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解説員通信 No.68

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解説員通信 No.68
 都立奥多摩湖畔公園
山ふる解説員通信
No.68 2010 年 5 月 C E S
節目の年、 2010 年
2010 年度が始まり、早くも 1 カ月が過ぎま
した。4 月の山のふるさと村は、中旬まで雪が
降るほど寒い日が続きましたが、5 月に入って
からは、まるで夏のような暖かさ!!季節のめ
まぐるしい変化に驚くばかりです。4 月は淡い
ピンク色で森が彩られていましたが、5 月の森
は、もこもこした鮮やかな緑色!「春」という
季節は気温が穏やかなこともあり、何時間でも
森の変化を見ていられそうです。
さて、今年度の 11 月で、山のふるさと村は
20 歳を迎えます。節目となる今年をいい一年
にするためにも、今年度も自分たちの活動をこ
の解説員通信でしっかり振り返っていこうと思
います。
最後になりましたが、2010 年度もみなさま
どうぞよろしくお願いいたします。
MENU
P1 1. 2010 年度の重点取り組み事項
P2 2. 春の活動への取り組み
P3 3. 2009 年度
重点取り組み事項のふりかえり
P4 4. 冬期の活動結果報告
P8 5. 解説員異動のお知らせ P10 6. 山ふるつながりコラム vol.5
P12 インタープリターの視点 No.56
1.2010 年度の重点取り組み事項
2010 年度は、20 周年を迎える山のふるさと村の節目の一年となります。山のふるさと
村のある秩父多摩甲斐国立公園は 60 周年。今年度は、奥多摩町と協力しながら、20 周年に
相応しい様々な取り組みを検討し始めています(今年の秋まつりのテーマは、『昔の集落に
タイムスリップ!』です。乞うご期待!)。より多くの利用者に楽しんでいただけるよう、
ログケビンの半額割引の延長や、レストラン新メニューの開発(奥多摩ヤマメの定食が新登
場!)も始まります。
また、今年は国家戦略に掲げられた「生物多様性の保全」を、行政・企業・市民が一丸と
なって取り組むべき一年でもあります。山のふるさと村は、かつて集落があった場所に建設
された自然公園施設のため、園内には深山ながらも人と自然が共生していた環境(二次林の
自然)が残り、バラエティ豊かな自然が楽しめます。これまでビジターセンターの役割とし
て、今ある環境の保全・普及に繋がる活動を展開してきましたが、今年度は各実施活動の基
本方針に生物多様性保全の取り組みを明確に位置付けることで、生物多様性保全のための機
能をより強化することを重点取り組み事項の目標とします。
また、20 周年を迎える山のふるさと村の環境(自然・人文)を
調査を通して見直す一年にしていきたいと思っています。
−1−
山ふる解説員通信 No.68 2. 春の活動への取り組み
春期の自然体験プログラム
春期の自然体験プログラムは、3 月 13 日(土)
から 7 月 17 日(金)の間、週末・祝祭日は下
表の時間で、平日は申込みが入り次第、随時実
施しています。
今年度は、自然体験プログラムの開始時間を
例年のものから一新しました。
春期はお昼前後に来所する方も多い例年の傾向
を受け、午後のプログラムへ促す役割としてミ
ニスライドショーを 13:30 に実施する事にしま
した。また、宿泊の翌日にゆっくり自然体験
プログラムが楽しめるよう、チェックアウト
時間の 10:00 以降の午前中に人気の高いガイド
ウォーク、ちびっこあーとを集中させました。
春期は例年、新緑を目的としたドライブ途中
の立ち寄りの方や家族連れ、散策目当ての中高
年グループなど、幅広い年齢層が来園する季節
です。プログラム時間の変化による来訪者の反
応を、幅広い年齢層から得る事ができる時期と
言えます。宿泊者への配慮を意識したプログラ
ム時間ですが、他の来園者の動向や反応を確認
しながら、柔軟に対応していきたいと思います。
●日中の自然体験プログラム ( 無料 )
プログラム
開始時間
所要時間
定員
ガイドウォーク
10:30
45 分
15 名
ちびっこあーと
11:30
30 分
15 名
ミニ
スライドショー
内容
インタープリター ( 自然解説員 ) が、のんびり歩きながら、旬
の自然やその楽しみ方を紹介します。
木の実や葉っぱなどの自然の素材を使った子ども向けのクラフ
トです。ご家族の方もご一緒にお楽しみいただけます。
移り行く四季の自然やビジターセンターの活動をインタープリ
