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CISTEC
部内限り
on Security Trade Control
クロノロジー
Vol.13, No.8 2007.12.14
C ISTEC
発行:財団法人 安全保障貿易情報センター
〒105-0001 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 1-1-21
TEL:03-3593-1149
新 虎 ノ 門 実 業 会 館 4F
FAX:03-3593-1642
情報サービス・研修部
http://www.cistec.or.jp/
2007年11月の輸出管理関連主要情報
1.中華人民共和国 ............................................................ 2
2.台湾(中華民国) .......................................................... 4
3.朝鮮民主主義人民共和国 .................................................... 5
4.インド .................................................................... 9
5.パキスタン・イスラム共和国 ............................................... 11
6.ロシア連邦 ............................................................... 13
7.イラン・イスラム共和国 ................................................... 14
8.イスラエル国 ............................................................. 20
9.シリア・アラブ共和国 ..................................................... 21
10.その他 ................................................................. 22
出典略号一覧表 ............................................................... 28
- 1 -
1.中華人民共和国
(1)輸出管理関連一般
11.
5:
ゲーツ米国防長官率いる代表団が5日、中国の民間及び軍の指導者と会談
するため中国に到着した。ゲーツ長官一行は中国の軍事力増強意図を確認し
その透明性を要求するとともに、米−中間の軍事協力拡大、イラン及び北朝
鮮の核など地域や国際的な問題を幅広く話し合った後、韓国と日本を訪問し
今回のアジア訪問を終える。
11.
9:
(DOD 11.5)
台湾の中国進歩民主党(DPP)の謝長廷(Frank Hsieh)大統領候補が9日、
台積電(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co)の張会長との会談で「台
湾は米国に比し、中国へのハイテク、防衛、農業などの輸出分野で規制緩和
が遅れており、台湾ビジネス界の競争力に影響を及ぼしている」と語り、米
国の技術輸出規則に倣い中国に対する技術投資の規制を見直す必要があると
強調した。
11.13:
(TT 11.10)
訪韓中の曹剛川(Cao Gangchuan)中国国防部長が 13 日、Kim Kwan-jin 韓
国統合参謀本部長と会談後「中国と韓国は平和共存の原則に則り、広い分野
で両国関係及び軍事関係における交流と協力の強化を図る」と語った。 (XNA
11.13)
11.15: 米中経済安全保障検討委員会は、中国が軍事及び産業の能力向上を目指し、
重要な米技術を対象に情報収集活動を行っており、米技術の最大の脅威とな
っているとして警告を発した。同委員会はこれを重視、すべての米兵器シス
テムの部品の供給国を至急確認し、中国の軍事能力に関する米情報収集能力
の確認をするよう提言している。そして特に中国への違法な技術移転及び中
国政府による産業スパイ活動防止のための、米輸出管理執行及び防諜のため
の予算増額を提言している。(AFPR 11.15)
11.15:
米議会の諮問機関である米中経済・安全保障再考委員会は 15 日に発表し
た 2007 年の年次報告書中で、「中国は、時間と費用をかけずに先端技術を研
究・開発している」と主張、
「 中国が米国内で広範にスパイ活動を行っており、
このスパイ活動が米国技術の最大の脅威である」と指摘している。同委員会
は、議会が米政府のスパイ防止対策の実効性を評価し、必要に応じて輸出管
理や対諜報活動を支援するための追加予算を組むよう勧告している。
(MISC 11.19)
11.15:
米上下両院の超党派諮問機関である米中経済・安全保障再考委員会は 15
日、 中国がデュアル・ユース規制品目を北朝鮮に輸出している とする年次
報告書を発表した。同報告書によると、中国の複数の企業が北朝鮮のミサイ
ル関連計画に使用される可能性のあるデュアル・ユース規制品目を輸出して
いるという。(YH 11.16)
- 2 -
11.26:
Epoch Times報道。中国共産党幹部は、通信、航空、情報等一部分野の産業
と155社の大企業、殆どの銀行を引き続き国有とする方針で、米等が良好な
通商関係に不可欠とする市場経済化に逆行している模様。米中経済安全保障
委員会(USCC)が11月15日に提出した議会報告で明らかになったもので、サイ
バー戦略や対衛星兵器等に着目し、米に対し軍事的対抗手段を開発、また軍
事・産業スパイ活動の活発化に懸念を示している。軍事面では、晋型(094型
Jin class)ミサイル原潜配備や、新世代の艦船、戦闘機、潜水艦、ミサイル、
ロケット等の高性能兵器の開発・生産スピードの速さを指摘、また中国の産
業スパイは米技術に対する最大の脅威であり、米防諜機関による漏洩防止と
輸出管理の執行強化の必要性を上げている。(MISC 11.26)
(2)通常兵器関連
11.20:
中国は、米国の GPS 衛星の信号を妨害する電子装置を搭載した特殊なトラ
ックを配備した。米国防総省は、その能力を評価するため同トラックを注意
深く観察する一方、中国がイランなどの他国にこの技術を輸出する動きがあ
るかどうかを見極めようとしているという。(MISC 11.20)
(3)核兵器関連
特記事項なし
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
11.13:
米の国防総省当局者が 13 日、米国は約 10 億ドルで台湾のパトリオット・
ミサイル防衛システムを先進の PAC-3 システムに改良することについて検討
していると述べた。この動きに対し中国は、台湾の陳水扁総統に独立への誤
ったシグナルを送るものであると非難した。
- 3 -
(GSN 11.14)
2.台湾(中華民国)
(1)輸出管理関連一般
11.
9:
台湾の中国進歩民主党(DPP)の謝長廷(Frank Hsieh)大統領候補が9日、
台積電(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co)の張会長との会談で「台
湾は米国に比し、中国へのハイテク、防衛、農業などの輸出分野で規制緩和
が遅れており、台湾ビジネス界の競争力に影響を及ぼしている」と語り、米
国の技術輸出規制に倣い中国に対する技術投資の規制を見直す必要があると
強調した。
(TT 11.10)
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
特記事項なし
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
11.13:
米の国防総省当局者が 13 日、米国は約 10 億ドルで台湾のパトリオット・
ミサイル防衛システムを先進の PAC-3 システムに改良することについて検討
していると述べた。この動きに対し中国は、台湾の陳水扁総統に独立への誤
ったシグナルを送るものであると非難した。
- 4 -
(GSN 11.14)
3.朝鮮民主主義人民共和国
(1)輸出管理関連一般
11.
2:
日本政府の当局者が2日、衆議院は日本国民を拉致した北朝鮮に対する制
裁の6ヶ月間延長を承認したと述べた。1ヶ月前に福田内閣が制裁延長を決
定していたもので、参議院でも反対されることなく承認される見通しである。
(AFPR 11.2)
11.13:
韓国の聯合通信によると、米国は偽造紙幣製造の疑いで北朝鮮に科してい
る制裁について今週中に北朝鮮と話し合う予定である。北朝鮮の財務当局者
がニューヨークを訪問し、制裁の緩和を申し入れるという。
11.13:
(AFPR 11.13)
韓国の盧武鉉大統領は 13 日「北朝鮮が核プログラムを放棄する意志は明白
であり、非核化プロセス完了前でも朝鮮戦争を公式に終了させる首脳会談開
催は可能である」と語った。盧大統領は来年 2 月の任期前にも米・中・朝・
韓首脳による平和会談を望んでいるが、米当局者は北朝鮮の核問題が解決し
た後の平和協定話し合いを示唆している。
11.14:
(GSN 11.13)
14 日の Radio New Zealand News が「北朝鮮の金永逸首相が3日間韓国を
訪問し、統合経済プロジェクト及び洋上境界線などについて韓国の韓悳洙首
相と会談を行う」と報じた。両国首相の会談は、1992 年に北朝鮮の核野望が
表面化して以来停止されていた。
(MISC 11.14)
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
11.
