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運用ガイド VMware vSphere Virtual Volumes編 - ソフトウェア

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運用ガイド VMware vSphere Virtual Volumes編 - ソフトウェア
FUJITSU Storage
ETERNUS SF
Storage Cruiser 16.2 /
AdvancedCopy Manager 16.2
運用ガイド
VMware vSphere Virtual Volumes編
B1FW-6020-01Z0(02)
2015年7月
まえがき
本書の目的
本マニュアルは、以下の製品のうち、FUJITSU Storage ETERNUS SF Storage CruiserやFUJITSU Storage ETERNUS SF AdvancedCopy
Managerを利用してVMware vSphere Virtual Volumes環境を管理/利用する方法について説明します。
・ FUJITSU Storage ETERNUS SF Express(以降、“Express”と略します)
・ FUJITSU Storage ETERNUS SF Storage Cruiser(以降、“Storage Cruiser”と略します)
・ FUJITSU Storage ETERNUS SF AdvancedCopy Manager(以降、“AdvancedCopy Manager”と略します)
本書の読者
本マニュアルは、Storage CruiserとAdvancedCopy Managerを使用する、以下の者を対象としています。
・ Virtual Volumeを使用したストレージシステムの管理者
・ Virtual Volumeを使用したストレージシステムの利用者(仮想マシンの管理者/利用者)
本書の構成
本書は、次の構成になっています。
第1章 概要
VMware vSphere Virtual Volumesの概要について説明します。
第2章 ストレージ管理者による設計・導入・運用・保守
ストレージ管理者によるVirtual Volumeを使用したストレージシステムの設計・導入・運用・保守について説明します。
第3章 仮想マシンの管理者/利用者による仮想マシンの運用
仮想マシン管理者/利用者によるVirtual Volumeを使用した仮想マシンの運用について説明します。
本書の表記について
本マニュアルでは、製品名または製品群を以下の略称で表記します。
オペレーティングシステム
正式名称
略称
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard x64 Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise x64 Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Standard Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Standard x64 Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Enterprise Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Enterprise x64 Edition
Windows Server 2003
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Standard (32-bit)(64-bit)
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Standard without Hyper-V(TM) (32-bit)
(64-bit)
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Enterprise (32-bit)(64-bit)
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Enterprise without Hyper-V(TM) (32-bit)
(64-bit)
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Datacenter (32-bit)(64-bit)
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Datacenter without Hyper-V(TM) (32-bit)
(64-bit)
Windows Server 2008
-i-
Windows
正式名称
略称
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Foundation
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Standard
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Enterprise
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Datacenter
Windows Server 2008
R2
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012 Standard
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012 Datacenter
Windows Server 2012
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012 R2 Standard
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012 R2 Datacenter
Windows Server 2012
R2
Windows Vista(R) Home Basic
Windows Vista(R) Home Premium
Windows Vista(R) Business
Windows Vista(R) Enterprise
Windows Vista(R) Ultimate
Windows Vista
Windows(R) 7 Home Basic
Windows(R) 7 Home Premium
Windows(R) 7 Professional
Windows(R) 7 Enterprise
Windows(R) 7 Ultimate
Windows 7
Windows(R) 8
Windows(R) 8 Pro
Windows 8
Windows(R) 8.1
Windows(R) 8.1 Pro
Windows 8.1
Solaris(TM) 9 オペレーティングシステム
Solaris 9
Oracle Solaris 10
Solaris 10
Oracle Solaris 11
Solaris 11
Red Hat(R) Enterprise Linux(R) 5 (for x86)
Red Hat(R) Enterprise Linux(R) 5 (for Intel64)
RHEL5
Red Hat(R) Enterprise Linux(R) 6 (for x86)
Red Hat(R) Enterprise Linux(R) 6 (for Intel64)
RHEL6
Red Hat(R) Enterprise Linux(R) 7 (for Intel64)
RHEL7
HP-UX 11i v1
HP-UX 11i v2
HP-UX 11i v3
HP-UX
AIX(R) V6.1
AIX(R) V7.1
AIX
VMware vSphere(R) 4
VMware vSphere 4
VMware vSphere(R) 5
VMware vSphere 5
VMware vSphere(R) 6
VMware vSphere 6
Solarisまたは
Solaris OS
Linux
VMware
Oracle SolarisはSolaris、Solaris Operating System、Solaris OSと記載することがあります。
FUJITSU Storage ETERNUS
正式名称
FUJITSU Storage ETERNUS DX60
FUJITSU Storage ETERNUS DX80
FUJITSU Storage ETERNUS DX90
略称
―
―
- ii -
ETERNUS DX
seriesまたは
ETERNUS ディス
クアレイ
正式名称
略称
FUJITSU Storage ETERNUS DX410
FUJITSU Storage ETERNUS DX440
ETERNUS DX400 series
FUJITSU Storage ETERNUS DX8100
FUJITSU Storage ETERNUS DX8400
FUJITSU Storage ETERNUS DX8700
ETERNUS DX8000 series
FUJITSU Storage ETERNUS DX60 S2
FUJITSU Storage ETERNUS DX80 S2
FUJITSU Storage ETERNUS DX90 S2
―
FUJITSU Storage ETERNUS DX410 S2
FUJITSU Storage ETERNUS DX440 S2
ETERNUS DX400 S2 series
FUJITSU Storage ETERNUS DX8100 S2
FUJITSU Storage ETERNUS DX8700 S2
ETERNUS DX8000 S2 series
FUJITSU Storage ETERNUS DX60 S3
FUJITSU Storage ETERNUS DX100 S3
FUJITSU Storage ETERNUS DX200 S3
―
FUJITSU Storage ETERNUS DX500 S3
FUJITSU Storage ETERNUS DX600 S3
―
FUJITSU Storage ETERNUS DX8700 S3
FUJITSU Storage ETERNUS DX8900 S3
ETERNUS DX8000 S3 series
FUJITSU Storage ETERNUS DX200F
―
ETERNUS DX S2 series
ETERNUS DX S3 series
文中における個々の装置の表記では、"FUJITSU Storage"を省略しています。
ソフトウェア製品
正式名称
略称
Windows(R) Internet Explorer(R)
Internet Explorer
Mozilla(R) Firefox(R)
Firefox
Microsoft(R) Cluster Service
MSCS
Microsoft(R) Windows Server(R) Failover Clustering
WSFC
Microsoft(R) Exchange Server
Exchange Server
Microsoft(R) SQL Server(R)
SQL Server
VMware(R) ESX(R)
VMware ESX
VMware(R) ESXi(TM)
VMware ESXi
VMware(R) vCenter(TM) Server
VMware vCenter ServerまたはvCenter Server
FUJITSU Software PRIMECLUSTER Global Disk Services
GDS
FUJITSU Software PRIMECLUSTER Global File Services
GFS
マニュアル
正式名称
略称
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager
クイックリファレンス
ETERNUS SF クイックリファレンス
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager
リリース情報
ETERNUS SF リリース情報
- iii -
正式名称
略称
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager
導入ガイド
ETERNUS SF 導入ガイド
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager
移行ガイド
ETERNUS SF 移行ガイド
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager
Webコンソール説明書
ETERNUS SF Webコンソール説明書
FUJITSU Storage ETERNUS SF Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager クラスタ
適用ガイド
ETERNUS SF クラスタ適用ガイド
FUJITSU Storage ETERNUS SF Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager 運用ガイ
ド VMware vSphere Virtual Volumes編
ETERNUS SF 運用ガイド VMware
vSphere Virtual Volumes編
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager
メッセージ説明書
ETERNUS SF メッセージ説明書
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser イベント説明書
ETERNUS SF イベント説明書
FUJITSU Storage ETERNUS SF Express / Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager
用語集
ETERNUS SF 用語集
上記のほか、文中における個々のマニュアルの表記では、"FUJITSU Storage"を省略しています。
その他の表記
- 本マニュアルでは、Windowsで使用されている「フェールオーバー」の用語を「フェイルオーバ」に統一して表記し
ます。
- 本マニュアルでは、以下の製品群をまとめて表す場合に“Windows Server 2008以降”と記載しています。
- Windows Server 2008
- Windows Server 2008 R2
- Windows Server 2012
- Windows Server 2012 R2
- 本マニュアルでは、以下の製品群をまとめて表す場合に“Windows Server 2012以降”と記載しています。
- Windows Server 2012
- Windows Server 2012 R2
- 本ドキュメントにおいて、特別な断り書きがない場合の「ETERNUS ディスクアレイ」には、ETERNUS DX200F オール
フラッシュアレイを含みます。
ただし、以下の機能は、ETERNUS DX200Fオールフラッシュアレイを未サポートです。
- 装置の省電力運用
- 装置のNAS運用
- 複数階層(2階層以上)でのストレージ自動階層制御運用
- 本マニュアルでは、仮想マシンおよびVirtual Volumeを管理する条件や規則のことを“ポリシー”と呼びます。vSphere
Web Clientにおけるポリシーを示す場合は、“仮想マシンストレージポリシー”と記載しています。
輸出管理規制について
本ドキュメントを輸出または第三者へ提供する場合は、お客様が居住する国および米国輸出管理関連法規等の規制をご確
認のうえ、必要な手続きをおとりください。
- iv -
商標について
・ Microsoft、Windows、Windows Server、Windows Vistaまたはその他のマイクロソフト製品の名称および製品名は、米国
Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
・ UNIXは、米国およびその他の国におけるThe Open Groupの登録商標です。
・ OracleとJavaは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。文中の
社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
・ Linuxは、Linus Torvalds氏の登録商標です。
・ Red Hat、RPMは、米国およびそのほかの国において登録されたRed Hat, Inc.の商標です。
・ HP-UXは、Hewlett-Packard Companyの米国およびその他の国における登録商標です。
・ AIXは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
・ VMware、VMwareロゴ、Virtual SMPおよびvMotionは、VMware, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標
です。
・ その他の会社名および製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
出版年月および改版履歴
出版年月
マニュアルコード
版数
PDF形式
HTML形式
2015年 1月
初版
B1FW-6020-01Z0(00)
B1FW-6020-01Z2(00)
2015年 3月
第1.1版
B1FW-6020-01Z0(01)
B1FW-6020-01Z2(01)
2015年 7月
第1.2版
B1FW-6020-01Z0(02)
B1FW-6020-01Z2(02)
お願い
・ 本マニュアルの内容を、無断でほかに転載しないようお願いします。
・ 本マニュアルは、予告なしに変更されることがあります。
著作権表示
Copyright 2015 FUJITSU LIMITED
変更履歴
変更内容
変更箇所
VMware社の表記に合わせ、VMware Virtual VolumesをVMware vSphere Virtual
Volumesに変更しました。
全体
VMware vSphere(R) 6についての情報を追加しました。
まえがきの「本書の表記につ
いて」
“ポリシー”と“仮想マシンストレージポリシー”の表記を追加しました。 まえがきの「その他の表記」
「VVOLアクセスパス管理」
、「VVOLデータストア構成管理」と「仮想マシン
バックアップ」を修正しました。
1.2
表「動作環境」を修正しました。
ポイントを修正しました。
1.3
参考を追加しました。
第2章
-v-
版数
第1.1版
変更内容
変更箇所
「システム構成」のポイントと注意を修正しました。
「運用管理サーバの冗長化」を修正しました。
「ネットワークの冗長化」を修正しました。
2.1.1
表「仮想マシンバックアップのポリシー」を修正しました。
「クローンバックアップ用VVOLデータストア」のポイントを修正しまし
た。
2.1.2.1
表「QoS自動化のポリシー」の項目名を変更しました。
2.1.2.3
ポリシーの表を追加しました。
2.1.2.4、2.1.2.5
参照を追加しました。
2.1.2.5
注意を追加しました。
「運用管理サーバをvSphere HA環境に構築する場合」を追加しました。
手順を修正しました。
2.2.1
2.2.2
「FCスイッチ」を修正しました。
2.2.3
表「Virtual Volumeの種別」を修正しました。
「構成情報」の「リポジトリ」を修正しました。
注意と参照を修正しました。
2.3.1
表「VVOLアクセスパスの状態一覧」を修正しました。
「VVOLアクセスパスの使用状況の表示」のポイントを修正しました。
2.3.2
「VVOLデータストアの作成」にポイントと注意を追加しました。
「クローンバックアップ用VVOLデータストアの作成」を修正しました。
「VVOLデータストアの使用状況の表示」を追加しました。
「VVOLデータストアの構成変更」にポイントを追加しました。
「VVOLデータストアの構成変更」の注意を修正しました。
2.3.3
ポイントを修正しました。
2.3.6
ポリシーの表とポイントを追加しました。
2.3.7、2.3.8
「キャッシュ管理」を追加しました。
2.3.9
表「バックアップを取得するためのポリシー設定」を追加しました。
ポイントを修正しました。
「保存世代とバックアップ履歴について」を修正しました。
「自動実行(自動バックアップ)」の表に記載しているタスク名の設定値を
修正しました。
2.4.1
「スナップショットバックアップからのリストア」を修正しました。
「クローンバックアップからのリストア」の注意を修正しました。
「シングルアイテムリストア」を修正しました。
ポイント内に記載している、OPCの物理コピーの実行状況の確認方法を修
正しました。
「仮想マシンに接続するシングルアイテムリストア用の一時ボリュームに
ついて」の注意を修正しました。
2.4.2
一時ボリュームの属性の表を修正しました。
2.4.2、3.5.4
2次バックアップの説明を追加しました。
注意を追加しました。
クローンバックアップボリューム情報の確認方法を修正しました。
参照を修正しました。
2.4.6
運用管理サーバを仮想マシン上に構築している場合の、バックアップ/アッ
プリストア手順を追加しました。
2.5.4.1
- vi -
版数
変更内容
変更箇所
注意を追加しました。
参考を修正しました。
版数
第3章
「事前準備」を追加しました。
「仮想マシンの作成」を修正しました。
「ポリシーの適用」、「ポリシーの変更」を削除しました。
3.1.2
vSphere Web Clientの操作手順を修正しました。
3.2.1、3.3.1、3.4.1、3.5.1、
3.5.2、3.5.3、3.5.5
「ポリシー機能の有効化」を削除しました。
3.3
ポイントを修正しました。
「ポリシーの適用と適用範囲」、「ポリシーの動作条件」を追加しました。
3.3.1
表「プロパティ一覧」の[動作モード]、[スナップショットバックアップ
世代数]、[静止ゲストファイルシステム]と[クローンバックアップの取得]
の説明を修正しました。
「ポリシーの適用と適用範囲」、「ポリシーの適用確認」と「ポリシーの変
更」を削除しました。
「バックアップ対象について」を修正しました。
3.3.1.1
表「プロパティ一覧」を修正しました。
3.3.1.2、3.3.1.3、3.3.1.5
注意を追加しました。
3.3.1.3
「1つの仮想マシンだけポリシーを変更する場合」と「一括してポリシーを
変更する場合」を追加しました。
「仮想マシンに別のポリシーを適用する場合」と「ポリシーを編集する場
合」の、vSphere Web Clientの操作手順を修正しました。
ポリシーの変更について、説明を追加しました。
注意を修正しました。
3.3.2
「仮想マシンバックアップ」を追加しました。
3.3.2.1
「ストレージ自動階層制御(拡張)」を追加しました。
3.3.2.2
「QoS自動化(拡張)」を追加しました。
3.3.2.3
「キャッシュ(拡張)」を追加しました。
3.3.2.4
「セキュリティ(拡張)」を追加しました。
3.3.2.5
vSphere Web Clientの操作手順を修正しました。
コンプライアンスステータスに「非準拠」と表示される条件と対処を追加
しました。
「ポリシーの削除」を追加しました。
3.3.3
3.3.4
ポイントと注意を修正しました。
3.4.1
「仮想マシンの移行」を追加しました。
3.4.3
シングルアイテムリストアを実施するための条件を記載しました。
参考を追加しました。
スナップショットからのシングルアイテムリストアを実施する手順を修正
しました。
注意を修正しました。
3.5.4
注意を修正しました。
クローンバックアップからリストアする手順を修正しました。
3.6.1
ETERNUS DX8700 S3/DX8900 S3の情報を追加しました。
まえがきの「本書の表記につ
いて」、1.3
ストレージ自動階層制御が管理できるTierプールの上限についての説明を
追加しました。
2.1.2.2
- vii -
第1.2版
マニュアル体系と読み方
マニュアル体系
Express、Storage Cruiser、AdvancedCopy Managerのマニュアル体系は、以下のとおりです。
対象製品(注)
読む
時期
対象マニュアル
(略称)
EXP
SC
ACM
導入前
クイックリファレンス
○
○
○
製品共通マニュアルです。
リリース情報
○
○
○
製品共通マニュアルです。
概説書
-
-
○
製品固有マニュアルです。
導入ガイド
○
○
○
製品共通マニュアルです。
クラスタ適用ガイド
-
○
○
製品共通マニュアルです。
移行ガイド
○
○
○
製品共通マニュアルです。
運用ガイド
○
○
○
製品固有マニュアルです。以下のものがあります。
導入
運用
説明
・ Express 運用ガイド
・ Storage Cruiser 運用ガイド
・ Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編
・ AdvancedCopy Manager 運用ガイド(Windows版)
・ AdvancedCopy Manager 運用ガイド(Solaris版)
・ AdvancedCopy Manager 運用ガイド(Linux版)
・ AdvancedCopy Manager 運用ガイド(HP-UX版)
・ AdvancedCopy Manager 運用ガイド(AIX版)
・ AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module
編
・ Storage Cruiser / AdvancedCopy Manager 運 用 ガ イ ド
VMware vSphere Virtual Volumes編
随時
Webコンソール説明書
○
○
○
製品共通マニュアルです。
イベント説明書
○
○
-
製品共通マニュアルです。
メッセージ説明書
○
○
○
製品共通マニュアルです。
用語集
○
○
○
製品共通マニュアルです。
注: "EXP"はExpressを、"SC"はStorage Cruiserを、"ACM"はAdvancedCopy Managerを指します。
マニュアルの読み方
Express、Storage Cruiser、AdvancedCopy Managerのマニュアルは、以下の表を参考に目的・用途に合わせてお読みください。
目的・用途
製品の概要、運
用・使用するう
えでの基礎知識
を得る。
マニュアル名称
クイックリファレンス
主な記載項目
・ 製品の概要
・ 導入判断基準
・ インストールから運用開
始までに必要な作業の概
要
- viii -
読み方
実際に製品を運用するた
めに、必要な基礎知識や
導入判断基準を知りたい
場合に、お読みくださ
い。
目的・用途
マニュアル名称
AdvancedCopy Manager 概説書
主な記載項目
読み方
・ 主な機能
・ 連携できるアプリケー
ション
・ ETERNUS ディスクアレイ
のアドバンスト・コピー
の処理概要
製品のバージョ
ンレベルアップ
の内容を知る。
リリース情報
製品のバージョ
ンレベルアップ
を判断する。
移行ガイド
・ 追加機能の概要
・ 互換に関する情報
・ プログラム修正一覧
・ バージョンレベルアップ
時の注意事項
・ バージョンレベルアップ
の作業の流れ
製品をインス
トールして、正
しく動作できる
ようにする。
導入目的に応じ
てシステム環境
を設定する。
導入ガイド
・ 動作環境
・ インストール手順
・ セットアップ手順
・ アンインストール手順
クラスタ適用ガイド
・ サポートしているクラス
タソフトウェア
・ クラスタシステムでのイ
以前のバージョンレベル
から追加された内容を知
りたい場合や、新バー
ジョンレベルに移行する
場合に、お読みくださ
い。
旧バージョンレベルから
バージョンレベルアップ
したい場合に、お読みく
ださい。
製品のインストール手
順、導入目的に応じた
セットアップ手順などを
知りたい場合に、お読み
ください。
製品をクラスタシステム
にインストールする場合
に、お読みください。
ンストール手順
・ クラスタシステムでの
セットアップ手順
・ クラスタシステムでのア
ンインストール手順
構築したシステ
ムを運用・操作
する。
Express 運用ガイド
・ ソフトウェアの起動・停
止方法
・ 装置の監視方法
・ ストレージ装置内のデー
タのバックアップ・リス
トア方法
・ システム構成変更時に必
要な作業と製品の保守方
法
Storage Cruiser 運用ガイド
・ ソフトウェアの起動・停
止方法
・ 装置の監視方法
・ システム構成変更時に必
要な作業と製品の保守方
法
・ コマンドリファレンス
- ix -
システムの起動・停止、
運用状況の把握・監視操
作方法、バックアップ・
リストア方法などのシス
テムの運用方法を知りた
い場合に、お読みくださ
い。
目的・用途
マニュアル名称
Storage Cruiser 運用ガイド
Optimization機能編
主な記載項目
読み方
・ 運用環境の構築方法
・ 運用状況の監視方法
・ システム構成変更時に必
要な作業と製品の保守方
法
・ コマンドリファレンス
AdvancedCopy Manager 運用ガイド
(Windows版)
・ ソフトウェアの起動・停
AdvancedCopy Manager 運用ガイド
(Solaris版)
・ ストレージ装置内のデー
AdvancedCopy Manager 運用ガイド
(Linux版)
AdvancedCopy Manager 運用ガイド
(HP-UX版)
AdvancedCopy Manager 運用ガイド
(AIX版)
止方法
タのバックアップ・リス
トア方法
・ システム構成変更時に必
要な作業と製品の保守方
法
・ コマンドリファレンス
AdvancedCopy Manager 運用ガイド
Copy Control Module編
Storage Cruiser / AdvancedCopy
Manager 運用ガイド VMware vSphere
Virtual Volumes編
・ 運用環境の構築方法
・ Virtual Volumeを使用した
仮想マシンの運用方法
・ 仮想マシンのバックアッ
プ・リストア方法
・ システム構成変更時に必
要な作業と製品の保守方
法
Webコンソール説明書
・ 動作環境
・ 画面構成の説明
・ 画面の操作方法
出力されたメッ
メッセージ説明書
セージに対して、
対処する。
・ メッセージとその意味
・ パラメーター(可変情報)
の意味
Webコンソールを理解し
たい場合に、お読みくだ
さい。
出力されたメッセージに
対して、具体的な対処方
法を調べる場合に、お読
みください。
・ システムの処理
・ 対処方法
出力されたイベ
ントに対して、
対処する。
イベント説明書
重要な用語や、
製品固有の用語
を調べる。
用語集
・ イベントが発生した事象
・ 対処方法
・ 製品固有の用語とその説
明
・ マニュアルを読むときに
必要な専門用語とその説
明
-x-
出力されたイベントに対
して、具体的な対処方法
を調べる場合に、お読み
ください。
マニュアルを読むときに
必要な専門用語、製品固
有の用語の意味や略語の
正式名称がわからない場
合に、お読みください。
目的・用途
マニュアル名称
主な記載項目
・ 同義語および関連語
・ 略語の正式名称
- xi -
読み方
目 次
第1章 概要..........................................................................................................................................................................................1
1.1 VMware vSphere Virtual Volumesとは....................................................................................................................................... 1
1.2 機能の概要............................................................................................................................................................................... 2
1.3 動作環境................................................................................................................................................................................... 4
1.4 導入から運用までの流れ........................................................................................................................................................ 5
