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後期 - 東京女子医科大学

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後期 - 東京女子医科大学
Ⅰ
セグメント2 の学習内容
セグメント2 は、「人体の機能と微細構造」を中心テーマとして学習する。現在の本
学 の 統 合 カ リ キ ュ ラ ム は 、 全 体 と し て は 、 平 成 22 年 度 に 改 訂 さ れ た 「 医 学 教 育 モ デ ル ・
コア・カリキュラム─教育内容ガイドライン─」に沿った形で構成されている。セグ
メント1 では主として、従来「準備教育モデル・コア・カリキュラム」とされていたが、
平 成 22 年 度 改 訂 版 で は 「 医 学 一 般 」 に 加 え ら れ た 内 容 が 多 く 、 医 学 の 学 習 の た め の 基
礎知識であるのに対して、セグメント2 では、基礎医科学(モデル・コア・カリキュ
ラムC 医学一般)を基幹科目として組み込んであり、本格的に医学の統合的学習をス
タートする。ここでの知識や論理的理解力は、セグメント3 以降の基礎医科学、臨床
医学、社会医学を学ぶ上で、重要な土台作りになる(系統的に見た「人体の機能と微
細構造」の学習テーマの模式図を参照)。具体的には、ヒトを構築する細胞の構造と機
能 を 知 る ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C1( 2) ) 、 細 胞 の 集 団 と し て の 組 織 ・ 器 官 の 構
造 を 知 る ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2( 2) ) 、 生 体 の 恒 常 性 維 持 や 情 報 伝 達 の 仕 組
み を 知 る ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2( 3) ) 、 生 体 が 代 謝 を 通 し て 生 命 を 営 む 仕 組
み を 知 る ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2( 5) ) 、 生 体 の 構 造 と 機 能 が 遺 伝 子 に よ っ て
制 御 さ れ る 仕 組 み を 知 る (モデル・コア・カリキュラムC2(6))、 な ど の 項 目 に 分 か れ る 。
現代の医学・生命科学をもって人体と疾患を理解するためには、課題へのアプロー
チの仕方が複数ありえる。例えば、医学研究ではしばしば、疾患に対してその症状や
病歴から診断や発症メカニズムを理解し、治療しようとする。しかし、予備知識が少
ない低学年でこれを行うのは容易ではない。そこで、本学のカリキュラムでは、まず、
生体を構成する分子や細胞の特性を理解することから始めるというアプローチを取る。
このような理解は、疾患を理解するための必要条件ではあるが、個々のパーツ間の関
係を知らなくてもある程度の理解度が得られるからである。しかし、学生諸君は、こ
のような内容の講義、実習、テュートリアルなどで学習するときも、このようなメカ
ニズムがどのような疾患に関わり得るかという視点で学ぶことができると意味付けが
より明確になるであろう。セグメント2 の後半になってからは、パーツを組み立てて
ヒトを理解する考え方を身につける機会を得るはずである。例えば、「生体システムと
制 御 機 構 」 ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2( 3) ) と い う 科 目 で は 、 分 子 ・ 細 胞 レ ベ ル
から個体レベルへと生命現象の階層を変えて理解するトレーニングを行う。これらの
知識と理解により、セグメント3 以降に学習する、より複雑な全身を俯瞰する基礎医
科学や臨床医学へと繋がっている。さらに、臨床実習を行うために必須となっていて、
第 4 学 年 で 受 験 す る CBT( Computer Based Testing ) の 範 囲 に も 含 ま れ る 。
これらの学習は、本学のカリキュラムの特徴でもあるテュートリアル教育、講義、
実習などを組み合わせて効果的に学べる仕組みになっている。この中で、医学的知識、
思考力、コミュニケーション能力を磨いていただきたい。セグメント2 では、基礎医
科学基幹科目と並行して、グローバルな社会で活躍する上で重要な内容を学年縦断型
科目で学ぶ。これにより、将来、医師として患者さんや医療チームメンバーに対して
適切なコミュニケーションができることを目指している。どの科目も学生さんが医師
として立派な活躍ができるために工夫されており、おおいに学んでいただきたい。
- 19 -
系統的に見た「人体の機能と微細構造」の学習テーマ
[基礎医科学]
生体の構造
[テュートリアル][学年縦断型科目]
生体の機能
組織の成り立ち
人 体 全 体 構 造( 骨 格 系 )
人間関係教育
体液と生体の恒常性
基本的・医学的表現技術
細胞の基本機能
国際コミュニケーション
細胞と情報伝達
医学用語
生体物質の代謝
選択科目
生体システムと制御機構
遺伝と遺伝子
セグメント3
「人体の発生と全体構造」
「人体の防御機構」
セグメント4
「疾患の成り立ちと治療の基礎」
- 20 -
医 学 の 学 び 方・考 え 方
Ⅱ
到
達
目
標
A. 包 括 的 到 達 目 標 ( セ グ メ ン ト 2)
1 . 各基幹科目および学年縦断型科目を統合的に学習することにより、次のような能力を獲得す
る。
1) デ ー タ を 読 み 、 解 釈 で き る 。
2) 人 体 の 正 常 な 構 造 と 機 能 を 説 明 で き る 。
3) 実 習 に 必 要 な 技 術 を 安 全 に 配 慮 し て 実 践 で き る 。
4) 現 象 か ら 学 ぶ べ き こ と を 発 見 で き る 。
5) 問 題 解 決 の た め の 情 報 を 収 集 で き る 。
6) 仮 説 を 導 く 事 が で き 、 得 ら れ た 結 果 と の 相 違 を 明 確 に で き る 。
7) 問 題 解 決 結 果 の 妥 当 性 を 評 価 で き る 。
8) 結 論 と 根 拠 を 明 確 に し て 報 告 書 を 作 成 で き る 。
9) 倫 理 の 概 念 に つ い て 説 明 で き る 。
2. 生 体 に お け る 恒 常 性 の 維 持 に つ い て そ の 具 体 例 を 列 挙 で き る 。 ネ ガ テ ィ ブ フ ィ ー ド バ
ック等
の恒常性に関わる調節機構を説明できる。維持される具体例のお互いの関係を概説で
きる。
1) 細 胞 内 液 ・ 外 液 の イ オ ン 組 成 と 調 節
2) 浸 透 圧 と 膜 電 位
3) 体 液 pH と 緩 衝 系
4) 体 温 の 調 節
3. 生 体 の 構 成 単 位 と し て の 細 胞 の 機 能 を 列 挙 で き る 。 生 細 胞 に 共 通 し て 観 察 さ れ る 基 本
的生命
現象の種類と意義を説明できる。
1) 膜 輸 送
2) 細 胞 接 着 と 形 態 変 化
3) 細 胞 運 動
4) 細 胞 内 輸 送 シ ス テ ム
5) 細 胞 の 増 殖
4. 細 胞 集 団 と し て の 組 織 ・ 臓 器 の 構 成 、 機 能 分 化 を 理 解 す る 。 顕 微 鏡 画 像 を 通 し て 、 組
織の構
造の特徴を説明できる。
1) 上 皮 組 織 と 腺 の 構 造 と 機 能
2) 支 持 組 織 を 構 成 す る 細 胞 と 細 胞 間 質
3) 血 管 と リ ン パ 管 の 微 細 構 造 と 機 能
4) 神 経 組 織 の 微 細 構 造
5) 筋 組 織 の 微 細 構 造
5. 人 体 に お け る 刺 激 受 容 、 情 報 伝 達 、 反 応 に 関 し て 、 分 子 ・ 細 胞 レ ベ ル で 説 明 で き る 。
1) 情 報 伝 達 の 種 類 と 機 能
- 21 -
2) 受 容 体 に よ る 情 報 伝 達 の 機 序
3) 細 胞 内 シ グ ナ ル 伝 達
4) 活 動 電 位 の 発 生 機 構 と 伝 導
5) シ ナ プ ス 伝 達 の 機 能
6. 生 体 を 構 成 し て い る 物 質 が 体 内 で 代 謝 さ れ る 過 程 お よ び そ れ ら の 反 応 を 制 御 し て い る
機構に
ついて説明することができる。
1) 酵 素 の 機 能 と 調 節
2) 解 糖 と ク エ ン 酸 回 路
3) タ ン パ ク 質 の 代 謝 過 程
4) 糖 質 の 代 謝 過 程
5) 脂 質 の 代 謝 過 程
6) 核 酸 の 代 謝 過 程
7. 人 体 の 臓 器 が 個 体 全 体 の 中 で 統 合 さ れ た 働 き を す る た め の 制 御 機 構 を 列 挙 で き る 。 特
に、細
胞・臓器間の制御に関わる構造と機能を説明できる。
1) 刺 激 に 対 す る 感 覚 受 容
2) 反 射 弓
3) 骨 格 筋 、 心 筋 、 平 滑 筋 の 構 造 と 機 能
4) 個 体 レ ベ ル で の 生 体 機 能 の 制 御 機 構
5) 軸 索 輸 送 、 軸 索 の 変 性 と 再 生
8. 遺 伝 に つ い て 、 遺 伝 子 か ら タ ン パ ク 質 へ の 流 れ に も と づ い て 生 命 現 象 を 学 び 、 遺 伝 子
操作技
術の原理と応用やヒトゲノム解析の情報の利用の仕方を説明できる。
1) 染 色 体 と 遺 伝 子 の 構 造
2) 遺 伝 の 仕 組 み
3) DNA の 複 製 と 修 復
4) 遺 伝 情 報 の 発 現 機 構
5) 遺 伝 子 操 作 の 原 理 と 応 用
6) ヒ ト ゲ ノ ム 解 析 と 個 人 差
7) 遺 伝 子 診 断
8) 遺 伝 子 治 療
9. 人 体 の 正 常 の 構 造 の 名 称 、 形 態 、 位 置 関 係 に つ い て 説 明 で き る と と も に 、 実 習 標 本 で
それら
の構造と特徴を指し示すことができる。
1) 運 動 器 系 ( 骨 )
2) そ の 他 の 器 官
- 22 -
各科目の到達目標
- 23 -
基 幹 科 目
〔体液と生体の恒常性〕
科目責任者:三谷
昌平(第二生理学教室)
【到達目標】生体は、外部環境が変化した場合、刺激などにより生体で変化が生じた場合、あるいは、
運 動 など をし た場 合な どに 、 体の 内部 環境 を一 定範 囲 内に 維持 する 機構 を備 え てい る。 この 機構
を 生 体の 恒常 性( ホメ オス タ シス )と いう 。こ の科 目 での 第一 の到 達目 標は 、 恒常 性の 意義 と一
般 的 なメ カニ ズム を理 解し 、 恒常 性が 保た れる さま ざ まな 制御 対象 を挙 げる こ とが でき るこ とで
あ る 。第 二 は、調節 の 主要 な 対象 が体 液で ある こと か ら、体 液に つい て 、量 、区分 、組成 、浸透圧、
移 動 など の基 本事 項と それ ら の調 節機 序を 理解 し、 さ らに 、調 節が 崩れ た場 合 の脱 水・ 浮腫 ・
補 液 につ いて 説明 でき るこ と であ る。 第三 は、 体液 の 電解 質の 機能 に関 して 、 酸塩 基平 衡・ 緩衝
液 に つい ての 化学 的性 質を 理 解を した 上で 、体 液の pH 緩 衝系 を説 明で きる こ とで ある 。第 四は 、
イ オ ンの 拡散 ・透 過に つい て 、物 理化 学的 性質 を理 解 をし た上 で、 細胞 内外 の イオ ン濃 度勾 配と
細 胞 膜電 位の 成因 を説 明で き るこ とで ある 。
(評価方法)
学期末に実施する筆記試験の得点、実習参加への態度とレポートで評価する。
大
項
目
Ⅰ. 水溶液
中
項
目
小
1. 化 学 平 衡
項
目
1) 化 学 平 衡 定 数
2) pKa
3) 電 解 質
2. 酸 と 塩 基
1) 酸 塩 基 平 衡
2) Brφ nsted の 酸 ・ 塩 基
3) Henderson- Hasselbalch の 式
3. 緩 衝 作 用
1) 緩 衝 溶 液
4. 血 液 ガ ス と 酸 塩 基
1) 血 液 ガ ス と 気 体 の 溶 解
平衡
2) 生 体 に お け る 炭 酸 水 素 塩 緩 衝 系
3) 生 体 に お け る そ の 他 の 緩 衝 系
4) ア シ ド ー シ ス 、 ア ル カ ロ ー シ ス と は
Ⅱ. 溶質溶媒の
動きと膜
1) 拡 散 速 度
1. 拡 散
2) 拡 散 係 数
3) 拡 散 と 化 学 ポ テ ン シ ャ ル
1) 浸 透 現 象
2. 浸 透 と 浸 透 圧
2) 細 胞 体 積
1) 電 気 化 学 ポ テ ン シ ャ ル
3. イ オ ン の 拡 散 と 透
2) 濃 度 勾 配
過
3) 電 位 勾 配
4) イ オ ン 平 衡
- 24 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
5) 透 過 度
6) コ ン ダ ク タ ン ス
4. 膜 電 位
1) Nernst の 式
2) Donnan 平 衡
3) Goldman- Hodgkin- Katz の 式
4) 静 止 膜 電 位
5) ナ ト リ ウ ム ポ ン プ
Ⅲ. 体液の正常と
1. 体 液 の 区 分 と 組 成
その調節
1) 体 液 区 分
2) 電 解 質 組 成
3) 体 液 分 布 の 決 定 因 子
2. 体 液 間 の 物 質 交 換
1) 栄 養 物 お よ び そ の 他 の 物 質 の 交 換
と液
2) 細 胞 内 液 と 細 胞 間 液 の 浸 透 圧 平 衡
体の移動
3) 血 漿 と 間 質 液 間 の 液 体 の 移 動
4) 間 質 液 蛋 白 量 の 調 節
5) 間 質 液 圧 の 調 節
1) 細 胞 外 液 量
2) 細 胞 外 液 の 浸 透 圧
3. 細 胞 外 液 の 調 節
1) 脱 水
2) 浮 腫
4. 体 液 分 布 異 常
Ⅳ. 生体恒常性の
維持機構
3) 補 液
1) 恒 常 性
1. ホ メ オ ス タ シ ス
2) 内 部 環 境 と 外 部 環 境
3) 内 部 環 境 と し て の 細 胞 外 液
4) ホ メ オ ス タ シ ス 機 構 の 例
1) 神 経 性 調 節
2. 身 体 の 調 節 機 構
2) 液 性 調 節
3) 各 調 節 機 構 に 共 通 し た 特 徴
4) 制 御 理 論
5) ネ ガ テ ィ ブ フ ィ ー ド バ ッ ク
1) 体 熱 の 産 生 と 拡 散
3. 体 温 調 節
2) 温 度 受 容 器
3) 体 温 中 枢
4) 発 熱 と 高 体 温
- 25 -
〔体液と生体の恒常性〕
諏訪邦夫
よくわかる酸塩基平衡
中外医学社
2000
越川昭三編
酸塩基平衡
中外医学社
2000
石田尚志、小椋陽介
水・電解質テキスト
文光堂
1987
Atkins, D.W.
ア ト キ ン ス 物 理 化 学( 第 6 版 )
東京化学同人
2001
東京化学同人
1999
(千原秀昭、中村亘男訳)
B a r r o w , G . M .( 藤 代 亮 一 訳 ) バ ロ ー 物 理 化 学( 上 )
(第6 版)
Ball, D.W.( 田 中 一 義 他 訳 )
ボール物理化学(上・下)(第1 版) 化学同人
2004
Richardson, I.W. &
医学と生物学のための物理学
講談社
1974
丸善出版
1995
化学同人
1992
Neergaard, E.B. ( 中 馬 一 郎 他 訳 )
Bloomfi eld, M. M.
生命科学のための基礎化学
(伊藤俊洋他訳)
花井哲也
─無機物理化学論─
膜とイオン
ガ イ ト ン( 御 手 洗 玄 洋 総 監 訳 )
Berne, R.M. & Levy, M.N.
生 理 学( 第 1 1 版 )
エ ル ゼ ビ ア・ジ ャ パ ン 2 0 1 0
Principles of Physiology
C.B. Mosby Co.
