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2008(平成20年)5月26日実施 4年次試験 試験科目 泌尿器 No.1 次

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2008(平成20年)5月26日実施 4年次試験 試験科目 泌尿器 No.1 次
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
試験科目
泌尿器
No.1
次の記述から間違っているものを2つ選べ。
(a)泌尿器学は外科学の要素をもち、内科学の要素はもたない。
(b)泌尿器学の専門分野として、代謝学、神経学、感染症学がある。
(c)泌尿器の診療では、小児は扱われず、すべて小児外科が担当する。
(d)泌尿器学は副腎疾患や副甲状腺疾患も扱う。
(e)女性泌尿器学では、尿失禁が重要な課題である。
解答:
解説:
a. c.
過去問にも似たような問題が出てます。太田先生は出すところを言ってくれる
ので、しっかり聞いておくといいと思います。
泌尿器学は、上皮小体亢進症、副腎腫瘍、腎疾患のうち糸球体疾患を除く
もの、慢性腎不全、尿路疾患、男性の生殖器疾患、性ホルモン関連疾患の範
囲で、外科学と内科学の両方を扱う。
また、感染症学、内分泌学、代謝学、男性学、女性学、小児学、移植学、神経
学、生殖器学、腫瘍学などの多彩な専門分野も持つ。
現在女性の慢性疾患有病率1位は尿疾患であり、特に米国では医療費の1
位は尿失禁であり、重要な課題である。
参考文献:
授業プリント
学籍番号:
A05031
氏名:
狩野 俊樹
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
4 年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
2
正しいものを選べ。
a. 癌による人口 10 万人対死亡率は男性が女性の 1.5 倍である。
b. 日本の前立腺癌は男性の部位別癌死亡率の約 20%を占める。
c. 米国では癌死亡率は前立腺癌が 1 位、肺癌が 2 位である。
d. 診療科別医師数では、泌尿器科医は 9%を占める。
e. 男性の尿路疾患では、前立腺肥大が最も多い。
解答:
解説:
a.
a.
○
厚生労働省 HP 平成 18 年人口動態統計 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率
(人口10万対)によると、悪性新生物による死亡率は、男性 321.7 女性 203.2 と、おお
よそ 1.5 倍となっている。
b.
×
約 5%である。(プリント)
c.
×
肺癌が 1 位、前立腺癌が 2 位である。罹患率では前立腺癌が 1 位、肺癌が 2 位である。
(プリント)
d.
×
2%である。(プリント)
e.
?
否定する明確な記述は見つけられませんでした。
プリントによると、高齢化、食事変化による脂質代謝の変化な どから、前立腺肥大症の
患者数は増えてきており、2002 年で 40 万人弱である。
○だと思って テストでもこれを選択してしまったので すが、a.が○っぽいので 選択肢的に
×かなぁと。
はっきりしなくてすいません。
参考文献:
授業プリント
学籍番号:
A05032
氏名:
川田 三四郎
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
試験科目:
No.
泌尿器
3
正しいものを選べ
a. 子宮静脈は尿管の後面を走行する
b. 右精巣静脈は右腎静脈に流入する
c. 腎手術時、腰部斜切開で内腹斜筋が一番表層になる
d. 左右の腎筋膜は正中でつながっている
e. 左腎静脈は下腸管膜動脈の後面を走行する
解答:
d
解説: a ×
子宮静脈も精管も尿管の前面を走行する
b ×
右精巣静脈は下大静脈に直接流入する
c ×
外腹斜筋が一番表層の筋肉
d ○
e
×
左腎静脈は上腸間膜動脈の後面を走行する。左腎静脈が大動脈と上腸間
膜動脈に圧迫される現象をナットクラッカー現象という。
参考文献: 授業プリント ネッター
学籍番号: A05033
氏名:
河村岩成
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
試験科目:
泌尿器科
No.4
腎と連続しない(直接隣接しない)ものはどれか?
1.肝
2.右副腎
3.上行十二指腸
4.下行十二指腸
5.大腸
解答:
解説:
3
解剖の知識です。左の図にあるように、腎臓に接する臓器は肝臓、副腎、
下行十二指腸
そして大腸があります。残った上行十二指腸といえば右図にあるように十二
指腸の一度下がってもう一度上がる部分で、体幹の中心よりやや左側にあ
る部分でしたよね。したがって答えは3になります。
参考文献:
授業プリント「泌尿器科領域とは(太田先生)」
イラスト解剖学
学籍番号: A05034
氏名:
kita
2008(平成20年)5月26日実施
試験科目:
4年次試験
No.
