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日本国際保健医療学会学生部会年次報告書2008/2009(約3.38MB)

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日本国際保健医療学会学生部会年次報告書2008/2009(約3.38MB)
なぜ格差は存在するのだろう
平等とは何をいうのだろう
世界中の人が
世界中の子供たちが
笑顔で暮らせる
希望を持てる
そんな世界にしたい
自分たちができることは何だろう
自分たちがすべきことは何だろう
どうすればできるのだろう
こんな想いを現実的な形にするために
それを探るため
伝えるため
一緒に学ぶため
そして、
将来一緒に働く仲間を得るため
jaih-s は生まれました
1
2
jaih-s は、Japan Association for International Health, Students Section の略です。
このロゴマークは、本学会 jaih(日本国際保健医療学会)に Student の S をつけ、
若者の「熱さ」をイメージした赤を基調としました。
これからの方向付けでいくらでも伸びる可能性を秘めている「芽」と
私たちの関心事項である国際保健がターゲットとしている世界を象徴とした「地球」を
マークの中に含み、活動の象徴としています。
3
第4期 年次報告書 目次
代表挨拶
第 4 期代表 船戸真史(長崎大学医学部医学科 4 年) ······································································· 5
第 4 期 年次報告書刊行にあたって ··········································································································· 6
日本国際保健医療学会理事長 石井 明 先生
日本国際保健医療学会常任理事 学生部会顧問 仲佐 保 先生
jaih-s について ······················································································································································ 9
設立経緯
団体理念
活動内容
活動報告
·······················································································································································13
総会ユースフォーラム
国際保健トレーニング合宿
地方会ユースフォーラム
勉強会
国際保健学生フィールドマッチング
広報
新たな取り組み
事務局企画
活動実績・お世話になった先生方················································································································51
活動体験記····························································································································································67
国際協力ワークショップ
国際保健トレーニング合宿
jaih-s 座談会·························································································································································75
全国に広がるネットワーク ·······························································································································84
第 4 期運営委員紹介 ········································································································································85
会計報告 ································································································································································92
活動へのお誘い··················································································································································96
連絡先
·······················································································································································97
4
代表挨拶
第 4 期代表 船戸真史(長崎大学医学部医学科 4 年)
「熱い先生と学生が集う、るつぼである」
私は jaih-s を一言で表現するとき、よくこの言葉を用います。
2005 年の設立以来、jaih-s は年を追うごとに「るつぼ」の大きさ(=活動規模)と、口径
(=参加者数)を着実に、また劇的に拡大して参りました。2009 年 6 月現在、運営委員経
験者は延べ約 100 人、参加者として関わった学生は延べ約 1400 人と大台を突破し、知名度も全国的に浸透し
てきました。数が全てではないものの、近年盛んにグローバル化が騒がれる現代の中で、私達は将来益々必
要とされる国際保健医療人材の育成に関して、学生の立場から一定の役割を果たしてきたと言えます。
jaih-s 第 4 期(2008 年 10 月~2009 年 8 月)を振り返ってみると、これまで続けてきた活動に一層の充実と工
夫を図りながらも、新たに「企業と国際保健」や「他学生団体との協働」などをキーワードに新たなスパイスとし
て加えるなど、いわば「挑戦の 1 年」だったと感じます。今期どのイベントに足を運んでも、真剣な眼差しの学生、
優秀で責任感の強い運営委員、そして学生に負けないくらい熱いハートを持った先生方の 3 役が「るつぼ」の中
で溶けあい、混ざり、互いの良さを引き出し合いながら素晴らしい活動の数々が生まれていました。この年次報
告書を手に取った皆様には、是非その一端をご覧頂きたいと思っております。
私達は jaih-s を通じて、同じ心を持った仲間・先生と出会う喜びを存分に味わいました。そして将来も一緒に
世界で働く姿を描き、夢見ることができる幸せを幾度も経験しました。これから jaih-s に求められている役割と
は、こうした経験の一つ一つを胸に留めるだけでなく、「るつぼ」から社会へと注ぎ出していくことでしょう。OB/
OG の先輩方は一足早く社会へ飛び出し、経験を十二分に活かして躍動しています。自分にはきっと誰かの役
に立てる力があるはずと信じて、これからも後に続かんとする学生を支え続ける jaih-s であって欲しいと、切に
願います。
最後になりましたが、国立国際医療センターの仲佐保先生、日本国際保健医療学会理事長の石井明先生を
はじめ、数多くの先生方にいつも多大なご協力をいいただいております。この場を借りて、あらためて御礼申し
上げます。
2009 年 6 月
5
第 4 期 年次報告書刊行にあたって
日本国際保健医療学会理事長 自治医科大学・名誉教授
石井 明 先生
jaih-s の皆様 こんにちは
日本国際保健医療学会の学生部会で活躍して下さり有り難うございます。
お陰様で学会は会員も増加して来まして、学生部会の方々共々、大勢の方が
この分野に関心を持って参加して下さるのは有り難く大歓迎です。学生部会の
皆さんの活動が展開している事は学会にとって有り難いばかりでなく、大きく
は日本の又世界の保健医療にとって期待の持てる将来です。
学会は既に 20 年の成年式を越えて実質的な仕事を展開する時期に達しま
した。今後の展開のためには若い世代の方々に期待するところが大きいのです。
今まで先輩は多くの立派な仕事を残してくれています。これらを踏まえて今後の発展が求められます。
皆様の将来の活躍を期待しています。
皆様はそれぞれの分野で研修を積んでいる時期にあります。助走の段階です。将来にホップ・ステッ
プ・ジャンプと記録を出して行く準備に怠りない時です。力を貯めて大きく飛躍して記録を出すために
は日頃の修練が必要です。先ずは皆様のそれぞれの分野の修練に精を出してください。専門性の基礎を
固める事が大切です。広く大きい基礎の上に自分の柱・塔を作り上げて家を建てるのが将来の目標でし
ょう。世界の立派な塔や建築物を見ながらイメージを作り上げてください。世界を見比べると今後の世
界が見えてくると思います。
現在の世界がどうなっているのか?何が問題なのか?それを解決するにはどの様な方策が有るの
か?更に良い方策はどうすれば研究・開発が出来るのか?こうした課題は国際保健医療の課題そのもの
です。どうかこれらに答えられる様にしっかりと修練を積んで下さい。また jaih-s の活動など集団で
何かの仕事をする経験を積む事は将来に生きてきます。皆様がたの新しい力が加わって来る事を期待し
ています。
保健医療すなわち健康は人々の Basic human needs です。貧困を解消するために開発が叫ばれてい
ます。その基礎は健康と教育です。けれども世界に出て、そこに働く時には国際的な競争が有ります。
世界を良く見てベストの方策を模索して下さい。現実の世界に働いている方々の下で、その仕事ぶりを
見学し参加するのはよい経験になるでしょう。新鮮な観点は先輩にも参考になる場合も多いのではと想
像します。学会ではマッチングプログラムをお世話して世界で活躍している先輩と学生部会の会員の皆
様とを繋いで行く事を計っています。是非、利用して経験を深めてください。また世界には多くの施設、
組織がインターンシップなどで学生の方にそうした機会を提供しています。今はインターネット上でそ
うした情報を入手する事も可能になっています。充実した修練を経て皆様が現実に挑戦する日を世界が
待っています。
卒業すると保健医療の世界は忙しく大変なので、ともすると埋没しがちです。しかし世界の問題に対
する関心を持ち続けて下さい。何年かかってもそれは構いません。いずれ皆様方が世界の保健医療に働
く時はやってきます。その時が来たら、それまでの修練と経験を生かして存分に活躍して下さい。
焦らず急がずじっくりと将来に備えて下さい。よろしくお願いします。
2009 年初夏
6
第 4 期 年次報告書刊行にあたって
日本国際保健医療学会 常任理事、国立国際医療センター
学生部会 顧問 仲佐保
学生部会「jaih-s」が生まれて約 4 年近くになります。これまで、ずっと継続
的に jaih-s の皆さんと活動して来ました。久しぶりに昔のファイルを見返して
見ました。
学生部会の構想が始まったのは、2004 年の 10 月です。その時の学生、山道君
と渡部君が考えたことは次のようなものでした。『私どもなりに国際保健医療学
会の学生団体との違い「先生と学生のつながり」を活かせるアイデアをまとめま
した。次のようなものが他の団体との大きな強みになるのではないでしょうか?
1.先生方とのコンタクトがとりやすい、アドバイスを受けやすい、2.基本的な思想として、日本に
いながら常日頃の国際保健へのモチベーション、勉学面での興味などを保てる環境の整備を目指してい
ます。学生が外国に行くといってもせいぜい一ヶ月。日常の生活の中でどれだけ気軽に国際保健に関わ
りをもてる環境かということが重要だと考えます。』
2005 年 11 月の発足時の最初のフォーラムにおいては、
『今回の学生フォーラムではこの流れを受け、
学生を中心として「学生自ら考える学部時代の国際保健のカタチ」というテーマで、これからの国際保
健を考えてみたいと思います。医学部、歯学部、看護学部、薬学部のみならず、大学院生を含む、数多
くの国際保健を志す若者の参集をお待ちしています。』という趣旨の元に jaih-s が始まりました。
2006 年 1 月には、1 期の代表の香取さんはじめとする運営院での初顔合わせで次のような話がおこな
われました。「いろいろやってみて次年度につなげていくこと」と「認知度のアップ」「トライアル」
に重点をおく。実験の年、そして地方・非医療系が今年のターゲットとする。1縦と横のつながりをつ
くる(ネットワーク)、2知識や経験、技術を増やす、3フィールドに出る、これらを実施するに当たり、
国際保健に関心のある学生へのアンケートを実施、現在の jaih-s の活動の基盤が形成されました。
第 2 期の長嶺代表は、次のように述べています。「死ななくていい疾患で死ぬ。きれいな水が飲めな
いから死ぬ。たまたま生れ落ちた地は紛争をしている。母親が被爆し、満足に生まれてくることもでき
ない・・・・・・。こうした如何ともし難い状況に対し、私たちはどう打って出るのか。打って出るた
めには、どのような力をつけておく必要があるのか。そのヒントを得るために、日本国際保健医療学会
という、日本の国内外で活躍するほとんどの先生方が参加されている学会の力を借り、学生部会は活動
をしています。また、学生のうちに作った仲間や先生方とのつながりは、今後自分がどの道を歩いてい
くときにも、大切な宝物となっていくものだと思います。将来国際保健に関わりたいと考える学生たち
のネットワークを日本中で構築すること、それも私たちの目的の一つです。」
現在行われているフィールドマッチング、ユースフォーラム、国際保健トレーニング合宿、勉強会な
どの活動をみると、これまでの先輩たちが作った基盤に基づき、それを着実により規模の広い、かつ質
の高いものになってきているのを実感しています。更なる躍進を期待しています。
7
8
jaih-s について
9
設立経緯
2004 年、厚生労働省の国際協力事業評価検討会は、国際協力に携わる人材育成
の推進のための提言及び行動計画をとりまとめました。この中で、
(1)人材開拓のニーズ把握
(2)人材を募集する側の条件と供給する側の条件のギャップ
(3)キャリア・パスの構築と結びつけた人材の養成と活用
などが検討課題として挙げられています。
そして、学生や若手の人材が協力したオペレーショナル・リサーチなどの方法で、よ
り機動性の高い人材養成や人材配置の仕組みを検討していくことが望ましいとする
提言がなされました。
日本国際保健医療学会学生部会 jaih-s(Japan Association for International Health,
Students Section : ジャイフ-エス)は、学生のうちからの学びをサポートし、幅広い
人材をつなぐ組織として、こうした人材育成の課題や提言を受けて、本学会理事と
学生により、双方向から設立準備がなされました。
2005 年 11 月、本学会総会にてキャリア形成をテーマとした始めての学生フォーラム
を開催し、学会の組織として正式に設立しました。同時に、具体的な活動内容を決
めるための材料とするべく、学生の国際保健に関する学習環境を調査する全国ア
ンケートを実施しました。
国際保健に関与する多くの人たちを結びつけ、学生が共に刺激し合える場となる
ことを目指し、jaih-s は今後も活動を展開していきます。
10
団体理念
日本国際保健医療学会学生部会 ジャイフエス jaih-s(Japan Association for
International Health, Students Section)は、国際保健医療に興味を持つ様々な分野
の学生が出会い、刺激しあい、共に学ぶための場を目指して活動する学生団体で
す。
学生・先生のつながりを大切にしています
jaih-s の活動を支えているのは、人間のつながりです。
同じ興味や目標を持ち学ぶ学生同士の横のつながり、そして国際保健医療の第一
線で活躍される先生方との縦のつながりを大切にしています。
大学では得られない学習環境を提供しています
海外でのフィールド実習や、同じ目標を持つ学生が出会い学ぶための合宿、学会
や勉強会でのシンポジウムや講義、インターネット上での先生方へのインタビュー
公開など、大学内だけでは得られないような学習環境を提供しています。
様々な分野からの参加をお待ちしています
国際保健医療の現場には、医療系だけではない多分野の専門家が関わっています。
jaih-s の活動にも、保健医療分野のみにとどまらず、政治、経済、環境、教育、福祉、
人権など、幅広い分野からのご参加をお待ちしています。
11
活動内容
jaih-s の活動は以下の3つの柱で構成されています。
知識・経験
国際保健学生フィールドマッチング
オンライン情報・HP 運営
勉
強
会
トレーニング合宿
ユースフォーラム
キャリア・パス
ネットワーク
「知識・経験」、「キャリア・パス」、「ネットワーク」の3つの軸に学生部会が実施する5つの事業を重
ねると、以上のようになります。どの企画もこの3つの要素を満たすように配慮して計画されています。
もちろん、その企画の特徴により、自ずと力を入れる部分が変わってきます。より多く人の集まる企画
であるユースフォーラムやトレーニング合宿は「ネットワーク」に力点が置かれるようになり、個々人で
参加するものの、他ではなかなか得ることのできない経験をすることのできる国際保健学生フィールド
マッチングでは「知識・経験」の部分が大きくなります。jaih-s の HP 上でのオンライン情報提供や勉強
会では、知識や経験ももちろんですが、より多くの先輩方の情報を得ることで、自分の「キャリア・パス」
を考えるヒントとすることができます。
設立時のアンケートやスタッフの意見から抽出した以上の要素を踏まえて、jaih-s は活動をしています
12
活動報告
目次
総会ユースフォーラム .....................................................................................................14
国際保健トレーニング合宿 ........................................................................................19
地方会ユースフォーラム ..............................................................................................26
勉強会...................................................................................................................................................30
国際保健学生フィールドマッチング ..............................................................35
広報 .........................................................................................................................................................40
新たな取り組み ........................................................................................................................43
事務局企画
............................................................................................................... 47
13
総会ユースフォーラム
2008 年は日本熱帯医学学会大会と日本国際保健医療学会学術大会の合同大会ということもあり、学
生と先生方との交流に力点を置くとともに、総会をきっかけに自分が自ら行動できるようなきっか
けになればよいという思いを込め、以下のようなメインテーマを“今を知る、未来を創る”とし、
下記のような目的を立てました。
目的:世界の現状を知り、自分ができることを考え、地球市民としてより良き未来を目指す
5つの目標:
1.学会への参加を通じて最新の国際保健事情を学ぶ
2.積極的に行動する重要性に気付き、自ら新たな可能性を見出す
3.教室や研究室での学び(ベンチ)を、社会や現場(コミュミティー)へどう忚用できるかを考
える
4.一歩踏み出すために必要なスキルを身につける
5.先生方や多分野の学生と交流することを楽しむ
■会期: 2008 年 10 月 25 日(土)、26 日(日)
■会場: 国立国際医療センター(IMCJ)・国立感染症研究所
■主催: jaih-s (日本国際保健医療学会・学生部会)
■後援: 第49回日本熱帯医学学会大会、第23回日本国際保健医療学会学術大会
独立行政法人国際協力機構・大阪国際センター・国立国際医療センター
■対象:多分野の学生 (全学部・高校生以上)
■ご協力頂いた講師等14名
基調講演
【世界をマクロでとらえてみよう!~G8ってなんだったの?~】
懇親会
1-A
1-B
食べ物から世界がみえる
豊かさって何だろう?富の追求から豊かさの追求へ
~日本•海外における
地域保健から学ぶ~
2-A
国際保健 学生フィールドマッチング 報告会
2-B
貧困の克服と HIV/AIDS への闘い~HIV と共に生きること~
3-A
2008 年は「国際衛生年」!!~水について考えよう~
3-B
お母さんの健康から考える国際保健
クロージング
しろう、世界を、しよう、世界に。~一人ひとりのコミットメント~
14
25 日
【基調講演】
■講演者
NGO・「環境・持続社会」研究センター(JACSES)田辺有輝先生
厚生労働省
大臣官房国際課 国際機関専門官 高橋謙造先生
今年 2008 年、日本で開催された G8,TICADⅣで取り上げられた議題を通し、世界では何が問題と
なっていて、これからはどのようなところに着眼していくべきなのかを政府側、そして NGO 側から
講演していただいきました。パネルディスカッションでは、「日本の ODA」,「アフリカ援助」、「学
生としてできること」がテーマとなりました。
【懇親会】
先生との交流をしつつ、今年は jaih-s 初の試みで早稲田大学ラテンアメリカ協会にゲストとして
演奏していただき懇親会は非常に盛り上がりました。
15
26 日
【分科会 1-A】【食べ物から世界が見える】
■講演者
特定非営利活動法人 AM ネット 神田浩史先生
名寄市立大学保健福祉学部栄養学科
石川みどり先生
世界の暮らしと私たちの暮らしは密接に繋がっていることを、食べものを例にあげ考えました。
また、栄養改善と MDGs(Millenium Development Goals)のかかわりを海外での活動事例を通して
理解しました。
【分科会 1-B】
【「豊かさって何だろう?富の追求から豊かさの追求へ」
~日本•海外における地域保健から学ぶ~】
■講演者
フリーランスヘルスコンサルタント
アジア女性資料センター 小幡 詩子
国立看護大学校元教授
熱田 泉 先生
先生
先生お二方から国内外の地域保健の事例のお話を、「豊かさ」を考えるためのヒントとして講義し
て頂き、最後に学生間での「豊かさとは何か」のディスカッションを行いました。そしてそれに対
する先生のフィードバック、学生へのメッセージをいただいて締めくくりました。
【分科会 2-A】マッチング報告会 jaih-s マッチング事務局担当
jaih-s マッチング企画の受け入れ先の先生と参加者による体験談、および説明。
【分科会 2-B】【貧困の克服と HIV/AIDS への闘い ~HIV と共に生きること~】
■講演者
慶忚義塾大学湘单藤沢キャンパス環境情報学部教授
社団法人 青年海外協力協会
ティースマイヤ・リン先生
鈴木諭氏
貧困と HIV/AIDS の関係性についてティースマイヤ・リン先生からお話しいただいた後に、元
JOCV(青年海外協力隊)の鈴木諭先生に現地(マラウイ)での体験談を写真などで紹介していただき、
HIV/AIDS の問題の難しさを改めて感じました。
【分科会 3-A】【2008 年は「国際衛生年」!!~水について考えよう~】
■講演者
国立保健医療科学院 水道工学部 水道管理室 浅見
真理先生
長崎大学熱帯医学研究所 国際保健学分野助教 橋爪
真弘先生
「水」を共通項として、気候変動に関する世界の問題をご専門の異なる両先生のフィールドでのご
経験を踏まえて紹介して頂き、水問題は現地の健康問題と切っても切り離せない重要な課題であり、
改善には分野を越えた協調が求められることを再認識して締めくくりました。
16
【分科会 3-B】 【お母さんの健康から考える国際保健】
■講演者
国連人口基金 東京事務所長
池上清子先生
なぜ、女性のリプロダクティブヘルスを考慮すべきなのかを実際の体験談や DVD を元に講演してい
ただいきました。現地の伝統医療と国連人口基金の目指すところをどのように融合させていくかな
ど、具体的な経験談をお話いただきました。
【クロージング企画】
【しろう、世界を、しよう、世界に。~一人ひとりのコミットメント~】
■講演者
津田塾大学国際関係学科教授
三砂ちづる教授
津田塾大学国際関係学科4年(多文化国際協力コース国際ウェルネスユニット所属)岡崎有香さん
早稲田大学人間科学部3年(早稲田大学公認イベント企画サークル qoon 幹事長) 郭晃彰さん
東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室修士課程(JCV 海外事業担当)根本努さん
大学で「学ぶ」、学生団体として関わる、NPO 職員として関わる、というそれぞれのやり方で国際
保健に関わっている学生パネリスト3名に、現在の活動を紹介していただき、その後三砂先生も交
えてパネルディスカッションを行いました。
17
班長:田近映子(滋賀医科大学5年)
副班長:船戸真史(長崎大学3年)
広報:根本大資(愛知医科大学 6 年)
会計:松岡若利(長崎大学 5 年)
参加者対忚:表真由子(滋賀医科大学5年)
備品・懇親会:増田響子(早稲田大学 4 年)
企画:庄野真代(お茶の水女子大学大学院 1 年)
朴大昊(鳥取大学医学部医学科 5 年)
隆杉知枝子(東邦大学 3 年)
須永萌(看護大学校 2 年)
増田響子(早稲田大学 4 年)
(所属・学年は 2009 年 3 月現在)
今年で3回目になる jaih-s ユースフォーラムを迎えることができ,参加者の皆様、ならびに講
師の先生方に感謝したいと思います。素敵な出会いがあり、知的好奇心の刺激になったのであれば
幸いです。今年は例年と異なり、日本熱帯医学学会大会と日本国際保健医療学会学術大会の合同大
会でした。このような貴重な機会を通し、今まで遭遇したことのないような分野や新しい視点を発
見できたのではないでしょうか。また、学生らしく、懇親会では情熱的なサンバを早稲田大学の方
に披露していただきました。過激だったかもしれませんが、单米の情熱にも負けない情熱を国際保
健へと注いでいけたらと思います。
初めて国際保健医療という分野に触れたという方もいらっしゃったかと思いますが、これを機会
に今後様々な活動に参加して頂ければと思います。これからも jaih-s は国際保健を志す学生の情
報源となり、充実した企画を作っていこうと思いますので、ご期待ください。では、また、jaih-s
のイベントや国際保健の現場でお会いしましょう!!