2000
( 3rd ed.) Year Book
バーン・レヴィ
生理学(第3 版)
西村書店
1996
西村書店
2003
(板東武彦・小山省三監訳)
バーン・レヴィ
カラー基本生理学
(板東武彦・小山省三監訳)
ギ ャ ノ ン グ( 岡 田 泰 伸 他 訳 )ギ ャ ノ ン グ 生 理 学( 第 2 2 版 )
丸善出版
2005
本郷利憲他監修
標 準 生 理 学( 第 7 版 )
医学書院
2009
大地陸男
生 理 学 テ キ ス ト( 第 5 版 )
文光堂
2007
杉
人 体 機 能 生 理 学( 第 5 版 )
南江堂
2009
晴夫編
岡野栄之・植村慶一監訳
オックスフォード生理学(原書3 版)丸善
2009
鯉淵典之監訳
症例問題から学ぶ生理学(原書3 版)丸善
2009
飯野靖彦
一目で分かる血液ガス
2000
メ デ ィ カ ル・
サイエンス・インターナショナル
黒川
清
水・電解質と酸塩基平衡
南江堂
2004
─ step by step で 考 え る ─
今井裕一
酸 塩 基 平 衡 、水・電 解 質 が 好 き に な る
羊土社
2007
大村健二編
身 に つ く 水・電 解 質 と 酸 塩 基 平 衡
南江堂
2007
- 26 -
〔細胞の基本機能〕
科目責任者:高桑
雄一(生化学教室)
ヒ ト の体 は約 60 兆個 の細 胞 から 成っ てい る。 この 科 目で は、 細胞 を生 命の 単 位と して とら え、
主 な 細胞 機能 のい くつ かに つ いて 、そ れら を担 う分 子 との 関連 で理 解す るこ と に主 眼を 置く 。
ま ず 、細 胞を 外の 環境 と区 別 して いる 細胞 膜に 焦点 を 当て 、膜 の構 築を 流動 モ ザイ クモ デル と
し て 理解 する 。そ の際 、「 人 体を 構成 する 物質 」で 学 んだ タン パク 質、 脂質 、 糖質 の性 質に つい
て の 知識 が生 かさ れる 。次 い で、 細胞 膜の 機能 とし て 物質 の選 択的 透過 性と 種 々の 膜輸 送系 につ
い て 輸送 形式 と輸 送担 体の 両 面か ら学 習す る。 さら に 、細 胞の 接着 機能 と接 着 タン パク 、細 胞構
築 を 維持 する 細胞 骨格 系な ど も取 り上 げる 。細 胞の 収 縮運 動に つい ては 、筋 収 縮、 走 化 性な どを
例 と して 、収 縮タ ンパ クと そ の制 御因 子に つい て学 ぶ 。一 方、 細胞 は種 々の 物 質を 運搬 ある いは
貯 蔵 する 役割 も担 って いる 。 また 細胞 周期 の制 御と 異 常に つい て学 習す る。
(評価方法)
取り組みの姿勢として、出席を前提とし、筆記試験により定量的評価を行う。
大
項
Ⅰ. 膜輸送
目
中
項
1. 生 体 膜 の 構 造
目
小
項
目
1) 脂 質 二 重 層
2) 流 動 性
3) 膜 タ ン パ ク 質
2. 受 動 輸 送
a. 単 純 拡 散
1) ガ ス 透 過
2) チ ャ ネ ル 、 担 体
a) 電 位 依 存 性
b) リ ガ ン ド 依 存 性
b. 促 進 拡 散
1) 共 輸 送
a) Na + - グ ル コ ー ス 共 輸 送
b) Na + - ア ミ ノ 酸 共 輸 送
2) 逆 輸 送
a) Cl - - HCO3- 逆 輸 送
b) Na + - Ca2+ 逆 輸 送
3. 能 動 輸 送
1) ポ ン プ ( ATPase)
a) Na + 、 K + - ATPase
b) Ca2+ - ATPase
c) H + 、 K + - ATPase
4. 膜 動 輸 送
1) エ ン ド サ イ ト ー シ ス / エ キ ソ サ イ ト ー
シス
2) 被 覆 タ ン パ ク 質
a) コ ー ト マ ー
b) ク ラ ス リ ン
3) 細 胞 骨 格 ・ モ ー タ ー タ ン パ ク 質
a) ア ク チ ン ・ チ ュ ー ブ リ ン
- 27 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
b) ミ オ シ ン キ ネ シ ン ・ ダ イ ニ ン
4) 低 分 子 量 GTPase
a) Arf
b) Rab
c) Rho
Ⅱ. 細胞の構築
1. 細 胞 接 着
1) 細 胞 ─ 細 胞 間 接 着
a) 密 着 結 合
b) ア ド ヘ レ ン ス 結 合
c) デ ス モ ソ ー ム
d) ギ ャ ッ プ 結 合
2) 細 胞 ─ 基 質 間 接 着
a) ア ド ヘ レ ン ス 結 合
b) ヘ ミ デ ス モ ソ ー ム
2. 細 胞 骨 格
1) 細 胞 骨 格 タ ン パ ク 質
a) 微 小 管
b) ミ ク ロ フ ィ ラ メ ン ト
c) 中 間 径 フ ィ ラ メ ン ト
2) 膜 骨 格
a) ス ペ ク ト リ ン ( フ ォ ド リ ン )
b) 4.1 タ ン パ ク 質
c) ア ン キ リ ン
3. 細 胞 外 マ ト リ ッ ク
1) 主 な タ ン パ ク 質
ス
a) コ ラ ー ゲ ン
b) エ ラ ス チ ン
Ⅲ. 細胞の収縮運
動
1) 収 縮 タ ン パ ク 質
1. 筋 収 縮
a) ア ク チ ン
b) ミ オ シ ン
c) ト ロ ポ ニ ン
d) ト ロ ポ ミ オ シ ン
2) 調 節 因 子
a) カ ル モ ジ ュ リ ン
b) ミ オ シ ン 軽 鎖 キ ナ ー ゼ
c) Ca2+
d) ATP
3) 滑 走 説
1) 走 化 性 、 ア メ ー バ 運 動
2. 細 胞 運 動 性
a) 刺 激 因 子
b) 濃 度 勾 配
c) ゲ ル ー ゾ ル 変 換
d) 架 橋 因 子
- 28 -
大
項
目
中
項
目
小
Ⅳ. 物質の運搬と
項
目
e) 末 端 因 子
貯蔵
2) 細 胞 運 動
Ⅴ. 細胞周期
a) ア ク チ ン フ ィ ラ メ ン ト
3) 細 胞 突 起 の 形 状 と 伸 長
a) 葉 状 仮 足
b) 成 長 円 錐
4) 線 毛 運 動 、 鞭 毛 運 動
a) チ ュ ブ リ ン
b) ダ イ ニ ン
c) 二 連 微 小 管
d) 9+ 2 構 造
e) 滑 り
1. 鉄 の 運 搬 と 貯 蔵
1) ト ラ ン ス フ ェ リ ン
2) フ ェ リ チ ン
2. 酸 素 の 運 搬
1) ヘ モ グ ロ ビ ン
2) バ ン ド 3 タ ン パ ク 質
3. 脂 質 の 運 搬
1) リ ポ タ ン パ ク 質
2) 脂 肪 酸 結 合 タ ン パ ク 質
1. 細 胞 分 裂
1) 体 細 胞 分 裂
2) 減 数 分 裂
2. 細 胞 周 期
1) 形 態 学 的 変 化 の 推 移
2) 制 御 に 関 わ る 分 子
a) チ ュ ブ リ ン
b) サ イ ク リ ン ・ CDK
c) コ ヒ ー シ ン
d) ユ ビ キ チ ン ・ プ ロ テ ア ソ ー ム 系
e) セ パ ラ ー ゼ
f) 核 内 蛋 白 ( p53/ Rb/ BACR1/ p21)
g) シ グ ナ ル 伝 達 系 ( MAPK/ Akt)
3. 細 胞 周 期 の 異 常
1) DNA の 損 傷 と 修 復 機 構
2) 病 態 と 疾 病
a) 老 化
b) 発 癌
- 29 -
〔細胞の基本機能〕
香川靖雄
生体膜と疾患の分子生物学
南山堂
1993
田宮信雄他訳
ヴォート生化学(上・下)(第3 版) 東京化学同人
2005
入村達郎他監訳
ストライヤー生化学(第6 版)
東京化学同人
2007
上代淑人監訳
ハ ー パ ー 生 化 学 ( 原 著 27 版 )
丸善
2007
谷口直之他編
医学を学ぶための生物学(第2 版)
南江堂
2004
中江太治編
生物学と医学をつなぐ分子生物学
丸善
1998
日本生化学会編
細胞機能と代謝マップⅡ
東京化学同
1998
細胞の動的機能
Alberts 他
Molecular Biology of the Cell
Garland
2008
( 5th ed.) ( 原 著 )
Alberts 他 ( 中 村 、 松 原 訳 ) 細 胞 の 分 子 生 物 学 ( 第 5 版 )
ニ ュ ー ト ン プ レ ス 2010
Alberts 他
南江堂
2011
Essential 細 胞 生 物 学 ( 原 書 第 3 版 )
(中村桂子・松原謙一監訳)
永田和宏・塩田浩平編
医学のための細胞生物学
南山堂
2009
平賀紘一他編
医学のための基礎分子細胞生物学
南山堂
2003
(改訂3 版)
村松正実他編
分子細胞生物学辞典
東京化学同人
1997
本郷利憲他 編
標準生理学(第5 版)
医学書院
2000
杉
人体機能生理学(第3 版)
南江堂
1999
好きになる生物学
講談社
2001
晴夫
吉田邦久
サイエンティフィック
David O. Morgan 著
細胞周期
メディカル・サイエンス
(中山敬一・中山啓子監訳)─細胞増殖の制御メカニズム─
- 30 -
2008
・インターナショナル
〔細胞と情報伝達〕
科目責任者:三谷
昌平(第二生理学教室)
【 到達 目標 】生 体は 受容 し た内 部お よび 外部 環境 の 変化 を生 体独 自の 信号 に 変換 して 、細 胞内 あ
る い は他 の細 胞へ と信 号を 伝 えて 生体 機能 を調 節す る 。生 体信 号と して 代表 的 なも のと して は、
ホ ル モン 等の 生体 活性 物質 に よる 化学 的( 体液 性) 信 号と 、神 経・ 筋な どで 使 われ るイ オン の移
動 と 膜電 位の 変化 を介 する 電 気信 号が 挙げ られ る。 こ の科 目の 第一 の到 達目 標 は、 細胞 間の 情報
伝 達 の種 類と その 時に 使わ れ る伝 達物 質を 分類 し、 説 明で きる こと であ る。 第 二に 、信 号を 伝え
る た めの 基本 的な 分子 の作 用 を列 挙し 、説 明で きる こ とで ある 。第 三に 、活 動 電位 やシ ナプ ス電
位 な どの 電気 信号 に関 わ る 受 容 体 や イ オ ン チ ャ ネ ル の 動 作 原 理 を 理 解 し 、 説 明 で き る こ と で あ る 。
本 科 目の 学習 によ って 、個 体 全体 とし て生 体を 理解 す る科 目「 生体 シス テム と 制御 機構 」へ と理
解 が 深ま り易 くな るこ とも 重 要で ある 。
( 評 価方 法)
学期末に実施する筆記試験の得点、実習参加への態度とレポートで評価する。
大
項
目
Ⅰ. 生体の信号
中
項
目
1. 神 経 性 信 号
小
項
目
1) 受 容 器 電 位
2) 活 動 電 位
3) シ ナ プ ス 電 位
2. 体 液 性 信 号
1) ホ ル モ ン
2) 成 長 因 子 、 増 殖 因 子
3) 神 経 伝 達 物 質
4) 種 々 の 生 体 活 性 物 質
Ⅱ. 受容体と信号
1. 受 容 体
伝達
1) 受 容 体 の 種 類 と 構 造
2) リ ガ ン ド と 受 容 体 の 結 合
3) 脱 感 作 、 ダ ウ ン レ ギ ュ レ ー シ ョ ン
2. 経 膜 的 信 号 伝 達
1) 伝 達 器 : GTP 結 合 蛋 白 質 ( G 蛋 白 質 )
低分子量G 蛋白質
2) 効 果 器 ( エ フ ェ ク タ ー 酵 素 )
a) ア デ ニ ル 酸 シ ク ラ ー ゼ
b) グ ア ニ ル 酸 シ ク ラ ー ゼ
c) ホ ス ホ リ パ ー ゼ A2( PLA2)
d) ホ ス ホ リ パ ー ゼ C( PLC)
e) ホ ス ホ リ パ ー ゼ D( PLD)
3. 細 胞 内 情 報 伝 達
1 ) 二 次 伝 達 物 質( セ カ ン ド メ ッ セ ン ジ ャ
ー)
a) サ イ ク リ ッ ク AMP( cAMP)
b) サ イ ク リ ッ ク GMP( cGMP)
c) ア ラ キ ド ン 酸
- 31 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
d) イ ノ シ ト ー ル 3 リ ン 酸 ( IP3) と
ジ
アシルグリセロール
e) Ca2+
2 ) 蛋 白 質 リ ン 酸 化 酵 素( プ ロ テ イ ン キ ナ
ーゼ)
a) A キ ナ ー ゼ ( PKA)
b) カ ル モ デ ュ リ ン キ ナ ー ゼ ( CaMK)
c) C キ ナ ー ゼ ( PKC)
d) チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ
受容体型、非受容体型
3 ) 蛋 白 質 脱 リ ン 酸 化 酵 素( プ ロ テ イ ン ホ
4. カ ル シ ウ ム イ オ ン
と
スファターゼ)
4) 蛋 白 質 分 解 酵 素
細胞機能
a) カ ル パ イ ン
1) Ca2+ 流 入 と Ca2+ 遊 離
2) IP3 レ セ プ タ ー / Ca2+ チ ャ ネ ル
リ ア ノ ジ ン レ セ プ タ ー / Ca2+ チ ャ
ネル
3) Ca2+ 結 合 蛋 白
4) 筋 収 縮 、 細 胞 運 動 性
Ⅲ. 細胞増殖因
子・
5) 開 口 分 泌
1. 増 殖 因 子 と そ の 受
受容体と情報
6) 細 胞 増 殖 、 受 精
容体
達
1) EGF/TGF- α 、 PDGF/FGF、
VEGF/TGF- β そ の 他 の 増 殖 因 子
2) サ イ ト カ イ ン
3) キ ナ ー ゼ 活 性 を 有 す る 受 容 体
4) キ ナ ー ゼ 活 性 の な い 受 容 体
2. 情 報 伝 達 機 構
5) G 蛋 白 関 連 受 容 体
1) MAP キ ナ ー ゼ 経 路
2) PI3 キ ナ ー ゼ 経 路
3) IP3 経 路
4) cAMP 経 路
3. 転 写 因 子
5) JAK/STAT 経 路
1) myc
4. 細 胞 周 期 の 制 御
2) jun/fos な ど
1) サ イ ク リ ン お よ び サ イ ク リ ン 依 存 性 キ
ナーゼ
2) ユ ビ キ チ ン ・ プ ロ テ ア ゾ ー ム 系
5. 増 殖 抑 制
3) チ ェ ッ ク ポ イ ン ト 機 構 ( Rb, p53)
1) TGF- β /SMAD
2 ) サイクリン依存性キナーゼインヒビター
3) Rb
- 32 -
大
項
目
Ⅳ. 神経伝達物質
中
項
目
小
1. 神 経 伝 達 物 質
項
目
1) コ リ ン 系 ─ ア セ チ ル コ リ ン
の受容体と信
2 ) ア ミ ノ 酸 系 ─ グ ル タ ミ ン 酸 、G A B A 、グ
号伝達
リシン
3 ) ア ミ ン 系 ─ ド ー パ ミ ン 、ア ド レ ナ リ ン 、
ノルアドレナリン、セロトニン
4) ペ プ チ ド 系 ─ P 物 質 、 エ ン ケ フ ァ リ
2. 神 経 伝 達 物 質 受 容
ン等
体
1) ア ゴ ニ ス ト と ア ン タ ゴ ニ ス ト
2) 受 容 体 の タ イ プ
3. 受 容 体 と イ オ ン チ
ャネ
1) チ ャ ネ ル 内 蔵 型 受 容 体
2) 代 謝 型 受 容 体
ルの関連
a) G 蛋 白 に よ っ て 調 節 さ れ る イ オ ン
チャネル
b) セ カ ン ド メ ッ セ ン ジ ャ ー に よ っ て
調節されるイオンチャネル
Ⅴ. 電気信号の
基礎
1) ク ー ロ ン 力 、 電 場 、 電 気 力 線 、 電 位 、
1. 電 場 と 電 位
等電位線
2) ガ ウ ス の 法 則 、 電 気 二 重 層
1) キ ル ヒ ホ ッ フ の 法 則
2. 電 気 回 路
2) コ ン デ ン サ ー の 充 放 電 、 時 定 数
3) 細 胞 膜 の 等 価 回 路
4) 分 極 、 脱 分 極 、 過 分 極
5) 局 所 電 流 と 脱 分 極
Ⅵ. 電気的興奮性
の機構
1 ) 細 胞 外 記 録 、細 胞 内 記 録 、容 積 導 体( 心
1. 電 位 記 録 法
電図、脳波など)
1) 細 胞 内 外 の イ オ ン 分 布 、 平 衡 電 位
2. 静 止 電 位
Nernst の 式
Goldman- Hodgkin- Katz の 式
2) イ オ ン 透 過 性
1) 活 動 電 位 の 特 性
3. 活 動 電 位
a l l - o r - n o n e の 法 則 、閾 値 、オ ー バ
ーシュート、不応期
2) Na 説
3) 膜 電 位 固 定 法
4) 種 々 の 細 胞 に お け る 活 動 電 位
1 ) N a チ ャ ネ ル 、C a チ ャ ネ ル 、K チ ャ ネ
4. 膜 電 位 依 存 性 イ オ
ル、
ンチャネル
イオン選択性、膜電位特性、
選択的ブロッカー、ゲート
2) パ ッ チ ク ラ ン プ 法
3) イ オ ン チ ャ ネ ル の 分 布
- 33 -
大
項
目
Ⅶ . 興奮伝導とシナ
中
項
目
小
1. 興 奮 の 伝 導
項
目
1) 局 所 電 流
プス伝達機構
2) 跳 躍 伝 導
3) 伝 導 速 度
4) 神 経 幹 の 活 動 電 位
5) 興 奮 伝 導 遮 断 薬 、 局 所 麻 酔 薬
2. シ ナ プ ス 伝 達
1) シ ナ プ ス 前 神 経 終 末 、 シ ナ プ ス 小 胞
a. シ ナ プ ス の 形 態
2) シ ナ プ ス 間 隙
3) シ ナ プ ス 後 神 経 細 胞
b. 神経伝達物質の放出
1) 細 胞 内 Ca2+
2) 開 口 分 泌
3) 素 量 説
c. シ ナ プ ス 電 位
1) 受 容 体 と イ オ ン チ ャ ネ ル
2) 興 奮 性 シ ナ プ ス 後 電 位 ( EPSP)
3) 抑 制 性 シ ナ プ ス 後 電 位 ( IPSP)
4) シ ナ プ ス 前 抑 制
5) 加 重 、 促 通
d . 基本的神経回路・回路 1 ) 発 散 、 収 束
網
2 ) 相 反 性 回 路 、側 方 抑 制 回 路 、反 回 抑 制
回路
e. 神経筋接合部の興伝
達
1) ア セ チ ル コ リ ン
2) 終 板 電 位 ( EPP)
3) 神 経 筋 接 合 部 作 用 薬 、 筋 弛 緩 薬
4) 抗 コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ
〔細胞と情報伝達〕
本郷利憲他監修
標 準 生 理 学( 第 6 版 )
医学書院
2005
人 体 機 能 生 理 学( 第 4 版 )
南江堂
2003
小畑邦彦他編
新生理学(第3 版)
文光堂
2000
Berne, R.M. & Levy, M.N.
Principles of Physiology(3rd ed.) C . B . M o s b y C o .
杉
晴夫編
バ ー ン・レ ヴ ィ
2000
生 理 学( 第 3 版 )
西村書店
1996
カラー基本生理学
西村書店
2003
(板東武彦・小山省三監訳)
バ ー ン・レ ヴ ィ
(板東武彦・小山省三監訳)
Ganong, W. F.
Review of Medical Physiology MacGraw- Hill
2003
ギ ャ ノ ン グ( 岡 田 泰 伸 他 訳 )
ギ ャ ノ ン グ 生 理 学( 第 2 2 版 )
丸善出版
2005
山科郁男監修
レーニンジャーの新生化学(第4 版) 廣 川 書 店
2006
上代淑人監訳
ハ ー パ ー 生 化 学( 改 訂 2 7 版 )
丸善
2007
日本医事新報社
1997
大 塚 吉 兵 衛・安 孫 子 宣 光 著
ビ ジ ュ ア ル 生 化 学・分 子 生 物 学
入村達郎他監訳
ス ト ラ イ ヤ ー 生 化 学( 改 訂 5 版 ) 東 京 化 学 同 人
中村桂子他訳
E s s e n t i a l 細 胞 生 物 学( 第 2 版 )
- 34 -
南江堂
2004
2005
清水孝雄他訳
リオット生化学・分子生物学(第3版)
Griffi n & Ojeda
Textbook of Endocrine Physiology
Alberts他 著
Molecular Biology of the Ce ll( 5th ed. Garland
Cotran, Kumar, Collins 編
東京化学同人
Oxford Univ.P ress
Robbins Pathologic Basis of Disease Saunders
2007
1988
2008
1999
( 6th ed.)
