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電子掲示板上の日本語作文(エッセイ)

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電子掲示板上の日本語作文(エッセイ)
探討學生參加相互鑑賞作文活動網之意義
得丸智子・陳淑娟・長友和彦
日本女子體育大學教授・東吳大學教授・宮崎大學教授
摘要
本研究是探討大學生跨國參加國際日文作文網站,彼此透過隨筆
互相鑑賞,互動體驗後的意識變化分析。
筆 者 架 設 電 子 網 站 ( http://www.sakubun.org) 於 2006 年 4 月
至 7 月 期 間,聯 合 指 導 學 生 參 加「 隨 筆 相 互 鑑 賞 活 動 」
。開 放 期 間 學 生
完 成 以 下 四 個 步 驟。① 執 筆 書 寫 作 文( 隨 筆 )後 投 上 電 子 公 佈 欄 (步 驟
一 ) ② 上 網 互 相 閱 讀 隨 筆,選 擇 一 篇 書 寫 感 想 投 上 電 子 公 佈 欄 (步 驟 二 )
③ 仔 細 閱 讀 別 人 回 應 的 感 想 文 後,作者 再 寫 一 篇 回 應 文 (步 驟 三 ) ④ 參
加 此 次 活 動 的 感 想 文 (步 驟 四 )。 跨 國 同 學 互 守 時 間 , 依 上 述 步 驟 書 寫
作 文 。 鼓 勵 同 學 從 自 己 的 角 度 發 揮 思 考 , 規 定 每 篇 文 章 400 字 以 上 。
同學們在閱讀欣賞與擬稿回應時,各教師授課並視同學們需求給予協
助指導,適時建言或批閱作文。
本研究以上述第四個步驟,即「參加此次活動的感想文」台灣大
學 生 作 品 44 篇 為 分 析 對 象,解 析 學 生 參 與 跨 國 隨 筆 互 相 鑑 賞,如 何 自
我定位的意義探討。由資料可分析出,學生意識上的變化歸納為,參
加交流網在表達自我現實文脈中,獲得回響的新體驗,成就感中喚起
書寫意願,並更進一步引發提高學習日語動機。
關鍵詞:電子佈告欄
隨筆
互相鑑賞
157
參加體驗
Report on a Project “Japanese Essay-Mediated Mutual
Communication Process on E-Bulletin Board”
Tokumaru Satoko, Chen,Shu-chuan, Nagatomo Kazuhiko
Professor, Japan Women’s College of Physical Education,
Professor, Soochow University, Professor, University of Miyazaki
Abstract
This
research
analyzes
how
students
participating
in
an
essay-exchange project on an e-bulletin board have assessed the
significance of essay-exchange experiences. The authors set up an
e-bulletin board
(http://www.sakubun.org)in a period of April to July,
2006 exclusively for this purpose.
A series of activities were organized in four steps: composing an
essay and contributing to the bulletin board (Step 1), contributing
impressions of others’ essays (Step 2), responding to others’ impressions
of one’s own essay (Step 3), and contributing feedbacks on this project
(Step 4).
Feedbacks in Step 4 were analyzed to study how the students thought
of their essay-exchange experiences in the project, with reference to 44
essays composed by those learning Japanese in Taiwan. The analysis
shows that the students had the experience of “responding directly” in a
reality context, so that they were increasingly motivated to learn
Japanese and participate in essay-exchange activities.
Keywords: e-bulletin board, mutual communication process, participation
158
電子掲示板上の日本語作文(エッセイ)相互鑑賞
活動の企画・運営と活動意義
得丸智 子 ‧ 陳淑娟 ‧長 友 和 彦
日 本 女 子 体 育 大 学 教 授 ‧ 東 呉 大 学 教 授 ‧宮 崎 大 学 教 授
要旨
本研究は、電子掲示板を利用したエッセイの相互鑑賞活動に参加
した学生が、活動参加体験をどのように意味づけたかを分析するも
のである。
筆 者 ら は 、2006 年 4 月から 7 月 に か け て 、ウ ェ ブ 上 に 電 子 掲 示 板
( http://www.sakubun.org) を 設 営 し 、 エ ッ セ イ の 相 互 鑑 賞 活 動 を
運営した。この活動は 4 つのステップから構成される。エッセイを
執 筆 し て 投 稿 す る( ス テ ッ プ 1)、他 の 参 加 者 の エ ッ セ イ に 対 し て 感
想 を 書 い て 投 稿 す る( ス テ ッ プ 2)、自 分 の エ ッ セ イ に 寄 せ ら れ た 感
想 に コ メ ン ト を 書 い て 投 稿 す る (ス テ ッ プ 3)、 活 動 参 加 感 想 を 書 い
て 投 稿 す る (ス テ ッ プ 4)で あ る 。
本研究では、ステップ 4 の活動参加感想のうち、台湾在住の日本
語 学 習 者 が 執 筆 し た 44 編 を 資 料 と し 、学 生 が エ ッ セ イ 鑑 賞 活 動 へ の
参加体験をどのように意味づけたかを分析した。その結果、学生に
現実文脈での「応答の実感」が体験され、日本語学習意欲、活動参
加意欲が高まることがわかった。
キーワード:電子掲示板
エッセイ
159
相互鑑賞
参加体験
電 子掲示板上の日本語作文(エッセイ)相互鑑賞活動の
企画・運営と活動意義
得丸智子・陳淑娟・長友和彦
日本女子体育大学教授・東呉大学教授・宮崎大学教授
1.はじめに
1.1.さ く ぶ ん .org の 概 要
本 稿は、台湾の T 大学が 2005〜2007 年 に か け て 参 加 し た 、さ く ぶ
