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〇 インフルエンザ インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症

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〇 インフルエンザ インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症
【 用
語
解
説 】
〇 インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症で、原因となっている
ウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に大きく分類される。
A型はさらに、ウイルスの表面にある赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ
( N A ) と い う 、 2 つ の 糖 蛋 白 の 抗 原 性 の 違 い に よ り 亜 型 に 分 類 さ れ る 。( い わ ゆ
るA/ソ連型、A/香港型というのは、この亜型のことをいう。)
〇 高病原性鳥インフルエンザ
鳥類のインフルエンザは「鳥インフルエンザ」と呼ばれる。人のインフルエンザ
ウイルスとは別のA型インフルエンザウイルスの感染症のこと。
このうち感染した鳥が死亡したり、全身症状を発症したりと、特に強い病原性を
示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」という。一方、時に毛並みが乱れたり、
産 卵 数 が 減 っ た り す る よ う な 軽 い 症 状 に と ど ま る 感 染 を 引 き 起 こ す も の は 、「 低 病
原性鳥インフルエンザ」という。
人が鳥インフルエンザウイルスの感染を受けるのは、一般的に、病鳥と近距離で
接近した場合、またはそれらの内臓や排泄物に接触するなどした場合が多いと考え
られており、鶏肉や鶏卵からの感染報告はない。
〇 スペインインフルエンザ
20世紀に起こったインフルエンザパンデミック(大流行)のひとつで、最も深
刻な被害が生じたものといわれている。1918年から1919年にかけて発生し、
病原性、感染力とも強く、全世界で約4000万人が死亡したと推計されており、
日本でも約39万人が死亡している。
〇 アジアインフルエンザ
20世紀に起こったインフルエンザパンデミック(大流行)のひとつで、195
7年から1958年にかけて発生した。アジアインフルエンザは、スペインインフ
ルエンザと比較し若干軽症のウイルスにより起こったと考えられており、死亡者は
全世界で200万人といわれている。
〇 香港インフルエンザ
20世紀に起こったインフルエンザパンデミック(大流行)のひとつで、196
8年から1969年にかけて発生した。香港インフルエンザは、アジアインフルエ
ンザよりさらに軽症のウイルスであったと考えられ、死亡者は全世界で100万人
といわれている。
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〇 陰圧化病床
院内感染を防ぐために、病室の内部の気圧をその外部の気圧より低くすることに
よって、外部に感染症の病原体を拡散させないようにしている病床。
〇 家きん
鶏、あひる、七面鳥及びうずらのこと。
〇 抗インフルエンザウイルス薬
インフルエンザウイルスの増殖を特異的に阻害することによって、インフルエン
ザの症状を軽減する薬剤。ノイラミニダーゼ阻害剤は抗インフルエンザウイルス薬
の一つであり、ウイルスの増殖を抑える効果がある。
〇 サーベイランス
見張り、監視制度という意味。
特に、感染症に関しては、
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する
法律」に基づき、定時的な感染症の発生状況(患者及び病原体)やその状況からの
動向予測(感染症サーベイランス)が行われている。
〇 地方衛生研究所
都道府県、政令指定都市と中核市、特別区の一部に設置されており、関係行政部
局、保健所と緊密に連携しながら、調査研究、試験検査、研修指導及び公衆衛生情
報等の収集・解析・提供を行う。
〇 全数把握感染症
すべての医療機関において、該当する患者を診察した場合に保健所に届け出なけ
ればならない感染症。
一類感染症、二類感染症、三類感染症及び四類感染症の患者を診察した場合は直
ちに、また五類感染症のうち法で定められたものに該当する患者を診察した場合は
7日以内に届け出る必要がある。
(コレラ、腸管出血性大腸菌感染症、マラリアなど)
〇 定点把握感染症
保健所管内の人口に応じて選ばれた指定届出医療機関(定点)において、保健所
に届け出なければならない感染症。
五類感染症のうち法で定められたものに該当する患者等を診察した場合、毎週
(一部感染症では毎月)届け出る必要がある。
(インフルエンザ、水痘(みずぼうそう)、手足口病など)
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〇 発熱相談センター
