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- ロングライフビル推進協会
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
1. 屋上防水、空気調和設備を対象とした実態調査の概要
1.1. 調査概要
1.1.1. 調査の目的
本調査の目的は、今後の調査活動に関するご意見であるデータの充実を図ることで更新の周期
をより明確に捉え、実用性のある LC 評価用データを提供することである。そのために、平成 17
年度において検討し作成した調査フォーマットの中から、屋上防水と空気調和設備を対象とした
調査を実施した。
1.1.2. 調査方法
本調査では、出来る限り実態を把握できるように、より多くのデータを得るため、各メディア
及び関係団体に周知を行い、下記 2 種類の方法から調査を実施した。
①
Web による調査
より簡易にデータを収集・蓄積及び分析もしやすくするために、Web を経由して、全国的
に配信し調査を行った。
②
調査用紙による調査
調査用紙を直接調査依頼者に郵送した。その際、Web による調査も行っている旨を伝達し、
Web と手書き用紙のどちらでも回答が出来るようにした。
調査依頼を行った先は以下の通りである。
表 1.1.1 調査依頼先
調査依頼先
件数
BELCA 会員企業(平成 18 年 8 月現在)
社団法人日本ビルヂング協会連合会
会員企業
151 社
1,240 社
地方自治体(人口 20 万人以上の 115 市)
合
計
本調査の期間は、平成 18 年 11 月 1 日
∼
115 市
1,506 件
1.1.3. 調査期間
平成 18 年 11 月 30 日の 1 ヶ月とし、社内稟議な
どによる回答の遅れも考慮して、平成 18 年 12 月 31 日までの回答を分析の対象とした。
1.1.4. 調査対象建物
本調査では、対象建物を以下のように設定した。
・ 調査対象建物:竣工後 20 年以上かつ、規模 1,000 ㎡以上
・ 対象建物用途:事務所・商業施設・庁舎・教育文化施設・福祉医療施設・宿泊施設
・ 調査内容
:①屋上防水
社団法人
②空気調和設備の修繕、更新、及び改修の時期
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
1.2. 回答結果
1.2.1. 回答結果
本調査の回答結果を都道府県別に分類したグラフを図.1.2.1 に示す。今回の調査では、官公庁
の建物が 63 棟、民間の建物が 303 棟、不明(未記入など)の建物が 76 棟、合計 442 棟の建物に
ついて回答があった。
160
官公庁 63棟(14%)
140
民間 303棟(69%)
不明 76棟(17%)
25
建物棟数 (棟)
120
100
80
117
60
40
4
1
1 2
1 4 9 4 6 11 13 2 1
5
3
1 1
2 1
2
5
13 22 3
13
8
0
5 2 1
20
22
4 2 2 1
1
3
37 1
2
9 1
7 1
1
1
3
2 10
5
1 1 1
2
19 1
1
1 2
3
1
5
北 青岩 宮秋山 福茨 栃群 埼千 東神新 富石 福山 長岐 静愛 三滋京 大兵 奈和 鳥島 岡広山 徳香 愛高 福佐 長熊大 宮鹿 沖
海 森手 城田形 島城 木馬 玉葉 京奈潟 山川 井梨 野阜 岡知 重賀都 阪庫 良歌 取根 山島口 島川 媛知 岡賀 崎本分 崎児 縄
道 県県 県県県 県県 県県 県県 都川県 県県 県県 県県 県県 県県府 府県 県山 県県 県県県 県県 県県 県県 県県県 県島 県
県
県
県
図 1.2.1 都道府県別回答結果
(建物棟数:442 棟)
1.2.2. 回答結果の分類
ここで、回答結果の選別基準のフローを図.1.2.2 に示す。
回答結果
建物数 442 棟
クリーニングデータ
建物数 76 棟
分析対象データ
建物数 366 棟
建物概要
建物数 366 棟
屋上防水
建物数 366 棟
回答有り
建物数 347 棟
建物数 366 棟
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
所在地別の建物棟数
竣工年度別の建物棟数
述べ床面積別の建物棟数
階数別の建物棟数
構造別の階数比較
主要用途別の建物棟数
主要用途別の運用時間比較
主要用途別の年間運転日数
海岸線からの距離別の建物棟数
塩害による影響別の建物棟数
回答無し
建物数 19 棟
空調設備
建物数 366 棟
回答有り
建物数 343 棟
アスファルト防水(保護)
建物棟数:249 棟
工事件数:150 件
空調機
建物棟数:257 棟
工事件数:359 件
アスファルト防水(露出)
建物棟数:46 棟
工事件数:46 件
水冷式パッケージ
建物棟数:54 棟
工事件数:79 件
シート防水