1.4.1 管理者・利用者の定義と役割.......................................................................................................................................... 5
1.4.2 導入から運用までの流れ..................................................................................................................................................6
第2章 ストレージ管理者による設計・導入・運用・保守.............................................................................................................. 8
2.1 ストレージシステムの運用設計............................................................................................................................................. 8
2.1.1 システム構成の事前設計..................................................................................................................................................8
2.1.2 ポリシー設計...................................................................................................................................................................11
2.1.2.1 仮想マシンバックアップ......................................................................................................................................... 11
2.1.2.2 ストレージ自動階層制御(拡張).............................................................................................................................. 13
2.1.2.3 QoS自動化(拡張).......................................................................................................................................................14
2.1.2.4 キャッシュ(拡張)..................................................................................................................................................... 14
2.1.2.5 セキュリティ(拡張)................................................................................................................................................. 15
2.2 ETERNUS SF Managerの導入および設定................................................................................................................................ 15
2.2.1 ETERNUS SF Managerの導入.............................................................................................................................................15
2.2.2 ETERNUS SF Managerの設定.............................................................................................................................................17
2.2.3 管理対象装置の設定と登録............................................................................................................................................ 18
2.2.4 アドバンスト・コピーの接続形態の設定..................................................................................................................... 19
2.2.5 VVOLアクセスパスの設定............................................................................................................................................... 19
2.2.6 VVOLデータストアの作成............................................................................................................................................... 19
2.3 ストレージシステムの運用...................................................................................................................................................20
2.3.1 リソース管理...................................................................................................................................................................20
2.3.2 VVOLアクセスパスの管理............................................................................................................................................... 22
2.3.3 VVOLデータストアの管理............................................................................................................................................... 24
2.3.4 イベント表示...................................................................................................................................................................26
2.3.5 性能管理.......................................................................................................................................................................... 27
2.3.6 関係管理.......................................................................................................................................................................... 27
2.3.7 ストレージ自動階層制御................................................................................................................................................27
2.3.8 QoS自動化........................................................................................................................................................................ 28
2.3.9 キャッシュ管理............................................................................................................................................................... 28
2.4 仮想マシンのバックアップ運用........................................................................................................................................... 29
2.4.1 バックアップ...................................................................................................................................................................29
2.4.2 リストア.......................................................................................................................................................................... 33
2.4.3 バックアップ履歴の参照・削除.................................................................................................................................... 40
2.4.4 バックアップポリシーの変更........................................................................................................................................ 41
2.4.5 バックアップ環境の構成変更........................................................................................................................................ 41
2.4.6 クローンバックアップの2次バックアップおよび別のストレージ装置でのデータ利用について............................ 41
2.4.7 運用上の注意事項........................................................................................................................................................... 42
2.5 ストレージシステムの構成変更・保守................................................................................................................................42
2.5.1 運用管理サーバ環境の構成変更.................................................................................................................................... 42
2.5.2 VVOLデータストアの構成変更........................................................................................................................................42
2.5.3 VMware環境の構成変更.................................................................................................................................................. 43
2.5.4 運用管理サーバの保守................................................................................................................................................... 44
2.5.4.1 運用管理サーバ環境のバックアップ/リストア......................................................................................................44
2.5.4.2 調査資料の採取........................................................................................................................................................ 45
2.6 コマンドリファレンス.......................................................................................................................................................... 45
第3章 仮想マシンの管理者/利用者による仮想マシンの運用....................................................................................................... 46
- xii -
3.1 VMware vSphere Virtual Volumes環境の仮想マシン運用.......................................................................................................46
3.1.1 運用の概要...................................................................................................................................................................... 46
3.1.2 運用の手順...................................................................................................................................................................... 47
3.2 VVOLデータストアの操作...................................................................................................................................................... 48
3.2.1 VVOLデータストアの登録............................................................................................................................................... 48
3.3 ポリシーの操作......................................................................................................................................................................48
3.3.1 ポリシーの作成............................................................................................................................................................... 48
3.3.1.1 仮想マシンバックアップ......................................................................................................................................... 50
3.3.1.2 ストレージ自動階層制御(拡張).............................................................................................................................. 53
3.3.1.3 QoS自動化(拡張).......................................................................................................................................................55
3.3.1.4 キャッシュ(拡張)..................................................................................................................................................... 56
3.3.1.5 セキュリティ(拡張)................................................................................................................................................. 57
3.3.2 ポリシーの変更............................................................................................................................................................... 58
3.3.2.1 仮想マシンバックアップ......................................................................................................................................... 59
3.3.2.2 ストレージ自動階層制御(拡張).............................................................................................................................. 60
3.3.2.3 QoS自動化(拡張).......................................................................................................................................................60
3.3.2.4 キャッシュ(拡張)..................................................................................................................................................... 61
3.3.2.5 セキュリティ(拡張)................................................................................................................................................. 61
3.3.3 ポリシーの適用確認....................................................................................................................................................... 61
3.3.4 ポリシーの削除............................................................................................................................................................... 62
3.4 仮想マシンの操作.................................................................................................................................................................. 63
3.4.1 仮想マシンの作成........................................................................................................................................................... 63
3.4.2 仮想マシンの削除........................................................................................................................................................... 63
3.4.3 仮想マシンの移行........................................................................................................................................................... 64
3.5 スナップショット.................................................................................................................................................................. 64
3.5.1 スナップショットの作成................................................................................................................................................64
3.5.2 スナップショットの一覧参照........................................................................................................................................ 65
3.5.3 スナップショットへの復帰............................................................................................................................................ 65
3.5.4 スナップショットからのシングルアイテムリストア.................................................................................................. 65
3.5.5 スナップショットの削除................................................................................................................................................68
3.6 リストア................................................................................................................................................................................. 68
3.6.1 物理障害時のリストア................................................................................................................................................... 68
- xiii -
第1章 概要
本章では、本製品におけるVMware vSphere Virtual Volumes機能のサポート概要について説明します。
1.1 VMware vSphere Virtual Volumesとは
VMware vSphere Virtual Volumesは、これまでVMFS上で行われていたVMDKファイルの操作を、ストレージ装置のボリューム
操作にオフロードする技術です。
VMFSでは、フォーマットされた1つのボリュームをデータストアとし、そのVMFSデータストア上に作成された複数のVMDK
ファイルで1つの仮想マシンを構成していました。そのため、仮想マシンの操作はVMFS上のファイル操作で実現され、スト
レージ装置が持つ高度な機能を十分に活用できませんでした。
図1.1 VMFSによる環境
VMware vSphere Virtual Volumesでは、ストレージ装置に構成された論理的な領域をデータストアとして、その領域に作成さ
れる個々のボリュームをVMDKとして仮想マシンを構成します。このため、ストレージ装置の様々な機能を仮想マシン単位
で活用できます。Virtual Volume用のデータストアを“VVOLデータストア”と呼びます。
VMware vSphere Virtual Volumesにより、ETERNUS ディスクアレイに対する性能設計や性能分析を簡素化できます。また、仮
想マシン単位のバックアップを採取できます。同一装置内であれば、ETERNUS ディスクアレイのアドバンスト・コピー機能
により、VMware標準のスナップショットやクローンの作成、およびStorage vMotionの処理の高速化を実現できます。
-1-
図1.2 VMware vSphere Virtual Volumesによる環境
参考
VMware vSphere Virtual Volumes機能では、ストレージ装置側に構成されるデータストアを“バッキングストレージコンテ
ナ”と表現します。
1.2 機能の概要
VMware vSphere Virtual Volumesに対する、本製品の主な機能概要を説明します。
VVOLアクセスパス管理
VMFSによるVMware環境において、VMFSデータストアを構成するためのボリュームをVMホストに認識させるには、ETERNUS
ディスクアレイとVMホスト間にアクセスパス(FCスイッチのゾーニングおよびETERNUS ディスクアレイのホストアフィ
ニティ)を設定する必要がありました。
VMware vSphere Virtual Volumes環境でも同様にアクセスパスの設定が必要です。ただし、VVOLデータストアはボリュー
ムではないため、従来のホストアフィニティ設定とは異なり、VVOLデータストアを認識できるようにするためのホスト
アフィニティの設定が必要です。
本製品では、ETERNUS ディスクアレイとVMホスト間のアクセスパスを管理する機能と同様に、VMホストとVVOLデータ
ストア間のアクセスパスを管理する機能を提供します。
以降、VVOLアクセスパス以外のアクセスパスを“アクセスパス”と表現します。
-2-
VVOLデータストア構成管理
VVOLデータストアは、仮想マシンの制御において生成されるVirtual Volumeを配置するための論理的な領域です。本製品
では、1つのTierプールで、または複数のTierプールを組み合わせて、1つのVVOLデータストアを構成します。VVOLデータ
ストア内のどのTierプールにVirtual Volumeを配置するかは、仮想マシンの制御において指定するポリシーにより自動的
に決定されます。
関係管理
End to Endビュー(VMware)において、仮想マシンからVirtual Volumeまでの関係性を表示し、関係する各装置の構成要素
の詳細情報を表示できます。
性能管理
ETERNUS ディスクアレイからVirtual Volume単位の性能情報を取得してグラフ表示し、各仮想マシンの負荷状況や性能分
析を支援します。
仮想マシンストレージポリシー
仮想マシンストレージポリシーの仕組みは、VMware vSphere Virtual Volumesの標準機能です。仮想マシンやストレージ
装置に関する要件をあらかじめポリシーとして用意しておくことで、仮想マシンの各種制御(仮想マシンの新規作成、ス
ナップショット、クローン、Storage vMotion)において、ポリシーを満たすVVOLデータストアを選択できます。
本製品では、ストレージ自動階層制御、QoS自動化機能、仮想マシンバックアップ機能の各種設定をポリシーとして定
義し、ポリシーを満たすVVOLデータストアとTierプールの選択、生成されたVirtual Volumeや仮想マシンに対する一括制
御を実施できます。
仮想マシンバックアップ
VMware vSphere Virtual Volumesを使用している環境において、ETERNUS ディスクアレイのアドバンスト・コピー機能を