1:
核施設の無能力化を監督する米専門家チーム9名が北朝鮮に到着し、Kim
代表は来週初めに寧辺施設の無能力化を開始したいと述べた。一方ヒル米国
務次官補は、朝鮮半島の終戦交渉を開始する前に北朝鮮の非核化を完了して
おく必要があると述べた。これに対し韓国の宋旻淳外交通商相は、北朝鮮の
非核化完了前でも平和会談を開始することが可能であると述べている。
(GSN 11.1)
11.
2:
北朝鮮の核問題を巡る6ヶ国協議のヒル米首席代表が2日「北朝鮮が 2,3
週間以内に提出する申告のとおりに核プログラムの放棄を履行するなら、
2008 年中に北朝鮮は核兵器非保有国になる」と語った。また北朝鮮をテロ支
援国リストから削除するのは、北朝鮮がテロ支援に関与しなくなったと証明
されたときであると述べた。
11.
3:
(GSN 11.2)
盧武鉉韓国大統領が3日、朝日新聞に対し「米国は、北朝鮮がシリアに核
技術を移転したと主張しているがそのような証拠は確認されておらず、不確
実な論点で6ヶ国協議を崩壊させるべきではない」と語った。
- 5 -
(GSN 11.5)
11.
5:
国務省のケーシー報道官が5日「北朝鮮を訪問している専門家チームが、
寧辺にあるプルトニウム製造施設の無能力化活動を開始した」と語った。外
交筋によると、寧辺にある約 8,000 本の使用済み核燃料棒も核無能力手段の
一つとして除去される予定である。
11.
6:
(GSN 11.5)
米国務省当局者が6日、北朝鮮の核無能力化作業に着手した Kim 米専門家
チーム代表の話として「北朝鮮は非常に協力的であり、寧辺にあるプルトニ
ウム製造炉、核燃料棒製造プラント及び使用済み燃料再処理施設の無能力化
は、2007 年末までに終了するだろう」と語った。
11.
7:
(GSN 11.6)
訪韓中のゲーツ米国防長官と会談した金章洙(Kim Jang-soo)韓国防相が
7日「北朝鮮の非核化プロセスは開始されたが、明確に北朝鮮の脅威が減少
したとは言えない」と語った。両者は共同声明で「北朝鮮の大量破壊兵器開
発及び長射程ミサイル開発並びに拡散に対し、米・韓は引続き同盟を強化し
ていく」と述べた。
11.
8:
(GSN 11.7)
韓国の当局者が8日、北朝鮮は6ヶ国協議の協定に従い1∼2週間以内に
核プログラムに関する報告書を提出するだろうと述べた。問題は、提出され
る報告書に疑惑の持たれているウラン濃縮プログラムが含まれているかどう
かであるという。
11.
9:
(VOA 11.8)
韓国の宋旻淳外交通商相は9日「米国が北朝鮮の要求する
ストからの削除
テロ支援国リ
に応じなければ、北朝鮮は核武装解除に関する6ヶ国協議
から離脱する可能性がある」と警告した。日本は、日本人拉致問題が解決す
るまで北朝鮮をテロ支援国リストから削除しないよう要求するとともに、拉
致問題が解決するまで北朝鮮への支援を拒否する姿勢を示している。
(ASP
11.9)
11.
9:
訪日中のゲーツ米国防長官が9日、日本は憲法上の制約を踏まえた上でイ
ンド洋への給油艦復帰を果たし、国際安全保障への責任を遂行する必要があ
ると強調した。また日本を含む地域諸国は、北朝鮮の核プログラム対応など
安全保障上の脅威に更なる対応をとるよう求めた。
11.10:
(ASP 11.9)
ワシントンポスト紙が 10 日、米政府高官の話として「北朝鮮は米専門家に
核プログラムの資機材や記録類を開示することで、米の主張するウラン濃縮
プログラムの存在が否定されるよう望んでいる」と報じた。韓国の当局者が
「北朝鮮が 2002 年に露から輸入した 150 トンのアルミニウム管は、通常兵器
やデュアルユース・プログラムで使用され大量破壊兵器プログラムに関係な
かった」と述べている。
11.13:
(GSN 11.12)
イスラエルが9月に空爆したシリアの施設について米当局者は、北朝鮮の
支援を受けて建設中の核施設であったと示唆しているが、AP 通信が 13 日「国
際的な核関係者が、その施設はレーダー基地であった可能性が高いと述べた」
と報じた。
(GSN 11.14)
- 6 -
11.14:
米国務省のヒル次官補が 14 日、北朝鮮のウラン濃縮に対する米国の疑惑は
引続き解明の途中であると述べた。ヒル次官補は「現時点でウラン濃縮の問
題が解決されたとは考えておらず、北朝鮮もこの問題が解明されなければな
らないと認識しているだろう」と語った。
11.15:
(GSN 11.14)
ヒル米国務次官補は、ブッシュ米政権として今年中に北朝鮮をテロ支援国
指定を外す計画がないと述べた。指定解除の場合、45日前までに米議会に通
知する必要があるが、そのような決定がなされる予定はないとしている。北
朝鮮は非核化を進める代償としてテロ支援指定解除を要求、米経済支援や国
際機関からの融資を求めているが、日本は拉致問題解決まで米に対し指定解
除を待つよう要求している。(GSN 11.15)
11.16:
米ブッシュ大統領は 16 日、朝鮮半島の非核化に向けた6カ国協議を進める
ため、米朝合意に基づき核開発の全容を 2007 年末までに明らかにするよう北
朝鮮に要求した。福田首相との記者会見の席で明らかにした。(MISC 11.16)
11.16:
米国の H・キッシンジャー元国務長官と現職の米国務省(DOS)関係者は 16
日、北朝鮮に対してシリアへの原子炉開発支援について説明するよう要求し
た。聯合ニュースが報じた。衛星写真に写ったシリアの原子炉は北朝鮮の原
子炉と形状が類似しており、北朝鮮がシリアの原子炉建設を支援したとの報
告がなされている。(GSN 11.20)
11.25:
朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」は 25 日、6カ国協議の参加国が経済支援を
履行すれば、北朝鮮は全ての原子力計画を明らかにするとの見通しを伝えた。
AFP 通信が報じた。複数の専門家が
北朝鮮は非核化に後ろ向きである
と
見ていることについて、朝鮮新報は「これは事実と異なる」としているとい
う。(AFPR 11.26)
11.26:
ヒル米国務次官補は、6か国協議の事前調整のため27日に米を出発、韓、
日、中を訪問する。北朝鮮訪問の可能性もある模様。(KT 11.26)
11.27:
ヒル米国務次官補は来週、北朝鮮を訪問すると米国務省が発表した。12月
3日から5日の予定で、6か国協議に出席している金代表と協議するとして
いる。進行中の非核化の進展状況を視察、現地に派遣されている米専門家団
と面会する予定。その前に中、日、韓を訪問しているが、韓メディアにおい
て訪朝の噂が流れていた。(AFPR 11.27)
11.27:
米国国務省高官は 27 日、C・ヒル国務次官補が核無能力化計画の進捗状況
を検証するため北朝鮮を訪問する予定であることを明らかにした。ヒル国務
次官補は 28 日に日本を、29 日に韓国をそれぞれ訪問した後、12 月 3 日から
5 日にかけて北朝鮮を訪問する予定であるという。(GSN 11.28)
11.29:
米国首席代表のC・ヒル国務次官補は韓国のソウルで 29 日、北朝鮮が 12
月第1週にも核計画のリストを提出する見通しであることを明らかにした。
同次官補は、12 月3日から5日にかけて訪朝して核施設の無能力化作業を進
めている寧辺を視察した後、北京に移動して6日から8日に開催される予定
の6か国協議首席代表会合に出席する予定である。(AFPR 11.29)
- 7 -
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
11.10:
10 日の AFP 通信が「韓国国防省の研究者が民間防衛企業において、北朝鮮
から飛来するミサイルを迎撃する自走式レーザー装置の開発に当っている」
と報じた。韓国は、2010 年迄にミサイル及び長射程大砲弾を撃ち落す車載型
レーザーを配備したい意向である。
- 8 -
(GSN 11.12)
4.インド
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
11.