13:30
15 分
20 名
ターの小話つきでご紹介します。
※ビジターセンター展示室内で実施
ガイドウォーク
14:00
60 分
15 名
ミニトーク
14:30
15 分
30
インタープリター ( 自然解説員 ) が、のんびり歩きながら旬の
自然とその楽しみ方を紹介します。
インタープリターが奥多摩の自然や人文などを日替わりテーマ
で短いお話をします。
●キャンパーズプログラム ( 有料 )
プログラム
ナイト
プログラム
おはよう
ウォーク
開始時間
所要時間
定員
19:30
60 分
15 名
7:00
60 分
15 名
内容
暗闇体験やアニマルウォッチングなど、夜ならではの自然体験
を楽しむことができます。
少し早起きをして、すっきりとした空気を吸いながら、朝にし
か味わえない自然を満喫します。
−2−
山ふる解説員通信 No.68
3.2009 年度重点取り組み事項のふりかえり
来園者調査の充実と改訂―情報を的確に得られる方法を実践
1) 初入館者とリピーターの割合
2009 年 6 月~翌年 2 月までで、初入館者とリ
ピーターの割合は、初入館者が 63%、リピーター
が 37%でした (n=2601 人 )。2008 年度の結果よ
りもリピーターが 1 割増加していました。
月別の初入館者とリピーターの割合を見る
と、秋期は初入館者の割合が高くなっていまし
た ( 図 1)。例年、年間の中でも新緑シーズン (5、
6 月 )、夏休み (7、8 月 )、紅葉シーズン (11 月 )
は初入館者が増える傾向があり、2009 年度は特
に紅葉シーズンの秋期に初入館者が多くなって
いました。これは、マスメディアに山のふるさ
と村が紹介されたことで知名度が上がったこと
と、9 月のシルバーウィークの影響があると予
想されます。
また、2008 年度は冬期の初来館者の割合が
50%未満であったのに対し、2009 年度はそれを
上回る結果となりました。
これは、2009 年度で 4 年目となる冬期ケビン
宿泊料金特別割引の周知のほか、積雪が多く、
奥多摩周遊道路一部 ( 山のふるさと村~都民の
森間 ) 閉鎖の影響で、ドライブ途中に山のふる
さと村へ降りてきた人が多かったことによると
考えられます。
100%
リピーター
90%
80%
41.7
38.7
41.3
51.4
61.3
58.7
6月
7月
8月
30.0
34.7
28.2
48.1
70%
38.1
初来館者
49.5
60%
50%
40%
30%
70.0
20%
65.3
71.8
51.9
61.9
50.5
10%
0%
9月
10月 11月 12月
1月
2月
図 1. 初来館者とリピーターの月別の割合 (n=2601)
2) 入館者の来所目的
最も多い来所目的は、初入館者で「休憩」、リ リピーターの「VC 利用」の中では、昨年度と
ピーターで「VC( ビジターセンター ) 利用」であっ 同じく「VC プログラム」の目的が最も多いです。
た。「休憩」の中でも、最も多かったのは特に目 今年度はジュニアレンジャーの登録数が大きく
的のない「立ち寄り」であった。前述したように、 増 加 し て お り( 登 録 数:2008 年 度 93 人、2009
今年度は積雪が多く、奥多摩周遊道路一部閉鎖 年度 196 人)、その子どもたちがプログラムに積
(山ふる~都民の森)のため特に目的を持たず、 極的に参加したためだとが考えられました。ま
山のふるさと村に立ち寄る人が多かったため、 た、この聞き取り調査をビジターセンター館内
その影響も少なからずあったと考えられます。 でのみ行っていることもひとつの要因だと考え
られます。
リピーター(n=436)
初入館者(n=690)
園地利用
31%
休憩
43%
休憩
18%
園地利用
29%
VC
vc
vc
VC
11%
11%
CSC
11%
38%
38%
クラフト
4%
CSC
10%
クラフト
5%
図 2. 初入館者とリピーターの来所目的 ( 複数回答あり)
(n=690)
*クラフト = クラフトセンター、CSC= キャンプ場サービスセンター、VC= ビジターセンター
3) 今後の課題
来園者調査は、入館者に質問をする聞き取り
式の他に、入館者が自発的に記入するアンケー
ト式もあります。しかし、今年度、後者の回答
数は非常に少ないものでした。そのため、正確
な分析ができませんでした。今後はより正確な
調査結果を目指し、初入館者とリピーターの双
方が記入しやすいアンケート形式や内容、設置
場所を検討していく必要があります。
また、聞き取り式でも、山のふるさと村にとっ