建物棟数:95 棟
工事件数:65 件
空冷式パッケージ
建物棟数:78 棟
工事件数:51 件
塗膜防水
建物棟数:85 棟
工事件数:71 件
EHP ビルマルチ
建物棟数:108 棟
工事件数:44 件
その他
建物棟数:12 棟
工事件数:0 件
GHP ビルマルチ
建物棟数:29 棟
工事件数:13 件
図 1.2.2 回答結果選別フロー
社団法人
回答無し
建物数 23 棟
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
回答結果(建物棟数:442 棟)には、データがほとんど入っていない建物や重複している建物
が含まれていたため、以下の方法によりデータクリーニングを行った。
1)
建物名称及び住所などより、重複している建物について確認し 1 棟に統一させた。
2)
建物情報の内 6 項目(所有者・用途・運転時間と日数・海岸からの距離と塩害の被害)を
確認し、回答がほとんど無い建物についてクリーニングを行った。
データをクリーニングした結果、今回の調査結果の分析に使用する建物棟数は 366 棟となった。
366 棟のうち屋上防水の主要 4 仕様が、各々約 50 棟を超えており、ある程度の客観値として分析
に耐えうる母数を確保していると思われる。また、空気調和設備は GHP ビルマルチエアコンの
み 29 棟と少ないが、他の機種について分析に耐えうる母数を確保していると思われる。
回答結果を分析するにあたり、各データの母数を設定する必要がある。今回のデータの母数に
は、①建物棟数(棟)、②工事件数(件)、③防水仕様数(仕様数)、④機器台数(台)などがある。
1 棟の建物に対し、複数の防水や空調設備が設置されている場合があり、それぞれ個別に母数を
設定することとした。表.1.2.1 に設定した母数を示し、母数について説明を行う。
表 1.2.1
分
類
分析に使用する母数の設定
設定母数
説
(単位)
明
建物棟数は、1 敷地に建つ建物のことをいい、回答者によ
建物情報
建物棟数
り明確に分離(別棟、○○号棟など)されていない場合は、
(棟)
複数ある建物(商業施設や複合施設など)についても 1 棟
として設定した。
工事件数とは、ある期間に行った 1 種類の防水仕様に対す
屋上防水
工事件数
(件)
る工事の数をいう。
例:○○年∼○○年の間に、アスファルト防水(保護)か
ら塗膜防水へ改修した場合、工事件数は 1 件とカウントす
る。
工事件数とは、ある期間に行った 1 種類の空気調和設備に
工事件数
(件)
対する工事の数という。
例:○○年∼○○年の間に 20 台の機器に対する更新工事
を行った場合、工事件数は 1 件とカウントする。
空気調和設備
工事台数とは、ある期間に更新・改修が行われた 1 種類の
工事台数
(台)
空気調和設備の機器台数をいう。
例:○○年∼○○年の間に 20 台の機器に対する更新工事
を行った場合、工事台数は 20 台とカウントする。
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
1.2.3. 建物概要
調査結果を主用途別に分類したグラフを図.1.2.3 に示す。最も多かった用途は、テナントビル
であり、197 棟と全体の 56%を占めている。次に、自社ビルが 79 棟と 22%を占めている。また、
官公庁施設(庁舎など)も 39 棟と全体の 11%を占めている。
12/3% 7/2%
19/5%
民間事務所(自社ビル)
79/22%
4/1%
民間事務所(テナントビル)
官公庁施設
39/11%
宿泊施設
商業施設
教育文化施設
医療福祉施設
197/56%
図 1.2.3 主要用途別の建物棟数(建物棟数:357 棟、未記入:9 棟)
図 1.2.4 に建物竣工年度別の建物棟数を示す。今回の調査対象建物として「竣工後 20 年以上」
と設定しており、調査を実施した 2006 年を基準に年代別に分類したところ、築 20 年代(20∼29
年)の建物が 117 棟と全体の 32%、築 30 年代(30∼39 年)の建物が 121 棟と全体の 33%を占
め、竣工後 20∼39 年の建物が全体の 65%を占めている。また、築 20 年未満の建物も 15 棟と全
体の 4%の回答が得られた。本来であれば、調査対象外とするべきかもしれないが、今後継続して
データを蓄積していくことも考え、調査の分析に含めることとした。
25
民間 303 棟(83%)
官公庁 63 棟(17%)
建物棟数 (棟)
20
15
10
5
0
15
12
7
7
3 1
1
9
5
0
1
9
5
1
1
9
5
2
11 15 8
3 3
7
6
1
3
3
3 2
2
1 2 2
1 1
1
9
5
3
1
9
5
5
1
9
5
4
1
9
5
6
1
9
5
7
1
9
5
8
1
9
5
9
1
9
6
0
1
9
6