18
国際保健トレーニング合宿
国際保健トレーニング合宿 2009
“ One Step!
知る・学ぶ・行動する―その先の自分へ ”
合宿の目的
(1) 国際保健に関して、学生のうちにできることや自分の課題を明確にして実行に移す。
(2) 国際保健に対する自分なりの具体的なアプローチを考えるきっかけとなる。
参加者の達成目標
(1)学ぶ:国際保健に関わる様々な視点を学ぶ
(2)考える:ケーススタディを通じて主体的に考える
(3)つながる:多分野に渡る講師の先生方や同世代の仲間 とつながる
(4)スキルを得る:国際保健に関して実践的なスキルを一つでも身につける
(5)行動する:学んだことを次には行動に移せるようになる

2009 年 3 月 5 日(木)~8 日(日)

開催場所
国立オリンピック記念青少年総合センター(東京)

参加者
23 名

参加条件
国際保健協力を将来の道の一つとして考えている学生であること
(専攻問わず・高校生以下を除く)
プログラム
1日目 :3月5日(木)
時間
プログラム
講師/担当/備考
9:30-10:10
合宿オリエンテーション
jaih-s 運営委員
10:10-10:50
プレテスト
jaih-s 運営委員
11:10-12:10
アイスブレイク
jaih-s 運営委員
テーマ:国際協力の光と影
13:30-14:30
講義1
杉浦康夫先生(国立国際医療センター
国際保健とは/日本の医療の変
国際医療協力局派遣協力課)
遷
14:45-16:00
講義 2
杉浦康夫先生(国立国際医療センター
日本の国際保健協力の枞組み
国際医療協力局)
19
/世界の潮流
16:15-17:30
講義 3
藤田則子先生(国立国際医療センター
母子保健
国際医療協力局)
講義 4
依田健志先生(長崎大学熱帯医学研究
国際保健と感染症
所)
19:00-19:30
1 日目の振り返り
jaih-s 運営委員
20:00
懇親会
会場:オリセン内レストランさくら
17:45-19:00
2日目 :3月6日(金)
時間
プログラム
9:00-10:15
10:30-12:00
13:00-21:00
講師/担当/備考
講義 5
工藤芙美子先生(特定非営利活動法人
地域保健
シェア)
講義 6
神馬征峰先生(東京大学大学院医学系
途上国のヘルスプロモーション
研究科国際地域保健学教室)
PCM(プロジェクトサイクルマネ
講師:原芳久先生
ージメント)演習 1
森永太一先生
・プロジェクトサイクルマネー
(株式会社 VSOC)
ジメントとは
アドバイザー:明石秀親先生
・事例説明/関係者分析/問題
分析/途中経過発表
21:00-21:30
(国立国際医療センター国際医療協力
局)
2 日目の振り返り
jaih-s 運営委員
3日目 :3月7日(土)
時間
9:00-10:00
13:00-14:45
プログラム
講師/担当/備考
PCM 演習 2
講師:原芳久先生
前日の振り返り/目的分析/プ
森永太一先生
ロジェクトの選択
(株式会社 VSOC)
アドバイザー:仲佐保先生
PCM 演習発表、講評
明石秀親先生
(国立国際医療センター国際医療協力
局)
15:00-16:30
ポストテスト
jaih-s 運営委員
全体の振り返りとアンケート記
入
17:00-19:00
キャリアラウンドテーブル
清水孝行先生(国立国際医療センター国
際医療協力局)
鈴木諭先生(社団法人青年海外協力協
会)
林英恵先生(株式会社マッキャンヘルスケ
アワールドワイドジャパン)
20
单島多麻美先生(国立保健医療科学院
研究課程)
20:30
懇親会
(50 音順)
新宿にて
4日目 :3月8日(日) 国立国際医療センター
時間
プログラム
9:00
日本国際保健医療学会東日本地方会ユースフォーラムに参加
12:00
合宿参加者解散
各プログラムの詳細
今回の合宿では、参加者の皆さんに「協働」する能力を身につけていただけるようなプログラム
をご用意しました。国際保健に関わる業務は一人の力で実施できるものではなく、国内外のさまざ
まな立場の人々と協力しながら行うことが必須であり、そのためには「他人の意見を尊重し、自分
の意見も明確に伝えられる」ということが必要であると私たちは考えています。トレーニング合宿
は、全国から集まったさまざまな分野の学生がともに学び、ともに作業をしながら国際保健に必要
な知識とスキルを身につけていく構成とし、合宿自体が「協働」の実践の場でもあります。
アイスブレイク
合宿 1 日目、初めて会った参加者同士が
意見交換を行い、お互いを知るきっかけの
場となりました。「国際協力の光と影」を
テーマに、国際協力の肯定的な面と否定的
な面について自由に意見を出し合うこと
で、自らの国際協力に対する考え方も整理
できることを期待していました。
グループに分かれて議論を進める
【参加者の感想】
・ 「国際協力」の定義について、参加者で意見交換・情報の共有ができた。
・ 慣れない人とも「アイディアを出す」ということに主眼をおいて話すことができた。
・ 他の参加者の視点、キャラクターを知ることができ、仲良くなれた。
・ 光=理想、影=現実、と把握していて、自分の目指すものの困難さと向き合えた。
・ みんなの考えや学問的バックグラウンドを想像でき、話すきっかけをもらえた。
・ アイスブレイクとしては内容が重かった
・ 一緒に考える事で打ち解けることができた。
21
各種講義
講義1 国際保健とは/日本の医療の変遷
講義 2 日本の国際保健協力の枞組み/世界の潮流
杉浦康夫先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力課)
講義 3 母子保健分野
藤田則子先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
講義 4 国際保健と感染症 依田健志先生(長崎大学熱帯医学研究所)
講義 5 地域保健
工藤芙美子先生(特定非営利活動法人シェア)
講義 6 途上国のヘルスプロモーション 神馬征峰先生(東京大学大学院医学系研究科)
国際保健の各専門分野でご活躍され
ている先生方をお招きし、現場でのご
経験を中心に国際保健の実情や醍醐
味をお話ししていただきました。どの
講義も非常に内容が濃く、講義も質問
も時間が足りないと感じた参加者が
多かったようです。
工藤芙美子先生の講義に聞き入る参加者
【参加者の感想】
・ 世界の現状が数字などを通してわかりやすかった。また、体験談など先生個人が考
えてきたこと、見てきたことを知ることができてよかった。
・ 日本の歴史と照らし合わせて国際保健や開発援助の妥当性が考えられた。
・ 歴史的変遷から見た保健・医療状況の変容については、これまでに触れたことの無
い視点でした。
・ 自分の目指している将来のビジョンを歩まれている先生なので、その先生の話を聞
けてとても勉強になったし、モチベーションが上がった。
・ 子供の健康には母親の健康が重要であることが良く分かった。文化、地域的な問題
が母子保健を通して学べた。
・ 誰にでも分かりやすい内容に配慮していただいた分、現場で活用できるような「新
しい」情報はあまり多くなかった。
・ 参加型授業は楽しかった。非医療者にはとっつきやすい。
・ 具体性の高い、現場の意見を伺えた。実践者ならではの講義。
・ 実際のプロジェクトの話は興味深かった。
・ 現地の人たちから学ぶことの大切さを考えさせられた。
・ 教科書にない話だったのでとても勉強になった。
・ ただ先生の講義を聞くだけでなく、答えのない問題を自分で実際に考える授業で、
考えることの大切さを知った。
22
・ 文化の違いによる健康に対する意識が学べて非常に面白かった。
PCM 演習
講師:原芳久先生、森永太一先生(株式会社 VSOC)
アドバイザー:仲佐保先生、明石秀親先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
ある途上国の村の健康向上に関す
るプロジェクトの立案過程を、国際
協力の現場で忚用されている PCM 手
法を通じてグループ演習にて実践的
に学びました。2 日間という短い時間
の中でしたが、活発な議論が交わさ
れ、時には悩み立ち止まりながら、
分析手法の基礎を学ぶことができた
のではないかと思います。
【参加者の感想】
・ 方法の説明が時間の都合上少ないと感じたが、そういう部分も含めて、critical に全体
を見つつ進行できたと思う。
・ 講義を受けるだけでなく、自分達が実際に問題解決のために考えられてすごく興味深い
ものとなった。講義内容とも関連していて、知識は生かせるものだと実感した。
・ 論理的な考え方とは何なのかを、実際に経験を通じて学べてよかった。問題点に取り組
む順番や見方を教わりながら経験できて勉強になった。
・ グループで考えていく過程は難しく大変だったけれど、広い視野から問題をみることの
大切さが学べた。
・ 大変苦労したが、論理的に物事を考えていくための良い練習になった。時間がすぐ過ぎ
てしまい、足りなかったのが残念。
・ 仲間と様々な議論をじっくりできたのは貴重な思い出。
・ もう少し条件などで制約があったほうがやりやすいとも思った。
23
キャリアラウンドテーブル
講師 清水孝行先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
鈴木諭先生(社団法人青年海外協力協会)
林英恵先生(株式会社マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパン)
单島多麻美先生(国立保健医療科学院 研究課程)
(50 音順)
国際保健分野でご活躍されてい
る 若 手 の 実 践 者 の 方々を お 招 き
し、今後のキャリア形成の参考に
なるお話しを伺いました。先生方
の素敵なお人柄とその行動力に惹
かれ、参加者からは活発に質問が
出ていました。
单島多麻美先生を囲んで
全てのプログラム終了後、参加者と運営委員で記念の1枚
【参加者の感想-合宿全体を通して】
・ 国際保健に自分がこれからどう関わっていきたいのか、今回が考えるきっかけにな
った。
・ 医療従事者以外の専門家による講義が少なく、医療従事者と平行して取り入れてく
れると面白いし、もっと深い考察が可能かと思った。
・ 自分の知識を深めるだけでなく、色んな人たちと出会い、刺激をもらった。知識不
足を痛感しただけでなく、国際保健に関わるためには、様々な能力が必要だと思わ
されたので、今後も学び続けたいと意欲が高まった。
・
24
班長:
西村 直子 (埼玉県立大学 3 年)
久貝 太麻衣(長崎大学 3 年)
羽金 杏子 (長崎大学 3 年)
森 里美
(島根大学 4 年)
山口 晶子 (京都橘大学 4 年)
今回の合宿も、将来、国際保健に関わりたいという熱い思いをもった個性的な参加者が全国から
東京に集まりました。3泊4日という短い期間ですが、国際協力の意義を考えるアイスブレイク、
実際に現場で活躍されている先生方からの熱い講義、議論が白熱する PCM のワークショップ、
将来設計を考えるキャリアラウンドと非常に濃い内容となりました。
準備段階から試行錯誤を重ねた甲斐あって、参加者の方々から「国際保健への自分なりの関わり方
を考えるいい機会となった」「国際保健へのモチベーションがあがった」との感想をいただくこと
ができました。合宿を通して、国際保健を志す仲間と出会い、共に学び、互いに国際保健への夢を
悩みを将来を語り合い、意見をぶつけ刺激を受け理解しあうことは、本当に参加者一人ひとりにと
って貴重な経験となると思います。この合宿が参加者の方々の Next One Step に繋がったならスタ
ッフとして、これほど嬉しいことはありません。
25
地方会ユースフォーラム
地方会ユースフォーラムは、西日本・東日本で年 1 回ずつ開催される日本国際保健医療学会地方
会(学術大会)に伴わせて開催される学生主催の、主に学生を対象とした集会です。
地方会は総会と比較して規模は大きくありませんが、その分企画内容などに地域性を持たせること
ができる、学生同士が仲良くなりやすい、講師と学生の距離が近いなど、身近な雰囲気を持ってい
ることも特徴です。
(1) 2009 西日本地方会ユースフォーラム
(2009 年 2 月 28 日(土) 大阪市立大学)
■テーマ:『すべてはすべての命のために―地域と世界、あなたと私―~今こそ協力の時~』
世界の命を支えるための「多分野のコミット
メントと協力」への理解を目指すと同時に、国
内外のコミュニティヘルス活動の事例につい
てグローバルヘルスの視点から考察し、「すべ
ての命、Health For All を目指した世界のコミ
ュニティの協力」の可能性を探る、ということ
を目的として、3 名の講師の先生による講演を
開催しました。
■開催内容
第 1 部:「あなたと私、今こそ協力の時」~ 『世界のいのち』を支える多分野のコミットメント
と協力~
【講師】
◆山形辰史先生(日本貿易振興機構アジア経済研究所)
【内容】
第1部では、山形先生の学生時代から現在までのご経歴について写真を交えながらご紹介頂き
ました。学生の頃の話は参加者の皆様ご自身と照らし合わせて聞くことができたのではないかと
思います。そしてその後は、国際保健に関わる立場にはどのようなものがあるのか。国際保健に
おける登場人物の関係を教えて頂きました。そして、援助協調とは何か、その意義とは何かを説
明がありました。後半は、障害問題を用いて治療の方向性と治癒の相対性について、哲学的な内
容も含め非常に考えさせられるお話を聞くことができました。
26
第 2 部:「地域と世界、今こそ協力の時」
~日本のコミュニティヘルスと グローバルヘルスの対話~
<日本・海外の地域保健の経験から学ぶ~パートナーシップ構築の意義>
【講師(五十音順)】
◆角野文彦先生(滋賀県健康福祉部健康推進課)
◆山本秀樹先生(岡山大学大学院環境学研究科国際保健学分
【内容】
第2部では、前半は角野先生に日本のコミュニティヘルスのお話をして頂きました。公衆衛生活
動の 2 面性や地域保健の目的についての話、保健師とは何かなど普段聞くことのない内容のものば
かりでした。そして、学生の私たちに期待することとして「何のために」という意識を持つという
こと、地域で気付いた人が行動をするべきであるということなどを挙げられ、最後に「笑い」を忘
れず顔の見える関係作りの大切さを強調されました。 後半は山本先生にグローバルヘルスについ
てのお話をして頂きました。2002 年のヨハネスブルグサミットで ESD(Education for Sustainable
Development の概念が提唱されました。 ESD とは持続可能な開発を行うために地域の人々が学習
することで、日本の公民館をモデルとする Community Learning Centers(CLCs)を通じてを行うのが
効果的であるとのことでした。
Kominkan が地域保健と国際保健を結ぶ視点としてあるということを学ぶことができました。
(2) 2009 東日本地方会ユースフォーラム( 2009 年 3 月 8 日(日)国立国際医療センター)
■テーマ:『すべてはすべての命のために―地域と世界―~今こそ協力の時~』
国内外のコミュニティヘルス活動の事例に
ついてグローバルヘルスの視点から考察し、
「すべての命、Health For All を目指した世界
のコミュニティの協力」の可能性を探る、とい
うことを目的に、ワークショップ、2 名の講師
の先生による講演を開催しました。
27
■開催内容
第 1 部:ワークショップ「コミュニティヘルスとプライマリ・ヘルス・ケア」
【講師】
◆仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
【内容】
初めに仲佐先生より、プライマリ・ヘルス・ケア概論の講義をして頂き、プライマリ・ヘルス・
ケアの概念を 5 原則を含め非常に分かりやすく学ぶことができました。次に、中米ホンジュラスの
あるコミュニティのケーススタディを通して、コミュニティヘルス活動におけるプライマル・ヘル
ス・ケアの意義についてグループワークを通して学習しました。講義を聞いた後に実際の事例でグ
ループワークすることで、事例内の諸事実の整理、コミュニティの持つ問題や解決策に関するディ
スカッションが深まり、それぞれのグループがコミュニティの資源や制限を考慮した上での問題解
決の方策についてディスカッションをすることができました。ケーススタディで少しでも実際の状
況をイメージすることで、自分たちが国際保健協力を目指す上での第一歩につなげることができた
のではないかと思います。
第 2 部:「地域と世界、今こそ協力の時」
~日本のコミュニティヘルスと グローバルヘルスの対話~
<日本・海外の地域保健の経験から学ぶ~パートナーシップ構築の意義>
【講師(五十音順)】
◆色平哲郎先生(JA 長野厚生連 佐久総合病院)
◆本田徹先生(SHARE 国際保健協力市民の会)
【内容】
前半を本田先生・色平先生による講義、そして後半にパネルディスカッションを行いました。本
田先生には先生ご自身の生い立ちにおける国際保健へ関わることになった動機から青年海外協力
隊としての活動、そして SHARE での在日外国人医療の活動のお話、山谷での活動のお話と、国内外
を問わず、先生の経験談と活動における先生の動機付け、世界の課題・コミュニティの課題のつな
がりなどについてのお話頂くことができました。色平先生には、戦前にさかのぼる佐久総合病院の
歴史の話から始まり、その歴史から形成された佐久総合病院と地域住民の信頼関係、そして地域医
療の在り方、ついてお話を頂きました。パネルディスカッションでは、色平先生による「農村にお
ける農民への演劇の実演」を見ることで、私たちが「地域に行く」ということはどういうことなの
か、地域の人々の立場になること、肩を共にすること、それは日本だけではなく、世界でも同じで
あるということを考えさせられました。本田先生の「コミュニティの活動をしながら、そこで発見
した課題が、いつしかグローバルな課題へとつながる」と、先生ご自身の活動における地域活動と
国際保健活動の関連性をお話して頂き、私たちが、地域に根ざした上で世界に目を向けることの重
要性を学ぶことができたのではないかと思います。
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班長・東日本地方会責任者:
須永
萌 (国立看護大学校2年)
会計・西日本地方会責任者:
松岡
若利(長崎大学5年)
広報(東日本):
藤戸 未来(埼玉県立大学3年)
広報(西日本):
小林 典子(長崎大学2年)
(所属・学年は 2009 年 3 月現在)
地方会ユースフォーラムを開催し、多くの参加者の方々から、「楽しかった」「勉強になった」
「価値観が揺さぶられた」「もっと勉強して国際保健の活動をして行きたい」など前向きな感想を
頂き、ホっと肩をなでおろしています。また、私たち自身も一参加者として、心から地方会を楽し
むことができました。私たちは 10 月の企画立案時にグローバルヘルスとコミュニティヘルスとい
うテーマを掲げながらも、それが実際「何であるか?」を 2,3 月の東西地方会当日まで、考え続け
ました。地方会で実際に先生方の話を聞くことができ、グローバルとコミュニティとを「分ける」
のではなくそれらが相互にリンクし、先生方の活動の中ではその活動が同じ活動であれ、時にはグ
ローバルであり、コミュニティともなる、という言葉がとても印象的に残っています。地方会班の
班長としてこのテーマに 5 か月顔をつき合わせ先生方の話をお聞きして、私は「コミュニティに住
む方々の生活やいのちの課題に取り組むという地道な活動からグローバルな課題、普遍的な課題を
見つけ世界のコミュニティの連帯を通して協働して解決策を探りたい」と強く心に留めました。
今後も、地方会ユースフォーラムでは、新たな知識だけではなく、何か参加者の方々に悩み、考
えて頂けるような内容の企画を立案して行きたいと思っております。また皆様のアイディアを反映
させてものも考えてゆきたいと思っておりますので、是非皆様の率直な声を今後もお聞かせ下さい。
この度はありがとうございました。
29
勉強会
Catch hot topics!
