...

WY-SCT 女性版の併存的妥当性の検討

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

WY-SCT 女性版の併存的妥当性の検討
滋 賀 大 学 教 育 学 部 紀 要 人 文 科 学 ・社 会 科 学 ・教 育 科 学
No.40 p.p.87-95, WY-SCT女
性 版 の併 存 的妥 当性 の検 討
渡
Concurrent Varidation 部
Study 雅
之
of the Female Masayuki Version of WY・SCT
WATANABE
の 文 章 完 成 法 自 我 発 達 検 査(WY-SCT)を
〈問題 〉
87
1990
"自 我"は
、 大 き く分 け て2つ
さ れ て き た 。1つ
は 、Hartmanな
開
の捉 え方 が な
発 した。 そ して 、 内部 一 貫 性 及 び評 定者 間 一 致
どの よ うに 、
率 に よ って 信 頼 性 の 検 討 を行 っ た結 果 、Cron-
自 我 を 機 能 と して 定 義 し よ う と す る 立 場 で あ り 、
bachの α係 数 が0.851と か な り高 い値 を示 し、
も う1つ
評 定 者 間 一致 率 も70%を 超 え る値 を得 た こ と.か
は 、Loevingerに
代 表 される、全体構
造 と して の 自 我 を 想 定 す る 立 場 で あ る 。 こ の 両
ら、WY-SCTの
者 の 立 場 の 違 い か ら 、 自我 の 発 達 水 準 の 測 定 に
けた 。 しか も、年 齢 の推 移 に伴 って 自我 発 達 段
信 頼 性 が 検 証 さ れ た と結 論 づ
も、 異 な っ た手 法 が 用 い られ て きた。 機 能 と し
階 の 上 位段 階 の 占 め る割 合 が 増加 した こ とか ら、
て の 自我 発 達 を 想 定 す る前 者 の 立 場 で は 、 自 我
自我 の発 達 検 査 と して の 妥 当性 も、部 分 的 にで
の 強 さや 自我 機 能 の 働 き を、量 的 に測 定 しよ う
は あ るが示 さ れた と され て い る。 また、 自我 機
と す る 試 み が な さ れ 、Barron(1953a, 能 との 関連 か らの 妥 当性 の検 討 も行 な われ た。
b)の
「自 我 強 度 尺 度(ego strength scale)」 やKlopfer
自我機 能調 査 表(中 西 ・古 市 、1981)の7機
(1951)の ロ ー ル シ ャ ッハ 予 後 評 定 尺 度(Rorschach
の 中 か ら、 「総 合 一統 合 、 衝 動 統 制 、対 象 関係 」
prognosis scale)な
の3つ の機 能 が 選 ば れ 、併 存 的妥 当 性 が 調 べ ら
ど、 多 くの 測 定 尺 度 が 考 案
能
さ れ た 。 こ れ に 対 し てLoevinger(1966、1969、
れ た。 その 結 果 、 総 合 一支 配 機 能 と衝 動 統 制 機
1970)は
能 は 「自我 段 階 とは あ る程 度 独 立 に変 化 して ゆ
、 自 我 を 機 能 の 側 面 か ら量 的 に 測 定 す
る の で は 、 測 定 値 と 自我 発 達 理 論 と の 間 に 整 合
くので は ない か 」 と され た一 方 、 対 象 関係 機 能
性 を 欠 く場 合 が 生 じる と批 判 し、 文 章 完 成 法 に
は 自我 段 階 の 上昇 に対 し負 の 相 関 を示 した こ と
よ る 質的 な 測 定 を考案 した。 彼 女 の 開 発 した 自
か ら、「WY-SCTに
我 発 達 検 査 で あ るWU-SCTは
よ り上 位 の 自我 段 階へ と発 達 す るに あ た っ て 、
、その後、多 く
よ って 測 定 さ れ る 自我 が 、
の パ ー ソ ナ リ テ ィ ー 研 究 を 喚 起 し、 わ が 国 に お
自 己意 識 や 自立 性 の確 立 を要 求 し、集 団 や規 範
い て も、 宮 下(1981)が
の 盲 目的 な受 け入 れ を拒 否 す る こ とを前 提 とす
木(1981a, b)は
そ の 邦 訳 を行 い 、 佐 々
、
Loevinger理
論 に基 づ い て 、
独 自 の 日 本 版 自我 発 達 検 査 の 作 成 を試 み た 。
さ ら に 渡 部 ・山 本(1988、1989)は
、宮 下 や
る ため で は な いか 」 と考 え られ て い る。
しか し、上 記 の 結 果 か らだ け で は、 まだ 十 分
にWY-SCTの
妥 当 性 が検 証 され た と は い え な
佐 々 木 の 尺 度 が 持 つ 欠 点 を 補 う べ く、 「1)検
い 。Loevingerの
示 し た各 自我 段 階 の 特 徴
査 及 び そ の 評 定 を 簡 易 化 す る 、2)男
(Tabel 1参 照)が
、
WY-SCTに
性 版 と女
よ って 測 定 さ
い年 齢 幅 の被
れ る段 階 に おい て 、 実 際 に認 め られ るか を確 か
験 者 層 を用 い る 」 こ と に 留 意 し 、 新 た な 日本 版
め る必 要 が あ ろ う。 そ こ で本 研 究 で は 、 幾 種 類
