...

3 食品リサイクルの事例

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

3 食品リサイクルの事例
Ⅲ
食品リサイクルの事例
食
品
製
造
業
生活協同組合コープこうべ/神戸市
食品工場における食品廃棄物ゼロエミッションの取組み
Ⅰ
堆
肥
化
生活協同組合の概要
コープこうべは兵庫県内の組合員 135 万人からの出資金を基に供給事業と生産事業を行う協同組合組
織で 1921 年に設立された。供給事業として店舗事業(152 店舗)と 19 箇所の協同購入センターを経由
し直接組合員に商品をお届けする無店舗事業で構成されています。
07 年度総供給高
2,688 億円
職員数
11,400 人
本部
神戸市東灘区住吉本町 1 丁目 3 番19
生産事業は、コープこうべ唯一の直営工場である六甲アイランド食品工場で豆腐・麺・蒟蒻・食パン・
菓子パン・和菓子など 500 品目の商品を日々生産し、店舗・協同購入センターへの仕分け・配送まで行
っています。1924 年に設立され 1988 年に六甲アイランドに移転しました。
メ
タ
ン
化
07 年度生産事業高
125 億円
職員数
500 人
Ⅱ
取組の背景
コープこうべ六甲アイランド食品工場は地域でも大規模の工場であり、そこから排出されるごみ、
消費するエネルギーなどは環境負荷として大きいものであった。特に廃棄物は生ごみ、おからなど総
量で日量 20.8t が排出されており、おからのように畜産農家で飼料として活用されているものはある
が、削減は大きな課題でした。
当工場から排出される廃棄物は再資源化が可能であると判断し、エネルギーや家畜飼料としての再
生利用を目指して、施設内にバイオマスを活用した発電施設とおから乾燥施設を設置することになり
ました。
Ⅲ
取組の内容
①生ごみ 5t と排水汚泥1t は、高温メタン発酵による高速化・コンパクト化したメタン発酵設備で処理
し、1,440kwh/d の電力と 7t/d の蒸気に変換して工場内のエネルギーとしてリサイクルするとともに
発電機(60kw/h)の廃熱をメタン発酵槽・可溶化槽の加温に利用するなど「何も無駄にしない」思想
で設備構築します。
②夏場は腐敗により産廃処分を余儀なくされていた生おからを乾燥設備で含水率5%以下に乾燥させ、
日持ちのより高付加価値商品に転換する。また、乾燥の燃料に廃食用油を用いることで、燃料費と廃
棄物の削減を図ります。
20
Ⅳ
取組の成果
①廃棄物の分別の徹底と、食品廃棄物処理システム(メタン発酵施設および乾燥施設)の稼働によって
2007 年度はリサイクル率 99%。
②乾燥おからを飼料会社とのタイアップによって販売し、近郊の農場で有効に利用されている。従来は
生おからのまま飼料化・肥料化していたが腐敗が早く有価物とはなり得なかったが、乾燥することで
日持ちが良くなり良質の飼料原料となりました。
③六甲アイランド食品工場では従来から製造工程の一般見学を積極的に受け入れていたが、見学コース
に食品廃棄物処理設備を取り入れたことで、環境問題に関する消費者の意識を高めることができた。
④環境保全効果として、ごみの減量はもとより、廃棄物に由来するバイオマスエネルギーを主体に用い
ることにより化石燃料の消費削減につながりました。
⑤廃棄物処理経費の 90%に相当する 8,800 万円/年の経費削減ができ、廃食用油を乾燥燃料に再利用する
ことによるランニングコストの削減も実現しました。
⑥施設設置から現在までの効果については下表の通りです。
年
度
2005
2006
2007
1,960
1,782
1,804
1,841
102
93
78
60
4,460
4,253
4,269
3,870
乾燥おから生産量(㌧)
780
663
699
606
発電量(千 kwh)
453
493
504
522
蒸気量
2,306
2,510
※2007 年度は 2008 年 1 月末累計実績を基に年間予測した数値。
2,518
2,740
メタン発酵施設処理量(㌧)
廃食用油の燃料利用(㌧)
おから処理量(㌧)
Ⅴ
2004
お問い合わせ
〒658-0033 神戸市東灘区向洋町西2丁目1番
生活協同組合コープこうべ六甲アイランド食品工場
TEL :078-857-1414
FAX :078-857-1413
21
食
品
製
造
業
井原水産株式会社/留萌市(本社)、小樽市(札幌支社)
水産廃棄物を高機能商品へ
~鮭の皮からコラーゲン~
Ⅰ
会社の概要
弊社は数の子を主力とする水産加工メーカーですが、水産加工廃棄物を活用した高付加価値製品として、
鮭の皮からコラーゲンを抽出し、これを事業化いたしました。
創業来培ってきた水産物取引のネットワークを活かし、トレーサビリティがとれる安全安心な天然原料
を強みとして、化粧品、食品、研究材料として事業を拡大しております。
今後は、「お客様の健康に寄与する」という理念のもと、未利用水産資源を有効に活用し、医療・医薬分
野で活かせるよう研究開発を進めてまいります。
創業
1954 年
資本金
2 億 90 万円
従業員
400 人
主な業務内容
数の子等の魚卵製品、水産惣菜、コラーゲン原料の加工・販売
Ⅱ
取組の背景
北海道における食品製造業の約半数は水産加工業といわれております。業界としては、日本人の食
生活の欧米化、核家族化の進行にともなう個食化、家庭での生ごみ排出の敬遠など社会的消費形態が
変化する中で、消費者の魚離れが進行しながらも、水産加工品の高次加工が進んできました。そうし
た高次加工が進むほど、水産廃棄物の発生は増加することになります。
また、国内の消費価格は原油価格の高騰により一部業界で価格の引き上げが見られますが、水産加
工品全般としては低位横ばいで推移しています。一方で、食の安全・安心を担保する品質管理体制の
強化、食品リサイクル法による動物性残さの削減努力義務や産廃処理コストの負担増など、水産加工
業者を取り巻く経営環境は年々厳しさを増し、水産廃棄物の有効利用が重要な課題となりました。
そこで、未利用水産資源を美容・健康に役立つ素材として事業化することにより、人と環境に優し
い水産廃棄物循環システム(マリン・コンビナート構想)として取り組むことになりました。
Ⅲ
そ
の
他
取組の内容
【鮭皮コラーゲン】
鮭皮より抽出・精製されるコラーゲンは、化粧品や医療用具として利用されるアテロ化コラーゲンと、
食品や石けん等に利用されるコラーゲン・ペプチドに分類されます。この原料である鮭皮は、主に道内
の鮭製品取扱メーカー等から調達し、自社製造します。アテロ化コラーゲンはゲル状の製品、ペプチド
は粉末の製品となり、それぞれ食品メーカーや化粧品メーカー等に販売されています。
各メーカーは自社製品にコラーゲン原料を添加し、差別化製品として消費者へ販売しています。弊社
ではその結果をモニタリングしながら、新たな用途開発(製品開発)と企画提案を行っております。
22
Input
Process
Output
原料調達
鮭皮
アテロ化
動物性残渣
(化粧品用途)
