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Ⅰ 国際関係 02・01 アフガニスタン復興支援国際会議が「アフガンへの
田島 秀則・田中 寛
濱口 健・細川 洋嗣 編
Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別
2006 年 2 月 1 日− 28 日
(共同通信)
Ⅰ 国際関係
02・01 アフガニスタン復興支援国際会議が「アフガンへの長期的な国際支援の確認」など
合意事項をまとめた議長総括を発表し閉幕(← 1 月 31 日、ロンドン)、参加国・機関は
総額 105 億ドル(約 1 兆 2400 億円)の拠出を表明
国連平和維持活動(PKO)の物資調達などに伴う不正支出が過去 6 年間で総額 2 億 6500
万ドル(約 313 億円)を上回っていることが内部監査で判明、22 日国連安保理が同問題
について公開協議を開催、国連事務局側の責任などを追及
イラン核問題で英国、フランス、ドイツの欧州 3 ヵ国が同問題の国連安保理への付託を
求める決議案を IAEA 事務局に提出、4 日 IAEA 緊急理事会が賛成多数で決議案を採択、
付託は 2003 年 2 月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)核問題以来、6 日正式に付託
04 デンマークやノルウェーの新聞が掲載したイスラム教預言者ムハンマドの風刺漫画に抗
議するデモ隊がシリアのデンマーク大使館などに放火、6 日イランがデンマークとの通
商断絶を表明、その後フランス紙や米紙なども風刺漫画を掲載し抗議行動はパキスタン
やナイジェリアなどイスラム圏で拡大、死者も
10
第 20 回冬季オリンピック・トリノ大会が開幕(→ 26 日)
、80 ヵ国・地域が参加
11 主要国(G8)財務相会合が最近の原油価格の高騰など不安定なエネルギー価格への懸念
を表明し生産設備の増強のため産油国への投資促進や産油国、消費国が民間部門も含め
対話を強化することを盛り込んだ声明を採択、閉幕(← 10 日、モスクワ)
14
バイディ = イラン最高安全保障委員会事務局次長がウラン濃縮活動を再開と表明
15
ASEAN の元首脳らによる有識者会議が閉会(← 13 日、バンコク)、将来の「ASEAN 共
同体」の最高規範となる「ASEAN 憲章」草案作成に向けた指針を 2006 年末にフィリピ
ン・セブ島で開かれる ASEAN 首脳会議に提出する方針を確認
16
国連人権委員会の特別報告者 5 人が米政府がキューバのグアンタナモ米海軍基地にテロ
容疑者を長期間拘束しているのは国際的な人権規約違反だとする報告書を公表
17
たばこによる健康被害の低減を目指す「たばこ規制枠組み条約」の第 1 回締約国会議が
条約事務局を WHO 本部に設置することなどを決めて閉幕(← 6 日、ジュネーブ)
21 米人権団体ヒューマンライツ・ファーストがイラクやアフガニスタンなどの米軍のテロ
容疑者収容所で 2002 年 7 月以降 97 人の収容者が死亡していることを明らかに
イランの核問題をめぐりイランとロシアが交渉(モスクワ)、ウラン濃縮をロシア国内
で合弁企業が実施するとのロシアの妥協案については合意できず
23
EU 欧州委員会が中国とベトナム製革靴が域内で不当廉売(ダンピング)されていると
認定、マンデルソン委員(通商担当)が中国の革靴に 19.4%、ベトナムの革靴に 16.7%
の反ダンピング関税を課すことを加盟国に提案
25 米商務省センサス局が 5 − 10 分おきに推計値を公表している「世界人口時計」がこの日
午後 7 時 19 分(日本時間 26 日午前 9 時 19 分)65 億人を突破
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 54
国際問題月表
アナン国連事務総長がイフサンオウル = イスラム諸国会議機構事務局長やムーサ = アラ