ん.org プ ロ ジ ェ ク ト の 日 本 語 作 文( エ ッ セ イ )相 互 鑑 賞 活 動 の 分 析
である。第一章でプロジェクトの概要を説明した後、第二章で活動
の企画と運営について述べ、第三章で活動の意義を検討する。
筆 者 ら は 、西 暦 2000 年 か ら 、世 界 各 地 の 大 学 生 が 日 本 語 作 文( エ
ッセイ)を掲示し、相互に鑑賞し合うインターネット電子掲示板を
運営している。これまでに、日本の大学の日本人大学生や留学生の
他、台湾、オーストラリア、シンガポール、サウジアラビア等の大
学の日本語学習者の参加を得ている。この活動を、電子掲示板のア
ド レ ス( http://www.sakubun.org )に ち な ん で 、さ く ぶ ん .orgプ ロ
ジェクトと呼称している。
さ く ぶ ん .org プ ロ ジ ェ ク ト で は 、参 加 者 が 執 筆 す る 日 本 語 作 文 を
エッセイと呼び、
「 随 筆 や 小 論 文 等 の 散 文 形 式 の 小 作 品 」の 意 味 で 用
いている。これは、学習者の執筆する文章を、世界に 1 編のオリジ
ナルな作品として尊重しつつ鑑賞することを通じて、その固有の価
値を見いだそうとする考え方に基づいている。これは、学習者を 1
人の表現者として尊重し、価値を認めることでもある。
1.2.プ ロ ジ ェ ク ト 運 営 者 と 授 業 担 当 教 師 の 役 割
さ く ぶ ん .org の 参 加 者 は ウ ェ ブ 上 で 募 集 し て い る 。大 部 分 の 参 加
者は、日本語(国語)関連の大学の授業を通じて、クラス単位で参
加している。日本の大学の母語としての日本語(国語)関連科目の
授業クラスの日本人大学生、日本の大学の第二言語としての日本語
関連科目の授業クラスの留学生、日本以外の国の第二言語としての
160
日本語関連科目の授業クラスの日本語学習者が参加している。
尚、少数であるが、クラス単位でなく個人で参加する日本語学習
者に対して、日本人ボランティア(大学院生、大学生等)がマンツ
ー マ ン( 1 対 1)で 、電 子 メ ー ル を 利 用 し て 日 本 語 上 の 助 言 を 行 う 活
動 を 併 設 し て い る 。ボ ラ ン テ ィ ア の 登 録 数 に 余 裕 が あ る 場 合 に 限 り 、
クラス参加の学習者のうちの希望者にも、ボランティアによる日本
語助言をおこなっている。
1.3.参 加 者 の 活 動 の 流 れ
さ く ぶ ん .org プ ロ ジ ェ ク ト で は 、 近 年 は 1 年 に 2 回 の ペ ー ス で 、
そ れ ぞ れ 4〜 6 ヶ 月 間 、日 本 語 作 文( エ ッ セ イ )の 相 互 鑑 賞 活 動 を 実
施 し て い る 。1 回の 活 動 を 1 セ ッ シ ョ ン と 呼 ん で い る 。1 セ ッ シ ョ ン
は、次に示す 4 つのステップを踏んで実施される。参加者は、授業
担当教師の指示により、次のステップで活動する。
ステップ1:日本語作文(エッセイ)を書く:
さ く ぶ ん .org 参 加 に 先 立 ち 、授 業 担 当 教 師 は 、授 業 中 、担 当 ク ラ
スの学生に適切な日本語文章表現上の指導を行う。指導の方針や方
法は、各クラスの担当教師が、それぞれの授業のシラバスに基づい
ておこなうが、
「学習者の表現したいことが表現できるように援助す
る こ と 」を さ く ぶ ん .org プ ロ ジ ェ ク ト の 共 通 の 目 標 と し て い る 。そ
れ ぞ れ の ク ラ ス で 、作 文( エ ッ セ イ )を 書 き 、さ く ぶ ん .org の 電 子
掲示板に投稿(アップロード)する。
ス テ ッ プ 2:感 想 を 書 く:さ く ぶ ん .org に 掲 示 さ れ た 日 本 語 作 文( エ
ッ セ イ ) の 中 か ら 任 意 の も の を 2〜 3 編 選 択 し 、 自 由 に 感 想 を 書 き 、
電子掲示板に投稿する。
ス テ ッ プ 3:感 想 の 感 想 を 書 く:さ く ぶ ん .org に 掲 示 し た 自 分 の 作
文( エ ッ セ イ )に 対 し て 寄 せ ら れ た 感 想 文 を 読 み 、作 文( エ ッ セ イ )
筆者として感じたことを書き、電子掲示板に投稿する(これを感想
の 感 想 と 呼 ぶ )。
ス テ ッ プ 4:活動 参 加 感 想 を 書 く:さ く ぶ ん .org に 掲 示 さ れ た 他 の
人 の エ ッ セ イ 、感 想 、感 想 の 感 想 を 、そ れ ぞ れ の 興 味 に 応 じ て 読 み 、
161
今回の活動に参加した感想を書き、電子掲示板に投稿する。
尚 、活 動 中 の 文 章 は 、400 字 以 上 と し 、ウ ェ ブ 上 で 告 知 し て い る 。
こ れ は 、 チ ャ ッ ト の よ う な 短 文 で は な く 、 話 題 の 切 り 出 し —展 開 —終
結のディスコースを持つ文章による応答をめざしているためである。
2 . 活 動 の 企 画 ・ 運 営 —運 営 者 と 教 師 の 電 子 メ ー ル を 資 料 と し て
2.1 分 析 対 象 と す る セ ッ シ ョ ン の 概 要
本 稿では 2005〜2007 年にか けて、台 湾 の T 大 学 が 参 加 し た セ ッ シ
ョ ン を 分 析 対 象 と す る 。T 大 学 は 、2005 年 春 、2006 年 春 、秋 の 3 セ
ッションに、日本語文章表現の授業の一環として、授業担当教師の
指 導 の も と 、ク ラ ス 単 位 で 参 加 し た 。2005 年 秋 セ ッ シ ョ ン は 、春 セ
ッションに参加した学生のうち希望する学生のみが自主的に個人参
加 し 、ボ ラ ン テ ィ ア が 電 子 メ ー ル で 、日 本 語 上 の 助 言 を お こ な っ た 。
2006 年秋 セ ッ シ ョ ン は ク ラ ス 単 位 で 参 加 し た が 、ボ ラ ン テ ィ ア の 人
数 に 余 裕 が あ っ た た め 、ク ラ ス 参 加 者 の 中 の 希 望 者 の 作 文 に 対 し て 、
ボランティアが助言をおこなった。T 大学の各セッションの参加人
数と参加形態を表 1 にまとめた。
各 セ ッ シ ョ ン の 全 参 加 者 数 は 、日 本 人 大 学 生 、日 本 で 学 ぶ 留 学 生 、
海 外 で 学 ぶ 日 本 語 学 習 者 を 合 わ せ て 、2005 年 春 セ ッ シ ョ ン は 120 人 、
秋 セ ッ シ ョ ン は 210 人 、 2006 年 春 セ ッ シ ョ ン は 62 人 、 秋 セ ッ シ ョ
ン は 215 人 で あ っ た 。
表1
セッショ
T 大学の参加者数と参加状況
実施時期
テーマ
人数
参加形態
2005 年 春
2005 年 4 月 〜 7 月
大学生活の意
58
クラス参加
2005 年 秋
2005 年 8 月 〜 2006 年 2
趣味、異国
7
個人参加
2006 年 春
2006 年 4 月 〜 7 月
ま ち ( 街 ・ 町 ) 30
クラス参加
2006 年 秋
2006 年 8 月 〜 2007 年 2