1
1
9
6
2
1
9
6
3
1
9
6
4
1
9
6
5
3
1
9
6
6
1
9
6
7
5 8
1
1
9
6
8
1
9
6
9
21
12 10
12
13
10 7
8
9 8 11
6
3 2
3 2 2 3 3
3 3 4 2
1
1 2
1
9
7
0
1
9
7
1
1
9
7
2
1
9
7
3
1
9
7
4
1
9
7
5
1
9
7
6
1
9
7
7
1
9
7
8
1
9
7
9
1
9
8
0
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
9 17
11
8
5
5
2
1 2 1 1
1
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年
以
以
前
降
築 50 年代
24 棟( 7%)
築 40 年代
築 30 年代
83 棟(23%)
121 棟(33%)
築 20 年代
117 棟(32%) 15 棟(4%)
図 1.2.4 竣工年度別の建物棟数(建物棟数:366 棟、未記入 0 棟)
社団法人
20 年未満
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
図 1.2.5 に延べ床面積別の建物棟数を示す。述べ床面積を 3,000 ㎡ごとに分類してみると、
1,0000 ㎡未満の建物は、それぞれ 16∼20%程度とほぼ均等な回答結果が得られた。また、10,000
㎡代の建物が 92 棟と全体の 26%を占めており、100,000 ㎡を超える建物も 8 棟の回答が得られ
た。
100
民間 298棟(83%)
官公庁 61棟(17%)
90
建物棟数 (棟)
80
70
60
79
50
40
30
20
14
27
18
14
17
5
12
3
13
22
25
16
16
8
13
6
8
3
3
3
2
1
3
1
3
0
1000㎡未満
1000∼ 2000∼ 3000∼ 4000∼ 5000∼ 6000∼ 7000∼ 8000∼ 9000∼ 10000∼20000∼30000∼40000∼50000∼100000∼
述べ床面積 (㎡)
10
17
7
1,000∼3,000 ㎡代
4,000∼6,000 ㎡代
7,000∼9,000 ㎡代
75 棟(21%)
58 棟(16%)
56 棟(16%)
10,000 ㎡以上
170 棟(47%)
図 1.2.5 延べ床面積別の建物棟数(建物棟数:359 棟、未記入:7 棟)
今回の調査は、物理的劣化の調査分析を目的としているので、原則として用途、規模の影響は
無いものとして分析する。ただし、78%が事務所用途であり、26%が 1∼2 万㎡規模であるため、
保全の財政、ニーズ等の 2 次的な要因は、「一定規模の事務所」的な側面がベースとなっている。
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
2. 更新・改修に至る経過年数の単純集計
2.1. 屋上防水
ここでは、更新・改修に至る経過年数について仕様毎に示す。
調査結果より、一般的に認識されているようにシート防水、アスファルト防水(露出)、アスフ
ァルト防水(保護)の順で寿命が長い結果を得られた。しかし、塗膜防水に関しては施設として
の重要度の低い部位に適用されている等の影響により更新時期が遅くなっていることが考えられ
る。
アスファルト保護防水において、BELCA の更新時期は、経過 30 年としている。確かに、30
年近辺に集中している(図 2.1.1)。但し、18 年以内に行われたものが 26 件と 20%を占める。一
方、30 年以降に更新したものも 31 件と 24%となっている。建物の防水機能が、建築条件によっ
て、早く実施したり遅く実施したりで、長寿命化されたものもあると予想される。また、∼36 年
では 4 件となり、予防保全を考えると遅くともここまでには更新した方が良いといえる。
アスファルト露出防水の調査結果を見ると、アスファルト保護防水と比べるとやはり、18 年以
前に実施している建物が多い(図 2.1.2)。保護防水でも長寿命があったように、露出防水でもそ
の傾向があるものが見られる。建物の形状および良好な防水スペースなどの条件によるものと考
えられる。
シート防水は、BELCA の更新時期において 15 年としているが調査結果を見ると、アスファル
ト防水の保護・露出と比べると、更に早い時期に更新している物件が多い(図 2.1.3)。
塗膜防水の調査結果を見ると、10∼15 年が 16 件と全体の 34%を占めている(図 2.1.4)。しか
し、20 年を超えている工事が 22 件と全体の 46%を占めている。
参考として、アスファルト防水に比べて、比較的新しい仕様と思われるシート防水とウレタン
防水の歴史について確認してみた。
