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-101-
は じ め に
本村には、2000 年 12 月に世界遺産に
登録された今帰仁城跡をはじめ、多くの歴
史遺産が残されており、各集落においても
地域特有の生活文化が継承されています。
また、乙羽岳や羽地内海等の美しい景観を
有する豊かな自然に囲まれ、集落部は農地
が調和したのどかな田園風景が広がって
います。さらに、農林水産業が盛んなこと
から、今帰仁アグーやスイカ、熱帯果樹、
ウニ・モズク等、村外にも知名度が高い農林水産物が豊富であり、これ
らを活用したブランド化事業にも取り組むなど、本村は観光振興に活か
せる数多くの地域資源に恵まれています。
本村では平成 10 年3月に「今帰仁観光リゾート振興計画」が策定さ
れて 10 年余りが経ちましたが、その間、今帰仁城跡の世界遺産登録や、
美ら海水族館のリニューアル等により、本村を取り巻く観光の状況は大
きく変化しております。また、古宇利大橋やワルミ架橋の開通により、
本村だけでなく北部地域と連携した取組も求められています。
本計画は上記のような観点から、前計画を見直し、今後 10 年間で本
村が推進する観光振興の方向性と方策について示すものであり、本村の
誇れる歴史遺産、自然環境、農林水産物、人材等の地域資源を活かしつ
つ、村の魅力向上と活性化につなげていきたいと考えています。
今後、村におきましては観光振興に向けて、本計画に基づき各種施策
を推進していく所存ですが、今後の取組の主役は村民の皆様であり、計
画の実現のためには、村民をはじめ、関連団体、民間事業者等の皆様の
積極的な参画をお願い申し上げます。
結びに、本計画策定にあたり、熱心にご議論いただいた策定委員会の
委員各位並びに調査にご協力いただいた関係者の皆様に、心から感謝の
意を表します。
平成 21 年3月
今帰仁村長
-103-
與那嶺
幸人
目 次
1 調査の目的...........................................................................................................................1
(1)背景と目的........................................................................................................... 1
(2)調査の進め方 ...................................................................................................... 2
2 今帰仁村における観光の現状と課題...................................................................3
(1)今帰仁村をめぐる観光の現状.......................................................................... 3
(2)前計画からの進捗状況の評価......................................................................... 9
(3)今帰仁村の観光振興に向けた課題...............................................................11
3 今帰仁村観光の将来像............................................................................................... 17
(1)基本理念 .............................................................................................................17
(2)基本目標 .............................................................................................................18
(3)基本方向 .............................................................................................................19
(4)指標(数値目標) ................................................................................................22
