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我が国コンテンツ産業の 円滑な海外展開のために

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我が国コンテンツ産業の 円滑な海外展開のために
資料1
我が国コンテンツ産業の
円滑な海外展開のために
2001年(平成13年)9月27日
経済産業省メディアコンテンツ課 境 真良
コンテンツ流通促進検討会第3回会合事務局提出資料
0
総論
○日本製コンテンツの海外への波及
○流通の拡大とコンテンツ産業の成長
○生じつつある環境変化と対応の方向性
1
日本製コンテンツの海外への波及(1)
○1980年代前半
アジア各地におけるマンガ海賊版、海賊版音楽テープの隆盛
台湾等一部では、日本のテレビ放送録画テープの無断賃貸業発生
○1980年代後半
日本のファッション誌がアジア各地で流行
ニューミュージックとアイドルが香港、台湾、韓国への浸透
BS放送の開始により台湾、韓国などで違法視聴が発生
○1990年代前半
台湾で李登輝政権によって日本大衆文化解禁
アジア各地においてマンガ市場が正規化(
中国は例外)、日本に進出する作家も出現
東京ラブストーリーのヒットによりアジア各地でトレンディドラマブームが発生
○1990年代後半
キティちゃんブーム等、文化商品の広範囲な日本化である「哈日」
現象発生
アジア各地への日本レコード会社の進出が本格化
○2000年代初頭
韓国で金大中政権によって日本大衆文化解禁(
現在、未完成)
韓国でBBの普及により日本製映像コンテンツの配信サーバが出現
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
2
日本製コンテンツの海外への波及(2)
○技術革新と海賊版ビジネスの形態
出版系
主要市場は正規化し
たが、中国ではまだ
海賊版が残存
×
印刷物
音楽系
テープ、
レコード
CD
ファイル
送信
ビデオテープ
映像系
1985
放送の「
傍受」
BS放送のスピルア
ウト問題の始まり
パソコンの普及で
ビデオからVCDへ
移行が始まる
1990
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
1995
VCD,DVD
ストリーム
BB配信
韓国ではVCDから
BBへ既に移行開始
2000
3
日本製コンテンツの海外への波及(3)
○日本の作品と類似したコンテンツが世界的に増えている
<類似コンテンツの実例>
90年代に入り、我が国のコンテンツと酷似したものがアジア各国のテ
レビ番組、アメリカの映画等で増えている。これらに対して「パクリ」と
評価する声も少なからずあがっている。
代表例:TBS「ウェディングベル」→鳳凰電視台「非常男女」
手塚治虫「ジャングル大帝」
→ディズニー「ライオンキング」
フジテレビ「
ロングバケーション」→東方電視台「心太軟」
近年、いわゆる「フォーマット販売」
をする例が増加
(
テレビのバラエティ番組が中心)
アジアを中心に、我が国コンテンツ産業
の市場は確実に海外に広がっている
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
4
流通の拡大とコンテンツ産業の成長
○流通の拡大期はコンテンツ産業にとって千載一遇の成長期
業界の国際的
な「輝き」
海外市場の拡大
人材の流入
魅力あるコン
テンツの創出
コンテンツの
国際化
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
利益幅の拡大
リスクの減少
資本の流入
表現可能性
の拡大
5
生じつつある環境変化と対応の方向性
○日本を含むアジア全域に於けるブロードバンド環境の普及
○韓国の日本大衆文化開放、中国、台湾のWTO加盟による知財
保護の強化等、アジア市場における政治的障壁の低下
○日本市場でも競争力あるアジアのコンテンツ、アーティストの出
現
○アジア各国政府のコンテンツ産業振興政策採用
今がアジア市場に飛び出せる
最良にして最後(?)のチャンス
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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違法利用の取締と海外市場進出
○不適当な利用の類型とその相関関係
○市場戦略と「
囚人のジレンマ」
○不適当な利用の抑制についての役割分担
○検討の方向性
7
不適当な利用の類型とその相関関係(1)
①不適当な利用と違法な利用(我が国著作権法を例として)
Online
Offline
他人に利用させること
× 送信可能化権侵害
例:gnutellaにファイルを登
録した
× 複製権侵害
海賊版VCDを制作、販売した
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
自分が利用すること
○ 私的複製範囲内
例:gnutellaからダウンロー
ドして個人的に視聴
○ 物に属性無し
例:海賊版VCDを購入、視聴
した
8
不適当な利用の類型とその相関関係(2)
②違法利用の相関関係
オンライン オフライン
オンライン利用の総体
違法利用 合法利用
(権利未処理の利用) (権利処理済みの利用)
合法利用 違法利用
(正規版CD等) (海賊版CD等)
オフライン利用の総体
…BB対策と海賊版対策はともに必要
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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市場戦略と「囚人のジレンマ」
仮定:①市場にA、B二人の正規供給者と、海賊版供給者Cがいる
②正規版か海賊版(有料)のいずれかが必ず市場にあり、価格競争する。
③Cは、市場に進出した正規版供給者の海賊版は出さない
Aは市場に商品を供給する
Bは市場に
商品を供給す
る
○A、Bともに市場から
正当な利益を得られる
○A、Bともに市場から正当な利益
Bは市場に
を得られない
商品を供給し
(Aは単純な利益逸失、BはAの海
ない