最前線を知る
国際保健勉強会
これまで行われた勉強会のテーマは、プライマリ・ヘルス・ケア、開発途上国と産業保健、災
害医療、コミュニティ開発とリハビリテーション、紛争後のカンボジアなど多岐に渡ります。講
演とワークショップを通して、参加者がある問題の現状とその背景を理解し、問題解決へ向けて、
じっくりと考えられる勉強会を開催しています。国際保健の最前線で活躍されている先生を身近
に感じながら、大学では得られない学習環境の提供を目指しています。国際保健を志す全国の学
生が参加できるように jaih-s への、そして国際保健への門戸となる役割を果たします。
国際保健に興味を持つ様々な方に学習環境や交流の「場」の提供をすることは、学生部会設立の
趣旨でもあります。
勉強会のイベントは参加者が気軽に足を運び、講師の生講義を通じてじっくりと国際保健について
学ぶ、という機会を日本全国の学生に提供することを目指して、活動しています。
勉強会企画としては具体的に以下の 4 つの目標に向かって活動しています。
1.将来の国際保健医療を担う人材育成の場となるべく、各勉強会に多分野の学生が集い、参加者
が共に学び合い、新たな視点が得られる機会を提供する。
2.様々な地域での勉強会イベントの開催や他団体とイベントを共催することにより、jaih-s の
活動をより多くの人々に知ってもらう。
3.jaih-s 運営委員内で勉強会を開催し,運営委員全体で国際保健の知識向上をはかる。同時に
ファシリテーションやプレゼンテーション能力を身につける。
4.今後の勉強会活動計画の一助のため、勉強会アンケートを実施。国際保健医療に興味がある方々
のニーズを把握する。
国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
講師:仲佐 保先生(国立国際医療センター 国際協力局派遣第 2 課課長)
国立国際医療センターの仲佐先生のご好意により、中心都市に限らず地方でも全国各地で勉強会
を開催しています。
今期行った勉強会は 3 期に続けて第 14 回からとなりました。すでに開催したものは以下のもの
となっております。2009 年 10 月以降も既にいくつかの勉強会の開催が決まっており、今後も継続
して行っていく予定です。
30
【第 14 回:プライマリ・ヘルス・ケア(以下 PHC)2008 年 10 月 11 日】
場所:東北大学
内容: PHC には「基本的な人権として、全ての人に健康を与える」「その達成過程での意思決定
は住民の主体的な参加」など多様な考え方・捉え方があります。PHC の 30 周年のこの機会に、
PHC について参加型のワークショップを行いました。
【第 15 回:国際保健と災害緊急医療援助
地震発生!!2008 年 11 月 29 日】
場所:弘前大学
内容:国際保健と災害医療を組み合わせてワークショップを行いました。世界の 5 大死因や、パキ
スタンを事例に取り上げ災害医療の様々な場面で求められる知識と技術、判断力とは何かを学ぶ
ための勉強会を行いました。
【第 16 回:紛争後のカンボジア―患者も医療者も病院も国も貧しい中で―2009 年 1 月 17 日】
場所:岡山大学
内容:内戦が終了して間もない当時のカンボジアで実施されたプロジェクトを題材に、「貧しい」
国で保健医療分野の仕事を行うという事の意味について考えました。参加型のワークショップの
時間を多めに設け、充実した勉強会を行いました。
【第 17 回:紛争後のカンボジア―患者も医療者も病院も国も貧しい中で―2009 年 4 月 18 日】
場所:香川大学
内容:第 16 回と同内容です。
【第 18 回:プライマリ・ヘルス・ケア 2009 年 5 月 17 日】
場所:金沢大学
内容:第 14 回と同内容です。
【長崎大学 DREAMS×jaih-s 共催企画】
第 19 回
国際協力ワークショップ「日本と海外の災害医療援助~1つでも多くの命を救うには~」
場所:長崎大学医学科良順会館 1F 専斎ホール
講師:仲佐保先生(国立国際医療センター)
山下和範先生(長崎大学病院救急部)
水谷和郎先生(兵庫県立姫路循環器病センター)
参加者数:46 名
内容:前半は災害医療のイントロダクション、クイズを行い、「海外の災害医療」をテーマに仲佐
先生によるJDR(国際緊急援助隊)の派遣をシュミレーションするWSを行いました。またジ
ャワ地震の際に派遣されたJDRの活動記録DVDを見ながら振り返りました。経験豊富な先生
からは臨場感溢れる体験談、また活動に臨む時の心構え、ノウハウを伺う事ができ、みな真剣に
耳を傾けていました。後半は「国内の災害医療」と題して山下先生にDMAT(Japan Disaster
31
Medical Assistance Team)の活動についてご紹介を頂き、水谷先生からは、阪神淡路大震災直後
の診療の様子を収めたビデオの上映をして頂きました。被災直後に実際に当直にあたられた水谷
先生のお言葉は、ご自身が時々言葉につまるほどの壮絶な体験談ではありましたが、如何に災害
に備えることが大切か、また学生でもできることがあるということを力説され、参加者へのイン
パクトも非常に大きなものでありました。
jaih-s オリジナル勉強会
【jaih-s 勉強会:コミュニティ開発とリハビリテーション
―障害と共に生きる人々の社会参加と地域生活を考える-2009 年 1 月 10 日】
場所:順天堂大学
講師:石井
博之先生(国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科講師)
吉田 美穂先生(JICA 専門家 エジプト 障がい者自立支援分野 2006~2008 年)
内容:世界の障害者と彼らを支える地域住民の生活に視点をあて、私たちが出来ることについて話
し合いました。「願いが叶う地域作り」をキーワードに、医療・福祉だけでなく、教育、経済、
経営、食(農業)など、多角的な視点に立ちながら、現在の途上国における障害者の生活を理解
し、これからの障害者支援を考える機会となりました。途上国に限らず日本の障害者支援を実践
していく上でも一つの分野だけでなく、様々な分野の人が協力していくことが重要だということ
がわかりました。
【euphoria×jaih-s 共催企画:
~臨床からプライマリ・ヘルス・ケア(以下、PHC)将来の国際保健に向けて~2009 年 5 月 16 日】
場所:慶忚義塾大学信濃町キャンパス
講師:加藤
琢真先生(慶應義塾大学小児科学教室
研修医)
団体紹介(euphoria):医療系に興味のある主に慶應大学の学生で構成されている学生団体で、主
に保健に関する活動を、国内外で行っています。既存のプログラムではなく、自分達で作り上げ
ることをモットーとしており、特に毎年夏には、インドネシアでのグループワークキャンプの活
動を、現地ボランティア・医学生、そして現地住民と一緒に作り上げ、継続的に現地の健康課題
32
に取組んでいます。
内容:佐久総合病院(長野県)での臨床経験や講師が学生時代に設立した NGO 団体「PLAS」での
ご経験を踏まえ、PHC の基本的な概念を学びました。佐久地域は田舎で病院数が少なく、通院出
来ない住民がたくさんいます。この環境は途上国の状況に似ているため、PHC を学ぶのに佐久地
域は適していることをお話されました。地域医療を実践していく上では、地域との交流を通じて
住民の声を聞き、本当に現場で何か必要なのかを感じることが重要だと熱く参加者へ述べられて
いました。
【euphoria×jaih-s 共催企画:
第 1 弾 プライマリ・ヘルス・ケア~地域による、地域のためのヘルスケア
2009 年 6 月 20 日】
場所:慶忚義塾大学信濃町キャンパス
講師:高山 義浩先生(厚生労働省健康局結核感染症課 新型インフルエンザ対策推進室室長補佐)
参加者数:62 名
内容:世界各国の人口における自然法則から話が始まり、これまで人類がどのように問題を克服し
てきたのかに触れ、そこから歴史的な流れにおける PHC の位置づけへと展開する高山先生のお話
は、大局を俯瞰してから細部を見つめることの大切さ、
過去からの流れとして現在を見つめることの重要さに
痛感する事が出来ました。世界各国の現状を知るのに、
援助が入っている地域を見るのではなく、順番として
はじめに、ODA、NGO などの入っていない普通の人たち
を知るべきであるというお言葉がとても印象的でした。
世界を放浪された体験や、これまでの臨床経験に裏付
けられた、先生からの PHC の基本原理について具体的
にお聞きする機会となりました。
【第 3 回国連勉強会シリーズ:
開発途上国と産業保健~働くという視点から世界の命を考える~
2009 年 5 月 23 日】
場所:産業医科大学
講師:川上
剛先生(ILO アジア太平洋総局)
内容:開発途上国の農業、中小企業の抱える労働安全衛生問題について、ILO はどのような活動を
行っているのか具体的な事例を通じて学ぶ機会になりました。ILO を構成する政府、労働者、使
用者の政労使 3 者を主体に、直接現場へ足を運んで声を聞き、改善案を現地労働者に考えてもら
う参加型の重要性を学ぶことが出来ました。日本と途上国が一方的に関わるのでなく、相互が学
び合う存在であることを認識して、活動していく事の大切さを強調して述べられていたのがとて
も印象的でした。
33
【第 4 期前半】
【第 4 期後半】
班長:安東久雄(国立看護大学校 1 年)
班長:北上守俊(国際医療福祉大学 3 年)
河野妙子(帝京大学 2 年)
久貝太麻衣(長崎大学 4 年)
北上守俊(国際医療福祉大学 2 年)
佐野友美(産業医科大学 5 年)
倉林牧子(北里大学 2 年)
星 夕子(兵庫県立大学 4 年)
佐野友美(産業医科大学 4 年)
(所属・学年は 2009 年 3 月現在)
(所属・学年は 2009 年 6 月現在)
4 期では東北、北陸、四国、中国地方で計 5 回国際協力ワークショップを開催しました。どの勉
強会におきましても特にワークショップについては参加者から大好評でした。ワークショップを通
じ、「断片的な知識に整理がつく」「同じ学生とのディスカッションで刺激を受けることが多い」
などの前向きな感想をいただくことが多いです。そのほかにも『リハビリテーション』『産業保健』
をテーマに、運営委員が独自で企画・運営する勉強会を開催しました。企画から運営までする事の
難しさを実感しましたが、その経験を今後の勉強会に活かしていきたいと思います。
さらに『プライマリ・ヘルス・ケア』をテーマに、他団体との共催企画も実現することが出来ま
した。今後も他団体と勉強会を企画し、より多く学びの機会を提供していきたいです。
34
国際保健
学生フィールドマッチング
「世界で今何が起こっているのだろうか。
何か自分にできることはないだろうか。」
世界を舞台に活躍する数多くの先生のもとへ行き、そこでフィールド実習を行い、自分の眼で"国際保
健の現場"を見る。自分には何ができるのか、そして何ができないのか、将来やってみたいことは・・・そん
なことに気づくことのできる機会を与える、それが『国際保健 学生フィールドマッチング』です。
フィリピン
ネグロス島にて
「学生の希望」と「受け入れてくださる先生方・機関が学生に求め
る条件」とを「マッチ」させる、学生とフィールドをつなぐ架け橋として、
2006 年夏期から始まった企画です。学生が国際保健の分野で活
躍する先生方・機関(NGO や国連機関など)のもとへ赴き、国際保
健の現場を体験し、その経験を他の学生と共有することにより、
学生が将来の選択肢として国際保健を考える機会となるよう、
活動しています。2009 年夏期までに、全部で 81 名もの学生が国内外のフィールド実習を経験させていた
だきました。
本企画は、次のようなステップを経て行われます。
Step 1 ご参加くださる先生方・機関の募集および参加学生のエントリー
Step 2 jaih-s による参加者の第一段選考および実習先のマッチング
Step 3 受け入れ先の先生・機関の方による参加者の第二段選考
<参加学生が正式に決定>
Step 4 受け入れ先の先生・機関の方と参加者での調整、実習準備
Step 5 実習実施
Step 6 実習後のフィードバック(報告書作成、報告会での発表など)
35
活動報告
1. 実習実施状況
2009 年春において、ご協力頂いた先生・機関の数、エントリーした学生の人数、実際に実習に参加した
人数は以下の通りです。(2009 年夏期の実習は 2009 年 6 月現在募集中です。)
時期
先生・施設数(実習数)
エントリー数
実習参加人数
2009 年春
10 (11)
26
13
ヨルダンで
ドクターと
2. 実施フィールド実習一覧 (2009 年春期のみ、夏期は 2009 年 6 月現在募集期間中)
実習テーマ
インドネシアでの感染症対策および日本の支援
コミュニティヘルス・医学生フィールド実習参
加およびコミュニティベース障害児ケア
国
参加者数
インドネシア
3
フィリピン
4
ベトナム
2
ネパール
2
ヨルダン
2
保健プロジェクト視察および拠点病院臨床実習
医療活動などの臨床実習
Jordan Prevalence of risk factors of
Noncommunicable Disease among Palestianine
Refugee
インドネシア 日本の支援を見学
3. 国内外のインターンシップ・スタディツアー参加募集のリンク
4 期前半より、フィールドマッチング企画での募集とは別に、お世話になっている先生方や機関が独自に
開催・参加者募集されているインターンシップやスタディツアーの告知を、マッチング企画 HP 上で行ってい
ます。「おすすめスタディツアー・インターン」と題し、各募集サイトにリンクを貼る形をとり、4 期前半で 4 件、
4 期後半でさらに 3 件を追加しました。
36
4.海外フィールド実習参加者の声
今回、実際の現場に行き、ODA や一部 NGO の
活動を見学することができ、そのことによって、国
際保健活動の具体的イメージというものが、非常
やはり世界的に見て日本は裕福な国だと思
に明確になってきたと思う。(中略) JICA のプロ
った。自分はそういった恵まれた環境にい
ジェクトのような活動を、学生が行うことはできな
て、どういったやり方をしていけばよいかはま
い。しかし、学生という立場でありながら、現地の
だ分からないが尐なからず何か貢献する可
人と一緒に活動し、尐しでもよりよい活動を目指
能性、余裕をもっているのだと感じた。自分
し、努力する経験は、将来、自分が国際保健を
に何ができるかをこれからも模索していきた
行っていく上で、基礎となる姿勢を、培うために
い。
非常に重要なことだと考えている。
(感染症対策および日本の支援@インドネシア
(コミュニティヘルス・医学生フィールド実習参加およ
看護学部 3 年
びコミュニティベース障害児ケア@フィリピン
名古屋大学医学部医学科 4 年 堀 心一)
I.T)
実習を通じ、国際保健の現場においてなんの専門
家でもない今の自分にできることは何もないということ
がよくわかった。まずは知識、技術を身につけることが
欠かせない。独り立ちした医師となり、国際保健に貢
献できたらと思う。今回の実習はかけがえのない貴重
な経験であり、自分の目標に近づく大きなステップにな
った。
(保健プロジェクト視察および拠点病院臨床実習@ベトナム
旭川医科大 6 年 武藤 玲子)
5.実習報告会の実施
マッチング班では、実際にフィールド実習を行った学生が「何を見て、何
を感じ、何を考えたか」を発表する機会として、「マッチング報告会」を開催
しています。4 期では合計 3 回の報告会を行いました。学生の新鮮な感想
と熱い思い、それを見守り受け入れてくださる先生型の双方からの言葉を
聞くことで、学生のうちにフィールドへ行く意味を考え、今できることは何だ
ろうか、たとえ今はできなくても、将来やってみたいと思うようなことを見つ
2008 年国立国際医療センターにて
けるきっかけになったら・・・という思いのもと開催をつづけ、いずれも好評のご意見を多くいただくことがで
きました。
●2008 年 10 月 26 日総会ユースフォーラム分科会「マッチング報告会」
2008 年夏のフィールド実習に参加した学生 3 名に実習の活動を報告
を行ってもらい、それに加えてコメンテーターとしてご参加いただいた 5
名の受け入れ先の先生方と発表者による公開ディスカッションの時間も
設けました。多数の先生にご参加いただいたことはマッチング報告会初
の試みでしたが、フィールドでご活躍される先生からのナマの声、そして
国際保健を志す学生への激励によって、会場は大いに盛り上がりました。
37
多数の来場者にご参加いただいた
●2009 年 1 月 24 日「フィールドマッチング報告会」@大阪大学
(共催:大阪大学大学院人間科学研究科国際協力論)
2008 年夏のフィールド実習に参加した 5 名の学生に活動報告を行っ
てもらい、コメンテーターとして板東あけみ先生(ベトナムの子ども達を支援
する会 事務局長)にご参加いただきました。 過去最多の報告者数でした
が、実習形態(プロジェクト見学型、臨床実習型、調査同行型)・実習先(アフ
参加者と発表者の座談会の様子
リカ、中東、東南アジア)ともに、フィールドマッチングならではの実習の多様
性を感じてもらえる報告会になったと思われます。
●2009 年 5 月 10 日「国際保健シンポジウム~世界へ踏み出す学生たちへ~」
(後援:(株)武田薬品工業)
jaih-s の新しい試みとして、マッチング報告会を発展させ、「フィールド
を経験した学生が、国際保健を志すうえで、多様な選択肢があることを
知る」ことを目的とした国際保健シンポジウムを行いました。フィールドマ
ッチング経験者 2 名に加え、講師として、NPO 法人宇宙船地球号代表山
本敏晴氏、武田薬品工業 CSR 担当金田晃一氏をお呼びし、学生による
活動報告と講師による講演の後、4 名のパネルディスカッションを行いま
した。
■参加者からの声
・ 良く考えているからこそ良い実習ができたと感じられた。
・ 伝えたいという気持ちが伝わった。
・ 学生の視点で発表されていた。
・ 学生主体で先生との信頼関係が感じられた
班長:小澤 萌
(宮崎大学 3 年)
安倍 俊行
(順天堂大学 4 年)
木場 宣弘
(北海道大学 4 年)
長澤 真衣子 (大阪府立大学 4 年)
森 里美
(島根大学医学部 5 年)
38
パネルディスカッションの様子
1.「国際保健 学生フィールドマッチング」の今後
学生フィールドマッチングは、2009 年夏の忚募を以て 4 年目に突入し、延べ参加人数も 2009 年春期ま
でで 81 名となりました。4 期からは、正式な実習だけでなく、フィールドマッチング企画として正式な忚募形
態はとらなくても、先生方が参加されている団体・NGO で主催されているスタディツアーなどを、jaih-s マッ
チング事務局から、優先的に広報する形も取り入れました。3 期まで増え続けていた実習数は、一旦落ち
着くこととなりましたが、4 期では、これまで以上に「フィールドマッチング企画」の独自性に着目し、
1)お世話になっている先生方とのコミュニケーションの機会増加
2)地域・大学の枠を超えた国際保健を志す学生への均等な機会提供
3)フィールドへ参加する学生へのサポート体制の強化
に対し、取り組んでいきたいと考えております。
1)マッチング企画(以下、本企画)は、開始当初から、何より、先生方の多大なるご協力のもとに
成り立っている企画です。マッチング班員が日ごろから学会総会や勉強会などにできる限り積
極的に参加することで、先生方とのコミュニケーションの機会を増やし、本企画の趣旨・意義
を先生方に理解していただけるよう努めるとともに、班員自身も先生方から刺激を受け、日ご
ろの活動の励みにしていきたいと考えています。
2)4 年目を迎えた本企画ですが、新たな試みにチャレンジする一方で、地域・大学・専門分野の枠
を超えた国際保健を志す学生への「均等な」機会提供、という本企画の開始した当初からの意義を
貫いていけるよう、活動を発展させていくつもりです。
3)実習計画書・渡航安全マニュアル・実習のしおりの読み合わせ、など、学生へのサポート体制
強化の下積みはこれまでもなされて来ましたが、何より基本であるこまめなメールやり取りな
どを今後も重視していく姿勢を忘れずにいたいと思います。
2.緊急時の対忚
2009 年春マッチングでは、情勢不安によるマダガスカルでの実習中止、また、2009 年夏マッチングで
は、2009 年 4 月末から猛威を振るっている新型インフルエンザ(ブタ由 来 インフルエンザ A/H1 N1)の
影 響 により募 集 開 始 時 期 の大 幅 延 期 をすることとなりました。このような大 きな影 響 を与 える出
来 事 は現 マッチング班 では初 めての経 験 であり、班 内 で何 度 も議 論 を重 ね 、実 習 のしおり・渡 航
安 全 マニュアル・参 加 にあたっての誓 約 書 に大 幅 な改 善 を加 えることとなりました。
今 後 とも私 たちの予 想 していない事 態 が訪 れる可 能 性 は十 二 分 にあります。日 ごろから、班 内
でのマッチング企 画 を行 う意 義 、企 画 の責 任 所 在 についてよく議 論 し、書 類 の整 備 をしておくこ
とがそのような事 態 に対 して大 きな意 味 を持 つであろうと感 じています。マッチング企 画 のシステ
ムは企 画 当 初 に比 べずいぶん安 定 しましたが、常 に緊 張 感 を持 って企 画 の向 上 をしていきたい
と考 えています。
39
広報
広報班が行うのは1)広報活動と2)オンライン情報の管理の2点です。
「jaih-s の活動を全国各地の多分野の学生に知ってもらい、活動への直接参加・または HP の閲覧
によって、国際保健を将来の選択肢の一つとして考える学生の役に立つこと」が広報班の目的です。
第4期では、第3期までで作りあげてきた1)広報活動と2)オンライン情報(おもに HP)を
再度みなおし、改良・発展させることとなりました。設立4年目となった jaih-s が、社会で必要と
される人材育成を行う団体として存続していくために、社会の中でどうあるべきか、果たすべき責
任はなにかを追求し、『広く社会から求められる存在』に成長することを目標に活動しました。
■活動ポリシー
第4期 前半
今、国際保健医療の舞台で求められる人材の育成、そのための広報班
第4期 後半
学生に対して
ーjaih-s をまず知ってもらわなければ意味がない
~新しい広報方法の開拓と既存の広報方法の徹底~
社会に対して
ー企業の CSR へのアプローチを通じた、jaih-s の団体としての在り方の追及
■活動内容
1)広報活動
広報体制の整備・新規広報先の確保・広報ツールの作成と管理・アンケートの管理
2)オンライン情報の管理
HP の継続的管理と内容の改良・携帯サイトの創設
■具体的活動内容
1)広報活動
・新規広報先の確保―雑誌・新聞社など
・広報先別の広報効果の分析
・多分野の学生へ向けた広報ツールの強化ーパワーポイントやパネルを使用した jaih-s 紹介など
・企業の CSR 活動との協働―武田薬品工業株式会社後援による
国際保健シンポジウムの開催(p.43 参照)
・団体としての在り方を追及の第1弾として、活動実績データベース化の試み
40
2)オンライン情報の管理
・HP の改装・管理・活動報告の掲載
・HP の内容を充実化
<目標とする HP は以下>
○インタビューや先生ご紹介のコーナーを量・質ともに見直し、学生がキャリア・パスを描き
やすい HP であること
○学生団体や用語集・参考図書などがまとまっている
・携帯サイトの開始
■jaih-sHP の紹介
<基礎データ>
・URL:http://www.jaih-s.net/
・検索方法:検索サイトで「日本国際保健医療学会学生部会」もしくは jaih-s で検索
<コンテンツ紹介>
Ⅰ
トップページ
jaih-s 主催のイベントの最新情報、国際保健関連情報、携帯サイトの紹介など
Ⅱ
jaih-s とは
jaih-s とはどんな団体なのか、各活動(ユースフォーラムなど)の紹介、参加方法など
Ⅲ
国際保健とは
国際保健とはそもそも何なのか、国際保健関連イベント情報、参考図書など
41
■jaih-s 携帯サイトの紹介
<コンテンツ紹介>
Ⅰ
jaih-s 紹介
各活動の紹介・参加方法など
Ⅱ
国際保健医療とは
国際保健とはそもそも何なのか、という定義
Ⅲ
イベント情報
jaih-s 主催のイベントの最新情報
(以上の内容は、2009 年 8 月現在の情報です)
【第 4 期前半】
班長:朴
大昊
【第 4 期後半】
(鳥取大学5年)
班長:荒井 三記子 (札幌医科大学5年)
荒井 三記子 (札幌医科大学4年)
桜田 美香 (宮城大学4年)
高橋 理慧
(早稲田大学3年)
佐藤 紀子 (新潟大学3年)
森田 幸子
(香川大学2年)
鈴井 泉 (香川大学4年)
森 里美 (島根大学5年)
(所属・学年は 2009 年 3 月現在)
(所属・学年は 2009 年 6 月現在)
第4期広報班の大きな功績として、jaih-s 初の「企業(の CSR)との協働」としての、『国際保
健シンポジウム』の開催があります。武田薬品工業株式会社に後援していただいて企画したこの経
験を通じ、jaih-s と企業の Win-Win の関係を実現することの大切さと難しさを感じました。そして
企業の持つプロフェッショナルな広報の「視点」と「求められるもの」を学べました。
また、HP の改正・充実のほか、jaih-s 紹介の展示用パネルの作成などにより、より多くの人に
jaih-s を知ってもらい、情報提供できるように、多角的な方面からアプローチしていきました。今
後とも、第一歩を踏み出したばかりの企業との関係を大切にしながら、国際保健へ興味を持つ全国
津々浦々の人々が、jaih-s を通じて道が開けるように運営委員一同邁進していきたいと思います。
42
jaih-s の新たな取り組み
今期 jaih-s では、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の一環として民
間企業の方と一緒に活動を広げることはできないか、また jaih-s の今後の活動継続のために活動
資金の一部を企業の方に協力していただくことはできないだろうかと模索してきました。
その経緯から、武田薬品工業様よりご協力いただき、
2009 年 5 月 10 日「国際保健シンポジウム~世界へ踏み出す学生たちへ~」
の企画をたちあげることができました。
国際保健に興味を持つ学生は多いですが、その学習環境は不十分です。
特に学生のニーズに比べ、長期・短期研修やインターンなどのより国際保健の現場に近い活動の参
加機会は少ないのが現状です。そこで、海外における実習を経験した学生と国際保健に関わる企業
人や NGO 関係者を招いて現場の声を届けるとともに、国際保健体験を欲している学生に対し、国際
保健における early exposure のターミナル的存在、学生フィールドマッチングを紹介しました。
この企画を通して、国際保健に興味を持つ学生が「国際保健の現場」で活動する魅力を感じ、将来
のキャリアとして国際保健分野を考えるきっかけとなることを目的としました。
■会期: 2009 年 5 月 10 日
14:00~17:00
■会場: 早稲田大学 国際会議場
第一会議室
■主催: jaih-s (日本国際保健医療学会・学生部会)
■後援: 武田薬品工業株式会社
■対象: 国際保健に興味のある学生、特に将来の選択肢として国際保健に携わりたいと考えてい
る学生、海外での経験を希望する学生。
■開催内容
1)開式(司会:荒井三記子)
2)jaih-s とマッチングについて(代表:船戸真史)
3)学生フィールドマッチングの活動報告
・石黒 彩 氏(帝京大学医学部医学科 6 年)
「ボリビアでの JICA プロジェクト見学」
「バングラデシュでのコミュニティヘルス見学」
・伊東 孝晃 氏(慶應義塾大学看護医療学部 3 年)
「インドネシアの感染症対策と日本の支援」
4)プロフェッショナルの声~企業と NGO の視点から~
・山本 敏晴 氏(NPO 法人 宇宙船地球号 事務局長)
・金田 晃一 氏(武田薬品工業株式会社コーポレート・コミュニケーション部 シニア・マネ
ージャー)
43
5)パネルディスカッション(40 分)
ファシリテーター
増田響子
(東京大学大学院修士1年)
学生パネリスト
石黒彩
(帝京大学医学部医学科 6 年)
学生パネリスト
伊東孝晃
(慶應義塾大学看護医療学部 3 年)
NGO・NPO 側パネリスト
山本敏晴氏 (NPO 法人宇宙船地球号事務局長)
企業側パネリスト
金田晃一氏 (武田薬品工業株式会社コーポレート・コミュニケ
ーション部シニア・マネジャー)
プロフェッショナルの声
・山本 敏晴 氏(NPO 法人 宇宙船地球号 事務局長)
<講演概要>
アフガニスタンの不幸な事件が日本の豊かな生活とつながっていることを感じて欲しい、このシ
ンポジウムでみなさんの夢を見つけてアメリカの 911 事件後空爆は悲惨でしたが、とどめを刺した
のが水、地球温暖化です。アフガンの降水量の減少による水の奪い合い。農耕民族と遊牧民族との
争い。つまり温暖化を加速する私たちの行動であることを認識して欲しい。
国際協力とは、何をやるか?疫学入念な問題を見極める能力が必須である。ただ行くだけは迷惑
で、自己満足にならないためのコツは数字で目標を立て、結果を出すことが大事である。
また現地の文化は尊重しなければならない。任期が終わったら帰るのだから、文化や宗教に受け
入れられ、定着していることが大事。言葉を勉強するのは最低条件。
政治、経済、教育、医療、環境すべてを一人できるわけではないし、どこをやってもよい。地球
の未来を良くするためには物事を並列に考える必要がある。医療だけやってもだめ。みんなが幸せ
になるように世界へ目を向けよう!