合成高分子ルーフィング工業会(通称:KRK)の技術資料によると、1952 年に旧国鉄の車両
屋根に塩化ビニル樹脂系シートがはじめて設置されている。その後、1972 年に日本建築学会「建
築工事標準仕様書
JASS
8 防水工事」第 1 版の発刊に伴い、3 節「屋根合成高分子ルーフィ
ング防水工事」として採用された。その後、普及が加速され 1975 年に生産 1,000 万㎡を達成し
ている。
また、ウレタン防水については、日本ウレタン建材工業会の技術資料によると、1976 年に屋根
用塗膜防水材として JIS 化(A 6021)している。その後、1981 年に日本建築学会「建築工事標
準仕様書
JASS
8 防水工事」に防水工法の一種として採用されている。
これらの資料から、シート防水と塗膜防水の歴史は約 30 年程度であり、30 年以上経過してい
る調査結果に対して、追跡調査などは今後の課題とし、今回は調査結果としてそのまま掲載する
ことした。
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
工事件数 (件)
2.1.
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
屋上防水(1)
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
17
17
18
官公庁 15件(12%)
14
7
3
民間 114 件(88%)
13
7
5
4
3
1
1
2
2
3
1
4
1
1 1
2
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
工事件数 (件)
図 2.1.1
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
アスファルト防水(保護)
、工事件数:129 件
官公庁 19 件(50%)
民間 19件(50%)
5
5
4
3
3 3
2
3
2
1
1
1
1
1 1
1
1
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
工事件数 (件)
図 2.1.2
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
アスファルト防水(露出)
、工事件数:38 件
官公庁 8 件(16%)
民間 41 件(84%)
13
5
3
1
1
5
4
2
2 2
5
2
2
1
1
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
工事件数 (件)
図 2.1.3
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
シート防水、工事件数:49 件
官公庁 5 件(11%)
7
民間 41 件(89%)
7
6
4
4
4
3
2
2
1
1
1
1
1
1
1
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
図 2.1.4
社団法人
塗膜防水、工事件数:46 件
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
2.2. 空気調和設備
ここでは、空気調和設備(空気調和機、パッケージエアコン(空冷・水冷)、ビルマルチエアコ
ン(EHP・GHP))について仕様毎に図 2.2.1∼図 2.2.10 に示す。
一般的に認識されているようにコンプレッサーを搭載している機器であるパッケージ系機器に
比べ構造がシンプルな空調機の寿命が長い結果を得られた。
空調機の更新台数は、18 年程度から多くなり 24 年程度で最も多くなっている。物理的劣化の
みでは 27 年程度で最も多くなっている。
水冷式パッケージエアコンの台数は、12 年程度から多くなり 24 年程度で最も多くなっている。
空冷式パッケージエアコンの台数は、15 年程度から多くなり、18 年程度で最も多くなってい
る。空調機に比べ更新時期が早くなっている。
EHP ビルマルチエアコンの台数は、12 年程度から多くなり、18 年程度で最も多くなっている。
空調機に比べ更新時期が早くなっている。
GHP ビルマルチエアコンの台数は、12 年程度から多くなり、21 年程度で最も多くなっている。
GHP は空調機に比べ、更新時期が早くなっているが、EHP との比較は母数が少ないため難しい。
また、ビル用マルチエアコンは 1962 年に国産で始めて誕生し、その後、1987 年に GHP ビル
マルチエアコンの販売、1990 年には 50,000 台を超えるほど急激に普及している。
空調設備においても、調査結果に疑問を感じる部分が残るが、屋上防水と同じく追跡調査は今
後の課題とし、今回は調査結果としてそのまま掲載する。
2.2.