賊版との価格競争で利益逸失)
Aは市場に商品を供給しない
○A、Bともに市場から正当な利益
を得られない
(Aは単純な利益逸失、BはAの海
賊版との価格競争で利益逸失)
○A、Bともに市場から正当な利益
を得られない
(A、Bともに単純な利益逸失)
…したがって、業界全体で市場に進出することが最善の解
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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不適当な利用の抑制についての役割分担
○不適当な利用の抑止と官民の領域分担構造
立法の段階
取締の段階
指導→取締、摘発
裁判の段階
不適当な利用
を禁止する法
制度の整備
進出→調査、告発
現地司法機関
に訴え違反者
を処罰させる
政府の仕事
官民協調の仕事
民間の仕事
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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検討の方向性
○オンライン、オフラインそれぞれに違法取締の手
段を講じる必要がある
○主要な海外市場を有する国・地域における適切な
立法措置を確保する必要がある
○ 主要なコンテンツホルダーが歩調を合わせて海
外市場へ進出するための信頼を得るに足る取締
スキームを構築する必要がある
これらを満たす政策パッケージを
早急に具体化する必要があるのではないか
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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オンラインでの違法利用の取締り
○違法利用の形態
○違法利用と保護法制
○違法利用の取締りに関する考え方
○具体的な検討の方向性
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違法利用の形態(1)
○オンラインでコンテンツを公開するためには、①コンテンツ位
置情報の提供、②コンテンツ実体の提供がそれぞれ必要。
違法利用の形態は、それらを誰が行うかで3つに大別できる
コンテンツ実体の提供
集中サーバ
各端末
集中サーバ
各端末
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
集中サーバ型
(
なし)
Napstar型
Gnutella型
14
違法利用の形態(2)
①集中サーバ型
・最も原始的な形。PDSの配布等、データの利用法として、
インターネット上では現在でも主流の方式。
ロ.コンテンツ実体の
送信を要求
イ.コンテンツを
予め送信
ハ.コンテンツ実体を送信
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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違法利用の形態(3)
②Napstar型
・米国で訴訟が提起され、
現在和解が成立し、事
業として正規化の最中
③Gnutella型
・Napstar型に対する法的制
御に目途がついた現在、
最も問題視されている
ロ.サーバ情報を要求
ハ.接続中サーバのリストを提供
ロ.コンテンツ情報
を要求
接続登録
イ.
イ.コンテンツ情報
を予め登録
ハ.コンテンツ情報
を提供
ニ.コンテンツ実体の送信を要求
ホ.コンテンツ実体を提供
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
ニ.コンテンツ情報を要求
ホ.コンテンツ情報を要求
ヘ.コンテンツ実体の送信を要求
ト.コンテンツ実体を提供
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違法利用と保護法制
○Napstar型、Gnutella型には、ネット時代以前の著作権法では
対応できない。
「利用可能な状態におくこと」そのものの違法化が必要
…我が国では1999年著作権法改正で「送信可能化権」
制定することでこれに対応済み
措置が未だとられていない国・地域に対する働きかけが必須
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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違法利用の取締りに関する考え方
○立法、ネットポリス、裁判の「三段構え」
立法の段階
取締の段階
裁判の段階
勝手な送信可
能化を違法化
する立法措置
指導→取締、摘発
現地司法機関
に訴え違反者
を処罰させる
ネットでコンテンツ
を公開する者を捜索
使用許諾DBの整備
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
DBと照会して
違法公開者を峻別
違法利用者リスト
と違法行為証拠収
集の完成
実行段階
準備段階
UniqueなID付与
ネットポリス
ISPのデータと照合し
違法公開者を確定
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具体的な検討の方向性(とりあえずの結論①)
○ネットポリスに実効性を持たせるために必要な取り組みとして以
下を行う
①送信可能化の違法化促進
②コンテンツIDの整備
③権利処理データベースの作成
④ネットポリスソフトウェアの開発
⑤ISPのサーバログの利用可能化
⑥コンテンツ自体へのコンテンツIDの埋め込み ※
※
(※?オプション。より確実性を持たせるためには、これも実現することが望ましい)
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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オフラインでの違法利用の取締?海賊版対策
○違法利用と保護法制
○実効ある取締りを実現するための考え方
○具体的な検討の方向性
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違法利用と保護法制(1)