ブ連盟事務局長らと会談しメディアが信仰の侮辱に使われてはならないと非難し人権を
守るために「関連法の厳格な適用」を求める共同声明を発表(ドーハ)
27 ピネイロ国連人権委員会特別調査官(ミャンマー担当)がミャンマー軍事政権の人権状
況について過去 6 年間改善がみられなかったと結論づけ 2005 年末時点で推定 1144 人に上
る政治犯を 6 月末までに釈放するように勧告する総括報告書をまとめる
エルバラダイ IAEA 事務局長がイラン核問題に関する報告書を IAEA 理事会に提示、イラ
ンが遠心分離機 20 基を連結したウラン濃縮準備を進めるなど核兵器開発にもつながる
濃縮活動を拡大していることを指摘
Ⅱ 日本関係
02・06 米国防総省ミサイル防衛局当局者が日米両政府が配備を検討している米国の新型移
動式早期警戒レーダー「X バンドレーダー」について航空自衛隊車力分屯基地(青森県
つがる市)を念頭に 6 ヵ月以内に配備を開始したいとの考えを表明
東芝が英国核燃料会社(BNFL)傘下の米大手原子力発電所メーカーのウェスチングハ
ウス・エレクトリック(WH)を買収することで BNFL と正式に合意、買収額は約 54 億
ドル(約 6400 億円)
秋篠宮妃紀子さまの第 3 子ご懐妊が判明、9 月か 10 月に出産予定、7 日小泉純一郎首相
が女性、女系天皇を容認する皇室典範改正案について今国会提出を見送る考えを表明
08 日朝政府間協議が拉致問題、国交正常化交渉、核・ミサイル問題を切り離す並行方式で
初議論、進展なし(← 2 日、北京)
1971 年に調印された沖縄返還協定をめぐり土地の原状回復補償費を日本政府が極秘に
肩代わりしたとされていた問題で当時対米交渉に当たった吉野文六元外務省アメリカ局
長が肩代わりを認め密約の存在を事実上肯定
10 ライブドアグループの証券取引法違反事件で証券取引等監視委員会が前社長堀江貴文容
疑者らを東京地検に告発、東京地検は証取法違反罪で堀江容疑者ら 4 人と同社など 2 法
人を起訴、22 日証取法違反容疑で堀江容疑者ら 4 人を再逮捕、代表取締役熊谷史人容疑
者を逮捕
11
国連が 1 月に国連軍縮局長(事務次長)を退任した阿部信泰氏の後任に田中信明駐パキ
スタン大使を充てることを内定
14
日本に永住帰国した中国残留婦人ら 3 人が「帰還措置を怠った」などとして国に損害賠
償を求めた訴訟の判決で東京地裁は過酷な被害と帰国を遅らせた国の怠慢を認定、賠償
請求は棄却
15 日本航空グループ 4 人の役員が部長ら 50 人の署名をもち日航の新町敏行社長ら代表権を
持つ 3 人に対し業績悪化などを理由に退陣を要求していたことが判明、新町社長は要求
拒否
16 民主党の永田寿康衆議院議員が衆院予算委員会でライブドア前社長の堀江貴文被告が武
部勤自民党幹事長の 2 男の口座に 3000 万円振り込むようメールで指示したと指摘、その
後メールの偽造疑惑が持ち上がり 27 日永田議員はメールが正しいと証明できないとし
て謝罪、野田佳彦民主党国対委員長が引責辞任、永田議員は半年間の党員資格停止処分
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 55
国際問題月表
耐震強度偽装問題で東京地裁はヒューザーが債務超過と認め破産手続きの開始を決定、
マンション住民の申し立てによるもので瑕疵担保責任に基づく損害賠償など住民への債
務は 130 億円以上に
17 米農務省が特定危険部位が混入し日本が米国産牛肉の輸入を再停止した問題で報告書を
発表、検査制度は不十分ではないと釈明する一方で再発防止に全力を挙げる姿勢示す、
20 日小泉首相と中川昭一農相が米農務省の報告内容が不十分で早期輸入再開は難しいと
の認識で一致、米側に追加説明を求める方針
20 防衛施設庁発注工事の談合事件で東京地検が空調設備工事をめぐる競売入札妨害(談合)
罪で同庁元技術審議官ら 3 人を起訴、21 日米軍基地土木工事をめぐる談合容疑で再逮捕
22
二階俊博経済産業相が温家宝中国首相と会談(北京)、温首相は小泉純一郎首相の靖国
