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資 料 編

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資 料 編
資
料
編
1
目
次
1.山口県における周南コンビナートの位置付け
図表1-1
県内主要市の人口
図表1-2
県内主要市の製造品出荷額
図表1-3
県内主要市の製造業従業者数
図表1-4
県内主要市別1事業所当たりの製造品出荷額
図表1-5
県内主要市の財政規模
図表1-6
県内主要市における法人住民税
図表1-7
県税事務所別法人県民税
図表1-8
県税事務所別法人事業税
図表1-9
法人事業税と法人県民税の地域別割合
図表1-10
1
2
3
4
県内主要市の産業別製造品出荷額
5
図表1-11 周南コンビナート地域の主要企業とその事業内容
6
図表1-12 周南コンビナート地域の立地企業の研究所・研究内容
7
図表1-13 近隣地域の主要企業とその事業内容
8
2.周南コンビナートの現状
図表2-1
周南市における工業集積の業種別出荷額
図表2-2
各コンビナートの製造品出荷額の比較
図表2-3
各コンビナートの産業中分類別製造品出荷額
図表2-4
エチレンセンターの生産能力
資料2-1
周南コンビナートが生み出す基礎素材
11
12
資料2-2 周南コンビナートが生み出す製品群
13
図表2-5
周南コンビナート企業群の主要製品
14
図表2-6
全国の主要コンビナートの自家発電量
15
図表2-7
副生水素供給可能量(全国と山口県の対比)
資料2-3
周南における環境コンビナート特区と環境事業への取組
図表2-8
都道府県別にみた二酸化炭素排出量
図表2-9
徳山下松港における輸出入・移出入の状況
16
17
図表2-10
主要コンビナートに近接する港湾施設の貿易量の比較
19
図表2-11
県内港湾の全体取扱量
20
図表2-12
県内港湾の全体貨物量に対するバルク貨物の割合
図表2-13
西日本における徳山下松港の位置付け
資料2-4
徳山下松港に寄港するコンテナ航路
図表2-14
港湾施設の整備状況
図表2-15
高速道路からのアクセス状況
21
23
1
3.周南コンビナートを取り巻く環境の変化
図表3-1
世界の経済成長に関する長期展望~OECDの予測~
24
図表3-2
エチレン系誘導品の需給状況の動向と予測
図表3-3
アジア各国のエチレン生産能力・生産量・輸出入量
図表3-4
エチレン生産能力の推移
図表3-5
世界の主要化学会社のエチレン生産能力
図表3-6
アジアにおける大型コンビナートの概要
図表3-7
アジアにおける大型コンビナートの特色
27
資料3-1
中国の唐山コンビナート~曹妃甸工業区~
28
図表3-8
主要なアジア・中東の国別にみた新設・増設の動向
29
図表3-9
日本における主な新増設計画
30
25
26
図表3-10
日本のエチレン生産量の推移と展望
31
図表3-11
エチレン生産量とその内需及び輸出の動向
32
資料3-2
RINGⅠ、RINGⅡ、RINGⅢ
資料3-3
三島川之江港の事例
33
資料3-4
多目的国際ターミナルの整備事例
34
資料3-5
全国のリサイクルポートの特徴
35
資料3-6
リサイクルポートと環境産業の展開イメージ例
36
4.周南コンビナートの将来のあるべき姿と基本戦略
図表4-1
半導体及びFPDに係る中国地域の主要企業
37
図表4-2
中国地域に立地する主なFPD関連企業
資料4-1
化学製品を素材としているFPD産業とシェア
38
図表4-3
わが国における自動車産業の分布
39
資料4-2
水素利用に関する北九州市の事例
40
資料4-3
周南市の廃プラスチックのセメント原燃料化リサイクルの事例
5.アンケート調査及びヒアリング調査の結果
41
6.海水淡水化の可能性とコストについて
56
2
1.山口県における周南コンビナートの位置付け
図表1-1
(人)
350,000
県内主要市の人口
国勢調査・人口
1995
2000
2005
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
岩国市
光市
下松市
周南市
防府市
山口市
宇部市
山陽
下関市
小野田市
出所:国勢調査(総務省 統計局)各年版
※ここで示したデータは現在までの市町村合併の状況を反映したも
のとなっている。以下の産業データ等も同様。
図表1-2
県内主要市の製造品出荷額
製造品出荷額(従業員4人以上)
(100万円)
1,600,000
1995
2000
2005
1,400,000
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
0
岩国市
光市
下松市
周南市
出所:工業統計調査
山口県
防府市
山口市
宇部市
山陽
下関市
小野田市
都道府県市区町村編(経済産業省)各年版
平成 17 年工業統計調査
1
結果速報
図表1-3
県内主要市の製造業従業者数
製造業従業者数(従業員4人以上)
(人)
25,000
1995
2000
2005
20,000
15,000
10,000
5,000
0
岩国市
光市
下松市
周南市
防府市
山口市
宇部市
山陽
下関市
小野田市
出所:同上
図表1-4
県内主要市別 1 事業所当たりの製造品出荷額
1事業所当たりの製造品出荷額(従業員4人以上)
(百万円)
1995
2000
2005
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
岩国市
光市
下松市
周南市
防府市
山口市
宇部市
山陽
下関市
小野田市
出所:同上
図表1-5
(千円)
140,000,000
県内主要市の財政規模(平成 17 年度)
平成17年度普通会計決算・歳出総額(決算見込み額)
単位:千円
120,000,000
100,000,000
80,000,000
60,000,000
40,000,000
20,000,000
0
岩国市
光市
下松市
周南市
防府市
山口市
宇部市
山陽
下関市
小野田市
出所:山口県 平成 17 年度市町村普通会計決算状況
2
図表1-6
県内主要市における法人住民税(平成 17 年度)
市町村民税内法人税(平成17年度徴収額)
(千円)
5,000,000
4,500,000
4,000,000
法人税割
均等割
3,500,000
3,000,000
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
岩国市
光市
下松市
周南市
防府市
山口市
宇部市
山陽
下関市
小野田市
出所:平成 17 年度山口県各市町村の市町村民税に関する資料
図表1-7
県税事務所別法人県民税(平成 17 年度)
県民税内法人分(平成17年度決算による収入額) 単位:千円
(千円)
3,500,000
3,000,000
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
岩国
柳井
周南
防府
※地名は県税事務所の名称
山口
宇部
下関
萩
出所:山口県税務統計(平成 18 年 10 月)
3
図表1-8
県税事務所別法人事業税(平成 17 年度)
法人事業税 単位:千円
(千円)
18,000,000
16,000,000
14,000,000
12,000,000
10,000,000
8,000,000
6,000,000
4,000,000
2,000,000
0
岩国
柳井
周南
防府
山口
宇部
下関
萩
出所:同上
図表1-9 法人事業税と県民法人税の地域別割合(平成 17 年度)
岩国
柳井
周南
防府
山口
宇部
下関
萩
県民税(法人)
県民税(法人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
出所:山口県税務統計(平成 18 年 10 月)
4
図表1-10
県内主要市の産業別製造品出荷額
製造品出荷額等の上位5業種 (2004年) 単位:100万円
輸送用
機械
石油
石炭
鉄鋼
一般
機械
1,493,625
1,026,931
881,435
581,738
247,223
95,142
18,823
化学
山口県全体
岩国市
光市
下松市
周南市
防府市
2,274
24,474
10,568
10,734
12,495
209,964
3,376
45,844
117,077
41,998
644,300
70,279
食料品
345,358
149,763
山陽小野田市
下関市
97,117
電子
部品
木材
印刷
20,918
50,420
38,003
39,673
82,124
プラス
チック
パルプ
6,773
40,814
40,266
37,829
16,292
28,402
8,590
35,912
6,678
88,391
4,702
79,610
9,626
31,695
出所:工業統計調査
解説:製造品出荷額(経済産業省
ゴム
製品
11,212
14,600
244,468
非鉄
金属
16,518
山口市
宇部市
金属
製品
71,669
2,543
23,157
782,613
窯業
66,883
46,780
都道府県市区町村編(経済産業省)
2004 年工業統計)によると、周南コンビナート地域
の基幹的産業は「化学工業」であり約 6,400 億円、次いで石油精製を中心とした
「石油・石炭工業」約 3,500 億円、鉄鋼約 1,500 億円であり、県内の他の産業集
積地と比べて化学工業地域として際立った特徴を有している。
5
図表1-11
企業名
業種
周南コンビナート地域の主要企業とその事業内容
事業所名
所在地
本社
全社的な事業内容
周南地区事業内容
東ソー(株)
化学
南陽事業所
周南市開成町
東京都
化学品、セメント、オレ 石油化学・基礎原料
フィン、ポリマー、有機
化成品、バイオサイエン
ス、機能材料、電子材料
(株)トクヤマ
化学
徳山製造所
周南市御影町
東京都
南陽工場
周南市
化学製品、土木・建築用 ソーダ灰・苛性ソー
ダ・無機化学品
資材、高分子化合物、
ファインセラミックス、
医農薬原体および中間
体、医療用具、電子機
器 電子部品
セメント
東工場
周南市
多結晶シリコン・有機
化学品
日本ゼオン(株)
化学
徳山工場
周南市那智町
東京都
保土ヶ谷化学工業(株)
化学
南陽工場
周南市福川南町 川崎市
南陽分工場
周南市開成町
エラストマー素材、高機 ゴム・ラテックス
能材料
機能性樹脂、精密化学
品、基礎化学品
PTG製造、中間体製造
無水クロム酸、酸化ク
ロム、重クロム酸ナト
リウム、クロメック
ス、ネオクロム、レ
ザーメイト、硝酸バリ
ウム、水酸化バリウ
ム、中性無水芒硝
日本化学工業(株)
化学
徳山工場
周南市晴海町
東京都
燐製品、珪酸塩、バリウ
ム塩、クロム塩の無機化
学品、電子材料、有機化
学品、農薬
日本ポリウレタン工業
(株)
化学
南陽工場
周南市開成町
東京都
TDI、MDI、HDI、ポリエ
ステル
徳山積水工業
化学
周南市
山口県
出光興産(株)
石油
周南市新宮町
東京都
徳山製油所
徳山工場
石油精製並びに油脂、石 LPG、ナフサ、ガソ
油化学製品、農業薬品、 リン、灯軽油
農業用資材並びに化学薬
品、電子機能材料、各種
化学工業用及び環境保全
用機械設備・機器
エチレン、キシレン、
スチレンモノマー
日本精鑞(株)
石油
徳山工場・
開発研究セ
ンター
周南市大字大島 東京都
石蝋、石油およびその副 石油精製
製品、医薬品、医薬部外
品、農業薬品、化学薬品
日新製鋼(株)
鉄鋼
周南製鋼所
周南市野村南町 東京都
表面処理製品 、ステン ステンレス鋼熱延鋼
レス製品、普通鋼・特殊 帯・鋼板、ステンレス
鋼製品
鋼冷延鋼帯・鋼板
信越ポリマー㈱
プラス
チック
南陽工場
周南市開成町
東京都
塩化ビニル樹脂、シリ
建設資材
コーンゴム、電気・電子
機器、半導体関連製品、
建設関連
帝人ファイバー(株)
化学
徳山事業所
周南市由加町
大阪市
ポリエステル繊維、高機 ポリエステル繊維
能繊維、フィルム、樹
脂、医薬品、医療品
出所:各種資料より日本総合研究所作成
6
図表1-12
企業名
研究所名
周南コンビナート地域の立地企業の研究所・研究内容
所在
無機製品分野、有機化成品分野における基礎および応用研
究ならびに、クロロプレインゴムを中心とした特殊ゴムの研究
開発
南陽研究所
東ソー㈱
周南市
南陽技術セン
ター
製造プロセスの技術開発およびプラントのプロセス設計、エン
ジニアリング
徳山総合研究所
膜分離プロセス、プロセス触媒、有機化成品、無機化成品、
多結晶シリコン、窒化アルミニウム、複合材料、フィルム、セメ
ント、コンクリート
㈱トクヤマ
周南市
RC研究所
日本ポリウレタン 南陽工場研究開
工業㈱
発部
日本精鑞㈱
帝人ファイバー㈱
研究内容
研究開発セン
ター
参考
中央研究所とその所在
東京研究所
(神奈川県綾瀬市)
つくば研究所
(茨城県つくば市)
分析化学、環境分析、化学品安定性評価、超微量分析
総合技術研究所
(神奈川県横浜市)
周南市
(周南市に研究開発部を設置)
周南市
ワックス系新素材の開発、新規エマルジョンの開発、新規配合
(研究所は周南のみ)
品の開発
周南市
(周南市には研究機能はない)
原料技術研究所
(愛媛県松山市)
出所:各種資料より日本総合研究所作成
7
図表1-13
企業名
業種
事業所名
近隣地域の主要企業とその事業内容
所在地
本社
全社的な事業内容
県内事業所の事業内
容
新日本石油精製 石油
(株)
麻里布製油所
玖珂郡和木町和木
東京都
石油製品
三井化学(株)
岩国大竹工場
玖珂郡和木町和木
東京都
機能化学品
石油化学製品
機能樹脂
基礎化学品
機能樹脂、機能化学品等 基礎化学品
デルタ工業(株) 輸送用機器 由宇工場
岩国市日の出町
広島県
自動車用シート、スライ
ドアジャスター、リクラ
イニングアジャスター、
シフトチェンジ、サンバ
イザー、アシュトレー、
ドアチェッカー ほか
帝人(株)
岩国事業所
岩国市日の出町
大阪市
ポリエステル繊維、高機 高機能繊維
能繊維、フィルム、樹
脂、医薬品、医療品
岩国製造所・
製薬技術研究所
岩国市日の出町
石油化学
化学
スライドアジャス
ター、リクライニン
グアジャスター、ア
シュトレイ
医薬品。医療品
東洋紡(株)
繊維
岩国機能材工場
岩国ポリマー工場
岩国機能膜向上
岩国市灘町
大阪府
各種繊維工業品、フィル 各種繊維製品、機能
ム及び高機能性樹脂
材、機能膜
生化学品、医用機材、弟
子材料
(株)シマヤ
食料品
第一工場、
第二工場、
第三工場
周南市新地町、
山口県周南市新田
山口県
風味調味料、醤油等各種 同左
調味料
カンロ(株)
食料品
ひかり工場
光市小周防高尾
東京都
キャンディ
武田薬品工業
(株)
化学
光工場
光市光井字武田
大阪市
医薬品、医薬部外品
新日本製鐵(株) 鉄鋼
鋼管事業部
光鋼管部
光市大字島田
東京都
製鉄、化学、非鉄金属
東洋鋼鈑(株)
鉄鋼
下松工場
下松市東豊井
東京都
ぶりき、薄板及び各種表
面処理鋼板
鋼板工業(株)
一般機械
電子材料工場
下松市西豊井
山口県
帯鋼、樹脂バンド、結束
システム、フィルム包装
(株)日立製作所 輸送用機器 日立笠戸
メカニクス㈱
下松市東豊井
山口県
鉄道車両、鉄道車両部
品、モノレール関連設
備、電子部品加工装置、
産業プラント、マテリア