性 版 に 共 通 性 を持 た せ る 、3)広
88
渡部雅之
か の パ ー ソ ナ リ テ ィー 検 査 と の 関 連 か ら、
定 し、 自我 発 達 段 階 が 算 出 さ れ た。 自 己意 識 的
WY-SCTの
段 階(3/4)に
併存 的 妥 当 性 を検 証 す る 。
そ のた め2つ
の調 査 を実 施 す る。 調 査1で
自我 発 達 段 階 の2側
らわ れ"と"認
面 か ら の特 徴("意
知 様 式")が
は、
識的と
、WY-SCTに
よっ
当 た る もの が 全 体 の 約61%を
占 め た の で 、段 階 に よ る比 較 は3/4段
後 の段 階 をそ れぞ れ1つ
と と した。
て測 定 され た実 際 の段 階 に お い て も認 め られ る
2-3(衝
動 ∼ 同調)群;49名
か を検 討 す る。 調 査2で
3/4(自
己 意 識 的)群;144名
は 、 自我 発 達 段 階 の 残
階の前
に し、3詳 聞 で 行 う こ
りの2側 面 か らの特 徴("衝 動 統 制 ・性 格 発 達"
4-5 と"対 人 関 係 様 式")に
関係 す る と思 わ れ る 、
で あ る。 な お詳 聞 で 、 年 齢 グ ル ー プの 分 布 の偏
パ ー ソ ナ リテ ィー の3つ
の 分 野一Eriksonの 心
(良 心 ∼ 自律)群;43名
りは認 め られ なか った 。
理 社 会 的 発 達 課 題 、Bellakの 自我 機 能 、
Guil-
20答 法検 査 の 評 定 は、 個 々 の 反 応 に つ い て 、
fordの 性 格 因 子 一 と、
WY-SCTと
把 握 様 式 と内 容 の 観 点 か ら行 わ れ た。
の 関連性 の
検 討 を行 う。 こ れ らを通 じて、 自我 発 達段 階 測
① 把 握 様 式;梶 田(1988)に
定 尺 度 と して の 、WY-SCTの
テ ゴ リー に分 類 した 。
併 存的妥 当性 の
有 無 につ い て 考 察 す る。
⑩ 現 状 認 識<11状
向 ・態 度,13自
調
査 1
基 づ き以 下 の カ
態(気
分 ・体 調),12志
己規定 〉
㈲ 自己 へ の 感 情 と評価<21自
22優 越 感 ・劣 等感,23自
<目 的>
負 ・プ ライ ド,
己受 容,24同
一性感
情〉
Loevingerの 自我 発 達 段 階 の2側 面 か らの 特
(Oo)他
者 か らみ た 自己 〈31イ メ ー ジ と規 定,32
徴 が 、WY-SCTに
感 情 と評 価 〉
よ っ て 測 定 され た 各 自我 発
達 段 階 に お い て 認 め られ るの か を検 討 す る。 そ
㈹ 過 去 の イメ ー ジ 〈41体 験,42イ
の た め の 方 法 と して 、"意 識 的 と ら わ れ"と
"認 知 様 式"を
、20答 法 検 査 の 反 応 にみ られ る、
定,43感
自己 概 念 の"内 容"と"把
性 の 予 測 ・確 信,52予
な お し、WY-SCTの
握 様式"と
して捉 え
各 段 階 ご との 特 徴 を比
メ ー ジ と規
情 と評 価>
6①可 能性 と未 来 につ いて の イ メ ー ジ<51可 能
定,53意
図 ・意 志,54
願望 〉
較 ・分析 す る 。
㈹ 当 為 ・理想 〈61当 為,62理
〈方法 〉
㈲ そ の他 く他 者 や社 会 につ いて の記 述 や 意 見
調 査 対 象:愛
媛 県 下 の 高校2年 生64名 、 大 阪
府 及 び 、奈 良 県 、 滋 賀 県 下 の 大学 生(主
4年 生)51名
に3,
想〉
を含 む 〉
② 内 容;把 握 様 式 の カ テ ゴ リー 中、 特 に よ く
、 同 府 県 下 及 び 、三 重 県 、 愛 媛 県
み られ 、 しか も内容 的 に明 確 に区 別 され 得 た 、
下 の成 人20-30代71名 、 同40代 以 上58名 の計244
⑩ 現状 認識 並 び に㈹ 可 能 性 と未 来 につ い て の イ
名。
メ ー ジ に あ た る 反 応 を 、Hart, D,&Damon, 調 査 時期:1987年6∼7月
のDevelopement of self-understandingの 図 式
手 続 き:WY-SCTと20答
法 検 査(「 私 は
(1982)や
梶 田(1988)を
」 とい う項 目 を20用 意 し、 で きる だ けた く さ
1.身
ん 文章 を作 る よ う求 め る もの)が 実 施 され た 。
が欲 しい)
両 検査 は 、先 の順 に1冊 の 冊子 に 閉 じられ て い
2.行
動 的(例:テ
参考 に、
体 的 ・物 理 的(例:背
た 。冊 子 を配 布 し、持 ち帰 っ て記 入 して も らい 、
3.社
会 的役 割(例:よ
4.対
人 的(例:人
た 。 な お、20答 法 検 査 に無 答 の者 が8名 お り、
5.心
理 ・精 神 的(例:自
そ の者 を除 く236名 が 分析 対 象 と され た。
い)
の5カ テ ゴ リー に分 類 した 。
得 点 化:WY-SCTは
マ ニ ュ ア ル に従 って 評
が高い、 ピアノ
ニ ス をす るつ も り)
後 日回収 した 。 そ の際 、無 記 名 で よい と伝 達 し
〈結 果 〉
W.