5:
印国防省は、保有する 172 機の中型ヘリコプターに搭載されている電子機
器及びセンサーの改修と、80 機の露製ヘリコプターMi-17 の購入を承認した。
10 月 18 日に訪露中の Anthony 印国防相が Serdyukov 露国防相と最終合意し
ていたもので、総額4億 5,000 万ドルの契約は露輸出企業 Rosoboronexport
との間で2ヶ月以内に締結される。
11.12:
(DN 11.5)
13 日の The Peninsula 掲載記事。訪露中のシン印首相が 12 日、プーチン
露大統領との会談後「両国は長期間に亘る相互開発協力を確認した」と述べ、
軍事輸送機の共同開発協定並びに開発資金とは別の対露 10 億ドル借款協定
に調印したことを明らかにした。
(MISC 11.13)
(3)核兵器関連
10.31:
クリントン米政権時代に国務副長官であった Talbott 氏が、10 月 31 日付
の International Herald Tribune の中で「印で行き詰っている印・米間の核
貿易協定は、米国内で期限切れが迫っている」と述べている。Talbott 氏は、
米議会において印への核協力に対する意見が分かれて来ているほか、次期政
権成立後に協定交渉がスムーズに進捗する保証はないとしている。
(GSN 11.2)
11.
7:
印最大野党の人民党(BJP)は7日、シン政権が求めた
協定促進についての連合
印・米間の核貿易
を拒否した。これまでにシン政権の主要メンバー
や米国の外交使節が、BJP との間で協定促進に関する話し合いを続けてきて
いた。
11.12:
(GSN 11.8)
12 日の Bloomberg が「2006 年に行なわれた印とイランの軍事訓練や、印に
よる最近のイラン天然ガス・パイプラインへの投資計画は、米議会議員の一
部に印・米間の核貿易協定承認を躊躇させている」と報じた。印の対イラン
姿勢に、これまで協定を支持してきた米議員の中から協定への懸念を表明す
る議員が増加してきている。
11.13:
(GSN 11.12)
印共産党の指導者 Bardhan 委員長は 13 日、印政府が IAEA との保障措置協
定に関する話し合い開始を望むなら反対しないとの姿勢を示したが、協定の
原案は提示するよう求めた。一方印共産党の Basu 党首は、Bardhan 委員長発
言が印・米間の核協定に反対する共産党の基本姿勢を転換したものでないと
述べた。
(GSN 11.13)
- 9 -
11.16:
印は、閣外で連携している共産党が米との核合意への反対を取り下げたこ
とから、IAEAと核保障措置協定に関し協議を開始するとしている。印外相が
述べたもので、共産党と与党幹部による合同委員会での決定であるという。
(GSN 11.16)
11.21:
国際原子力機関(IAEA)は 21 日、ニューデリーの原子力計画の概要につい
て IAEA に説明する会議を開催することでインドと合意したことを明らかに
した。両者は 11 月第 4 週の末にも最初の会合を行う予定であるという。
(ASP
11.21)
11.26:
Schulte米IAEA大使は、現在協議中の米印核協定について楽観的な見方を示
した。IAEA理事会において、印への保障措置案が承認されれば、NSGにおいて
印民生用核計画に関し例外認証を受けられるとしている。Kakodkar印原子力
委員長は帰国したものの、印代表団は引き続きウィーンに滞在しており、協
議は継続する模様。(GSN 11.26)
11.27:
EUは、印とIAEAが進めている、米との民生用核協力に不可欠とされる保障
措置協議に注目している。EU加盟国はNSGに加盟しており、各国はNPT未署名
の印に例外を認めるかの判断が求められている。在印EU大使は、印の民生用
核取引における関心は、急増するエネルギー需要にあると認める一方で、
IAEAとの協議を待ちEUとしての方針を定める必要があるとしている。
(GSN 11.27)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
11.12:
12 日の Defense News によると、印は今月中に Prithvi 対空防衛システム
により、大気圏を飛来する弾道ミサイル目標の迎撃テストを実施する。前回
のテストで大気圏外を飛来するミサイルを撃墜しており、印は更に2回のテ
ストを行なった後 2015 年頃までにミサイル防衛システムの配備を完了する
としている。
11.27:
(GSN 11.13)
印は12月初旬に、大気圏外におけるミサイル迎撃実験を行う。新華社通信
が報じたもので、ベンガル湾上空9から13マイルにおいて模擬弾頭を迎撃す
る予定。印は超音速迎撃ミサイルで、50マイル上空の弾道ミサイルを迎撃す
る実験を1年前に成功させている。(GSN 11.27)
- 10 -
5.パキスタン・イスラム共和国
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
11.14:
14 日の RTT News 報道。スイス政府が 14 日、パキスタンへ対空防衛システ
ムを提供しているスイス企業 Oerlikon Contraves の対パキスタン輸出許可を、
パキスタンの政情に鑑み一時停止したと発表した。
11.15:
(MISC 11.14)
スイス政府は、パキスタン向けの防空システムの輸出許可を一時的に停止
した。スイス内閣発表によると、現在のパキスタンの政情に基づいた決定で
あるという。スイスOerlikon Contraves社製防空システムで総額1億2,000
万ドル相当。(SI 11.15)
(3)核兵器関連
11.
3:
不安定となっている核兵器保有国パキスタンでテロリストが核兵器を取得
する可能性について、米国内で意見が分かれている。CIA の前パキスタン担
当チーフや私的情報機関のパキスタン担当者は、ムシャラフ・パキスタン大
統領がその職を追われる可能性は低く、軍部により核物資を防護する体制は
整備されていると見ている。一方共和党のトンプソン大統領候補やマケイン
上院議員は、テロリストがムシャラフ大統領を追放し核兵器のコントロール
を奪う懸念を述べ、パキスタン政府への支援が必要と主張した。 (GSN 11.6)
11.
8:
米ハーバード大学の報告書が、パキスタンの核兵器に対するアルカイダや
過激派組織の脅威を警告したのに対し、パキスタンの当局者が8日「パキス
タンは、既にカーン博士の核闇市場問題を解決しており、核兵器の安全も確
立している」と述べ、西側諸国の懸念を否定した。
11.14:
(GSN 11.9)
パキスタンの政情不安により、テロの手に核兵器の渡る懸念が国際的に増
大している。しかし複数のアナリストは、米国の見解によるとして「ムシャ
ラフ政権が崩壊しても、過激派による核兵器獲得を阻止するパキスタン軍の
態勢は堅固である」と述べている。
11.14:
(GSN 11.14)
米国防総省は政情不安となるパキスタンの核兵器管理について懸念を持っ
ている。米統合参謀本部作戦部長の Ham 中将は、核保有国であるパキスタン
の現状に懸念を持っていると述べているが、国防総省 Morrell 報道官は懸念
はないとしている。一方でアフガニスタン駐留米軍向けの物資の 75%はパキ
スタンを陸路或いは空路で経由しており、そちらの面からも懸念されており、
軍事クーデターを期待する訳ではないとしながらもムシャラフ大統領自身が
問題になってきているとし、失脚した際に備え他の軍幹部に接触していると
いう。(GSN 11.15)
- 11 -
11.18:
ニューヨーク・タイムズ紙は 18 日、パキスタンが保有する核兵器の安全管
理のために米国が 2001 年 9 月以降に同国に提供した機材は 1 億ドル相当にな
ると報じた。核物質や核弾頭、研究所の核関連技術等の流出を防ぐためヘリ
コプターや核物質検出装置が提供されたとしている。また、米国内でパキス
タン人要員の訓練も実施したという。(GSN 11.19)
11.20:
AFP 通信は、パキスタンが核兵器の安全管理で米国の支援を受けていたこ
とを認めたと伝えた。ニューヨーク・タイムズ紙の報道後にパキスタン外務
省が事実関係を認める声明を発表したという。(GSN 11.20)
11.26: 英シンクタンク、ブラッドフォード大学の Pakistan Security Research Unit
は、パキスタンの核兵器は武装した部族らによる強奪等の危険が増している
と警告を発した。特にパキスタン北西部が危険とされ、親タリバン部族によ
る攻撃が懸念されているが、同国は印による攻撃を避けるため、保有核戦力
の多くを同地域に配備しているとされる。現在 120 発とされる同国の核弾頭
だが、現在強化されている警備すら政情下においては不十分と見られており、
政治的空白により核技術の流出も併せて懸念されている。(GSN 11.26)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 12 -
6.ロシア連邦
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
11.