空気調和設備(1)
900
不明 398 台(14%)
複合的劣化 1342 台(46%)
800
工事台数 (台)
700
53
物理的劣化 1080 台(37%)
社会的劣化 107台(4%)
600
500
8
400
300
213
200
100
12
0
∼3年
11
12
1
∼6年
43
32
32
0
18
1
∼9年
∼12年
図 2.2.1
社団法人
5
57
41
7
∼15年
127
32
542
161
1
50
214
131
∼18年
∼21年
経過年数 (年)
177
250
14
2
∼27年
∼24年
空調機、工事台数:2927 台
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
109
57
73
141
135
17
145
∼30年
30年超
平成 18 年度
2.2.
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
空気調和設備(2)
300
不明 8台(1%)
工事台数 (台)
250
3
複合的劣化 375台(66%)
物理的劣化 118台(21%)
200
社会的劣化 66 台(12%)
150
243
2
100
14
12
50
0
∼3年
61
2
5
4
55
1
6
0
∼6年
∼9年
∼12年
∼15年
図 2.2.2
5
12
5
1
8
18
2
∼18年
∼21年
経過年数 (年)
33
2
7
22
3
31
7
1
∼24年
∼27年
∼30年
2
0
30年超
水冷式パッケージエアコン、工事台数:567 台
300
工事台数 (台)
不明 4台(1%)
250
複合的劣化 102台(13%)
200
物理的劣化 662台(83%)
2
1
9
社会的劣化 26 台(3%)
150
253
100
186
50
1
6
7
∼3年
∼6年
0
1
2
4
∼9年
工事台数 (台)
図 2.2.3
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
1
14
1
25
16
1
3
∼12年
∼15年
63
4
50
1
∼18年
∼21年
経過年数 (年)
1
54
63
∼24年
1
∼27年
∼30年
24
30年超
空冷式パッケージエアコン、工事台数:794 台
複合的劣化 451台(58%)
物理的劣化 306台(39%)
社会的劣化 23台(3%)
140
37
130
1
4
∼3年
19
2
1
0
∼6年
∼9年
図 2.2.4
10
4
21
∼12年
76
108
48
32
13
∼15年
∼18年
∼21年
経過年数 (年)
114
19
∼24年
∼27年
1
∼30年
30年超
∼30年
30年超
EHP ビルマルチエアコン、工事台数:780 台
50
工事台数 (台)
40
不明 3 台(3%)
複合的劣化 5 台(6%)
5
物理的劣化 42台(49%)
社会的劣化 36台(42%)
30
20
36
26
10
1
4
4
0
∼3年
∼6年
∼9年
図 2.2.5
社団法人
∼12年
∼15年
1
∼18年
∼21年
経過年数 (年)
6
2
1
∼24年
∼27年
GHP ビルマルチエアコン、工事台数:86 台
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
3. 更新・改修に至る経過年数のクロス分析
屋上防水と空気調和設備について、更新・改修に至る経過年数に影響があると考えられる要因
に着目し、要因ごとの比率が経過年数によりどのような変化が見られるか確認を行う。
また、より明確な傾向を掴むために、累積の折れ線グラフを採用し、母数に対する割合(%)
にて比較を行った。
<
比較用グラフの設定軸(X 軸、Y 軸)>
X軸
:
経過年数(年)
Y軸
:
竣工時から対象の経過年数までの合計工事件数(台数)
(%)
総工事件数(台数) ※仕様ごとの母数
3.1. 屋上防水
3.1.1. 建物所有者別&建物用途別の更新・改修に至る経過年数(クロス分析)
本調査は、基本的に「維持管理者の視点」で、部材仕様別の更新・改修経過年数(寿命)を分
析しているが、下記分析だけは「経営者の視点」で、民間と官庁や用途別の保全頻度の違いを示
したものであり、
「自分の建物と同じ用途の建物はどんな状態か?」を理解することが可能である。
1)
図.3.1.9∼図.3.1.10 官公庁建物と民間建物の更新・改修に至る経過年数
[第一次ピーク]
・ 官公庁建築、民間建築ともに、12 年前後に「明確な第一次ピーク」が見受けられる。
・ 部分補修や目地更新等、項目は様々だが、
「十数年前後で一度手を入れる」という傾向は官公
庁、民間共に共通した傾向と思われる。
[第二次ピーク]
・ 官公庁は 18∼27 年、民間は 24∼30 年と、官公庁のほうが早めに手を入れている。
2)
図.3.1.11∼図 3.1.12 主要用途別の更新・改修に至る経過年数
[第一次ピーク]
・ 各用途共 12 年目前後に集中している。
[第二次ピーク]
・ 民間事務所(自社ビル)21∼27 年、民間事務所(テナント)24∼30 年と、自社ビルの方が
早めに手を入れているように読み取れる。
・ 要因は不明だが、民間建築はテナントニーズ等に対応して、日常維持管理や軽微な不具合対
応の中で修繕をこまめに対応しているため、結果的に、更新時期を延ばし材料の長寿命化を
実現しているということも予想される。
[その他用途]
・ 母数の少なさもあり、顕著な傾向は読み取れない。
・ 教育文化施設は、10 年目以降、継続的に修繕・更新を続けていることが読み取れる。
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
3.1.3.