て、より必要な情報を明らかにするため、質問
項目をさらに整理することと、調査に偏りを出
さないために、調査方法を検討していくことが
必要です。
−3−
山ふる解説員通信 No.68 4. 冬期の活動結果報告
解説業務報告
2009 年度はガイドウォーク以外のプログラ
ム対応数が、例年に比べ増加しました。特にミ
ニトークが大きく増加する結果となりました。
2009 年度は例年に比べ気温の低い日が多く、入
園者が暖を求めてビジターセンターに滞在する
ことが多くありました。そのため、来園者とイ
ンタープリターが接する機会が増え、ミニトー
クが成立しやすかったことが考えられます。
また、2008 年に比べ、解説総数と解説対応
数が増加していました。今年度は重点取り組み
事項として「来園者調査」に力をいれていたた
め、入館者に声を掛ける意識が強かったのでは
ないかと思われます。その影響もあり、プログ
ラムの解説数が全体的に増加したと考えられま
す。
表 -1 自然体験プログラムの参加人数 ( 団体対応含む )
入園者
入館者
プログラム
展示解説
スライドショー
ガイドウォーク
ちびっこあ~と
ミニトーク
Jr. レンジャー特別活動
ミニスライドショー
セルフガイド
キャンパーズプログラム
解説総数
(入園者に対する割合・入館者に対する割合)
2007 年度
10184
6367
回数
参加人数
4535
29
197
20
118
22
99
60
172
12
13
1
1
10
95
154
5230
(51.4% ・ 82.1% )
2008 年度
12527
9356
回数
参加人数
5384
20
81
37
337
25
134
61
266
11
15
10
20
12
101
176
6338
(50.6% ・ 67.7%)
2009 年度
(人)
13206
(人)
10027
回数
参加人数
6827
47
291
28
143
119
489
19
21
28
156
5
15
17
148
263
8090
(61.3% ・ 80.7%)
キャンパーズプログラムの成果
早朝の寒さが厳しい冬期は、ナイトプログラ
ムのみの実施となります。2008 年に続き、2009
年度も実施回数、参加者数ともに増加という結
果を残すことができました。その要因として大
きいのが、今年度で 4 年目となる「ケビンサイ
ト冬期半額制度」です。冬期の奥多摩は都内に
比べて冷え込むため、例年宿泊者が少ない状況
でしたが、この半額制度の導入により宿泊者数
は年々増加しています。今年度は、冬の間に何
度も宿泊する人々も見られました。宿泊者数の
増加に合わせ、ナイトプログラムの参加者数も
増加したのだと思われます。宿泊者数に対する
プログラム参加者数の割合が増加したことにつ
いては、初参加者への案内を丁寧に行ったこと
によると思われます。来園者の少ない時期だか
らこそ日中に初来園者に対して時間をかけて対
応することができ、それがビジターセンターの
プログラムへの期待と信頼を得ることにつなが
り、結果、ナイトプログラムへの参加に結びつ
いたと思われます。
表 -2 冬期のキャンパーズプログラムの対応者数
表 -3 過去 3 年間の冬期のキャンパーズプログラム対応者数
ナイトプログラム
参加者数合計
実施回数 参加者数 (宿泊者数に対する
(回)
(人)
対応者数の割合)
12 月
1月
2月
3月
3
5
3
4
30
39
34
17
ナイトプログラム
参加者数合計
実施回数 参加者数 (宿泊者数に対する
(回)
(人)
対応者数の割合)
30(10.7%)
39(11.7%)
34(15.7%)
17(4.0%)
−4−
2007 年度
10
80
80(5.7%)
2008 年度
12
100
100(7.0%)
2009 年度
15
120
120(9.5% )
山ふる解説員通信 No.68
パートナーシップ活動の報告
「子どもパークレンジャーキャンプ」
実施日:2 月 20 日(土)〜 21 日(日)1 泊 2 日ケビンサイト泊
参加者:18 名 担当:原島・安田
山のふるさと村ビジターセンター業務の担当
をしている自然教育研究センターが受託した
「環境省秩父多摩甲斐国立公園子どもパークレ
ンジャー事業」が山のふるさと村で実施されま
した。
行事の形態はケビンサイトを利用した 1 泊 2
日の宿泊型で、フィールドは山のふるさと村に
限定しました。環境省レンジャーには講師的に
関わってもらい、ビジターセンターの解説員は
自然体験プログラムの実施と運営に関わる諸々
の業務を担当しました。
活動内容としては、環境省レンジャーの仕事