神社参拝をあらためて批判
23 1974 年にオランダ・ハーグのフランス大使館を占拠した事件を指揮したとして殺人未遂
などの罪に問われた元日本赤軍最高幹部重信房子被告に東京地裁が懲役 20 年(求刑無期
懲役)の判決
北朝鮮による地村保志さん、蓮池薫さん両夫妻の拉致事件で福井、新潟両県警が国外移
送目的略取などの疑いで元工作員辛光洙容疑者ら 2 人に逮捕状、帰国した拉致被害者の
事件で容疑者特定は初
第 20 回冬季オリンピック・トリノ大会のフィギュアスケート女子で荒川静香選手が金メ
ダル獲得
財務省が 1 月の貿易統計速報(通関ベース)を発表、輸出額から輸入額を引いた貿易収
支は 3479 億円のマイナスで 2001 年 1 月以来 5 年ぶりの赤字、対中貿易赤字も過去最高
27
麻生太郎外相がモッタキ = イラン外相と会談しウラン濃縮関連活動の停止を要求(東
京)、モッタキ外相は「研究活動」と拒否
28 外交機密費に関する文書を開示しないのは不当として市民団体が不開示処分の取り消し
を求めた訴訟の判決で東京地裁がほとんどの不開示決定取り消す
Ⅲ 地域別
●アジア・大洋州
02・02 米国と韓国が自由貿易協定(FTA)交渉入りを発表、農産物の市場開放を懸念する
韓国農民が交渉入りに抗議する集会開催
05 韓国政府が金大中前大統領が 1973 年に東京で拉致された事件に関する外交文書を公開、
同年 11 月に金鍾泌韓国首相と会談した田中角栄首相が日本の捜査継続は「建前」と言
明、政治決着を優先させた交渉の舞台裏が判明
06 韓国ソウル大の黄禹錫教授による胚性幹細胞(ES 細胞)論文の捏造問題をめぐり同国監
査院は黄教授が政府や民間の研究支援金約 62 億ウォン(約 7 億 6000 万円)を管理、不正
に使用していたとする中間調査結果を発表
07
ネパールのギャネンドラ国王が民主化の第 1 段階と主張する地方選挙実施、国王の強権
政治に反発する主要 7 政党が選挙をボイコット、半数以上で候補者を欠く異常事態に
09
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部パリ)が米インターネット検索大手
ヤフーが中国当局に情報提供したために地元政府の腐敗をネット上で批判した元地方公
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 56
国際問題月表
務員が国家転覆罪で懲役 7 年の判決を受けたと発表
14
温家宝中国首相がソー・ウィン = ミャンマー首相と会談(北京)、エネルギー分野での
協力関係を強化する考えで一致
15 パキスタン北部のペシャワルなどでイスラム教預言者ムハンマドの風刺漫画への抗議デ
モが暴動に発展、14 日からの死者は 5 人に
17 フィリピン中部の南レイテ州(レイテ島)セントバーナード付近で豪雨による地滑りが
発生、21 日までに死者 107 人を確認、24 日捜索活動打ち切り、2000 人以上が土砂の下
敷きになっているとみられる
18 韓国の与党ウリ党が党大会で議長(党首)選挙実施、鄭東泳前統一相が最多得票を獲得
インド西部マハラシュトラ州政府が死んだ鶏からインド初となる高病原性鳥インフルエ
ンザウイルス(H5N1 型)が検出されたことを確認
パキスタン南部コクラパルとインド西部ムナバオを結ぶ鉄道路線が 1965 年の第 2 次印パ
戦争で中断されて以来約 40 年ぶりに運行再開
20
シラク = フランス大統領がシン = インド首相と会談(ニューデリー)、両国が民生用原
子力技術の分野でフランスが協力することを明記した宣言文書に調印
24
フィリピン国軍当局者が軍の現役将官ら 2 人がクーデターを計画していたと表明、アロ
ヨ大統領が全土に非常事態を宣言、26 日ミランダ海兵隊司令官少将を解任、これに反発
する兵士約 100 人が海兵隊本部に集結し一時緊迫
韓国保健福祉省傘下の疾病管理本部が韓国で鳥類の鳥インフルエンザが流行した 2003 年
12 月から 04 年 3 月にかけ鶏やアヒルなどの処分を行なった作業員 4 人が高病原性鳥イン