泌尿器
5
尿路結石症の画像診断で、誤っているものはどれか。2つ選べ。
a) 排尿性尿路造影は診断に有用である。
b) 超音波断層画像で音響陰影を伴った高エコー像を呈する。
c) マルチスライスCTによって診断能は向上した。
d) MRIで高信号を呈する。
e) 腎機能は腎シンチグラフィで評価できる。
解答:
解説:
c,d
a)排尿性尿路造影は、ヨード系造影剤を経静脈に投与、その尿路への流れをX線によっ
て検査する方法。尿路全体のスクリーニングが可能で、尿路結石、閉塞性尿路疾患、尿
路奇形、腫瘤性病変に有用である。ただし、造影剤アレルギーに対しては禁忌。
b)超音波断層画像が尿路結石症に対しての、最初のスクリーニング法になる。背部から
探査すると 腎内に存在する2mm以上の結石な ら明らかにできる。高輝度エコーと 、その
後方の音響陰影を見ることが出来る。音響陰影を作る物体としては、結石、骨、ガスなど
があげられる。音響陰影と はその物体が反射および吸収により超音波を強く減衰さ せ、
その背面に生じる低エコー像のことである。
c)CT検査はX線透過性結石(単純X線に写らない:尿酸、キサンチン、シスチン結石)に対
しても有用で、CTに写らない結石はない。
マルチス ライスCTは従来のCTより、呼吸性のartifactを減少させ、任意の方向で三次
元再構築画像の作成を可能にしたもの。特に記述はないが、マルチスライスCTで時間を
かけて診断せずとも、単純CTで十分描写できる。
d)なんと驚き!尿路結石はMRIに描出されない!ちなみにMRU(MR尿路造影)は無機能
腎の水腎症の評価に使える。
e)患側腎機能の評価は腎シンチグラフィで行う。静的検査と動的検査がある。
静的検査は、腎の位置、形態、機能評価。99mTc-DMSAによる。
動的検査は、腎尿路の機能・形態評価。99mTc-MAG3、99mTc-DTPAによる。
参考文献:
STEP 泌尿器科[第2版]、海馬書房、監修:井口正典
授業プリント
学籍番号:
A05035
氏名:
北嶋 諒
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
試験科目:
泌尿器
No.6
前立腺癌の画像診断について正しいものを選べ。
a, 逆行性尿道膀胱造影において膀胱底の圧排を認める。
b, 経腹的超音波断層診断において低エコーである。
c, 胸腹部CTで前立腺内部の病期診断が可能である。
d, MRのT2強調において辺縁部の低信号を認める。
e, PETがスクリーニングに用いることができる。
解答:
解説: 超音波診断では前立腺の場合、経直腸的に行う。
またCTは前立腺外との関連を見るのに用いる。
MRは前立腺疾患では重要で肥大症においてもよく用いられる。
参考文献:
プリント(画像診断), STEP 泌尿器
学籍番号:
A05036
氏名:
木次健介
d
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
7
78歳男性。昨日末発熱(38.2℃)、全身倦怠感、食思不振を主訴に内科を受診した。血液
検査で白血球 12300/mm3 、血清クレアチニン値 8.6mg/dl、血清カリウム 5.6mEq/L、CRP
12.3mg/dl であったため、その後の治療について泌尿器科を紹介された。
理学所見にて下腹部は緊満した状態で直腸指診にて前立腺は著明に腫大し柔らかく触れ
圧痛を認めた。腹部超音波検査にて両側水腎症を認め、膀胱内には大量の尿が溜まって
いた。
まず行うべき処置として正しいものは??2つ選べ。
(a)血液透析
(b)Na交換型樹脂(ケーキサレート)投与
(d)利尿剤投与
(c)尿道留置カテーテル挿入
(e)抗菌剤投与
解答:
c、e
解説;
高熱、白血球↑、CRP↑、前立腺腫大と圧痛より前立腺の炎症かな、と思われる。
急性前立腺炎:突然の高熱、白血球↑などの全身症状が強く現れる。急性前立腺炎の場合、
白く濁ってどろっとした膿尿が出ます。高熱を除くと急性膀胱炎に似た症状
なので注意する。
直腸指診が重要であり有痛性の腫大した前立腺を触れることが出来る。
急性期には菌血症を起こす危険があるので前立腺マッサージや経尿道的
検査は禁忌です。
原因菌は大腸菌が最多である。
なんで処置としては、
eの抗菌剤投与(ニュウキノロンなど)。
また膀胱の尿を放置すると菌が増殖して腎盂腎炎や膀胱炎をおこすのでcの尿道留置カテー
テルを挿入する。
水腎症における緊急処置である。
参考文献:ステップ
学籍番号 A05037 木村 幸嗣
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
O5 年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
8
TUR-P において正しいのはどれか(1つ)
A 灌流液として乳酸リ ンガー液を用いる。
B 閉鎖神経の損傷が起こりやすい。
C 低ナトリ ウム血症になりやすい。
D 尿道ブジ ーは使わない。
E 側臥位で 行う。
解答:
解説:
C
TUR というのは、経尿道的切除術といって、 前立腺肥大症の時にやる手術法で す。 授業で
も、 この手術の結構生々しい動画を見せて くれて、「 ここはテス トに出るとこ」 と言って いたの
で、抑えていたほうがいいポイントだと思いま す。(特に合併症)
TUR は、男性の外尿道口から電気メスと内視鏡を入れていって、 尿道に向かって 隆起してい
る肥大した前立腺をがりがり 削っていくという手術で す。その時もちろん出血して視界が悪くな
って いくので同時に灌流液をいれて 洗い流しながらやりま す。傷ついた静脈に灌流液が吸収
されてしまうので、灌流液はソルビトールで浸透圧を調節したものを使います。(大量に吸収さ
れると水過剰でシ ョッ クにな って しま いま す→TUR 反応)浸透圧を調節しな いと血管に入った
時に溶血してしまうようで す。
A × リンガー液というのは、生理食塩水+αという感じで 電解質を含んでいま す。 この手術
では電気メス を使うため、感電してしま います。
B × 消去法で ×にしました。で も、 ステッ プで は通電によって 閉鎖神経反射が起こることが
あると書いて あります。 損傷も起こりそうで すが…低 Na は確実な ので、よく分かりませんが×
にさせて下さい。
C ○ 合併症に低ナトリウム 血症がありま す。灌流水が吸収されるためで す。
D × 尿道ブジ ーは金属製の尿道を広げるための道具みたいで す。曖昧な 記憶では、 手術
道具が細いからそういうのは必要な いんだみたいな ことを授業で 言って いた気がしま す。
E × 仰向位で行うと思いま す。 ちゃんとした記述は見つけられま せんでしたが、 授業で みた
ビデオでは仰向けで した。
授業で挙げて いた低ナトリ ウム 血症以外の合併症は、 ①出血②尿道括約筋の損傷③感染症④前立
腺の皮膜に穴があく⑤術後出血 でした。
参考文献:ステップ「泌尿器」、授業プリ ント、 ネット
A05038 桐谷桃子
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
05 年次試験
試験科目:
No.
HINYOUKY
9
前立腺肥大の治療として誤っているものを2つ選べ
a CIC(清潔簡潔導尿)
b Ca拮抗薬
c 抗アンドロゲン剤
d 被膜下前立腺摘除術
e 高温度療法
解答:
a&b
解説:
前立腺肥大症・・・ たしかに多い病気かもしれん。
だが我が日本の医学薬学
は世界一ィィィ!治せんことはないイイィーーッ!