Lewin 編
Genes
Oxford Univ. Press 1997
一瀬白帝、鈴木宏治編
図説分子病態学(第3 版)
中外医学社
2003
平賀紘一他編
医 学 の た め の 基 礎 分 子 生 物 学 ( 第 2版 )
南山堂
1999
村松正實、谷口維紹編
医科分子生物学(第3 版)
南江堂
1997
スターンハイム他
ライフサイエンス物理学
廣川書店
1992
ヒ ュ ー エ ッ ト( 小 出 昭 一 郎 監 訳 ) 電 気 と 光( 物 理 の コ ン セ プ ト 3 )
共立出版
1986
渡辺正雄他監訳
光 と 電 磁 気 ( プ ロ ジ ェ ク ト 物 理 4)
コロナ社
1986
ベ ネ デ ィ ッ ク & ビ ラ ー ズ 電 磁 気 学 ( 上 ) ( 医 系 の 物 理 3a)
吉岡書店
1981
福原武彦・入来正躬訳生理学アトラス(第2 版)
文光堂
1992
高田明和編
アトラスで学ぶ生理学
丸善
1996
佐久間康夫監訳
カラー図解よくわかる生理学の基礎
(松原武生訳)
メ デ ィ カ ル・
2005
サイエンス・インターナショナル
中村桂子他監訳
細 胞 の 分 子 生 物 学( 第 5 版 )
教育社
2009
津田基之編
生物のスーパーセンサー
共立出版
1997
( シ リ ー ズ ・ ニ ュ ー バ イ オ フ ィ ジ ッ ク ス 6)
神経精神薬理誌編
ニューロトランスミッター・トゥデイ
星和書店
1997
御子柴克彦他編
カルシウムイオンとシグナル伝達
共立出版
1998
羊土社
2004
( 蛋 白 質 核 酸 酵 素 43 巻 12 号 )
山本雅也編
キーワードで理解するシグナル伝達
上代淑人監訳
シグナル伝達
メディカル・
2004
サイエンス・インターナショナル
秋山
徹編
わかる実験医学シリーズ
羊土社
加藤茂明他編
細胞膜・核内リセプターと脂溶性シグナル(実験医学増刊)
山本
細 胞 内 シ グ ナ ル 伝 達( 第 2 版 )
羊土社
1999
宮園浩平・菅村和夫編 サイトカイン・増殖因子
羊土社
1995
川合述史
講談社
1994
メディカル
1995
早石
雅
2001
分子から見た脳
修・伊藤正雄編 精神活動の流れを遡る
ジャーナル社
山本
雅・秋 山
宮島
篤編
徹
細胞内シグナル伝達がわかる
羊土社
2000
サイトカインの新たな機能と生命現象
羊土社
2000
(シグナル伝達から疾患研究まで
- 35 -
〔生体物質の代謝〕
科目責任者:高桑
雄一(生化学教室)
ヒ ト の体 を構 成す る物 質 は 、 消 化 、 吸 収 に よ り 体 外 か ら 栄 養 素 と し て 取 り 入 れ ら れ 、 あ る い は 、
体 内 で生 合成 され る。 その 一 方、 体内 でこ れら の物 質 はよ り小 さな 分子 に分 解 され る。 これ らの
合 成 と分 解の 過程 を“代謝 ”と 呼び 、この 代謝 の過 程 で生 命活 動の 維持 に必 要 なエ ネル ギー が産 生
さ れ ある いは 消費 され る。 こ の代 謝過 程は 化学 反応 の 連続 であ り、 酵素 が反 応 速度 を制 御し てい
る 。 20 回の 講義 では 、ま ず 生体 を構 成す る主 要な 成 分で ある 糖、 タン パク 、 脂質 、核 酸な どに つ
い て 代謝 の過 程を 学び 、 酵 素 に よ る 反 応 の 制 御 機 構 に つ い て 理 解 す る 。 さ ら に 、 食 後 、 飢 餓 状 態 、
あ る いは 糖尿 病に おけ る代 謝 を統 合的 に学 ぶ。 実習 で は、 グル ープ 別に 酵素 を 精製 し、 アイ ソザ
イ ム の分 析お よび 酵素 反応 速 度論 的解 析を 行な い、 酵 素の 作用 を学 ぶ。
( 評 価方 法)
取 り 組み の姿 勢と して 、出 席 を前 提と し、 筆記 試験 お よび 実習 レ ポ ート によ り 定量 評価 する 。
大
項
目
Ⅰ. 代謝の基本概
中
項
目
小
1. 代 謝 と エ ネ ル ギ ー
念
項
目
1) 細 胞
2) 生 体 物 質 の 合 成 と 分 解
3) エ ネ ル ギ ー の 産 生 ・ 貯 蔵 ・ 消 費
2. 生 体 分 子
1) タ ン パ ク 質 、 糖 質 、 脂 質 、 核 酸 、 ビ タ
ミン、
3. 酵 素 反 応
無機質、水
1) 酵 素 反 応 の し く み と そ の 特 徴
2) 酵 素 反 応 の 速 度 論 的 解 析
1. 糖 質 の 代 謝
Ⅱ. 個々の物質の
1) 嫌 気 的 解 糖
代謝
a) グ ル コ ー ス の 分 解
b) 乳 酸 生 成
c) 基 質 レ ベ ル の ATP 合 成
2) 好 気 的 解 糖
a) ク エ ン 酸 回 路
b) NADH、 FADH2
c) 電 子 伝 達 系
d) 酸 化 的 リ ン 酸 化
e) F0F1ATPase
3) グ リ コ ー ゲ ン 代 謝
a) 生 合 成
b) 分 解
4) 糖 新 生
a) グ ル コ ー ス の 生 合 成
b) コ リ 回 路
- 36 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
5) ペ ン ト ー ス 代 謝
a) ペ ン ト ー ス リ ン 酸 回 路
b) NADPH
2. タ ン パ ク 質 の 代 謝
1) タ ン パ ク 質 の 代 謝
a) 分 解
b) 生 合 成 ( mRNA の 翻 訳 )
c) 修 飾 と 輸 送
2) ア ミ ノ 酸 の 代 謝
a) 分 解 ( 脱 ア ミ ノ 、 尿 素 回 路 )
b) 生 合 成 ( 炭 素 骨 格 )
3. 脂 質 の 代 謝
1) 脂 肪 酸 の 代 謝
a) 分 解 ( β 酸 化 )
b) 生 合 成
c) 異 化 ( ア ラ キ ド ン 酸 カ ス ケ ー ド )
2) ト リ ア シ ル グ リ セ ロ ー ル 代 謝
a) 生 合 成
b) 分 解
3) コ レ ス テ ロ ー ル の 代 謝
a) 生 合 成
b ) 異 化( ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン 、胆 汁
酸、
ビ タ ミ ン D)
4) リ ン 脂 質 の 代 謝
a) 生 合 成
b) 分 解
4. 核 酸 の 代 謝
c ) 異 化( イ ノ シ ト ー ル リ ン 脂 質 代 謝
回転)
1) ヌ ク レ オ チ ド の 代 謝
a) 生 合 成
b) 分 解 ( 尿 酸 )
2) DNA の 代 謝
a) DNA の 複 製
3) RNA の 代 謝
Ⅲ. 代謝の調節
1. 細 胞 レ ベ ル
a) DNA の 転 写
2. 臓 器 レ ベ ル
a) 酵 素 に よ る 調 節
3. 個 体 レ ベ ル
a) ホ ル モ ン に よ る 調 節
b) 神 経 系 に よ る 調 節
a) 食 後
b) 飢 餓
c) 糖 尿 病
- 37 -
〔生体物質の代謝〕
入村達郎他監訳
ス ト ラ イ ヤ ー 生 化 学( 第 6 版 )
東京化学同人
2007
山科郁男監修
レ ー ニ ン ジ ャ ー の 新 生 化 学( 上・下 )
廣川書店
2010
(第5 版)
田宮信雄他訳
ヴ ォ ー ト 生 化 学( 上 ・下 )( 第 3 版 )
東京化学同人
2005
上代淑人監訳
ハ ー パ ー 生 化 学( 原 著 2 7 版 )
丸善
2007
清水孝雄他訳
エ リ オ ッ ト 生 化 学・分 子 生 物 学( 第 3 版 )
東京化学同人
2007
石崎泰樹他監訳
イ ラ ス ト レ イ テ ッ ド 生 化 学( 第 9 版 )
丸善
2008
中村桂子他監訳
E s s e n t i a l 細 胞 生 物 学( 第 2 版 )
南江堂
2005
清水孝雄他監訳
カラー生化学
西村書店
2000
太田英彦他訳
カラー図解 臨床生化学
医学書院
1998
化学同人
2002
Halperin 他(玉井洋一他訳) 症 例 か ら 学 ぶ 生 化 学
東京化学同人
1993
J. Darnell 他(野田春彦他訳)分子細胞生物学(上・下)( 第 4 版 )
東京化学同人
2001
中村隆雄
酵素キネティクス
学 会 出 版 セ ン タ ー 1993
伊藤俊洋他訳
生命科学のための基礎化学
丸善
1999
ライフサイエンス基礎化学
化学同人
2000
酵素反応のしくみ
講談社
1996
江 崎 信 芳 、藤 田 博 美 生 化 学
基礎の基礎
(無機物理化学編)
青島
均 、右 田 た い 子
藤本大三郎
ブルーバックス
堀尾武一
蛋 白 質・酵 素 の 基 礎 実 験 法( 2 版 )
南江堂
1994
遠藤克己
栄 養 の 生 化 学 1 . 2 . 3( 2 版 )
南江堂
1999
神奈木玲児訳
臨床に役立つ生化学
総合医学社
1997
吉田邦久
好きになる生物学
講談社
2001
サイエンティフィック
重 井 清 一 郎 、門 脇
孝 、最 新 糖 尿 病 学 ─ 基 礎 と 臨 床 ─
花房俊昭編
- 38 -
朝倉書店
2006
〔組織の成り立ち─組織、器官系〕
科目責任者:江﨑
太一(解剖学・発生生物学教室)
様々な生命現象を営んでいる生体構造の多様性、精巧さ、そして美しさを自らの目で発見し、
感動するとともに、生命への畏敬の念を育む。生体に関する事象を細胞生物学的視点から、「形
態と機能は表裏一体」という基本原理に基づいて考えると同時に、常に生体内での存在状態に
フィードバックして三次元レベルでその立体構造と位置関係を理解できるようにする。また、観
察によって得られた情報を知識と照合しながら、正確に記録する表現技能の修得を行う。
(評価方法)
実習試問、実習の状況(出席、スケッチ、他)、ならびに筆記試験の総点で評価を行う。
大
項
目
Ⅰ. 組織の構造と
中
項
目
小
項
目
1. 組 織 の 研 究 法
機能
a. 観 察 法
1) 光 学 顕 微 鏡
2) 電 子 顕 微 鏡 ( 透 過 型 ・ 走 査 型 )
3) 共 焦 点 レ ー ザ ー 走 査 顕 微 鏡
b. 標 本 作 製 法
1) 固 定 法
2) 包 埋 ・ 薄 切 法
3) 染 色 法
hematoxylin-eosin染色、azan染色、 鍍銀法
(銀染色)、過ヨウ素酸Schiff(PAS)染色、
elastica Van Gieson 染色、orcein 染色、
Klüver-Barrera 染色、Wright-Giemsa
染色
生体染色、超生体染色
組 織 化 学 的 方 法 ( 蛍 光 及 び 酵素抗体法、
酵素活性検出法)
c. 機 能 的 研 究 法
1) 同 位 元 素 を 用 い た 追 跡 法
2) In situ ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン
3) 細 胞 小 器 官 の 分 離 分 画 法
4) 細 胞 培 養 法
2 . 組 織 の 概 念:四 大 組
織
1) 上 皮 組 織 の 特 徴
3. 上 皮 組 織
2) 上 皮 組 織 の 配 列 ・ 形 態 に よ る 分 類
a) 単層(扁平・立方・円柱)上皮
b) 偽重層上皮(多列上皮)、移行上皮
c) 重層(扁平・立方・円柱)上皮
3) 上 皮 組 織 の 機 能 に よ る 分 類
a) 保護(被蓋)上皮
b) 吸収上皮
c) 線毛上皮
d) 腺(分泌)上皮
- 39 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
e) 感覚上皮
f) 呼吸上皮
g) 色素上皮
a. 腺 組 織
4) 上 皮 の 自 由 面 ・ 基 底 面 の 構 造 分 化
5) 細 胞 の 連 結 ・ 接 着
1) 腺 組 織 の 発 生 、 小 葉 構 造
2) 腺 組 織 の 導 管 の 有 無 に よ る 分 類
a) 外分泌腺
b) 内分泌腺
3) 外 分 泌 腺 の 構 造
a) 終末部(腺房・腺胞・腺管)
b)導管部(小葉内導管〔介在部、線条部〕
・小葉間導管)
4) 外 分 泌 腺 の 形 態 に よ る 分 類
a) 管状腺
b) 房状腺
c) 胞状腺
d) 管状房状腺
e) 管状胞状腺
5) 外 分 泌 腺 の 分 泌 物 に よ る 分 類
a) 粘液腺
b) 漿液腺
c) 漿粘液腺(混合腺)
6) 分 泌 様 式 に よ る 分 類
a) 部分分泌腺(漏出分泌・離出分泌)
b) 全分泌腺
c) 透出分泌腺
7) 内 分 泌 腺 の 特 徴
a) ホルモンの定義
b) 内分泌腺の形態学的特徴
c) 分泌調節機構
d) 主な内分泌腺と分泌様式
4. 支 持 組 織 : 間 葉 系
a. 結 合 組 織
間葉細胞(幹細胞)
1) 結 合 組 織 細 胞
a) 線維芽細胞
b) 細網細胞
c) 血管内皮細胞、周皮細胞
d) 脂肪細胞
e) 大食細胞(マクロファージ)
f) 肥満細胞(組織好塩基球)
g) リンパ球、形質細胞
h) 白血球(好中球、好酸球)
i) 色素細胞
2) 細 胞 間 質
- 40 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
a) 結合組織線維(膠原線維・細網線維・
弾性線維)
b) 無定形質(基質)
c) 組織液
3) 結 合 組 織 の 分 類 と 特 徴
a) 疎線維性結合組織
b) 密線維性結合組織
c) 弾性(結合)組織
d) 細網(結合)組織
e)( 白色・褐色)脂肪組織
f) 膠様組織(胎児性結合組織)
g) 色素組織
b. 血 液 と リ ン パ
1) 赤 血 球
2) 白 血 球
a ) 顆粒(白血)球(好中球・好酸球・
好塩基球)
b) 無顆粒(白血)球(リンパ球・単球)
3) 血 小 板
4) 血 漿 ・ リ ン パ 漿 / 血 清
5) 血 液 ・ リ ン パ の ろ 過 ・ 貯 留 組 織
a) 脾臓
b) リンパ節
6) 造 血
a) 骨髄、巨核球
b) 血液幹細胞
c ) 造 血 微 小 環 境( ス ト ロ ー マ 細 胞 )
c. 軟 骨 組 織
1) 軟 骨 細 胞
2) 軟 骨 基 質
a) 細胞領域基質
b) 領域間基質
c) 軟骨小腔
3) 軟 骨 組 織 の 分 類
a) 硝子軟骨
b) 弾性軟骨
c) 線維軟骨
4) 軟 骨 の 成 長 ( 付 加 成 長 、 間 質 成 長 )
d. 骨 組 織
1) 骨 細 胞
2) 骨 基 質 、 オ ス テ オ ン ( 骨 単 位 )
a) 骨層板・骨小腔・骨細管
b) 介在層板
c ) 中心管(ハバース管)・貫通管(フォ
ルクマン管)
3) 骨 組 織 の 発 生 ( 骨 形 成 ) と 再 構 築
a) 膜内骨化
- 41 -
大
項
目
中
項
目
小
Ⅱ. 器官(臓器)
項
目
b) 軟骨内骨化
の基本構造
c) 骨芽細胞
d) 破骨細胞
5. 筋 組 織
1) 平 滑 筋 細 胞
a ) 筋細糸(太い筋細糸・細い筋細糸)
b) 暗調野
c) ギャップ結合
6. 神 経 組 織
2) 横 紋 筋 細 胞
a) 骨格筋細胞(筋細線維・筋細糸・筋節・
筋小胞体・横細管・筋収縮)
b )心筋細胞(筋小胞体・横細管・筋収縮・
介在板)
3) 筋 紡 錘 ・ 運 動 終 板
1) ニ ュ ー ロ ン ( 神 経 細 胞 )
a) 神経細胞体
b) 軸索丘
c) 軸索突起
d) 樹状突起
e) 神経終末
f) 神経細胞間シプナス
2) 神 経 細 胞 の 形 態 に よ る 分 類
a) 多極神経細胞
b) 双極神経細胞
c) 偽単極神経細胞
d) 単極神経細胞
3) 支 持 細 胞
a ) 中枢性膠細胞:神経膠(グリア)細
胞(上衣細胞、星状膠細胞、稀突起
膠細胞、小膠細胞)
b)
末梢性膠細胞(衛星細胞、シュワン
細胞)
4) 有 髄 ・ 無 髄 神 経 線 維
5) 髄 鞘 形 成 、 ラ ン ビ エ 絞 輪
1 . 充 実 性( 実 質 性 )器
1) 被 膜 、 葉 間 結 合 組 織 、 小 葉
官
2) 門
3) 皮 質
4) 髄 質
1) 内 膜 ( Tunica interna )
2 . 管 状( 中 空 性 )器 官
2) 中 膜 ( Tunica media )
3) 外 膜 ( Tunica externa )
a ) 漿 膜 ( T. serosa) 、 中 皮 細 胞
b ) 外 膜 ( T. adventitia)
- 42 -
〔組織の成り立ち─組織、器官系〕
(組織学テキスト)
山田安正
現代の組織学(改訂3 版)
金原出版
1995
小川和朗・溝口史郎
組織学(第2 版)
文 光堂
1993
藤田尚男・藤田恒夫
標準組織学総論(第4 版)
医学書院
2002
藤 田 尚 男・藤 田 恒 夫
標 準 組 織 学 各 論( 第 4 版 )
医学書院
2010
伊藤
組 織 学( 第 1 9 版 )
南山堂
2005
南江堂
1999
西村書店
2003
南江堂
2006
丸善出版
2012
McGraw- Hil
2005
隆・阿 部 和 厚
Stevens A. & Lowe J.
人体組織学(第2 版)
(内山・相磯監訳)
G a r t n e r L . P . & H i a t t J . L . 最 新 カ ラ ー 組 織 学( 原 書 2 版 )
(石村・井上監訳)
Kierszenbaum, A.L.
組織細胞生物学
(内山安男監訳)
Tortora G.J. & Derrickson B. トートラ靱帯の構造と機能(第4 版)
(桑木、他共訳)
Junqueira L.C. & Carneiro J. Basic Histology(11th ed.)
Ross, M.H. 他
H i s t o l o g y:A t e x t a n d a t l a s( 4 t h e d . ) L i p p i n c o t t W . & W .
Fawcett, D.W.
A T e x t b o o k o f H i s t o l o g y( 1 2 t h e d . )
Chapman & Hall
2003
1994
(組織学アトラス)
溝口史郎
図 説 組 織 学( 第 2 版 )
金原出版
岩永敏彦
カラーアトラス組織・細胞学
医歯薬出版
Welsch, U.
Sobotta/Hammersen
医学書院
1995
南江堂
1992
Krsti´c, R.V.(藤田恒夫監訳) 立体組織学図譜(Ⅰ)細胞篇(第1版)
西村書店
1981
Krsti´c, R.V.(藤田恒夫監訳) 立体組織学図譜(Ⅱ)組織篇(第1版)
西村書店
1981
Gartner, L.P. & Hiatt, J.L.
MEDSi
2007
(岡本道雄他訳)
Di Fiore, M. S. H.
1987
1995
実習人体組織学図譜(第4 版)
人体組織図譜
(藤田恒夫他訳)
組 織 学 カ ラ ー ア ト ラ ス( 第 2 版 )
(松村・川上・高見・天野訳)
Krsti´c, R.V.
Human Microscopic Anatom(y 2nd ed.)