利用して、高速に仮想マシン単位のバックアップ/リストアを行う機能を提供します。
本機能の特長は、以下のとおりです。
- 業務システムに負荷をかけない高速コピー
ETERNUS ディスクアレイのアドバンスト・コピー機能を利用することで、仮想マシンおよび業務サーバに負荷をか
けないバックアップが可能です。
- ポリシーによるバックアップ運用
VMwareでポリシーを設定することにより、ポリシーに基づいたバックアップ運用を行います。
バックアップポリシーの初期設定は、VMware上で仮想マシン作成時にポリシーを選択して行います。仮想マシンの
作成時に設定することで、設定ミスの発生が低減します。
- スナップショットとクローンバックアップの取得
以下の2つのバックアップを整合性のとれた状態で取得します。
- VMwareのスナップショットを使用したスナップショットバックアップ
- 物理ディスク障害に備えたクローンバックアップ
また、クローンバックアップでは、差分コピー(QuickOPC)を用いて最小限のデータをコピーするので、物理コピーに
かかる時間を短縮します。
- スナップショットバックアップの世代管理
設定されたポリシーに従って、スナップショットの世代管理を行います。不要な資源が自動的に削除されるため、
ストレージ資源の効率的な運用が可能です。
- バックアップの自動実行
ポリシーに設定されたスケジュールに従って、バックアップを実行します。
- 目的に応じたリストア
目的に応じた複数のリストア方式を提供しています。
-3-
- スナップショットバックアップからのリストア
論理データ障害からの復旧などに利用します。
- クローンバックアップからのリストア
物理障害からの復旧などに利用します。
- シングルアイテムリストア
ファイル単位の復旧に利用します。
注意
以下の機能は、VMware vSphere Virtual Volumesをサポートしていません。
・ レポーティング機能
・ Storage Cluster機能
・ バックアップ管理機能
・ レプリケーション管理機能
・ AdvancedCopy Manager Copy Control Module
1.3 動作環境
VMware vSphere Virtual Volumesは、以下の環境で使用できます。
表1.1 動作環境
対象
環境
プラットフォーム
ETERNUS SF Managerが動作するWindows環境のプラットフォーム
必須ソフトウェア
・ ETERNUS SF Storage Cruiser
・ ETERNUS VASA Provider 2.0以降 (注1)
・ VMware vSphere (VMware vSphere Virtual Volumes機能対応版数)
・ VMware vCenter Server (VMware vSphere Virtual Volumes機能対応版数)
任意ソフトウェア
ETERNUS SF AdvancedCopy Manager
仮想マシンバックアップ機能を使用する場合に必要
必須ライセンス
ETERNUS SF Storage Cruiser Standard Edition
任意ライセンス
・ ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Standard Edition ライセンスパック
仮想マシンバックアップ機能を使用する場合に必要
・ ETERNUS SF Storage Cruiser Optimizationオプション (注2)
ストレージ自動階層制御を利用する場合に必要
・ ETERNUS SF Storage Cruiser QoS Managementオプション
QoS自動化機能を利用する場合に必要
業務サーバとの接続形態
・ サポートレベルがAまたはBのファイバーチャネルスイッチを経由した接続 (注3)
・ iSCSIによる接続
ストレージ装置
ETERNUS DX S3 series (DX60 S3 を除く) (注4、注5)
ETERNUS DX200F (注4、注5、注6)
注1: ETERNUS VASA Providerは、ETERNUS VMwareサポートパッケージに含まれます。ETERNUS VMwareサポートパッケージ
のインストールの詳細は、『ETERNUS SF 導入ガイド』を参照してください。
注2: 1階層Tierプールだけを利用する場合は不要です。
-4-
注3: サポートレベルの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「概要」にある「サポートレベル」を参照し
てください。
注4: VMware vSphere Virtual Volumes機能対応版数のファームウェアが必要です。
注5: 2CMモデルが必要です。
注6: ストレージ自動階層制御は利用できません。
ポイント
・ ETERNUS SF ManagerとETERNUS VASA Providerは、同じサーバにインストールする必要があります。
・ VMware vCenter Serverは、ETERNUS SF ManagerおよびETERNUS VASA Providerをインストールしたサーバと異なるサーバに
インストールする必要があります。
・ 本製品は、Virtual Volumeに関する構成情報をストレージ装置に保存するため、以下の容量のFTVを、ストレージ装置ご
とに1つ、VVOLデータストアを構成するTierプールに自動的に作成します。
装置
必要量
(単位: MB)
ETERNUS DX100 S3/DX200 S3
ETERNUS DX500 S3/DX600 S3
1040
ETERNUS DX8700 S3/DX8900 S3
4160
ETERNUS DX200F
1040
1.4 導入から運用までの流れ
1.4.1 管理者・利用者の定義と役割
ストレージ管理者
ストレージに関連するリソース・運用を管理し、ストレージ利用者にストレージ資源を提供します。
ストレージ管理者には、OSの管理者権限が必要です。
ストレージ利用者 (VM管理者/VM利用者)
VM管理者
仮想マシンの管理者です。仮想マシンに関連するリソース・運用を管理し、VM利用者に仮想マシンを提供します。
VMwareの管理機能(VMware vCenter Server)の管理者権限を持つ管理者です。
VM利用者
仮想マシンを利用する業務管理者や業務使用者です。
VM管理者から必要な権限を与えてもらい、VMwareの管理機能(VMware vCenter Server)を使用します。
-5-
1.4.2 導入から運用までの流れ
図1.3 導入から運用までの流れ
表1.2 ストレージ管理者の作業項目と参照先
フェーズ
作業項目
参照先
運用設計
ストレージシステムの運用設計
「2.1 ストレージシステムの運用設計」
導入・設定
ETERNUS SF Managerの導入
ストレージシステムの環境設定
「2.2 ETERNUS SF Managerの導入および設定」
ストレージシステム運用
ストレージシステムの運用
「2.3 ストレージシステムの運用」
バックアップ運用
仮想マシンのバックアップ運用
「2.4 仮想マシンのバックアップ運用」
運用変更
ストレージシステムの構成変更
「2.5 ストレージシステムの構成変更・保守」
保守
ストレージシステムの保守
「2.5 ストレージシステムの構成変更・保守」
表1.3 VM管理者/利用者の作業項目と参照先
フェーズ
導入・設定
作業項目
参照先
データストアの登録
「3.2.1 VVOLデータストアの登録」
ポリシーの作成
「3.3.1 ポリシーの作成」
運用
仮想マシンの作成/削除
「3.4 仮想マシンの操作」
バックアップ運用
スナップショットの作成/削除/復帰
「3.5 スナップショット」
-6-
フェーズ
作業項目
参照先
リストア
「3.5.3 スナップショットへの復帰」
「3.6 リストア」
運用変更
ポリシーの更新
VMware環境の変更
「3.3.2 ポリシーの変更」
「3.3.3 ポリシーの適用確認」
保守
VMware環境の保守
VMware環境の保守は、VMwareに付属のマニュアルを参
照してください。
-7-
第2章 ストレージ管理者による設計・導入・運用・保守
本章では、ストレージ管理者によるVMware vSphere Virtual Volumesを使用したストレージシステムの設計・導入・運用・保
守について説明します。
参考
本章に記載しているvSphere関連の用語は、vSphereのバージョンレベルによって異なる可能性があります。
2.1 ストレージシステムの運用設計
本節では、VMware vSphere Virtual Volumesを使用したストレージシステムの運用設計について説明します。
2.1.1 システム構成の事前設計
本製品を導入・運用するために必要なシステム構成について説明します。
参照
本書では、VMware vSphere Virtual Volumesの環境について記載しています。システム全体の運用設計の詳細は、『ETERNUS SF
Storage Cruiser 運用ガイド』の「運用設計」を参照してください。
システム構成
図2.1 システム構成例
-8-
運用管理サーバ
VMware vSphere Virtual Volumesの運用環境を構築するには、運用管理サーバが必要です。運用管理サーバには、ETERNUS
SF ManagerとETERNUS VASA Providerを導入します。
仮想マシン
作成したVirtual Volumeを接続する仮想マシンです。また、バックアップ機能においてはバックアップ対象となる仮想マ
シンです。仮想マシンには、VMware Toolsをインストールします。
VMware ESXホスト(VMホスト)
仮想マシンの実行環境を提供するサーバです。
VMware vCenter Server
仮想マシンの管理および操作を一元的に行うサーバです。
ポイント
・ 1つのVMware vCenter Serverで、複数のVASA Providerを管理できます。
しかし、複数のVMware vCenter Serverが1つのVASA Providerを重複して管理することはできません。
・ VMware vSphere Virtual Volumes環境では、運用管理環境の異常が業務継続に影響を与えます。このため、運用管理環境
の冗長化を強く推奨します。
注意
・ 運用管理サーバ、VMware vCenter Server、およびVMホストは、それぞれDNSサービスでお互いにFQDNを確認できるよう
にしてください。
・ 運用管理サーバ、VMware vCenter Server、VMホスト、およびETERNUS ディスクアレイは、それぞれNTPサービスで時刻
を合わせてください。
運用管理環境の冗長化
VMware vSphere Virtual Volumes環境では、運用管理環境の異常が業務継続に影響を与えます。このため、運用管理環境の冗
長化を推奨します。
VMware vCenter Serverの冗長化
VMware vCenter Serverに付属のドキュメントを参照してください。
運用管理サーバの冗長化
VMware vSphere High Availability(vSphere HA)による冗長化が可能です。
-9-
図2.2 vSphere HA構成の例
vSphere HAでは、仮想マシン上に運用管理サーバを構築することで冗長化を実現します。業務用のVMware環境と運用管
理用のVMware環境は、1つのVMware vCenter Serverで管理できます。
上記例では、VMホストを4台使用して、運用管理サーバ用のVMホストと業務用のVMホストを分けています。運用管理
サーバ用と業務用を共用し、2台のVMホストだけで構成することも可能です。
参照
vSphere HAの環境構築方法は、VMware vSphereに付属のドキュメントを参照してください。
ネットワークの冗長化
業務LANと管理LANの冗長化を推奨します。
運用管理サーバおよび業務サーバは、NICのチーミングで冗長化します。ETERNUS ディスクアレイにはCMに管理LANがあ
るので、CMを冗長化することで管理LANが冗長化されます。
参照
- VMホストに対するNICチーミングの設定方法は、VMware vSphereに付属のドキュメントを参照してください。
- 10 -
- ETERNUS ディスクアレイに接続する管理LANを冗長化するための設定方法は、ETERNUS ディスクアレイに付属のド
キュメントを参照してください。
2.1.2 ポリシー設計
VMware vSphere Virtual Volumes環境では、仮想マシンの運用目的に応じて、ストレージ利用者がポリシーでストレージを制
御できます。
ポリシーの内容に従って、仮想マシンを配置するVVOLデータストアが選択され、作成される仮想マシンやVirtual Volumeが
設定されます。
参考
VMware vSphere Virtual Volumesでは、ストレージに関するポリシーを“仮想マシンストレージポリシー”と呼びます。
ストレージ管理者は、ストレージ利用者がポリシーで以下の機能を制御できるように、ストレージを設計してください。
・ 仮想マシンバックアップ
・ ストレージ自動階層制御(拡張)
・ QoS自動化(拡張)
・ キャッシュ(拡張)
・ セキュリティ(拡張)
ポイント
「拡張」と記載されている機能を使用する場合は、ストレージや機能の仕組みを理解しておく必要があります。
ストレージ利用者が「拡張」と記載されている機能を意識せずに仮想マシンを運用できるようにするには、ストレージ管
理者が、運用目的ごとにVVOLデータストアを作成して、運用目的に応じた名前を付けてください。ストレージ利用者が、
運用目的に応じて名前でVVOLデータストアを選択する運用をお勧めします。
参照
ストレージ利用者の操作は、「3.3 ポリシーの操作」を参照してください。
2.1.2.1
仮想マシンバックアップ
仮想マシンバックアップのポリシーについて説明します。
VVOLデータストアに作成した仮想マシンのバックアップに関するポリシーです。
仮想マシンバックアップのポリシーは、Virtual Volume単位でなく仮想マシン単位で設定します。ストレージ利用者は、以
下の項目をポリシーとして設定できます。
表2.1 仮想マシンバックアップのポリシー
項目
説明
動作モード
仮想マシンバックアップ機能の動作方法を指定する動作モードです。
実行周期
バックアップの自動実行を実施する間隔です。
実行間隔(Hour)
[実行周期]に"Hourly"を指定した場合に、バックアップの自動実行を実施する
間隔です。
実行曜日(Week)
[実行周期]に"Weekly"を指定した場合に、バックアップの自動実行を実施する
曜日です。
- 11 -
項目
説明
実行日(Day)
[実行周期]に"Monthly"を指定した場合に、バックアップの自動実行を実施す
る日です。
実行開始時刻(Hour)
バックアップの自動実行を開始する時刻(時)です。
実行開始時刻(Minute)
バックアップの自動実行を開始する時刻(分)です。
スナップショットバックアップ世代数
スナップショットバックアップの保存世代数です。
静止ゲストファイルシステム
バックアップ時にファイルシステムの内容を整合性のある状態にするかどう
かの設定です。
仮想メモリスナップショット
スナップショットバックアップ取得時に、メモリの内容を含めるかどうかの
設定です。
クローンバックアップの取得
クローンバックアップを取得するかどうかの設定です。
参照
各項目の詳細は、「3.3.1 ポリシーの作成」の「3.3.1.1 仮想マシンバックアップ」を参照してください。
ストレージシステムの設計
仮想マシンバックアップに必要なストレージシステムの設計について説明します。
ETERNUS ディスクアレイ
仮想マシンバックアップ機能を利用する場合は、仮想マシンおよび仮想マシンに接続するVirtual Volumeを作成するETERNUS
ディスクアレイに「ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Standard Edition ライセンスパック」を登録します。
1つの仮想マシンに複数のETERNUS ディスクアレイのVirtual Volumeが接続されている場合、すべてのETERNUS ディスク
アレイに上記のライセンスが必要です。
仮想マシン(接続ディスク構成)
バックアップは、仮想マシン単位で行います。バックアップの対象は、仮想マシンを構成する仮想ディスクです。
以下の条件があります。
- 仮想マシンの構成情報を格納するデータストア(仮想マシン作成時に選択するデータストア)は、VVOLデータストア
であること
- 仮想マシンを構成する仮想ディスクは、すべてVirtual Volumeであること
注意
- Virtual Volume以外の仮想ディスクの場合、種類・設定によりバックアップ/リストアの対象になりません。
詳細は、以下の表を参照してください。
表2.2 Virtual Volume以外の動作
スナップショットバック クローンバックアップ、 ファイル単位のリストア
アップ、スナップショッ クローンバックアップか
トバックアップからのリ
らのリストア
ストア
Virtual Volume
○
○
○
VMFS
○
×
×
RDM(互換モード: 仮想)
○
×
×
RDM(互換モード: 物理)
×
×
×
- 12 -
○: バックアップ/リストアの対象
×: バックアップ/リストアの対象外
- 独立型(通常/読取り専用)モードの場合、バックアップ/リストアの対象になりません。
- クローンバックアップからのリストアにおいて、バックアップ/リストア対象外の仮想ディスクの接続構成は復
元されません。必要に応じて、VMware vCenter Serverから再接続してください。
スナップショットバックアップ用のボリューム
スナップショットバックアップを取得する際の、バックアップ先となるボリュームです。
スナップショットバックアップの取得時に、バックアップ元のVirtual Volumeと同じVVOLデータストアに自動的に生成さ
れます。
ポイント
VVOLデータストアに必要な空き容量は、スナップショットバックアップを行ってから次のスナップショットバックアッ
プまでの更新データ量です。N世代のスナップショットバックアップを行う場合は、N世代のスナップショットバック
アップを行うまでにバックアップ元Virtual Volumeに対して更新されるデータ量が、VVOLデータストアに必要な容量で
す。
クローンバックアップ用VVOLデータストア
クローンバックアップ用のVVOLデータストアです。
クローンバックアップを取得する場合は、事前にクローンバックアップ用VVOLデータストアをETERNUS ディスクアレイ
に1つ作成します。クローンバックアップの取得を有効にするVVOLデータストアが存在するすべてのETERNUS ディスク
アレイに作成してください。
ポイント
クローンバックアップ用VVOLデータストアに必要な容量は、バックアップ元のVirtual Volumeと同容量です。
クローンバックアップ用のボリューム
クローンバックアップを取得する際の、バックアップ先となるボリュームです。
バックアップ時にクローンバックアップ用VVOLデータストアから自動的に割り当てられます。
2.1.2.2
ストレージ自動階層制御(拡張)
ストレージ自動階層制御のポリシーについて説明します。
VVOLデータストアを構成するTierプール、および作成されるVirtual Volumeのストレージ自動階層制御に関するポリシーで
す。
ストレージ利用者に対してストレージ自動階層制御機能を提供する場合、「ETERNUS SF Storage Cruiser Optimizationオプショ
ン」ライセンスを適用し、階層化ポリシーを適用したTierプールを含むVVOLデータストアを作成してください。
ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。
表2.3 ストレージ自動階層制御のポリシー
項目
説明
階層数
VVOLデータストアを構成するTierプールの階層数です。
実行モード
自動階層制御の動作方法です。
優先FTSP
Virtual Volumeに書き込むデータを優先的に割り当てるサブプールです。
Low割当て率(%)
再配置の際にLowサブプールに割り当てる比率です。
Middle割当て率(%)
再配置の際にMiddleサブプールに割り当てる比率です。
- 13 -
項目
High割当て率(%)
説明
再配置の際にHighサブプールに割り当てる比率です。
[階層数]および[実行モード]は、あらかじめ設計したTierプールの構成でストレージ利用者が設定できる内容が決まるため、
ストレージ利用者に提供する内容に応じて階層化ポリシーやTierプールを構成してください。
参照
・ ストレージ自動階層制御が管理できるTierプール数、Tierプールの容量に上限があります。詳細は、『ETERNUS SF 導入ガ
イド』の「ストレージ自動階層制御の上限」を参照してください。
・ ストレージ自動階層制御機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してくださ
い。
2.1.2.3
QoS自動化(拡張)
QoS自動化のポリシーについて説明します。
作成されるVirtual VolumeのQoS自動化に関するポリシーです。
ストレージ利用者にQoS自動化機能を提供する場合、「ETERNUS SF Storage Cruiser QoS Managementオプション」ライセンス
を適用してください。
ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。
表2.4 QoS自動化のポリシー
項目
説明
QoS自動化の有効/無効
QoS自動化機能を使用するかどうかの設定項目です。
QoS自動化:優先度
QoS自動化の優先度です。
目標レスポンスタイム(ミリ秒)
レスポンスタイムの目標値です。
割当て率調整
ストレージ自動階層制御の連携を有効とする設定です。
参照
QoS自動化機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。
2.1.2.4
キャッシュ(拡張)
キャッシュのポリシーについて説明します。
作成されるVirtual Volumeの、Extreme Cache設定またはExtreme Cache Pool設定に関するポリシーです。
Extreme CacheまたはExtreme Cache Poolが登載されているETERNUS ディスクアレイであれば、ストレージ利用者は目的に応
じて、これらのCacheの使用をポリシーによって選択できます。
ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。
表2.5 キャッシュのポリシー
項目
Extreme Cache
説明
Extreme Cache機能を使用するかどうかの設定項目です。
- 14 -
参照
Extreme CacheおよびExtreme Cache Poolの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「Extreme Cacheの管理」を参
照してください。
2.1.2.5
セキュリティ(拡張)
セキュリティのポリシーについて説明します。
作成されるVirtual Volumeのデータ暗号化に関するポリシーです。
ストレージ利用者に暗号化機能を提供する場合、暗号化したTierプールで構成したVVOLデータストアを用意してください。
ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。
表2.6 セキュリティのポリシー
項目
データ暗号化
説明
暗号化されたVirtual Volumeを作成するかどうかの設定項目です。
参照
暗号化機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「暗号化の管理」を参照してください。
2.2 ETERNUS SF Managerの導入および設定
ETERNUS SF Managerの導入および設定の手順を説明します。
表2.7 導入および環境設定に必要な手順
手順の名称
手順の詳細
手順の要否
ETERNUS SF Managerの導入
-
必須
管理対象装置の設定と登録
-
必須 (注)
アドバンスト・コピーの接続形態の
設定
-
仮想マシンバックアップを行う場合に
必要
VVOLアクセスパスの設定
-
必須
VVOLデータストアの作成
Tierプールの作成
必須
VVOLデータストアの作成
必須
クローンバックアップ用VVOLデータストアの
作成
仮想マシンバックアップを行うかつク
ローンバックアップを取得する場合に
必要
注: 使用する機能に応じてライセンスの登録が必要です。詳細は、「1.3 動作環境」を参照してください。
2.2.1 ETERNUS SF Managerの導入
Virtual Volumeを利用する場合、以下の2つのプログラムを同じサーバに導入して、運用管理サーバの環境を設定します。
・ ETERNUS SF Manager
・ ETERNUS VASA Provider
- 15 -
参照
ETERNUS VASA Providerは、ETERNUS VMwareサポートパッケージに含まれます。ETERNUS SF ManagerとETERNUS VMwareサポー
トパッケージのインストールの詳細は、『ETERNUS SF 導入ガイド』を参照してください。
注意
1台のETERNUS ディスクアレイを複数の運用管理サーバで管理しないでください。
運用管理サーバをvSphere HA環境に構築する場合
2台のVMホストを使用して、vSphere HA環境を構築します。
以下の手順で環境を構築します。
1. 運用管理サーバを作成します。
a. 1台のVMホストに、そのVMホストのローカルディスクを使用したVMFSデータストアを作成します。
b. 作成したVMFSデータストアに運用管理サーバ用の仮想マシンを作成します。
c. 運用管理サーバ用の仮想マシンに、ETERNUS SF ManagerおよびETERNUS VASA Providerをインストールおよびセッ
トアップします。
2. vSphere HA用の共用ディスクを作成します。
a. ETERNUS SFシステムにETERNUS ディスクアレイを登録します。
b. ETERNUS SFシステムを使用して、ETERNUS ディスクアレイにボリュームを作成します。
c. ETERNUS SFシステムを使用して、作成したボリュームを2台のVMホストそれぞれに割り当てます。
d. 割り当てたボリュームでVMFSデータストアを作成します。
3. vSphere HA環境を構築します。
vSphere HA環境を構築します。このとき、作成したVMFSデータストアを共有ストレージに指定してください。
4. 運用管理サーバを共用ディスクに移動します。
運用管理サーバ用の仮想マシンを、vSphere HA用の共用ディスクに移動します。
参照
・ ETERNUS SF Managerのインストールおよびセットアップ方法は、『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのイ
ンストール」および「ETERNUS SF Managerのセットアップ」を参照してください。
・ ETERNUS ディスクアレイの登録方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「装置の登録」を参照してくださ
い。
・ ボリュームの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ボリュームの作成」を参照してください。
・ ボリュームの割り当て手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイのボリュームの割当
て」を参照してください。
・ vSphere HAの構築方法は、VMware vSphereに付属のドキュメントを参照してください。
- 16 -
2.2.2 ETERNUS SF Managerの設定
ETERNUS SF ManagerおよびETERNUS VASA Providerの各種サービスに異常が発生した場合、VM管理者/VM利用者のvSphere Web
Clientを使った運用に影響があります。運用の継続性を向上させるため、Windowsサービスの回復機能の設定を推奨します。
ETERNUS SF ManagerおよびETERNUS VASA Providerの以下のサービスについて回復機能を設定します。
・ ETERNUS SF Manager Tomcat Service
・ ETERNUS SF Manager Apache Service
・ AdvancedCopy Manager COM Service
・ ETERNUS Information Provider
手順は、以下のとおりです。
1. サービス画面を開きます。
- Windows Server 2012の場合
[コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。
- 上記以外のWindows環境の場合
[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。
2. サービスのプロパティ画面を開きます。
3. [回復]タブを選択し、各項目を以下のように設定します。
項目名
設定内容
最初のエラー
「サービスを再起動する」または「コンピューターを再起動する」
次のエラー
「サービスを再起動する」または「コンピューターを再起動する」
その後のエラー
「サービスを再起動する」または「コンピューターを再起動する」
エラーカウントのリセット
「1日後」
サービスの再起動
「1分後」
4. [エラーで停止したときの操作を有効にする]にチェックします。
5. [コンピューターの再起動のオプション]をクリックし、再起動の時間を1分後にします。
ただし、手順3で「コンピューターを再起動する」を設定していない場合、この手順は不要です。
ポイント
・ エラーの際に、サービスを再起動するか、コンピュータを再起動するかは、運用に合わせて変更可能です。
ただし、ETERNUS SF Manager Apache Serviceは、必ず、コンピュータの再起動を設定してください。
・ エラーカウントのリセット、サービスの再起動、およびコンピュータの再起動までの時間は、運用に合わせて変更可能
です。
注意
・ ETERNUS SF Managerの以下のサービスは、Windowsサービスの回復機能を使用できません。
- ETERNUS SF Manager Postgres Service
- ETERNUS SF Storage Cruiser Optimization Option
Webコンソールの操作で異常があった場合は、これらのサービスが動作しているか確認してください。
- 17 -
・ Webコンソールのイベントに以下のメッセージが表示された場合は、ETERNUS SF Managerの各サービスが動作している
か確認してください。
esccs11002 Applying the policy failed. policy=policy, target=target, detail=detail
・ ETERNUS SF ManagerやETERNUS VASA Providerの各サービスが動作していなかった場合は、以下のどれかの対処を手作業
で実施して復旧してください。
- サービスの再起動
- OSの再起動
- 仮想マシン上に運用管理サーバを構築している、かつ、vSphere HAなどでVMホストを冗長化している場合は、使用
するVMホストを切り替えてから、OSの再起動
2.2.3 管理対象装置の設定と登録
ETERNUS ディスクアレイ
装置の設定・登録
Virtual Volumeを作成するすべてのETERNUS ディスクアレイの設定および登録を行います。
参照
設定項目と作業手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「環境構築」にある「ディスクアレイおよびオール
フラッシュアレイ」を参照してください。
登録手順は、
『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「装置の登録」を参照してください。
ライセンス登録
VMware vSphere Virtual Volumes環境で運用を行うため、Virtual Volumeを割り当てるすべてのETERNUS ディスクアレイに
ライセンスを登録する必要があります。登録するライセンスは、「1.3 動作環境」の「表1.1 動作環境」を参照してくだ
さい。
参照
登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ライセンスの登録」を参照してください。
FCスイッチ
ファイバーチャネル環境でVirtual Volumeを使用する場合は、FCスイッチが必要です。
サポートレベルがAまたはBのFCスイッチの場合
本製品でアクセスパスおよびVVOLアクセスパスを管理する場合は、FCスイッチの設定および登録を実施してください。
本製品に登録しない場合は、FCスイッチに対してネットワークの設定およびゾーニングの設定を実施してください。
参照
設定項目と作業手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「環境構築」にある「ファイバーチャネルスイッ
チ」を参照してください。
登録手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「装置の登録」を参照してください。