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
建物所有者別&建物用途別の更新・改修に至る経過年数(クロス分析)(1)
35
官公庁 47件( 18%)
民間 215件( 82%)
30
29
29
29
28
25
工事件数 (件)
22
20
15
14
10
10
6
5
14
13
10
8
5
5
7
2
6
2
0
6
1
2
1
2
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
図 3.1.1
建物所有者別の更新・改修に至る経過年数の比較、工事件数:262 件
100%
90%
96% 98% 98% 100%
99%
91%
95%
93%
87% 87% 88%
82%
官公庁 47件( 18%)
民間 215件( 82%)
累積工事件数/総件数 ( % )
80%
72%
70%
69%
62%
60%
55%
50%
49%
42%
40%
32% 32%
21% 25%
19%
30%
20%
10%
4%
0%
5%
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
図 3.1.2
建物所有者別の更新・改修に至る経過年数の比較、工事件数:262 件
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
3.1.3.
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
建物所有者別&建物用途別の更新・改修に至る経過年数(クロス分析)(2)
24
民間事務所(自社ビル)
67件( 26%)
22
20
19
18
21
民間事務所(テナントビル)
144件( 56%)
官公庁施設 29件( 11%)
17
16
工事件数 (件)
20
宿泊施設 4件( 2%)
商業施設 6件( 2%)
14
12
12
11
10
8
8
11
医療福祉施設 1件( 0%)
8
6
6
4
3
2
4
教育文化施設 8件( 3%)
12
4
6
3
3
3
4
3
1
0
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
図 3.1.3
用途別の更新・改修に至る経過年数の比較、工事件数:259 件
100%
97% 97% 99%
89% 93% 94%
85% 87%
83% 83% 86%
81% 80%
100%
累積工事件数/総工事件数 ( % )
90%
80%
72%
70%
62% 63% 65%
60%
50%
45%
40%
30%
20%
10%
0%
6%
2% 5% 4%
1%
31%
26% 30%
24%
17% 21%
16%
14%
46%
51%
38%
民間事務所(自社ビル) 67件( 26%)
民間事務所(テナントビル) 144件( 56%)
官公庁施設 29件( 11%)
宿泊施設 4件( 2%)
商業施設 6件( 2%)
教育文化施設 8件( 3%)
医療福祉施設 1件( 0%)
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 ∼33年 ∼36年 ∼39年 ∼42年 ∼45年 45年超
経過年数 (年)
図 3.1.4
用途別の更新・改修に至る経過年数の比較、工事件数:259 件
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
3.2. 空気調和設備
空気調和設備では、維持管理状況により更新・改修に至る経過年数がどのように変化している
かを確認するために、日常点検の実施状況(毎日点検を実施、定期的(週毎・月毎)に実施、定
期的には実施しない)の違いと定期点検(冷断熱交換コイルや屋外機コイルの清掃・洗浄)の実
施状況(定期的に実施、状況により実施、行ったことが無い)の違いによる変化を確認する。
3.2.1. 日常点検状況別の更新・改修に至る経過年数の比較(物理的劣化)
更新時期である 15 年での更新では、毎日点検>定期的な点検>定期的点検実施なしの順になっ
ており、∼18 年まではその傾向が継続している。∼21 年では、定期的点検と定期的点検実施な
しが逆転しているが、点検の実施なしは事後保全と考えられることから故障による更新時期が点
検しているものと比べると早い時期になっている。また、その後に性能が劣化しても機器が運転
できれば使用して壊れたところで更新しているものと予測できる。反対に、点検しているものは、
予防保全と考えられ、性能の劣化を捉えて更新していると予測できる。
空気調和設備を総合的に見ると、毎日点検及び定期的な点検が、定期的点検実施なしと比較し
て長寿命化となっているように判断できる。
定期的点検実施なしの更新実施から、事後保全の傾向が顕著に感じられる。
3.2.2. 定期点検状況別の更新・改修に至る経過年数の比較(物理的劣化)
点検をしている機器の更新時期が遅い傾向にあり、メンテナンスの善し悪しが更新時期に影響
を及ぼす結果が得られた。今後、環境的な側面からも延命を図ることが重要となり、実現には適
切なメンテナンスが必要不可欠と考える。
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
3.2.1.