5:
印国防省は、保有する 172 機の中型ヘリコプターに搭載されている電子機
器及びセンサーの改修と、80 機の露製ヘリコプターMi-17 の購入を承認した。
10 月 18 日に訪露中の Anthony 印国防相が Serdyukov 露国防相と最終合意し
ていたもので、総額4億 5,000 万ドルの契約は露輸出企業 Rosoboronexport
との間で2ヶ月以内に締結される。
11.12:
(DN 11.5)
露スホーイ社幹部は、今年末までに新型 Su-35 戦闘機の試験飛行を開始す
るとした。同社は運動性能が高い多用途機である Su-35 が、世界市場におけ
る位置を確保することを狙い、同時にそれまでのつなぎとして Su-30MK と、
2010 年代後半に引渡し予定の第5世代戦闘機の営業を進めている。Su-35 は、
レーダー探知を回避することを目指した機体の設計をし、X バンド・レーダ
ーの反射率を低減、また強化された UMPO/Saturn 117S エンジンはデジタル制
御と推力偏向制御を取り入れている。(AIN 11.12)
11.12:
訪露したシン印首相はプーチン露大統領と会談、両国の貿易額を倍増する
ことを目指している。印は露の石油・ガスへの参画を狙う一方で、露は印に
対する兵器の最大の供給国の立場を維持しようとしているが、印は露による
兵器引渡しの遅延に不満を持っているという。(AFPR 11.12)
11.12:
13 日の The Peninsula 掲載記事。訪露中のシン印首相が 12 日、プーチン
露大統領との会談後「両国は長期間に亘る相互開発協力を確認した」と述べ、
軍事輸送機の共同開発協定並びに開発資金とは別の対露 10 億ドル借款協定
に調印したことを明らかにした。
11.16:
(MISC 11.13)
露上院は全会一致で、欧州通常兵器(CFE)条約の履行停止を承認した。プー
チン露大統領は、欧州における米ミサイル防衛計画への対抗策として提案、
先週下院においても承認されている。同法案は12月12日に発効する予定で、
その後露は戦車、航空機、巡航ミサイル等の重火器のウラル山脈の西方への
展開に制限がなくなる。露は同時に、NATOによる露軍事施設査察受入も中止
する予定。(GSN 11.16)
11.26:
プーチン露大統領は、KGB 職員として東独に駐在していた時代の同僚であ
り 国 営 企 業 ト ッ プ で あ る Chemezov 氏 を 昇 格 さ せ 、 武 器 輸 出 公 社
Rosoboronexport 社の親会社として新設される Russian Technologies 社トッ
プに指名した。Russian Technologies 社は、現在 Rosoboronexport 社が管理
し て い る 露 最 大 の 自 動 車 メ ー カ ー AvtoVaz 社 、 世 界 最 大 の チ タ ン 精 錬 会 社
VSMPO-Avisma 社等全ての資産を引き継ぐとされ、Rosoboronexport 社の現在
の副社長が武器輸出本部長となる予定。(REUT 11.26)
- 13 -
11.27:
ルカシェンコ・ベラルーシ大統領は、軍装備の近代化をすると発表した。
範囲は陸海空3軍に加え防空軍としている。(ITAR 11.27)
(3)核兵器関連
11.19:
米エネルギー省(DOE)は 19 日、米露が 2000 年に調印した余剰兵器級プル
トニウムの管理処分に関する二国間協定を継続することで合意したと発表し
た。ロシアの兵器級プルトニウムを混合酸化物(MOX)燃料に加工してロシア
の高速炉で燃焼するというもので、2012 年頃に開始し、余剰プルトニウムを
毎年約 1.5 トン削減する計画である。米国はこの事業に 4 億ドルを拠出する
予定である。(GSN 11.19)
11.26:
露原発関連機器・サービス公社であるAtomstroyexport社は、ベラルーシに
原発建設を計画中。同社第1副社長が述べたもので、ルカシェンコ・ベラル
ーシ大統領も10月に、同国のエネルギー安保のため原発建設に前向きな発言
をしていた。同社はまた、ベトナム、インドネシア、モロッコ等における原
発建設計画に触れる一方で、チェコ、ブルガリア、スロバキア、ウクライナ、
ベラルーシ等の中・東欧諸国に関心を示していた。同社では、今後2020年ま
でに世界で130基の原発の需要があり、その総額は3,000億ドルに上ると注目
している。(RIA 11.26)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
11.13:
NATO報道官は、Zaritsky露中将がイスカンダル戦術ミサイルをベラルーシ
に配備する構想を示したことについて、西欧をミサイルの標的とするいかな
る組織によるいかなる議論も、時代錯誤的で歓迎されず、役に立たないと一
掃した。(GSN 11.13)
11.14:
11月19日のロケット・砲兵隊の日を前にZaritsky露大将は、イスカンダル
短距離弾道ミサイル発射機に、巡航ミサイルを搭載、2009年までに配備する
予定であると述べた。ベラルーシに供与する計画があるとし、米の欧ミサイ
ル防衛構想の対抗策として同システムを見ていること、また軍事技術の向上
が米ソ間で締結された中距離核戦力(INF)全廃条約により失った核戦力を代
替するとの見方を示した。(ITAR 11.14)
- 14 -
7.イラン・イスラム共和国
(1)輸出管理関連一般
11.
5:
イランは核兵器製造やテロ支援を行なっている、として先月米国がイスラ
ム革命防衛隊などに制裁を科したが、制裁を受けた Bank Mellat が3日「Bank
Mellat に対する米国の制裁は、法的な根拠を欠いた不当なものである」との
声明を発表し、米国に対し法的手段も辞さないとの姿勢を示した。
(REUT 11.5)
11. 7: 7日の Web pro news 掲載記事。米国がイランへの制裁を強化したことから、
Yahoo 及び Microsoft はイラン内におけるEメール・サービスを中止した。
Google は
制裁がイラン内でのGメール登録を禁じていない
として登録ペ
ージを維持しているが、米輸出規制は遵守すると明言している。
(MISC
11.7)
11.12:
12 日の Bloomberg が「2006 年に行なわれた印とイランの軍事訓練や、印に
よる最近のイラン天然ガス・パイプラインへの投資計画は、米議会議員の一
部に印・米間の核貿易協定承認を躊躇させている」と報じた。印の対イラン
姿勢に、これまで協定を支持してきた米議員の中から協定への懸念を表明す
る議員が増加してきている。
11.19:
(GSN 11.12)
イラン政府スポークスマンは 19 日、ロシアから旅客機(Tupolev)を購入
する契約手続きを進めていることを明らかにした。イランの核開発問題によ
り欧米諸国がイランへの民間機の輸出を規制していることから、購入先を欧
米からロシアにシフトさせているという。(ASP 11.20)
11.21:
ドイツ企業 50 社がこの数年の間に、イランのブシェール原子力発電所を完
成させるための装置をイランに輸出していたことが明らかとなった。ドイツ
税関によると、ドイツとロシアの国籍を有するアルメニア系ユダヤ人
Dimitry Solotarev
容疑者率いる
Vero (本店はベルリン)がフロント
カンパニーとなり、1 億 5,000 万ドルの装置をイランに密輸していたという。
ポツダムの検察官は「これはまだ氷山の一角に過ぎない」と語っている。
(HA
11.21)
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
11.