・金田 晃一 氏(武田薬品工業株式会社コーポレート・コミュニケーション部 シニア・マネージ
ャー)
<講演概要>
CSR とは、事業の遂行にあたり人権・労働・環境面に配慮することであり、社会貢献であると同時
に、社会との相互関係の中に存在する企業自身の持続可能性を高めるための経営戦略でもあるり、
それらを成立させるために CSR を実施する上では、
①ステークホルダー
②法律の遵守、倫理的行動、説明責任
③生産関係(本社・子会社・サプライチェーン)
④近年の社会における CSR の拡大という 4 つの視点を必ず考慮する必要がある。
また、CSR の動機には使命感だけではなく、対忚動機、利益動機の3つがありその3つが重なり合
い CSR の実際の事業は成立している。
武田工業製薬の CSR の実践方法はとしては、本業である優れた医薬品の提供、医療品分野での社会
支援、健全かつ効率的な企業運営などであり企業のすべての事業が CSR に関わっているとも言える。
今後、製薬会社として、遺伝子情報などの個人情報、CRO 管理、薬を作る際の発展途上国との利益
配分、特許の取得などの課題に取り組んでゆくことが武田工業製薬の課題であると考えている。
44
パネルディスカッション
金田先生、山本先生から、実際にフィールドに行って経験するというのは素晴らしい、また、世
界を知った上で日本で仕事を行うのは良いのではないか、とパネリストの学生のフィールド経験を
忚援するメッセージをいただきました。また学生から山本先生が提唱しておられる「国際協力師」
の在り方に関して、現状の難しさ、国際協力を目指すものの受け皿となるべく NPO、企業の在り方
に関する質問がとび、NPO に対する募金、寄付、CSR 企業に対する投資、民間企業での NPO 出身者
の雇用など国際協力を支える多様な集団や体制ができつつあるという示唆をいただきました。その
ほか、NPO や民間企業の社会に対するインパクトについての議論では、国レベルから地域に根差し
た小さな NPO まで様々なレベルがあり、企業に関しても大企業、中小企業と様々で、それぞれが異
なるレベルでの重要度、社会からの期待度が存在している、という指摘がされました。そのほか「企
業の CSR 資金を市民社会へ」として、市民創造ファンド、大和助成プログラムなどを例に、政府系
助成金とは違った形での、NPO と民間企業の協働の可能性について話がなされました。
会場からの質疑忚答では、日本の医療に関わることの重要性、パネリスト学生への現在に至るま
での思い、企業の短絡的な利益優先主義ではなく、中長期的に利益を考えることの大切さ、サステ
イナビリティーの重要性が話されました。パネリストの学生から、会場の参加学生に向けて実際に
マッチング企画に参加し是非一歩踏み出してみようというメッセージが送られ、先生方からは、消
費者も企業を育てる意識をもつこと、今自分の好きな分野に徹底的になり情報発信をしていくこと
など、学生として現在の自分が大切にしていくべきことややっていくべきことのメッセージが送ら
れました。
45
全体統括・講師対忚:朴大昊(鳥取大学6年)
広報業務担当:荒井三記子(札幌医科大学5年)
マッチング業務・マッチング参加者対忚:小澤萌(宮崎大学3年)
施設担当:高橋理慧(早稲田大学4年)
会計:森田幸子(香川大学4年)
その他(ロジスティックス・当日受付):桜田美香(宮城大学4年)、佐藤紀子(新潟大学3年)、
木場宣宏(北海道大学4年)、長澤真衣子(大阪府立大学4年)、船戸真史(長崎大学4年)
今回、jaih-s 第4期広報班では、jaih-s 設立 4 年目にして、念願の「企業 CSR へのアプローチ」
に挑戦しました。資金調達の一環として取り組んだわけですが、jaih-s と協働していただけそうな
企業を列挙・電話をさせていただき、そして訪問・・・・この間に本当に多くのことを学びました。
正直なところ、良い企画や分かりやすいホームページを作って国際保健に興味のある学生の役に
立てればそれで満足だと思っていました。確かに 4 期まではそれで良かったかもしれません。しか
し今回、それでは今以上の規模・クオリティの団体にはなれないことを痛感しました。設立以来、
ようやく基盤の安定してきた今の jaih-s に求められているのは「社会の中で必要とされ、社会の
中で持続可能な団体となること。」その大切さを、武田薬品工業株式会社様をはじめ、多くの企業
の方から教えていただきました。学生団体として、企業や他団体と協働し、社会とつながっていく
ことが、jaih-s の魅力に深みをもたらしてくれると信じています。このような、jaih-s の成長の
機会やヒントを与えてくださった企業のみなさまに大変感謝しております。新たな課題の見つかっ
た第 5 期 jaih-s、ますます成長・発展していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
46
事務局企画
【2009 年 3 月 12 日(木)~3 月 14 日(土)佐久総合病院実習】
場所:JA 長野厚生連 佐久総合病院
講師:色平哲郎先生(佐久総合病院地域ケア科医師)
加藤琢真先生(佐久総合病院研修医)
高山義浩先生(佐久総合病院総合診療科医師・厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室)
長純一先生(佐久総合病院地域診療所科医長・小海診療所長)
夏川周介先生(佐久総合病院院長)
西垣良夫先生(佐久総合病院副院長)
内容:jaih-sOB である加藤琢真先生(jaih-s 運営委員、euphoria 有志が佐久総合病院に実習を
受け入れていただきました。西垣良夫副院長先生による佐久病院のお話をお聞きしたあと
に実習を行いました。12 日、13 日の夜には長純一先生より地域医療のお話、高山義浩先
生よりプライマリヘルスケアのお話をお聞きし、また加藤琢真先生、色平哲郎先生を交え
た懇親会も行いました。快く受け入れてくださった佐久総合病院に感謝申し上げます。
3 月 12 日
11:00~
オリエンテーション
12:00~
講演会
「佐久総合病院とは」佐久総合病院副院長
13:00~
各自実習(※1)
18:00~
講演会
「日本の地域医療と現状とそこから見える国際保健」
川村診療所 長 純一先生
地域ケア科 色平 哲郎先生
3 月 13 日
8:30~
各自実習(※1)
18:00~
講演会
「プライマリーヘルスケア/日本の地方の HIV 診療」
佐久総合病院総合診療科
厚生労働省 健康局結核感染症課 新型インフルエンザ対策室
高山 義浩先生
(※1)各自実習では訪問看護、訪問診療、小海分院、小海診療所、救急救命センター、
HIV 外来等の実習内容より各自3か所選び実習させていただきました。
運営スタッフ:責任者 増田響子(早稲田大学4年、事務局)
47
【特別講演企画:
UNICEF ミャンマー事務所
國井修先生
講演
『ミャンマー・サイクロン災害に対する緊急援助とクラスターアプローチ~そこから得た教訓と
今後の展望~』
2009 年 3 月 31 日
】
場所:順天堂大学
講師:國井修先生 (国連児童基金(UNICEF)ミャンマー事務所
保健・栄養部長 )
内容:前半では、ミャンマー・サイクロン災害
の発生後の被災地・被災者の様子をビデ
オを交え紹介して頂き、200 名規模のセ
クターチームによる災害インパクトア
セスメント・レスポンス(栄養・水、健
康、教育・子どもの保護)について、ミ
ャンマー政府の対忚の話などを交えな
がら一つ一つ詳細にお話をして頂きま
した。
後半では、今回の緊急援助における政府-国連-ASEAN-NGO による、クラスターアプローチ
(それぞれのクラスター(農業・栄養など)で様々な人員が参加し、研究手法は専門家を
呼んで、分析には専門家と実務家が関わる)を通した、援助協調による災害後の混乱状態
における効率的な援助の成功体験と今後の災害援助の展望についてお話をして頂きまし
た。
運営スタッフ:責任者 須永萌(国立看護大学校 3 年、事務局)
協力
安東久雄(国立看護大学校 2 年、総会班)
西村直子(埼玉県立大学 4 年、OG)
【第4回学生のための国際協力ワークショップ
『アフガニスタンの保健医療人材育-現場と学生の対話から-』2009 年 7 月 18 日】
主催:東京大学医学教育国際協力研究センター
共催:jaih-s(日本国際保健医療学会・学生部会)
後援:国際保健コンソーシアム
場所:東京大学 医学部教育研究棟
講師:大西弘高先生(東京大学医学教育国際協力研究センター)
アフガニスタン内の 7 医科大学から医師 12 名の先生
内容:東京大学医学教育国際協力研究センターと JICA の協力で実施されている『JICA アフガニ
タン国医学教育プロジェクト』の一貫として、アフガニスタンの 7 医科大学から合計 12 名
のアフガニスタン人医師の先生方、45 名の学生・一般人が参加。アフガニスタンにおける保
健医療、保健医療人材育成の問題、人材育成と保健医療の改善に関する講演を講師の先生方
にして頂き、その後参加者がグループに分かれ問題分析や、アクションプラン開発を行いま
した。
48
運営スタッフ:責任者 須永萌(国立看護大学校 3 年、事務局)
協力 神谷友子(埼玉県立大学 4 年、総会班)
高橋理慧(早稲田大学 4 年、OBOG)
増田響子(東京大学大学院修士 1 年、事務局)
【OBOG 会の発足 2009 年 6 月】
4 期運営委員では、運営委員卒業後も継続して国際保健を志す仲間たちの継続的なネ
ットワークの構築を目指し以下の目的で OBOG 会を発足しました。
<目的>
・現役運営委員と OBOG との親睦をより深める
・OBOG 向けにも活動を展開し OBOG にも jaih-s 企画に積極的に参加してもらう
・現役運営委員が運営委員経験者である OBOG と交流することを通して、
jaih-s の活動の発展やキャリア形成に役立てる
・運営委員が運営委員卒業後も継続的に国際保健を志す仲間と気軽に繋がること
のできる機会をつくり、将来、国際保健分野で活動をする上での継続的な人的ネットワーク
を発展させる
<今後実施する企画>
・運営委員経験者によるキャリア&キャリアデザイン紹介企画(My C.V.)
・OBOG 名簿のアップデート
・OBOG をも対象とした jaih-s 企画の推進
・地域内懇親会の実施(顔を合わせたつながりの強化) など(今後も拡張する予定)
運営スタッフ:責任者 須永萌(国立看護大学校 3 年、事務局)
【大学院アンケート
2009 年 7 月
※実施中】
4 期事務局では、jaih-s が国際保健分野を志す大学院生にとっても有益である団体を
目指して、全国の国際保健分野を専攻する大学院生へのアンケート調査を行った。
<目的>
・国際保健医療を志す大学院生の現況・ニーズを把握する
・jaih-s の活動が大学院生にとっても魅力的な内容になるよう検討する
<対象>
・国内の大学院の国際保健系教室所属の大学院生(全 19 大学院へ郵送)
<実施期間>
2009 年 7 月 1 日~7 月 31 日
運営スタッフ:責任者 船戸真史(長崎大学4年、事務局)
須永萌 (国立看護大学校3年、事務局)
増田響子(東京大学大学院修士1年、事務局)
森田幸子(香川大学4年、事務局)
協力:
国立国際医療センター
49
第 4 期事務局では、jaih-s が日頃からお世話になっている先生方や OBOG、関係機関の方のご協
力やご依頼により、各班活動枞外の様々な企画にも取り組みました。事務局の活動は、組織マネジ
メント(代表・副代表・広報・会計の業務)が主な活動ですが、佐久総合病院実習や OBOG 会発足、
英語を使用するワークショップの開催など、各班活動枞外の企画活動も行うことで、
「今後の jaih-s
の活動幅の広がり・深化につなげる」ということも目的として活動を行ってきました。
そのような意味で今期事務局は、事務局としての核の仕事である運営上の事務作業ということだ
けではなく、企画の実施などを通して jaih-s の活動の発展に貢献しようとする有機的な組織マネ
ジメントを志したと言えるのだと思います。様々な組織マネジメントの形があると思いますが、今
後も「創造しつづける jaih-s」であってほしいと思います。
50
活動実績・お世話になった先生方
*2009 年 6 月 14 日までの実績、お世話になった先生方を掲載しております。
先生方の所属はお世話になった当時のものとなっております。
【2006 年】
◆2006 年 10 月 14 日(土)・15 日(日)
長崎大学
~国際保健への関わりを考える~
◆お世話になった先生方
青木克己先生(熱帯医学研究所所長・寄生行動制御分野教授)
有吉紅也先生(長崎大学熱帯医学研究所 感染症予防治療分野教授)
石川みどり先生(北海道名寄市大学保健福祉学部栄養学科助教授)
喜多悦子先生(日本赤十字九州国際保健看護大学)
國井修先生(国連児童基金(UNICEF)本部保健戦略上級アドバイザー)
駒澤大佐先生(熱帯医学研究所・熱帯感染症研究センター)
谷村晋先生(長崎大学熱帯医学研究所 助手)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際協力局派遣協力課第二課課長)
中村安秀先生(大阪大学大学院人間科学研究科ボランティア人間科学講座教授)
堀尾政博先生(熱帯医学研究所・熱帯感染症研究センター)
松山章子先生(長崎大学国際連携研究戦略本部 兼 熱帯医学研究所)
村上友美子先生(看護師 元 JICA 専門家)
山形辰史先生(日本貿易復興機構アジア経済研究所)
【2007 年】
◆2007 年 10 月 6 日(土) 大阪大学
◆概要
つながる!~わたしとあなた、わたしと世界~ ~開かれた国際保健医療をめざして~
◆参加者数
179 名
◆お世話になった先生方
浅野円香先生(大阪大学大学院人間科学研究科修士 (株)コングレ勤務)
五十嵐久美子先生(特定非営利活動法人 TICO)
池上清子先生(国連人口基金東京事務所所長)
池田光穂先生(大阪大学コミュニケーショーンデザインセンター(CSCD)教授)
大西健丞先生(特定非営利活動法人 ピースウインズジャパン 統括責任者)
大西真由美先生(東京医科歯科大学 准教授)
尾崎敬子先生(元 JICA 母子保健プロジェクトリーダー)
51
國田博史先生(特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン尾道事務所)
高村昇先生(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 原爆後障害医療研究施設
放射線疫学分野(原研疫
学)教授)
高山義浩先生(佐久総合病院 総合診療医)
當山紀子先生(厚生労働省
母子保健課)
林英恵先生 (株式会社マッキャンヘルスケア ワールドジャパン)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際協力局派遣協力課第二課課長)
中田敬司先生 (JICA国際緊急援助隊医療チーム 総合調整部会研修担当委員ロジスティクス
Gr リーダー・東亜大学医療工学部 救急救命コース 准教授)
中村安秀先生(大阪大学大学院人間科学研究科グローバル人間学専攻国際協力学講座
教授)
吉田修先生(特定非営利活動法人 TICO 代表)
【2008 年】
◆2008 年 10 月 25 日(土)・26 日(日)
国立国際医療センター(IMCJ)・国立感染症研究所
◆概要
今を知る、未来を創る
◆お世話になった先生方
熱田泉先生(元システム科学コンサルタンツ所属国立看護大学校元教授)
明石秀親先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力課)
浅見真理先生(国立保健医療科学院水道工学部水道管理室)
池上清子先生(国連人口基金東京事務所所長)
石川みどり先生(北海道名寄市立大学保健福祉学部栄養学科 准教授)
上野ふよう先生(国連人口基金東京事務所 所長補佐)
小幡詩子先生(アジア女性資料センター)
神田浩史先生(特定非営利活動法人 AM ネット)
田辺有輝先生(特定非営利活動法人「環境・持続社会」研究センター(JACSES))
高橋謙造先生(厚生労働省 大臣官房国際課 国際機関専門官)
建野正毅先生(国立国際医療センター派遣協力第一課課長)
ティースマイヤ・リン先生(慶應義塾大学 政策メディア研究科)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際協力局派遣協力課第二課課長)
野崎慎仁朗先生(社団法人国際厚生事業団事業部長先生)
橋爪真弘先生(長崎大学熱帯医学研究所 国際保健学分野助教)
三砂ちづる先生(津田塾大学 国際関係学科 教授)
三好知明(国立国際医療センター 国際医療協力局 派遣協力第二課 派遣協力専門官)
52
【2006 年】
◆テーマ(東西共通)
ユースフォーラム~学生部会の可能性を探る~
◆2006 年 3 月 4 日(土) 西日本地方会ユースフォーラム
神戸大学
◆お世話になった先生方
明石秀親先生(名古屋大学大学院医学系研究科国際保健医療学助教授)
森口育子先生(兵庫県立大学地域ケア開発研究所(国際地域看護)
教授)
◆2006 年 3 月 19 日(日) 東日本地方会ユースフォーラム静岡商工会議所会館
◆お世話になった先生方
レシャード・カレッド先生(医療法人社団福祉会理事長、カレーズの会理事長)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際協力局派遣協力課第二課課長)
【2007 年】
◆テーマ(東西共通):NGO・JICA・国際機関、それぞれの視点とアプローチを学ぶ
◆2007 年 3 月 3 日(土) 西日本地方会ユースフォーラム
名古屋大学
◆参加者数 50 名
◆お世話になった先生方
小林尚行先生(JICA人間開発部母子保健チーム長)
林かぐみ先生(アジア保健研修所(AHI)事務局長)
平林国彦先生(ユニセフ東京事務所 副代表)
◆2007 年 3 月 18 日(日) 東日本地方会ユースフォーラム
国立国際医療センター
◆参加者数 100 名
◆お世話になった先生方
遊佐敢先生(JICA 人間開発部感染症対策チーム)
平林国彦先生(ユニセフ東京事務所 副代表)
山口誠史先生((特活)シェア=国際保健協力市民の会 事務局長)
仲佐保先生(国立国際医療センター派遣協力第二課課長)
53
【2008 年】
◆2008 年 3 月 1 日(土) 西日本地方会ユースフォーラム
岡山大学
◆テーマ:学生時代のすごし方!~今こそ学生活動の意義を問う~
◆参加者数 83 名
◆お世話になった先生方
田中政宏先生 (大阪府立成人病センター)
溝田勉先生 (長崎大学教授、元UNICEF 駐在副代表)
山本秀樹先生(岡山大学院環境学研究科准教授)
◆テーマ:広げよう自分の視野と友達の輪!