- 18 -
上記以外のFCスイッチの場合
FCスイッチに対してネットワークの設定を実施してください。また、必要に応じて、ゾーニングの設定を実施してくだ
さい。
VMホスト
Virtual Volumeを使用するすべてのVMホストに対して、設定および登録を行います。
参照
設定項目と作業手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「環境構築」にある「VMwareサーバノード」を参照し
てください。
登録手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「装置の登録」を参照してください。
VMware vCenter Server
Virtual Volumeを使用するVMホストを管理しているすべてのVMware vCenter Serverを登録します。
ユーザーには、VMware vCenter Serverの管理者権限を持つユーザーを登録してください。
参照
登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VMware vCenterサーバに関する操作」の「VMware vCenterサーバの登
録/再読込みおよびユーザー情報の変更」を参照してください。
2.2.4 アドバンスト・コピーの接続形態の設定
仮想マシンのバックアップ運用を行う場合は、アドバンスト・コピーの接続形態を設定します。
すでに接続形態を設定している場合または仮想マシンバックアップ機能を使用しない場合、本作業は不要です。
参照
設定手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイの接続形態の設定」を参照してください。
なお、接続形態の設定では、「ボリュームからのアクセス」または「ネットワークからのアクセス」を選択してください。
2.2.5 VVOLアクセスパスの設定
VMホストとETERNUS ディスクアレイ間に、VVOLアクセスパス(Virtual Volume用のアクセスパス)を設定します。
参照
VVOLアクセスパスの詳細は、「2.3.2 VVOLアクセスパスの管理」を参照してください。
VVOLアクセスパスの設定手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLアクセスパスの設定」を参照してくださ
い。
2.2.6 VVOLデータストアの作成
ETERNUS ディスクアレイにVVOLデータストアを作成します。仮想マシンバックアップ機能のクローンバックアップの取得
を利用する場合、クローンバックアップ用VVOLデータストアも作成します。
- 19 -
Tierプール作成
Tierプールを作成します。ストレージ自動階層制御を利用する場合は、Tierプール作成の前に階層化ポリシーも作成しま
す。
参照
ストレージ自動階層制御機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。
階層化ポリシーの作成手順、VVOLデータストア/クローンバックアップ用VVOLデータストアを構成するTierプールの作成
手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の以下の箇所を参照してください。
- 「階層化ポリシーの作成」
- 「VVOLデータストア/クローンバックアップ用VVOLデータストアを構成するTierプールの作成」
VVOLデータストア作成
1つ以上のTierプールを組み合わせてVVOLデータストアを作成します。
参照
VVOLデータストアの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLデータストアの作成」を参照してくだ
さい。
クローンバックアップ用VVOLデータストア作成
仮想マシンバックアップ機能でクローンバックアップを取得する場合、1つ以上のTierプールを組み合わせてクローン
バックアップ用VVOLデータストアを作成します。
参照
クローンバックアップ用VVOLデータストアの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「クローンバックアッ
プ用VVOLデータストアの作成」を参照してください。
参照
VVOLデータストアの詳細は、「2.3.3 VVOLデータストアの管理」を参照してください。
2.3 ストレージシステムの運用
VMware vSphere Virtual Volumes環境におけるストレージシステムの運用を説明します。
2.3.1 リソース管理
Virtual Volume管理
本製品は、VMware vCenter Serverでの仮想マシンの操作に伴って作成される、Virtual Volumeの情報を表示できます。Virtual
VolumeはFTVでもあります。Virtual Volumeは、Webコンソールのボリューム一覧画面で、[用途]に"Block/VVOL"と表示されま
す。
Virtual Volumeには、以下の種別があります。これらの種別は、Webコンソールのボリューム一覧画面の[VVOLタイプ]に表示
されます。
- 20 -
表2.8 Virtual Volumeの種別
意味
VVOLタイプ
Config
VMware管理情報用
Data
OS、業務データ用
Swap
スワップ領域用
Memory
スナップショット時のメモリイメージ用
Other
上記以外
参考
・ Virtual Volume以外のボリュームの場合、[VVOLタイプ]にハイフン("-")が表示されます。
・ 仮想マシンの作成やスナップショットなどの操作中にエラーが発生した場合、作成途中のVirtual Volumeが残るときがあ
ります。このときは、[VVOLタイプ]に"Unknown"が表示されます。
構成情報
VVOLメタデータ
個々のVirtual Volumeは、“VVOLメタデータ”という構成情報を持ちます。VVOLメタデータは、本製品のリポジトリと
ETERNUS ディスクアレイの両方に保存されます。ETERNUS ディスクアレイを本製品から削除しても、VVOLメタデータ
の情報は本製品のリポジトリから削除されません。ETERNUS ディスクアレイを本製品から削除して再使用することが
ない場合だけ、esfadm esfdata deleteコマンドを実行して本製品からVVOLメタデータの情報を削除してください。
リポジトリ
本製品のリポジトリが壊れた場合や、本製品のリポジトリをバックアップから復旧する場合は、最初にStorage Cruiser
マネージャー環境を復元してください。そのあと、esfadm esfdata restoreコマンドを実行してETERNUS ディスクアレ
イに保存されている最新の情報を本製品のリポジトリに反映してください。
ETERNUS ディスクアレイに保存されている情報が壊れた場合は、esfadm esfdata backupコマンドを実行して本製品の
リポジトリ情報をETERNUS ディスクアレイに反映してください。
注意
・ 本製品でVirtual Volumeの作成/削除はできません。例外として、VVOLタイプが"Unknown"のVirtual Volumeだけは削除可能
です。なお、複数のVirtual Volumeを削除する場合、一括削除はできないため、1つずつ削除してください。
・ storageadmコマンドでは、Virtual Volumeの情報を表示できません。
・ ETERNUS ディスクアレイにおいて、VVOLメタデータは、"$VVOL_META"というボリューム名のFTVに格納されています。
このFTVは、本製品から削除できません。このFTVが存在するTierプールを削除するには、以下の作業を実施してくださ
い。
1. ETERNUS Web GUIで、別のTierプールへのFTVのRAIDマイグレーションを実施する
RAIDマイグレーション時は、移行先ボリュームのAllocationの設定にThickを選択してください。
2. Webコンソールで、該当Tierプールを削除する
・ ボリューム名が"$VVOL_META"のFTVのAllocation設定は、Thick固定で変更不要です。Allocation設定をWebコンソールでThin
に変更した場合は、[設定の再読み込み]を実行してWebコンソールの情報を最新にしてください。
- 21 -
参照
・ Storage Cruiserマネージャー環境の復元方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「マネージャーのリストア」
を参照してください。
・ コマンドの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「コマンドリファレンス」を参照してください。
2.3.2 VVOLアクセスパスの管理
Virtual Volumeを使用する場合、VMホストとETERNUS ディスクアレイ間にVVOLアクセスパス(Virtual Volume用のアクセスパ
ス)を設定します。
アクセスパスを設定しているかどうかに関わらず、必ずVVOLアクセスパスを設定してください。
VVOLアクセスパスの操作には、以下があります。
・ 作成
・ 使用状況の表示
・ 継承
・ 削除
注意
VVOLアクセスパスは、Webコンソールで操作してください。storageadmコマンドでは操作できません。
VVOLアクセスパスの作成
『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLアクセスパスの設定」を参照して、VVOLアクセスパスを作成してください。
ファイバーチャネル環境では、ETERNUS ディスクアレイのホストアフィニティとFCスイッチのゾーニングを設定できます。
iSCSI環境では、ETERNUS ディスクアレイのホストアフィニティを設定できます。
ポイント
・ Virtual Volumeはアフィニティグループを使用しないため、アフィニティグループを事前に作成する必要はありません。
アクセスパスを設定する場合だけアフィニティグループが必要です。
・ VMホストをSANブートする場合や、Virtual Volumeの仮想マシンにRDM接続のボリュームを割り当てる場合は、アクセス
パスとVVOLアクセスパスの両方を設定してください。
・ アクセスパスとVVOLアクセスパスの両方を設定している環境では、どちらか一方のアクセスパスだけを削除した場合、
FCスイッチのゾーニングは削除されません。
・ 1つのVMホストと1つのETERNUS ディスクアレイ間に複数のVVOLアクセスパスを設定した場合、それらはマルチパスと
して自動的に設定されます。
VVOLアクセスパスの使用状況の表示
VVOLアクセスパスには、以下の状態があります。状態は、Webコンソールのアクセスパス一覧画面の「VVOL機能」欄に表
示されます。
表2.9 VVOLアクセスパスの状態一覧
「VVOL機能」に表示される文字列
Enable(Used)
意味
使用中(仮想マシンが動作している)のVVOLアクセスパス
- 22 -
「VVOL機能」に表示される文字列
意味
Enable(Unused)
使用していない(仮想マシンが停止している)VVOLアクセスパス
Disable
アクセスパス
ポイント
Virtual Volumeはアフィニティグループを使用しません。このため、VVOLアクセスパスだけが設定されているパスの場合、
Webコンソールのホストアフィニティ一覧画面の「アフィニティグループ」欄にはハイフン("-")が表示されます。
VVOLアクセスパスの継承
ファイバーチャネル環境でVMホストのHBAを交換する場合、交換後にアクセスパスの継承作業が必要です。
HBA交換後、対象のVMホストで「設定の再読み込み」を実行したあと、HBA状態に応じて以下の作業を実施してください。
注意
iSCSI環境の場合は、交換前のIPアドレスとiSCSIネームを交換後のHBAに設定してください。アクセスパスの継承作業は不要
です。
HBA状態が"Changed"の場合
アクセスパスの継承手順で、アクセスパスとVVOLアクセスパスの両方を継承できます。
参照
手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「サポート装置部品の交換」にある「HBA交換後のHBA状態がChanged
のとき」を参照してください。
HBA状態が"Changed"でない場合
以下の手順で、VVOLアクセスパスを継承します。
1. 『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLアクセスパスの削除」を参照して、VVOLアクセスパスを削除しま
す。
2. アクセスパスを設定していた場合、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「サポート装置部品の交換」にあ
る「HBA交換後のHBA状態がChangedでないとき」を参照して、アクセスパスを変更します。
3. 『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLアクセスパスの設定」を参照して、VVOLアクセスパスを再作成しま
す。
VVOLアクセスパスの削除
VVOLアクセスパスの削除手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLアクセスパスの削除」を参照してくださ
い。
ポイント
・ マルチパスを構成していない環境では、使用中(仮想マシンが動作している)のVVOLアクセスパスを削除できません。マ
ルチパスを構成している環境では、VVOLアクセスパスが残り1つになるまで、任意のVVOLアクセスパスを削除できます。
- 23 -
・ アクセスパスとVVOLアクセスパスの両方を設定している環境では、どちらか一方のアクセスパスだけを削除しても、FC
スイッチのゾーニングは削除されません。アクセスパスとVVOLアクセスパスの両方を削除すると、ゾーニングが削除さ
れます。
2.3.3 VVOLデータストアの管理
VVOLデータストアは、Virtual Volumeを格納するデータストアです。本製品でVVOLデータストアを作成したあとにVMware
vCenter Serverに登録すると、VVOLデータストアを使用できます。
クローンバックアップ用VVOLデータストアは、仮想マシンバックアップ機能のクローンバックアップに使用します。VMware
vCenter Serverには登録せずに使用します。
Tierプールの作成
VVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアは、1つ以上のTierプールを組み合わせて構成します。
そのため、あらかじめTierプールを作成しておく必要があります。ストレージ自動階層制御を利用する場合は、Tierプール
を作成する前に階層化ポリシーも作成しておきます。
階層化ポリシーは、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「階層化ポリシーの作成」を参照して、作成してください。Tier
プールは、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLデータストア/クローンバックアップ用VVOLデータストアを構成
するTierプールの作成」を参照して、作成してください。
参照
・ ストレージ自動階層制御機能および階層化ポリシーの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能
編』を参照してください。
・ Tierプール作成の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「ストレージ自動階層制御管理」および『ETERNUS
SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。
VVOLデータストア/クローンバックアップ用VVOLデータストアの作成
VVOLデータストアの作成
VVOLデータストアは、Virtual Volumeを作成するためのデータストアです。本製品で作成したVVOLデータストアをVMware
vCenter Serverに登録すると、Virtual Volumeで構成されるVMを配置するためのデータストアとして利用できます。
1つ以上のTierプールを組み合わせて、VVOLデータストアを作成してください。VVOLデータストアは、『ETERNUS SF Web
コンソール説明書』の「VVOLデータストアの作成」を参照して、作成してください。
Virtual Volumeを使用するすべてのETERNUS ディスクアレイにVVOLデータストアを作成してください。1台のETERNUS ディ
スクアレイに複数のVVOLデータストアを作成できます。
ポイント
vSphere HA環境では、VMware vCenter Serverへデータストアを登録すると、データストアごとにvSphere HA構成情報用の
ConfigタイプのVVOLが作成されます。
注意
複数のETERNUS ディスクアレイにまたがる構成のVVOLデータストアは、作成できません。
- 24 -
クローンバックアップ用VVOLデータストアの作成
クローンバックアップ用VVOLデータストアは、仮想マシンバックアップ機能のクローンバックアップの取得(ポリシー設
計で[クローンバックアップの取得]を"Enable"にした場合)を利用するためのデータストアです。クローンバックアップ
の取得を実施するETERNUS ディスクアレイごとに1つ作成してください。
クローンバックアップの取得を実施しない場合は、作成する必要はありません。
1つ以上のTierプールを組み合わせて、クローンバックアップ用VVOLデータストアを作成してください。クローンバック
アップ用VVOLデータストアは、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「クローンバックアップ用VVOLデータストアの
作成」を参照して、作成してください。
クローンバックアップを取得するすべてのETERNUS ディスクアレイに作成してください。ETERNUS ディスクアレイごと
に1つだけ作成します。作成しない場合、クローンバックアップを取得できません。
ポイント
・ VVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアは、最大16個のTierプールを組み合わせて構成でき
ます。
・ 任意の複数のVVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアは、同じTierプールを共有することが
できます。最大16個まで共有できます。
・ VVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアは、合計で最大1023個まで作成できます。
・ VVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアには、最長16文字の名前を付けることができます。
名前に使用できる文字は、半角英数字、シャープ("#")、ハイフン("-")、およびアンダースコア("_")です。大文字小文字
は区別しません。"POOLGROUP"で始まる名前を設定できません。
VVOLデータストアの使用状況の表示
VVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアには、以下の状態があります。状態はWebコンソー
ルのVVOLデータストア画面の「VVOL機能」欄に表示されます。
表2.10 VVOLデータストアの状態一覧
「VVOL機能」に表示される文字列
意味
Enable(VVOL)
VVOLデータストアとして使用中
Enable(CloneBackup)
クローンバックアップ用VVOLデータストアとして使用中
Disable
Virtual Volumeを未作成のVVOLデータストア
ポイント
"Enable(VVOL)"と表示されているVVOLデータストアは削除できません。
構成情報
VVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアの構成情報は、本製品のリポジトリとETERNUS ディス
クアレイの両方に保存されます。ETERNUS ディスクアレイを本製品から削除しても、本製品のリポジトリから構成情報は削
除されません。ETERNUS ディスクアレイを本製品から削除して再使用しない場合だけ、esfadm esfdata deleteコマンドを実
行して、本製品からVVOLデータストアの構成情報を削除してください。
参照
リポジトリの復旧方法は、「リポジトリ」を参照してください。
- 25 -
VVOLデータストアの構成変更
作成したVVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアの名前や構成を変更できます。
『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLデータストアの変更」および「クローンバックアップ用VVOLデータストアの
変更」を参照して、構成変更してください。
ポイント
・ VVOLデータストアの容量不足が発生した場合は、VVOLデータストアの容量拡張を実施する必要があります。
- Virtual Volumeを作成する操作を実施したとき
Virtual Volumeを作成したいVVOLデータストアを構成するTierプールの容量を拡張するか、そのVVOLデータストアに
新しいTierプールを追加してください。
- 既存のVirtual Volumeに対する操作を実施したとき
操作対象のVirtual Volumeが属するTierプールの容量を拡張してください。
・ VVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアは、最大16個のTierプール構成になるまで、Tierプー
ルを追加できます。
注意
・ VVOLデータストアまたはクローンバックアップ用VVOLデータストアにTierプールを追加する場合は、同じETERNUS ディ
スクアレイ内に存在するTierプールを指定してください。
・ Virtual Volumeが存在するTierプールは、VVOLデータストアから削除できません。
・ FTVが存在するTierプールは、クローンバックアップ用VVOLデータストアから削除できません。
・ VVOLデータストアまたはクローンバックアップ用VVOLデータストアが構成されているTierプールは、削除できません。
VVOLデータストアの削除
使用しなくなったVVOLデータストアおよびクローンバックアップ用VVOLデータストアを削除できます。
『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VVOLデータストアの削除」および「クローンバックアップ用VVOLデータストアの
削除」を参照して、削除してください。
注意
・ 本製品からVVOLデータストアを削除する前に、VMware vCenter Serverから削除するVVOLデータストアをアンマウントし
てください。
・ Virtual Volumeが存在するVVOLデータストアは、削除できません。
・ FTVが存在するクローンバックアップ用VVOLデータストアは、削除できません。
2.3.4 イベント表示
VMware vCenter ServerやVMホストの操作で本製品の処理にエラーが発生すると、Webコンソールのイベントログにエラー
メッセージが表示されます。エラーメッセージが表示された場合は、『ETERNUS SF メッセージ説明書』を参照して、該当エ
ラーメッセージに対する対処を実施してください。
- 26 -
注意
Shell/Bat連携やメール通知などのイベント連携は行いません。
2.3.5 性能管理
本製品は、Virtual Volumeの性能管理をサポートします。
本製品の性能管理では、監視ボリューム範囲を設定すると、その範囲のボリュームだけを性能監視の対象にします。Virtual
Volumeは、VMware vCenter ServerやVMホストでの作成/削除により、ボリューム数が自動的に増減します。監視ボリューム
範囲に「すべて」を指定すると、Virtual Volumeの増減を自動的に認識します。
注意
性能監視対象のボリューム数が多い場合、性能監視には十分に長い監視間隔が必要です。監視ボリューム範囲に「すべて」
を指定した場合、「最小監視間隔」を最小値として、ボリューム数に応じて自動的に監視間隔が調整されます。
参照
性能管理の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「性能管理」を参照してください。
2.3.6 関係管理
本製品のEnd to Endビューでは、VMホストからストレージまでの関連する情報をリスト表示します。End to Endビュー(VMware)
では、仮想マシンからVirtual Volumeまでの関連する情報をリスト表示します。
ポイント
Virtual Volumeはアフィニティグループを使用しないため、Webコンソールのホストアフィニティ一覧画面の「アフィニティ
グループ」欄にはハイフン("-")が表示されます。
参照
End to Endビューの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「運用」にある「End to Endリスト表示」を参照し
てください。
2.3.7 ストレージ自動階層制御
Virtual VolumeはFTVでもあり、ストレージ自動階層制御の機能を利用できます。
仮想マシン作成時に、ポリシーに従ってストレージ自動階層制御の各種設定が行われます。設定を変更するには、ポリシー
を変更します。
本製品でも設定を変更できます。本製品で変更可能なポリシーは以下のとおりです。
プロパティ
優先FTSP
Low割当て率(%)
Middle割当て率(%)
High割当て率(%)
- 27 -
ポイント
本製品で設定を変更すると、コンプライアンスステータスが「非準拠」と表示されるときがあります。コンプライアンス
ステータスが「非準拠」と表示された場合は、ポリシーの変更を実施して、本製品で変更した内容を設定してください。
参照
・ ストレージ自動階層制御機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してくださ
い。
・ 1階層で運用する場合は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「ストレージ自動階層制御管理」を参照してくだ
さい。
2.3.8 QoS自動化
Virtual VolumeはFTVでもあり、QoS自動化機能を利用できます。
仮想マシン作成時に、ポリシーに従ってQoS自動化機能の各種設定が行われます。設定を変更するには、ポリシーを変更し
ます。
本製品でも設定を変更できます。本製品で変更可能なポリシーは以下のとおりです。
プロパティ
QoS自動化の有効/無効
ポイント
本製品で設定を変更すると、コンプライアンスステータスが「非準拠」と表示されるときがあります。[QoS自動化の有効/
無効]に"Any"を指定してポリシー変更すると、コンプライアンスステータスは「準拠」になります。
参照
QoS自動化機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。
2.3.9 キャッシュ管理
仮想マシン作成時に、ポリシーに従ってキャッシュ機能の設定が行われます。設定を変更するには、ポリシーを変更しま
す。
本製品でも設定を変更できます。本製品で変更可能なポリシーは以下のとおりです。
プロパティ
Extreme Cache
ポイント
本製品で設定を変更すると、コンプライアンスステータスが「非準拠」と表示されるときがあります。[Extreme Cache]に"Any"
を指定してポリシー変更すると、コンプライアンスステータスは「準拠」になります。
- 28 -
参照
Extreme Cacheの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「Extreme Cacheの管理」を参照してください。
2.4 仮想マシンのバックアップ運用
本節では、ストレージ管理者による仮想マシンのバックアップ運用について説明します。
表2.11 各作業項目と参照先
運用フェーズ
バックアップ
リストア
運用変更
項目
参照先
バックアップの取得
「2.4.1 バックアップ」
バックアップ履歴の操作
「2.4.3 バックアップ履歴の参照・削除」
スナップショットからのリストア
「2.4.2 リストア」の「スナップショットバックアッ
プからのリストア」
クローンからのリストア
「2.4.2 リストア」の「クローンバックアップからの
リストア」
シングルアイテムリストア
「2.4.2 リストア」の「シングルアイテムリストア」
ポリシー更新
「2.4.4 バックアップポリシーの変更」
運用設定および運用環境の変更
「2.4.5 バックアップ環境の構成変更」
2.4.1 バックアップ
仮想マシンに設定されたバックアップポリシーに従って、仮想マシンをバックアップします。
バックアップは、ポリシーの設定でスケジュール設定しておくと、自動的に実施されます。なお、Webコンソールから手動
で実施することも可能です。
仮想マシンのバックアップでは、VMware経由で仮想マシンのスナップショット(“スナップショットバックアップ”と呼び
ます)およびクローンバックアップが取得されます。取得したスナップショットバックアップおよびクローンバックアップ
は、履歴として管理されます。
スナップショットバックアップおよびクローンバックアップの取得の有無は、バックアップポリシーで設定できます。取
得するための設定は、以下の表を参照してください。
表2.12 バックアップを取得するためのポリシー設定
バックアップ種別
プロパティの設定値
スナップショットバックアップ
[スナップショットバックアップ世代数]を"1"以上に設定
クローンバックアップ
[クローンバックアップの取得]を"Enable"に設定
ポイント
・ vSphere Web Clientでスナップショットを作成した場合、クローンバックアップは取得されません。また、ETERNUS SFシ
ステム上にスナップショットバックアップ履歴も作成されません。
・ スナップショットバックアップ用のVirtual Volumeは、スナップショットバックアップ対象のVirtual Volumeと同じVVOL
データストア内に作成されます。クローンバックアップ用のボリュームは、クローンバックアップ用VVOLデータストア
内に作成されます。
・ クローンバックアップの物理コピーの実行状況は、Webコンソールで確認できます。
VVOLバックアップ履歴画面の[クローンバックアップ履歴]タブからコピーグループ名の欄をクリックすると、そのク
ローンバックアップで使用されているコピーグループ名の一覧がダイアログで表示されます。そのダイアログ内のコ
ピーグループ名のリンクをクリックすると、コピーグループ詳細画面に遷移し、物理コピーの実行状況を確認できま
す。
- 29 -
・ 仮想マシンのバックアップ運用を行う場合、スナップショットバックアップとクローンバックアップのどちらかまたは
両方を取得するように、バックアップポリシーを設定してください。どちらも取得しない設定にした場合は、バック
アップポリシーの[動作モード]が自動的に"Disable"になります。
図2.3 仮想マシンのバックアップの処理
保存世代とバックアップ履歴について
スナップショットバックアップは、バックアップポリシーで設定した保存世代数に従って世代管理します。溢れた世代の
履歴およびスナップショットバックアップは、バックアップ処理完了後に自動的に削除されます。
クローンバックアップは常に1世代(最新世代)運用です。このため、バックアップは上書き更新となり、処理中にエラーが
発生した場合などはバックアップ履歴が残らないことがあります。
スナップショットバックアップおよびクローンバックアップの動作は、以下のとおりです。
- 30 -
図2.4 バックアップの履歴管理の仕組み
a. クローンバックアップ
1. 履歴を削除して、既存のクローンバックアップを上書き更新
2. 履歴を登録
b. スナップショットバックアップ
1. 最新世代のスナップショットバックアップを作成(Virtual Volumeは自動作成)
2. 最新世代の履歴を登録
3. 世代溢れした最古世代のスナップショットバックアップを削除
ポイント
保存世代数に"0"を指定した場合、スナップショットバックアップは保存されません。
注意
・ 処理中のエラー発生などによりクローンバックアップが正常に取得されていない場合は、クローンバックアップの履歴
が存在しない、または履歴のバックアップ日時が空白となり、リストアできなくなります。リストアするには、直ちに
エラー原因を取り除きバックアップを再実行して、クローンバックアップを取得することをお勧めします。
・ スナップショットバックアップとクローンバックアップのどちらか一方が失敗した場合、スナップショットバックアッ
プとクローンバックアップのどちらも失敗となります。
・ バックアップ対象外の仮想ディスクは、バックアップされません。詳細は、「2.1.2.1 仮想マシンバックアップ」の「仮
想マシン(接続ディスク構成)」を参照してください。仮想マシンにバックアップ対象外の仮想ディスクが接続されてい
る場合、処理結果の詳細に以下のメッセージが出力されます。必要に応じて、仮想マシンに接続されているディスクを
確認してください。
Warning : Unsupported backup volume was not backuped.