○オフラインの違法利用とは、すなわち「海賊版」
○「海賊版」については、正規版保護のための法的基礎はでき
ている(唯一の例外が台湾)。
○法的基礎があったとしても、様々な要素が絡み合い、現地政
府に取締を依頼してもなかなかうまくいかない状況
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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違法利用と保護法制(2)
○著作権法と外国コンテンツの保護
a.通常の国の場合 b.台湾の場合
著作権法はコン
テンツの一部し
か保護せず、本
来、外国産のも
のは保護しない
「原公開から
30日以内に当
該国で公開」
(“30日条項”)
すれば
「見なし
保護」
万国著作権条約に
加盟していれば、
加盟国は他の加盟
国の保護コンテン
ツを保護する義務
を負うことになる
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
当該国のもの
として保護さ
れる(準拠法
が当該国法に
なる)
「原公開から
30日以内に当
該国で公開」
(“30日条項”)
しないと
「見なし
保護」
そもそも台湾
で法的保護を
受けられない
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違法利用と保護法制(3)
○万国著作権条約などの著作権関係条約と同様の機能をするも
のを台湾が認めれば、問題は解決
WTO(正確にはTRIPs)
作業部会では、中国と同時期に加盟関連文書が採
択済み(9/18)。11月、ドーハでのWTO閣僚会議で加
盟が承認される見込み。
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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実効ある取締りを実現するための考え方(1)
○これまでの取り組み
<政府機関>
・
文化庁 「
権利の執行に関する協力事業」
・
経済産業省 各種外交折衝での交渉
<民間団体>
・
放番協 海賊版の調査、摘発と認定ビデオ制度
・
民放連 海賊版の摘発(
香港での一斉摘発等)
・
レコ協 海賊版の調査
○取締りを行った時には一定の効果有り
○全体としては、法制度があっても効果は薄い
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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実効ある取締りを実現するための考え方(2)
○取締りをすれば効果有り/やめれば効果無し
∴ 実効ある取締りのためには、
①現地の政府機関に対して取締りを迫る圧力
②現地の海賊版業者に対して侵害行為停止を迫る圧力
の二つを同時にかけ「続ける」ことが必要
∴ 現地における日本のコンテンツ産業界の圧力装置を
低コストで、かつ実効性あるものとして如何に形成するか
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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実効ある取締りを実現するための考え方(3)
○利益代表の2つの「形」
①出張事務所型 ②代理店型
例:類似例としてCACC
(The China Anti-Counter feiting Coalition)
○活動費を全て
本国がもたね
ばならず、経
済的コストが
高い
○外圧としての
色が強く、政
治的コストが
かかる
○代理人に裏切
られることが
なく、安心
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
例:MPAAの対日スキーム
MPAA-MPA-JIMCA
○代理人を上手
くグリップし
ておかないと
裏切られる
○代理人側の自
弁でシステム
が維持される
ので、本国の
経済的コスト
は安い
○外圧色薄く、
政治的コスト
も小さい
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具体的な検討の方向性(とりあえずの結論②)
○実効的な海賊版取締りを実現するために必要な取り組み
として以下を行う
①台湾、中国のWTO(TRIPs)加盟にあわせ、著作権保護関連
の制度整備を進めるよう日本政府として働きかける
②出張事務所型と代理店型とを組み合わせ、低コストで実効的
な海賊版取締りシステムの具体像をまとめる
③コンテンツホルダーが海外市場に進出できるような契約のあ
り方等条件整備を進める
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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もう一つの視点
○外国製コンテンツ(
特にアジア)
の我が国への導入
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外国製コンテンツ(
特にアジア)の我が国への導入
○日本からアジアへの一方通行的進出だけでなく、すでに我が国に
はアジアからのコンテンツの流入が始まっている。これを「コンテン
ツ産業の発展」の観点から積極的に受け止めていくことが必要で
はないか?
参考:
①定着する「アジアンブーム」
89 第一次アジアンブーム(Dick LEE 「
MAD CHINAMAN」が発端)
94 第二次アジアンブーム(王家衛監督「
恋する惑星」が発端)→香港映画ブーム(
94?)
00 第三次アジアンブーム→韓国映画ブーム(
00?)、韓国ファッションブーム(
00?)
②タレントのボーダーレス化
アジア→日本:金城武、ビビアン・スー、ケリー・チャン、フェイ・ウォン、ユン・
ソナ、S.E.S.、(
チューヤン)、(
DOGGY BAG )、他
2001.9.27 経済産業省メディアコンテンツ課
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