ルハンドリング機械、設
備機械、ロジステイクスシ
ステム、自動制御システ
ム、エバーフラワー
協和醗酵工業㈱ 化学
防府市協和町
東京都
医薬品、食品、バイオケ アミノ酸等の製造
ミカル、化学品
デルタ工業(株) 輸送用機器 防府工場
防府市大字浜方
広島県
自動車用シート、スライ シート
ドアジャスター、リクラ
イニングアジャスター、
シフトチェンジ、サンバ
イザー、アシュトレー、
ドアチェッカー ほか
ブリヂストン
(株)
防府市浜方100
東京都
タイヤ、チューブ、自動 乗用車用ラジアルタ
イヤ、建設車両用タ
車関連部品、ウレタン
フォーム及びその関連用 イヤ
品、事務機器用精密部
品、工業用資材関連用
品、建築関連用品、土
木・海洋関連用品 、ゴル
フボール、ゴルフクラ
ブ、スポーツ用品、自転
車、自転車関連用品
ゴム製品
防府工場
防府工場
8
同左
鋼管、ステンレス
箔、チタン
企業名
全社的な事業内容
業種
事業所名
所在地
本社
フレーク樹脂工場
防府市新築地町
山口県
ゴム/樹脂ホース、工業用
ゴム製品、ライニング加
工
県内事業所の事業内
容
王子ゴム化成
(株)
ゴム製品
東海カーボン
(株)
窯業・土石 防府工場
防府市浜方
東京都
カーボンブラック・人造
黒鉛電極・ファインカー
ボン・摩擦材など各種炭
素製品
マツダ㈱
輸送用機器 防府工場
防府市大字西浦
広島県
西川化成㈱
輸送用機器 防府西浦工場
防府市大字西浦
広島県
四輪自動車、レシプロエ 自動車、部品
ンジン、ディーゼルエン
ジン、ロータリーエンジ
ン、自動車用自動/手動
変速機
自動車外装品(スポイ
ラー、エアロパーツ、バ
ンパーモジュール)、自動
車内装品(アシストグリッ
プ、ドアトリム、サンバ
イザー、インストルメン
トパネル)、その他自動車
内外装品
防府鶴浜工場
防府市大字浜方字鶴浜
防府中関工場
防府市大字浜方字大浜三
ノ枡
王子ゴム化成
(株)
ゴム製品
山口工場
山口市大字佐山字村山
山口県防府市 ゴム/樹脂ホース、工業用
ゴム製品、ライニング加
工
協和醗酵工業
(株)
化学
宇部工場
宇部市藤曲
東京都
医薬品、食品、バイオケ 医薬品
ミカル、化学品
宇部興産(株)
化学
宇部本社
宇部市大字小串
東京都
医薬、ナイロン樹脂、ナ 化学製品、セメン
イロン原料のカプロラク ト・建材・金属マグ
タム、工業薬品、合成ゴ ネシウム
ム、セメント、建材、機
械、アルミホイール
東京都
通信機器、コンピュー
タ、電気・電子部品、
ネットワークソリュー
ション
宇部研究所
宇部ケミカル工場
宇部セメント工場
西沖工場
宇部市大字西沖の山西沖
宇部アルミホイール工場 宇部市大字藤曲
沖の山コールセンター
日本電気(株)
電気・電子 山口日本電気(株)
宇部市大字小串字沖の山
宇部市東万倉神元
LCDドライバー、マイ
クロコンピュータ、
ASICなどの超 LSIの
製造
太平洋セメント 化学
(株)
小野田事務所
山陽小野田市大字小野田 東京都
セメント、資源、環境
(ゼロエミッション)、
不動産、建材、CE(セラ
ミックス・エレクトロニ
クス)
西部石油(株)
石油製品
山口製油所
山陽小野田市大字西沖
石油製品(石油精製)
原油処理
(西日本有数の原油
貯油タンク)
田辺製薬(株)
医薬品
山口田辺製薬(株)
山陽小野田市大字小野田 大阪府
医用用医薬品
医薬品等
(株)神戸製鋼所 製鉄・金属 長府製造所
下関市長府港町
東京都
兵庫県
鉄鋼、アルミ・銅、機
械、建設機械
電力卸
アルミ・銅製品
三菱重工業(株) 機械
下関市彦島江の浦町
東京都
船舶、鉄構、原動機、プ 船舶
ラント、航空・宇宙関
連、産業用機械、一般機
械など
タイヤ、チューブ、自動 超大型・大型建設車
車関連部品、ウレタン
両用タイヤ
フォーム及びその関連用
品、事務機器用精密部
品、工業用資材関連用
品、建築関連用品、土
木・海洋関連用品 、ゴル
フボール、ゴルフクラ
ブ、スポーツ用品、自転
車、自転車関連用品
下関造船所
東京都
下関市東大和町
ブリヂストン
(株)
ゴム製品
大和町工場
下関工場
下関市長府港町3
東京都
出所:各種資料より日本総合研究所作成
9
解説:県内を東からみると、岩国方面には石油化学その他の化学製品や高機能繊維を
製造している大企業の事業所がある。
周南コンビナート地域に隣接する光市、下松市についてみると、輸送機械の有
力工場や製鉄・金属製品、医薬品などの有力企業が展開している。
周南市の西に位置する防府方面には自動車メーカーの主力工場とそれと関連
したタイヤメーカー・部品メーカー及び高機能繊維などを生産する大手企業な
どがあることが注目される。
県西部の宇部・小野田や下関方面には化学・窯業、鉄鋼などの素材産業、造船
などの重機械工業及び自動車関係、電子関係、医薬品関係の大手企業が展開し
ている。
周南コンビナートは将来的にこうした地域との連携を深め、県経済を牽引して
いくことが期待される。
10
2.周南コンビナートの現状
図表2-1
周南市における工業集積の業種別出荷額(単位:億円)
(億円)
7,000
周南市における工業集積の業種別出荷額
平成14年度
平成16年度
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
その他
輸送機械
電気機械
鹿島
44,718
製造品出荷額総額伸び率(02→04)[%]
都道府県市区町村編(経済産業省)各年版
各コンビナートの製造品出荷額の比較
千葉
製造品出荷額総額(05年) [億円]
一般機械
図表2-2
金属
出所:工業統計調査
鉄鋼
窯業・土石
プラスチック製品
石油・石炭
化学
0
大分
川崎
39,051
千葉
19.1
水島
36,713
周南
14.4
大阪
34,116
水島
13.7
四日市
27,195
川崎
10.1
大分
18,771
四日市
8.2
周南
16,694
大阪
8
12,812
鹿島
7.6
出所:工業統計表より作成
図表2-3
各コンビナートの産業中分類別製造品出荷額(2004 年)
(億円)
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
周南
鹿島
化学
石油・石炭
プラスチック製品
ゴム製品
窯業・土石
鉄鋼
金属
一般機械
電気機械
輸送機械
その他
千葉
川崎
四日市
大阪
水島
大分
出所:各市統計書より(株)日本総合研究所作成
11
-1.4
図表2-4
エチレンセンターの生産能力(2003 年)
エチレンセンター生産能力(万トン)
350
300
250
200
150
100
50
0
周南
資料2-1
鹿島
千葉
川崎
四日市
大阪
水島
大分
周南コンビナートが生み出す基礎素材
ⅰ)苛性ソーダを中心とした無機化学系基礎素材
戦前からの苛性ソーダ生産からの流れとして、現在ではコンビナート内の工場
によって苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)、塩化カ
ルシウム、塩化カリウム、珪酸ソーダ、燐酸カルシウムなどの基礎素材が生産さ
れている。これらはコンビナート内において多結晶シリコンなどのさまざまな製
品に加工されている。
なお、無機化学のベースとなる塩の電気分解によって塩素と水素が副生物とし
て生産されるが、塩素は有機化学領域における塩ビモノマー、塩ビポリマーなど
の生産品へ展開されている。また、水素は石英素材の製造などに利用されている。
ⅱ)石油化学製品の原料となるエチレン
周南コンビナートは国内有数のエチレンセンターとなっている。2003 年のわが
国全体の生産量は 736 万トンなっているが、このうち、周南コンビナートの生産量
は年間約 62 万トンと千葉、水島、鹿島、川崎に次いで第5位であり、全国の生産
量の 1 割弱を占めている。
ⅲ)塩ビモノマーなど有機化学系基礎素材
周南コンビナートの特徴として、塩ビパイプ、塩ビ板、床材、壁紙などの原料
となる塩化ビニルモノマーの生産量が非常に大きいことが挙げられる。塩化ビニ
ルモノマーの全国の生産量は、塩ビ工業・環境協会の集計結果によると、およそ
300 万トン(2005 年)であるが、周南コンビナートでは大手2社で 150 万トン以上
12
の設備能力を有しており、非常に大きなシェアを占めている。
塩化ビニルモノマーは周南コンビナート内において塩ビポリマーに加工される
ほか、他地区のコンビナートに移出、又は中国などに輸出され、ポリマーに加工
されている。その他の製品としては、スチレンモノマー、アセトアルデヒド及び
酢酸エチルなどが重要品目となっている。
エチレン系以外では、ポリプロピレン、イソプロピレン、プロピレンオキサイ
ドなどのプロピレン系誘導品、B-B留分からのブタジエンなどの素材と合成ゴ
ムなどの中間材料、分解油からのベンゼン、トルエン、キシレンなどがある。
資料2-2
周南コンビナートが生み出す製品群
以上のように、周南コンビナートにおいては、多彩な基礎素材及び製品の前段階の
中間品目を用いた製品が製造されている。次の表は周南コンビナートの主要な製品を
示したものであるが、次のような特徴を有している。
・半導体や太陽電池などに使われる多結晶シリコンが世界第 3 位のシェアを有するこ
とをはじめとして、窒化アルミニウム、シリカ、石英ガラスなど、先端的な電気・
電子産業に用いられる素材生産量が全国的、世界的に高いシェアを有している。
・自動車・産業用資材のための樹脂原料、医療用製品・素材、衣料・スポーツ用品の
素材など、多方面にわたる先端的な素材を供給している。
13
図表2-5
周南コンビナート企業群の主要製品
製品
企業
能力
規模
用途
有 機 分 野
塩化ビニルモノマー
東ソー
123万トン 国内第1位
トクヤマ
33万トン
塩ビ管、壁紙、床材、塩ビ樹脂原料等
国内第5位
東ソー
3万トン
国内第2位
トクヤマ
1.2万トン
国内第3位
TBA
東ソー
1.2万トン
国内第1位
難燃剤
MDI(ジフェニールメタンジイソシアネート)
日本ポリウレタン工業
20万トン
国内第1位 55%
アジア第1位 30%
世界第5位
主に硬質form(断熱フォーム・パネル・冷蔵庫)・
スパンデックス・靴底・合成皮革・TPU等
HDI(ヘキサメチレン・ジイソシアネート)
南陽化成
2.3万トン
(日本ポリウレタン工業)
国内第1位
世界第2位
主に無黄変タイプ塗料用硬化剤・接着剤等
液状ゴム
出光
0.3万トン
国内第1位
道路・高速鉄道用防振材等
イソプロピルアルコール
トクヤマ
6.8万トン
国内第2位
電子工業用洗浄剤、インキ溶剤
塩化メチレン、クロロホルム
トクヤマ
5.5万トン
国内第2位
エチレン
出光
62.3万トン 国内第3位
プロピレン
出光
-
国内第3位
プロピレン誘導品(自動車用部品、日常品等)
スチレンモノマー
出光
34万トン
国内第4位
自動車用タイヤ、日常用品等
重曹
温浴材原料、資料用、食品用、薬品用
溶剤、金属洗浄、冷媒原料
エチレン誘導品(住宅用パイプ資材、レジ袋等)
(但し、全国第3位はエチレンセンターを単体で見
た場合)
パラキシレン
出光
21.4万トン 国内第8位
合成繊維、PETボトル等
ベンゼン
出光
27.4万トン 国内第9位
合成繊維、自動車用タイヤ等
ポリエステル短繊維
帝人ファイバー
6.5万トン
単一工場での生産量は国内トップ
酢酸エチル
昭和電工
15万トン
国内第1位
NaSS製品
東ソー有機化学
-
世界シェア第1位
エチレンアミン
東ソー
5.1万トン
アジア第一
紙力増強剤等
トリフルオロエタノール
東ソー・エフテック
2000トン
世界シェア70%
医薬原料等
BtoB(回収PETボトルからPETボトル樹脂生産)
帝人ファイバー
5万トン
世界で初めて回収PETボトルからPETボトル樹脂生産(世界で1社)
NBR(アクリルニトリルブタジエンゴム)
日本ゼオン
30000トン ゼオングループとして世界第1位
苛性ソーダ
東ソー
95.5万トン 国内第1位
トクヤマ
45万トン
柔軟剤原料
無 機 分 野
洗剤、温浴剤、アルミ精錬用、紙パルプ、レーヨン
国内第3位
臭素
東ソー
2.4万トン
国内第1位
難燃剤用原料等
ハイシリカゼオライト
東ソー
1000トン
国内第1位
車用排ガス処理用触媒等
湿式法シリカ
東ソー・シリカ
37千トン
国内第1位
・タイヤ用ゴムの補強充填剤(省エネタイヤ用)
・各種合成ゴム、シリコーンゴムの補強充填剤
・塗料、インキのつや消し剤
・インクジェット紙インク受容体
・フィルムのアンチプロッキング剤等
トクヤマ
15千トン
国内第2位
コート紙充填剤、塗装、つや消し剤
塩化カルシウム
トクヤマ
19万トン
国内第1位
凍結防止剤、除湿剤
ゲル・カラム販売
東ソー
国内シェア 国内第1位
臨床用液クロ製品(カラムと装置)
東ソー
シェア51% 国内第1位
ソーダ灰
トクヤマ
34万トン
セメント
トクヤマ
508万トン 単一工場では国内第2位
国内第2位
分析用充填剤、カラム
硝子原料、洗剤、無機薬品
窒化アルミニウム
トクヤマ
360トン
世界第1位
電子機器の放熱板・絶縁体
多結晶シリコン
トクヤマ
5200トン
世界第3位
半導体、太陽電池
世界第4位
シリコーンゴムの補強材、シーラント、IC用封止材
乾式シリカ
トクヤマ
2万トン
ジルコニア
東ソー
高機能高品質分野で世界ほぼ100% 分散剤、構造部材用等
石英ガラス
東ソーSGM
世界市場の約25%
石英硝子インゴット
東ソーSGM
単一工場での生産量は世界トップクラス
半導体、液晶等のハイテク向け
重合法トナー
日本ゼオン
3900トン
世界で数社
出所:山口県作成資料をもとに作成
14
図表2-6
地区
周南
出力(kW) 1,280,150
全国の主要コンビナートの自家発電量
鹿島
千葉
川崎
四日市
大阪
水島
大分
148,800
493,540
462,910
700,000
215,490
460,900
165,400
※集計した自家発電所は次のとおり。製鉄所(高炉メーカー)の自家発電所は除く
(各コンビナートの自家発電施設)
周南
鹿島
千葉
川崎
出 光 興 産
(徳山製油
所)
昭和産業
出光興産
住友金属工
業
出光石油化
学
日本ゼオン
(徳山工場)
コスモ石油
東ソー(第1、
第2)
昭和キャボッ
ト
トクヤマ(中
央、東)
住友化学
チッソ石油化
学
電気化学工
業
東洋製油
昭 和 電 工
(川崎)
昭 和 電 工
(千鳥)
じぇネックス
(水江)
東燃ゼネラ
ル石油(川崎
第1)
東 燃 化 学
(川崎工場
第1)
同(第2)
四日市
大阪
水島
大分
石 原 産 業
(四日市)
宇 部 興 産
(堺工場)
旭化成(水
島第1、第2)
九 州 石 油
(大分、大分
第2)
協 和 油 化
(四日市工
場)
大 阪 瓦 斯
(泉北第1、
第2、ガスタ
ービン)
ジャパンエナ
ジー(水島)
昭和四日市
石油
三菱瓦斯化
学
(四日市工
場)
東ソー(四日
市事業所)
東 亜 石 油
(京浜扇島)
JSR ( 四 日 市
工場)
同(東亜石
油第5)
三 菱 化 学
(四日市第
1)
同(第2)
同(川尻)
新日本石油
精製(大阪
精油所)
ダイセル化
学工業(堺
工場)
コスモ石油(
堺精油所火
力)
新日本石油
精製(水島
製油所)
三 菱 化 学
(水島第1)
三菱瓦斯化
学(水島第
1、第2)
富士石油
三井化学
富士石油第
2
日本石油化
学(川崎第
1)
同(浮島第
2)
コスモ石油
(四日市霞)