4 ストラクチャープラン...................................................................................................... 27
基本方向1 推進体制(人材・組織)づくりを推進する.......................................29
基本方向2 歴史遺産を活かす.............................................................................30
基本方向3 海山の恵みを活かす.........................................................................32
基本方向4 美しいむら並みをつくる ....................................................................33
基本方向5 健康長寿を実践する.........................................................................35
基本方向6 生活文化を発信する.........................................................................36
基本方向7 体験滞在観光を促進する ................................................................37
基本方向8 着地型・周遊観光を実践する..........................................................38
基本方向9 情報発信を強化する.........................................................................39
ストラクチャープランの展開図とスケジュール .......................................................43
5 アクションプログラム ..................................................................................................... 47
参考 ................................................................................................................................................ 51
-105-
1 調査の概要
(1)背景と目的
今帰仁村の観光施策を政策的に推進していくために、第1次観光リゾート振興計画
(以降「前計画」)から 10 年が経過した現在の社会情勢の変化や今帰仁村観光の実
態把握、村民及び観光客の以降把握を行うとともに、前計画の評価を行うことによっ
て、今の時代・流れに適応した施策の展開を検討し、第2次観光リゾート振興計画の
策定を行うことを目的とする。
また、各施策に対し推進する主体と実施時期を設定し、総合的・体系的な計画を策
定することとする。
現計画の見直しと検証を行い、今帰仁村の観光振興に対して、第一に取り組む必要
があり、その他の施策にも波及効果が高い施策を選定し、これをアクションプログラ
ムとして重点的に進めるものとする。
-1-
(2)調査の進め方
本計画の策定は以下のフローに基づき実施した。なお策定委員会では、次のステッ
プを見据えた議論を行い、議論の成果をとりまとめに反映した。
1)観光リゾート振興計画のスライド検討
基礎資料編
①沖縄観光を取り巻く現状と動向
②今帰仁村の観光を取り巻く現状と動向
③先進事例調査
④前計画の進捗状況の評価
2)今帰仁村のイメージ調査
3)今帰仁村の観光振興に向けた課題の抽出
4)今帰仁村観光の将来像の設定
①基本理念
②基本目標
③基本方向
④指標(目標数値)
5)ストラクチャープランの再構築
6)アクションプログラムの設定
第2次観光リゾート振興計画の作成
図 計画策定フロー
-2-
策定委員会・庁内検討会
①観光客ヒアリング
②観光関連事業者ヒアリング
③住民意識調査アンケート
2 今帰仁村における観光の現状と課題
(1)今帰仁村をめぐる観光の現状
観光関連統計、上位計画、村民・観光客・村内関連観光事業者の意識調査から、今
帰仁村をめぐる観光の現状を以下に整理する。
1)国・県・今帰仁村の観光の現状
①国
○旅行回数は約2回/年、平均宿泊日数は約3泊
○外国人観光客は近年増加傾向(H8:335 万人⇒H18:830 万人)
②沖縄県
○入域観光客数、観光収入は増加傾向(H19:約 587 万人/年、約 4,104 億
円)
○平均滞在日数は約 3.8 日