医療機関での感染拡大を防止するため、事前に本人等から連絡を受け、症状の聞
き取りを行い、受診すべき医療機関等の案内を行う相談施設(機能)。
〇 発熱外来
発熱を訴える患者さんに対し、直接通常の外来を受診するのではなく、他の症状
の患者さんから隔離した場所で外来診察を行うシステム。新型インフルエンザ感
染・発症を否定されれば通常の外来での診察になり、新型インフルエンザであれば
感染症指定医療機関等に入院措置が取られる。
〇 パンデミック(大流行)
新型インフルエンザウイルスが人の集団に広範かつ急速に広がり、世界的大流行
を呈する状況。
〇 プレパンデミックワクチン
新型インフルエンザウイルスがパンデミックを起こす以前に、鳥-人感染の患者
または鳥から分離されたウイルスを基に製造されるワクチン(現在はH5N1亜型
を用いて製造)。
〇 パンデミックワクチン(新型インフルエンザワクチン)
パンデミックが実際に発生した際に、人-人感染を生じたウイルスまたはこれと
同じ抗原性をもつウイルスを基に製造されるワクチン。
〇 PCR検査
イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス を 確 認 す る 検 査 方 法 の ひ と つ で 、 P C R ( polymerase
chain reaction)法で遺伝子を増幅しウイルスの遺伝子を検出する。現状はPCR
による遺伝子確認が標準とされ、地方衛生研究所で検査可能。
〇 WHO(「世界保健機関」“World Health Organization”の略称。)
健康を人間の基本的人権の一つとして捉え、その達成を目的として1946年ニ
ューヨークで行われた国際保健会議で採択されたWHO憲章に基づき、1948年
国際連合の専門機関としてジュネーブに設立された。
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〇 感染症指定医療機関
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づく特定感染
症指定医療機関、第1種感染症指定医療機関及び第2種感染症指定医療機関のこと。
〔 特 定 感 染 症 指 定 医 療 機 関 〕: 新 感 染 症 の 所 見 が あ る 者 ま た は 一 類 感 染 症 若 しく
は二類感染症及び新型インフルエンザ等感染症の
患者の入院を担当させる医療機関として厚生労働
大臣が指定した医療機関。
〔 第 1 種 感 染 症 指 定 医 療 機 関 〕: 一 類 感 染 症 若 し く は 二 類 感 染 症 及 び 新 型 イ ンフ
ルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医
療機関として都道府県知事が指定した医療機関。
〔 第 2 種 感 染 症 指 定 医 療 機 関 〕: 二 類 感 染 症 及 び 新 型 イ ン フ ル エ ン ザ 等 感 染 症の
患者の入院を担当させる医療機関として都道府
県知事が指定した医療機関。
〇 感染症の定義及び類型
〔一類感染症〕
:感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた
危険性が極めて高い感染症。
(例:エボラ出血熱、ペスト等)
〔 二 類 感 染 症 〕: 感 染 力 、 罹 患 し た 場 合 の 重 篤 性 等 に 基 づ く 総 合 的 な 観 点 か らみ
た危険性が高い感染症。
(例:急性灰白髄炎、ジフテリア、鳥インフルエンザ等)
〔 三 類 感 染 症 〕: 感 染 力 、 罹 患 し た 場 合 の 重 篤 性 等 に 基 づ く 総 合 的 な 観 点 か らみ
た危険性は高くないが、特定の職業への就業によって感染症の集
団発生を起こし得る感染症。
(例:コレラ、腸管出血性大腸菌感染症(O157))
〔 四 類 感 染 症 〕: 動 物 ま た は そ の 死 体 、 飲 食 物 、 衣 類 、 寝 具 そ の 他 の 物 件 を 介し
て人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症。
(例:A型肝炎、狂犬病等)
〔 五 類 感 染 症 〕: 国 が 感 染 症 発 生 動 向 調 査 を 行 い 、 そ の 結 果 等 に 基 づ い て 必 要な
情報を国民や医療関係者等に提供・公開していくことによって、
発生・拡大を防止すべき感染症。(例:麻疹、梅毒等)
〔新型インフルエンザ等感染症〕
:新型インフルエンザ及び再興型インフルエンザ。
〔 指 定 感 染 症 〕: 既 知 の 感 染 症 の 中 で 、 一 類 か ら 三 類 に 分 類 さ れ て い な い 感 染症
において、一類から三類に準じた対応の必要性が生じた感染症で、
1年を限度として政令で指定。
〔新感染症〕
:人から人に伝染すると認められる疾病であって、既知の感染症と症
状等が明らかに異なり、その伝染力及び罹患した場合の重篤度から
判断した危険性が極めて高い感染症。
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