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講義資料[PDF:2.32MB]
財団法人
日本交通公社
「温泉観光地の活性化とツーリズム」
~阿寒湖温泉を例にして~
2010
年6月24日
2010年
24日
財団法人日本交通公社
研究調査部長 梅川 智也
1.観光の市場規模と特性
1-1. 我が国のツーリズム市場規模―23.6兆円
地域経済の活性化には
海外旅行(国内分)
1.7兆円(
7.2%)
)
1.7兆円(7.2%
訪日外国人旅行
1.3兆円(
5.7%)
)
1.3兆円(5.7%
「国内宿泊旅行」の振興
国内宿泊旅行」の振興
が欠かせない
・国内総消費
国内総消費
国内日帰り旅行
4.9兆円(
20.9%)
)
4.9兆円(20.9%
・国民総消費
国内宿泊旅行
15.6兆円(
66.2%)
)
15.6兆円(66.2%
図
国内ツーリズム消費額の市場別内訳(2008
年度)
国内ツーリズム消費額の市場別内訳(2008年度)
「平成18年度旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」/国土交通省
出典: 観光庁/(社)日本ツーリズム産業団体連合会
2
1
財団法人
日本交通公社
1-2. 内需依存型のツーリズム産業
国民のツーリズム消費
外国人のツーリズム消費
日本’
日本’06
94.2
5.8
14.3
85.7
アメリカ合衆国’
アメリカ合衆国’03
17.0
83.0
ドイツ’
ドイツ’00
18.1
81.9
イギリス’
イギリス’03
オーストラリア’
オーストラリア’04
75.6
カナダ’
カナダ’06
75.3
24.4
24.7
70.5
ノルウェー’
ノルウェー’04
29.5
32.6
67.4
スウェーデン’
スウェーデン’05
35.7
64.4
フランス’
フランス’99
55.1
スペイン’
スペイン’04
44.9
53.9
ニュージーランド’
ニュージーランド’05
46.1
47.2
オーストリア’
オーストリア’05
52.8
42.5
スイス’
スイス’04
図
57.5
主要国の旅行消費額の国民・外国人シェア
内需から外需にも眼を向ける
-今後、増加が期待されるインバウンドも地域経済の活性化に欠かせなくなる-
出典:(社)日本ツーリズム産業団体連合会/財団法人日本交通公社
3
1-3. 観光需要の構造と需要拡大策
参加回数(泊数)を増やすためには
旅行参加回数
旅行参加回数
(泊数)
・リピートしてもらう(リピート化)
・滞在日数を増やす(滞在化)
という2つの方法がある
旅行参加率を向上させる
ことは難しい
観光需要
旅行参加率(%)
旅行参加率(%)
図
観光需要の構造と増加策
出典 財団法人日本交通公社
4
2
財団法人
日本交通公社
2.わが国の温泉地の概要
2-1. 日本の主要温泉地の分布
定山渓温泉
登別温泉
湯の川温泉
・日本の温泉地の数
3162カ所
山代温泉
草津温泉
伊香保温泉
下呂温泉
鬼怒川・川治温泉
別府温泉
箱根湯本・強羅温泉
熱海温泉
白浜温泉
宿泊数100万人以上(年間)
宿泊数50万人以上(年間)
図1 日本の人気温泉地
資料
(社)北海道観光土産協会『観光みやげ165号』
5
2-2. 日本の温泉地の動向
(1)宿泊施設数の推移
・宿泊施設数は、近年減少傾向が加速
・全般的には、未だ在庫過剰状態
16000
3500
15500
宿
泊
施
15000
設
軒
数
3000
温
泉
地
数
2500
14500
温泉地数
宿泊施設数
2000
19
87
年
度
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
14000
図2 旅館の軒数・客室数の推移
資料
厚生労働省資料
6
3
財団法人
日本交通公社
2-2. 日本の温泉地の動向
(2)宿泊客数の推移
・ 宿泊客
宿泊客数は、90年代ピーク時と比べると、減少状態
・ 近年は、横ばいの状況
・ 宿泊需要は、期待通りに伸びていない
千
宿
泊
利
用
人
員
145,000
8000
140,000
7000
135,000
6000
公
衆
浴
5000
場
軒
数
4000
130,000
125,000
年度延宿泊利用人員
温泉利用の公衆浴場
120,000
115,000
1987年度
3000
2000
1990
1993
1996
1999
2002
2005
図3 日本の温泉地の年間延宿泊数の推移
図3 資料
7
厚生労働省資料
2-3. 日本人の旅行意向と温泉地に対する意識
行ってみたい旅行タイプ第1位は「温泉旅行」
0
20
40
60
温泉旅行
温泉旅行
・不動の人気を誇る温泉旅行
・温泉に対する根強い需要
・温泉観光地の衰退
●旅行者(需要側)のニーズと
旅行者(需要側)のニーズと
温泉地(供給側)の実情の不一致
温泉地(供給側)の実情の不一致
・供給側
温泉地側にマーケティングの
思考が不十分であった
・需要側
団体旅行から個人旅行へ
旅行形態が変化
等
自然観光
グルメ
歴史・文化観光
海浜リゾート
テーマパーク
おしゃべり旅行
和風旅館
世界遺産巡り
ショッピング
高原リゾート
町並み散策
動物園・水族館
都市観光
リゾートホテル
自然現象観賞
スキー
祭・イベント
海水浴
秘境ツアー
花の名所巡り
芸術鑑賞
マリンスポーツ
スポーツ観戦
登山・山歩き
ロケ地巡り
クルーズ
釣り
地域工芸体験
ゴルフ
オートキャンプ
エコツアー
%
51.3
43.3
43.2
36.3
31.3
28.6
25.2
23.0
22.0
21.9
19.8
19.6
19.3
18.5
17.1
13.7
12.4
12.3
12.3
12.1
11.7
11.3
10.6
10.1
9.8
7.8
7.5
6.0
5.6
4.9
4.7
3.1
図4 資料
図4 行ってみたい
旅行タイプ(複数回答)
(2007年度調査)
(財)日本交通公社『旅行者動向2008』
8
4
財団法人
阿寒湖温泉(北海道)/遊覧船と雄阿寒岳
阿寒湖温泉(北海道)/冬は全面結氷
こんなに
日本は
美しい
です
阿寒湖温泉(北海道)/立教大学のゼミ合宿で
阿寒湖温泉(北海道)/商店街の活性化が課題
有馬温泉(兵庫県)/金の湯
有馬温泉(標語県)/銀の湯
こんなに
日本は
美しい
です
有馬温泉(兵庫県)/お土産屋
有馬温泉(兵庫県)/足湯
日本交通公社
9
10
5
財団法人