資料:「火力・原子力発電所 設備要覧 (平成 17 年改訂版)」(社)火力原子
力発電技術協会
図表2-7
副生水素供給可能量(全国と山口県の対比)
水素供給可能量
0
10
20
ソーダ
30
40
(億Nm3/年)
50
60
山口県
その他
石油精製
業界
石油化学
アンモニア
その他化学
鉄鋼
合計
出所:山口県環境生活部資料より(株)日本総合研究所作成
15
資料2-3
周南における環境コンビナート特区と環境事業への取組
「環境対応型コンビナート特区」は、コンビナート企業の自家発電の活用とコン
ビナートを横断する高圧電力インフラの整備による電力の相互融通が大きなねらい
であり、そのため、周南コンビナートにおける特定企業グループ間で、電力の特定
供給に係る特例措置の適用を受けるものである。しかし、国の制度としてこの特例
措置が全国的に展開されることとなったため、環境対応型コンビナート特区構想は
2005 年に取り消しがされている。
周南地域における環境事業への取り組み
資源リサイクル事業
・セメント原燃料などとしてのリサイクル事業
・ペットボトルの再資源化
省エネルギーの推進
・自家発電電力の特定供給の弾力的運用
(総合的な省エネルギ ・コンビナート内の電力インフラの整備
ー化の推進)
新エネルギーの導入
コンビナート内の工場から発生する副生水素をパイプラ
(水素タウンモデル事 インによって燃料電池に送って稼動させる実証実験
業の展開)
図表2-8
都道府県別にみた二酸化炭素排出量
CO2排出量上位5県
一人当たりCO2排出量上位5県
1 愛知県
2096万トン
1 山口県
6.94トン
2 千葉県
1806万トン
2 大分県
6.14トン
3 兵庫県
1771万トン
3 岡山県
5.31トン
4 神奈川県 1742万トン
4 広島県
4.20トン
5 福岡県
5 和歌山県
4.13トン
1672万トン
環境省推計データ
※環境省が地球温暖化対策を進めるに当たって 1990 年時点(京都議
定書の基準年)の二酸化炭素排出量を都道府県別に推計した結果で
は、排出量では全国第 11 位であるが、県民人口一人当りの排出量
は 6.94 トン/年で全国一となっている。
16
図表2-9 徳山下松港における輸出入・移出入の状況(2004 年)
輸入
28.8%
全体
輸出
5.7%
移入
30.6%
石炭
35.6%
輸入
輸出
鋼材
8.8%
移入
砂利・砂
12.1%
移出
石炭
12.2%
移出
34.9%
原油
28.5%
セメント
40.5%
原塩
11.4%
重油
5.0%
化学薬品
26.9%
石灰石
40.3%
砂利・砂 鋼材
7.8%
5.8%
0%
重油
9.2%
40%
その他
9.0%
化学工業品 その他
14.2%
4.6%
鋼材 再利用資材
9.8%
6.4%
セメント
22.1%
20%
石油製品
15.5%
石油製品
12.3%
その他
24.8%
化学薬品
14.7%
60%
その他
10.9%
80%
100%
出所:港湾統計年報(国土交通省)、各港湾別統計(各都道府県等)から作成
参考図表 各コンビナートの取扱貨物の内訳
鹿島
千葉
石炭
#N/A
輸入
62.4%
全体
輸入
とうもろこし
9.5%
石炭
17.0%
鉄鉱石
34.2%
砂利・砂
3.0%
石炭
鉄鋼
1.4%
輸出 2.1%
砂利・砂
4.6%
移入
輸出
6.2%
移入
12.3%
原油
16.2%
石油製品
5.5%
鋼材
71.9%
石灰石
25.0%
鋼材
6.4%
移出
19.1%
全体
その他
17.6%
輸入
化学薬品
17.1%
重油
24.5%
石油製品 化学薬品
4.7%
15.2%
その他
4.7%
鉄鋼
#N/A
輸入
55.0%
石炭 鉄鉱石
5.7% 7.6%
その他
19.6%
移入
原油
38.5%
鋼材
24.0%
輸出
輸出
4.8%
石油製品
12.9%
完成自動車
28.0%
砂利・砂 石灰石
8.3%
11.2%
移入
17.8%
鋼材
25.5%
石油製品
8.0%
移出
22.4%
LNG(液化天然ガス)
その他
22.8%
LPG
9.1%
(液化石油ガス)
3.4%
化学薬品
20.4%
金属くず その他
8.4%
11.2%
完成自動車 石油製品
10.8%
13.7%
その他
30.6%
鋼材
4.1%
移出
砂利・砂
6.1%
0%
鋼材
27.9%
重油
8.0%
20%
石油製品
25.4%
40%
化学薬品
21.2%
60%
その他
11.5%
80%
移出
100%
輸入
54.8%
石炭
10.4%
鉄鉱石
12.2%
輸出
5.0%
砂利・砂
12.5%
石灰石
14.1%
移出
25.0%
重油 石油製品 化学薬品
3.9%
4.4%
15.8%
20%
40%
化学薬品
9.5%
60%
その他
18.3%
80%
100%
完成自動車
(フェリー貨物)
重油
8.2%
18.8%
7.8%
化学薬品
13.1%
石油製品
38.9%
40%
金属くず
10.4%
輸入
60.8%
全体
輸入
その他
11.7%
石炭
7.1%
輸出
5.9%
原油
46.9%
石油製品
4.3%
完成自動車
52.5%
輸出
自動車部品
7.6%
移入
8.9%
移出
24.4%
LNG(液化天然ガス)
29.0%
その他
7.3%
化学薬品 化学工業品
その他
18.3%
11.8%
6.8%
ゴム製品
2.9%
完成自動車
(フェリー貨物)
完成自動車 11.8%
石油製品
5.1%
15.6%
移出 完成自動車
20%
移入
15.2%
LNG
LPG
(液化天然ガス)
(液化石油ガス) その他
20.2%
11.5%
4.1%
原油
41.4%
完成自動車
53.8%
輸出
0%
石油製品
36.5%
四日市
全体
移入
重油
21.9%
その他
輸送機械
4.1%
0%
川崎
輸入
砂利・砂
5.6%
60%
その他
27.8%
化学薬品 廃土砂 その他
4.9% 12.4%
9.0%
80%
移入
重油
18.5%
移出
完成自動車
9.0%
0%
100%
17
石油製品
20.7%
化学薬品
38.2%
石油製品
39.9%
20%
40%
化学工業品
3.0%
化学薬品
8.2%
60%
80%
その他
12.6%
その他
12.9%
100%
大阪(堺泉北)
輸入
34.2%
全体
水島
輸出
3.4%
移入
35.8%
鋼材
7.2%
輸出
完成自動車
50.1%
砂利・砂
9.2%
移入
原油
24.0%
鋼材
15.3%
移出
0%
化学薬品
18.6%
鋼材
18.3%
輸送機械
29.4%
20%
輸送機械
21.2%
輸入
その他
11.7%
石油製品 化学薬品 その他
16.9%
5.7%
11.3%
60%
80%
とうもろこし
4.1%
石炭
15.8%
輸出
鉄鋼
非金属鉱物
3.5%
11.7%
移入
原油
19.3%
移出
100%
砂利・砂
4.9%
0%
輸出
8.7%
鉄鉱石
30.4%
鉄鉱石
2.5%
その他
21.3%
セメント
6.1%
重油
21.5%
40%
化学肥料
4.1%
金属くず
8.3%
輸入
52.1%
全体
LPG(液化石油ガス)
石油製品
4.9% その他
鋼材 5.4%
LNG(液化天然ガス)
3.3%
9.0%
26.5%
原油
50.9%
輸入
移出
35.8%
鋼材
18.4%
完成自動車
3.9%
20%
移出
26.8%
原油
36.2%
石油製品 その他
4.3%
9.2%
自動車部品
完成自動車 3.4%
化学薬品
13.3%
17.6%
石油製品
4.7%
鋼材
32.4%
石灰石
15.4%
移入
12.4%
完成自動車
6.9% セメント 重油
8.0%
7.6%
石油製品
12.0%
重油
20.6%
40%
石油製品
29.6%
60%
その他
10.9%
化学薬品
その他
11.4% 金属くず 13.9%
5.6%
化学薬品
9.7%
80%
その他
13.0%
100%
大分
輸入
49.0%
全体
輸入
石炭
19.6%
輸出
非金属鉱物
11.8%
移出
石油製品
3.1%
鋼材 化学薬品
4.9%
4.7%
金属くず
12.8%
鋼材
30.9%
20%
移出
31.8%
原油
20.9%
鋼材
50.7%
非金属鉱物
8.4%
0%
移入
13.6%
鉄鉱石
39.3%
石灰石
16.3%
移入
輸出
5.7%
化学薬品
28.4%
その他
6.0%
その他
24.3%
重油
8.3%
40%
石油製品
その他
8.0%
7.5%
LNG
(液化天然ガス)
4.8%
60%
石油製品 化学薬品
9.3%
6.8%
80%
その他
12.8%
100%
出所:港湾統計年報(国土交通省)、各港湾別統計(各都道府県等)から作成
解説:徳山下松港は総合化学コンビナートの物流を担う最大の拠点となっている。
ⅰ)受け入れ
物資の受け入れ面からみると、徳山下松港は海外から石油化学及びソーダの原
材料となる原油や原塩を大量に受け入れていることが大きな特徴である。また石
油製品の取扱いも多い。周南コンビナートにおけるエチレンなどの需要が背景に
ある。
また、自家発電用の石炭を大量に輸入しているとともに国内からはセメントな
どの無機化学の原料となる石灰石を大量に受け入れている。循環資源(廃棄物)
の取扱いが多いことも特徴である。
ⅱ)積み出し
海外に向けて化学薬品その他の化学工業品を大量に輸出している。海外向けや
国内向けのセメントの積み出しも多い。国内に向けては、石油製品(ガソリンな
ど)とともに、化学薬品などの化学工業品を積み出している。
ⅲ)その他
これらに加え、周南の特徴として、輸入品の中に原塩を多く(11.4%)含むこ
とがあげられる。これほどの割合を占める現象は他のコンビナートではみられな
18
い。このことは、周南コンビナートが、エチレンと並んで塩を電気分解する苛性
ソーダを主要な事業としていることと密接な関係がある。
図表2-10
主要コンビナートに近接する港湾施設の貿易量の比較
(単位 千 t)
千葉
水島
川崎
大阪
周南
四日市
大分
鹿島
169,254
104,485
93,614
93,146
64,997
62,301
61,009
57,797
貿易量
千葉
水島
川崎
四日市
鹿島
大分
大阪
周南
輸入(04 年)
93,139
54,482
51,322
37,899
36,043
29,879
24,234
18,715
貿易量
大阪
水島
千葉
川崎
周南
四日市
鹿島
大分
輸出(04 年)
10,381
9,133
8,088
4,698
3,705
3,661
3,592
3,478
貿易量
大阪
千葉
周南
川崎
水島
大分
鹿島
四日市
(輸入 04 年)
33,958
30,060
19,885
14,183
12,906
8,269
7,137
5,534
貿易量
千葉
水島
大阪
川崎
周南
大分
四日市
鹿島
移出(04 年)
37,967
27,964
24,573
23,411
22,692
19,383
15,207
11,025
貿易量伸び率
周南
鹿島
千葉
川崎
水島
大阪
大分
四日市
輸入(00→04 年)
20.4
5.1
3.6
2.5
2.0
-1.0
-8.6
-18.3
貿易量伸び率
周南
川崎
千葉
大阪
水島
大分
四日市
鹿島
輸出(00→04 年)
68.1
27.8
18.7
16.7
10.0
-1.9
-12.2
-15.7
貿易量伸び率
鹿島
四日市
大阪
周南
大分
水島
川崎
千葉
移入(00 年→04 年)
24.5
5.5
-1.0
-3.0
-5.8
-8.7
-10.6
-11.0
貿易量伸び率
周南
川崎
千葉
大分
大阪
鹿島
四日市
水島
移出(00→04 年)
10.2
1.6
-1.6
-2.6
-2.7
-5.5
-10.1
-11.8
総貿易量(04 年)
解説:国内の主要なコンビナート港湾における 2000 年から 2004 年の 5 ヵ年分の輸
入量、輸出量、移入量、移出量の各総量(重量ベース)をみると、総取扱量
は水島、川崎、大阪が突出し、周南(徳山下松港)は四日市、鹿島、大分と
同等の規模となっている。周南コンビナートは、水島、四日市、川崎とは異
なり外国貿易量より内国貿易量のほうが多く、大阪、千葉に次いでいる。一
方、外国貿易では国内の他のコンビナート港湾と比べて下位である。
輸出についてみると、周南の徳山下松港では、輸出量の伸び率が 2004 年(対
2000 年比)に約 20%の増加率を示しており、他のコンビナートの中でも顕著
な特徴となっている。また輸出、輸入とも、大阪、水島、千葉、川崎に次ぐ
位置づけにあり、四日市や鹿島よりも多い。
19
なお、周南の特徴として、輸入品の中に原塩を多く(11.4%)含むことがあ
げられる。これは、周南コンビナートが、エチレンと並んで塩を電気分解す
る苛性ソーダを主要な事業としていることと密接な関係があり、他のコンビ
ナートではみられない大きな特徴となっている。
図表2-11
県内港湾の全体取扱量
徳山下松港
岩国港
三田尻中関港
宇部港
小野田港
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
千ft
図表2-12
県内港湾の全体貨物量に対するバルク貨物の割合
徳山下松港
94.8
1.7
3.5
岩国港
95.4
4.60
三田尻中関港
7.20
92.8
宇部港
99.4
0
0.6
小野田港
100
0
合計
1.92
96.1
0%
20%
40%
60%
20
80%
100%
バルク(%)
フェリー(%)
コンテナ(%)
図表2-13
西日本における徳山下松港の位置付け
出所:輸出入貨物に係る物流動向調査(輸出入貨物物流動向研究会)
(平成 15 年 9 月調査)
資料2-4
徳山下松港に寄港するコンテナ航路
【外貿航路】
徳山下松港に寄港するコンテナ定期航路は、2006 年 7 月時点において外貿 8
航路、週 11 便である。航路は韓国(釜山)航路、中国航路(上海、香港)、東
南アジア航路であり、アジアに特化している。
山口県における国際貿易港としては、岩国港、宇部港、三田尻中関港よりも充
実しており、関釜フェリーが就航する下関港とともに県内の主要港湾として位置
づけられる。
ただし、積荷は合成ゴムなどを含む各種の化学製品がほとんどであり、部分的
に金属製品、精密機械、ステンレススクラップ、紙、雑貨、建材などがある程度
である。基本的に周南コンビナートにおける生産品目に対応しており、広域的な
物流の拠点としての位置づけは小さい。
また、外貿航路のその他の寄港地は水島、福山、大分などが目立つのもの特徴
である。
21
徳山下松港のコンテナ定期航路(外貿)
航路名
韓国航路
中国航路
寄港地
便数(週)
釜山―徳山下松―広島―釜山
2便
釜山-広島-徳山下松-大分-博多
-釜山
又は
釜山-三田尻中関-徳山下松-大分
-広島-釜山
釜山-志布志-徳山下松-釜山-徳
山下松-釜山
上海-福山-水島-広島-徳山下松
-上海
2便
2便
1便
上海-門司-博多-徳山下松-ひび
き-上海
1便
香港-基隆-大阪-神戸-徳山下松
-門司-釜山-光陽-香港
1便
上海-大阪-岩国-徳山下松-上海
東 南 ア ジ ア 大阪-神戸―博多-門司-徳山下松
航路
-基隆-高雄-香港-レムチャパン
-バンコク-レムチャパン-香港-
高雄-台中-基隆
1便
1便
主要取り扱い品
合成ゴム、化学製品、石油
化学製品、ステンレススク
ラップ
化学製品、合成ゴム、スク
ラップ、建材
石油化学製品、合成ゴム、