い 母 親 にな りた い)
に親 切 に した い)
分 に 厳 し くあ りた
さ らに 自己 に対 して の 感情 並 び に評 価 に 関 わ
WY-SCT女
性 版 の併 存 的 妥 当 性 の 検 討
89
る記 述 に 関 して
さ れ た と考 え て も よ い で あ ろ う 。 そ れ 故 、 以 下
(十)ポ ジ テ ィブ
の 分 析 は、 先 の 評 定 値 に基 づ い て行 う こ とに し
(一)ネ ガ テ ィブ な い し不 安
の は っ き り と読 み 取 れ る反応 を選 別 し、 こ の2
た。
記 述 数 及 び 出 現 頻 度:20答
つ の カ テ ゴ リー に 分 類 した 。
は 、2∼3群
評 定 は 、 国立 大 学 大学 院 に お い て人 格 心 理 学
が15.96(SD=6.56)、4∼5群
を専 攻 す る 学生1名
4.88)で
に よっ て行 わ れ た。 そ の後 、
法 の記 述 数 の 平均
が12.65(SD=7.41)、3/4群
あ り、2∼3群
が16.56(SD=
は 他 の2群
よ り有 意 に
把 握 様 式 に 関 して 、 ラ ン ダム に選 ん だ80名 分 の
少 な い こ とが 認 め ら れ た(3/4群
デ ー タにつ い て 、 著 者 の行 っ た評 定 値 との 間の
一 致 率 を求 め た と ころ 、上 位 の7カ テ ゴ リーで
共 にp<.01)。
は84.9%、
あ
① 把 握 様 式:各 カ テ ゴ リ ー が あ る 人 の20答 法
っ た。 下 位 カ テ ゴ リー に 関 して は、 さ ほ ど高 い
の 反 応 中 に 出 現 す る 確 率 を 、 自我 段 階 群 ご と に
値 とは言 え な い が 、2つ の下 位 カ テ ゴ リ ー に ま
算 出 し 、Fig.1に
たが る反 応 が 多 くみ られ た こ とか ら判 断 して 、
出現 率 につ いて は、 特 に 群 問 で差 異 の示 唆 され
評 定 著 聞一 致 率 に よる評 定 の信 頼 性 は一 応 、 示
た カ テ ゴ リ ー の み を 、Fig.2に
下位 の19カ テ ゴ リーで は64.9%で
はt=一2.882、4∼5群
との比 較で
と で はt=・ 一2.909で
示 した 。下 位 カ テ ゴ リー 別の
示 した。 ⑩ 現 状
00
02
1
一(10)現
働
・一 一(2a)自 己の感 情 と評価
72
葡・一{鈎 ⊃
他者 か らみ た 自 己
62
・
・
…一 ⊂40)過去 の イ メー ジ
52
び 能 性 と未 来
2-3ぐ4-5'韓 一(5a)可
,' 2-3く 小5・ ・一 顧{6日)当 為 ・理 想
42
92
塞
32
20
12
巳
状認識
らゆ ノ ゆ
,' ,'" ノ ノ を:三
諺舞
2-3 ・
一・
… く70)その他
子
野芝 3/4 証lili器
4∼5
自我段 階
Fig.1. WY-SCT自
我 段 階 ご との 各 様 式 カ テ ゴ リーの 出 現 率
幼
00
92
一(12)志
鈎
一
2_
●ρ ' ゆ■
向 ・態 度
一(13)自 己 規 定
一・一(61》 当 為
72
・
…・
一(62)理
62
想
52
40
塞
..・・」''"・
…...『
...●
2-3〈4-5■
鴨
・魅○
32
ご二
22
ゆP〈9.②5
■■ Pく9。日1
■噛, P〈2.001
12
2
. '
o_●
2∼3 ∫,・ 一'一2-3く4-5"
ρ●一
3/4 4∼5
自我 段階
Fig.2. WY-SCT自
、
我 段 階 ご と の各 様 式 下 位 カ テ ゴ リー の 出現 率
90
渡部雅之
認 識 の 出 現 率 が 、3群
近 い。
て の 比 較 をわ か りやす くす る た め に、 カテ ゴ
ま た 同様 に 、㈹ 可 能 性 と未 来 につ いて の イ メ ー
リー⑩ を除 い た場 合 の そ れ らの 占 め る割 合 を算
ジ も、3群
を通 して100%に
と も80%を 超 え る高 い 出現 率 を示 し
出 し直 し、Fig.3に
て い る。㈹ 当為 ・理 想 と㈹ そ の他 は、2∼3群
示 した 。3群
を通 して㈹ 可
能 性 と未 来 に つ い て の イ メ ー ジが 大 きな 部 分
に お け る 出現 率 が他 の2群 に比 べ て有 意 に低 い 。
(60%以 上)を
対 して 、㈲ 自 己へ の 感情 と評 価 に おい て は 、4
∼5群 が他 群 に 比べ て有 意 に 出現 率 が 高 い 。⑯
我 段 階 が上 昇 す る につ れ 減 少 して い る(2∼3
他 者 か らみ た 自己 は 、 零∼3群
メ ー ジ と@①その 他 の 占め る割 合 が 、段 階 の 上 昇
と3/4群
占 め て い るが 、 そ の 割 合 は 、 自
<3/4、p<0.05)。
との
反 対 に、㈹ 過 去 の イ
間 に 有 意 な 出 現 率 の 差 が み られ た。 また ⑫ 志
