう
楽しい漢字の練習
テーマ
がくしゅうしゃ
をいやがったりしていませんか。今回は、授業の中で習った漢字や
たの
か
き おく
きょう か
れんしゅう
しょうかい
します。
2.学習者にその問題を提示して答えを考えさせます。
れん しゅう
がくしゅうしゃ
もんだい
てい じ
こた
かんが
「人」のよ
3.クラスで答えあわせをします。この時、
目的
こた
もくてき
・単調になりがちな漢字の練習を楽しく行う。
たんちょう
かん じ
れんしゅう
たの
ぶ しゅ
おこな
かくすう
か
じゅん
かたち
ぶ しゅ
ちゅうもく
すこ
か
おお
か
ちゅうもく
てください。また、答えは一つの場合も、複数にな
・熟語を増やす。
じゅく ご
ひと
それぞれの部首の大きさが変わることにも注目させ
・漢字のつくりや画数や書き順にも注目させる。
かん じ
とき
うに部首になると形が少し変わるものがあることや
こた
ふ
ひと
ば あい
ふくすう
る場合もあります。
学習者のタイプ
ば あい
がくしゅうしゃ
・初級から上級
しょきゅう
<アドバイス>
じょうきゅう
クラスの人数
活動の形態としては、学習者が一人で答えを考えるの
にんずう
かつどう
・何人でも
けいたい
がくしゅうしゃ
なんにん
かんが
こた
どう
じゅん び
かんが
かつ
せんせい
れい
示したあとで、学習者に計算式を考えさせ、互いの問題
・ワークシート、黒板
しめ
こくばん
がくしゅうしゃ
けいさんしき
かんが
たが
もんだい
に答えるという活動にすることもできます。
こた
かつどう
さらに、漢字の部首だけでなく、すでに習ったカタカ
◆漢字計算
かん じ
ぶ しゅ
なら
ナを利用して漢字の計算問題を作ることもできます。た
かん じ けい さん
り よう
漢字は一度学んだだけでその形を記憶しておくのはな
いち ど まな
かたち
たいへん
ぶ しゅ
く
ゆう
あ
けいさんもんだい
り よう
かんたん
くち
た
けいさん
わす
れい
れい
かん じ
けいさんもんだい
か
よう い
ざん
か
ざん
わ
ざん
か
た
ひ
ざん
か
ざん
覚えやすいですし、
このように、漢字を分解して覚えると、
た
し算は引き算に、掛け算は割り算の問題にもで
ひ
すこ
ヒ×2= 比(掛け算)
かんが
黒板に書くか、ワークシートを用意します。足
ざん
れい
紹介してみましょう。
しょうかい
<準備>まず、次の例のような漢字の計算問題を考えて
こくばん
ざん
考えることもできます。カタカナの計算の例をもう少し
例)イ+ヒ= 化(足し算)
は忘れなくなります。
つぎ
つく
かんが
る漢字もたくさんあり、そのことを利用すれば、簡単に
かん じ
かん じ
とえば、「夕+口」はカタカナの「タ+ロ」の足し算と
き おく
かなか大変です。しかし、部首の組み合わせでできてい
じゅん び
こた
動にしてもいいでしょう。また、先生がいくつかの例を
準備するもの
かん じ
ひとり
もいいですが、ペアやグループになって答えを考える活
かん じ
ぶんかい
おぼ
おぼ
また、次に新しい漢字を導入するときにも、学習者がそ
もんだい
つぎ
あたら
かん じ
どうにゅう
がくしゅうしゃ
のような見方で漢字をみるようになるので効果的です。
きます。
み かた
かん じ
こう か てき
● 例)漢字の部首の組み合わせを使った計算問題
れい
かん じ
ぶ しゅ
く
あ
つか
けいさんもんだい
日+月 =(明)
にち
足し算
た
ざん
(引き算)
ひ
ざん
つき
◆漢字じゃんけん
めい
かん じ
木+一 =(本)
き
いち
ほん