城崎温泉(兵庫県)/川沿いの温泉街
城崎温泉(兵庫県)/情緒ある街並み
こんなに
日本は
美しい
です
城崎温泉(標語県)/飲泉施設
城崎温泉(兵庫県)/誰でも使えるみんなの傘
別府温泉(大分県)/海岸沿いの全景
別府温泉(大分県)/駅前温泉
こんなに
日本は
美しい
です
別府温泉(大分県)/竹瓦温泉
別府温泉(大分県)/鉄輪の日帰り温泉施設
日本交通公社
11
12
6
財団法人
湯平温泉(大分県)/石畳が続く温泉街
湯平温泉(大分県)/旅館の裏には渓流が
こんなに
日本は
美しい
です
由布院温泉(大分県)/シンボル由布岳
由布院温泉(大分県)/街中からも由布岳が
由布院温泉(大分県)/山荘無量塔
由布院温泉(大分県)/山荘無量塔
こんなに
日本は
美しい
です
由布院温泉(大分県)/駅の中にある足湯
由布院温泉(大分県)/手作りの映画祭
日本交通公社
13
14
7
財団法人
日本交通公社
日本人にとって魅力のある温泉地/魅力のない温泉地
魅力のある温泉地
【温泉情緒】
情緒・風情・雰囲気・趣がある
【温泉のそのもの】
温泉の効能・湯量の豊富さ、泉質につきる
湯めぐり
露天風呂がある
【地域らしさ】
個性がある、土地らしさがある
土産物・地場産品
自然が豊か
【まちの活気、くつろげる空間】
まちあるきが楽しい、まちに活気・元気
くつろげる空間、癒し
静かで景色がよい
【宿泊施設の問題】
心地よい接客、気配りが行き届いている、個人客対
応
おいしい食事、その土地ならではの食事、食事の選
択制
清潔感
【交通の問題】
交通の便がよい、渋滞がない
足の便が悪く辺鄙なところ
【その他】
近隣にレジャースポットや名所
価格に見合っている、リーズナブル
地元の方々との心温まる交流
魅力のない温泉地
【歓楽的イメージ】
けばけばしい
歓楽街の延長
団体客仕様、宴会、イベント会場
観光地化されていて、団体客が大挙
派手な広告・看板
客引き
【温泉表示問題】
温泉そのものを大事にしていない
虚偽表示
循環湯
【地域らしさ】
その土地らしさがない
自然が破壊されたような場所
他の温泉地と変わらない
【活気のなさ・寂れたイメージ】
活気がない、まちがさびれている
暗いまちなみ、人が少ない
【宿泊施設の問題】
サービス・接客態度が悪い
顧客本位でないサービス
汚い
特色のない料理、地元の産品がない料理
【交通の問題】
不便、渋滞
【その他】
昔のブランドネームにあぐらをかいている
3.観光をめぐる新たな動き
※インターネット調査による
温泉地の宿泊客に喜ばれる施設やサービス
ハード
【温泉情緒を味わう空間】
個々の温泉地の性格に合った施設
昔ながらの屋台など現実から遊離した施設
浴衣のまま歩き回れたり遊べたりできる場所
昔ながらの温泉街の雰囲気を出す射的場やお土産
屋
まちにテーマ性があり、施設などに反映されてい
る
明るすぎない照明
古い家屋を手入れして使っている町並み
【買い物・飲食が楽しめる商店街】
甘味処、ご当地グルメが味わえる商店街などの散
策
遅くまで開いている仲見世通りのような商店街
【ぶらぶら歩きができる散策路】
夜気軽に外に散歩に出かけられるようなところ
朝昼夜食後でも散策できる遊歩道
日常では味わえない自然の中の散歩道
【温泉を楽しむ施設・仕組み】
他の宿の温泉も利用できる仕組み
露天風呂付き客室や貸切風呂
日常生活から離れられた大自然の中の大浴場
【地域の個性を味わう施設】
郷土芸能を鑑賞できるところ
地元以外でも借りたり閲覧できる図書館
地元の方とふれあいながら工芸品が作れる施設
【サービス施設】
子供のためのサービスやプレイルーム
夜も営業している託児所
スポーツジムやインターネットができる施設
ソフト
【地域の食・伝統文化の楽しみ】
そこにしかない地場産こだわりの料理
地元名産の野菜などの販売
屋台で土地の料理を板前さんが説明して作ってくれる
その土地ならではの料理、生産者とのつながりが必要
その地域の祭やイベント
【温泉・温泉街を楽しむサービス】
宿泊時に浴衣を選べるサービス
割増料金なしの温泉無制限貸切サービス
入浴とセットになった健康診断サービス
心身ともに癒されるマッサージやエステのサービス
【地域を楽しむサービス】
無料シャトルバスでの送迎やまちめぐり
観光ガイドによる付近の観光案内
手作りガイドマップや自転車の貸し出し
【宿泊施設でのサービス】
チェックイン、チェックアウト時間の自由設定
食事なしの素泊まりプランの充実。食事を自分たちで
選べ、宿泊代金が安くなれば、温泉が身近になる
チェックイン時にお茶とお菓子のサービスやロビーに
人を集めての抽選会などの客同士をつなぐイベント
【その他サービス】
リピーターに対する優遇
宿泊施設などの点字や音声による案内
夜間イベントを開催する
昆虫採集やキャンプファイヤーなど、自然性が高いイ
ベント
3.観光をめぐる新たな動き
※インターネット調査による
8
財団法人
日本交通公社
3.阿寒湖温泉における観光まちづくり
3-1. 阿寒湖温泉の概要
• 釧路空港から約1時間
• 阿寒国立公園内
(温泉街は集団施設地区、周辺は第1種
及び第2種特別地域)
阿寒湖温泉
阿寒湖温泉
• 阿寒湖周辺は(財)前田一歩園財団
が所有・管理
○札幌
釧路空港
(森林、動植物の保護、自然環境の保全、
温泉源の一括管理等を行っている)
• アイヌ文化の保存
写真
写真 阿寒湖温泉
阿寒湖温泉
17
阿寒湖温泉の現状(観光まちづくりのきっかけ)─観光地として
• 道東エリアの宿泊拠点
(収容力7,000
人)
道東エリアの宿泊拠点(
収容力7,000人
大規模旅館(
大規模旅館(9軒)
9軒)が大半を占める
• 宿泊客(
宿泊客(延数)
延数):98年度
98年度 102万人
102万人 ⇒ 2006
2006年度 82万人
• 1泊が9割
1泊が9割 :2/3が4時以降に到着し、翌朝9時までに出発
3が4時以降に到着し、翌朝9時までに出発
• 土産店中心の商店街が3カ所
土産店中心の商店街が3カ所
• 新しい時代・旅行動向への対応の遅れ
新しい時代・旅行動向への対応の遅れ
団体客の減少・消費額の伸び悩み・滞在メニュー情報の不足
大型観光バス等、街中の路上駐車
国立公園内に相応しくない河川状況 大規模旅館が街と湖を遮断
18
9
財団法人
日本交通公社
阿寒湖温泉の現状(観光まちづくりのきっかけ) ─居住地として
※2001年度
2001年度 「阿寒湖温泉活性化に関するアンケート調査」 阿寒湖温泉活性化戦略会議
• 住民(1,800
人)の定住希望は1/4