- 43 -
Springer-Verlag 1994
〔生体システムと制御機構〕
科目責任者:宮田
麻理子(第一生理学教室)
生 体 の最 小単 位 で ある 細胞 が 集合 し、 一連 の機 能を 果 たす ため に器 官を 形成 し 、さ らに 、そ れ
ぞ れ 機能 の異 なる 器官 が集 ま り人 体を 構成 する 。こ の よう な生 体の シス テム と して の働 きと 制御
機 能 を学 ぶこ とが 、人 体を 理 解す るう えで 大切 であ る 。「生 体シ ステ ムと制 御 機構 」で は 、「 細胞
と 情 報伝 達」 を基 盤に 、人 体 で個 々の 機能 がシ ステ ム とし てど のよ うに 統合 制 御さ れて いる か学
ぶ 。さら に 、生 体 の調 節機 構 とし て重 要で ある 神経 系 につ いて 、上級 セグメ ン トで 学ぶ 神経 系の
基 礎 的な 知識 を獲 得出 来る よ うに 配慮 され てい る。
( 評 価方 法) g
学 期 末に 実施 する 筆記 試験 の 得点 、お よび 、講 義中 に 行う 小テ スト の得 点に よ り評 価す る。
大
項
目
中
項
目
小
項
目
Ⅰ. 生体システム
1. 組織、器官、臓器、生体
1) 生 体 臓 器 の 機 能 的 相 互 関 係
と
2. 神 経 系
1) 脳 神 経 、 体 性 神 経 、 自 律 神 経
しての解剖
2 ) 神 経 の 機 能 と 解 剖 の 統 合 、感 覚 系( 上
行路)、運動系(下行路)
3) 中 枢 神 経 と 末 梢 神 経
1. 体 液 性 信 号
1) ホ ル モ ン
Ⅱ. 生体の信号
2) 成 長 因 子 、 増 殖 因 子
3) 神 経 伝 達 物 質
4) 種 々 の 生 体 活 性 物 質
2. 神 経 性 信 号
1) 受 容 器 電 位
2) 活 動 電 位
3) シ ナ プ ス 電 位
3. 電 気 生 理 学 的 生 体
1) 細 胞 外 記 録 法・細 胞 内 記 録 法・容 積 導
信号記録法
1. 刺 激 の 種 類
体記録(心電図・脳波・誘発電位)
1) 機 械 的 刺 激
Ⅲ. 刺激の受容機
2) 温 度 、 光 、 音 、 放 射 線
構
3) 化 学 物 質 、 薬 物
4) 異 物 、 微 生 物 ・ 寄 生 虫
5) 生 体 内 刺 激
6) ス ト レ ス
2. 生 体 反 応 の 種 類
1) 随 意 運 動
2) 分 泌 反 応
3) 化 学 反 応 ( 代 謝 )
4) 細 胞 反 応
3 . 刺激による調節機構
1) 中 枢 神 経 系
2) 自 律 神 経 系
- 44 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
3) 内 分 泌 系
4) 免 疫 系
4. 感 覚 受 容 器 と 受 容
器電位
1) 感 覚 受 容 器
2) 信 号 変 換
3 ) 光 刺 激 、音 刺 激 、機 械 刺 激 、温 度 刺 激 、
侵 害 刺 激 、化 学 物 質 に よ る 刺 激 か ら 活
動電位へ変換
4) 刺 激 情 報 の 符 号 化
5) 受 容 野
6) 感 覚 の 順 応
7) 側 抑 制
8) 受 容 器 細 胞
9) 受 容 器 電 位 の 発 生 と 特 徴
1 0 ) 体性感覚受容器皮膚及び深部の機械的
刺激受容器、温度受容器、侵害刺激受
容器
1 1 ) その他の特殊感覚受容器視細胞、聴細
胞、味細胞、嗅細胞、平衡感覚受容細胞
Ⅳ . 骨 格 筋 、心 筋 、 1 . 骨格筋の興奮と収縮
平滑筋
a. 筋細胞の形態と機能、 1 ) 筋 原 線 維
収縮蛋白質
2) ア ク チ ン フ ィ ラ メ ン ト
ミオシンフィラメント、トロポニン、
トロポミオシン
サルコメア
b. 筋収縮の物理的性質
1) 等 張 性 収 縮 、 等 尺 性 収 縮
2) 単 収 縮 、 強 縮 、 拘 縮
c. 筋 収 縮 機 序
1) 滑 走 説
2) ATP の 化 学 エ ネ ル ギ ー か ら 機 械 的 エ ネ
ルギーへの転換
3) Ca2+ に よ る 制 御
4) ATP の 補 給
5) 熱 産 生
d. 興 奮 収 縮 連 関
1 ) 横 行 小 管 系 、ジ ヒ ド ロ ピ リ ジ ン 受 容 体
2) 筋 小 胞 体 、 リ ア ノ ジ ン 受 容 体
3) Ca2+ 遊 離 と 再 取 り 込 み
4) カ フ ェ イ ン 拘 縮
2. 心 筋 の 興 奮 と 収 縮
a. 心 筋 の 形 態
1) 固 有 ( 作 業 ) 心 筋
2) 特 殊 心 筋
3) 興 奮 伝 導 系
4) 心 臓 神 経 ( 交 感 神 経 、 迷 走 神 経 )
- 45 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
5) ギ ャ ッ プ 結 合 、 合 胞 体
b. 心 筋 細 胞 の 電 気 的
活動・興奮伝導性
1) 静 止 電 位
2) ア ド レ ナ リ ン と ア セ チ ル コ リ ン の 作 用
3) 心 筋 の 活 動 電 位 、 プ ラ ト ー
4) 心 筋 の イ オ ン 電 流 、 イ オ ン チ ャ ネ ル
5) ペ ー ス メ ー カ ー 電 位 と 心 筋 の 自 動 性
6) ペ ー ス メ ー カ ー 電 位 に 対 す る 心 臓 神 経
の作用
7) 心 電 図 の 成 因
c. 心 筋 の 力 学 的 性 質
1) 長 さ ─ 張 力 関 係
2) 張 力 ─ 速 度 関 係
3) 収 縮 力 の 調 節 と Ca2+ 動 態
4 ) Ca2+ チャネル、リアノジン受容体、Ca2+
流入とCa2+ 遊離、Ca2+ によるCa2+ 遊離
3. 平 滑 筋 の 興 奮 と 収
縮
1) 平 滑 筋 の 分 布 と 機 能
a. 平 滑 筋 の 構 造
2) 内 臓 平 滑 筋
3) 多 元 平 滑 筋
4) ギ ャ ッ プ 結 合 、 合 胞 体
1) 自 律 性
b. 平 滑 筋 の 神 経 支
配・
2) 神 経 支 配 ( 交 感 神 経 、 副 交 感 神 経 )
3 ) 興 奮 と 抑 制 、ノ ル ア ド レ ナ リ ン と ア セ
神経筋伝達
チルコリンの作用
1) 種 々 の 活 動 電 位
2) ペ ー ス メ ー カ ー 電 位
c. 平 滑 筋 の 興 奮
3) ス ロ ー ウ ェ ー ブ
4) 伸 展 に よ る 脱 分 極
1) 筋 小 胞 体 と Ca2+ 遊 離 、 リ ア ノ ジ ン 受
容
d. 興 奮 収 縮 連 関
体 、 IP3 受 容 体
2) Ca2+ チ ャ ネ ル と Ca2+ 流 入
3) カ ル モ ジ ュ リ ン 依 存 性 ミ オ シ ン 軽 鎖 キ
ナーゼ
1) 興 奮 の 伝 導 速 度 と 収 縮 時 間
e. 平 滑 筋 の 収 縮
2 ) ア ク チ ン フ ィ ラ メ ン ト 、ミ オ シ ン フ ィ
ラメント
3) 単 収 縮 、 加 重 、 強 縮
Ⅴ. 反射機構
f. 骨格筋、心筋との比較
1) 反 射 弓 、 反 射 中 枢
2 ) 筋 紡 錘 と ゴ ル ジ 腱 器 官 、Ⅰ a 神 経 線 維 、
1. 脊 髄 反 射 機 構
Ⅰb 神経線維
3) 連 関 伸 張 反 射 、 屈 曲 反 射
- 46 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
4) 拮抗抑制、反回抑制、Ⅰb 抑制シナプス
前抑制
5) α 及 び γ 運 動 神 経 、 α - γ 連 関
6) 誘 発 筋 電 図 、 M 波 と H 波
Ⅵ. 体性神経系に
1. 感 覚 情 報 の 経 路
1) 皮 膚 感 覚 、 深 部 感 覚 、 痛 み
よ
2) 感 覚 伝 導 路
る制御機構
3) 視 床 中 継 核
4) 特 殊 系 と 非 特 殊 系
5) 大 脳 皮 質 体 性 感 覚 野 、 体 部 位 の 再 現
2. 運 動 機 構
1) 随 意 運 動
2 ) 運 動 の 下 行 路 、内 側 下 行 性 経 路 、外 側
下行性経路
3) 大 脳 皮 質 機 能 局 在
4) 大 脳 皮 質 運 動 野
5) 運 動 制 御 回 路
1. 自 律 神 経 系 の 解 剖
1) 自 律 神 経 系 中 枢
Ⅶ. 自律神経系に
学的分類と機能的
2) 自 律 神 経 系 と 体 性 神 経 系 の 相 違 点
よ
分類
3) 交 感 神 経 系 と 副 交 感 神 経 系
る調節
4) 自 律 神 経 系 の 伝 達 物 質 と 受 容 体
5) 交 感 神 経 節 の 後 電 位 と そ の 機 能
6) 自 律 機 能 の 反 射 性 調 節
7) 関 連 痛 、 除 神 経 性 過 敏
1) 節 前 線 維 、 節 後 線 維 、 自 律 神 経 節
2. 自 律 神 経 作 用 薬 と
2) 交 感 神 経 作 用 薬 ・ 遮 断 薬 と そ の 作 用
生体反応
a) α 受 容 体 作 用 薬 ・ 遮 断 薬
b) β 受 容 体 作 用 薬 ・ 遮 断 薬
c) ア ド レ ナ リ ン 作 用 性 神 経 遮 断 薬
3 ) 副 交 感 神 経 作 用 薬・遮 断 薬 と そ の 作 用
a)ムスカリン様受容体作用薬・遮断薬
4 ) 交 感 神 経 節 作 用 薬・遮 断 薬 と そ の 作 用
1 ) ア ク チ ン フ ィ ラ メ ン ト・中 間 径 フ ィ ラ
1. 細 胞 骨 格
メント・微小管・ミオシン
Ⅷ. 神経細胞の細
胞
骨格・軸索輸
送・
1) 順 行 性 軸 索 輸 送
逆行性軸索輸送
2. 軸 索 輸 送
1) 順 行 性 変 性 ( ワ ー ラ ー 変 性 )
3 . 神 経 の 変 性・髄 鞘 の
2) 逆 行 性 変 性 ( 間 接 的 ワ ー ラ ー 変 性 )
変性
3) シ ュ ワ ン 細 胞
軸索再生
4) 脱 髄
4. 軸 索 再 生
1) 神 経 成 長 因 子 ( NGF)
2) 側 枝 発 芽 ( 軸 索 発 芽 )
- 47 -
大
項
目
Ⅸ . 内分泌系による
中
項
目
小
1. 内 分 泌 系 の 機 能
項
目
1) 内 部 環 境 の 恒 常 性 維 持
調節とホルモン
2) エ ネ ル ギ ー 代 謝
の情報伝達
3) 発 育 と 成 長
4) 性 の 分 化 と 生 殖
2. 内 分 泌 の 定 義
1) 内 分 泌 の 定 義 ・ ホ ル モ ン の 定 義
3. ホ ル モ ン の 分 類
1) 化 学 構 造 に よ る 分 類
a) ペ プ チ ド ホ ル モ ン
b) 糖 蛋 白 ホ ル モ ン
c) ア ミ ノ 酸 誘 導 体 ホ ル モ ン
d) ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン
4. ホ ル モ ン の 合 成
1) ア ミ ノ 酸 誘 導 体 ホ ル モ ン の 合 成
2) ペ プ チ ド ホ ル モ ン の 合 成 ( POMC)
3) ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン の 合 成
5. ホ ル モ ン 受 容 体
1) 細 胞 膜 受 容 体
2 ) 細 胞 内 受 容 体( 細 胞 質 受 容 体 ・ 核 内 受
容体)
6. ホ ル モ ン の 調 節
1) 恒 常 的 分 泌 の 制 御
a ) 生体リズムと分泌(拍動性分泌・日
内分泌)
b) 負 の フ ィ ー ド バ ッ ク
c) 正 の フ ィ ー ド バ ッ ク
2 ) ホルモン感受性の調節(ダウンレグレー
ション・アップレグレーション)
7. ホ ル モ ン 受 容 体 と
1 ) 細 胞 膜 受 容 体 の 細 胞 内 情 報 伝 達 機 構( G
細胞内情報伝達機
構
蛋白、チロシンキナーゼ)
1) 内 分 泌 臓 器 総 論
8. 内 分 泌 系 臓 器
a) 視 床 下 部 ・ 下 垂 体
b) 甲 状 腺
c) 副 腎
d) 性 腺
e) 膵 、 消 化 管
f) そ の 他
2) 各 種 ホ ル モ ン
a) 視 床 下 部 ホ ル モ ン
b) 下 垂 体 前 葉 ホ ル モ ン
c) 下 垂 体 後 葉 ホ ル モ ン
d) 副 腎 皮 質 由 来 の ホ ル モ ン
e) 性 ホ ル モ ン
f) イ ン ス リ ン
- 48 -
〔生体システムと制御機構〕
(教科書類)
本郷利憲・広重
杉
力(監)
晴 夫( 編 )
標準生理学
第6 版
人体機能生理学
第4 版
第3 版
医学書院
2005
南江堂
2003
文光堂
2000
小 幡 邦 彦 他( 編 )
新生理学
Berne & Levy
Principles of Physiology(3rd ed.) C.B. Mosby Co.
2000
Ganong
Review of Medical Physiology
Appleton & Lange
1999
Saunders
2000
板 東 武 彦・小 山 省 三( 編 ) バ ー ン / レ ヴ ィ 基 本 生 理 学
西村書店
2003
藤田尚男・藤田恒夫
標準組織学・総論
医学書院
2002
日本生理学会編
新・生理学実習書
南江堂
1991
木村
誘発電位と筋電図
医学書院
1990
文光堂
1992
( 19 版 )
Guyton
Textbook of Medical Physiology
( 第 10 版 )
(実習書類)
淳
(参考書)
福 原 武 彦・入 来 正 躬( 訳 )
生理学アトラス
第2 版
高 田 明 和( 編 )
アトラスで学ぶ生理学
丸善
1996
大地陸男
生理学テキスト
文光堂
1992
藤原哲司
筋電図・誘発電位マニュアル
金芳堂
1999
A l b e r t s 他( 著 )
Molecular Biol ogy of the Cell
Garland
2002
医学書院
1997
医学書院
2001
Saunders
1998
メディカル
1995
第3 版
4th Ed., Chapter 13 & 17
井村・清野(編)
内分泌代謝病学
鹿取
標準薬理学
信(監)
W i l s o n 他( 著 )
早石
修・伊藤正男(編)
第4 版
第6 版
Textbook of Endocri nology
精神活動の流れを遡る
ジャーナル社
- 49 -
〔遺伝と遺伝子〕
科目責任者:高桑
雄一(生化学教室)
あ ら ゆる 生物 に共 通の 特徴 は 、遺 伝情 報が 遺伝 子に よ って 子孫 に伝 え ら れ、 個 々の 細胞 で発 現
さ れ るこ とで ある 。近 年、遺 伝情 報を 担う 遺伝 子の 分 子レ ベル の研 究が 急速 に 進み 、遺 伝子 の構造、
そ の 複製 機構 、転 写と 蛋白 質 合成 の機 構が 解明 され て きた 。こ れら の知 見は 、 初め は主 に微 生物
を 材 料に 得ら れて きた が、 最 近で はヒ トを 含む 高等 生 物に も対 象が 広が って い る。 特に 、遺 伝子
操 作 の技 術の 発展 は著 しく 、 医学 やさ まざ まな 分野 へ の応 用も 試み られ 、成 果 を挙 げて いる 。
20 回の 講義 では 、出 来る か ぎり ヒト など の高 等生 物 に焦 点を あて 、遺 伝の 仕 組み 、遺 伝子 発現
機 構 、遺 伝子 工学 的手 法、 遺 伝子 診断 や治 療な どに つ いて 、基 礎的 事項 から 最 新の 知識 さら に臨
床 へ の応 用ま で解 説す る。
( 評 価方 法)
取 り組 みの 姿勢 とし て、 出 席を 前提 とし 、筆 記試 験 およ び実 習レ ポー トで 定 量的 評価 を行 う。
大
項
目
Ⅰ. 遺伝と遺伝子
中
項
目
小
項
1. 遺 伝 子 か ら み た 生
1) 種 の 保 存 と 個 体 の 保 存
命
2) 遺 伝 情 報
目
3) 形 質 発 現
4) セ ン ト ラ ル ド グ マ
5) RNA ワ ー ル ド
Ⅱ. 遺伝の仕組
1) 遺 伝 子 と 染 色 体
1. 遺 伝 の 法 則
a) 常 染 色 体
b) 性 染 色 体
c) ミ ト コ ン ド リ ア 遺 伝 子
2) メ ン デ ル の 法 則
a) 減 数 分 裂
b) 優 性 ・ 劣 性 遺 伝
3) 連 鎖 と 組 換 え
a) 交 叉 と 組 換 え 価
1) 遺 伝 子 頻 度
2. 集 団 遺 伝
a) ハ ー デ ィ ・ ワ イ ン ベ ル グ の 法 則
b) 選 択
c) 遺 伝 的 浮 動
d) 突 然 変 異
2) 集 団 に お け る 遺 伝 子 の 発 現
a) 多 因 子 遺 伝
b) 近 縁 係 数
1) 染 色 体 の 分 子 構 造
3. ヒ ト の 染 色 体
a) ヒ ス ト ン と ヌ ク レ オ ソ ー ム
- 50 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
b) 染 色 体 バ ン ド
2) 染 色 体 の ゲ ノ ム
a) ゲ ノ ム の 情 報 量
b) 遺 伝 子 の 大 き さ と 分 布
c) 反 復 配 列
d) DNA 多 型 ( 1 塩 基 ~ 多 塩 基 )
3) ゲ ノ ム 地 図
a) 遺 伝 子 地 図
b) 物 理 地 図
c) 比 較 ゲ ノ ム 地 図
4. DNA 複 製
1) DNA の 構 造 と 性 質
a) 二 重 ら せ ん
b) 5′ と 3′ 末 端
c) A・ B・ Z 型
d) 物 理 化 学 的 性 質
2) 複 製 機 構
a) DNA ポ リ メ ラ ー ゼ
b) RNA プ ラ イ マ ー
c) 岡 崎 断 片
d) 複 製 起 点
5. DNA 修 復
1) 突 然 変 異 原
a) 薬 物
b) 放 射 線
c) ラ ジ カ ル
2) 突 然 変 異 の 種 類
a) 塩 基 修 飾
b) ミ ス マ ッ チ
c) ヘ リ ッ ク ス 構 造 修 飾
d) 2 重 鎖 切 断
3) 修 復 機 構
a) 塩 基 除 去 修 復
b) ヌ ク レ オ チ ド 除 去 修 復
c) ミ ス マ ッ チ 修 復
d) 組 み 換 え 修 復
4) ヒ ト 疾 患 と の 関 連
a) 色 素 性 乾 皮 症
b) ataxia telangiectasia
Ⅲ. 遺伝子発現
1. 転 写 ( mRNA 合 成 )
1) 転 写 機 構
a) 鋳 型 鎖 と 反 鋳 型 鎖
b) RNA ポ リ メ ラ ー ゼ
- 51 -
大
項
目
中
項
目
小
項
目
c) プ ロ モ ー タ ー
d) エ キ ソ ン
e) イ ン ト ロ ン
f) ス プ ラ イ シ ン グ
g) 逆 転 写
2) 転 写 の 調 節
a) 転 写 基 本 因 子
b) 活 性 化 ・ 抑 制 因 子
c) オ ペ ロ ン
d) DNA・ タ ン パ ク 質 相 互 作 用
e ) タ ン パ ク 質・タ ン パ ク 質 相 互 作 用
2 . 翻 訳( タ ン パ ク 質 合
1) 翻 訳 機 構
成)
a) コ ド ン と ア ン チ コ ド ン
b) リ ボ ソ ー ム
c) tRNA
d) A 部 位 と P 部 位
1) タ ン パ ク 質 の 修 飾 a) リ ン 酸 化
3. タ ン パ ク 質 の 細 胞
b) 糖 鎖 付 加
内輸送
c) 加 水 分 解
2) 細 胞 内 輸 送
a) シ グ ナ ル ペ プ チ ド
b) 低 分 子 量 G 蛋 白 質
Ⅳ. 原核細胞の
遺伝子
1) 真 核 細 胞 と の 比 較
1. 細 菌 の 遺 伝 子
2) プ ラ ス ミ ド
a) F プ ラ ス ミ ド
b) R プ ラ ス ミ ド
c) 病 原 性 プ ラ ス ミ ド
3) 遺 伝 形 質 の 伝 達
4) ミ ト コ ン ド リ ア 遺 伝 子
1) 構 造
2. バ ク テ リ オ フ ァ ー
2) 増 殖
ジ
3) 溶 原 化 と 転 写 調 節
4) 細 菌 へ の 遺 伝 形 質 の 伝 達
Ⅴ. 遺伝子解析の
1) ベ ク タ ー の 種 類
手法
a) ク ロ ー ニ ン グ ベ ク タ ー
1. 組 換 え DNA
b) 発 現 ベ ク タ ー
2) 標 的 遺 伝 子 の 分 離
2. 遺 伝 子 の 構 造 解 析