に と もな っ て増 えて い る。 ㈹ 当 為 ・理 想 は 、3
向 ・態 度 、㈹ 自己 規 定 、㈹ 当為 、國 理 想 の4つ
の 下位 カ テ ゴ リー に お い て 、2∼3群
の 出現 率
/4群
が 他 群 に比 べ て 低 い こ とが示 さ れ た。 特 に 、國
② 内 容:内
理 想 は 、2∼3群
ブ ・ネ ガ テ ィ ブ と評 定 さ れ た 記 述 数 の 平 均 が 、
と3/4詳
に お いて 他 の 群 よ り も占め る割 合 が 大 き
いo
聞 に お い て、 急 激
容 カ テ ゴ リー別 記 述 数 とポ ジテ ィ
な 出現 率 の 上 昇 が み られ た 。
自 我 段 階 群 ご と に 、Fig.4に
次 に 、 回 答全 体 の 中 で各 カ テ ゴ リーの 占め る
対 人 的 と5.心
割 合 に つ い て 算 出 し、 自我 段 階群 ご と に比 較 し ・
れ た 傾 向(2∼3<3/4=4∼5)と
た とこ ろ、 どの 群 も⑩ 自 己規 定 が65%前
後 を占
理 ・精 神 的 が 、 記 述 総 数 に 見 ら
体 ・物 理 的 及 び3.社
(紛
100
圏(2⑳
52
2∼3
会 的 役 割 で は 自我 段 階 の
自己 の感 情 と評価
[コ(鈎)他
ノi吻(4⑳
者 か らみた 自己
過去 の イ メ"ジ
囲(5④
1・/・
可能性 と未来
昌 囮(62}当
為 ・理 想
「=囲 翻 〔7④その 他
4∼5
Fig.3. WY-SCT自
我 段 階 ご との 各 様 式 カ テ ゴ リー の 占め る割 合
((10)現 状 認 識 を除 く)
(個)
4
一1.身
ノ ,"。
ノ
3
"" 体 的 ・物理 的
、 齢一」 一 一一噌 ・
一一一2.行 動的
ド ー_即_一
一 一"2-3〈4-5ゆ・一 一3.社
会 役割 的
ッ ク'酬
…"'幽:・
…
一一一4.対 人的
ノ ド
藝
2
/ /. '・や ぐ、. 。..二. 2-3>4-5・ '一∼ 一 ・、. ………5.心
理 ・精 神 的
一(+)ポ
ジディ ブ
一・
一(一)ネ ガ テ ィ ブ
●'
1
..謳...・ ・・…'● 墨
o
2・》3
3/4
一3・4-5…
■P〈0,95
.ゆ Pく2。日1
●●● Pく0 .②31
4∼5
自我段階
Fig.4. WY-SCT自
ほぼ並
行 し た カ ー ブ を 描 い て い る の に 対 し 、1.身
め 、最 も高 か っ た。 そ の他 の カテ ゴ リ ーに つ い
日
示 さ れ て い る 。4.
我 段 階 ご との 各 内 容 カ テ ゴ リーρ 平 均 出現 数
WY-SCT女
性 版 の併 存 的妥 当性 の検 討
上 昇 に伴 う記 述 数 の 減 少 傾 向 が み られ る。 また
91
以 上 か ら、 よ り低 い 段 階 にあ る と考 え られ る
自己 に対 す る感 情 や 評 価 の ポ シテ ィブ ・ネ ガテ
2∼3群
ィブ につ い て は、3/4群
や予 定 ・意 図 ・願 望 な ど、 ス テ レ オ タイ プ で 単
は2∼3群
に比 し記
の 自己 概 念 の 把 握 様 式 が 、 現状 の 認 識
述 数 が やや 多 い が 、 ポ シ テ ィ ブ と ネガ テ ィブ の
純 な もので あ るの に対 し、3/4群
記 述 数 の問 に は差 が み とめ られ ない とい う点 で
で は、 当為 ・理 想 、 自己 へ の 感 情 ・評価 とい っ
共 通 して い る の に対 し、4∼5群
で は ネ ガテ ィ
た 、 自 己の 内 面 に関 す る もの が 中心 とな って き
ブ な感 情 記 述 の方 が 、他 の2群 に比 して も有 意
て 、概 念 的 に も複 雑 な もの とな って い く。 同 様
に多 い。
に 、 内容 の 点 にお い て は、2∼3群
<考 察>
見 や社 会 役 割 とい った 比 較 的 外 面 的 な こ とが記
20答 法 検 査 へ の 反応 分 析 よ り得 られ た、 各 自
述 され るの に対 し、3/4段
や4∼5群
が 身体 ・外
階 以 降 は 、対 人 的 、
我 段 階 ご との相 対 的 な特 徴 につ いて 、 お よそ 次
心 理 ・精 神 的 な面 へ の 言 及 が 多 くみ られ る よ う
の よ うに ま とめ られ よ う。
に な る。 特 に4∼5段
2∼3(衝
動 ∼ 同調)群;記
階 にお い て は 、㈹ 過去 の
述 数 が 他 群 に比
イ メ ー ジが 増 え、 ネ ガテ ィブな 記 述 も他 の段 階
して 多 くな い 中 で 、岡 可 能性 と未 来 につ い て の
に比 べ て多 くな る。 これ は、 自我 の 発達 に と も
イ メ ー ジ の 占 め る 割 合 が比 較 的大 きい 。 ま た他
な う意 識 の 内省 化 や 認 知 の 分 化 ・複 雑化 が 進 み 、
群 と同様 、⑩ 現 状 認 識 が 大 きな割 合 を 占め て い.