自由(指定せ
クラス参加
33*
*内 11 名 が ボ ラ ン テ ィ ア の メ ー ル 添 削 を 受 け た
162
2.2 運 営 者 と 教 師 の 連 携 に よ る 企 画 と 運 営 の 実 際
セッションはプロジェクト運営者と授業担当教師の協議により企
画、運営される。本稿では、プロジェクト運営者 T と T 大学の授業
担当教師 C が、クラス参加の企画と運営のために交信した電子メー
ル(以下、メールと省略する)を主な資料とし、クラス参加の場合
のセッションの企画と運営における、プロジェクト運営者とクラス
教師の役割を検討する。
T 大 学 は 2005 年 春 セ ッ シ ョ ン が 初 め て の 参 加 で あ っ た の で 、プ ロ
ジ ェ ク ト 運 営 者 と ク ラ ス 担 当 者 の 間 で 、70 通 を 越 え る メ ー ル が 交 わ
さ れ た 。 2006 年 春 セ ッ シ ョ ン は 、 2 回 目 の 参 加 で あ り 全 体 の 流 れ が
把 握 で き て い る の で 、 メ ー ル 数 は 20 通 と 非 常 に 少 な い 。 2006 年 秋
セ ッ シ ョ ン は ク ラ ス 参 加 者 の う ち 希 望 者( 11 名 )が ボ ラ ン テ ィ ア 助
言者と電子メール交信をおこなったため、それに関するメールが交
わ さ れ た 。 こ の た め メ ー ル 数 は 34 通 に な っ た 。
分 析 対 象 は 、 2005 年 春 セ ッ シ ョ ン と し た 。 メ ー ル 数 が 70 最 も 多
く、参加形態がクラス参加のみであったため、クラス参加の場合の
運営者と授業担当教師の役割を詳細に検討するのに適していると考
えたからである。尚、運営者 T は、日本の M 大学と N 大学の、日本
人 大 学 生 対 象 の 日 本 語( 国 語 )文 章 表 現 の 授 業 の 担 当 教 師 で も あ る 。
2.2.1.参 加 申 し 込 み
2005 年 3 月 23 日に 、T 大学 の ク ラ ス 担 当 者 の C 先 生 か ら 、さ く ぶ
ん .org プ ロ ジ ェ ク ト 運 営 者 T に メ ー ル が 送 ら れ た 。知 人 の N 先 生 に
紹介され、既にウェブページを閲覧していた。申し込みを受け、運
営者 T は、自身が担当する日本の M 大学の日本人大学生のクラスと
共同のセッションを企画することとした。初回のメール交信を下に
示す。
( 教 師 C→運 営 者 T)は じ め ま し て 、台 湾 T 大 学 日 本 語 学 科 の C
でございます。N 先生の案内でこのホームページを拝見しまし
た。今、大学二年生の作文のクラスを受け持っていますが、そ
の学生たちにこのホームページを紹介し参加させたく思います。
163
よろしくお願いします。
( 運 営 者 T→教 師 C) は じ め ま し て 。 N 大 学 の T で ご ざ い ま す 。
このたびは、ご連絡下さいましてありがとうございます。T 大
学 の 学 生 さ ん を「 sakubun.org」の ホ ー ム ペ ー ジ に お 迎 え で き ま
すこと、嬉しく存じます。どうか、よろしくお願い申し上げま
す。先生のクラスは、いつごろ、何人くらい、参加なさる予定
でしょうか。お伺い申し上げます。ご返信のほど、よろしくお
願い申し上げます。
2.2.2.人 数 と ス ケ ジ ュ ー ル の 大 枠 の 設 定
最 初 に 、人 数 の 確 認 と ス ケ ジ ュ ー ル 大 枠 の 設 定 が お こ な わ れ た 。T
大学の学期と M 大学の学期を考慮し、春セッションのスケジュール
の大枠が設定された。
参 加 人 数 は 、 T 大 学 は 、 2 ク ラ ス 58 名 で あ っ た 。 ま た 、 オ ー ス ト
ラリアの S 大学の日本語学習者数名が参加することが決定していた
が、正確な人数は未定であった。M 大学の参加者は 4 月の新学期開
始後の履修登録時まで確定できなかった。また、企画途中で、新た
に日本の N 大学の日本人大学生と Z 大学の留学生が加わった。最終
的なスケジュールは、参加クラスと参加数が確定した段階で、再度
調整された。
2.2.3.テ ー マ と ス ケ ジ ュ ー ル の 詳 細 決 定
スケジュールの大枠が設定された段階で、テーマの協議が開始さ
れ た 。T 大 学 で は 、授 業 中 に 、既 に 数 編 の 作 文 を 執 筆 し て い た の で 、
重 複 し な い テ ー マ を 選 定 す る 必 要 が あ っ た 。 また、N 大学の 1 年生
から 4 年生までの学生が参加することになったため、幅広い学年の
学生が参加できるテーマにする必要が生じた。遅くスタートする S
大学の日本語学習者、Z 大学の留学生の取り組み易さも考慮し、テ
ーマは「大学生活の意味」とされた。
2.2.4.運 営 者 に よ る 投 稿 等 の 説 明
運営者 T は教師 C 宛に、適宜、投稿方法や投稿する文章について
の説明をおこなった。最初に 4 つのステップの概略を説明し、詳細
164
はそれぞれのステップの開始時に説明した。例を示す。
( 運 営 者 T→教 師 C)残 る は ス テ ッ プ 4 の み で す 。活 動 参 加 感 想
は、みなさんのディスカッションが深まることを期待して、ツ
リー構造ではなく、1枚の掲示板に発言が並ぶように計画しま
し た 。( 中 略 ) 他 の 人 の 活 動 参 加 感 想 を 読 ん で 感 じ た こ と な ど 、
自由に書いて下さるとよいと思います。ステップ4で、はじめ
て全員が1つの流れに乗って発言することになります。
2.2.5.授 業 担 当 教 師 か ら の 質 問 と 運 営 者 に よ る 回 答
教 師 C は、必 要 に 応 じ て 運 営 者 T に 質 問 し 、運 営 者 T は 回 答 し た 。
この過程を通じて、プロジェクト担当者は授業担当教師に、さくぶ
ん .org の 活 動 目 的 を よ り 詳 細 に 伝 え る こ と が 可 能 と な っ て い っ た 。
例を示す。
( 教 師 C→運 営 者 T)ち ょ っ と お 伺 い し た い こ と が あ り ま す 。2 、
の感想文はなるべく違う国の友人に書いたほうがいいか。それ
とも特にいわなくてもかまわないでしょうか。
( 運 営 者 T→教 師 C)「 感 想 文 」 は 、 な る べ く 違 う 国 の 人 に 書 い
たほうがよいということはありません。さくぶん・おるぐホー
ムページは、
「 国 際 交 流 」で は な く 、い ろ い ろ な 国 の 人 が「 一 人
の人間として交流すること」をめざしたいと考えています。国
に関係なく、興味を持った「作文」に対して「感想文」を書く
のが良いと思います。
「 一 人 の 人 間 と し て 交 流 す る こ と 」の 中 で 、
育った国の文化が「その人らしさ」の一部を構成していること
や 、育 っ た 国 が 違 っ て も お 互 い に 共 感 し 合 え る こ と に 、学 生 が 、