定住希望は1/4
住民(1,800人)の
• 医療施設、文化施設の不備、
買い物
医療施設、文化施設の不備、買い物
に不便
8.5%
23.7%
33.9%
• 特殊な土地条件
33.9%
(集団施設地区、土地は一歩園が所有)
– 持ち家、駐車場スペース等の制約
阿寒湖温泉地区への居住希望
– 土地利用、交通、景観の乱れ
• 生活者の視点の欠如
現住所にずっと住み続けたい
しばらくは住み続けるが将来は
温泉地区以外へ移りたい
(観光関係者&男性が街を仕切る)
わからない
無回答
19
3-2. 魅力ある阿寒湖温泉に向けたきっかけ
危機感
危機感
阿寒湖温泉活性化
まちづくりへの
住民参加
肩書きをはずした議論
の場の設定(特に女性
参加の促進)
議論経過・結果の情報
公開(ニュースレター、
インターネット等)
町全体
温泉街全体
の
合意形成
観光を阿寒町(現釧路市)の核となる
産業と位置づけ、行政・民間の協力の
もと、活性化について議論し、事業を
進める
観光を、市街地整備や就業問題とも連
携して考え、観光客だけでなく住民に
とっても住みやすい町を目指す
事業実施時期を短・中・長期に区分し、
できることから着手する
阿寒湖温泉活性化戦略会議
阿寒湖温泉活性化戦略会議
(2000年度)
(2000年度)
ビジョンづくり
(2000~2001年度)
(2000~2001年度)
20
10
財団法人
日本交通公社
2000年度・2001年度の活動
ワークショップの様子
• 観光関連施設や組織の実態把握
–
アンケート及びヒアリング調査を実施
• 資源の棚卸し(住民の意識改革)
–
2回のワークショップを開催(外の目評価)
• ニュースレターの発行
–
–
–
きめ細かく情報発信し、住民の積極的な参加を促す
戦略会議での議論や各種活動について随時情報を公開
町広報誌と一緒に阿寒湖温泉の全戸に配布
• 先進地視察
–
–
カナダのバンフ、ジャスパー国立公園内観光地のあり方を学
ぶ(13名参加)
視察参加者が後にまちづくりのキーパーソンに
花いっぱいプロジェクト
• 宿泊客の実態把握
–
アンケート調査及び住民意識調査を実施
• 「まちづくり協議会」の設立
–
阿寒観光協会と並行して
• 「まりも倶楽部」設立
–
阿寒町の女性による自主的なまちづくり活動
• 花いっぱいプロジェクト
–
住民の主体的なまちづくり活動としてのシンボルプロジェクト
ニュースレター
21
阿寒湖温泉まちづくり協議会の設立
―2001.6
• 観光を超えたまちづくり事業を推進する組織として、阿寒観光協
会とは別に設立(任意団体)
• 既存組織で推進されているプロジェクトと、基本計画で提案され
たプロジェクトの調整(重複分野の軽減、弱点分野の強化等)
• 2010年度の目標に向けた実行プロジェクト選定と実施管理
阿寒湖温泉まちづくり協議会
評議員
評議員
会長
会長
参与
参与
副会長
副会長
連携
監事
監事
代表(副)幹事、幹事
代表(副)幹事、幹事
事業推進組織
事業推進組織
事務局
事務局
阿寒湖温泉連合町内会
阿寒湖温泉連合町内会
阿寒観光協会
阿寒観光協会
各プロジェクト
各プロジェクト
まりも倶楽部
まりも倶楽部
個人および各種団体
個人および各種団体
行政
行政
22
11
財団法人
日本交通公社
3-3. 「阿寒湖温泉再生プラン2010」の概要 2002年3月策定
「阿寒湖温泉再生プラン2010
」
「阿寒湖温泉再生プラン2010」
• 観光客の個人化の動きに危機感
を感じた関係者が、(財)日本交通
公社とともに策定に取り組んだ
• その後も、各種プロジェクトを展開
• 旧態依然とした関係者に対する意
識改革プラン:
「阿寒湖温泉の再生はまず意識
改革から」も同時策定
改革から」も同時策定
• 全戸に配布
「阿寒湖温泉の再生はまず意識改革から」
23
再生プラン2010:基本コンセプトの設定
現 状
課 題
観光地と し ての阿寒湖温泉
生活の場と し て の阿寒湖畔
道東を 代表する 観光地
恵ま れた自然環境と
医療体制・ 居住環境の立ち 遅れ
新し い時代・ 旅行動向への対応の遅れ
■団体客から 個人客へ
展 開
方 向
誰も が住みやすい街への改革
■阿寒湖畔及び周辺の魅力再発見
■湖畔、 商店街、居住地域の景 観整備
■モノ 消費から 時間消費へ
■『 泊ま る だけ』 から 『 滞在」 へ
■住民全体でのまちづく りへ
の取り組み
2 0 1 0 年へ向け た 「 構造改革」
2010
年
こ こ ち よ い湖畔、 のんびり 温泉 阿寒湖
~「 2 泊3 日でき る レ イ ク サイ ド リ ゾート 」 ~
24
12
財団法人
日本交通公社
2010年の目標数値
<宿泊客> 人泊ベースで、概ね年間96万人泊(人員数では80万人程度)
【連泊客を増やします】
【宿泊客数】
万人泊
120
現在
96万人泊
2010年
連泊客
1割
連泊客
2割
人泊ベースでは
現状維持
100
1泊客 8割
1泊客 9割
80
1990
2000
2010
<日帰り客> 年間60万人程度とし、
滞在時間を延ばします。
【道内客を増やします】
現在
<消費単価> 宿泊客、日帰り客とも
に平均消費単価を10%高める工夫を
します。
2010年
道内客
2割
道内客
4割
道外客 6割
道外客 8割
25
PDCAサイクルと第一期
→「再生プラン」の見直し
第二期計画の策定(2004年度)
内外の環境変化
プランの見直しへ
1)観光入込み客激減、客層の変化
2)住民の意識の向上
3年に一度、計画の評価を
行い適切に対応する
3)観光まちづくり推進組織
住民アンケート、キーマンヒ
アリングも行う
4)国や道などの各種事業の導入
5)外部からの高い評価
再生プラン推進期間(年度)
・
・
・
・
●
・
・
●
・
・
・
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
再生プラン策定期
第一期・推進期間
第二期・推進期間
第三期・推進期間
26
13
財団法人
<2005~2007年度>
•
•
日本交通公社
第二期・再生プランの策定(プランの見直し)
わが国を代表する温泉リゾートとして、魅力ある阿寒湖温泉を目指す。
基本戦略-国際化対応を重視
基本戦略1. 美しい景観・優れた自然環境を楽しめる街にしよう
基本戦略2. 阿寒湖温泉の情報を発信し、誘客を促進しよう
国際化対応
レイク・ルイーズ(カナダ)
基本戦略3. 滞在すると“
滞在すると“楽しい!”