体験として、園内のパトロールやレンジャー業
務のレクチャー、秩父多摩甲斐国立公園のスラ
イドショーなどを行いました。2 日目には、行
事のまとめとして、参加者自身が考える山のふ
るさと村の見どころや適切な過ごし方(マナー)
を葉っぱ型ワークシートに記入し、「森からの
メッセージ」として展示化しました。自然体験
やレンジャーのレクチャーが元となったメッ
セージには具体的な理由や注意喚起が明確に自
分の言葉で表現されていたのが印象的でした。
また、保護者からのアンケートを見ても、参加
前と比べて自然に対する意識が変化したという
意見が目立ちました。中には、保護者や友
人に自分たちが作った展示を見せ、メッセー
ジを伝えるために再度来館した参加者の姿
も見られました。
次回実施の際には、環境省レンジャーが、
普段どのような視点で自然を見ているのか
伝えてもらうことで、参加者の意識が、よ
り高まるようにしたいと思います。
※「カントリーコード」とは、利用に当たって
のマナー向上を目指して策定されたルール集で
す。
展示「森からのメッセージ」作成の様子。
「小正月行事」
実施日:1 月 10 日(日) 日帰り・クラフトセンター自然食教室内で実施
担当:村田
山のふるさと村主催行事「小正月行事」は、
奥多摩町の職員が内容を企画し、小正月飾りの
「メエダマ(繭玉)」や「オッカド(門棒)」作
りの講師を行う冬の恒例行事です。ビジターセ
ンターでは、行事の進行や奥多摩流小正月の解
説を任され、毎年協力しています。事前準備と
して、各体験にかかる所要時間や体験から伝え
たいメッセージを講師のスタッフと打合せを
し、共有することに努めました。今年は参加者
の半数がリピーターということもあり、当日は
スムーズにプログラムが進行できました。ス
タッフ間の情報共有により、参加者の小正月行
事に対する意識や山ふるへの関心を高められ、 メエダマ(繭玉)の飾り付けの様子。今年は小判も飾った。
「また来たい」とのコメントも寄せられました。
−5−
山ふる解説員通信 No.68 冬期の展示
■展示報告「レンジャーデスク」
「インタープリターの仕事や役割を理解し、
興味をもつ」をねらいとし、冬期の自然体験プ
ログラムと連動する形で、2008 年より継続し
て行っている展示です。
2009 年度は例年実施していた、レンジャー
が仕事をするテーブルの他に「Jr. レンジャー
デスク」を設置しました。これは、ビジターセ
ンターで登録している Jr. レンジャーが自分た
ちの発見を自由に研究、調査する事ができるス
ペースです。また、机上に「Jr. レンジャーノー
ト」を設置し、山のふるさと村での活動を記入
できるようにしました。
冬期は例年、リピーターや Jr. レンジャーの
来所が増える時期です。自分たちの活動が記録
でき、他の Jr. レンジャーの様子も楽しめるの
が嬉しいと参加者から好評の声も寄せられまし
た。また、インタープリターの活動だけでなく、
Jr. レンジャーとのやり取りや活動を知る事が
できるため、Jr. レンジャープログラムに参加
していない来訪者がノートを眺めていく様子も
目立ちました。
写真向かって左側が「Jr. レンジャーデスク」。
壁には Jr. レンジャーの説明や Jr. レンジャーが
見つけてきたもの、Jr. レンジャーとして自然
に対して行っていることなどが書かれている。
Jr. レンジャーに登録するともらえる自分専用
のカード。プログラムに参加しスタンプを集め、
ステップをクリアするとワッペンがもらえる。
Jr. レンジャーのみんなが園内で体験したこと
や今日の発見を「Jr. レンジャーノート」に書
きとめてくれている。
Jr. レンジャーノートのいちページ。
−6−
山ふる解説員通信 No.68
団体対応の報告
大型団体の入った 2008 年度に比べると対応
数は減少していますが、過去7年間で見ると大
方平均的な結果となりました(表‐4)。しかし、
解説員通信 No.66 号において目標として設定し
た冬期対応数【無料プログラム 5 回 100 人、有
料プログラム 7 回 100 人】の達成には及びませ
んでした。今年度は、3 年前より実施されてい
る「山のふるさと村宿泊施設の冬期半額」の効
果で、団体による冬期の宿泊利用が増えている
傾向にあります。そのような中で団体対応数を
増加させることができなかった原因は、「広報
の不十分」だと考えられます。
団体対応についての広報は当ホームページで
紹介しているのみで、他は解説員の声掛けやリ
ピーターの口コミに頼っています(表‐4)。
昨今ではホームページを閲覧してから来園す