- 31 -
スナップショット名
ETERNUS SFシステムから作成したスナップショットバックアップには以下の名前が自動的に付けられます。自動実行、手動
実行ともに同じ名前となります。
ESF_YYYYMMDD_hhmm
"YYYYMMDD_hhmm"はバックアップ開始日時です。YYYY: 年、MM: 月、DD: 日、hh: 時、mm: 分。
例
2015年1月18日午前4時30分にバックアップを開始したスナップショット名は、以下のとおりです。
ESF_20150118_0430
ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットバックアップのVMware vCenter Serverからの操作について
ETERNUS SFシステム(ETERNUS SFシステムでの自動実行またはWebコンソールでの手動実行)で作成したスナップショットバッ
クアップは、VMware vCenter Server(vSphere Web Client)でも操作可能です。詳細は、「3.5 スナップショット」を参照してく
ださい。
・ VMware vCenter Serverで表示されるスナップショットの「名前」には、ETERNUS SFシステムで自動作成された名前が設
定されます。
・ VMware vCenter Serverで表示されるスナップショットの「説明」には、"Created_by_ESF"の文字列が自動的に設定されま
す。自動実行、手動実行ともに、「説明」には同じ文字列が設定されます。
注意
・ ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットは、VMware vCenter Serverから削除しないでください。
スナップショットバックアップをvSphere Web Clientで削除した場合でもETERNUS SFシステムで管理しているスナップ
ショットバックアップ履歴は削除されないため、「スナップショットバックアップの削除」を用いて、ETERNUS SFシス
テムから削除してください。
・ vSphere Web Clientからスナップショットの名前を変更した場合、ETERNUS SFシステム上で表示される名前には反映され
ません。ETERNUS SFシステムで自動作成された名前のままです。
自動実行(自動バックアップ)
仮想マシンに設定したバックアップポリシーに従ってバックアップが自動実行されます。
バックアップポリシーの設定で、[動作モード]に"Auto"を指定すると、本製品のスケジューラーにスケジューラータスクと
して登録され、指定した周期で自動実行されます。
ポイント
・ 自動実行のスケジューラータスクは以下の設定で登録されます。
項目
設定値
タスク名
VM_Backup_YYYYMMDDhhmmssSSS (注)
タイプ
VM Backup
注: "YYYYMMDDhhmmssSSS"は、スケジューラタスクとして登録した日時です。 YYYY: 年、 MM: 月、 DD: 日、 hh: 時、
mm: 分、ss: 秒、SSS: ミリ秒。
- 32 -
・ 自動実行のスケジューラータスクに対しては、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の以下の箇所に記載されている操
作を実施できます。
- スケジューラータスクの即時実行
- スケジューラータスクの有効化/無効化
スケジュール設定を変えずに、自動実行を一時的に停止できます。仮想マシンやホストのメンテナンスなど、自動バック
アップ運用を一時的に停止したい場合に使用します。
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップの自動実行設定」を
参照してください。
手動実行
Webコンソールから手動でバックアップを実行します。本機能は運用前のテストや緊急のバックアップが必要な場合に使用
します。
バックアップポリシーの[動作モード]を"Disable"に設定している仮想マシンは利用できません。
参照
手動実行の操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップの手動実行」を参照してくださ
い。
2.4.2 リストア
リストアには、以下の方法があります。
リストアの種類
仮想マシンのリストア
バックアップの種類
スナップショット
バックアップ
シングルアイテムリス
トア
新規仮想マシンへのリ
ストア
説明
スナップショットバックアップを取得した仮想マシンに対してスナップ
ショットのリストア(スナップショット採取時点への復帰)を行います。
一時ボリュームを利用して、復旧が必要なファイルだけを、スナップショッ
トからファイル単位でリストアするセルフサービス型のファイル単位リス
トアです。
一時ボリュームを自動作成し、そこにスナップショットバックアップをコ
ピーします。一時ボリュームは、スナップショットバックアップを取得し
た仮想マシンに自動的に接続されます。その後、新たに接続されたボリュー
ムを参照し、手動でファイルごとのリストアを行うことができます。
クローンバックアッ
プ
バックアップ時の仮想マシン構成に従って新規に仮想マシンを作成し、リ
ストアを行います。
スナップショットバックアップからのリストア
取得したスナップショットバックアップからリストアします。
論理データ障害からの復旧に利用します。スナップショットバックアップ元のVirtual Volumeが破損または削除された状態
では使用できません。
スナップショットバックアップからのリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[スナップショットバックアップ
世代数]を"1"以上に設定している場合だけ実施できます。
復元するスナップショットバックアップの履歴を選択し、リストアを実行します。スナップショット(世代2)からのリスト
アの例を下図に示します。
- 33 -
図2.5 スナップショットバックアップからのリストア
参照
スナップショットバックアップからのリストアに関する操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「スナップ
ショットバックアップのリストア」を参照してください。
クローンバックアップからのリストア
物理障害などによってスナップショットからリストアできない場合は、クローンバックアップを利用してリストアします。
クローンバックアップからのリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[クローンバックアップを取得]を"Enable"に
設定している場合だけ実施できます。
- 34 -
図2.6 クローンバックアップからのリストア
クローンバックアップからのリストアでは、クローンバックアップ時の仮想マシン定義情報を基に新たな仮想マシンを作
成し、そこにデータを復旧します。新たな仮想マシンは、クローンバックアップ時にバックアップ元仮想マシンが所属し
ていたVMホスト(VMware ESXi)に作成されます。
ポイント
クローンバックアップからのリストアでは、新規に仮想マシンを作成してリストアを行うため、バックアップ元の仮想マ
シンが存在しない状態でもリストア可能です。
リストア先は、バックアップ元と同じVVOLデータストアです。このため、リストア先のVVOLデータストアに空き容量がな
い場合は、リストアできません。あらかじめ、容量を確認し、必要に応じてディスクやTierプールを追加してください。
- 35 -
注意
・ 新規仮想マシンと同名の仮想マシンがすでにVMware vCenter Serverに存在する場合は、新規仮想マシンの仮想マシン名
を変更する必要があります。
・ 新規に仮想マシンを作成するため、リストア先のVMホスト(VMware ESXi)、またはVMware vCenter Serverに新規に仮想マ
シンを作成できない場合(仮想マシン数が上限に達している場合など)はリストアできません。
・ 以下の情報は復元されません。
- 仮想マシンのスナップショット
- 仮想マシンストレージポリシー(リストア先VVOLデータストアのデフォルトポリシーとなります)
- バックアップ/リストア対象外の仮想ディスク
詳細は、「2.1.2.1 仮想マシンバックアップ」の「仮想マシン(接続ディスク構成)」を参照してください。
バックアップ/リストア対象外の仮想ディスクが存在する場合、対象外となった仮想ディスクの情報が、「操作履歴」
の「操作詳細」の「詳細」欄に、以下の形式で出力されます。出力された場合は、必要に応じて、VMware vCenter
Serverから仮想ディスクを再接続してください。
Unsupported Restore Volume=[Disk File : VMDKファイル名, XXXXX]
出力例は、以下のとおりです。
Unsupported Restore Volume=[Disk File : [datastore1] VM001_K0170/VM001_K0170.vmdk, Virtual flash read cache : (0MB,
0KB), Virtual Device Node : SCSI(0:1), Disk Mode : persistent]
ポイント
・ リストアにより新規に作成された仮想マシンは、仮想マシンの電源をONにすることで、ETERNUS SFシステムに自動登録
されます。
・ リストアにより新規に作成された仮想マシンおよびVirtual Volumeのポリシーは、デフォルト(リストア先VVOLデータス
トアのデフォルトポリシー)となります。
また、履歴(スナップショットバックアップ、クローンバックアップ)も存在しない状態になります。運用に応じてポリ
シーを設定したあと、仮想マシンのバックアップを実施してください。ポリシーの設定・変更は以下を参照してくださ
い。
- 仮想マシンストレージポリシー全体: 「2.1.2 ポリシー設計」および「3.3.2 ポリシーの変更」
- バックアップポリシー: 「2.4.4 バックアップポリシーの変更」
クローンバックアップからのリストアは、ETERNUS ディスクアレイのOPC機能で行われます。
注意
仮想マシンはOPCの論理コピー完了後、すぐにアクセス可能となりますが、バックグラウンドで動作している物理コピーが
未完了の場合、以下の操作は実行できません。
・ vSphere Web Clientでの操作
スナップショットの作成、クローンの作成、およびStorage vMotion
・ Webコンソールでの操作
バックアップおよびリストア
- 36 -
ポイント
ETERNUS ディスクアレイで実施されているOPCの物理コピーの実行状況は、Webコンソールで確認できます。
VVOLバックアップ履歴画面の[クローンバックアップ履歴]タブからコピーグループ名の欄をクリックすると、そのクローン
バックアップで使用されているコピーグループ名の一覧がダイアログで表示されます。そのダイアログ内のコピーグルー
プ名のリンクをクリックすると、コピーグループ詳細画面に遷移し、物理コピーの実行状況を確認できます。
参照
クローンバックアップからのリストアに関する操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「クローンバックアッ
プのリストア」を参照してください。
シングルアイテムリストア
スナップショットバックアップからファイル単位のリストアを行います。
シングルアイテムリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[スナップショットバックアップ世代数]を"1"以上に設
定している場合だけ実施できます。
スナップショットバックアップ履歴からVMDKファイルを選択してシングルアイテムリストアを実行すると、スナップショッ
トバックアップ内のVirtual Volumeが一時ボリュームにコピーされ、一時ボリュームが仮想マシンに自動的に接続されます。
その後、手動でボリュームをマウントして、エクスプローラなどで任意のファイルをリストアします。
スナップショット(世代2)からのシングルアイテムリストアの例を下図に示します。
- 37 -
図2.7 シングルアイテムリストア
1. 一時ボリュームを作成して仮想マシンに接続
(ETERNUS SFシステムが実施)
2. スナップショットバックアップ内のVirtual Volumeを一時ボリュームにコピー(SnapOPC+)
(ETERNUS SFシステムが実施)
3. ファイルをリストア
(ユーザが実施)
仮想マシンに接続するシングルアイテムリストア用の一時ボリュームについて
シングルアイテムリストア処理実施後、以下のスケジューラータスクが本製品のスケジューラーに登録され、指定時間
経過後に自動的に一時ボリュームが削除されます。
- 38 -
表2.13 スケジューラータスク
項目
設定値
タスク名
VM File Restore Finish_YYYYMMDDhhmmssSSS (注)
タイプ
VM File Restore Finish
注: "YYYYMMDDhhmmssSSS"はシングルアイテムリストアの開始日時です。YYYY: 年、MM: 月、DD: 日、hh: 時、mm:
分、ss: 秒、SSS: ミリ秒。
自動削除するまでの時間は、任意(1~99時間)に指定可能です。また、リストアが完了した時点で即時削除することもで
きます。即時削除する場合、上記のスケジュールタスクを即時実行してください。
ポイント
登録されたスケジューラータスクに対して、以下の操作が可能です。
- 即時実行
- 停止(無効化)
- 開始(有効化)
- 削除
参照
スケジュールタスクの操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「[スケジューラー]タブから始める操作」を
参照してください。
仮想マシンに接続される一時ボリュームは、以下の属性で、復元対象のスナップショットと同じVVOLデータストアに作
成されます。
属性 (注)
内容
ディスクプロビジョニング
Thin Provisioning
仮想デバイスノード
SCSI
ディスクモード
独立型
VMDKファイル名
ESF_TEMP_元VMDKファイル名
接続先
コントローラー0(SCSI 0:x)から順に割当て
注: 各項目の表現は、vCenter Serverのバージョンレベルなどによって異なる場合があります。
注意
- 接続する仮想マシンに一時ボリュームを追加するためのSCSIコントローラーに空きがない場合、一時ボリュームの作
成・接続処理は失敗します(SCSIコントローラーの自動追加は行いません)。
SCSIコントローラーを追加するか、既存のSCSIコントローラーに空きを作成し、再実行してください。
- 一時ボリュームが仮想マシンに接続されている状態で、仮想マシンの移行(Storage vMotion)を実行しないでくださ
い。一時ボリュームが自動的に削除されない場合があります。この場合、一時ボリュームは手動で削除してくださ
い。
- 一時ボリュームが存在している状態で、スナップショットバックアップを実行しないでください。一時ボリューム
を削除できなくなることがあります。自動バックアップを行っている場合は、自動バックアップを一時停止したあ
と、シングルアイテムリストアを実行してください。自動バックアップを一時停止するには、『ETERNUS SF Webコン
- 39 -
ソール説明書』の「仮想マシンバックアップの自動実行設定」を参照して、仮想マシンバックアップの自動実行を
無効にしてください。
- 1つの仮想マシンに対して、複数のシングルアイテムリストアを同時(連続)に実行できません。連続して実施する場
合は、前回作成された一時ボリュームを削除したあとに実施してください。
参照
シングルアイテムリストアに関する操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「スナップショットバックアッ
プのシングルアイテムリストア」を参照してください。
2.4.3 バックアップ履歴の参照・削除
スナップショットバックアップ履歴
スナップショットバックアップ履歴の参照
採取したスナップショットバックアップ履歴を参照します。vSphere Web Clientで実施したスナップショットは表示され
ません。
参照
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップ履歴の表示」を参
照してください。
スナップショットバックアップの削除
採取したスナップショットバックアップ履歴およびスナップショットバックアップを削除します。
スナップショットバックアップを削除するため、vSphere Web Clientでも、削除したスナップショットを操作できなくな
ります。
参照
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「スナップショットバックアップの削除」を
参照してください。
クローンバックアップ履歴情報
クローンバックアップ履歴の参照
採取したクローンバックアップの履歴を参照します。
ETERNUS SFシステムから仮想マシンを削除しても、クローンバックアップ履歴は削除されません。このため、削除され
た仮想マシンのクローンバックアップ履歴も参照できます。
参照
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップ履歴の表示」を参
照してください。
- 40 -
注意
バックアップ日時が入っていない履歴は、エラーなどによりクローンバックアップが正常に取得されていないため、リ
ストアできません。バックアップを再実行しクローンバックアップを取得するか、クローンバックアップが不要な場合
は履歴を削除してください。
クローンバックアップの削除
採取したクローンバックアップの履歴およびクローンバックアップを削除します。
参照
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「クローンバックアップの削除」を参照して
ください。
2.4.4 バックアップポリシーの変更
ポリシーの変更は、vSphere Web Clientから行います。
参照
ポリシーの変更に関する詳細は、「3.3.2 ポリシーの変更」を参照してください。
2.4.5 バックアップ環境の構成変更
クローンバックアップ用VVOLデータストア構成変更
クローンバックアップ用VVOLデータストアの構成変更(Tierプールの追加・削除)、削除を行います。
クローンバックアップ用VVOLデータストアの構成変更(Tierプールの追加・削除)、削除については、「VVOLデータストアの
構成変更」および「VVOLデータストアの削除」を参照してください。
2.4.6 クローンバックアップの2次バックアップおよび別のストレージ装置での
データ利用について
クローンバックアップから、システム領域やデータ領域のデータを個別に、2次バックアップできます。
2次バックアップは、仮想マシン単位ではなく、仮想マシンを構成するボリューム単位で実施してください。データの復元
も、仮想マシン単位でなく、ボリューム単位に実施してください。
注意
クローンバックアップからのリストアの機能では、2次バックアップを使って、仮想マシンをリストアできません。
2次バックアップのデータを利用する場合は、2次バックアップのボリュームを以下のどちらかの仮想マシンに接続して、
使用してください。
・ 手動で作成した仮想マシン
・ 既存の仮想マシン
クローンバックアップの2次バックアップは、AdvancedCopy Manager CCMを利用してください。クローンバックアップボ
リュームはFTVのため、使用可能な機能範囲は、既存のFTVと同じ範囲です。
クローンバックアップボリュームの情報は、Webコンソールで確認できます。
VVOLバックアップ履歴画面の[クローンバックアップ履歴]タブからコピーグループ名の欄をクリックすると、そのクローン
- 41 -
バックアップで使用されているコピーグループ名の一覧がダイアログで表示されます。そのダイアログ内のコピーグルー
プ名のリンクをクリックすると、コピーグループ詳細画面に遷移し、クローンバックアップボリュームの情報を確認でき
ます。
参照
AdvancedCopy Manager CCMの詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』を参照してく
ださい。
注意
クローンバックアップボリュームをサーバに接続しないでください。エージェント利用方式のアドバンスト・コピー運用
は、AdvancedCopy Managerエージェントをインストールしたサーバにクローンバックアップボリュームを接続する必要があ
るため、使用できません。
ポイント
クローンバックアップボリュームには、バックアップ元のVirtual Volumeとの間にQuickOPCセッションが存在します。この
ため、クローンバックアップからのコピーはカスケードコピーになります。
2.4.7 運用上の注意事項
全般的な注意事項
・ 仮想マシンには、VMware Toolsをインストールしてください。
・ 以下の場合は仮想マシンバックアップ機能を利用できません。
- ETERNUS SF Managerのサービスが起動していない場合
- ETERNUS VASA Providerのサービスが起動していない場合
- VMware vCenter Serverが起動していない場合
- 操作対象の仮想マシンが所属するVMware ESXiがメンテナンスモードに設定されている場合
- ネットワーク環境の異常などで、VMware vCenter ServerやETERNUS ディスクアレイと通信ができない場合
(ポート閉塞、ファイアーウォール、通信先処理の遅延などによるタイムアウト、通信先サーバのIPアドレス変更、
または物理的な通信経路異常など)
・ 本製品でバックアップ、リストア、またはバックアップ履歴の参照・削除を実施している時は、VMware vCenter Server
で該当する仮想マシンの構成変更やスナップショットの操作を実施しないでください。
2.5 ストレージシステムの構成変更・保守
2.5.1 運用管理サーバ環境の構成変更
運用管理サーバ環境の構成変更方法は、以下を参照してください。
・ 『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「運用環境の変更」
・ 『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「マネージャーの保守」にある「運用環境の変更」
2.5.2 VVOLデータストアの構成変更
「2.3.3 VVOLデータストアの管理」を参照してください。
- 42 -
2.5.3 VMware環境の構成変更
仮想マシンの構成変更
『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「環境構築」にある「VMwareサーバノード」を参照してください。
仮想マシンの削除
仮想マシンの削除は以下の手順で実施します。
1. 仮想マシンバックアップの自動実行を行っている場合は、Webコンソールで仮想マシンバックアップの自動実行を一
時停止します。
自動実行の一時停止方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップの自動実行設定」を