楽しい!”温泉地にしよう
基本戦略4. 楽しく、おいしく、便利な商店街にしよう
基本戦略5. 自ら阿寒湖温泉の未来を考え、行動しよう
マリンレイク(カナダ)
マリンレイク(カナダ)
※「目指すべき地域イメージ」や目標数値は変わらない
27
「再生プラン」の見直し
第3期計画の策定(2007年度)
→今後、念頭に置くべき時代背景と環境変化
1)策定当初想定していなかった事象
○人口減少社会
○少子高齢化→ユニバーサルデザイン
○観光立国推進基本法→地域間競争
2)業界の変化
○ダイナミックパッケージ
○レンタカー利用の隆盛
○航空政策→海外ネットワーク
3)消費者志向の変化
○団塊世代→あと10年
○環境意識の高まり→洞爺湖サミット
○学習意欲、滞在意欲 等
4)阿寒湖温泉の環境変化
○入込み客の減少、進まない滞在化、変わらない宿泊容量、まりもの里商店街の地盤沈下・・・
○湖畔公園の一部完成、多目的施設の建設着手、除雪センターの移転 等
○国補助事業の導入-観光ルネサンス、社会実験、シーニックバイウェイ、地域再生MG
○前田一歩園による「森林利活用検討会」の開催 ○釧路市が景観形成計画策定に着手
再生プラン推進期間(年度)
・
・
・
・
●
・
・
●
・
・
・
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
再生プラン策定期
第一期・推進期間
第二期・推進期間
第三期・推進期間
28
14
財団法人
<2008~2010年度>
z
日本交通公社
第三期・再生プランの策定(プランの見直し)
2000年当初想定していなかった事象や、業界・消費者志向・環境変化等を鑑み、「個
性化(差別化)」「国際化(高質化)」「環境志向」を意識して、プロジェクトを構築
※「目指すべき地域イメージ」や目標数値は変わらない
29
「第三期計画」の実現にあたって
1. 行政との連携強化
– 景観や交通関係のプロジェクトの進捗速度を早めるため、釧路市、北海
道、国といった行政との関係をこれまで以上に強化します。
2. まちづくり財源の確保
– 観光まちづくり事業を安定的に継続するために、入湯税の観光まちづくり
事業への活用等、NPOの独自財源の確保について検討します。
3. 後継者の育成
– 2010年以降の次期長期計画の実現に向けて、観光まちづくり事業を推
進する後継者の育成に努めます。
4. ポスト2010計画の策定
– 2011年以降も計画的に観光まちづくりを継続していくため、2010年中に
は次期中長期観光まちづくり計画を策定し、2011年からの事業に備えま
す。
30
15
財団法人
日本交通公社
3-4. 阿寒観光協会とまちづくり推進協議会合併の経緯
z阿寒観光協会(任意法人)の概要
• 設立:昭和24年(1949年)
• 目的:阿寒町の観光振興
• 会員構成:
– 宿泊施設、土産物店、飲食店、ア
イヌ工芸協同組合等
• 活動:
– 観光客誘致活動(イベント・スポーツ大
会の開催、修学旅行誘致活動、宣伝
キャラバン隊(本州・海外)等)
– 街並みの景観整備(現在は「花いっぱ
い運動」)
– 宣伝・広告活動(パンフ・マップ作成、
ホームページ)
– 観光客へのサービス向上、ホスピタリ
ティ運動
– マスコミ、旅行会社への情報提供と取
材協力
– 観光関連組織との連携(負担金)
• 予算:6~7千万円/年
• 財源:収入BEST3
– ①町からの補助金
• 平成11年度3380万円→15年
度2970万円
– ②分担金1500万円
• 会員の店舗・旅館の間口に
よる会費
– ③特別協賛金(旅館組合)
• 600万円
– ※会費(1.8万円/件×
約140件=250万円)
その他(比例分担金、賛
助会員、寄付金等)
31
z阿寒観光協会の課題
z
イベントの負担(数と期間、時期、資金、人材)
イベントの負担
z
従来の観光振興事業では観光客増加に繋がらなくなった
– 「まりも祭り」のような伝統的な行事、旅行会社に向いている情報発信の仕方・・・
z
z
z
平成15年度の職員が1名減
職員が1名減となり、今後も増員の予定がない
会費の未収金の増加、
未収金の増加、町からの補助金削減
補助金削減等、予算が逓減
予算が逓減して
おり、諸事業の根本的廃止や縮小等の見直しが急務
見直しが急務
観光協会という組織が、現在必要とする機能:
「観光まちづくりを総合的にコーディネートする機能」
を果たしていない、果たせない
32
16
財団法人
日本交通公社
z阿寒湖温泉まちづくり協議会の課題
↑再生プラン策定時に設立
z
元々活動原資がない
– 町からの補助金と観光協会会費の時限的割り増し(まちづくり特別分担金・3年間)
で活動してきた
– いずれも平成15年度で終了する。
z
阿寒湖温泉再生プラン2010の実現に向けた各種プロジェクトの
推進
– これまで比較的取り組みの遅れていたまちづくりの機能が必要とされる
– そのため、組織の体制強化・機能充実が緊急の課題
z
専任スタッフがいない
– 事務局体制の不備が課題
33
NPO法人阿寒観光まちづくり推進機構の設立
z
z
2005年1月
2005年1月 阿寒観光まちづくり推進機構設立。
同 年7月 NPO認証(法人格取得)。
インフォメーションセンター
インフォメーションセンター
総務課(財務・経理)
総務課(財務・経理)
管理事業部
管理事業部
事務
務局
局
事
ニュ
ュ
ーツ
ツー
ーリ
リズ
ズム
ム事
事業
業
ニ
ー
スキ
キー
ー場
場事
事業
業部
部
ス
理事
事
理
監査
査室
室
監
22
00
11
00
推
推
進
進
室
室
広報課
広報課
アイヌ文化事業部
アイヌ文化事業部
事務
務局
局長
長
事
事業
業統
統括
括会
会議
議
事
総会
会
総
理事
事会
会
理
事業
業本
本部
部
事
(
事業
業本
本部
部長
長)
)
(
事
ニュープラン
ニュープラン
花いっぱい緑化プロジェクト
花いっぱい緑化プロジェクト
まちづくり事業部
まちづくり事業部
まりも倶楽部
まりも倶楽部
商店街活性化プロジェクト
商店街活性化プロジェクト
経営
営会
会議
議
経
専務
務理
理事
事
専
副理
理事
事長
長
副
理事
事長
長
理
阿寒湖温泉VJCA