フルエンザウイルス(H5N1 型)に感染していたことが確認されたと発表
一族の不透明な巨額株取引問題などで批判を浴びるタクシン = タイ首相が国会(下院)
の解散を発表、27 日民主、国民、大衆の有力野党 3 党が 4 月 2 日に予定の総選挙をボイ
コットする方針を決めたと表明
27 陳水扁台湾総統が国家安全会議を招集、中台統一を前提とした諮問機関である国家統一
委員会の事実上の廃止を決定
●中近東・アフリカ
02・02 サウジアラビアから乗客乗員約 1400 人を乗せエジプトに向かっていたフェリー「サ
ラーム 98」が紅海で沈没、4 日までに 175 遺体を収容し 379 人を救助、700 人以上が行方
不明
09
ナイジェリア政府が北部や中部の養鶏場 3 ヵ所で高病原性鳥インフルエンザ(H5N1 型)
の鶏への感染が新たに確認されたと発表、感染確認は計 3 州の 4 ヵ所
10
イラク選挙管理委員会が 2005 年 12 月の連邦議会選挙(定数 275)の最終開票結果を確
定、イスラム教シーア派宗教勢力の「統一イラク同盟」
(UIA)が 127 議席で第一党とな
ることが正式に決定
12
西アフリカの島嶼国カボベルデで大統領選挙
14 イランのバンダルアンザリで大量死した白鳥から高病原性鳥インフルエンザ(H5N1 型)
を検出、17 日エジプトでもカイロなど 3 ヵ所の家禽から検出、エジプトで初の感染確認
15 パレスチナ評議会(議会)選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスがヨルダン川西岸
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 57
国際問題月表
ヘブロン選挙区で当選した地理学者のアブデルアジズ・ドゥエイク氏を評議会議長に擁
立することを決定、19 日最高幹部ハニヤ氏を自治政府首相候補に擁立、21 日アッバス
議長がハニヤ氏に組閣要請
22 イラク中部サマラでイスラム教シーア派の重要な聖地「アスカリ聖廟」が爆破され黄金
のドームが崩壊、宗派対立が激化し連日各地でスンニ派モスク襲撃や住民殺害が相次ぐ、
27 日米紙がバグダッドの遺体安置所当局者の話として聖廟爆破事件以降の衝突でイラク
人 1300 人以上が死亡したと報道
23 ウガンダで 1970 年以来初となる複数政党下の大統領選実施、選挙管理委員会が発表した
中間開票結果でヨウェリ・ムセベニ現大統領が 60.7% を得票し、勝利宣言
24 ナイジェリア南部ポートハーコートの連邦高等裁判所が国際石油資本(メジャー)ロイ
ヤル・ダッチ・シェルに対し南部ニジェール・デルタ地帯の環境破壊の賠償金として地
元住民らに 15 億ドル(約 1750 億円)を支払うよう命じる判決
サウジアラビアのアブカイクにある世界最大規模の拠点石油施設で武装勢力の自爆テロ
がありパイプラインが一部破損、国際テロ組織アルカイダ系組織が犯行声明、サウジの
石油施設への初の直接攻撃、27 日治安当局が首都リヤドで武装勢力の潜伏先 2 ヵ所を攻
撃し 5 人を殺害、1 人を拘束
25 キリエンコ = ロシア原子力庁長官がアガザデ = イラン原子力庁長官らと会談(ブシュー
ル〔イラン〕
)
、イラン核問題の解決に向けウラン濃縮の共同事業をロシアで実施すると
したロシア妥協案を協議、26 日アガザデ原子力庁長官が「合弁企業設立でロシアと原則
合意した」と発言
27
ニジェールで死んだアヒルから高病原性鳥インフルエンザ(H5N1 型)検出
28 スーダン西部ダルフール地方のアラブ系民兵が隣国チャドに越境し抵抗する住民を無差
別に殺害、少なくとも 2 万人のチャド人が国内で避難民化していると米紙が報道
●欧 州
02・02 ギリシャ政府が緊急会見を開きカラマンリス首相を含む閣僚や国防省、外務省職員
らが保有する計 100 台の携帯電話が 2004 年から 05 年までの約 9 ヵ月間何者かによって盗
聴されていたことを明らかに