○観光客の県内消費額は約7万3千円/人
○8月(海・レジャー)、10 月(修学旅行)、3月(避寒)の時期の観光客が
多い
○主な旅行内容は観光地めぐり、沖縄料理を楽しむ、ショッピング、海水浴・
マリンレジャー、保養・休養
○旅行形態は個人旅行又はフリー型パッケージ旅行(約7割)、交通手段は
レンタカー(約5割)が増加傾向
○沖縄観光の期待度・満足度とも海の美しさや沖縄らしい風景(約9割)が
高く、移動に関する項目の満足度は低い
③今帰仁村
○自然(山、海、景観、動植物)や歴史文化資源を保全
○総人口の変化は少ない(約9千5百人)が、少子高齢化が進行(高齢化率
約 26%)
○就業人口は約4千人、第1次産業は減少傾向にあり約3割、第3次産業は
増加傾向にあり約5割を占める
○交通は国道 505 号の利用が中心
○古宇利大橋開通(H17 年度)、ワルミ架橋開通予定(H22 年度)
○隣接する本部町の国営沖縄記念公園に 300 万人/年が来訪
-3-
今帰仁村の主要観光資源は以下ととおりである。
表 主要観光資源一覧
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
自
12
然
資 13
源
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
1
2
3
4
歴
史
・
文
化
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
名称
公園・緑地
沖縄海岸国定公園
乙羽岳森林公園
特殊地形
円筒状空洞地形群
植物
諸志御嶽の植物群落
今泊のコバテイシ
天底のシマチスジノリ
No
21
仲宗根垣畑原のナハキハギ植物群落
花卉農地の広がり
謝名のサキシマスオウ
運天港のコバテイシ
運天の松並木
天底小のガジマル
黄金森のガジマル
島
古宇利島
景観・景勝地
古宇利大橋
乙羽岳展望台
運天森展望台
ビーチ・海岸
ウッパマビーチ
長浜ビーチ
村民の浜
古宇利ビーチ
カネシバマ
サダバマ
運天港
運天漁港
町並み
今泊の伝統的集落
運天の伝統的集落
古宇利の伝統的集落
旧街道
歴史の道(宿道)
史跡
今泊の馬場
ミームングスク
シニグンニ
ターラグスク
今帰仁城跡
兼次古島遺跡
ハナグスク
仲原馬場
ウチグスク
運天の防空壕
シイナグスク
湧川の防空壕
湧川の塩田跡
石材切出跡
古宇利のトゥーミヤー(遠見台)
古宇利のグスク
歴
史
・
文
化
ま
つ
り
・
郷
土
特
性
名称
歴史的建造物
運天隧道(トンネル)
その他名所
慰霊の塔(14塔)
津屋口墓
豊年口説抜粋歌碑
今帰仁ノ口殿内
志慶真乙樽の墓
トモノハーニー火神
今帰仁ノ口殿内火神
阿応理屋恵按司火神
山北今帰仁城跡碑
山北今帰仁城監守来歴碑記
志慶真乙樽の歌碑
志慶真村跡
クボウヌ御嶽
今泊の藍壷跡
赤墓
中城ノ口殿内
諸志の焚字炉(フンジロ)
諸志の御嶽
ハンジャトゥムイ(狼煙台)
崎山の神ハサギ
スガー御嶽(ナカグスク)
平敷ウガン
スムチナ御嶽
ウフシュ墓
池城墓(イチグスク)
寒水アサギ
ドゥルマタの木墓
今帰仁間切番所跡
源為朝公上陸の碑
百按司(ムムジャナ)墓
大北(ウーニシ)墓
大和墓
ウンスマヌウガンジュ
ワルミのティラ
ヤガンナ島の古墓群
古宇利のパル石
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58 阿応理屋恵(アオリヤエ)ノロの曲玉
イベント情報
1 新春ロードレース大会
2 今帰仁城跡周辺の桜見
3 今帰仁グスク桜まつり
4 今帰仁ぶどう狩り
5 運天の海神祭(ハーリー)
6 古宇利島の海神祭(ハーリー)
7 村民の浜海開き
8 今帰仁村まつり
9 各字の豊年祭
10 今帰仁村文化祭
11 古宇利大橋開通記念全島ハーリー大会
12 今帰仁村健康まつり
13 ツール・ド・おきなわ
-4-
No
14
15
16
17
18
ま
つ
り
・
郷
土
特
性
観
光
施
設
・
そ
の
他
施
設
19
20
21
名称
伝統・文化芸能(無形)
与那嶺の国頭サバクイ
操り獅子(謝名)
湧川の路次楽(ロジガク)
沖縄北部のウンガミ
謝名のアヤーチ(操り)獅子
伝統工芸技術
芭蕉布
わらび細工
地域風俗
今帰仁闘牛場
物産(特産物等)
今帰仁スイカ
マンゴー
今帰仁アグー
エノキタケ
モズク
キク
泡盛(今帰仁酒造)
22
23
24
25
26
27
28
29 今帰仁ブランド(今帰仁の匠の品)
観光施設(レクリエーション)
1 ダチョウらんど
販売加工施設
2 今帰仁の駅そ∼れ
3 今帰仁酒造所
4 (株)北部製糖
体験交流施設
5 なきじん海辺の宿
6 今帰仁村城交流センター
スポーツ施設
7 今帰仁総合運動公園・村民体育館
8 オリオン嵐山ゴルフ倶楽部
9 ウェルネスパークゴルフ場
宿泊施設
10 ホテルベルモア東洋
11 ホワイトロードin長浜
12 リゾートホテルベルパライソ
13 浜辺の館
14 ファームハウス
15 民宿しらさ
16 民宿まるや