阿寒湖温泉VJCA
MICE推進課
MICE推進課
誘致宣伝事業部
誘致宣伝事業部
誘致宣伝課
誘致宣伝課
顧 問
問
顧
評議
議員
員会
会
評
マリモ再生プロジェクト推進
マリモ再生プロジェクト推進
大会運営課
大会運営課
イベント運営事業部
イベント運営事業部
歴史文化交流シアター建設
歴史文化交流シアター建設
NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構の組織図(2009
年度)
NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構の組織図(2009年度)
アウトドア基地化推進課
アウトドア基地化推進課
34
17
財団法人
日本交通公社
3-5. 主な観光まちづくり事業
花いっぱいプロジェクト
•花講習会・園芸市の開催
•「阿寒湖温泉の花づくりガイド」の作成と配布(2002年度)
•日中韓観光大臣会合(観光サミット)の装花(2006年度)
•阿寒湖中学敷地内で育苗
•緑化基金の創設(2005年度)
花講習会
阿寒湖温泉の花づくり
<内容>基本方針と推進体制
全体構想
花カレンダー
花づくり名人 等
まりもの里
商店街の花壇
ぶらっと大賞の賞金で購入し
た育苗のための“耕耘機”
35
人材育成と人材確保
z
まりも倶楽部の活躍(2002年度~)
z
阿寒湖温泉VJCSの設立(2005年度~)
¾外国人観光客の誘致活動を行ったり、彼ら
へのホスピタリティ向上を図るために、阿
寒湖温泉在住の外国人や外国語に興味のあ
る住民などでつくったボランティア組織。
z
ニュープラン設立(2007年度~)
VJCSによるハングル語講座
¾阿寒湖温泉の将来を担う次世代まちづくり組織として、業種や組織
を越えて集まった若者たちで構成され「自分たちが楽しいならば、外
からいらっしゃる方々も阿寒湖温泉を楽しめるはず」をモットーに、阿
寒湖温泉の未来のために、自分たちが提案して、自主的に活動して
行く会。
z
おもてなし講座の開催(2007・2008年度)
36
18
財団法人
日本交通公社
女性による活動組織「まりも倶楽部」設立(2001年度)
• 活躍の場が少なかった阿寒町の女性の人材発掘
• 女性の視点からのまちづくり。無理せず、楽しく、できることから。
●多様な活動を積極的に展開
• 様々な観光マップの作成
– 四季折々に手作りマップを制作(2002年度~)
– 「あかん 食べる・買うガイド」(2002、2005年度)
• 地場食材活用の料理研究
– レシピ集の作成、試食会の開催(2002年度~)
– 農水省主催:食のアメニティコンテスト優良賞
受賞作「ヒメマスご飯」(2004年度)
– ザリガニスープの販売(2004年度)
• 釧路新聞「まりもな時間」連載(2002、2003年度)
• 花いっぱいプロジェクトへの参加(2003年度~)
• 携帯灰皿の作成、販売(2003年度)
まりも倶楽部の多彩な活動
まりも倶楽部の多彩な活動
37
「イオマンテの火まつり」10周年企画事業 (2007年度)
旅館組合中心から住民の協力も得て、一新。
・モシリとのコラボによる新プログラム
・ステージのリニューアル
・タイマツ行進
「阿寒の滞在プログラム」販売(2007年度)
・4月から早朝ボッケ「ガイ
ド付き森林浴ウォーク」の
実施
・10月より「阿寒川秘境プレ
ミアムトレッキング」を試
験販売。販売促進用チラ
シの作成
着地型旅行商品
38
19
財団法人
まりもの里商店街整備構想・計画
日本交通公社
(2006年度)
1.環境共生型商店街としての取り組みを強化する
2.色彩と素材に統一感のある
美しい景観を整備する
2.色彩と素材に統一感のある美しい景観を整備する
3.中央通りの安全性・快適性を向上させる
4.個店の魅力を向上する
4.個店の魅力を向上する
5.商店街を組織化し、一丸となって活性化を推進する
●にぎわいの核として再整備
●中央通りの整備イメージ
39
その他にも…
• 足湯4カ所、手湯4カ所整備(2002年度~)
• 地域通貨と財源確保の仕組みづくり(2002年度)
• 「滞在プログラムパンフレット」(2003年度 JTB旅連補助事業)
• 「土地有効活用ビジョン」(2006年度)
• 阿寒の森・まちづくり基金の創設(2007年度)…補助金の負担分に充当
¾
3商店街、宿泊施設、観光関連業者、金融機関、
交通事業者等による寄付金を元に創設
ポケット灰皿製作・販売
(150円、2003年)
阿寒湖まりむ館(観光タウン情報センター)
(2009年4月オープン)
ぐるっと湯めぐり帳
(旅館組合2002年度~)
40
20
財団法人
日本交通公社
3-6. 阿寒湖温泉で導入した主要な補助事業
① 環境省・湖畔公園整備事業
② 国土交通省・観光まちづくり推進事業
(まりも家族手形)
③ 国土交通省・観光ルネサンス事業
④ 国土交通省北海道局・交通社会実験
⑤ 内閣府・都市再生事業
(温泉街まるごとマーケティングシステム)
⑥ 総務省(ふるさと財団)・地域再生マネージャー事業
⑦環境省・
阿寒湖畔集団施設地区における良好な街並み景観形成促進業務
41
①「阿寒湖岸の公園化」
目 的
誰でも自由に湖と触れあえ、のんびりと時を過ごせ
る快適な空間づくり
展開方向
湖岸遊歩道整備、湖岸公園整備、「湖畔中央公園
(仮)」の整備等
阿寒湖畔園地整備
↑整備前
整備後(2006年度
(2006年度))↑→
42
21
財団法人
日本交通公社
②「まりも家族手形 StepⅠ」社会実験
成功
―2002
2002年 11月
11月~12月
12月
• 案内パンフレットを付けて、宿泊客に無料で配布
• 手形持参者に対し、商店街の協賛店がそれぞれに考えた「特
典」を提供
まりも家族手形
まりも家族手形
• 結果
–
利用者の9割は特典に満足しており、今後も8割が利用意向を持っている。
–
協賛店からは、「来店者との会話が増えた」という効果が上げられており、商店街の活性化や売り上げ
アップに向けて、まりも家族手形の継続を望む回答が9割を占めた。
–
手形の配布を担当した宿泊施設においては、商店街へ出る宿泊客は手形のおかげで増えたものの、自
施設の売店売り上げには大きな影響はなく、協賛店同様、9割が手形の継続を希望している。