<治療方法は以下の通り>
軽症 → αブロッカー、抗アンドロゲン薬を中心とした薬物療法
重症 or 薬物が効かない → 手術(主流は TUR-P。腫瘍が 100g 越えとかだと被膜下
前立腺摘除術。
リスクが高い高齢者には尿道ステント留置)
その他 → 高温度療法(最も低侵襲な治療法の一つ。体内にゼリーを入れ、外から
レーザーをあてて前立腺を蒸散させる(※)。TUR-P ほどは改善しないが楽に行える)
※ちなみに紫外線照射装置ィィは吸血鬼を蒸散させる。
参考文献: 荒木 飛呂彦 著
「朝倉の奇妙な内科学」
学籍番号: A050XX
氏名:
第三部
ルドル・フォン・シュトロハイム
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
4 年次試験
試験科目: 泌尿器
74 歳男性。半年前から、残尿感、排尿困難、夜間頻尿などの症状が出現し、徐々に
憎悪したため泌尿器科を受診した。以下の2問に答えよ。(10、11)
No.
10
初期評価として適切でないものはどれか。
a. PSA (前立腺特異抗原)
b. 残尿測定
c. 検尿、尿沈渣
d. 尿細胞診
e. I-PSS (国際前立腺症状スコア)
解答: d
解説:
残尿感、排尿困難、夜間頻尿な どの症状から、下部尿路の機能障害がおこって いると考
えられるので 、前立腺肥大症の診断法をもと にして、さ らにその中の基本評価項目に注
目してみる。
〈前立腺肥大症、基本評価項目〉
1、 問診 (I-PSS、QOL index)
2、 前立腺触診 (直腸診)
3、 血液尿検査のうち腎機能(血清 Cr)と尿沈渣
4、 尿流測定による最大尿流率(Qmax)と残尿量(RU)
5、 超音波断層法による前立腺推定体積(PV)
さらに、血液検査に前立腺特異抗原(PSA)を追加することが望ましい。
これより、
a.
○
b.
○
c.
○
d.
× 尿細胞診は膀胱癌(=無症候性肉眼的血尿が初発症状に多い。)の疑いのとき
行う。
e.
○
参考文献: 授業プリント(前立腺肥大症)
学籍番号:A05040
氏名:桑子 実由樹
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
試験科目:
4 年次試験
泌尿器
No.11
No.10 続き
放置して進行した場合の病態で正しくないのはどれか。
a.尿閉
b.水腎症
c.溢流性尿失禁
d.膿尿
e.腎性無尿
解答:
解説:
e
a.○ 尿閉と無尿はどちらも尿量が少ない状態である.尿閉は尿意があるのに尿を出せ
ないという症状として認識され,無尿は排尿回数や尿量が少ないという所見として観察さ
れることが多い。尿量減少では,腎前性,腎性,腎後性の原因を鑑別する必要がある.
腎前性・腎性の原因で腎の尿生成が減少し無尿にな ったものは真性無尿とよばれ,一
方,腎盂や尿管の閉塞が原因で膀胱へ尿が流れないものは腎後性無尿(排泄性無尿,
仮性無尿)と表現される。残尿感、排尿困難、夜間頻尿という症状から、本疾患は腎後性
のものであると考えれる。また、残尿感、夜間頻尿があることから無尿と いうよりは尿閉
である。
b.○ 腎臓からの尿の流出がなんらかの原因で障害され,腎盂,腎杯が拡張した状態を
いう。
c.○ 膀胱内に尿が充満した時,膀胱の収縮を伴わずに尿が滴下するように漏れ出て く
る状態。慢性不完全尿閉の際,多量の残尿により膀胱が過度に拡張された時にみられ
る。尿閉となってからも尿管から膀胱への尿流入が続くため膀胱内の圧は膀胱が収縮し
なくても上昇する。その結果,膀胱内圧が尿道抵抗に勝り尿が尿道から溢れ出,尿の漏
れは両者の圧が平衡に達するまで続く。従って常に多量の残尿を有する。下部尿路通過
障害や膀胱の収縮力低下ないし消失が原因となる。
d.○ 尿に炎症性細胞(白血球)が混入し混濁した状態。尿の沈渣所見や白血球エス テ
ラーゼ試験により診断される。細菌尿とともに尿路感染症の主要な所見である。
e.× a での説明参照
参考文献: 今日の診療プレミアム vol.17
学籍番号:
A05041
氏名:
小林慶
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
12
排尿(排出)障害について、正しいものを選べ(1 つ)
a)膀胱の低機能によるものが多い
b)α1遮断薬が効くことが多い
c)尿道機能低下によるものが多い
d)尿道狭窄によるものが多い
e)筋弛緩剤が効くものが多い
解答:
b
解説: この問題は、「排尿困難を主訴として受診する例の多くは前立腺肥大症」ということがわか
らないと解けない問題だと思います。(ただ、この情報は STEP からなのであんまり信用で
きません・・・><)
a)多くの場合は前立腺肥大症なので×
b)前立腺肥大症の標準的治療法がα1A 受容体遮断薬なので○
c)多くの場合は前立腺肥大症なので×
d)「前立腺肥大 → 尿道の機械的閉塞」となるため ちょっと悩みどころで すが、尿道狭窄とは外
傷性、炎症性、先天性といったものが原因となり、前立腺は関係ないので×
e)筋弛緩剤は尿道の過活動に対する治療薬です。確かに、α遮断薬と同じ機能を示しそうではあ
りますが、前立腺にはα1A 受容体が多く発現していることを考えると、やはりα1 遮断薬の方が
効くものが多い気がします。なので×
「多い」とか「少ない」は、いつまでたってもわからないですね。