- 52 -
1) サ ザ ン 、 ノ ー ザ ン ブ ロ ッ ト
大
項
目
中
項
目
小
項
目
2) PCR 法
3) 塩 基 配 列 決 定 法
4) DNA マ イ ク ロ ア レ イ ( チ ッ プ )
3. 遺 伝 子 の 機 能 解 析
1) 突 然 変 異 導 入
2) 順 遺 伝 学 と 逆 遺 伝 学
3) 発 生 工 学
4) 遺 伝 子 ノ ッ ク ア ウ ト 動 物
4. 組 換 え DNA の 応 用
1) 遺 伝 子 診 断
2) 遺 伝 子 治 療
3) 生 理 活 性 物 質 の 合 成
Ⅵ. 遺伝子と疾患
1. 腫 瘍 関 連 遺 伝 子
1) 癌 遺 伝 子
2) 癌 抑 制 遺 伝 子
2. 遺 伝 子 診 断
1) 方 法
a) PCR 法
b) サ ザ ン ブ ロ ッ ト 法
c) 多 型 解 析
d) DNA シ ー ク エ ン ス
2) 診 断 可 能 な 疾 患
a) 遺 伝 子 病
b) 癌
c) 感 染 症
3) 保 因 者 診 断
4) 出 生 前 診 断
3. 遺 伝 子 治 療
1) ジ ャ ー ム ラ イ ン 遺 伝 子 治 療
2) 体 細 胞 遺 伝 子 治 療
3) 治 療 可 能 な 疾 患
a) 遺 伝 病
b) 癌
c) 感 染 症
4. 遺 伝 子 と 生 命 倫 理
1) 遺 伝 カ ウ ン セ リ ン グ
2) 遺 伝 子 研 究 と 医 療 に お け る プ ラ イ バ シ
ー
の保護と差別
3) 生 命 倫 理
Ⅶ. 遺伝と情報
1. 遺 伝 情 報 学
2. 連 鎖 解 析
1) ゲ ノ ム 配 列
1ポ ジ シ ョ ナ ル ク ロ ー ニ ン グ
- 53 -
〔遺伝と遺伝子〕
(教科書・特集)
A) 平 易 に 書 か れ て い る も の
新川詔夫他著
遺伝医学への招待(第4 版)
南江堂
2008
鎌谷直之
オンリーワン・ゲノム
星の環会
2009
Alberts 他 著
細胞の分子生物学(第5 版)
Newton Press
2010
菅野純夫著
わかる実験医学シリーズ
羊土社
2001
集英社
2001
NHK 出 版
1999
ゲノム医科学がわかる
柳澤桂子著
遺伝子を読み解く
ヒトゲノムとあなた
NHK ス ペ シ ャ ル
驚異の小宇宙・人体
遺伝子、
DNA1 ~ 6
榊
佳之著
ヒトゲノム
岩波新書
2001
解読から応用・人間理解へ
B) 詳 細 に 書 か れ て い る も の
Brown T.A. 村 松 正 實 訳 ゲ ノ ム ( 第 3 版 )
メディカルサイエンス
2007
インターナショナル社
Darnell, J. 他著
野田春彦他訳 分子細胞生物学(上、下)(第5 版)
東京化学同人
2005
遺伝子(第8 版)
東京化学同人
2006
田宮信雄他訳
ヴォート生化学(上、下)(第3 版)
東京化学同人
2005
入村達郎他監修
ストライヤー生化学(第6 版)
東京化学同人
2008
山科郁男監訳
レ ー ニ ン ジ ャ ー の 新 生 化 学( 上 、下 )
Lewin, B. 著 榊
佳之訳
廣川書店
2010
(第5 版)
上代淑人監訳
Sambrook, J. 他 著
ハ ー パ ー 生 化 学 ( 原 著 27 版 )
丸善
M o l e c u l a r C l o n i n g( Ⅰ ~ Ⅲ )
Cold Spring
2007
2001
( 3rd ed.) Harbor
村松正實監修
ヒトの分子遺伝学(第4 版) メディカルサイエンス
2011
インターナショナル
村松正實監訳
ヒトの分子生物学
丸善
2006
堀越正美編著
遺伝子発現
中外医学社
2001
ジーンセレクターから生命現象へ
半田
山本
宏他編
雅/仙波憲太郎編
竹縄忠臣編
ゲノムからの情報発現
シ ュ プ リ ン ガ ー・ 2 0 0 0
転写因子とその機能
フェアラーク東京
癌化のシグナルがわかる
羊土社
2005
タンパク質科学イラストレイテッド
羊土社
2005
RNAi 実 験 な る ほ ど Q&A
羊土社
2006
遺 伝 子 導 入 な る ほ ど Q&A
羊土社
2005
(遺伝子解析技術関連)
A ) 平易に書かれているもの
程
久美子他編
落合孝広他編
- 54 -
谷口武利編
PCR 実 験 な る ほ ど Q&A
羊土社
2011
養王田正文編
も っ と 知 り た い ! PCR 実 験
講談社
2010
村松正実
よくわかる遺伝子工学
羊土社
2000
榊
ゲノムから個体へ1 ~ 6
中山書店
2001
ワ ト ソ ン 組 換 え DNA の 分 子 生 物 学
丸善
2009
羊土社
2010
羊土社
2003
佳之他編
B) 詳 細 に 書 か れ て い る も の
Watson, J.D. 他 著
松橋通生他監訳
松村正實他編
(第3 版)
新遺伝子工学ハンドブック
(改訂第5 版)(実験医学別冊)
佐々木博己編
こ こ ま で で き る PCR 最 新 活 用
マニュアル(実験医学別冊)
日本化学学会編
新生化学実験講座核酸Ⅰ~Ⅴ
日 本 生 化 学 会 1993
(遺伝子と疾患関連)
服部成介他著
よくわかるゲノム医学
羊土社
2011
日本臨床増刊
遺伝子診療学(第2 版)
日本臨床社
2010
遺伝子診断の進歩とゲノム治療の展望
水谷修紀監訳
症例でわかる新しい臨床遺伝学
メディカルサイエンス
2008
インターナショナル
福島義光監訳
トンプソン&トンプソン 遺伝医学
メディカルサイエンス 2 0 0 9
インターナショナル
Wilson G.N.
Clinical Genetics
Wiley- Liss社 2000
( A short course )
鎌谷直之編
ポストゲノム時代の遺伝子統計学
斉藤英彦他編
遺伝子医療
基礎から応用へ
羊土社
2001
名 古 屋 大 学 出 版 会 2000
(生命倫理関連)
厚生省精神・神経疾患研究委託費 筋ジストロフィーにおける遺伝子診断
(班長:高橋桂一)
木村利一著
遺伝相談ガイド
1995
ブック
いのちを考える―バイオエシックス
日本評論社
1993
のすすめ
小澤敬也著
がんや難病を治す遺伝子治療
法研出版
1994
金城清子著
生命誕生をめぐるバイオエシックス
日本評論社
1998
金芳堂
2004
―生命倫理と法
伏木信次他編
生命倫理と医療倫理
- 55 -
[人体全体構造(骨格系)]
科 目 責任 者: 藤枝
弘 樹( 解 剖学 教室 )
到達目標
人 体は ミク ロか らマ クロ に 向か って 、細 胞、 組織 、 器官 およ び器 官系 へと 階 層的 に作 られ てい
る 。 人体 全体 構造 にお いて は 、人 体の 正常 構造 につ い て主 に肉 眼( マク ロ) レ ベル から 各器 官系
の 構 成を 系統 的に 学習 する 。 同時 に解 剖実 習を 通じ て 、 (1)人 体の 局所解 剖 を学 び、 個体 差、 変
異 、先 天奇 形な どに 目を向 け る習 慣を 養い、
(2)医 学 に対 する 真摯 かつ 敬虔 な 態度 をも 身に つけ る。
こ こ では 、器 官系 のう ち運 動 器系 、循 環器 系、 神経 系 につ いて 学習 する 。
( 評 価方 法)
本 科 目の 評価 は、 授業 ・実 習 への 出席 、筆 記試 験、 実 習試 験で 行う 。
大
項
目
器官系
中
項
目
小
1. 運 動 器 系
項
目
1) 骨 と 関 節 の 構 造
2) 体 幹 骨 と 体 幹 筋
3) 上 肢 骨 と 上 肢 筋
4) 下 肢 骨 と 下 肢 筋
5) 頭 蓋 骨
2. 循 環 器 系
1) 心 臓
2) 動 脈
3) 静 脈
3. 神 経 系
1) 神 経 系 の 基 本 構 造
2) 中 枢 神 経 系
3) 末 梢 神 経 系
4) 自 律 神 経 系
〔人体全体構造(骨格系)〕
参考図書
森 他
分担解剖学
金原出版
2006
金子
日本人体解剖学
南山堂
2000
伊藤
解剖学講義
南山堂
2001
寺田、藤田
骨学実習の手引き
南山堂
1992
Schunke 他 ( 坂 井 他 訳 )
プロメテウス解剖学アトラス
医学書院
2006
Gilroy 他 ( 坂 井 他 訳 )
プロメテウス解剖学コアアトラス
医学書院
2010
Agur & Dally ( 坂 井 他 訳 )
グラント解剖学図譜
医学書院
2011
Netter( 相 磯 訳 )
ネッター解剖学アトラス
南江堂
2007
Putz & Pabst ( 岡 本 訳 )
Sobotta 図 説 人 体 解 剖 学
医学書院
2002
Rohen & 横 地
解剖学カラー
医学書院
2005
- 56 -
アトラス
縦 断 教 育 科 目
- 57 -
〔国際コミュニケーション〕
科目責任者:遠藤
弘良(国際環境・熱帯医学)
講義担当者:鈴木
光代、遠藤
美香(英語)
他
到達目標
将来医療人として国際的に活躍できる人材を育成するために、英語を用いて、臨床で患者およ
び医療者とコミュニケーションができる能力を養成する。単に、英語を話すだけでなく、異なる
文化的背景を持つ人の倫理観・社会観・死生観そして専門的言語に ついての理解を伴うコミュニ
ケーション能力をも開発する。さらに、言語によるコミュニケーションに必要な、読む力・書く
力を合わせて教育し、国際的に全人的医療を行える人材育成を目標とする。
セグメント2
国 際 コミュ ニ ケ ー シ ョ ン 到 達目 標及 び 概 要
主 に 会 話 能 力 の 向 上 を 目 指 す オ ー ラ ル ・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン( 以 下 OC)と 、リ ー デ ィ ン グ お
よびリスニングに重点をおいた授業がある。どちらの授業も聴き、話すという日本人が苦手とす
る技能を1 年間で克服し、国際コミュニケ―ションの基礎的能力を養うことを目標としている。
1 学 年 を 10 名 程 度 の 小 ク ラ ス に 分 け 、学 習 効 率 が 高 い 少 人 数 シ ス テ ム を と る 。週 一 回 の 授 業 は
外 国 人 講 師 に よ る OC ク ラ ス が 1 コ マ 、 日 本 人 講 師 に よ る リ ス ニ ン グ お よ び 総 合 英 語 の 授 業 が 1
コ マ か ら 成 る 。 ま た 、 OC の 方 で は 1 月 に Speech Presentation が あ り 、 学 生 一 人 ひ と り が 、 英 語
で の Speech を す る こ と に な っ て い る の で 、 そ の 原 稿 を 書 く と い う ラ イ テ ィ ン グ の 演 習 も 行 わ れ 、
外国人講師より個別指導をうけらるよう計画されている。
最 終 日 は 、 通 常 の 試 験 に 加 え 、 TOEIC TEST の 実 施 が あ る 。
(評価方法)
本 科 目 の 評 価 は 、 出 席 率 、 Speech Presentation 、 筆 記 試 験 お よ び TOEIC TEST に よ っ て
行う。
教科書
CBS News Break
成美堂
American Headway 3
Oxford Univ. Press
備考
* Speech Presentation お よ び TOEIC TEST は 通 常 と 異 な る 教 室 に て 実 施 さ れ る の で 、
必ず確認しておくこと。
- 58 -
大
項
目
中
Ⅰ. 英会話能力の
項
目
小
1. 日 常 生 活 の 状 況 に
向上
目
1) 少人 数の グル ープ でネ イ ティ ブの 先生 と
即した適切な英会
話能力の向上
項
のフ ェイ ス to フェ イス の 会話
2) 英 語 の 敬 意 表 現 の 演 習
2. 発信型英語学習の演習
3)自 分 の 考 え を 英 語 で 論 理 的 に 表 現 す る 演 習
4) Speech Presentation の 練 習
Ⅱ. 総合的な英語
1. 国 際 コ ミ ュ ニ ケ ー
力の向上
ションに不可欠な
1) リ ス ニ ン グ 、 リ ー デ ィ ン グ 、 文 法 、 発 音
基礎英語力の定着
及び応用力の向上
という基礎学力定着のための演習
2) 海 外 の 英 語 ニ ュ ー ス を 聞 い た り 、 読 ん だ
りできる応用力の向上
Ⅲ. 継続的自己学
1. e-learning を通して、自
習の実施
1)1 年 間 を 通 し て e- learning を 自 主 的 に 行
己学習を習慣化
い、語彙力増強を図るとともに、年度
末 の TOEIC 受 験 に む け て 英 語 力 向 上 を
目指すことを習慣化
Ⅳ. 英語ライティン
グスキルの養成
1. Speech 原 稿 の 書 き
1) Introduction を 書 く
方
2) Topic Sentence を 選 定 す る
3) Supporting Sentences を 書 く
4) Conclusion を 書 く
〔国際コミュニケーション〕
参考図書
宮野智靖
ゼロ から スタ ート シャ ド ーイ ン
J. リ サー チ出 版 2 0 0 8
安河内哲也
ゼロ から スタ ート リス ニ ング
J. リ サー チ出 版 2 0 0 6
長本吉斉
はじ めて の TOEICテ スト 完 全攻 略バ イブ ル
古屋武雄、佐藤
仁
自分 の主 張を はっ きり 伝 える
PHP 出版
2009
あさ出版
2008
シンプル英語スピーチ
立山利治、
会 話 力 を つ け る Essential Topics
NHK 出 版
2008
知識と教養の英会話
DHC 出 版
2008
ロングマン現代英英辞典(5 訂版)
ロングマン
2008
メジ カ ルビ ュー 社
2004
ジョン・ブロウカリング
クリストファー・ベルトン
藤枝宏寿 編
これ だけ は知 って おき た い
医学英語の基本用語と表現
Akihiro Ito
シャドーイングで身につける実践医療英会話 中 山 書 店
- 59 -
2008
[基本的・医学的表現技術]
科目責任者:木林
和彦(法医学)
到達目標
言 葉 およ び文 書で 自分 の 表 現 し た い こ と ・ 表 現 す べ き こ と を 的 確 に 把 握 し 表 現 す る 能 力 を 養 う 。
医 師 とし て、 患者 自身 に全 人 的な 関心 を持 ち患 者の 状 態を 表現 し共 有す るた め に診 療録 、患 者要
約 、 診療 情報 提供 書を 記載 す るこ と、 患者 のニ ーズ を 把握 しチ ーム で適 切な 検 査治 療が 行わ れる
よ う に処 方箋 ・検 査依 頼書 を 作成 する こと 、各 種診 断 書を 正確 に作 成で きる こ とを 目標 とす る。
ま た 、医 学研 究の ため の研 究 計画 書、 論文 と症 例報 告 が作 成で きる こと 、プ レ ゼン テー ショ ンが
で き るこ とも 目標 とす る。
1・ 2 学年 では 、大 学生 と して 基本 的な 読解 力お よ び文 章力 、学 び・ 気づ き ・変 容を 省察 し表
現 す る技 能、 社会 人と して 多 様な ケー ス で 多様 な他 者 と目 的に 応じ た関 係性 を 構築 し、 当初 の目
的 達 成を 目指 して その 関係 を 維持 する ため に応 答す る 技能 、社 会人 とし てさ ら に大 人の 女性 とし
て な らで はの 表現 技能 、前 提 ・情 報等 を共 有し てい る 人・ して いな い人 に説 明 する 技能 等、 生涯
学 習 につ なが る学 びの 基盤 と なる 一般 的表 現技 術を 習 得す る。 学年 の進 行と と もに 専門 的表 現技
術 を 習得 する 。
セ グ メン ト 2 では 、科 学的 実 験の 記録 方法 、医 療関 係 講演 の記 録方 法、 医学 情 報の 伝達 と説 明
に 必 要な 基本 的表 現技 術 、 基 礎 医 学 ( 機 能 系 ・ 形 態 系 ) に 関 す る 基 本 的 表 現 技 術 の 習 得 を 目 指 す 。
( 評 価方 法)
セ グ メン ト 1・ 2 にお ける 作 成文 書、 講義 ・実 習の 出 席、 筆記 試験 を総 合し て 成績 を評 価す る。
筆 記 試験 はセ グメ ント 2 終 了 時に 行う 。
- 60 -
大
項
目
Ⅰ. 科学的実験の
記録方法
中
項
目
小
1) レポートの形式を把握
項
目
1) 目的・原理・方法・結果・考察・参考
して作成する
文献などは適切に書く
2) 目的・原理・方法・結果・考察・参考
文献などはそれぞれの形式に則って書
く
2) レポートを書く時の注意
点を把握して作成する
1) 数 値 を 正 確 か つ 適 切 に 取 り 扱 う
2) 単 位 を 正 確 か つ 適 切 に 取 り 扱 う
3) 用 語 を 正 し く 用 い る
4) 見 や す い 図 表 に ま と め る
5) 箇 条 書 き 、 文 章 を 適 切 に 使 い 分 け る
3) 他の人にわかるように
1) 読 み 手 に よ り 解 釈 が 異 な ら な い 文 を 書
作成する
く
2) 正 確 か つ 適 切 に 引 用 ・ 要 約 を す る
3) 論 理 的 に 書 く
4 )【 結 果 】図 表 ・ グ ラ フ に ま と め て ポ イ
ントを押さえて簡潔に書く
5 )【 考 察 ・ 結 論 】結 論 を 明 確 に 表 現 す る
6 )【 考 察 ・ 結 論 】事 実 と 意 見 を 区 別 す る
7 )【 考 察 ・ 結 論 】文 献 か ら 引 用 し た 内 容
と自分の考察を区別する
8) 推 敲 す る
4) 自分の言葉で書く
Ⅱ. 医療関係講演
1) 記録をとる
1) 目 的 に お い て 必 要 な 情 報 を 聞 き 取 り 記
の記録方法
録する
2 ) 興 味 を 持 っ た こ と 、疑 問 に 思 っ た こ と
を記録する
3 ) 自 身 の 立 ち 位 置・も の の 見 方 に 自 覚 的
になる
2) 要旨を作成する
1) 発 言 を 正 確 に 引 用 ・ 要 約 す る
2) 事 実 と そ れ 以 外 の も の を 書 き 分 け る
3) 気 付 き を 書 く
4) 今 後 の 課 題 を 書 く
5) 具 体 的 に 書 く
6) 自 分 の 言 葉 で 書 く
7) 短 時 間 で 重 要 な こ と が 際 立 つ 構 成 で 書
く
8) 読 み 手 を 尊 重 し て 書 く
9) 倫 理 的 配 慮 を 踏 ま え て 書 く
10) 提 出 前 に 推 敲 す る
- 61 -
大
項
目
Ⅲ. 基礎医学(機
能 系 ・形 態 系 )
中
項
目
小
1) 参 考 書 の 要 点 を 正
確に読みとる
目
1) 既 有 知 識 を 活 用 す る
2) 辞 典 、 資 料 を 活 用 す る
の基本的表現
技術
項
3) 要 旨 を 正 確 に 読 み 取 る
2) 医 学 用 語 を 用 い た
1) 基 礎 医 学 で の 用 語 使 用 と 表 現 方 法 を 理
論理的な文章を短
時間で作成する
解する
2) 医 学 文 書 の 内 容 を 理 解 し て 要 旨 を 作 成
する
3) 読 み 手 ( 聞 き 手 )
1 ) 目 的 ・ 読 み 手( 聞 き 手 )・ 字 数( 時 間 )
の期待、評価の要
に応じて重要なことが際立つように
点を理解し推敲す
推敲する
る
2) 用 語 、 表 現 、 文 体 に 配 慮 し 推 敲 す る
3 ) 他の人にとっての理解のしやすさを考慮 し
推敲する
4 ) 文書 ・図 表を 用い
1) 文 書 を 用 い た 説 明 の 方 法 を 理 解 す る
て他 の人 に説 明す る
Ⅳ. テュートリア
ルの表現技術
1) レ ポ ー ト を 論 理 的
にまとめる
- 62 -
〔医学の学び方・考え方〕
科目責任者:高桑
雄 一 (代 )( 医 学 教 育 学 )
医 師 を目 指す 学生 は、 医学 的 知識 を覚 える だけ でな く 、研 究や 診療 に必 要な 知 識の 応用 法を 修
得 す る必 要が ある 。授 業、実習 やテ ュ ート リア ルは 、医 師と し ての 考え 方を 学 ぶ場 でも ある 。「医