自ら気づくと思います。
2.2.6.授 業 で の 活 動 の 相 互 報 告
教師 C と運営者 T は、折に触れて、自身が担当している授業の活
動を報告し合った。これらの過程を通じて、プロジェクト運営者と
授 業 担 当 教 師 双 方 に 、さ く ぶ ん .org 電 子 掲 示 板 の 背 景 に あ る 活 動 文
脈についての理解が深まった。例を示す。
( 教 師 C→運 営 者 T)「 日 本 語 作 文 一 」 の 授 業 の 一 環 と し て 行 わ
165
れるものであるため、学生が書いた作文に一応添削します。そ
れを授業中に取り上げ説明したりします。でも表現しようとす
る内容はそのままです。欠席者などは自分で修正或いは友人に
よ る 訂 正 し た の ち 投 稿 し て い ま す 。今 回「 活 動 に 参 加 し た 感 想 」
の部分は添削する余裕がないので、そのまま投稿すると思いま
す。
( 教 師 C→運 営 者 T)今 日 か ら 感 想 文 1 を ぼ ち ぼ ち 投 稿 す る よ う
になると思います。作文を書くのが苦手とか、日本人の作文が
よすぎて細かい表現まですべて理解できるわけではないとかの
言いわけが出ています。そちらはどうですか。
( 運 営 者 T→教 師 C) 私 の ク ラ ス は 、 こ の 1 週 間 、「 タ イ ト ル だ
けを見て読みたい作文を選ぶ」
「本文をスキャンして読みたい作
文を選ぶ、どんなところを見て選んでいるか、どんなふうなら
ば読みたいか、どんなふうならば読みたくないかを箇条書きに
する」という作業をしてから、感想文執筆に入っています。こ
の作業を通じて、タイトルの付け方、本文執筆の重要点を体験
的に学べると思います。
2.2.7.学 生 の 反 応 と 自 身 の 活 動 評 価 の 相 互 報 告
教師 C と運営者 T は、折に触れて、自身が担当している学生の様
子や、自身の活動に対する評価を報告し合った。これらの過程を通
じて、プロジェクト運営者と授業担当教師の間で、活動目的の共有
が、より一層進んだ。例を示す。
( 教 師 C→運 営 者 T)学 生 た ち の 作 文 を 読 む と 、皆 そ れ な り に 真
剣に書き、感想文を作り、感想の感想と返事する姿に感動しま
した。作文によるコミュニケーションの一種ですが、いずれに
しても大変貴重な体験になったようです。
( 運 営 者 T→教 師 C)「 感 想 」 が 1 編 し か つ か な か っ た 場 合 に つ
い て 、学 生 か ら ア イ デ ア を も ら い ま し た 。
「感想を読んで書きた
くなったこと」を、もう一度、作文を書くようなつもりで「感
想 の 感 想 」と し て 書 く と 良 い と い う こ と で し た 。
(中略)
「感想」
166
を書いた学生の「作文」を検索して読んでみるというのも、学
生からもらったアイデアです。学生が、いろいろな新しいアイ
デアを考えて自由にやってくれるのが一番良いことです。こち
らが教えてもらうことも多いのです。
2.2.8.感 想 の な い 作 文 ( エ ッ セ イ ) が な い よ う に 配 慮 す る こ と
感想のつかない作文(エッセイ)がないようにセッションをアレ
ンジすることが、運営者と授業担当教師の最も重要な仕事である。
このセッションでも、この点に格段の注意が払われている。例を示
す。
( 運 営 者 T→教 師 C)感 想 は 、基 本 的 に は 、学 生 さ ん に 好 き な 作
文を選んでもらうのですが、どの作文にも最低1編の感想が付
くように、あらかじめ学生さんに協力を呼びかけてください。
最 後 の ほ う に な っ た ら 、 学 生 さ ん に 「 誰 か No.○ ○ に 感 想 を 書
いてくれませんか」と頼むようなこともあります。感想がない
と、作文筆者の学生ががっかりしますから、この点、ご配慮の
ほど、よろしくお願い申し上げます。
( 運 営 者 T→教 師 C)感 想 文 の 投 稿 状 況 で す が 、ま だ 、感 想 が つ
い て い な い 作 文 が か な り あ る よ う で す 。こ ち ら の 学 生 は 23 日 夜
を宿題の最終締め切りにしているので、もう少し状況を見てい
よ う と 思 い ま す 。「 感 想 」 が つ か な い と 、「 感 想 の 感 想 」 は 書 け
ま せ ん 。場 合 に よ っ て は 、24 日 の 授 業 で 、皆 に 協 力 し て も ら っ
て、1編ずつ感想を書いてもらうことが必要になるかもしれま
せん。だいたいいつも、このような感じで、調整しながら進み
ます。作文を、締め切り日以後に投稿する学生も、毎回います
ので、どうしても柔軟に対応する必要が出てきます。内容面で
は、今回は充実していると思います。
( 教 師 C→運 営 者 T)こ ち ら で は 、週 末 ま で「 感 想 文 2 」を 投 稿
し終えるようになっていますが、まだ出していないのが何人も
い ま す 。23 日 か ら の 週 か ら「 感 想 の 感 想 」を 投 稿 す る よ う に 予
定しています。ちょっと遅れがちのようです。確かに「感想」
167
を も ら っ て い な い 人 は 次 ぎ の ス テ ッ プ へ 進 め ま せ ん 。で す か ら 、
こちらももう一篇感想文を書いてもらうようにしましょう。み
んなが真面目に読んで、感想を書いているのを見てすばらしい
作文の交流だと、先生のこの計画に敬服します。感想文がもら
えなくて落胆した子が出ないよう、頑張りましょう。
2.2.9.種 々 問 題 に 対 す る 対 処
個人情報を書いた文章、短かすぎる文章、文字化けした文章への
対応が必要であった。これらは、担当教師が学生に連絡し、学生に
修正を促し再投稿させた後、運営者が古い投稿を削除した。
3 . 活 動 の 意 義 の 検 討 —参 加 者 の 活 動 参 加 感 想 を 資 料 と し て
こ の 章 で は 、台 湾 の T 大 学 の 学 生 が さ く ぶ ん .org 電 子 掲 示 板 に 投
稿した活動参加感想を資料として、学生がこの活動をどのように意
味付けているかを検証し、日本以外の国に在住する日本語学習者に
とって、この活動がどのような意義があるのかを検討する。
3.1.分 析 対 象
2007 年 2 月 12 日現 在 ま で に 、 さ く ぶ ん .org の 活 動 参 加 感 想 用 の
電子掲示板に投稿された文章のうち、投稿者の居住地(自己申告に
よ る )が 台 湾 と な っ て い る も の 44 編 を 対 象 と し た 。こ の 掲 示 板 に は
「 異 国」
「趣味」
「ま ち(街・町)」
「 自 由( 指 定 せ ず )」の セッショ ン
の活動参加感想が投稿されており、特定のテーマに偏ることなく、
この活動の特性を検討できると判断された。
3.2.分 析 方 法
分 析 は 質 的 分 析 法 に よ る こ と に し た 。ウ ィ リ ン グ( 2003)は 、
「意
味に対する関心」を持つ傾向があることが、さまざまな質的研究法