07 ドビルパン = フランス首相が打ち出した若者の雇用促進策で解雇が容易になり雇用が不
安定になるとして全国で約 22 万人がデモ
10
セルビア・モンテネグロのコソボ自治州州議会が 1 月に死去したルゴバ大統領の後任と
して州議会第 1 党のコソボ民主同盟のファトゥミル・セイディウ事務局長を選出
11 イタリアとギリシャ両政府がそれぞれの国内で死んだ白鳥から高病原性鳥インフルエン
ザウイルス(H5N1 型)を検出と発表、EU 内で野鳥からの検出は初、15 日ドイツ、17
日フランスでも野鳥から感染確認、25 日にはフランスで EU 加盟国で初めて死んだ食用
家禽から検出、27 日ドイツで死んだ猫から検出するなど EU 内で感染が拡大
12 英大衆紙がイラク駐留英軍によるイラク人への虐待疑惑を報道、13 日英国防省が憲兵隊
が英兵 1 人を逮捕したことを明らかに
14
EU 欧州委員会と米司法省が世界の航空大手が貨物料金のカルテルを結んでいた疑いが
強まったとして欧州各地などで立ち入り調査を開始、15 日日本航空も調査対象と判明
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 58
国際問題月表
英議会下院がイングランドのレストランや職場など屋内の公共空間を全面禁煙にする健
康法改正案を圧倒的賛成多数で可決
15 ドイツ連邦憲法裁判所が自爆テロを目的にハイジャックされた航空機を連邦空軍などが
撃墜できるように 2005 年に導入された航空安全関連法の条項は違憲であり無効にすべき
と判断
17 ベルルスコーニ = イタリア首相がイスラム教預言者ムハンマドの風刺漫画を印刷したT
シャツを着てテレビ出演した極右政党のカルデロリ制度改革相の解任を決定、リビア北
東部ベンガジで同氏の言動に抗議するデモ隊がイタリア領事館に放火、警官隊との衝突
で 10 人が死亡、18 日カルデロリ制度改革相が辞表提出
20 ウィーンの裁判所が英国の歴史家デビッド・アービング被告にナチス・ドイツによるホ
ロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を否定したとして禁固 3 年の有罪判決
22 英国南東部ケント州トンブリッジで複数の男がイングランド銀行(中央銀行)の現金を
保管している警備会社の管理責任者を銃で脅し金庫から少なくとも 2500 万ポンド(約
51 億 6000 万円)を奪い逃走、23 日同州警察がロンドン南部で 2 人を逮捕
24 リビングストン = ロンドン市長が 2005 年 2 月ユダヤ人記者をナチス・ドイツのユダヤ人
強制収容所の看守になぞらえる発言をした問題で第三者機関の裁定委員会が同氏が市の
評判を損なったとして 4 週間の停職処分にする裁定
27
EU 外相理事会がパレスチナ支援として自治政府などに約 1 億 2000 万ユーロ(約 165 億
円)の新たな援助を行なうことで合意
●独立国家共同体(CIS)
02・03
サーカシビリ = グルジア大統領が旧ソ連諸国間の軍事協力を協議する CIS 国防相会
議からの離脱を決定
05 北方領土を含む千島列島(クリール諸島)の総合的な開発を目指すロシア連邦政府の発
展計画に北方領土周辺で近い将来石油・天然ガスの資源探査を行なう方針が盛り込まれ
ていることがこの日までに判明
07 チェチェン共和国で対テロリスト作戦に従事する特殊部隊の兵舎で爆発が起き兵士ら 13
人が死亡、約 20 人が負傷
09 ロシア南部ボルゴグラードの地元紙『ゴロツキエ・ベスチ』が世界の主要な宗教にまつ
わる人物が登場する風刺漫画を掲載、17 日地元市当局が同紙を廃刊処分、20 日北西部ウ
ォログダ州の地元紙『ナーシ・レギオン』の社主がイスラム教預言者ムハンマドの風刺
画を掲載した同紙の発行停止を決定
10 アゼルバイジャン保健省当局者が同国のカスピ海沿岸で野鳥から高病原性鳥インフルエ
ンザウイルス(H5N1 型)が検出されたことを明らかに
クドリン = ロシア財務相がスノー米財務長官と会談(モスクワ)