17 グリーンハウス
18 マチャン・マチャン
19 バニアンリゾート今帰仁
20 ヴィラ・デラセーラ
文化・コミュニティー施設
21 今帰仁村歴史文化センター
22 今帰仁村文化財資料室
23 今帰仁村コミュニティーセンター
24 中央公民館
図 観光資源分布図
-1-
-5-
2)上位計画の位置づけ
①沖縄振興計画(内閣府)
○健康・長寿関連産業、農林水産業等他産業との有機的な連携
○文化交流産業としての観光の通年化、滞在の長期化
○エコツーリズム、グリーンツーリズム、ブルーツーリズム等の体験・滞在
型観光の促進
○各拠点のテーマ性を持たせたネットワーク化、周遊ルート化の促進
○健康・保養をテーマとした観光
○イベント・スポーツ観光
○国際的観光・リゾート地の形成
○総合的な公共交通等のネットワークの充実
②第3次沖縄県観光振興計画(沖縄県)
○良好な景観の形成、魅力あるまちづくりの推進
○エコツーリズム、グリーンツーリズム、森林ツーリズム、ブルーツーリズ
ム、健康長寿をテーマとした体験・滞在型観光
○農林水産業や地場産品の開発
○周遊観光や農林水産業の振興
○離島地域とのアクセス機能の充実
○今帰仁城跡及びその周辺や今帰仁歴史文化センターを核とした歴史・文化
体験の場の形成
③今帰仁村第3次総合計画後期基本計画
《質の高い観光・リゾート資源の開発》
○観光施設及び観光ルートの整備
○多様な宿泊施設の整備
○多様な活動メニューの開発
○地域食材を活かした料理メニューの開発
○案内ガイド・インストラクターの養成
○今帰仁村観光振興計画の推進
《誘客・宣伝の強化》
○スポーツ交流・体験滞在型観光の誘致
○各種イベント、交流事業の充実
○観光情報の充実と誘客プロモーションの強化
○観光地等の各種サイン(誘導・案内表示)の整備
○沖縄自動車道料金低減措置の継続要請
-7-
3)村民の観光に対する意識(住民意識調査アンケート)
○観光振興のプラス効果として「地場サービス産業の育成効果」、
「雇用の拡
大」、「文化交流の増大効果」に期待
○観光振興のマイナス効果として「開発による自然破壊(山や海の保全)等
への影響」、
「観光客が落すゴミ等が及ぼす影響」を懸念
○県外客に案内したい観光地として名所・旧跡は「今帰仁城跡」
、自然は「乙
羽岳」、「海」、「古宇利島」、まつり・イベントは「今帰仁村まつり」、「桜
まつり」、飲食の場やショッピングは「今帰仁の駅そ∼れ」という意見が
多い
○整備が必要な場所は「ビーチ・マリーナなどがある海岸線」、
「今帰仁城跡
や今帰仁村歴史文化センターの一帯」、
「歴史の道や生活文化を感じる集落
域」という意見が多い
○今帰仁村に必要な観光関連施設は「歴史文化や伝統工芸等が体験できる
場」、
「地元産品の販売店」、
「安価で中長期滞在できる宿泊施設」という意
見が多い
○魅力づくりで力を入れるべきことは「グスクや歴史の道、遠見台などの歴
史資源をもっと活かす」、
「スイカ・ぶどう・マンゴーなどの特産品と観光
をもっと結びつける」、
「緑や花の豊かなむら並み景観づくりを推進する」、
「農業や他産業等と連携した体験型プログラムを充実させる」という意見
が多い
4)村内観光客の状況や意向(観光客ヒアリング(今帰仁城跡・古宇利島))
○観光の頻度は今帰仁村観光は初めてが7割
○沖縄旅行の宿泊状況は2、3泊が多いが、今帰仁村には宿泊しない
○旅行形式は「フリープラン型パッケージ旅行」及び「個人旅行」が多い
○主な交通手段は「レンタカー」が多い
○今帰仁村内の観光施設情報の入手先は「観光情報誌」や「友人・知人から」
が多い
○今帰仁村観光のイメージは「自然と景色を活かした観光」、
「歴史遺産を活
かした観光」という意見が多い
○今帰仁村の良い印象は「ロケーション(風景)が綺麗」、
「その場所に行っ
てなんとなく癒された」、「沖縄(今帰仁村)の歴史・文化に触れられた」
という意見が多い
○今帰仁村の悪い印象は「交通利便性が悪い」という意見が多い
-8-
5)観光関連事業者から見た今帰仁村が目指すべき観光振興の方向性
(観光関連事業者ヒアリング)
○自然、農業、世界遺産、人柄、方言等既存資源を活かした地域主体の観光
振興
○周遊型観光の誘致(海洋博公園から)、アクセス道路の充実
○体験・滞在型観光の推進(農業、伝統・文化、自然)
○多様な宿泊施設、飲食店の充実
○農産物や加工品の充実(地産地消)
○地域における観光事業の担い手確保
○ITやイベント等を活用した今帰仁村観光の総合的なPR活動
○村内における観光関連事業者間のネットワークづくり
○情報収集・提供を一括して行う組織(観光協会等)の立ち上げや情報発信
のシステムづくり
○空き地・空き家と有効活用による移住者や滞在型観光受け入れ体制の充実
○地元住民との交流促進による観光
-9-
(2)前計画からの進捗状況の評価
前計画に位置づけられていた施策について、これまでの取組状況と今後の取組方針
について担当部署にヒアリングを実施した。
前計画の施策については、自転車道の整備、古宇利港総合整備等のハード事業につ