~国際保健を志す学生は何を学んでいるの?医療系・非医療系の対話~
◆2008 年 3 月 16 日(日) 東日本地方会ユースフォーラム
早稲田大学
◆参加者数 151 名
◆お世話になった先生方
兵藤知佳先生 (早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター)
若杉なおみ先生(早稲田大学政治経済学術院教授)
【2009 年】
◆テーマ(東西共通):
すべてはすべての命のために
―地域と世界、あなたと私―
~今こそ協力の時~
◆2009 年 2 月 28 日(土) 西日本地方会ユースフォーラム
大阪大学
◆参加者数 30 名
◆お世話になった先生方
山形辰史先生(日本貿易振興機構アジア経済研究所)
角野文彦先生(滋賀県健康推進課課長)
山本秀樹先生(岡山大学大学院環境学研究科国際保健学分野)
小池達也先生(大阪市立大学医学系研究科准教授)
◆2009 年 3 月 8 日(土) 東日本地方会ユースフォーラム
国立国際医療センター
◆参加者数 160 名
◆お世話になった先生方
色平哲郎先生(佐久総合病院地域医療部地域ケア科
医師)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際協力局派遣協力課第二課課長)
本田徹先生(特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会代表理事)
深井穫博先生(深井歯科医院・深井保健科学研究所)
小原真和先生(ネパール歯科医療協力会)
54
【2007 年】
『国際保健の現場を知る・学ぶ・考える合宿』
~ 国際保健を目指す仲間達と自分達の将来像を考えてみませんか? ~
◆2007 年 3 月 16 日(金)~18 日(土)
国立オリンピック記念青少年総合センター
◆参加者数(定員)24 名
◆お世話になった先生
勝間靖先生(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科)
小林敏明先生(外務省国際協力局専門機関課 課長補佐)
嶋根卓也先生(国立精神・神経センター 精神保健研究所)
曽根和枝先生(特定非営利活動法人HANDS プログラムオフィサー)
高橋謙造先生(順天堂大学医学部 公衆衛生学教室)
當山紀子先生(厚生労働省母子保健課)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際協力局派遣協力課第二課課長)
平林久和先生(独立行政法人国際協力機構 東京国際センター人間開発チーム)
藤野有香先生(外務省国際協力局専門機関課)
三上和佐先生(国連開発計画[UNDP] 東京事務所)
【2008 年】
『世界予想図、自分予想図』
◆2008 年 3 月 13(木)16(日) 国立オリンピック記念青少年総合センター
◆参加者数(定員)24 名
◆お世話になった先生
明石秀親先生(名古屋大学社会生命科学国際保健医療学 准教授)
嶋根卓也先生(国立精神・神経センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
佐々木諭先生(新潟大学大学院医歯学総合研究科 国際感染医学講座公衆衛生分野)
小林尚行先生(JICA 人間開発部母子保健チーム長)
高橋謙造先生(厚生労働省大臣官房国際課)
當山紀子先生(厚生労働省母子保健課 主査)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際協力局派遣協力課第二課課長)
平岡久和先生(国際協力機構企画調整部、看護師)
本田徹先生((特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会前代表)
丸井英二先生(順天堂大学医学部公衆衛生学講座教授)
水嶋春朔先生(国立保健医療科学院人材育成部部長)
森田系太郎先生(UNFPA)
依田健志先生(長崎大学熱帯医学研究所 社会環境医学分野 助教)
李祥任先生(特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会)
55
【2009 年】
“ One Step!
知る・学ぶ・行動する―その先の自分へ ”
◆2009 年 3 月 5 日(木)~8 日(日)
国立オリンピック記念青少年総合センター
◆参加者数(定員)23 名
◆お世話になった先生
明石秀親先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
工藤芙美子先生(特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会)
清水孝行先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
神馬征峰先生(東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室)
杉浦康夫先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力課)
鈴木諭先生(社団法人青年海外協力協会)
林英恵先生(株式会社マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパン)
原芳久先生(株式会社 VSOC)
藤田則子先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
单島多麻美先生(国立保健医療科学院 研究課程)
森永太一先生(株式会社 VSOC)
依田健志先生(長崎大学熱帯医学研究所)
56
【2006 年】
◆ 2006.11.25 [東京]
第 2 回医療系学生のための国際協力ワークショップ:アフガニスタンの現状
(*主催:東京大学医学教育国際協力研究センター/共催:jaih-s)
Hedayatullah Salehi 先生(カブール医科大学)
◆お世話になった先生方
大西弘高先生(東京大学医学教育国際協力研究センター)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力第二課課長)
山本太郎先生(外務省国際協力局多国間協力課課長補佐)
◆ 2006.12.23 [東京]
第 1 回国連勉強会シリーズ~ILO のお仕事~労働保健ってなに?~
◆参加者数 26 名
◆お世話になった先生方
川上剛先生(国際労働機関(ILO)アジア太平洋総局)
【2007 年】
◆第 2 回国連勉強会シリーズ
jaih-s×ClubJPO 共催国連勉強会
*主催:jaih-s/共催:Club JPO、順天堂大学公衆衛生学教室
◆ 2007.1.6 [東京]
第1回:「国連で働くって何?~国連の国際保健協力~」
◆参加者数 35 名
◆お世話になった先生方
高橋謙造先生(順天堂大学)
高松郷子先生(UNDP JPO)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力第二課課長)
二井矢洋一先生(Club JPO ML 管理人)
野村真利香先生(順天堂大学医学部公衆衛生学教室助教)
平林国彦先生(UNICEF 東京事務所)
三上知佐先生(UNDP 東京事務所)
◆ 2007.7.7 [東京]
第 2 回:「国連の仕事って?~実例~から学ぶ~」
◆参加者数 44 名
◆お世話になった先生方
菊川穣先生(元 UNICEF エリトリア事務所)
砂川富正先生(国立感染症研究所 感染症情報センター)
斉籐千香子先生(日本 UNHCR 協会理事)
高橋謙造先生(厚生労働省国際課)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力第二課課長)
二井矢洋一先生(Club JPO ML 管理人)
57
◆ 2007.11.17 [東京]
第 3 回医療系学生のための国際協力ワークショップ:アフガニスタンの現状
(*主催:東京大学医学教育国際協力研究センター/共催:jaih-s)
◆お世話になった先生方
サリーハ・ナビザーダ先生(カブール医科大学)
明石秀親先生(名古屋大学大学院医学系研究科国際保健医療学 准教授)
大西弘高先生(東京大学医学教育国際協力研究センター)
山本一彦先生(東京大学医学教育国際協力研究センター センター長)
◆国際協力ワークショップ
講師:仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力第2課)
2007. 5.26 [東京] 第 1 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
-国際保健医療とは?-何故、百日咳(ひゃくにちぜき)で 8 歳の子どもは死んでしまったのか
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 20 名
□ 2007. 6.30 [富山] 第 2 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
地震発生!! 何を知り、何を持ち、何をしに?
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 24 名
□ 2007. 7.21 [東京] 第 3 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
紛争の中で:~患者も医療者も病院も国も貧しい中で・・・~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 11 名
□ 2007.10.20 [北海道] 第 4 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
エイズ罹患率 30%を超えるアフリカで子供たちは?
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 21 名
□ 2007.11.4 [東京] 第 5 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
エイズ罹患率 30%を超えるアフリカで子供たちは?
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 20 名
□ 2007.11.10 [島根] 第 6 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
病院で目にする途上国医療の実態(国際保健概論+途上国における看護)
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 20 名
58
□ 2007.12.1
[滋賀] 第 7 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
エイズ罹患率 30%を超えるアフリカで子供たちは?
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 25 名
□ 2007.12.15 [宮崎] 第 8 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
紛争の中で ~患者も医療者も病院も国も貧しい中で…~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 19 名
【2008 年】
◆国際協力ワークショップ
講師:仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力第2課)
□ 2008.1.19 [名古屋] 第 9 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
紛争の中で ~患者も医療者も病院も国も貧しい中で・・・~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 36 名
□ 2008.5.11 [鹿児島] 第 10 回国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
紛争後のカンボジアで ~患者も医療者も病院も国も貧しい中で・・・~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 14 名
□ 2008.6.14 [大阪] 第 11 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
災害緊急医療援助 地震発生!! ~何を知り、何を持ち、何をしに?~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 43 名
□ 2008.7.5 [香川]第 12 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
災害緊急医療援助 地震発生!! ~何を知り、何を持ち、何をしに?~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 20 名
□ 2008.9.14 [東京]第 13 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
災害緊急医療援助 地震発生!! ~何を知り、何を持ち、何をしに?~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 16 名
59
□ 2008.10.11 [仙台]第 14 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
プライマリーヘルスケア
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 8 名
□ 2008.11.29 [弘前] 第 15 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
「国際保健と災害緊急医療援助」地震発生!! ―何を知り、何を持ち、何をしに?―
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 27 名
【2009 年】
◆2009.1.10 [東京]第 1 回 jaih-s 勉強会 コミュニティ開発とリハビリテーション
―障害と共に生きる人々の社会参加と地域生活を考える―
◆参加者数 27 名
◆お世話になった先生方
石井博之先生(国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科講師)
吉田美穂先生(JICA 専門家 エジプト 障がい者自立支援分野 2006~2008 年)
◆2009.5.16 [東京]euphoria×jaih-s 共催企画
~臨床からプライマリ・ヘルス・ケア将来の国際保健に向けて~
◆参加者数 56 名
◆お世話になった先生方
加藤琢真先生(慶應義塾大学小児科学教室 専修医)
◆ 2009.5.23 [東京] 第 3 回国連勉強会シリーズ 開発途上国と産業保健
~働くという視点から世界の命を考える~
◆参加者数 26 名
◆お世話になった先生方
川上剛先生(国際労働機関(ILO)アジア太平洋総局)
◆ 2009.6.20 [東京]
euphoria×jaih-s 共催企画:
第 1 弾プライマリ・ヘルス・ケア~地域による、地域のためのヘルスケア
◆参加者数 62 名
◆お世話になった先生方
高山義浩先生(厚生労働省健康局結核感染症課 新型インフルエンザ対策推進室室長補佐)
60
◆ 2009.7.18 [東京] 第 4 回学生のための国際協力ワークショップ
『アフガニスタンの保健医療人材育-現場と学生の対話から-』
(*主催:東京大学医学教育国際協力研究センター/共催:jaih-s)
◆お世話になった先生方
大西弘高先生(東京大学医学教育国際協力研究センター)
アフガニスタン内の 7 医科大学から医師 12 名の先生
◆国際協力ワークショップ
講師:仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力第2課)
□ 2009.1.17[岡山] 第 16 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
紛争後のカンボジアで ~患者も医療者も病院も国も貧しい中で・・・~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 16 名
□ 2009.4.18[香川] 第 17 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
紛争後のカンボジアで~患者も医療者も病院も国も貧しい中で・・・~
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 27 名
□ 2009.5.17[金沢] 第 18 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
プライマリーヘルスケア
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 24 名
□ 2009.6.20[長崎]DREAMS×jaih-s 共催企画
第 18 回 国際協力ワークショップ「日本と海外の災害医療援助~1つでも多くの命を救うには~」
(*協力:国立国際医療センター)
□参加者数 46 名
□講師:仲佐保先生(国立国際医療センター)
山下和範先生(長崎大学病院救急部)
水谷和郎先生(兵庫県立姫路循環器病センター)
61
◆2006 年夏期~2009 年春期の実習実施国・参加者数一覧◆
(参加合計人数…81 名)
実施時期 実習テーマ
ホンジュラスにおける社会調査実習
カンボジアにおける学校保健プロジェクト
2006 年
夏期
第5回国際母子健康手帳シンポジウム
社会的弱者に対する保健医療
Hands インターン
ボリビア日本病院実習
国
参加者数
ホンジュラス
5
カンボジア
2
ベトナム
1
タイ・ラオス
6
フィリピン
1
ボリビア
1
合計
聖マリア病院臨床研修国際保健コース実習
2007 年
HIV/TB 疫学臨床研究プロジェクト見学
冬・春
NPO
ROCINANTE 臨床医学実習
16 名
ラオス
1
タイ
2
スーダン
1
合計 4 名
社会調査実習
ホンジュラス
1
母子保健プロジェクト活動視察
マダガスカル
8
2007 年
コミュニティヘルス
バングラデシュ
1
夏
地域における母子保健サービス向上プロジェクト
カンボジア
1
タイ・ラオス
3
社会的弱者救済に対する保健医療
合計 14 名
2008 年
春
母子保健プロジェクト活動視察
マダガスカル
4
農村地域プライマリヘルスケア
ザンビア
1
ネパールにおける医療・公衆衛生活動等の実習
ネパール
3
インド
1
フィリピン
1
ベトナム
1
日本
3
医療活動などの実習
地域保健、コミュニティベース障害児ケア
卒後医師、看護師への研修、中央病院、省病院、
郡病院などレベル別の現状を学ぶ
国連人口基金でのインターン
合計 14 名
2008 年
夏期
社会調査実習
ホンジュラス
1
母子保健プロジェクト活動視察
マダガスカル
3
パキスタン
1
ネパール
2
ヨルダン
1
ベトナム
2
WHO パキスタン 結核対策
ネパールにおける医療・公衆衛生活動等の実習
Prevalence of risk factors of Noncommunicable
Disease among Pakestianine Refugee
保健プロジェクト視察および拠点病院臨床実
62
習
結核対策と臨床研究の接点を探る
ベトナム
1
バクザン省における地域リハビリ活動
ベトナム
1
ベンチェ省における心臓疾患児の早期発見技
術協力活動
ベトナム
1
母子保健プロジェクト活動視察・参加臨床見学
カンボジア
1
自然・人為災害から医療支援を考える
フィリピン
3
インドネシア
1
モンゴル
2
鳥インフルエンザを含む日本の支援
歯科診療所での臨床実習
合計 20 名
2009 年
春
ネパールにおける医療・公衆衛生活動等の実習
ネパール
2
Prevalence of risk factors of Noncommunicable
Disease among Pakestianine Refugee
ヨルダン
2
保健プロジェクト視察および拠点病院臨床実
習
ベトナム
2
フィリピン
4
インドネシア
3
コミュニティヘルス・医学生フィールド実習参加
およびコミュニティベース障害児ケア
インドネシアでの感染症対策および日本の支援
合計 13 名
◆参加者の内訳◆
【学校別】
UCLA 公衆衛生大学院、愛知医科大学、旭川医科大学(3)、岡山大学(2)、鹿児島大学、金沢大学、
北九州市立大学、岐阜大学、京都大学、京都府立医科大学、慶忚義塾大学(4)、高知大学(2)、神戸
大学神戸大学大学院(2)、国立看護大学、佐賀大学、産業医科大学、三重大学、滋賀医科大学(5)、自
治医科大学(2)、島根大学、昭和大学、信州大学、聖路加看護大学、帝京大学(2)、東京医科歯科大学
(3)、東京大学(3)東京大学大学院(2)、東北大学
、独協大学、鳥取大学、富山大学、長崎大学、長
野看護大学、名古屋市立大学、名古屋大学、奈良県立医科大学、福岡大学、北海道大学(3)、宮崎大
学(4)、山口県立大学、山口大学、横浜市立大学(2)、非公開希望(15)
【専攻別】
63
◆過去のフィールド実習国◆
【地域別割合】
【過去の実施国一覧】
インド、インドネシア、カンボジア、タイ、ラオス、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ベ
トナム、モンゴル、日本、パキスタン、ヨルダン、ザンビア、スーダン、マダガスカル、ボリビア、
ホンジュラス (合計
18 カ国 )
◆過去の実習受け入れ先の先生方一覧◆
◆2006 年夏期
仲佐保先生(国立国際医療センター)
越渡詠美子先生(NPO 地球の保健室)
中村安秀先生(大阪大学大学院)
小林潤先生 (国立国際医療センター)
梶英樹先生 (HANDS)
秋山稔先生(国立国際医療センター)
◆2007 年冬・春期
櫻田紳策先生(国立国際医療センター)
川原尚行先生(NPO/国際 NGO
ロシナンテス代表/理事)
浦部大策先生(医療法人雪ノ聖母会聖マリア病院国際協力部部長)
中野博行先生(医療法人雪ノ聖母会聖マリア病院 国際協力部小児科保健医療協力部長)
◆2007 年夏期
仲佐保先生(国立国際医療センター)
松井三明先生(国立国際医療センター)
64
Dr. Shafi Ullah Bhuiyan
小原ひろみ先生(国立国際医療センター)
小林潤先生(国立国際医療センター)
◆ 2008 年冬・春
松井 三明先生(国立国際医療センター)
田淵 幸一郎先生(特定非営利活動法人 TICO ザンビア事務所)
北嶋 信雄先生(日本生活協同組合連合会医療部会)
神谷 保彦先生(長崎大学熱帯医学研究所)
秋山 稔先生(国立国際医療センター)
池上 清子先生(UNFPA 東京事務所)
◆2008 年夏
仲佐 保先生(国立国際医療センター)
松井 三明先生(国立国際医療センター)
江上 由里子先生(国立国際医療センター)
北嶋 信雄先生(日本生活協同組合連合会医療部会)
Dr. ABU-ZAYED, Ishtaiwi(UNRWA (United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees
in the Near East) )
Dr. Ali Moh'd Khader (同上)
秋山 稔先生(国立国際医療センター)
板東 あけみ先生(ベトナムの子ども達を支援する会)
小原 ひろみ先生(国立国際医療センター)
鵜飼 卓先生(特定非営利活動法人災害人道医療支援会 HuMA 理事長)
中田 啓司先生(同上、東亜大学)
垣本 和宏先生(国立国際医療センター)
黒田 耕平先生(神戸医療生協)
◆2009 年春期
垣本 和宏先生(国立国際医療センター)
神谷 保彦先生(国立国際医療センター)
秋山 稔先生(国立国際医療センター)
北嶋 信雄先生(日本生活協同組合連合会医療部会)
Dr. ABU-ZAYED, Ishtaiwi(UNRWA (United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees
in the Near East))
Dr. Ali Moh'd Khader (同上)
◆ 2009 年夏期
2009 年 7 月 3 日現在第二次選考中にて、実施実習は未確定
65
◆2009 年 3 月 12 日(木)~3 月 14 日(土)佐久総合病院実習
*jaih-s 運営委員、euphoria 有志で佐久総合病院に実習を受け入れていただきました。
色平哲郎先生(佐久総合病院地域ケア科医師)
加藤琢真先生(佐久総合病院研修医)
高山義浩先生(佐久総合病院総合診療科医師・厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室)
長純一先生(佐久総合病院地域診療所科医長・小海診療所長)
夏川周介先生(佐久総合病院院長)
西垣良夫先生(佐久総合病院副院長)
◆2009 年 3 月 31 日(火)
特別講演企画:
順天堂大学
UNICEF ミャンマー事務所 國井修先生
講演
『ミャンマー・サイクロン災害に対する緊急援助とクラスターアプローチ~そこから得た教訓と今後の
展望~』
◆お世話になった先生方
國井修先生 (国連児童基金(UNICEF)ミャンマー事務所 保健・栄養部長 )
◆2009 年 5 月 10 日(日)
早稲田大学
世界へ踏み出す学生たちへ
~国際協力シンポジウム for
Youth~
◆主催: jaih-s (日本国際保健医療学会・学生部会) 後援: 武田薬品工業株式会社
◆参加者数 147 名
金田 晃一 先生(武田薬品工業株式会社コーポレート・コミュニケーション部 シニア・マネージャー)
山本 敏晴 先生(NPO 法人 宇宙船地球号 事務局長)
◆その他
石井明先生(自治医科大学名誉教授・日本国際保健医療学会理事長)
そのほか大勢の方々にお世話になりました。
どうもありがとうございました。
66
jaih-s 活動体験記
行きたかったけど行けなかったあの企画。もう一度聞きたいあの講義。
今期に行われた jaih-s 企画の一部を、活動体験記としてまとめました。
――jaih-s でどんなことを学んでいるの?
――興味はあるけどなかなか時間が取れない。
体験記を読んで、尐しでも jaih-s の活動に触れてみてください。
企画の詳細やご報告は随時 jaih-s のホームページにアップしています。
そちらも併せてご覧ください。http://www.jaih-s.net/
jaih-s 活動体験記 目次
第 16 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健
~紛争後のカンボジアで ~患者も医療者も病院も国も貧しい中で…~……………………68
岡山大学工学部4年
jaih-s 運営委員
渡辺 大
One step 世界のいのちのために
jaih-s 国際保健トレーニング合宿
知る・学ぶ・行動するーその先の自分へ…………………………………………………………….……72
香川大学医学部4年
jaih-s 運営委員
鈴井 泉
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活動体験記
‐勉強会‐
2009.1.17[岡山]
第 16 回 jaih-s 国際協力ワークショップ~誰にでもわかる国際保健~
紛争後のカンボジアで
~患者も医療者も病院も国も貧しい中で…~
(*協力:国立国際医療センター)
岡山大学工学部4年
jaih-s 運営委員
渡辺 大
17:20~ jaih-s のご紹介
会の概要
17:30
終了
【開催日時】 2009 年 1 月 17 日(土) 14:00~17:30
18:00~ 懇親会
【会場】 岡山大学病院 入院棟 11 階
カンファレンスルーム C
この会は、現在も世界中に約 3000 万人強存在する
【主催】 jaih-s、岡山大学(I.F.F)
難民・国内避難民に対する理解を深めることを目的
【協力】 国立国際医療センター
として、jaih-s と岡山大学(I.F.F)によって開催された
【参加者】
勉強会である。講師としては、現在、国立国際医療
16 名
内
【参加費】 300 円(懇親会参加は別途)
センター国際医療協力局派遣協力第二課長としてご
【講師】 仲佐保先生(国立国際保健医療センター)
活躍されている仲佐保先生をお招きした。
【講師経歴】 東京生まれ。1980 年に広島大学をご
卒業後、国立病院医療センター、現在の国立国際医
0.
構成
療センターで、研修医を修了。1981 年の第8次カン
本会は難民・国内避難民に対する一般的な知識を
ボジア難民救援医療チームへの参加を皮切りに、ボ
学ぶワークショップ。先生自身も難民救急医療チー
リビア、パキスタン、ホンジュラスなどで、長期専門家、
ムの一員として派遣されたカンボジアをモデルケー
リーダーとして業務にあたる。現在、国立国際医療
スとして、紛争後の復興についてグループディスカッ
センター国際医療協力局派遣協力第二課長。
ションを行うケーススタディ。そして、実際カンボジア
で行われた復興の様子も盛り込んだ、勉強会全体の
【プログラム】
まとめ。以上の三部構成としていた。
14:00~
イントロダクション
14:05~
アイスブレーキング
本日のプログラム
・ グループ分け、自己紹介
14:20~
ワークショップ(仲佐先生講義)
• 難民/国内避難民とは何か?