参考文献:
STEP
授業プリント
学籍番号:
小松の勘
A05042
氏名:
小松和幸
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
13
腹圧性尿失禁について正しいものを1つ選択する
1.抗コリン薬が第一選択である。
2.骨盤底筋体操が術後に有効である。
3.β受容体刺激薬は括約筋を増強する作用があるので有効である。
4.手術は経膣的な尿道縫縮術が行われる。
5.電気刺激や磁気刺激療法の効果は永久である。
解答:
3
解説: 1.抗コリン薬は膀胱の過活動により起こる、過活動膀胱による蓄尿障害に使
われる薬であるため(腹圧性尿失禁に使うこともあるが第一選択薬ではない)
×
2.腹圧性尿失禁の治療として、尿道括約筋を鍛えるために骨盤底筋運動が
行われるが、今回の選択肢では、術後に有効かどうかということなのでそれに
ついて考えれば、まず骨盤底筋運動や薬物療法の効果が見られないときだけ
に手術をおこなうため、手術を受けた後に骨盤底筋運動を行うことは有効でな
いと考えられる よって ×
3.β刺激薬には括約筋を増強する作用があり、授業プリントの書き込みによ
れば、腹圧性尿失禁の第一選択薬として使われているらしい(STEPにはα刺
激薬を使うと書いてあるが・・・)
よって 授業を中心に考えれば ○(少し不安・・3が違うなら答えは2っぽいで
す)
4.経膣的な尿道縫縮術は以前、骨盤臓器脱(膀胱瘤・子宮脱・直腸瘤など)の
治療に使われていたが、術後の再発率が高かったため、本邦では 2005 年か
らメッシュを膣壁下に入れる TVM 手術が施行されるようになっている。つまり
腹圧性尿失禁の治療法ではないため ×
5.磁気刺激療法とは、治療用の機械が設置されたいすに座り、磁気刺激に
よって骨盤底筋群を自動的に運動させて、骨盤底筋群が鍛え、腹圧性尿失禁
の症状を効果的に改善するが、効果は永久ではなく、一回20分くらいの治療
を定期的に受けることが必要である。 ×
参考文献:授業プリント(しお医院 影山 慎二先生) STEP泌尿器科
学籍番号:A05043
氏名: 古宮 裕泰
試験科目:
2008(平成年)月日実施
泌尿器
4 年次試験
No.
14
過活動膀胱について正しいもの選べ
(a)抗コリン薬が第一選択になる
(b)骨盤底筋訓練は効果がない
(c)高齢者での発病は少ない
(d)脳梗塞や脳出血の原因となる
(e)男性では前立腺肥大に合併することもある
解答: (e)
解説:
(a)飲水制限や膀胱訓練によって約 5 割は改善する。限界がある場合は薬物
併用→×
(b)骨盤底筋訓練は行動療法の一つ→×
(c)高齢者によく見られる→×
(d)そのような記述はありませんでした→×
(e)合併することはあるようです。Google で過活動膀胱 合併症で検索したら
ありました。→○
参考文献:
授業プリント、ネット
学籍番号:
44
氏名:
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目: 泌尿器
15
尿路結石促進因子として誤ったものを二つ選べ
a. 尿路感染
b. Mg
c. 蓚酸
d. 長期臥床
e. クエン酸
解答:
解説:
b.e
尿路結石形成促進因子
カルシウム、尿酸、シスチン、リン、尿路感染症、蓚酸、尿流停滞(長期臥床)
尿路結石形成抑制因子
マグネシウム、クエン酸、ピロリン酸、など
よって答えはb、e です。
参考文献: STEP泌尿器 、尿路結石プリント参照
学籍番号: A05045
氏名:
是枝 成美
2008(平成年)月日実施
試験科目:
4年次試験
No.
泌尿器
15
尿路結石を引き起こす因子は?
a. 感染症
b. マグネシウム
c. シュウ酸
d. 長期臥床
e. クエン酸
解答:
解説:
a、c、d
尿路結石の発生に関係する疾患
Ⅰ、高カルシウム血症・尿症を引き起こす疾患
①原発性副甲状腺機能亢進症 ②ビタミンD中毒症 ③体動の制限
④ミルクーアルカリ症候群 ⑤クッシング症候群 ⑥悪性腫瘍
Ⅱ、酵素異常による疾患
①高蓚酸尿症 ②キサンチン尿症 ③ジヒドロキシアデニン尿症
Ⅲ、尿細管の異常による疾患
①腎尿細管性アシドーシス ②シスチン尿症 ③アセタゾラミドの服用
Ⅳ、高尿酸血症を起こす疾患
①原発性高尿酸尿症 ②痛風
Ⅴ、二次結石に関係する疾患
①尿路感染症 ②尿路の閉塞性疾患 ③尿路変向術
Ⅵ、消化器の疾患
Ⅶ、ビタミン不足
○a…感染結石を引き起こす。
×b…結石形成抑制因子である。
○c…高蓚酸尿は蓚酸カルシウム結石を引き起こす。
○d…体動の制限で、高カルシウム血症・尿症を引き起こす。
×e…結石形成抑制因子である。
参考文献: 授業プリント
学籍番号:
標準泌尿器科学
A05065
氏名:
仲村 太一
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
16
尿路結石症で誤っているものを2つ選べ
a)男性の方が尿路結石症になる人が多い
b)下部尿路結石は60歳以降で増加する
c)上部尿路結石は60歳以降で増加する
d)上部尿路結石において、尿酸結石は減少している
e)女性の下部尿路結石で多いのは感染結石である
解答:
c、d
解説:
a)男性の方がはるかに多いです。尿道が長いことからもそのなりやすさが推測できま
す。なので○
b)下部尿路結石は50代あたりからウナギ登りです。これは、高齢者になると、尿勢や