紙
合成ゴム、化学製品、金属
製品、自転車、雑貨、スク
ラップ
合成ゴム、ワックス化成品
、ステンレススクラップ、
精密機械
合成ゴム、化学製品、金属
製品、石油化学製品、ステ
ンレススクラップ
化学製品
合成ゴム、化学製品、金属
製品、石油化学製品、ステ
ンレススクラップ
資料:山口県
【内貿航路】
徳山下松港に寄港するコンテナ定期航路として5航路、週 9 便がある。これは、
県内においては岩国港、宇部港、三田尻中関港よりも充実している。航路の寄港
先は水島、四日市、岩国などが目立ち、積荷も化学工業製品が中心である。
徳山下松港のコンテナ定期航路(内貿)
航路名
寄港地
便数(週)
阪 神 フ ィ ー 神戸―博多-徳山下松―門司
ダー
2便
神戸-大阪-徳山下松-水島-神戸
-大阪-水島-神戸-徳山下松
2便
内 航 コ ン テ 徳山下松-船橋-四日市-玉島-北
ナ航路
九州-徳山下松
徳山下松-博多-岩国-東京-徳山
下松
千葉-四日市-豊橋-徳山下松-玉
島
1便
主要取り扱い品
合成ゴム、化学製品、石油
化学製品、紙製品、ステン
レススクラップ、雑貨
合成ゴム、化学製品、石油
化学製品、紙製品、ステン
レススクラップ、雑貨
3便
化成品
1便
ポリプロピレン
資料:山口県
22
図表2-14
大分
川崎
港湾施設の整備状況
鹿島
四日市
千葉
大阪
周南
水島
公共
徳山
公共
バースの最大水深
公共
公共
公共
公共
公共
公共
△14m
△14m
△14m
△10m
△14m
△12m
△12m
△10m
新南陽
専用
専用
専用
専用
専用
専用
専用
△12m
△27m
△26m
△22m
△22m
△20m
△20m
△17m
専用
△19m
川崎
鹿島
大分
千葉
大阪
水島
四日市
周南
公共
△14m
公共
公共
航路の最大水深
専用
△12m
△12m
公共
浚渫不
専用
△22m
要で△
公共
公共
△18m
△16m
△12m
専用
ー中枢港
20m超
徳山
△12m
※スーパ
△23m
公共
公共
新南陽
△16m
湾
△10m
が確保
可能
※
公共・専用に関わらず、バース及び航路の最大水深順に配置
図表2-15
高速道路からの
アクセス
時間距離[分]
(一般道を平均時速
30km/h とした値)
高速道路からのアクセス状況
川崎
周南
水島
四日市
大阪
千葉
大分
鹿島
浜川崎
徳山東
水島
四日市
堺東
市原
宮河内
潮来
2km
6km
6km
東 7km
7km
8km
11km
17km
川崎
周南
水島
四日市
大阪
千葉
大分
鹿島
4
12
12
14
14
16
22
34
23
3.周南コンビナートを取り巻く環境の変化
図表3-1
世界の経済成長に関する長期展望~OECD の予測~
OECD による成長率見通し(1995~2020 年)
米国
EU+EFTA
日本
高成長シナリオ
低成長シナリオ
中国+香港
インド
その他アジア
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
(出所) 内閣府『世界経済の潮流 2004 年秋』
。
(原出所) OECD『The World in 2020: Towards a New Global Age』
。
図表3-2
エチレン系誘導品の需給状況の動向と予測
世界のエチレン系誘導品需要量・生産能力の推移
(100万トン)
180
2005年以降は予測
160
140
120
100
110
113
117
91
95
98
2001
2002
2003
124
119
129
112
104
107
2004
2005
159
136
145
149
118
122
127
2007
2008
2009
134
80
60
40
20
0
世界のエチレン系誘導品需要量の推移
2006
2010
世界のエチレン系誘導品生産能力の推移
出所:世界の石油化学製品の今後の需給動向(経済産業省)
解説:エチレンの誘導品に対する世界全体の需要及び供給はこれまで継続的
24
な拡大をみせてきており、2010 年頃までは需給いずれもさらに大きく伸
びることが予想される。
ただし、両者を対比すると、生産能力の超過分が徐々にであるが拡大し
ており、中長期的にはかなりの過剰が生じる可能性もある。
図表3-3
アジア各国のエチレン生産能力・生産量・輸出入量
単位:万トン
国・地域
中国
韓国
台湾
中東
年
能力
生産
2004
602
631
2010
1510
1510
2004
595
596
2010
727
689
2004
285
286
輸入
輸出
内需
7
2
636
3
3
1510
16
30
582
0
84
605
42
1
327
2010
405
393
0
15
378
2004
1034
920
0
45
875
2010
2625
2363
0
52
2311
図表3-4
エチレン生産能力の推移
エチレン生産能力の推移
3000
2004
2010
2500
万トン
2000
1500
1000
500
0
中国
韓国
台湾
中東
出所:世界の石油化学製品の今後の需給動向(経済産業省)
解説:国・地域別の需要動向調査の結果をみると、2004年から2010年の間に
東アジアや中東の各国はエチレン生産能力の拡大が見込まれる。特に、
中国と中東において著しい。これと同時に、これらの国々の内需も増加
することが予想され、中国は2010年において生産能力と内需がほぼ匹敵
する状況である。ただし、韓国と中東は生産能力が内需をかなり上回る
見込みであり、輸出ドライブがかかることが想定される。わが国のエチ
レンは価格下落圧力に晒され、厳しい競争に晒される可能性がある。
25
図表3-5
世界の主要化学会社のエチレン生産能力
各社別生産能力(2004年) (1,000トン/年)
生産能力
企業名
10,464
ダウ・ケミカル/UCC(アメリカ)
7,112
エクソン・モービル(アメリカ)
7,405
日本の総生産能力
6,300
SABIC(サウジアラビア)
5,375
シェル(オランダ)
5,215
エクイスター(アメリカ)
4,620
イノビーン(イギリス)*
3,965
シェブロン・フィリップス
3,150
台湾プラスチック(台湾)
2,970
ノバ・ケミカルズ(カナダ)
2,880
BASF(ドイツ)
世界合計
112,980
*2005年内にBPグループから独立。
出所:化学品ハンドブック 2005(重化学工業通信社)
図表3-6
工業区面積(ha)
アジアにおける大型コンビナートの概要
エチレン生産能力
(万トン/年)
主要立地企業
発電能力 (万kW)
現状
全体計画
石油精製能力
(万バレル/日)
港湾施設
最大水深
台湾プラスチッ
ク
麦寮工業区
(台湾)
2,096
台湾プラスチック工業
台湾石油化学、麦寮パワー
Nan Yaプラスチック
等の11企業
185
(周南の約3倍)
419
539
45
(周南の約4 (周南の約4
倍)
倍)
ジュロン島
工業区
(シンガポー
ル)
3,200
エクソンモービル、エッソ
デュポン、三井グループ
住友化学、旭化成
帝人化成
等の72企業
180
(周南の約3倍)
108
15m
240
110
(周南の約2 (周南の約9 (ジュロン島関
係)
倍)
倍)
マプタプッ
ト工業区
(タイ)
1,480
ポンパット・ケミカルズ、NPC
ARC、PAT、タイ・オレフィンズ
ラヨン・オレフィンズ
ビニタイ、タイポリエチレン
サイアム・スチレンモノマー、COCO
アロマティック・タイランド
等の約70企業
195
(周南の約3倍)
93
236
30
(周南の約2 (周南の約3
倍)
倍)
15m
中国石化、上海石化
上海高橋石化、BP、BASF
Huntsman、BAYER
等の約20企業が進出予定
第Ⅰ期 第Ⅱ期 全体計画190
90
100
(周南の約3
倍)金山石化
を含め350
0
(建設中)
第Ⅱ期 21
60
(周南の約半 (周南の約2
倍)
分) 不足分は
近隣の金山石
化等から供給
12m
100
0
(建設中)
62.3
126
上海化学工
業区
(中国)
第Ⅰ期
2,940
第Ⅱ期
600
曹妃甸工業
区
(中国)
8000
(2007~
2008年)
10500
31000 曹妃甸実業開発有限公司
(~2010 (~2030 中国石油化工、中国石油
京唐鋼鉄連合有限責任公司
年末)
年)
周南コンビ
ナート
(山口県周
南市)
980
全体
3,540
東ソー、トクヤマ、出光興産
日本ゼオン
帝人ファイバー
等の約30企業
26
660
24m
42
36m
12
14m
図表3-7
アジアにおける大型コンビナートの特色
コンビナートの特色
台湾プラスチック ◆石炭を燃料とする大型火力発電所により安価な電力を供給し、大規模エチレンプ 電力、蒸気、水、産業
麦寮工業区 ラントを中心とする石油化学工業区
ガス、排水・廃棄物処
(台湾) ◆風が強く、風力発電設備(600kW)が4基設置されているほか、石炭や食塩はドー 理 等 の ユ ー テ ィ リ
ム内に貯蔵されている
ティーは共同化され、
パイプラインで原料・
ジュロン島工 ◆共同ユーティリティーは半官半民の公社で整備し、土地は政府所有、全て賃貸(15 年契 製品は相互に融通して
業区
約、30 年まで延長可)
おり、共通の管理会社
(シンガポール) ◆法人税を大幅に下げるなど優遇している
がある
◆電力は自由化され、相対契約で、半年ごとに入札し、購入先が変わることもある
マプタプット ◆天然ガスはエタンリッチであり、エタン・プロパン回収後の廃ガスをガスタービンの燃料として利用
工業区
◆ 天然ガスから石油化学製品を製造しているため、石油精製能力はエチレンプラントに比
(タイ) べ小さい
◆計画中の発電所は燃料を石炭にする計画
◆インフラは政府が整備し、土地は政府所有
上海化学工業 ◆ほとんどのプラントは建設中か今後建設が見込まれるものである
区
◆計画段階のものが多く、今後、予想を超える整備が進むと考えられる
(中国)
曹妃甸工業 ◆石油化学、石油精製、製鉄などを含む中国の第11次五ヵ年計画における最大級の 2006年末までに完成予
区
プロジェクト
定。ただし、完成は遅
(中国) ◆渤海湾の最深部に隣接し、30万トン級の船の入港が可能
れている。
◆北京市内の首都鋼鉄の製鉄所が移設され北京オリンピックをにらんだ大気汚染軽減の 高速道路、電力、通
信、供水など完成済
狙いあり
◆2010年までの第1期で10万人が働き、経済効果は年間1000億 元(1兆 4400 億 み・鉄道建設が進行中
円)、2030年までの第3期で年間5000億元(7兆2000億円)と試算
出所:「周南コンビナート地域省エネルギービジョン」及びその他の資料をもとに作成
解説:
・コンビナートの面積は周南コンビナートの 2 倍から 4 倍に達するなど、
大規模なものが多い。
・自国企業の他、わが国も含めた世界の主要な石油会社、化学会社が立地
している。
・石油精製と石油化学を併せ持つ垂直連携型のコンビナートであり、周南
と同様の精製・石化の連携が図られている。
・エチレン生産能力においては周南コンビナートの3倍に達するなど、エ
チレンセンターとして強い拠点性を有する。
・発電能力が周南コンビナートの2倍から 4 倍に達しており、安価な電力
供給が可能となっている。
・大水深の港湾を有し、大型船舶を十分に活用することが可能となってい
る。
27
資料3-1
中国の唐山コンビナート~曹妃甸工業区~
○全体概要
中国では、北京の東約 150 ㎞、天津市から 100 ㎞の距離にある渤海湾岸の唐山市に、総合
コンビナートの建設を国家プロジェクトとして進めている。これは唐山市の沖合い 18km のとこ
ろにある曹妃甸島との間の浅瀬を埋め立て、300 平方㎞の工業用地を生み出し、大規模港湾
と、鉄鋼、石油精製、エチレンセンター、発電所及び石油備蓄や液化天然ガス輸入基地を整
備するもの。
※中国第 11 次五ヶ年計画として、最大級のプロジェクトとなっている。
※300 平方㎞の用地はシンガポールの国土の半分に相当する。2006 年 4 月現在では、埋
立て面積は 12 平方㎞となっている。
○第 1 期の計画内容
第 1 期から第 5 期に分けて建設が進むこととなっており、第 1 期は 2010 年までである。2008
年頃には第 1 期のかなりの部分が完成する予定となっている。第 1 期の内容は次のとおり。
【投資額】
第 1 期計画工事 約 2,000 億元(約 2 兆 8 千億円)
【生産設備】
・製鉄所
年産 1,500~2,000 万トン
・石油精製工場
年産 1,000~1,500 万トン
・エチレン石油化学工場
年産 100 万トン
・火力発電所
660 万kW
【港湾施設】
・25 万トン及び 40 万トン級鉱石運搬船用埠頭
4
・30 万トン級タンカー用埠頭
2
・5~10 万トン級の石炭積み出し埠頭
8
・10 万トン級及び 20~25 万トン級コンテナ埠頭
28
○企業の立地状況
・エチレンプラントは中国石油化工(シノベック)が進出予定。その他、資金や技術を外国資
本に依存した計画となっている。長江実業(香港)の参加が決まっているが、日本を含め
た外国系企業を誘致中。
・石油精製は中国石油(ペトロチャイナ)が進出予定。
・製鉄所は北京市内の首都鋼鉄が移転。
・唐山市内にはハイテク工業区があり、日系 20 社を含めた外資系企業 61 社が既に進出。日
本企業では松下電器、神戸製鋼、アイシン精機、日本ガイシなどがある。
28
図表3-8
主要なアジア・中東の国別にみた新設・増設の動向
~エチレンプラントについて~
アジア・中東におけるエチレンプラントの新増設計画(2010年まで)
国・地域名
企業名
(千トン) 区分
アジア
中 国
茂名石油公司
400 増 設
吉林化学工業公司
160 増 設
盤錦天然ガス化工廠
220 増 設
広 東 /SHELL
800 新 設
福 建 /EXXON
800 新 設
1000 新 設
独 山 子 エチレン
800 新 設
鎮 海 新 エチレン
撫 順 エチレン
800 新 設
天 津 エチレン
1000 新 設
成 都 新 エチレン
800 新 設
Sinopec Shanghai
600 新 設
広 州 石 化 新 エチレン
800 新 設
武 漢 エチレン
800 新 設
中国新増設合計
8980
韓国
SK
30 増 設
麗川NCC
347 増 設
LOTTE DAESAN
350 増 設
韓国新増設合計
727
台 湾
CPC/中 国 石 油
1000 増 設
FPCC/台 塑 石 化
1200 増 設
台湾新増設合計
2200
100 増 設
中東
イラン
BANDAR, Imam
NPC
1,100 新 設
2,320 新 設
イラン新増設合計
3,520
CAMEL OLEFIN
40 増 設
イスラエル
イスラエル新増設合計
40
EQUATE-2
850 新 設
クウェート
クウェート新増設合計
850
QAPCO
195 増 設
カタール
RAS LAFFAN
1,300 新 設
カタール新増設合計
1,495
400 増 設
サ ウ ジ ア ラ ビ ア JUPC
SABIC, Yanbu
1,300 新 設
CHEVRON
240 新 設
SHARQ
1,200 新 設
RABIGH PC
1,300 新 設
NIPC
1,000 新 設
PMD
1,350 新 設
サウジアラビア新増設合計
6,790
DOW
1,000 新 設
オマーン