自己概 念 の捉 え直 しが 行 われ て い るこ とを示 唆
た が 、 そ の 中 で も特 に 、(11)状
態 の記 述 が 多 く、
す る もの と思 われ る。
⑫ 志 向 ・態 度 や⑯ 自己 規 定 に 関す る記 述 は相 対
この よ うに、20答 法 検 査 よ り示 され た 、認 知
的 に 少 な い 。⑳ 自己 へ の 感情 と評 価 、㊤◎他 者 か
様 式(把 握 様 式)と 意 識 的 と らわ れ(内 容)に
らみ た 自己 、㈹ 当 為 ・理 想 も、 こ の段 階で は現
関 す る各 自我 発 達 段 階 ご との特 徴 は 、Table 1
れ に くい よ うで あ る。 他 群 に比 べ て 、対 人 的 記
に 示 した 、 自我 発 達 段 階 の2側 面 か らの特 徴 と
一 致 しい る とみ て よい で あ ろ う。
述 や 心 理 ・精 神 的 記 述 が 少 な く、 身体 的記 述 が
・相 対 的 に多 い。 自 己の 同一 性 に 関 連 す る意 識 の
低 さが 伺 わ れ る。
調
査 2
述 総 数 及 び㈹ 当為 ・理 想 が 多 く、6⑦可 能性 と未
<目
的>
来 につ い て の イ メ ー ジが 減 少 を示 す 点 で 、 後 の
Loevingerの
4∼5群
れ る 、 パ ー ソ ナ リ テ ィ ー の3つ
3/4(自
己意 識 的)群;2∼3群
に比 し記
と類 似 して お り、¢◎自己 へ の 感情 と評
価 の 占め る割 合 が 小 さ い点 で は 、2∼3群
程 度 で あ る。 た だ し㈹ 理 想 は、4∼5群
と同
に 比べ
て 現 れ に くい 。 また 内容 の 点 で は、4∼5段
階
sonの
自 我 発 達 理 論 に 関 連 す る と思 わ
の 分 野 一Erik-
心理社会 的発達課題、
Bellakの
Guilfordの
自我 機 能 、
性 格 因 子 一 を 取 り上 げ 、
WY-SCT
との 関連 性 の 検 討 を行 う。具 体 的 に は、 パ ー ソ
と同 様 、 対 人 的記 述 や心 理 ・精 神 的 記 述 の 出現
ナ リ テ ィ ー の3分
数 が 増 加 す る 。現 実 ・現 在 の 自己 へ の 意識 が特
て 、 「エ リ ク ソ ン 心 理 社 会 的 調 査 票 」、 「自我 機
に強 い こ と が伺 わ れ る。
能 調 査 票 」、 「矢 田 部 一 ギ ル フ ォ ー ド性 格 検 査 」
4∼5(良
心 ∼ 自律)群;㈲
自己へ の感情 と
野 を測 定 す る た めの 検 査 と し
を 用 い 、WY-SCTに
よ っ て 測 定 さ れ る 自我 発
評 価 につ い て の記 述 が 、他 群 に比 べ て 多 く、㈹
達 段 階 ご との 特 徴 を 明 ら か に し て い く。
過 去 の イ メ ー ジ及 び㈹ 当為 ・理 想 の 占 め る 割合
〈方 法 〉
が 相 対 的 に 大 きい 。6◎可 能 性 と未 来 につ い て の
調 査 対 象:18∼28歳
イ メ ー ジの 占 め る割 合 は さ ら に減 少 を示 す 。 ま
大 学 生 ・短 大 生 ・看 護 学 校 生 よ り な る 。
た 、㈹ そ の 他 に含 まれ る"私 を超 え た 記述"が
手 続 き:WY-SCTと
多 くみ られ る の も特 徴 で あ る。 自己 に対 して の
的 調 査 票(中
感 情 並 び に評 価 に 関す る記 述 に お い て 、 自己否
と 略 す る)」、 「自 我 機 能 調 査 票(中
定 的 な内 容 の 割合 が増 加 す る。 自己 を客観 視 し、
1981、"EFI")」
厳 し く評 価 す る傾 向が み られ る。
検 査("Y-G")」
の 女 性203名
。主 と して 、
、 「エ リ ク ソ ン心 理 社 会
西 ・佐 方,1987、
以 下"EPSI"
西 ・古 市,
、 「矢 田 部 一 ギ ル フ ォ ー ド性 格
の4つ
を 使 用 。WY-SCT、
92
渡部雅之
Table.1. 段階
衝動的
コ ー ド
Loevingerに
1-2
よる 自我 発 達 段 階 の4側 面 か らの 特 徴(渡
衝動統制 ・性 格発達
対人関係様式
受容的 依存的
搾取的
衝動 的報復への恐れ
部 ・山 本,1988よ
り一 部 改)
認知様式
意識的 とらわれ
身 体感 情(特 に性
ステ レオタイプ
的 お よび 攻 撃的 感
概念的混乱
情)
△
自己
保護的
見つ かることへの恐れ