る方が多いものの、団体対応のページを見てい
なかったり、仕組みを理解していなかったりし
ます。そこで、今後の広報の方法を次のように
しました。
・ビジュアルを重視した基本情報のわかるチラ
シを作成し配布(山ふるパンフ郵送時に同封
し広める )
・団体利用の手引きの更新(具体例を多く紹介
する)
・館内で展示的に紹介
・クラフトセンターやキャンプ場を目的に来園
した団体向けに次回のための案内を掲示。
上記を早急に検討、実施していき、来年度は
今年度に上回る成果を残したいと思います。
表 -4 冬期の団体対応数 無料プログラム
実施回数 参加者数
2009 年度
2008 年度
2007 年度
2006 年度
2005 年度
2004 年度
2003 年度
平均
(回)
3
1
0
2
3
2
4
2.1
(人)
39
19
0
20
79
41
87
40.7
有料プログラム
実施回数 参加者数
(回)
3
7
3
8
2
6
4
4.7
(人)
59
163
87
103
30
76
79
85.3
合 計
実施回数 参加者数
(回)
6
8
3
10
5
8
8
6.9
(人)
98
182
87
123
109
117
166
126
表 -5 冬期の対応団体一覧
プログラム
無料プログラム
有料
ミニトーク
スライドショー
ガイドウォーク
ガイドウォーク
出張プログラム
利用の
団体名
国際自然環境アウトドア専門学校
国際自然環境アウトドア専門学校
国際自然環境アウトドア専門学校
国際自然環境アウトドア専門学校
栃久保保健推進委員
相模原町田コンソーシアム
合 計
きっかけ
リピーター
リピーター
リピーター
リピーター
口コミ
リピーター
実施回数 参加者数
( 回)
1
1
1
1
1
1
6
( 人)
13
13
13
13
13
33
98
実施日
1 月 12 日
1 月 13 日
1 月 12 日
1 月 13 日
1 月 29 日
3 月 13 日
冬まつりの報告
2010 年 2 月 14 日(日)と 21 日 ( 日 ) に行い
ました。冬まつり本番 2 日前の 12 日は、降雪
の影響で、奥多摩周遊道路が全面閉鎖し、それ
に伴い山のふるさと村も閉園となったため、2
日後の冬まつり開催が危ぶまれました。しかし、
当日は晴天に恵まれ、川野ゲートから山のふる
さと村までは道路が開通し、無事に冬まつりを
開催することができました。21 日は、あいにく
の曇り空でしたが、無事に開催することができ
ました。
今年の冬まつりでは、クラフトセンターにて、
だんご汁と焼き芋の配布を行いました。寒い中、
足を運んだ来訪者は、温かいだんご汁と焼き芋
で暖をとりながら、冬の山のふるさと村を楽し
んでいたようでした。
ビジターセンターでは、来訪者への案内と園
内放送にて、冬まつりの進行をサポートしまし
た。
−7−
山ふる解説員通信 No.68 5. 解説員異動のお知らせ
春は出会いの季節でもありますが、別れの時期でもあります。2009 年度にて退職いた
しましたスタッフと、2010 度からやってきた新しいスタッフより、ご挨拶させていただ
きます。
また会う日まで…。>>田畑伊織(いおり)
新しい年度が始まりました。今年度は山のふるさと村開園 20 周年、
秩父多摩甲斐国立公園制定 60 周年というひとつの節目の年度となります。
私事ではありますが、3 月 31 日をもって自然教育研究センターを退社す
ることになり、それに伴い山のふるさと村ビジターセンター自然解説員とし
ての勤務も終えることとなりました。
10 代最後の年に初めて訪れた「山のふるさと村」、大学在学時にシーズナ
ルレンジャーとしてこの場で活動を始め、今までいろいろなことを体験させ
ていただきました。明るかったキャンプ場は成長した木々に囲まれ、落ち着
いた雰囲気のキャンプ場になりました。みんなで泳いで魚をとったサイグチ
沢の大きな淵はすっかり土砂に埋まってしまい、湖畔の風景もずいぶん変わ
りました。
当初より掛け持ちの業務が多かったため、1 年を通して常にビジターセン
ターに常駐することはありませんでしたが、特にここ数年はビジターセン
ター勤務の機会が少なく、園内の生き物達やリピーターのご家族とも疎遠に
なってしまい、少し残念でした。かつて、一緒に山ふるで活動をしたジュニ
アレンジャー達が社会人となり、山ふるのスタッフとして一緒に働けるよう
になるのでは…と密かに期待していましたが、残念ながら叶いませんでした。
共にビジター センターで寝起き・食事をし、切磋琢磨して活動をしてきた
ビジターセンタースタッフやシーズナルレンジャー達は、全国の様々な施設・