1:
1日の AFP 通信が、サウジアラビアの al-Faisal 外相の話として「ペルシ
ャ湾岸協力会議(GCC)の6ヶ国は、イランの核問題解決策として国際的な資
本 連 合 ( consortium ) に よ る 濃 縮 ウ ラ ン の 提 供 を 提 案 し た 」 と 報 じ た 。
al-Faisal 外相によると GCC は、中立国であるスイスなどに国際資本連合を
設立し、中東の平和的な原子力利用計画国へ濃縮ウランを提供するよう提案
している。
(GSN 11.1)
- 15 -
11.
1:
イランの核問題を巡る6ヶ国協議が2日に英国で開催されるが、この数ヶ
月間は中・露がイランへの追加制裁に強い抵抗を示している。またイラン大
統領も、広範な経済制裁に直面しようとも全く懸念していないと述べ、ウラ
ン濃縮停止の気配を見せていない。
11.
1:
(GSN 11.1)
米国務省のバーンズ次官が1日「もしイランが2週間以内にウラン濃縮を
停止しないなら、米国は中・露を説き伏せてイランに新たな安保理制裁を科
すつもりである」と語った。バーンズ次官は、今後イランに対する第三次安
保理制裁の決議、欧州連合(EU)による制裁の強化、イランと各国との貿易
削減の3点を目指していくと強調した。
11.
2:
(REUT 11.1)
イランの核問題を巡る6ヶ国協議の政策担当者が2日、イランに第三次安
保理制裁の圧力を強めることで合意した。英外務省の報道官によると、6ヶ
国は IAEA や欧州連合(EU)のソラナ対外関係担当委員が行うイランに関する
報告を評価するため、19 日に再度会合を持つ予定である。
11.
3:
(ASP 11.2)
イラン最高安全保障委員会の Vaidi 副書記が3日「イランは、ウラン濃縮
活動をイラン内で継続するつもりである」と語り、湾岸協力会議(GCC)6ヶ
11.
6:
国が提唱した
中東諸国は、国際資本連合によって製造された濃縮ウランの
提供を受ける
とする案を拒否した。
(GSN 11.5)
イスラエル外務省の Regev 報道官が6日「諸外国の外交当局にはイランの
核問題引延し戦略を幇助している当局者があり、IAEA はそのリーダーシップ
を取っている」と述べ、エルバラダイ IAEA 事務局長を非難した。安保理が第
三次イラン制裁を行うか否か判断するについて、IAEA は今月イランの核問題
に関する報告書を提出する。
11.
6:
(GSN 11.6)
ブッシュ米大統領と会談のため訪米を控えたメルケル独首相が6日、外交
手段によるイランの核問題解決を強調しながらも「イランの核野望を放棄さ
せることが出来なかったら、独はイランへの更なる制裁を支持する用意があ
る」と語った。
11.
7:
(ASP 11.6)
アフマディネジャド・イラン大統領が7日、イランは 3,000 基のウラン濃
縮用遠心分離機を稼動させていると述べた。米アナリストによると、3,000
基の遠心分離機がフル稼働すれば1年で核兵器の製造が可能な量のウランを
濃縮できるという。
11.
7:
(GSN 11.7)
サルコジ仏大統領がブッシュ米大統領を訪問し、イランの核問題について
話し合った。サルコジ大統領は「イランの核兵器取得は許容できないが、民
生用の原子力発電は認められる」と語り、ブッシュ大統領は「イランの核兵
器保有は危険であり、外交により問題の解決を図っていく」と語った。 (ASP
11.7)
11. 8:
米下院軍事戦略小委員会の Tauscher 委員長が8日、米国はイランの核やミ
サイル開発の情報について、仏及び英に依存していると述べた。Tauscher 委
員長は、米国が 1979 年の人質事件以来イラン情報から孤立していると述べる
とともに、仏はイランと長期間に亘る経済的な関係によりイランの脅威に関
するベストの人的情報源を有していると強調した。
- 16 -
(GSN 11.8)
11. 9:
9日の AP 通信が「米軍はイランの核施設に対する攻撃プランを作成してい
るが、軍当局者は現状での軍事攻撃を留保している」と報じた。米海軍の空
母群がペルシャ湾に展開し、中東に進出している強襲揚陸艦には 2,200 人の
海兵隊が乗艦し、特殊部隊もイランへの展開準備を整えている。しかしゲー
ツ米国防長官は、外交交渉及び制裁圧力によりイランの核問題解決を図ると
繰返し強調している。
11.12:
(GSN 11.9)
AFP 通信によると、イランのウラン濃縮を巡る緊張を緩和するため欧州連
合(EU)のソラナ対外関係担当委員は、新たに核交渉首席代表に任命された
イラン最高安全保障委員会の Jalili 副書記との会談を 11 月末に計画してい
る。会談の細部日程は未定であるが、ソラナ委員は 11 月中にイランとの核プ
ログラムに関する交渉について、安保理へ報告する予定となっている。 (GSN
11.12)
11.12:
イランの核問題について会談したサルコジ仏大統領とメルケル独首相が 12
日、イランに核活動を停止させるには更なる制裁を科するとともに、欧州諸
国がイランとの貿易の繋がりを縮小する必要があると述べた。サルコジ大統
領は両国のイランへの対応姿勢が同一であることを強調し、メルケル首相は
国連安保理でイラン制裁が決議されなかったら他の手段を検討すると語った。
(AFPR 11.12)
11.13:
IAEA に近い外交筋が 13 日、イランはエルバラダイ IAEA 事務局長が申し入
れた会談を拒否したと明らかにした。エルバラダイ事務局長は、安保理に対
しイランの核プログラムの透明性に関する報告を行う前にイランとの会談を
求めていたが、イラン当局者は
た。
11.13:
会談を行うに適した時期ではない
と述べ
(GSN 11.13)
エルバラダイ IAEA 事務局長は、14 日にもイランの核プログラムに関する
報告書を提出すると見られているが、13 日のロイター通信が IAEA に近い外
交筋の話として「エルバラダイ事務局長の報告は
イランは過去の核プログ
ラム開示に関し協力姿勢を示しているが、まだ幾つかの重要な疑問について
回答していない
との内容になるだろう」と報じた。安保理は新たなイラン
制裁の資料として、IAEA 及び欧州連合(EU)の報告書を参考とする予定であ
る。
11.15:
(GSN 11.14)
国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は 15 日、イランの核開発
問題に関する報告書を発表した。IAEA とイランが8月に合意した「行動計画」
に基づいて実施されている調査の中間報告で、イランが核の「闇市場」から
核技術を入手した経緯の一端も明らかにされている。同報告書は、イラン側
が関連文書を迅速に提出している点などを評価する一方で、現在の情報が不
十分で、イランの現在の原子力計画の全容が分からないと結論付けている。
(GSN 11.16)
- 17 -
11.18:
イランのアハマディネジャド大統領は 18 日、核問題で西側諸国と対立状態
が続いている状況を打開するため、中立国でのウラン濃縮施設の共同操業を
提案することを検討している。インディペンデント紙が報じたもので、同大
統領は、ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズに「(国連の安全保障理事国
にドイツを加えた)6 カ国の協議で提案された妥協案についてアラブの友好
国と協議することになる」と語ったという。しかし、英国の関係者は「イラ
ンの遅延戦術に過ぎない」としている。(GSN 11.19)
11.24:
イランのG・R・アガザデ副大統領は 24 日、アラク重水研究炉(4 万 kW)
で利用可能な核燃料ペレットを生産したことを明らかにした。同副大統領は
「2008 年9月までには核燃料製造プラントでアラク重水研究炉用の核燃料
を生産できるようになる」との見通しを示した。国際原子力機関(IAEA)の
スポークスマンは「国連の原子力関係者はアガザデ副大統領のこの発言に対
するコメントを差し控えている」と述べた。(GSN 11.27)
11.27:
IAEAは26日に露核施設を訪問、イランのブシェール原発用核燃料の認証を
した。AP通信が報じたもので、露における核燃料主要製造施設であるシベリ
アのノボシビルスク化学濃縮工場が対象であり、査察官は核燃料と容器の封
印を確認したという。ブシェールへの移送時期は設定されていない模様。
(GSN 11.27)
11.27:
発表されたIAEA報告によると、イランが核開発に関しIAEAに提供した情報
は概ね正しいものであったが、国連安保理決議を遵守する姿勢はないとして
いる。EUのソラナ代表も独自報告において、イランが核燃料サイクルを引き
続き運用していると指摘している。(GSN 11.27)
(4)生物・化学兵器関連
11.