オマーン新増設合計
1,000
UAE
BOROUGE
1400 新 設
UAE新増設合計
1,400
アジア・中東合計
27,002
時期
2006
2006
2006
2006
2008
2008
2008
2009
2008
2009
2009
2009
2009
2006
2006
2008
2010
2006
2006
2006
2007
2007
2008
2007
2010
2006
2007
2007
2008
2009
2008
2009
2010
2010
出所:石油化学工業協会資料
解説:
【各国の概況】
・今後はエチレンを中心とした石油化学コンビナートの新増設の動きを背景
に、エチレン系の誘導品の生産能力の拡大が想定される。その中心は中国
を中心としたアジアである。
・中国や中東においては、外資系企業の誘致やノウハウの導入によって、大
規模な石油化学プラントの設置が進んでおり、エチレンセンター、プロピ
レンセンターとしての比重が高まりつつある。
29
・台湾や韓国の石油化学メーカーは中東のコンビナート整備に呼応して、
現地企業と連携しつつ進出を進めている。
・中国、台湾、韓国においては、自国の企業による設備の新設・増設が進
みつつある。特に中国においては 2010 年までにかなりの設備増強が想定
される。
【主要アジア各国と中東における石油化学コンビナート新増設の動向】
・石油化学プラントの新増設が各国で進められている。大規模な新増設は中
国や台湾に集中している。特に中国は計画の数で圧倒している。韓国は
個々の新増設計画は中規模であるが、計画の数は多い。
・中近東でも数多くの計画がある。特に、イラン、カタール、オーマン、
サウジアラビア、UAEなどには大規模なプラントの計画がある。
・計画の内容については、エチレン生産とともにプロピレン生産が目立つ
。
・エチレンプラントについてみると、2006年から2010年までに2千7百万ト
ンのエチレン設備が新設ないし増設される計画である。これはわが国全
体のエチレン生産量の3倍以上に達する大きさである。
図表3-9
企業名
昭和電工(大分)
三菱化学(鹿島)
新日本石油化学(川崎)
日本ポリプロ(鹿島)
出光興産(千葉)
新日鐵化学(大分)
新日本石油精製(仙台)
鹿島石油(鹿島)
丸善石油化学(千葉)
西部石油(山口)
水島パラキシレン(水島)
日本における主な新増設計画
能力
2.4
5~7
14.5
30
27
5
6
30
17
41
10
12
7
区分
増設
増設
新設
新設
再稼動
増設
新設
新設
新設
新設
増設
新設
増設
(単位 万トン)
種類
時期
エチレン
2006
C3
2006
C4
2006
PP
2008
ベンゼン
2006
ベンゼン
2006
ベンゼン
2006
キシレン
2007
ベンゼン
2006
パラキシレン
2008
キシレン
2006
キシレン
2007
パラキシレン
2007
※ C2:エチレン、C3:プロピレン、C4:ブタン・ブテン(B・B留分)
出所:石油化学工業協会資料
解説:
【最近における石油化学産業の生産と輸出入動向】
最近におけるわが国におけるエチレン生産量は2005年まで4年連続の増産であ
る。その背景には、輸出の増加と堅調な内需の拡大がある。
2004年1月から輸入関税が大幅に引き下げられたため、それ以降、樹脂製品の
輸入量は増加が続いている。こうした傾向は今後とも続くと考えられており、国
30
内の石油化学産業にとっては厳しい状況が続くことが想定される。
【設備投資の動向】
わが国の主要な石油化学コンビナートでは、エチレン、プロピレンの設備増強
が進められつつある。ただし、国内における生産能力増強の対象となっている
のは、エチレンよりも、ポリプロピレン等プロピレン系製品が中心となってい
る。特に、分解油からのベンゼン、キシレンなどの新設・増設が目立つ。
プロピレン系の設備増強が多いことの背景要因としては、2005年から中国にお
ける大型エチレンプラントの稼動が想定されていたこと、及び中東などにおい
てエチレン系製品を主体とした新増設計画が活発なことなどがあげられる。
また、国内ではスチレンモノマーの増設、塩ビモノマーの増設、新設計画が予
定されている。その背景要因として、中国をはじめとするアジア地域で需要が
旺盛なことがあげられる。
※中国をはじめとするアジア地域での需要について「世界の石油化学製
品の今後の需給動向に関する研究会」をみると、エチレン系誘導品の
需要は、エチレン換算でアジア全体で2004年の38.3万トンから2010年
には50.8万トンへ、12.5万トンの増加すると予想している。そのうち、
中国が16.5万トンから24.8万トンとされており、増加寄与率は65%と
なっている。しかしアジア全体の伸びも多く、この予測ではアセアン
全体で同期間に4.7%伸びるとされている。
図表3-10
日本のエチレン生産量の推移と展望
日本のエチレンの生産量の推移
1,000
800
714
742
708
769
761 736
715
(10,000トン)
2006年以降は予測
762
757
737
731 722 707
698 699
600
400
200
0
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
出所:世界の石油化学製品の今後の需給動向(経済産業省)
31
図表3-11
エチレン生産量とその内需及び輸出の動向
エチレン生産・国内需要・輸出推移
(千トン)
8000
7000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
0
8000
7000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
0
輸出
国内需要
生産
2000 2001 2002 2003 2004 2005
石油化学工業協会資料(HP)より作成
解説:エチレン生産量の予測について
※最近におけるエチレン生産量が予想と異なり増加傾向にある背景には、ま
ず国内の景気回復がある。日本のGDPの実質成長率は、2004年 2.3%、
2005年 2.6%と急速に拡大しつつある。2000 年を 100 とした鉱工業の生
産指数も 2004 年から 2005 年にかけて 101 とわずかではあるが上昇した。
石油化学製品全般もそれとあわせて増加している。今後の需給バランスは、
一つにはこうした国内の景気回復基調がどこまで続くかという点にかか
っている。
※もう一つの要因は、中国をはじめとする東アジア諸国の経済成長が背景に
ある。中国は年率 10%以上の高い経済成長を続けているが、それ以外のア
ジア諸国の経済成長率も高い。その結果、エチレン系誘導品の需要は、2010
年までアジア全体で毎年 4.8%の増加が見込まれている。ただ、中国の成
長率が北京オリンピック以降鈍化した場合、アジア全体の成長は見込むこ
とができるものの、国内のエチレン生産を牽引するだけの強さがあるかど
うかは不明である。
※したがって、国によるわが国のエチレン生産量の減少予測は、海外の最新
プラントとの稼動が予定通り進むかどうか、また海外プラントの競争力が
どの程度か、またアジアの経済成長による需要がどれだけ高まるかにかか
っているということができる。
資料3-2
RINGⅠ、RINGⅡ、RINGⅢについて
【これまでの動向~RINGⅠ、RINGⅡ】
エチレンに代表される石油化学製品の生産量は、1990年代から現在まで、ほとん
ど横ばいである。その間、アジアの生産能力が拡大をしつづけている。また、経済
産業省(経済産業政策局調査課)が発表している化学製品の内外価格差は、2005年
32
平均では対台湾で1.39倍、対中国で1.91倍、対韓国で1.04倍となっている。このよ
うに、石油産業及び石油化学産業を取り巻く国内および海外との競争環境は、量的
にも価格的にも厳しくなっている。
「コンビナートルネッサンス事業」は、こうしたことを背景に、石油化学コンビ
ナートの競争力強化を目的として2000年度より進められているものである。そのね
らいは、石油精製・石油化学コンビナートにおける異業種間の高度な一体的運営に
よる競争力を強化するための技術開発を進めようとことにある。
【RINGⅢ以降の展望】
石油コンビナート高度統合運営技術研究組合による第3次の開発事業(RINGⅢ、
「石
油精製高度機能融合技術開発事業」)は2006~2009年度を事業期間として開始され
ている。これはコンビナート内の生産性の向上を図るため、異業種・異企業間にお
ける高効率生産技術や高付加価値原料製造技術などを開発しようとするものである。
対象となるのは鹿島、千葉、水島の3コンビナートであり、周南は入っていない。
資料3-3
三島川之江港の事例
・愛媛県東部四国中央市における県管理の重要港湾である三島川之江港は、背後地
に立地する製紙業と一体となった港湾として、ウッドチップ、パルプ、ペーパー
ロール等の製紙原料や石炭等の燃料の陸揚げ・積み出し港となっている。
・平成 14 年度から 18 年度にかけて、同港は「多目的国際ターミナル整備事業」の
対象として位置付けられ、180 億円の公共事業費を投じて岸壁(-14m)、防波堤、
泊地等の整備を実施。これにより、パナマックス級(7 万トンクラス)の大型船
が接岸できるようになった。なお、国土交通省は平成 18 年度予算として、同港
ほか 5 港を対象とした「多目的国際ターミナル整備事業」
(バルク港湾の整備)
に直轄事業として 70 億円を計上。
・なお、この事業に合わせて、港湾背後地に立地する製紙会社は、増産に向けて、
平成 12 年から 23 年の 10 年間に 860 億円の設備投資を行う計画。
出所:国土交通省ホームページより
33
資料3-4
多目的国際夕一ミナルの整備事例
・多目的国際ターミナルとは、複数品目の外貿貨物を取り扱う港湾ターミナルのこ
と。国際海上コンテナを扱うターミナルも多目的国際ターミナルに含まれる。
・多目的国際ターミナルの整備目的は、大型船の寄港を可能にすることによって輸
送コストの削減を図ろうとするもの。大型船が寄港できないために、貨物が他港
から迂回輸送される地域では輸送コスト高となる。また、木材・石炭等のバルク
貨物の輸送は、容量・重量ともに大きく、国内陸上輸送コストが大きい。多目的
国際ターミナルは、これらを回避し、輸送コスト削減を目的としている。
・整備のための費用と物流コスト削減等の効果を比較した上で事業の採択がなされ
る。
多目的国際ターミナル整備による物流コスト削減効果と地域活性化の事例
出所:国土交通省資料 平成 17 年度予算概要
34
資料3-5
全国のリサイクルポートの特徴
主な特徴
港湾名
石狩湾新港
苫小牧港
◇金属スクラップの有効利用を中心としたリサイクル活動が盛ん
◇とりわけ自動車リサイクル法に対応する自動車の解体・破砕を行う企業活動が活発
◇廃自動車を中心に国際静脈物流を形成
◇製鉄所から発生する高炉スラグなどを活用したセメント工場や製鉄所が立地
◇廃プラスチックを原料としたリサイクル計画
◇廃自動車、金属くず等の循環資源をリサイクルする新規施設がH14~H17にかけて操業開
始
室蘭港
◇「循環型社会形成に向けた苫東地域におけるリサイクル関連産業の展開方針」などに基
づいた産業の育成と導入
◇関東圏から搬入される古紙が取り扱われており、将来的に千葉港等から搬入される廃プ
ラスチック燃料も取り扱う
八戸港
◇リサイクル事業計画を3地区に位置づけ
◇川原木地区・八太郎地区はリサイクルのコアとなる工場群が集積
◇市川地区は廃船等のリサイクル施設やスクラップヤードの集約を計画
◇ポートアイランド地区は中古機械輸出等の輸送への活用を図る予定
釜石港
◇製鉄所から発生するスラグを肥料の副原料としてリサイクル、金属くずを鉄鋼原料として再
利用する取り組み
◇須磨地区では石炭灰高次リサイクル化事業等の展開が予定
◇平田地区では製鉄産業副資材等のリサイクル事業やバイオマス・次世代燃料等の資源化
事業が予定
酒田港
◇現在は廃自動車・金属・古紙・廃プラスチックなどのリサイクル企業が立地
◇将来的にはPCB絶縁油リサイクル事業が操業予定
◇廃自動車等総合リサイクル事業、バイオ・ケミカルリサイクル事業等が計画
姫川港
◇高温で廃棄物を無害処理できるセメント焼却炉の特性を活かし、廃棄物の積極的な受け
入れ
◇既存の更生タイヤ工場や一般家庭ゴミの炭化施設と操業開始予定のバイオマス発電所の
連携により循環型社会の構築
東京港
◇H13年6月に都市再生本部が都市再生プロジェクトとして「大都市圏におけるゴミゼロ型都
市への構築」が位置付けられ、先行的に事業展開
◇既存と新たに計画中の建設発生土処理施設により海上輸送を利用した発生土砂の広域
利用の促進
◇家電リサイクル・産業廃棄物・建設廃棄物・情報機器リサイクル施設の建設を計画
木更津港
◇水深19mの木更津航路や、水深14mの富津航路を活用した港湾物流ネットワークの形成
◇千葉県によって策定された「千葉県西・中央地域におけるエコタウンプラン」に基づいた活
動計画
◇主な事業計画は自動車リサイクル事業・貝殻リサイクル事業
川崎港
◇公共・民間の岸壁等において金属くずや廃タイヤなどの循環資源を取り扱っている
◇千鳥町地区の公共ふ頭を、静脈物流拠点構築に向けた重点整備地区に指定
◇千鳥町公共ふ頭は、大型係船岸7バース、小型係船岸延長785メートル、上屋10 棟などを
備える
三河港
◇自動車リサイクルの拠点づくりを推進
◇神野地区・大崎地区において、自動車リサイクルシステムの構築を、官民が一体で推進。
◇中古車オークション事業、使用済みの自動車の解体・プレス等を行う事業、解体後に発生
する部品等を破砕・リサイクルする事業などを計画
神戸港
◇自動車リサイクル関連産業が今年度(2003年度)中に操業を開始する。
◇ポートアイランド地区においてボディー殻や廃タイヤなどを海上輸送する事業が実施され
ている。
姫路港
◇大水深の公共埠頭とアクセスする臨港道路の整備が進められている
◇廃自動車リサイクル施設や廃タイヤガス化施設、廃プラスチック施設が稼働する予定。
徳山下松港
◇中四国地方としては初めて国土交通省のリサイクルポートに指定
◇廃プラスチックやペットボトルのリサイクルが進展中
◇資源循環の拠点づくりや廃棄物最終処分場を整備する事業を計画
35
主な特徴
港湾名
宇部港
◇高炉スラグ、石炭灰等のセメント原料化リサイクルや鉄屑のリサイクル、廃プラスティック
のガス化リサイクルなどが行われている
◇建設木くずのエネルギーリサイクルを計画
◇全国各地から循環資源を受け入れており、徳山下松港と連携した広域リサイクル拠点の
形成に期待
北九州港
◇廃棄物海面処分場や港湾施設などが整備されている
◇エコタウン事業によりリサイクル企業が多く立地。環境再生保全機構(旧環境事業団)のP
CB処理事業なども操業を開始。
三池港
中城湾港
◇エコタウンの承認を受けRDF発電所が稼働
◇リサイクル企業の立地が見込まれており西九州の拠点港となっている
◇潮時でも接岸し荷役できる「閘門施設」を備えた港
◇港湾は以後には鉄スクラップ、廃家電、ペットボトル処理企業が立地している
◇既に港湾を利用した金属リサイクルの仕組みが形成されてる
出所:各地のリサイクルポートの紹介記事(ホームページを含む)から作成
解説:全国のリサイクルポートにおける整備計画をみると、エコタウン計画な
どの環境産業育成整備計画などと連携しつつ、港湾活用型の循環資源の