有機汚泥
産廃業者
各種製品
メーカー
ペプチド
(食品用途)
行政機関
大 学
鮭皮(原料)
研究開発
マーケティング
ペプチド
アテロ化
消 費 者
コラーゲン・ゴム
Ⅳ
取組の成果・課題
鮭皮原料の現在の使用量は年間約 240t で、原魚に換算して約 6,000t に相当します。これだけの数量
を継続的に購入するには、安定した製品販売が必要ですが、食品、化粧品、研究材料など、利用用途の
広がりとともに販路も序々に拡大してまいりました。
廃棄物の有効活用は、そこにニーズがあって初めて実現できるものです。本事業の成功のポイントは、
開発→仕入→製造→販売のプロセスを一体として捉え、それぞれをバランスよく強化させたことである
と考えます。とはいえ、事業規模はまだまだ小さいため、今後も努力を重ねて環境に貢献できるよう事
業拡大を進めていく所存です。
また、循環型社会の形成に寄与するという点では技術的な課題も残ります。実は、現在の製法による
コラーゲンへの加工には、加工残さが原料仕入とほぼ同規模で発生してしまうのです。そこで、今後は
水分除去による排出量の削減を如何に行うかが重要な課題となります。
今後は、コラーゲンに限らず様々な未利用水産資源の開発と販路拡大に向けて精進するとともに、業
界の横の繋がりを強化し、業界を挙げて資源有効活用と付加価値向上に寄与できるよう、更なる取り組
みを進めていきたいと考えております。
Ⅴ
お問い合わせ
〒047-0261 小樽市銭函 3 丁目 263-23
井原水産㈱札幌支社 コラーゲン事業部
TEL :0134-62-7777 FAX :0134-61-3366
URL:http://www.yamani.com
23
食
品
小
売
業
ユニー株式会社/愛知県
ユニーの食品リサイクルループの環
Ⅰ
堆
肥
化
会社の概要
弊社は、愛知県に本社を置く中部地方・関東地方を中心に 18 県下に 158 店舗を展開している、衣・食・
住・余暇にわたる総合小売業のチェーンストアです。
「未来の子供達に美しい自然を残したい」のコンセプトのもと、環境にやさしい生活をお客様と一緒に
進めていきます。
また、弊社は、2008 年 4 月 21 日に、環境先進企業として、環境大臣と社長が「エコファーストの約束
を交わしました。
<エコ・ファーストの約束>
① 食品リサイクルを適正かつ積極的に推進します。
② その他、循環型社会の形成に向けた取組をお客様と一緒に積極的に推進します。
③ 地球温暖化の防止に向けた取組を積極的に推進します。
Ⅱ
取組の内容(食品リサイクルループ)
食品関連事業者であるユニーは店舗から排出する食品循環資源(食品残さ)を、環境に配慮し有効に
リサイクルするために、堆肥製造者であるヒラテ産業(再生利用事業者)、堆肥を使って農作物を栽培す
る JA 愛知経済連と、食品リサイクルループを構築しました。
特徴
食品リサイクルループを構成する三者がそれぞれの役割・責任を果たすことにより、リサイクルループ
が経済的にも有効に回っていることが特徴です。
愛知県にあるアピタ刈谷店、ユニー知立店、ユニー安城店、アピタ安城南店から排出する食品循環資
源(食品残さ)のうち、魚のアラ、野菜クズを分別計量し、冷蔵保存したものをヒラテ産業(再生利用
24
事業者)の専用車で回収し、3ヶ月間かけて堆肥にします。
できた堆肥を JA あいち海部農協の会員に販売し、ユニーの販売計画に基づいて農作物を栽培しても
らいます。生産された農作物は全てユニーが買い取り、店舗で販売します。
Ⅲ 取組の成果
(1)2007 年実績(200 年2月現在)
リサイクルした食品残さ
160t
製造した堆肥
80t
生産された農作物
100t
売上高
約 6,000 万円
(2)リサイクルループの環を回し続けていくために
○店舗では、全ての廃棄物を排出場所毎に分別計量し、再生利用することに努めています。そのために
従業員教育を徹底して行っています。
○食品残さも異物も全て取り除き、腐敗を防ぐために冷蔵保管しています。
○堆肥は農業生産者が安定して使用できるように、JA 愛知経済連の指導と成分分析を確認した後、生
産者に販売します。
○農業生産者はユニーの販売計画に基づいた生産計画を立て、栽培します。
○ユニーは生産された農作物を全て買い取り、店舗に特設コーナーを設けて、消費者に「リサイクル堆
肥で栽培した、生産者の顔の見える安全安心な野菜」であることを表示して販売しています。
(3)消費者への啓発運動
食品リサイクルループの農業を消費者にも体験してもらい、生産者との交流を図っています。
特に子供達には、毎日の食卓に並ぶ食物がどのように作られているかを自分の目で見、収穫体験を通
して「食物の大切さ」を学んでもらいました。
(4)食品リサイクル法「再生利用事業計画」全国初の認定を受けました
2001 年に食品リサクル方が施行されて以来、初めての認定です。
これは、食品循環資源排出者であるユニーが、リサイクルループで生産された農作物を全量購入する
ことにより完結した環になったことと、農作物の品質と継続性を販売者であるユニーが保証することに
より、生産者・消費者に信頼性を確保していることによるものです。
Ⅳ
今後の課題
リサイクルループはこれからの地域循環農業を担っていくものとして、食の安全安心・地産地消を実
践していくために、他の地域にも構築していく計画です。
また、食糧の国内自給率が 40%を割ってしまった現在、食品残さを抑制することに努め、また食品循
環資源の有効活用により、食品関連事業者としての企業責任を果たしていきます。
Ⅴ
お問い合わせ
〒492-8680 愛知県稲沢市天池五反田町1番地
ユニー株式会社 環境社会貢献部
TEL : 0587-24-8093 FAX : 0587-24-8034
URL: http://www.uny.co.jp
25
食
品
小
売
業
セブン-イレブン・ジャパン/東京都
セブン-イレブンの食品リサイクルの事例
Ⅰ
堆
肥
化
会社の概要
(株)セブン-イレブン・ジャパンでは、FC方式によるコンビニエンスストア事業を展開、2008 年 2
月末現在で国内に 12,034 店を出店しています。
事業内容
資本金
チェーン全店売上高
従業員数
店舗数
飼
料
化
フランチャイズ方式によるコンビニエンスストア事業
172 億円
2 兆 5743 億円
5,294 人
12,034 店
(平成 20 年 2 月末現在)
Ⅱ
取組の背景
コンビニエンスストアの主力商品である弁当類(オリジナルデイリー商品)は、機会ロス(=売り
逃し)と廃棄ロスの最小化を目的として、近隣周辺の情報収集と仮説による発注・販売・検証を基に
した「単品管理」を行っているが、1 店舗平均で 10~15kg/日・店の販売期限切れ商品が発生してい
ます。2005 年度からは、商品を売り場から下げる販売期限を消費期限の 2 時間前に見直し、発生抑制
にも努めています。
Ⅲ
取組の内容・成果
・店舗での仮設に基づいた発注・販売・検証により、食品残さの発生抑制に継続して取り組んでいます