43
③国土交通省・観光ルネサンス事業
「阿寒湖温泉FVS向上プラン~来阿外国人満足度向上事業~」(2005~2007年)
– F.V.S=foreign visitors’ satisfaction(外国人観光満足度)
わが国を代表する湖畔の温泉リ
ゾートを目指し、国際化への対応
を強化
外国人観光客が快適に過ごせる
システム(交通手段、情報ツール
等)を整備
<事業主体>
NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構
<事業概要>
A.阿寒湖・雪と氷の温泉街循環バス運行事業
B.アイヌ文化関連情報ツールの充実
C.阿寒湖温泉二大観光施設の外国語情報提供の充実
D.東アジア観光客誘致商品造成強化事業
E.来阿外国人観光客統計の充実(満足度評価システムの整備)
F.阿寒湖温泉外国人サポーター制度の構築・運営
44
22
財団法人
日本交通公社
④「ここちよい湖畔 のんびり温泉 阿寒湖」社会実験-実施概要-
„ 期 間:2006年8月11日~10月15日(66日間)
„ 内 容:・ボンエルフ
ボンエルフ(一方通行)の実施
・無料循環バス
無料循環バスの運行 9:00~17:00
・オープンカフェの実施 1箇所
・コミュニティバスの運行(住宅地~温泉街)
„ 主 体:NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構、釧路市、釧路開発建設部
まりもの里商店街
まりもの里商店街
写真A
写真B
45
⑤内閣府・都市再生事業(温泉街まるごとマーケティングシステム)
2004年度 全国都市再生モデル調査
温泉街全体の来訪者満足度調査
• 誘客策を検討するためのマーケティングデータが皆無
• 携帯電話を活用した
インターネットアンケート調査システムの構築
• 来訪者の特性に応じた的確な誘客戦略を実行
調査結果の活用方法
①マーケティングという発想そのものの普及啓発
②温泉街全体の来訪者の実態と客層別のニーズ把握
③客層のニーズに応じた誘客策の実行による来訪者の増加
④再来訪を促す戦略(Plan Do)を本システムによって検証(See)し、実効性を高める
46
23
財団法人
日本交通公社
⑥総務省(ふるさと財団)・地域再生マネージャー事業
2006・2007・2008年度
• 国際観光地にふさわしい観光まちづくり事業推進マネジメント
・着地型旅行の商品化に向けた支援事業
→モニターツアーの実施
→人材育成・プログラムづくり支援
→推進体制づくり支援事業
おもてなし講座
・阿寒湖温泉来訪者滞在時間調査
・2010計画推進マネジメント
→再生プラン・第2期計画監理
→再生プラン・第3期計画の策定
着地型モニターツアー
着地型モニターツアー
• 釧路市観光振興ビジョン策定事業サポート
・釧路市における観光産業分析、観光経済波及効果
シミュレーションに関わる作業フレームの作成
・MICE推進に向けた支援
→MICE産業育成戦略(2007年度)
*釧路市MICE関係者対象の勉強会・シンポジウムの開催
→アフターMICEの試行と検証(2008年度)
*MICE&アフターMICE誘致用パンフレットの作成と活用
*着地型旅行商品の企画・誘致
*参加者満足度調査
47
⑦阿寒湖畔集団施設地区における良好な街並み景観形成促進業務
y 環境省事業。住民と共に、集団施設地区に
おける良好な空間利用のあり方等を検討
y ワークショップの開催
2008・2009年度
¾2008年度大人対象、2009年度中学生対象
y 小冊子の作成と全戸配布
¾2008年度「阿寒の自然と調和した温泉街の
街並み形成に向けてー景観形成のポイント」
¾2009年度「阿寒の自然・歴史文化と共存する
街並みづくりー阿寒湖温泉らしい景観形成のた
めのガイドライン(骨子)」
ワークショップの様子
48
24
財団法人
日本交通公社
4.阿寒湖温泉・10年間の変化
4-1. 阿寒湖温泉 観光産業の規模
農林漁業
鉱業
建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
飲食店,宿泊業
医療,福祉
教育,学習支援業
複合サービ ス事業
サービ ス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されないもの)
50%
80%
0%
産業大分類別
事業所数の構成比
10%
30%
0.0%
1.6%
2.1%
0.5%
0.0%
3.7%
阿寒湖温泉 1.6%
40%
60%
47.1%
9.3% 0.2%
1.0%
2.2%
70%
0.5%
1.6%
24.9%
90%
100%
3.2%2.6%
1.1% 7.9% 1.6%
飲食店・宿泊業
卸売り・小売業
0.1% 9.3%
全国 0.4%
27.1%
1.4%5.4%
13.3%
5.9% 3.9%
0.8%
18.9%
0.7%
農林漁業
鉱業
建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
飲食店,宿泊業
医療,福祉
教育,学習支援業
複合サービ ス事業
サービ ス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されないもの)
50%
80%
0%
産業大分類別
従業者数の構成比
20%
0.0%
0.5%
0.9%
0.0%
3.7%
阿寒湖温泉 1.8%
0.1%7.1%
全国 0.4%
10%
20%
30%
22.8%
卸売り・小売業
16.9%
40%
0.4%
1.0%
0.5%
2.7% 5.0%
60%
70%
59.2%
飲食店・宿泊業
21.1%
2.4%
1.7% 8.3%
90%
100%
1.2%
1.8%
2.3%
2.8%
1.5%
9.5%
5.0%1.2%
14.8%
3.2%
出典:平成18年度事業所・企業統計(総務省統計局)
49
4-2. 外部環境の変化
z航空法改正
• 2000年:航空法改正
¾運賃の自由化…認可制→届出制へ
¾航空事業への参入・撤退の自由化…免許制→認可制へ
¾増便・減便の自由化…路線免許基準の撤廃
• 2001年:JALとJASの統合