に 共 通 す る 事 項 で あ る と し て い る 。「 意 味 に 対 す る 関 心 」 と は 、「 人
がどのように世界を理解するのかや、人が出来事をどのように経験
す る の か 」に つ い て の 関 心 で あ る 。本 研 究 は 、
「学生がこの活動をど
のように意味づけるか」を検討することを目的とするので、質的分
析法が適していると判断した。
168
具体的方法として、米国在住の哲学者であり臨床心理家でもある
ユ ー ジ ン ・ ジ ェ ン ド リ ン ( Eugene T. Gendlin) が 開 発 し た 理 論 構 築
法 で ある TAE( Thinking At the Edge) を 、 質 的 分 析 法 に 応 用 す る
こ と に し た 。 TAE は 、 身 体 の 内 側 の 感 じ に 注 意 を 向 け 象 徴 化 を 促 進
する技法であるフォーカシングを使った、理論構築法である。
質的研究では、分析者がデータを客観的に分析することは原理的
に不可能であると考え、
「その環境の中で生きている内部者の視点を
もつ」
「 研 究 さ れ る 現 象 や 出 来 事 を 内 側 か ら 理 解 す る 」等 、対 象 と 密
着 し た 位 置 に い る 分 析 者 の 内 的 視 点 を 重 視 す る ( 西 條 ,2005)。 TAE
も同様に、分析者の内的視点を重視し、研究者がデータに十分に浸
る 中 で 身 体 的 に 感 得 す る「 デ ー タ が 意 味 す る も の 」、即 ち 、言 語 化 以
前 に 言 語 を 媒 介 と す る こ と な し に 感 得 す る 「 暗 黙 の 知 」( The
Implicit) に 価 値 を お く 。 そ し て 「 暗 黙 の 知 」 は 、 身 体 感 覚 ( フ ェ
ルトセンス=感じられる意味)として感じることが可能であるとの
立場に立ち、フェルトセンスと既存の言語や論理とを反省的に応答
させることを繰り返しながら、
「 暗 黙 の 知 」の 理 論 化 を め ざ し て い く 。
TAE は 14 の Step か ら 成 っ て お り 、日 本 語 訳 が( 村 里 忠 之 訳 )、フ
ォ ー カ シ ン グ ・ イ ン ス テ ィ チ ュ ー ト の ウ ェ ブ ペ ー ジ
( http://www.focusing.org)で 公 開 さ れ て い る 。本 研 究 で は 、Step1
か ら 12 を 整 理 し 、 簡 略 化 し て 用 い た 。
3.3.分 析 過 程
分析過程の概略を記述する。尚、本研究の「エッセイ相互鑑賞活
動 」の ス テ ッ プ と 区 別 す る た め に TAE の ス テ ッ プ を Step と 表 記 す る 。
開始前
ま ず 、分 析 者 が 、分 析 対 象 と な る デ ー タ 全 体 に 、
「データが意味す
る も の」を、
「 こ の 感 じ 」と し て し っ か り と 把 握 で き る ま で 繰 り 返 し
触 れ る( 読 む )。こ の 段 階 で 言 語 化 さ れ て い る 必 要 は な い が 、この「 こ
の感じ」が「暗黙の知」であり、把握している身体感覚がフェルト
セ ン ス( 感 じ ら れ た 意 味 )で あ る 。
「 暗 黙 の 知 」は、原 理 的 に 、言 語
化するのが困難であり、完全に言語化するのは不可能である。それ
169
を、
「 暗 黙 の 知 」の 豊 か さ を 失 わ ず に 、可 能 な 限 り 言 語 化 、理 論 化 し
よ う と す る 手 法 が TAE で あ る 。
Step1
ま ず 、フ ェ ル ト セ ン ス の 中 核 を 言 語 化 す る 。
「 こ の 感 じ 」に 浸 り な
が ら 、出 て 来 る 語 や 句 を 自 由 に 書 き 留 め る 。あ る 程 度 書 い た ら「、、、」
を 付 け て お く 。こ れ は 、原 理 的 に 言 い 尽 く せ な い と い う 意 味 で あ る 。
表2
フ ェ ル ト セ ン ス の 中 核 の 言 語 化 ( Step1)
感想をもらってうれしい、同じ点をみつける、通じる、伝わった、結び
つき、報われる、最初はめんどう、待つ、ドキドキ、読むことでうまく
なる、クラスメイトに関心、日本人はうまい、意欲、想像力、いろいろ
な 考 え 方 、 国 に よ っ て 、 人 に よ っ て 、、、
Step2
フェルトセンスの中核を短い1つの文(マイセンテンスと呼ぶ)
で表現する。この段階では、あえて一般的に理解可能な表現をめざ
さず、把握した意味の独創性や複雑性を失わないように注意して言
語 化 す る 。こ こ で 得 ら れ た マ イ セ ン テ ン ス は 、
「認められることで越
え ら れ る 」 で あ っ た 。「、、、」 は 完 全 に 言 語 化 す る こ と は で き な い こ
とを表す。
Step3
既存の言語は、フェルトセンスの細部を表現しきれないとの前提
に立ち、既存言語とフェルトセンスを応答させながら、フェルトセ
ンスの中核に迫る。
まず、マイセンテンスの中で重要な語句をキーワード 1 とし、キ
ーワード 1 の一般的意味を書く。キーワード1は「認められる」と
し、
「 認 め る 」の 意 味 を 、辞 書 で 引 い て 書 い た 。次 に 、フ ェ ル ト セ ン
スと一般的意味を応答させながら、一般的意味に納まりきれない微
妙な細部に注意を向け、マイセンテンスのキーワードの位置に入る
語 句 を も う 一 語 呼 び 出 し 、キ ー ワ ー ド 2 と す る 。キ ー ワ ー ド 2 は「向
こ う 側 が 見 え る 」で あ っ た 。
「 向 こ う 側 」の 意 味 を 辞 書 で 引 い て 書 い
170
た 。 同 様 に 、 キ ー ワ ー ド 3、 4 と 、 お こ な っ た 。
Step4
4つのキーワードについて、一般的な意味に納まりきれない「こ
の感じ」のフェルトセンス独自の意味を書いた。これにより、フェ
ルトセンスの微妙な細部を言語化した。
表3
キ ー ワ ー ド の 一 般 的 意 味 と 独 自 の 意 味 ( Step3 と Step4)
キーワード
一般的意味
フェルトセンス独自の意味
認められる
( 認 め る )よ く 気 を つ け て
存在に気づく、価値に気づ
見 る 、目 に 見 え る( 以 下 省
く 、、、
略)
向こう側が見
( 向 こ う 側 )正 面 の 方 、あ
自然に目に入る、見る能力が
える
いだにある何かを越えた
ある、気配を感じる、向こう
先の方(以下省略)
側 を 体 験 す る 、、、
( 嬉 し い )は れ ば れ と 喜 ば
自 分 で 感 じ る 、喜 び を 感 じ る 、
自分が嬉しい
し い 、 こ こ ろ よ く 楽 し い 、 同 じ と い う 感 覚 、、、
(以下省略)
待つ
( 待 つ )来 る は ず の 人 や 物
緊張する、不安、来るはずな
事を迎えようとして時を
のに来ない、周りが見える、
過ごす(以下省略)
用 意 し て 迎 え る 、、、
Step5
ここまでの全体を見て、マイセンテンスのキーワードの位置に重