8:
8日の NewsMax 掲載記事。西側の情報専門家は、イランが核兵器を保有す
るまでに数年かかると予想しているが、生物・化学兵器プログラムは既に有
していると見ている。米国は軍事攻撃の選択肢を排除していないと警告し、
イランは攻撃を受けたら報復すると応酬している。イランによる報復は神経
ガス、炭疽菌、エボラ・ウイルスなどで、それら生物・化学兵器がイスラエ
ル、イラク及び米国に到達する運搬手段もイランは既に有している、と専門
家は述べている。
(MISC 11.8)
- 18 -
(5)ミサイル関連
11.27:
イランのナッジャル国防軍需相は 27 日、射程 1,200 マイル(2,000km)の
新型ミサイル「アシュラ」を製造したと発表した。アシュラはイスラエルや
中東にある米軍基地を射程に収める。イラン国営通信(IRNA)によれば、ナ
ッジャル国防軍需相は、アシュラの発射実験を実施したかどうか、あるいは
発射実験を計画しているかどうかについてはコメントしなかったという。
(ASP 11.27)
- 19 -
8.イスラエル国
(1)輸出管理関連一般
10.31:
外交筋が 31 日に語ったところによると、IAEA は衛星画像のみで
エルに空爆されたシリアの核疑惑施設は原子炉であった
できないようである。一方シリアは
イスラ
と断定することが
空爆を受けたのは核施設でなかった
と否定した後、空爆後の施設を衛星カメラから隠すかのように素早く片付け
てしまっている。
11.13:
(GSN 11.1)
イスラエルが9月に空爆したシリアの施設について米当局者は、北朝鮮の
支援を受けて建設中の核施設であったと示唆しているが、AP 通信が 13 日「国
際的な核関係者が、その施設はレーダー基地であった可能性が高いと述べた」
と報じた。
(GSN 11.14)
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
11.
9:
イスラエルの内閣でイランの核プログラムを担当する Lieberman 大臣が9
日、イランに続くエジプトやサウジアラビアなどによる原子力エネルギー要
求は、中東に末期的シナリオをもたらすと述べた。中東ではアルジェリア、
リビア、イエメンなども原子力エネルギー要求の声を上げている。
(GSN
11.9)
11:
6:
イスラエル外務省の Regev 報道官が6日「諸外国の外交当局にはイランの
核問題引延し戦略を幇助している当局者があり、IAEA はそのリーダーシップ
を取っている」と述べ、エルバラダイ IAEA 事務局長を非難した。安保理が第
三次イラン制裁を行うか否か判断するについて、IAEA は今月イランの核問題
に関する報告書を提出する。
(GSN 11.6)
(4)生物・化学兵器関連
11.
8:
8日の NewsMax 掲載記事。西側の情報専門家は、イランが核兵器を保有す
るまでに数年かかると予想しているが、生物・化学兵器プログラムは既に有
していると見ている。米国は軍事攻撃の選択肢を排除していないと警告し、
イランは攻撃を受けたら報復すると応酬している。イランによる報復は神経
ガス、炭疽菌、エボラ・ウイルスなどで、それら生物・化学兵器がイスラエ
ル、イラク及び米国に到達する運搬手段もイランは既に有している、と専門
家は述べている。
(MISC 11.8)
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 20 -
9.シリア・アラブ共和国
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
10.31:
外交筋が 31 日に語ったところによると、IAEA は衛星画像のみで
エルに空爆されたシリアの核疑惑施設は原子炉であった
できないようである。一方シリアは
イスラ
と断定することが
空爆を受けたのは核施設でなかった
と否定した後、空爆後の施設を衛星カメラから隠すかのように素早く片付け
てしまっている。
11.13:
(GSN 11.1)
イスラエルが9月に空爆したシリアの施設について米当局者は、北朝鮮の
支援を受けて建設中の核施設であったと示唆しているが、AP 通信が 13 日「国
際的な核関係者が、その施設はレーダー基地であった可能性が高いと述べた」
と報じた。
(GSN 11.14)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 21 -
10.その他
(1)輸出管理関連一般
10.31:
AFP 通信は、11 月 19 日から英国で開催される国際原子力機関(IAEA)の総
会に 70 カ国から約 300 人が参加する見通しであると伝えた。今回の会議には、
各国の原子力安全機関や諜報機関の関係者、司法関係者、国境警備関係者な
どが参加し、核の密輸防止策について話し合うという。(GSN 10.31)
11.18:
韓国防衛事業庁(DAPA)は 18 日、ペルーに武器貿易事務所を開設したこと
を明らかにした。同事務所の所長には海軍大佐が就任する。関係者によると
DAPA は更にアジアやロシア、中東地域にも武器貿易事務所を開設する計画で
あるという。(KT 11.19)
11.21:
アゼルバイジャンの Yagub Eyubov 副大統領は、防衛産業省傘下の軍事企業
が様々な武器生産技術を取得したとする一方、国内軍事企業が2年以内に国
際武器市場に参入する見通しであることを明らかにした。アゼルバイジャン
政府は、国際武器市場への参入を見据えて国内の軍事産業の再編を主導して
いくという。(MISC 11.21)
11.21:
米ブッシュ政権は、サウジアラビアなどのペルシャ湾岸諸国に 20 億ドル規
模の武器を販売することを計画しているが、米下院議員がこれに反対してい
る。190 名におよぶ下院議員がブッシュ大統領に宛てた書簡の中で「衛星誘
導爆弾の技術がテロリストやテロ支援国家などの手に渡れば、米国による中
東地域でのこれまでの努力が台無しになる」と警告しているという。(MISC
11.21)
11.25:
Mark Kirk 米下院議員は、サウジアラビアなど中東6カ国への武器売却に
反対する書簡に約 250 名の下院議員が署名したと述べた。反対した議員の数
は、武器売却を阻止するための反対決議の採択には十分なものの、大統領の
拒否権を覆すには不十分である。Kirk 下院議員らは「ブッシュ政権は、サウ
ジアラビアへの精密誘導爆弾(JDAM)売却が米国あるいはイスラエルの脅威
にならないことを保証しなければならない」と述べている。(DN 11.25)
11.29:
米国移民税関執行局(ICE)は 29 日、第二次世界大戦時代の機関銃用の部
品をドイツから密輸しようとした罪でネバダ州出身の男を 28 日に逮捕した
と発表した。逮捕されたのは P・シャーフ(43)容疑者で、ドイツから輸入
した新型スポーツカー(ポルシェ)の中に隠して密輸しようとしたという。
同容疑者は 11 月初めに機関銃密輸容疑で連邦大陪審に起訴されていた。
( ICE
11.29)
- 22 -
(2)通常兵器関連
11.
5:
韓国の国防調達局によると、2007 年9月迄の9ヶ月間における韓国の武器
輸出額は 11 億ドルに達し、昨年の4倍を記録した。これはトルコに対する
KT-1 操縦訓練装置や XK2 戦車の売込みに力を入れたほか、フィリピン及びパ
キスタンへの武器弾薬輸出、A-50 米国製戦闘機の主翼修理などの売上げによ
るという。
11.