日常点検状況別の更新・改修に至る経過年数の比較(物理的劣化)(1)
100%
100%
毎日点検を実施 515台( 49%)
定期的(週毎・月毎)に実施 512台( 48%)
90%
累積工事台数/総工事台数 ( % )
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
88%
87%
定期的には実施しない 32台( 3%)
80%
78%
72%
70%
63%
60%
50%
41%
40%
30%
28%
20%
10%
2%
0%
7%
4%
1%
1%
10%
9%
3%
15%
48%
41%
41%
39%
44%
47%
29%
20%
13%
5%
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 30年超
経過年数 (年)
図 3.2.1
累積工事台数/総工事台数 (% )
100%
空調機、工事台数:1059 台
毎日点検を実施 48台( 46%)
92%
90%
80%
70%
定期的(週毎・月毎)に実施
45台( 45%)
定期的には実施しない 12台
83%
75%
75%
( 11%)
62%
56%
50%
40%
38%
30%
29%
20%
0%
84%
83%
60%
10%
92%
100% 100%
96% 96% 100%
7%
4%
2%
9%
6%
16%
10%
10%
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 30年超
経過年数 (年)
図 3.2.2
水冷式パッケージエアコン、工事台数:105 台
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
3.2.1.
日常点検状況別の更新・改修に至る経過年数の比較(物理的劣化)(2)
100%
99%
毎日点検を実施 78台( 12%)
90%
累積工事台数/総工事台数 ( % )
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
定期的(週毎・月毎)に実施 363台( 55%)
定期的には実施しない 221台( 33%)
80%
100% 100%
79%
70%
78%
100%
93%
79%
65%
60%
54%
50%
56%
42%
40%
30%
20%
1%
10%
0%
4%
2%
4%
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 30年超
経過年数 (年)
図 3.2.3
100%
毎日点検を実施 45台( 15%)
定期的(週毎・月毎)に実施 151台( 52%)
定期的には実施しない 95台( 33%)
90%
累積工事台数/総工事台数 (% )
空冷式パッケージエアコン、工事台数:662 台
80%
70%
63%
60%
69%
64%
99%
100% 100% 100%
99% 99%
71%
66%
66%
50%
40%
40%
30%
29%
20%
16%
10%
0%
3%
19%
3%
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 30年超
経過年数 (年)
図 3.2.4
EHP ビルマルチエアコン、工事台数:291 台
社団法人
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
平成 18 年度
3.2.1.
日常点検状況別の更新・改修に至る経過年数の比較(物理的劣化)(3)
100%
90%
累積工事台数/総工事台数 ( % )
活動報告書(概要)「LC 評価用データの収集と提供」
80%
100%
毎日点検を実施 0台( 0%)
定期的(週毎・月毎)に実施 42台( 100%)
定期的には実施しない 0台( 0%)
71%
70%
86%
71%
74%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
10%
0%
∼3年 ∼6年 ∼9年 ∼12年 ∼15年 ∼18年 ∼21年 ∼24年 ∼27年 ∼30年 30年超
経過年数 (年)
図 3.2.5
社団法人
GHP ビルマルチエアコン、工事台数:42 台
建築・設備維持保全推進協会(BELCA)
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