が、販売期限の超過によりやむを得ず発生する販売期限切れ商品について堆肥化・飼料化のリサイク
ルを各地で進めています。
・2003 年 4 月より(株)アグリガイアシステムとの協働により、東京 23 区内の店舗約 1,000 店舗を対象
とした販売期限切れ商品の堆肥化のリサイクルを開始。千葉県八街市内の(株)アグリガイアシステム
の堆肥化施設で容器と食品の分別処理と堆肥化処理を実施。
・当初より、将来的な飼料化を前提とした冷蔵車回収を組んでおり、(株)アグリガイアシステムの飼料
化工場(千葉県佐倉市内)の本格稼働により、飼料化リサイクルへ切り替えました。東京 23 区以外
に、施設周辺の千葉県エリア等首都圏の店舗へ拡大を予定しています。
・堆肥化・飼料化施設ではそれぞれ容器包装の分別ラインを設置、排出側の分別にかかる作業費・人件
費を軽減。また食品残さの内容に応じて飼料化・堆肥化に分けた処理を行っています。
26
・処理された堆肥は、近隣の契約農家で原材料(野菜)の生産時に使用され、2006 年秋より販売した惣
菜「関東産ほうれん草の胡麻和え」や(株)セブン・ミールサービスの開発商品「あかいニンジンジュ
ース」「トマトジュース」の原材料の一部として使用された事例も出ています。
・また、現在は東京 23 区以外にも宇都宮市、名古屋市、京都府、熊本市等でも堆肥化・飼料化の取組
を展開中です。
循環型堆肥化センター
Ⅳ
循環型堆肥化センター
お問い合わせ
〒102-8452 東京都千代田区二番町8-8
株式会社セブン-イレブン・ジャパン 環境推進部
TEL :03-6238-3704 FAX :03-6238-3491
URL:http://www.sej.co.jp/
27
外
食
産
業
等
株式会社アレフ/札幌市
レストランからでる生ごみの有効活用
Ⅰ
堆
肥
化
会社の概要
株式会社アレフは、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を主要業態とするチェーンレストラ
ンを展開しています。「人間の健康と安全を守り育む事業の開拓」「人間の福祉を増大する事業の創設」
「自然を大切にする事業の展開」の3つを企業使命に据え、自然と共存できる持続可能な企業活動の在
り方を追求するとともに、食を通じて、お客様や地域、社会に貢献することを目指しています。
創
業
1968 年 12 月
資本金
4 億 4,300 万円
従業員数
社員 702 名、パート 2,927 名
売上高
385 億円(2007 年 3 月期)
Ⅱ
取組の背景
当社は 1968 年、ハンバーガーとサラダの店として創業。当初から一貫して、外食サービスを通じ
て人の健康、福祉、そして自然を守り、大切にするという理念を掲げています。安全で健康的な商品
の提供を第一に食材を研究し、さらに酪農を含む農業にも取り組んでいくなかで、いくら農薬や化学
肥料を減らしても、土壌や水、空気が汚染されていては何もならないことに気づきました。農をとり
まく環境を考えなければ、安全な米も野菜も、家畜の飼料さえつくることができません。
そこで、まずは自らが環境への負担を軽減させる取り組みを行うべきと考えて 1996 年からおよそ
1年がかりで「生ごみリサイクルシステム」を開発・導入しました。レストランから出るごみの半分
を占める生ごみを適切に処理し、かつ有効活用することを目的としています。
油
脂
製
品
化
Ⅲ
取組の内容
生ごみは一店舗あたり、毎日 30kg~50kg 程度発生します。これを各店舗に設置した「生ごみ粉砕乾
燥処理機」に毎日投入し、一次処理を行います。処理機の設置店舗から、およそ 2 ヶ月に 1 回の割合で
搬出し、生ごみをグループ牧場などに供給して、家畜ふん尿などと混ぜて発酵させ、堆肥にしています。
搬出されるこの生ごみには微生物が含まれ、しかも栄養分が残っているので、ふん尿の水分を吸収し
ながら発酵促進剤として働き、通常よりも短期間で堆肥をつくることができるのです。店舗で提供する
商品の残滓である生ごみを堆肥化し、食材を育むという循環を進めていくことに大きな意義があると考
えています。
28
生ごみのリサイクル
Ⅳ
取組の成果、今後の課題
関東圏の店舗で発生した生ごみからできた堆肥は、提携農家などで使われるほか、牛糞堆肥としてホ
ームセンターなどで市販されています。北海道内の店舗からの分は、当社の関連会社で堆肥化し、自社
農園での栽培や店舗の花壇、ハンギングバスケットの生花用としても“還元”されています。こうした
仕組みを完成させ、現在では直営店の生ごみの約85%をリサイクルしています。
ごみ排出量の削減、ごみ処理費用の軽減の他に、良質な肥料の生産、安全・安心な食生産への貢献、
さらに従業員の意識向上などにも効果が上がっています。
アレフではこうした生ごみリサイクルの他にも、自社ビールの製造工程で発生するビール粕をメタン
発酵させ、エネルギーを取り出す「ビール粕のリサイクル」や、自社店舗や地域住民から発生する廃食
用油を BDF 燃料にする「廃油リサイクル」にも取り組んでいます。それぞれから生まれた「メタンガ
ス」や「BDF」はカーボンニュートラルな燃料として自社およびグループ会社などで活用しています。
今後は、それぞれのリサイクルシステムを自社内およびグループ、関連企業に拡大し、廃棄物発生量
のさらなる削減を目指していくことが課題になります。また、既にシステムの完成している店舗におい
ても、分別の徹底などの取り組みを継続していく必要があります。
さらに、地域社会に向けた情報発信や協力体制の構築なども推進していきたいと考えております。
Ⅴ
お問い合わせ
〒061-1421 恵庭市牧場241-2
株式会社アレフ 恵庭事務所 エコプロジェクトチーム
TEL :0123-34-5338 FAX :0123-34-5103
URL: http://www.aleph-inc.co.jp
29
外
食
産
業
等
JRタワー;札幌駅総合開発(株)/札幌市
JRタワーにおける有機資源(生ごみ)利活用の取り組みについて
Ⅰ
堆
肥
化
施設の概要
JRタワー「アピア+エスタ+パセオ+札幌ステラプレイス」はJR札幌駅に隣接したひとつの大きな
街・・・。ファッションや雑貨を中心に、レストランやカフェ、リラクゼーションやアミューズメントな
どバラエティ豊かなショップが揃い、その数約 600 店舗。道内最多の12スクリーンを持つシネマコンプ
レックスや 360 度札幌市内を一望できる展望室などの施設、また、スケール感を活かしたイベントを多彩
に展開し、朝から夜までいつも活気にあふれています。各エリアの個性を発揮し、より一層のサービス向
上と札幌ならではの新しいライフスタイルを発信し続けたい。そんな願いを込めて「JRタワー」は、いつ
も、もう一つ上のステージを目指しています。
Ⅱ
取組の背景
JR タワーの開発時に「地域社会にどのように貢献できるか。地域の皆さんにJRタワーを受け入れ
ていただけるものとしたい。地域(地球)環境との調和・共生に最大の配慮を行う。」をベースとして、