、ロシアの WTO 加盟問
題を協議
ロシア内務省がチェチェン共和国に隣接するスタブロポリ地方で学校占拠テロを計画し
た武装勢力 12 人を殺害したと発表
14
プーチン = ロシア大統領とドビルパン = フランス首相が会談(モスクワ)、イランに対
しウラン濃縮に関連する全活動を停止し IAEA 理事会の要求に応えるよう求める共同声
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 59
国際問題月表
明を発表
22 プーチン大統領がこの日までに国内の主要航空機メーカーを統合し新たな単一の国営企
業を創設する大統領令に署名
ベラルーシ外務省が同国の新聞『ズゴーダ』がムハンマドの風刺画を西側メディアから
転載したとしたうえで「挑発的で宗教間の対立をあおる恐れがある」などと掲載を批判
23 モスクワ市のバスマン市場で屋根が崩落、モスクワ検察当局が事故は設計と管理のミス
が重なって起きたとみて捜査開始、26 日までに 66 人が死亡
27 グルジア農業省当局者が同国南西部でみつかった 20 羽以上の白鳥などの死骸から高病原
性鳥インフルエンザウイルス(H5N1 型)を検出したと発表、同国での感染確認は初、ウ
クライナ南部・黒海沿岸オデッサの動物園でも死んだ鳥から同ウイルスを検出
28
アルハノフ = チェチェン共和国大統領が 2005 年 11 月交通事故にあい健康状態が悪化し
ていたアブラモフ首相が辞表を提出したと発表
●北 米
02・03
米国防総省が「4 年ごとの国防戦略見直し」を公表、中国の軍事力への警戒感を鮮
明に
06 ボドマン米エネルギー長官が 1970 年代に停止した原発の使用済み核燃料の再処理再開を
柱とする新たな原子力国際協力「核エネルギーパートナーシップ」計画を発表
ブッシュ米大統領が 2007 会計年度(06 年 10 月− 07 年 9 月)予算教書を議会へ提出、イ
ラク駐留長期化とハリケーン復興費の増大で 06 年度の財政赤字は 4230 億ドル(約 50 兆
2000 億円)と過去最大だった 04 年度を上回る見通し
1 月 23 日のカナダ下院選で 12 年ぶりの政権交代を決めた保守党のスティーブン・ハーパ
ー党首が首相に就任、新内閣を発足、日系女性が初入閣
米上院司法委員会が国家安全保障局(NSA)による国内盗聴問題をめぐる公聴会を開催、
ゴンザレス司法長官が盗聴活動の合法性と正当性を主張
07
米農務省の監察官事務所による牛海綿状脳症(BSE)対策に関する 2005 年監査報告書
で食肉処理施設 12 ヵ所の一部で歩行困難の牛計 20 頭が食肉処理されていたことが判明、
17 日同省が対日輸出した米国産牛肉に特定危険部位の脊柱が混入していた問題で食肉検
査官への追加研修の義務付けなど 15 項目の再発防止策を盛り込んだ報告書を発表
08
米国防総省当局者が米海兵隊の次期主力機で垂直離着陸可能な MV22 オスプレーについ
て 2013 会計年度(12 年 10 月− 13 年 9 月)から沖縄に駐留する米海兵隊へ配備を開始す
る計画を明らかに
10 米商務省が発表した 2005 年の米貿易赤字は原油高などが響き 7257 億ドルと 4 年連続で過
去最大を更新
11 チェイニー米副大統領が狩猟中に友人を誤射、命に別状はなかったが公表の遅れに批判
が集まる
13 ブッシュ大統領が 2006 年版の大統領経済報告を議会に提出、一般教書演説でインドとと
もに「新たな競争相手」に位置付けた中国に対し知的所有権侵害問題へのいっそうの対
策を促し人民元制度の改革を再要請
ブッシュ政権が太平洋軍などの司令官が大統領に先制核攻撃の許可を要請できるとした
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 60
国際問題月表
軍事指針文書「統合核作戦のためのドクトリン」策定を断念、草案を廃棄
14
ポートマン米通商代表部(USTR)代表が対中通商政策の抜本的な強化策を発表、中国
市場の一段の開放や知的財産権の保護を求めて「あらゆる選択肢を行使する」と表明