参照してください。
2. VMware vCenter Serverで、仮想マシンを削除します。
3. Webコンソールで、仮想マシンを本製品から削除します。
削除の操作方法は『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「サーバの削除」を参照してください。
ポイント
仮想マシンバックアップ機能のクローンバックアップの取得を利用している場合、仮想マシンを削除しても、クローンバッ
クアップ履歴は削除されません。そのため、仮想マシン削除後でも、クローンバックアップから仮想マシンを復旧できます。
クローンバックアップ履歴を削除する場合は、「クローンバックアップ履歴情報」を参照してください。
注意
仮想マシンバックアップ機能を使用している場合、以下の注意事項があります。
・ VMware vCenter Serverから削除せず、本製品だけから削除した場合
本製品で管理しているスナップショットバックアップ履歴は削除されますが、VMware vCenter Server上のスナップショッ
トは削除されません。スナップショットが不要な場合は、VMware vCenter Serverから削除してください。
また、削除した仮想マシンの電源をONにする、または本製品からVMホストの再更新を行うことで、再度、本製品に登
録およびポリシー設定が行われます。その後、設定されたポリシーに基づき、仮想マシンバックアップ運用が開始され
ます。バックアップ運用が不要の場合はポリシーを更新し、バックアップ運用を無効にしてください。
・ 本製品から削除せず、VMware vCenter Serverだけから削除した場合
その仮想マシンで仮想マシンバックアップの自動実行が行われていた場合、自動実行は停止します。ただし、本製品の
サーバ登録情報は削除されないため、必要に応じて削除処理を実施してください。
VMホストの構成変更
VMホストの追加
本製品に、VMホストを追加で登録します。
「2.2.3 管理対象装置の設定と登録」の「VMホスト」を参照し、VMホストを登録してください。
VMホストの構成変更/削除
『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「環境構築」にある「VMwareサーバノード」を参照してください。
VMware vCenter Serverの構成変更
VMware vCenter Serverの追加
本製品に、VMware vCenter Serverの情報を追加で登録します。
「2.2.3 管理対象装置の設定と登録」の「VMware vCenter Server」を参照し、VMware vCenter Serverを登録してください。
- 43 -
VMware vCenter Serverの登録情報の変更
本製品に登録されているVMware vCenter Serverの登録情報を変更します。
以下の項目が、VMware vCenter Serverの登録情報です。
- IPアドレス
- ポート番号
- ユーザー
- パスワード
IPアドレスを変更する場合は、VMware vCenter Serverを削除して、登録情報の変更後に再登録してください。そのほかの
項目は、Webコンソールで変更対象のVMware vCenter Serverを選択し、[登録/再読み込み]画面から変更してください。
参照
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VMware vCenterサーバに関する操作」の
「VMware vCenterサーバの登録/再読込みおよびユーザー情報の変更」および「VMware vCenterサーバの削除」を参照して
ください。
VMware vCenter Serverの削除
本製品に登録済みのVMware vCenter Serverの情報を削除します。
バックアップ運用を行っている仮想マシンを管理しているVMware vCenter Serverは削除しないでください。
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「VMware vCenterサーバに関する操作」の
「VMware vCenterサーバの削除」を参照してください。
2.5.4 運用管理サーバの保守
運用管理サーバの保守について説明します。
不慮の事故などに備えて、本製品の運用管理環境をバックアップします。
本製品の導入時および運用管理サーバの設定変更時は、必ずバックアップしてください。また、自動的に動作および情報
更新する機能もあるため、定期的にバックアップすることをお勧めします
2.5.4.1
運用管理サーバ環境のバックアップ/リストア
ETERNUS SF ManagerおよびETERNUS VASA Providerの動作に必要な情報に対して、バックアップ/リストアを実施します。
バックアップ
ETERNUS SF ManagerおよびETERNUS VASA Providerの動作に必要な情報をバックアップします。
- ETERNUS SF Managerのバックアップ
『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「運用管理環境の保守」にある「マネージャーのバックアップ」を参照
してください。
- ETERNUS VASA Providerのバックアップ
『ETERNUS VASA Provider ユーザーズガイド』の「保守」にある「設定ファイルのバックアップ・リストア」を参照し
てください。
リストア
ETERNUS SF ManagerおよびETERNUS VASA Providerの動作に必要な情報をリストアします。
- ETERNUS SF Managerのリストア
『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「運用管理環境の保守」にある「マネージャーのリストア」を参照して
ください。
- 44 -
- ETERNUS VASA Providerのリストア
『ETERNUS VASA Provider ユーザーズガイド』の「保守」にある「設定ファイルのバックアップ・リストア」を参照し
てください。
運用管理サーバを仮想マシン上に構築している場合は、下記の手順でバックアップ/アップリストアを実施できます。
バックアップ
運用管理サーバが構築されている仮想マシンのクローンを採取してください。
リストア
以下の手順で復旧します。
1. バックアップで採取したクローンの仮想マシンを起動します。
バックアップ時に電源ON状態でクローンを採取していた場合は、起動後に仮想マシンを再起動してください。
2. 装置の構成情報を復旧します。
本製品に登録されているすべてのETERNUS ディスクアレイに対して、Webコンソールで[設定の再読み込み]を実施
してください。
3. VMware vSphere Virtual Volumes環境に関する構成情報を復旧します。
esfadm esfadata restoreコマンドを使用して、VMware vSphere Virtual Volumes環境に関する構成情報を装置からリス
トアしてください。
この操作により、VVOLデータストアやVMware vSphere Virtual Volumes機能によって作成されている仮想マシンがvSphere
Web Clientに正しく表示されていれば、正しく復旧されています。
2.5.4.2
調査資料の採取
運用管理環境で問題が発生した場合は、ETERNUS SF ManagerとETERNUS VASA Providerの両方の調査資料を採取してくださ
い。
・ ETERNUS SF Managerの調査資料の採取
『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「トラブルシューティング」にある「調査資料の採取」を参照してくださ
い。
・ ETERNUS VASA Providerの調査資料の採取
『ETERNUS VASA Provider ユーザーズガイド』の「保守」にある「保守情報の採取」を参照してください。
2.6 コマンドリファレンス
VMware vSphere Virtual Volumesの運用管理環境では、以下のコマンドを使用します。
コマンド名
esfadm esfdata
用途
構成情報の操作
参照
コマンドの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「コマンドリファレンス」を参照してください。
- 45 -
第3章 仮想マシンの管理者/利用者による仮想マシンの運用
本章では、VMware vSphere Virtual Volumes環境における、VM管理者およびVM利用者の運用手順について説明します。
注意
・ ETERNUS VASA Providerが停止している場合、vSphere Web Client上のVVOLデータストアのステータスはオフラインになり
ます。
・ ETERNUS VASA Provider再起動後に、vSphere Web Client上のストレージプロバイダのステータスが再スキャンエラーにな
る場合があります。これは、VMware vCenter ServerがETERNUS VASA Providerを認識できていないためです。しばらく待っ
てから再スキャンを実施し、情報を更新してください。
上記以外で、ストレージプロバイダのステータスが再スキャンエラーになる場合は、複数のVMware vCenter Serverで1つの
ETERNUS VASA Providerを管理している可能性があります。ETERNUS VASA Providerの登録状態を確認してください。
参考
本章に記載しているvSphere Web Clientの操作手順および用語は、vSphereのバージョンレベルによって異なる可能性があり
ます。
3.1 VMware vSphere Virtual Volumes環境の仮想マシン運用
3.1.1 運用の概要
VMware vSphere Virtual Volumes環境では、ストレージに関するポリシーで仮想マシンを運用できます。
VVOLデータストアは様々な機能を持ち、そこに作成されるVirtual Volumeも様々な機能を持ちます。これらの機能に対して、
仮想マシンを配置するVVOLデータストアの選択基準や仮想マシンおよびVirtual Volumeの設定をポリシーで指定できます。
VVOLデータストアの選択基準
VVOLデータストアの持つ機能をポリシーに設定します。ポリシーを設定しておくと、ポリシーを満たすことのできる
VVOLデータストアが、仮想マシンの配置先の候補になります。
仮想マシンおよびVirtual Volumeの設定
Virtual Volumeの持つ機能をポリシーに設定します。ポリシーを設定しておくと、仮想マシンの作成や仮想マシンに対す
る様々な操作において作成されるVirtual Volumeに対して、ポリシーに沿った設定が自動的に行われます。
参考
VMware vSphere Virtual Volumesでは、ストレージに関するポリシーを“仮想マシンストレージポリシー”と呼びます。
VMware vSphere Virtual Volumes用のポリシーとして設定できる機能は、以下のとおりです。
・ 仮想マシンバックアップ
・ ストレージ自動階層制御(拡張)
・ QoS自動化(拡張)
・ キャッシュ(拡張)
・ セキュリティ(拡張)
- 46 -
ポイント
・ 「拡張」と記載されている機能を使用する場合は、ストレージや機能の仕組みを理解しておく必要があります。ストレー
ジ管理者によって、運用目的に応じた名前のVVOLデータストアが用意されている場合は、「拡張」と記載されている機
能を使用せず、名前を基にVVOLデータストアを選択してください。
・ ポリシーを指定しなかった場合、各機能についてデフォルト値が設定されます。ストレージ自動階層制御、キャッ
シュ、およびセキュリティは、装置やVVOLデータストアの構成に応じて機能します。仮想マシンバックアップおよび
QoS自動化機能は機能しません。
注意
・ 以下の事象が発生した場合、運用管理サーバに異常が発生している可能性があるため、ストレージ管理者に問い合わせ
てください。
- 仮想マシンやVVOLデータストアが正しく認識されない
- ストレージサービスプロバイダがオフラインになる
- 仮想マシンの各種操作(作成、削除、電源のオン/オフ、スナップショットの作成など)において、以下のエラー事象
が発生する
ファイル作成操作を完了できません
Unable to load configuration file filePath
一般的なシステムエラーが発生しました
Failed to delete the virtual machine
ファイル filePath が見つかりませんでした
・ VVOLデータストアの容量不足が発生した場合は、ストレージ管理者に連絡してください。
3.1.2 運用の手順
事前準備
VMware vSphere Virtual Volumes環境で仮想マシンを運用するには、事前に以下を実施する必要があります。
1. VVOLデータストアの登録
ストレージ管理者が作成したVVOLデータストアをVMホストに登録します。
2. ポリシーの作成
運用目的に応じたポリシーを作成します。
仮想マシンの作成
作成したポリシーを指定することで、そのポリシーを満たすことのできるVVOLデータストアをリストアップできます。そ
の中から使用したいVVOLデータストアを選択すると、そのVVOLデータストア上にVirtual Volumeが作成され、ポリシーに応
じた設定が行われます。
ポイント
仮想マシンの作成以外にも、仮想マシンのクローンやStorage vMotionなど、VVOLデータストアを選択する必要のある様々な
操作において、ポリシーを指定します。
- 47 -
3.2 VVOLデータストアの操作
3.2.1 VVOLデータストアの登録
ストレージ管理者がVMホストにVVOLデータストアを登録します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. VMホストを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから、[ストレージ]-[新しいデータストア...]をクリックします。
3. 画面の指示に従って操作します。
データストアのタイプには[VVOL]を指定してください。ストレージ管理者によって作成されたVVOLデータストアが、[バッ
キングストレージコンテナ]に一覧表示されます。この中から登録したいVVOLデータストアを選択してください。
ポイント
VVOLデータストアを登録するとき、データストア名を設定できます。デフォルトは、ストレージ管理者が作成したときの
名前です。登録されているデータストア名と重複する場合を除いて、名前を変更せず、そのまま使用してください。
3.3 ポリシーの操作
3.3.1 ポリシーの作成
仮想マシンの作成や各種操作を行う場合、あらかじめ、ポリシーを作成します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. [ホーム]から、[仮想マシンストレージポリシー]をクリックします。
2. [仮想マシンストレージポリシーを新規作成します]のアイコンをクリックします。
3. 画面の表示に従って操作します。
[ルールセット]において、[データサービスに基づくルール]として[com.fujitsu.eternus]を選択すると、[ルールの追加]のプ
ルダウンメニューが表示されます。このプルダウンメニューから、任意の機能を追加し、機能ごとの値を指定してくださ
い。
[ストレージ互換性]において、作成したポリシーを満たすことのできるVVOLデータストアが[互換ストレージ]に表示されま
す。[互換ストレージ]にVVOLデータストアが表示されなかった場合は、[ルールセット]の操作をやり直してください。
ポイント
・ [ルールの追加]では、以下の機能を追加できます。
- 仮想マシンバックアップ
- ストレージ自動階層制御(拡張)
- QoS自動化(拡張)
- キャッシュ(拡張)
- セキュリティ(拡張)
・ 追加しなかった機能では、その機能のデフォルト値が設定されます。
・ ポリシーを指定して選択されたVVOLデータストアが複数のTierプールで構成されている場合は、Virtual Volume数が少な
いTierプールにVirtual Volumeが作成されます。
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注意
・ [共通機能に基づくルール]および[タグに基づくルール]は使用しないでください。
・ [別のルールセットの追加]は行わないでください。
ポリシーの適用と適用範囲
機能によってポリシーの適用範囲が異なります。
表3.1 ポリシーの適用範囲
機能
ポリシーの適用単位
仮想マシンバックアップ
仮想マシン
ストレージ自動階層制御(拡張)
TierプールまたはVirtual Volume
QoS自動化(拡張)
Virtual Volume
キャッシュ(拡張)
Virtual Volume
セキュリティ(拡張)
Tierプール
ポリシーを適用するには、仮想マシン作成時のストレージの選択(仮想マシンのファイルを格納するデータストアの選
択)において、運用要件を満たすポリシーが設定されている仮想マシンストレージポリシーを選択します。
「仮想マシンバックアップ」を除くポリシーは、仮想マシン作成時に適用されます。仮想マシンの作成方法は、「3.4.1 仮
想マシンの作成」を参照してください。
「仮想マシンバックアップ」のポリシーは、仮想マシンの電源をONにすると適用されます。
以下の機能は、プロパティの設定により、ポリシー適用完了後に自動的に開始されます。
表3.2 ポリシーの自動開始対象
機能
プロパティ
値
仮想マシンバックアップ
動作モード
Auto
ストレージ自動階層制御(拡張)
-
-
QoS自動化(拡張)
QoS自動化の有効/無効
Enable
キャッシュ(拡張)
Extreme Cache
Any(注1)、Enable
セキュリティ(拡張)
データ暗号化
Any(注2)、Enable
-(ハイフン): プロパティの設定に関係なく開始されます。
注1: Extreme CacheまたはExtreme Cache Poolが登載されているストレージを利用する場合
注2: 暗号化されたTierプールを利用する場合
仮想マシンに接続されている仮想ディスク(Virtual Volume)のバックアップ運用は、仮想マシンに設定されているポリシー
に従って実施されます。
注意
- ポリシーの適用が失敗した場合は、「仮想マシンバックアップ」、「ストレージ自動階層制御(拡張)」、または「QoS自
動化(拡張)」の自動運用が開始されません。このため、仮想マシンを作成したあと、ポリシーが正しく適用されてい
ることを確認してください。
ポリシーの適用確認方法は、「3.3.3 ポリシーの適用確認」を参照してください。
- 適用したポリシーに「QoS自動化(拡張)」が含まれている場合、性能監視対象のVirtual Volumeだけに対してQoS自動
化を開始します。Virtual VolumeをQoS自動化の対象とする場合は、そのVirtual Volumeを本製品の性能監視対象となる
- 49 -
ように性能管理の設定を変更してください。設定の変更方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「性能
管理指示」を参照してください。
ポリシーの動作条件
ポリシーの設定値(プロパティの値)と動作条件は、以下のとおりです。
表3.3 ポリシーの設定値(プロパティの値)と動作条件
機能
仮想マシンバック
アップ
プロパティ
値
動作条件
動作モード
Auto
または
Manual
ETERNUS SFシステムに、仮想マシンバックアッ
プ機能を使用するためのライセンスが設定され
ていること
クローンバックアップ
の取得
Enable
ETERNUS SFシステムに、クローンバックアップ
用VVOLデータストアが作成されていること
ストレージ自動階層
制御(拡張)
階層数
2または3
ETERNUS SFシステムに、ストレージ自動階層制
御機能を使用するためのライセンスが設定され
ていること
QoS自動化(拡張)
QoS自動化の有効/無効
Enable
ETERNUS SFシステムに、QoS自動化機能を使用す
るためのライセンスが設定されていること、お
よび
ETERNUS SFシステムで、QoS自動化機能が有効に
なっていること
割当て率調整
On
ETERNUS SFシステムに、ストレージ自動階層制
御機能を使用するためのライセンスが設定され
ていること
キャッシュ(拡張)
Extreme Cache
Enable
VVOLデータストアを構成するストレージ装置に
Extreme CacheまたはExtreme Cache Poolが登載さ
れていること
セキュリティ(拡張)
データ暗号化
Enable
VVOLデータストアを構成するストレージ装置が
暗号化機能をサポートしていること
以下のポリシーについて説明します。
・ 仮想マシンバックアップ
・ ストレージ自動階層制御(拡張)
・ QoS自動化(拡張)
・ キャッシュ(拡張)
・ セキュリティ(拡張)
3.3.1.1
仮想マシンバックアップ
仮想マシンバックアップのポリシーについて説明します。
選択する機能
仮想マシンバックアップのポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「仮想マ
シンバックアップ」を追加しておく必要があります。
プロパティ項目
仮想マシンバックアップのポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
仮想マシンバックアップのポリシーは、Virtual Volume単位ではなく、仮想マシン単位で設定してください。
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表3.4 プロパティ一覧
プロパティ
動作モード
説明
デフォルト値 変更の
可否
仮想マシンバックアップ機能の動作方法を指定する動作モード
を選択します。
Disable
可
Monthly
可
・ Auto
仮想マシンバックアップ機能を使用します。バックアップ
を自動実行します。
・ Manual
仮想マシンバックアップ機能を使用します。バックアップ
は手動実行だけ行います。
・ Disable
仮想マシンバックアップ機能を使用しません。
この項目に"Auto"または"Manual"を選択しても、以下のプロパ
ティ設定(バックアップを取得しない設定)を行った場合は、自
動的に"Disable"が設定されます。
・ [スナップショットバックアップ世代数]に"0"を指定、かつ
・ [クローンバックアップの取得]に"Disable"を指定
実行周期
バックアップの自動実行を実施する間隔を選択します。
この項目は、[動作モード]で"Auto"を指定したときだけ有効で
す。
・ Hourly
指定された実行間隔で実行します。本周期を選択した場合、
[実行間隔(Hour)]の設定も必要です。
・ Daily