コンセプトを①「地域交流の拠点」②「情報の発信基地」、③「地域環境との共生」の 3 本の柱として
掲げることとしました。
このコンセプトのもと、ごみ減量(有機資源利活用)の取り組みがスタートしました。
Ⅲ
取組の内容
JR タワーの地下 2 階には「再生資源室(ごみ処理室)」がセンターゾーンとイーストゾーンの 2 カ所
に設備されています。再生資源室内には、
「有機資源発酵乾燥機」があり、レストラン(和食・洋食・中
華)、カフェ、ホテル(和・洋・中、ベーカリー、従業員食堂)等から廃棄される有機資源をバクテリア
の力を用いて発酵・分解・減容し、肥料の一次発酵資材としています。
一次発酵資材は、石狩の有機肥料センター(株)K&K に引き取ってもらい、そこで副資材・発酵促進剤・
有用微生物などと混合し、二次処理の発酵熟成を行うことで有機肥料として製品化され、契約する農家
に販売しています。
レストラン・ホテル
食物残さの発生
有機資源処理の推移
年
度
リサイクル会社(K&K)
二次処理仕上げ製品化
再生資源室
一次処理の実施
表-1
発生量(A)
契約の農家
有機肥料の活用
(単位:t)
有機資源投入量(B) 廃棄物処理量(C)
再資源化率(%)
H18
500
380
120
76.0
H17
442
320
122
72.4
H16
720
500
220
69.4
(A)年間発生量、(B)有機資源投入量、(C)一般廃棄物処理機での処理量(ゴミック)
30
有機資源(生ごみ)
有機資源発酵乾燥機
有機肥料
(サンプル)
有機資源は飲食店等が専用のカートに入れて再生資源室まで運んで行きます。有機資源発酵乾燥機への
投入業務は、再生資源室の管理業務を委託している会社が実施しています。昇降装置(リフト)で上部投
入口までカートを上昇させ、傾いたカートから異物(ビニール類や金属類など)があれば取り除きながら、
投入を行います。
Ⅳ
取組の成果
これまでの有機資源処理の実績は表-1のとおりです。有機肥料の原料となる再資源化率は、概ね
70%超で推移しております。
新しく作られる施設であったので、入居テナントの方々に対してもごみ減量の取り組みを理解してい
ただきながら進める事ができましたが、異物が混入しないようきちんと分別してもらう協力依頼は現在
も継続して行っています。
(異物混入により機械トラブルが起きる事象を防ぐためには、飲食関連の従業
員さんへの「分別回収」の啓蒙活動が欠かせません。)
有機資源(生ごみ)利活用の取り組みは、Ⅱ項のコンセプトのもとスタートしていますが、当施設で
はごみ類(「再生資源」と呼んでいます)を「27 種類」に分類して専用の分別カート類に回収する分別
回収を行っています。多数の商業テナント・ホテル・オフィスが入居する複合施設のため、様々な再生
資源類が発生しますが、
「地球環境への気配り」を皆さんに理解していただきながら、全体の排出量の削
減に向けて更に取り組みを深めて参りたいと考えております。
分類用の分別カート
Ⅴ
空き缶圧縮機
廃プラ圧縮機
お問合せ先
〒060-0005 札幌市中央区北5条西2丁目5番地
JR タワーオフィスプラザさっぽろ11F 環境管理部
TEL :011-209-5072 FAX :011-209-5085
URL: http://www.jr-tower.com
31
発泡スチロール減容機
圧縮後の
減容固形後の製品
ビニール梱包
インゴット
外
食
産
業
等
札幌グランドホテル/札幌市
札幌グランドホテルにおける食品廃棄物のリサイクルについて
Ⅰ
堆
肥
化
施設の概要
札幌グランドホテルは、北海道で初めての本格様式ホテルとして 1934 年に開業しました。
お客様のご満足のためにいかなる努力も惜しまない、ホスピタリティ・ファーストの心構え。開業以来、
私たち札幌グランドホテルのスタッフひとりひとりが、誇りをもって培い、脈々と受け継いできた基本精
神です。日本を代表するホテルのひとつとして、つねに最高のおもてなしを追求しつづけること。世界の
エグゼクティブの心に響くサービスを、いっそう輝きあるものにしていくこと。すべてのお客さまのため
に、私たちはグローバル・スタンダード・ホスピタリティの伝統をさらに深く極めてまいります。
当ホテルの施設は、本館、別館、東館で構成され、総客室数が 561 室、収容人員が 941 名、レストラン
5 カ所、バーラウンジ 3 カ所、宴会場 22 室を有し、年間 100 万人規模の方が、ご利用いただいております。
Ⅱ
取組の背景
従来、ホテルから発生する生ごみは養豚業者により引き取られていましたが、1980 年代に入ってか
らは、運搬距離が遠くなってきたことや、養豚技術の変遷などもあり引き取られなくなり、生ごみの
ホテル内での保管滞留は悪臭や害虫の発生が懸念されることと併せ、ゴミの減量化が叫ばれ始めこと
から、ホテルから発生する生ごみの減量化、資源化が重要課題となりました。
そこで、ごみの減量化、有機肥飼料として資源化し、有機農産物の食材により更なる食の安全、安
心を付加することを目的として、食品廃棄物リサイクルシステムを導入することになりました。
Ⅲ
取組の内容
ホテルから発生する生ごみは1日当たり 800 キログラム程度でありますが、これを夜間に乾燥し、
乾燥一次製品として石狩にある肥飼料加工センター(株)K&K に送られ、およそ 1 ヶ月かけて発酵熟成
されて有機肥飼料が製造されます。この有機肥飼料は契約農家に送られて、米、野菜等の有機農産(畜
産)物が生産されます。また、生産された米の一部、野菜の一部をホテル内レストラン、館外レストラ
ンで部分的に使用し食のリサイクルを実践しています。
Input
Process
Output
調理残さ、食べ残し
一次発酵装置
二次発酵装置
有機肥料
(ホテル)
(ホテル)
(処理業者)
(契約農家)
米、野菜
消費者
32
Ⅳ
取組の成果・今後の課題
「分ければ資源、混ぜればごみ」を合い言葉に生ごみの分別を従業員に周知徹底し、不純物(ビニール、
サランラップ、アルミホイール、紐類、金物、箸類、その他食品残さ以外のもの)を入れないことが成功
の第一歩でした。また、肥料の減量が特定され、生産した農産物をホテルが買い入れることにより、農家
が安心して利用できることも成功のポイントでもありました。
これにより、従業員の意識向上を図ることで、食品廃棄物だけではなく、廃棄物全体の減量化、ごみ処
理費用の軽減につながると同時に、食の安心・安全、農業分野を含めた循環型社会の形成にも寄与するこ
とができました。
今後は、消費者への啓発や流通構造を確立していくことが課題となっており、食品リサイクルの取り組
みをPRしていくことや一つのホテルだけでの取り組みに限界があることから、関係者間の連携を深めて
いくことが重要と考えています。現在、ホテル業界においても、環境に配慮した積極的な事業展開が求め
られており、省エネルギー等、更なる取り組みを進めて参りたいと考えております。
Ⅴ
お問い合わせ
〒060-0001 札幌市中央区北 1 条西 4 丁目 2
札幌グランドホテル B2F
TEL : 011-261-3311 FAX : 011-231-1934