尿量が減って、これまで排斥されてきた8mm 以下の結石すら排尿によって自然排斥
出来なくなるからです。なので○
c)上部尿路結石は20∼59歳に出来るのが半端なく多いですが、そこから一気に下
降線です。上部尿路結石は全て腎臓で作られ、ある日突然その石が尿管に落下する
ことで形成されますが、原因疾患がわかっていないのでなぜ若者に多いのかもよく分
かりません。「お酒を飲む年代だから上部結石も多い」と、ガセビア的に覚えておきま
しょう。
d)授業プリントを虫めがねでよーく見てみましょう。載ってます。
ちなみにそこら辺のポイントとしては
・男女とも、上部下部に関わらず Ca 含有結石がダントツに多い
・上部尿路結石では、男女とも尿酸結石が増加し、感染結石が減少している。
・下部尿路結石では、男は感染結石が減少し、尿酸結石が上昇しているが、女性で
は感染結石が上昇し、尿酸結石はあまり変化していない。
以上より×
e) d)より○
この疫学問題ははっきりしててよかったです。
参考文献: 授業プリント
学籍番号:A05042
氏名:小松 和幸
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
17
尿路結石形成に関係するもので誤っているものを2つ選べ
a)アセタゾラミド
b)アロプリノール
c)ベンズブロマロン
d)チオプロニン
e)インジナビル
解答:
b、d
解説:
即答問題です。
a)尿をアルカリ性にします。一見いいように見えますが、いわゆるアルカリ尿は、リン
酸カルシウム含有結石を作りやすくなります。なので×
b)アロプリノールがキサンチンという尿酸合成に必要な酵素を阻害して、尿酸産生を
抑制します。この薬は尿酸結晶の治療薬として使われます。よって○。
c)尿細管での尿酸の再吸収を抑制します。つまり、尿中に尿酸が多くなるため、結石
をつくります。なので×。
ちなみに、この薬を肝障害が合併している患者に使うと、劇症肝炎を起こす可能性
があるため、高尿酸血症の患者にはアロプリノールが使われています。
d)シスチン結石の再発予防剤です。なので○。
e) HIV プロテアーゼを阻害し、HIV 感染症による結石を抑えるものです。なので×
参考文献: 授業プリント NEW 薬理学
学籍番号:A05042
氏名:小松 和幸
2008(平成20年)5月26日実施
年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
17
尿路結石形成に関与する薬剤として誤っているものを2つ答えなさい
a.アセタゾラミド
b.アロプリノロール
c.ベンゾブロマロン
d.チオプロニン
e.インジナビル
解答:
解説:
b・d
a.アセタゾラミド:緑内障や浮腫の治療薬。リン酸カルシウム結石を誘発。
b.アロプリノロール:尿酸産生抑制剤で高尿酸血症や高尿酸尿症に伴う、尿
酸結石の予防に用いられる。
c.ベンゾブロマロン:尿酸排泄促進剤。尿酸結石を誘発。
d.チオプロニン:尿中シスチン結晶析出阻害。シスチン結石を予防。
e.インジナビル:HIV感染症に用いられる。インジナビル結石を誘発。
結石形成抑制因子・・・クエン酸・マグネシウム
結石形成促進因子・・・カルシウム・尿酸・蓚酸
ただし、一定量のカルシウムは蓚酸とくっついて排泄
を促進するため、高蓚酸尿の治療にはカルシウム製剤が使われる。
尿路結石再発予防薬剤・・・クエン酸製剤、アロプリノール、チオプロニン、サ
イアザイド系利尿薬(←高カルシウム尿におけるカルシウム結石の予防)
参考文献:
授業プリント;尿路結石症の診療
学籍番号:
A05017
氏名:
宇賀村 文
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
4 年次試験
試験科目:
泌尿器科
No. 17
尿路結石形成を促進する薬剤として間違っているものを2つ選べ。
a.アセタゾラミド
b.アロプリノール
c.ベンズブロマロン
d.チオプロニン
e.インジナビル
解答:
解説:
b、d
アロプリノールは尿酸産生抑制をするので、尿酸結石形成抑制
チオプロニンはシスチンを溶解するので、シスチン結石形成抑制
参考文献: 授業プリント
学籍番号:
A05091
氏名:
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
4 年次試験
試験科目: 泌尿器
No. 19
腎移植 7 日後、38℃の発熱と尿量減少がみられた。考えられる原因は何か、2
つ選べ。
1.尿管狭窄
2.腎動脈狭窄
3.急性尿細管壊死
4.急性拒絶反応
5.薬剤腎毒性
解答:
解説:
4,5
腎移植の合併症には以下のようなものがあります。
・手術に関連したもの
・免疫抑制療法に関連したもの
・拒絶反応
それぞれの選択肢をみてみると、
1.尿管狭窄:合併症の一つとして尿路結石が挙げられます。腎移植に関連した発
生機序については、記載がなかったため分かりません。すみません。
2.腎動脈狭窄:移植後数ヶ月経ってから発症する慢性拒絶反応です。詳細なメカ
ニズムは十分に解明されていませんが、動脈内膜の線維細胞性求心性肥厚が生じる
ことによります。
3.急性尿細管壊死:手術に際して、移植片の一時的な虚血状態が原因で生じます。
特に献腎移植に併発することが多いです。
4.急性拒絶反応:移植後 1 週間ほどで出現する、T リンパ球関連型の拒絶反応で