– 難民の歴史
– 世界の人道援助の経緯
– 紛争問題の複雑化:Complex Humanitarian Emergency
・ 本ワークショップのご紹介
・ 「緊急人道援助から長期開発へ」
• ケーススタディ(グループワーク)
15:20~ ケーススタディ (グループワーク)
– 紛争後のカンボジアで
16:20~ 休憩
• まとめ
16:30~ まとめ
・ 各グループの発表
・ 仲佐先生からのコメント
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部でしかなく、難民の援助を行うだけでは、問題の根
1.1 ワークショップ
本的な解決は図れないということを、先生ご自身の
そもそも難民とはどのような人たちの事を指すのか、
経験から講じていただいた。
なぜそのような人たちは生まれるのか、といった根
本的な知識から教えていただき、その上で、近年の
世界の人道援助:1980年代以降
紛争・難民発生の原因は複数の要素が絡み合って
•
•
•
•
おり、ただ難民に向けて外部から援助を行うだけで
は事態は解決しないようになってしまったことを知っ
た。
~1960
1960’s
1970前後
1970’s
• 1980’s
• 1990’s
宗教的・慈善的医療
干ばつ避難民食糧援助
自然災害被災民保健援助
飢饉対策
思想対立
内戦
• 1990後半 テロ
• CHE(複合災害・地域紛争)
問題が複雑化している!
紛争と難民/国内避難民
• 難民 refugee
– 人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するな
どの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐
れがあるために他国に逃れた人々
(1951 年「難民の地位に関する条約」)
• 国内避難民 Internally Displaced People:IDP
– 紛争などによって住み慣れた家を追われ避難。難民と違うのは、国
境を越えず、国内で避難生活を送っていること。
また、ワークショップの後半では、ケーススタディで扱
紛争の際に大きな影響をうけるのは
弱い立場にある難民や国内避難民――
彼らは、外部からの援助なしには生活できない。
うポルポト政権崩壊後のカンボジアを理解するため
に、カンボジアの近代史、ポルポト政権が行ってきた
事と、その結果を学んだ。
難民・避難民の原因
• 自然災害
CHE(複合災害・地域紛争)の特徴
– 地震・火山爆発・台風/ハリケーン・洪水
– 干ばつ・飢饉・水不足・大規模洪水
– 環境破壊が誘因?
• 国家間戦争ではない。
– 戦場と居住区, 農業牧畜の場の区別が無い。
– 職業的兵士でなく, 民兵化一般住民が戦う。
• 複合災害
– 感染症流行・人口移動・・・
– 地域武力紛争(CHE)
Complex Humanitarian Emergency
• 犠牲は一般住民が多い(90%以上)。
– ジェノサイドや民族浄化など, 人権問題が発生しやすい。
– 遷延化し, 地域を巻き込みやすい。
• 他にも…
– 外部(人道)介入が真の解決につながらない。
– 援助者の治安が保障されない。
– PKOや軍隊の関与を要する。
以上のことから、難民の発生というのはそれだけが
解決すべき問題なのではなく、もっと深層に潜む原
因 ― 貧困・低開発・不健康・不公正人権抑圧・ジェ
ンダー等 ― によって生み出された問題の本の一
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解決できるのではないかと考えた。
人道援助は何をしてきたか
食糧援助
設問2
UNTACより、各家族への援助があります。
保健医療
・400日分の食料
・家庭用品、農機具
上記の2つと、下のA、B、Cの中のいずれかひとつ
A. 1ヘクタールの農地
B. 1アールの農地と家
C. 現金(大人一人50ドル、子供一人25ドル)
水・衛生
どれを選びますか。
1.2 ケーススタディ
設問1
設問 2 では、A と B でかなり意見が分かれたように思
あなたは、家族5人(奥さんと12歳以下の子供3人)とタイの
難民キャンプから、帰国しました。自分の故郷であるコンポン
チャム州に帰ってきました。さて、これから、あなたは、ここで
生活をしていかなくてはなりません。
う。生きていくことを考えたときに、1 アールの土地が
あれば自給自足していくのには十分だろうか、家は
もらわずとも、人々と協力して建てることができるの
課題は、何でしょうか。
でないか、と言った議論が交わされた。C 案は、そも
そもお金にきちんとした価値が存在するのかどうか
怪しく、いつ使えなくなるか分からないという理由で、
敬遠された。
紛争直後のカンボジアをモデルとして、もし自分がカ
ンボジアの復興に携わるとするなら何ができるか、と
いう点について、参加者同士で話し合い、答えを模
設問3
索した。
課題に対しての解決策を分類しましょう。
設問 1 に限ったことではないが、明記してある情報以
外は自分たちで創造しなければならない。例えば設
1. 短期的なものか、中・長期的なものか
2. コミュニティレベルか、政府レベルか
問1なら、帰ってきた故郷の状態はどうであるか、そ
こに知り合いはいるのか、全住人はこちらに協力的
なのか、ほかのコミュニティーはあるのか、畑を持つ
ことはできるのか、病院はあるのか、疾病は何か、
子供の教育は必要なのか、そもそも学校はあるのか
等、挙げればキリがない。
設問 3 では打って変わって広い視野で問題を捉える
必要があった。一度国の仕組みが壊されているとす
私のグループでは、人同士のつながりを作って行くこ
るならば、短期的には政府は機能できない。人々の
とに焦点を置いて課題を解いていった。設問1であ
ライフラインはコミュニティーレベルで行ってもらい、
れば、まず最初にするべきことはそこのコミュニティ
政府はその間に国の仕組みを立て直す。徐々にコミ
ーに溶け込むことであり、次にそこにすでに存在して
ュニティーレベルでの横のつながりを確立して行き、
いるであろうルールを知ることだと考えた。衣食住の
長期的には立ち直った政府がそれらを管理し、再び
問題に関しては、コミュニティーの助けを得られれば
国の形を取ることができるようにする。
70
以上のような議論が私のグループではなされた。
前述したように、これらの設問では細かい設定があ
私がこの一つの答えあわせで一番驚いたのは、私
えて省かれている。それ故に、はっきりと正しい答え
たちがスタディーケースで考えていたコミュニティー
というものもなかった。しかし、一つの答えを得ること
の形成、横のつながりを作るといった作業が、このポ
よりも、このように自ら難民復興という問題に仮想的
ルポト政権後のカンボジアでは非常に難しく、またそ
にせよ踏み込み、様々な価値観や意見を持つメンバ
れ故に復興が困難だったと言う点だ。この原因はポ
ーと意見をぶつけ合わせ、私たちの案をはじき出す
ルポト政権が密告を奨励した結果であり、国民が自
過程から学ぶことは多かったように思う。
分の家族以外の人間を信用できなくなってしまった
からだ。ポルポト政権が命に対して残虐だっただけ
1.3 まとめ
でなく、その後の人々の心にも深い影を落としていた
ケーススタディでは紛争復興について、比較的自由
ことで、改めて事態の深刻さを思い知らされた。
な議論をしてきたが、それでは実際にカンボジアで
行われた復興とはどのようなものであったのかにつ
いて、先生に講演していただいた。
2. 感想
私はこの会が行われた年の前の年に東南アジアに
留学をしており、そこで活動する NGO 団体を回る中
UNTAC
で、jaih-s の活動を聞き、帰国後 jaih-s の HP 上でこ
– 国連による平和維持活動
– 1991年 パリ協定で設立が決められる。
– パリ協定では、包括的な解決プランの作成が目指された
の勉強会を発見し、参加することができた。
カンボジアは折りしも前年に直接訪れ、今の姿を体
UNTACの役割
感していただけに、ここに至るまでの過程が厳しい道
– 新政府樹立までの間の行政責任
(外交、防衛、財政、公安、情報など)
– 外国軍隊の撤退、停戦の監視、モニター、検証
– 一般的人権の監視
– 難民及び避難民の帰国と再定住の促進
– 国の再建と復興への道筋をつけた
のりであったことを学び、そして、難民問題の原因の
深さや、その結果の悲惨さを知った。
また、それまで私は知識を受動的に得ることしかして
いなかったが、今回のケーススタディでお互いに意
初めに機能していない政府の代わりとして国連の機
見を出し合い、一から復興を考えることで、知識は得
関がカンボジアに入り、政府が持ち直すまで治安維
るだけではなく出すこともできないといけないことを
持や行政を行う。また、ポルポト政権下では多くの知
痛感した。
識人が殺され、つまり教師や医者の数が激減してい
最後に、私は非医療系ということもあり、これまで国
たので、その教育の再開。そして、紛争で壊された橋、
際保健について興味を持つものが周りにいなかった
道路などのインフラを整えて行く。
のだが、この勉強会に参加することで多くの仲間に
出会うことができた。志の高い仲間からは良い刺激
を受けることができ、さらに知識や経験を積みたいと
思うようになれたことは、今回の勉強会で得た大きな
カンボジアにおける医療従事者の数
1964年
1979年
1980年
1991年
収穫の一つであると思う。
医師・・・300人
医師・・・43人
医療従事者教育の再開
医師・・・706名、医師の助手・・・1,100名
歯科医師・・・37名、歯科助手・・・32名
看護師・・・2,379名、看護助手・・・5,510名
助産師・・・1,076名、助産師助手・・・1,593名、
薬剤師・・・ 273名、薬剤師助手・・・49名
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活動体験記 ‐合宿‐
2009.3.5-3.8[東京]
One step 世界のいのちのために
jaih-s 国際保健トレーニング合宿
知る・学ぶ・行動するーその先の自分へ
香川大学医学部4年
jaih-s 運営委員
鈴井 泉
【開催日時】2009 年 3 月 5 日(木)~8 日(日)
「3つの遅れ」モデル
【会場】 国立オリンピック記念青少年総合センタ
ー(東京)
【主催】 jaih-s
<講義について>
・
「国際保健とは」「日本の国際保健協力の取り組
み」
Socioeconomic /
cultural factors
1st delay
Accessibility of
facilities
2nd delay
Quality of care
3rd delay
Deciding seeking care
Reaching health facility
Receiving treatment
先進国と開発途上国での死亡原因を学び、開発途
(Thaddeus & Maine 1994)
上国の特徴やミレニアム開発目標、国際保健医療
学、衛生学、公衆衛生の違いを学び、WHO を例に、
国際協力のパラダイムシフトを学んだ。
・
MDGs
「地域保健」
タイでの下痢プロジェクトを例に、地域での保健活動
の方法やその問題について学んだ。予防を心がける
•
•
•
•
•
•
ゴール1.極度の貧困と飢餓の撲滅
ゴール2.初等教育の完全普及の達成
ゴール3.ジェンダー平等推進と女性の地位向上
ゴール4.乳幼児死亡率の削減
ゴール5.妊産婦の健康の改善
ゴール6.HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓
延の防止
• ゴール7. 環境の持続可能性確保
• ゴール8. 開発のためのグルーバルなパートナーシ
ップの推進
ためには、住民の問題の意識化が重要であり、その
意識化を促すには地域住民が主体となって考えてい
くことが必要だと感じた。
・
「発展途上国におけるヘルスプロモーション」
ネパールの事例からヘルスプロモーションの定義や
国・学校・学童レベルでの学校保健戦略を学んだ。こ
れを知らないと隠された企業利益に気づけない問題
点、地域の人々に意思決定段階から関わってもらう
ことで、現地の人々が援助機関に左右されない根付
・
「世界の母子保健」
いた長期的な学校保健が実現できると感じた。
世界の母子保健の現状とその対策、なぜその対策
が遅れるのかを「3 つの遅れのモデル」を通じ学び、
また保健人材の育成について学んだ。
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た。しかし、色々な人が自分の意見をカードに書くこ
とで、各自の持つアイディアの抽出とその共有をは
ヘルスプロモーション
かりながら、関係者の立場になった目線で何が問題
環境改善+健康教育
で、何が必要かを考えていった。また原因と結果を
たばこ税の増額
分煙、広告禁止・・・
考え、その考えをつめていくと、それが論理だった思
環境改善
考に意見になり、その中で、確実なことがわかり、ど
健康
/QOL
こを解決すれば最も効果的なのか、見えてくるように
健康教育
なった。実際の現場では、もっと違う背景を持った人
や母国語が違う人とも意見を出し合い、まとめてい
個人を取り巻く環境、法、制度の変革
かなければならない。そのようなときに、ただ漠然と
話し合えば、お互いの立場での目線でしか主張をせ
・
「国際保健と感染症」
ず、平行線になるかもしれない。しかし、この手法を
マラリアの治療と予防について基礎知識から発展途
用いれば、よりスムーズな話し合いと効果的なプロ
上国における問題点などを学んだ。国際保健に関わ
ジェクトが作れると感じた。また、この PCM の手法は
る上で知っておくべきことを学んだ。
現実の現場だけではなく、まずは自分の身近なとこ
ろから実践していくこともできると感じた。人生には
<PCM 演習について>
様々な場面での意思決定が必要となるが、そのよう
二日間に渡り、PCM(プロジェクトサイクルマネージメ
なときにこの PCM 手法を忚用し、問題点と解決法を
ント)について講義を受け、グループに分かれて実践
模索することも可能だろう。
演習をおこなった。まず、講義では、PCM はプロジェ
クトの運営管理手法であり、一貫性・参加型・論理性
という特徴を持つことを知った。誰が見ても明らかな
プロジェクトの設計図を、多種多様な意見を反映させ、
カードを使った話し合いにより、原因と結果、手段と
目的、という側面で話し合っていくという手法であっ
た。具体的手法は、まず関係者の分析を通じて現状
把握を行い、プロジェクトで支援すべき関係者を選定
し、ターゲットグループが抱える問題の因果関係を考
<キャリアラウンド>
え、中心問題を起点として分析を広げ、ターゲットグ
国際保健の分野で活躍される幅広い分野から 4 人
ループの抱える問題の全体整理を行うことである。
の若い先生に、学生が直接色々な質問ができる企
その後、問題が解決された将来の望ましい状態とそ
画だった。青年海外協力協会、医師、戦略プランナ
れを導くための「手段―目的」の関係を樹形図にまと
ー、看護師の方が来られ、自己紹介の後に、学生 5
める作業を行い、複数のプロジェクト案を比較し、実
人グループで各先生のテーブルをまわって質問させ
行プロジェクト案を選択するのである。この作業を、
てもらった。
各グループ 8 人前後でケーススタディから行った。
グループでまわることで、直接先生と話す時間があ
この演習を通じて、ひとつのシステムに当てはめて
り、以前から悩んでいたことやその場で思いついた
意見を出してまとめていくと、何が大切で、効果的で、
疑問などを率直に投げかけることが出来た。自分の
確実で、必要なことなのか、抽出できるということが
将来の専門分野に近い先生には、日本で働きなが
わかった。最初にケーススタディを読んだ後は、色々
ら、国際保健の分野に飛びこんだ動機やその意思
な問題がありすぎて、何から手をつけていいのか、
決定の判断材料を伺うことが出来た。
何からどのように取り組めばいいのかわからなかっ
また、女性の方には仕事と結婚の両立や子育てに
73
ついても伺うことが出来た。学生同士で特に女性だ
違いを生み出し、お互いの理解を困難にしているが、
けになると、専門を磨き、その後国際保健の分野に
だからといって特別に違うものでもないことを感じた。
も関わろうという自分のキャリアプランと、家庭を持ち、
子供を生み育てたいファミリープランの両立できるか
どうかが話題にあがる。しかし、どのように両立させ
るかどうかについて、なかなか聞ける機会がないの
が現状だが、この機会を通じて話を伺えてよかった。
また、先生方の話を聞く限り、自分の興味があるこ
とは何事もチャレンジしてみて、やってみて、自分に
合うか合わないか、譲れないものを見つける方法も
あることを学んだ。ある先生が、国際保健の自分の
関わり方として戦略プランナーを選んだ理由は、イン
<知り合った仲間たち>
ターンを経験した WHO にはない、プランナーの持つ
3 泊 4 日の短い期間だったが、講義や PCM 演習を
「スピード感」が自分には大切で、譲れないことだと
経という濃厚な時間を過ごし、大切な友人になれた。
おっしゃったことが印象的だった。頭の中で考えるよ
休み時間やグループワークの時などに、お互いの将
りも、実際に自分も色々チャレンジして、何が大切な
来の夢や不安や、どのようにして達成するかなど真
のかをみつけたいと感じた。
剣に話しあったり、お昼ご飯を桜の下でたわいもない
<ユースフォーラム>
話をしながら、笑いあったりした。その中で、お互い
最終日には東日本地方会ユースフォーラムに参加
の考えを共有し、刺激し合えたと思う。また参加者の
した。第1部のワークショップでは、「コミュニティヘル
多くが、フットワークが軽く、色々なことをしたり、日本
スとプライマリ・ヘルス・ケア」で、プライマリ・デルス・
や海外の色々な場所に行って感じた話を共有するこ
ケアの 5 原則について学び、その後グループでホン
とで、自分も新たな関心や興味がわき、刺激を受け
ジュラスの事例を使って、「地域の人々が自分達の
た。
力で最も率先して解決できる問題」という視点から、
<3 泊 4 日を経て>
問題点や解決策を考えた。
私の場合は、普段は香川で生活しているので、な
第 2 部では、コミュニティヘルスとグローバルヘル
かなか他の大学の学生や活動的な学生に出会う機
スの観点から「世界のコミュニティの協力」について、
会も、国際保健についてじっくり学ぶ機会も尐ない。
パネルディスカッションが行われた。両先生をお聞き
しかし、この短期間で濃縮な合宿のおかげで、国際
した感想として、コミュニティヘルスとグローバルヘル
保健について専門分野の先生の講義を受け、PCM
スは同じであることを感じた。グローバルヘルスが特
演習のノウハウを学び、将来の参考になる話を若い
別なものではなく、地域の中に世界が凝縮されてい
先生に伺え、そして貴重な刺激しあえる仲間に出会
るだけであり、同時に、今、自分の周りで起こってい
えたことを嬉しく思う。先生方、関係者の方々、そして
る同じことが明日世界のどこかで起きるかもしれない
この合宿を企画し運営してくれたスタッフの皆さんに
し、世界で起こっていることが日本で起こるかも知れ
心から感謝している。
ないからだ。そして、コミュニティヘルスとグローバル
ヘルスのふたつ
の違いは対照にする「地域」が自分の周囲にあるか、
遠い場所にあるかだけの違いであると感じた。確か
に、その距離の違いが、文化・宗教・言語・価値観の
74
jaih-s 座談会
-なんで国際協力に興味をもったの?
-jaih-s 運営委員になったきっかけは?
-実際に活動してみてどうだった?
誰もが抱くそんな疑問。今回 jaih-s では運営委員による座談会を企画し、仲佐先生を
交えてあらためて運営委員どうしで意見交換を行いました。
国際協力に興味がある人、これから運営委員になろうと考えている人、少しでもみなさ
んの参考になれば幸いです。
参加者:
伊東孝晃(慶應義塾大学看護医療学部3年/第4期後半運営委員)
香川悠(千葉大学医学部6年/第3期前半~第 3 期後半運営委員)
須永萌(国立看護大学校3年/第 3 期後半~第4期後半運営委員)
高橋理慧(早稲田大学国際教養学部4年/第4期前半運営委員)
仲佐保先生(国立国際医療センター国際医療協力局)
増田響子(司会)
(増田)それでは、これから座談会を始めたいと思います。本日はお集まりいただきましてありがとう
ございます。今日の座談会では、国際協力に興味をもったきっかけ、運営委員をやってみて考えたこと、
みなさんの今後のことをお話できたらと思います。よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
1.
そもそもなぜ国際協力に興味を持ったの?
(増田)早速ですが、今回集まってもらったみなさんは国際保健に興味を持ち jaih-s の運営委員とし
て活動を始めたと思うのですが、そもそも国際協力だとか、国際保健に興味をもったきっかけとはどの
ようなものだったのですか?
(須永)私の場合、曖昧かもしれませんが、小学生の頃から、漠然とですが、母親が教師、父親がマス
コミで働いていました。影響があり社会的な問題に関心があったことを覚えています。漠然と「人の役
に立つ仕事に就きたい」と思っていました。父親が旅行好きだったこともあり、小学校高学年から家族
75
で発展途上国に旅行に行くようになり、そこで現地の子どもと友達になったり、途上国の田舎の自然の
豊かさに触れ、途上国を旅行することが大好きになりました。この「途上国を旅した時のワクワク感」
が国際協力を目指す原点かもしれません。そして中学 3 年の修学旅行で行ったカナダで実際に自分の英
語がつたなくも通用することを実感し、「海外で、しかも、自分の好きな途上国で誰かのために働きた
い」英語で日本人以外の人とつながる面白みを知りました。実在する途上国の何かの問題を知って国際
協力に興味を持ったというよりは、自分の成長発達の過程の中で、「途上国で人と関わる仕事としての
国際協力」に興味を持っていった、というかんじです。
(伊東)自分も須永さんと同じくなんだか漠然としたもので、何を見てそう思ったのか今はまったく覚
えていないのですが、とにかく発展途上国に興味があって、大学生になったら発展途上国をバックパッ
カーみたいな形で旅行したいと思い込んでいました。そして実際、大学 2 年生の時に東单アジアを旅行
して、その時現地で生きている人たちのエネルギーとか、家族があって毎日の食事があって、笑顔があ
って幸せで満ちている人々の姿を見て、先進国の恵まれた環境の人にはないものを見たような気がした
んですね。そこからさらに発展途上国への興味が増していって、就職活動の時には、どうせ働くなら自
分のためだけではなく他人のために、国内のためというよりは発展途上国の人のために、自分の人生が
役にたっていると実感できるような、そんな仕事をしようと決めました。
(香川)私が興味を持ったきっかけは、本当に最初は小学生の時に何かのイベント
でやったエンディングハンガーゲームをしたことです。大きい世界地図の上で、人
がちらばって、貧しさに忚じて、食べ物を与えられました。どのようにしたら公平
な社会を作れるか、日本の豊かな状況と世界の理不尽な不平等を初めて知ってショ
ックだった。そのあと高校 2 年生の時に、進路に悩み、でもなんとなく世界の不平
等を知った時の衝撃を忘れられず何かやりたいなぁと思っていました。でも私は今
まで日本の片田舎ではあってもそれなりに不自由なく暮らしてきたし、外国での生
活経験もないし実際に途上国に行ったこともなかったし、近くにロールモデルとなる人もいなかった。
国際協力をするとしたらなれる職業はどんな職業なんだろうと具体的なことがあまり想像できずそん
なとき、たまたま山本敏晴先生の「世界で一番いのちの短い国」を読み、これやりたい!と軽々しく思
ったのが直接のきっかけです。医学部に行ったのも、そんな感じで学部を選んだからです。こんな短絡
的なきっかけだから正直、国際協力をする場合に医者以外のイメージがなかったというか・・・。医師
ならば、途上国、国内でも人のために働くことができるのではないかと思いました。それと理系にいた
こととどこでも働けるような職を自分の手につけたかったというのもあります。
(増田)香川さんは、理系、医学部、ということで、仕事として医者というのが見えやすく、医師とし
て国際協力しようと考えて、進路を決められたと思うのですが、高橋さんは現在も文系の学部に所属さ
れていますよね?国際協力の分野から国際保健を目指すようになったのはどのような経緯なのでしょ
う?