いては見直しが必要との見解である。
また、継続して実施を図っていく必要があると思われる事業が多いが、その中には、
未実施や2∼3年で取組が実施されなくなった事業もあり、継続した取組を検討する
必要がある。
さらに、社会状況の変化やニーズに対応して、新規事業の予定や意向についても抽
出された。
担当部署ヒアリングにより把握された前計画からの進捗状況の評価を次頁の図に
整理する。
-10-
図 前計画からの進捗状況の評価
-7-
-11-
(3)今帰仁村の観光振興に向けた課題
今帰仁村をめぐる観光の現状や前計画からの進捗状況の評価を踏まえ、今帰仁村の
観光振興に向けた課題を以下に整理する。
①
歴史文化資源の保全・活用
今帰仁城跡をはじめとして、歴史の道や各集落においても歴史文化資源が
数多く残っている。また、エイサー等の伝統芸能や風習が各集落で継承され
ている。
これら本土にはない歴史文化に触れることが沖縄観光の魅力のひとつであ
り、近年では「見る」から積極的に「体験する」観光へのニーズが高まって
いることから、今後もこれら歴史文化資源を保全・活用していくことが必要
である。
②
今帰仁らしい集落環境の形成
本村は農村地域であり山林や農地で構成された田園空間が広がっており、
これらに囲まれた各集落には屋敷林や伝統的な家屋等が残っている。実際に
生活する地域住民が主体となって集落の景観や環境形成を図り、来訪者が今
帰仁村独自の農村環境や癒しを感じる雰囲気づくりを行うことが重要であ
る。
③
自然環境(山・海・景観・動植物)の保全・活用
自然のままに残る乙羽岳等のやんばるの山々や古宇利島等を望む美しい
海、蝶等の貴重な動植物の生息地を有しており、これら恵まれた自然環境を
保全するとともに、景勝地としての活用や森林・海洋資源や動植物等による
自然体験・学習の場(各種ツーリズム)として活用していくことが求められ
る。
④
農林水産業との連携によるブランド化・体験メニューの充実
本村の主産業である農林水産業と観光業の相互連携と発展を目指すため、
地産地消の推進、地元食材を活かした商品開発やブランド化・高付加価値化、
食の提供等を図り農林水産物の生産、流通・加工、販売体制の確立が求めら
れる。
また、都市部住民においては農業体験等へのニーズが高まっていることか
ら、農林水産業者が主体となったメニューの充実が望まれる。
-13-
⑤
体験滞在型観光の促進(宿泊施設の確保)
歴史文化や自然環境、農林水産業、イベント・スポーツ、地域交流等、本
村にある多様な地域資源は、地域人材を主体として体験型観光として活用し
ていくことが考えられる。また、これらを目的に訪れた観光客等には長期的
な滞在が必要であり、保養・休養環境の充実や本村にある多くの観光メニュ
ーを組み合わせた総合的な観光振興を図るためにも、観光客等の多種多様な
ニーズに対応した様々な形態の宿泊機能の確保が重要である。
⑥
PR・情報発信機能の充実と体系化
観光案内施設の整備やパンフレット・情報誌等の活用、県内外にPRする
ための観光関連ホームページの充実、今帰仁村まつり・桜まつり・鯉のぼり
まつり等の村内イベントやその他県内イベント等の活用による総合的なP
R・情報発信を充実させていくとともに、情報収集から発信まで統括して運
営する組織体系づくりが求められる。
⑦
村内及び北部地域における周遊観光への対応
国営沖縄記念公園は北部観光の一大拠点であり、ここを訪れる観光客を本
村にどう導くかが観光振興における課題である。古宇利大橋やワルミ架橋(平
成 22 年度開通予定)の開通に伴い北部地域の回遊性は向上することから、
その効果を最大限発揮するため個々の観光資源における集客力の向上を図る
とともに、本村だけではなく北部地域の観光資源を結ぶ周遊ルートを設定し、
ルート上を中心とした観光振興が必要である。
⑧
交通アクセスの充実
沖縄観光の主流となっているレンタカー移動や大型バスにも対応した、観
光地までのアクセス道路整備や駐車場確保、公共交通を含めた総合的なネッ
トワーク化が必要である。
また、案内板や誘導板、近年の外国人観光客の増加に対応した外国語表記
等、観光地等の各種サインの充実が求められる。
-14-
⑨
地域の人材や活力による観光振興
地域にある観光資源の保全・活用、集落環境形成、体験滞在型観光等の主
な担い手であり観光客等の受け入れ体制をつくるのは地域である。地域が主
体となって活動する意識醸成や組織づくり、案内ガイドやインストラクター
の養成・確保を図り、地域の人材や活力による観光振興を図る必要がある。
⑩
地域・民間・行政の連携強化
上記の課題を解消し本村における総合的な観光振興を実現するには、地
域・民間・行政がそれぞれの役割分担を明確にし、情報交換や機能の補完・
連携を強化しながら観光事業を展開していくことが必要である。
また、地域・民間・行政をつなぐ組織体系の確立が求められる。
-15-
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