URL : www.grand1934.com/
33
施設課
外
食
産
業
等
札幌市環境局/札幌市
定山渓地域生ごみ堆肥化推進事業について
Ⅰ
堆
肥
化
地域の概要
札幌市南区定山渓地域は、北海道石狩支庁の南西部に位置する、北海道の政治、経済、文化の中枢的な
役割を果たしている札幌市内にあり、都心部から車で 1 時間圏内に位置した自然豊かな森林と山岳に囲ま
れた位置にある温泉地です。
定山渓地域には約 30 軒の宿泊施設があり、約 10,000 人の宿泊が可能である。また宿泊施設周辺には、
日帰り温泉施設、公園、史跡、土産物店、飲食店があり、温泉街を形成している。健康保養地である定山
渓温泉は、夏の涼味、秋の紅葉も人気があり、訪れる観光客は年間 240 万人にも及んでいます。
また、農業では定山渓地区(南区定山渓及び黄金湯)においいては耕地面積約 15 ヘクタール、農家数
は 9 軒でありますが、札幌市南区全体では市内 10 区中3位の耕地面積・農家数を有し、果樹栽培も盛ん
で、観光果樹園は市民の人気を集めています。
宿泊施設
33 軒(客室数 2,298、定員数 9,578 人)
寮・保養所・その他
10 軒
農家数、耕地面積
148 軒、116.74ha(札幌市南区全域)
世帯数、人口
996 世帯、1,514 人(平成 20 年 4 月現在)
Ⅱ
取組の背景
平成 11 年に「健康保養地宣言」を行い、札幌圏域の住民を対象とした奥座敷・都市型温泉として、新
たな定山渓自然体験学校「かっぱ塾」の開発を進め、健康保養地温泉づくりを目指しています。
定山渓温泉の健康保養温泉地としての魅力向上と生ごみの減量・資源化を推進するため、定山渓のホ
テル・旅館等で出された生ごみを堆肥化し、その堆肥を使って育てた農産物をホテル・旅館で食材とし
て利用したり、地域の特産品として売り出すなど、生ごみの分別排出、堆肥化、それを使っての農産物
の生産、この三つを定山渓地域内で行う、地域内循環を目指しています。
Ⅲ
1
2
3
4
取組の内容
定山渓地域のホテル・旅館等から排出される生ごみを分別収集する。
収集した生ごみを堆肥化施設に運搬し、生ごみ堆肥にする。
生ごみ堆肥を市内の農家が活用し、農産物を生産する。
農産物を定山渓地域のPRイベントにおける販売やホテル・旅館等の食材としての使用により活用す
る。
34
定山渓地区生ごみ堆肥化推進事業スキーム
定山渓地区生ごみ堆肥化推進事業スキーム
ホテル・旅館など
PRイベント
生ごみ排出者
料理への活用
生産物活用者
農産物
生ごみ
農 家
民間堆肥化施設
生ごみ
堆肥
堆肥活用者
堆肥化事業者
Ⅳ
取組の成果
平成 18 年度生ごみ分別収集量:620 トン
Ⅴ
1
今後の課題
現在堆肥化施設が石狩市にあり、運搬にかかる負担が大きい上、定山渓地域における生ごみの地域内
循環が達成されていないため、定山渓地域内に生ごみ堆肥化施設の整備を目指しています。
農家の生ごみ堆肥に対する不安を取り除き、生ごみ堆肥の活用先の拡大を目指すため、北海道、研究
機関及び農家と連携して、生ごみ堆肥の肥効等の調査・研究や生ごみ堆肥のモニタリング調査を実施
します。
2
Ⅵ
お問合せ先
〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目
札幌市環境局環境事業部ごみ減量推進課
TEL :011-211-2928
FAX :011-218-5108
35
処
理
事
業
者
(株)ばんけいリサイクルセンター/石狩市
石狩生ごみリサイクル工場「環生舎」における食品系廃棄物のリサイクル
Ⅰ
会社の概要
当社は、平成 7 年に開業し、現在、全道各地に直営事業所7カ所、受託事業所8カ所の計 15 カ所が
稼働しています。
おもにホタテ養殖に伴う付着物、養殖コンブ根、ホタテ内蔵、その他の魚介類残渣などの水産系廃棄
物や食品系廃棄物、家庭生ゴミなどを発酵処理し、堆肥化を行っており、一定の成果をあげてきていま
す。
Ⅱ
取組の背景
このことから、食品リサイクル法施行によるリサイクル量の増加や地球環境問題によるバイオマス有
効利用の高まり等を視野に入れ、大都市札幌市内からの受け入れを見込み、平成 15 年、それまでの経
験と技術を結集し、石狩新港地区に年間処理量1万 t 規模の食品系廃棄物のリサイクル施設(発酵処理
堆肥化施設)を建設しました。
堆
肥
化
Ⅲ 取組の内容
(1)施設等
処理施設は、すべて当社の開発した技術に基づいたものであり、低コスト、低環境負荷としできる
だけシンプルなシステムとしています。
発酵処理堆肥化フロー
機械類はエアレーション・ブロアー機器と選別機器、破砕機
食品残渣
副資材
戻し材
が設置されているだけである。発酵温度を見ながらの切り返し
を基本システムとしている。臭気除去のため土壌脱臭施設を併
計
量
設しています。
受
入
(2)処理方法等
破 袋
受け入れる食品廃棄物は、札幌市、石狩市及び近郊のスーパ
ーマーケット、飲食店等から排出される事業系一般廃棄物と、
混 合
食品製造業から排出される産業廃棄物(動植物性残さ)とです。
送気発酵
受け入れた食品残さは副資材等と混合した後、発酵処理を行
い堆肥(特殊肥料)の生産をしている。処理フローは別記のと
選 別
おりです。
堆積発酵
平成 18 年度は 9,000t 以上の受け入れがあり、約 2,500t の堆
製品堆積
肥を生産し、主に石狩、空知、後志支庁管内の農業者に出荷し
ています。
出 荷
(3)他機関と協力し実施している主な取り組み
①札幌市が行っている定山渓温泉地区から排出される食品残さを堆肥化し、その堆肥で育てた野菜を温
泉ホテル、旅館が買い取り使用する「生ごみ堆肥化モデル事業」に参画している。
36
②札幌市教育委員会が行っている学校給食施設からの残廃食品及び給食後の残食品を堆肥化し、その肥
料で育てた野菜を学校給食の食材に還元する「フードリサイクル事業」及び各学校内の教材園を利用
し児童が堆肥を使用し育てた野菜を食する事業に参画し、食育及び環境教育や循環型社会形成に協力
している。
③札幌市、JA さっぽろ及び札幌市内畜産農家と協力し、当社が生産した堆肥を畜産農家の牛糞と混合
して堆積発酵させ、札幌市内の耕種農家の圃場に散布する「有機資源循環事業(コントラクター堆肥
散布事業)」に参画しています。
受け入れ
混
選
堆積発酵
別
合
送気発酵
製
品
Ⅳ
取組の成果
当社の発酵堆肥化施設を開設操業して以来、それまでほとんど焼却処分されていた食品系廃棄物が、
一部ではあるが発酵技術により再生され堆肥となって大地に還元されていることが、未利用有機物資源
の有効利用の高まりの気運の一つとなっています。堆肥使用者においては、堆肥を使用することにより
土が軟らかくなり作物が根張りよく丈夫に育ち収量が増加するなどの効果がみられ、徐々にではあるが
化学肥料から有機質肥料及び低農薬・減農薬への転換が進みつつあります。
また、他機関と協力し実施している事業については、食育及び環境教育等を通じ環境問題意識の啓発