責任 の外在化
日和 見的
1-3
同調的
1-3/4
自己
用心深 さ
ごまか し
願望,具 体的物事
自己保護,苦 しみ
搾取的
利益,支 配
外的 規制への同調
所属するこ と
規 制 を破 ることに対 す
る罰 や恥
皮相的な良さ
外見
社会的受け入れ
平凡な感情や行動
概念的単純 さ
ステ レオ タイプ
規範 や目標の分化
集 団 と関 係 づ け た
適応,問 題点
多様性
自己へ の気づ き
理 由,機 会(曖 昧)
意識的
きまり文句
援助
良心的
1-4
個性的
1-4/5
自己評価基準
集 中 的,責 任 感
分化 した感情
自己批判
相互的
行動への動機づけ
概念的複雑 さ
パターン化の考え方
結果 に対する罰
コ ミュ ニ ケ ー シ ョ
自尊心,達 成
長期的 目標や理想
ンへ の 関心 ・
特性,表 現
加 えて:
加えて:
加 えて:
加えて:
個性の尊重
情緒 的 問 題 と して
の依存
発達,社 会問題
過 程 と結 果 との 区
内 面 生活 と外 面 生
別
活の分化
自律的
1-5
加 えて:
加えて:
生 き生 きと示 され
概念 的複 雑 さの増
葛藤 する内的要求へ の
自律性 の尊重
た感情
大
対処
相互依存
肉 体 面 と精 神 面 の
複雑 なパ ターン
耐性
統合
行動の心理的原因
曖昧 さへ の耐性
役割概念
広い視野
自己充実感
客観性
社 会 的文 脈 にお け
る自己
EPSI、 EFIの3つ
ら れ た。Y-Gは
は1つ の 冊 子 に この順 に 閉 じ
別 冊 で あ る。 質 問 紙 を 配布 し、
現 尺 度 に従 い 、各 機 能 に対 応 す る項 目 の得 点 を
合 計 した もの(一 部 逆 転 項 目 を含 む)を 、 下 位
持 ち帰 って 記 入 して も らい 、 後 日回収 した。2
尺 度得 点 と して用 い る こ と に した 。 得 点 の 範 囲
冊 子 の 整 理 上 必 要 なの で 、 記 名 して くれ る よ う
は 、 各 々7∼35点
に依 頼 した が 、 結 果 は全 体 を込 み に して処 理 さ
は所 定 の採 点 方 法 に従 った 。
れ るの で 、 個 人 の デ ー タが 問 題 と され る こ とは
EPSIと の 関 連:WY-SCTの
ない 旨が伝 達 され た 。
に対 す る 、EPSIの 各 発 達 課 題 の 得 点 変 化 が 、
〈結果 〉
Fig.5、6に
得 点 化:WY-SCTは
及 び6ん30点
で あ る。Y-G
自我 段 階 の 変化
示 され て い る。 自主 性 対 罪 悪 感 と、
マ ニ ュアルに従 って評
勤 勉 性 対 劣 等 感 以外 の発 達課 題 に お い て 、 自我
定 し、 自我 発 達 段 階 が 算 出 され た。 △以 下 の 段
段 階 の 上 昇 に伴 い 発 達課 題得 点 の有 意 な 上 昇 が
階(7名)と
み られ る。 た だ し、統 合 対 絶 望 の得 点 は 、 自我
、4以 上 の段 階(3名)と
の人数
分 布 が 少 な か った た め 、 以下 全 体 を、
の 中 位 群 にお け る得 点 が そ の前 後 の 自我 段 階 よ
下位 群[△
り も低 くな る、 い わ ゆ るV字
と △/3];29名
型 とな って い る 。
中位 群[3];50名
EFIと の 関 連:対 象 関 係 に お い て 、 自我 段 階
上 位 群[3/4と4]:124名
の3群 に分 け て 分 析 を行 っ た。EPSIとEFIは
の 上 位 群(X=22.34)は
中 西 ・佐 方(1987)及
び 中西 ・古 市(1981)の
、
よ りも、5%の
、 下 位 群(X=20.52)
有 意 差 で 高 得 点 を示 した。 こ れ
は 、渡 部 ・山本(1988)に
お い て示 さ れ た の と
WY-SCT女
性 版 の 併 存 的妥 当性 の検 討
93
出
16
一
信頼 性
一一 一 自律 性
●!
15
E P S Iの尋点
一 一
自主 性
……… 墾力勉 ・
駐
14
.pく2,25
13
12
下位群
上位群
中位群
自我段階
Fig,5. WY-SCTに
対 す るEPSIの
発 達 課 題 の 得 点 変 化(1)
占
下位 く
上位
ぴゆ
16
一
同一性
一一 一親 密 性
15
E P S 1の得 占
.∠1。 趾.
14
.㌔
.㍉
/ド
.
/
'
・
・
、/,一
♂'隅 …、.
戸〆 ノ
13
9 準●
一 一 生殖性
・
一 …・統 合 性
≧!