す。間質細胞浸潤、浮腫、尿細管上皮細胞へのリンパ球浸潤を特徴とします。
5.薬剤腎毒性:免疫抑制剤の副作用として、薬物性急性間質性腎炎などが生じま
す。副作用には他に易感染性、悪性腫瘍なども生じる可能性があるため注意が必要
です。
以上より、発症時期、発熱・乏尿という症状から4,5が適当であると思います。
参考文献: 朝倉内科学/3.治療学
腎移植の項
学籍番号
A05049
氏名:
秦佳孝
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
4年次試験
No.20
試験科目:
泌尿器科
腎癌について正しいものを 2 つ選べ。
a.肥満、高血圧、喫煙が発症のリスクファクターと考えられている。
b.Bellini 管癌は遠位尿細管から発生すると考えられている。
c.根治的腎摘除術におけるリンパ節郭清が生存率向上に寄与するエビデンスはない。
d.T1bN0M0 までは腎温存手術のよい適応として推奨されている。
e.サイトカインは転移巣における直接効果および原発巣摘除後の再発予防効果が確認されて
いる。
解答:
解説:
a・c
a. 「腎がん診療ガイドライ ン」より、肥満、喫煙はリス クファクタ ーで間違いないで す。高
血圧も腎癌発生のリスクに関係しているようです。よって○。
b. Bellini 管癌は集合管から発生すると考えられているそうです。(ステッドマン)
c. 「『腎がん診療ガイドライン[CQ10]根治的摘除術において リンパ節郭清は推奨される
か?』
遠隔転移がなくリンパ節腫大がみとめられない場合(T1-3N0M0)はリンパ節転移の可能
性は非常に低く、リンパ節郭清術の生存率向上に対する評価は困難である。リンパ節転
移が疑われた場合(T1-4N1-2M0)はリンパ節郭清術により正確な診断および生存率向
上の可能性がある。」とプリントにあるのでおそらく「エビデンスはない」は○でしょう。
d. 「腎温存手術」が腎部分切除術であるとすると、この方法は腫瘍径4cm以下(T1a)の
腎癌症例に対する標準的な術式として奨励さ れるそうで す。適応の原則はリンパ節・遠
隔転移がない(N0M0)こと。T1b は腫瘍径が 4.0cm をこえるので、たぶん正しくないと思い
ます。
e. サイトカイン(インターフェロン)は原発巣、再発巣、転移巣など現存病巣に対して行わ
れますが、腎摘除術後の再発予防のための補助療法には推奨されません(予防効果が
証明されていません)。よって×です。
参考文献:
授業プリント「腎細胞癌」08 年 4 月 28 日
ステッドマン医学大辞典 改訂第 6 版(電子辞書)
腎がん診療ガイドライン(ホームページ)
学籍番号:
A05050
氏名:
鈴木 亮介
2008(平成年)5 月日実施
4 年次試験
試験科目:泌尿器
No.21
腎癌の組織分類に含まれないものはどれか。
a) 淡明細胞癌
b)
・・・
c) 嫌色素細胞癌
d) 紡錘細胞癌
e) 乳頭状癌
解答:
b
解説:
腎癌の組織学的分類(腎癌取り扱い規約第 3 番)
悪性―腎細胞癌
良性―腺腫
淡明細胞癌
乳頭状/管状乳頭状腺腫
顆粒細胞癌
集合管癌(Bellini 管癌)
後腎性腺腫
嫌色素細胞癌
紡錘細胞癌
嚢胞随伴性腎細胞癌
嚢胞由来腎細胞癌
嚢胞性腎細胞癌
乳頭状腎細胞癌
参考文献:プリント(腎細胞癌)
すみません。bの選択肢がメモ書きから解読不能でした。
そのほかの選択肢は、プ
リント中の腎癌の分類中にあったので、解答はbでいいと思います。
学籍番号:A05051
氏名:関川
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
試験科目:
No.
泌尿器
22
腎癌について正しいものを2つ選べ。
a 嚢胞腎による腎不全の透析患者に腎癌が多い。
b 年齢では 50∼70 歳代が多く、性別では男性に多い。
c 腫瘍血栓を有する腎癌の手術は転移があっても推奨する。
d 骨転移巣に対するサイトカインの効果は悪いため化学療法を行う。
e 分子標的薬の有用性が示されている。
解答:
解説:
a ×
b e
多発性嚢胞腎で透析を受けている人に腎癌の発生が多いかと言うと、慢性糸球
体腎炎で透析を受けている人と同様に、腎癌の心配はあまりない。
b ○
男性:女性=2.0∼2.5:1で男性に多い。また、腎癌発生のピークは 70 歳代であ
る。
c ×
腫瘍血栓摘除術が推奨されるのは、リンパ節、遠隔転移を有さず(N0M0)腫瘍
が一括切除できる大きさと部位にあるとき。
d ×
腎癌の転移巣に対するインターフェロン α は近接効果、非生存進行率、全生存
率全てに関して有効である。
e ○
参考文献:
進行腎癌でサイトカイン療法無効例に対し、分子標的薬の投与が有効である。
腎細胞癌のプリント ネット
学籍番号:
A05052
氏名:
瀬野尾
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
試験科目:
No.
泌尿器
23
PSA12.4ng/ml 生検で前立腺癌と診断された。病期診断で不適切なものを2つ
選べ。
1.胸腹部 CT
2.後腹膜リンパ管造影
3.骨シンチグラフィ
4.骨盤部 MRI
5.排泄性尿路造影
解答:
解
3.は骨盤内リンパ節への転移
説:
4.は骨転移の診断に有用なので○でしょう。
1. 2.