(高橋)私が国際協力に興味を持ったのは、父はベトナム人で、5歳の時に、初めてベトナムに行った
ときに遡ります。おかしを売ろうと子どもたちが私の周りに集まってきました。現地のガイドから「ど
け!」と扱われていた子どもたちの姿を見て、なんで、自分とこんなに違うのかと感じました。自分と
同じじゃないとおかしいと思って。日本に帰国後、世界の様々なニュースを見て感じたことは、自分と
76
同じように笑顔、健康でいきる権利はみんな持っていなければならない。基本的な権利を擁護していく
仕事に従事したいと思いました。また昔から、日本で普通に就職することが、思い描けなかった。就職
活動をしている時に、やはり自分活躍していきたいのは、国際協力の世界であることを悟りました。で
も、ただ国際協力をするのでも、自分に専門知識がないと迷惑にしかならない。人々が笑顔で生きる権
利を擁護していけるだけの専門知識を獲得して、活躍したい。その専門分野が国際保健だったんです。
(仲佐)若いころに何らかの形で、メディアをみたり、開発途上国に接したりして興味を持つっていう
のは僕もそう、同じかなと思います。僕らの年代は、圧倒的にアフリカでの宣教活動とともに医療活動
を長年行ったシュバイツアーの伝記がきっかけである者が多かった。今は、ざまざまなリソースがある
ので、幅が広がっていると思う。
2.
運営委員になったきっかけ
(増田)私自身、現在運営委員として活動していて jaih-s が本当に大好きだし、素敵な団体だなと常々
感じているのですが、みなさんが実際 jaih-s 運営委員として本格的に活動するようになったきっかけ
はどのようなものだったのですか?
(香川)私は国際協力に興味があったけど何も知らなくて、本で読んだだけでした。興味があるだけで、
何も知らないという状況がすごく嫌でした。どうしていいか分からない大学 1 年生のころ、医学部には
受かったけど、この後、どうしたら良いのかわからないまま、6年間過ごすのは嫌だった。そんな時に
IFMSA-Japan(国際医学生連盟―日本)で、全国に散らばるモチベーションの高い学生と出会い、また
そこでも衝撃を受け、参加することにしました。途上国に行きたいという想いが強かったので、全国い
る学生、4人くらいで一緒にプロジェクトを立ち上げてフィリピンの無医村に行ってきました。やって
きたことは調査活動として、現地の暮らしぶりや子どもたちの身体の発育を調査して、帰国後、データ
をグラフ化し、発表しました。この先、村の人々がどのように生活を送ると健康に生きてゆけるかを一
緒に考えていこうという活動をしていた。実際に途上国を経験して、こういう国や彼らのような暮らし
ぶりが好きだと感じました。
IFMSA の時には運営面など初めてだったので、いろいろうまくいかないこともあったのですが、学び
も大きかった。そんな活動を通して出会った人がたまたま jaih-s の第 2 期運営委員をやっていて、(私
は IFMSA をやめてから少し学生団体から距離を置きたくて何もしていない時期があったのですが)1人
で悶々としている時に、その人に「jaih-s やってみたら?」と誘われたのがきっかけで jaih-s での活
動をはじめました。学校の友達には同じようなことに興味ある人はいなくて、私自身のモチベーション
を保つのにはそういう環境に自分を置くことの必要性を感じていた時期でした。一人だけで頑張るのが
難しいと思っていました。モチベーションの高い学生と出会いたい、一緒にいたいというのがきっかけ
で jaih-s 運営委員になろうと思いました。
(仲佐)最初の頃に、国際保健医療学会や地方会などで、会った学生の中には、自分は国際保健に興味
をもっているのだが、学年で一人、他に誰もいないけれど、日本中には同じようなことを考えている人
がこんなにいると思うと嬉しいと言っていたのをよく聞いた。それでも、日本中の大学に一人ひとりい
れば、足せば、何百人にもなるなと思い、地方でがんばっている、何かを探している学生たちの受け皿
になるのではというのはよく覚えています。
77
(須永)私は実は以前の大学で総合政策学部に在学していた時にずっと国際協力
がやりたくて、開発学を中心に勉強していました。勉強を進めていく中で、開発
の負の影響として HIV の問題があるということを知り、国際保健に興味を持ちま
した。この HIV・エイズについて卒業論文で学びを深めたいと思い、マヒドン大
学主催の社会開発と保健医療のセミナーやシェア(NGO)主催のスタディツアー
などに参加しました。当時、jaih-s が設立の前身の一つである「国際保健学生フ
ォーラム」の第 10 回運営委員として関わっており、jaih-s が創設される際に、
最初の集まりやその後の何回かの集まりに出席をし jaih-s と最初の関わりを持ちました。
「国際保健の学生団体に関わるようになったきっかけ」として、国際保健学生フォーラムへの参加の
きっかけを言うなれば、当時国際保健を学びたい、という気持ちがありましたが、以前在籍していた大
学では、国際協力・開発学の学習をする機会はあったものの、「国際保健」を学習できる機会は非常に
稀で、「なんとか国際保健を学べる場に飛び込みたい」という思いから、国際保健学生フォーラムへ参
加しました。
結果として、将来の選択につながる様々なアイディアを得ました。仲間や国際保健の先生と知り合い、
私は国際保健をやりたいと思いました。卒業後の進路として、自分の国際保健への関わり方(国連?
JICA?NGO?企業?などなど)でとても迷いました。シェア(シェア=国際保健協力市民の会)のスタデ
ィツアーでヘルスコーディネーターとアドミニストレーターの二つの仕事を見させてもらったとき、村
での実際にヘルスコーディネーターの仕事をみて、私も同じように看護師の資格をとってヘルスコーデ
ィネーターのような仕事をしてみたいと思い、現在の進路を選択しました。看護大学校に再入学をして
2 年目に、「やっぱり悩んでいるだけじゃ始まらない!動いてみて、その中で将来の関わり方を見つけ
ていけたらいい」というある意味で踏ん切りをつけて、3 期後半から jaih-s に入りました。
(伊東)自分は、昨年の夏休みに海外での医療系活動に参加したいと思っていたので、たまたま学生フ
ィールドマッチングの存在を知って、昨年 5 月頃にあったマッチング報告会に参加したのが、はじめて
jaih-s に関わったイベントです。けれども当時は、現場に行くことが自分の興味であって、正直、jaih-s
の運営委員になるんなんて発想はまったくなかったですね。昨年の夏は結局、マッチングには参加せず、
今年春のマッチングでインドネシアに行き、その後、続けて忚募していた jaih-s 主催のトレーニング
合宿に参加することになったのですが、そこで実際に運営委員の人と交流する機会や、その活動に触れ
ることになりました。運営委員になろうと決めた理由は、自分のモチベーションアップとか、知識の向
上とか、先生とのネットワークを作るとか色々あるかもしれないけども、最終的な大きな決め手は、居
心地の良さだと思います。同じ興味を持った人たちが集まって、議論したりして、同じ方向に向かって
いるって感じられるような組織はそうないし、のびのびと楽しく自分が活動できる環境が jaih-s には
あるなと、トレーニング合宿の雰囲気から感じられたというのが大きいですね。
(増田)高橋さんは、以前実際に jaih-s の活動に参加したことがあったのですか?医学生・看護学生
が多い jaih-s に、文系学生として参加するのは勇気が必要だったのでないでしょうか?
(高橋)私が jaih-s を知ったのは学校で「健康と開発とジェンダー」という授業をとって、若杉なお
み先生(早稲田大学政治経済学術院教授)が日本国際保健医療学会に参加していて、jaih-s を紹介して
くれたのがきっかけです。開発学・経済学だけでなく、国際保健というアプローチからも国際協力に関
わることができると教えてくれました。初めて jaih-s を知った当初、オーストラリアに留学に行って
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しまったが、その間、jaih-s がブックマークにずっと入っていました。留学先の街は、インターナショ
ナルだったけど、小さいコミュニティだった。なので逆に外に出て、もっと国際協力がやりたいという
気持ちが強まって、帰国前に jaih-s に忚募しました。医学系、看護系が多い jaih-s の中で、文系であ
る私は jaih-s の活動の可能性を広げることができるのではないかと思っってました。怖いというより
も、私がやってやろうじゃんっていう想いが強かった。
(須永)あっ、覚えてる。最初に運営委員としてキックオフミーティングに来てくれた時に、「活動を
広くしよう」という想いを力説していたのを強く覚えている。
(増田)運営委員に会ったこともなく、先生に紹介してもらっただけにもかかわらず、オーストラリア
から jaih-s 運営委員に忚募するところが熱いね~。
(高橋)結局のところ、やってみないとわからないからね。あっ、私もう一つ、
学生団体での活動をしていて…。定義的には、相手と私の幸せを感じ、考える場
を提供するという団体です。ゴミが散乱しているので、それを拾う。でもこれは
専門家がやらないとしょうがいないことで、学生がやっても現地に迷惑になって
しまった。jaih-s に入ることで、現地でどういう専門知識・スキルを身につけれ
ばよいのかを学ぶためのロールモデルが得られるかもしれないと思っていまし
た。
3.
運営委員としての活動をしてみて、学んだことは?
(増田)それで、実際やってみてどうでした?
(高橋)jaih-s の中で私は広報班として活動していました。だから、まあ現場でどうこうっていう話で
はなかったのですが…。
(増田)高橋さんが jaih-s に所属してくれたおかげで、CSR という医療系の学生が今まであまり触れる
ことがなかった概念を jaih-s メンバーが真剣に考えるようになり、それで企業の方ともつながること
ができて、実際に国際協力シンポジウム(武田薬品工業協賛)を開催に漕ぎつけることができて、本当、
jaih-s が成長するきっかけになったなと思っていますが、いかがでしたか。
(高橋)当初、CSR は難しいという話しが多かったので、何が難しいのか、探ろうと思いました。また、
2年後に研究費がなくなるという危機感があって、企業と協力して jaih-s の活動をしてやったら良い
のではと思い、広報班の活動に取り組みました。
(増田)CSR に対して、初めてでとっつきにくいと感じている他のメンバーをどのように企業と協力し
て活動していこうという意識を作りだしたのですか。
(高橋)みんな危機感は持っていたので、他のみんなの意識を企業に向けて、実現可能性があることや
具体的な手順を示せれば、みんなで取り組むことができると考え、まずは企業と協力するためのきっか
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け作りをしたかった。私がいままでやってきた企業へのアプローチ方法、どんな企業が社会貢献活動に
興味をもっているのかという調査や企業と jaih-s の双方にメリットがあるのだという電話対忚マニュ
アルの作成などを jaih-s でやってみて、それで結果が伴わなかったらしょうがないと思いました。
(香川)私がいたころ(3期)には、jaih-s と企業が協力してイベントを開催するというのは、全然想
像すらできなかったよ。
(増田)広報班のメンバーである荒井さんは、広報班が CSR の活動に取り組むようになってから、ただ
卖に jaih-s の活動に携わるのではなく、jaih-s をいかに社会にアピールしていくのか、団体の見せ方
に力を入れるようになり、民間企業とも一緒に協力してくことの大事さに気づいたって言っていました。
組織の在り方を考える上ですごく大事なことですよね。
(高橋)やはり、夜遅くまで、事務的な作業にも一生懸命に取り組むだけの国際保健への熱い思いと実
際の頑張りという土台が既にあったからこそ、企業へのアピールができたのだと感じています。
(伊東)まだ、jaih-s の運営委員をはじめて半年もたっていないけれども、それ
でもやってみて学んだ、得られたことはたくさんあると実感しています。
1 つ目は「人脈」ですよね。国際保健、国際協力分野は人とのつながりが大切と
言われる中、jaih-s の活動は、第一線で活躍されている先生、国際保健に興味を
持っている全国の学生、CSR 関係で企業、その他 NGO などと交流を持つ機会に溢れ
ています。所属する班や、個人の行動力にもよるけれども、今後のキャリア形成
には間違いなくプラスになると思う。
2 つ目には、やはり「モチベーションを高められる」ということで、これは重要だと常々感じていま
す。学生なので年に数回、長期休暇中に海外の活動はできるけれども、それ以外の期間、国内にいるわ
けで、いかに国際保健に対するモチベーションを高められるかというのが課題になりうると思う。そう
した時に、jaih-s の運営委員をしていると、身近に同じ興味をもっている人がいて、活動をしているか
ら刺激を受けることができるし、また、1 人だったら得られなかったような、イベントや勉強会、海外
での活動、合宿の開催についての情報、最近のトピックスなど様々な情報を共有できることもできる。
あとは、インカレの団体ならではで、医学生、看護学生、OT、PT、ST、栄養士などの学生、文系の学
生との交流から、看護師以外の世界や考え方が知れて、視野が広がるということは個人の成長にとって
貴重な点ですよね。
(高橋)モチベーションと言えば、jaih-s のメーリングリストに流れるメールを見ていて、須永さんは
こうやって人を励ますんだ~と感心しました(笑)。一緒に活動をやって、色々と学ばしてもらってい
ます。あれ、みんなのやる気が五倍になっている(笑)。
(全員)そうそう。
(須永)熱いことを共有して、一緒に活動して、みんなを好きになった・・・それをメールで伝えてい
るだけです。
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jaih-s は将来、国際保健の分野で働く人材を育成することが目的だけれども、所属していると、私自
身が人材育成されていることを実感できます。というのは、jaih-s において、自分なりの国際保健への
関わり方を見出すことができてきました。とにかく悩む前にいろんな先生や仲間と関わって、いろんな
学習機会に自分を置くことで、情報も増えるし、価値観も広がるし、ということで、自分の進もう、と
思える道が見えてくるものだな、と今は思っています。
企画書を立てたり、報告書を作成、オンライン技術、渉外技術などマネジメントスキルを身につけら
れた。現在、連絡を取り合っている国際保健の現場にいる先生も、実際の活動はプロジェクトをマネジ
メントする仕事をしていると伺い、私の活動は将来に活かされるのだと思います。
自分自身が最も「これは大きかった」と思えることは、国際保健に携わる先生や仲間の志・価値観に
生身で触れることで、自分自身の国際保健への思いが今一度問いただされたり、刺激されたり、という
ことを通して、「国際保健に本気で関わりたい!」「仕事として国際保健に携わるためにこういう勉強
をする!」など、意識面・行動面がとてもダイナミックに変容をしていることです。jaih-s は国際保健
を学習する環境を作る場でもあり、関わりを持つ自分たちが国際保健を目指して、日々成長・発達する
場であると実感しています。
(香川)運営委員をやって学んだことは、自分がやっぱり国際保健に興味があるんだということを再確
認したことです。そして仕事を効率よくやるスキル、学校の合間に隙間時間を見つけて済ませるスキル
を学びました。私は勉強会班でしたが、定期的なミーティングを IMCJ(国立国際医療センター)で行っ
ていたので、毎回、千葉から東京まで往復4時間かけて通っていました。正直つらかったけれども、勉
強会班の活動はやりたくて入ったし、仲佐先生や仲間と顔を見て話してようやく進むことってたくさん
あった。メールなどのインターネット上での連絡だけだと、大変だと思う。人と人のつながりは大事で
す。特に学生団体というのは、仕事でも学校でもなくて、難しくて、それぞれのモチベーションにあま
りにも差があるとなかなかうまく進まないものです。ミーティングに通う価値はありましたね。いつも
いやな顔せずさらっと仕事をこなしていく姿を見て、本当に実力のある人はこういう人なんだと感じま
した。医師ではなく、国際保健はさまざまな分野の職業の人がかかわることで成り立つということを、
仕事をしながらも学んだ気がします。と同時に私自身の実力をつけることの大切さ、を改めて実感しま
した。語学、医学等。ここで出会った人たちと将来もしかしたらまた出会ったり、どこかで一緒に働く
かもしれない、と思うと楽しみです。
(仲佐)本当にとても、皆、がんばっていると思う。とてもしんどいけど、頑
張れる。でも、試験なので頑張れなかったら休む。エネルギーがなくなったら、
少し休む。それも大事だと思う。休んで、エネルギーが出たら、また、活動を
再開する。そして、それを理解し、同じような気持ちで受け入れる。そういう
のは大事だと思う。常に全力に走り続けれる人はそれほどいないからね。まれ
にはいるかな?
(増田)確かに…。そういうバランスも大事ですよね。勉強が忙しいときとか正直しんどいです。
メンバーのみんなに支えられてなんとかやっている、という感じです。でも本当にしんどくても頑張れ
るメンバーに出会えてうれしいです。jaih-s のメンバーと将来一緒に仕事ができたら…って思いますよ
ね!
4.
今後は…?
81
(増田)それでは、最後にみなさんの今後の展望を聞かせてください!最初に jaih-s を去年卒業した
香川さんはいかがですか?
(香川)今私は再び進路に悩み、大学の実習にかまけていて、jaih-s の運営委員を卒業しました。国際
保健から距離を置いている時期です。今は時々在日外国人の健康相談会のボランティアに行っているく
らいで、国際保健からはちょっと距離を置いています。あとは、港町診療所で1週間、実習したり、日
本国内で困っている人々のために何かできるか考えています。
今後のことは正直わかりませんが、jaih-s で出会った人々やこれからの職場で出会う人とのつながり
を大切にしけたらと思います。私は自分にまず力をつけなければいけないということをずっと感じなが
らもなかなか進めないでいるので、そこを乗り越えたいです。たとえば、医者になって専門医を取った
ら研究で留学するなり、大学院に進学するなり、海外で生活する経験をしたいと思います。
私がこの場に呼ばれたのは、私みたいな、外国生活もなくて、ずっと地方で暮らして普通に暮らして
きて、周りに同じようなモチベーションを持った人がいなくても、国際保健に興味があって、さらに運
営委員として jaih-s に参加していろいろな刺激を受けて、私でも頑張れることを色んな人に知っても
らえたら、今迷って進めずにいる人にも少し勇気になれるかなと思います。自分が今日、ここに来たの
はそれを伝えたいと思いました!
(高橋)私は MPH が欲しくてしょうがないので、今年のサンタに頼みたいくらいです。来年の9月から
留学できるように GRE(アメリカの大学院にいくための試験)を頑張り、英語力を伸ばし、リプロダクテ
ィブヘルスを中心に国際保健の文献を読んでいます。今は、卒論で FGM について調べて、女性のジェン
ダーや地位の問題がすごく気になるので、その分野で将来働いていきたい。それにはきっとかなりの時
間がかかるので、MPH をとったあと、どこかでの NGO で働いて、自分の力を養って、その後、国連機関
(WHO や UNDP など)やジェンダー問題に取り組む関連機関で働くために、向こう10年は貧乏生活をす
る覚悟はあります。向こう10年の貧乏は不安だけど、国連機関などで働いた経験によって、その後、
どこかの大学で引っ張ってもらえるかもしれないという淡い期待も持っています。
自分のやりたいことを達成するには「仕事や場所は問わない」気持ちはあります。日本の中では国際
協力やるには給料の面で心細い。日本では無償ボランティアになってしまう。「えらいわね」じゃなく
て、日本でもう少し、国際協力で食べていける環境・道筋を作りたいと思います。
(増田)同感です。次に卒業まで後1年半残していますが、伊東さんは今後どのようなことを考えてい
ますか?
(伊東)自分がどういった分野で、どの就職先をまず選ぶかというキャリアビジョンは、まだはっきり
とは決めていませんが、今後の人生、国際保健という分野で世界の健康に関わっていくことは決めてい
ます。その思いを強めてくれているのが、jaih-s だとも思っています。
しかし、技術職であるため、一人前になるために一旦、臨床に入って仕事自体としては国際保健から
離れる時期が絶対にあるとは考えています。けれども、そういった時期であっても、常にアンテナを張
って、行動を起こせるタイミングを逃さない、そういう環境を自分の周りにつくることが大切なのだと
思っています。
そのアンテナの感度を高めるのに、jaih-s の活動で築いた、国際保健分野で活躍している人や、国際
保健に関わっている組織団体、将来、国際保健で働きたいと目指している人とのネットワーク、それに
82
加えて、自分の視野の広さというのが重要なのだと考えています。
(増田)ありがとうございます、では須永さんお願いします。
(須永)jaih-s で育んだものは国際保健への「志」なので、それを大切にして、着実に一歩一歩自分の
知識(看護学と開発学)をアップデートしたいと思います。技術面では看護技術やマネジメント力、コ
ミュニケーションスキルを磨きたいと思います。そして一番大事な「人間性」を育んで行きたいです。
どんなに現地の言葉を話せても、その人にとって何が苦しいのか、何が幸せなのかに敏感になれる人間
性を養いたいです。これは人生かけて育みたいです
jaih-s は、自己教育力や人との協働の力を獲得する場であると思います。学校は組まれたカリキュラ
ムで、先生が授業して、学生に示唆を与えてくれる教育環境だけど、jaih-s は自分で成長する場・教育
して、自己教育力をつける場だと思います。また、人と協働する力(1人じゃなにもできない)は、今
後、自分が臨床で看護師または助産師として働く上でも確実にいきてゆくものであると思うし、臨床経
験を積んだ後に行いたいと考えている途上国での国際保健活動にも確実にいきてくるものと確信して
います。将来どのようなキャリアを歩むかは分かりませんが、「自分なりの道を切り開いていこう!」
という気概が jaih-s を通して得たので、どこで働くにしろ、自分の国際保健への姿勢というものの、
根本的な下支えとして、jaih-s での活動は存在してゆくのだろうと思います。
(仲佐)現在の国際保健の業界では、国際保健の技術、知識を持っている人々を受け入れる大きな組織
はそれほどないのでなかなか職にありつけないのが現状です。皆に期待するのは、そのような仕組みが
無いなる、そのような組織を自分達で作ったらどうかということです。今までにないような、新しいコ
ンセプトを持った組織を作ってしまう。若い力はすてたものではありません。今、OB・OG 達とも話して
いますが、皆で、そんな組織を作ってみませんか。
(増田)是非、そんな組織ができたらうれしいです!