集積拠点・リサイクル拠点としての展開を目指すものが目立っている。
また、国内とアジアとの静脈・動脈物流の結節点として位置付けようと
する動きもある。
資料3-6
リサイクルポートと環境産業の展開イメージ例
~堺市臨海部におけるエコエリア構想を想定したイメージ~
リサ イ クル ポ ー ト型 静 脈 物 流 拠 点
全国
近畿圏
堺広域都市圏
廃 棄 物 工 学 に お け る 大 学 との 連 携 (実 証 実 験 の 場 として の 活 用 な ど )
建 設 廃 棄 物 、廃 プ ラ ス チ ック、
廃 タイ ヤ 、そ の 他
リサ イク ル 製 品
積換え保管施設
商 業 ・ア ミュ ー
ズ メン ト施 設
民 間 マ リー ナ
国内
海外
高速道路
港湾機能
廃棄物発電と
電熱供給施設
(な に わ エ コ 21な ど )
建設廃棄物
廃 プ ラ ス チ ック そ の
他 ,各 種 の 廃 棄 物
全 国 、海 外 へ の
再 資 源 化 物 、そ の 他 各 種 の
循環資源の輸送
IC
再資源化物
リサ イクル 施 設
広 域 リサ イ クル の 必 要 性 へ の 対 応 / 廃 棄 物 リサ イ クル 事 業 者 の 収 集 対 応 /
新 規 事 業 所 立 地 に よ る 地 域 経 済 ・雇 用 へ の 寄 与
出所)堺市調査報告書「廃棄物処理施設とのコラボレーションによる産
業クラスター創出基礎調査」を参考に作成
36
4.周南コンビナートの将来のあるべき姿と基本戦略
図表4-1
半導体及びFPDに係る中国地域の主要企業
セットメーカーと主な製造装置メーカー
日本マイクロシステムズ
シャープ
サンヨーエプソン
基盤検査装置、パルスエディタ
中小型液晶
中小型液晶
ササヤマ
オー・エイチ・ティ
NEC山口
マイクロコンピュータ、
ASIC( 特定用途向け IC)
プリント基板検査装置
ローツェ
LCD ドライバー
半導体ウェハー運送ロボット
サイエンス
テスター・生産管理システム
シャープ
携帯電話
日本化薬(若狭)
日本化薬
シャープ
長州産業
フラッシュメモリー
トクヤマ
使用済み現像液
リサイクル
三井造船
各種大型製造装置
大日本印刷
長州産業
半導体洗浄専用工場
FDK
山陽)
エルピーダメモリー
DRAM
アドテックプラズマテクノロジー
プラズマ用高周波電源
長州産業
超高真空技術液晶製造装置
シンテック
ディスプレイ特性評価装置・ソフト
出所:中国経済産業局報告書を参考に日本総研で作成
図表4-2
中国地域に立地する主な FPD 関連企業
セットメーカー
三洋エプソンイメージングデバイス
株式会社
シャープ米子株式会社
特徴
小型化・高画質化・高精細化・量産化技術を集結し、中・小ディスプレイ
の製造。
携帯電話機やゲーム機、カーナビ向けの中小液晶パネルの製造。
関連企業
特徴
同社は、液晶パネル用カラーフィルターでは世界のトップで、三原は西
日本におけるカラーフィルターの中心的な生産拠点。
液晶およびプラズマディスプレイ用ハイブリッドモジュールを主力とし、
ディスプレー用フェライトコアでは国内 30%とトップシェア。
液晶パネルで使われる偏光板で世界トップシェア。尾道事業所では液
晶用光学フィルムを製造している。
液晶ガラス基盤(半導体)搬送システム(ロボット)で国内 70-80%のシェ
ア。
真空技術を活用したカラー液晶パネル製造装置とメカトロ技術を活用し
た自動 3 面面取り装置など。
プラズマ用高周波電源で国内シェア 25%とトップ、世界市場でも第 3 位
のシェア。
液晶・PDP 向けのガラス基板検査装置。
液晶カラーフィルター製造装置で世界シェア 70%以上。液晶用フィルム
市場へも進出。
大日本印刷株式会社
FDK 株式会社
日東電工株式会社
ローツェ株式会社
長州産業株式会社
アドテックプラズマテクノロジー
株式会社
オー・エイチ・ティー株式会社
タツモ株式会社
37
トクヤマ株式会社
シンテック株式会社
株式会社ササヤマ
日本化薬株式会社
有限会社ナノオプト研究所
日本ゼオン株式会社
多結晶シリコンでは世界シェア 3 位(国内 90%)、また半導体増量剤でも
世界 2 大メーカーのひとつ。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなど FPD の特性評価装置、およ
びコンピューターシュミレーターおよび設計ソフトウエアの開発。
薄型テレビ用背面カバーの金型製造。
半導体向けエポキシ樹脂では世界シェア 40%以上。その他 DVD など光
ディスク用の機能性材料や、液晶シール剤、プリント基板のレジストイン
キ、液晶ディスプレーの偏光フィルムなど、電子材料の製造
山口東京理科大学発ベンチャー。低消費電力液晶技術に関するライセ
ンスを保有。
ナフサを熱分解して出る化合物から COP(シクロオレフィンポリマー)と呼
ばれる特殊樹脂を開発。高性能の液晶光学フィルムとして大きな期待。
出所:中国経済産業局報告書を参考に日本総研で作成
解説
【展開例:先端的な電気・電子産業の立地展開】
周南コンビナートから生み出される製品は電気・電子などの先端的な産業の
素材として大きな需要が見込まれている。周南コンビナートの主要各社は既
にこうした新しい分野や用途開発に積極的に取り組んでおり、周南の事業所
を生産拠点としているところもある。その代表的なものは半導体その他多方
面に活用されるシリコン系の無機化学製品であり、周南のコンビナートにお
いても、主力製品の一つとなっている。
近年、わが国が圧倒的な強みを有している液晶パネルなど FPD(フラットパネ
ルディスプレイ)の材料には次のようなものがあり、周南コンビナートから生
み出される高機能な素材が用いられる。
資料4-1
化学製品を素材としているFPD(特にLCD)産業とシェア
・ガラス基盤
ソーダ灰を原料とする無機化学製品である石英ガラス
などを利用する。日本企業の世界シェアは50%以上に
達する。
・偏光板・保護フィルム
ビニロン系、染料系、ヨウ素系の素材を利用した樹脂
フィルム。日本企業の世界シェアは、偏光板で80%、
偏光板保護フィルムではほぼ100%に達する。
出所:各種資料より日本総合研究所作成
山口県及び中国地域や九州北部には半導体やFPDを活用して製品として
販売する主要なメーカー(セットメーカーや製造装置会社)が多数展開してお
り、こうした企業群との連携が期待される。
38
図表4-3
わが国における自動車産業の分布(完成車生産能力)
東北 30万台
中国 150万台
関東 400万台
九州北部 100万台
中部・東海 450万台
近畿 50万台
解
説:
【展開例:自動車産業】
自動車の素材や部品、内装材における樹脂の位置付けは大きく、自動車に使われる
プラスチックの割合は2001年時点で重量比8.2%に達している。こうしたことから、化
学品メーカーの内には自動車用樹脂メーカーという範疇が既にできている。今後をみ
ると、自動車は省エネルギーなどの視点から軽量化が求められており、ボディー外板
や構造材として樹脂を利用する研究がなされている。既にボディー外板に弾力性にと
んだ樹脂を用いた乗用車が市販された実績があり、今後、アルミニウム素材とともに
自動車の主要素材として期待されている。また、オイルに晒されるエンジン周りの部
品などにも高機能な樹脂が使われており、自動車内部の樹脂化もますます進むことが
予想されている。
周南コンビナートは広島や県内の防府、さらには九州北部という西日本の代表的な
自動車産業の集積地の近くに位置しており、自動車産業向け各種素材の供給基地とし
て発展することが期待される。
現在の国内の自動車生産能力は、東北地方約30万台、関東地方約400万台、中部・東
海地方約450万台、近畿地方約50万台、中国地方約150万台、及び九州北部が100万台と
なっている(自動車工業会資料)。中国と九州の要にあたる山口県の周南コンビナー
ト地域は、約250万台の自動車生産能力を対象に、樹脂や機能性膜などを通じて自動車
クラスターの有力な構成員として発展することが期待される。
39
資料4-2
水素利用に関する北九州市の事例
北九州市の製鉄所では、天然ガスを改質して作った水素と製鉄所のコークス炉ガスに由来
する水素をパイプラインによって利用先まで送っている。送り先としては、離れた敷地にある製
鉄所の別工程の工場、水素の外販企業、近隣の化学企業などである。この水素パイプライン
の総延長は 10km に及んでいる。配管は市街地も通過している。
副生水素利用のイメージ
資料:新日本製鐵
資料4-3
ウェブサイト
周南市の廃プラスチックのセメント原燃料化リサイクルの事例
◆事業主体:株式会社トクヤマ
◆概要:塩化ビニルを分別し、塩化ビニルを殆ど含まない廃プラスチックについてはそのままセ
メントキルンに投入し、化石燃料の代替として利用。
塩化ビニル系プラスチックについては、脱塩素処理により塩酸を回収し、残さはセメン
トキルンに投入し、化石燃料の代替として利用。
◆施設能力:6.5 万トン/年
廃プラスチック
選別・洗浄
・輸送等
低塩ビフラフ
破砕
分別
セメントキルン投入
塩化ビニル
脱塩素処理
塩酸
40
塩ビモノマー
5.アンケート調査及びヒアリング調査の結果
~アンケート、ヒアリングにみる周南コンビナートの課題~
41
(1)アンケート調査結果
本調査の一環として、山口県内の企業に対するアンケート調査を実施した。その
結果、44 社から回答を得た。内訳は次のとおりである。
○周南コンビナート主要企業及びそのグループ会社
○上記以外の周南地域の企業(周南市、光市、下松市)
○その他の地域の企業
・防府地域
・宇部・小野田地域
・岩国地域
・下関地域
○地域不明
8社
15 社
18 社
3社
8社
1社
6社
3社
アンケート調査結果は次のとおりである。ここでは、ⅰ)回答者全体を集計した結果、
ⅱ)周南コンビナートの企業及びそのグループ会社の回答結果、及びⅲ)周南地域(周南市、
下松市、光市)のコンビナート以外の企業の回答結果を掲載する。
①事業の拡大や製品の競争力の拡大等に向けた方向性と課題
ⅰ)全体
今後の事業の拡大や製品の競争力の拡大等に向けた中長期的な方向性につい
ては、製造コスト・輸送コストの低減、新製品の開発と新市場・新分野への進
出という 2 つの回答が多い。既存製品に関する新たな市場の開拓という回答も
目立つ。全体を通してみると新しい市場を志向している企業が多く、かつその
かなりの企業がコストの低減を目指しているということができる。
コストの削減については、半数近い企業が製造技術・工程面の工夫を図ること
を上げており、物流面からのコスト低減と競争力の拡大を図る、及び原材料の
調達先を海外に求めるという回答も比較的目立つ。
事業の拡大や製品競争力強化に向けた中長期的方向性(県内企業全体)
N=44
(SA)
中長期の方向性
1.既存製品に関する新たな市場の開拓 19
43.2%
2.新製品の開発と新市場・新分野への進出 22
50.0%
3.製造・輸送コストの低減 23
52.3%
4.リストラクチャリングの推進 5
11.4%
5.その他 1
2.3%
0
42
5
10
15
20
25
製造コスト・輸送コストの削減に向けた中長期的方向性(県内企業全体)
N=23
(MA)
製造コスト・輸送コストの削減について
1.原材料の国内調達先を新たに開拓する
3
13.0%
2.原材料の海外調達先を新たに開拓する
7
30.4%
3.物流面からコスト軽減と競争力の拡大を図
る 8
34.8%
4.製造技術・工程面の工夫などを図る 19
82.6%
5.その他 1
4.3%
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
山口県内で製造活動を拡大していくに当たって課題となる点としては、製造現
場に必要な人材をあげる回答が非常に目立つ。次いで国内物流の合理化、及び
原材料の調達と製品の供給における企業間連携の拡大という回答が目立つ。操
業環境の確保をあげる企業も 4 分の1ある。
このうち、人材に関しては、地域の大学、高等研究機関が脆弱なこと、工業高校
などの人材輩出力が翳っていること、企業間・産学間の連携協力による従業員に対
する教育が弱いことなどが多くあげられている。
物流機能については、徳山下松港の設備や国際物流機能の弱さがあげられている。
その他、コンビナート内の道路や産業道路へのアクセスが弱い、高速道路へのアク
セスが弱いという道路交通に関する回答もある。また、さらに、操業基盤について
は、企業間の協力体制の弱さをあげる回答が最も多い他、工業用水の確保などが上
位に位置している。
製造活動を拡大するに当っての課題(県内企業全体)
N=39
(MA)
今後の課題
1.国際物流の合理化を図る 10.3%
2.国内物流の合理化を図る 4
15
38.5%
3.製造現場で必要な人材の確保・育成を進める 32
82.1%
4.産学の共同研究を推進する 10.3%
5.既存の自社の特許など(知的財産)を活用し
た経営を進める 3
7.7%
6.他社、大学、研究機関などが保有する特許な
どを活用する 1
2.6%
7.原材料の調達と製品の供給の面で企業間の連
携関係を強める 4
13
33.3%
8.副生物、廃棄物などの有効活用の面で企業間
の連携関係を強める 10.3%
9.電力、熱などエネルギーの効果的利用に向け
た企業間の協力を進める 15.4%
10.廃棄物や排水、排出ガスなどの処理コストの
軽減を図る 12.8%
4
6
5
11.良好でコストの低い操業環境を確保する 11
28.2%
12.その他 2
5.1%
0
43
5
10
15
20
25
30
35
人材・産学連携・知的財産経営に関する課題(県内企業全体)
N=19
(MA)
人材と産学連携、知的財産経営について
1.工業高校などの人材輩出力が翳っている 4
21.1%
2.雇用した人材の教育機能に関する企業間や
産学の連携が弱い 4
21.1%
3.産学協同研究が低調である 3
15.8%
4.地域の大学、高等教育研究機関などが保有
する技術情報が少ない 5
26.3%
5.知的財産の創造、保護、活用に関する情報
や支援する仕組みが弱い 5.3%
6.他社、大学、研究機関が保有する特許など
を活用する仕組みが弱い 0
0.0%
7.立地事業所に新製品、新分野の開拓を担う
機能が備わっていない 1
3
15.8%
8.その他 7
36.8%
0
1
2
3
4
5
6
7
8
物流機能に関する課題(県内企業全体)
N=17
(MA)
今後の課題:物流機能について
1.徳山下松港の港湾インフラそのものの能力が
弱い 3
17.6%
2.徳山下松港の国際物流機能が弱い 4
23.5%
3.徳山下松港の国内物流機能が弱い 2
11.8%
4.コンビナート内の道路や産業道路へのアクセ
スが弱い 6
35.3%
5.物資のトラック輸送のための高速道路や国道
などへのアクセスが弱い 3
17.6%
6.鉄道輸送のためのインフラが弱い 7.廃棄物の静脈輸送、リサイクル、環境産業の
ための立地環境が不十分 1
5.9%
2
11.8%
8.その他 3
17.6%
0
44
1
2
3
4
5
6
7
操業基・操業環境に関する課題(県内企業全体)
N=24
(MA)
操業基盤・操業環境について
1.原材料を供給する企業間の導管(パイプラ
イン)が弱い 16.7%
2.電力や熱などのエネルギーを融通するため
のインフラが弱い 16.7%
3.廃棄物、排水などの共同処理のためのイン
フラが弱い 8.3%