このゲームは、元々、アメリカの日本語教師マーレン
木+人 =(休)
き
ひと
もともと
白+一 =(自、百)
しろ
いち
じ
ひゃく
という教科書の中にも似たようなゲームが紹介されてい
きょう か しょ
なか
に
ます。今回はそれに、本コーナー担当者が少しアイディ
木×2 =(林)
アを付け加えました。漢字の画数や書き順にも注目させ
木×3 =(森)
て書きの練習をさせたい人におすすめのゲームです。今
口×2 =(回)
回は、五画までの漢字を取り上げてみましょう。
口×3 =(品)
<準備>勉強した漢字を画数でまとめたワークシート、
くち
な
こんかい
き
か
ざん
(割り算)
わ
ざん
しょうかい
夕+口 =(名)
ゆう
掛け算
に ほん ご きょう し
さんのアイディアです。オーストラリアの『Obento』
きゅう
つ
はやし
き
くち
じゅん び
か
じゅん
ちゅうもく
かん じ
べんきょう
かん じ
と
こん
あ
かくすう
黒板
タ×2 =(多)
ゆう
かくすう
すこ
ひと
ご かく
しな
たんとうしゃ
かん じ
れんしゅう
かい
かい
くち
くわ
か
もり
ほん
こくばん
た
<手順>
て じゅん
<手順>
1.勉強した漢字を画数でまとめたワークシートを配り
て じゅん
べんきょう
1.例題の問題をいくつかやって、計算のやり方を説明
れいだい
16
もんだい
けいさん
かた
せつめい
ます。
かん じ
かくすう
くば
2.教師は、一画から五画までの習った漢字を学習者に
きょう し
いっかく
ご かく
なら
かん じ
◆熟語しりとり
がくしゅうしゃ
あげさせて、それを黒板に書きます。その時、教師
こくばん
か
とき
じゅく ご
きょう し
は、本当にその漢字が指示した画数の漢字であるか
ほんとう
かん じ
し じ
かくすう
このゲームは、熟語の後ろの漢字で始まる熟語をつな
かん じ
じゅく ご
どうかを確かめるように書きます。
たし
うし
かん じ
はじ
じゅく ご
げていくゲームです。漢字熟語をたくさん習得した中級
か
かん じ じゅく ご
しゅうとく
ちゅうきゅう
以上の学習者が対象となります。
い じょう
一画
一
いっかく
いち
二画
じゅん び
に
ひと
にゅう
なな
はち
て じゅん
きゅう
1.はじめに、教師が一つの熟語を与え、ワークシート
三画
三、口、川、山、土、万、千
さんかく
さん
四画
火、水、五、六、円
よんかく
くち
ひ
五画
かわ
みず
やま
ご
つち
ろく
まん
きょう し
よん
じょう き
きょう し
か
こん かい
かた
ず
しゃ
せつめい
つぎ
がくしゅう
ほん
かん じ
ぜん ぶ で
こん ど
し
じ
がくしゅうしゃ
わ
いっ
いち まい
かんが
じ かん
こくばん
かん じ
か
あた
こた
か
そして熟語の読み方や意味の確認をします。一番長
じゅく ご
二人で書いていきます。このとき、Aさんは青いペ
よ
かた
い み
かくにん
いちばんなが
くて正しい熟語のしりとりを考えたグループを勝ち
あお
ただ
ン、Bさんは、赤いペンを持ちます。
あか
かんが
4.時間になったら、黒板に答えを書いてもらいます。
生 徒 がペアになって一 枚 のワークシートに漢 字 を
せい と
じゅく ご
かた
てい じ かん
かくすう
はじ
定時間を与え、しりとりを考えさせます。
3.黒板にそれぞれの画数の漢字が全部出たら、今度は、
じゅく ご
かんが
か
とします。
も
<アドバイス>
勝った人がワークシー
4.一画毎に、じゃんけんをして、
いっかく ごと
か
ひと
トに一画の漢字から一画ずつ漢字を書いていきます。