組織団体で活躍しています。今後も何らかの形で、皆とかかわりが持てる活
動ができればと思っています。
また、ライフワークとして、奥多摩及び奥秩父の自然にはかかわり続けて
行くつもりです。
山のふるさと村ビジターセンターにもシーズナルレンジャーとして時々お
世話になることと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
さよなら、またね。>>安田満恵(やっちん) 2010 年 3 月をもちまして、山のふるさと村を去ることとなりました。
短い期間ではありましたが、大変多くの方々にお世話になりました。 今後、日本の自然環境教育の現場でまたお会いできるよう、精進して
いきたいと思います。言葉では言い尽くせない感謝の気持ちをこめまし
て、どうもありがとうございました。
−8−
山ふる解説員通信 No.68
北の国から >>坂田大輔(さかでぃ)
皆さま始めまして、4 月から山ふるスタッフの一員となりました坂田大輔
と申します。3 月までは札幌で大学院生をしておりました。と言っても、生
粋の北海道民ではなく、横浜や徳島など転々としておりました。
ここに来るまでは、特に動物の生態について勉強していました。学部生の
時には、観光客の集う五稜郭公園でせっせとブルーギルを捕獲する怪しい姿
を晒し、大学院では、ヒグマに怯えながら森の中に分け入ってテンの研究を
していました。一方で、大学院の時にインタープリターや科学コミュニケー
ターの活動を知り、この世界で人と自然を繋ぐ仕事がしたいという思いから
山ふるにやって来ました。まだまだ本当に新米で、山ふるの自然や歴史につ
いても分からない事だらけですが、来園者に楽しんで頂き、そして自分も楽 しむ為に精一杯頑張りますので、どうか宜しくお願い致します。
新人紅一点★>>高瀬優子(たかちゃん)
みなさまはじめまして。4 月より山のふるさと村のスタッフに加わりまし た高瀬優子です。どうぞ「たかちゃん」と呼んで下さい。
出身は海風と山風が吹き抜ける爽やかな港町、兵庫県の神戸です。
大学・大学院では生涯学習を専攻し、なかでも環境教育やエコツーリズムに
興味を持ち研究していました。前職では自然科学系の博物館で展示解説や
ワークショップの企画、実施といった来館者サービスに 4 年間携わってきました。
博物館という箱の中から飛び出して、実際に生きものが暮らし、刻一刻と移り
変わる自然環境を舞台にインタープリテーションをするのは新鮮で、学び多い
刺激的な毎日を送らせていただいています。
山ふるは元々集落があり人が暮らしていた場所。私には残念ながら祖父母が
暮らす田舎としての「ふるさと」はなかったのですが、自然の中で夢中に遊ん
だ記憶が詰まった「心のふるさと」として思い出せる場所はあります。
来てくださった方に山ふるで良い時間を過ごしていただけるよう、この場所
に込められた思いもお伝えできるように一歩ずつ歩を進めて行きたいと思いま
す。これからよろしくお願いいたします。
皆さまにお会いできる日を楽しみにしています!
花、好きです。>>加藤達也(たっちゃん) はじめまして ! この度山のふるさと村ビジターセンターでインタープリ
ターとしてお世話になります加藤達也と申します。生まれも育ちも東京都
の羽村市で西多摩の自然をこよなく愛する男子です。
以前は環境系の専門学校を卒業後、アウトドアメーカーでアルバイトを
していました。専門学校ではフィールドで活動するための基礎知識から動
植物の生態、調査方法などを学びました。その後販売員として働きながら
奥多摩を中心に頻繁に山登りをしていました。接客が好きで、人と密に自
然の中で接し合える仕事がしたいと以前から思っていたので今回インター
プリターとして働ける事をとても嬉しく思っています。
皆さんと山ふるで出会えることを楽しみにしています。お会いする時は
気軽に「たっちゃん!」と呼んで下さい。どうぞ宜しくお願い致します!
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山ふる解説員通信 No.68 6. 山ふるつながりコラム vol.5
山のふるさと村ビジターセンターでは、シーズナルレンジャーとしてインタープリター養成講
座(CES インタープリター・トレーニング・セミナー)の受講修了者を対象に実地研修の受け入
れを行っています。これまでビジターセンターで活動してきたシーズナルレンジャーは 300 人以
上。当コラムでは、現在、様々な場所で活動するシーズナルレンジャーと、山ふるとの間に生ま
れたつながりを紹介します。今回、第 5 回目は、虫と星には目がないナツコこと、佐藤菜津子さん!