5.は、癌で尿道に浸潤が及んだとき尿道のギザギザ像、陰影欠損などが見
られるよう
なので○でいいと思います。
よって、不適切なのは1.2.と判断。
A05053 曽根雄一郎
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
24
前立腺癌のラテント癌について正しい記述はどれか。
1.転位巣の症状で死亡し、死後の剖検で初めて前立腺癌と診断される。
2.ほとんどが T3 以上の症例で、Gleason score も高い
3.前立腺肥大症として手術されて診断される前立腺癌も含まれる。
4.高齢者に頻度が高く、50 歳以上で 20-30%として報告されている。
5.前立腺(PSA)検診を推進する根拠として重要視されている。
解答:
解説:
4
ラテント癌は、「何らかの原因で死亡し、死後の剖検で初めて前立腺癌と診断
される癌」を示す。
1.死亡の原因は転位巣とは限らないため、×
2.ラテント癌は緩やかに進行し、臨床癌となるのは一部にとどまるため、×
3 . 良性 疾 患 と し て手 術 さ れ、 癌 と診 断 さ れた もの は ラ テン ト 癌 で な く 、
incidental carcinoma(偶発癌)となるため、×
4.ラテント癌は加齢に伴い増加し、50歳以上には約20−30%に認められ
る。そのため、○
また、ラテント癌は臨床癌とは異なり、罹患率に人種差が認められない。
5.ラテント癌は緩やかに進行し、臨床癌になるのは一部にとどまるため、
PSA 検診を推進する根拠とはなりにくいと考える。
そのため、×
また、ラテント癌の性質に、「現在の臨床的な診断手法では診断でき ない
ような小さい癌」という記述もあるため、そもそも PSA の測定でラテント癌
はみつからないと思われる。
参考文献:
前立腺癌診療ガイドライン
学籍番号:
A05054
氏名:
高嶋浩嗣
2008(平成 20 年)5月 26 日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
25
前立腺癌の根治療法を前提とした PSA 監視療法の対象を2つ選ぶ。
1. PSA 15ng/ml
2. Gleason score 4+4
3. 病期 T2a
4. 47 歳
5. 両葉 positive core
4/4,3/4
解答:
1,3
解説:
○前立腺癌の待機療法
・待機遅延内分泌療法…二次治療として内分泌療法を想定したもの。
・PSA 監視療法…放射線療法や手術療法等の根治療法を二次治療として考えるもの。
○前立腺癌診療ガイドライン2006年版
待機療法【CQ3】
根治療法を前提とした PSA 監視療法の対象となるような症例はどのような症例か?
【推奨グレード B】
Gleason スコアが 6 以下で PSA が 20ng/ml 以下,臨床病期 T1-2 の場合には根治療法を前
提とした PSA 監視療法の対象になりうる。
PSA 監視療法を選択する際には期待余命も重要な因子であり,期待余命が 15 年以上あるよ
うな場合の PSA 監視療法の適応については慎重に考えるべきである。また適応を考える際
には針生検での癌の広がり(生検の陽性本数が 2 本以下)を考慮の対象にしている報告も認
められる。
参考文献:
・前立腺癌診療ガイドライン2006年版
日本泌尿器科学会/編
―http://minds.jcqhc.or.jp/0032_ContentsTop.html
(医療情報サービス Minds)でガイドラインの全文を見ることができます。
・2007 年 No.35 の解説
―Gleason score、両葉 positive core について、とても参考になりました。
学籍番号:
A05055
氏名:
高橋 七緒
2008(平成20年)5月26日実施
4年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
26
52 歳男性。社内検診で超音波断層検査により、右腎下外側に径2cmの単発、充実性腫瘍を指
摘され泌尿器科を受診。血清クレアチニン値は0.8mg/dlで、左腎に異常はな い。この疾患につ
いて正しいものを選べ。ただし、選択肢は1つか2つとする。
a. 腹部血管造影は必須である。
b.
部分切除をすると、5年疾患特異生存率は根治的腎摘除よりも20%低下する。
c.
肺に2cmの転移巣がある場合は腎摘除の対象とならない。
d.
病変径2cmで転移巣がなければ(N0M0)、IFN療を 12 ヶ月行うことによって、患者の5年
疾患特異生存率は20%上昇する。
e.
CTで副腎に異常が認められなければ、右副腎を必ずしも取らなくてよい。
解答:
解説:
e
a.プリントには造影CTとかいてありましたが、血管造影とは書いてありませんでした。
ネットで詳しく調べてみたところ、まずエコー、造影CT、それで分からなければMRI
の順序で検査を行い、血管造影は補足的な検査だそうです。よって×。
b.腫瘍径が4cm以下の腎癌症例に対しては部分切除も根治的腎摘除も同じような
生存率である。よって×。
c.腎細胞癌の場合、転移があってもとりあえず腎摘除をする。されにPS良好で転移
巣が肺・副腎などでは転移巣に対する外科的治療によって生存率の延長が期待さ
れる。よって×。
d.IL-2 や IFNαの単独療法 が研究されているが、5年疾患特異生存率は20%も上
昇しない。よって×。
e.推奨グレードC1だが、腎上極の大きな腫瘍の場合、副腎摘除が推奨される。副腎
のみへの浸潤、転移を有する腎癌症例の副腎合併摘除後の長期予後が、浸潤や転
移のない限局癌症例とほぼ同じという報告もある。その一方で、最近では術前の画
像評価により、副腎への浸潤、転移の明らかな所見がなければ副腎摘除はしない傾
向にある。よって○。
参考文献:授業プリント 愛媛大学医学部 泌尿器科
http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/urology/html/desease/zin_cancer.html
学籍番号:A05056
氏名: 高本 尚弘
2008(平成 20 年)5 月 28 日実施
4 年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
27
腎盂尿管癌の治療について。 正しいもの1つ or2つ
a.腎盂癌に対する標準的手術として腎摘出術が推奨される
b.表在性での単発下部尿管癌では、尿管部分切除が推奨される
c.進行性腎盂尿管癌では化学療法が推奨される
d.初発、単発、T1 腎盂癌は内視鏡的切除が推奨される
e.浸潤性腎盂尿管癌は neoadjuvant 化学療法が推奨される
解答: b. e.