要 と 考 え ら れ る 語 句 を 入 れ た 文( 拡 張 文 )を 作 り 、全 体 を 把 握 す る 。
今回の分析で得られた拡張文は「認められること、向こう側が見
え る こ と 、自 分 が 嬉 し い こ と 、待 つ こ と 、向 こ う 側 を 体 験 す る こ と 、
自分で感じること、同じという感覚、用意して迎えること、周りが
見 え る こ と 、、、 で 越 え ら れ る 」 で あ っ た 。
Step6
次に、フェルトセンスの全体が表現できるように、事例を 4 つ選
定する。4 つの事例は類似例でなく、なるべく多様な側面がとらえ
171
られるような事例とする。
Step7
それぞれの事例に含まれている、他の例にも繰り返し表れる可能
性のある型(パターン)を抽出する。
この過程で選定された 4 つの事例と、そこから引き出された型は
下のとおりである。
表4
選 定 さ れ た 4 つ の 事 例 と そ れ ぞ れ の 型 ( Step6 と Step7)
事例1:タイトル
活動参加の感想
初めて作文を交流する活動に参加します。はじめは面倒だと思いなが
ら、作文を書きました。何回も作文を交流するにつれて、面白いと思う
ようになりました。話したいものを日本語ですべて表すことができなく
て も 、一 生 懸 命 辞 書 を 引 き な が ら 作 文 を 書 き ま す 。ホ ー ム ペ ー ジ を 通 し 、
さまざまな作文を見て、自分がどうしても使えない文法や言葉などが一
杯あり、自分の作文を書く能力が同級生より下手だということに気付き
ました。また、違うテーマを選んで、いろいろな言葉や使い方を身につ
けようとすることで、読解の能力もすごしずつ向上します。
自分の作文に感想文を書いてくれているのを発見すると、とてもうれ
しいです。これは私にとって重要なことです。私の思いが通じるからで
す。人の心を打つかどうかは作者の書いた内容と述べる方法次第だと思
います。この活動によって、テーマを如何に書くか、どんなテーマが目
に立ちやすいかを教えてくれました。
先生にこのホームページを教えてもらったのは本当に有難いことです。
これからもここでいろんな作文を読んだり、興味ある作文に感想文を書
いたりして、思いや意見を交流しようと思います。
型1:一生懸命取り組んだ上で、より高いレベルのものに触れ、やる気
が出て能力も向上した。
事例2:タイトル
参加してよかった
正 直 、最 初 に 先 生 に 参 加 さ せ ら れ た 時 、「 何 だ か 時 間 が か か り そ う で 面
倒 く さ い な あ 。」と 、心 の 中 で 文 句 を 言 う ば か り だ 。 そ れ に 、私 が 掲 載 し
172
たのは、中間テストに書いたのをそのままに、ちょっと「八股文」みた
い じ ゃ な い か と 心 配 し て い た 。ネ ッ ト に 掲 載 し た ば か り の 一 、二 週 間 後 、
周りのクラスメイートはほとんどコメントをもらって、私だけもらって
いなかった。いっそ親友に書いてもらって済むだろうと思ったら、やっ
と日本人から一つのコメントをゲットだ。その瞬間、今までの悩みもす
っかりなくしてしまう気がした。それだけでなく、やり取りの間、ペン
パルまでもできたかのような感じがあった。その日本人がそう書いてく
れ た 。「 文 章 能 力 に 優 れ て い る こ と と 感 心 し た 。」 読 ん だ ら 本 当 に 嬉 し い
極まりない。二年半もの間、今まで努力して実を結んだと思う。今、暇
が あ れ ば わ ざ わ ざ 作 文 org に 読 み に 行 く 。 各 国 か ら の 文 章 を 読 ん で 相 互
に研究することは、ただ教室に座って先生の話だけ聞いて書いていいの
ようなやり方よりずっと面白くて勉強になると思う。このやり方を通し
て、作文を書く意欲とか熱意とか何となくどんどん湧いてくると実感し
た。これからもこのやり方で、作文を書く能力をアップしたいと思う。
型 2: 強 制 的 に 参 加 さ せ ら れ 適 当 に や ろ う と 思 っ た が 、 感 想 を も ら っ た
ことを契機に積極的になった。
事例3:タイトル
珍しい経験
私にとって今度の作文交流という活動は珍しい経験です。他の人より
私はその機会があるのはとても喜んでいます。いつも自分の国に住んで
いるから、他の国のことあまり知りません。今回の活動に参加した後、
いろいろな元々自分が知らなかったことが分かるようになりました。例
えば、日本と台湾の違うことがあって、よく似ていることもあります。
綺麗な景色、のんびりと暮らす生活タイプ、都市の悪いことなどです。
みんなと一緒に頑張って自分の考え方と情報を交流しました。日本語が
上 手 で は な い か も し れ な い け ど 、自 分 の 本 心 で 頑 張 っ て 伝 え て き ま し た 。
私は相手が私の気持ちがよく分かってくれたと思います。さらに、文化
の違うところがあろから、両方とも考え方や好きなことなどたくさん別
な意見も出ました。ですから、今度の交流は面倒なところがあるかもし
れないですけど、大きな影響はたくさん素晴らしいことを教えていただ
173
いたと思います。先生もお疲れ様でした。先生からのチャンスをもらい
ました。本当にありがどございました。みんなももお疲れ様でした。今
度もう一回その活動に参加したいです。これも本音です。
型 3: 自 分 が 知 ら な か っ た こ と が わ か る よ う に な り 、 自 分 も わ か っ て も
らえたと感じる。
事例4:タイトル
固い考え方を捨てましょうか!
今回のテーマについて、いろいろな趣味が書かれました。一人映画と
か、日記を書くこととか、寝ることさえ趣味の一つにされた文章もあっ
て、すごく面白いと思います。みんなの作文を通して、それぞれ違う考
え方が見えます。今まで考えなかった発想を与えてくれて、読み手の私
にとって、素晴らしい経験になりました。一番プラスになったのは物事
に対する考え方です。
私が選んだのは趣味というテーマです。このテーマを見ると、まず頭
に浮かべるのはやっぱり読書や音楽などのありきたりなことしかありま
せん。でも、ほかの人の文章を読んだ後、自分の考え方があまり固すぎ
だと思い始めました。
い く つ の 文 章 の 中 に 、budou さ ん の「 空 」は 一 番 印 象 深 い で す 。私 も 空
を見るのが大好きなのです。しかしそれを一つの趣味として認めるのは
できませんでした。一般に言われている趣味ほど正当ではないと思うか
らです。でも、みんなの作文を見てから、この考え方が実におかしいと
私は初めて気づきました。趣味って、何よりも自分がそうしている時に
リラックスできるのが一番大切なのです。どんなに平凡なことでも素晴
らしい趣味になれるに違いないと、今はそう思えるようになりました。
私の趣味はいくつもあります。しかし、今までずっと周りに気になっ
て い て 、今 回 の 作 文 も 一 番 安 全 な 内 容 を 書 い た り し ま し た 。「 固 い 考 え 方
を捨てましょうか!」という今私の頭に浮かんでいるこの言葉は、今回
作文ホームページに参加した最大の収穫だと思います!