を促し資源循環型社会の形成に寄与することができました。
Ⅴ
今後の課題
・食品リサイクルの取り組みは一企業のみでは限界があるので、必要に応じ他機関との協力による事業
を積極的に進め、資源循環型社会の形成を図ることが重要であると思われます。
・農協、農業者が化学肥料から有機質肥料等への転換がスムーズに図れるよう機械導入や散布等に関す
る支援が必要と思われます。
・未利用有機質の処分、収集、運搬等の法的規制の更なる緩和が必要であると思われます。
・生産された堆肥の統一した品質規格・基準を早急に定めることが必要であると思われます。
・当社の提案により建設された伊達市におけるリサイクル施設では、生ごみ、畜糞、ブロイラー糞、ホ
タテ養殖残さなど、年間約1万5千 t の未利用有機物の発酵処理堆肥化が順調に行われており、今後、
地域総合的な処理体制を進めることが必要と思われる。
・今後、企業として、農業者が安心して使用できる堆肥を生産できるよう、さらに発酵技術開発等の努
力をすることが大切であると考えます。
Ⅵ
お問合せ先
<本社>
〒064 -0945 札幌市中央区盤渓 398 番地
TEL :011-631-2245
FAX :011-631-2247
URL: http://www.recycle-bankei.jp
37
処
理
事
業
者
ジャパンサイクル(株)/石狩市
ジャパンサイクル石狩循環モデルセンターにおける高速発酵堆肥化施設に
ついて
堆
肥
化
Ⅰ
会社の概要
ジャパンサイクル株式会社は、生活様式に連鎖・連環して排出される有機性廃棄物を再生可能な資源
と位置づけ、地域で発生するバイオマス原料として、高速発酵施設により、安全で効率的に、再生資源
化としての高機能堆肥、固形燃料、緑化基盤材、脱臭剤などの生産を行っています。
高機能堆肥は地元特産品生産に寄与し、固形燃料は工場における補助燃料として再利用することがで
きます。施設は、循環資源モデルセンターとして石狩市新港南と宮城県大崎市岩出山の二カ所で事業を
行っており、両施設については地域社会に広く開示して、地域の学童はもとより市民の皆様方の参画と
啓蒙を促すとともに、資源循環型社会の構築につき産・官・学協働で取り組むことを目指しています。
Ⅱ
取組の背景
立地している石狩湾新港地域は、国が平成 15 年 4 月にリサイクルポートに指定し、リサイクル産業
の新規立地促進、民間事業者の施設整備に対する支援を行い、今後これら指定港を拠点として全国的な
リサイクルの輪の構築や、海上静脈物流による臨海部産業の再生・活性化を目指して、官民の連携によ
る取り組みを進めています。
※リサイクルポート(総合静脈物流拠点港)とは、広域的なリサイクル施設の立地に対応した、静脈物
流ネットワークの拠点となる港湾をいう。
Ⅲ
取組の内容
事業の範囲
発酵堆肥化(燃え殻、汚泥、廃油、廃アルカリ、紙くず、木くず、動植物残さ、動物のふん尿)
処理能力
発酵仕込みエリア
施設概要
敷地面積
建築概要
高速発酵棟
7,038 ㎡、分別置場棟
脱臭装置棟
851 ㎡、製品置場棟
345 ㎥/日、高速発酵槽
147 ㎥/日
合計
492 ㎥/日
56,769 ㎡
467 ㎡、トラックスケール
467 ㎡、事務所棟
1,287 ㎡
100 ㎡、
合計 10,210 ㎡
高速発酵堆肥化システム
自然界に存在する微生物(発酵菌)がもっとも活動しやすい状況を整え、維持継続をすることにより、発酵が促
進されるというシンプルな仕組みであり、古来からの作用をより効果的、効率的に追及した施設です。したがって
発酵に際しては、特殊な高価な発酵菌を使用しているわけではありません。脱
臭装置における脱臭材についても出来上がった対比の特性を利活用し、施設内
そ
の
他
から送られてくる周期が充分に吸着・脱臭されているので、特別な脱臭剤を購
入、使用をしておりません。この方法は微生物脱臭方式として、既に、確立し
ているものです。施設外に周期を拡散させないために、臭気を中心とした環境
対策には充分配慮をしたことにより、施設建設にコストを掛けましたが、発酵
菌や脱臭剤などの費用発生は無く、ランニングコストは低く、安定しています。
38
製造工程
有機性廃棄物
副資材(戻し堆
高速発酵槽に移
の受入
肥)と混合させて
発酵仕込み槽に
収納(一次発酵処
プ式にて 20 回撹
理 8 日間)
拌移送)
発酵堆肥化
ふるい機
ふるい機
送(二次発酵処理
(トロンメル)で
(トロンメル)で
20 日間、スクー
粒、形状を整える
粒、形状を整える
製品
含水率 85%以上(液状物)の有機性廃棄物と、85%未満(固形物)と、性状別に受け入れることが可能な窓口が
設けられており、有機性廃棄物の受け入れとしては全方位型の処理施設です。
受け入れ後の早い段階で、自然界の微生物・発酵菌の活躍により 80 度以上の高温での発酵堆肥化が始まります
が、高温が長時間継続することで水分は蒸発し、堆肥としての原料は渇きの方向に進みます。
好気発酵は栄養と酸素と水分が必要であり、そのバランスにより発酵が促進されることから、水分が不足すると
発酵の度合いが低減してしまいます。自動走行する返送式切り返し機が稼動する中、発酵と水分の状態を確認しな
がら、別途受け入れた液物を、切り返し機を通じて、必要な量を霧状で散布、水分が補足・補充されることで好ま
しい発酵が蘇ります。
有機性廃棄物における液状物と固形物との全方位型受け入れ可能な処理施設であることは、排出者側にとっても
活用しやすいことですが、同時に、施設側も液状物と固形物との両方が必要なのです。片肺飛行ではなくて、広く
全方位型の受入なので、処理(受入)価格が高くなくても運営が可能となります。
(1)堆肥
平成 19 年 12 月 10 日に肥料取締法による堆肥登録証が
(2)固形燃料
交付され、その後、肥料販売業開始届出も済ませました。
重金属を多く含んだ下水道汚泥は、堆肥化には不向きで
堆肥の市場動向については諸説がありますが、全国で作ら
すが循環社会構築における一つの選択肢として、その特性
れた堆肥全量の 30%程度が需要されている模様であり、今
を生かし、固形燃料化での活用を選びました。堆肥市場に
後においても総使用量が極端に上がることはなく、供給過
おける供給過多現象への対応、緩和策として、更には、地
多の傾向は続くものと思われます。
球温暖化防止対策の一環として CO2 削減に寄与することで
下水道汚泥は、食品残さと同様に有機性なので堆肥とな
あり、一流メーカーに支援を仰ぎながらの固形燃料開発で
りますが、市町村毎では重金属の含有率が異なり、一部の
した。
市町村から生じる重金属を多く含んだ下水道汚泥について
は、堆肥原料として不適格です。
Ⅳ
事業実績と今後の課題
堆肥登録証が交付され、肥料販売業開始届出も終了したことから、何時でも堆肥の販売ができる
固形燃料サンプル
条件は整いましたが、完成した堆肥は、有機性廃棄物(資源)の受入時における副資材(水分調整
材)や脱臭槽での脱臭堆肥としての出番が多く、施設内の必要個所を充実させるために活用してい