みなさん本日はどうもありがとうございました。また 10 年後、20 年後、メンバーが実際にプロフェッ
ショナルとして国際保健のお仕事ができるようになったころ、もう一度こんな座談会を開催したいです
ね!
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jaih-s 全国に広がるネットワーク!
jaih-s の運営委員は全国各地から集まっています。
0 期から 4 期までの運営委員の所属していた大学の一覧です。
は jaih-s 運営委員の所属する都道府県を示しています。
近畿エリア
大阪府立大学
大阪大学
関西医科大学付属
看護専門学校
京都橘大学
九州・沖縄エリア
産業医科大学
中部エリア
新潟大学
愛知医科大学
富山大学
名古屋大学
北海道・東北エリア
京都大学
神戸大学
滋賀医科大学
兵庫県立大学
三重大学
札幌医科大学
仙台医療センター附属
仙台看護助産学校
北海道大学
佐賀大学
宮城大学
長崎大学
日本赤十字九州国際
看護大学
宮崎大学
中国・四国エリア
岡山大学
関東エリア
神奈川歯科大学
聖路加看護大学
北里大学
千葉大学
共立女子大学
筑波大学
慶応義塾大学
帝京大学
国際医療福祉大学
国立看護大学校
埼玉県立大学
自治医科大学
東京医科歯科大学
東京大学
東邦大学
明治薬科大学
横浜市立大学
香川大学
島根大学
鳥取大学
順天堂大学
昭和大学医学部附
早稲田大学
属看護専門学校
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第4期運営委員紹介
船戸真史(長崎大学医学部)/代表・事務局
我らが代表、船戸君!!
はにかむイケメンの素顔は、包容力・創造力・情熱に溢れ、第 4 期の
jaih-s の活動を力強く率いりながらも、常に一人一人の仲間の気持ちや誇りを
大切にするとても人情味溢れる素敵な男性。船戸君を目の前にすると、
「自分たち一人一人のことを大事に思ってくれている」っていう安心感があって、
自然と活動への情熱が掻き立てられます!!次々とみんなの潜在的な 力を引き出す船戸君、本当に素敵なリー
ダーです(*^^*) 船戸君は将来、本当に患者さん一人一人を大切にしてくれる素敵なお医者さんになること間
違えなしです!!
山本有記(国立看護大学校)/事務局
日々ナースの実習をこなしながらも、学生部会のメンバーへ温かいメールを送り続けてく
れるゆっきー。その物腰の柔らかさに、出会った人はみな心癒されて行く…!まさにナー
スの鏡。事務局副代表として、せっせと E-mobile を駆使して、津々浦々からスカイプに登
場してくれます!
須永萌(国立看護大学校)/地方会班・事務局
キャパが広く、仕事の速さもぴかいち!そのうえ笑顔でみんなを
癒してくれて、何でも相談したくなっちゃうもえちゃん。
そんな優しいもえちゃんも、だんな様が服を脱ぎっぱなしにするの
だけは許せません。
増田響子(東京大学大学院医学系研究科)/事務局
柔らかい物腰で的確な意見を出すしっかり者きょうちゃんは、
今年から大学院で勉強中。
着実に自分らしく道を進むそんなきょうちゃんのさらなる飛躍を忚援しているのは私だ
けではないはず!ちなみに長野娘の好物はりんごです。
表真由子(滋賀医科大学医学部)/事務局
2期から jaih-s を支える大ベテラン、おもてぃ!仕事の速さ、丁寧さ、気配り…何をとって
も超一流の彼女は jaih-s の全てを知っていて、欠かせない存在です。そんな愛されおも
てぃは料理も上手。毎日晩酌をしながら充実した私生活を滋賀で満喫しているようです☆
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飲み過ぎて笑い上戸になるところはご愛敬♪
森田幸子(香川大学医学部)/広報班・事務局
事務局さっちゃんは jaih-s の素敵なお姉さんです。
天性の才能かと思えるくらい話が面白くて場を和ませてくれる雰囲気
にみんな癒されます。国際保健・国際協力も熱心に活動する一方で、
家族も大切にするさっちゃん!素敵な旦那さんとお幸せに。
荒井三記子(札幌医科大学医学部)/広報班
広報班の、めちゃめちゃ頼れるリーダー、みきてぃ!
ポリオクをこなしながらもいつも大きな流れを作りつつ、細かなとこまで行き届いた仕事っ
ぷりを発揮し、ただただ「すごい」。
可愛らしい雰囲気を放ちつつ、時々謎の「みきてぃ語」を発し、
MTG の場を和ませてくれる人です。
佐藤紀子(新潟大学医学部)/広報班
とても、活発的で行動力があります。広報活動も、彼女の人脈が広い事に驚きです。
看護の道に進学し、只今一生懸命です!!
そんな、のりぴ~と共に一緒に活動できることを嬉しく思っています。
桜田美香(宮城大学看護学部)/広報班
桜田ちゃん…略して「らだちゃん」は、夜勤のバイトもこなしながら
jaih-s へ意欲的に活動してくれてるスーパーウーマンです。
「桜田美香」という、まるで宝塚のような素敵な本名に引けをとらない
容姿に加え、メールではいつもみんなのモチベーションをあげてくれます。
看護師としての臨床経験が長いからか、広報班ではおねえさん的存在。
鈴井泉(香川大学医学部)/広報班
輝くメガネのその奥に、キラッと光る熱いまなざし・・・
見てしまいましたね。ふっふっふ。もう抜け出せません。
するどい切り口となめらか話術たっぷりの、いずみんディベート王国にようこそ!
高橋理慧(早稲田大学国際教養学部)/広報班
どんな場面においても颯爽と登場し、はきはき、びしっと意見をいってくれるりえ氏。
広報班ではCSR、ファンドレイズといった部門で jaih-s に今まで
ない風を吹かせてくれました。
本当にかっこいいです。あこがれます!!
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朴大昊(鳥取大学)/広報班
この広い日本に、これほどまでに jaih-s に熱いラガーマンが
ほかにいるだろうか。jaih-s 歴2年半。仕事のキレははんぱない。
2009 年3月、そんな彼もとうとう jaih-s を卒業。すべてから解放され、
現在は鳥取の地でキラキラとラグビーのプレイ中。しかし、現役運営委員のなかでもいま
だに『ぱくさん』をこっそり頼りにしてる人は多いはず。そんな人です。
小澤萌(宮崎大学医学部)/マッチング班
頼れる宮崎のマッチング班班長。仕事はきっちり、細かいとこまで
よく気づく。誰かがとめるまで仕事し続ける勢い。マッチング=もえ
様である。つまりマッチング企画は彼女抜きでは成立しまい。ただ、
飲み会で班員をいじるときの目の輝きを忘れてはいけない
安部俊行(順天堂大学医学部)/マッチング班
マッチング一筋の九州男児、あべべ。世の女性が羨むその長くカーブを描くまつげに、
つまようじをのせる技を惜しみなく披露してくれます。
マッチなお姉さんにかわいがられつつ、最高なマッチのためいつも確実にお仕事をこ
なす頼れる弟分。
長澤真衣子(大阪府立大学看護学部)/マッチング班
一橋大卒という華々しい経歴に加え、看護師、保健師、助産師を
目指すキャリアウーマン。メールはとても丁寧でスカイプではよく
発言し、自由奔放な悪ガキが多いマッチング班をまとめるお姉さん的
キャラをこなす。
木場宣宏(北海道大学医学部)/マッチング班
いつもひょうひょうとしていて、マイペースに見えるこばくんですが、
やるときはきちんとやってくれる男です!いつも一眼レフを持ってる
カメラマンの一面も。海を隔てた北の大地で、今日も寒さと戦いなが
らがんばっていることでしょう☆
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森里美(島根大学医学部)/合宿班・マッチング班
さとちゃんのかわいい笑顔は、島根から、マッチ班員が点在する
日本全国をサンサンと照らす太陽のよう。その上、お仕事は敏腕
なんだな。4 期後半は広報班と掛け持ちしているにもかかわらず、
丁寧で迅速なお仕事には定評アリ!マッチな皆のアイドルです。
安東久雄(国立看護大学校)/勉強会班・総会班
かっきーのやさしい笑顔に、癒されない人はいない…。
しかしそんな笑顔の裏に秘めた国際保健や jaih-s への熱い思いは誰にも負けない。
真面目×努力家×勉強家のかっきーに一生ついていきます!!
神谷友子(埼玉県立大学保健医療福祉学部)/総会班
かみやんは大学に通いながら、事務所2つ掛け持ちして
ヘルパーとして働くすごい人☆ その上、国際保健や障害者支援への
熱い思いがあって、フットワーク軽く色々な活動に挑戦する姿はとっても
素敵です!!
酒井あゆみ(仙台医療センター附属仙台看護助産学校)/総会班
しっかりしていて、優しいあゆみん。
いつも冷静かと思いきや、とっても熱い情熱を秘めています!
行動力も人一倍。総会班唯一の開催地メンバーとして飛び回っています。
忙しいはずなのに、みんなを気遣ってくれるあゆみん。本当にありがとう!
渡辺大(岡山大学工学部)/総会班
とても落ち着いていてしっかり者のだいちゃんは、
なんと総会班最年尐!!工学部の彼の意見はいつも鋭く、的確なコメント
をくれます。医療系の学生が多い jaih-s の中で、とても頼もしい存在です。
谷口彩(東京大学大学院公共政策学教育部)/総会班
Jaih-s トレーニング合宿に参加し、今まであたためてきた国際保健への思いを
ぶつけるべく運営委員になってくれたあやちゃん。その美貌と頭のキレと優しさに
誰もが脱帽です。。。是非将来も一緒にお仕事しましょう!
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伊東孝晃(慶忚義塾大学看護医療学部)/総会班
たかさんは大卒後に社会人や大使館勤務までこなして、
現在看護師の道を目指して 2 度目の大学生活を送っており、そのうえ
マラソンまでたしなむという(?)経験豊富なスーパーランナーです。
また MTG では積極的に発言をされ、話を盛り上げてくれる頼もしい存在です。
これからも勉強させて下さい!
早坂美保(共立女子大学家政学部)/総会班
脱サラを決意し、管理栄養士のプロとして、
国際保健の道を突き進むことを選んだ、みぽりん。キレイなトーンの
落ち着いた話し方とは裏腹に、彼女の国際保健への思いは熱い。
北上守俊(国際医療福祉大学保健医療学部)/勉強会班
彼の専門はリハビリテーション・・。Re・habilitation、それは、「傷ついた人間らしく生きる権
利」の「全体的な回復」である。彼と関わるだけで、それが実感できるんだ。心身共に本来
の自分を取り戻せ、更なる精気があふれてくる・・。ソフトな人柄の中に強い信念と、パッ
ションがみなぎっている。それが、北上守俊だ。
久貝太麻衣(長崎大学医学部)/合宿班・勉強会班
元気がよくて、周囲をぱっと明るくするたまちゃん。
勉強会班のマスコットたまちゃん。
部活・勉強会班のお仕事をバリバリこなしつつ細やかな気遣いも忘れない!
そんなガーリーなたまちゃんのおかげで勉強会班はいつも和やかモードです。いつもあり
がとう!!
佐野友美(産業医科大学医学部)/勉強会班
色白でふわふわ巻き髪のさのゆみちゃん☆典型的な博多美人です!華やかな見た目か
ら、一部からは、もんろ~と呼ばれてます。…何で、まりりん、じゃないんですか…?
おーっとりしてます。が、東京で勉強会があれば、北九州から駆け付けます。ノリで長崎
に来ちゃいます。ポリクリ実習中にオーストラリアに飛んじゃいます。
誰かがボケたら即ツッコミ、話し合い中に眠気に負けかけ船をこぎ、お腹が空いたらポテ
チをぽりぽり、、毎日楽しさを見出だす天才の乙女です☆
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星夕子(兵庫県立大学看護学部)/勉強会班
包容力満点のお姉さん☆勉強会班トップの存在感と信頼感!!そんなほっしーだが、
時々覗かせる天然がめっちゃ可愛い☆☆jaih-s への情熱は人 1 倍!!2 倍・3 倍・・・
jaih-s 期待のルーキー??
倉林牧子(北里大学医療衛生学部)/勉強会班
癒し系お嬢様☆だが、言う時はズバッと物申すくっきー。実は時々、裏くっきーが登
場!!どんな仕事でも難なくこなし、常に冷静沈着な pretty woman☆勉強会班のアイド
ルくっきー^^
河野妙子(帝京大学医学部)/勉強会班
勉強会班たえごんは大卒後に医学科に入り直し、
国際保健を勉強している熱い女の子です。保健医療に加え、語学や
国際経済にも詳しく、暇があれば国内外問わず旅行に出かけ、
現地から色々なことを学ぶ姿がかっこいい。
小林典子(長崎大学医学部)/地方会班
顔立ちが確かにア○ジンのジャスミンにソックリ!日本人離れした顔立ちから
して、きっと祖先はアーリア人なのでしょうか(><)?
地方会でジャスミンは本当に何事にも熟慮を重ね、冷静で的確な意見を出し
てくれて、いつも企画に深みを持たせてくれたね…!発想や感性がとっても
アーティスティックで、実際デザインの能力もピカイチ!
普段とってもおっとりにこやかなジャスミン、瞳の奥にあるその才能は
私たち地方会メンバーにとっての宝物でした(><)また、一緒に活動しようね!
藤戸未来(埼玉県立大学保健医療福祉学部)/地方会班
未来ちゃんの第一印象は「可愛い!スタイル良すぎる!」でした(*^^*) そんな未来ちゃん
の笑顔に jaih-s のみんながノックアウトでしたね(^-^)>時々一級品の天然ボケをかます可
愛い~未来ちゃんですが、地方会では本当に丁寧にそしてテキパキと仕事を進める姿は
まさに頼れるお姉さんでした!未来ちゃんと一緒にお仕事できて本当に良かった…
そんなギャップも我らを魅了する所以なのでしょう(><)!
将来さらにどんな素敵な女性になるのかが本当に楽しみです☆
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松岡若利(長崎大学医学部)/地方会班
jaih-s 随一のさわやかイケメン、若利君!ジュ○ンボーイのようなほんわか甘いマスクに
さらにその雰囲気や内面が本当に人を癒し、安心させるスター性を感じます。時に若利
君が何気なくかけてくれる優しい言葉に涙しそうになったことが実は何度もあるんだよ…
(*^^*)
地方会では西日本地方会を力強く引っ張ってくれて、地方会班のパパだったね!
イケメン・優しい・頭が良い!と、どこをとっても溜息が出そうですが、
その素敵なオーラで将来も患者さんやチームのメンバーを癒し続けてください☆
西村直子(埼玉県立大学保健医療福祉学部)/合宿班
才色兼備とはまさに直さんのこと!!
何でも相談にのってくれるとっても温かい「合宿班の母」的存在。
青年海外協力隊での経験をふんだんに生かして常に合宿班をリードしてくれました。
いつか直さんのような女性になりたいっ!!
羽金杏子(長崎大学医学部)/合宿班
国際保健を目指して長崎へやってきた杏ちゃん!その溢れる行動力は留まるところを知
らず、多数のセミナー
、勉強会に神出鬼没してはスキルアップを行っています。看護師として社会経験もある
彼女は振る舞い服装もオ・ト・ナ。
バッチリ着こなしたパンツスーツに男性陣は羨望の眼差しで見つめるのでした…
山口晶子(京都橘大学看護学部)/合宿班
誰とでも仲良くなれる才能をもつ人情厚い関西人。
会計としてテキパキお仕事をこなす反面、ちょっぴりおっちょこちょいなところも!
国家試験、卒業旅行@ヨーロッパでも、いつも周りに気を遣ってくれるあっこ
は合宿班のムードメーカです。
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2008 年度会計報告
■2008 年度項目収支表
項目
金額
助成金・補助金
収入
¥2,500,000
寄付金
¥200,000
参加費
¥453,100
収入合計
¥3,253,100
交通費
¥1,493,640
施設使用料
支出
¥28,000
講演費
¥237,075
宿泊費
¥183,390
印刷代
¥579,318
文具
¥61,342
サーバー代金
¥5,315
郵送料
¥16,540
雑費
¥32,425
支出合計
¥2,637,045
当期収支
¥516,055
※収支差額は 2009 年度活動費に繰越
■2008 年度企画別支出表
運営会議・事務局会議
項目
金額
交通費
支出
・第3期後半運営会議
¥294,930
・第4期前半運営会議
\426,520
・第3期第4期引き継ぎ会議
\83,660
施設使用料
¥13,600
講演費
¥0
宿泊費
¥0
印刷代 (※年次報告書作成代)
¥568,428
郵送料
¥7,900
雑費
¥4,095
92
支出合計
¥1,410,394
勉強会企画
項目
金額
交通費
¥9,460
施設使用料
支出
¥0
講演費
¥22,950
宿泊費
¥0
印刷代
¥0
郵送料
¥0
雑費
¥0
支出合計
¥32,510
マッチング企画
項目
金額
交通費
¥93,160
施設使用料
支出
¥0
講演費
¥11,000
宿泊費
¥0
印刷代
¥0
郵送料
¥0
雑費
¥0
支出合計
¥104,160
東・西日本地方会ユースフォーラム企画
項目
金額
交通費
¥113,850
施設使用料
支出
¥0
講演費
¥14,025
宿泊費
¥0
印刷代
¥0
郵送料
¥0
雑費
¥330
支出合計
¥128,205
93
総会ユースフォーラム企画
項目
金額
交通費
¥163,250
施設使用料
支出
¥0
講演費
¥103,275
宿泊費
¥0
印刷代
¥0
郵送料
¥0
雑費
¥0
支出合計
¥238,325
トレーニング合宿企画
項目
金額
交通費
支出
¥240,750
施設使用料
¥14,400
講演費
¥96,825
宿泊費
¥183,390
印刷代
¥10,890
郵送料
¥4,240
雑費
¥28,000
支出合計
¥362,495
広報企画
項目
金額
交通費
支出
¥68,060
施設使用料
¥0
講演費
¥0
宿泊費
¥0
印刷代
¥0
郵送料
¥0
雑費
¥0
支出合計
¥68,920
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私たちの活動を支援していただませんか?
ただいま jaih-s の活動に賛同し、支援してくださる方を募集しています。
寄付金は私たちの活動の運営費として大切に使用させていただきます。
皆様のご支援どうぞよろしくおねがいいたします。
ご協力いただける方は下記の口座までお振込みください。
【振込み先】
銀行名:みずほ銀行
支店名:早稲田支店(店番:068)
口座番号:2148195
口座名:国際保健医療学会 学生部会 仲佐保
(※お振込の際はお名前、ご住所、お電話番号をご記入ください。)
寄付に関するご質問・お問い合わせはこちらまで
日本国際保健医療学会学生部会
Mail: [email protected]
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jaih-s 活動へのお誘い
その 1:メーリングリストへの登録
jaih-s からのお知らせや、国際保健医療に関する様々な情報をお届けするメーリングリストを
運営しています。国際保健医療に関心のある方ならどなたでも自由に参加することができます。
jaih-s ML: http://groups.yahoo.co.jp/group/jaih-s/
まだの方は今すぐご登録を☆
● 参加方法
参加方法は 2 通りあります。
1. メールで登録する
[email protected]
このメールアドレスに、そのまま送信してください。
2. ウェブで登録する
http://groups.yahoo.co.jp/group/jaih-s/join
配信方法などを選択できます。過去に投稿されたメッセージの閲覧などができます。
その 2:日本国際保健医療学会学生会員になる
学生(学部学生、大学院生)の方は、日本国際保健医療学会の学生会員になることができま
す。
会員によって受けられる特典は以下の通りです。
☆国際保健に関する情報が満載の学会誌、Journal of International Health の購読
☆jaih-s が企画する学会員限定企画への参加
☆jaih-s の規約に基づく投票の権利
☆jaih-s 運営委員、代表への立候補
その3:運営委員になる
現在、jaih-s は約 20~30 名のスタッフが半年もしくは年間を通じて活動しています。学会員の
方であれば(運営委員立候補時に学会員登録をすれば可)、所属学部に関わらず全国どこからで
も、誰でも、運営委員になることが出来ます。広報活動、ウェブサイト運営、総会運営、各活動の
準備など、様々な活動・経験ができます。皆さんも是非、私たちと一緒に活動してみませんか?
運営委員の募集は毎年、8 月頃と 2 月頃の年に 2 回行っています。関心のある方は、jaih-s メー
リングリストでの告知をお待ちいただくか、直接 jaih-s 運営委員事務局までお問い合わせくださ
い!!!(連絡先は資料末尾にあります。)
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連絡先
■日本国際保健医療学会・学生部会 (jaih-s)
ホームページ: http://www.jaih-s.ne.jp/
メールアドレス: [email protected]
■日本国際保健医療学会 (jaih) 事務局
住所: 〒113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1
東京大学大学院 医学系研究科 国際地域保健学教室内
TEL & FAX:
03-5841-3479
HP: http://jaih.jp
e-mail: [email protected]
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jaih-s(日本国際保健医療学会学生部会)年次報告書
2009 年 8 月1日
発行
編集/jaih-s(日本国際保健医療学会学生部会)第 4 期事務局
発行所/jaih-s(日本国際保健医療学会学生部会)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1東京大学大学院 医学系研究科 国際地域保健学教室内
TEL & FAX: 03-5841-3479
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