8:
(DN 11.5)
AP 通信は、米下院が8日に 2008 年度国防歳出法案を可決したと報じた。
予算額は総額 4,710 億ドルで、ミサイル防衛計画に割り当てられた予算はブ
ッシュ政権が当初要求していた額を約 2%下回る 87 億ドル、ヴァージニア級
原子力潜水艦に 31 億ドル、F35 統合攻撃戦闘機に 63 億ドルがそれぞれ割り
当てられたという。(GSN 11.09)
11.
9:
9日の Bethel College Collegian 掲載記事。米議会の調査部が9月に明ら
かにしたところによると、2006 年の世界武器輸出1位は 40 億ドル以上を売
却した米で、2位は露、3位以下は英、独、中が占めており、仏は上位6ヶ
国から後退した。また武器輸入の上位国はパキスタン、印、サウジアラビア
が占めている。なお報告書は、イランがスマート爆弾の製造を開始したこと
や、露の新型爆弾の威力が米を上回ったことなども述べている。
(MISC
11.9)
(3)核兵器関連
11.
6:
6日の読売新聞が報ずるところによると、国際社会は核物質をテロリスト
に渡さないための新たな組織を検討中である。米国と日本が中心的な役割を
担う新たな組織は
World Nuclear Security Organization
と呼ばれ、核施
設で働く要員のセキュリティ訓練、緊急事態対処、情報の共有などに関する
計画を立案し、2010 年ごろから運用を開始するという。
11.
8:
(GSN 11.6)
米下院軍事委員会・戦略兵力小委員会のE・タウシャー委員長(民主党)
は8日、信頼性の高い代替核弾頭ミサイル(RRW)の開発に関する議会の要求
を国防総省(DOD)とエネルギー省(DOE)が受け入れたと語った。タウシャ
ー委員長によれば、 RRW は代替する予定の旧式の弾頭と同じ数だけ生産す
る 、 爆破実験をしなくても性能が保証できる 、 余剰核弾頭の数を減らす
ことができる
11.
9:
といったことが要求されたという。(GSN 11.09)
ノーベル・インタポール事務局長は、186か国が加盟する同組織の国際テロ
対策能力向上のため、予算増を呼びかけた。生物・核兵器をテロリストが持
った場合、数十万人以上の死者が出ることになるとし、対策のためには2007
年度は6,600万ドルの年間予算を数十億規模にする必要があると指摘した。
(GSN 11. 9)
- 23 -
11.
9:
AFP通信によると、ソラナEU共通外交・安全保障政策代表は、ウラン濃縮に
関する対立を回避することを目指し、多国間による監視の下に国際濃縮セン
ターを開設することを提案した。計画の基本は、原発用ウランへのアクセス
を保証する一方で、各国に兵器用核物質を製造できる核燃料サイクルの運用
をさせないことであるとしている。(GSN 11. 9)
11.
9:
ゲーツ米国防長官は、アジアは核の対峙の可能性を持つ最後の場所である
とし、日本とアジア近隣諸国は、安全保障上の脅威に注意を払うべきと指摘
した。高村外相と会談した長官はまた、日本にはその政治・経済・軍事的能
力を反映した役割を果たす機会と義務があるとし、今後より世界的な責任を
果たすよう期待していると述べた。(GSN 11. 9)
11.11:
米国家核安全保障管理局(NNSA)は、米空軍が 11 日にエネルギー省の核爆
発検出器を搭載した衛星を打ち上げたと発表した。NNSA はサンディア国立研
究所とロスアラモス国立研究所で新しい核爆発検出器を開発しており、新型
の GPS 衛星や将来打ち上げる予定の宇宙配備赤外線システム衛星にこの核爆
発検出器を搭載する予定であるという。(GSN 11.12)
11.12:
日本の文部科学省は、医療施設、産業プラント等における放射性物質の管
理強化策を検討中。放射性物質の取扱及び移転について報告を義務付ける内
容で、対象は約5,000の施設になると見られている。(GSN 11.12)
11.13:
独の武器輸出管理法に違反し、遠心分離機のパイプ・システムを入手、パ
キスタンのA.Q.カーン博士により構築された核の闇ネットワーク経由でリ
ビアに輸出した容疑で起訴されていたLerch被告だが、独裁判所は再審の判
断を下した。同被告は1999年から2003年の間、同ネットワークに関与してい
た。(GSN 11.13)
11.13:
英テレグラフ紙は、元イラク大統領のフセイン氏は処刑される前に、イラ
ンからの威嚇を牽制するためイラクが大量破壊兵器を開発しているとの疑
惑をあえてたてていたことを認めたという。拘留中に7か月間にわたり尋問
を担当したFBI捜査官による証言。(GSN 11.13)
11.14:
AFP通信によると、南アフリカにおける中心的な研究施設、Pelindaba核研
究所に対し、武装勢力が複数のグループにわかれ同時に攻撃を加え、警備員
と銃撃戦となったという。これにより警備員1名が負傷し、武装勢力の1グ
ループは施設に侵入、コンピューターを盗み出したが、もう一方のグループ
は警備の反撃により撤退したという。この攻撃により研究炉等に影響はなか
ったが、内部調査を開始したとしている。(GSN 11.14)
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11.15:
米国の元国務長官であるH・キッシンジャー氏とG・シュルツ氏が8月に
信頼性の高い代替核弾頭ミサイル (RRW)の開発に理解を示していたこと
が明らかとなった。両氏は、新しい RRW の研究・開発を続けると同時に研究・
開発を支援するためのインフラを充実させるべきであると主張しているとい
う。両氏は、1月のウォールストリート・ジャーナル紙の中で、
「世界的な核
軍縮に向けた段階的ロードマップ」を提唱するなど核軍縮の必要性を説いて
いた。(GSN 11.15)
11.16:
ブラジル沖の大西洋で発見された大油田に関し、ブラジル国防相は資源保
護のため原潜を建造する計画があると発表した。50億から80億バレルを埋蔵
するとされるTupi海底油田だが、他国及びテロリストの脅威に対抗する必要
があるとしている。ブラジルは数十年にわたり原潜建造を計画してきたが、
7月に大統領が5億4,000万ドルをウラン濃縮及び原潜開発のため計上した。
建造費を1隻12億ドル程度と見積もっているが、南米に仮想敵はおらずテロ
攻撃の経験もない。(ASP 11.16)
11.19:
国際原子力機関(IAEA)原子力安全局の R・Hoskins 局長は 19 日、2006 年
に IAEA 核物質密輸データベースに登録された密輸事件の数が 2002 年の4倍
に増加したことを明らかにした。同データベースには、過去 12 年間に 99 カ
国から寄せられた 1,266 件の密輸事件が登録されている。同局長は「核物質
の密輸事件の報告件数が増加している背景には、密輸自体が増加している可
能性もあるが、各国の核物質の管理体制が強化されていることも大きい」と
述べている。(GSN 11.20)
11.20:
カタールの放射線防護関係者は 20 日、同国が国際原子力機関(IAEA)と共
同で原子力安全管理体制の構築に取り組んでいることを明らかにした。カタ
ールは原子力発電所を建設する計画であるが、同国の核物質管理体制が不十
分 で あ る こ と か ら 安 全 保 障 上 の 観 点 か ら 懸 念 の 声 が 挙 が っ て い た 。( GSN
11.21)
11.20:
ワシントンポスト紙は 20 日、米国土安全保障省(DHS)が性能について疑
念の声が挙がっていた次世代放射線検出器の配備計画を延期したと報じた。
DHS の L・Keehner 報道官は「この検出器の野外テストを複数の場所で実施し
たところ、追加機能が必要であることが分かった」と述べた。(GSN 11.20)
(4)生物・化学兵器関連
11.
5:
化学兵器条約署名国の年次会議が、5日∼9日の間オランダで開催されて
いる。潘 基文国連事務総長は、アルバニアが化学兵器の廃棄を達成したこと
に賞賛の意を表明し、各国はこれに倣うよう強調した。欧米など先進国は化
学兵器条約に基づき各国が法律、規定、手順などを整備するよう求めたが、
発展途上国は化学技術へのアクセスや化学工業への協力を訴えた。
11.6)
- 25 -
(GSN
11.