毎日、[実行開始時刻]で指定された時間に実行します。
・ Weekly
毎週、指定された曜日に実行します。本周期を選択した場
合、[実行曜日(Week)]の設定も必要です。
・ Monthly
毎月、指定された日に実行します。本周期を選択した場合、
[実行日(Day)]の設定も必要です。
実行間隔(Hour)
[実行周期]に"Hourly"を指定した場合に、その実行間隔を時間単
位で選択します。選択できる時間間隔は、1、2、3、4、6、8、
または12です。
12
可
実行曜日(Week)
[実行周期]に"Weekly"を指定した場合に、その実行曜日を選択し
ます。複数の曜日を選択できます。
Sun
可
実行日(Day)
[実行周期]に"Monthly"を指定した場合に、その実行日を選択し
ます。選択できる日は、1~31または"Last"です。1つだけ選択で
きます。
1~31を選択した場合、指定した日にバックアップします。選
択した日が存在しない月は、バックアップされません。
"Last"を選択した場合、月の最後の日にバックアップします。
1
可
実行開始時刻(Hour)
バックアップの自動実行を開始する時刻(時)を選択します。選
択できる値は、0~23です。
この項目は、[動作モード]に"Auto"を指定したときだけ有効で
す。
0
可
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プロパティ
説明
デフォルト値 変更の
可否
実行開始時刻(Minute)
バックアップの自動実行を開始する時刻(分)を選択します。選
択できる値は、0~55(5分単位)です。
この項目は、[動作モード]に"Auto"を指定したときだけ有効で
す。
0
可
スナップショットバックアッ
プ世代数
スナップショットバックアップの保存世代数を選択します。選
択できる世代数は、0~28です。"0"を選択した場合、スナップ
ショットバックアップは保存されません。
シングルアイテムリストアを利用する場合は、スナップショッ
トバックアップが必要です。このため、この項目に"1"以上を選
択します。
クローンバックアップだけを行う場合は、[クローンバックアッ
プの取得]に"Enable"を指定し、この項目に"0"を選択します。
この項目は、[動作モード]で"Auto"または"Manual"を指定したと
きだけ有効です。
1
可
Enable
可
Disable
可
Disable
可
保存世代数を超えるスナップショットバックアップを実施した
場合、バックアップを実施したあとに、最古の世代が自動的に
削除されます。
静止ゲストファイルシステム
バックアップ時にファイルシステムの内容を整合性のある状態
にする/しないを選択します。
この項目は、[動作モード]で"Auto"または"Manual"を指定したと
きだけ有効です。
・ Enable
バックアップ時に、ファイルシステムの内容を整合性のあ
る状態にします。
・ Disable
バックアップ時に、ファイルシステムの整合性は保証され
ません。
仮想メモリスナップショット
スナップショットバックアップ取得時に、メモリの内容を含め
る/含めないを選択します。
この項目は、[動作モード]で"Auto"または"Manual"を指定したと
きだけ有効です。
・ Enable
スナップショットバックアップにメモリの内容を含めます。
・ Disable
スナップショットバックアップにメモリの内容を含めませ
ん。
クローンバックアップの取得
クローンバックアップを取得する/しないを選択します。
この項目は、[動作モード]で"Auto"または"Manual"を指定したと
きだけ有効です。
・ Enable
クローンバックアップを取得します。
・ Disable
クローンバックアップを取得しません。
バックアップ対象について
バックアップは、仮想マシン単位で行います。バックアップ対象は、仮想マシンに接続されている仮想ディスクです。
バックアップを行うには、以下の条件を満たす必要があります。
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- 仮想マシンの構成情報を格納するデータストアは、VVOLデータストアであること
仮想マシン作成時の「ストレージの選択」で、VVOLデータストアを選択してください。
- 仮想マシンに接続されている仮想ディスクは、すべてVirtual Volumeであること
Virtual Volume以外の仮想ディスクの場合、種類・設定によりバックアップ/リストアの対象になりません。
また、仮想ディスクの種類に関係なく、独立型(通常/読取り専用)モードの場合は、バックアップ/リストアの対象に
なりません。
詳細は、以下のとおりです。
表3.5 仮想ディスクに対するバックアップ/リストアの可否
仮想ディスクの種類 スナップショットバックアッ クローンバックアップ、ク シングルアイテムリストア
プ、スナップショットバック ローンバックアップからのリ
アップからのリストア
ストア
Virtual Volume
○
○
○
VMFS
○
×
×
RDM
(互換モード: 仮想)
○
×
×
RDM
(互換モード: 物理)
×
×
×
○: 処理対象
×: 処理対象外
注意
クローンバックアップからのリストアにおいて、バックアップ/リストア対象外の仮想ディスクの接続構成は復元さ
れません。必要に応じて、VMware vCenter Serverから再接続してください。
3.3.1.2
ストレージ自動階層制御(拡張)
ストレージ自動階層制御のポリシーについて説明します。
選択する機能
ストレージ自動階層制御のポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「ストレー
ジ自動階層制御(拡張)」を追加しておく必要があります。
プロパティ項目
ストレージ自動階層制御のポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
表3.6 プロパティ一覧
プロパティ
階層数
説明
デフォルト値 変更の
可否
VVOLデータストアに含まれるTierプールの階層数を指定します。 Any
指定した階層数のTierプールを持つVVOLデータストアがVirtual
Volumeの配置先の候補になります。
・ Any
すべてのVVOLデータストアをVirtual Volumeの配置先の候補
にします。
Low/Middle/Highの各割当て率の設定は、使用されません。
新規作成されるVirtual Volumeは、階層化ポリシーに基づい
て再配置が行われます。作成済みのVirtual Volumeのポリシー
を変更する場合、割当て率の設定は変更されません。
- 53 -
不可
プロパティ
説明
デフォルト値 変更の
可否
・ 1
Low/Middle/Highの各割当て率の設定は、使用されません。
・ 2
[Low割当て率(%)]と[High割当て率(%)]を設定する必要があ
ります。この2つの合計が100になるように指定してくださ
い。
両方に0を指定した場合、階層化ポリシーに基づいて再配置
が行われます。
[Middle割当て率(%)]の設定は使用されません。
・ 3
[Low割当て率(%)]、[Middle割当て率(%)]、および[High割当
て率(%)]を設定する必要があります。すべての合計が100に
なるように指定してください。
すべてに0を指定した場合、階層化ポリシーに基づいて再配
置が行われます。
実行モード
VVOLデータストアに含まれるTierプールの実行モードを指定し
ます。
Any
不可
Auto
可
・ Any
・ Auto
・ Semi-Auto
・ Manual
[実行モード]に"Any"を指定した場合、または[階層数]に"1"を指
定した場合は、すべての実行モードのTierプールを持つVVOLデー
タストアが候補になります。
優先FTSP
Virtual Volumeに新たなデータを割り当てる際、どのサブプール
に優先的に割り当てるかを指定します。
・ Auto
・ High
・ Middle
・ Low
[優先FTSP]の指定は、[階層数]の指定との間に以下の関係があり
ます。
・ [階層数]に"1"または"Any"を指定した場合
このプロパティの設定は使用されません。
・ [階層数]に"2"を指定した場合
このプロパティに"Middle"は設定できません。"Middle"を指
定した場合は、ポリシーの適用に失敗し、コンプライアン
スステータスが「非準拠」となります。
Low割当て率(%)
再配置の際にLowサブプールに割り当てるボリュームの容量比
率です。指定できる値は、0~100です。
[階層数]に"1"または"Any"を指定した場合、このプロパティの設
定は使用されません。
0
可
Middle割当て率(%)
再配置の際にMiddleサブプールに割り当てるボリュームの容量
比率です。指定できる値は、0~100です。
0
可
- 54 -
プロパティ
説明
デフォルト値 変更の
可否
[階層数]に"1"、"2"、または"Any"を指定した場合、このプロパ
ティの設定は使用されません。
High割当て率(%)
再配置の際にHighサブプールに割り当てるボリュームの容量比
率です。指定できる値は、0~100です。
[階層数]に"1"または"Any"を指定した場合、このプロパティの設
定は使用されません。
0
可
参照
各プロパティおよびストレージ自動階層制御の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照
してください。
3.3.1.3
QoS自動化(拡張)
QoS自動化のポリシーについて説明します。
選択する機能
QoS自動化のポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「QoS自動化(拡張)」を
追加しておく必要があります。
プロパティ項目
QoS自動化のポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
表3.7 プロパティ一覧
プロパティ
QoS自動化の有効/無効
説明
デフォルト値 変更の
可否
QoS自動化機能を使用するかどうかを指定します。
Any
可
No Set
可
・ Any
すべてのVVOLデータストアをVirtual Volumeの配置先の候補
にします。
ストレージ管理者の設定に従い、QoS自動化機能を使用しま
す。
・ Enable
QoS自動化が可能なTierプールを含むVVOLデータストアを、
Virtual Volumeの配置先の候補にします。
・ Disable
すべてのVVOLデータストアをVirtual Volumeの配置先の候補
にします。
Tierプールの構成に関わらず、QoS自動化機能を使用しませ
ん。
"Any"または"Disable"を選択した場合、ほかのプロパティの設定
は使用されません。
QoS自動化:優先度
Virtual VolumeのQoS自動化の優先度を指定します。
・ Unlimited
・ High
・ Middle
・ Low
- 55 -
プロパティ
説明
デフォルト値 変更の
可否
・ Set Response Time
・ Not Set
"Set Response Time"を指定した場合だけ、「目標レスポンスタイ
ム(ミリ秒)」プロパティの設定が有効になります。
目標レスポンスタイム
(ミリ秒)
QoS自動化の目標値をレスポンスタイムで指定します。指定で
きる値は、0~10000です。
0
可
Off
可
このプロパティは、「QoS自動化:優先度」プロパティに"Set
Response Time"を指定した場合だけ有効です。
割当て率調整
ストレージ自動階層制御との連携を行うかどうかを指定しま
す。
・ On
以下のTierプールを含むVVOLデータストアが仮想マシンの配
置先の候補になり、生成されるVirtual Volumeに対してスト
レージ自動階層制御との連携が行われます。
- ストレージ自動階層制御の階層化ポリシーが適用されて
いる
- ストレージ自動階層制御の実行モードが"Auto"である
- 2階層以上である
・ Off
Tierプールの構成に関わらず、ストレージ自動階層制御と連
携しません。
注意
[割当て率調整]に"On"を指定した場合、「ストレージ自動階層制御(拡張)」の[階層数]に"Any"を指定してください。
参照
各プロパティおよびQoS自動化機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してく
ださい。
3.3.1.4
キャッシュ(拡張)
キャッシュのポリシーについて説明します。
選択する機能
キャッシュのポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「キャッシュ(拡張)」
を追加しておく必要があります。
プロパティ項目
キャッシュのポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
- 56 -
表3.8 プロパティ一覧
プロパティ
Extreme Cache
説明
Extreme Cache機能を使用するかどうかを指定します。
デフォルト値 変更の
可否
Any
可
・ Any
- 仮想マシン作成時
ストレージ利用者が選択したVVOLデータストアを構成
するストレージにExtreme CacheまたはExtreme Cache Pool
が登載されている場合、Extreme CacheまたはExtreme
Cache Poolが有効になります。
- 仮想マシン作成後
現在の設定に従います。
・ Enable
Extreme CacheまたはExtreme Cache Poolを搭載しているスト
レージのVVOLデータストアをVirtual Volumeの配置先の候補
にします。
生成されるVirtual Volumeに対して、Extreme Cacheまたは
Extreme Cache Poolが有効になります。
・ Disable
Extreme CacheやExtreme Cache Poolの搭載に関わらず、生成
されるVirtual Volumeに対して、Extreme CacheまたはExtreme
Cache Poolが無効になります。
3.3.1.5
セキュリティ(拡張)
セキュリティのポリシーについて説明します。
選択する機能
セキュリティのポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「セキュリティ(拡
張)」を追加しておく必要があります。
プロパティ項目
セキュリティのポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
表3.9 プロパティ一覧
プロパティ
データ暗号化
説明
暗号化されたVirtual Volumeを作成するかどうかを指定します。
・ Any
暗号化に関わらず、すべてのVVOLデータストアをVirtual
Volumeの配置先の候補にします。
・ Enable
暗号化されたTierプールを含むVVOLデータストアをVirtual
Volumeのの配置先の候補にします。
・ Disable
暗号化されていないTierプールを含むVVOLデータストアを
Virtual Volumeのの配置先の候補にします。
- 57 -
デフォルト値
Any
変更の
可否
不可
3.3.2 ポリシーの変更
仮想マシンのポリシーを変更するには、2つの方法があります。どちらの方法も、vSphere Web Clientから操作します。
1つの仮想マシンだけポリシーを変更する場合
複数の仮想マシンに同じポリシーを適用している場合は、新しくポリシーを作成し、そのポリシーをポリシー変更対象
の仮想マシンに適用してください。仮想マシンに別のポリシーを適用させるには、「仮想マシンに別のポリシーを適用す
る場合」の手順を実施してください。
一括してポリシーを変更する場合
ポリシーを変更することで、そのポリシーが適用されていたすべての仮想マシンのポリシーの設定を一括して変更でき
ます。ポリシーを編集するには、「ポリシーを編集する場合」の手順を実施してください。
vSphere Web Clientでの操作手順は、以下のとおりです。
仮想マシンに別のポリシーを適用する場合
1. 仮想マシンを選択します。
2. [管理]タブの[ポリシー]をクリックします。
3. [仮想マシンストレージポリシーの編集]をクリックします。
4. 適用したいポリシーを選択して適用します。
5. ポリシーの適用確認を実施します。
ポリシーを編集する場合
1. [ホーム]から、[仮想マシンストレージポリシー]のアイコンをクリックします。
2. 編集したいポリシーを選択します。
3. [仮想マシンストレージポリシーの編集]をクリックします。
4. ポリシーを編集します。
編集の方法は、「3.3.1 ポリシーの作成」と同様です。
5. 編集したポリシーを、いつ適用するかを設定します。
今すぐ適用する場合、そのポリシーが適用されていたすべての仮想マシンのポリシーが一括して変更されます。
後で適用する場合、「仮想マシンに別のポリシーを適用する場合」の手順で適用してください。
6. ポリシーの適用確認を実施します。
ポリシーの変更は、ポリシーの適用と同様、バックグラウンドで行われます。
注意
・ 「3.3.1 ポリシーの作成」の各機能の説明で、「変更の可否」が"不可"となっている項目は、変更しないでください。変更
した場合、コンプライアンスステータスが「非準拠」になります。
・ ポリシーの変更において、以下のプロパティは変更しないでください。変更した場合、コンプライアンスステータスが
「非準拠」になります。また、VMware vCenter Serverのイベント画面、およびWebコンソールのイベントログ画面に
esccs11301メッセージが表示されます。メッセージの対処に従ってください。
表3.10 ポリシーの設定変更制限対象
機能
プロパティ
ストレージ自動階層制御(拡張)
階層数、実行モード
セキュリティ(拡張)
データ暗号化
・ ポリシー適用の際にesccs11002メッセージが出力された場合の対処として、ポリシーを変更するときは、「ポリシーを編
集する場合」の手順を実施してください。
- 58 -
・ Storage vMotionを利用してストレージマイグレーションを指示する際に「仮想マシンバックアップ」のポリシーの変更
も指示した場合、変更前のポリシー設定のままとなります。このため、Storage vMotion完了後に以下の手順でポリシー
を再適用してください。
1. Storage vMotionを行った仮想マシンを選択します。
2. [管理]タブの[ポリシー]をクリックします。
3. [仮想マシンストレージポリシーの編集]をクリックします。
4. [OK]をクリックします。
3.3.2.1
仮想マシンバックアップ
すべてのプロパティの設定を変更できます。
動作モード
"Auto"または"Manual"に変更した場合、設定値に従って、バックアップ運用が開始されます。
注意
"Auto"または"Manual"を選択しても、以下のプロパティ設定(バックアップを取得しない設定)を行った場合は、自動的
に"Disable"が設定されます。
- [スナップショットバックアップ世代数]に"0"を指定、かつ
- [クローンバックアップの取得]に"Disable"を指定
"Disable"に変更した場合、バックアップを実施できなくなります。なお、"Disable"に変更する前に以下の資源を取得済み
の場合、これらの資源は残り続けるため、リストアは可能です。
- スナップショットバックアップ(スナップショットバックアップ履歴)
- クローンバックアップ(クローンバックアップ履歴)
ポイント
バックアップ履歴は、自動で削除されません。削除する場合は、バックアップ履歴の削除をストレージ管理者へ依頼し
てください。
以降の変更は、[動作モード]を"Auto"または"Manual"に設定した場合だけ有効です。
実行周期/実行開始時刻
[動作モード]を"Auto"にした場合だけ有効です。
変更した設定は即時反映され、変更後の設定に従って自動運用が開始されます。
スナップショットバックアップ世代数
変更後の設定値は、次回のバックアップ実行時に反映されます。保存世代数を減らした場合、世代溢れしたスナップ
ショットバックアップが削除されるのは、次回のバックアップ実行時です。
この項目を"0"に変更し、かつ[クローンバックアップの取得]が"Disable"の場合、[動作モード]には"Disable"が自動的に設
定されます。このため、取得済みのスナップショットバックアップは削除されません。スナップショットバックアップ
が不要な場合は、スナップショットバックアップの削除をストレージ管理者に依頼してください。
クローンバックアップの取得
変更後の設定値は、次回のバックアップ実行時に反映されます。
"Disable"から"Enable"に変更した場合、次回のバックアップ実行時からクローンバックアップが採取されます。
- 59 -
"Enable"から"Disable"に変更した場合、次回のバックアップ実行時からクローンバックアップは採取されません。ただ
し、取得済みのクローンバックアップは削除されないため、取得済みのクローンバックアップからのリストアは可能で
す。クローンバックアップが不要な場合は、クローンバックアップの削除をストレージ管理者へ依頼してください。
静止ゲストファイルシステム/仮想メモリスナップショット
変更後の設定値は、次回のバックアップ実行時に反映されます。次回のバックアップ実行時から、指定されたオプショ
ンでスナップショットバックアップが実行されます。
ポイント
仮想マシンバックアップ機能のポリシーを更新する場合、更新画面では仮想マシン全体または仮想マシンを表すオブジェ
クト("VMホーム")のポリシーを更新してください。
3.3.2.2
ストレージ自動階層制御(拡張)
[階層数]または[実行モード]以外のプロパティの設定を変更できます。
変更後の設定値は、次回の再配置時に反映されます。
優先FTSP
[階層数]に2または3を設定した場合だけ変更できます。
Low割当て率(%)
[階層数]に2または3を設定した場合だけ変更できます。
Middle割当て率(%)
[階層数]に3を設定した場合だけ変更できます。
High割当て率(%)
[階層数]に2または3を設定した場合だけ変更できます。
ポイント
ストレージ管理者が設計したポリシーに従って本製品で仮想マシンを管理する場合は、[実行モード]に"Any"を指定してポリ
シー変更してください。
3.3.2.3
QoS自動化(拡張)
すべてのプロパティの設定を変更できます。
QoS自動化の有効/無効
"Enable"に変更した場合、設定値に従って、QoS自動化が開始されます。
"Disable"に変更した場合、QoS自動化が停止します。
以降の変更は、[QoS自動化の有効/無効]を"Enable"に設定した場合だけ有効です。
変更後の設定値は、次回の自動チューニング時に反映されます。
QoS自動化:優先度
"Set Response Time"に変更した場合だけ、「目標レスポンスタイム(ミリ秒)」プロパティを設定できます。
目標レスポンスタイム(ミリ秒)
「QoS自動化:優先度」プロパティに"Set Response Time"を指定した場合だけ変更できます。
割当て率調整
"Off"から"On"に変更した場合、次回の自動チューニング実行時からストレージ自動階層制御と連携します。