学 の 学び 方」 では 、そ のよ う な科 学的 ・論 理的 な 思 考 、根 拠に 基づ いた 分析 ・ 解釈 を学 ぶた めの
理 論 と方 法を 、実 践を 交え て 学習 する 。
第 1 学年 テュ ート リア ルで は 、医 師と なっ て生 涯学 び 続け るた めに 、自 ら学 ぶ には どの よう に
問題を見つけ、何を学び、どのように学ぶかの「学び方」を学ぶことが重要である。「医学の学び方・
考え方」では、テュートリアルを中心とする学習法を理解し実践することにより、医師としての
学び方と考え方をいかに修得するかを学ぶ。
(評価方法)
本科目の評価は、授業への出席と年度末に行われる問題解決能力評価で行う。
大
項
目
Ⅰ. 学習の動機
中
項
目
1. 学 習 の 型
小
項
目
1) 教 員 主 導 型 学 習
2) 学 習 者 主 導 型 学 習
2. 医 学 教 育 の 目 的
Ⅱ. 学習計画
1. カ リ キ ュ ラ ム
1) 学 習 要 項 の 利 用
2. 教 育 目 標
1) 到 達 目 標
2) ア ウ ト カ ム ・ ロ ー ド マ ッ プ
Ⅲ. 問題発見解決
型学習
1. 問 題 基 盤 型 学
( Problem-
basedlearning,
PBL)
2. テュートリアル学習
1) 問 題 発 見
2) 情 報 検 索
3) 問 題 分 析 ・ 解 釈
4) 問 題 解 決
5) 統 合
6) グ ル ー プ ダ イ ナ ミ ッ ク ス
7) 振 り 返 り ( 省 察 )
8) テ ュ ー タ
9) 講 義 と テ ュ ー ト リ ア ル の 違 い
3 . 医師としての思考力
1) 批 判 的 吟 味
2) 根 拠 、 エ ビ デ ン ス
3) 臨 床 推 論
4) 総 合 的 臨 床 判 断
- 63 -
〔医学の学び方・考え方〕
*参考図書
東京女子医科大学医学部
テ ュ ー ト リ ア ル ガ イ ド 2012年
東 京 女 子 医 科 大 学 ヒ ュ ー マ ン・ 医 学 生 と 研 修 医 の た め の
リレーションズ委員会編
東京女子医科大学医学部
テュートリアル委員会
2012
篠原出版新社
2013
ヒューマン・リレーションズ学習
新版テュートリアル教育
新たな創造と実践
- 64 -
篠原出版新社
2010
〔人間関係教育〕
科目責任者:齋藤加代子(人間関係教育委員長)
教 育理念
本 学 は百 年余 に亘 り、 医学 の 知識 ・技 能の 修得 の上 に 「至 誠と 愛」 を実 践す る 女性 医師 の育 成
を 行 って た。 医学 の進 歩の 一 方で 、患 者の 抱え る問 題 を包 括し て解 決す る医 学 ・医 療の 必要 性
が 重 視さ れて いる 。今 後さ ら に心 の重 要性 が問 われ る こと は必 定 で ある 。医 師 は温 かい 心を もっ
て 医 療に 臨み 、患 者だ けで な く家 族・ 医療 チー ムと も 心を 通わ せ問 題を 解決 し てい く資 質を 高め
なくてはならない。
「人間関係教育」では、全人的医人を育成するために、体験の中から感性を磨き 、
他 者 ・患 者と 共感 でき る能 力 ・態 度を 修得 する 教育 を 行う 。
具 体 的に は人 間関 係教 育の 理 念に は下 記の 表の よう な 5 本 の柱 があ る。各講 義・ワ ーク ショ ップ、
実 習 はこ の 5 本の 柱の 下に 構 成さ れて いる 。
【 5 本の 柱】
( 1) 専門 職と して の態度 、マ ナー、コミ ュニ ケー シ ョン 能力( 患者 を理解 す る力、支持 する 力、
意 志 を通 わす 力、 患者 医師 関 係)
( 2)専 門職 とし ての 使命 感 (医 学と 社会 に奉 仕す る 力)
( 3)医 療に おけ るリ ーダ ー シッ プ・ パー トナ ーシ ッ プ
( 4)医 療人 とし ての 倫理 ─ 解釈 と判 断( 法と 倫理 に 基づ く実 践力 )
( 5)女 性医 師の キャ リア ・ ライ フサ イク ル( 医師 と して 、女 性医 師と して 生 涯研 鑽す る姿 勢)
( 評 価方 法)
出 席 およ び、 各講 義・ WS・ 実 習に おけ る小 テス ト、 提 出物 、自 己診 断カ ード な どを 総合 して
評 価 する 。や むを 得な い欠 席 の場 合は 、届 け出 るこ と 。
- 65 -
東京女子医科大学医学部
人間関係教育到達目標
医学生の人間関係(態度・習慣・マナー・コミュニケーションおよび人間関係に関連する技能)
の到達目標を示す。
卒前教育の中で卒後の目標として俯瞰すべき到達目標は、*印を付して示す。
到達目標の概略(構造)を以下に示す。次ページに示すのが全文で、具体的到達目標が述べら
れている。
概略(構造)
Ⅰ 習慣・マナー・こころ
A 人として・医学生として
1. 人 間 性
2. 態 度
3. 人 間 関 係
4. 一 般 社 会 ・ 科 学 に 於 け る 倫 理
B 医師(医人)として
1. 医 人 と し て の 人 間 性
2. 医 人 と し て の 態 度
3. 医 人 と し て の 人 間 関 係
4. 医 療 の 実 践 に お け る 倫 理
5. 女 性 医 師 の 資 質
Ⅱ 技能・工夫・努力
A 人と人との信頼
1. 人 と し て の 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
2. 医 人 と し て の 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
3. 医 療 面 接 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
4. 身 体 診 察 ・ 検 査 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
5. 医 療 に お け る 説 明 ・ 情 報 提 供
B 信頼できる情報の発信と交換
1. 診 療 情 報
2. 医 療 安 全 管 理
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人間関係教育到達目標全文
Ⅰ 習慣・マナー・こころ
A 人として・医学生として
1. 人 間 性
(自分)
1) 生 き て い る こ と の 意 味 ・ あ り が た さ を 表 現 で き る 。
2) 人 生 に お け る 今 の 自 分 の 立 場 を 認 識 で き る 。
3) 自 分 の 特 性 や 価 値 観 を 認 識 し 伸 ば す こ と が で き る 。
(他者の受け入れ)
4) 他 の 人 の 話 を 聴 き 理 解 す る こ と が で き る 。
5) 他 の 人 の 特 性 や 価 値 観 を 受 け 入 れ る こ と が で き る 。
6) 他 の 人 の 喜 び や 苦 し み を 理 解 で き る 。
7) 温 か い こ こ ろ を も っ て 人 に 接 す る こ と が で き る 。
8) 人 の 死 の 意 味 を 理 解 で き る 。
(自分と周囲との調和)
9) 自 分 の 振 る 舞 い ・ 言 動 の 他 者 へ の 影 響 を 考 え る こ と が で き る 。
10) 他 の 人 に 適 切 な 共 感 的 態 度 が 取 れ る 。
11) 他 の 人 と 心 を 開 い て 話 し 合 う こ と が で き る 。
12) 他 の 人 の 苦 し み ・ 悲 し み を 癒 す よ う に 行 動 で き る 。
13) 他 の 人 に 役 立 つ こ と を 実 践 す る こ と が で き る 。
2. 態 度
(人・社会人として)
14) 場 に 即 し た 礼 儀 作 法 で 振 舞 え る 。
15) 自 分 の 行 動 に 適 切 な 自 己 評 価 が で き 、 改 善 の た め の 具 体 的 方 策 を 立 て る こ と が
で
きる。
16) 自 分 の 振 る 舞 い に 示 唆 ・ 注 意 を 受 け た と き 、 受 け 入 れ る こ と が で き る 。
17) 自 分 の 考 え を 論 理 的 に 整 理 し 、 分 か り や す く 表 現 し 主 張 で き る 。
18) 話 し 合 い に よ り 相 反 す る 意 見 に 対 処 し 、 解 決 す る こ と が で き る 。
(医学を学ぶものとして)
19) 人 間 に 関 し て 興 味 と 関 心 を 持 て る 。
20) 自 然 現 象 ・ 科 学 に 興 味 と 好 奇 心 を 持 て る 。
21) 学 習 目 的 ・ 学 習 方 法 ・ 評 価 法 を 認 識 し て 学 習 で き る 。
22) 動 機 ・ 目 標 を 持 っ て 自 己 研 鑽 で き る 。
23) 要 点 を 踏 ま え て 他 の 人 に 説 明 で き る 。
24) 社 会 に 奉 仕 ・ 貢 献 す る 姿 勢 を 示 す こ と が で き る 。
3. 人 間 関 係
(人・社会人として)
25) 人 間 関 係 の 大 切 さ を 認 識 し 、 積 極 的 に 対 話 が で き る 。
26) 学 生 生 活 ・ 社 会 に お い て 良 好 な 人 間 関 係 を 築 く こ と が で き る 。
27) 信 頼 に 基 づ く 人 間 関 係 を 確 立 で き る 。
28) 対 立 す る 考 え の 中 で 冷 静 に 振 舞 え る 。
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(医学を学ぶものとして)
29) 共 通 の 目 的 を 達 成 す る た め に 協 調 で き る 。
30) 対 立 す る 考 え の 中 で 歩 み 寄 る こ と が で き る 。
4. 一 般 社 会 ・ 科 学 に 於 け る 倫 理
(社会倫理)
31) 社 会 人 と し て の 常 識 ・ マ ナ ー を 理 解 し 実 践 で き る 。
32) 法 を 遵 守 す る 意 義 に つ い て 説 明 で き る 。
33) 自 分 の 行 動 の 倫 理 性 に つ い て 評 価 で き る 。
34) 自 分 の 行 動 を 倫 理 的 に 律 す る こ と が で き る 。
35) 個 人 情 報 保 護 を 実 践 で き る 。
36) 他 の 人 ・ 社 会 の 倫 理 性 に つ い て 評 価 で き る 。
(科学倫理)
37) 科 学 研 究 の 重 要 性 と 問 題 点 を 倫 理 面 か ら 考 え 評 価 で き る 。
38) 科 学 研 究 上 の 倫 理 を 説 明 し 実 践 で き る 。
39) 動 物 を 用 い た 実 習 ・ 研 究 の 倫 理 を 説 明 し 実 践 で き る 。
40) 個 々 の 科 学 研 究 の 倫 理 性 に つ い て 評 価 で き る 。
B 医師(医人)として
1. 医 人 と し て の 人 間 性
(自己)
1)
健康と病気の概念を説明できる。
2)
医療・公衆衛生における医師の役割を説明できる。
3)
自己の医の実践のロールモデルを挙げることができる。
4)
患者/家族のニーズを説明できる。
5)
生の喜びを感じることができる。
6)
誕生の喜びを感じることができる。
7)
死 を 含 む Bad news の 受 容 過 程 を 説 明 で き る 。
8)
個人・宗教・民族間の死生観・価値観の違いを理解できる。
(患者・家族)
9)
診療を受ける患者の心理を理解できる。
10) 患 者 医 師 関 係 の 特 殊 性 に つ い て 説 明 で き る 。
11) 患 者 の 個 人 的 、 社 会 的 背 景 が 異 な っ て も わ け へ だ て な く 対 応 で き る 。
12) 医 師 に は 能 力 と 環 境 に よ り 診 断 と 治 療 の 限 界 が あ る こ と を 認 識 し て 医 療 を 実 践
できる。
13) 病 者 を 癒 す こ と の 喜 び を 感 じ る こ と が で き る 。
14) 家 族 の 絆 を 理 解 で き る 。
15) 親 が 子 供 を 思 う 気 持 ち が 理 解 で き る 。
16) 死 を 含 む Bad news を 受 け た 患 者 ・ 家 族 の 心 理 を 理 解 で き る 。
17) 患 者 を 見 捨 て な い 気 持 ち を 維 持 で き る 。
(チーム医療、社会)
18) 医 行 為 は 社 会 に 説 明 さ れ る も の で あ る こ と を 理 解 で き る 。
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19) 医 の 実 践 が 、 さ ま ざ ま な 社 会 現 象 ( 国 際 情 勢 ・ 自 然 災 害 ・ 社 会 の 風 潮 な ど ) の
なかで行われることを理解できる。
2. 医 人 と し て の 態 度
(自己)
1) 医 療 行 為 が 患 者 と 医 師 の 契 約 的 な 関 係 に 基 づ い て い る こ と を 説 明 で き る 。
2) 臨 床 能 力 を 構 成 す る 要 素 を 説 明 で き る 。
3) チ ー ム 医 療 を 説 明 で き る 。
4) 患 者 の 自 己 決 定 権 を 説 明 で き る 。
5) 患 者 に よ る 医 療 の 評 価 の 重 要 性 を 説 明 で き る 。
6) 多 様 な 価 値 観 を 理 解 す る こ と が で き る 。
(患者・家族)
7) 傾 聴 す る こ と が で き る 。
8) 共 感 を 持 っ て 接 す る こ と が で き る 。
9) 自 己 決 定 を 支 援 す る こ と が で き る 。
1 0 )心 理 的 社 会 的 背 景 を 把 握 し 、抱 え る 問 題 点 を 抽 出・整 理 で き る 。
( Narrative-based
medicine, NBM)
11) 患 者 か ら 学 ぶ こ と が で き る 。
12) 患 者 の 人 権 と 尊 厳 を 守 り な が ら 診 療 を 行 え る 。
13) 終 末 期 の 患 者 の 自 己 決 定 権 を 理 解 す る こ と が で き る 。 *
14) 患 者 が 自 己 決 定 権 を 行 使 で き な い 場 合 を 判 断 で き る 。
15) 患 者 満 足 度 を 判 断 し な が ら 医 療 を 行 え る 。 *
(チーム医療、社会)
16) 医 療 チ ー ム の 一 員 と し て 医 療 を 行 え る 。
17) 必 要 に 応 じ て 医 療 チ ー ム を 主 導 で き る 。 *
18) ク リ ニ カ ル ・ パ ス を 説 明 で き る 。
19) 医 療 行 為 を 評 価 し チ ー ム 内 の 他 者 に 示 唆 で き る 。 *
20) ト リ ア ー ジ が 実 践 で き る 。
21) 不 測 の 状 況 ・ 事 故 の 際 の 適 切 な 態 度 を 説 明 で き る 。
22) 事 故 ・ 医 療 ミ ス が お き た と き に 適 切 な 行 動 を と る こ と が で き る 。 *
23) 社 会 的 な 奉 仕 の 気 持 ち を 持 つ こ と が で き る 。
2 4 ) 特殊な状況(僻地、国際医療)、困難な環境(災害、戦争、テロ)でチーム医療を
実践できる。*
3. 医 人 と し て の 人 間 関 係
(自己)
1) 患 者 医 師 関 係 の 歴 史 的 変 遷 を 概 説 で き る 。
2) 患 者 と の ラ ポ ー ル に つ い て 説 明 で き る 。
3) 医 療 チ ー ム に お け る 共 ( 協 ) 働 ( コ ラ ボ レ ー シ ョ ン ) に つ い て 説 明 で き る 。
(患者・家族)
4) 医 療 に お け る ラ ポ ー ル の 形 成 が で き る 。
5) 患 者 や 家 族 と 信 頼 関 係 を 築 く こ と が で き る 。
6) 患 者 解 釈 モ デ ル を 実 践 で き る 。
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(チーム医療、社会)
7) 患 者 医 師 関 係 を 評 価 で き る 。
8) 医 療 チ ー ム メ ン バ ー の 役 割 を 理 解 し て 医 療 を 行 う こ と が で き る 。
9) 360 度 評 価 を 実 践 で き る 。 *
4. 医 療 の 実 践 に お け る 倫 理
(自己)
1) 医 の 倫 理 に つ い て 概 説 し 、 基 本 的 な 規 範 を 説 明 で き る 。
2) 患 者 の 基 本 的 権 利 に つ い て 説 明 で き る 。
3) 患 者 の 個 人 情 報 を 守 秘 す る こ と が で き る 。
4) 生 命 倫 理 に つ い て 概 説 で き る 。
5) 生 命 倫 理 の 歴 史 的 変 遷 を 概 説 で き る 。
6) 臨 床 研 究 の 倫 理 を 説 明 で き る 。
(患者・家族)
7) 医 学 的 適 応 ・ 患 者 の 希 望 ・ QOL・ 患 者 背 景 を 考 慮 し た 臨 床 判 断 を 実 践 で き る 。
8) 事 前 指 示 ・ DNR 指 示 に 配 慮 し た 臨 床 判 断 を 実 践 で き る 。 *
(チーム医療、社会)
9) 自 分 の 持 つ 理 念 と 医 療 倫 理 ・ 生 命 倫 理 ・ 社 会 倫 理 と の 矛 盾 を 認 識 で き る 。
10) 自 己 が 行 っ た 医 療 の 倫 理 的 配 慮 を 社 会 に 説 明 で き る 。
11) 臨 床 研 究 の 倫 理 に 基 づ く 臨 床 試 験 を 計 画 ・ 実 施 で き る 。 *
12) 医 療 お よ び 臨 床 試 験 の 倫 理 を 評 価 で き る 。 *
5. 女 性 医 師 の 資 質 ・ 特 徴
(自己)
1) 東 京 女 子 医 科 大 学 創 立 の 精 神 を 述 べ る こ と が で き る 。
2) 女 性 と 男 性 の 心 理 ・ 社 会 的 相 違 点 を 説 明 で き る 。
3) 女 性 の ラ イ フ ・ サ イ ク ル の 特 徴 を 説 明 で き る 。
4) 女 性 の ラ イ フ ・ サ イ ク ル の な か で 医 師 の キ ャ リ ア 開 発 を 計 画 で き る 。
(患者・家族)
5) 同 性 の 医 師 に 診 療 を 受 け る こ と の 女 性 の 気 持 ち を 理 解 す る 。
6) 異 性 の 医 師 の 診 療 を 受 け る 患 者 心 理 ( 恐 怖 心 ・ 羞 恥 心 ・ 葛 藤 ) を 説 明 で き る 。
7) 女 性 が 同 性 の 患 者 教 育 を す る 意 義 を 説 明 で き る 。
(チーム医療、社会)
8) 保 健 ・ 公 衆 衛 生 に お け る 女 性 の 役 割 を 述 べ る こ と が で き る 。
9) 女 性 組 織 の な か で リ ー ダ ー シ ッ プ ・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ を と る こ と が で き る 。
10) 男 女 混 合 組 織 の 中 で リ ー ダ ー シ ッ プ ・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ を と る こ と が で き る 。
11) 女 性 医 師 と し て の 保 健 ・ 公 衆 衛 生 の 役 割 を 実 践 で き る 。 *
Ⅱ 技能・工夫・努力
A 人と人との信頼
1. 人 と し て の 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
(自己表現)