8:
米 N・ルーガー上院議員は、米上院が8日に協調的脅威削減(CTR)に 4 億
2,800 万ドルの予算を割り当てる 2008 年の予算法案を可決したと発表した。
ブッシュ政権の要求額よりも 8,000 万ドル多いという。CTR の予算にはリビ
アの化学兵器を焼却処分するための予算 500 万ドルも含まれる。ルーガー上
院議員は4月、炭疽菌、エボラ出血熱などの疫病を引き起こす病原菌、天然
痘ウィルスなど生物兵器に用いられる恐れのある病原菌を安全に保管するた
めに CTR の予算を1億ドル増額するよう要求していた。(GSN 11.12)
11.12:
12 日にアラブ首長国連邦(UAE)で開始された国際生命科学会議において、
会議を企画した専門家が中東諸国におけるバイオ・テロの勃発又は自然発生
する出血性熱(hemorrhagic fever)への備えを訴えた。3日間の会議に 30
ヶ国以上が参加しているが、イスラエル代表は出席していない。
(GSN
11.13)
11.16:
米ブッシュ大統領は 11 月第 3 週、生物・化学兵器防衛イニシアティブの予
算を 2,000 万ドル増額することを盛り込んだ法律に署名した。同イニシアテ
ィブは、生物・化学兵器防衛プログラム(予算総額 18 億ドル)の1つで、民
間による生物・化学兵器防衛に関する研究・開発を支援するため、産業界、
大学、NPO 法人などに国防予算の一部を提供するものである。(GSN 11.19)
11.20:
米国土安全保障省(DHS)は 20 日、化学施設防護基準(CFATS)の改訂版を
発表した。CFATS は、化学兵器に使用される恐れのある物質を生産、使用、
貯蔵する施設等を規制するもので、4月に最初の草案が発表されていた。CAFA
には 300 種類の化学物質がリストアップされており、これらの化学物質を所
有する団体及び企業は、60 日以内に化学物質の種類と量を報告することが義
務付けられる。(GSN 11.26)
11.26:
AFP通信によると、イラク政府は化学兵器禁止条約(CWC)加盟のための法案
を採択したと報じた。イラクは、CWC未加盟のシリア、北朝鮮等7国の1国
であり、フセイン前政権下では1988年のアンファルにおける作戦で18万人を
殺害する等、化学兵器を実際に使用していた過去を持つ。(GSN 11.26)
(5)ミサイル関連
11.
2:
2日の朝鮮日報によると、韓国海軍は北朝鮮の弾道ミサイル脅威に備えて
追加のミサイル防衛演習を行うという。韓国海軍のイージス艦 King Sejong
がミサイル防衛の任に就いており、迎撃は伴わないが米国による演習支援も
予定されている。
(GSN 11.2)
- 26 -
11.
6:
ブッシュ米政権の政策変更により、将来における陸上ベースの核・ミサイ
ルの組合せが論じられている。核・ミサイル配備に影響する要素は、削減交
渉、単独の削減策、ミサイル防衛の必要性など種々あるが、米国は多弾頭 ICBM
を含めて 2200 の弾頭削減を考えている。防衛当局者やアナリストは核兵器装
備潜水艦、核兵器搭載爆撃機のほか、2011 年までに陸上基地へ単弾頭 ICBM
を 425 基、3発の弾頭を搭載した ICBM を 25 基配備へと削減出来ると見積も
っている。
11.
6:
(GSN 11.6)
米国は6日、ハワイから発射された2基の模擬ミサイル目標を、イージス
艦弾道ミサイル防衛システム SM-3 により同時に撃墜するテストの予定であ
る。日本の
イージス艦こんごう
もテストに参加し目標追尾やモニターを
行うが、迎撃ミサイルの発射は実施しない。
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(GSN 11.6)
出典略号一覧表
(参
考)
人民日
・人民日報
共同
・共同通信
時事
・時事通信
新華社
・新華社通信
タス
・タス通信
RP.
・ラジオプレス
AB.
・ARABIES
AFPR. ・AGENCE FRANCE-PRESSE
APNW. ・ASSOCIATED PRESS NEWSWIRES
AW.
・ASIAWEEK
AWSJ. ・ASIAN WALL STREET JOURNAL
AW&ST.・AVIATION WEEK & SPACE TECHNOLOGY
BBCMS.・BBC Monitoring Service
BBCMM.・BBC Monitoring Middle East
BIS. ・BUREAU OF INDUSTRY AND SECURITY, US DEPT. OF COMMERCE
CHD. ・CHINA DAILY
CHNA. ・CHANNEL NEWS ASIA
CP.
・CHINA POST
CSM. ・THE CHRISTIAN SCIENCE MONITOR
DD.
・DEFENSE DAILY
DJN. ・DOW JONE'S NEWSWIRE
DM.
・DAILY MAIL
DN.
・DEFENSE NEWS
DOS. ・US DEPARTMENT OF STATE
DW.
・DEFENSE WEEK
EM.
・ECONOMIST
FAL. ・FRANKFURTER ALLGEMEINE
FE.
・FINANCIAL EXPRESS
FEER. ・FAR EASTERN ECONOMIC REVIEW
FR.
・FOREIGN REPORT
FT.
・FINANCIAL TIMES
GN.
・GUARDIAN
GSN. ・GLOBAL SECURITY NEWSWIRE
HB.
・HANDELSBLATT
HI.
・THE HINDU
ICE. ・IMMIGRATION AND CUSTAMS ENFOECEMENT, US DEPT. OF HOMELAND SECURITY
ID.
・INDEPENDENT
IFAX. ・INTERFAX NEWS AGENCY
IDR. ・INTERNATIONAL DEFENSE REVIEW
IHT. ・INTERNATIONAL HERALD TRIBUNE
IPR. ・IPR STRATEGIC BUSINESS INFORMATION
ITCR. ・INTERNATIONAL TRADE REPORTER CURRENT REPORT
ITW. ・ITAR-TASS WORLD SERVICE
IUST ・INSIDE U.S. TRADE
JDC. ・JANE´S DEFENCE CONTRACTS
JDW. ・JANE´S DEFENCE WEEKLY
JIR. ・JANE´S INTELLIGENCE REVIEW
JC.
・JOURNAL OF COMMERCE
LM.
・LE MONDE
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LT.
・LOS ANGELES TIMES
MEIW. ・MIDDLE EAST INTELLIGENCE WIRE
MEN. ・MIDDLE EAST NEWSWIRE
MISC. ・MISCELLANEOUS
MOS. ・MOSCOW TIMES
MT.
・MILITARY TECHNOLOGY
NN.
・NATION
NYT. ・NEW YORK TIMES
NW.
・NEWSWEEK
OANA. ・ORGANIZATION OF ASIA-PACIFIC NEWS AGENCIES
OBS. ・OBSERVER
PCN. ・PLATT'S COMMODITY NEWS
RBM. ・RUSSIAN BUSINESS MONITOR
REUT. ・REUTER
SCMP. ・SOUTH CHINA MORNING POST
SP. ・DER SPIEGEL
STI. ・SUNDAY TIMES
TT.
・TAIPEI TIMES
TE.
・TASS ENERGY NEWS SERVICE
TG.
・TELEGRAPH
TIME. ・TIME
TIMES.・THE TIMES
USNW. ・U.S.NEWS & WORLD REPORT
WP.
・WASHINGTON POST
WQ.
・WASHINGTON QUARTERLY
WSJ. ・WALL STREET JOURNAL
WT.
・WASHINGTON TIMES
XNA. ・XINHUA NEWS AGENCY
YH.
・YONHAP ENGLISH NEWS
*国別の担当者は次の通りです。
佐能主任研究員: 中国、台湾、北朝鮮、インド、パキスタン、イスラエル、シリア、
イラン
風間主任研究員: 米国、国際
大森研究員:
ロシア及び周辺地域、欧州、その他
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