ました。堆肥としての販売は可能であり、近い将来には出荷となります。
(1)自社ブランド、肥料の名称「北の万作」として、自社独自での直接販売
(2)全国有数の堆肥販売会社が、北海道内に限定しての販売を展開
(3)小袋放送充填を前提とした、大型量販店での取り扱い
などの商談が、同時進行で進んでいる段階です。
固形燃料は、形状、品質などに対して、使用する側の必要要件、意向があることから、大規模工場
とともに解決しながらの製造となります。
Ⅴ
お問い合わせ
〒061-3244 石狩市新港南 2 丁目715番地2
ジャパンサイクル株式会社 石狩循環モデルセンター
TEL :0133-60-2222
FAX :0133-60-2121
URL: http://www.japancycle.com
39
処
理
事
業
者
株式会社レビオ/滝川市
家庭生ごみの堆肥化の取組~地域循環生ごみリサイクルシステム
Ⅰ
堆
肥
化
会社の概要
1997.7
新産業を目的に仲間が集まり産業クラスター研究会を発足
北 海 道 中 小 企 業 家 同 友 会 旭 川 支 部の 会員 8名が集 まり 試行錯誤 をし ながら生 ごみ 処理シ ス テ
ムに挑戦
1998.6
開 発 の 目 処 が 立 ち 生 ご み 処 理 シ ス テ ム と し て 特 許 出 願 ( 特 許 出 願 番 号 10-188137 、
2002-312054)
資本金 300 万円
1999.4
有限会社レビオを設立
1999.5
芦別市において実証テストがスタート(レビオポスト5台、100 世帯に依頼する)
1999.8
北海道促進起業化奨励事業補助金が確定(平成 11 年度・平成 12 年度の2年間)
2000.9
有限会社を株式会社レビオに組織変更
2001.2
芦別市の実証テストを終了する
北の生活産業デザインコンペティションで金賞受賞(レビオポスト)
グッドデザインほっかいどう選定商品(レビオポスト)
2001.10
モデル事業第一号(終了)
旭川市のモデル事業としてレビオポスト2台納入
2002.10
ロジェ北10条サンウエスト
レビオポスト2台納入
この後ロジェシリーズに順次納入札幌・旭川に計15台納入
2003.5
函館市借上げ市営住宅
2005.6
モデル事業第二号(終了)
レビオポスト2台納入
札幌市のモデル事業でレビオポスト2台採用
市営苗穂住宅、マンション・アルカサーノ琴似
2006.2
特殊肥料
2006.6
モデル事業第三号(継続中)
レビオスが「北海道認定リサイクル製品」に認定
循環第 1554-11 号
北広島市のモデル事業にレビオポスト3台採用、3年間の予定でスタート
レビオポスト特許取得「一般ごみ等の減量化方法及びその装置」
特許第 3810922 号として登録されました。
2006.9
旭川「緑風苑」レビオポスト1台納入
2006.12
旭川市モデル事業で使用したレビオポストを旭川「緑風苑」・台場町内会で使用開始
2007.3
「エルピザの里」レビオポスト1台納入
2007.9
環境省実施、(財)北海道環境財団で募集した「温暖化防止一村一品応援プロジェクト~「食」
編~」で優良事例として選定される
40
千葉市緑区にある知的障害者厚生施設(通所)
Ⅱ
取組の内容
家庭生ごみを堆肥化して農家で利用し、無農薬・減農薬栽培の美味しい・安心・安全な農作物
を利用者・消費者へ販売するリサイクルの輪を作っています。生活者・行政・農業者の3者が元
気になる取り組みです。㈱レビオは「地域循環生ゴミリサイクルシステム」と名付け推進してお
ります。
このシステムは家庭生ごみを 20~25 世帯で共同利用するレビオポストに投入し、生ごみ発生
近くで一次処理(バイオ処理)し水分を約 40%、重量を約 1/10 にします。この処理物を3~4
ヶ月に一度回収し二次処理し、生ごみ堆肥として農家で使用し、できた農作物は利用者へ販売し
ているものです。
特徴
・24 時間いつでも生ごみを捨てられます。
・地方自治体が悩みの種としている家庭生ごみを焼却処理しないのでコスト削減に大きく寄与します。
(ポストは分譲マンション、市営住宅、町内会等に設置)
・一次処理物の回収は3~4ヶ月に一度で良く、処理物は水分、重量ともに大幅に減少しており、収集・
運搬コストが低減します。(通常行われている生ごみ週2回収集と比較)
・レビオの生ごみ堆肥は副資材がほとんど無く、1反あたり 300kg 使用で一般の化成肥料の様に扱えま
す。(軽く作業性が良い)家庭生ごみ約 70t から約5t の生ごみ堆肥ができます。
・家庭生ごみ 100%で作る堆肥は農家が安心して使える堆肥です。(農家の要望で製造)
・できた農作物は慣行栽培と比較し食味が良くなります。
Ⅲ
取組の実績
分譲マンション等で旭川市、札幌市、函館市で 23 台が稼働中。昨年度約 70t の家庭生ごみを焼
却処理しない(約 140tCO 2 を削減)で堆肥化し約5t を農地に還元しました。
旭川市、札幌市、北広島市でモデル事業を実施済み又は実施中。
Ⅵ
お問合せ先
〒060-0005 滝川市泉町 1 丁目1-21
㈱レビオ 営業企画
TEL :0125-23-6660 FAX :0125-23-6658
URL: http://www.rebio.co.jp
41
処
理
事
業
者
三造有機リサイクル株式会社/札幌市
三造有機リサイクル株式会社における食品廃棄物リサイクルについて
Ⅰ
会社の概要
当社は、資本金が 5,500 万円、筆頭株主が三井造船(株)であり、平成9年3月に設立しました。
翌年の平成 10 年1月から札幌リサイクル団地で事業系生ごみのリサイクル事業を行っています。
Ⅱ
取組の背景
生ごみリサイクルに使用する技術は「油温減圧脱水乾燥方式」と呼ばれ、平成5年に札幌市が当
時都市計画決定に従って札幌市リサイクル団地内に計画を進めていた、ごみの減量化及び再資源化
を目的とした食品廃棄物中間処理施設の導入に対して、三井造船(株)が提案した処理技術が採用
されたものです。
この後平成9年3月に事業主体である子会社「三造有機リサイクル(株)」が設立し、現在に至っ
ています。
飼
料
化
Ⅲ
取組の概要
札幌市内の学校、ホテル、レストラン、スーパー等から排出される事業系生ごみ(一般廃棄物)
を再生処理し、再生品は主に家畜用配合飼料原料として流通しています。
また、生ごみの処理過程から抽出される油分は、改質後ボイラ用燃料として使用しています。
このため、化石燃料(A重油)の消費量を大幅に削減し、地球温暖化ガス排出量削減に寄与してい
ます。
事業の区分
中間処理
取扱う主な廃棄物
一般廃棄物(事業系生ごみ)
事業所の従業員数
12 名
主要な処理施設の種類、処理能力、処理方式等
施設分類
施設の種類名
処理能力
処理方式
主な設備他
一般廃棄物処理施設
生ごみリサイ
62t/日
油温減圧脱水
クッカー
乾燥方式
10 ㎥
クル処理施設
原料及び製品の流れ
収集運搬事業者
排出事業者
事業系生ごみ
ごみ
系生
事業
搬料金
収集運
再生処理事業者
処理料金
札幌市環境事業公社
学校、病院…
代
金
畜産農家、農家…
うまいっ!