型 4: 周 り が 気 に な っ て 安 全 な 内 容 を 書 い た が 、 固 い 考 え を 捨 て よ う と
考え方が変わった。
174
Step8
事例 1 の型を事例 2 に適用し、事例 2 の型を事例 3 に適用すると
いうふうに順次、すべての事例と型を交差させ、フェルトセンスと
応 答 さ せ な が ら 、新 た に 浮 か び 上 が っ て く る 知 見 を 書 き 留 め る 。尚 、
表中、
「 型 1→ 事 例 2」は、
「 型 1 を 事 例 2 に 当 て は め る 」こ と を 表 す 。
表5
型 と 事 例 の 交 差 ( Step8)
交差の方向
得られた知見のメモ
型 1→事 例 2
「適当に対処できる日常」の外にあるものに触れること
で 、「 日 常 」 の 先 が 異 な っ て 展 開 す る
型 1→事 例 3
自 分 の 場 所 の 情 報 を 伝 え よ う と す る こ と で 、そ の 向 こ う の
広い世界が見える。
型 1→事 例 4
固 定 観 念 で あ っ て も 、そ れ を 文 章 に ま と め て 多 く の 人 に 見
てもらうことによって、その先に進める。
型 2→事 例 3
先 生 の 企 画 力 、友 達 の が ん ば り が 、面 倒 さ を 越 え て 、学 び
のチャンスを広げた。
型 2→事 例 4
こ ん な も の だ ろ う と 妥 協 し て い る つ も り だ っ た が 、そ う で
も な い 自 分 に 気 づ い た 。妥 協 は さ ら な る も の を 求 め る 気 持
ちの裏返しである。
型 2→事 例 1
面倒だと思っても適当にやれない学生は、懸命に取り組
み 、自 分 で 学 び の ポ イ ン ト を 設 定 し 、さ ら に 先 に 進 ん で い
く。
型 3→事 例 4
他 者 と 一 生 懸 命 伝 え 合 う こ と に よ り 、自 分 の 中 の 、こ れ ま
で知らなかった部分に気づく。
型 3→事 例 1
表 現 、語 、文 法 な ど 、知 ら な か っ た こ と が 学 べ て 、能 力 が
高まる。
型 3→事 例 2
自 分 の 中 に 学 び へ の 意 欲 や 熱 意 が あ る こ と に 気 づ い た 。新
しい教授法が自分に合うと気づいた。
型 4→事 例 1
自分が使えない文法や言葉を使っている人を目の当たり
175
にし、そこに行きたい気持ちがさらに強まる。
型 4→事 例 2
平凡な日常はいつでも変わりうる。妥協する必要はなく、
ちょっとしたきっかけで考えは変わる。
型 4→事 例 3
文 化 的 背 景 が 異 な る 人 と 一 緒 に 活 動 す る と 、双 方 が 異 な る
発想に気づきやすい。固定観念を捨て易い。
Step9
もう一度、全事例を見直し、型にあてはまらない事例を検討した
り、型に含まれないが重要だと考えられる細部を拾ったりする。同
時 に 、こ の 作 業 の 中 で 新 た に 浮 か び 上 が っ て く る 知 見 を 書 き 留 め る 。
この段階で得られた主な知見は、次のとおりである。メモした知
見は多数に上るので、主なもののみを記載する。
表6
全 事 例 の 見 直 し に よ り 得 ら れ た 知 見 ( 抜 粋 )( Step9)
得られた知見のメモ
• それぞれの学習者が、それぞれの到達点から先に進める
• ど ん な 自 分 で あ っ て も ( 発 展 途 上 の 日 本 語 、 適 当 な 取 り 組 み 姿 勢 )、 そ
の地点を確認できることが大切
• ど の よ う な 地 点 に い る 学 習 者 に と っ て も 、「 感 想 が 来 る こ と 」 が 決 定 的
に重要
• 日本人と交流することが珍しい、貴重、喜び
• クラスメイトを見直す、他の日本語学習者を見直す
• 「 住 ん で み た い 」「 日 本 に 行 っ て み た い 」
• 「 次 回 も 参 加 し た い 」「 ま た 参 加 し た い 」 が 非 常 に 多 い
• 母語作文も苦手、母語で書いても作文は難しい
• ( 特 殊 例 ) さ く ぶ ん .org の 中 だ け か ら 「 日 本 人 は 〜 」 と 結 論 を 出 す
• 日本人の日本語は正しいという思い込み
Step10
分析結果を概念化する。まず、フェルトセンス全体を表現する語
176
ま た は 句 を 3 つ 選 ぶ 。 こ こ で 選 定 さ れ た 用 語 は A「 そ の 先 の リ ア リ
テ ィ 」、 B「 聴 き と ら れ た 嬉 し さ 」、 C「 声 を あ げ て 待 つ こ と 」 で あ っ
た 。次に、それらを「=」
( 英 語 で は「 is」で あ る が 、日 本 語 で は「 で
ある」とする)で連結して、フェルトセンスと応答させる。その文
が 真 に 成 り 立 つ よ う に 加 筆 す る 。表 中 の < > は 加 筆 し た 部 分 を 表 す 。
この作業で「暗黙の知」を言語によって構造化していく。
表7
A=B
3 つ の 語 句 の 関 係 ( Step10)
そ の 先 の リ ア リ テ ィ は 、聴 き 取 ら れ た 嬉 し さ < を 経 て は じ め て 真 に リ
アリティを持つものとして感じられるもの>である。
A=C
そ の 先 の リ ア リ テ ィ は 、< 当 人 が > 声 を あ げ て 待 つ こ と < を 経 て 展 開
していくもの>である。
B=C
聴 き 取 ら れ た 嬉 し さ < を 感 じ る た め に > は 、< 当 人 が > 声 を あ げ て 待
つこと<が必要>である。
(メモ)
その先のリアリティは、聴き取られる嬉しさを経て初めて、真にリアリティ
を帯びる。そのためには、少なくとも当人が声をあげて待つことが必要であ
る。その声が聴き取られたとき初めて、その先にあるものが、真にリアリテ
ィを帯びて感じられるようになる。
Step11
Step10 で 選 ば れ た 3 つ の 用 語 を 、
「 本 来 」の 語 を 入 れ て 連 結 し て 、
フェルトセンスと応答させる。気づいたことを書き留めながら、新
し い 用 語 を 加 え る 。こ の 作 業 に よ り 、
「 暗 黙 の 知 」を さ ら に 深 部 ま で 、
言語により構造化していく。
表8
新 し い 用 語 を 加 え る ( Step11)
メモ(抜粋)と新しい概念
その先のリアリティ
現実文脈の中で、声が聴き取られたことで、そ
は、本来、聴き取られ
の先がリアリティを帯びる。
177
た嬉しさである
新用語:現実文脈
その先のリアリティ
声をあげると攻撃される危険がある。現れ出る
は、本来、声をあげて
には、信頼、安心が必要。家庭に替わって、教
待つことである
育機関が、信頼、安心を提供する。
新用語:危険、信頼、安心
聴き取られた嬉しさ
待っていたから、嬉しいのである。欠如してい
は、本来、声をあげて