↓
国内線競争促進
z国の観光政策
• 2003年度:観光立国行動計画…ビジットジャパンキャンペーン
• 2004年度:景観法施行
• 2007年1月1日:観光立国推進基本法施行
• 2007年度:観光立国推進基本計画策定 →1,000万人(2010)
• 2008年10月:観光庁新設
• 2009年3月:観光立国推進戦略会議 →2,000万人(2020)
50
25
財団法人
日本交通公社
z釧路空港の輸送力と実績(着便)
釧路空港着便利用率の推移(2000~2008年)
80%
70%
旭川
新千歳
札幌(丘珠)
函館
東京(羽田)
名古屋
中部
大阪
関西
合計
60%
関西
名古屋
中部
丘珠
羽田
新千歳
釧路空港着便提供座席数の推移
【千人】
50%
40%
900
800
770
(100)
700
54
51
765
(99)
2
50
53
50
53
50
30%
2000
52
50
600
31
47
3
16
50
20
45
20
45
【千人】
500
500
400
461
451
458
456
400
463
478
462
445
419
300
46
46
130
133
115
113
2000
2001
2002
2003
23
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
【年】
釧路空港着便輸送実績の推移
436
(100)
468
33
33
29 (107)
30
26
28
24
25
1
30
271
280
28
72
27
69
12
63
33
61
2000
2001
2002
2003
14
33
1
10
34
12
29
285
278
273
300
200
200
100
2001
613
(80)
288
294
272
362
(83)
12
27
255
53
83
51
51
77
42
2004
2005
2006
0
74
78
45
2007
49
56
2 0 0 8 【年】
100
0
48
29
44
33
48
28
46
27
2004
2005
2006
2007
25
32
2 0 0 8 【年】
51
z旅行商品から見る北海道周遊観光ルートの変化
(夏・秋期JTBエース添乗員同行ツアー)
◆設定ルートの変化
・1999年度:<10本以上>富良野~美瑛~層雲峡、札幌~小樽、湯の川~大沼、阿寒湖~摩周湖、ウトロ~知床
↓
・2007年度:<15本以上>札幌(千歳AP)~旭山動物園~層雲峡、湯の川~函館、オシンコシン・ウトロ~知床
<10~14本>富良野~旭山動物園、札幌(千歳AP)~小樽、函館~大沼、阿寒湖~摩周湖
☆千歳空港への一極集中と、旭山動物園に立寄るがツアーが大幅に増加したことにより、札幌~旭川~知床
にルートが集中。道北~道央、道南~道央のルートが減少した。
52
26
財団法人
日本交通公社
4-3. 阿寒湖温泉 8年間で何が変わったか?
z観光客の変化…①観光入込み客
¾観光客は8年間で25%減少したが、落ち込みが大きいのは、道内客の29%減
¾四半期別シェアは、夏期が減って、冬期が年間の1/3を占めるまでに拡大
2000年
観光入込客
(千人)
2008年
2000年
2008年
1,520
25%
1,133
宿泊客
延べ数
900
24%
685
800
23%
620
日帰り客
666
23%
472
720
29%
513
四半期別
シェア(%)
道外客
道内客
4-6月
18%
1-3月
25%
10-12月
26%
1-3月
29%
7-9月
31%
10-12月
25%
4-6月
18%
7-9月
28%
53
z観光客の変化…②外国人観光客、観光施設入込み
¾外国人観光客は、1.5倍と大きく伸びた。台湾の比率が減ったとはいえ、45%を占める
¾主要な観光施設の入り込み客は、いずれもこの8年間で大きく減少した
2000年
外国人観光客
(千人)
32
(うち台湾30)
2008年
47%
59
(うち台湾27)
観光入込客
(千人)
2000年
2008年
マリモ展示
観察センター
301
60%
121
スキー場
251
12 %
220
双湖台ハウス
206
93%
14
オンネチセ
109
25%
82
54
27
財団法人
日本交通公社
z観光客の変化…③観光客の旅行形態
<阿寒湖畔>
個人・グルー プ
0%
¾宿泊形態
20%
2000年度
• 宿泊客は、一般団体客
が減少して個人・グ
ループ客が増加
一般団体
学生団体
40%
60%
80%
63.3%
100%
32.4%
4.3%
2005年度
68.1%
27.4%
4.6%
2008年度
67.8%
28.9%
3.3%
宿 泊 単 価 (個 人 ・ グ ル ー プ)
円
2000年度
2005年度
2008年度
18,000
¾宿泊単価
16,000
• 阿寒湖温泉の個人グ
ループ客の宿泊単価は、
8年間で約2,300円
(18%)増加
15764
15,108
14,081
14,000
13,81313,724
12,754
12,000
10,72110,42111,076
10,024
10,000
10081
8,945
8,000
6,000
4,000
2,000
0
北海道
阿寒湖畔
川湯・弟子屈
知床・ウトロ
55
z観光客の変化…④滞在時間
01年夏
<到着時間>
30%
滞在時間
2001年度
2006年度
伸び率
1泊
16.7時間
18. 2時間
9.0%
2泊
42.9時間
43.5時間
1.4%
06年秋
26.9%
24.5%
20.4%
21.9%
20%
15.9% 17.3%
14.7%
9.7%
10%
7.5%
3.0% 3.1%
6.2%
2.7% 2.2%
1.2% 1.2%
6.2%
2.2% 1.7%
0.7%
0%
~12時
12時
13時
14時
15時
16時
01年夏
<出発時間>
17時
18時
19時
20時~
06年秋
50%
39.0%
40%
29.0%
30%
28.5%
21.9%
20%
18.9%
10.5%
10%
5.3%
4.9%
1.9%
7.1%
2.4% 1.9%
3.9% 5.0%
12時
13時~
0%
~7時