解説:
腎盂尿管癌の治療指針を載せます。(講義プリントより)
標準的治療
1.腎尿管全摘除術+尿管口周囲の膀胱部分切除術
2.尿管部分切除術(表在性癌、下 1/3 の尿管)
臨床的検討中
1.電気メスによる切除・凝固またはレーザー凝固(表在性癌)
2.腎温存手術(部分切除術、腎管鏡または経皮的切除・凝固・レーザー破
壊)(単腎例、腎機能障害例)
3 . 腎 盂 内 ま た は 尿 管 内 注 入 療 法 ( 抗 癌 剤 の thiotepa 、 mitomycin 、
doxorubicin または免疫療法の BCG)
4.レーザー蒸散・凝固
a.× 選択肢的には微妙…尿管まで取ってほしいので×にした。
b.○ 表在性かつ下部尿細管である。
c.× 化学療法についての言及がないので×。
d.○ Low grade の腎盂癌には、腎尿細管全摘除術、または内視鏡手術が標
準。
e.× c.と同じ理由で×とした。
プリントに腎盂尿路癌のコトはちょろっとしか書いてありませんでした(×_
×)
参考文献:
授業プリント(尿路上皮癌(2 枚目のプリント))
学籍番号:
A05089
氏名:
宮津隆裕
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
4 年次試験
試験科目: 泌尿器
No.28
EAU のガイドライン、NCCN のガイドラインなど海外の膀胱癌ガイドラインにおいて、表
在性膀胱癌の再発リスクを評価する因子で不適切なものを1つ or2つ選べ
a.腫瘍の大きさ b.腫瘍の発生部位 c.腫瘍の数 d.CIS の合併
e.喫煙係数(=1 日の本数×年数)
解答:b, e
解説:尿路上皮癌の授業プリントに
Guidelines on Bladder Cancer/EAU-Prognostic factors for recurrence(膀胱癌ガイドライン/EAU-再発の予測因子-)
が載っていました。それによると
・Low-risk tumours: single,Ta,G1,≦3cm diameter
・Intermediate: all other tumours,Ta-1,G1-2,multifocal,>3cm diameter
・High risk tumours: T1,G3,multifocal or highly recurrent,CIS(TIS)
とあり、腫瘍の大きさ、腫瘍の数、CIS の合併が表在性膀胱癌の再発のリスク因子で
ある。
腫瘍の発生部位、喫煙係数については特に書かれていませんでした。
参考文献:授業プリント、2007 年度 No.21
学籍番号:A05058
氏名:田代 傑
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
4 年次試験
No.
試験科目:
泌尿器
29
膀胱癌に関して、正しいものを一つか二つ。
a.低リスク表在性膀胱癌では、再発予防として BCG の術直後(24 時間以内)単回
注入が推奨される。
b.表在性膀胱癌では浸潤性膀胱癌と比べ腎盂尿管への再発はほとんどない。
c.2ndTURBT は初回 TURBT 後の病理結果で高リスク表在性膀胱癌に対し推奨さ
れる。
d.膀胱全摘除術の尿路変向術では、尿管皮膚瘻が QOL がいいため最も多く施行
されている。
e.浸潤性膀胱癌に対する neoadjuvant 療法は予後を改善するデータがあり、国際
的に追試されている。
解答:
解説:
e?
a.× BCG は単回注入ではなく、維持注入みたいです。
b.? 表在性膀胱癌で腎盂尿管への再発が少ないのは正しいようで
す。ただ浸潤性膀胱癌と比べてというと…?よくわかりません。
逆に腎盂癌や尿路癌があったとき、膀胱癌の合併は多いそうです。
c.? 2ndTUR に対する考え方①多発・大きい腫瘍②病理組織結果で
筋層が出ていない場合③high grade Ta/T1 腫瘍…とプリントにありま
した。が、よくわかりません。
d.× 古くから行われている術式ですが、カテーテルを留置し定期的
に交換しなければならないことや腎機能障害が進行しやすいことか
ら、あまり行われていません。
e.○ 結論は得られていないものの、予後を改善するデータがあり追
試されているようです。
授業で何か言っていたのかもしれませんが、残念ながら聞いていなか
ったのでわかりません。
不明な点が多くてすみません;
参考文献:
授業プリント、ネット
学籍番号:A05059
2008(平成 20 年)5 月 26 日実施
試験科目:
泌尿器
04年次試験
No.
30
正しいものを1つか2つ選べ
(a)anti-Androgen withdrawal syndrome は MAB 療法抵抗性に見られる現象のため PSA 上昇時に
は確認が必要
(b)MAB 療法抵抗例に対して LHRH 製剤を別の LHRH 製剤に変更する交換療法の有効性が認め
られている。
(c)リンパ節転移が片側の閉鎖神経節のみなら、前立腺癌に対する手術療法の適応はある。
(d)MAB 療法では、ステロイド性抗アンドロゲン剤の使用が予後に良好のため推奨される。
(e)ホルモン抵抗性の進行性前立腺癌に対する化学療法の効果は不良のため、積極的には推奨
しない。
前立腺がん 大園
解説:
解答:
a、c
MAB 療法・・・去勢(LHRH によるテストステロンのダウンレギュレーション or 精巣摘除)
と抗アンドロゲン剤により、精巣と副腎由来両方のアンドロゲンを抑制する
a○(?) 抗アンドロゲン剤をしばらく投与していると、アンドロゲンレセプタ ーが抗アン
ドロゲン剤をアゴニストとして認識、抗アンドロゲン剤が効かなくなり PSA が上昇してく
るが、抗アンドロゲン剤を中止すると PSA 値が減少する。これが AWS。
てことで、MAB 療法抵抗性の定義がよく分かりませんが、最初から MAB が効かないっ
てことなら問題文が意味をなさず×、抵抗性を獲得して PSA が上がってきたってことな
ら、使用中止してPSA下がるかの確認は必要。○。ちなみに 40%くらいの人が使用中
止でPSA↓
問題文があいまいで教授もろともチンカス
b× LHRH の交換療法なんてきいたことないです。MAB 中に抗アンドロゲン剤が効か
なくなったら一旦 AWS、それでまた PSA 上がってきたら他の抗アンドロゲン剤試すこと
はあります。
フルタミド→ビカルタミドとか
c○ 骨盤内リンパ節転移(D1)リンパ転移があったら基本はホルモン療法
ですが、リンパ転移が軽ければ、根治的摘除術とホルモンの組み合わせで 5 年生
存率93%だったりします。
d× ステロイド性はさっぱり効きません。非ステロイド性なら効く
e× まだエ ビデンスが揃って ませんが、パクリタ キセルやドセタ キセルな どの化学療
法が腫瘍縮小効果やPSA減少を示す報告あります。効果が不良ってことはない。
参考文献:授業プリント、ハリソン、ネット(名大ウロ教授)
学籍番号: A05039
氏名:
きんじょう
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