4.工業用水の確保に難点がある 4
4
2
6
25.0%
5.企業の立地スペースが物理的に限られてい
る 25.0%
6.市街地、住宅地に近いことから操業面で制
約が強い 25.0%
7.敷地が狭いため工場緑化などによる影響が
大きい 6
6
3
12.5%
8.企業間の連携活動を進めるための協力体制
が弱い 8
33.3%
9.その他 3
12.5%
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
ⅱ)周南コンビナート企業
これをコンビナート企業及びそのグループ会社に限ってみると、次のとおりであ
る。
まず、中長期の方向性としては、製造・輸送コストの低減が最も多く、ほとんど
の企業がこれをあげている。新製品及び既存製品に関する新たな市場開拓について
もそれぞれ半数以上の企業があげている。
事業の拡大や製品競争力強化に向けた中長期的方向性(コンビナート企業)
N=7
(SA)
中長期の方向性
1.既存製品に関する新たな市場の開拓 4
57.1%
2.新製品の開発と新市場・新分野への進出 4
57.1%
3.製造・輸送コストの低減 6
85.7%
4.リストラクチャリングの推進 2
28.6%
5.その他 0
0.0%
0
1
2
3
4
5
6
7
このうち、製造・輸送コストの低減についてみると、製造技術・工程面の工夫と
45
並んで、物流面からのコスト削減が大きくとりあげられている。
市場の開拓については、海外と国内が半々である。
製造コスト・輸送コストの削減に向けた中長期的方向性(コンビナート企業)
N=6
(MA)
製造コスト・輸送コストの削減について
1.原材料の国内調達先を新たに開拓する 16.7%
1
2.原材料の海外調達先を新たに開拓する 3
50.0%
3.物流面からコスト軽減と競争力の拡大を図
る 5
83.3%
4.製造技術・工程面の工夫などを図る 6
100.0%
5.その他 0
0.0%
0
1
2
3
4
5
6
7
新たな市場開拓の重点対象(コンビナート企業)
N=4
(MA)
新たな市場の開拓について
2
1.国内市場が対象 50.0%
2
2.海外市場が対象 50.0%
1
3.その他 25.0%
0
0.5
1
1.5
2
2 .5
次に、山口県内で製造活動を拡大していくに当たって課題となる点としては、
製造現場に必要な人材をあげる回答が非常に目立ち、ほとんどすべての企業が
これをあげている。次いで原材料の調達・供給における企業間の連携、及びエ
ネルギーにおける企業間の連携があげられている。
この内、人材育成に関しては、大学や研究機関の弱さと、事業所における研究
開発機能の弱さがあげられている。
操業基盤については、ほとんどの企業が工業用水の問題をあげている。また、
物流については、道路関係の問題をあげる企業が目立っている。
46
製造活動を拡大するに当っての課題(コンビナート企業)
N=7
(MA)
今後の課題
1.国際物流の合理化を図る
3
42.9%
2.国内物流の合理化を図る
4
57.1%
3.製造現場で必要な人材の確保・育成を進め
る 7
100.0%
4.産学の共同研究を推進する 2
28.6%
5.既存の自社の特許など(知的財産)を活用
した経営を進める 0
0.0%
6.他社、大学、研究機関などが保有する特許
などを活用する 0
0.0%
7.原材料の調達と製品の供給の面で企業間の
連携関係を強める 5
71.4%
8.副生物、廃棄物などの有効活用の面で企業
間の連携関係を強める 3
42.9%
9.電力、熱などエネルギーの効果的利用に向
けた企業間の協力を進める 5
71.4%
10.廃棄物や排水、排出ガスなどの処理コスト
の軽減を図る 2
28.6%
11.良好でコストの低い操業環境を確保する 12.その他 4
57.1%
0
0.0%
0
1
2
3
4
5
6
7
8
人材・産学連携・知的財産経営に関する課題(コンビナート企業)
N=5
(MA)
人材と産学連携、知的財産経営について
1.工業高校などの人材輩出力が翳っている
0
0.0%
2.雇用した人材の教育機能に関する企業間や
産学の連携が弱い
3.産学協同研究が低調である
0
0.0%
4.地域の大学、高等教育研究機関などが保有
する技術情報が少ない 2
40.0%
5.知的財産の創造、保護、活用に関する情報
や支援する仕組みが弱い 1
20.0%
6.他社、大学、研究機関が保有する特許など
を活用する仕組みが弱い 0
0.0%
7.立地事業所に新製品、新分野の開拓を担う
機能が備わっていない
8.その他
1
20.0%
2
40.0%
3
60.0%
0
47
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
物流機能に関する課題(コンビナート企業)
N=7
(MA)
物流機能について
1.徳山下松港の港湾インフラそのものの能
力が弱い 42.9%
2.徳山下松港の国際物流機能が弱い
42.9%
3.徳山下松港の国内物流機能が弱い
4.コンビナート内の道路や産業道路へのア
クセスが弱い 4
57.1%
5.物資のトラック輸送のための高速道路や
国道などへのアクセスが弱い 2
28.6%
1
14.3%
7.廃棄物の静脈輸送、リサイクル、環境産
業のための立地環境が不十分 8.その他 3
0
0.0%
6.鉄道輸送のためのインフラが弱い 3
1
14.3%
0
0.0%
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
操業基・操業環境に関する課題(コンビナート企業)
N=8
(MA)
操業基盤・操業環境について
1.原材料を供給する企業間の導管(パイ
プライン)が弱い 2
25.0%
2.電力や熱などのエネルギーを融通する
ためのインフラが弱い 4
50.0%
3.廃棄物、排水などの共同処理のための
インフラが弱い 12.5%
4.工業用水の確保に難点がある
1
6
75.0%
5.企業の立地スペースが物理的に限られ
ている 3
37.5%
6.市街地、住宅地に近いことから操業面
で制約が強い 2
25.0%
7.敷地が狭いため工場緑化などによる影
響が大きい 12.5%
8.企業間の連携活動を進めるための協力
体制が弱い 1
2
25.0%
9.その他
0
0.0%
0
1
2
3
4
5
6
7
②企業間連携の可能性
ⅰ)全体
周南地域や防府、宇部・小野田、岩国、下関など他の産業集積地域に立地する
48
企業同士の連携・協力の可能性に関する設問については、効果があるので推進
するべきであるという回答が最も多く、次いで連携効果はあるが可能性は少な
いという回答であり、3 番目が企業間の連携・協力の効果は少ないという回答で
あった。全体的にみると、消極的な意見が強いということができよう。
連携・協力が期待される分野としては、調達活動の共同化、物流面の共同化、
人材育成の共同化などが比較的多くあげられているが、いずれも回答者の 7 分
の1ないし 6 分の1程度にとどまっている。
企業間連携・協力に関する意識(県内企業全体)
N=35
(SA)
企業同士の連携・協力の可能性
1.企業間の連携・協力は効果があり、推進
するべきである 40.0%
2.企業間の連携・協力は効果があるが、可
能性は少ない 31.4%
14
11
3.企業間の連携・協力の効果は少ない
9
25.7%
4.その他 1
2.9%
0
2
4
6
8
10
12
14
16
企業間連携・協力の対象分野(県内企業全体)
N=13
(MA)
企業同士の連携・協力の分野
1.物流面の共同化などによるコスト軽減
6
46.2%
2.調達活動の共同化などによるコスト軽減 3.新製品の開発、新分野進出などのための研
究開発・技術開発 7
53.8%
5
38.5%
4.知的財産の創出やその流通・活用 0
0.0%
5.人材の育成(現場教育や研修活動等)
6
46.2%
6.原材料の供給・調達面を中心とした製造工
程における企業間連携 6
46.2%
7.電力、熱などのエネルギーの共同利用
5
38.5%
8.廃棄物の処理、リサイクルの共同化 4
30.8%
9.その他 0
0.0%
0
49
1
2
3
4
5
6
7
8
ⅱ)周南コンビナート企業
他の産業集積地域に立地する企業同士の連携・協力の可能性に関する設問につ
いては、半数の企業が企業間連携・協力は効果があり推進すべきであると回答
している。ただし、効果はあるが可能性は少ない、及び効果は少ない、と回答
した企業も半数弱ある。
連携・協力が期待される分野としては、製造工程における企業間連携と、電力・
熱などのエネルギーの共同利用をあげる企業がそれぞれ半数であった。
企業間連携・協力に関する意識(コンビナート企業)
N=7
(SA)
企業同士の連携・協力の可能性
1.企業間の連携・協力は効果があり、推進す
るべきである 4
57.1%
2.企業間の連携・協力は効果があるが、可能
性は少ない 1
14.3%
3.企業間の連携・協力の効果は少ない
2
28.6%
4.その他
0
0.0%
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
企業間連携・協力の対象分野(コンビナート企業)
N=4
(MA)
企業同士の連携・協力の分野
1.物流面の共同化などによるコスト軽減
2.調達活動の共同化などによるコスト軽減 3.新製品の開発、新分野進出などのための研
究開発・技術開発 2
50.0%
1
25.0%
4.知的財産の創出やその流通・活用 0
0.0%
5.人材の育成(現場教育や研修活動等)
1
25.0%
6.原材料の供給・調達面を中心とした製造工
程における企業間連携 4
100.0%
7.電力、熱などのエネルギーの共同利用
4
100.0%
8.廃棄物の処理、リサイクルの共同化 1
25.0%
9.その他 2
50.0%
0
0.0%
0
50
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
参考:人材面における環境
アンケート結果からは、人材面の課題がかなり意識されている。特にアンケート
回答企業全体をみると、大学との技術面の連携、雇用した人材の教育、工業高校の
人材輩出力などについて懸念があることがうかがえる。これについては、次のよう
な環境要因がある。
①2007 年問題
団塊の世代の大量リタイアの時代が 2007 年から始まる。周南のコンビナート企
業においても 2007 年以降、従業者の退職によって人材の不足が生じ、技能の継承
などが課題となる。
②中核人材の不足
周南のコンビナート企業は、経済の長期低迷時において一時期に採用人員を絞り
込みを行ってきた。そのため、中核となる人材が不足している状況がみられる。そ
のため、企業内の研修等教育の重要性が高まっている。しかしながら、研修の中に
は現場活動や学習用の模型プラントの活用などを要したり、適切なテキストを必要
としたりすることから、研修が負担となっている企業もある。
③雇用ニーズの拡大と工業高校や中高年への期待の増大
最近における事業の拡大、増産などによって、新卒者雇用のニーズが高まってい
る。そのため、工業高等学校などにおける質の高い教育が求められている。また、
リタイア時期に入っている中高年層に対しても、現場要員の即戦力としてのニーズ
が高い。
④大学・研究機関との連携
近年は技術開発、新分野への展開などを推進する方法として産学連携の重要性が
高まっている。産学連携はまた、共同研究を通じて企業の人材育成にも効果的な方
法となっている。
さらに、最近では企業の人材育成そのものを目的とした産業界と大学等との連携
も強まっている。例えば、経済産業省は「産学連携製造中核人材育成事業」を実施
している。これは産業界と大学等教育機関が連携し、製造現場における中核人材を
育成するための新たな人材育成システム構築の構築を目指したものである。平成
17 年度においては、全国で 36 の事業が採択され、補助金が交付されている。コン
ビナートでは水島地区がこの事業を進めている。
51
(2)ヒアリング調査結果
①コンビナート企業に対するヒアリング
コンビナート企業に対しては、周南コンビナート全体としての強みや弱みと将来
展開に関する展望、及び個々の企業の経営課題と将来への展望、企業間連携の可能
性などについて尋ねた。これによると、次のような企業の認識や期待がうかがえる。
ⅰ)コンビナートの強み・弱みについて
・周南の競争力の源泉は、エチレンセンターの能力が高いこと、石油精製と石油
化学との密接な連携があること、需要地であるアジアと地理的に近いこと。
・国内のコンビナートとの比較からみた強みは、自家発電規模がわが国で第一で
安価な電力があること、石油化学と無機化学の両面を有する総合的なコンビナ
ートであること、無機化学面で最先端の素材を生産するなど付加価値が高いこ
と、パイプラインによる企業間連携がとれていること、及びリサイクルポート
の指定を受けて環境産業としての展開があること。
・周南の弱みは、国内の主要な需要先と遠いこと、用地の不足と拡張余地がな
いこと、水の不足、港湾の水深不足による大型船活用の制約。
ⅱ)経営戦略について
周南コンビナートの企業は次のような経営戦略を有している。
・需要拡大に対応した増産指向
・企業の新分野展開の拡大(ファインケミカル・無機性化学品等)
・全社的な最適生産立地戦略の展開
ⅲ)周南コンビナート全体としての解決課題
このような周南コンビナートの強み・弱み、及び各社の経営戦略などを背景とし
て、コンビナート全体の今後の解決課題として次の点が指摘されている。
・RING1、2を踏まえたより高度な統合、合理化に向けた各社の連携協力
・事業拡大のための用地の確保
・事業コスト削減に向けた港湾、工業用水、道路アクセスなどインフラの整備
52
ヒアリング結果概要
視点
結果概要
1.周南コンビナート全体 ・周南コンビナート全体の国際 【強み】
の将来展開について
競争力(強み、弱み)
・エチレンセンターとしての能力
・石油精製と石油化学の連携体制(RC連携)
・アジア向けの地理的近さ
【弱み】
・日本の需要地に遠い
・規模拡大に必要な用地不足
・渇水により工業用水の確保が困難
・周南コンビナート全体の国内 【強み】
競争力(強み、弱み)
・大型の自家発電施設を有する
・ポリシリコンなど無機化学、セメント製造
・導管(パイプライン)による企業間連携
・リサイクルポートとしての指定
【弱み】
・国内需要先へは陸送となり遠い
・港湾機能についで改善の余地がある
2.周南事業所の将来展 ・周南事業所における製品レ ・エチレン
開について
ンジ
・塩ビモノマー
・多結晶シリコン
・合成ゴム
・樹脂ポリマー
・酢酸エチル
・PET樹脂 など多様
・全社における周南事業所の ・国内でも有数の生産拠点
位置付け
・エチレンセンター
・国際的な視点からみた事業 ・個別企業が独立しており、グループ会社(1つの資本)でまとまっていない
所としての競争力
・今後の事業展開(製品多角 ・規模の拡大は土地の制約条件上難しい
化等)の可能性
・現在の技術に基づく、高付加価値商品の開発が進む
3.企業間の連携につい ・サプライチェーン(原材料等 ・国内外から資材の調達を行う。
て
の調達先と製品の販売先の ・販売先も国内外に及ぶ(中国地域、関西地域、中部地域など)
地域)
・物流手段
・陸上輸送の場合、ローリー、鉄道貨物が多い(コスト面からトラック輸送では
なく)
・海上輸送の場合、コンテナ便。ただし、一部下関まで陸送し門司港で海上