17 マコーマック米国務省報道官がパレスチナ評議会選でのイスラム原理主義組織ハマス圧
勝を受けた対パレスチナ援助見直しの一環として 2005 年にインフラ整備用に自治政府に
供与した 5000 万ドル(約 59 億円)の返還を要求、自治政府側も同意したことを明らか
に
23 米国際貿易委員会が日本製の構造用形鋼を対象とした反ダンピング(不当廉売)課税に
ついて「損害の継続と再発の恐れがない」として課税撤廃を決定
米エネルギー省が通算 22 回目で約 1 年 9 ヵ月ぶりの臨界前核実験を西部ネバダ州の地下
核実験場で英国と共同実施したと発表
●中南米
02・02 チャベス = ベネズエラ大統領が同国海軍に対しスパイ行為を働いたとして米国大使
館の海軍駐在武官に国外退去を命じたと発表、3 日米政府が報復措置として在米ベネズ
エラ大使館の参事官追放を決定、冷え込んでいる両国関係がさらに悪化
05 コスタリカで大統領選実施、候補者 14 人が乱立するなかで 1977 年に中米和平への貢献
からノーベル平和賞を受賞した国民解放党のオスカル・アリアス元大統領が当選
07 ハイチで大統領選、レスポワ(希望)党のルネ・プレバル元大統領が当選、アリスティ
ド前大統領が 2004 年に政変で出国してから初の大統領選で 33 人が立候補
08 チリ最高裁がペルーのフジモリ元大統領に対し 2 回目の本人尋問、21 日チリ最高裁がフ
ジモリ氏の弁護団による保釈請求を却下、22 日フジモリ氏に対する本人尋問を終了
19 メキシコ北部サンフアンデサビナスの炭鉱でガス爆発による土砂崩れが発生、作業員 65
人が地下坑内に閉じ込められる、25 日炭鉱会社が生存者の可能性はないと発表
23 ベネズエラの航空当局が米デルタ航空とコンチネンタル航空のベネズエラへの乗り入れ
を 3 月から禁止することを決定、アメリカン航空の便数も約 7 割削減、米国は 1996 年か
らベネズエラの航空会社の安全対策を問題視して就航を禁止
25 ジャマイカの与党・人民国家党がポーシャ・シンプソンミラー地方政府相を党首に選出、
同党のパタソン首相は 4 月までに引退する意向を示しておりシンプソンミラー氏が同国
初の女性首相となることが確実に
27 米国、コロンビア両政府が両国間の自由貿易協定(FTA)締結交渉が合意に達したと発
表、米国にとって南米諸国との FTA はチリ、ペルーに次いで 3 ヵ国目
国際問題 第 551 号(電子版) 2006 年 5 月号
編集人 『国際問題』編集委員会
発行人 佐藤 行雄
発行所 財団法人日本国際問題研究所
〒 100−6011 東京都千代田区霞が関 3−2−5 霞が関ビル 11 階
電話 03−3503−7262(出版・業務担当)
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機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。
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さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。
*印刷版最近号
05 年 4 月号 焦点:エネルギー問題の展開と日本
05 年 5 月号 焦点:インドの現在
05 年 6 月号 焦点:日本の新しい安全保障政策
05 年 7 月号 焦点:CIS 諸国の動向
05 年 8 月号 焦点:現代国際紛争の構造
05 年 9 月号 焦点:転換期の日本外交
05 年 10 月号 焦点:国境を越えた責務
05 年 11 月号 焦点:日本の ODA 戦略の再確立
05 年 12 月号 焦点:対日歴史認識の諸相
*電子版最近号
06 年 4 月号 焦点:日・米・中の対外政策と展望
国際問題 No. 551(2006 年 5 月)● 61
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