8時
9時
10時
11時
56
28
財団法人
日本交通公社
z観光客の変化…⑤外国人観光客
¾外国人来訪者アンケート調査(2005
~2007年度)
外国人来訪者アンケート調査(2005~
2007年度)
¾外国人観光客宿泊調査(2005
~2007年度)
外国人観光客宿泊調査(2005~
2007年度)
• 日本旅行の日数は、「4泊5日」から「3泊4日」へ。阿寒
湖温泉での宿泊数も、2泊から1泊へ
• 最大マーケットは台湾。次いで香港、シンガポール、
韓国。台湾は団体、香港は個人
• リピーターが、2007年度初めて10%を超えた(13%)
• 団体旅行:個人旅行=7:3
• 全体満足度、飲食満足度、宿泊満足度に比べ、買い物
の満足度が低い
• 1泊が9割、連泊への移行傾向は見られず
• 1グループ平均人数が減少→団体客から個人客へ
• 宿泊単価は、9割が15千円未満
満足度(全体)
夏 06年度
0.0%
夏 07年度
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
秋 06年度
100.0%
0.0%
40.0%
29.7%
60.0%
80.0%
40.0%
58.9%
80.0%
0.0%
100.0%
夏 07年度
20.0%
40.0%
45.5%
60.0%
秋 06年度
80.0%
100.0%
0.0%
20.0%
34.3%
秋 07年度
40.0%
2.5%
0.8%
あまり
楽しくなかった 0.5%
0.0%
0.0%
つまらなかった
0.0%
2.5%
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
秋 06年度
80.0%
100.0%
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
100.0%
0.0%
20.0%
冬 06年度
30.9%
22.7%
普通
17.3%
不満
2.2%
18.9%
2.0%
10.2%
購入して
いない
2.5%
40.0%
60.0%
80.0%
100.0%
0.0%
夏 07年度
20.0%
40.0%
86.4%
85.0%
普通
9.8%
購入して
いない
6.5%
60.0%
秋 06年度
80.0%
100.0%
0.0%
20.0%
秋 07年度
15.5%
40.0%
67.4%
60.0%
冬 05年度
80.0%
100.0%
0.0%
冬 06年度
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
52.3%
満足
100.0%
80.3%
満足
満足
79.0%
83.7%
82.5%
6.1%
13.0%
13.0%
25.7%
普通
38.6%
11.4%
普通
普通
8.7%
17.3%
2.3%
不満
14.5%
2.3%
不満
0.0%
0.0%
0.6%
0.0%
0.5%
0.0%
2.9%
不満
飲食して
いない 0.0%
32.0%
2.3%
不満
夏 06年度
満足
79.3%
2.3%
26.5%
普通
40.2%
1.1%
1.2%
冬 05年度
58.0%
77.8%
不満
100.0%
満足度(宿泊施設)
秋 07年度
満足
普通
80.0%
1.0%
59.4%
満足
60.0%
56.1%
普通
0.6%
満足度(飲食)
夏 07年度
40.0%
48.5%
44.3%
普通
購入して
いない
夏 06年度
冬 06年度
20.0%
満足
40.6%
47.5%
1.1%
あまり
楽しくなかった 1.1%
つまらなかった
つまらなかった
0.0%
44.6%
不満
0.0%
100.0%
30.3%
楽しかった
47.8%
1.7%
冬 05年度
80.0%
満足
34.6%
53.1%
あまり
楽しくなかった
60.0%
33.0%
満足
49.0%
楽しかった
37.0%
60.0%
65.9%
50.0%
楽しかった
夏 06年度
冬 06年度
20.0%
とても楽しかった
とても楽しかった
56.8%
0.0%
100.0%
37.5%
とても楽しかった
満足度(買い物)
冬 05年度
秋 07年度
20.0%
飲食して
いない 0.0%
3.0%
飲食して
いない 0.5%
0.0%
不満
不満
0.0%
0.0%
0.5%
57
z住民の変化…①人口、事業所数、商店街販売額
2000年
¾人口は、12.6%の減少
¾事業所数、従業員数ともに減少している。
特に卸売・小売業・飲食店の減少が事業
所数で30%、従業員数で41%と顕著であ
る。
¾2商店街の年間販売額は2年間で5.2億円、
12%減少。但し売り場面積では、中央商
店街が385㎡減少したのに対し、緑町商店
街は174㎡増加している。
人口
(人)
世帯数
2008年
1,780
▲ 22
845
▲ 44
5
1,555
801
58
29
財団法人
日本交通公社
z住民の変化…②まちづくりへの参加
阿寒湖温泉地区住民アンケート2004年度と2007年度の比較
◆「阿寒湖温泉再生プラン2010」の認知度
今回[2007]
(n=254)
61.4%
前回[2004]
(n=313)
35.8%
46.3%
0%
20%
知っている
50.8%
40%
60%
知らない
80%
無回答
◆まちづくり活動への参加率
2.8%
0.0%
今回[2007]
(n=254)
2.9%
0.0%
前回[2004]
(n=313)
100%
42.1%
55.1%
25.9%
0%
無効
20%
2.8%
72.5%
40%
参加したことがある
60%
参加したことがない
1.6%
80%
100%
無回答
59
5.観光まちづくりのキーワード
~地域における総合化の取組み=地域ビジョンの重要性
1. 住民参加
• 住民自身がビジョンづくりのプロセスに参加
• 人材の育成、発掘
2. 情報公開と情報共有
• きめ細かい情報提供
• 会議に参加できなかった人にも
3. 推進組織
• 縦割りを排除した横断的組織
• 地域の意志決定機関
60
30
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