1) 挨 拶 、 自 己 紹 介 が で き る 。
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2) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 概 念 ・ 技 能 ( ス キ ル ) を 説 明 で き る 。
3) 言 語 的 、 準 言 語 的 、 お よ び 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て 説 明 で き る 。
4) 自 分 の 考 え 、 意 見 、 気 持 ち を 話 す こ と が で き る 。
5) 様 々 な 情 報 交 換 の 手 段( 文 書 ・ 電 話 ・ e メ ー ル な ど )の 特 性 を 理 解 し 適 切 に 活 用
ができる。
(対同僚・友人・教員)
6) 年 齢 ・ 職 業 な ど 立 場 の 異 な る 人 と 適 切 な 会 話 が で き る 。
7) 相 手 の 考 え 、 意 見 、 気 持 ち を 聞 く こ と が で き る 。
8) 同 僚 に 正 確 に 情 報 を 伝 達 で き る 。
9) 他 の 人 か ら の 情 報 を 、 第 3 者 に 説 明 す る こ と が で き る 。
2. 医 人 と し て 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
(対患者・家族)
1) 患 者 に 分 か り や す い 言 葉 で 説 明 で き る 。
2) 患 者 と 話 す と き に 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 活 用 で き る 。
3) 患 者 の 状 態 ・ 気 持 ち に 合 わ せ た 対 話 が 行 え る 。
4) 患 者 の 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が わ か る 。
5) 小 児 ・ 高 齢 の 患 者 の 話 を 聞 き く こ と が で き る 。
6) 障 害 を 持 つ 人 ( 知 的 ・ 身 体 的 ・ 精 神 的 ) の 話 を 聞 く こ と が で き る 。
7) 家 族 の 話 を 聞 く こ と が で き る 。
8) 患 者 ・ 家 族 の 不 安 を 理 解 し 拒 否 的 反 応 の 理 由 を 聞 き 出 す こ と が で き る 。
(対医療チーム・社会)
9 ) チ ー ム 医 療 の な か で 、自 分 と 相 手 の 立 場 を 理 解 し て 情 報 交 換( 報 告 、連 絡 、相 談 )
ができる。
10) 医 療 連 携 の な か で 情 報 交 換 が で き る 。
11) 救 急 ・ 事 故 ・ 災 害 時 の 医 療 連 携 で 情 報 交 換 が 行 え る 。 *
12) 社 会 あ る い は 患 者 関 係 者 か ら 照 会 が あ っ た と き 、 患 者 の 個 人 情 報 保 護 に 配 慮 し
た
適切な対応ができる。
3. 医 療 面 接 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
(基本的技能)
1) 自 己 紹 介 を 含 む 挨 拶 を 励 行 で き る 。
2) 基 本 的 医 療 面 接 法 を 具 体 的 に 説 明 し 、 実 践 で き る 。
3) 患 者 の 人 間 性 ( 尊 厳 ) に 配 慮 し た 医 療 面 接 が 行 え る 。
4) 患 者 の 不 安 な 気 持 ち に 配 慮 し た 医 療 面 接 を 行 え る 。
5) 共 感 的 声 か け が で き る 。
6) 診 察 終 了 時 に 、 適 切 な 送 り 出 し の 気 持 ち を 表 現 で き る 。
7) 適 切 な 環 境 を 設 定 で き る 。
(高次的技能)
8) 小 児 の 医 療 面 接 を 行 え る 。
9) 高 齢 者 の 医 療 面 接 を 行 え る 。
10) 患 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 配 慮 し な が ら 診 療 録 を 記 載 で き る 。 *
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4. 身 体 診 察 ・ 検 査 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
(基本的技能)
1) 身 体 診 察・検 査 の 必 要 性 と そ れ に 伴 う 苦 痛・不 快 感 を 理 解 し て 患 者 と 接 す る こ と
ができる。
2) 身 体 診 察 ・ 検 査 の 目 的 と 方 法 を 患 者 に 説 明 で き る 。
3) 説 明 し な が ら 診 察 ・ 検 査 を 行 う こ と が で き る 。
4) 患 者 の 安 楽 に 配 慮 し な が ら 診 察 ・ 検 査 が で き る 。
5) 診 察 ・ 検 査 結 果 を 患 者 に 説 明 で き る 。
(高次的技能)
6 ) 患 者 の 抵 抗 感 、プ ラ イ バ シ ー 、羞 恥 心 に 配 慮 し た 声 か け と 診 察 ・ 検 査 の 実 践 が で
きる。
7 ) 検 査 の 目 的 ・ 方 法 ・ 危 険 性 に つ い て 口 頭 で 説 明 し 、書 面 で 同 意 を 得 る こ と が で き
る。
5. 医 療 に お け る 説 明 ・ 情 報 提 供
(基本的技能)
1) 医 療 に お け る 説 明 義 務 の 意 味 と 必 要 性 を 説 明 で き る 。
2) イ ン フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト の 定 義 と 必 要 性 を 説 明 で き る 。
3) 患 者 に と っ て 必 要 な 情 報 を 整 理 し 、 分 か り や す い 言 葉 で 表 現 で き る 。
4) 説 明 を 行 う た め の 適 切 な 時 期 、 場 所 と 機 会 に 配 慮 で き る 。
5) 説 明 を 受 け る 患 者 の 心 理 状 態 や 理 解 度 に つ い て 配 慮 で き る 。
6) 患 者 に 診 断 過 程 の 説 明 を 行 う こ と が で き る 。
7) 患 者 に 治 療 計 画 に つ い て 説 明 を 行 い 、 相 談 し て 、 同 意 を 得 る こ と が で き る 。
8) 患 者 に 医 療 の 不 確 実 性 に つ い て 説 明 す る こ と が で き る 。
9) 患 者 に EBM( Evidence Based Medicine ) に 基 づ く 情 報 を 説 明 で き る 。
10) セ カ ン ド オ ピ ニ オ ン の 目 的 と 意 義 を 説 明 で き る 。
(高次的技能)
11) 患 者 の 行 動 変 容 に 沿 っ た 説 明 ・ 情 報 提 供 が で き る 。
12) 患 者 の 質 問 に 適 切 に 答 え 、 拒 否 的 反 応 に も 柔 軟 に 対 応 で き る 。
13) 患 者 の 不 安 を 理 解 し 拒 否 的 反 応 の 理 由 を 聞 き 出 す こ と が で き る 。 *
14) 患 者 の 受 容 に 配 慮 し た Badnews の 告 知 が で き る 。 *
15) 家 族 の 気 持 ち に 配 慮 し た 死 亡 宣 告 を 行 う こ と が で き る 。 *
16) 家 族 の 気 持 ち に 配 慮 し た 脳 死 宣 告 を 行 う こ と が で き る 。 *
17) 特 殊 な 背 景 を 持 つ 患 者 ・ 家 族 へ の 説 明 ・ 情 報 提 供 が で き る 。 *
18) セ カ ン ド オ ピ ニ オ ン を 求 め ら れ た と き に 適 切 に 対 応 で き る 。 *
19) 先 進 医 療 ・ 臓 器 移 植 に つ い て 説 明 を 行 い 、 同 意 を 得 る こ と が で き る 。 *
20) 臨 床 試 験 ・ 治 験 の 説 明 を 行 い 、 同 意 を 得 る こ と が で き る 。 *
B 信頼できる情報の発信と交換
1. 診 療 情 報
(基本的技能)
1) POMR に 基 づ く 診 療 録 を 作 成 で き る 。
2) 診 療 録 の 開 示 を 適 切 に 行 え る 。
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3) 処 方 箋 の 正 し い 書 き 方 を 理 解 し て い る 。
4) 診 療 情 報 の 守 秘 を 実 践 で き る 。
(高次的技能)
5) 病 歴 要 約 を 作 成 で き る 。
6) 紹 介 状 ・ 診 療 情 報 提 供 書 を 作 成 で き る 。
7) 医 療 連 携 の た め 適 切 に 情 報 を 伝 達 で き る 。
8) 診 療 情 報 の 守 秘 義 務 が 破 綻 す る 場 合 を 説 明 で き る 。
2. 医 療 安 全 管 理
(基本的技能)
1) 医 療 安 全 管 理 に つ い て 概 説 で き る 。
2) 医 療 事 故 は ど の よ う な 状 況 で 起 こ り や す い か 説 明 で き る 。
3) 医 療 安 全 管 理 に 配 慮 し た 行 動 が で き る 。
4) 医 薬 品 ・ 医 療 機 器 の 添 付 資 料 や 安 全 情 報 を 活 用 で き る 。
(高次的技能)
5) 医 療 事 故 発 生 時 の 対 応 を 説 明 で き る 。
6) 災 害 発 生 時 の 医 療 対 応 を 説 明 で き る
- 73 -
人間関係教育の概要
【5本の柱】
( 1) 専 門職 と し て の 態 度 、 マ ナ ー 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 ( 患 者 を 理 解 す る 力 、 支 持 す る 力 、
意 志 を通 わす 力、 患者 医師 関 係)
( 2)専 門職 とし ての 使命 感 (医 学と 社会 に奉 仕す る 力)
( 3)医 療に おけ るリ ーダ ー シッ プ・ パー トナ ーシ ッ プ
( 4)医 療人 とし ての 倫理 ─ 解釈 と判 断( 法と 倫理 に 基づ く実 践力 )
( 5)女 性医 師の キャ リア ・ ライ フサ イク ル( 医師 と して 、女 性医 師と して 生 涯研 鑽す る姿 勢)
5本の柱
S1: 人 間 関 係 教 育 1
( 1)
( 2)
( 3)
( 4)
( 5)
○
○
○
○
○
人間関係教育入
門
・ 人間関係教育とは
講 義 ・ WS
・ 人としての医の倫理原則
○
・ 自己との対話
○
・ 人の心理と行動
○
・ 対 話 と 振 舞 WS
○
・ 高齢者との対話
○
実習
・ 対 話 の TPO
○
行事
・ 彌生記念講演
医学教養1
○
・ 医学生に求められるもの
○
○
・ 生命倫理の基礎
○
─生命と「いのち」
・人と人間を考える
・ 再生医療本格化のために
○
5本の柱
S2 : 人 間 関 係 教 育 2
( 1)
( 2)
( 3)
( 4)
対話入門
講 義 ・ WS
実習
・ 乳幼児との対話
○
・ 看護の医療対話
○
○
・ チーム医療入門
○
・ 乳幼児との対話
○
・ 高齢者との対話
○
・ 看護の医療対話
○
行事
・ 解剖慰霊祭
医学教養2
・ 先端医療への挑戦と医療
○
○
○
レギュラトリーサイエンス
・ 医とは何か?
○
・ 人工心臓の開発と臨床応用
○
- 74 -
○
( 5)
「 人 間 関 係 教 育 2: 対 話 入 門 」
講 義 担 当: 齋藤加代子、松尾真理、浦野真理(遺伝子医療センター)、
岡田みどり(化学)
セグメント2
Ⅰ
講
対話入門
到達目標
義
齋藤加代子、松尾真理、浦野真理、岡田みどり
乳幼児との対話
ヒトは出生後、乳児期、幼児期、学童期、思春期を経て成人となる。乳児期、幼児期は心身の
発達がめざましい時期であり、この時期の子どもとのコミュニケーションには年齢に応じた対応
が必要となってくる。また、特に言語によるコミュニケーションが可能になるまでの小児期(新
生児期、乳児期、幼児期)では、母親または母親に代って小児のケアにあたる人との 間のコミュ
ニケーションが重要である。乳幼児の発達段階、心理、行動について、乳幼児とのコミュニケー
ションについて理解することを講義の目的とする。
大
項
目
乳幼児との対話
中
項
目
小
項
目
1. 子 ど も の 発 達 、 心
1 ) 運 動 、知 能 、社 会 性 、生 活 習 慣 の 発 達
理、
2) 発 達 の 評 価
行動
1) 言 語 性 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
2. 子どもとのコミュニケー
2) 非 言 語 性 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
ション
- 75 -
「 人 間 関 係 教 育 2: 医 学 教 養 2」
講 義 担 当: 梅津光生、岩田
医学教養2
Ⅰ
講
誠、山崎健二
到達目標
義
梅津光生
先進医療への挑戦と医療レギュラトリーサイエンス
臓器移植、人工臓器、再生医療などに代表される先進医療の研究成果をどのように臨床の現場
に持ち込むか、そこには様々なハードルがあるという現状を認識する。また、問題解決に医療レ
ギュラトリーサイエンスが重要な役割を発揮することを理解し、あわせて2010 年春に開設され
た女子医大・早大共同大学院の教育内容の概要を知ることを目標とする。
Ⅱ
講
義
岩田
誠
医とは何か
医(Medecine)とは、病気を治したり防いだりして健康を保つ行為、あるいはそのための学問
や技術であると言われます。しかし、病気とは一体何なのでしょうか、健康とはどのような状態
のことなのでしょうか、病気を治す、あるいは病気を防ぐとは、どういうことなのでしょうか。
これらの一見解りきったようなことも、改めて問い直してみると、答えを見出すのは簡単ではあ
りません。これらの問題について、皆さんと一緒に改めて考えてみたいと思います。
Ⅲ
講
義
山崎健二
人工心臓の開発と臨床応用
東 京 女子 医科 大学 ・早 稲田 大 学と 共同 で研 究開 発を 行 い実 用化 した 次世 代型 補 助人 工心 臓を 実
例 に 、未 解決 領域 の医 療へ の 取り 組み の重 要性 と面 白 さを 実感 して もら う。 研 究や 先進 医療 へ挑
戦 す るモ チベ ーシ ョン を持 っ ても らう 。
- 76 -
大
項
目
先進医療への挑戦
中
項
目
小
1. 先 進 医 療
目
1) 人 工 臓 器
と医療レギュラト
2) 臓 器 移 植
リーサイエンス
3) 再 生 医 療
2. 医 療 レ ギ ュ ラ ト リ
ーサイエンス
項
1) 評 価 科 学
2) 予 測 科 学
3) 決 断 科 学
3. 共 同 大 学 院
1) TWIns の 創 設
2) 大 学 院 の 設 立 目 標
3) 大 学 院 の 教 育 内 容
医とは何か
1. 病 気 と 健 康
1) 病 気 の 定 義
2) 健 康 の 定 義
2. Medicine
Medicine の 定 義
人工心臓の開発と
1. 人 工 心 臓 の 歴 史
起 源 は 1940 年 代 と 歴 史 は 古 い
臨床応用
2. 人 工 心 臓 の 考 案
1990 年 次 世 代 型 人 工 心 臓 考 案
3. 研 究 開 発
女子医大・早大との共同研究開発
4. 臨 床 応 用
1) 女 子 医 大 で fi rst- in- man trial
2) 人 工 心 臓 装 着 者 の 退 院 社 会 復 帰 を 実 現
5. 将 来 展 望
1) 一 般 的 治 療 と し て 普 及
2) 医 療 経 済 、 社 会 基 盤 整 備
- 77 -
「 人 間 関 係 教 育 2: 対 話 入 門 」
実習:チーム医療入門
担当: 鈴木
光代、八木
淳二、中村
裕子、佐藤
梓、浦瀬
香子、
辻野
賢治、蒋池
勇太、清水
一彦、佐藤
紀子、守屋
治代、
吉田
澄恵、松嵜
英士、菊池
昭江、草柳かほる、山内
英樹、
加藤
主
京理、味木
由佳
旨
大 東 キャ ンパ スに おい て看 護 学部 学生 との 交流 をは か り、 円滑 なチ ーム 医療 実 践の ため の人 間
関 係 の確 立へ の初 歩を 学ぶ 。 他者 の考 えに 耳を 傾け 、 自分 の意 見も 率直 に述 べ る方 法を 考え る。
ま た 、大 東キ ャン パス の校 舎 と構 内を 有効 に利 用し な がら 、ハ ンデ ィキ ャッ プ 疑似 体験 を行 い、
そ れ を通 して 高齢 者や 身体 障 害者 への 理解 を深 める 。 更に 、吉 岡彌 生記 念館 で 東京 女子 医科 大学
建 学 の精 神を 再認 識す るこ と によ り東 京女 子医 大生 と して の自 覚を 高め る。
目
的
1) 人間 関係 教育 1「 人の 心 理と 行動 」「 対話 と振 る 舞い 」講 義の 内容 を基 に 看護 学部 学生 との 交
流の 中で チー ム医 療へ の 人間 関係 を実 践的 に学 ぶ 。
2) 看護 学部 学生 から は看 護 実技 初歩 の手 ほど きを 受 け、 医学 生は テュ ート リ アル の方 法を 看護
学 部 学生 に伝 える 。
3) ブラ イン ドウ ォー ク及 び 高齢 者体 験装 具を 用い た ハン ディ キャ ップ 疑似 体 験を 通し て、 高齢
者 や 身体 障害 者へ の理 解を 深 める 。そ の理 解を 現状 に 活か す方 法へ も考 えを 進 める 。
4) 看護 学部 学生 の案 内で 吉 岡弥 生記 念館 を見 学し 、 東京 女子 医科 大学 建学 の 精神 を再 認識 する
こ と によ り東 京女 子医 大生 と して の自 覚を 高め る。
方
法
1) グル ープ 面接 ( 3 実習 共 通)
実 習 開始 以前 にグ ルー プで 担 当委 員と 面接 し、 実習 の 意義 、目 的に つい て討 論 する 。ま た各
人 の 到達 目標 を設 定す る。
2) ワー クシ ョッ プ( 3 実 習 共通 )( 9 月 2 日 (月 ) )
実 習 方法 、注 意点 の確 認。 実 習に 向け ての 準備 。
3) チー ム医 療入 門( 9 月 3 日( 火) ~ 9 月 7 日 ( 土) の内 の 2 日間 )
大 東 キャ ンパ スで 実習 を行 う 。
4) 実習 終了 後指 定の 日時 ま でに 、到 達目 標に 対す る 達成 度の 評価 を含 め、 所 定の 様式 で報 告書
を 作 成し 提出 する 。
5) グル ープ 面接 、総 括( 3 実習 共通 )( 10 月 3 日 (木 ))
グ ル ープ で 担 当委 員と 面接 し 、実 習に 関し て振 り返 っ て意 見の 交換 を行 い、 そ れぞ れの 体験
を 共 有す る。 また 、他 者か ら の評 価を 受け 止め 、自 己 評価 と併 せて 総括 を行 う 。
6) 台風 等で 延期 にな った 場 合
9 月 14 日( 土) ~ 15 日 ( 日) を予 備日 とす る。
- 78 -
大
項
目
チーム医療入門
中
項
目
小
1. グ ル ー プ 面 接 に お
ける態度、振舞
項
目
1) 実 習 目 的 、 意 義 の 理 解
2) 自 分 独 自 の 到 達 目 標 の 設 定
2. チ ー ム 医 療 へ の 人
間関係
1) 看 護 学 部 学 生 と の 交 流
2) テ ュ ー ト リ ア ル 形 式 で の 意 見 の 交 換
3) 各 々 の 立 場 や 考 え 方 へ の 理 解 と 洞 察
3. ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ
体験学習
1) 高 齢 者 や 障 害 を 持 つ 人 々 の 状 態 の 体 験
2) 高 齢 者 や 障 害 を 持 つ 人 々 の 心 理 を 理 解
3) 日 常 生 活 で は 気 が つ か な い こ と へ の 気
づき
4 . 吉岡 彌生 記念 館見 学
1 ) 彌 生 先 生 の 建 学 の 精 神 を 学 び 、医 大 生
としての自覚を高める
5. 報 告 書 の 作 成
1) 様 式 に そ っ た 報 告 書 の 作 成
2) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価 の 表 現
6 . グル ープ 討論 にお け
1) 自 己 の 実 習 内 容 の グ ル ー プ へ の 発 表 と
る 態 度、 振舞
共有
2 ) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価( 到 達 目 標 の 達
成度の評価)
3 ) 実 習 に 対 す る 授 業 評 価 、改 善 へ の 提 案
4 ) 礼儀、態度などの振る舞いに対する自省
- 79 -
「 人 間 関 係 教 育 2: 対 話 入 門 」
実習:乳幼児との対話
担当: 岡田みどり、大谷
遠藤
主
智子、菊田
美香、高澤みゆき、寺沢
幸子、
由布
旨
将 来 医師 とな った とき には 年 齢、 職業 、生 活環 境な ど が異 なる 様々 な人 々と 接 する こと にな る
が 、 どん な相 手と であ っ て も う ま く コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と り 、 信 頼 を 得 て い か ね ば な ら な い 。
こ こ では 、自 分と 年齢 の離 れ た対 象と のコ ミュ ニケ ー ショ ンに つい て学 ぶた め 、乳 幼児 施設 、ま
た は 高齢 者施 設に おい て「 乳 幼 児と の対 話 」ま たは「 高 齢者 との 対話 」のい ず れか の実 習を行う。
「 乳 幼児 との 対話 」で は、 乳 幼児 施設 で乳 幼児 と接 す る ことによ り、 初めて 出 会っ た乳 幼児 と
の 対 話の しか たに つい て実 際 の体 験か ら学 ぶ。 乳幼 児 との 接し 方は 大人 との 場 合と は大 きく 異な
り 、 言葉 を使 った コミ ュニ ケ ーシ ョン がで きな いこ と もあ る。 従っ て言 語的 コ ミュ ニケ ーシ ョン
だ け でな く、 非言 語的 コミ ュ ニケ ーシ ョン も駆 使し て 対話 をし なけ れば なら な い。 講義 ・ワ ーク
シ ョ ップ「人の心理と行動」「対話と振る舞い」「乳幼児との対話」での 学び を 活か し、対話 によ って
相 手 の気 持ち を理 解し 、自 分 の気 持ち を伝 える こと を 学ぶ 。
ま た、学 外の 施設 にお ける 実 習に 臨み 、社 会に おけ る 適切 な態 度、振る 舞い が でき るよ うにする。
目
的
乳 幼 児施 設に おい て、実際 に 乳幼 児と 共に 2 日 間を 過 ごす こと によ り、乳幼 児 の発 達段 階、心 理、
行 動 につ いて 、ま た乳 幼児 と のコ ミュ ニケ ーシ ョン に つい て、 理解 する こと を 主な 目的 とし て実
習 を 行う 。以 下に 主な 目標 を 掲げ る。 また 各人 が自 分 なり の行 動目 標を もっ て 実習 に臨 む。
1) 乳幼 児に 対し 、女 性と し ての 特質 を生 かし て温 か い心 と共 感を 持っ て接 し 、年 齢、 月齢 に
応 じ たコ ミュ ニケ ーシ ョン を とる こと によ り、 乳幼 児 の心 を理 解す る。
2) 乳幼 児の 健康 や年 齢、 月 齢に よる 成長 、発 達の 違 い( 運動 、知 能、 社会 性 )を 観察 し、 理
解 を 深め る。
3) 施設 にお ける 乳幼 児の 生 活習 慣や 行動 を観 察し 、 理解 を深 める 。
4) 施設 に働 く社 会人 に対 す る理 解を 深め 、そ の人 々 との 良好 な人 間関 係を 構 築す る。 その た
め に 、社会 人と して の礼儀 、態 度を 実行 し 、適 切な 言 葉遣 い 、振 る舞 いがで き るよ うに する。
5) 女性 医師 とし ての ライ フ サイ クル の特 徴を 考慮 し 、親 と離 れて 過ご す子 供 の心 の動 きに 対
す る イメ ージ を膨 らま せる 。
方
法
1) グル ープ 面接 ( 3 実習 共 通)
実 習 開始 以前 にグ ルー プで 担 当委 員と 面接 し、 実習 の 意義 、目 的に つい て討 論 する 。
2) ワー クシ ョッ プ( 9 月 2 日( 月) )( 3 実 習共 通 )
実 習 方法 、注 意点 など の確 認 。実 習に 向け ての 準備 。
3) 施設 実習 ( 9 月3 日( 火 )~ 9 月 6 日( 金) の 内の 2 日 間)
東 京 都内 の乳 幼児 施設 にて 、 2 日 間の 実習 を行 う。
4) 実習 終了 後指 定の 日時 ま でに 、行 動目 標に 対す る 達 成 度の 評価 を含 め、 所 定の 様式 で報 告書
を 作 成し 提出 する 。
5) グル ープ 面接 、総 括( 3 実習 共通 )( 10 月 3 日 (木 ))
グ ル ープ で担 当委 員と 面接 し 、実 習に 関し て振 り返 っ て意 見の 交換 を行 い、 そ れぞ れの 体験
を 共 有す る。 また 、他 者か ら の評 価を 受け 止め 、自 己 評価 と併 せて 総括 を行 う 。
- 80 -
大
項
目
乳幼児との対話
中
項
目
小
1. グ ル ー プ 面 接 に お
ける態度、振舞
項
目
1) 実 習 目 的 、 意 義 の 理 解
2) グ ル ー プ 討 論 に お け る 積 極 的 態 度
2. 乳 幼 児 施 設 実 習 に
1) 乳 幼 児 の 健 康 、成 長 、発 達( 運 動 、知
おける態度、振舞
能、社会性)に対する観察と理解
2 ) 施 設 に お け る 乳 幼 児 の 生 活 習 慣 、行 動
の観察と理解
3 ) 女 性 と し て の 特 質 を 生 か し た 、温 か い
心と共感を持った乳幼児との接し方
4) 社 会 人 と し て の 礼 儀 、 態 度 の 実 践
5 ) 施 設 に 働 く 社 会 人 に 対 す る 理 解 と 、そ
の人々との人間関係の構築
6) 女 性 医 師 と し て の ラ イ フ ス タ イ ル の 特
徴の想起
3. 乳 幼 児 施 設 実 習 に
おける対人技能
1) 乳 幼 児 と の 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
2) 乳幼児との非言語的コミュニケーション
3 ) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 通 し 、乳 幼 児 の
心理の理解
4. 報 告 書 の 作 成
1) 様 式 に そ っ た 報 告 の 作 成
2) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価 の 表 現
5. グ ル ー プ 討 論 に お
1) 自 己 の 実 習 内 容 の グ ル ー プ へ の 発 表 と
ける態度、振舞
共有
2 ) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価( 行 動 目 標 の 達
成度の評価)
3 ) 実 習 に 対 す る 授 業 評 価 、改 善 へ の 提 案
4) 個 人 情 報 の 守 秘 の 実 践
5) 礼 儀 、 態 度 な ど の 振 舞 に 対 す る 自 省
- 81 -
「 人 間 関 係 教 育 2: 対 話 入 門 」
実習:高齢者との対話
担当: 田口
順二、諏訪
茂樹、
福井由理子、松本みどり、山口
俊夫、
加藤
主
啓子、木下
秀人
旨
将来医師となったときには年齢、職業、生活環境などが異なる様々な人々と接することになる
が、どんな方々ともうまくコミュニケーションをとり、信頼を得ていかねばならない。ここでは、
自分と年齢の離れた対象とのコミュニケーションについて学ぶため、乳幼児施設、または高齢者
施設において「乳幼児との対話」または「高齢者との対話」のいずれかの実習を行う。
医師が医療現場で接する方々の年齢はどんどん高齢化している。さらに高齢者は老化や病気に
よる身体的、精神的機能低下のために自立した生活が困難になる場合が多い。人生における「終の
棲家」としてさまざまな選択肢が考えられるが、実習では施設に暮らす高齢者に接し、コミュニケー
ションや介護を体験する。さらに医療と福祉との連携についても学び、将来の医療人として生きた知
識を養う。
学外実習の場における適切な態度や振る舞いのありかたを考える。
目
的
1) 東京 およ びそ の近 郊の 介 護老 人保 健施 設( 老健 ) と、 特別 養護 老人 ホー ム (特 養) その 他に
おい て、施 設の 概要を 知 り、高 齢者 と 2 日間を と もに 過ご し、医 療と福 祉 の連 携を 学び、体験
する。
2) 高 齢者 の生 活習 慣、か ら だと 心の 健康 状態、自 立 度、知 的機 能な どへの 理 解を 深め る 高 齢者 の
持 つ 能力 と、 その 個人 差を 知 る。
3) 高齢 者と のコ ミュ ニケ ー ショ ンを はか る。 どう し たら お年 寄り に喜 ばれ る かを 知る 。
何 が お年 寄り に嫌 がら れた か を知 る。
そ の 場に ふさ わし い自 分の 態 度や 振る 舞い を考 える 。
4) 高齢 者と のコ ミュ ニケ ー ショ ンを 通し て得 られ た 情報 を、 上手 にま とめ て みる 。
5) 施設 にお ける 介護 者の 介 護の 様子 を観 察し 、ス タ ッフ との 良好 な関 係を 通 して 高齢 者介 護へ の
理 解 を深 める 。
6) 認知 症の お年 寄り へも 可 能な ら話 しか けて みる 。
方
1)
法
グループ面接(3 実習共通)
実習開始以前にグループで担当委員と面接し、実習の意義、目的について討論する。また各
人の到達目標を設定する。
2) ワークショップ(9 月2 日(月))(3 実習共通)
実習方法、注意点などの確認。実習に向けての準備。
3) 施設実習(9 月3 日(火)~ 9 月6 日(金)の内の2 日間)
東京~近郊の老健、特養施設その他にて 2 日間の実習を行う。
4) 実習終了後指定の日時までに、到達目標に対する達成度の評価を含め、所定の様式でレポー
トを作成し提出する。
5) グループ面接、総括(3 実習共通)(10 月3 日(木))
グループで担当委員と面接し、実習に関して振り返り、意見の交換を行い、それぞれの体験
を共有する。また、自己の到達度の評価、総括を行う。
- 82 -
大
項
目
高齢者との対話
中
項
目
小
1. グループ面接の機会に、
体験実習や、対話におけ
項
目
1) 実 習 を 行 う 目 的 や 意 義 の 理 解
2 ) こ の 実 習 に お け る 、各 自 の 到 達 目 標 の
る態度・振る舞いを話し
設定
合う
2. 高齢者医療と福祉の理解
1) 高 齢 社 会 を 考 え る
2) 高 齢 者 医 療 と 福 祉 の 連 携
3) 高 齢 者 施 設 と そ の 生 活
4) 介 護 保 険
3. 高齢者の理解
1) 高 齢 者 の こ こ ろ と 体
2) 高 齢 者 の 特 性 と 個 人 差
3) 元 気 な 高 齢 者 と 病 気 の 高 齢 者
4) 痴 呆 性 老 人 へ の 対 応 と 介 護
4. 高齢者との対話
1) 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 実 際
2) 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 実 際
3) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 困 難 に す る 要 素
5. レポートの作成
1) 様 式 に そ っ た 作 成
2) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価 と 感 想
6. グループ討論における態
1) 自 己 の 実 習 内 容 の グ ル ー プ へ の 発 表 と
度、振る舞い
共有
2 ) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価( 到 達 目 標 の 達
成度の評価)
3 ) 実 習 に 対 す る 授 業 評 価 、改 善 へ の 提 案
4) 個 人 情 報 の 守 秘 義 務 の 実 践
5 ) 礼儀、態度などの振る舞いに対する自省
- 83 -
「人間関係教育:対話入門」
講義・実習:看護の医療対話
担 当:( 医 学 部 )
八木
淳 二 、岡 田 み ど り 、浦 瀬
木下
順二、松本みどり、福井由理子、松下
晋、
山口
俊夫、中村
賢治
(看護学部) 佐藤
(看護部)〈本院〉坂本
主
裕子、岡谷理恵子、辻野
紀子、関森みゆき、宮内
(東医療センター) 加藤
香 子 、鈴 木
清子、松嵜
光代、
英士
博之、山田理恵子
倫美、〈東医療センター〉中村千惠子
旨
医 師 の人 間関 係教 育に おい て 、医 療を 受け る患 者や 家 族、 そし てチ ーム 医療 を とも に推 進し て
い く 他職 種等 に関 する 対象 理 解を 深め るこ とは とて も 重要 であ る。 今回 の実 習 では 、患 者の 一番
身 近 でケ アを 行っ てい る看 護 師の 活動 を通 して 、入 院 中の 患者 や家 族の 体験 し てい る世 界や ニー
ズ を 医療 を受 ける 側の 視点 で 理解 する とと もに 、看 護 師の 役割 や業 務を 理解 す るこ とに よっ て
チ ー ム医 療の 意義 と重 要性 を 学ぶ 。
目
的
1. 看護 師の 活動 の見 学お よ び看 護業 務の 一部 を実 践 する こと を通 して 、患 者 や家 族に とっ ての
看護 師の 立場 や役 割を 理 解す る。
2. 患者 や家 族と の関 わり お よび 面接 を通 して 、そ れ ぞれ の体 験し てい る世 界 やニ ーズ を理 解す
ると とも に、 人間 関係 を 確立 する ため の基 本を 体 験的 に学 ぶ。
3. 患者 中心 の医 療を 推進 し てい くた めの チー ム医 療 の意 義と 重要 性を 認識 す ると とも に、 実習 ・
カ ン ファ レン ス・ レポ ート 作 成等 を通 して 、チ ーム 医 療の 現状 と課 題を 検討 す る 。
方
法
1. 講義 の中 で、 看護 師の 役 割や チー ム医 療の 基本 的 考え 方を 理解 する 。ま た 、直 前ガ イダ ンス
では 実習 に際 して の態 度 や注 意事 項を 確認 する 。
2. 東京 女子 医科 大学 病院 の 本院 、お よび 東医 療セ ン ター で 2 日間 の実 習を 行 う。
配属 場所 で病 棟お よび 看 護の 特徴 に関 す る オリ エ ンテ ーシ ョン を受 け、 担 当看 護師 と一 緒に
マン ツー マン で行 動し 、 実際 の看 護業 務を 見学 お よび 実践 する 。ま た、 患 者や 家族 との 面接 、
およ び医 師・ 看護 師・ そ の他 の医 療従 事者 と関 わ りや 面接 を積 極的 に設 け る。
3. 到達 目標 を自 ら設 定し 、 それ らを 達成 する ため の 具体 的な 行動 目標 を考 え る。 行動 目標 は、
担当 看護 師と 共有 し達 成 度を 評価 しな がら 実習 を 行う 。
4. 2 日 間の 実習 の最 後に 、 グル ープ 毎に 担当 の人 間 関係 教育 委員 また は実 行 委員 を交 えて カン
ファ レン スを 行い 、実 習 での 体験 を共 有し 実習 内 容の まと めを する 。
5. 実習 にお ける レポ ート お よび ポス トア ンケ ート を 作成 し、 期日 まで に提 出 する 。
- 84 -
大
項
目
看護の医療対話
中
項
目
小
1. 対象理解と人間関係
項
目
1) 患 者 や 家 族 の 立 場 の 理 解
2) 患 者 や 家 族 の 体 験 し て い る 世 界 と ニ ー
ズの理解
3) 学 生 の 自 己 開 示 と 人 間 関 係 の 確 立
4) 人 間 関 係 に お け る 自 己 の 特 徴 の 理 解
5) 対 象 に 接 す る 際 の 礼 儀 や 作 法 の 実 施
6) 温 か い 心 を も っ て 接 す る こ と
2. 看 護 師 の 理 解
1) 患 者 や 家 族 に 対 す る 看 護 ケ ア の 一 部 を
実施
2) 患 者 や 家 族 に 対 す る 看 護 師 の 立 場 と 役
割の理解
3. チ ー ム 医 療
1) チ ー ム 医 療 の 意 義 と 重 要 性
2) チ ー ム 医 療 を 構 成 す る 職 種 の 理 解
3 ) 医師・看護師・他の職種から捉えるチー
ム医療
4. 到 達 目 標
1) 到 達 目 標 達 成 の た め の 行 動 目 標 の 設 定
2) 到 達 目 標 達 成 の 振 り 返 り
5. カンファレンスにおけ
1) メ ン バ ー の 発 表 へ の 関 心 と 傾 聴
る体験の共有とまとめ
2) 意 見 や 感 想 を 適 切 に フ ィ ー ド バ ッ ク
3) 学 ん だ こ と の 共 有 と 課 題 に 関 す る 討 議
- 85 -
[医学用語]
科目責任者:江﨑
講 義 担 当:関根
太一(解剖学・発生生物学教室)
透(鶴見大学)
到達目標
現 在 では ラテ ン語 を母 国語 と して 用い る民 族は いな い が、 絶え ず変 動す る社 会 にあ って 、時 代
の 流 れに 翻弄 され るこ とな く 、各 国共 通の 学術 公用 語 とし て利 用さ れて きた 。 特に 、人 命に かか
わ る 医学 、歯 学、 薬学 の 分 野 で は 、 固 定 化 さ れ た ラ テ ン 語 が 一 定 の 規 則 性 を 持 っ て い る が ゆ え に 、
積 極 的に 用い られ て い る。 さ らに 、ラ テン 語は ギリ シ ャ語 とと もに 現代 の西 欧 語の 起源 とも 関わ
り 、 ラテ ン語 を起 源と する 言 葉も 多い 。従 って 現代 西 欧語 を学 ぶ学 生に とっ て も、 ラテ ン語 は大
変 有 効に 働く 言葉 であ る。 ま た、 生物 の学 名、 薬品 名 、元 素名 など の自 然科 学 の分 野で も、 ラテ
ン 語 は学 術公 用語 とし て盛 ん に利 用さ れて いる 。そ こ で、 ラテ ン語 を学 びな が ら、 解剖 学用 語の
理 解 を深 める 礎と して もら い たい 。
本 科 目で は医 学を 学ぶ 入門 者 にと って 、現 代医 学用 語 の原 点で もあ るラ テン 語 を出 来る だけ 身
近 に 感じ ても らう ため に、 ラ テン 語の 基礎 的な 文法 と 医学 用語 を 分 かり やす く 解説 する 。
(評価方法)
出席点ならびに毎回提出のレポート(演習)の内容によって評価を行う。
大
項
目
ラテン語
中
項
目
小
文法
項
目
アルファベット、発音、音節
名詞(性、単・複数形と格変化)
形容詞(格変化、比較級・最上級)
数詞、前置詞、接続詞、など
医学用語
学名の構成、省略語、動植物の学名
英語との相関
(参考図書)
鹿野俊一著
骨学ラテン語辞典
医歯薬出版
河合良訓監修
骨単、肉単
エヌ・ティー・エス
各 2004 年
脳単、臓単
エヌ・ティー・エス
各 2005 年
日本解剖学会監修
解剖学用語
改訂第13 版 医 学 書 院
- 86 -
2007 年
Fly UP