代金
飼料・肥料
エンドユーザー
油圧減圧乾燥装置全景
42
飼肥料メーカ
飼料
・肥
料
三造有機リサイクル
代
金
プラントの特徴
原料である生ごみは水分が多く、水分率は重量比で約 80%あります。
受け入れる生ごみは水分率が異なる複数の物質の混合態であり、効率良く均一に脱水乾燥するために、本
プラントは乾燥用熱媒体として廃食油を使用し、かつ脱水乾燥工程を減圧下で行うリサイクルシステムを採
用しています。
脱水乾燥を減圧下で行うことにより、原料の温度は 100℃~115℃程度に抑えられるため、再生品の成分
のうち飼料原料として最も重要な蛋白の熱変性が極めて小さいというメリットを併せ持っています。
また、脱水乾燥工程で抽出される生ごみ中の油分(副生油)は、ボイラの燃料として利用されています。
生ごみ処理プラント概要
中低濃度
脱臭装置
高 濃 度
脱臭装置
廃食油
臭気
補充
オイル
計 量
タンク
蒸発水分
媒体油
薬液洗浄塔
臭気燃焼炉
ミ ス ト
キャッチャー
原料
スクリュー
プレス
油分離装置
予備処理
タンク
ハンマーミル
ミールクーラー
製品ホッパー
クッカー
原料ホッパー
ボイラー
媒体油
コンデンサー
分離油
臭気
冷却水
クーリングタワー
袋詰め又は
バルクで出荷
デカンタ
デカンタ
サービス
タンク
真空ポンプ
ホット
ウェル
タンク
原料・製品
媒体油
蒸気
臭気
真空・排水
排水処理設備
排水
下水道放流
Ⅳ
取組実績
操業開始
項目
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
合計
9,375
11,673
12,804
12,314
13,316
13,183
14,017
16,712
16,688
16,518
136,600
1,937
2,689
2,677
2,588
2,677
2,759
2,914
3,494
3,462
3,366
28,563
20.7
23.0
20.9
21.0
20.1
20.9
20.8
20.9
20.7
20.4
20.9
処理
量
(t)
再生
品生
産量
(t)
製品
収率
(%)
Ⅵ
お問合せ先
〒007-0890 札幌市東区中沼町45番53
三造有機リサイクル株式会社
TEL :011-792-3310
札幌市リサイクル団地内
FAX :011-792-3316
43
処
理
事
業
者
小田急フードエコロジーセンター/神奈川県
小田急グループによるループリサイクルの取り組み
Ⅰ
会社の概要
2005 年 10 月、神奈川県相模原市に小田急電鉄の子会社である株式会社小田急ビルサービスによ
って「小田急フードエコロジーセンター(以下 FEC)」を開設した。FEC は食品循環資源を、破砕、
殺菌、発酵処理し、液体状の飼料(リキッド発酵飼料)を製造する工場です。
Ⅱ
事業の背景
本事業の背景として、1999 年に小田急電鉄は「環境方針」を策定し、環境対策へ本格的に取り組
みを開始したこと、2001 年に食品リサイクル法が施行され、傘下に小田急百貨店、小田急商事(ス
ーパー)、小田急食品(食品工場)ホテル小田急等、様々な食品排出事業を抱える小田急グループは、
その法令遵守に向けた取り組みを求められたことがあげられます。
その状況の中で堆肥化、飼料化、バイオガス化等、様々な角度から調査した結果、世界的に CO2
の削減が求められる中でリキッド発酵飼料製造は CO2 排出が少ないと考えられること、今後、穀物
価格の高騰により、畜産物の安定的な供給が阻害される可能性が高く、沿線の消費者に畜産物を安
定的に提供していく新たな仕組みが必要となること、豚肉販売をグループを挙げて取り組むことで
リサイクルをしながら売上に貢献でき、グループの相乗効果が期待できること等を含め、本事業の
取り組みを開始しました。
飼
料
化
Ⅲ
事業の内容
食品関連事業者
・小 田 急 百 貨 店
FEC の概要は、敷地面積約 1,500m2、
契約養豚農場 豚 肉
・サザンタワー、ミロード
建物面積約 900m2 で、一般廃棄物処分
小 田 急グループで
・小 田 急 商 事
etc
業 19.5t/日、産業廃棄物処分業 19.5
ブランド肉として販 売・利用
t /日 の 併 せ て 39t /日 の 処 理 能 力 を
持ち、約 50t/日のリキッド発酵飼料
事業活動に
製造が可能な施設であり、登録再生利
よって発 生 し
小 田 急フードエコロジー
飼料
用事業者の認定も取得しています。
食品循環資源
た食 品 循 環
センター
実際の飼料製造の流れとしては、排
資源
飼料化工場
出事業者側に専用のプラスティック製
食品循環資源 ⇒ 飼料
容器を置き、契約運搬業者が空の容器
と食品循環資源の入った容器を毎日交
換しながら、専用車で回収し FEC へ搬
入します。容器には排出事業者名とバーコードが貼ってあり、搬入された容器ごとに計量しながら、
POS 管理システムで排出年月日や内容物等についてコンピューター管理をおこない、日々の飼料配合
設計をしていく。計量された食品循環資源は反転式の投入リフトで投入口へ投入し、ベルトコンベア
ー上で人の目で飼料化適合物か確認しながら、不適合物があれば取り除いていき、その後、破砕機で
破砕処理をおこない、90~100℃の熱により殺菌処理を実施する。これを撹拌タンクに移し、撹拌しな
がら熱を 50℃以下に冷ましたのち、乳酸菌を添加、乳酸発酵させ、飼料の完成となります。このリキ
ッド発酵飼料を自社のタンクローリー車に積み込み、契約養豚場へ出荷します。
44
<リキッド発酵飼料製造工程>
投入口
選別
1次破砕
2次破砕
食品循環資源
の投入
発酵工程
殺菌処理
発酵菌を投入
(発酵タンク)
(スチームジャケット)
FES
FEC
FEC
FEC
FEC
約90~100℃で殺
菌処理
出荷
FES
24~48時 間 後
タンクローリーで
豚舎へ出荷
Ⅳ
事業の実績
現在、食品循環資源の受入量は約 15t/日、排出事業者として小田急グループの参加事業所 30、グル
ープ以外の参加事業所は 40 以上におよび、合計で 70 箇所以上の事業所が既に本システムに参加して
いて、毎月 2~5 事業所が増加し、2008 年度中に 30t/日を目標としています。
また、FEC で製造された飼料を利用している養豚農家も 8 戸におよび、昨今の穀物価格の高騰を受
け、飼料代の値上がりが顕著なことから、今年度中に倍増していく見込みです。
さらに、「独立行政法人 畜産草地研究所」、「神奈川県畜産技術センター」、「日本大学 生物資
源科学部」等の産官学連携研究により、学会、シンポジウム等における発表事例も積み重ね、本
システムの全国普及のため、積極的に情報公開をしています。
また本事業の大きな特徴として、エコフィードを利用した豚肉の販売を大きく展開していることが
あげられます。既にグループ内においては、小田急百貨店、小田急商事、一部ホテル等で商品化に成
功し、消費者の評価も高く、多くのリピーターを獲得しています。このことは、排出事業者にとって、
単なるリサイクルにとどまる仕組みではなく、付加価値の高い商品化(ブランド化)ができているこ
とから、売上に直接貢献できるため、経済効果の高いシステムとしてメリットが大きい。
Ⅴ お問い合わせ
本社:東京都渋谷区代々木2-28-12
株式会社小田急ビルサービス 環境事業部
TEL:03-5333-0023 FAX:03-5333-2116
E-mail:[email protected]
URL:http://www.odakyu-bs.co.jp/index.htm
担当:高橋、伊藤
工場:神奈川県相模原市田名塩田1-17-13
小田急フードエコロジーセンター
45
Fly UP