"On"から"Off"に変更した場合、次回の自動チューニング実行時からストレージ自動階層制御と連携しません。
- 60 -
ポイント
・ Virtual VolumeをQoS自動化の対象とする場合は、そのVirtual Volumeを本製品の性能監視対象となるように性能管理の設
定を変更してください。設定の変更方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「性能管理指示」を参照してく
ださい。
・ ストレージ管理者が設計したポリシーに従って本製品で仮想マシンを管理する場合は、[QoS自動化の有効/無効]に"Any"
を指定しポリシーを変更してください。
3.3.2.4
キャッシュ(拡張)
設定を変更できます。変更した設定は、即時に反映されます。
ポイント
ストレージ管理者が設計したポリシーに従って本製品で仮想マシンを管理する場合は、[Extreme Cache]に"Any"を指定しポ
リシーを変更してください。
3.3.2.5
セキュリティ(拡張)
設定を変更できません。
3.3.3 ポリシーの適用確認
ポリシーに従って仮想マシンが動作しているかをvSphere Web Clientから確認します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. ポリシーの適用が終了しているか確認します。
イベント一覧を表示するために、[イベント]をクリックしてください。
イベント一覧に以下のメッセージが出力されている場合は、ポリシーの適用が終了しています。
esccs11004 The compliance result was changed. policy=policy, target=target
以下のメッセージが出力されている場合は、ポリシーの内容を見直して、ポリシーの変更を実施してください。原因
がわからない場合は、ストレージ管理者に問い合わせてください。
esccs11002 Applying the policy failed. policy=policy, target=target, detail=detail
ポイント
- これらのメッセージは、Virtual Volumeごとに表示されます。仮想マシンは複数のVirtual Volumeから構成されるた
め、1つの仮想マシンに複数のメッセージが表示されます。
- ポリシーの適用が終了したときに出力されるメッセージは、イベントログ画面でも確認できます。
- ポリシーの適用が終了するまでは、コンプライアンスステータスに「準拠」と表示されます。
2. コンプライアンスステータスを確認します。
最新のコンプライアンスステータスを表示するには、ETERNUS SFシステムから情報を取得する必要があります。この
ため、以下の手順を実施してください。
a. 仮想マシンを選択します。
b. [監視]タブをクリックします。
- 61 -
c. [ポリシー]を選択し、[仮想マシンストレージポリシーのコンプライアンスを更新します]をクリックします。
仮想マシンがポリシーに従って動作している場合は、コンプライアンスステータスに「準拠」と表示されます。そう
でない場合は、コンプライアンスステータスに「非準拠」と表示されます。
「非準拠」と表示されるのは、以下の場合です。
- ポリシーの設定内容が正しくない
- ETERNUS SFシステムの設定が、ポリシーの動作条件を満たしていない(ポリシーどおりに動作できない)
注意
・ 適用したポリシーに「仮想マシンバックアップ」が含まれている、かつ、仮想マシン作成後に仮想マシンの電源をONに
していない場合は、仮想マシンの電源をONにしてください。仮想マシンの電源がONになるまで、「仮想マシンバック
アップ」に対するポリシーの適用確認は行われません。
・ 仮想マシンの作成後は、以下のプロパティを変更できません。仮想マシンを作成したあとにストレージ管理者がポリ
シー設計を変更した場合は、コンプライアンスステータスが「非準拠」と表示されます。
機能
ストレージ自動階層制御(拡張)
プロパティ
階層数、実行モード
・ 適用したポリシーが以下の条件を満たす場合、コンプライアンスステータスが「非準拠」と表示されることがありま
す。
- 「ストレージ自動階層制御(拡張)」の[Low割当て率(%)]、[Middle割当て率(%)]、または[High割当て率(%)]を設定して
いる、かつ
- 「QoS自動化(拡張)」の[割当て率調整]に"On"を指定している
コンプライアンスステータスが「非準拠」と表示された場合、以下の手順で変更したポリシーを適用してください。
1. [ホーム]から、[仮想マシンストレージポリシー]をクリックします。
2. 編集したいポリシーを選択します。
3. [仮想マシンストレージポリシーの編集]をクリックします。
4. ポリシーを編集します。
[ルールセット1]を選択後、「ストレージ自動階層制御(拡張)」の[階層数]に"Any"を選択して、[OK]をクリックして
ください。
5. 編集したポリシーを、いつ適用するかを設定します。
今すぐ適用する場合、そのポリシーが適用されていたすべての仮想マシンのポリシーが一括して変更されます。
後で適用する場合、「仮想マシンに別のポリシーを適用する場合」の手順で適用してください。
6. ポリシーの適用確認を実施します。
参照
メッセージの詳細は、『ETERNUS SF メッセージ説明書』を参照してください。
3.3.4 ポリシーの削除
使用されていないポリシーを削除できます。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. [ホーム]から、[仮想マシンストレージポリシー]をクリックします。
- 62 -
2. 削除対象のポリシーを選択し、右クリックします。
3. [削除]をクリックします。
3.4 仮想マシンの操作
3.4.1 仮想マシンの作成
VMware vCenter Serverから、Virtual Volumeを使用した仮想マシンを作成します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. VMホストを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから[新規仮想マシン]-[新規仮想マシン...]をクリックします。
3. 画面の表示に従って操作します。
[ストレージの選択]において、仮想マシンストレージポリシーを指定することで、そのポリシーを満たすVVOLデータ
ストアが、[互換性あり]として一覧表示されます。この中から使用したいVVOLデータストアを選択してください。
4. ポリシーの適用確認を実施します。
ポイント
・ 仮想マシンストレージポリシーを指定せずにVVOLデータストアを選択することもできます。この場合、選択されたVVOL
データストアのデフォルト設定でVirtual Volumeが作成されます。
・ 仮想マシンの電源をONにすると、その仮想マシンはETERNUS SFシステムに自動的に登録されます。同時に、その仮想マ
シンが存在しているVMホスト上に存在する、VMware vSphere Virtual Volumesではない仮想マシンも自動的に登録されま
す。
・ VVOLタイプが"Data"のVirtual Volumeには、仮想マシンに指定したディスクプロビジョニングの設定が適用されます。
注意
・ 仮想マシンを上記以外の操作で作成しないでください。
・ [互換性なし]のデータストアを選択することも可能です。この場合は、ポリシーに沿ったVirtual Volumeが作成されず、
コンプライアンスステータスは「非準拠」になります。[互換性あり]のデータストアが表示されない場合は、他の仮想
マシンストレージポリシーを選択するか、新しく仮想マシンストレージポリシーを作成してください。
・ 仮想マシンストレージポリシーを満たすTierプールと満たさないTierプールで構成されたデータストアは、[互換性あり]
のデータストアとして表示されます。[互換性:]欄には、データストアが仮想マシンストレージポリシーを満たしていな
いことを示す警告メッセージが表示されますが、対処は不要です。
3.4.2 仮想マシンの削除
仮想マシンを削除します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. 仮想マシンを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから[ディスクから削除]をクリックします。
- 63 -
「仮想マシンバックアップ」のポリシーが設定されていた場合の動作
仮想マシンに対して仮想マシンバックアップの自動運用が行われている状態で、その仮想マシンを削除すると、その仮想
マシンに対する仮想マシンバックアップの自動運用は自動的に停止します。
ただし、仮想マシンの定義は、ETERNUS SFシステムから削除されません。クローンバックアップの取得を行っていた場合
は、クローンバックアップも削除されません。
ETERNUS SFシステムから仮想マシンの定義を削除したいときは、ストレージ管理者に依頼してください。
ポイント
・ 仮想マシンバックアップの自動運用は停止するため、システムの運用に支障はありません。しかし、存在しない仮想マ
シンの定義がETERNUS SFシステムに残り続けることになるため、仮想マシンの定義を削除することをお勧めします。
・ 仮想マシンの復旧には、クローンバックアップが必要です。クローンバックアップは、該当仮想マシンの復旧が不要な
場合だけ削除してください。
3.4.3 仮想マシンの移行
仮想マシンを移行します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. 仮想マシンを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから[移行...]をクリックします。
ポイント
・ 移行操作時に適用するポリシーを指定できます。このため、移行前のポリシーを引き継ぐことや、ほかのポリシーを適
用することができます。
・ Storage vMotionを利用してストレージマイグレーションを指示する際に「仮想マシンバックアップ」のポリシーの変更
も指示した場合、変更前のポリシー設定のままとなります。このため、Storage vMotion完了後に以下の手順でポリシー
を再適用してください。
1. Storage vMotionを行った仮想マシンを選択します。
2. [管理]タブの[ポリシー]をクリックします。
3. [仮想マシンストレージポリシーの編集]をクリックします。
4. [OK]をクリックします。
・ Storage vMotionやvSphere HAで仮想マシンをVMホスト間で移動した場合、仮想マシンの電源をONにすると、その仮想マ
シンはETERNUS SFシステムに自動的に登録されます。同時に、その仮想マシンが存在しているVMホスト上に存在する、
VMware vSphere Virtual Volumesではない仮想マシンも自動的に登録されます。
3.5 スナップショット
3.5.1 スナップショットの作成
仮想マシン単位のスナップショットを作成します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. 仮想マシンを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから[スナップショット]-[スナップショットの作成...]をクリックします。
- 64 -
3.5.2 スナップショットの一覧参照
作成したスナップショットの一覧を参照します。スナップショットの一覧には、以下のスナップショットが表示されます。
・ vSphere Web Clientで作成したスナップショット
・ ETERNUS SFシステムで、自動実行または手動実行によって作成したスナップショット
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. 仮想マシンを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから[スナップショット]-[スナップショットの管理...]をクリックします。
ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットの名前と説明
ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットには、以下の名前と説明が付けられます。
・ スナップショット名
ESF_YYYYMMDD_hhmm
YYYYMMDD_hhmm は、スナップショット開始日時を表します。YYYY: 年、MM: 月、DD: 日、hh: 時、mm: 分
例えば、2015年1月18日4時30分にスナップショットを開始した場合のスナップショット名は、以下のとおりです。
ESF_20150118_0430
・ 説明
Created_by_ESF
3.5.3 スナップショットへの復帰
作成したスナップショットへの復帰を実施します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. 仮想マシンを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから[スナップショット]-[スナップショットの管理...]をクリックします。
3. 復帰したいスナップショットを選択します。
4. [次の状態に戻す]をクリックします。
ポイント
ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットへの復帰も可能です。ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットの
名前と説明は、「3.5.2 スナップショットの一覧参照」を参照してください。
3.5.4 スナップショットからのシングルアイテムリストア
スナップショットからのシングルアイテムリストアとは、一時ボリュームを利用して、復旧が必要なファイルだけを、ス
ナップショットからファイル単位でリストアすることです。
シングルアイテムリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[スナップショットバックアップ世代数]を"1"以上に設
定している場合だけ実施できます。
スナップショットからのシングルアイテムリストアを実施する手順は、以下のとおりです。
- 65 -
参考
OSの操作や画面表現は、OSのバージョンレベルによって異なる可能性があります。
1. 「復元対象のスナップショット」、「復元したいファイルが存在するディスク」、「一時ボリュームの保持時間」を決定
します。
- 復元対象のスナップショット
復元するスナップショットを決定します。復元できるスナップショットは、ETERNUS SFシステムで作成したもの
だけです。
スナップショットは、1つだけ選択できます。複数のスナップショットからの復元が必要な場合は、本項に記載さ
れている手順を繰り返し実施してください。
注意
1回のシングルアイテムリストアでは、複数のスナップショットからのリストアを同時実行できません。複数のス
ナップショットからファイルを復元する場合は、スナップショットごとに、使用する一時ボリュームの作成と削
除を繰り返し実施する必要があります。
一時ボリュームの保持時間を超過する前に一時ボリュームを削除したい場合は、ストレージ管理者に依頼してく
ださい。
- 復元したいファイルが存在するディスク
復元したいファイルが存在するスナップショット内のディスク(VMDKファイル名)を決定します。
複数のディスクを選択できます。
注意
ここで選択するディスク数と同じ数の一時ボリュームが使用されます。このため、一時ボリュームを接続する仮
想マシンにおいて、SCSIコントローラーに十分な空きがあることを確認してください。
仮想マシンのSCSIコントローラーに空きがない場合は、その仮想マシンに一時ボリュームを接続できません。SCSI
コントローラーを追加するか、既存のコントローラーの中で空きのコントローラーを用意してください。SCSIコン
トローラーの追加方法は、VMwareのマニュアルを参照してください。
それでも、空きのSCSIコントローラーを用意できない場合は、選択するディスク数を減らしてください。
- 一時ボリュームの保持時間
一時ボリュームを仮想マシンに接続しておく時間を決定します。1~99時間の範囲で指定できます。
指定した時間が経過すると一時ディスクは自動的に削除されるため、ファイルの復旧作業に必要な時間を見積もっ
たうえで、決定してください。
2. ストレージ管理者に、手順1で決定した情報を通知し、シングルアイテムリストア(仮想マシンへの一時ボリュームの
接続)を依頼します。
3. ストレージ管理者からの作業完了連絡を受け取ります。
スナップショット内のディスク内容がコピーされた一時ボリュームが、仮想マシンに接続されています。なお、一時
ボリュームは、以下の属性で、復元対象のスナップショットと同じVVOLデータストアに作成されています。
属性 (注)
内容
ディスクプロビジョニング
Thin Provisioning
仮想デバイスノード
SCSI
ディスクモード
独立型
VMDKファイル名
ESF_TEMP_元VMDKファイル名
- 66 -
属性 (注)
接続先
内容
コントローラー0(SCSI 0:x)から順に割当て
注: 各項目の表現は、vCenter Serverのバージョンレベルなどによって異なる場合があります。
4. ディスクおよびパーティションを再スキャンします。
- Windowsの場合
仮想マシン上で、[ディスクの管理]からディスクの再スキャンを実施してください。
注意
[ディスクの管理]画面で、一時ボリュームに対してディスクの初期化を促される場合があります。ディスクの初期
化を促された場合は、キャンセルしてください。ディスクを初期化した場合、一時ボリュームの内容がすべて消
去されます。
- Linuxの場合
仮想マシン上で、ディスクおよびパーティションの再スキャンを実施してください。
例
仮想マシン上で、以下のコマンドを実行します。
sfdisk -R deviceName
deviceName: 一時ボリュームのデバイス名(/dev/sd*)
5. 仮想マシンに一時ボリュームをマウントします。
- Windowsの場合
仮想マシン上で、[ディスクの管理]から一時ボリュームをオンラインにし、ドライブ文字を割り当ててください。
- Linuxの場合
仮想マシン上で、mountコマンドを実行して、一時ボリュームをマウントしてください。
6. 復旧が必要なファイルを、一時ボリュームから業務ボリュームへコピーします。
7. 仮想マシンから、一時ボリュームをアンマウントします。
- Windowsの場合
仮想マシン上で、[ディスクの管理]から一時ボリュームをオフラインにしてください。
- Linuxの場合
仮想マシン上で、umountコマンドを実行して、一時ボリュームをアンマウントしてください。
注意
・ シングルアイテムリストアでは、自動的にディスクが仮想マシンに追加されます。このため、互換デバイスを利用して
いる場合、一時ボリュームが存在する状態でシステム再起動などを行うと、デバイス名ずれが発生する可能性がありま
す。デバイス名ずれの発生しないデバイス名の使用を推奨します。デバイス名ずれに関しては、OSのマニュアルを参照
してください。
・ 一時ボリュームが存在している状態で、スナップショットを作成しないでください。一時ボリュームを削除できなくな
ることがあります。スナップショットは、一時ボリュームを削除してから作成してください。
- 67 -
3.5.5 スナップショットの削除
作成したスナップショットを削除します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
1. 仮想マシンを選択します。
2. 右クリックまたはアクションから[スナップショット]-[スナップショットの管理...]をクリックします。
3. 削除したいスナップショットを選択します。
4. [削除]をクリックします。
注意
vSphere Web Clientから、ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットを削除しないでください。
ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットをvSphere Web Clientから削除しても、そのスナップショットの情報は、
ETERNUS SFシステムの履歴から削除されません。ETERNUS SFシステムの履歴からスナップショットの情報を削除するには、
ストレージ管理者に依頼し、ETERNUS SFシステムでスナップショットを削除してもらう必要があります。
3.6 リストア
3.6.1 物理障害時のリストア
物理障害などによってスナップショットからリストアできない場合は、クローンバックアップを利用してリストアします。
クローンバックアップからのリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[クローンバックアップを取得]を"Enable"に
設定している場合だけ実施できます。
クローンバックアップからのリストアでは、クローンバックアップ時の仮想マシン定義情報を基に新たな仮想マシンを作
成し、そこにデータを復旧します。新たな仮想マシンは、クローンバックアップ時にバックアップ元仮想マシンが所属し
ていたVMホスト(VMware ESXi)に作成されます。
注意
・ 新たな仮想マシンの作成が必要なため、リストア先のVMホスト(VMware ESXi)またはVMware vCenter Serverに新たに仮想
マシンを作成できない場合(仮想マシン数が上限に達している場合など)は、リストアできません。
・ 以下の情報は復元されません。
- 仮想マシンのスナップショット
- 仮想マシンストレージポリシー(リストア先VVOLデータストアのデフォルトポリシーとなります)
- バックアップ/リストア対象外の仮想ディスク
詳細は、「3.3.1.1 仮想マシンバックアップ」の「バックアップ対象について」を参照してください。
クローンバックアップからリストアする手順は、以下のとおりです。
1. 新たに作成する仮想マシンの名前を決定します。
任意の名前を指定できます。
ポイント
クローンバックアップを取得した仮想マシンがVMware vCenter Serverに存在する場合は、クローンバックアップ時と
同じ名前を指定できません。新たに作成する仮想マシンの名前を変更するか、同名の仮想マシンを削除しておく必要
があります。
- 68 -
2. ストレージ管理者に、手順1で決定した情報を通知し、クローンバックアップからのリストアを依頼します。
3. ストレージ管理者からの完了連絡を受け取ります。
クローンバックアップからのリストアによって復元した仮想マシンは、スナップショットおよびクローンバックアッ
プが存在しない状態になっています。仮想マシンの運用方針に基づいて、適宜、ポリシーを設定したあと、仮想マシ
ンのバックアップを実施してください。ポリシーの設定方法は、「3.3 ポリシーの操作」を参照してください。
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