輸送となるケースもある。(酢酸エチル)
・今後の企業間連携の可能性 ・副生水素の利用可能性
(周南地域における原材料や ・自家発電の電力融通、蒸気の利用の可能性
製品、副生物の相互利用の
視点から)
・今後の企業間連携の可能性 ・特定の副生物等を必要とする特定の事業者が見つかれば連携の可能性は
(県内他地域の企業との広域 ある
連携の視点から)
・ただし、立地する土地の確保が重要
4.コンビナート全体及び ・コンビナート全体の競争力強 ・RINGⅠ、Ⅱを踏まえた統合化の推進
事業所の課題と活性化 化の方向性
・石炭火力等によるCO2排出抑制の必要性
の方向性等について
・既存製品の高度化
・コンビナートの解決課題
・規模拡大用用地の確保
・渇水対策のための必要な水の確保
・自社の事業所の新展開に向 ・インフラの規制緩和
けた課題からみたコンビナー ・ファインケミカル分野の強化
トの課題
・無機化学分野の強化
②物流企業に対するヒアリング
周南コンビナートへの原材料の搬入や製品の出荷物流を担っている物流業者に対
するヒアリング結果からは、物流の現状と課題、今後の方向性、可能性として次の
53
点が指摘される。
ⅰ)物流手段について
・国内の製品輸送については、二酸化炭素排出削減その他環境対応の視点から、ト
ラック・トレーラーから鉄道(タンクコンテナなど)を使うモーダルシフトが進
みつつあり、今後も加速する趨勢にある。
・国内輸送では内航海運もかなりの比重を占めており、RORO 船の定期便も活用
されている。
ⅱ)港湾について
・公共埠頭で 14mの水深を有する港湾は西日本にはなく、周南の大きな利点であり、
これを活かした効果的な利用を目指すべき。
・バラ積み貨物のための港湾として大きな実績があり、各地への内航海運の拠点と
しての立地条件もあるため、バルク貨物のハブ港湾としての活用が考えられる。
・公共埠頭で 14mの水深を有する港湾は大きな利点である。大型船の活用に向けて
公共埠頭を完全に使えるようにすることが今後の課題。
・徳山下松港のコンテナ取扱量がここ 10 年で 3 倍になり、コンテナの置き場の絶対
的な不足、コンテナバースの不足(1 箇所)などの問題が発生。
・港湾関連用地の面積が狭いために上屋などがなく、ヨコもち物流などが発生してコ
スト増大要因となっている。
ⅲ)道路・鉄道アクセスについて
・道路については、徳山駅より東に産業道路がないため、一部の企業については道
路アクセスが良くない問題や、市街地を大型トラックが走ることによる危険性が
ある。
・周南地域にはJR貨物の新南陽駅があり、コンビナート企業の専用線のレールが
延びているが、現在、利用頻度は低い。
・新南陽駅において大型リフトの設置などによって大型コンテナが入れるようにな
れば、化学品の海上輸送やトラック輸送で利用されるタンクコンテナ(液体を運
ぶタンクをコンテナによって保護したもの)による海陸複合一貫輸送による移
出・輸出が可能になる。
・新南陽駅の現在のホームは短いため、貨車を分割・切り離してして停車しており、
引渡し時間のロスとなっている。そのため、鉄道貨物駅の拡充や機能強化が求め
られる。拡張余地はあるので、第3セクター方式など、方法論からも拡充を検討
していくことが課題。
・鉄道輸送を拡大するためには、コンビナート地区から新南陽駅までの道路アクセ
スも重要。25t トレーラー単車が走れる指定道路であることが必要。また、大型
小売店の立地により一般車両が多く、大型トラックは走りにくい。
54
ⅳ)その他(港湾の後背地における課題や環境産業の立地等)
・工場が増産で設備を増設するため、工場敷地内から物流関連業務や施設が、外に
出されているが、周辺には住宅が迫っており、物流用地が少ない。
・廃棄物の搬入については、工場直送が多いために公共埠頭のニーズは少ないが、
今後リサイクル事業が拡大なるならば、港湾地区で仮保管して中間処理したのち、
メーカーへ持ち込もうといニーズが高まる。
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6.海水淡水化の可能性とコストについて
6-1海水・淡水化技術の最新動向の理解
(1)淡水化技術
現在実用化されている淡水化方式は蒸発法と膜法に二分され、図 1 に示す方式がある。
この他に、冷凍法、透過気化膜法(膜蒸留法)があるが、実験研究を除き実施例はない。
相変化有
蒸発法
相変化無
膜法
多段フラッシュ法
多重効用法
蒸気圧縮法
淡水化方式
逆浸透法
電気透析法
図 1 実用化されている淡水化方式の分類
(2)各技術の特徴
①蒸発法
ここでは、蒸発法の中心となっている多段フラッシュ法(MSF)について整理する。
□原料塩水および生産淡水の水質
主として海水淡水化に使用され、かん水淡水化は適用例が少ない。選択できる原料
水の範囲が広く、生産される淡水の水質も高品位という長所がある。原料水の塩分濃
度、汚染度など水質が多少変動しても、生産水にあまり影響を与えないし、生産水の
安全性も大きい。1950 年台から実用化され、生活用水用の淡水化方式として最も信頼
性が高い。一方、生産水は蒸留水なので、飲料水用には硬度が低すぎてミネラル分を
添加する必要がある。また、プラントを構成する金属材料、たとえば鉄、銅、ニッケ
ルなどが溶出して混入する可能性もある。
□生産規模とプラント維持・管理
現状では一基あたりの淡水生産能力が最大で、大量生産に適する。中東産油国では、
もっとも信頼のできる淡水源となっている。火力発電と技術的に共通部分が多く、発
電・淡水化二重目的プラントは淡水化プラントの運転管理にも好都合である。一方、
短所としては負荷変動に迅速に対処できないなど、小回りが利かない。運転開始・停
止に時間がかかる。また、手軽に設置・廃棄ができず、小規模プラントに適さない。
□経済性およびエネルギー消費
多重効用法、逆浸透法に比べ、経済性に劣る。大型プラントでも、同じ容量のプラ
ントに比較して設備費が高い。熱エネルギーと電力の両方を必要とする。また、全エ
ネルギー消費量が最も多い。エネルギー費の安い中東産油国に適した方法である。
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□環境負荷
エネルギー消費が多いので、それに伴う環境負荷も大きい。生産水の数倍の温排水
を発生するので、環境に与える温排水負荷が大きい。しかし、海水濃縮水(ブライン)
が発電用を含む多量の温排水で薄められているので、塩分濃度の増加による環境負荷
は逆浸透法より小さい。その他の環境負荷として、振動、騒音などは同じ程度と思わ
れる。
②膜法
ここでは、膜法の主流である逆浸透法(RO)についてまとめる。
□原料塩水および生産淡水の水質
原料水として海水およびかん水両方の使用が可能で適用範囲は広い。逆浸透法では、
原料水の塩分濃度に比例して逆浸透圧が高くなり、加える圧力が増加する。また、前
処理した塩水を逆浸透膜で見かけ上、ろ過する形になるので、汚染した原料水しか取
水できない場合には前処理費がかさむ。 蒸発法に比較し、原料水の水質(塩分濃度、
汚れなど)および水質変動の範囲に制限があるのが蒸発法に劣る点である。逆浸透法
では塩分濃度が低い原料水は低い分だけ消費エネルギーが減少する長所がある。また、
原料水の汚染度についても、清澄な原料水が得られれば、前処理を簡便にできるメリ
ットが享受できる。生産水の水質においても、蒸発法に比べ若干塩分濃度は高い。し
かし、飲料用に適さない水質ではない。むしろ、適当なミネラル分があり、ミネラル
の添加量が少なくなる長所がある。また、常温運転なのでプラントの腐食が少なく、
装置による生産水の汚染程度も軽減される。
□生産規模とプラント維持・管理
蒸発法プラントの一基あたりの規模が大きいのに対し、逆浸透法はモジュール数を
加減して容量を調整する。大規模プラントでは、モジュール群(トレイン)を 1 ユニ
ットあたり 5,000~10,000 ㎥/d にして、これを並べることにより大容量に対応できる。
蒸発法淡水化プラントの維持・管理は発電設備と機械関連の共通点が多いのに対し、
逆浸透法は化学関連の比重が比較的大きいのが異なっている。したがって、維持・管
理の専門分野が若干違うが、必要人員数はほぼ同等である。逆浸透法では、とくに膜
モジュールの汚れ、性能低下などに注意が必要である。蒸発法に比較し、プラントの
起動・停止は容易である。また、トレインごとに運転・停止が可能なので需要変動に
対し柔軟性がある。
□経済性およびエネルギー消費
多段フラッシュ法および多重効用法に比べ逆浸透法は経済性に優る。プラント建設
費、エネルギー消費量とも両者より少なく、中東産油国以外の地域では淡水化プラン
トの主流は逆浸透法である。蒸発法が熱エネルギーおよび電力の双方を必要とするの
に対し、逆浸透は電力だけでよい。電力があればよいので蒸発法のように燃料を運搬
57
する必要がない。
□環境負荷
蒸発法よりエネルギー消費が少ないので、それに伴う環境負荷も小さい。さらに蒸
発法は、熱エネルギー(蒸気)を発生する必要があり、燃料消費による炭酸ガスのほ
か SOx、NOx も環境負荷を増加させる。排出ブラインは常温なので、塩分濃度対策だ
けを行えばよい。しかし、蒸発法に比較し塩濃度が格段に高く放流にあたっては注意
が必要である。蒸発法の場合、排出部ラインの塩濃度は低いが温度の高い大量の温排
水であり、総量的な環境負荷は逆浸透法の場合より高いと見られている。その他、振
動、騒音などは同じ程度と思われる。
(2)海水・淡水化技術の実用化・導入事例
現在、世界最大の海水淡水化プラントは、1985 年に全施設が完成したサウジアラビア
のアルジュベールにある 46 基 100 万㎥/d 多段フラッシュ蒸発法プラントである。逆浸
透法では、イスラエルのアシュケロンにおいて 30 基 33 万㎥/d の海水淡水化プラント
が 2005 年 9 月より一部稼動を始めている。
表 1 方式別淡水化施設設置状況 (単位:千 m3/d)
日本メーカー 日本メーカー
淡水化方式 世界総計 合計
占有率%
蒸発法
16,402
4,497
27.4
逆浸透法
19,253
2,614
13.6
電気透析法
1,844
298
16.2
その他
251
全方式
37,750
7,409
19.6
表 2 世界のプラントメーカー国別実績表(単位;m3/d)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
国名
U.S.A.
Japan
Italia
France
Spain
British
Korea
Saudi Alabia
Germany
Austria
蒸発法
1,496,466
4,496,700
3,645,587
2,081,987
89,438
1,254,761
1,527,225
1,400
176,288
91,706
逆浸透法 電気透析法 その他 全方式
6,923,684
1,488,386 121,341 10,029,877
2,613,587
297,991
538 7,408,816
350,654
14,616
2,163 4,013,020
1,651,999
404
1,082 3,735,472
2,271,432
920
4,000 2,365,790
591,196
34,299
5,618 1,885,874
168,351
0
0 1,695,576
856,237
0
0
857,637
624,698
3,120 15,965
820,071
658,118
0
0
749,824
58
シェア
26.6%
19.6%
10.6%
9.9%
6.3%
5.0%
4.5%
2.3%
2.2%
2.0%
(3)事例に見る造水コスト
従来の技術である蒸発法の中心となっている多段フラッシュ法(MSF)から、近年では、
膜技術の進展に伴い、水質向上と省エネルギーの両立が可能となり、ランニングコスト、
特にエネルギーコストが小さい膜法の主流である逆浸透法(RO)を活用した淡水化プラ
ントが増えてきている。また、RO による海水淡水化コストはここ 10 年で 1/3 になったと
も言われ、処理コストの低下が著しい。
図 2 造水コストの比較
表 3 事例にみる造水コスト
東レ
場
所
淡水化方式
回 収 率
施設規模(m3/日 )
総事業費
施工完成
造水コスト
背
景
日東電工
ポイント・リサス(パリア湾)
トリニダード・トバコ
逆浸透法
47%
136,000m3/日
1 億 2 千万 US ドル(約 144 億
円)
2002 年 2 月
$0.707/m3:(約 85 円)
パリア湾の海水を淡水化してポ
イント・リサスの工業地区向け
に工業用水を供給する
59
フロリダ州タンパ湾岸
アメリカ
逆浸透法(スパイラル型)
10 万 m3/日
2003 年 2 月
$0.55/m3:(約 66 円)
隣接する火力発電所の冷却温排水(海
水)を原水とする。温排水を利用する
ことでのエネルギー節減と、2 種類の
逆浸透膜を組み合わせることで脱塩
処理効率を向上し、史上最小の造水コ
ストを実現。
出所)各社 web ページ
山口県次世代周南コンビナート形成戦略会議設置要綱
(趣旨)
第1条
本県における産業の一層の活性化に向けて、企業と行政が連携・協働して、
コンビナートにおける国際競争力の強化に向けた諸課題や方策等について協議・検討
するため、次世代周南コンビナート形成戦略会議(以下、
「戦略会議」という。)を設
置する。
(検討事項)
第2条
戦略会議は、以下の事項を検討する。
(1) 次世代コンビナート形成に向けた課題
(2) 次世代周南コンビナート形成基本戦略
(2)その他の必要な事項
(組織)
第3条
2
戦略会議の構成員は、別表に掲げる職にある者をもって充てる。
戦略会議の会長は、山口県商工労働部長をもって充てる。
(会議)
第4条
戦略会議は、会長が招集する。
2
戦略会議の議長は、戦略会議会長をもって充てる。
3
会長は、必要があると認めるときは、構成員以外の者を出席させ、意見又は説明を
求めることができる。
(研究会)
第5条
戦略会議に研究会を置く。
2
構成員は、別表に掲げる職にある者が推薦する者をもって充てる。
3
研究会は、戦略会議の命を受けて戦略会議の検討事項について検討する。
4
研究会は、必要があると認めるときは、構成員以外の者を出席させ、意見又は説明
を求めることができる。
(部会)
第6条
研究会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、部会を置くことがで
きる。
2
部会は、研究会が指名する者によって組織する。
(事務局)
第7条
戦略会議の事務局は、山口県商工労働部商政課に置く。
(その他)
第8条
この要綱に定めるもののほか、戦略会議等の運営その他必要な事項は、別途協議
して定める。
附則
この要綱は、平成 17 年 11 月 24 日から施行する。
60
別
表
所
属
職
出光興産(株)徳山製油所・徳山工場
所長(兼)工場長
昭和電工(株)徳山事業所
所長
帝人ファイバー(株)徳山事業所
所長
東ソー(株)南陽事業所
所長
(株)トクヤマ徳山製造所
所長
日本ゼオン(株)徳山工場
工場長
日本ポリウレタン工業(株)南陽工場
工場長
周南市経済部
部長
山口県商工労働部
部長
61
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