1ン
申P〈Z
.25
章■ P〈 ②.日1
「℃'
ン'・
12
下位群
上位群
中位群
自我段階
Fig.6. WY-SCTに
対 す るEPSIの
発 達 課 題 の 得 点 変 化(2)
は 、全 く逆 の 結 果 で あ る。 そ れ 以外 の 自我 機 能
人 関 係 様 式")並
に つ い て は 、 自我 段 階 の 変 化 に対 す る得 点 の有
てWY-SCTマ
意 な違 い は み られ なか った 。
段 階 の一 般 的 特 徴 の う ち、次 の諸 点 を反 映 して
い る と考 え られ た 。
Y-Gと
の 関 連:WY-SCTに
対 す るY-Gの
性 格 特 徴 の 得 点 変 化 が 、Fig.7、8に
各
示 さ れて
下 位[△
び にLoevinger理
論 に基 づ い
ニ ュ ア ル に 記 載 さ れ た 、 各 自我
と △/3]群;こ
れ らの 段 階 の 特 徴
い る 。神 経 質 、主 観 的 、 非協 力 的 の各 性 格 特 徴
は 、 自 己 保 護 的 で あ り、 他 の 人 に 対 して 操 作
に お い て 、 下 位 群 が 上 位 群 よ り有 意 に高 得 点 で
あ り、社 会 的 外 向 にお い て 、 上位 群 が 下 位 群 よ
的 ・搾 取 的 な態 度 を取 った りす る こ とで あ る。
つ ま り、 この 自我 段 階 に 判定 され た者 は 、客 観
り も有 意 に 高 得 点 で あ った 。
的 に状 況 を把 握 す る こ とが で きず 、 外 界 に対 す
〈考 察 〉
る 関係 の 取 り方 が 未 熟 で あ り、 他 者 を排 除 す る
各 々 の パ ー ソナ リテ ィー 検 査 とWY-SCTと
こ とに よ って 自己 を防 衛 しよ うとす る傾 向 が あ
の 間 に示 さ れ た関 連 性 は、 自我発 達 段 階 の2側
る 。 この こ と は、EFIと の 関連 にお いて 、対 象
面 か らの 特 徴("衝
関 係 機 能 が 未 熟 で あ っ た り、Y-Gに
動 統 制 ・性 格 発 達"と"対
お いて主
94
渡部雅之
占
﹁
4
一#階
性
3
一一一気 分 の変 化
つ﹂
Y l G の得 占
11
●● 、 ●h、
●… 鬼 一ぎ… …'…" … 亀・・. h、
10
一
、
・一 一主 観 的
口噂 、 、 9・一 一 、
、
∼'、 く=㌧
・ミ ㍉下 位 〉上 位 ・一 …・・非 協 力 的
9
8
一・
劣 等感
一
神経質
℃"量
・
…1・
㌦, 幅 噛下位 〉
上位軸
申P〈0』5
廓廓 P〈2 。01
●下 位 〉上 位 軸
7
下位群
中位群
上位群
自我段階
Fig.7. WY-SCTに
対 す るY-Gの
性 格 特 徴 の 得 点 変 化(1)
(点)
嬬 餅_攻
14
3
9﹂
艶
Yl Gの得 点
11
1巳
押 激的
一一 一 活 動 的
::::・::::=::::::::::::::::=
・
…・
…・の ん き
.創・
ご"〇
一
一
一 馬 隔oρ
一 ' , ρ ρ
, ' ρ
鱒 一 一 一 一,一 ●画ρ
・一 一 支 配 性
思 考 的外 向
・
一一 社会的外向
9
8
7
下位群
中位群
上位群
自我段階
Fig.8. WY-SCTに
対 す るY-G・
の 性 格 特 徴 の 得 点 変 化(2)
観 的 ・非 協 力 的 傾 向が 大 で あ った こ とに よ って
う した こ との 未 達 成 と して 反 映 され て い る。
示 され た。
上 位[3/4と4]群;こ
中位[3]群;こ
れ 以 後 の段 階 に な
の 段 階 の 特 徴 は、集 団 へ の
る と、 自己 や 内 的 感 情 を意 識 し、他 者 との コ ミ
帰 属 に絶対 的 な価 値 を置 くた め 、 自他 の多 様 性
ュ ニ ケ ー シ ョンへ の 関 心 が 生 まれ て く る。 そ れ
の 認 識 に基 づ い た、 柔 軟 な対 応 や対 人 関係 が持
は 、他 の2群
て な い こ とで あ る。 こ れ は、EPSIに
親 密 性 の 得 点 が 有 意 に 高 く、Y-Gの
おけ る自
に比 べ て 、EPSIの
自我 同 一 性 や
社 会的 外
向 が大 で あ った こ と と関 係 して い る。 自我 同 一
我 同 一性 や親 密 性 の 未達 成 と して 現 れ た 。 自己
の 同 一性 を確 立 す る こ とは 、集 団 や 権 威 、 規 範
性 と親 密 性 が 達 成 され 、 そ れ に伴 って 、 他 者 と
へ の盲 目的 服 従 を止 め 、 自 らの内 にあ る多様 性
の よ り深 い コ ミュニ ケ ー シ ョンへ と関心 が持 た
を明 確 に認 識 して い くこ とが 必 要 とな る。 さ ら
れ る よ うに な る と、 積 極 的 に他 者 と関係 を持 つ
に親 密 性 の 達 成 に は、 自己 と同様 、他 者 も多 様
よ うに な る と考 え られ る。
な側 面 を持 つ こ と を認 識 し、 そ れ を受 け入 れ ら
な お 、EFIの 対 象 関 係 機 能 に お け る 、 渡部 ら
れ な けれ ば な ら ない 。 前 述 の段 階 の特 徴 は、 こ
の 先 行 研 究 結 果 との 不 一 致 の 原 因 に つ い て は 、
WY-SCT女
性版の併存的妥当性の検討
先 の研 究対 象 と され た被 験 者 が 、 小 学5年 生 か
Barron, 95
F.(b)1953 An ら60代 成 人 に まで渡 る幅 広 い年 齢 層 で あ った の
Predicts に対 し、 本研 究 で は 、20歳 前 後 の 限 ら れた 層 の
Consulting み を対 象 と した こ とに よ る もの と考 え られ た 。
Hart, D.&Damon, な お 、 総 合 一支 配 機 能 と衝 動 統 制 機 能 に関 して
Understanding は 、 渡 部 ら と同様 、本 研 究 に お いて も有 意 な 対
Child Development,53,841-864.