たものが満たされるから、満たされた実感があ
待つことである
る。声をあげることには、応答を待つことが含
まれる。
新用語:実感、応答、欠如
Step12
最 終 的 な 用 語 を 3〜4 個選 定 し 直 し 、用 語 を 相 互 に 関 連 づ け る 。こ
こで選定された用語は、
「教育文脈」
「応答の実感」
「その先のリアリ
テ ィ 」「 現 実 文 脈 」 で あ っ た 。
最初からここまでの分析過程を見直し、重要な語を拾い上げ、上
記の用語と置き換えたり部分的に修正したりしながら、新たに浮か
び上がってくる知見を書き留める。
尚、これらの用語を選定する際も、常にフェルトセンスを感じ直
し、そこから言語を引き出すのが、この手法の特徴である。この段
階で最終的に得られた 4 つの用語と、それらを相互に関連づけた文
は次のとおりである。
表9
4 つ の 用 語 と 相 互 の 関 係 ( Step12)
4つの用語:
教 育 文 脈 、 応 答 の 実 感 、「 そ の 先 の リ ア リ テ ィ 」、 現 実 文 脈
用語を相互に関連つけた文
• 教 育 文 脈 に お い て は 応 答 の 実 感 が 欠 如 し が ち で あ る が 、教 育 文 脈 と 現 実
文 脈 が 二 重 化 さ れ た と き 、教 育 文 脈 が 含 む「 そ の 先 の リ ア リ テ ィ 」が 形
を成しはじめる。
178
• 「 そ の 先 の リ ア リ テ ィ 」は 、教 育 文 脈 が 現 実 文 脈 と 二 重 化 さ れ 、欠 如 し
がちであった応答の実感が満たされるとき、形を成しはじめる。
• 応 答 の 実 感 は 、「 そ の 先 の リ ア リ テ ィ 」 を 含 む 教 育 文 脈 に 欠 如 す る も の
で、それを満たすものは二重化する現実文脈である。
• 現 実 文 脈 は 、「 そ の 先 の リ ア リ テ ィ 」 を 含 む 教 育 文 脈 に 欠 如 し が ち で あ
る応答の実感を与えることにより、教育文脈と二重化する。
3.4. 分 析 の ま と め
以上のような過程を経て、次のように分析結果をまとめることが
できた。
表 10
分析結果のまとめ
日本語の教室
安全であるが不自由で応答の実感が得にくい空間
(教育文脈)
(教育機関と教師が設営する空間)
作 文 ( エ ッ セ イ ) を 書 く ←教 師 の 援 助
作 文( エ ッ セ イ )を さ く ぶ ん .org に 掲 示 す る ←教 師 の 勧 め
安全かつ自由で応答の実感が得られる空間
さ く ぶ ん .org
教育文脈と
二重化された
現実文脈
( さ く ぶ ん .org 運 営 者 と 授 業 担 当 教 師 が 恊 働 し て 設 営 す
る空間)
自分の作文(エッセイ)に感想がくるのを待つ=緊張感、
不安感
他 の 人 の 作 文( エ ッ セ イ )を 読 む = 伝 わ っ て く る 実 感( 応
答の実感)
自 分 の 作 文( エ ッ セ イ )に 感 想 が つ く = 伝 わ っ た・伝 わ る
実感(応答の実感)
感想の感想を書く=伝わる・伝える実感(応答の実感)
活動参加感想を書く=一緒に作る、その先への期待
安全かつ自由で応答の実感が得られる空間が作れる可能
性
その先へ
(現実文脈)
(自律学習を続ける表現者が恊働して各々空間を作って
いく)
179
以上の分析から、学習者は「安全であるが不自由で、応答の実感
を得にくい教室」
( 教 育 機 関 と 教 師 が 設 営 す る 空 間 )で の 授 業 活 動 を
足場として、
「 安 全 か つ 自 由 で 、応 答 の 実 感 が 得 ら れ る さ く ぶ ん .org」
(運営者と教師が設営する空間)で、自身が「応答の実感」を得、
「各々が自由に表現し、かつ、応答の実感が得られる(日本語を使
用言語とする)新たな空間」を体験することにより、新たな空間の
存在可能性と自らが構成員となって参画していける自信を持つとま
と め る こ と が 可 能 で あ る 。さ く ぶ ん .org の 意 義 は 、授 業 の 履 修 生 に 、
自律学習を続ける表現者となって新しい空間を作っていく自覚と可
能性を体得させることであるといえよう。
4.全体のまとめ
この章では、プロジェクト運営者、授業担当教師の役割と活動意
義を関連づけ、全体のまとめとしたい。
外国語教育の授業で、教師は、外国語で自己を表現するという困
難な課題に取り組む学習者を支援し助言を与える役割を担う。これ
により、多くの言語表現が産出されるが、授業での言語表現は、学
習事項定着の訓練や、その確認や誤用訂正を目的としてなされるこ
とが多く、真に内容に焦点化した応答が得られる機会は少ない。特
に、外国語教育の授業で、母語話者から応答を得ることは容易では
ない。これは、外国語教育の授業が構造的に持っている限界である
といえる。
一方、外国語教育の授業は、文化的背景を異にする人々が自由に
表現し応答し合う多文化多言語の言語表現空間を、最終ゴールとし
て内包している。日本語教育の場合は、日本語を媒介として自由に
表現し応答し合う空間が、内包されるゴールである。日々の教授活
動は、学習の先に広がるこのような空間の存在可能性への信頼の上
に営まれていると言って良い。この志向性は、より明るい未来をめ
ざして営まれる教育活動の本来的性質に基づくものである。
今 回 の 分 析 で 見 た よ う に 、授 業 担 当 教 師 は 、さ く ぶ ん .org の ウ ェ
180
ブ ペ ー ジ を 閲 覧 し 、担 当 す る 授 業 を さ く ぶ ん .org と い う イ ン タ ー ネ
ット空間に接続する決定をしていた。これにより、教育文脈を現実
文脈と二重化させることが可能になった。
この二重化された空間で、多くの参加者に、自身の言語表現が他
者に「伝わる」という「応答の実感」が体験されていた。他者の言
語表現が自身に「伝わってくる」ことも体験されていた。学習事項
の達成/未達成ではなく、内容に焦点化した応答がなされるという
点 で 、さ く ぶ ん .org は 現 実 文 脈 の 中 に あ る 。一 方 で 、活 動 中 、プ ロ
ジェクト運営者と授業担当教師は、すべての言語表現が応答される
よ う に 配 慮 し て い た 。こ の よ う な 配 慮 は 、さ く ぶ ん .org が 、教 育 文
脈にあるからこそ可能となるものである。現実文脈での応答の実感
は、学習者の日本語学習意欲、活動参加意欲が高めるという形で、
教育文脈に影響していた。
運営者と教師は協力して、教育文脈と現実文脈を二重化させるこ
とにより、日本語の授業が内包する志向性を各々の学習者の中で展
開した。学習者に、日本語授業の先に広がる新たな言語表現空間の
存在可能性を体得させ、自らが構成員となって参画していく自信と
意欲を喚起したと意義づけることができるであろう。
参考文献
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