1. 現在の活動 / OJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)とのつながり
私が所属するのは、神奈川県にある「財団法人藤沢市青少年協会」(現在は財団法人藤沢市みら
い創造財団 / 青少年事業部)です。他に類を見ないほど、子供達主体の様々な主催事業(恒例とし
ては夏のキャンプ、秋には地域を巻き込んでのお祭りやミニ運動会など)に力を入れているこの協
会が管理運営する、児童クラブ(学童施設)の指導員として活動しています。
学校が終わって児童クラブに直接「ただいま!」と来所する子供達を出迎え、勤務を終えた親御
さん達と彼らが共に帰宅するまでを一緒に過ごすのが、私たちの主な仕事です。そんな「平日の放
課後」を「好奇心を外に出し、体験し合う時間」として楽しく有効利用しよう!それが私の活動理
由であり、モットーです。
昨年の夏、児童クラブでは西丹沢近くの「山北集落」まで自然体験キャンプに出かけました。し
かし、自然に不慣れな子供達が大多数。そんな時、引率側に必要とされるのは周辺地域の自然情報
やリスクマネジメントなど、適切な判断力と指導力です。そして、何よりも彼らの「怖い、不安」
を取り除き、「もっと知りたい」を生み出す事が大切です。
山ふるに足繁く通い、「また、ナツコかい!」とスタッフに笑顔でつっ込まれながらも、OJT
やキャンプスタッフなどでプログラムを実践し続け、フィードバックをもらったり、スタッフへ質
問責めをしたりしながら(笑)培われた経験が、今そのまま活かせています。今ではクラブでも「(虫)
博士」の異名を獲得。子どもたちは、何かを見つけるたびに私を呼んだり、教えた事を代わりに大
得意で他の子に教えたりしていて、その姿を見て私は横で思わずニヤリ。「相手の気持ち」を受け
入れながら寄り添う時、子供達もインタープリターと化します。
小さな頃から生き物が大好きな気持ちを密かに持ち続け、
4 年前のITSを受講後、速攻でOJT / 実地研修を積み始
めてから、本当に人の数だけ存在する「面白い」
「楽しい」
「好
き」に気付く瞬間が、何よりも楽しいです。その場ならでは
の感じ方、日常に戻って活かせるもの、参加者や仲間達とシェ
アする「インタープリターの醍醐味」が、日々更新を続ける
一方で、「身近な疑問や試みを単発で終わらせる事は、やむ
を得ない。仕方ないし、当たり前。」も、併せて痛感します。
子どもたちが好奇心を常に外に出せなくとも、その気持ち
を大事にし続けて欲しいから「発見や喜びを共感し合える私
と一緒にいる時を、少しでも活かしてほしい。」一期一会の
ように、そう思っています。
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山ふる解説員通信 No.68
2.これから OJT を受ける皆さんへ ~山ふるの活用術~
●後悔できるって素敵なこと。「不安」は好奇心への前触れ。
私は新しい事を始める時、まずインスピレーション「興味が湧く自分を信じる事」を大事にし
ています。経験や仲間を大事にしていれば、知識は自然と身に付いてくると信じています。とは
いえ、何かを始める前は「知らない=心配、不安」の気持ちが現れます。
インタープリターにも常に付いて回るのが、この気持ち。実際、来訪者を相手に実践して、スタッ
フと共に生活する…そんなOJTへの不安を抱えた私を変えたのは、この気づきでした。
「インタープリターには、まず、自然よりも“人”を好きな気持ちが大事なんだ」
これは、今も私の原動力になっています。
何より、貴重な自分の時間の中なのですから、まずは勿体ぶらず、笑顔と好奇心で“見方”と“味
方”を増やして下さい!
● Don’t be afraid, do it first anyway!(恐れるな!まずやってみよう!)
以下はむしろ「山ふるでのOJT体験を活かしたい方へ」かもしれませんが、その場を信じて
実行する判断力も、実力のうち。
「スタッフからオファーを頂いたのですが、まだ知識や経験も不十分だし…」
という話も時々伺います。最初は皆経験ゼロと知りつつ、不安や心配も凄く解るので「仕事仲間
になるスタッフの方々を、ご自身がまず信頼できるか」が大事だと思います。少なくとも私はい
つも「依頼されたからには、信頼し合える力も自分の実力」。OJTで得た「学び」に自信を持って、
そう答えています。
恐れないで、まずやってみよう!