応 が み られ な か った。
梶 田 叡 一 1988 Response Ego-Strength Scale to Psychotherapy. which
Journal of
Psychology,17,327-333.
W.1982 from The Development Infancy through of Self-
Adolescence.
自 己 意 識 の 心 理 学 東 京 大 学 出 版
会
ま と め
Klopfer, B, Kirkner, 1951Rorschach 本 研 究 は、WY-SCT女
性 版 の併存 的妥 当性
の 検 証 を 目 的 と して 行 わ れ た。Loevingerに
よ
っ て 示 さ れ た 自 我 発 達 段 階 の 特 徴 が、
WY-SCTに
よ っ て 実 際 に 測 定 され た 自我 段 階
に お い て も認 め られ る の かが 検 討 され た 。 調 査
1は 、"意 識 的 と ら わ れ"と"認
知 様 式"の
側
Projective The Meaning Development. Loevinger,」,1969 Theory 面 か ら み た 自我 発 達 段 階 め 特 徴 が 、WY-SCT
Models and Integrations. に よ って測 定 され た 自我 段 階 の各 々 に対 応 す る
Prentice・Hall.
の か を確 か め る こ と を 目 的 と し、WY-SCTと
Loevinger,」.&Wesseler, velopment I.San 理 論
達 の 測 定.教
部 一 ギ ル フ ォー ド性 格 検 査 」 との 関連 性 が 検 討
佐 々 木 正 宏(b) Englewood :
Cliffs, N.」.:
Measuring Ego De・
自 我 発 達
よ る 女 子 青 年 の 自 我 発
育 心 理 学 研 究,29,147-151.
1981 成 人 男 子 の 自 我 発 達.東
京 大
学 教 育 学 部 教 育 相 談 室 紀 要,4,131-137.
実 証 して い る と解 釈 され うる もので あ った 。
渡 部 雅 之
今 後 の 検 討 課 題 と して は 、WY-SCT男
人 の 自 我 発 達 研 究
・ 山 本 里 花 1988 文 章 完 成 法 に よ る 日 本
・滋 賀 大 学 教 育 学 部 紀 要,38,
の 妥 当 性 を 同 様 に 検 証 す る こ と と、WY-SCT
51-64.
の教 育 ・臨 床 場 面 にお け る有 効 性 を確 か め る こ
渡 部 雅 之
とが考 え られ る。 また 、 渡部 ・山本(1988)に
発 達 検 査 の 作 成 一LoevingerのWU-SCTの
関
In
Psychology 島 大 学 教 育 学 部 紀 要,1,225-235.
心 理社 会 的調 査 票 」、「自我 機 能調 査 票 」、「矢 田
お け る 、EFIの 対 象 関係 機 能 とWY-SCTの
Development. Cognitive 一 理 論 の 概 要 と そ の 測 定 法 の わ が 国 へ の 導
佐 々 木 正 宏(a)1981SCTに
性版
of Ego 宮 下 一 博 、 上 地 雄 一 郎 1981Loevingerの
入 一.広
併 存 的 妥 当性 を
21,
Francisco:Jossey-Bass.
ソナ リテ ィー検 査 に よっ て裏 付 け られ るか をみ
され た 。 結 果 は、WY-SCTの
of
Psychologist, R.1970 る こ と を 目的 と し、WY-SCTと
「エ リ ク ソ ン
of
and Measurement American L.(Ed.),Clinical 側 面 か らみ た 自我 発 達 段 階 の特 徴 が 、 他 の パ ー
C.
Scale. Journal 195-206.
Breger, 20答 法 検 査 の 対 応 が 検 討 され た。 調 査2は 、
"衝 動 統 制 ・性 格 発 達"と"対
人 関 係 様 式"の
W.&Baker, Rating Technique,15,425-428.
Loevinger,」.1966 Ego F.」., Wishan, Prognostic ・ 山 本 里 花 1989文
と そ の 簡 易 化 一
章 完 成 法 に よ る 自 我
翻 訳
・教 育 心 理 学 研 究,37,286-292.
連 に 関 す る 結 果 と、 本研 究 の そ れ とが 一 致 しな
か っ た こ と、 並 び に 自我 機 能 測 定 尺 度 で あ る
付 記
EFIと の 間 に、 対 象 関 係 を除 い て は対 応 が み ら
れ な か っ た こ と な どか ら、機 能 と して の 自我 と、
本 研 究 の 調 査 に あ た りご協 力 い た だ き ま した 、
構 造 と して の 自我 の 関係 につ い て、 よ り詳 細 な
小 ・中 ・高 等 学校 、 お よ び質 問 紙 にお 答 え い た
検 討 が な さ れ て い く必要 が あ る と思 わ れ る 。
文 献
Barron, F.(a)1953 to Psychotherapy。
gy,17,235-241.
Some Test Correlate Journal of Consulting だい た多 くの 方 々 に感 謝 致 します 。
調 査1の 実 施 ・分 析 ・考 察 の 一 部 は 、1988年
9月23日 に ご逝去 され ま した、 故 山 本 里 花 さ
of Response
Psycholo-
ん に よ って な され ま した。
Fly UP