いっ かく
あた
3.やり方がわかったら、学習者をグループに分け、一
せい と よう
くうらん
ふたり
じゅく ご
者には「本」で始まる熟語を考えるよう指示します。
か
こくばん
に ほん
2.そして、ゲームのやり方を説明するため、次に学習
は右側が空欄になっています。
みぎがわ
あた
えん
はん
こくばん
じゅく ご
てみましょう。
注:上記は教師が黒板に書く図です。生徒用のワークシート
ちゅう
ひと
に書かせます。今回は、「日本」という熟語を与え
せん
四、半
ご かく
たいしょう
<手順>
二、人、入、七、八、九
に かく
がくしゅうしゃ
<準備>クロスワードのワークシート
かん じ
いっ かく
かん じ
漢字の熟語を思い出すのは難しいかもしれないので、
か
かん じ
じゅく ご
おも
だ
むずか
辞書を使ってもよいです。
じ しょ
<図>
つか
また、以下の例のように、穴埋めをして熟語のしりと
ず
い か
れい
あな う
じゅく ご
りを完成させる問題を先生が準備するという方法もあり
かん せい
もん だい
せん せい
じゅん び
ほう ほう
ます。
「熟語しりとり」例(答えは参考文献の下にあります)
じゅく ご
れい
日
こた
さんこうぶんけん
本
(①) 間
食 (②)
5.最後の漢字まで書いたら、ゲームは終わりです。そ
さい ご
かん じ
か
件
お
して、できるだけたくさん画数を書いた人の勝ちに
かくすう
か
ひと
か
なります。
<アドバイス>
ぜんはん
なら
かん じ
そうふくしゅう
さんこうぶんけん
つか
1.『Japanese for young people II. Kanji workbook』AJALT
し、新しい漢字の書きの導入にも使えます。そして、後
あたら
かん じ
か
どうにゅう
つか
こう
2.『絵でわかるかんたんかんじ 80』スリーエーネットワーク
半は、じゃんけんをやりながら書きの練習をすることに
はん
か
え
れんしゅう
3.『漢字学習のアイディア』小学館
なります。漢字が書き順や字形も含めて正しく書けてい
かん じ
か
じゅん
じ けい
ふく
ただ
かん じ がく しゅう
か
あいだ
せんせい
つか
ちが
れい めい しょ ぼう
ぼん じん しゃ
6.『漢字が楽しくなる本』太郎次郎社
ま ちが
かん じ
することができます。また、学習者も一画、一画を意識
がくしゅうしゃ
いっかく
いっかく
ま ちが
かん じ あそ
小玉安恵、阿部洋子(日本語国際センター専任講師)
に ほん ご こくさい
みな
せいこうれい
しっぱいだん
た ろう じ ろう しゃ
し りょう しゅう
みん しゅう しゃ
かいとうれい
17
せんにんこう し
読者の皆さんからのアイディア、成功例、失敗談などぜひお寄せください。
どくしゃ
ほん
「熟語しりとり」解答例 ①人 ②事 ③前
み
じゅく ご
あ べ よう こ
たの
7.『漢字遊びファックス資料集』民衆社
い しき
できたり、お互いに間違いを見つけやすくなります。
たが
かん じ
5.『Basic Kanji Book 500』凡人社
いろ
書いていると、だれがどこで間違えているかをチェック
か
たの
黎明書房
まわ
するとよいでしょう。この時、ふたりが違う色のペンで
とき
しょう がく かん
4.『コピーして使える楽しい漢字クイズ&パズル&ゲーム』
るかどうかは、ペアワークの間、先生が回ってチェック
こ だまやす え
名
(③)
参考文献
この練習の前半は、習った漢字の総復習にも使えます
れんしゅう
した
よ
Fly UP