●ナツコ=佐藤菜津子
群馬生まれの神奈川育ち。虫と星と恐竜好き。第 32 回ITS受講。
山のふるさと村シーズナルレンジャーとして活動し、約 1 年間、岩
手県は葛巻を拠点とするNPO法人「岩手子ども環境研究所~森と
風のがっこう」にて、自然エネルギーに肖った生活や、自然がっこ
うの運営や事業企画を学ぶ。神奈川へ戻った後、再び山ふるでのS
R活動や(財)藤沢市青少年協会に所属、非常勤指導員を勤める。
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山ふる解説員通信 No.68 日本インタープリテーション協会 小林 毅(2010 年 3 月)
インタープリターの視点 56
環境教育プログラムとセラピープログラムとの接点
10 年ほど前から、森林療法や森林セラピーという形での新しい森林(自然)との親しみ方が生まれている。これらを環境教育プロ
グラムと比較してみると、次のような違いがあげられるだろう。
①教育的な視点ではなく、健康維持やリフレッシュ、治療といった目的を持っている
②環境教育という呼びかけでは参加してこない層の参加がみられる
③どのようなプログラムが効果的か、蓄積がまだあまりない
環境教育プログラムを実践している人たちは、自然体験によって参加者がリフレッシュやリラックスすることを経験的に知っている。
このことから、環境教育プログラムの内容や手法はセラピープログラムに応用できることが容易に想像できる。
また、
「環境教育」
「野外教育」という名称は硬いイメージがあり、
「自然体験活動」や「アウトドア活動」
(あるいは分野が少々異なるが「エ
コツアー」)という呼びかけ方をしてきたものの、参加者層と数にはまだまだ偏りと限界がある。健康維持やリフレッシュのために森
(自然)の中で過ごそう、という呼びかけは、これまでに野外での活動に関心が薄かった人たちに、楽しい自然体験をしてもらう十分
な動機づけになるだろう。
私が 2009 年度に勤めていた森林文化アカデミーの学生が表題のような課題研究を行った。研究を進めていくにつれ、環境教育プログ
ラムをセラピープログラムに応用することの意義を強く感じるようになっていった。研究では、療法やセラピーという用語に対して「プ
レセラピー=治療以前の、健康を自ら管理して自ら維持していけることに貢献する分野」、とう名称を用いることにした。位置づけの
イメージとしては以下のような模式図で示されるだろう。課題研究の中ではプログラム実施上の要点がまとめられたが、その中から、
いくつかを抜粋して紹介しよう。
環境教育プログラムの中に含まれているプレセラピー的な要素を
プレセラピーの位置づけ
拾い出してみると、以下のような「大切にしたいポイント」が浮か
び上がってきた。
プレセラピー
Ⅰ.プレセラピープログラムでは、参加者に気づいて欲しいこと(指
導者が焦点を当てたいこと)として、以下の4つのポイントがある
治療
環境教育
(環境教育との相違点でもある)。
①「心地良いこと(気持ちが良い、リラックスできる)」というのは、
参加者にとってどういう心身状態なのか、参加者自らに気づい
てもらうようにする。
森林療法・セラピー
②どのような場所・活動が参加者にとって心地良いのかを、参加
者自身に知ってもらうようにする。
③自らがどのような感覚を使った時に、またどのような状態の時に心地良くなるのか、参加者自身に気づいてもらうようにする。
④活動をしている最中に、状態の変化(①~③が起こる状態)について、参加者が意識できるようにする。
Ⅱ.Ⅰを達成するために、プログラムの流れの中で大切にしたいポイント(4つ)。
①環境教育とは別のねらいを、具体的に設定する必要がある(どのような状態になることを目指すか)。
②導入(つかみ)において、ねらいを伝えるか伝えないかは、参加者の参加動機に合わせる。
③本体で行う活動は環境教育の場合とさほど変わらなくてもよいが、ねらいに合わせて展開し、反応を受け止めるなど、参加者
の気持ちの動きに沿うことが重要である。
④まとめ(ふりかえり/わかちあいを含む)では、ねらいを達成することに焦点をあてる。
今後、プレセラピープログラムを蓄積し普及していくこと、プログラムを実践できる人材を育成していくことは、社会的に重要な役
割を担うのではないか、と期待している。
発行:東京都立奥多摩湖畔公園 山のふるさと村ビジターセンター
〒 198-0225 東京都西多摩郡奥多摩町川野 1740
TEL:0428-86-2551 FAX:0428-86-2316
E-mail:[email protected] URL:http://www.yamafuru.com
企画・編集:自然教育研究センター 2010 年 5 月発行
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<編集後記>
久しぶりに山ふるへ来ると、驚くほど自然の動きが
進んでいます。出たばかりで小指の先くらいだったコ
ナラの新芽も、1 週間後には中指サイズ。思わず「大
きなったなぁ」と言ってしまいます。春の自然の成長
を見る目はまるで親戚のおじさん気分です。
(村田)
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